(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115094
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 1/24 20060101AFI20230810BHJP
G06Q 10/20 20230101ALI20230810BHJP
【FI】
H04M1/24 A
G06Q10/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098488
(22)【出願日】2023-06-15
(62)【分割の表示】P 2022525136の分割
【原出願日】2022-01-19
(31)【優先権主張番号】P 2021007263
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】514195425
【氏名又は名称】株式会社ニューズドテック
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】粟津 浜一
(57)【要約】
【課題】機器を保有するユーザが、その機器の状態を、より正確にかつ的確なタイミングで知得できるようにすることを課題とする。
【解決手段】機器の状態を示す状態情報を報知する機能を有する専用アプリがインストールされたユーザ端末1において、登録時取得部111は、専用アプリの利用を開始するための所定情報の登録時にユーザ情報及び端末情報を取得する。動作時取得部112は、アプリ動作中に端末情報を逐次取得する。バックグラウンド取得部113は、バックグラウンドで端末情報を逐次取得する。診断部102は、取得されたユーザ情報及び端末情報に基づいて、ユーザ端末1の状態の診断を行う。生成部103は、診断部102による診断の結果に基づいて、状態情報を生成する。報知制御部104は、生成部103により生成された状態情報をユーザに報知する。これにより、上記課題を解決する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の状態を示す状態情報を報知する機能を有するアプリケーションソフトウェアがインストールされた情報処理装置であって、
前記アプリケーションソフトウェアの利用を開始するための所定情報の登録時に、自機に関する第1情報を取得する第1取得手段と、
前記アプリケーションソフトウェアの動作中に、自機に関する第2情報を逐次取得する第2取得手段と、
自機のバックグラウンドに関する第3情報を逐次取得する第3取得手段と、
取得された前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報のうち少なくとも1の情報に基づいて、前記情報処理装置の前記状態の診断を行う診断手段と、
前記診断手段による前記診断の結果に基づいて、前記状態情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記状態情報を報知する報知手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記生成手段により生成された前記状態情報に基づいて、前記情報処理装置の利用に関する所定の提案を行う提案手段をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
機器の状態を示す状態情報を報知する機能を有するアプリケーションソフトウェアがインストールされた情報処理装置を制御するコンピュータに、
前記アプリケーションソフトウェアの利用を開始するための所定情報の登録時に、自機に関する第1情報を取得する第1取得ステップと、
前記アプリケーションソフトウェアの動作中に、自機に関する第2情報を取得する第2取得ステップと、
自機のバックグラウンドに関する第3情報を逐次取得する第3取得ステップと、
取得された前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報のうち少なくとも1の情報に基づいて、前記情報処理装置の前記状態の診断を行う診断ステップと、
前記診断ステップにおける前記診断の結果に基づいて、前記状態情報を生成する生成ステップと、
前記生成ステップにおいて生成された前記状態情報を報知する報知ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの機器の状態を診断して、その診断結果をユーザに提供する技術は存在する(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、機器を保有するユーザ側には、自身が保有する機器の状態を、より正確にかつ的確なタイミングで知りたいという要望がある。ただし、特許文献1を含め従来の技術のみではその要望に応えられない状況にあった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、機器を保有するユーザが、その機器の状態を、より正確にかつ的確なタイミングで知得できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様の情報処理装置は、
機器の状態を示す状態情報を報知する機能を有するアプリケーションソフトウェアがインストールされた情報処理装置であって、
前記アプリケーションソフトウェアの利用を開始するための所定情報の登録時に、自機に関する第1情報を取得する第1取得手段と、
前記アプリケーションソフトウェアの動作中に、自機に関する第2情報を逐次取得する第2取得手段と、
自機のバックグラウンドに関する第3情報を逐次取得する第3取得手段と、
取得された前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報のうち少なくとも1の情報に基づいて、前記情報処理装置の前記状態の診断を行う診断手段と、
前記診断手段による前記診断の結果に基づいて、前記状態情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記状態情報を報知する報知手段と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様のプログラムは、上述の本発明の一態様の情報処理装置に対応するプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、機器を保有するユーザが、その機器の状態を、より正確にかつ的確なタイミングで知得できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るユーザ端末が適用される情報処理システムにより実現される本サービスの概要を示す図である。
【
図2】ユーザにより購入されたユーザ端末の状態の変化の一例として、ユーザ端末のバッテリーの状態の変化を示す重回帰分析曲線グラフである。
