(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011498
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
H01F 27/00 20060101AFI20230117BHJP
H01F 27/29 20060101ALI20230117BHJP
H01F 17/00 20060101ALI20230117BHJP
H01F 27/32 20060101ALI20230117BHJP
H01F 17/04 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
H01F27/00 R
H01F27/29 123
H01F17/00 B
H01F27/32 140
H01F17/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080387
(22)【出願日】2022-05-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0091075
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユーン、チャン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ドン ファン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ドン ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ボウム ソック
【テーマコード(参考)】
5E044
5E070
【Fターム(参考)】
5E044CA04
5E070AA05
5E070AB03
5E070BB03
5E070CB12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数のコイル部間の結合係数を効果的に下げることができ、且つ、小型化に適合したインダクタアレイ形状のコイル部品を提供する。
【解決手段】コイル部品は、互いに対向しながら第1方向に垂直に配置された第1面及び第2面を含む本体101と、本体内に配置される支持部材102と、本体内に配置され、支持部材の少なくとも一面に形成されたコイルパターン103を含む第1コイル部C1と、本体内に配置され、巻線型コイルを含む第2コイル部C2と、第1コイル部及び第2コイル部と接続された複数の外部電極121、122、123、124と、を含む。第1コイル部のコア軸と第2コイル部のコア軸が、互いに平行でない形態である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向しながら第1方向に垂直に配置された第1面及び第2面を含む本体と、
前記本体内に配置され、支持部材、前記支持部材の少なくとも一面に形成されたコイルパターンを含む第1コイル部と、
前記本体内に配置され、巻線型コイルを含む第2コイル部と、
前記第1コイル部及び前記第2コイル部と接続された複数の外部電極と、を含み、
前記第1コイル部のコア軸と前記第2コイル部のコア軸が互いに平行でないコイル部品。
【請求項2】
前記第1コイル部のコア軸と前記第2コイル部のコア軸は、互いに垂直である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記第1コイル部のコア軸は、前記第1方向に平行である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記第2コイル部のコア軸は、前記第1方向に垂直な第2方向に平行である、請求項3に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記第1コイル部及び前記第2コイル部は、前記第2方向に離隔して並んで配置された、請求項4に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記複数の外部電極は、前記本体において前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に垂直であり、互いに対向する第3面及び第4面に配置されて前記第1コイル部のコイルパターンと接続された複数の第1外部電極と、
前記第3面及び前記第4面に配置されて前記巻線型コイルと接続された複数の第2部電極と、含む、請求項5に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記第1コイル部及び前記第2コイル部は、前記第1方向に垂直な第2方向に離隔して並んで配置された、請求項3に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記複数の外部電極は、前記本体において前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第1方向及び第3方向に垂直であり、互いに対向する第3面及び第4面に配置されて前記第1コイル部のコイルパターンと接続された複数の第1外部電極と、
