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特開2023-115016脊椎外科的処置のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115016
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】脊椎外科的処置のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/10 20160101AFI20230810BHJP
   A61B 34/30 20160101ALI20230810BHJP
   A61B 18/04 20060101ALI20230810BHJP
【FI】
A61B34/10
A61B34/30
A61B18/04
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023088814
(22)【出願日】2023-05-30
(62)【分割の表示】P 2021512572の分割
【原出願日】2019-09-05
(31)【優先権主張番号】62/727,537
(32)【優先日】2018-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】508296440
【氏名又は名称】ニューヴェイジヴ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】フィンリー,エリック
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ジャスティン
(57)【要約】
【課題】 外科的処置のためのシステム及び方法を提供すること。
【解決手段】 患者の手術部位で外科用ツールのポーズをキャプチャすることを含む方法が開示される。当該方法は、キャプチャされたポーズに応じて、手術部位での外科用ツールの動きの範囲を決定することを包含する。当該方法は、手術部位に関連する画像上に決定された動きの範囲の表現を表示することを包含する。当該方法は、決定された動きの範囲に従ってロボットデバイスの動きを制限するための1つ又は複数の命令を提供することを包含する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数の赤外線反射器又はエミッタを結合させた外科用ツールと、
前記外科用ツールに結合した前記赤外線反射器又はエミッタを検出し、処理デバイスに位置情報を提供するように構成された追跡デバイスと、
前記外科用ツールと結合したロボットアームを有するロボットデバイスと、
前記処理デバイスと、
を含むシステムであって、
前記処理デバイスは、
プロセッサ、及び
命令を格納した非一時的なコンピュータ可読媒体であり、前記命令は前記プロセッサによって実行されると、当該システムに、
前記追跡デバイスを介して、患者の手術部位での外科用ツールのポーズをキャプチャさせ、
前記キャプチャされたポーズに応じて、前記プロセッサによって、前記ロボットアームに対する前記手術部位での前記外科用ツールの動きの範囲を決定させ、
前記手術部位に関連する画像上に、決定された前記外科用ツールの動きの範囲の表現を表示させ、さらに
前記決定された外科用ツールの動きの範囲に従って前記ロボットデバイスの動きを制限するための1つ又は複数の命令を提供させる、
非一時的なコンピュータ可読媒体、
を含む、システム。
【請求項2】
前記決定された動きの範囲は、前記手術部位における所定の重要な領域内にある前記外科用ツールの旋回軸に基づいている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記外科用ツールの旋回軸は、前記外科用ツールの遠位端を中心とした旋回軸に基づいている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記非一時的なコンピュータ可読媒体は命令を格納し、前記命令は前記プロセッサによって実行されるとさらに、当該システムに、
前記キャプチャされたポーズに対応する第2の動きの範囲を決定させ、
前記動きの範囲を前記第2の動きの範囲と比較させ、さらに
前記比較に基づいて前記外科用ツールの位置を調整するための命令を提供させる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記手術部位は椎骨を含み、前記動きの範囲を決定することは、前記椎骨に対応する1つ又は複数のエッジの検出を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記決定された動きの範囲に従ってロボットデバイスの動きを制限するための命令を提供することは、前記ロボットデバイスに関連するいずれの動きも停止するための命令を提供することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記非一時的なコンピュータ可読媒体は命令を格納し、前記命令は前記プロセッサによって実行されるとさらに、当該システムに、特定の椎骨の選択に基づき前記手術部位での前記外科用ツールの動きの範囲を決定させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記決定された動きの範囲に従ってロボットデバイスの動きを制限するための命令を提供することは、少なくとも1つの平面に対する前記ロボットデバイスに関連する動きを制限するための命令を提供することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記外科用ツールは開創器である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記外科用ツールの動きの範囲は、前記開創器の1つ又は複数のアームに制限される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
追跡デバイスを介して、患者の手術部位での外科用ツールのポーズをキャプチャするステップであって
前記外科用ツールは、1つ又は複数の赤外線反射器又はエミッタを含み、
前記追跡デバイスは、前記外科用ツールに結合した前記赤外線反射器又はエミッタを検出し、処理デバイスに位置情報を提供するように構成される、ステップと、
前記ポーズをキャプチャすることに応じて、前記処理デバイスを使用して、前記外科用ツールに結合したロボットデバイスのロボットアームに対する前記手術部位での前記外科用ツールの動きの範囲を決定するステップと、
前記手術部位に関連する画像上に、決定された前記外科用ツールの動きの範囲の表現を表示するステップと、
前記決定された外科用ツールの動きの範囲に従って前記ロボットデバイスの動きを制限するための1つ又は複数の命令を提供するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記決定された動きの範囲は、前記手術部位における所定の重要な領域内にある前記外科用ツールの旋回軸に基づいている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記外科用ツールの旋回軸は、前記外科用ツールの遠位端を中心とした旋回軸に基づいている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記キャプチャされたポーズに対応する第2の動きの範囲を決定するステップと、
前記動きの範囲を前記第2の動きの範囲と比較するステップと、
前記比較に基づいて前記外科用ツールの位置を調整するための命令を提供するステップと、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記手術部位は椎骨を含み、前記動きの範囲を決定するステップは、前記椎骨に対応する1つ又は複数のエッジを検出することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記決定された動きの範囲に従ってロボットデバイスの動きを制限するための1つ又は複数の命令を提供するステップは、前記ロボットデバイスに関連するいずれの動きも停止するための命令を提供することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
特定の椎骨の選択に基づき前記手術部位での前記外科用ツールの動きの範囲を決定するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記決定された動きの範囲に従ってロボットデバイスの動きを制限するための命令を提供するステップは、少なくとも1つの平面に対する前記ロボットデバイスに関連する動きを制限するための命令を提供することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記外科用ツールは開創器である、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記外科用ツールの動きの範囲は、前記開創器の1つ又は複数のアームに制限される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2018年9月5日に出願された米国仮出願第62/727,537号の利益及び優先権を主張し、その開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は、追跡された外科用ツールに基づくロボットデバイスのモーションプログラミングを説明する。
【背景技術】
【0003】
背景
低侵襲手術は通常、人体への切開のサイズを制限するため、外科手術からの回復が迅速になり、感染の可能性が低くなる。ただし、低侵襲手術中に同じ外科医が同時に使用できるツールはごくわずかである。適切なツールを手術スイート(surgical suite)に配置するために、ツールの変更が発生する場合がある。ツールの交換は、低侵襲の外科的処置の時間外に延長される場合がある。さらに、低侵襲手術は、特に長期間手動で外科用制御装置を操作する場合、外科医にとって負担となる可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、方法は、患者の手術部位で外科用ツールのポーズをキャプチャすることを含む。当該方法はまた、キャプチャされたポーズに応じて、手術部位での外科用ツールの動きの範囲を決定することを含む。当該方法はまた、手術部位に関連する画像上に決定された動きの範囲の表現を表示することを含む。当該方法はまた、決定された移動範囲に従ってロボットデバイスの移動を制限するための1つ又は複数の命令を提供することを含む。
【0005】
