(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114961
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】温度感知装置
(51)【国際特許分類】
G01K 7/25 20060101AFI20230810BHJP
【FI】
G01K7/25 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094390
(22)【出願日】2022-06-10
(31)【優先権主張番号】10-2022-0015350
(32)【優先日】2022-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】507098483
【氏名又は名称】ヒュンダイ・モービス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バン タエ ホ
【テーマコード(参考)】
2F056
【Fターム(参考)】
2F056RA06
2F056RA08
(57)【要約】
【課題】本発明は、温度感知装置に関する。
【解決手段】本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置は、第1抵抗および第1温度センサを含む第1電圧生成部と、制御電圧を生成する第2電圧生成部と、前記第1抵抗と並列連結され、前記制御電圧に基づいて前記第1温度センサに印加される電圧を調節する電圧調節部と、前記第1温度センサに印加される電圧に基づいて温度を感知するコントローラとを含み、前記第1温度センサは、温度が電圧に変換される素子であることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1抵抗および第1温度センサを含む第1電圧生成部と、
制御電圧を生成する第2電圧生成部と、
前記第1抵抗と並列連結され、前記制御電圧に基づいて前記第1温度センサに印加される電圧を調節する電圧調節部と、
前記第1温度センサに印加される電圧に基づいて温度を感知するコントローラとを含み、
前記第1温度センサは、温度が電圧に変換される素子である、温度感知装置。
【請求項2】
前記電圧調節部は、
第2抵抗およびスイッチを含むことを特徴とする、請求項1に記載の温度感知装置。
【請求項3】
前記スイッチは、前記制御電圧により動作が制御されることを特徴とする、請求項2に記載の温度感知装置。
【請求項4】
前記第2電圧生成部は、
前記スイッチに印加される前記制御電圧を生成することを特徴とする、請求項2に記載の温度感知装置。
【請求項5】
前記スイッチは、MOSFET、BJTおよび回路のon/offを制御可能なスイッチの少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする、請求項2に記載の温度感知装置。
【請求項6】
前記第2電圧生成部は、
第3抵抗および第2温度センサを含み、
前記第2温度センサは、温度が電圧に変換される素子であることを特徴とする、請求項1に記載の温度感知装置。
【請求項7】
前記第2電圧生成部は、
前記第2温度センサに印加される電圧に基づいて前記電圧調節部を制御することを特徴とする、請求項6に記載の温度感知装置。
【請求項8】
前記第1温度センサおよび前記第2温度センサは、近接して配置されることを特徴とする、請求項6に記載の温度感知装置。
【請求項9】
前記コントローラは、
前記第2温度センサに印加される電圧に基づいて温度を感知することを特徴とする、請求項6に記載の温度感知装置。
【請求項10】
前記第1抵抗および前記第3抵抗は、抵抗値が同一であることを特徴とする、請求項9に記載の温度感知装置。
【請求項11】
前記コントローラは、
所定の区間では、前記第2温度センサに印加される電圧に基づいて温度を感知し、前記所定の区間以外の区間では、前記第1温度センサに印加される電圧に基づいて温度を感知することを特徴とする、請求項9に記載の温度感知装置。
【請求項12】
前記第2電圧生成部は、
臨界温度で前記電圧調節部を制御して、前記第1温度センサに印加される電圧の大きさを高めることを特徴とする、請求項1に記載の温度感知装置。
【請求項13】
第1抵抗と、
前記第1抵抗と直列連結される第1NTC抵抗と、
前記第1抵抗と並列連結されるスイッチと、
前記第1抵抗と並列連結され、前記スイッチと直列連結される第2抵抗と、
前記スイッチに印加される分配電圧を生成する第3抵抗および第2NTC抵抗と、
前記第1NTC抵抗に印加される第1電圧に基づいて温度を感知するコントローラとを含む、温度感知装置。
