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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114998
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】基板を下降させるための昇降装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20230810BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023015831
(22)【出願日】2023-02-06
(31)【優先権主張番号】10 2022 102 742.2
(32)【優先日】2022-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】593030945
【氏名又は名称】バット ホールディング アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クレメンス キューネ
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA18
5F131EA05
5F131EA23
5F131EB72
5F131EB79
(57)【要約】      (修正有)
【課題】昇降ロッドの位置もしくは線形の昇降運動軌道の位置を極めて正確に調整できる昇降装置及びチャンバフランジを有するプロセスチャンバを備えるアセンブリを提供する。
【解決手段】アセンブリは昇降装置を付加的に有し、昇降装置1は、昇降ロッド線形駆動装置6のための駆動装置ハウジング9と、駆動装置ハウジングフランジ10と、駆動装置ハウジングフランジ10によって取り囲まれた貫通開口11とを有する。昇降ロッド5は、貫通開口11を通して貫通案内されている。調整ねじ8は、それぞれ駆動装置ハウジングフランジ10に設けられた調整ねじ収容開口を通して螺入されており、調整ねじ収容開口が、互いに離間させられて駆動装置ハウジングフランジ10に配置されている。駆動装置ハウジングフランジ10を越える各々の調整ねじ8の張出し量が、各々の調整ねじ8を各々の調整ねじ収容開口に夫々異なる深さで螺入することによって調整可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスチャンバ(4)内、特に真空プロセスチャンバ内で基板(2)を基板支持体(3)に下降させるためのかつ前記基板(2)を前記基板支持体(3)から上昇させるための昇降装置(1)であって、昇降ロッド(5)と、該昇降ロッド(5)を線形の昇降運動軌道(7)に沿って往復動させるための昇降ロッド線形駆動装置(6)と、前記昇降運動軌道(7)の位置を調整するための複数の調整ねじ(8)とを有する、昇降装置(1)において、
前記昇降装置(1)は、前記昇降ロッド線形駆動装置(6)のための駆動装置ハウジング(9)と、駆動装置ハウジングフランジ(10)と、該駆動装置ハウジングフランジ(10)によって取り囲まれた貫通開口(11)とを有し、前記昇降ロッド(5)は、前記貫通開口(11)を通して貫通案内されており、前記調整ねじ(8)は、それぞれ前記駆動装置ハウジングフランジ(10)に設けられた調整ねじ収容開口(12)を通して螺入されており、該調整ねじ収容開口(12)は、互いに離間させられて前記駆動装置ハウジングフランジ(10)に配置されており、該駆動装置ハウジングフランジ(10)の、前記駆動装置ハウジング(9)とは反対側に位置している組付け面(14)において前記駆動装置ハウジングフランジ(10)を越える各々の前記調整ねじ(8)の張出し量(13)が、各々の前記調整ねじ(8)を各々の前記調整ねじ収容開口(12)にそれぞれ異なる深さで螺入することによって調整可能であることを特徴とする、昇降装置(1)。
【請求項2】
前記駆動装置ハウジングフランジ(10)には、正確に3つの調整ねじ(8)が、前記調整ねじ収容開口(12)の各々の調整ねじ収容開口(12)を通して螺入されており、かつ/または前記調整ねじ(8)は、それぞれ0.25mm/回転~0.6mm/回転の範囲、好ましくは0.3mm/回転~0.5mm/回転の範囲のねじピッチを有することを特徴とする、請求項1記載の昇降装置(1)。
【請求項3】
前記昇降装置(1)は、前記調整ねじ(8)に加えて、それぞれ前記駆動装置ハウジングフランジ(10)を通して貫通案内された、該駆動装置ハウジングフランジ(10)を前記プロセスチャンバ(4)のチャンバフランジ(16)に固定するための複数の結合ねじ(15)を有することを特徴とする、請求項1または2記載の昇降装置(1)。
【請求項4】
前記昇降装置(1)は、前記結合ねじ(15)の各々の結合ねじ(15)のために、前記チャンバフランジ(16)内への前記各々の結合ねじ(15)の螺入深さ(17)を予め設定するためのストッパ(18)を有することを特徴とする、請求項3記載の昇降装置(1)。