別の実施形態では、システムは、追跡デバイス、ロボットデバイス、及び処理デバイスを含む。処理デバイスは、プロセッサと、プロセッサによって実行されると、システムに追跡デバイスを介して患者の手術部位での外科用ツールのポーズをキャプチャさせる命令を格納した非一時的なコンピュータ可読媒体とを含む。その上に格納された命令は、プロセッサによって実行されると、システムに、キャプチャされたポーズに応じて、手術部位での外科用ツールの動きの範囲をプロセッサによって決定させる。その上に格納された命令は、プロセッサによって実行されると、システムに、手術部位に関連する画像上に決定された動きの範囲の表現を表示させる。その上に格納された命令は、プロセッサによって実行されると、システムに、決定された移動範囲に従ってロボットデバイスの移動を制限するための1つ又は複数の命令も提供させる。
【0006】
別の実施形態では、方法は、患者の手術部位で外科用ツールのポーズをキャプチャすることを含み、ここで、外科用ツールはロボットデバイスに結合されている。当該方法はまた、キャプチャされたポーズに応答して、外科用ツールを旋回させるための軸と、軸を中心に外科用ツールを旋回させるための1つ又は複数の平面内の角度の範囲を決定することを含む。当該方法はまた、軸の少なくとも1つの表現及び度の範囲をディスプレイに表示することを含む。当該方法はまた、軸及び1つ又は複数の平面内の角度の範囲に従ってロボットデバイスの動きを制限するための1つ又は複数の命令を提供することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面の簡単な説明
本発明の多くの利点は、添付の図面と併せて本明細書を読むことにより当業者には明らかであり、同様の参照番号が同様の要素に適用される。そしてここで、:
図1図1は、本開示の実施形態による、外科的処置を実行するための例示的なシステムを示す。
図2図2は、本開示の一実施形態による、外科的処置中に使用することができる例示的なロボットデバイスを示す。
図3図3は、本開示の一実施形態による、コンピューティングデバイスの例示的なブロック図を示す。
図4図4は、本開示の一実施形態による、例示的なコンピュータ媒体を示す図である。
図5図5は、本開示の一実施形態による、外科的処置中の例示的な方法のフロー図を示す。
図6図6は、本開示の一実施形態による、外科的処置中の例示的な方法の別のフロー図を示す。
図7図7は、本開示の一実施形態による、外科的処置中に表示され得る例示的な画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
本発明の例示的な実施形態を以下に説明する。わかりやすくするために、実際の実装のすべての機能がこの明細書で説明されているわけではない。もちろん、そのような実際の実施形態の開発において、システム関連及びビジネス関連の制約への準拠など、開発者の特定の目標をアクティブにするには、実装ごとに多数の決定を行う必要があり、これは、実装ごとに異なることが理解されよう。さらに、そのような開発努力は複雑で時間がかかるかもしれないが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者にとって日常的な作業であることが理解されるであろう。さらに、以下では主に脊椎手術の文脈で説明するが、本発明のシステム及び方法は、体全体のいずれの数の異なる手術標的部位へのアクセスを提供するために、いずれの数の解剖学的設定で使用することができることは容易に理解されるべきである。
【0009】
本明細書に記載の例には、外科的処置を実施するためのシステム及び方法が含まれる。一例では、方法は、患者の手術部位で外科用ツールのポーズをキャプチャすることを包含する。1つのシナリオでは、外科用ツールはロボットデバイスに結合されている。このシナリオでは、ユーザー(例えば、外科医)は、ロボットデバイスの助けを借りて、外科用ツールを手術部位に案内することができる。
【0010】
この方法はまた、キャプチャされたポーズに応答して、手術部位での外科用ツールの動きの範囲を決定することを含む。一例では、決定された動きの範囲は、外科用ツールの決定された軸に従って円錐形に基づくことができる。別の例では、決定された動きの範囲は、開創器(retractor)などの外科用ツールのエッジに沿って決定され得る。この例では、可動範囲は、開創器の1つ又は複数のアームに制限され得る。
【0011】
当該方法はまた、手術部位に関連する画像上に決定された動きの範囲の表現を表示することを包含する。一例では、画像は、手術部位の二次元画像又は三次元画像であり得る。別の例では、手術部位に関連する画像は、患者の術前又は術中の画像であり得る。
【0012】
当該方法はまた、決定された移動範囲に従ってロボットデバイスの移動を制限するための1つ又は複数の命令を提供することを包含する。例えば、ロボットデバイスは、1つ又は複数の椎弓根スクリューの使用を含む外科的処置を支援するように構成され得る。この例では、外科医は、ロボットデバイスに結合された外科用ツールを、1つ又は複数の椎骨に関連する1つ又は複数の椎弓根に誘導することができる。外科用ツールのキャプチャされたポーズに基づいて、1つ又は複数の指示は、1つ又は複数の椎弓根スクリューを1つ又は複数の椎骨に挿入するときに椎弓根の周囲の破れを回避するために、ロボットデバイスの動きをさらに制限し得る。
【0013】
ここで図を参照すると、図1は、外科的処置を実行するための例示的なシステム1の図である。例示的なシステム100は、Cアームイメージングデバイス103を支持するベースユニット102を包含する。Cアーム103は、患者Pの下に配置され、放射線ビームを上方に受信機105に向ける放射線源104を包含する。Cアーム103の受信機105は、画像データを処理デバイス122に送信する。処理デバイス122は、追跡デバイス130と通信して、外科的処置中に使用される様々な器具(例えば、器具T)の位置及び向きの情報を取得することができる。追跡デバイス130は、ロボットデバイス140と通信して、マーカー150などの様々な追跡要素の位置情報を提供することができる。ロボットデバイス140及び処理デバイス122は、1つ又は複数の通信チャネルを介して通信することができる。
【0014】
ベースユニット102は、ユーザがCアーム103の位置、ならびに放射線被曝を制御することができる制御パネル110を包含する。したがって、制御パネル110は、放射線技師が外科医の指示で手術部位の「写真を撮る」こと、放射線量を制御すること、及び放射線パルス画像を開始することを可能にする。
【0015】
Cアーム103は、手術部位の異なる視野角のために、矢印108の方向に患者Pの周りを回転させることができる。場合によっては、インプラント又は器具Tが手術部位に配置されることがあり、その部位の遮るもののない視界のために視野角の変更を必要とする。したがって、患者Pに対する、より具体的には関心のある手術部位に対する受信機の位置は、外科医又は放射線科医が必要とする処置中に変化する可能性がある。その結果、受信機105は、追跡デバイス130を使用してCアーム103の位置の追跡を可能にする、それに取り付けられた追跡ターゲット106を包含することができる。ほんの一例として、追跡ターゲット106は、ターゲットの周りに間隔を置いて配置された複数の赤外線(IR)反射器又はエミッタを包含し得る一方、追跡デバイス130は、追跡ターゲット106によって反射又は放出されたIR信号から受信機105の位置を三角測量するように構成される。
【0016】
処理デバイス122は、それに関連するデジタルメモリと、デジタル及びソフトウェア命令を実行するためのプロセッサとを包含することができる。処理デバイス122はまた、フレームグラバー技術を使用して、ディスプレイデバイス126上のディスプレイ123及び124として投影するためのデジタル画像を作成するフレームグラバーを組み込むことができる。ディスプレイ123及び124は、手術中に外科医がインタラクティブに見ることができるように配置されている。2つのディスプレイ123及び124は、側面及びA/Pなどの2つのビューからの画像を表示するために使用され得るか、又は手術部位のベースラインスキャン及び現在のスキャン、もしくは先のベースラインスキャン及び低放射線電流スキャンに基づく現在のスキャン及び「マージされた」スキャンを示し得る。キーボード又はタッチスクリーンなどの入力デバイス125は、外科医が画面上の画像を選択及び操作することを可能にすることができる。入力デバイスは、処理デバイス122によって実装される様々なタスク及び機能に対応するキー又はタッチスクリーンアイコンのアレイを組み込むことができることが理解される。処理デバイス122は、受信機105から取得された画像データをデジタルフォーマットに変換するプロセッサを包含する。場合によっては、C-アーム103はシネマティック露光モードで動作している可能性があり、且つ毎秒多くの画像を生成している可能性がある。このような場合、モーションアーティファクトとノイズを減らすために、複数の画像を短時間で平均して1つの画像にすることができる。
【0017】
追跡デバイス130は、外科的処置で使用される様々な要素(例えば、赤外線反射器又はエミッタ)に関連する位置データを決定するためのセンサ131及び132を包含する。一例では、センサ131及び132は、電荷結合デバイス(CCD)画像センサであり得る。別の例では、センサ131及び132は、相補型金属酸化物半導体(CMOS)画像センサであり得る。説明された機能を達成するために、異なる数の他の画像センサが使用され得ることもまた想定される。
【0018】
一態様では、ロボットデバイス140は、外科的処置中に患者Pに対して器具Tを保持するのを支援することができる。1つのシナリオでは、
ロボットデバイス140は、外科的処置中に患者Pが動く(例えば、呼吸のために)か、又は動かされる(例えば、患者の体の操作のために)ときに、器具Tを患者Pに対して相対位置に維持するように構成され得る。
【0019】
ロボットデバイス140は、ロボットアーム141、ペダル142、及び可動ハウジング143を包含し得る。ロボットデバイス140はまた、ディスプレイ126などのディスプレイと通信していてもよい。ロボットデバイス140はまた、ロボットデバイス140を手術台に固定するための固定装置を包含し得る。
【0020】
ロボットアーム141は、外科的処置及び関連する関節の数に応じて、1つ又は複数のエンドエフェクタを受け入れるように構成され得る。一例では、ロボットアーム141は、6関節アームであり得る。この例では、各ジョイントには、その角度値を測定するエンコーダが含まれている。6つのジョイントの既知の形状と組み合わされた1つ又は複数のエンコーダによって提供される運動データは、ロボットアーム141の位置及びロボットアーム141に結合された器具Tの位置の決定を可能にし得る。また、本明細書に記載の機能を達成するために、異なる数のジョイントを使用できることも想定されていた。
