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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115134
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】携帯情報端末
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/02 20100101AFI20230810BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104635
(22)【出願日】2023-06-27
(62)【分割の表示】P 2019035616の分割
【原出願日】2019-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000111074
【氏名又は名称】ニッタン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】工藤 彰久
(72)【発明者】
【氏名】中村 颯月
(72)【発明者】
【氏名】河村 一利
(72)【発明者】
【氏名】河合 秀規
(57)【要約】
【課題】携帯情報端末の位置を把握する位置情報システムにおいて携帯情報端末の電池の消耗を抑える。
【解決手段】携帯情報端末により送信された発信器情報に基づいて、携帯情報端末の現在位置が示されたマップ画像を表示させるためのマップ情報を携帯情報端末に送信可能なサーバを備えた位置情報システムに用いられる携帯情報端末に、携帯情報端末が移動しているか判定するための移動判定手段と、電池の残量を算出する電池残量算出手段と、識別情報を送信する周期を変更する送信周期変更手段とを設け、送信周期変更手段は、電池残量が所定レベル以下になった場合には、識別情報を送信する周期を直前の送信周期よりも長い第1周期に設定し、電池残量が所定レベル以上であって移動していないには識別情報の送信周期を第1周期よりも短い第2周期に設定し、移動している場合には識別情報の送信周期を第2周期よりも短い第3周期に設定するようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定エリアに設置された発信器からの信号を受信する受信器と前記発信器の識別情報を含む発信器情報および自己の識別情報を送信可能な無線通信器を有する携帯情報端末と、
前記携帯情報端末により送信された発信器情報に基づいて、当該携帯情報端末の現在位置が示されたマップ画像を当該携帯情報端末に表示させるためのマップ情報を当該携帯情報端末に送信可能なサーバと、
を備えた位置情報システムに用いられる携帯情報端末であって、
当該携帯情報端末が移動しているか判定するための移動判定手段と、
電池電圧を検出する電池電圧検出手段の情報に基づいて電池の残量を算出する電池残量算出手段と、
前記無線通信器により識別情報を送信する周期を変更する送信周期変更手段と、
を備え、
前記送信周期変更手段は、
前記電池残量算出手段により算出された電池残量が所定レベル以下になった場合には、前記無線通信器により識別情報を送信する周期を電池残量が所定レベル以下になる前の送信周期よりも長い第1周期に設定し、
前記電池残量算出手段により算出された電池残量が所定レベル以上であって、前記移動判定手段により移動していないと判定した場合には、前記無線通信器により識別情報を送信する周期を前記第1周期よりも短い第2周期に設定し、
前記電池残量算出手段により算出された電池残量が所定レベル以上であって、前記移動判定手段により移動していると判定した場合には、前記無線通信器により識別情報を送信する周期を前記第2周期よりも短い第3周期に設定することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項2】
前記送信周期変更手段は、前記電池残量算出手段により算出された電池残量が所定レベル以上であって、前記サーバより異常の発生を知らせる情報を受信した場合には、前記識別情報を送信する前記第2周期および前記第3周期を、より短い周期にそれぞれ設定することを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項3】
所定エリアに設置された発信器からの信号を受信する受信器と前記発信器の識別情報を含む発信器情報および自己の識別情報を送信可能な無線通信器を有する携帯情報端末と、
前記携帯情報端末により送信された発信器情報に基づいて、当該携帯情報端末の現在位置が示されたマップ画像を当該携帯情報端末に表示させるためのマップ情報を当該携帯情報端末に送信可能なサーバと、
を備えた位置情報システムに用いられる携帯情報端末であって、
電池電圧を検出する電池電圧検出手段の情報に基づいて電池の残量を算出する電池残量算出手段と、
前記無線通信器により識別情報を送信する周期を変更する送信周期変更手段と、
を備え、
前記送信周期変更手段は、
前記電池残量算出手段により算出された電池残量が所定レベル以下になった場合には、前記無線通信器により識別情報を送信する周期を電池残量が所定レベル以下になる前の送信周期よりも長い第1周期に設定し、