【請求項5】
各々の前記ストッパ(18)は、前記各々の結合ねじ(15)自体に形成されているか、または前記各々のストッパ(18)は、それぞれブシュ(19)に形成されていて、前記各々の結合ねじ(15)は、各々の前記ブシュ(19)を通して貫通案内されていることを特徴とする、請求項4記載の昇降装置(1)。
【請求項6】
前記昇降装置(1)は、前記プロセスチャンバ(4)のチャンバフランジ(16)もしくは前記チャンバフランジ(16)に向かって前記駆動装置ハウジングフランジ(10)に弾性的な予荷重を加えるための複数の弾性的な予荷重要素(20)を有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の昇降装置(1)。
【請求項7】
各々の前記弾性的な予荷重要素(20)の前記弾性的な予荷重は、それぞれ前記駆動装置ハウジング(9)とは反対側に位置している前記組付け面(14)において前記駆動装置ハウジングフランジ(10)を越える前記各々の調整ねじ(8)の前記張出し量(13)の増大とは逆方向に向けられており、かつ/または前記弾性的な予荷重要素(20)は、それぞれ環状に、好ましくは少なくとも1つの皿ばねとして形成されていることを特徴とする、請求項6記載の昇降装置(1)。
【請求項8】
前記結合ねじ(15)のそれぞれ1つの結合ねじ(15)は、前記弾性的な予荷重要素(20)のそれぞれ1つの予荷重要素(20)の結合ねじ収容開口(22)を通して貫通案内されていることを特徴とする、請求項3から5までのいずれか1項および請求項6または7記載の昇降装置(1)。
【請求項9】
前記駆動装置ハウジングフランジ(10)の、前記駆動装置ハウジング(9)とは反対側に位置している前記組付け面(14)は、平らな面として形成されていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の昇降装置(1)。
【請求項10】
チャンバフランジ(16)を有するプロセスチャンバ(4)を備えたアセンブリにおいて、
前記アセンブリは、請求項1から9までのいずれか1項記載の昇降装置(1)を付加的に有し、前記昇降装置(1)は、前記駆動装置ハウジングフランジ(10)で前記チャンバフランジ(16)に固定されており、前記昇降ロッド(5)は、前記プロセスチャンバ(4)のチャンバ内室(23)内に達しており、前記昇降ロッド(5)の前記昇降運動軌道(7)の前記位置は、前記駆動装置ハウジングフランジ(10)の、駆動装置ハウジング(9)とは反対側に位置している組付け面(14)において前記駆動装置ハウジングフランジ(10)を越える前記調整ねじ(8)の各々の張出し量(13)の調整によって調整可能であることを特徴とする、アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスチャンバ内、特に真空プロセスチャンバ内で基板を基板支持体に下降させるためのかつ基板を基板支持体から上昇させるための昇降装置であって、昇降ロッドと、昇降ロッドを線形の昇降運動軌道に沿って往復動させるための昇降ロッド線形駆動装置と、昇降運動軌道の位置を調整するための複数の調整ねじとを有する、昇降装置に関する。
【0002】
このような形式の昇降装置は、プロセスチャンバ内で、例えばウェハまたはこれに類するもののような基板を基板支持体に下降させるかまたは基板を基板支持体から上昇させるために使用される。このような運動を実施できるようにするために、昇降ロッドは昇降ロッド線形駆動装置によって線形の昇降運動軌道に沿って往復動させられる。通常、昇降ロッドの位置もしくは線形の昇降運動軌道の位置は極めて正確に調整できることが必要である。
【0003】
米国特許第11183418号明細書には、このような形式の従来技術が開示されている。同明細書では、昇降ロッド線形駆動装置は複数部分から成る支持体に固定されている。昇降運動軌道の位置を調整するために、複数部分から成るこの支持体には溝が形成されていて、この溝によってそれぞれ一種の屈曲ヒンジが実現される。同明細書には調整ねじも開示されており、これらの調整ねじは、支持体の異なる部分領域に作用し、溝もしくは溝によって形成された屈曲ヒンジと協働して、昇降ロッドもしくは線形の昇降運動軌道の位置の調整を可能にする。
【0004】
米国特許第11183418号明細書の欠点は、複数部分から成る支持体と、この支持体に配置された溝とが、比較的複雑に形成されていることである。
【0005】
本発明の課題は、冒頭に記載した昇降装置を改良して、昇降運動軌道の位置を調整することができるようにするための代替的な可能性を提供することである。
【0006】
このことは、本発明によれば、請求項1記載の昇降装置によって解決される。
【0007】