【0021】
可動ハウジング143は、ホイール又はハンドル、あるいはその両方を使用することにより、ロボットデバイス140の容易な取り扱いを確実にする。一実施形態では、可動ハウジング143は、固定化パッド又は同等のデバイスを含み得る。可動ハウジング143はまた、ロボットアーム141に1つ又は複数のコマンドを提供し、外科医がインターフェースを使用して手動でデータを入力することを可能にする制御ユニット、例えば、タッチスクリーン、マウス、ジョイスティック、キーボード、又は同様のデバイスなど、を含み得る。
【0022】
一例では、処理デバイス122は、追跡デバイス130を介して器具Tのポーズをキャプチャするように構成される。キャプチャされた機器のポーズには、位置情報と方向情報の組み合わせが含まれる。この例では、器具Tのポーズは、患者Pの手術部位でのユーザ定義の配置に基づいている。ユーザ定義の配置は、外科医又はロボットデバイス140、あるいはその両方による器具Tの動きに基づく。1つのシナリオでは、器具は、1つ又は複数の赤外線反射器又はエミッタを含む。この例を続けると、処理デバイス122は、器具Tのキャプチャされたポーズに対応する器具Tの動きの範囲を決定するように構成される。可動域は、ロボットデバイス140の1つ又は複数の構成要素(例えば、1つ又は複数のリンク及びジョイント)の作動に関連している。処理デバイス122は、決定された移動範囲に従って、ロボットデバイス140の1つ又は複数の構成要素を作動させるための1つ又は複数の命令を決定するように構成される。さらに、処理デバイス122は、1つ又は複数の命令をロボットデバイス140に提供するように構成される。
【0023】
別の例では、器具Tのキャプチャされたポーズに応答して、処理デバイス122は、器具Tを旋回させるための軸と、決定された軸を中心に器具Tを旋回させるための1つ又は複数の平面内の度の範囲を決定するように構成される。この例では、処理デバイス122は、ロボットデバイス140に結合された器具Tを旋回させるための移動をロボットデバイス140に制限するための1つ又は複数の命令を提供するように構成される。本明細書で説明されるように、ロボットデバイス140は、器具Tが1つ又は複数の平面内の決定された軸及び程度(degrees)の範囲に従って旋回することを可能にするための1つ又は複数の命令を変換するように構成される。
【0024】
図2は、外科的処置中に使用され得るロボットデバイス200の例を示している。ロボットデバイス200は、プロセッサ、メモリ又はストレージなどのハードウェア、及びロボットデバイス200が外科的処置で使用することを可能にするセンサを収容し得る。ロボットデバイス200は、電気モーター、空気圧モーター、油圧モーターなどの様々な手段によって動力を供給され得る。ロボットデバイス200は、ベース202、リンク206、210、214、218、222、及び226、ジョイント204、208、212、216、220、224、及び230、及びマニピュレータ228を包含する。
【0025】
ベース202は、ロボットデバイス200のサポートを提供するためのプラットフォームを提供することができる。ベース202は、ロボットデバイス200の動きを提供するために、静止しているか、又は車輪に結合されていてもよい。ベース202は、ロボットデバイス200に関連する所与の環境に好適であり得る、アルミニウム、鋼、ステンレス鋼などのいずれの数の材料を含み得る。
【0026】
リンク206、210、214、218、222、及び226は、プログラム可能な命令のセットに従って移動されるように構成され得る。例えば、リンクは、ユーザの監督下でタスクを達成するために、所定の一連の動き(例えば、キャプチャされた器具のポーズに基づく限定された範囲の動き)に従うように構成され得る。例として、リンク206、210、214、218、222、及び226は、ジョイント204、208、212、216、220、224、及び230のうちの所与のジョイントにおけるリンク206、210、214、218、222、及び226のうちの所与のリンクの相対的な動きを定義する運動学的チェーンを形成し得る。
【0027】
ジョイント204、208、212、216、220、224、及び230は、機械式ギアシステムを使用して回転するように構成することができる。一例では、機械式歯車システムは、波動歯車装置、サイクロイドドライブなどによって駆動される。選択される機械的歯車システムは、リンク206、210、214、218、222、及び226のうちの所与のリンクの長さ、回転速度、所望の歯車減速など、ロボットデバイス200の動作に関連するいくつかの要因に依存するであろう。ジョイント204、208、212、216、220、224、及び230に電力を供給することにより、マニピュレータ228が環境と相互作用することを可能にする方法でリンク206、210、214、218、222、及び226を動かすことが可能になる。
【0028】
一例では、マニピュレータ228は、ロボットデバイス200が1つ又は複数の制約(constraints)に従って環境と相互作用することを可能にするように構成される。一例では、マニピュレータ228は、外科用ツールを把持するなどの様々な操作を通じて要素の適切な配置を実行する。一例として、マニピュレータ228は、ロボットデバイス200に異なる機能を提供する別のエンドエフェクタと交換することができる。
【0029】
一例では、ロボットデバイス200は、ロボットオペレーティングシステム(例えば、ロボットの特定の機能のために設計されたオペレーティングシステム)に従って動作するように構成される。ロボットオペレーティングシステムは、ロボットアプリケーションを有効にするためのライブラリとツール(ハードウェアアブストラクション、デバイスドライバ、ビジュアライザ、メッセージパッシング、パッケージ管理など)を提供する場合がある。
【0030】
図3は、例示的な実施形態による、コンピューティングデバイス300のブロック図である。いくつかの例では、図3に示されているいくつかのコンポーネントは、複数のコンピューティングデバイス(デスクトップコンピュータ、サーバ、ハンドヘルドデバイスなど)に分散されている場合がある。ただし、例のために、コンポーネントは1つのサンプルデバイスの一部として示され、説明されている。コンピューティングデバイス300は、インターフェース302、移動ユニット304、制御ユニット306、通信システム308、データストレージ310、及びプロセッサ314を包含することができる。図3に示される構成要素は、通信リンク316によって一緒にリンクされ得る。いくつかの例では、コンピューティングデバイス300は、コンピューティングデバイス300及び別のコンピューティングデバイス(図示せず)内の通信を可能にするハードウェアを包含し得る。一実施形態では、ロボットデバイス140又はロボットデバイス200は、コンピューティングデバイス300を包含し得る。
【0031】
インターフェース302は、コンピューティングデバイス300が別のコンピューティングデバイス(図示せず)と通信できるように構成され得る。したがって、インターフェース302は、1つ又は複数のデバイスから入力データを受信するように構成され得る。いくつかの例では、インターフェース302はまた、コンピューティングデバイス300によって送受信されたデータの記録を維持及び管理することができる。他の例では、データの記録は、コンピューティングデバイス300の他のコンポーネントによって維持及び管理され得る。インターフェース302はまた、データを送受信するための受信機及び送信機を包含し得る。いくつかの例では、インターフェース302は、同様に入力を受信するための、キーボード、マイクロフォン、タッチスクリーンなどのようなユーザインターフェースも包含し得る。さらに、いくつかの例では、インターフェース302はまた、ディスプレイ、スピーカーなどのような出力デバイスとインターフェースし得る。
【0032】
一例では、インターフェース302は、ロボットデバイス(例えば、ロボットデバイス140、ロボットデバイス200)が存在する環境の1つ又は複数の要素に対応する位置情報を示す入力を受信することができる。この例では、環境は、外科的処置中に機能するように構成されたロボット装置を含む病院の手術室であり得る。インターフェース302はまた、ロボット装置に関連する情報を受信するように構成され得る。例えば、ロボットデバイスに関連する情報は、ロボットデバイスの動作特性、及びロボットデバイス(例えば、ロボットデバイス140、ロボットデバイス200)の1つ又は複数の構成要素(例えば、ジョイント204、208、212、216、220、224、及び230)を伴う可動域を包含し得る。
【0033】
コンピューティングデバイス300の制御ユニット306は、ロボットデバイス(例えば、ロボットデバイス140、ロボットデバイス200)及び1つ又は複数の他のデバイス(例えば、処理デバイス122、追跡デバイス130など)のコンポーネント(例えば、ロボットアーム141、ロボットペダル142、ジョイント204、208、212、216、220、224、及び230、マニピュレータ228)とデータを交換する制御ソフトウェアを実行するように構成され得る。制御ソフトウェアは、ロボットデバイスと通信する際に、ユーザインターフェース及びディスプレイモニタ(例えば、ディスプレイ126)を介してユーザと通信することができる。制御ソフトウェアはまた、有線通信インターフェース(例えば、パラレルポート、USBなど)及び/又は無線通信インターフェース(例えば、アンテナ、トランシーバなど)を介して追跡デバイス130及び処理デバイス122と通信することができる。制御ソフトウェアは、1つ又は複数のセンサと通信して、ロボットアーム(例えば、ロボットアーム141、リンク226)に取り付けられた器具Tでユーザによって及ぼされる努力を測定することができる。制御ソフトウェアは、ロボットアームと通信して、マーカー150に対するロボットアームの位置を制御することができる。
【0034】
上記のように、制御ソフトウェアは、追跡デバイス130と通信していてもよい。1つのシナリオでは、追跡デバイス130は、患者Pに取り付けられたマーカー150を追跡するように構成され得る。例として、マーカー150は、患者Pの椎骨の棘突起に取り付けられ得る。この例では、マーカー150は、マーカー150の位置を決定するために追跡デバイス130に見える1つ又は複数の赤外線反射器を包含し得る。別の例では、複数のマーカーを1つ又は複数の椎骨に取り付けて、器具Tの位置を決定するために使用することができる。
【0035】