【請求項14】
前記第1抵抗および前記第3抵抗は、抵抗値が同一であることを特徴とする、請求項13に記載の温度感知装置。
【請求項15】
前記スイッチは、
前記分配電圧が既定値以下である場合、短絡されることを特徴とする、請求項13に記載の温度感知装置。
【請求項16】
前記スイッチが短絡されると、
前記第1抵抗および前記第2抵抗の合成抵抗と前記第1NTC抵抗は、直列連結されることを特徴とする、請求項13に記載の温度感知装置。
【請求項17】
前記第3抵抗の抵抗値は、
臨界温度で前記スイッチを短絡させるように設定されることを特徴とする、請求項13に記載の温度感知装置。
【請求項18】
前記第1NTC抵抗および前記第2NTC抵抗は、近接して配置されることを特徴とする、請求項13に記載の温度感知装置。
【請求項19】
前記コントローラは、
前記第2NTC抵抗に印加される第2電圧に基づいて温度を感知することを特徴とする、請求項13に記載の温度感知装置。
【請求項20】
前記コントローラは、
第1温度以下である場合または第2温度を超える場合には、前記第1電圧に基づいて温度を感知し、前記第1温度超且つ第2温度以下の場合には、前記第2電圧に基づいて温度を感知することを特徴とする、請求項19に記載の温度感知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書に開示されている実施形態は、温度感知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両関連技術の飛躍的な発展に伴い、最近発売される車両には、ABS、EPS、ADASなど、様々な電装機能を制御するための数十の制御器が搭載されている。
【0003】
一般的に、温度センサの出力は、車両内の装置の動作を決定する重要な要素である。したがって、温度センサの正確性は、車両関連会社の重要な要求事項の一つである。また、車両機能安全要求事項を満たすためには、それぞれの回路の故障を判別可能であるか否かが重要である。
【0004】
温度センサには、NTC(Negative Temperature Coefficient of resistance)が一般的に使用される。NTCは、温度に応じて抵抗値が変更されるため、抵抗分配回路を構成し、温度に応じてNTCにかかる電圧を基準に温度を感知することができる。しかし、NTCは、温度による抵抗値が非線形的に変化し、高温区間では抵抗値の変化が大きくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本文書に開示されている実施形態の一目的は、温度をすべての区間において正確に感知する温度感知装置を提供することである。
【0006】
本文書に開示されている実施形態の一目的は、NTCが高温区間で抵抗値の変化が大きくないことから発生する高温区間での温度感知正確度の低下を防止することができる温度感知装置を提供することである。
【0007】
本文書に開示されている実施形態の一目的は、温度センサの故障を判断することができる温度感知装置を提供することである。
【0008】
本文書に開示されている実施形態の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は、以下の記載から、当業者が明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置は、第1抵抗および第1温度センサを含む第1電圧生成部と、制御電圧を生成する第2電圧生成部と、前記第1抵抗と並列連結され、前記制御電圧に基づいて前記第1温度センサに印加される電圧を調節する電圧調節部と、前記第1温度センサに印加される電圧に基づいて温度を感知するコントローラとを含み、前記第1温度センサは、温度が電圧に変換される素子であることができる。
【0010】
一実施形態において、前記電圧調節部は、第2抵抗およびスイッチを含むことができる。
【0011】
一実施形態において、前記スイッチは、前記制御電圧により動作が制御されることができる。
【0012】
一実施形態において、前記第2電圧生成部は、前記スイッチに印加される前記制御電圧を生成することができる。
【0013】
一実施形態において、前記スイッチは、MOSFET、BJTおよび回路のon/offを制御可能なスイッチの少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0014】
一実施形態において、前記第2電圧生成部は、第3抵抗および第2温度センサを含み、前記第2温度センサは、温度が電圧に変換される素子であることができる。