前記電池残量算出手段により算出された電池残量が所定レベル以上であって、前記無線通信器によって前記サーバより異常の発生を知らせる情報を受信していない場合には、前記無線通信器により識別情報を送信する周期を前記第1周期よりも短い第4周期に設定し、
前記電池残量算出手段により算出された電池残量が所定レベル以上であって、前記無線通信器によって前記サーバより異常の発生を知らせる情報を受信した場合には、前記無線通信器により識別情報を送信する周期を前記第4周期よりも短い第5周期に設定することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項4】
前記携帯情報端末は、前記無線通信器により識別情報を送信する周期が前記第1周期に設定されている場合において、当該携帯情報端末が操作されることに応じて前記第1周期への設定を解除し、前記識別情報を送信する周期を前記第1周期よりも短い周期に設定可能に構成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の携帯情報端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル等の施設内における携帯情報端末の位置を視覚的に報知可能な位置情報システムに用いられる携帯情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機器固有の識別情報を位置検出用の情報として無線により発信するビーコン等の発信器を設置した位置情報システムが知られている。
上記のような発信器を備えた位置情報システムでは、異なる位置に配設された複数の発信器の各識別情報と各設置箇所とを対応付けたマップ情報が予め用意され、携帯情報端末に与えられる。そして、携帯情報端末のユーザが当該携帯情報端末を保有して移動する際に、携帯情報端末が建物内の各箇所に配設された発信器からの識別情報を受信することで、受信した識別情報とマップ情報とから建物内での位置をマップと共に携帯情報端末の表示部に表示されることで自身の位置を把握することができる。
【0003】
また、防災サーバで平常時より、工場の各従業員が所持する携帯情報端末から現在位置情報を所定の周期で受信して、従業員の所在位置情報を保存し、工場内で災害が発生すると、各従業員の所在位置情報を利用して、救助活動を行ったり、避難指示を行ったりする防災管理システムが提案されている(例えば、特許文献1)。
また、ビーコンを備えた位置情報システムを利用して、建物等の施設内の在留者の位置を取得し、火災発生時に避難誘導や消火活動の支援を行うための支援システムに関する発明が提案されている(特許文献2)。この特許文献2の発明は、通常時は携帯情報端末が長い周期で送信することで携帯情報端末の電池の消耗を抑え、火災情報信号を受信すると通常周期よりも短い周期で送信を行うことで、自衛消防隊員等の携帯情報端末の現在位置を正確に把握できるようにするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-196255号公報
【特許文献2】特開2017-91477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2の発明は、通常時における携帯情報端末の電池の消耗を抑えることはできるものの、火災情報信号を受信すると短い周期で送信を行うため、自衛消防隊員が保有する携帯情報端末の電池が消耗していると、自衛消防隊員が消火活動や避難誘導、救助活動をしている途中で電池切れを起こして位置を把握することができなくなり、例えば要救助者の位置情報等の重要な情報を消失するおそれがあるという課題がある。
本発明は上記のような課題に着目してなされたものでその目的とするところは、携帯情報端末の位置を把握する位置情報システムにおいて、地図情報の提供を受ける携帯情報端末の電池の消耗を抑えることができ、消火や避難誘導、救助等の活動中に携帯情報端末が電池切れを起こすのを回避しつつ携帯情報端末の位置を正確に把握することができるようにすることにある。
本発明の他の目的は、携帯情報端末の位置を把握する位置情報システムと火災報知システムを統合もしくは混在させたシステムにおいて、いずれかの携帯情報端末が電池切れを起こして位置情報が取得できなくなったとしても携帯情報端末の位置を完全に消失してしまうのを回避することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明は、
所定エリアに設置された発信器からの信号を受信する受信器と前記発信器の識別情報を含む発信器情報および自己の識別情報を送信可能な無線通信器を有する携帯情報端末と、
前記携帯情報端末により送信された発信器情報に基づいて、当該携帯情報端末の現在位置が示されたマップ画像を当該携帯情報端末に表示させるためのマップ情報を当該携帯情報端末に送信可能なサーバと、
を備えた位置情報システムに用いられる携帯情報端末において、
当該携帯情報端末が移動しているか判定するための移動判定手段と、