したがって、本発明によれば、昇降装置は、昇降ロッド線形駆動装置のための駆動装置ハウジングと、駆動装置ハウジングフランジと、駆動装置ハウジングフランジによって取り囲まれた貫通開口とを有し、昇降ロッドは、貫通開口を通して貫通案内されており、調整ねじは、それぞれ駆動装置ハウジングフランジに設けられた調整ねじ収容開口を通して螺入されており、調整ねじ収容開口は、互いに離間させられて駆動装置ハウジングフランジに配置されており、駆動装置ハウジングフランジの、駆動装置ハウジングとは反対側に位置している組付け面において駆動装置ハウジングフランジを越える各々の調整ねじの張出し量が、各々の調整ねじを各々の調整ねじ収容開口にそれぞれ異なる深さで螺入することによって調整可能であることが特定されている。
【0008】
したがって、調整ねじは、駆動装置ハウジングフランジに設けられた相応の調整ねじ収容開口を通して螺入されている。各々の調整ねじを、駆動装置ハウジングフランジに設けられた調整ねじ収容開口にどの程度螺入するかに応じて、駆動装置ハウジングフランジの組付け面において、調整ねじの張出し量が残される。調整ねじの相応の回転によるこれらの張出し量の調整によって、駆動装置ハウジングフランジを通して設けられた相応の貫通開口を通して貫通案内されている昇降ロッドの位置ひいては昇降運動軌道の位置を極めて正確に調整することができる。組付け面において駆動装置ハウジングフランジを越える調整ねじの端部は、例えばチャンバフランジに支持されてよい。チャンバフランジと駆動装置ハウジングフランジとの間には、好ましくは間隙が形成されており、各々の調整ねじの領域における間隙幅もまた同様にそれぞれ各々の調整ねじによって調整することができる。
【0009】
昇降装置自体のみならず、本発明は、チャンバフランジを有するプロセスチャンバを備えたアセンブリであって、アセンブリは、本発明に係る昇降装置を付加的に有し、昇降装置は、駆動装置ハウジングフランジでチャンバフランジに固定されており、昇降ロッドは、プロセスチャンバのチャンバ内室内に達しており、昇降ロッドの昇降運動軌道の位置は、駆動装置ハウジングフランジの、駆動装置ハウジングとは反対側に位置している組付け面において駆動装置ハウジングフランジを越える調整ねじの各々の張出し量の調整によって調整可能である、アセンブリに関する。
【0010】
下記のことは必ずしも必要ではないが、しかしながら好ましくは、駆動装置ハウジングフランジの、駆動装置ハウジングとは反対側に位置している組付け面は、平らな面として形成されていることが特定されている。
【0011】
冒頭に記載したように、基板は、昇降装置によって基板支持体に下降させることができるかまたは言い換えると基板支持体に載せることができるだけでなく、基板支持体から上昇させることもできる。つまり、昇降装置は、本来厳密に言えば、上昇および下降装置である。しかしながら、本明細書では、表現を簡単にするため、単に昇降装置と呼ぶことにする。
【0012】
好ましくは、駆動装置ハウジングフランジには、正確に3つの調整ねじが、調整ねじ収容開口の各々の調整ねじ収容開口を通して螺入されている。このようにして、駆動装置ハウジングフランジの組付け面における3つの調整ねじの端部もしくは3つの調整ねじの張出し量が、1つの平面を明確に予め設定することができ、このことは、昇降ロッドの線形の昇降運動軌道の明確な調整に好適である。
【0013】
調整時に可能な限り細かい調整を可能にするために、調整ねじは、好ましくは細目ねじ山を有している。特にこれに関連して、好ましくは、調整ねじは、それぞれ0.25mm/回転~0.6mm/回転の範囲、好ましくは0.3mm/回転~0.5mm/回転の範囲のねじピッチを有することが特定されている。
【0014】
駆動装置ハウジングフランジをチャンバフランジに固定できるようにするために、昇降装置の好適な変化形態では、昇降装置は、調整ねじに加えて、それぞれ駆動装置ハウジングフランジを通して貫通案内された、駆動装置ハウジングフランジをプロセスチャンバのチャンバフランジに固定するための複数の結合ねじを有することが特定されている。結合ねじもまた、好ましくは互いに離間させられて駆動装置ハウジングフランジに配置されている。
【0015】
好適な変化形態では、昇降装置は、結合ねじの各々の結合ねじのために、チャンバフランジ内への各々の結合ねじの螺入深さを予め設定するためのストッパを有することが特定されている。ストッパは、駆動装置ハウジングフランジとチャンバフランジとの間に間隙が残るように、駆動装置ハウジングフランジをチャンバフランジに固定することを可能にする。ストッパの位置によって、各々の結合ねじの領域における最大の間隙幅を予め設定することができる。そして、実際の間隙幅を調整ねじを用いて調整することができる。
【0016】
各々の結合ねじにおけるストッパの形成のためには、様々な可能性がある。例えば、各々のストッパは、各々の結合ねじ自体に形成されていてよい。しかしながら、また代替的に、各々のストッパは、それぞれブシュに形成されていてもよく、このような構成では、各々の結合ねじは、各々のブシュを通して貫通案内されている。
【0017】
