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特開2023-114997枢動可能なナイフバーガイドアセンブリを備える関節運動式外科用ステープル留め装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114997
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】枢動可能なナイフバーガイドアセンブリを備える関節運動式外科用ステープル留め装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20230810BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015829
(22)【出願日】2023-02-06
(31)【優先権主張番号】17/665,962
(32)【優先日】2022-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン ピー. ウィリアムズ
(72)【発明者】
【氏名】グリフィン エス. デランシー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC23
4C160NN02
4C160NN03
4C160NN09
(57)【要約】
【課題】枢動可能なナイフバーガイドアセンブリを備える関節運動式外科用ステープル留め装置の提供。
【解決手段】外科用ステープル留め装置は、シャフトアセンブリと、シャフトアセンブリに固定されたエンドエフェクタと、発射アセンブリと、関節運動アセンブリと、関節運動ガイドとを含む。発射アセンブリは、エンドエフェクタを発射するためにエンドエフェクタを通って選択的に前進可能である可撓性ナイフバーアセンブリを含む。関節運動アセンブリは、関節運動リンクアセンブリ及び枢動可能なバーガイドアセンブリを有する。関節運動リンクアセンブリは、エンドエフェクタに連結されている。関節運動リンクアセンブリは、エンドエフェクタを非関節運動位置と関節運動位置との間でシャフトアセンブリに対して移動させるように作動可能である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープル留め装置において、
シャフトアセンブリと、
前記シャフトアセンブリに固定されたエンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタを発射するために前記エンドエフェクタを通って選択的に前進可能である可撓性ナイフバーアセンブリを含む発射アセンブリと、
関節運動リンクアセンブリ及び枢動可能なバーガイドアセンブリを有する関節運動アセンブリであって、前記関節運動リンクアセンブリが前記エンドエフェクタに連結されており、前記関節運動リンクアセンブリが、前記エンドエフェクタを非関節運動位置と関節運動位置との間で前記シャフトアセンブリに対して移動させるように作動可能である、関節運動アセンブリと、
前記エンドエフェクタが前記非関節運動位置又は前記関節運動位置に配置されると前記可撓性ナイフバーアセンブリが前記枢動可能なバーガイドアセンブリを通って前進することを可能にするように前記枢動可能なバーガイドアセンブリと関連付けられた関節運動ガイドと、を備える、外科用ステープル留め装置。
【請求項2】
前記枢動可能なバーガイドが前記関節運動リンクアセンブリの作動に応じて枢動する、請求項1に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項3】
前記関節運動リンクアセンブリが、一緒に枢動可能に連結されている近位関節運動リンク及び遠位関節運動リンクを含む、請求項2に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項4】
前記関節運動ガイドがキッカーカムを含み、前記キッカーカムが前記遠位関節運動リンクから延在し、前記枢動可能なバーガイドアセンブリと係合する、請求項3に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項5】
前記枢動可能なバーガイドアセンブリが、一緒に枢動可能に連結されている近位ガイドアセンブリ及び遠位ガイドアセンブリを含む、請求項4に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項6】
前記キッカーカムが前記遠位ガイドアセンブリの外面に沿って摺動するように構成されている、請求項5に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項7】
前記遠位ガイドアセンブリの前記外面が、前記キッカーカムが接触して前記遠位ガイドアセンブリの関節運動を容易にする側部突出部、凹部、又はそれらの組み合わせを含む、請求項6に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項8】
前記枢動可能なバーガイドアセンブリが、一緒に枢動可能に連結されている近位ガイドアセンブリ及び遠位ガイドアセンブリを含み、前記近位ガイドアセンブリが前記シャフトアセンブリに枢動可能に連結されており、前記遠位ガイドアセンブリが前記エンドエフェクタに枢動可能に連結されている、請求項1に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項9】
前記関節運動ガイドが、前記遠位ガイドアセンブリの関節運動を容易にする前記遠位ガイドアセンブリと関連付けられた戻り止め機構を含む、請求項8に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項10】
前記関節運動ガイドが、関節運動したときに前記近位ガイドアセンブリを中心位置に付勢するように前記近位ガイドアセンブリに連結されている板ばねを含む、請求項8に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項11】
外科用ステープル留め装置において、
ハウジングアセンブリと、
前記ハウジングアセンブリから延在するアダプタアセンブリと、
前記アダプタアセンブリに選択的に取り付け可能なリロードであって、前記リロードの遠位端部分上でエンドエフェクタを支持する、リロードと、
前記エンドエフェクタを発射するために前記エンドエフェクタを通って選択的に前進可能である可撓性ナイフバーアセンブリを含む発射アセンブリと、
関節運動リンクアセンブリ及び枢動可能なバーガイドアセンブリを有する関節運動アセンブリであって、前記関節運動リンクアセンブリが前記エンドエフェクタに連結されており、前記関節運動リンクアセンブリが、前記エンドエフェクタを非関節運動位置と関節運動位置との間で前記アダプタアセンブリに対して移動させるように作動可能である、関節運動アセンブリと、
前記エンドエフェクタが前記非関節運動位置又は前記関節運動位置に配置されると前記可撓性ナイフバーアセンブリが前記枢動可能なバーガイドアセンブリを通って前進することを可能にするように前記枢動可能なバーガイドアセンブリと関連付けられた関節運動ガイドと、を備える、外科用ステープル留め装置。
【請求項12】
前記枢動可能なバーガイドが前記関節運動リンクアセンブリの作動に応じて枢動する、請求項11に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項13】
前記関節運動リンクアセンブリが、一緒に枢動可能に連結されている近位関節運動リンク及び遠位関節運動リンクを含む、請求項12に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項14】
前記関節運動ガイドがキッカーカムを含み、前記キッカーカムが前記遠位関節運動リンクから延在し、前記枢動可能なバーガイドアセンブリと係合する、請求項13に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項15】