電池電圧を検出する電池電圧検出手段の情報に基づいて電池の残量を算出する電池残量算出手段と、
前記無線通信器により識別情報を送信する周期を変更する送信周期変更手段と、
を備え、
前記送信周期変更手段は、
前記電池残量算出手段により算出された電池残量が所定レベル以下になった場合には、前記無線通信器により識別情報を送信する周期を電池残量が所定レベル以下になる前の送信周期よりも長い第1周期に設定し、
前記電池残量算出手段により算出された電池残量が所定レベル以上であって、前記移動判定手段により移動していないと判定した場合には、前記無線通信器により識別情報を送信する周期を前記第1周期よりも短い第2周期に設定し、
前記電池残量算出手段により算出された電池残量が所定レベル以上であって、前記移動判定手段により移動していると判定した場合には、前記無線通信器により識別情報を送信する周期を前記第2周期よりも短い第3周期に設定するようにしたものである。
【0007】
上記のような構成を有する携帯情報端末によれば、電池残量が所定レベル以下になった場合には、電池残量が所定レベル以下になる前の送信周期よりも長い送信周期に設定されるため、携帯情報端末の電池の消耗を抑えることができ、携帯情報端末の位置を完全に消失してしまうのを回避することができる。
また、電池残量が所定レベル以上である場合において、携帯情報端末すなわち保有者が移動していないと判定した場合には、無線通信器により識別情報を送信する周期が、電池残量が所定レベル以下の場合に設定される第1周期よりも短い第2周期に設定され、移動していると判定した場合には、無線通信器により識別情報を送信する周期が、移動していると判定した場合に設定される第2周期よりも短い第3周期に設定される。そのため、送信された識別情報を受信するサーバが、携帯情報端末の位置を喪失するのを回避することができる。
【0008】
また、望ましくは、前記送信周期変更手段は、前記電池残量算出手段により算出された電池残量が所定レベル以上であって、前記サーバより異常の発生を知らせる情報を受信した場合には、前記識別情報を送信する前記第2周期および前記第3周期を、より短い周期にそれぞれ設定するように構成する。
かかる構成によれば、異常(火災)の発生を知らせる情報を受信した場合に送信周期がそれぞれより短い周期に設定されるため、異常時には携帯情報端末の位置を正確に把握することができ、消火や避難誘導の活動を有効に支援することができる。
【0009】
本出願に係る他の発明は、
所定エリアに設置された発信器からの信号を受信する受信器と前記発信器の識別情報を含む発信器情報および自己の識別情報を送信可能な無線通信器を有する携帯情報端末と、
前記携帯情報端末により送信された発信器情報に基づいて、当該携帯情報端末の現在位置が示されたマップ画像を当該携帯情報端末に表示させるためのマップ情報を当該携帯情報端末に送信可能なサーバと、
を備えた位置情報システムに用いられる携帯情報端末において、
電池電圧を検出する電池電圧検出手段の情報に基づいて電池の残量を算出する電池残量算出手段と、
前記無線通信器により識別情報を送信する周期を変更する送信周期変更手段と、
を備え、
前記送信周期変更手段は、
前記電池残量算出手段により算出された電池残量が所定レベル以下になった場合には、前記無線通信器により識別情報を送信する周期を電池残量が所定レベル以下になる前の送信周期よりも長い第1周期に設定し、
前記電池残量算出手段により算出された電池残量が所定レベル以上であって、前記無線通信器によって前記サーバより異常の発生を知らせる情報を受信していない場合には、前記無線通信器により識別情報を送信する周期を前記第1周期よりも短い第4周期に設定し、
前記電池残量算出手段により算出された電池残量が所定レベル以上であって、前記無線通信器によって前記サーバより異常の発生を知らせる情報を受信した場合には、前記無線通信器により識別情報を送信する周期を前記第4周期よりも短い第5周期に設定するように構成したものである。
【0010】
上記のような構成を有する携帯情報端末によれば、電池残量が所定レベル以下になった場合には、電池残量が所定レベル以下になる前の送信周期よりも長い送信周期に設定されるため、携帯情報端末の電池の消耗を抑えることができ、携帯情報端末の位置を完全に消失してしまうのを回避することができる。
また、電池残量が所定レベル以上である場合において、異常の発生を知らせる情報を受信していない場合には、無線通信器により識別情報を送信する周期が、電池残量が所定レベル以下の場合に設定される第1周期よりも短い第4周期に設定され、異常の発生を知らせる情報を受信していると判定した場合には、無線通信器により識別情報を送信する周期が、異常の発生を知らせる情報を受信していないと判定した場合に設定される第4周期よりも短い第5周期に設定される。そのため、送信された識別情報を受信するサーバは、電池残量が所定レベル以上である場合に携帯情報端末の位置を正確に把握することができるとともに、異常発生時には携帯情報端末の位置をより正確に把握することができる。
【0011】