一例では、追跡デバイス130は、マーカー150の位置情報の更新をロボットデバイス140の制御ソフトウェアにほぼリアルタイムで提供することができる。ロボットデバイス140は、有線及び/又は無線インターフェースを介して追跡デバイス130からマーカー150の位置情報への更新を受信するように構成され得る。マーカー150の位置情報に対する受信された更新に基づいて、ロボットデバイス140は、患者Pに対する器具Tの所望の位置を維持するために、器具Tの第1の位置に対する1つ又は複数の調整を決定するように構成され得る。
【0036】
一実施形態では、制御ソフトウェアは、独立したモジュールを包含し得る。例示的な実施形態では、これらの独立したモジュールは、リアルタイム環境下で同時に実行され、共有メモリを使用して、制御ソフトウェアの様々なタスクの管理を確実にする。モジュールは、例えば、最高の優先順位を有する安全モジュールなど、異なる優先順位を有する場合がある。安全モジュールは、ロボットデバイス140の状態を監視することができる。1つのシナリオでは、安全モジュールは、例えば、緊急停止、ソフトウェア障害、又は障害物との衝突などの重大な状況が検出されたときに、ロボットアーム141を停止するように制御ユニット306に命令を送ることができる。
【0037】
一例では、インターフェース302は、ロボットデバイス140が他のデバイス(例えば、処理デバイス122、追跡デバイス130)と通信することを可能にするように構成される。したがって、インターフェース302は、1つ又は複数のデバイスから入力データを受信するように構成される。いくつかの例では、インターフェース302はまた、他のデバイスによって送受信されたデータの記録を維持及び管理することができる。他の例では、インターフェース302は、受信機及び送信機を使用してデータを送受信することができる。
【0038】
インターフェース302は、ユーザインターフェース及びディスプレイ画面を介して(例えば、ディスプレイ123及び124を介して)、ユーザと制御ソフトウェアとの間の通信を管理するように構成され得る。表示画面は、ロボットデバイス140に関連する異なるモードを通してユーザを案内するグラフィカルインターフェースを表示することができる。ユーザインターフェースは、ユーザが、外科的処置の開始に関連するロボットアーム141の動きを制御し、外科的処置中に使用される所与のモードをアクティブにし、且つ例えば、必要に応じてロボットアーム141を停止することを可能にし得る。
【0039】
移動ユニット304は、所与の手順を実行するためにロボットアーム141の1つ又は複数の構成要素に関連する移動を決定するように構成され得る。一実施形態では、移動ユニット304は、順方向及び逆方向の運動学を使用してロボットアーム141の軌道を決定するように構成され得る。1つのシナリオでは、移動ユニット304は、1つ又は複数のソフトウェアライブラリにアクセスして、ロボットアーム141の軌道を決定することができる。別の例では、移動ユニット304は、手術部位での外科用ツールの決定された移動範囲に従って、処理デバイス122からロボットデバイス140の1つ又は複数の構成要素を作動させるための1つ又は複数の命令を受け取るように構成される。
【0040】
移動ユニット304は、ロボットアーム141に結合された1つ又は複数のセンサによって測定された力及びトルクを監視するための力モジュールを含むことができる。1つのシナリオでは、力モジュールが障害物との衝突を検出し、安全モジュールに警告できる場合がある。
【0041】
制御ユニット306は、ロボットデバイス140の様々な構成要素(例えば、ロボットアーム141、ペダル142など)に関連する機能を管理するように構成され得る。例えば、制御ユニット306は、マーカー150に対するロボットアーム141の所望の位置を維持するために1つ又は複数のコマンドを送信することができる。制御ユニット306は、移動ユニット304から移動データを受信するように構成され得る。
【0042】
1つのシナリオでは、制御ユニット306は、協調モードに従って機能するようにロボットアーム141に指示することができる。協調モードでは、ユーザは、ロボットアーム141に結合されたツールTを保持し、器具Tを所望の位置に動かすことによって、ロボットアーム141を手動で動かすことができる。一例では、ロボットデバイス140は、ロボットアーム141のエンドエフェクタに結合された1つ又は複数の力センサを包含することができる。例として、ユーザが器具Tをつかみ、ある方向に動かし始めると、制御ユニット306は、力センサによって測定された力を受け取り、且つそれらをロボットアーム141の位置と組み合わせて、ユーザが望む動きを生成する。
【0043】
1つのシナリオでは、制御ユニット306は、ロボットアーム141に、ロボットデバイス140が所与のIR反射器又はエミッタ(例えば、マーカー150)に対する器具Tの相対位置を維持するようにする所与のモードに従って機能するように指示することができる。一例では、ロボットデバイス140は、追跡デバイス130からマーカー150の更新された位置情報を受け取り、必要に応じて調整することができる。この例では、移動ユニット304は、マーカー150の受信された更新された位置情報に基づいて、マーカー150との器具Tの相対位置を維持するためにロボットアーム141のどのジョイント(複数可)が移動する必要があるかを決定することができる。
【0044】
別のシナリオでは、ロボットデバイス140の動きを制限するために、制限的協調モードをユーザが定義することができる。例えば、制御ユニット306は、ユーザの好みに応じて、ロボットアーム141の動きを平面又は軸に制限することができる。別の例では、ロボットデバイス140は、ロボットアーム141のユーザ誘導運動に基づいて、外科用ツール又はインプラントと交差してはならない手術部位内の1つ又は複数の所定の境界に関する情報を受け取ることができる。
【0045】
一実施形態では、ロボットデバイス140は、処理デバイス122と通信していてもよい。一例では、ロボットデバイス140は、器具Tの位置及び向きのデータを処理デバイス122に提供することができる。この例では、処理デバイス122は、さらなる処理のために器具Tの位置及び向きのデータを格納するように構成され得る。1つのシナリオでは、画像処理デバイス122は、器具Tの受信された位置及び向きのデータを使用して、ディスプレイ126上の器具Tの仮想表現をオーバーレイすることができる。
【0046】
一実施形態では、圧力又は力を検出するように構成されたセンサは、ロボットアームの最後のジョイント(例えば、リンク226)に結合され得る。ロボットアームの特定の動きに基づいて、センサは、ロボットアームの最後のジョイントに加えられた圧力の読み取り値をコンピューティングデバイス(例えば、ロボットデバイスの制御ユニット)に提供することができる。一例では、ロボットデバイスは、力又は圧力データをコンピューティングデバイス(例えば、処理デバイス122)に通信するように構成され得る。別の実施形態では、センサは、開創器などの機器に結合することができる。この実施形態では、開創器に加えられ、センサによって検出される力又は圧力は、さらなる分析のために、ロボットデバイス(例えば、ロボットデバイス140、ロボットデバイス200)又はコンピューティングデバイス(例えば、処理デバイス122)、あるいはその両方に提供され得る。
【0047】
1つのシナリオでは、ロボットデバイスは、ロボットデバイスのメモリに格納された運動データにアクセスして、決定された運動経路に沿った運動を遡ることができる。一例では、ロボットデバイスは、決定された運動経路に沿って外科用ツールを動かして、手術部位に到達するか、又は手術部位から離れるように構成され得る。
【0048】
別のシナリオでは、ロボットデバイスのロボットアーム(例えば、ロボットアーム141、リンク206、210、214、218、222、及び226)に結合された器具が、所望の椎弓根スクリュー軌道に到達すると、
ロボットデバイスは、外科医からの入力を受け取り、所望の椎弓根スクリュー軌道に沿って移動するように構成することができる。一例では、外科医は、ロボットデバイスに入力を提供して(例えば、ペダル142を押す)、ロボットデバイスが所望の椎弓根スクリュー軌道に沿って移動できるようにするという外科医の決定を確認することができる。別の例では、ユーザは、決定された運動経路に沿った器具の動きを支援するために、ロボットデバイス又はコンピューティングデバイスのいずれかに別の形式の入力を提供することができる。
【0049】
1つのシナリオでは、ロボットデバイスが所望の椎弓根スクリュー軌道に沿って移動することの確認を受け取ったら、ロボットデバイスは、移動ユニット304から、現在の軌道から所望の椎弓根スクリュー軌道に旋回するように指示を受け取ることができる。移動ユニット304は、ロボットデバイスが所望の椎弓根スクリュー軌道に沿って移動することを可能にするために必要な移動データを制御ユニット306に提供することができる。
【0050】
別の態様では、ロボットデバイス(例えば、ロボットデバイス140、ロボットデバイス200)は、外科用ツール(例えば、器具T)のキャプチャされたポーズに基づいて、重要な領域を中心に旋回するように構成され得る。例えば、ロボットデバイスは、軟組織の収縮に関連するすべてのステップを繰り返す必要がないように、開創器の先端を中心に開創器を回転させるように構成することができる。一例では、移動ユニット304は、開創器を旋回させるのに必要な軌道を決定することができる。
【0051】
一例では、ロボットデバイスは、軟組織を手術部位から遠ざけるように保持している開創器に結合することができる。この例では、外科医は、患者の動きのために開創器をわずかに再配置する必要があるかもしれない。そうするために、外科医は、移動ユニット304によって決定される軌道に従ってロボットアーム(例えば、ロボットアーム141、リンク206、210、214、218、222、及び226)を動かすことによって開創器を旋回させるロボットデバイスのモードをアクティブにすることができる。一例では、ユーザは、コンピューティングデバイス(例えば、処理デバイス122、コンピューティングデバイス300)を介して、所望の移動の方向及び量を入力することができる。移動の方向と量を入力した後、ユーザ(例えば、外科医)は、ロボットデバイスとインターフェースをとって(例えば、ペダル142を踏み込んで)、ロボットアームに結合された器具の動きを開始することができる。一例では、ロボットデバイスにより、ユーザはドッキングポイントから離れることなく解剖学的構造の異なる側態様を見ることができる。
【0052】