本発明の好適な変化形態では、昇降装置は、プロセスチャンバのチャンバフランジもしくは上述したチャンバフランジに向かって駆動装置ハウジングフランジに弾性的な予荷重を加えるための複数の弾性的な予荷重要素を有することが特定されている。このように構成されていると、予荷重要素が駆動装置ハウジングフランジにチャンバフランジに向かう方向で予荷重を加えるように、予荷重要素の弾性的な予荷重を向けることができ、これによって、調整ねじをそれぞれ駆動装置ハウジングフランジに設けられた各々の調整ねじ収容開口に相応に大きく螺入することにより、調整ねじが、各々の調整ねじの領域で駆動装置ハウジングフランジとチャンバフランジとの間の間隙を予荷重要素の予荷重に抗して開放するかもしくは増大させることができる。調整ねじの相応の回転によって、組付け面で駆動装置ハウジングフランジを越える張出し量を減少させられると、予荷重要素の予荷重は、これによって、この領域におけるチャンバフランジと駆動装置ハウジングフランジとの間の間隙が小さくなるように自動的に働く。つまり、言い換えると、各々の弾性的な予荷重要素の弾性的な予荷重は、それぞれ駆動装置ハウジングとは反対側に位置している組付け面において駆動装置ハウジングフランジを越える各々の調整ねじの張出し量の増大とは逆方向に向けられているということが特定されていてよい。
【0018】
弾性的な予荷重要素は、それぞれ環状に形成されていてよい。弾性的な予荷重要素は、基本的に様々な構成を有していてよく、種々異なる材料から成っていてよい。予荷重要素は、好ましくは少なくとも1つの皿ばねまたは皿ばねセットでもある。しかしながらまた、もちろん、コイルばね、エラストマー体またはこれに類するもののような他の弾性体を弾性的な予荷重要素として使用することも可能である。弾性的な予荷重要素は、金属、エラストマーまたは他の適宜な材料から成っていてよい。
【0019】
各々の結合ねじに1つの弾性的な予荷重要素が割り当てられていることが特定されていてよい。特に好ましくは、結合ねじのそれぞれ1つの結合ねじは、弾性的な予荷重要素のそれぞれ1つの予荷重要素の結合ねじ収容開口を通して貫通案内されていることが特定されている。
【0020】
基板は、基板支持体への下降時にまたは基板支持体からの基板の上昇時にも、昇降ロッドの、昇降ロッド線形駆動装置とは相応に反対側に位置している端部に直接載置されていてよい。しかしながら、昇降ロッドの、昇降ロッド線形駆動装置とは反対側に位置している上述した端部には、冒頭に述べた従来技術に基づいて自体公知の支持プレートが配置されていてもよく、この支持プレートには、基板支持体を通して貫通案内されている昇降ピンが支持されている。このような構成でも、昇降運動軌道に沿った昇降ロッドの上昇によって、昇降ピンひいては昇降ピンに載置されている基板も上昇させられる。下降に対しても同様のことが言える。このことは、それ自体、冒頭に述べた従来技術に基づいて公知であるので、これについてさらに述べる必要はない。支持プレートはまた開口を有していてよく、この開口を通して、基板支持体を保持する支持ロッドが場合によっては長手方向移動可能に貫通案内されていてよい。
【0021】
本発明に係る昇降装置は、特にプロセスチャンバもしくは真空プロセスチャンバに相俟って使用され、プロセスチャンバもしくは真空プロセスチャンバのチャンバ内室では、例えばウェハのような加工すべき基板が特殊な雰囲気内でかつ/または特殊な圧力レベル下で加工される。真空プロセスチャンバというのは、チャンバ内室内で0.001mbar(ミリバール)もしくは0.1パスカル以下の圧力を有する運転状態が得られるプロセスチャンバのことである。しかしながらまた、標準気圧、つまり1barを下回る圧力のために設計されている場合でも、真空チャンバと呼ぶことができる。
【0022】
本発明の好適な構成形態のさらなる特徴および詳細については、例として本発明の3つの変化形態を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1の実施例による本発明に係る昇降装置を備えたプロセスチャンバを下から見た図である。
図2図1に示した切断線A-Aに沿った鉛直断面図である。
図3図1に示した切断線B-Bに沿った鉛直断面図である。
図4図2に示した領域Cを拡大して示す図である。
図5図3に示した領域Dを拡大して示す図である。
図6図2と同様な断面図であるが、図2に比べて昇降ロッドがさらに上昇させられた状態を示す断面図である。
図7】第2の実施例による本発明に係る昇降装置を備えたプロセスチャンバを下から見た図である。
図8図7に示した切断線E-Eに沿った鉛直断面図である。
図9図7に示した切断線F-Fに沿った鉛直断面図である。
図10図8に示した詳細部Gを拡大して示す詳細図である。
図11図9に示した詳細部Hを拡大して示す詳細図である。
図12図8と同様な断面図であるが、図8に比べて昇降ロッドがさらに上昇させられた状態を示す断面図である。