前記枢動可能なバーガイドアセンブリが、一緒に枢動可能に連結されている近位ガイドアセンブリ及び遠位ガイドアセンブリを含む、請求項14に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項16】
前記キッカーカムが前記遠位ガイドアセンブリの外面に沿って摺動するように構成されている、請求項15に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項17】
前記枢動可能なバーガイドアセンブリが、一緒に枢動可能に連結されている近位ガイドアセンブリ及び遠位ガイドアセンブリを含み、前記近位ガイドアセンブリがシャフトアセンブリに枢動可能に連結されており、前記遠位ガイドアセンブリが前記エンドエフェクタに枢動可能に連結されている、請求項11に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項18】
前記関節運動ガイドが、前記遠位ガイドアセンブリの関節運動を容易にする前記遠位ガイドアセンブリと関連付けられた戻り止め機構を含む、請求項17に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項19】
前記関節運動ガイドが、関節運動したときに前記近位ガイドアセンブリを中心位置に付勢するように前記近位ガイドアセンブリに連結されている板ばねを含む、請求項18に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項20】
外科用ステープル留め装置用のリロードであって、
シャフトアセンブリと、
エンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタを発射するために前記エンドエフェクタを通って選択的に前進可能である可撓性ナイフバーアセンブリを支持する、エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタに連結されており、かつ前記エンドエフェクタを非関節運動位置と関節運動位置との間で前記シャフトアセンブリに対して関節運動させるように作動可能である関節運動リンクアセンブリと、
前記エンドエフェクタが前記シャフトアセンブリに対して関節運動したときに前記可撓性ナイフバーアセンブリを曲げるように構成された枢動可能なバーガイドアセンブリと、
前記エンドエフェクタが前記非関節運動位置又は前記関節運動位置に配置されると前記可撓性ナイフバーアセンブリが前記枢動可能なバーガイドアセンブリを通って前進することを可能にするように前記枢動可能なバーガイドアセンブリと関連付けられた関節運動ガイドと、を備える、外科用ステープル留め装置用のリロード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年8月20日に出願された米国特許出願第17/407,628号の一部継続出願であり、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、外科用ステープル留め装置、外科手術手順を実施するための装置及び/又はシステム、並びにそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
組織をクランプし、切断し、そして/又はステープル留めする外科用ステープル留め装置は、当該分野において周知である。そのような外科用ステープリング装置は、組織を捕捉又はクランプするために使用される2つの細長いジョー部材を有するエンドエフェクタを含む。2つのジョー部材のうちの一方は、通常、行配置された複数のステープルを収容するステープルカートリッジを担持し、他方、2つのジョー部材のうちの他方は、ステープルがステープルカートリッジから駆動されるにつれてステープルを形成するためのアンビルを有する。例えば、直線外科用ステープル留め装置では、ステープル留め操作は、ステープルカートリッジ内に画定されたチャネルを長手方向に通って移動し、ステープルカートリッジからステープルの直線行を順次排出するためにチャネル内のステープルプッシャーに作用するカム部材を有するカムバー、ドライブスレッド又は他の類似機構によって達成される。多くの場合ドライブビーム上に支持されたナイフは、外科用ステープル留め装置が組織の周りに位置付けられて作動すると、組織が接合される及び/又は同時に若しくはほぼ同時に切断されるように、ステープルの直線行間に移動可能に位置付けられる。
【0004】
いくつかの外科用ステープル留め装置は、リロード(ローディングユニットと呼ばれることもある)及びハンドルアセンブリを含む。リロードは、ハンドルアセンブリに対して様々な関節運動角度で関節運動可能なエンドエフェクタを含んでもよい。線形ステープル留めでは、より短いデッドスペース(例えば、関節運動継手からステープル線が開始する場所までの距離)でより大きい関節運動が常に望ましい。関節運動を容易にするために、外科用ステープル留め装置は、ナイフバーをガイドする回転可能なバーガイドを含むことができる。ジョー部材が関節運動したときにバーガイドが回転すると、バーガイドは、ナイフバーを遠位方向に前進させることができ、関節運動が大きいほど、遠位方向への前進も大きくなる。駆動ビームの前進は、余分な運動を提供するためにデッドスペースの増加を必要とし、かつ/又は関節運動及び駆動ビーム運動が一緒に時間調整される(例えば、同時2モータ運動)ことを必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、外科用ステープル留め装置の駆動ビームが関節運動時に移動しないように、バーの座屈を防止し、かつ関節運動中の長さを維持するバーガイドアセンブリを含む外科用ステープル留め装置について詳述する。有利には、バーガイドアセンブリは、駆動ビームの移動から独立して増加した関節運動及び機械的関節運動を可能にするように二重ヒンジ式であってもよい。更に、外科用ステープル留め装置は、曲げの堅固さ及びデッドスペースを減少させるガイド傾斜部を有する関節運動リンクを含んでもよい。具体的には、ガイド傾斜部は、バーガイドアセンブリが内側に曲がる前に外側に回転して段階的な曲げを提供することを可能にしてもよい。関連付けられた曲げ経路は、駆動ビームが、標準の曲げ経路でステープル留め装置よりも更に後方に位置付けられることを可能にし、それにより、より短いデッドスペースを提供する。この曲げ運動は、関節運動中に駆動ビームの長さを一定に維持し、それにより、駆動ビームは関節運動中に前進しない。この曲げ運動は、関節運動と直線駆動が互いに独立していることを可能にし、例えば、外科用ステープル留め装置の中心長手方向軸に対して少なくとも最大およそ50度の関節運動を可能にする。本開示は、ローディングユニットが外科用ステープル留め装置に固定された後に外科用ステープル留め装置をホーミングする必要性も低減する。
【0006】
一態様によれば、本開示は、シャフトアセンブリと、シャフトアセンブリに固定されたエンドエフェクタと、発射アセンブリと、関節運動アセンブリとを含む外科用ステープル留め装置を対象とする。発射アセンブリは、エンドエフェクタを発射するためにエンドエフェクタを通って選択的に前進可能である、駆動ビーム及び可撓性ナイフバーアセンブリを含む。関節運動アセンブリは、関節運動リンクアセンブリ及び枢動可能なバーガイドアセンブリを有する。関節運動リンクアセンブリは、エンドエフェクタに連結されており、エンドエフェクタをシャフトアセンブリに対して関節運動させるように作動可能である。枢動可能なバーガイドアセンブリは、可撓性ナイフバーアセンブリを支持し、一緒に枢動可能に連結されている近位ガイドアセンブリ及び遠位ガイドアセンブリを含む。近位ガイドアセンブリは、シャフトアセンブリに枢動可能に連結されている。遠位ガイドアセンブリは、エンドエフェクタに枢動可能に連結されている。