前記第3面及び前記第4面に配置されて前記巻線型コイルと接続された複数の第2部電極と、を含む、請求項7に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記第2コイル部は、前記巻線型コイルの引出し部と接触する絶縁部を含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記絶縁部は、前記支持部材と同じ材質を含む、請求項9に記載のコイル部品。
【請求項11】
前記絶縁部は、前記支持部材よりも薄い、請求項10に記載のコイル部品。
【請求項12】
前記第1コイル部のコイルパターンは、めっきパターンである、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項13】
前記第2コイル部は、前記巻線型コイルのコア領域を充填する充填部をさらに含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項14】
前記充填部及び前記本体は、互いに同じ磁性体を含む、請求項13に記載のコイル部品。
【請求項15】
前記充填部及び前記本体は、互いに区別される界面を有する、請求項14に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルTV、携帯電話、ノートPCなどの電子機器の小型化及び薄型化に伴い、かかる電子機器に適用されるコイル部品に対しても小型化及び薄型化が要求されており、このような要求に応えるために様々な形状の巻線タイプ又は薄膜タイプのコイル部品の研究開発が盛んである。
【0003】
コイル部品の小型化及び薄型化に伴う主な課題は、かかる小型化及び薄型化にもかかわらず、従来と同様の特性を実現することにある。このような要求を満たすためには、磁性物質が充填されるコア内の磁性物質の比率を増加させる必要があるが、インダクタ本体の強度、絶縁性による周波数特性変化などが原因となり、その比率を増加させることには限界がある。
【0004】
一方、コイル部品の実装面積を減らすことができる利点を有するアレイ形状の部品に対する需要も高まっている。かかるアレイ形状のコイル部品は複数のコイル部間の結合係数若しくは相互インダクタンスに応じて非結合(Noncoupled)若しくは結合(Coupled)インダクタ形状、又はこれらの混合形状を有することができる。ここで、非結合インダクタは、複数のコイル部間の結合係数kが低い必要があるが、これらの間の間隔を広げることで、これらの間の結合係数を下げることができる。しかしながら、コイル部間の間隔を広げると、部品のサイズも大きくなるため、部品の小型化が困難になる傾向にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的の一つは、複数のコイル部間の結合係数を効果的に下げることができ、且つ小型化に適合したインダクタアレイ形状のコイル部品を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、一例として、コイル部品の新規な構造を提案し、具体的には、互いに対向しながら第1方向に垂直に配置された第1面及び第2面を含む本体と、上記本体内に配置され、支持部材、上記支持部材の少なくとも一面に形成されたコイルパターンを含む第1コイル部と、上記本体内に配置され、巻線型コイルを含む第2コイル部と、上記第1及び第2コイル部と接続された複数の外部電極と、を含み、上記第1コイル部のコア軸と上記第2コイル部のコア軸が互いに平行でない形態である。
【0007】
一実施形態において、上記第1コイル部のコア軸と上記第2コイル部のコア軸は、互いに垂直であることができる。
【0008】
一実施形態において、上記第1コイル部のコア軸は、上記第1方向に平行であることができる。
【0009】
一実施形態において、上記第2コイル部のコア軸は、上記第1方向に垂直な第2方向に平行であることができる。
【0010】
一実施形態において、上記第1及び第2コイル部は、上記第2方向に離隔して並んで配置されることができる。
【0011】
一実施形態において、上記複数の外部電極は、上記本体において上記第1及び第2方向に垂直な第3方向に垂直であり、互いに対向する第3面及び第4面に配置されて上記第1コイル部のコイルパターンと接続された複数の第1外部電極と、上記第3面及び第4面に配置されて上記巻線型コイルと接続された複数の第2部電極と、を含むことができる。
【0012】
一実施形態において、上記第2コイル部は、上記巻線型コイルの引出し部と接触する絶縁部を含むことができる。
【0013】
一実施形態において、上記絶縁部は、上記支持部材と同じ材質を含むことができる。