図13】第3の実施例による本発明に係る昇降装置を備えたプロセスチャンバを下から見た図である。
図14図13に示した切断線I-Iに沿った鉛直断面図である。
図15図13に示した切断線J-Jに沿った鉛直断面図である。
図16図14に示した領域Kを拡大して示す図である。
図17図15に示した領域Lを拡大して示す図である。
図18】基板支持体図14と同様な断面図であるが、図14に比べて昇降ロッドがさらに上昇させられた状態を示す断面図である。
【0024】
図1には、プロセスチャンバ4の下側に配置されている本発明に係る昇降装置1の第1の実施例が示してある。プロセスチャンバ4を下から見たこの図では、昇降装置1の駆動装置ハウジング9とプロセスチャンバ4の下側とが見える。この図では同様に、駆動装置ハウジングフランジ10と、相応の調整ねじ収容開口12を通して螺入された調整ねじ8と、結合ねじ15と、以下においてさらに説明する固定ねじ24と、支持ディスク25とが見える。駆動装置ハウジングフランジ10のみならず、プロセスチャンバ4を下から見たこの図では、支持ロッド26をも見ることができる。さらに図1には、切断線A-AおよびB-Bも示してある。
【0025】
図2には、図1に示した切断線A-Aに沿った鉛直断面図が示してある。図2において良好に見ることができるように、昇降装置1は、ここではより詳細に示していない昇降ロッド線形駆動装置6を有していて、この昇降ロッド線形駆動装置6は、昇降ロッド5を線形の昇降運動軌道7に沿って往復動させることができる。好ましくは、昇降ロッド線形駆動装置6は、昇降ロッド5をもっぱら昇降運動軌道7の互いに逆向きの2つの方向で運動させることができるように形成されている。昇降ロッド線形駆動装置6は、自体公知の極めて様々な構成形態で構成することができる。昇降ロッド線形駆動装置6は、例えば相応の空気圧式または液圧式の線形駆動装置であってよい。電気式の線形駆動装置または自体公知の他の線形駆動装置も同様に考えられる。図示の実施例では昇降ロッド線形駆動装置6は、他の好適な構成形態と同様に、いずれにせよ駆動装置ハウジング9内に配置されているかもしくは駆動装置ハウジング9によって取り囲まれている。駆動装置ハウジング9のみならず、昇降装置1は、貫通開口11を取り囲む駆動装置ハウジングフランジ10をも有している。貫通開口11を通して、昇降ロッド5は貫通案内されている。駆動装置ハウジングフランジ10は、この実施例のように、駆動装置ハウジング9に一体に一体成形されていてもよいが、しかしながら他の形式で駆動装置ハウジング9に結合されていてもよい。貫通開口11を通して昇降ロッド5は、いずれにせよプロセスチャンバ4のチャンバ内室23内に達している。駆動装置ハウジング9に対してチャンバ内室23をシールするために、相応のベローズ27が設けられている。昇降装置1の駆動装置ハウジングフランジ10との結合のために、プロセスチャンバ4はチャンバフランジ16を有している。このチャンバフランジ16はまた内室を取り囲んでいて、この内室を通して昇降ロッド5は貫通案内されている。駆動装置ハウジングフランジ10の組付け面14は、チャンバフランジ16に向けられている。駆動装置ハウジングフランジ10の組付け面14とチャンバフランジ16との間には、間隙30が存在しており、この間隙30の、以下においてさらに詳しく説明する間隙幅は、調整ねじ8を用いて調整することができる。調整ねじ8の相応の螺入または螺出によって、駆動装置ハウジングフランジ10の組付け面14を越える調整ねじ8の張出し量13を個々に調整することができるので、昇降運動軌道7の位置もしくは昇降ロッド5の方向付けの相応の調整が、調整ねじ8を用いて可能である。この調整が具体的にどのように行われるかは、以下において図4および図5を参照しながら説明する。図4には、図2の領域Cが拡大して示してあり、図5には、図3の領域Dが拡大して示してある。
【0026】
昇降ロッド5の、昇降ロッド線形駆動装置6とは反対側の端部には、ここに示した実施例では、この実施例では環状に開口31を取り囲む支持プレート29が配置されている。開口31を通して、この実施例では例として支持ロッド26が貫通案内されていて、この支持ロッド26には基板支持体3が固定されている。基板支持体3は、いずれにせよプロセスチャンバ4のチャンバ内室23内に位置している。基板支持体3には、加工プロセス中に、加工すべき基板2が載置されている。プロセスチャンバ4のチャンバ内室23内に基板2を導入するためかつチャンバ内室23から基板2を取り出すために、プロセスチャンバ4のチャンバ壁は、自体公知の形式でチャンバ開口21を有しており、このチャンバ開口21は、ここには図示しないが自体公知の弁によって閉鎖することができる。基板支持体3は、ここに図示したように支持ロッド26を用いて鉛直方向で高さ調整可能であってよいが、チャンバ内室23内に固定して配置することも同様に可能である。
【0027】