【
図3】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るユーザ端末を含む、情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図4】
図3に示す情報処理システムのうちユーザ端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図4のユーザ端末の機能的構成のうち、機器保有ユーザ支援処理を実行するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図6】
図4の機能的構成を有するユーザ端末において専用アプリの画面として表示される画面の一例を示す図である。
【
図7】
図4の機能的構成を有するユーザ端末において専用アプリの画面として表示される画面の一例であって、
図6と異なる例を示す図である。
【
図8】
図4の機能的構成を有するユーザ端末において専用アプリの画面として表示される画面の一例であって、
図6及び
図7と異なる例を示す図である。
【
図9】
図4の機能的構成を有するユーザ端末において専用アプリの画面として表示される画面の一例であって、
図6乃至
図8と異なる例を示す図である。
【
図10】
図4の機能的構成を有するユーザ端末において専用アプリの画面として表示される画面の一例であって、
図6乃至
図9と異なる例を示す図である。
【
図11】
図1に示す本サービスにより実現されるユーザ端末に関する循環型ビジネスモデルの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るユーザ端末が適用される情報処理システムにより実現される本サービスの概要を示す図である。
【0012】
本サービスは、サービス提供者(図示せず)によりユーザ(図示せず)に提供されるサービスの一例である。ユーザは、スマートフォン等の情報処理装置(以下、「ユーザ端末1」と呼ぶ)を操作することで本サービスの提供を受けることができる。具体的には、ユーザが操作するユーザ端末1には、本サービスを利用可能とする専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「専用アプリ」と呼ぶ)がインストールされる。ユーザは専用アプリを起動させることによって本サービスが利用することができる。
本サービスでは、専用アプリの機能により、ユーザ端末1の状態を示す情報(以下、「状態情報」と呼ぶ)が、所定のタイミングでユーザに報知される。具体的には、ユーザ端末1の機能が好適な状態で維持されるように、的確なタイミングで状態情報がユーザに報知される。さらに、状態情報に基づいて、ユーザに対する各種の提案が行われる。この「提案」には、単にユーザの要望に対応した提案だけではなく、ユーザに対する教育的な提案も含まれる。
【0013】
本サービスでは、ユーザ端末1が、ユーザに関する情報(以下、「ユーザ情報」と呼ぶ)と、自機に関する情報(以下、「端末情報」と呼ぶ)との夫々を、1以上のタイミングで取得する(ステップS1)。
【0014】
ここで、「1以上のタイミング」が具体的にどのようなタイミングであるかは特に限定されず、あらゆるタイミングでユーザ情報及び端末情報を取得することができる。なお、本実施形態において、ユーザ情報は、ユーザが専用アプリの利用を開始するために本サービスにユーザ情報を登録したタイミング(以下、「登録時」と呼ぶ)で取得される。登録時に取得されるユーザ情報としては、例えばユーザの年代(例えば年齢や世代)、ユーザ端末1が購入された時期(例えば年月)、ユーザの性別等が挙げられる。
【0015】
また、本実施形態において、端末情報は、登録時のみならず、専用アプリが動作している最中(以下、「アプリ動作時」と呼ぶ)に逐次取得される。また、専用アプリの動作とは独立してバックグラウンドでも端末情報が逐次取得される。ここで、「逐次取得される」とは、サービス提供者又はユーザにより予め定められたインターバル(例えばリアルタイム、1秒毎、1分毎、10分毎、1時間毎等)で取得されることを意味するものとする。
【0016】
登録時に取得される端末情報としては、例えばユーザ端末の機種名、IMEI(例えば識別番号やシリアル番号)、バッテリーの状態を示す情報、CPUの状態を示す情報、メモリの状態を示す情報等が挙げられる。
【0017】
アプリ動作時に逐次取得される端末情報としては、例えばバッテリーの状態を示す情報、ユーザ端末1の位置を示す情報(例えばGPS(Global Positioning System)情報)、速度を示す情報、通信量の状況(例えばパケット通信の状況)を示す情報、メモリの使用状況を示す情報等が挙げられる。
【0018】
バックグラウンドで逐次取得される端末情報としては、例えばバッテリーの状態を示す情報、バッテリーの残存時間を示す情報、各種センサによる検知結果を示す情報、専用アプリの使用時間を示す情報、カメラの使用時間を示す情報等が挙げられる。各種センサによる検知結果としては、例えば温度センサ、磁気センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、近接センサ、気圧センサ、浸水センサ等の夫々の検知結果を示す情報等が挙げられる。
【0019】
本サービスでは、1以上のタイミングで取得されたユーザ情報及び端末情報に基づいて、ユーザ端末1の状態についての診断が行われる(ステップS2)。
具体的には、ユーザ端末1の各種機能の状態についての診断が行われる。例えばユーザ端末1に対する操作を受け付ける機能の状態についての診断として、タッチパネルに対するタッチ操作がなされた位置の座標の検出の精度等の状態についての診断が行われる。
また例えば、ユーザ端末1の表示機能の状態についての診断として、タッチスパネルやディスプレイ等の状態についての診断が行われる。
また例えば、ユーザ端末1の入力機能の状態についての診断として、イヤホンマイク、スピーカマイク、レシーバマイク、フロントマイク、リアマイク、ホームボタン、ボリュームボタン、スリープウェイクボタン等の状態についての診断が行われる。
また例えば、ユーザ端末1の出力機能の状態についての診断として、スピーカやフラッシュ等の状態についての診断が行われる。
また例えば、ユーザ端末1のセンシング機能の状態についての診断として、温度センサ、磁気センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、近接センサ、気圧センサ、照度センサ、浸水センサ、コンパス、GPS等の状態についての診断が行われる。
また例えば、ユーザ端末1の記憶機能の状態についての診断として、メモリ等の状態についての診断が行われる。