さらに、望ましくは、前記携帯情報端末は、前記無線通信器により識別情報を送信する周期が前記第1周期に設定されている場合において、当該携帯情報端末が操作されることに応じて前記第1周期への設定を解除し、前記識別情報を送信する周期を前記第1周期よりも短い周期に設定可能に構成する。
かかる構成によれば、電池残量が低下して識別情報の送信周期が長くなったとしても、移動時や異常発生時に携帯情報端末の所持者の意思で送信周期を短くすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、携帯情報端末の位置を把握する位置情報システムにおいて、地図情報の提供を受ける携帯情報端末の電池の消耗を抑えることができ、消火や避難誘導、救助等の活動中に携帯情報端末が電池切れを起こすのを回避しつつ携帯情報端末の位置を正確に把握することができる。また、携帯情報端末の位置を把握する位置情報システムと火災報知システムを統合したシステムにおいて、いずれかの携帯情報端末が電池切れを起こして位置情報が取得できなくなったとしても携帯情報端末の位置を完全に消失してしまうのを回避することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態の位置情報システムと火災報知システムを統合したシステムの一例を示すブロック図である。
図2】実施形態の位置情報システムに用いられる携帯情報端末の構成例を示すブロック図である。
図3】携帯情報端末の電池の残量と送信周期との関係を示すグラフである。
図4】実施形態の位置情報システムに用いられる携帯情報端末における位置情報送信処理手順の一例を示すフローチャートである。
図5】実施形態の位置情報システムを構成する位置情報サーバにおけるマップ作成処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6】携帯情報端末に表示される監視エリアのマップ画像(フロア図画像)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明を適用した位置情報システムの実施形態について説明する。図1は、本実施形態の位置情報システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態の位置情報システムは、図1に示すように、建物内部の複数箇所に配設されているビーコン(発信器)10からの信号(電波)を受信可能な携帯情報端末20と、携帯電話基地局30及びインターネット等の通信ネットワークNを介して携帯情報端末20との間でデータ通信を行う位置情報サーバ40と、パーソナルコンピュータやタブレットPCなどのデータ処理装置からなる管理装置42と、建物内部の複数箇所に配設されている火災感知器50からの火災検出信号を受信可能な火災受信機60と、ゲートウェイ(中継器)70及びインターネット等の通信ネットワークNを介して火災受信機60との間でデータ通信を行い火災受信機60から火災の発生に関する情報を取得して管理装置42へ転送するデータ転送装置80などから構成されている。
【0015】
なお、データ転送装置80は、監視エリアに設置されている火災感知器(IDもしくはアドレス)と設置位置との対応表や、火災受信機60から取得した火災の発生場所情報や発生時刻情報などを含む火災情報履歴を記憶する機能などを備えたサーバ(火災情報サーバ)であっても良い。
また、携帯情報端末20へ無線信号(機器IDや設備情報などの固有情報)を発信するビーコン10の通信方式としては、例えばBluetooth(登録商標)通信やIEEE 802.11規格に従ったWiFi等の無線LAN、赤外線通信、可視光通信など公知の通信方式を利用することができる。ビーコン10を配置する間隔は特に限定されないが、以下の説明では、隣接するそれぞれのビーコン10の通信範囲が建物内の空間を網羅できるように配置されているものとする。
【0016】
具体的には、もともと建物内には所定の間隔をおいて火災感知器50やスプリンクラーヘッドが設置されているので、それらの機器に内蔵もしくは付加する形態で取り付けたビーコン、あるいはそれらの機器の近傍に設置する形態で取り付けたビーコンを利用することができる。
また、ビーコン10は、電源に関する情報(内蔵電池情報又は外部電源情報)と自己の識別情報とを無線信号に乗せて定期的に周囲に発信する発信部を備える。ビーコン10が無線で発信する信号(ビーコン信号)には、少なくとも当該ビーコン10の識別情報(発信器の機器ID)が含まれていれば良く、さらに、設置されているエリアに関する情報が含まれても良い。
【0017】
携帯情報端末20は、例えばCPU(Central Processing Unit)、CPUが実行するプログラムを格納した不揮発性メモリ、作業用のRAM(Random Access Memory)などからなるデータ処理機能の他、ビーコン10からの信号を受信する受信機能と、無線通信機能とを備える機器であり、公知のスマートフォン等を利用することができる。