図示の実施例では、いずれにせよ昇降ピン28が基板支持体3を通して貫通案内されている。昇降ピン28は、支持プレート29に支持されている。支持プレート29は、昇降ロッド5の相応の調整によって極めて正確に方向付けることができる。昇降ロッド5が、昇降ロッド線形駆動装置6によって昇降運動軌道7に沿って上方に向かって上昇させられると、これによって支持プレート29に支持された昇降ピン28もまた同様に上方に向かって移動させられ、基板支持体3に載置されている基板2を上昇させる。昇降ロッド5を昇降運動軌道7に沿って下方に向かって下降させることによって、支持プレート29もまた下降させられる。これによって、昇降ピン28も、昇降ピン28に載置されている基板2も相応に下降する。つまり昇降ロッド5を用いた基板支持体3への基板2の下降もしくは基板支持体3からの基板2の上昇は、この実施例では支持プレート29および昇降ピン28を介して行われる。しかしながらもちろん、このような態様とは異なり、昇降ロッド5が特に昇降ロッド線形駆動装置6とは反対側に位置しているその端部で、基板2に直接係合し、これによって基板2を基板支持体3から上昇させるかまたは基板支持体3に下降させることができるような構成が特定されていてもよい。そのためには、例えばここには図示していない開口が基板支持体3に設けられていてよく、この開口を通して昇降ロッド5は相応に貫通案内可能であり、これによって昇降ロッド5は直接基板2に達することができる。
【0028】
図3には、この実施例が図1に示した切断線B-Bに沿った鉛直断面図で示してある。図6には、この実施例が図2と同様の図で示してあるが、ここでは昇降ロッド5は、昇降ロッド5が支持プレート29および昇降ピン28を用いて基板2を基板支持体3から上昇させるまで鉛直方向に上昇させられている。基板2の加工中に、基板2が図2に示すように基板支持体3に載置されている場合には、基板2を、図6に示した位置で、例えば相応のロボットアームまたはこれに類するものによって把持して、チャンバ開口21を通して取り出すかまたは逆に外からチャンバ開口21を通してチャンバ内室23内に運動させ、昇降ピン28に下ろすことができる。基板2の下降は、次いで同様に昇降ロッド5を昇降運動軌道7に沿って下方に向かって相応に運動させることによって行われる。
【0029】
図2の詳細部Cを拡大して示す図4には、駆動装置ハウジングフランジ10を通して設けられた相応の調整ねじ収容開口12を通して螺入された調整ねじ8のうちの1つの調整ねじ8が示してある。調整ねじ収容開口12および調整ねじ8に設けられた相応のねじ山は、別途図示していないが、従来技術において自体公知のように形成されていてよい。このねじ山は、通常、調整ねじ8における雄ねじ山と、および調整ねじ収容開口12を取り囲む駆動装置ハウジングフランジ10における相応の雌ねじ山である。調整ねじ8の相応の螺入および螺出によって、駆動装置ハウジングフランジ10の、駆動装置ハウジング9とは反対側に位置している組付け面14において、駆動装置ハウジングフランジ10を越える各々の調整ねじ8の張出し量13を調整することができる。張出し量13は、各々の調整ねじ8の領域における間隙30の間隙幅をも予め設定する。個々の調整ねじ8ひいては調整ねじ収容開口12は、図1において良好に見ることができるように、互いに離間させられて駆動装置ハウジングフランジ10に配置されている。好ましくは、駆動装置ハウジングフランジ10には、それぞれ調整ねじ収容開口12のうちの1つの調整ねじ収容開口12を通して螺入されている正確に3つの調整ねじ8が設けられている。調整ねじ8は、好ましくは、冒頭で述べたように、相応の細目ねじ山を有しているので、駆動装置ハウジングフランジ10の組付け面14を越える張出し量13の値を、極めて正確に調整することができる。
【0030】
調整ねじ8に加えて、昇降装置1はさらに複数の結合ねじ15を有している。これらの結合ねじ15は、駆動装置ハウジングフランジ10を通して貫通案内されていて、プロセスチャンバ4のチャンバフランジ16に駆動装置ハウジングフランジ10を固定するために働く。そのために結合ねじ15のねじ山付きピン32は、チャンバフランジ16における相応のねじ山付き孔33内に螺入される。このとき、好ましくは、昇降装置1は、結合ねじ15の各々の結合ねじ15のために、チャンバフランジ16内への各々の結合ねじ15の螺入深さ17を予め設定するためのストッパ18を有していることが特定されている。つまり結合ねじ15は、それぞれ駆動装置ハウジングフランジ10における相応の開口を通して、結合ねじ15のストッパ18がチャンバフランジ16に当接するまで深く螺入され、これによって確定された螺入深さ17が予め設定される。図1図6に示した第1の実施例では、各々のストッパ18はそれぞれブシュ19に形成されており、各々の結合ねじ15は、各々のブシュ19を通して貫通案内されている。
【0031】
結合ねじ15もまた、好ましくは互いに離間させられた箇所で、駆動装置ハウジングフランジ10を通して貫通案内されている。ここに図示した実施例は、それぞれ1つの結合ねじ15がそれぞれ調整ねじ8の近傍に配置されていてよいことを例示している。しかしながらこのことは、必ずしもそうである必要はない。
