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  • 特開-燃料バルブアセンブリ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115116
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】燃料バルブアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F02M 51/06 20060101AFI20230810BHJP
【FI】
F02M51/06 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023100992
(22)【出願日】2023-06-20
(62)【分割の表示】P 2022101080の分割
【原出願日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】PA 2021 00679
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(71)【出願人】
【識別番号】597061332
【氏名又は名称】エムエーエヌ・エナジー・ソリューションズ・フィリアル・アフ・エムエーエヌ・エナジー・ソリューションズ・エスイー・ティスクランド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ミカエル・オフテダル
(57)【要約】
【課題】エンジンカバー内の取り付けスペースを少なくすることができる改良された燃料バルブアセンブリを提供する。
【解決手段】本発明は、2ストローク内燃機関の燃焼室への燃料の噴射を制御するための燃料バルブアセンブリに関し、第1のバルブ部分および第2のバルブ部分を含み、バルブ部分の一方が他方のバルブ部分の一部を部分的に取り囲む一部を有し、他のバルブ部分の一部を少なくとも部分的に取り囲む部分を含むバルブ部分の一方は外面を有しする。燃料バルブアセンブリは、外面の第1の仮想点から外面の第2の仮想点まで延び、穴に配置された固定部分は、第1のバルブ部分と第2のバルブ部分に係合し、第1のバルブ部分と第2バルブの部分を接続する。本発明はまた、燃料バルブアセンブリを含む内燃機関に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2ストローク内燃機関(3)の燃焼室(2)への燃料の噴射を制御するための燃料バルブアセンブリ(1)であって、前記燃料バルブアセンブリ(1)は、
第1のバルブ部分(4)と、
第2のバルブ部分(5)と
を備え、
前記バルブ部分(4,5)の一方は、前記バルブ部分の他方の一部を少なくとも部分的に取り囲む部分を備え、
前記バルブ部分の他方の一部を少なくとも部分的に取り囲む部分を備える前記バルブ部分(4,5)の一方は、外面(6)を有し、前記燃料バルブアセンブリは、前記外面の第1の仮想点(8)から前記外面の第2の仮想点(9)に延在し、前記第1のバルブ部分および前記第2のバルブ部分と交差する穴(7)と、前記穴に配置され、前記第1のバルブ部分および前記第2のバルブ部分と係合し、かつ前記第1のバルブ部分および前記第2のバルブ部分を接続する固定部分(10)とをさらに備える、燃料バルブアセンブリ。
【請求項2】
前記固定部分は、円筒形であり、第1の端面(11)と、第2の端面(12)と、前記固定部分が前記第1のバルブ部分および前記第2のバルブ部分と交差する前記固定部分の一部分に少なくとも配置された細長いスリット(14)とを有し、前記細長いスリットは、前記第1の端面から前記第2の端面の方向に延在する、請求項1に記載の燃料バルブアセンブリ。
【請求項3】
前記固定部分は、前記固定部分の長手方向軸(15)に対して半径方向に弾性を有する、請求項1または2に記載の燃料バルブアセンブリ。
【請求項4】
前記固定部分がばね鋼で作られている、請求項1~3のいずれか一項に記載の燃料バルブアセンブリ。
【請求項5】
前記固定部分は、C形状の断面を有する管として形成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の燃料バルブアセンブリ。
【請求項6】
前記穴は、内径(ID)を有し、前記固定部分は、外径(OD)を有し、前記外径は、前記内径よりも大きい、請求項1~5のいずれか一項に記載の燃料バルブアセンブリ。
【請求項7】
前記穴は、前記外面の前記第1の仮想点から前記外面の前記第2の仮想点に延在し、前記第1のバルブ部分および前記第2のバルブ部分と交差し、前記第1のバルブ部分に第1の溝(16)を、および前記第2のバルブ部分に第2の溝(17)を提供し、前記固定部分は、前記穴に配置され、前記第1の溝および前記第2の溝と係合する、請求項1~6のいずれか一項に記載の燃料バルブアセンブリ。