【0007】
複数の態様では、枢動可能なバーガイドは、関節運動リンクアセンブリの作動に応じて枢動してもよい。関節運動リンクアセンブリは、一緒に枢動可能に連結されている近位関節運動リンク及び遠位関節運動リンクを含んでもよい。遠位関節運動リンクは、近位関節運動リンクの遠位端部分に連結された近位端部分と、エンドエフェクタの近位端部分に連結された遠位端部分とを有してもよい。近位関節運動リンクは、エンドエフェクタがシャフトアセンブリに対して関節運動したときに枢動可能なバーガイドと係合するように位置付けられたガイド傾斜部を含んでもよい。
【0008】
複数の態様では、近位ガイドアセンブリは、シャフトアセンブリに枢動可能に連結する近位ボスを含んでもよい。近位ガイドアセンブリは遠位フープを含んでもよく、遠位フープはそれを通してボス開口部を画定する。遠位ガイドアセンブリは、近位ガイドアセンブリの遠位フープのボス開口部内に受容されて、近位ガイドアセンブリと遠位ガイドアセンブリを一緒に枢動可能に連結する近位ボスを含んでもよい。遠位ガイドアセンブリは、エンドエフェクタの近位端部分に枢動可能に連結する遠位ボスを含んでもよい。エンドエフェクタの近位端部分は、装着アセンブリを含んでもよい。装着アセンブリは、遠位ガイドアセンブリの遠位ボスを受容して、遠位ガイドアセンブリを装着アセンブリに枢動可能に連結するボス穴を内部に画定してもよい。
【0009】
複数の態様では、枢動可能なバーガイドアセンブリは、それを通して中心通路を画定してもよく、中心通路はナイフバーアセンブリを摺動可能に受容する。
【0010】
別の態様によれば、本開示は、ハウジングアセンブリと、ハウジングアセンブリから延在するアダプタアセンブリと、アダプタアセンブリに選択的に取り付け可能なリロードとを含む外科用ステープル留め装置を対象とする。リロードは、リロードの遠位端部分上でエンドエフェクタを支持する。リロードは、発射アセンブリ及び関節運動アセンブリを含む。発射アセンブリは、エンドエフェクタを発射するためにエンドエフェクタを通って選択的に前進可能である、駆動ビーム及び可撓性ナイフバーアセンブリを含む。関節運動アセンブリは、関節運動リンクアセンブリ及び枢動可能なバーガイドアセンブリを有する。関節運動リンクアセンブリは、エンドエフェクタに連結されており、エンドエフェクタをシャフトアセンブリに対して関節運動させるように作動可能である。枢動可能なバーガイドアセンブリは、可撓性ナイフバーアセンブリを支持し、一緒に枢動可能に連結されている近位ガイドアセンブリ及び遠位ガイドアセンブリを含む。近位ガイドアセンブリは、シャフトアセンブリに枢動可能に連結されている。遠位ガイドアセンブリは、エンドエフェクタに枢動可能に連結されている。
【0011】
更に別の態様によれば、本開示は、外科用ステープル留め装置用のリロードを対象とする。リロードは、シャフトアセンブリと、エンドエフェクタと、関節運動リンクアセンブリと、枢動可能なバーガイドアセンブリとを含む。エンドエフェクタは、エンドエフェクタを発射するためにエンドエフェクタを通って選択的に前進可能である、駆動ビーム及び可撓性ナイフバーアセンブリを支持する。関節運動リンクアセンブリは、エンドエフェクタに連結されており、エンドエフェクタをシャフトアセンブリに対して関節運動させるように作動可能である。枢動可能なバーガイドアセンブリは、エンドエフェクタがシャフトアセンブリに対して関節運動したときに可撓性ナイフバーアセンブリを曲げるように構成されている。枢動可能なバーガイドアセンブリは、一緒に枢動可能に連結されている近位ガイドアセンブリ及び遠位ガイドアセンブリを含む。近位ガイドアセンブリは、シャフトアセンブリに枢動可能に連結されている。遠位ガイドアセンブリは、エンドエフェクタに枢動可能に連結されている。
【0012】
一態様によれば、本開示は、シャフトアセンブリと、シャフトアセンブリに固定されたエンドエフェクタと、発射アセンブリと、関節運動アセンブリと、関節運動ガイドとを含む外科用ステープル留め装置を対象とする。発射アセンブリは、エンドエフェクタを発射するためにエンドエフェクタを通って選択的に前進可能である可撓性ナイフバーアセンブリを含む。関節運動アセンブリは、関節運動リンクアセンブリ及び枢動可能なバーガイドアセンブリを有する。関節運動リンクアセンブリは、エンドエフェクタに連結されている。関節運動リンクアセンブリは、エンドエフェクタを非関節運動位置と関節運動位置との間でシャフトアセンブリに対して移動させるように作動可能である。関節運動ガイドは、エンドエフェクタが非関節運動位置又は関節運動位置に配置されると可撓性ナイフバーアセンブリが枢動可能なバーガイドアセンブリを通って前進することを可能にするように枢動可能なバーガイドアセンブリと関連付けられている。
【0013】
複数の態様では、枢動可能なバーガイドは、関節運動リンクアセンブリの作動に応じて枢動してもよい。関節運動リンクアセンブリは、一緒に枢動可能に連結されている近位関節運動リンク及び遠位関節運動リンクを含んでもよい。
【0014】
いくつかの態様では、関節運動ガイドは、キッカーカムを含んでもよく、キッカーカムは、遠位関節運動リンクから延在してもよく、枢動可能なバーガイドアセンブリと係合してもよい。枢動可能なバーガイドアセンブリは、一緒に枢動可能に連結されている近位ガイドアセンブリ及び遠位ガイドアセンブリを含んでもよい。キッカーカムは、遠位ガイドアセンブリの外面に沿って摺動するように構成されていてもよい。遠位ガイドアセンブリの外面は、キッカーカムが接触して遠位ガイドアセンブリの関節運動を容易にする側部突出部、凹部、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0015】
複数の態様では、枢動可能なバーガイドアセンブリは、一緒に枢動可能に連結されている近位ガイドアセンブリ及び遠位ガイドアセンブリを含んでもよい。近位ガイドアセンブリは、シャフトアセンブリに枢動可能に連結されていてもよい。遠位ガイドアセンブリは、エンドエフェクタに枢動可能に連結されていてもよい。
【0016】
複数の態様では、関節運動ガイドは、遠位ガイドアセンブリの関節運動を容易にする遠位ガイドアセンブリと関連付けられた戻り止め機構を含んでもよい。
【0017】
複数の態様では、関節運動ガイドは、関節運動したときに近位ガイドアセンブリを中心位置に付勢するように近位ガイドアセンブリに連結されている板ばねを含んでもよい。
【0018】
本開示の別の態様によれば、外科用ステープル留め装置は、ハウジングアセンブリと、ハウジングアセンブリから延在するアダプタアセンブリと、アダプタアセンブリに選択的に取り付け可能なリロードとを含む。リロードは、リロードの遠位端部分上でエンドエフェクタを支持する。リロードは、発射アセンブリと、関節運動アセンブリと、関節運動ガイドとを含む。発射アセンブリは、エンドエフェクタを発射するためにエンドエフェクタを通って選択的に前進可能である可撓性ナイフバーアセンブリを含む。関節運動アセンブリは、関節運動リンクアセンブリ及び枢動可能なバーガイドアセンブリを有する。関節運動リンクアセンブリは、エンドエフェクタに連結されている。関節運動リンクアセンブリは、エンドエフェクタを非関節運動位置と関節運動位置との間でアダプタアセンブリに対して移動させるように作動可能である。関節運動ガイドは、エンドエフェクタが非関節運動位置又は関節運動位置に配置されると可撓性ナイフバーアセンブリが枢動可能なバーガイドアセンブリを通って前進することを可能にするように枢動可能なバーガイドアセンブリと関連付けられている。
【0019】