また例えば、ユーザ端末1の通信機能の状態についての診断として、コネクタ、セルラーネットワーク、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の接続の状態についての診断が行われる。
【0020】
本サービスでは、ユーザ端末1の状態についての診断の結果に基づいて、状態情報を生成する(ステップS3)。
具体的には例えば、状態情報として、バッテリーの劣化予測に関する情報、ユーザ端末1の温度上昇に関する情報、ユーザ端末1の落下により生じたダメージに関する情報、ユーザ端末1の水没に関する情報、落雷によりユーザ端末1に生じたダメージに関する情報、使用されているパケット量に関する情報、通信速度に関する情報等が生成される。
【0021】
本サービスでは、生成された状態情報がユーザに報知される(ステップS4)。具体的には、生成された状態情報が、文章、画像、音声用の形式でユーザ端末1に表示されることでユーザに報知される。生成された状態情報のうち、バッテリーの劣化予測に関する情報は、例えば、購入後に経過した日数と、フル充電後の継続使用可能時間との関係を示すグラフ等を、ユーザ端末1に表示することでユーザに報知することができる。また、生成された状態情報のうち、ユーザ端末1の温度上昇に関する情報は、ユーザ端末1の温度が所定の閾値を超えたタイミングで、音声等によるアラートを出力することでユーザに報知することができる。また、生成された状態情報のうち、ユーザ端末1の落下により生じたダメージに関する情報は、加速度センサやジャイロセンサによる検知結果が所定の閾値を超えたタイミングで、音声等によるアラートを出力することでユーザに報知することができる。また、生成された状態情報のうち、ユーザ端末1の水没に関する情報は、浸水センサにより浸水が検知されたタイミングで、その旨を示すメッセージ等を表示させることでユーザに報知することができる。また、生成された状態情報のうち、落雷によりユーザ端末1に生じたダメージに関する情報は、ユーザ端末1の電圧が所定の閾値を超えたタイミングで、その旨を示すメッセージ等を表示させることでユーザに報知することができる。また、生成された状態情報のうち、使用されているパケット量に関する情報は、使用されたパケットの量が所定の閾値を超えたタイミングで、その旨を示すメッセージ等を表示させることでユーザに報知することができる。また、生成された状態情報のうち、通信速度に関する情報は、通信速度が所定の閾値を下回ったタイミングで、その旨を示すメッセージ等を表示させることでユーザに報知することができる。
【0022】
本サービスでは、生成された状態情報に基づいて、ユーザ端末1の利用に関する所定の提案が行われる(ステップS5)。
具体的には例えば、ユーザ端末1の利用に関する所定の提案として、ユーザ端末1の利用状況を可視化したレポートが出力される。ユーザ端末1の利用状況を可視化したレポートとしては、例えばレーダーチャート、パフォーマンス予測、バッテリーの利用状況に対する評価、ユーザ端末1の利用状況に対する評価、他のユーザの利用状況との比較等が挙げられる。他のユーザの利用状況との比較についてはゲーム性をもたせることもできる。
【0023】
また例えば、ユーザ端末1の利用に関する所定の提案として、そのユーザがユーザ端末1を最適な状態で使用するための提案や、そのユーザがユーザ端末1を買い替える場合におすすめのスペック又は機種の提案が行われる。なお、ユーザ端末1の使用態様は、ユーザ毎に異なる場合もあれば、多くのユーザに共通する場合もある。このため、「最適な状態」とは、画一的な状態を示すものではなく、状況に応じた様々な状態が存在し得る。具体的には例えば、バッテリーへの負荷を軽減化させつつ、かつ通常操作に支障を来さない状態や、故障リスクを低減化させた状態は、多くのユーザに共通する「最適な状態」といえる。また例えば、バッテリーへの負荷や故障のリスクよりも、例えば高解像度の画像が鮮明に表示される状態や、素早い操作にも対応できる操作環境が確保された状態を「最適な状態」と捉えるユーザもいる。
また、これらの提案以外にも、例えばユーザ端末1の利用に関する所定の提案として、ユーザ端末1を売却する場合における、レーダーチャートを用いた下取価格及び下取のタイミングの提案、ユーザ端末1を修理する場合におすすめの修理店の提案、ユーザ端末1を買い替える場合におすすめのキャリアショップ、販売サイト(例えばスマートフォンの販売を行うウェブサイト)、及び買取サイト(例えばスマートフォンの買取りを行うウェブサイト)の提案等が行われる。さらに、サービス提供者は、修理店、キャリアショップ、販売サイト、及び買取サイトとの間で広告契約を結び、これらを優先的にユーザに提案する(あるいは誘導する)という広告モデルを構築することもできる。
【0024】
また、本サービスでは、上述したサービスの他にも、例えばユーザが書き込むことができる掲示板を提供することもできる。これにより、例えば同一機種のユーザ端末1を保有するユーザ間における情報の共有等が可能となる。
【0025】
以上のように、本サービスでは、ユーザ端末1に専用アプリがインストールされると、1以上のタイミングでユーザ情報及び端末情報が取得される。具体的には、登録時にユーザ情報及び端末情報が取得されて、アプリ動作時及びバックグラウンドで端末情報が逐次取得される。このように、ユーザ端末1の機能の状態を示す情報や、ユーザ端末1がおかれた環境を示す情報等が、端末情報として複数のタイミングで取得される。そして、取得された情報に基づいて、ユーザ端末1の状態が診断され、その診断結果に基づく状態情報が的確なタイミングでユーザに報知される。
つまり、本サービスでは、ユーザが保有するユーザ端末1が、あらゆる角度からあらゆるタイミングで診断されることになる。これにより、ユーザは、ユーザ端末1の最新の状態を、状態情報として正確に把握することができるようになる。さらに、上述したように、本サービスでは、状態情報に基づいて、ユーザ端末1の利用に関する所定の提案が行われる。これにより、ユーザ端末1を保有するユーザは、そのユーザ端末1を将来に向けてどのように取り扱うべきであるのかを正確に判断できるようになる。
【0026】
図2は、ユーザにより購入されたユーザ端末1の状態の変化の一例として、ユーザ端末1のバッテリーの状態の変化を示す重回帰分析曲線グラフである。
【0027】
図2のグラフにおいて、横軸は、ユーザ端末1の購入後に経過した時間t(以下、「購入後経過時間t」と呼ぶ)を示している。また、縦軸は、ユーザ端末1のバッテリーの劣化の度合、あるいはユーザ端末1のバッテリーの健全性を表す指標であるSOH(State of health)を示している。また、曲線Lは回帰曲線を示している。
本サービスでは、ユーザ端末1の状態のうち、ユーザ端末1のバッテリーの状態を判定する場合、
図2のグラフを用いた回帰分析が行われる。SOHは、式「劣化時の満充電容量(Ah)/初期の満充電容量(Ah)×100」により算出することができる。