【0014】
一実施形態において、上記絶縁部は、上記支持部材よりも薄いことができる。
【0015】
一実施形態において、上記第1コイル部のコイルパターンは、めっきパターンであることができる。
【0016】
一実施形態において、上記第2コイル部は、上記巻線型コイルのコア領域を充填する充填部をさらに含むことができる。
【0017】
一実施形態において、上記充填部及び上記本体は、互いに同じ磁性体を含むことができる。
【0018】
一実施形態において、上記充填部及び上記本体は、互いに区別される界面を有することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一例によるコイル部品の場合、複数のコイル部間の距離を増加させることなく、結合係数を効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態のコイル部品を概略的に示した透過斜視図である。
【
図2】
図1のコイル部品において、採用されることができる本体の一例を示した断面図である。
【
図3】
図1のコイル部品において、コイル部を製造する方法の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。しかしながら、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態のコイル部品を概略的に示した透過斜視図であり、
図2は、
図1のコイル部品において、採用されることができる本体の一例を示した断面図であり、
図3は、
図1のコイル部品において、コイル部を製造する方法の一例を示し、
図4から
図7は、変形した実施形態に係るコイル部品を示す。
【0023】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係るコイル部品100は、本体101、第1コイル部C1、第2コイル部C2、及び複数の外部電極121、122、123、124を含み、ここで、第1コイル部C1のコア軸A1方向と第2コイル部C2のコア軸A2方向が互いに平行でない形態である。本実施形態のように、第1及び第2コイル部C1、C2のコア軸A1、A2が互いに平行でない場合、例えば、互いに垂直である場合、第1コイル部C1の動作中にマグネティック・フラックス(magnetic flux)が第2コイル部C2のコア部114を通りにくくなる。同様に、第2コイル部C2の動作中にマグネティック・フラックス(magnetic flux)が第1コイル部C1のコア部104を通りにくくなり、これにより、第1及び第2コイル部C1、C2の結合係数kを低減することができる。以下、本実施形態のコイル部品100を構成する主な要素について説明する。
【0024】
本体101は、その内部に第1及び第2コイル部C1、C2などが配置され、コイル部品100の全体的な外観をなすことができる。
図2に図示されたように、本体101は、複数の磁性粒子111を含み、このような磁性粒子111は絶縁材112の内部に分散されることができる。絶縁材112は、エポキシ樹脂、ポリイミドなどの高分子成分を含むことができる。本体101は、Fe系合金成分、例えば、Fe-Si-B-C系合金を含む複数の磁性粒子111を含む。Fe系合金として磁性粒子111を実現する場合、飽和磁化値のような磁気的特性に優れることができ、磁性粒子111の表面のうち少なくとも一部には渦電流損失の低減などのために絶縁膜が形成されることができる。また、本体101は、磁性金属を代替するか、又は、更にフェライト成分を含むことができる。
【0025】
製造方法の一例と関連して、本体101は、積層工法によって形成されることができる。具体的には、本体101を製造するための単位積層体を複数設け、これらを第1及び第2コイル部C1、C2の上部と下部に積層することができる。ここで、上記単位積層体は、金属などの磁性粒子111、熱硬化性樹脂、バインダー、溶剤などの有機物を混合してスラリーを製造し、上記スラリーをドクターブレード法によりキャリヤーフィルム(carrier film)上に数十μmの厚さに塗布した後、乾燥してシート(sheet)状に製造することができる。これにより、単位積層体は、磁性粒子がエポキシ樹脂又はポリイミド(polyimide)などの熱硬化性樹脂に分散された形態で製造されることができる。
【0026】