別の例では、移動ユニット304は、ディスプレイ126に表示するために、外科用ツールのキャプチャされたポーズに基づいて外科用ツール(例えば、器具T)をコンピューティングデバイス(例えば、処理デバイス122)に移動するための1つ又は複数の軌道を提供し得る。この例では、ユーザは、外科的処置の所与のステップに関連する1つ又は複数の制限された動きから選択することができる。例えば、1つ又は複数の制限された動きは、ロボットデバイス140に結合された1つ又は複数のボタンの使用を通じて、及びロボットデバイス140の一部に力を加える個人によって実行される特定の方向及び動きの量に関連付けられ得る。
【0053】
1つのシナリオでは、ロボットデバイスのロボットアームは、拡張器などの器具に結合することができる。このシナリオでは、ロボットデバイスは、拡張器の遠位端を中心に所定の程度(degreees)だけ旋回するための1つ又は複数のコマンドを受け取ることができる。移動ユニット304は、ピボットを実行するために必要な軌道を決定し、決定された軌道情報を、ロボットデバイスを移動するための制御ユニット306に提供するように構成され得る。
【0054】
別の側面では、1つ又は複数の赤外線(IR)反射器又はエミッタは、ロボットデバイス(例えば、ロボットデバイス140、ロボットデバイス200)のロボットアーム(例えば、ロボットアーム141、リンク206、210、214、218、222、及び226)に結合され得る。1つのシナリオでは、追跡デバイス130は、ロボットデバイスの動作を開始する前に、1つ又は複数のIR反射器又はエミッタの位置を決定するように構成され得る。このシナリオでは、追跡デバイス130は、さらなる処理のために、1つ又は複数のIR反射器又はエミッタの位置情報をコンピューティングデバイス(例えば、処理デバイス122、コンピューティングデバイス300)に提供することができる。
【0055】
一例では、処理デバイス122又はコンピューティングデバイス300は、ロボットアームに結合された1つ又は複数のIR反射器又はエミッタの位置情報を、ロボットアームの位置又は位置の決定を支援するためにロボットデバイス(例えば、ロボットデバイスの幾何学的モデル)に関する情報を含むローカル又はリモートデータベースに格納されたデータと比較するように構成され得る。一例では、処理デバイス122は、追跡デバイス130によって提供される情報からロボットアームの第1の位置を決定することができる。この例では、処理デバイス122は、ロボットアームの決定された第1の位置をロボットデバイス又はコンピューティングデバイス(例えば、コンピューティングデバイス300)に提供することができる。一例では、ロボットデバイスは、受信した第1の位置データを使用して、ロボットアームの1つ又は複数のジョイントに関連する1つ又は複数の要素(例えば、エンコーダ、アクチュエータ)の較正を実行することができる。
【0056】
1つのシナリオでは、ロボットデバイスのロボットアームに結合された器具を使用して、器具の予想される先端位置と器具の実際の先端位置との間の差を決定することができる。このシナリオでは、ロボットデバイスは、ツールの先端が既知の場所と接触するように、追跡デバイス130によって器具を既知の場所に移動するように進むことができる。追跡デバイス130は、ロボットアームに結合された1つ又は複数のIR反射器又はエミッタに対応する位置情報をキャプチャし、その情報をロボットデバイス又はコンピューティングデバイス(例えば、処理デバイス122、コンピューティングデバイス300)に提供することができる。さらに、ロボットデバイス又はコンピューティングデバイスのいずれかは、ツールの予想される先端位置及びツールの実際の先端位置に基づいて、ロボットデバイスと追跡デバイス130との間の座標系オフセットを調整するように構成され得る。
【0057】
別の態様では、力又は圧力センサは、ロボットデバイス(例えば、ロボットデバイス140、ロボットデバイス200)のロボットアーム(例えば、ロボットアーム141、リンク206、210、214、218、222、及び226)に結合され得る。一例では、力又は圧力センサは、ロボットアームのエンドエフェクタに配置できる。別の例では、力又は圧力センサは、ロボットアームの特定のジョイントに結合することができる。力又は圧力センサは、力又は圧力の読み取り値が静止しきい値を超えたときを決定するように構成することができる。静止閾値は、エンドエフェクタが器具にいずれの追加の力又は圧力を加えずに器具を保持しているときにセンサで経験される力又は圧力に基づくことができる(例えば、器具を動かそうとするユーザ)。一例では、力又は圧力の読み取り値が静止しきい値以下の場合、ロボットアームの移動が停止することがある。
【0058】
一例では、ロボットアーム141の動きは、ペダル142を押すことによって制御することができる。例えば、ペダル142が押されている間、制御ユニット306及び移動ユニット304は、1つ又は複数の力センサから力又は圧力のいずれの測定値を受け取るように構成され得、受信した情報を使用して、ロボットアーム141の軌道を決定する。
【0059】
別の例では、ロボットアーム141の動きは、ペダル142がどれだけ押されるかによって調整され得る。例えば、ユーザがペダル142を全量まで踏み込んだ場合、ロボットアーム141は、ペダル142が半分の量で押し下げられたときと比較して、より高速で移動することができる。別の例では、ロボットアーム141の動きは、ロボットデバイス上に配置されたユーザインターフェースによって制御され得る。
【0060】
一例では、ロボットデバイス(例えば、ロボットデバイス140、ロボットデバイス200)は、外科用ツールに関連する決定された範囲の動きに対応する動きデータをローカル又はリモートメモリに格納するように構成され得る。この例では、ロボットデバイスは、決定された移動範囲によって定義されるように、1つ又は複数の方向にのみ移動するように構成され得る。
【0061】
別の例では、ロボットアームに結合された機器は、ロボットデバイスと通信しているスイッチを含み得る。スイッチは、エンドエフェクタ又はロボットアームの1つ又は複数のジョイントに関連する力又は圧力センサによって検出された力に従ってロボットアームを動かすための信号をロボットデバイスに提供するボタンの形態であり得る。この例では、外科医がスイッチを離すと、ロボットデバイスはその動作を停止コマンドとして解釈し、器具の位置を維持する。
【0062】
一例では、外科医は、脊椎の三次元画像の使用を組み込み、器具が横断してはならない1つ又は複数の平面を定義することができる。この例では、力又は圧力センサが器具を動かす力を検出しているにもかかわらず、ロボットアームは、事前定義された計画に関連付けられた制約に従って、外科医が定義された1つ又は複数の平面を超えて器具を移動することを許可しない。例として、ロボットデバイスは、器具が1つ又は複数の制限された平面に近づくときに外科医に警告を提供するように構成され得る。
【0063】
別の態様では、ロボットデバイス(例えば、ロボットデバイス140、ロボットデバイス200)を使用して、1つ又は複数の外科用器具をナビゲートし、且つさらなる処理のためにナビゲーション情報をコンピューティングデバイス(例えば、処理デバイス122、コンピューティングデバイス300)に提供することができる。一例では、コンピューティングデバイスは、外科用ツールの仮想表現を決定するように構成することができる。さらに、コンピューティングデバイスは、外科用ツールの仮想表現を手術部位の2次元又は3次元画像にオーバーレイするように構成され得る。
【0064】
一例では、ロボットデバイスは、ロボットデバイスと追跡デバイス130との間の視線が遮断された場合に、位置情報についての追跡デバイス130への依存を取り除くために、追跡デバイス130間で較正手順を実行することができる。一例では、本明細書で説明するように、ナビゲーションシステムに登録されたロボットデバイスを使用し、そして、手術部位に対応する患者の3次元画像は、ロボットデバイスが、追跡デバイス130に関連する距離による精度の低下から独立することを可能にし得る。
【0065】
通信システム308は、外部デバイスとの間で信号を受信及び/又は提供するために、有線通信インターフェース(例えば、パラレルポート、USBなど)及び/又は無線通信インターフェース(例えば、アンテナ、トランシーバなど)を包含し得る。いくつかの例では、通信システム308は、処理デバイス122の動作のための命令を受信することができる。追加的又は代替的に、いくつかの例では、通信システム308は、出力データを提供することができる。
【0066】
データストレージ310は、プロセッサ314によってアクセス及び実行することができるプログラムロジック312を格納することができる。プログラムロジック312は、処理デバイス122、ロボットデバイス140、ロボットデバイス200などの1つ又は複数の構成要素に制御を提供する命令を含み得る。例えば、プログラムロジック312は、携帯機器に関連する1つ又は複数のユーザ定義の軌道に基づいてロボットデバイス200の動作を調整する命令を提供することができる。データストレージ310は、1つ又は複数の揮発性及び/又は1つ又は複数の不揮発性ストレージコンポーネント、例えば、光学的、磁気的、及び/又は有機的ストレージを含み得、そして、データストレージは、全体的又は部分的にプロセッサ(複数可)314と統合され得る。
【0067】
プロセッサ314は、1つ又は複数の汎用プロセッサ及び/又は1つ又は複数の特殊目的プロセッサを含み得る。プロセッサ314が1つより多いプロセッサを包含する範囲で、そのようなプロセッサは、別々に又は組み合わせて動作することができる。例えば、第1のプロセッサは、移動ユニット304を動作させるように構成され得、且つプロセッサ314の第2のプロセッサは、制御ユニット306を動作させ得る。
【0068】
さらに、構成要素の各々は、処理デバイス122、ロボットデバイス140、又はロボットデバイス200に統合されていることが示されている一方、いくつかの実施形態では、1つ又は複数の構成要素は、有線又は無線接続を使用して、処理デバイス122、ロボットデバイス140、又はロボットデバイス200に別の方法で接続される(例えば、機械的又は電気的に)ように取り外し可能に取り付けられ得る。
【0069】
別の例では、ロボットデバイスは、外科的処置中に1つ又は複数の場所でロボットアームに結合された器具の追跡を支援することができる。ロボットデバイスの動きを介して器具を追跡することにより、外科医が見るのが難しい場所に器具を配置することが可能になる場合がある。例えば、器具は、ドレープの後ろに配置され得るが、ロボットデバイス及びコンピューティングデバイス(例えば、処理デバイス122、コンピューティングデバイス300)を介して追跡され得る。別の例では、ロボットデバイスは、無菌バリアの下での患者の動きの追跡を支援する場合がある。この例では、ロボットデバイスを使用してベッドを再配置し、外科的処置中に患者を既知の向きに保つことができる。
【0070】