本開示のなお別の態様によれば、外科用ステープル留め装置用のリロードは、シャフトアセンブリと、エンドエフェクタと、関節運動リンクアセンブリと、枢動可能なバーガイドアセンブリと、関節運動ガイドとを含む。エンドエフェクタは、エンドエフェクタを発射するためにエンドエフェクタを通って選択的に前進可能である可撓性ナイフバーアセンブリを支持する。関節運動リンクアセンブリは、エンドエフェクタに連結されており、エンドエフェクタを非関節運動位置と関節運動位置との間でシャフトアセンブリに対して関節運動させるように作動可能である。枢動可能なバーガイドアセンブリは、エンドエフェクタがシャフトアセンブリに対して関節運動したときに可撓性ナイフバーアセンブリを曲げるように構成されている。関節運動ガイドは、エンドエフェクタが非関節運動位置又は関節運動位置に配置されると可撓性ナイフバーアセンブリが枢動可能なバーガイドアセンブリを通って前進することを可能にするように枢動可能なバーガイドアセンブリと関連付けられている。
【0020】
他の態様、特徴、及び利点は、以下の説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
外科用ステープル留め装置において、
シャフトアセンブリと、
前記シャフトアセンブリに固定されたエンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタを発射するために前記エンドエフェクタを通って選択的に前進可能である可撓性ナイフバーアセンブリを含む発射アセンブリと、
関節運動リンクアセンブリ及び枢動可能なバーガイドアセンブリを有する関節運動アセンブリであって、前記関節運動リンクアセンブリが前記エンドエフェクタに連結されており、前記関節運動リンクアセンブリが、前記エンドエフェクタを非関節運動位置と関節運動位置との間で前記シャフトアセンブリに対して移動させるように作動可能である、関節運動アセンブリと、
前記エンドエフェクタが前記非関節運動位置又は前記関節運動位置に配置されると前記可撓性ナイフバーアセンブリが前記枢動可能なバーガイドアセンブリを通って前進することを可能にするように前記枢動可能なバーガイドアセンブリと関連付けられた関節運動ガイドと、を備える、外科用ステープル留め装置。
(項目2)
前記枢動可能なバーガイドが前記関節運動リンクアセンブリの作動に応じて枢動する、上記項目に記載の外科用ステープル留め装置。
(項目3)
前記関節運動リンクアセンブリが、一緒に枢動可能に連結されている近位関節運動リンク及び遠位関節運動リンクを含む、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留め装置。
(項目4)
前記関節運動ガイドがキッカーカムを含み、前記キッカーカムが前記遠位関節運動リンクから延在し、前記枢動可能なバーガイドアセンブリと係合する、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留め装置。
(項目5)
前記枢動可能なバーガイドアセンブリが、一緒に枢動可能に連結されている近位ガイドアセンブリ及び遠位ガイドアセンブリを含む、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留め装置。
(項目6)
前記キッカーカムが前記遠位ガイドアセンブリの外面に沿って摺動するように構成されている、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留め装置。
(項目7)
前記遠位ガイドアセンブリの前記外面が、前記キッカーカムが接触して前記遠位ガイドアセンブリの関節運動を容易にする側部突出部、凹部、又はそれらの組み合わせを含む、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留め装置。
(項目8)
前記枢動可能なバーガイドアセンブリが、一緒に枢動可能に連結されている近位ガイドアセンブリ及び遠位ガイドアセンブリを含み、前記近位ガイドアセンブリが前記シャフトアセンブリに枢動可能に連結されており、前記遠位ガイドアセンブリが前記エンドエフェクタに枢動可能に連結されている、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留め装置。
(項目9)
前記関節運動ガイドが、前記遠位ガイドアセンブリの関節運動を容易にする前記遠位ガイドアセンブリと関連付けられた戻り止め機構を含む、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留め装置。
(項目10)
前記関節運動ガイドが、関節運動したときに前記近位ガイドアセンブリを中心位置に付勢するように前記近位ガイドアセンブリに連結されている板ばねを含む、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留め装置。
(項目11)
外科用ステープル留め装置において、
ハウジングアセンブリと、
前記ハウジングアセンブリから延在するアダプタアセンブリと、
前記アダプタアセンブリに選択的に取り付け可能なリロードであって、前記リロードの遠位端部分上でエンドエフェクタを支持する、リロードと、
前記エンドエフェクタを発射するために前記エンドエフェクタを通って選択的に前進可能である可撓性ナイフバーアセンブリを含む発射アセンブリと、
関節運動リンクアセンブリ及び枢動可能なバーガイドアセンブリを有する関節運動アセンブリであって、前記関節運動リンクアセンブリが前記エンドエフェクタに連結されており、前記関節運動リンクアセンブリが、前記エンドエフェクタを非関節運動位置と関節運動位置との間で前記アダプタアセンブリに対して移動させるように作動可能である、関節運動アセンブリと、
前記エンドエフェクタが前記非関節運動位置又は前記関節運動位置に配置されると前記可撓性ナイフバーアセンブリが前記枢動可能なバーガイドアセンブリを通って前進することを可能にするように前記枢動可能なバーガイドアセンブリと関連付けられた関節運動ガイドと、を備える、外科用ステープル留め装置。
(項目12)
前記枢動可能なバーガイドが前記関節運動リンクアセンブリの作動に応じて枢動する、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留め装置。
(項目13)
前記関節運動リンクアセンブリが、一緒に枢動可能に連結されている近位関節運動リンク及び遠位関節運動リンクを含む、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留め装置。
(項目14)
前記関節運動ガイドがキッカーカムを含み、前記キッカーカムが前記遠位関節運動リンクから延在し、前記枢動可能なバーガイドアセンブリと係合する、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留め装置。
(項目15)
前記枢動可能なバーガイドアセンブリが、一緒に枢動可能に連結されている近位ガイドアセンブリ及び遠位ガイドアセンブリを含む、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留め装置。
(項目16)
前記キッカーカムが前記遠位ガイドアセンブリの外面に沿って摺動するように構成されている、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留め装置。
(項目17)
前記枢動可能なバーガイドアセンブリが、一緒に枢動可能に連結されている近位ガイドアセンブリ及び遠位ガイドアセンブリを含み、前記近位ガイドアセンブリがシャフトアセンブリに枢動可能に連結されており、前記遠位ガイドアセンブリが前記エンドエフェクタに枢動可能に連結されている、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留め装置。
(項目18)
前記関節運動ガイドが、前記遠位ガイドアセンブリの関節運動を容易にする前記遠位ガイドアセンブリと関連付けられた戻り止め機構を含む、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留め装置。
(項目19)