【0015】
一実施形態において、前記第2電圧生成部は、前記第2温度センサに印加される電圧に基づいて前記電圧調節部を制御することができる。
【0016】
一実施形態において、前記第1温度センサおよび前記第2温度センサは、近接して配置されることができる。
【0017】
一実施形態において、前記コントローラは、前記第2温度センサに印加される電圧に基づいて温度を感知することができる。
【0018】
一実施形態において、前記第1抵抗および前記第3抵抗は、抵抗値が同一であることができる。
【0019】
一実施形態において、前記コントローラは、所定の区間では、前記第2温度センサに印加される電圧に基づいて温度を感知し、前記所定の区間以外の区間では、前記第1温度センサに印加される電圧に基づいて温度を感知することができる。
【0020】
一実施形態において、前記第2電圧生成部は、臨界温度で前記電圧調節部を制御して、前記第1温度センサに印加される電圧の大きさを高めることができる。
【0021】
本文書に開示されている他の実施形態による温度感知装置は、第1抵抗と、前記第1抵抗と直列連結される第1NTC抵抗と、前記第1抵抗と並列連結されるスイッチと、前記第1抵抗と並列連結され、前記スイッチと直列連結される第2抵抗と、前記スイッチに印加される分配電圧を生成する第3抵抗および第2NTC抵抗と、前記第1NTC抵抗に印加される第1電圧に基づいて温度を感知するコントローラとを含むことができる。
【0022】
一実施形態において、前記第1抵抗および前記第3抵抗は、抵抗値が同一であることができる。
【0023】
一実施形態において、前記スイッチは、前記分配電圧が既定値以下である場合、短絡されることができる。
【0024】
一実施形態において、前記スイッチが短絡されると、前記第1抵抗および前記第2抵抗の合成抵抗と前記第1NTC抵抗は、直列連結されることができる。
【0025】
一実施形態において、前記第3抵抗の抵抗値は、臨界温度で前記スイッチを短絡させるように設定されることができる。
【0026】
一実施形態において、前記第1NTC抵抗および前記第2NTC抵抗は、近接して配置されることができる。
【0027】
一実施形態において、前記コントローラは、前記第2NTC抵抗に印加される第2電圧に基づいて温度を感知することができる。
【0028】
一実施形態において、前記コントローラは、第1温度以下である場合または第2温度を超える場合には、前記第1電圧に基づいて温度を感知し、前記第1温度超且つ第2温度以下の場合には、前記第2電圧に基づいて温度を感知することができる。
【発明の効果】
【0029】
本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置は、すべての区間において温度を正確に感知することができる。
【0030】
本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置は、高温区間でNTC抵抗値の変化が大きくなくて発生する温度感知正確度の低下の問題を防止することができる。
【0031】
本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置は、一つのNTCまたは当該NTCが含まれた回路が故障した場合にも、他のNTCを使用して温度を感知することができ、当該回路の故障を判断することができる。
【0032】
本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置は、MCUの制御信号なしに回路自体だけの動作で高い温度感知正確度を維持することができる。
【0033】
その他、本文書により直接または間接に把握される様々な効果が提供されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置を示すブロック図である。
【
図2】本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置を示す図である。
【
図3】温度に応じてNTCに印加される電圧の変化を示す図である。
【
図4】本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置において複数のNTCに印加される電圧の変化を示す図である。
【