携帯情報端末20の内部メモリには、定期的にビーコン10から無線で発信されるビーコン信号を受信して当該ビーコン信号に含まれる識別情報(機器ID)等を抽出するとともに、当該ビーコン信号の受信電波強度を検出し、識別情報と受信電波強度等を含むビーコン情報を携帯電話基地局30及び通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40へ送信する処理と、通信ネットワークN及び携帯電話基地局30を介して位置情報サーバ40から送信されたフロア図情報に基づくフロア図画像を画面に表示する処理とを実行するアプリケーション・プログラム(位置情報表示アプリ)が格納されている。
【0018】
また、携帯情報端末20は、複数のビーコン10(通信範囲が互いに重なるビーコン10)から発信されるビーコン信号を受信した場合には、それぞれのビーコン情報を位置情報サーバ40へ送信するように構成されていても良い。
火災感知器50は、警戒区域ごとに異なる感知器回線51を介して火災受信機60に接続されており、熱、煙、炎、有害ガスなどの発生を検出すると、感知器回線51を介して火災検出信号を火災受信機60へ送信する。火災感知器50は、火災検出信号に自己の設置アドレスを付加するタイプの感知器であっても良いし、設置アドレスを付加しないタイプの感知器であっても良い。
【0019】
火災受信機(R型またはP型)60は、火災感知器50からの火災検出信号を受信した場合、表示部に火災報知表示を行うとともに地区ベルの鳴動や防排煙装置などの連動制御を行う。さらに、火災受信機60は、火災の発生場所情報や発生時刻情報などを含む火災情報(異常情報)や火災受信機60において復旧操作が行われた場合における復旧情報を、ゲートウェイ70を介してデータ転送装置80へ送信し、データ転送装置80は受信した情報を位置情報サーバ40へ送信する。
なお、火災受信機60は、火災検出信号に火災感知器50の設置アドレスが付加されている場合には、当該設置アドレスに基づいて火災の発生場所を特定する。一方、火災検出信号に火災感知器50の設置アドレスが付加されていない場合には、当該火災検出信号を伝送した感知器回線51に基づいて火災の発生場所(警戒区域)を特定する。
【0020】
位置情報サーバ40は、当該位置情報サーバ40が管理する建物の各フロアの地図情報(フロア図)と、携帯情報端末固有の識別情報(端末ID)と、携帯情報端末の保有者の権限や資格等の属性に関する情報(保有者属性情報)とを記憶するデータベース41を備えている。なお、各フロアの地図情報(フロア図情報)には、各フロアに設置されているビーコン10の機器ID及び設置位置情報などが含まれる。
【0021】
位置情報サーバ40は、携帯情報端末20からビーコン10の機器IDを受信すると、受信したビーコンの機器IDとデータベース41に記憶されている情報に基づいて当該携帯情報端末20の現在位置を算出する。そして、データベース41から当該携帯情報端末20が位置しているフロアのマップ情報を読み出し、読み出したフロア図データに携帯情報端末20の現在位置情報を付加して当該携帯情報端末20へ送信する処理を実行する。あるいは、位置情報サーバ40において、フロア図に携帯情報端末20の現在位置を示すマークをプロットしてフロア表示情報を生成し、生成したフロア表示情報を通信ネットワークN及び携帯電話基地局30を介して携帯情報端末20へ送信する処理を実行する。
これにより、情報を受信した携帯情報端末20の表示部には、当該携帯情報端末20の現在位置を示すフロア図画像が表示可能になる。監視エリア(フロア図)内に複数の携帯情報端末20が存在するときは、複数の携帯情報端末のそれぞれの現在位置を示す複数のマークをフロア図に表示しても良い。
【0022】
また、位置情報サーバ40は、携帯情報端末20から送られてくる発信器の機器IDと端末IDに基づいて、保有者の属性または種別を判断し、表示範囲指定テーブルを参照して保有者の属性または種別に応じて表示する設備の情報を読み出し、当該携帯情報端末の表示データを生成して送信するようにしても良い。
管理装置42は、位置情報サーバ40が作成したフロア図等を管理装置42の表示部に表示し、フロア図に表示されている携帯情報端末の保有者情報を読み出して、保有者が自衛消防隊員など所定の役割を持つものであった場合には、消火活動や避難誘導、救助活動などに必要な指令を送信可能に構成されている。管理装置42が可搬型の場合、携帯情報端末20の機能と同一の機能を有するようにしても良い。
【0023】
図2には、携帯情報端末20の構成例が示されている。図2に示すように、携帯情報端末20は、ビーコン10からの電波を受信可能なビーコン受信器21、ネットワークNを介して位置情報サーバ40と通信を行うための無線通信器22、CPU(中央処理ユニット)などからなるデータ処理部23、アプリケーション・プログラムなどを記憶する記憶装置24、入力部および表示部を備えたタッチパネルディスプレイ25、電源電圧を供給する電池26、クロック信号を生成するクロック生成器27などを備えている。
【0024】