別の態様では、ロボットデバイス(例えば、ロボットデバイス140、ロボットデバイス200)は、ロボットアーム(例えば、ロボットアーム141、リンク206、210、214、218、222、及び226)に関連する動きに対応する1つ又は複数の制約を受け取るように構成され得る。例えば、外科医は、外科手術中にロボットデバイスが動き回ることができる領域を定義したい場合がある。1つのシナリオでは、外科医は、ディスプレイ126上で患者の解剖学的構造の3次元表現を見て、ロボットアームの動きに関連する1つ又は複数の境界を入力することができる。別のシナリオでは、外科医は、ディスプレイ上で患者の解剖学的構造の2次元表現を見て、ディスプレイ126に関連付けられたタッチスクリーンを介して1つ又は複数の境界を定義することができる。
【0071】
一例では、外科医は、外科的処置を開始する前に、外科的処置の経路を入力することができる。例えば、外科医は、患者の解剖学的構造の2次元又は3次元画像を使用して、手術部位に到達するための経路を決定する場合がある。一例では、コンピューティングデバイス(例えば、処理デバイス122、コンピューティングデバイス300)は、所定の経路に対応する情報を格納し、外科的処置の開始前にその情報をロボットデバイスに提供することができる。ロボットデバイスが患者に対するロボットデバイスの位置を認識すると、移動ユニット304は、所定の経路に対応する情報を使用して、許容される1つ又は複数の軌道を決定することができる。
【0072】
別の例では、手術部位に到達するための経路は、ロボットアームのシングルパス中の特定の侵入深さに対応する制約を包含し得る。例えば、ロボットアームの動きは、外科医によって選択された最大量によって制限され得る。1つのシナリオでは、筋電図(EMG)応答の検出に関連する別のセンサによって制限が通知される場合がある。
【0073】
1つのシナリオでは、ロボットアームは、骨を除去するために使用される器具に結合され得る。このシナリオでは、ロボットデバイスは、特定の量の骨の除去、例えば1ミリメートルの骨の除去、に関連する1つ又は複数のコマンドを受信する場合がある。ロボットデバイスは、可聴信号又は視覚信号を介して骨除去手順が完了したときに外科医に通知を提供するように構成することができる。別のシナリオでは、ロボットデバイスは、2ミリメートルの骨が残るまで骨を除去し続けることに関連する1つ又は複数のコマンドを受け取ることができる。
【0074】
別の例では、ロボットアームの動きを制限する経路は、解剖学的セグメンテーションに対応する1つ又は複数の入力に対応し得る。例えば、外科医は、特定の椎骨を選択して、ロボットアームの動きをその特定の椎骨に制限することができる。例として、ロボットデバイスは、ロボットアームの動きを椎骨の特定の部分(例えば、棘突起など)に制限するようにさらに指示され得る。
【0075】
別の態様では、ロボットデバイス(例えば、ロボットデバイス140、ロボットデバイス200)は、軟組織の収縮及び患者の椎骨へのファスナーの挿入を支援するエンドエフェクタに結合され得る。例として、脊椎手術で使用されるプレートは、ファスナーが正しく係合し、その最終位置にロックすることができる既知の形状を持つ。プレートには典型的には、ねじ付きファスナーの配置を制御するためのねじ/ドリルガイドが必要である。ガイドはしばしば突き出て、長期間の収縮をサポートできない軟組織を妨げている。
【0076】
一実施形態では、エンドエフェクタは、ロボットアーム(例えば、ロボットアーム141、リンク206、210、214、218、222、及び226)に結合され得、そしてファスナーの配置を支援し得る。1つのシナリオでは、ロボットデバイスは、外科的処置で使用されているプレートに関する三次元幾何学的情報をコンピューティングデバイス(例えば、処理デバイス122、コンピューティングデバイス300)から受信することができる。
【0077】
一例では、特定のプレートでは、外科手術中に4つのファスナーを取り付ける必要がある場合がある。この例では、ロボットデバイスは、エンドエフェクタを使用して、移動ユニット304によって決定される軌道に基づいて、所与のプレートの第1のファスナー位置に対応する軟組織を引っ込めることができる。さらに、移動ユニット304はまた、所与のプレートを通してファスナーを配置するための最適な軌道を決定するように構成され得る。第1のファスナーの配置に続いて、ロボットデバイスは、軟組織が元の位置に戻ることを可能にする方法でエンドエフェクタを動かし、所与のプレートの第2のファスナー位置に対応する軟組織を引っ込めるために動くように構成され得る。この例では、ロボットデバイスは、軟組織が引っ込められる時間を最小限に抑え、それによって、所与のプレートにファスナーの各々を取り付ける際に軟組織を損傷するリスクを低減し得る。
【0078】
一例では、移動ユニット304は、所与のプレートに関連する角形成の量を決定して、ファスナーの配置をさらに容易にするように構成することができる。例として、外科医は、ロボットデバイスが上記のように所定の最適経路の交差を検出するまで、ロボットアーム(例えば、ロボットアーム141、リンク206、210、214、218、222、及び226)を誘導することができる。この例では、ロボットデバイスは、交差点の所定の最適経路で旋回し、経路に沿って継続して、所定のプレートにファスナーを取り付けるように構成することができる。一例では、ファスナーを取り付けるために使用されるエンドエフェクタは、軟組織を引っ込めている間に外科的処置中に発生する可能性のある問題を検出するために使用される追加のセンサを組み込むことができる。
【0079】
別の側面では、ロボットデバイス(例えば、ロボットデバイス140、ロボットデバイス200)は、追跡デバイス130によってキャプチャされた位置情報を使用して、患者に対するロボットアーム(例えば、ロボットアーム141、リンク206、210、214、218、222、及び226)に結合された器具の位置を決定することができる。一実施形態では、ロボットデバイスは、ロボットデバイスの1つ又は複数のジョイント(例えば、ジョイント204、208、212、216、220、及び224)に関連付けられたエンコーダによって決定された運動情報を使用して、ロボットデバイス及び追跡デバイス130間の較正手順後の外科用ツールの位置を決定することができる。別の実施形態では、追跡デバイス130は、外科的処置中にロボットデバイスを追跡するのを支援するために、位置情報をコンピューティングデバイス(例えば、処理デバイス122、コンピューティングデバイス300)に提供することができる。
【0080】
一例では、追跡デバイス130は、1つ又は複数のIR反射器又はエミッタに基づいて、ロボットアームに結合された器具の位置を追跡することができる。例えば、追跡デバイス130は、ツールに結合されたIR反射器又はエミッタを検出し、位置情報を処理デバイス122に提供することができる。処理デバイス122は、器具に結合されたIR反射器又はエミッタの最後の既知の位置情報を最新の位置情報と比較し、器具に関連する位置の変化を決定するように構成され得る。
【0081】
一実施形態では、器具の位置の決定された変化に基づいて、処理デバイス122は、器具の位置に対応する椎間板又は骨の体積の1つ又は複数の変化に関連する画像データを決定するように構成され得る。一例では、決定された画像データに基づいて、除去された椎間板又は骨の量は、ディスプレイ126を介して仮想的に表すことができる。例えば、椎間板又は骨の量は、器具に結合されたIR反射器又はエミッタの位置情報に基づいて、器具が到達した経路に対応するデータを削除することによって示すことができる。別の例では、1つ又は複数のパスで骨にドリルを使用することを含む手順では、各パスは、患者の解剖学的構造の一部を削除することが期待される。この例では、外科用ツールが椎間板を通過するたびに、除去されたディスクの量を表す画像データ(例えば、ピクセル)は、ディスクの対応するボリュームが除去されたことを示すために、異なる色(例えば、赤)に変更され得る。
【0082】
別の例では、ロボットアームに結合された器具に関連付けられたパスの仮想表現を、患者の解剖学的構造の対応する位置にオーバーレイすることができる。パスの仮想表現は、脊椎の特定の領域にわたる器具による複数のパスを示すために、さまざまな視覚効果とともに表示され得る。さらに、上記のように、ロボットデバイスは、外科用ツールの動きに対応する1つ又は複数の所定の境界に基づいて、ユーザがディスクスペースを除去し続けることを防ぐように構成され得る。
【0083】
別の態様では、ロボットデバイス(例えば、ロボットデバイス140、ロボットデバイス200)は、複数のロボットアーム(例えば、ロボットアーム141、リンク206、210、214、218、222、及び226)を包含し得る。1つのシナリオでは、上記のように、ロボットデバイス及び追跡デバイス130は、それらの座標系のそれぞれの間のオフセットを修正するための登録プロセスを完了している可能性がある。このシナリオでは、登録プロセスの完了に加えて、処理デバイス122は、患者の脊椎の3Dスキャンを受信するように構成され得る。一実施形態では、ロボットデバイスは、脊椎アライメントの術前計画に従って、患者の脊椎アライメントを維持するように構成され得る。
【0084】
一例では、ロボットデバイスは、外科的処置の重要な要素を把持するように構成されたエンドエフェクタを使用することができる。例えば、ロボットデバイスは、ロボットアームに結合された第1のグリッパーを使用して第1の椎弓根スクリューを把持し、第2のロボットアームに結合された第2のグリッパーを使用して第2の椎弓根スクリューを把持し得る。ロボットデバイスは、第1及び第2のロボットアームのそれぞれに関連する位置情報をコンピューティングデバイス(例えば、処理デバイス122、コンピューティングデバイス300)に提供するように構成され得る。受信した位置情報に基づいて、コンピューティングデバイスは、現在の脊椎アライメントを決定することができる。さらに、コンピューティングデバイスは、現在の脊椎アライメントを分析して、外科的処置中に必要な脊椎の矯正を決定することができる。
【0085】
例えば、現在の脊椎アライメントの分析は、現在の脊椎アライメントを脊椎アライメントの術前計画と比較することを包含し得る。1つのシナリオでは、処理コンピューティングデバイスは、現在の脊椎アライメントと脊椎アライメントの術前計画との間のオフセットを決定することができる。さらに、コンピューティングデバイスは、現在の脊椎アライメントを脊椎アライメントの術前計画にもたらすために必要な動きの量を決定するように構成され得る。
【0086】