図5】本文書に開示されている他の実施形態による温度感知装置において複数のNTCに印加される電圧の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本文書に開示されている実施形態について例示的な図面により詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付けるに際し、同じ構成要素に対しては、異なる図面上に表示されていても、できるだけ同じ符号を有するようにしていることに留意すべきである。また、本文書に開示されている実施形態を説明するに際し、関連する公知の構成または機能に関する具体的な説明が本文書に開示されている実施形態に関する理解を妨げると判断した場合には、その詳細な説明は省略する。
【0036】
本文書に開示されている実施形態の構成要素を説明するに際し、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであって、その用語によって当該構成要素の本質や順番または手順などが限定されない。また、他に定義されていない限り、技術的もしくは科学的な用語をはじめ、ここで使用されるすべての用語は、本文書に開示されている実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般的に理解されることと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的もしくは過剰に形式的な意味に解釈されない。
【0037】
図1は本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置を示すブロック図である。
【0038】
図1を参照すると、本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置100は、第1電圧生成部110と、電圧調節部120と、第2電圧生成部130と、コントローラ140とを含むことができる。
【0039】
第1電圧生成部110は、第1抵抗および第1温度センサを含むことができる。例えば、第1温度センサは、温度が電圧に変換される素子であることができる。他の例としては、第1温度センサは、第1NTC抵抗を含むことができる。他の例としては、第1温度センサは、温度に応じて抵抗値が変化することができる。他の例としては、第1抵抗および第1温度センサは直列連結されることができる。また、第1電圧生成部110は、第1抵抗および第1温度センサによって分配される電圧を供給するための電源を含むことができる。例えば、電源は、5Vを第1抵抗および第1温度センサに供給することができる。この場合、第1抵抗および第1温度センサは、電源から供給される電圧を分配することができる。実施形態によって、コントローラ140は、第1温度センサに印加される電圧の入力を受けることができる。
【0040】
電圧調節部120は、第1抵抗と並列連結されることができる。例えば、電圧調節部120は、第1温度センサに印加される電圧を調節することができる。他の例としては、電圧調節部120は、第2抵抗およびスイッチを含むことができる。実施形態によって、スイッチが短絡される場合、第2抵抗は第1抵抗と並列連結されることから合成抵抗が形成されて、第1温度センサにより高い電圧が印加されることができる。他の実施形態によって、スイッチが開放される場合、第2抵抗は第1抵抗と合成抵抗を形成しないことから、第1温度センサと第1抵抗が直列連結された既存回路が形成されることができる。一実施形態において、スイッチは、第2電圧生成部130で生成された電圧の印加を受けて動作することができる。一実施形態において、スイッチは、MOSFET、またはBJTなどを含む回路のon/off制御が可能なスイッチを含むことができる。
【0041】
第2電圧生成部130は、制御電圧を生成することができる。例えば、第2電圧生成部130で生成された制御電圧は、電圧調節部120に含まれたスイッチに印加されることができ、電圧調節部120に含まれたスイッチは、制御電圧に基づいて動作することができる。
【0042】
第2電圧生成部130は、第3抵抗および第2温度センサを含むことができる。例えば、第2温度センサは、温度が電圧に変換される素子であることができる。他の例としては、第2温度センサは、第2NTC抵抗を含むことができる。第2温度センサは、温度に応じて抵抗値が変化することができる。一実施形態において、第2電圧生成部130は、第3抵抗および第2温度センサによって分配される電圧を供給するための電源を含むことができる。例えば、電源は、5Vを第3抵抗および第2温度センサに供給することができる。この場合、第3抵抗および第2温度センサは、電源から供給される電圧を分配して制御電圧を生成することができ、生成された制御電圧は、電圧調節部120に含まれたスイッチに印加されることができる。一実施形態において、第2電圧生成部130は、臨界温度で電圧調節部120を制御して、第1温度センサに印加される電圧の大きさを高めることができる。