また、データ処理部23は、ビーコン受信器21による受信信号に基づいて電波強度を検出する電波強度検出部31、ビーコン受信器21により受信した信号からビーコンの機器IDなどの情報を抽出し自器のIDと共に位置情報サーバ40へ周期的に送信する送信処理部32、無線通信器22により位置情報サーバ40から受信したフロア図等のマップを表示部に表示するマップ表示処理部33、電池26の電圧等に基づいて電池残量を算出する電池情報取得部34、電波強度検出部31により検出された電波強度情報等に基づいて自携帯情報端末が移動中か否かを判定したり移動速度を算出したりする移動判定部35、電池情報取得部34により算出された電池残量および移動判定部35の判定結果に基づいて送信処理部32による送信の周期を変更する送信周期変更部36などを備えている。
【0025】
電波送信範囲が隣設のビーコン10の電波送信範囲と重なるようにしてビーコン10が配設されている場合、ビーコン受信器21は複数のビーコンからの電波を受信するが、複数のビーコン電波のうち最も電波強度の高いビーコン設置位置の近傍に携帯情報端末が存在すると判定することができる。そして、移動判定部35は、複数のビーコン電波の強度の変化から携帯情報端末が移動しているか判定することができる。なお、移動判定部35は、携帯情報端末が加速度センサを有する場合には加速度センサからの情報に基づいて移動中か否かの判定や移動速度(0を含む)の算出を行うようにしても良い。
【0026】
ここで、携帯情報端末20の送信周期変更部36による送信周期の変更の仕方を、図3に示すグラフを用いて説明する。
送信周期変更部36は、例えば図3(A)に示すように、電池残量に応じて残量が多いとき(例えば15%または25%以上のとき)は送信周期を短くする一方、残量が少ないとき(例えば15%または25%未満のとき)は送信周期を長くする。さらに、送信周期変更部36は、移動判定部35の判定結果に基づいて、自携帯情報端末が移動中のときは図3(A)において実線Aで示すように、送信周期を短くする一方、自携帯情報端末が移動していないとき(停止中)は図3(A)において破線Bで示すように、送信周期を長くする。
【0027】
なお、移動中か否かで送信周期を変更する代わりに、位置情報サーバ40から異常情報(例えば火災情報)を受信しているか否かで送信周期を変更しても良い。また、電池残量の判定基準は15%~25%として例示しているが、前記判定基準は15%~25%に限定されない。即ち、一般的な携帯情報端末が電池低下を通知する15%といった値等、要は一般的な携帯情報端末が電池残量が少ないと判断する値であれば良い。
さらに、自携帯情報端末20の電池残量が上記判定基準よりも大きい所定の電池残量まで低下した際に、電池残量が低下している旨を表示したり、位置情報送信周期が長くなるおそれがある旨を表示したりして事前に周期の変更を通知するようにしてもよい。また、所定の電池残量未満で自動的に送信周期を長くした場合には、携帯情報端末20の所持者の操作によって送信周期を短く設定できるように構成しても良い。
【0028】
上記のように、携帯情報端末20は、電池残量が少ないときには多いときと比べて送信周期を長くすることで、電池の消耗速度を遅くして電池切れを起こすまでの時間を延ばすことができる。また、自携帯情報端末が移動中のときは送信周期を短くすることで、位置情報サーバ40への位置情報の送信頻度を高めて携帯情報端末の保有者の位置を精度良くマップ上へ反映して表示させることができる。
なお、送信周期は、図3(A)に示すような3段階(移動時周期、停止時周期、セーブ時周期)に切り替えるやり方に限定されず、図3(B)に示すように、より多くの段階に切り替えるようにしても良い。例えば移動速度に応じて送信周期を多段階に切り替えたり、移動中か否かの条件と異常情報を受信しているか否かの条件に応じて段階に切り替えたりすることが考えられる。
【0029】
次に、本実施形態の位置情報システムを構成する携帯情報端末20及び位置情報サーバ40による処理手順を、図4及び図5に示すフローチャートを用いて説明する。なお、携帯情報端末20がスマートフォンのような汎用機器の場合、本実施形態に従った動作をするように作成された位置情報表示アプリが記憶装置24に記憶され、そのアプリが起動されているものとする。また、図4に示すフローチャートに従った位置情報送信処理は、特に限定されるものでないが、例えばタイマー割込みで実行される。そして、この割込みは、それより以前の位置情報送信処理で設定された送信周期に応じて発生する。
【0030】
タイマー割込みが発生して位置情報送信処理を開始すると、データ処理部23は、先ず、ビーコン受信器21から送信されている信号を受信し(ステップS1)、受信した信号の電波強度を取得する(ステップS2)。そして、最も受信強度の高い受信信号に含まれているビーコンの機器IDなどの情報を抽出して、ビーコンIDおよび受信強度を自己の携帯情報端末IDと共に位置情報サーバ40へ送信する(ステップS3)。複数のビーコン受信器21の信号を受信している場合には、複数のビーコンのIDおよび受信強度と携帯情報端末IDを送信するようにしても良い。なお、携帯情報端末ID(携帯情報端末情報)は、携帯情報端末固有の識別情報等、他の携帯情報端末と区別できる情報であれば良い。
【0031】