【請求項8】
前記第1のバルブ部分は、ノズル先端(22)であり、前記第2のバルブ部分は、プレチャンバー部分(23)またはバルブハウジング(24)である、請求項1~7のいずれか一項に記載の燃料バルブアセンブリ。
【請求項9】
前記第1のバルブ部分は、第1のバルブハウジング部分(25)であり、前記第2のバルブ部分は、第2のバルブハウジング部分(26)である、請求項1~8のいずれか一項に記載の燃料バルブアセンブリ。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の燃料バルブアセンブリを備える内燃機関(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2ストローク内燃機関の燃焼室への燃料の噴射を制御するための燃料バルブアセンブリに関する。本発明はまた、燃料バルブアセンブリを含む内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
2ストローク内燃エンジンは、主にIMO(国際海事機関)のTierII(二次規制)およびTierIII(三次規制)排出規制で規制されている環境要件に準拠するために、燃焼を制御するためにますます複雑になっている。この複雑さのために、エンジンの周りのスペースはそれに応じてより多くのセンサー、冷却、加熱、制御機器などのためのスペースを作るために制限されている。特にエンジンカバー内の燃料バルブ、排気バルブなどの既存の機器のためのスペースは、他の機器のためのスペースの必要性が高まることにより、非常に制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、先行技術の上記の不利な点および欠点を完全にまたは部分的に克服することである。より具体的には、エンジンカバー内の取り付けスペースを少なくすることができる改良された燃料バルブアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
他の多くの目的、利点および特徴とともに以下の説明から明らかになるであろう上記の目的は、本発明による解決策、2ストローク内燃エンジンの燃焼室への燃料の噴射を制御するための燃料バルブアセンブリによって達成され、燃料バルブアセンブリは、
- 第1のバルブ部分、および
- 第2のバルブ部分であって、バルブ部分の一方が、他方のバルブ部分の一部を少なくとも部分的に取り囲む部分を備える、第2のバルブ部分
を備える。
【0005】
他方のバルブ部分の一部を少なくとも部分的に取り囲む部分を備える前記バルブ部分の一方は外面を有し、燃料バルブアセンブリは、外面の第1の仮想点から外面の第2の仮想点に向かって延在し、第1のバルブ部分および第2のバルブ部分と交差する穴と、第1のバルブ部分と第2のバルブ部分に係合し、第1のバルブ部分と第2のバルブ部分とを接続する、穴に配置された固定部分とをさらに備える。
【0006】
さらに、2ストローク内燃機関の燃焼室への燃料の噴射を制御するための燃料バルブアセンブリは、
- 第1のバルブ部分、および
- 第2のバルブ部分
を備え、第1のバルブ部分は、第2のバルブ部分の一部を少なくとも部分的に取り囲み、接続されている部分を備え、
第1のバルブ部分は外面を有し、燃料バルブアセンブリは、外面の第1の仮想点から外面の第2の仮想点に向かって延在し、第1のバルブ部分および第2のバルブ部分と交差する穴と、第1のバルブ部分と第2のバルブ部分を係合し、第1のバルブ部分と第2のバルブ部分を接続する、穴に配置された固定部分とをさらに備える。
【0007】
また、固定部分は、第1の端面、第2の端面、および固定部分が第1のバルブ部分と第2のバルブ部分と交差する固定部分の一部分に少なくとも配置された細長いスリットとを有する円筒形とすることができ、細長いスリットは、第1の端面から第2の端面に向かう方向に延在する。
【0008】
また、固定部分は中点を有することができ、細長いスリットは、第1の端面から少なくとも中点を越えて延びることができる。
【0009】
さらに、固定部分は、その軸方向延長に沿った長さを有することができ、細長いスリットは、長さの少なくとも10%、好ましくは長さの少なくとも35%、より好ましくは長さの少なくとも65%の長さを有することができる。
【0010】
また、固定部分は、穴の形状に合わせた外形を有していてもよい。
【0011】
さらに、固定部分は、固定部分の長手方向軸に対して半径方向に弾性であり得る。
【0012】
さらに、穴は長手方向軸に沿って延在することができる。
【0013】
また、穴の長手方向軸は、固定部分の長手方向軸と一致していてもよい。
【0014】
さらに、燃料バルブアセンブリは、長手方向軸を有し得る。
【0015】
さらに、穴の長手方向軸は、燃料バルブアセンブリの長手方向軸に垂直な平面に配置することができる。