【0043】
一実施形態において、制御電圧は、第2温度センサに印加される電圧であることができる。例えば、第2電圧生成部130は、第2温度センサに印加される電圧に基づいて電圧調節部120を制御することができる。他の例としては、第2電圧生成部130は、第2温度センサに印加される電圧を電圧調節部120に含まれたスイッチに印加することで、スイッチの動作を制御することができる。実施形態によって、温度が高くなる場合、第2温度センサの抵抗値は小さくなることができ、したがって、第2温度センサに印加される電圧である制御電圧の大きさが小さくなることができ、スイッチが短絡されることができる。
【0044】
一実施形態において、第3抵抗の大きさは、抵抗調節部120に含まれたスイッチを短絡させる温度に応じて設定されることができる。例えば、設定温度でスイッチを短絡させるものと決定された場合、スイッチを短絡させるための電圧値、設定温度で、第2温度センサの電圧値、第1電圧生成部110および第2電圧生成部120に含まれた電源の電圧値に基づいて第3抵抗の大きさは設定されることができる。
【0045】
一実施形態において、第1電圧生成部110に含まれた第1温度センサおよび第2電圧生成部130に含まれた第2温度センサは、近接して配置されることができる。例えば、第1温度センサおよび第2温度センサは、温度が互いに同一であるように、近接して配置されることができる。実施形態によって、第1温度センサおよび第2温度センサは、1cm以下の距離を有するように配置されることができる。
【0046】
一実施形態において、第1抵抗および第3抵抗は、抵抗値が同一であることができる。例えば、第1抵抗および第3抵抗が同じ抵抗値を有する場合、第1抵抗と第1温度センサを介して分配される分配電圧および第2抵抗と第2温度センサを介して分配される分配電圧は互いに同じ値を有することができる。
【0047】
コントローラ140は、第1温度センサに印加される電圧に基づいて温度を感知することができる。例えば、温度が高くなる場合、第1温度センサの大きさが小さくなって第1温度センサに印加される電圧の大きさは小さくなり、温度が低くなる場合、第1温度センサの大きさが高くなって第1温度センサに印加される電圧の大きさは大きくなることから、コントローラ140は、第1温度センサに印加される電圧の大きさに基づいて温度を感知することができる。一実施形態において、コントローラ140は、MCUまたはECUを含むことができる。
【0048】
実施形態によって、設定温度以上に温度が増加する場合、第2電源生成部130でスイッチを短絡させる制御電圧を生成することができ、制御電圧の印加を受けたスイッチは、短絡されることができる。スイッチが短絡されると、第2抵抗は、第1抵抗と合成抵抗を形成することができ、第1温度センサに連結された抵抗の大きさが小さくなって第1温度センサに印加される電圧の大きさが大きくなることができ、したがって、コントローラ140は、設定温度以上で正確に温度を感知することができる。すなわち、コントローラ140は、高温でも第1温度センサに印加される電圧の大きさに基づいて温度を正確に感知することができる。
【0049】
コントローラ140は、第2電圧生成部130に含まれた第2温度センサに印加される電圧に基づいて温度を感知することができる。例えば、コントローラ140は、第1温度センサに印加される電圧および第2温度センサに印加される電圧に基づいて温度を感知することもできる。他の例としては、コントローラ140は、所定の区間では第2温度センサに印加される電圧に基づいて温度を感知することができ、所定の区間以外の区間では、第1温度センサに印加される電圧に基づいて温度を感知することができる。この場合、所定の区間は、電圧調節部120に含まれたスイッチが開放された状態から短絡された状態に変更されるための区間であることができる。
【0050】
一実施形態において、コントローラ140は、第1温度センサおよび第2温度センサの両方により温度を感知することができ、一つのNTC抵抗またはNTC抵抗が含まれた回路が故障した場合、故障を感知することができる。すなわち、コントローラ140は、故障が感知された場合、ユーザに当該事実を案内することができる。
【0051】
本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置は、すべての区間において温度を正確に感知することができる。
【0052】