【0032】
調整ねじ8および結合ねじ15に加えて、本発明に係る昇降装置1は、好ましくはプロセスチャンバ4のチャンバフランジ16に向かって駆動装置ハウジングフランジ10に弾性的な予荷重を加えるための複数の弾性的な予荷重要素20を有している。ここでも実現されているように、好ましくは、弾性的な予荷重要素20の予荷重方向は、この予荷重要素20が駆動装置ハウジングフランジ10にチャンバフランジ16に向かう方向で予荷重を加えるように方向付けられていることが特定されている。つまり言い換えれば、弾性的な予荷重要素20の予荷重は、駆動装置ハウジングフランジ10とチャンバフランジ16との間の間隙30の間隙幅を減少させる方向で作用する。このことはまた、各々の弾性的な予荷重要素20の弾性的な予荷重がそれぞれ、駆動装置ハウジング9とは反対に位置している組付け面において、駆動装置ハウジングフランジ10を越える各々の調整ねじ8の張出し量13の増大とは逆方向であるように作用する。
【0033】
弾性的な予荷重要素20は、様々に構成することができる。弾性的な予荷重要素20は、金属ばねであっても、他の弾性体であってもよい。好適な構成形態では、本明細書のように、弾性的な予荷重要素がそれぞれ環状に形成されていることが特定されていてよい。例えばここでも実現されているように、皿ばねを弾性的な予荷重要素20として使用することが可能である。皿ばねは、個々の皿ばねであっても、またはここに示した実施例におけるように皿ばねセットであってもよい。特に好ましくは、ここでも実現されているように、結合ねじ15は、弾性的な予荷重要素20のそれぞれ1つの予荷重要素20の結合ねじ収容開口22を通して貫通案内されている。
【0034】
具体的な構成とは無関係に、いずれにせよ、調整ねじ8と弾性的な予荷重要素20とは、調整ねじ8の各々の領域における間隙30の幅を調整するために互いに相互作用することが好ましい。張出し量13が、各々の調整ねじ8を駆動装置ハウジングフランジ10における各々の調整ねじ収容開口12を通して相応に螺入することによって増大させられると、これによってこの領域における間隙30の間隙幅もまた相応に増大させられる。この場合、弾性的な予荷重要素20はその予荷重に抗して圧縮される。これに対して、各々の調整ねじ8を逆方向に相応に回転させることによって、駆動装置ハウジングフランジ10の組付け面14における調整ねじ8の張出し量13が減少させられると、弾性的な予荷重要素20の予荷重は、この領域における間隙30の間隙幅を減少するために働く。このことは、調整ねじ8の相応の螺入および螺出ひいては駆動装置ハウジングフランジ10の組付け面14を越える調整ねじ8の張出し量13の相応の調整によって、チャンバフランジ16に対して相対的な駆動装置ハウジングフランジ10の位置ひいては昇降運動軌道7もしくは昇降ロッド5の位置をも極めて正確に調整することを可能にする。これによって、ここに示したこの実施例では、チャンバ内室23における支持プレート29の方向付けおよび位置もまた極めて正確に自動調整される。
【0035】
駆動装置ハウジングフランジ10の、駆動装置ハウジング9とは反対側に位置している組付け面14は、好ましくは平らな面として形成されている。このことは、好ましくはチャンバフランジ16の、駆動装置ハウジングフランジ10に向いた相応の表面に対しても言える。しかしながら両方のことは、必ずしもそうである必要はない。組付け面14とチャンバフランジ16の、相応に向かい合って位置している表面とは、他の形態で形成されていてもよい。
【0036】
図4において良好に見ることができるように、ここでは皿ばねとして形成された両方の弾性的な予荷重要素20は、ブシュ19と駆動装置ハウジングフランジ10との間に挟み込まれている。結合ねじ15が、相応にストッパ18に達するまでチャンバフランジ16におけるねじ山付き孔33内に螺入されると、ブシュ19および弾性的な予荷重要素20は、これによって紛失しないように各々の結合ねじ15によって保持される。結合ねじ15がまだ相応に駆動装置ハウジングフランジ10を通してチャンバフランジ16内に螺入されていない状態でも、ブシュ19および/または予荷重要素20の紛失を回避するために、この実施例では、特に図5にもしくは図3の相応の領域Dに示した固定ねじ24が設けられている。これらの固定ねじ24は、各々の頭部で、図5に図示したように、支持ディスク25を用いてブシュ19および弾性的な予荷重要素20を駆動装置ハウジングフランジ10に押圧しており、これによって結合ねじ15がまだ存在していない場合でも、ブシュ19および予荷重要素20は駆動装置ハウジングフランジ10におけるその所定の位置で不動に保持されている。したがって固定ねじ24は、この第1の実施例では純粋な取付け補助部材である。結合ねじ15が相応に十分に、図4および図5に図示したように、駆動装置ハウジングフランジ10を通してチャンバフランジ16内に螺入されると、固定ねじ24および支持ディスク25は本来もはや不要になる。しかしながらそれにもかかわらず、固定ねじ24および支持ディスク25は、この状態でも邪魔にならないので、そのまま残されていてよい。