前記関節運動ガイドが、関節運動したときに前記近位ガイドアセンブリを中心位置に付勢するように前記近位ガイドアセンブリに連結されている板ばねを含む、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留め装置。
(項目20)
外科用ステープル留め装置用のリロードであって、
シャフトアセンブリと、
エンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタを発射するために前記エンドエフェクタを通って選択的に前進可能である可撓性ナイフバーアセンブリを支持する、エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタに連結されており、かつ前記エンドエフェクタを非関節運動位置と関節運動位置との間で前記シャフトアセンブリに対して関節運動させるように作動可能である関節運動リンクアセンブリと、
前記エンドエフェクタが前記シャフトアセンブリに対して関節運動したときに前記可撓性ナイフバーアセンブリを曲げるように構成された枢動可能なバーガイドアセンブリと、
前記エンドエフェクタが前記非関節運動位置又は前記関節運動位置に配置されると前記可撓性ナイフバーアセンブリが前記枢動可能なバーガイドアセンブリを通って前進することを可能にするように前記枢動可能なバーガイドアセンブリと関連付けられた関節運動ガイドと、を備える、外科用ステープル留め装置用のリロード。
(摘要)
外科用ステープル留め装置は、シャフトアセンブリと、シャフトアセンブリに固定されたエンドエフェクタと、発射アセンブリと、関節運動アセンブリと、関節運動ガイドとを含む。発射アセンブリは、エンドエフェクタを発射するためにエンドエフェクタを通って選択的に前進可能である可撓性ナイフバーアセンブリを含む。関節運動アセンブリは、関節運動リンクアセンブリ及び枢動可能なバーガイドアセンブリを有する。関節運動リンクアセンブリは、エンドエフェクタに連結されている。関節運動リンクアセンブリは、エンドエフェクタを非関節運動位置と関節運動位置との間でシャフトアセンブリに対して移動させるように作動可能である。関節運動ガイドは、エンドエフェクタが非関節運動位置又は関節運動位置に配置されると可撓性ナイフバーアセンブリが枢動可能なバーガイドアセンブリを通って前進することを可能にするように枢動可能なバーガイドアセンブリと関連付けられている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本明細書に組み込まれており、かつその一部を構成する添付の図面は、本開示の態様を例証するものであり、上記の本開示の概要及び以下の態様の発明を実施するための形態とともに、本開示の原理を説明するものである。
【0022】
図1】本開示の原理による外科用ステープル留め装置の斜視図である。
【0023】
図2】非関節運動位置にある図1の外科用ステープル留め装置のエンドエフェクタを図解する、指示された詳細領域の拡大斜視図である。
【0024】
図3】関節運動位置にある図2のエンドエフェクタを図解する斜視図である。
【0025】
図4】明確化のために遠位部分の一部が除去された状態で示されている、図1の外科用ステープル留め装置の遠位部分の拡大斜視図である。
図5】明確化のために遠位部分の一部が除去された状態で示されている、図1の外科用ステープル留め装置の遠位部分の拡大斜視図である。
図6】明確化のために遠位部分の一部が除去された状態で示されている、図1の外科用ステープル留め装置の遠位部分の拡大斜視図である。
【0026】
図7図1の外科用ステープル留め装置の遠位部分の分解斜視図である。
【0027】
図8図1の外科用ステープル留め装置のバーガイドアセンブリの斜視図である。
【0028】
図9図8のバーガイドアセンブリの上部ガイドアセンブリの分解斜視図である。
【0029】
図10図8のアダプタアセンブリの下部ガイドアセンブリの斜視図である。
【0030】
図11図2の切断線11-11に沿って切断した拡大断面図である。
【0031】
図12】外科用ステープル留め装置が非関節運動位置で示されている、図11の切断線12-12に沿って切断した断面図である。
【0032】
図13】第1の関節運動位置にある外科用ステープル留め装置を図解する図12の図である。
【0033】
図14】第2の関節運動位置にある外科用ステープル留め装置を図解する図12の図である。
【0034】
図15】明確化のために遠位部分の一部が除去された状態で示されている、別の態様による図1の外科用ステープル留め装置の別の遠位部分の斜視図である。
【0035】
図16】非関節運動位置と関節運動位置との間の遠位部分の運動を図解する、図15の遠位部分の一部の漸進的な上面図である。
図17】非関節運動位置と関節運動位置との間の遠位部分の運動を図解する、図15の遠位部分の一部の漸進的な上面図である。
図18】非関節運動位置と関節運動位置との間の遠位部分の運動を図解する、図15の遠位部分の一部の漸進的な上面図である。
図19】非関節運動位置と関節運動位置との間の遠位部分の運動を図解する、図15の遠位部分の一部の漸進的な上面図である。
図20】非関節運動位置と関節運動位置との間の遠位部分の運動を図解する、図15の遠位部分の一部の漸進的な上面図である。
【0036】
図21】非関節運動位置と関節運動位置との間の遠位部分の運動を図解する、なお別の態様による図1の外科用ステープル留め装置のなお別の遠位部分の漸進的な上面図である。
図22】非関節運動位置と関節運動位置との間の遠位部分の運動を図解する、なお別の態様による図1の外科用ステープル留め装置のなお別の遠位部分の漸進的な上面図である。
【0037】
図23】更に別の態様による図1の外科用ステープル留め装置の更に別の遠位部分の上面図である。
【0038】
図24】切断線24-24に沿って切断した図23の断面図である。
【0039】
図25】非関節運動位置と関節運動位置との間の遠位部分の運動を図解する、図23の遠位部分の漸進的な上面図である。
図26】非関節運動位置と関節運動位置との間の遠位部分の運動を図解する、図23の遠位部分の漸進的な上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
開示される外科用ステープル留め装置の態様は、図面を参照して詳細に説明され、図面中、同様の参照符号は、いくつかの図の各々における同一の又は対応する要素を示す。一般に既知であるように、「臨床医」という用語は、医師、看護師、又は任意の他の医療提供者を指し、医療支援従事者を含むことができる。更に、「近位」という用語は、臨床医により近い構造の部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医からより遠い構造の部分を指す。更に、前側、後側、上側、下側、頂部、底部などの方向の用語は、単に説明の便宜のために使用されており、本明細書に添付の開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、「内視鏡的」という用語は、概して、内視鏡、腹腔鏡、関節鏡、及び/又は小径切開若しくはカニューレを通して行われる任意の他の手技を指すために使用される。
【0041】
本明細書で使用される場合、平行な及び垂直なという用語は、真の平行及び真の垂直から最大約±10度までの実質的に平行及び実質的に垂直である相対配置を含むと理解される。
【0042】
以下の説明では、不必要に詳述することで本開示が曖昧になってしまうことがないように、周知の機能又は構成は、詳細には説明されない。
【0043】