また、本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置は、高温区間でNTC抵抗値の変化が大きくなくて発生する温度感知正確度の低下の問題を防止することができる。
【0053】
また、本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置は、一つのNTCまたは当該NTCが含まれた回路が故障した場合にも、他のNTCを使用して温度を感知することができ、当該回路の故障を判断することができる。
【0054】
また、本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置は、MCUの制御信号なしに回路自体だけの動作で高い温度まで感知正確度を維持することができる。
【0055】
本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置は、NTCではなく、温度が電圧に変換(converting)される他の素子の場合にも、高い温度まで温度感知正確度を維持することができる。
【0056】
図2は本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置を示す図である。
【0057】
図2を参照すると、本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置200は、第1抵抗R1と、第1電源V1と、第1NTC抵抗NTC1と、スイッチSと、第2抵抗R2と、第3抵抗R3と、第2NTC抵抗NTC2と、第2電源V2と、コントローラ240とを含むことができる。一実施形態において、温度感知装置200は、
図1の温度感知装置100に含まれることができる。実施形態によって、第1NTC抵抗NTC1は、
図1の第1温度センサに対応することができ、第2NTC抵抗NTC2は、
図1の第2温度センサに対応することができる。すなわち、実施形態によって、第1NTC抵抗NTC1は、
図1の第1電圧生成部110に含まれることができ、第2NTC抵抗NTC2は、
図1の第2電圧生成部120に含まれることができる。
【0058】
第1抵抗R1は、第1NTC抵抗NTC1と直列連結されることができる。また、第1抵抗R1は、第1電源V1と直列連結されることができる。したがって、第1電源V1が供給する電圧は、第1抵抗R1および第1NTC抵抗NTC1に分配されることができ、第1NTC抵抗NTC1に印加される第1電圧を生成することができる。例えば、第1NTC抵抗NTC1は、温度に応じて抵抗値が変化することができる。実施形態によって、第1抵抗R1は、複数個の抵抗を含むことができる。
【0059】
スイッチSは、第1抵抗R1と並列連結されることができる。また、スイッチSの一端には第1電源V1が連結されることができる。一実施形態において、スイッチSは、MOSFETまたはBJTを含むことができる。
【0060】
第2抵抗R2は、スイッチSと直列連結されることができる。また、第2抵抗R2は、第1抵抗R1と並列連結されることができる。例えば、スイッチSが短絡される場合、第2抵抗R2は、第1抵抗R1と並列連結されて合成抵抗を形成することができる。他の例としては、スイッチSが開放される場合、第2抵抗R2は、第1抵抗R1と連結されないため、合成抵抗を形成しないことがある。実施形態によって、第1抵抗R1と第2抵抗R2の合成抵抗の抵抗値は、第1抵抗R1の抵抗値より小さいことから、第2抵抗R2と第1抵抗R1が合成抵抗を形成する場合(例:スイッチSが短絡された場合)、第1NTC抵抗NTC1にはより大きい電圧が印加されることができる。一実施形態において、第2抵抗R2は、複数個の抵抗を含むことができる。
【0061】
スイッチSは、第3抵抗R3および第2NTC抵抗NTC2を介して生成される分配電圧の印加を受けることができる。例えば、スイッチSの動作は、印加される分配電圧により制御されることができる。他の例としては、スイッチSは、分配電圧が既定値以下である場合、短絡されることができ、分配電圧が既定値を超える場合、開放されることができる。
【0062】
第3抵抗R3と第2NTC抵抗NTC2は、直列連結されることができる。第3抵抗R3の一端は、第2電源V2と連結されることができる。したがって、第2電源V2で供給する電圧は、第3抵抗R3および第2NTC抵抗NTC2を介して分配されることができ、分配電圧が生成されることができる。実施形態によって、生成された分配電圧は、スイッチSに印加されることができる。
【0063】
一実施形態において、第2NTC抵抗NTC2は、温度に応じて抵抗値が変更されることができる。
【0064】
一実施形態において、第3抵抗R3の抵抗値は、第1抵抗R1の抵抗値と同一であることができる。