第1コイル部C1は、支持部材102及び支持部材102の少なくとも一面に形成されたコイルパターン103を含んでおり、いわゆる薄膜型インダクタに該当する。コイルパターン103は、螺旋(spiral)状に形成されてもよいが、このような螺旋状の最外郭には外部電極との電気的な連結のために、本体101の外部に露出する引出し部L1を含むことができる。コイルパターン103は、支持部材102の少なくとも一面に配置されるが、本実施形態のように、支持部材102の上面及び下面のどちらにもコイルパターン103が配置されることができ、この場合、コイルパターン103はパッド領域Pを含むことができる。また、支持部材102の上面及び下面にそれぞれ形成された第1コイルパターン103a及び第2コイルパターン103bは、支持部材102を貫通する導電性ビアを介して電気的に連結されることができる。但し、それとは異なり、コイルパターン103は、支持部材102の一方の面のみに配置されてもよい。一方、コイルパターン103の場合、当該技術分野で使用されるめっき工程、例えば、パターンめっき、異方めっき、等方めっきなどの方法を用いて形成されためっきパターンであることができるが、これらの工程のうち複数の工程を用いて多層構造で形成されてもよい。
【0027】
支持部材102は、第1コイル部C1のコイルパターン103を支持し、ポリプロピレングリコール(PPG)基板、フェライト基板、又は金属系軟磁性基板などから形成されることができる。図示されたように、支持部材102の中央部には貫通されて貫通孔が形成され、このような貫通孔には本体101をなす物質が充填されてコア部104を構成することができる。
【0028】
第2コイル部C2は、巻線型コイル113を含み、その末端には外部電極123、124と接続される引出し部L2が備えられることができる。十分なターン数を確保するために、巻線型コイル113は互いに電気的に接続された2つのコイル113a、113bが積層された形態として実現されることができる。この場合、本体101の内部には、巻線型コイル113を支持する支持部材が配置されていなくてもよい。巻線型コイル113は、金属線及び金属線の表面を被覆する被覆層を含む銅ワイヤー(Cu-wire)などのメタルワイヤーを巻き取って形成されることができる。よって、巻線型コイル113の複数のターン(turn)のそれぞれの表面全体は被覆層で被覆されることができる。一方、上記メタルワイヤーは平角線であってもよいが、これに制限されるものではない。平角線で巻線型コイル113を形成した場合、各ターン(turn)の断面は、長方形であることができる。そして、上記被覆層は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独で又は混合して含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0029】
本実施形態の場合、第1コイル部C1のコア軸A1及び第2コイル部のコア軸A2は互いに平行でない。ここで、第1コイル部C1のコア軸A1は、コイルパターン103が周回され、その内部に形成されるコア部104の中心軸と定義されることができる。同様に、第2コイル部C2のコア軸A2は、巻線型コイル113が周回され、その内部に形成されるコア部114の中心軸と定義されることができる。第1コイル部C1のコア軸A1及び第2コイル部C2のコア軸A2が互いに平行でないように第1及び第2コイル部C1、C2を配置することで、結合係数kを低減することができる。本実施形態ではこのような結合係数kの低減効果を極大化するために、
図1に示されたように、コア軸A1、A2が互いに垂直であるように第1及び第2コイル部C1、C2を配置した。但し、コア軸A1、A2が必ずしも正確に垂直である必要はなく、多少ずれていても、依然として結合係数kを低減することができる。
【0030】
図示されたように、第1コイル部C1は、コア軸A1が本体101の第1方向(X方向)に平行に配置されることができる。ここで、第1方向(X方向)は、本体101において互いに対向する第1面S1及び第2面S2に垂直な方向であり、第1面S1又は第2面S2は、コイル部品100が基板などに実装されるとき、実装面になり得る。第2コイル部C2は、コア軸A2が第1方向(X方向)に垂直な第2方向(Y方向)に平行に配置されることができる。この場合、第1及び第2コイル部C1、C2は、第2方向(Y方向)に離隔して並んで配置されることができる。もちろん、上述したように、コア軸A1、A2が互いに垂直でない場合にも、第1及び第2コイル部C1、C2は、第2方向(Y方向)に離隔して並んで配置されることができる。
【0031】
上述したように、第1及び第2コイル部C1、C2は互いに異なる構造を有し、具体的には、第1コイル部C1は支持部材とコイルパターンを含む薄膜型インダクタとして、第2コイル部C2は巻線インダクタとして実現されることができる。このように第1及び第2コイル部C1、C2を異なる形態のインダクタとして実現する場合、これらのコア軸A1、A2を垂直若しくは垂直に近く配置することが容易であることができる。例えば、2つのコイル部をいずれも、薄膜型インダクタとして実現する場合、支持部材とコイルパターンの配置方向を変更しにくくなり、特に、隣接した2つのコイル部を互いに垂直に配置することは、工程的にも非常に困難になる。本実施形態ではコア軸の方向を容易に変えることができるように、2つのコイル部C1、C2を異なる形態として実現しており、これについては、
図3を参照して後述する。
【0032】