【0016】
さらに、固定部分は、ばね鋼でできていてもよい。
【0017】
さらに、固定部分は、C字形の断面を有する管として形作られ得る。
【0018】
さらに、穴は、外面の第1の仮想点から外面の第2の仮想点に向かって延在し、第1のバルブ部分および第2のバルブ部分と交差するボアであり得る。
【0019】
また、穴は内径を有し、固定部分は外径を有し得、外径は、内径よりも大きい。
【0020】
さらに、穴は、外面の第1の仮想点から外面の第2の仮想点に向かって延在し、第1のバルブ部分および第2のバルブ部分と交差し、第1のバルブ部分に第1の溝を、第2のバルブ部分に第2の溝を提供し、固定部分は、穴に配置され、第1の溝および第2の溝と係合する。
【0021】
さらに、第1の溝は、第2の溝の内径よりも小さい内径を有し得る。
【0022】
また、第2の溝の内径は、固定部分の外径よりも大きくてもよい。
【0023】
さらに、穴は、0.5~50mm、好ましくは1~25mm、より好ましくは1~10mm、さらにより好ましくは1~5mmの内径を有し得る。
【0024】
さらに、第1のバルブ部分は、第2のバルブ部分の突出部を少なくとも部分的に取り囲むフランジを含み得、フランジは、内面および外面を含み、内面は、突出部の外面に面する。穴は、フランジの外面の第1の仮想点から、内面を通って延在して第1の溝を形成し、突起部分の外面を通って第2の溝を形成し、第2の仮想点まで延在する。
【0025】
また、第1のバルブ部分または第2のバルブ部分は、ノズル先端であり得、第1のバルブ部分および第2のバルブ部分の他方はプレチャンバー部分またはバルブハウジングであり得る。
【0026】
さらに、燃料バルブアセンブリは、ノズル開口部に対して、および少なくとも部分的にノズル開口部内で移動可能な針を含み得る。
【0027】
さらに、燃料バルブアセンブリは、燃料ポンプから燃料を受け取るように構成された燃料供給開口部を備え得る。
【0028】
また、第1のバルブ部分は、第1のバルブハウジング部分であってもよく、第2のバルブ部分は第2のバルブハウジング部分であってもよい。
【0029】
さらに、C字形の断面を有する管の細長いスリットまたは開口部は、第2のバルブ部分の突出部分の外面に面していてもよい。
【0030】
さらに、第2のバルブ部分は、突出部が延びる基部を有し、フランジは、基部に面し、基部から離れて配置された端部フランジ面を有し得る。
【0031】
また、第2のバルブ部分は、突出部が延びる基部を有し、フランジは、基部に面し、基部から離れて配置された端部フランジ面を有し、突出部と第1のバルブ部分との間の表面圧力を増加させるために第2のバルブ部分が第1のバルブ部分に向かって動くことができ、突出部と第1のバルブ部分との間に緊密なシールを提供する。
【0032】
さらに、第2のバルブ部分は、少なくとも1つの冷却チャネルを有し得る。
【0033】
また、第1のバルブ部分は、第1のポンプバレル部分であってもよく、第2のバルブ部分は、第2のポンプバレル部分であってもよい。
【0034】
さらに、燃料バルブアセンブリは、外面の第1の仮想点から外面の第2の仮想点に向かって延在し、第1のバルブ部分および第2のバルブ部分と交差する第2の穴と、第1のバルブ部分と第2のバルブ部分とを係合し、第1のバルブ部分と第2のバルブ部分を接続する、穴に配置された固定部分とを有することができる。
【0035】
さらに、第1および第2の穴は平行であり得る。
【0036】
さらに、燃料バルブアセンブリはまた、第2の穴に配置された固定部分を含み得る。
【0037】
また、フランジは、円周フランジであってもよい。
【0038】
また、突出部は、外周を有していてもよい。
【0039】
さらに、燃料は、船舶用ディーゼル、液化ガス、ガスまたは同様の燃料であり得る。
【0040】
さらに、本発明は、燃料バルブアセンブリを含む内燃機関に関する。
【0041】
最後に、本発明はまた、クロスヘッドタイプの大型2ストロークディーゼルエンジンにおける燃料バルブアセンブリの使用に関する。
【0042】
本発明およびその多くの利点は、例示の目的でいくつかの非限定的な実施形態を示し、以下のような添付の概略図を参照して、以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】燃料バルブアセンブリの一部の概略を示す。
図2図1の燃料バルブアセンブリの一部の断面図を示す。
図3】別の燃料バルブアセンブリの一部の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
すべての図は非常に概略的であり、必ずしも縮尺どおりではなく、本発明を解明するために必要な部分のみを示しており、他の部分は省略または単に提案されている。
【0045】