【0065】
一実施形態において、第1電源V1の電圧値は、第2電源V2の電圧値と同一であることができる。
【0066】
一実施形態において、第3抵抗R3は、複数個の抵抗を含むことができる。
【0067】
一実施形態において、第3抵抗R3の抵抗値は、臨界温度でスイッチSを短絡させるように設定されることができる。
【0068】
一実施形態において、第1NTC抵抗NTC1および第2NTC抵抗NTC2は、近接して配置されることができる。例えば、第1NTC抵抗NTC1および第2NTC抵抗NTC2は、互いに同じ温度を有するように配置されることができる。他の例としては、第1NTC抵抗NTC1および第2NTC抵抗NTC2は、1cm以下の距離を有するように配置されることができる。
【0069】
コントローラ240は、第1NTC抵抗NTC1に印加される第1電圧の入力を受けることができ、第1電圧に基づいて温度を感知することができる。例えば、コントローラ240は、第1電圧が大きくなる場合、低温であると感知することができ、第1電圧が小さくなる場合、高温であると感知することができる。他の例としては、コントローラ240は、温度による第1電圧のテーブルを予め貯蔵することができ、テーブルに基づいて温度を感知することができる。
【0070】
コントローラ240は、第2NTC抵抗NTC2に印加される第2電圧に基づいて温度を感知することができる。例えば、コントローラ240は、第2NTC抵抗NTC2に印加される第2電圧の入力を受けることができ、第2電圧に基づいて温度を感知することができる。一実施形態において、コントローラ240は、第1温度以下である場合または第2温度を超える場合、第1電圧に基づいて温度を感知することができ、第1温度超且つ第2温度以下の場合、第2電圧に基づいて温度を感知することができる。例えば、第1温度超且つ第2温度以下の区間は、スイッチSが開放された状態から短絡された状態に変更される区間であることができる。
【0071】
一実施形態において、第1抵抗R1と第3抵抗R3の抵抗値が同一である場合、コントローラ240は、第1温度以下で、第1電圧または第2電圧のいずれか一つに基づいて温度を感知することができる。
【0072】
一実施形態において、コントローラ240は、第1電圧および第2電圧に基づいて温度を感知できることから、第1電圧または第2電圧のいずれか一つの電圧に異常が発生した場合、他の電圧に基づいて異常の発生を感知することができる。また、コントローラ240は、異常が発生していない電圧に基づいて温度を感知することができ、異常が発生した電圧に対応する回路に問題が発生したことをユーザに案内することができる。
【0073】
本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置200は、温度が高くなる場合、第2NTC抵抗NTC2の抵抗値が減少することができ、第2NTC抵抗NTC2に印加される第2電圧(分配電圧)が減少してスイッチSが短絡されることができる。スイッチSが短絡される場合、第1抵抗R1と第2抵抗R2は、合成抵抗を形成することができ、第1NTC抵抗NTC1には、合成抵抗の形成前よりも高い第1電圧が印加されることができ、コントローラ240は、第1電圧に基づいて温度を感知することができる。したがって、温度感知装置200は、高温でNTC抵抗の抵抗値の変化量が低くなる問題を解消することができる。
【0074】
一実施形態において、第1抵抗R1および第1NTC抵抗NTC1は、第1電圧生成部210に含まれることができる。一実施形態において、第2抵抗R2およびスイッチSは、電圧調節部220に含まれることができる。一実施形態において、第3抵抗R3および第2NTC抵抗NTC2は、第2電圧生成部230に含まれることができる。一実施形態において、第1電圧生成部210、電圧調節部220、第2電圧生成部230およびコントローラ240のそれぞれは、
図1の第1電圧生成部110、電圧調節部120、第2電圧生成部130およびコントローラ140と実質的に同一であることができる。
【0075】
図3は温度に応じてNTCに印加される電圧の変化を示す図である。
【0076】
図3を参照すると、電圧調節部(例:
図1の電圧調節部120または
図2の電圧調節部220)がないNTC抵抗の場合、温度が高くなるにつれて印加される電圧の大きさ10の変化量が低くなる。すなわち、温度を感知するコントローラ(例:
図1のコントローラ140または
図2のコントローラ240)は、NTC抵抗に印加される電圧の大きさ10に基づいて高温で正確に温度を感知することが困難である。
【0077】