図2のグラフにプロットされている複数の円は、ユーザ端末1毎の購入後経過時間tとSOHとの関係を示すものである。なお、1つの円は、1台のユーザ端末1を示すものであってもよいし、複数のユーザ端末1の群を示すものであってもよい。
図2のグラフに示すように、購入後経過時間tが短いとSOHが高い値を示し、購入後経過時間tが長いとSOHが低い値を示す傾向にある。なお、矢印Yで示すように、円が回帰曲線(曲線L)から大きく離れている場合がある。このような場合、バッテリーそのものの経年劣化の他に、ユーザ特有の利用態様(例えばハードユース)がバッテリーの劣化に影響を与えていることが推定できる。
【0028】
次に、
図3を参照して、上述した本サービスの提供を実現化させる情報処理システム、即ち本発明の情報処理装置の一実施形態に係るユーザ端末1を含む、情報処理システムの構成の一例について説明する。
図3は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るユーザ端末を含む、情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0029】
図3に示す情報処理システムは、ユーザ端末1と、サーバ2とを含むように構成されている。
ユーザ端末1、及びサーバ2は、インターネット等の所定のネットワークNWを介して相互に接続されている。なお、ネットワークNWは、その形態は特にインターネットに限定されず、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、LAN(Local Area Network)等を採用することもできる。
なお、
図3においてユーザ端末1は1台のみ描画されているが、これは説明を理解し易くするために簡略化したものであり、実際にはn台(nは1以上の整数値)のユーザ端末1が存在し得る。つまり、図示はしないが、m人(mは1以上n以下の整数値)のユーザが本サービスに登録している。
【0030】
ユーザ端末1は、ユーザにより操作される情報処理装置であって、例えばスマートフォン、タブレット等で構成される。
ユーザ端末1には、専用アプリがインストールされる。ユーザは、専用アプリを用いて本サービスを利用する。
【0031】
サーバ2は、サービス提供者により管理され、ユーザ端末1と適宜通信をしながら、本サービスを実現するための各種処理を実行する。
サーバ2により実行される処理としては、例えばユーザ端末1の利用に関する情報を取得して記憶する処理や、ユーザ端末1に対して各種の情報を送信する処理等が挙げられる。
サーバ2により取得され、ユーザ端末1に送信される情報としては、例えば市場に流通している情報処理装置のスペックや価格に関する情報、中古市場の動向に関する情報、修理店、キャリアショップ、販売サイト、買取サイトに関する情報等が挙げられる。
【0032】
図4は、
図3に示す情報処理システムのうちユーザ端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
ユーザ端末1は、CPU11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、タッチ操作入力部16と、表示部17と、入力部18と、出力部19と、センサ部20と、撮像部21と、記憶部22と、通信部23と、ドライブ30と、を備えている。
【0034】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部22からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0035】
CPU11、ROM12、及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、タッチ操作入力部16、表示部17、入力部18、出力部19と、センサ部20と、撮像部21と、記憶部22、通信部23、及びドライブ30が接続されている。
【0036】
タッチ操作入力部16は、例えば表示部17の表示面(タッチスクリーンやディスプレイ)に積層される静電容量式又は抵抗膜式(感圧式)の位置入力センサにより構成され、タッチ操作がなされた位置の座標を検出する。
ここで、タッチ操作とは、タッチ操作入力部16に対する物体の接触又は近接の操作をいう。タッチ操作入力部16に対して接触又は近接する物体は、例えばユーザの指やタッチペン等である。
【0037】
入力部18は、マイク、各種ハードウェアボタン等で構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。
【0038】
出力部19は、スピーカ、フラッシュ等により構成され、各種情報を音声や光によって出力する。
【0039】
センサ部20は、温度センサ、磁気センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、近接センサ、気圧センサ、浸水センサ等の各種のセンサで構成される。
【0040】
撮像部21は、カメラ等で構成される。
【0041】
記憶部22は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
【0042】
通信部23は、インターネットを含むネットワークNWを介して他の装置(例えば
図3のサーバ2)との間で行う通信を制御する。
【0043】
ドライブ30は、必要に応じて設けられる。ドライブ30には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなるリムーバブルメディア40が適宜装着される。ドライブ30によってリムーバブルメディア40から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部22にインストールされる。また、リムーバブルメディア40は、記憶部22に記憶されている各種データを、記憶部22と同様に記憶することができる。
【0044】
なお、図示はしないが、
図3のサーバ2も、
図4に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。従って、サーバ2のハードウェア構成の説明については省略する。
【0045】
このような
図4のユーザ端末1の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、ユーザ端末1における機器保有ユーザ支援処理を含む各種処理の実行が可能になる。その結果、サービス提供者は、ユーザに対して上述の本サービスを提供することができる。
「機器保有ユーザ支援処理」は、ユーザ端末1に専用アプリがインストールされユーザ登録が行われた場合に、ユーザ端末1のCPU11により実行が制御される処理の1つである。