次に、携帯情報端末20のデータ処理部23は、電池26の電圧を読み込み(ステップS4)、電池電圧に基づいて電池残量を算出する(ステップS5)。そして、電池残量が所定レベル(例えば25%)以下であるか否か判定し(ステップS6)、電池残量が所定レベル以下である(ステップS6;Yes)と判定したときは、送信周期を3段階のうち最も長いセーブ時周期に設定し(ステップS7)、ステップS13へ移行する。また、電池残量が所定レベル以下でない(ステップS6;No)と判定したときはステップS8へ進む。
【0032】
ステップS8では、最も受信強度の高いビーコンが前回送信時における最も受信強度の高いビーコンと同一であるか否か判定する。そして、前回とビーコンが同一でないと判定した場合(ステップS8;No)には、携帯情報端末20は移動しているとみなして、送信周期を3段階のうち最も短い移動時周期に設定する(ステップS9)。
一方、ステップS8で、前回とビーコンが同一である(Yes)と判定した場合には、携帯情報端末20は移動していないとみなして、送信周期を3段階のうち中間である停止時周期に設定する(ステップS10)。
【0033】
続いて、位置情報サーバ40から異常の発生情報を受信していないか判定し(ステップS11)、異常発生情報を受信している(Yes)と判定すると、ステップS12へ進んで、ステップS9またはS10で設定した送信周期をより短い周期に設定する。異常が発生しているときは、位置情報サーバ40側において、より頻繁に携帯情報端末20から位置情報を取得して各端末の現在位置を正確に把握できるようにするためである。
ステップS11で、異常発生情報を受信していない(No)と判定した場合には、ステップS12をスキップしてステップS13へ進む。ステップS13では、送信周期を計時する送信周期タイマーをリセットして、ステップS7またはS9,S10,S12で設定した次の送信周期の計時を開始させて停止状態(スリープ)へ移行する。
【0034】
なお、ステップS6で電池残量が所定レベル以下であると判定し、それに応じてステップS7で送信周期を3段階のうち最も長いセーブ時周期に設定した後、ステップS11へ移行して、異常発生情報を受信したか判定し受信した場合にはステップS7で設定した送信周期を短くするという考え方もあるが、そのようにすると、端末の現在位置を正確に把握できるが電池の消耗速度が速くなり、異常発生中に電池切れを起こすリスクが高くなるというデメリットがある。
そこで、本実施形態においては、電池残量が少ない場合には、位置情報サーバ40より異常発生情報が送信されたとしても送信周期をより短い周期に設定することはしないようにしている。これにより、例えば携帯情報端末の所有者が要救助者であったような場合に、要救助者の位置情報を消失するリスクを回避することができる。
【0035】
図5には、位置情報サーバ40によるマップ作成処理の手順の一例が示されている。この処理は、例えば自己が管理しているいずれかの携帯情報端末からデータを受信した場合に開始されるようにすることができる。
マップ作成処理が開始されると、位置情報サーバ40は、先ず、受信データから携帯情報端末のIDとビーコンIDを抽出し(ステップS21)、ビーコンIDに基づいて携帯情報端末の位置を特定する(ステップS22)。具体的には、データベース41内にビーコンIDとその設定位置との関係を示すテーブルが格納されているので、そのテーブルを参照して携帯情報端末の位置を特定する。
【0036】
次に、データベース41から監視対象エリアのフロア図のデータを読み込む(ステップS23)。続いて、位置情報サーバ40は、火災受信機60から火災発生の有無や火災発生位置に関する情報を取得し(ステップS24)、火災が発生しているか否か判定する(ステップS25)。
ここで、火災が発生している(ステップS25;Yes)と判定すると、位置情報サーバ40は、ステップS26へ進んで、ステップS23で読み込んだフロア図上に火災発生位置を示すマークを表記する。あるいはフロア図データに火災位置情報を付加するようにしても良い。一方、ステップS25で、火災が発生していない(No)と判定すると、ステップS26をスキップしてステップS27へ移行する。
【0037】
ステップS27では、ステップS22で特定した携帯情報端末の位置を示すマークをフロア図上に表記する。このとき、複数の携帯情報端末が監視エリアに存在するときは、他の携帯情報端末の位置を示すマークもフロア図上に表記するようにしても良い。続いて、音信不能になった携帯情報端末があるか否か判定する(ステップS28)。ここで、音信不能とはサーバが携帯情報端末の位置を把握できないことであり、例えば、サーバと携帯情報端末間の通信不能といった通信障害等が挙げられる。なお、音信不能か否かを判定する時間は、前述の電池残量が所定レベル以下と判定した場合に設定する送信周期よりも長い時間である。電池残量が少なくなった携帯情報端末を誤って音信不能端末と判定するのを回避するためである。
【0038】
上記ステップS28で、音信不能になった携帯情報端末がある(Yes)と判定すると、ステップS29へ進み、音信不能になった携帯情報端末が直前に存在していた位置を示すフロア図上のマークの表示形態を変更する。例えば、実線で表示していたマークを点線表示に変更したり、青色で表示していたマークを赤色表示に変更したりすることが考えられる。また、位置情報サーバ40は、発信器情報を送信して来ていた携帯情報端末からの情報の受信が、所定時間以上途絶えた場合に、最後に把握した携帯情報端末の位置情報を記載したリストを作成して当該リストの情報を管理装置42へ送信し、管理装置42は受信したリストの情報を表示するようにしても良い。