更に、外科用ステープル留め装置は、簡潔化のために、線形外科用ステープル留めシステムに関連して本明細書に概して示され、かつ説明されているが、開示される外科用ステープル留め装置は、円形ステープラ、横ステープラ、又は開放ステープラなどの任意の電動式、手動式、又はロボット制御式外科用ステープル留めシステムを含むことができる。例示的な外科用ステープル留めシステムの構造及び機能の詳細な説明について、開示される態様とともに使用するためにその1つ以上の構成要素が含まれる又は修正されてもよく、米国特許第9,713,470号、同第8,806,973号、同第8,256,656号、同第8,157,152号、同第8,070,033号、同第7,819,896号、同第7,770,774号、同第7,334,717号、同第7,128,253号、同第5,964,394号、及び同第5,915,616号を参照することができ、これらの各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0044】
図1図12を参照すると、本開示の外科用ステープル留め装置10は、(外科用ステープル留め装置10を発射するために手動で作動可能であってもよい1つ以上のハンドルを含んでもよい)ハウジングアセンブリ12と、ハウジングアセンブリ12に固定されており、かつハウジングアセンブリ12から遠位方向に延在するアダプタアセンブリ14と、アダプタアセンブリ14に固定されており、かつアダプタアセンブリ14から遠位方向に延在するリロード100とを含む。アダプタアセンブリ14及びリロード100は、それらに沿って長手方向に延在する長手方向軸「X-X」を画定する。リロード100は、再利用可能であってもよく、使い捨てであってもよく、かつ/又は1つ以上の再利用可能な及び/又は使い捨て構成要素を含んでもよい。ハウジングアセンブリ12は、アダプタアセンブリ14を介してリロード100の電動作動を提供する電動ハウジングアセンブリの形態であってもよい。
【0045】
外科用ステープル留め装置10のリロード100は、アダプタアセンブリ14の遠位端部分14aに解放可能に固定されており、シャフトアセンブリ102の遠位端部分上のエンドエフェクタ104を支持するシャフトアセンブリ102を含む。エンドエフェクタ104は、アンビルアセンブリ106と、カートリッジアセンブリ104のステープルカートリッジ108内に画定されたステープルスロット108aの複数の列内に複数の締結具又はステープルを収容するカートリッジアセンブリ107とを含む。ステープルスロット108aの複数の列は、ステープルカートリッジ108を通して画定されたナイフスロット108cの両側に支持されている。ステープルカートリッジ108は、枢動ピン111を介してアンビルアセンブリ106に枢動可能に連結されている支持プレート109に選択的に取り付け可能である。ステープルカートリッジ108は、支持プレート109から選択的に取り外し可能であってもよく、交換可能であってもよい。アンビルアセンブリ106は、ステープルカートリッジ108のステープルスロット108aの複数の列に対応するステープルポケット110a(図6)の複数の列を内部に画定するアンビル110を含み、これにより、外科用ステープル留め装置10の発射時に、複数のステープルをステープルカートリッジ108のステープルスロット108aから分配し、アンビル110のステープルポケット110aに対して形成することができるようになる。
【0046】
外科用ステープル留め装置10のリロード100は、その近位端部分上でシャフトアセンブリ102を支持し、その遠位端部分上でエンドエフェクタ104を支持する。エンドエフェクタ104は、エンドエフェクタ104が、矢印「Z」によって示されるように、装着アセンブリ120を通って延在する関節運動軸「A-A」を中心にシャフトアセンブリ102に対して関節運動することを可能にする装着アセンブリ120によってシャフトアセンブリ102に枢動可能に連結されている。具体的には、エンドエフェクタ104は、外科用ステープル留め装置10の長手方向軸「X-X」と整列した非関節運動位置(図2)から関節運動位置(図3)位置へと関節運動軸「A-A」を中心に枢動してもよい。装着アセンブリ120は、上部装着ブロック122及び下部装着ブロック124を含み、これらは上部装着ブロック122から延在する装着ピン126を介して一緒にピン留めされている。上部装着ブロック122は、それから延在する上部カプラピン122aを含み、上部装着ブロック124は、それから垂下する下部カプラピン124aを含む(図11を参照されたい)。上部カプラピン122aは、上部連結アーム128を枢動可能に支持し、下部カプラピン124aは、下部連結アーム130を枢動可能に支持する。上部連結アーム128及び下部連結アーム130は、装着アセンブリ120から延在し、装着アセンブリ120をシャフトアセンブリ102に固定する。装着アセンブリ120は更に、近位方向に向くくぼんだ凹部120xをその内部に画定する(図12)。
【0047】
上部連結アーム128及び下部連結アーム130は各々、細長い本体129を含み、細長い本体129は、それを通して画定されたフック状近位端部分129a及び遠位カプラピン開口部129bを有する。細長い本体129は更に、それを通して近位ピン開口部129cを画定する。
【0048】
リロード100のシャフトアセンブリ102は、外側スリーブ102aと、外側スリーブ102a内に支持された内側シャフトアセンブリ102bとを含む。内側シャフトアセンブリ102bは、上部シャフトハウジング1021及び下部シャフトハウジング1022を含み、これらは一緒に連結し、それらの遠位端部分の外面にカプラ切り欠き1024を画定する。上部シャフトハウジング1021及び下部シャフトハウジング1022は、同一の構造を有し、互いに鏡像関係で配置されている。上部シャフトハウジング1021及び下部シャフトハウジング1022のカプラ切り欠き1024は、上部連結アーム128及び下部連結アーム130を上部シャフトハウジング1021及び下部シャフトハウジング1022にしっかりと固定するために、それぞれ、上部連結アーム128及び下部連結アーム130のフック状近位端部分129aをその内部に受容するように構成されている。上部シャフトハウジング1021及び下部シャフトハウジング1022の遠位端部分は更に、それらを通して、それぞれ、上部連結アーム128及び下部連結アーム130の近位ピン開口部129cと位置合わせされて配置されているピン開口1026を画定する。上部シャフトハウジング1021及び下部シャフトハウジング1022の遠位端部分は更に、遠位方向に向くくぼんだ凹部1028をその内部に画定する。
【0049】
外科用ステープル留め装置10のリロード100は、駆動ビームアセンブリ141と、カートリッジアセンブリ107からステープルを分配するためにカートリッジアセンブリ107内に配置されているスレッド143とを有する発射アセンブリ140を更に含む。駆動ビームアセンブリ141は、外科用ステープル留め装置10のアダプタアセンブリ14に作動可能に連結されている近位端部分を有する。駆動ビームアセンブリ141は、ナイフバーアセンブリ142と、スレッド143と係合するためにナイフバーアセンブリ142の遠位端部分に固定された駆動ビーム144とを有する。ナイフバーアセンブリ142は可撓性であり、一緒に連結された複数の積層体142aを含む。駆動ビーム144は、Iビームの形態であってもよく、ナイフ144aを含む。
【0050】
リロード100は、関節運動リンクアセンブリ160と、二重ヒンジ式である枢動可能なバーガイドアセンブリ170とを有する関節運動アセンブリ150を更に含む。
【0051】
関節運動アセンブリ150の関節運動リンクアセンブリ160は、その遠位端部分上にクレビス164を支持した近位関節運動リンク162と、クレビス164の近位端部分に隣接して関節運動リンク162の遠位端部分内に画定されるガイド傾斜部162aとを含む。関節運動リンクアセンブリ160は、近位スネア166a及び遠位スネア166bを有する遠位関節運動リンク166を更に含む。近位スネア166aは、クレビス164によって受容され、リンクピン168を介してそれにピン留めされる。遠位スネア166bは、上部装着ブロック122の装着ピン126に連結されている。
【0052】
関節運動アセンブリ150の枢動可能なバーガイドアセンブリ170は、一緒に連結されている上部ガイドアセンブリ180及び下部ガイドアセンブリ190を含む。