具体的には例えば、「機器保有ユーザ支援処理」では、ユーザ端末1に専用アプリがインストールされると、所定のタイミングで以下の処理が実行される。即ち、ユーザ情報及び端末情報を取得する処理、取得された情報に基づいて自機の状態を診断する処理、その診断結果に基づく状態情報を報知する処理が実行される。
以下、ユーザ端末1において実行される、機器保有ユーザ支援処理を実行するための機能的構成について説明する。
【0046】
図5は、
図4のユーザ端末の機能的構成のうち、機器保有ユーザ支援処理を実行するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0047】
図5に示すように、ユーザ端末1のCPU11においては、機器保有ユーザ支援処理の実行が制御される場合、取得部101と、診断部102と、生成部103と、報知制御部104と、提案部105とが機能する。また、ユーザ端末1の記憶部22の一領域には、ユーザDB221と、端末DB222とが設けられている。
【0048】
取得部101は、複数のタイミングで端末状態情報を取得する。取得部101では、登録時取得部111と、動作時取得部112と、バックグラウンド取得部113とが機能する。
【0049】
登録時取得部111は、ユーザが専用アプリの利用を開始するためにユーザ情報を登録すると、そのタイミングでユーザ情報とユーザ端末1の端末情報とを取得する。登録時取得部111により取得されるユーザ情報としては、例えばユーザの年代、ユーザ端末1が購入された時期、ユーザの性別等が挙げられる。また、登録時取得部111により取得される端末情報としては、例えばユーザ端末の機種名、IMEI、バッテリーの状態を示す情報、CPU11の状態を示す情報、記憶部22(例えばメモリ)の状態を示す情報等が挙げられる。
登録時取得部111により取得された情報のうち、ユーザ情報はユーザDB221に記憶されて管理される。また、端末情報は端末DB222に記憶されて管理される。
【0050】
動作時取得部112は、専用アプリの動作中に端末情報を逐次取得する。動作時取得部112により取得される端末情報としては、例えばバッテリーの状態を示す情報、ユーザ端末1の位置を示す情報、速度を示す情報、通信量の状況を示す情報、記憶部22のメモリの使用状況を示す情報等が挙げられる。
動作時取得部112により取得された端末情報は、端末DB222に記憶されて管理される。
【0051】
バックグラウンド取得部113は、端末情報を逐次取得する。バックグラウンド取得部113により取得される端末情報としては、例えばバッテリーの状態を示す情報、バッテリーの残存時間を示す情報、センサ部20の検知結果を示す情報、専用アプリの使用時間を示す情報、及び撮像部21のカメラの使用時間を示す情報等が挙げられる。センサ部20の検知結果としては、例えば温度センサの検知結果、磁気センサの検知結果、加速度センサの検知結果、ジャイロセンサの検知結果、近接センサの検知結果、気圧センサの検知結果、浸水センサの検知結果等が挙げられる。
バックグラウンド取得部113により取得された端末情報は、端末DB222に記憶されて管理される。
【0052】
診断部102は、登録時取得部111により取得されたユーザ情報及び端末情報と、動作時取得部112により取得された端末情報と、バックグラウンド取得部113により取得された端末情報とのうち少なくとも1の情報に基づいて、ユーザ端末1の状態についての診断を行う。具体的には、
図4のタッチ操作入力部16、表示部17、入力部18、出力部19と、センサ部20と、記憶部22、及び通信部23の状態についての診断が行われる。
【0053】
タッチ操作入力部16の状態についての診断としては、例えばタッチ操作がなされた位置の座標の検出の精度等の状態についての診断が行われる。
【0054】
表示部17の状態についての診断としては、例えばタッチスパネルやディスプレイ等の状態についての診断が行われる。
【0055】
入力部18の状態についての診断としては、例えばイヤホンマイク、スピーカマイク、レシーバマイク、フロントマイク、リアマイク、ホームボタン、ボリュームボタン、スリープウェイクボタン等の状態についての診断が行われる。
【0056】
出力部19の状態についての診断としては、スピーカやフラッシュ等の状態についての診断が行われる。
【0057】
センサ部20の状態についての診断としては、温度センサ、磁気センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、近接センサ、気圧センサ、照度センサ、浸水センサ、コンパス、GPS等の状態についての診断が行われる。
【0058】
記憶部22の状態についての診断としては、メモリ等の状態についての診断が行われる。
【0059】
通信部23の状態についての診断としては、コネクタ、セルラーネットワーク、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の接続の状態についての診断が行われる。
【0060】
生成部103は、診断部102による診断の結果に基づいて、ユーザ端末1の状態情報を生成する。
【0061】
報知制御部104は、生成部103により生成されたユーザ端末1の状態情報を報知する制御を実行する。
具体的には、報知制御部104は、生成された状態情報を、文章や画像の形式で表示部17に表示させる制御や、音声の形式で出力部19から出力させる制御等を行うことでユーザに報知する。
【0062】
提案部105は、生成部103により生成された状態情報に基づいて、ユーザ端末1の利用に関する所定の提案を行う。
【0063】
ユーザ端末1が以上のような機能的構成を有することにより、的確なタイミングでユーザ情報及び端末情報が取得される。そして、取得されたユーザ情報及び端末情報に基づく状態情報が生成されて、的確なタイミングでユーザに報知される。さらに、状態情報に基づいて、ユーザ端末1の利用に関する所定の提案が的確なタイミングで行われる。
その結果、ユーザ端末1を保有するユーザが、そのユーザ端末1の状態を、より正確にかつ的確なタイミングで知得できるようになる。さらに、ユーザ端末1を保有するユーザは、そのユーザ端末1を将来に向けてどのように取り扱うべきであるのか、また、ユーザ端末の状態によっては処分すべきであるのか等を正確に判断できるようになる。
【0064】
以上、
図3乃至
図5を参照して、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るユーザ端末1を含む、情報処理システムの構成の一例について説明した。
以下、
図6乃至
図10を参照して、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るユーザ端末1を含む情報処理システムによる処理において、ユーザ端末1に表示される画面の例について説明する。