一方、ステップS28で、音信不能になった携帯情報端末がない(No)と判定すると、ステップS30へ進み、ステップS21~S29で作成したフロア図(図6参照)を携帯情報端末20および管理装置42へ送信して一連の処理を終了する。
【0039】
なお、図5のフローチャートでは、火災発生位置を示すマークや携帯情報端末の位置を示すマークをフロア図に表記したものを携帯情報端末へ送信しているが、フロア図のデータを携帯情報端末へ送信して、携帯情報端末側で自己の位置を示すマークをフロア図に表示するようにしても良い。また、フロア図データと共に他の携帯情報端末の位置情報も送信して、他の携帯情報端末の位置をフロア図に表示できるようにしても良い。
さらに、位置情報サーバ40は、ステップS24で火災受信機60から復旧情報を受信した場合には、復旧した旨を携帯情報端末へ通知して、フロア図上の火災マークの表示を中止するようにしても良い。また、ここで、携帯情報端末への復旧通知や火災マークの表示もしくは火災位置情報の付加の中止は、管理装置42における入力部からの指令操作で実行させるようにすることができる。
【0040】
なお、音信不能になった携帯情報端末があった場合、フロア図には、音信不能になった時刻あるいは音信不能になった時点からの経過時間を表示するようにしても良い。さらに、携帯情報端末20から位置情報サーバ40へ電池残量を示す情報を送信して、位置情報サーバ40は電池残量に応じた表示色や表示形態で携帯情報端末の位置を示すマークを表示させるようにしても良い。例えば、電池残量の多い携帯情報端末は緑色の〇印で示し、電池残量の少ない携帯情報端末は赤色の〇印で示すことが考えられる。
【0041】
図6には、管理装置42の表示部に表示されるフロア図の一例が示されている。図6において、符号Dが付されているのは火災感知器のマーク、符号Bが付されているのはビーコンのマーク、符号Sが付されているのは携帯情報端末のマーク、符号Fが付されているのは異常(炎)の発生位置を表わすマークである。また、点線で表わされ符号S’が付されているマークは、電池切れ等で通信が途切れた携帯情報端末の直前に把握していた位置を示している。なお、通信が途切れた携帯情報端末の位置の表示は、例えば異常発生時にのみ行うようにしても良い。異常発生時に通信が途切れた携帯情報端末の直前の位置を表示することにより、例えば携帯情報端末の所有者が要救助者であったような場合に、救助者は通信が途切れた位置を頼りにして救助活動を行うことが可能になる。
【0042】
上述したように、本実施形態の位置情報システムによれば、携帯端末の保有者が移動していない場合や電池の残量が少なくなった場合に送信周期を長くするようにしているため、携帯情報端末の電池の消耗を抑えることができる。また、携帯端末の保有者が移動している場合には電池の残量が多いことを条件に送信周期を短くするようにしているため、消火や避難誘導、救助の活動中に携帯情報端末が電池切れを起こすのを回避しつつ携帯情報端末の位置を正確に把握することができる。さらに、携帯情報端末の位置を把握する位置情報システムと火災報知システムとを統合したシステムにおいて、通信が途切れた携帯情報端末の直前に把握していた位置を表示するようにしているため、いずれかの携帯情報端末が電池切れを起こして位置情報が取得できなくなったとしても携帯情報端末の位置を完全に消失してしまうのを回避することができる。
【0043】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、位置情報サーバ40及びデータ転送装置80は、別体ではなく支援サーバ等として一体的に構成されていても良い。また、上記実施形態では、携帯情報端末20とは別個に管理装置42を設けているが、管理装置42がタブレットPCのような可搬型の装置の場合、実施形態の携帯情報端末20の機能と管理装置42の機能の両方を1つの装置に搭載するようにしても良い。
【0044】
さらに、上記実施形態では、ビーコンは情報を送信する機能のみ有していると説明したが、携帯情報端末や他の発信器(無線タグ、端末等)からの無線信号を受信する機能さらには受信した情報をサーバへ送信する機能を有するものであっても良い。
また、上記実施形態では、位置情報システムとして、ビーコンによる測位を利用したシステムを例示したが、これに限定されず、位置情報システムは例えばIMES(Indoor Messaging System)等のその他の方式による測位を利用したシステムであっても良い。
【符号の説明】
【0045】
10 ビーコン(発信器)
20 携帯情報端末
40 位置情報サーバ(サーバ装置)
41 データベース(発信器設置位置情報記憶手段)
42 管理装置
60 火災受信機(受信機)
80 データ転送装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6