【0053】
上部ガイドアセンブリ180は、近位上部ガイド182及び遠位上部ガイド184を含み、下部ガイドアセンブリ190は、近位下部ガイド192及び遠位下部ガイド194を含む。上部ガイドアセンブリ180及び下部ガイドアセンブリ190は、近位上部ガイド182と近位下部ガイド192が同一であり(しかし、互いに反転したバージョンである)、かつ一緒に近位ガイドアセンブリ170pを形成するように、鏡像構造を有する。遠位上部ガイド184及び遠位下部ガイド194は、同一であり(しかし、互いに反転したバージョンである)、一緒に遠位ガイドアセンブリ170dを形成する。上部ガイドアセンブリ180と下部ガイドアセンブリ190との間の構造の対称性を考慮して、簡潔化のために、上部ガイドアセンブリ180のみが以下で説明される。
【0054】
図8図11に最もよく見られるように、上部ガイドアセンブリ180の近位上部ガイド182は、その上部表面から突出する近位ボス182aと、近位上部ガイド182から遠位に延在する遠位フープ182bとを含む。遠位フープ182bは、それを通してボス開口部182cを画定する。近位上部ガイド182は更に、それを通して中心通路182dを画定する。近位上部ガイド182は、遠位フープ182bから垂下する遠位隣接部182eを更に含む。
【0055】
上部ガイドアセンブリ180の遠位上部ガイド184は、遠位上部ガイド184と近位上部ガイド182を一緒に枢動可能に連結するように近位上部ガイド182のボス開口部182c内に受容される近位ボス184aを含む。遠位上部ガイド184は、遠位上部ガイド184を上部装着ブロック122に枢動可能に連結するように上部装着ブロック122の下面内に画定されたボス孔184b内に受容される遠位ボス122bを更に含み、注目すべきことに、下部ガイドアセンブリ190の遠位下部ガイド194の遠位ボス184bは、図11に見られるように、下部装着ブロック124の上面内に画定されたボス孔124bに枢動可能に連結する。上部ガイドアセンブリ180の遠位上部ガイド184は更に、近位ボス184aに隣接する遠位上部ガイド184の近位部分内に画定された側部スロット184cを画定する。遠位上部ガイド184は、それを通して中央通路184dも画定する。遠位上部ガイド184は、その中央部分に沿ってくぼんだ側壁184eを更に含む。上部ガイドアセンブリ180の中央通路182d、184dは、それらを通して駆動ビームアセンブリ141のナイフバーアセンブリ142を摺動可能に受容するように構成されている。
【0056】
使用中、図2図3、及び図12図14に最もよく見られるように、関節運動リンクアセンブリ160は、近位関節運動リンク162を遠位に前進させるように作動することができる。近位関節運動リンク162の遠位前進は、遠位関節運動リンク166を遠位に前進させ、遠位関節運動リンク166が連結されるリンクピン168及びマウントピン126を中心に枢動させる。遠位関節運動リンク166の遠位枢動運動は、エンドエフェクタ104を、長手方向軸「X」及びシャフトアセンブリ102に対して第1の方向に(例えば、右に横方向に)関節運動させる。エンドエフェクタ104が第1の方向に関節運動すると、近位ガイドアセンブリ170pは、長手方向軸「X」に対して第1の方向とは反対の第2の方向に(例えば、左に横方向に)、近位ボス182aを中心に枢動する。近位ガイドアセンブリ170pは、近位ガイドアセンブリ170pの遠位端部分(例えば、遠位フープ182b)が近位関節運動リンク162のガイド傾斜部162aと係合するまで、第2の方向に枢動することができる。ガイド傾斜部162aは、枢動可能なガイドバーアセンブリ170がそれに沿ってカム運動することを可能にし、枢動可能なガイドバーアセンブリ170の枢動運動を容易にする。かかる枢動運動は、枢動可能なガイドバーアセンブリ170の遠位ガイドアセンブリ170dの近位端部分を枢動可能なガイドバーアセンブリ170の近位ガイドアセンブリ170pの遠位端部分とともに枢動させる一方で、遠位ガイドアセンブリ170dの遠位端部分は、エンドエフェクタ104とともに第1の方向に枢動する。この運動により、枢動可能なバーガイドアセンブリ170が枢動可能なバーガイドアセンブリ170内に配置されたナイフバーアセンブリ142の部分を曲げ、これにより、発射アセンブリ140の作動時に、エンドエフェクタ104が外科用ステープル留め装置10を発射するような関節運動位置に配置されると、ナイフバーアセンブリ142がエンドエフェクタ104を通って遠位に前進することができるようになる。
【0057】
関節運動リンクアセンブリ160は、エンドエフェクタ104が第2の方向に関節運動することができるように、近位関節運動リンク162を近位に移動させるように作動することができる。具体的には、関節運動リンクアセンブリ160の近位リンク162の近位運動は、遠位関節運動リンク166を近位に引き寄せ、エンドエフェクタ104を枢動させ、これにより、近位ガイドアセンブリ170pが第1の方向に枢動し、遠位ガイドアセンブリ170dが第2の方向に枢動し、それにより、枢動可能なバーガイドアセンブリ170内に配置されたナイフバーアセンブリ142の部分を曲げる。この場合もやはり、発射アセンブリ140の作動時に、ナイフバーアセンブリ142は、エンドエフェクタ104が外科用ステープル留め装置10を発射するような関節運動位置に配置されると、エンドエフェクタ104を通って遠位に前進することができる。言うまでもなく、発射アセンブリ140は、エンドエフェクタ104が外科用ステープル留め装置10を発射するように非関節運動位置にあるときに、エンドエフェクタ104を通ってナイフバーアセンブリ142を遠位に前進させるように作動することができる。
【0058】
ここで図15図20を参照すると、複数の態様では、関節運動アセンブリ150は、枢動可能なバーガイドアセンブリ170と協働する関節運動リンクアセンブリ260を含む。関節運動リンクアセンブリ260は各々、近位関節運動リンク162と、遠位関節運動リンク166と同様であるが、関節運動ガイドをキッカーカム268の形態で含む遠位関節運動リンク266とを含む。キッカーカム268は、枢動可能なバーガイドアセンブリ170の遠位ガイドアセンブリ170dの外面170fと接触関係で配置されている丸みを帯びた縁部268aを有し、関節運動リンクアセンブリ260の丸みを帯びた縁部268aが遠位ガイドアセンブリ170dの外面170fに沿ってカム運動すると、遠位ガイドアセンブリ170をエンドエフェクタ104の所定の関節運動方向に向かって付勢する。
【0059】
遠位ガイドアセンブリ170dの外面170fは、近位側突出部172と、遠位側突出部174と、近位側突出部172と遠位側突出部174との間に配置されている凹状中間部分176とを含む。
【0060】
図17及び図18に見られるように、関節運動リンクアセンブリ260の第1の関節運動リンクアセンブリ260aが矢印「P」によって示されるように近位方向に移動すると、関節運動リンクアセンブリ260の第2の関節運動リンクアセンブリ260bは矢印「D」によって示されるように遠位方向に移動し、これにより、関節運動リンクアセンブリ260a、260bがエンドエフェクタ104の関節運動を矢印「ZR」によって示されるように第1の方向に(例えば、右に)付勢するようになる。かかる事例では、第1の関節運動リンクアセンブリ260aのキッカーカム268は、第2の関節運動リンクアセンブリ260bのキッカーカム268が凹状中間部分176から遠位に出て、遠位側突出部172に沿って遠位にカム運動すると、凹状中間部分176から近位に出て、近位側突出部174に沿って近位にカム運動し、近位ガイドアセンブリ170pが矢印「CC」によって示されるように反時計回り方向に枢動すると、遠位ガイドアセンブリ170dを矢印「C」によって示されるように時計回り方向に枢動させる。
【0061】