即ち、上述したように、本サービスにおいては、ユーザ端末1の診断がなされ、ユーザ端末1の状態情報の報知やユーザ端末1の利用に関する所定の提案がなされる。
具体的には、ユーザは、ユーザ端末1にインストールされた専用アプリの画面において、これらの報知や提案を受ける。
【0065】
図6は、
図4の機能的構成を有するユーザ端末において専用アプリの画面として表示される画面の一例を示す図である。
図6の画面は、専用アプリの利用開始の画面として表示される画面の一例である。
まず、本サービスは、スマートフォンといったユーザ端末1の診断がなされ、その診断結果が報知される。即ち、スマートフォン等の診断結果が専用アプリの画面に表示されるため、
図6等において、専用アプリは「スマホカルテ」と呼ばれている。
ユーザは、専用アプリにIMEIと、苗字と、名前と、メールアドレスと、電話番号を入力することで、専用アプリ(スマホカルテ)にログインすることができる。
なお、スマホカルテは、通常、インストールされたそのユーザ端末1の情報について診断や報知等を行うものである。そこで、ユーザは、ログインする際に、端末を一意に特定することができるIMEI(識別番号やシリアル番号)を入力するのである。
【0066】
図7は、
図4の機能的構成を有するユーザ端末において専用アプリの画面として表示される画面の一例であって、
図6と異なる例を示す図である。
図7の画面は、専用アプリにおいて報知される各項目を示す図である。即ち例えば、
図7の例においては、「コネクタ」、「イヤホン」、「アウトカメラ」、「インカメラ」、「液晶画面」、「タッチパネル」、「スリープボタン」、「近接センサー」、「マイクテスト」、「Bluetooth(登録商標)」、「バイブレーター」、「フラッシュ」、「WiFi(登録商標)」、「加速度センサー」、「ジャイロスコープ」、「通信ネットワーク」、「端末情報」、「CPU」、「メモリ」、「ストレージ」、「Rootテスト」及び「データ使用量」の項目が診断され、ユーザに報知されている。
即ち、ユーザ端末1の診断部112は、
図7に示す項目等について診断することができる。そして、ユーザ端末1の報知制御部104は、
図7に示す項目等についての報知の制御を実行する。
【0067】
図8は、
図4の機能的構成を有するユーザ端末において専用アプリの画面として表示される画面の一例であって、
図6及び
図7と異なる例を示す図である。
即ち、
図8に示す画面は、上述の
図7の画面に示す各項目の一部についての総括であるレポート画面である。
図8の例においては、「テスト日」、「IMEI番号」、「メールアドレス」及び分類された各項目の診断結果が示されている。
【0068】
具体的には、「テスト日」の欄には、ユーザ端末1の診断が行われた日時が表示されている。
また、「IMEI番号」の欄には、ユーザ端末1のIMEI番号が表示されている。
また、「メールアドレス」の欄には、ユーザのメールアドレスが表示されている。
そして、
図8の下部には、分類された各項目の診断結果が示されている。
【0069】
具体的には例えば、「センサー」の分類について、「2/3」と表示されている。即ち、センサーに分類される3の項目のうち、2の項目において診断結果に問題が無かった旨が表示されている。
また例えば、「ハードウェア」の分類について、「14/17」と表示されている。即ち、センサーに分類される17の項目のうち、14の項目において診断結果に問題が無かった旨が表示されている。
また例えば、「無線」の分類について、「3/3」と表示されている。即ち、無線に分類される3つの項目のうち、3つの項目において診断結果に問題が無かった旨が表示されている。
このようにユーザは、
図8に示すレポート画面を閲覧することにより、ユーザ端末1の診断結果を一目で把握することができる。
即ち、ユーザ端末1の報知制御部104は、
図8に示すレポートの形態で、診断結果の報知の制御を実行することができる。
【0070】
図9は、
図4の機能的構成を有するユーザ端末において専用アプリの画面として表示される画面の一例であって、
図6乃至
図8と異なる例を示す図である。
即ち例えば、専用アプリにおいて、ユーザに対してバッテリー劣化テストに関する案内が提示される。具体的には例えば、
図9に示すように、ユーザに対して、ユーザ端末1(例えば、スマートフォン)を操作して、バッテリーの最大容量の数字の入力を促す案内が提示される。
これにより、専用アプリには、ユーザ端末1(スマートフォン)のOS(Operation System)により管理されている最大容量の数値が入力される。
【0071】
図10は、
図4の機能的構成を有するユーザ端末において専用アプリの画面として表示される画面の一例であって、
図6乃至
図9と異なる例を示す図である。
即ち、
図10に示す画面は、上述の
図9の画面に示すバッテリー劣化テストの結果を示す画面である。
図10の例においては、「バッテリーの状態に関するコメント」、「バッテリーの状態の数値」、「テスト日」、「IMEI番号」、「メールアドレス」及び「バッテリー劣化診断グラフ」が示されている。
【0072】
具体的には、「バッテリーの状態に関するコメント」として、「状態に非常に良い」というコメントが表示されている。
また、「バッテリーの状態の数値」として、「95%」という数値が表示されている。
また、「テスト日」の欄には、ユーザ端末1の診断が行われた日時が表示されている。
また、「IMEI番号」の欄には、ユーザ端末1のIMEI番号が表示されている。
また、「メールアドレス」の欄には、ユーザのメールアドレスが表示されている。
【0073】
そして、
図10の画面の下部には、「バッテリー劣化診断グラフ」の一部が図示されている。即ち、「バッテリー劣化診断グラフ」は、バッテリーの劣化の診断結果をグラフとして示したものである。
具体的には例えば、バッテリー劣化診断グラフには、縦軸にバッテリー状態の数値、横軸にテスト日をとったグラフが採用される。そして、そのユーザ端末1についての上述の「テスト日」における「バッテリー状態の数値」が、折れ線グラフにより表示される。
これにより、ユーザは、そのユーザ端末1のバッテリーの状態の変遷を容易に把握することができるのである。
このように、ユーザ端末1の診断部112は、
図9に示す案内により取得された数値等に基づいて、バッテリーの劣化診断をすることができる。そして、ユーザ端末1の報知制御部104は、
図10に示すように、バッテリーの劣化診断の結果についての報知の制御を実行する。
【0074】
以上、
図6乃至
図10を参照して、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るユーザ端末1を含む情報処理システムによる処理において、ユーザ端末1に表示される画面の例について説明した。
以下、上述の本サービスにより実現されるユーザ端末1の循環型モデル構築について説明する。