1つのシナリオでは、コンピューティングデバイスは、第1のロボットアームによる2度(two degrees)の回転が、現在の脊椎アライメントを術前計画に復元するのに役立つと判断する場合がある。このシナリオでは、コンピューティングデバイスは、ロボットデバイスに必要な回転情報を提供することができる。例として、移動ユニット304は、ロボットアームによる2度(two degrees)の回転を達成するために必要な軌道を決定することができる。決定された軌道に基づいて、
制御ユニット306は、ロボットアームの1つ又は複数のジョイントを作動させるための1つ又は複数のコマンドを提供することができる。
【0087】
別のシナリオでは、処理デバイス122は、第1のロボットアームによる2度の回転及び第2のロボットアームによる1度(one degree)の回転が、現在の脊椎アライメントを術前計画に復元することを決定することができる。このシナリオでは、処理デバイス122は、ロボットデバイス140に必要な回転を提供することができる。上記のように、ロボットデバイス140の計算モジュールは、第1及び第2のロボットアームによる必要な動きを達成するために必要な軌道を決定することができる。
【0088】
別のシナリオでは、ロボットデバイスは、患者が置かれている手術台を支えている可能性がある。このシナリオでは、ロボットデバイスはまた、脊椎の整列を達成するために脊椎の1つ又は複数の動きを実行することに加えて、手術台を調整するように構成され得る。
【0089】
別の態様では、ロボットデバイス(例えば、ロボットデバイス140、ロボットデバイス200)のロボットアーム(例えば、ロボットアーム141、リンク206、210、214、218、222、及び226)は、超音波プローブを受信するように構成され得る。1つのシナリオでは、超音波プローブは、既知の方向でロボットアームによって保持されるため、ロボットアーム又は共同登録されたナビゲーションシステムのいずれかを使用して、画像に対する後続の計測のために画像内の解剖学的構造の位置を登録する(例えば、ロボット間の登録デバイス140又はロボットデバイス200及び追跡デバイス130)。
【0090】
一例では、1つ又は複数のIRエミッタ又はリフレクターを超音波プローブに結合することができる。追跡デバイス130は、超音波プローブに結合された1つ又は複数のIRエミッタ又は反射器の位置情報をキャプチャすることができる。この例では、ロボットアーム141の位置は、1つ又は複数のIRエミッタ又は反射器を使用して追跡され得、ロボットアーム及び超音波プローブを、超音波プローブによってキャプチャされた画像と共同登録する。
【0091】
別の態様では、ロボットデバイス(例えば、ロボットデバイス140、ロボットデバイス200)のロボットアーム(例えば、ロボットアーム141、リンク206、210、214、218、222、及び226)は、圧力感知エンドプレートプッシャーに結合され得る。圧力感知エンドプレートプッシャーは、別々に作動することができる2つのプレートを包含し得る。1つのシナリオでは、圧力感知エンドプレートプッシャーの第1のプレートは、上部椎骨の下部エンドプレートに適用され得る。このシナリオでは、圧力感知エンドプレートプッシャーの第2のプレートを下部椎骨の上部エンドプレートに適用することができる。一実施形態では、圧力感知エンドプレートプッシャーは、第1及び第2のプレートのそれぞれにかかる力を検出するための1つ又は複数のセンサを包含し得る。
【0092】
一実施形態では、
圧力検出エンドプレートプッシャーのプレートは、各プレートを個別に動かすことができるアクチュエータに結合されている。1つのシナリオでは、ロボットデバイスは、さらなる分析のために、フィードバック力(プレートの面積が既知であるため圧力)をコンピューティングデバイス(例えば、処理デバイス122)に提供することができる。プレートの各々は、2つの椎骨の間に完全に挿入されたときに使用されるインプラントと同じ領域をカバーするように、かなりのサイズになる。これにより、解剖学的構造に現実的な生体力学的力が加わり、フィードバックを提供して、2つの椎骨間でその後の減圧を引き起こすレベルまで患者に負荷がかからないようにすることができる。
【0093】
プレートは各エンドプレートに作用して適切な高さと角度を提供し、外科医がインプラントの高さと角度を適切にサイズ設定して、間接減圧を最大化し、沈下を引き起こすエンドプレートへのストレスを最小化できるようにする。1つのシナリオでは、ロボットデバイスは、圧力感知エンドプレートプッシャーの使用を通じて加えられる力のレベルを決定するために、骨密度に加えて患者の人口統計情報を提供され得る。
【0094】
別の態様では、ロボットデバイス(例えば、ロボットデバイス140、ロボットデバイス200)のロボットアーム(例えば、ロボットアーム141、リンク206、210、214、218、222、及び226)は、開創器に結合され得る。一実施形態では、開創器は、開創器に加えられた圧力を検出するための1つ又は複数のセンサを包含し得る。開創器はロボットデバイスによって制御されるため、ロボットデバイスは、圧力情報をコンピューティングデバイス(例えば、処理デバイス122、処理デバイス300)に提供するように構成され得る。
【0095】
一例では、コンピューティングデバイスは、圧力データを分析して、1つ又は複数の軟組織が安全閾値を超える圧力に関連付けられているかどうかを判断することができる。この例では、コンピューティングデバイスは、ディスプレイ126を介してこの情報をユーザに伝達するだけでなく、軟組織に関連する収縮の量を減らすようにロボットデバイスに指示することができる。
【0096】
ロボットにかかる力は既知であり、開創器領域も既知であるため、コンピューティングデバイスは、それらの両方を圧力に変換するように構成することができる。一例では、ディスプレイ126は、許容される最大圧力量に対してどれだけの圧力が加えられるかについての段階的なインジケータを提供することができるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示するように構成され得る。一実施形態では、ロボットデバイスは、その相対ゲージに沿ったいずれのスポットで負荷を保持するように構成することができる。別の例では、術前計画によれば、ロボットデバイスは、特定の圧力までしか引っ込まないように構成することができる。
【0097】
図4は、例示的な実施形態に従って構成された例示的なコンピュータ可読媒体を示す。例示的な実施形態では、例示的なシステムは、1つ又は複数のプロセッサ、1つ又は複数の形式のメモリ、1つ以上の入力デバイス/インターフェース、1つ以上の出力デバイス/インターフェース、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、システムに上記の様々な機能タスク、機能などを実行させる機械可読命令、を包含し得る。
【0098】
上記のように、いくつかの実施形態では、開示された技術(例えば、ロボットデバイス140、ロボットデバイス200、処理デバイス122、コンピューティングデバイス300などの機能)は、機械可読形式のコンピュータ可読記憶媒体、又は他の媒体又は製造品に符号化されたコンピュータプログラム命令によって実施され得る。図4は、本明細書に開示される少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、コンピューティングデバイス上でコンピュータプロセスを実行するためのコンピュータプログラムを含む例示的なコンピュータプログラム製品の概念部分図を示す概略図である。
【0099】
一実施形態では、例示的なコンピュータプログラム製品400は、信号伝達媒体402を使用して提供される。信号伝達媒体402は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、図1乃至3に関して上記の機能又は機能の一部を提供することができる1つ又は複数のプログラミング命令404を包含することができる。いくつかの例では、信号伝達媒体402は、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、メモリなどであるがこれらに限定されない、コンピュータ可読媒体406であり得る。いくつかの実装では、信号伝達媒体402は、メモリ、読み取り/書き込み(R/W)CD、R/W DVDなどであるがこれらに限定されない、コンピュータ記録可能媒体408であり得る。いくつかの実装では、信号伝達媒体402は、通信媒体410(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンクなど)であり得る。したがって、例えば、信号伝達媒体402は、通信媒体410の無線形態によって伝達され得る。
【0100】
1つ又は複数のプログラミング命令404は、例えば、コンピュータ実行可能及び/又は論理実装命令であり得る。いくつかの例では、コンピューティングデバイスは、コンピュータ可読媒体406、コンピュータ記録可能媒体408、及び/又は通信媒体410のうちの1つ又は複数によって、コンピューティングデバイスに伝達されるプログラミング命令404に応答して、様々な動作、機能、又はアクションを提供するように構成され得る。
【0101】
コンピュータ可読媒体406はまた、互いに離れて配置され得る複数のデータ記憶要素に分散され得る。保存された命令の一部又はすべてを実行するコンピューティングデバイスは、外部コンピュータ、又はスマートフォン、タブレットデバイス、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイスなどのモバイルコンピューティングプラットフォームである可能性がある。あるいは、格納された命令の一部又はすべてを実行するコンピューティングデバイスは、サーバなどのリモートに配置されたコンピュータシステムであり得る。
【0102】
図5及び6は、本明細書に記載の少なくとも1つ又は複数の実施形態による、外科的処置中の例示的な方法のフロー図である。各図のブロックは順番に示されているが、場合によっては、ブロックは並行して、及び/又はそこに記載されているものとは異なる順序で実行されることがある。また、様々なブロックは、より少ないブロックに結合され、追加のブロックに分割され、及び/又は所望の実装に基づいて削除され得る。
【0103】