複数の外部電極121、122、123、124は、第1及び第2コイル部C1、C2と接続される。複数の外部電極121、122、123、124は、電気伝導性に優れた金属を含むペーストを使用して形成することができ、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)、又は銀(Ag)などの単独又はこれらの合金などを含む伝導性ペーストであることができる。また、複数の外部電極121、122、123、124のそれぞれをカバーするようにめっき層が備えられてもよい。この場合、上記めっき層は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及びスズ(Sn)からなる群から選択されたいずれか1種以上を含むことができ、例えば、ニッケル(Ni)層とスズ(Sn)層が順に形成されることができる。複数の外部電極121、122、123、124のうち複数の第1外部電極121、122は、第1コイル部C1のコイルパターン103と接続されるように、本体101において互いに対向する第3面S3及び第4面S4に配置されることができる。この場合、第3面S3及び第4面S4は、第1方向(X)及び第2方向(Y)に垂直な第3方向(Z方向)に垂直である。また、複数の第2部電極123、124は、第3面S3及び第4面S4に配置されて巻線型コイル113と接続されることができる。
【0033】
図4を参照して、コイル部を形成する方法の一例について説明する。第1コイル部C1の場合、支持部材202の上面及び下面にコイルパターン103a、103bをめっきなどの方法によって形成する。第2コイル部C2の場合、支持部材202に巻線型コイル113を収容できる孔を設けた後、巻線型コイル113を置き、支持部材202には巻線型コイル113を置くための溝210が備えられることができる。第1及び第2コイル部C1、C2を形成した後は、支持部材202の一部を除去するトリミング工程を行うことができ、
図1に図示されたように、支持部材202は、第1コイル部C1のみに残ることができる。これとは異なり、
図5の変形した実施形態のように、第2コイル部C2にも支持部材202が一部残存することができる。具体的には、支持部材は、絶縁部212の形態で残存することができ、絶縁部212は、巻線型コイル113の引出し部と接触することができる。絶縁部212及び支持部材102は、製造過程では一体であったものが分離されたものであるため、絶縁部212は、支持部材102と同じ材質を含むことができる。また、絶縁部212は、支持部材202の溝210に該当する領域であってもよく、絶縁部212は、支持部材102よりも薄くてもよい(t2<t1)。絶縁部212の形態は
図5とは相違することができる。例えば、
図6の変形例のように、絶縁部212は、巻線型コイル113の引出し部L2の下面のみに形成されるものではなく、これから延長されて引出し部L2の側面をカバーすることができる。
【0034】
一方、
図6の変形例のように、第2コイル部C2は、巻線型コイル113のコア領域を充填する充填部115をさらに含むことができる。充填部115及び本体101は、互いに同じ磁性体を含むことができ、この場合、充填部115及び本体101は、互いに区別される界面を有することができる。巻線型コイル113のコア領域に充填部115が配置される場合、上述した本体101の形成過程での巻線型コイル113の変形を最小限に抑えることができる。すなわち、充填部115がないと、本体101を形成するための多数のシート積層及び圧着工程によって、巻線型コイル113が変形する恐れがある。よって、
図6の実施形態のように充填部115を採用することで、第2コイル部C2の構造的安定性を向上させることができる。
【0035】
次に、
図7の変形例の場合、第1コイル部C1及び第2コイル部C2が配置された方向が
図1とは異なる。第1コイル部C1の場合、コア軸A1は第1方向(X方向)に垂直であり、第2コイル部C2のコア軸A2は第1方向(X方向)に平行である。このように、コア軸A2が本体101の周面に該当する第1面S1及び第2面S2に垂直な方向(X方向)に第2コイル部C2を配置し、コア軸A1が第1及び第2コイル部C1、C2が並んだ方向(Y方向)に第1コイル部C1を配置する方式を採用することで、コア軸A1、A2が平行でない構造を実現することもできる。
【0036】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野における通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0037】
100 コイル部品
101 本体
102、202 支持部材
103 コイルパターン
104、114 コア部
111 磁性粒子
112 絶縁材
113 巻線型コイル
115 充填部
121、122、123、124 外部電極
210 溝
212 絶縁部
C1、C2 コイル部
A1、A2 コア軸
P パッド