【0075】
図11は、
図1に示す本サービスにより実現されるユーザ端末に関する循環型ビジネスモデルの概念図である。
まず、前提として、スマートフォンやタブレットといったユーザ端末1に関する循環型モデルを構築する必要性について説明する。
国・地方脱炭素実現会議は、ゼロカーボンアクション30において「6.ごみを減らす」に分類される、「(25)修理や補修をする」という項目を挙げている。
即ち、各種電子機器(デバイス)を生産する際には、大量のカーボン(CO2)が発生している。そこで、デバイスにおいても、大量生産・大量消費モデルからの脱却が必要であると言える。換言すれば、デバイスを修理や補修して長く使う循環型モデルを構築することが必要である。
ここで、近年一番重要なインフラともされているスマートフォンやタブレットといったデバイスにおいて、モデルを構築することが重要であると言える。
【0076】
ここで、本サービスにおいては、一般のユーザの多いスマートフォンやタブレットといったデバイスについて、循環型モデルが構築されることにより、一般のユーザの夫々は、循環型モデルの構築と当該循環型モデルにおける活動を身近に感じることができる。即ち、単に企業がその企業努力として循環型モデルの構築を行うのみならず、一般のユーザに対しても循環型モデルという考え方が浸透する。その結果、企業のみならず一般のユーザも一丸となって、循環型モデルの実現にむけて活動を行うことができるようになるのである。
【0077】
次に、日本等の先進国(以下、「日本」を用いて説明する)におけるスマートフォンやタブレットの循環型モデルの現状について説明する。
即ち、日本等の先進国においては、使用済みのスマートフォンやタブレットが海外へ流れており、日本国内での循環型モデルが構築できていないのが現状である。
具体的には、スマートフォンやタブレットの年間約600万台が海外へ流れている。また、リサイクルが主流であって、リユースやリペア市場は成長過程であって十分な市場の整備がなされていない。また、年間約1300万台が埋蔵端末となり、累計約2億3000万台分の資源が都市鉱山となってしまっている。また、通信キャリアもデバイス(スマートフォンやタブレット)メーカも循環型モデルを構築できているとはいない状況である。
そこで、まず第1に、故障やバッテリー劣化をするまで当該スマートフォンやタブレットを長く使うこと。そして、第2に、故障やバッテリー劣化をした場合に、修理やバッテリー交換をしながら長く使うこと。本出願人は、これらの2つを実現したスマートフォンやタブレットの循環型モデルを構築し、新たなマーケットを生み出そうとしている。
なお、他の国においても、全体として循環型モデルが構築されているとはいいがたい状況である。
上述をまとめると、本サービスは、海外を経由することによる輸送に係る二酸化炭素排出や、リサイクル等と比較して二酸化炭素等の排出のより少ない、修理等により、循環型モデルを構築することを目指すものである。
【0078】
ここで、故障やバッテリー劣化をするまで当該スマートフォンやタブレットを長く使うこと、及び、故障やバッテリー劣化をした場合に修理やバッテリー交換をしながら長く使うことを実現するにあたり、行われるべき取り組み(課題)について説明する。
即ち、従来、スマートフォンやタブレットといったユーザ端末1を長く使うにあたり、ユーザは、ユーザ端末1の不調の原因が故障か否かが正確にはわからないという課題があった。
また、ユーザは、ユーザ端末1が故障したとしても、ユーザ自身で修理することができなかった。
また、ユーザ端末1が故障して通信キャリアに持ち込んだりメーカに依頼したりしても、その場では修理できないことが多かった。
また、バッテリー劣化の統一基準がないために、劣化の判断は感覚的なものとなってしまっていた。
また、ユーザ端末1の機種(メーカ)には存在するものの、基本的にはバッテリー劣化の計測は困難であった。
また、バッテリーが劣化しているとしても、ユーザは、ユーザ自身で修理することはできなかった。
また、バッテリーが劣化しているとしても、ユーザは、通信キャリアに持ち込んだとしても、その場でのバッテリー交換ができないことがあった。
【0079】
このように、スマートフォンやタブレットといったユーザ端末1(デバイス)を長く使うことを実現するにあたっては、多くの課題が存在した。
そこで、本サービスでは、スマートフォンやタブレットの現在の診断(各パラーメタ)から故障の状態やバッテリー劣化の状態のっかう人、また、それらを集積したビッグデータから故障やバッテリー劣化の予測をすることを支援する。これにより、上述の課題が解決され、ひいては、国・地方脱炭素実現会議による「6.ごみを減らす」に分類される、「(25)修理や補修をする」という項目の実現が進むのである。
【0080】
図11に示すように、各種の要素が絡み合って、循環型ビジネスモデルが実現される。
即ち、本サービスの専用アプリ(スマホカルテ)を起点として、ループL1に示すように、データの取得や分析がなされる。
また、本サービスの専用アプリ(スマホカルテ)を起点として、ループL2に示すように、専用アプリ内やプッシュ通知における広告がなされる。
また、本サービスの専用アプリ(スマホカルテ)を起点として、ループL3に示すように、販売や買取の促進のためのプッシュ通知がなされる。
また、本サービスの専用アプリ(スマホカルテ)を起点として、ループL4に示すように、診断レポートやバッテリーレポートがユーザに報知されることにより、ユーザはユーザ端末の交換を行う。そして、交換されたユーザ端末に対して、修理やバッテリー交換がなされる。このような修理やバッテリー交換されたユーザ端末1は、端末レンタルや端末販売の対象となる。
本発明の情報処理装置の一実施形態に係るユーザ端末を含む、情報処理システムは、特に上述のループL4の実現に資するものである。
なお、
図11のループL4における修理やバッテリー交換におけるパーツは、新品のパーツを用いてもよいが、使用済みの端末等から適宜取得されたものがつかわれると好機である。
【0081】
上述をまとめると、
図11に示すように、上述のループL1乃至L4等により、端末レンタルや端末販売の活発化と、売り上げの向上と、アクティブユーザ数の増加と、データ制度やアプリ品質の向上とがフィードバックされ、持続可能なビジネスが形成されるのである。
換言すると、近年、SDGs(持続可能な開発目標)が掲げられており、企業は、環境負荷を低減することなどを目指して研究開発を行ったりしている。しかしながら、単に環境負荷を低減するべく製造方法を切り替えたりすることは、企業にとっては利益を圧迫することとなり、その企業にとっては、持続可能性が低下するともいえる。
しかしながら、上述の
図11の循環型ビジネスモデルは、新マーケットを創出し得るものである。即ち、
図11の循環型ビジネスモデルは企業にとっての売上を向上させ得るものであり、持続可能性が向上されるものである。