【0037】
図7図12には、相応のチャンバ4における本発明に係る昇降装置1の第2の実施例が示してあり、この第2の実施例では、固定ねじ24および支持ディスク25は省かれている。第1の実施例に対する以下に記載した相違を除けば、第2の実施例は第1の実施例に相当しているので、ここでは相違についてだけ触れる。第2の実施例に関するその他の点については、第1の実施例の上で述べた記載が参照される。
【0038】
この第2の実施例においても同様に図7には、昇降装置1およびチャンバ4を下から見た図が示してある。図8および図12にも同様に、図7に示した切断線E-Eに沿った鉛直断面図が示してあり、図8では、昇降ロッド5は昇降運動軌道7に沿って、基板2が基板支持体3に載置されるまで下方に向かって走行させられている。図12に示した状況では、昇降ロッド5を上方に向かって相応にさらに上方走行させることによって、基板2は基板支持体3から上昇させられている。図9には、切断線F-Fに沿った鉛直断面図が示してある。図10には、図8に示した領域Gが拡大して示してある。図11には、図9に示した領域Hが拡大して示してある。図10および図11では、第1の実施例に対する相違も良好に見ることができる。第1の実施例に対する相違は、この変化形態では各々のブシュ19が各々の結合ねじ15と一体に形成されていることにある。これによってこの実施例では、各々のストッパ18を各々の結合ねじ15自体に形成することが達成される。固定ねじ24および支持ディスク25は、この実施例では完全に省かれる。その代わりにこの実施例および特に調整ねじ8と弾性的な予荷重要素20との相互作用は、第1の実施例におけると同じ形式で機能する。ここでも昇降運動軌道7の位置の調整は、調整ねじ8の相応の螺入および/または螺出ひいては駆動装置ハウジングフランジ10の組付け面14を越える調整ねじ8の張出し量13の相応の調整によって行われる。
【0039】
図13図18に示した本発明の第3の実施例では、第1の実施例および第2の実施例に対する相違を、再び結合ねじ15の領域において見いだすことができる。第3の実施例では結合ねじ15は、いわゆるショルダボルトとして形成されている。すなわち、各々の結合ねじ15のストッパ18は、結合ねじ15の軸領域における相応の肩部によって形成されている。結合ねじ15の残りの軸部は、ねじ山付きピン32として形成されていて、このねじ山付きピン32は同様に、チャンバフランジ16における相応のねじ山付き孔33内に螺入される。このようにしてストッパ18は同様に、結合ねじ15の螺入深さ17を予め設定する。このことは、図16および図17において特に良好に見ることができる。図16には、図14に示した領域Kが拡大して示してあり、図17には、図15に示した領域Lが拡大して示してある。図16および図17ではまた、この実施例ではブシュ19が完全に省かれることを良好に見ることができる。ここでは、各々の結合ねじ15の頭部に支持されるそれぞれ1つの支持ディスク25が設けられている。そして支持ディスク25と駆動装置ハウジングフランジ10との間には、各々の予荷重要素20が挟み込まれている。
【0040】
上に記載した相違を除けば、この第3の実施例の構造および機能形式は、同様に第1の実施例に相当しているので、ここでもその他の点については、第1の実施例の上で述べた記載が参照される。付言しておくと、図13は同様に昇降装置1およびプロセスチャンバ4を下から見た図である。図14および図18は、同様に切断線I-Iに沿った鉛直断面図を示しており、図14は、基板2が基板支持体3に下ろされた状態を示す図であり、図18は、基板2が基板支持体3から持ち上げられた状態を示す図である。図15は、図13に示した切断線J-Jに沿った鉛直断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 昇降装置
2 基板
3 基板支持体
4 プロセスチャンバ
5 昇降ロッド
6 昇降ロッド線形駆動装置
7 昇降運動軌道
8 調整ねじ
9 駆動装置ハウジング
10 駆動装置ハウジングフランジ
11 貫通開口
12 調整ねじ収容開口
13 張出し量
14 組付け面
15 結合ねじ
16 チャンバフランジ
17 螺入深さ
18 ストッパ
19 ブシュ
20 予荷重要素
21 チャンバ開口
22 結合ねじ収容開口
23 チャンバ内室
24 固定ねじ
25 支持ディスク
26 支持ロッド
27 ベローズ
28 昇降ピン
29 支持プレート
30 間隙
31 開口
32 ねじ山付きピン
33 ねじ山付き孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【外国語明細書】