さらに、図5及び6のフロー図は、本実施形態の可能な実装の機能及び動作を示している。この点に関して、各ブロックは、モジュール、セグメント、又はプログラムコードの一部を表すことができ、プロセス内の特定の論理機能又はステップを実装するためにプロセッサによって実行可能な1つ又は複数の命令を包含する。プログラムコードは、例えば、ディスク又はハードドライブを包含する記憶装置など、いずれのタイプのコンピュータ可読媒体に記憶され得る。コンピュータ可読媒体は、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、又はランダムアクセスメモリ(RAM)、及び/又は永続的な長期記憶などの、データを短期間保存する非一時的なコンピュータ可読媒体、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、光ディスク又は磁気ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)など、を包含し得る。コンピュータ可読媒体は、いずれの任意の揮発性又は不揮発性記憶システムが可能であるか、又はそれらを包含し得る。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体、有形記憶装置、又は他の製造品と見なすことができる。
【0104】
あるいは、図5及び6の各ブロックは、プロセス内の特定の論理機能を実行するように配線された回路を表す場合がある。図5及び6に示されるような例示的な方法は、全体として、又は部分的に、クラウド及び/又は図1のシステム100内の1つ又は複数のコンポーネントによって実行され得る。しかしながら、例示的な方法は、本発明の範囲から逸脱することなく、代わりに、他のエンティティ又はエンティティの組み合わせによって(すなわち、他のコンピューティングデバイス及び/又はコンピュータデバイスの組み合わせによって)実行され得ることを理解されたい。例えば、図5及び6の方法の機能は、コンピューティングデバイス(又は1つ又は複数のプロセッサなどのコンピューティングデバイスのコンポーネント)によって完全に実行され得るか、又は、コンピューティングデバイスの複数のコンポーネント、複数のコンピューティングデバイス(例えば、図1の制御ユニット118及び画像処理デバイス122)、及び/又はサーバ全体に分散させることができる。
【0105】
図5を参照すると、外科的処置中の例示的な方法500は、ブロック502乃至508によって示されるような1つ又は複数の操作、機能、又はアクションを包含し得る。一実施形態では、方法500は、図1のシステム100によって全体的又は部分的に実施される。
【0106】
ブロック502で示されているように、方法500は、患者の手術部位で外科用ツールのポーズをキャプチャすることを包含する。一例では、追跡デバイス130は、器具Tが外科的処置で使用されるときに、器具Tの1つ又は複数の画像をキャプチャするように構成され得る。キャプチャされた1つ又は複数の画像は、器具Tに結合された1つ又は複数のIRマーカーに関連する方向及び位置データを決定するように処理される。次に、1つ又は複数のIRマーカーに関連する決定された方向及び位置データを使用して、所与の期間にわたる器具Tの三次元ポーズデータを決定する。一例では、器具Tを手術室内の既知の場所に配置して、運動データをキャプチャするトリガーを示すことができる。この例を続けると、処理デバイス122は、運動データのキャプチャを終了するためのインジケータとして、器具Tが所定の時間内に移動しなかったことを決定するように構成され得る。別の例では、ボタンは、表示デバイス126又はインターフェース125などのユーザインターフェース上で押されて、器具Tに関連するモーションデータのキャプチャの開始と停止を切り替えることができる。
【0107】
ブロック504によって示されるように、方法500は、キャプチャされたポーズに応答して、手術部位での外科用ツールの動きの範囲を決定することを包含する。一例では、決定された移動範囲は、手術部位の重要な領域内の外科用ツールのピボットに基づいている。一例では、重要な領域は5ミリメートルの直径に基づいている。
【0108】
一例では、方法500は、キャプチャされたポーズに対応する第2の移動範囲を決定することも包含する。この例では、当該方法はまた、可動域を第2の可動域と比較することができる。比較に基づいて、当該方法はまた、外科用ツールの位置を調整するための指示を提供することを包含し得る。例えば、処理デバイス122は、外科用ツールの現在の位置のオフセットに基づいて第2の移動範囲を決定するように構成され得る。この例では、第2の範囲の動きは、外科用ツールの現在の位置をオフセット位置に調整することによって、外科用ツールの追加の回転程度(degrees)を可能にし得る。
【0109】
別の例では、手術部位は椎骨を含む。この例では、当該方法は、椎骨に対応する1つ又は複数のエッジの検出に基づいて可動域を決定することを包含し得る。例えば、処理デバイス122は、セグメンテーションステップを実行するように構成されたコンピュータ実行可能命令を包含し得る。本明細書で使用される場合、「セグメンテーション」は、椎骨を互いに分離して処理、操作、及び表示できるように、三次元画像データ内の個々の椎骨を識別するプロセスを説明する。セグメンテーションステップは、画像処理及び画像認識ソフトウェアを使用して脊椎レベルのセグメンテーションプロセスを自動化するセグメンテーションアルゴリズムを採用することができる。一実施形態では、コンピュータの実行可能命令は、脊椎の曲線を自動的に識別して抽出し、個々の椎骨を互いにセグメント化されるまで検出して識別する。脊椎のセグメント化された三次元モデルを生成するために、1つ又は複数の適応メッシュを適用することができる。各椎骨又は他の解剖学的特徴は、骨と軟組織の境界面を視覚的に強調するために別々に着色することができ、又は縁(margin)だけを着色することができる。
【0110】
ブロック506によって示されるように、方法500は、決定された動きの範囲の表現を手術部位に関連する画像に表示することを包含する。図7を参照すると、図7は、椎骨702及び外科用ツール704を含む手術部位の例示的な二次元画像700を示している。一例では、外科用ツール704のポーズがキャプチャされ、外科用ツール704の動きの範囲を決定するために使用される。一例では、処理デバイス(例えば、処理デバイス122)は、外科用ツール704を旋回させるための軸706を決定するように構成され得る。処理デバイスはまた、軸706を中心に外科用ツール704を旋回させるための1つ又は複数の平面内の角度708の範囲を決定するように構成され得る。一例では、画像700は、ディスプレイ(例えば、ディスプレイ126)に表示され得る。これにより、ユーザ(例えば、外科医)は、外科的処置の次のステップに進む前に、情報に基づいた決定を行うために、軸706及び程度(degrees)708の範囲の少なくとも1つの表現を見ることができる。
【0111】
ブロック508で示されているように、図5を参照すると、方法500は、決定された動きの範囲に従ってロボットデバイスの動きを制限するための1つ又は複数の命令を提供することを包含する。一例では、1つ又は複数の命令は、決定された動きの範囲に基づいて、ロボットデバイスのエンドエフェクタを空間内の特定の位置に制限するロボットの動きを包含する。一例では、当該方法はまた、ロボットデバイスに関連するあらゆる動きを停止するための指示を提供することを包含する。一例では、1つ又は複数の命令は、処理デバイス122とロボットデバイス140との間の無線又は有線通信インターフェースを介して提供され得る。
【0112】
図6を参照すると、外科的処置中の例示的な方法600は、ブロック602乃至608によって示されるような1つ又は複数の操作、機能、又はアクションを包含し得る。一実施形態では、方法600は、図1のシステム100によって全体的又は部分的に実施される。
【0113】
ブロック602によって示されるように、方法600は、患者の手術部位で外科用ツールのポーズをキャプチャすることを包含しみ、外科用ツールは、ロボットデバイスに結合される。ブロック602は、方法500のブロック502と機能的に類似していてもよい。
【0114】
ブロック604によって示されるように、方法600は、キャプチャされたポーズに応答して、(i)外科用ツールを旋回させるための軸、及び(ii)軸を中心に外科用ツールを旋回させるための1つ又は複数の平面内の程度(degrees)の範囲を決定すること、を包含する。
【0115】
ブロック606によって示されるように、方法600は、ディスプレイ上に軸及び程度の範囲のうちの少なくとも1つの表現を表示することを包含する。ブロック606は、方法500のブロック506と機能的に類似していてもよい。一例では、ロボットデバイス140の助けを借りて、椎骨椎弓根に椎弓根スクリューを配置するためのパイロット穴を形成するために、器具Tは、外科医によって、パイロット穴が形成される椎弓根標的部位に進められる。この例では、追跡デバイス130は、器具Tの位置及び向きをキャプチャし、位置及び向きの情報を処理デバイス122に提供するように構成される。この例を続けると、処理デバイス122は、表示用の手術部位の画像と、ディスプレイ上の軸及び程度の範囲の少なくとも1つの表現を提供するように構成される。
【0116】
ブロック608によって示されるように、方法600はまた、軸及び1つ又は複数の平面内の程度の範囲に従ってロボットデバイスの動きを制限するための1つ又は複数の命令を提供することを包含する。ブロック608は、方法500のブロック508と機能的に類似していてもよい。一例では、ジョイント角度、速度、及び/又は加速度を包含する一連のロボットジョイントパラメータを決定して、軸及び1つ又は複数の平面内の程度の範囲に従ってロボットデバイスの動きを制限することができる。一実施形態では、ロボットの動きは、ユーザが外科用ツールを回転させている間のけいれん又は切断された動きを回避するために、ロボット及び/又はロボットツールの動き曲線を滑らかにするために修正され得る。
【0117】
本明細書に記載されている配置(arrangements)は、例示のみを目的としていることを理解されたい。このように、当技術分野の当業者は、他の配置(arrangements)及び他の要素(例えば、機械、インターフェース、機能、順序、及び機能のグループ化など)を代わりに使用することができ、いくつかの要素は、所望の結果に従って完全に省略され得ることを理解するであろう。さらに、説明される要素の多くは、個別の又は分散されたコンポーネントとして、又は他のコンポーネントと組み合わせて、いずれの好適な組み合わせ及び場所で実装され得る機能エンティティであり、又は独立した構造として説明される他の構造要素を組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0118】
100 システム
102 ベースユニット
103 C-アーム
104 放射線源
105 受信機
108 矢印
110 制御パネル
122 処理デバイス
123、124 ディスプレイ
125 入力デバイス、インターフェース
126 ディスプレイ
130 追跡デバイス
131、132 センサ
140 ロボットデバイス
142 ペダル
143 可動ハウジング

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】