図4は本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置において複数のNTCに印加される電圧の変化を示す図である。
【0078】
図4を参照すると、本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置(例:
図1および
図2の温度感知装置100、200)は、第1NTC抵抗に印加される電圧の大きさ30および第2NTC抵抗に印加された電圧の大きさ20に基づいて温度を感知することができる。低温区間は、第1温度以下の区間であることができ、変動区間は、第1温度超第2温度以下の区間であることができ、高温区間は、第2温度超の区間であることができる。例えば、変動区間は、
図2のスイッチSが開放された状態から短絡された状態に変更される区間であることができる。
【0079】
第1NTC抵抗に印加される電圧の大きさ30は、低温区間には温度が上昇するにつれて減少し続けることができる。また、変動区間では、スイッチSが短絡されるにつれて第1NTC抵抗に印加される電圧の大きさ30は増加することができる。また、高温区間では、スイッチSが完全に短絡された状態であるため、第1NTC抵抗に連結される抵抗の大きさが減少し、第1NTC抵抗に印加される電圧の大きさ30は、低温区間のように増加することができる。したがって、温度感知装置は、第1NTC抵抗に印加される電圧の大きさ30に基づいて正確に温度を感知することができる。
【0080】
第1NTC抵抗に印加される電圧の大きさ30と第2NTC抵抗に印加される電圧の大きさ20を比較すると、高温区間で第1NTC抵抗に印加される電圧の大きさ30の変化率が第2NTC抵抗に印加される電圧の大きさ20の変化率より大きいため、温度感知装置は、第1NTC抵抗に印加される電圧の大きさ30に基づいて温度を感知することがより正確であることができる。
【0081】
図5は本文書に開示されている他の実施形態による温度感知装置において複数のNTCに印加される電圧の変化を示す図である。
【0082】
図5を参照すると、本文書に開示されている一実施形態による温度感知装置(例:
図1および
図2の温度感知装置100、200)は、第1NTC抵抗に印加される電圧の大きさ50および第2NTC抵抗に印加された電圧の大きさ40に基づいて温度を感知することができる。
【0083】
図5は第1抵抗(
図2の第1抵抗R1)および第3抵抗(
図2の第3抵抗R3)が同じ抵抗値を有する場合であることができる。この場合、低温区間では、第1NTC抵抗に印加される電圧の大きさ50および第2NTC抵抗に印加された電圧の大きさ40が同一であることができる。したがって、温度感知装置は、第1NTC抵抗に印加される電圧の大きさ50および第2NTC抵抗に印加された電圧の大きさ40のいずれか一つに基づいて温度を感知しても、同じ結果を感知することができる。
【0084】
高温区間では、
図4と同様に、スイッチSが短絡されるにつれて第1NTC抵抗に印加される電圧の大きさ50が大きくなるため、温度感知装置は、第1NTC抵抗に印加される電圧の大きさ50に基づいて温度を感知することが正確であり得る。
【0085】
以上の説明は、本文書に開示されている技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本文書に開示されている実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本文書に開示されている実施形態の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正および変形が可能である。
【0086】
したがって、本文書に開示されている実施形態は、本文書に開示されている技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施形態によって本文書に開示されている技術思想の範囲が限定されるものではない。本文書に開示されている技術思想の保護範囲は、下記の請求の範囲によって解釈すべきであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は、本文書の権利範囲に含まれるものと解釈すべきである。
【符号の説明】
【0087】
10 NTC抵抗に印加された電圧の大きさ
20、40 第2NTC抵抗に印加された電圧の大きさ
30、50 第1NTC抵抗に印加される電圧の大きさ
100、200 温度感知装置
110、210 第1電圧生成部
120、220 電圧調節部
130、230 第2電圧生成部
140、240 コントローラ