【0082】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものとみなす。
【0083】
例えば、上述の実施形態では、スマートフォンやタブレット等で構成されるユーザ端末1の状態情報の報知、及び状態情報に基づく提案が行われるが、これに限定されない。即ち、スマートフォンやタブレット等以外のあらゆる機器の状態情報の報知、及び状態情報に基づく提案を行うことができる。
【0084】
また例えば、上述の実施形態では、ユーザは、ユーザ端末1にインストールされた専用アプリを用いて本サービスを利用する構成となっている。ただし、本サービスを利用するための具体的手法は特に限定されない。例えば、ユーザは、ユーザ端末1のブラウザ機能を用いて本サービスの少なくとも一部を利用することもできる。
【0085】
また例えば、上述のユーザ情報及び端末情報は一例に過ぎない。上述した情報以外の情報をユーザ情報及び端末情報とすることもできる。
【0086】
また例えば、ユーザ情報が取得されるタイミングは上述の実施形態のタイミングに限定されない。例えば動作時及びバックグラウンドで逐次取得されてもよい。これにより、登録後に登録情報の修正がなされた場合でも柔軟に対応することができる。また、端末情報が取得されるタイミングも上述の実施形態のタイミングに限定されない。
【0087】
また、
図3に示すシステム構成や、
図4に示すハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0088】
また、
図5に示す機能的構成も例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した機器保有ユーザ支援処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは特に
図5の例に限定されない。また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、
図5に特に限定されず、任意でよい。例えば、ユーザ端末1の機能ブロック及びデータベースを、サーバ2、又は図示せぬ他の情報処理装置等に移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロック及びデータベースは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0089】
また例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0090】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される
図4のリムーバブルメディア40により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア40は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている
図4のROM12や記憶部22に含まれるハードディスク等で構成される。
【0091】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0092】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
機器(例えば上述のユーザ端末1)の状態を示す状態情報を報知する機能を有するアプリケーションソフトウェア(例えば上述の専用アプリ)がインストールされた情報処理装置(例えば上述のユーザ端末1)であって、
前記アプリケーションソフトウェアの利用を開始するための所定情報の登録時に、自機に関する第1情報(例えば上述のユーザ情報及び端末情報)を取得する第1取得手段(例えば
図5の登録時取得部111)と、
前記アプリケーションソフトウェアの動作中に、自機に関する第2情報(例えば上述の端末情報)を逐次取得する第2取得手段(例えば
図5の動作時取得部112)と、
自機のバックグラウンドに関する第3情報(例えば上述の端末情報)を逐次取得する第3取得手段(例えば
図5のバックグラウンド取得部113)と、
取得された前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報のうち少なくとも1の情報に基づいて、前記情報処理装置の前記状態の診断を行う診断手段(例えば
図5の診断部102)と、
前記診断手段による前記診断の結果に基づいて、前記状態情報(例えば上述の状態情報)を生成する生成手段(例えば
図5の生成部103)と、
前記生成手段により生成された前記状態情報を報知する報知手段(例えば
図5の報知制御部104)と、
を備える情報処理装置。
【0093】
つまり、機器の状態を示す状態情報を報知する機能を有する専用アプリがインストールされた情報処理装置において、専用アプリの利用を開始するための所定情報の登録時に、自機に関する第1情報が取得される。また、専用アプリの動作中に、自機に関する第2情報が取得される。また、自機のバックグラウンドに関する第3情報が逐次取得される。そして、取得された第1情報、第2情報、及び第3情報のうち少なくとも1の情報に基づいて、専用アプリがインストールされた情報処理装置の状態についての診断が行われる。そして、その診断の結果に基づいて、状態情報が生成されて報知される。
その結果、情報処理装置(例えば
図3のユーザ端末1)を保有するユーザが、その情報処理装置の状態を、より正確にかつ的確なタイミングで知得できるようになる。
【0094】
また、前記生成手段により生成された前記状態情報に基づいて、前記情報処理装置の利用に関する所定の提案を行う提案手段(例えば
図5の提案部105)をさらに備えることができる。
【0095】
つまり、生成された状態情報に基づいて、その情報処理装置の利用に関する所定の提案が行われる。
その結果、情報処理装置を保有するユーザは、その情報処理装置を将来に向けてどのように取り扱うべきであるのかを正確に判断できるようになる。
【符号の説明】
【0096】
1・・・ユーザ端末、2・・・サーバ、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・タッチ操作入力部、17・・・表示部、18・・・入力部、19・・・出力部、20・・・センサ部、21・・・撮像部、22・・・記憶部、23・・・通信部、30・・・ドライブ、40・・・リムーバルメディア、101・・・取得部、102・・・診断部、103・・・生成部、104・・・報知制御部、105・・・提案部、111・・・登録時取得部、112・・・動作時取得部、113・・・バックグラウンド取得部、221・・・ユーザDB、222・・・端末DB、NW・・・ネットワーク、L・・・曲線、Y・・・矢印