逆に、図19及び図20に図解されるように、第1の関節運動リンクアセンブリ260aが遠位方向に移動すると、第2の関節運動リンクアセンブリ260bは近位方向に移動し、これにより、関節運動リンクアセンブリ260a、260bがエンドエフェクタ104の関節運動を矢印「ZL」によって示されるように第1の方向とは反対の第2の方向に(例えば、左に)付勢するようになる。かかる事例では、第2の関節運動リンクアセンブリ260bのキッカーカム268は、第1の関節運動リンクアセンブリ260aのキッカーカム268が凹状中間部分176から遠位に出て、遠位側突出部172に沿って遠位にカム運動すると、凹状中間部分176から近位に出て、近位側突出部174に沿って近位にカム運動し、近位ガイドアセンブリ170pが矢印「C」によって示されるように時計回り方向に枢動すると、遠位ガイドアセンブリ170dを矢印「CC」によって示されるように反時計回り方向に枢動させる。
【0062】
注目すべきことに、近位方向に移動する第1の関節運動リンクアセンブリ260a又は第2の関節運動リンクアセンブリ260bのそれぞれの遠位関節運動リンク266は、近位ガイドアセンブリ170pと同じ概ね時計回り方向又は反時計回り方向に枢動する。しかしながら、それぞれの遠位関節運動リンク266及び近位ガイドアセンブリ170pの回転速度は、同じであっても異なってもよく、関節運動角度、キッカーカム268、側部突出部172、174、及び/若しくは凹状中間部分176の半径、並びに/又は関節運動リンクアセンブリ260a、260bと枢動可能なバーガイドアセンブリ170若しくはその部分との間の回転軸間の距離に依存する場合がある。その一方で、遠位方向に移動する第1の関節運動リンクアセンブリ260a又は第2の関節運動リンクアセンブリ260bの他方のそれぞれの遠位関節運動リンク266は、遠位ガイドアセンブリ170dと同じ概ね時計回り方向又は反時計回り方向に枢動する。しかしながら、それぞれの遠位関節運動リンク266及び遠位ガイドアセンブリ170dの回転速度は、同じであっても異なってもよく、関節運動角度、キッカーカム268、側部突出部172、174、及び/若しくは凹状中間部分176の半径、並びに/又は関節運動リンクアセンブリ260a、260bと枢動可能なバーガイドアセンブリ170若しくはその部分との間の回転軸間の距離に依存する場合もある。
【0063】
図21及び図22を参照すると、一態様では、近位ガイドアセンブリ170pは、近位ガイドアセンブリ170pの近位端部分に連結された遠位端部分302aを有する板ばね302の形態の関節運動ガイドを含む。板ばね302は、内側シャフトアセンブリ102bに連結されている近位端部分302bを含む。板ばね302の遠位端部分302aは、矢印「G」によって示されるように近位ガイドアセンブリ170pが枢動又は関節運動すると、板ばね302の近位端部分302bに対して矢印「F」によって示されるように屈曲又は関節運動するように構成されている。板ばね302は、板ばね302の遠位端部分302aが板ばね302の近位端部分302bに対して屈曲されると、近位ガイドアセンブリ170pを初期又は非関節運動/非屈曲位置(図21)に向かって付勢するように構成されている。複数の態様では、板ばね302は、その非屈曲位置で中心に配置されていてもよい。
【0064】
図23図26を参照すると、別の態様では、関節運動ガイドは、戻り止め402及び戻り止め穴404を含む戻り止め機構400の形態とすることができる。具体的には、遠位ガイドアセンブリ170d、例えば、遠位ガイドアセンブリ170dの遠位下部ガイド194は、遠位下部ガイド194の底面から延在してもよい戻り止め402を含むことができる。装着アセンブリ120は、その中に戻り止め穴404を画定してもよい。戻り止め穴404は、その中に戻り止め402を選択的に受容するように構成されている。戻り止め402及び戻り止め穴404は、遠位ガイドアセンブリ170dを付勢して適切に関節運動させるように構成されている。複数の態様では、遠位ガイドアセンブリ170dは、戻り止め穴404を画定してもよく、装着アセンブリ120は、それから延在する戻り止め402を含んでもよい。
【0065】
注目すべきことに、ナイフバーの曲げ半径及び発射強度要件は、特に25度以上関節運動する場合に非常に独特である。かかる要件により、ナイフバー設置(降伏)は、エンドエフェクタ104の関節運動に応じて起こり得る(例えば、ナイフバーアセンブリ142の積層体142aにおける永久的な曲げ)。有利には、図15図26に図解される態様は、ナイフバーアセンブリ142を異なる方向に関節運動させたときに、特にナイフバー設置が起こったときに、枢動可能なバーガイドアセンブリ170が不注意に結合するのを防止するのに役立つ。具体的には、これらの態様は、エンドエフェクタ104がいずれか又は両方の方向に関節運動したときに、枢動可能なバーガイドアセンブリ170が結合することなく屈曲/関節運動することができるように、枢動可能なバーガイドアセンブリ170を中心に配置し、ナイフバー設置を克服するのに役立つ。
【0066】
理解され得るように、本開示の装置の構成要素のうちのいずれかの固定は、溶接、圧着、接着、締結などのような既知の固定技術を使用して達成されることができる。
【0067】
本明細書に開示される様々な態様はまた、ロボット外科用システム及び一般に「遠隔手術」と称されるものと協働するように構成されている場合もある。かかるシステムは、臨床医を補助し、かつ外科用器具の遠隔操作(又は部分的遠隔操作)を可能にするために様々なロボット要素を用いる。様々なロボットアーム、ギア、カム、滑車、電気モータ、及び機械モータなどがこの目的のために用いられてもよく、手術中又は治療中に臨床医を補助するようにロボット外科用システムとともに設計されていてもよい。かかるロボットシステムには、遠隔操縦可能システム、自動フレキシブル外科用システム、遠隔フレキシブル外科用システム、遠隔関節運動外科用システム、無線外科用システム、モジュール式又は選択的に構成可能な遠隔動作式外科用システムなどが含まれてもよい。
【0068】
ロボット外科用システムは、手術室の隣にあり、又は遠隔場所に位置している1つ以上のコンソールとともに使用されてもよい。この場合、臨床医の1つのチームは、外科手術のために患者を準備し得、かつ別の臨床医(又は臨床医のグループ)がロボット外科手術システムを介して器具を遠隔的に制御しながら、本明細書で開示される器具のうちの1つ以上を用いてロボット外科手術システムを構成し得る。理解され得るように、高度に熟練した臨床医は、自身の遠隔コンソールを離れることなく、複数の場所で複数の動作を行うことができ、これは、経済的に有益であると同時に、患者又は一連の患者に利益をもたらすこともできる。例示的な医療用ワークステーション及び/又はその構成要素の詳細な説明について、米国特許出願公開第2012/0116416号及び国際公開第2016/025132号を参照することができ、これらの各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
当業者であれば、本明細書に具体的に記載されており、かつ添付の図に示されている構造及び方法が非限定的かつ例示的な態様であり、記述、本開示、及び図が単に態様を例示するものにすぎないと解釈されるべきであることを理解するであろう。したがって、本開示が記載される正確な態様に限定されず、本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく様々な他の変更及び修正が当業者により加えられてもよいことを理解されたい。加えて、ある特定の態様に関連して示されているか、又は記載されている要素及び特徴は、本開示の範囲から逸脱することなくある特定の他の態様の要素及び特徴と組み合わせされてもよく、かかる修正及び変形も本開示の範囲に含まれる。したがって、本開示の主題は、具体的に示され、かつ記載されているものによって限定されない。
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