図1は、2ストローク内燃機関3の燃焼室2への燃料の噴射を制御するための燃料バルブアセンブリ1の一部を示している。燃料バルブアセンブリ1は、第1のバルブ部分4および第2のバルブ部分5を備え、バルブ部分4、5の一方は、他方のバルブ部分4、5の一部を少なくとも部分的に取り囲む部分を備える。図1において、第1のバルブ部分4の一部は、第2のバルブ部分5の一部を完全に取り囲んでいるが、別の実施形態(図示せず)では、第2のバルブ部分5の一部が、第1のバルブ部分4の一部を取り囲むことができる。第1のバルブ部分4は、ノズル先端22であり、第2のバルブ部分5は、プレチャンバー部分23である。第1のバルブ部分4は、外面6を有し、燃料バルブアセンブリ1は、外面6の第1の仮想点8から外面6の第2の仮想点9に向かって延びる穴7をさらに備える。そして、それにより、穴7は、第1のバルブ部分4および第2のバルブ部分5と交差する。燃料バルブアセンブリ1は、穴7に配置された固定部分10をさらに備え、第1のバルブ部分4および第2のバルブ部分5と係合し、第1のバルブ部分4を第2のバルブ部分5に接続する。第1のバルブ部分4と第2のバルブ部分5を接続する場合、固定部分10は、第1の仮想点8から穴7に入り、固定部分10が第1のバルブ部分4および第2のバルブ部分の両方に係合するように穴7に押し込まれる。したがって、固定部分10は、少なくとも固定部分10が第2のバルブ部分5と交差する部分において、穴7の形状に一致する外部構成を有する。
【0046】
従来技術では、噴霧器とも呼ばれるノズル先端は、ボルト接続またはユニオンナットによってプレチャンバーに接続されている。ユニオンナットは、ノズル先端を取り囲み、ねじ山接続によってプレチャンバーの外面と係合し、それにより、本発明の接続と比較して、ユニオンナットのサイズに対応して、より多くのスペースを占める。ボルト接続では、ノズルチップとプレチャンバーにそれぞれボルト接続用のフランジが付いているため、本発明の接続と比較して、「追加」フランジのサイズに応じて、ボルト接続もより多くのスペースを占有する。
【0047】
図1に示すように、燃料バルブアセンブリ1は、長手方向軸Lを有し、穴7は、固定部分10の長手方向軸15と一致する長手方向軸30に沿って延びる。は、燃料バルブアセンブリ1の長手方向軸Lに垂直な平面に配置されている。したがって、穴7の長手方向軸30は、燃料バルブアセンブリ1の長手方向軸に実質的に垂直である。
【0048】
したがって、固定部分10は、第1の端面11、第2の端面12、および固定部分10が第1のバルブ部分4および第2のバルブ部分5と交差する固定部分10の少なくとも一部分に配置された細長いスリット14とを有する円筒形であり、細長いスリット14は、第1の端面11から第2の端面12に向かう方向に延びる。細長いスリット14は、固定部分10を圧縮することを可能にし、これは、第1のバルブ部分4と第2のバルブ部分5との間に密閉を形成するために、第1のバルブ部分4と第2のバルブ部分5とをわずかに近づけることができるため非常に有利である。固定部分10は中間点を有し、細長いスリット14は少なくとも中間点を過ぎて延びる。したがって、固定部分10は、その長手方向軸15に沿った長さを有し、細長いスリット14は、第2のバルブ部分5に対する第1のバルブ部分4の可動性を提供するために、固定部分10の長さの少なくとも10%、好ましくは固定部分10の長さの少なくとも35%、より好ましくは固定部分10の長さの少なくとも65%の長さを有する。固定部分10は、固定部分10の長手方向軸15に対して半径方向に弾性がある。図1から分かるように、穴は、外面6の第1の仮想点8から外面6の第2の仮想点9まで延在し、それにより、穴7は第1のバルブ部分4および第2のバルブ部分5と交差する。固定部分10は、穴内に延在し、1つの仮想点/端部から挿入される。
【0049】
固定部分10は、弾性特性を提供するばね鋼または同様の材料でできている。図2に示すように、固定部分10は、C字形の断面を有する管、すなわち、文字Cのような断面形状を有する管の形状であり、「C」を形成する開口部は、第1の端面11から第2の端面12までの固定部分10の全てを通り延在する細長いスリット14である。穴7は内径IDを有し、固定部分10は外径ODを有し、外径は内径よりわずかに大きく、その結果、固定部分10が圧縮され、したがって、第1のバルブ部分4を第2のバルブ部分5に固定するためのばね力を提供する。
【0050】
穴7に配置された固定部分10が第1のバルブ部分4および第2のバルブ部分5と交差する接続を有することにより、単純で非常にスペース効率の良い接続が提供され、少なくとも1つの冷却チャネル32をノズル先端22の近くに配置することができ、これは、ノズル先端22の最適な機能にとって重要なことである。したがって、本発明の接続は、エンジンカバー内でより少ないスペースを占めることと、冷却チャネル32の位置決めを最適化することの両方を満たす。
【0051】
図1および図2に示すように、穴7は、外面6の第1の仮想点8から外面6の第2の仮想点9まで延在し、第1のバルブ部分4および第2のバルブ部分5と交差し、第1のバルブ部分4に第1の溝16を、第2のバルブ部分5に第2の溝17を設け、それにより穴7に配置された固定部分10が第1の溝16と第2の溝17の両方に係合し、第1のバルブ部分4と第2のバルブ部分5を互いに締結することができる。第1のバルブ部分4、すなわちバルブ先端22に対する第2のバルブ部分5、すなわちプレチャンバー部分23の動きを容易にするために、第1の溝16は、第2の溝17の内径よりも小さい内径を有しており、第1のバルブ部分4の端面34と第2のバルブ部分5の端面35との間に密なシールが形成される。したがって第2の溝17の内径は、固定部分10の外径よりも大きい。穴7は、内径IDが0.5~50mm、好ましくは1~25mm、より好ましくは1~10mm、さらにより好ましくは1~5mmである。
【0052】
図2の燃料バルブアセンブリ1は、外面6の第1の仮想点8から外面6の第2の仮想点9まで延びる第2の穴7Bを有し、第1のバルブ部分4および第2のバルブ部分5と交差し、第2の穴7に配置された第2の固定部分10Bは、第1のバルブ部分4と第2のバルブ部分5とを係合し、第1のバルブ部分4と第2のバルブ部分5を接続する。第1および第2の穴7、7Bは平行であり、第2のバルブ部分5の出口36と第1のバルブ部分4の入口37に対して対向する側に互いに離れて配置されている。
【0053】
図2において、第1のバルブ部分4は、第2のバルブ部分5の突出部19を少なくとも部分的に取り囲むフランジ18を備える。フランジ18は、内面20および外面6を含む。フランジ18の内面20は、突出部19の外面21に面している。穴は、フランジ18の外面6の第1の仮想点8からフランジ18の内面20を通ってフランジ18を延在して第1の溝16を形成し、突出部19の外面21を通って第2の溝17を形成し、第2の仮想点9まで延びる。フランジ18は、突出部19の外周の周りに延びる円周方向フランジである。
【0054】
第2のバルブ部分5は、突出部19が延びる基部29を有し、フランジ18は、基部29に面し、基部29から距離dに配置された端部フランジ面31を有し、第2のバルブ部分5を第1のバルブ部分4に向かって移動し、突出部19と第1のバルブ部分4との間に緊密なシールを提供するために、突出部19と第1のバルブ部分4との間の表面圧力を増加させる。
【0055】
図2に示すように、C字形の断面を有する管の細長いスリット14または開口部は、第2のバルブ部分5の突出部19の外面21および第2の溝17に面している。このように、第2のバルブ部分5が第1のバルブ部分4に向かって移動する場合に、開口部/スリット14が第2のバルブ部分5の移動方向に沿って配置されるため、固定部分10に最適な柔軟性が提供される。
【0056】
図3では、燃料バルブアセンブリ1は、バルブハウジング24を備え、第1のバルブ部分4は、第1のバルブハウジング部分25であり、第2のバルブ部分5は、第2のバルブハウジング部分26である。燃料バルブアセンブリ1は、燃料ポンプ(図示せず)からの燃料の燃焼室2への噴射を制御するために、ノズル開口部28に関連して、および少なくとも部分的にノズル開口部28内に移動可能なニードル27を備える。燃料バルブアセンブリ1は、燃料ポンプから燃料を受け取るように構成された燃料供給開口部(図示せず)を備える。燃料は、船舶用ディーゼル、液化ガス、ガスまたは同様の燃料である。
【0057】
別の実施形態(図示せず)では、第1のバルブ部分4は、第1のポンプバレル部分であり、第2のバルブ部分5は、第2のポンプバレル部分である。
【0058】
本発明はまた、燃料バルブアセンブリ1を含む、クロスヘッドタイプの大型2ストロークディーゼルエンジンなどの内燃機関3に関する。
【0059】
本発明は、本発明の好ましい実施形態に関連して上記で説明されてきたが、以下の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明から逸脱することなく、いくつかの修正が考えられることは当業者には明らかである。
【符号の説明】
【0060】
1 燃料バルブアセンブリ
2 燃焼室
3 2ストローク内燃機関
4 第1のバルブ部分
5 第2のバルブ部分
6 外面
7 穴
8 第1の仮想点
9 第2の仮想点
10 固定部分
11 第1の端面
12 第2の端面
14 細長いスリット
16 第1の溝
17 第2の溝
18 フランジ
19 突出部
20 フランジの内面
21 突出部の外面
22 ノズル先端
23 プレチャンバー部分
24 バルブハウジング
25 第1のバルブハウジング部分
26 第2のバルブハウジング部分
28 ノズル開口部
29 基部
31 端部フランジ面
32 冷却チャネル
図1
図2
図3
【外国語明細書】