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特開2023-115297細胞培養容器内の液体培地を安定化させる方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115297
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】細胞培養容器内の液体培地を安定化させる方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 5/07 20100101AFI20230810BHJP
   C12M 3/00 20060101ALN20230810BHJP
【FI】
C12N5/07
C12M3/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106830
(22)【出願日】2023-06-29
(62)【分割の表示】P 2020502673の分割
【原出願日】2018-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【弁理士】
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ジョセフ レイシー
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ロジャー マーティン
(72)【発明者】
【氏名】アリソン ジーン タナー
(57)【要約】
【課題】3Dスフェロイド培養容器内の液体の動きを安定化させる。
【解決手段】細胞培養容器は、容器本体、支持支柱、および安定化装置を備える。この容器本体は、底壁と上壁との間に囲まれた細胞培養チャンバを画成する。この支持支柱は、細胞培養チャンバ内にあり、上壁と底壁との間に延在する。この安定化装置は、細胞培養チャンバの幅と長さを覆い、液体培養培地が細胞培養チャンバ内に収容されるときに安定化装置が支持支柱に沿って移動できるように支持支柱にスライド式に係合するような大きさの支柱係合構造を有する。この支持支柱は、液体培養培地の充填操作中に細胞培養チャンバ内の液面の上昇により、安定化装置が上昇するにつれて、支持支柱の長さに沿って安定化装置を誘導する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞培養容器内の液体培地を安定化させる方法において、
前記細胞培養容器の容器本体内の細胞培養チャンバ内に安定化装置を位置付ける工程、および
前記安定化装置の支柱係合構造を支持支柱と、前記細胞培養チャンバに液体細胞培養培地が充填されるときに、前記容器本体の上壁と底壁との間で該支持支柱に沿って安定化装置が動けるように係合させて、液体培養培地の動きを抑制することによって、細胞培養表面のマイクロキャビティ内に収容された細胞の状態を維持する工程、
を有してなる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、広く、細胞を増殖させるのに使用される細胞培養容器に関し、より詳しくは、細胞培養容器内の液体の動きを制限する安定化装置を備えた細胞培養容器と細胞培養容器内の液体培地を安定化させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、三次元(3D)細胞培養は、二次元(2D)細胞培養よりも、自然組織および臓器の環境をシミュレーションするのによりうまく適することができる。2D細胞培養において、細胞は、典型的に、剛性であるプラスチック材料から作られた、平らな皿の平面上で増殖する。したがって、細胞はプラスチック材料の平面に付着し、その平らな皿に沿って均一に広がるので、これにより、中で増殖させるべき細胞にとって不自然な環境が作られる。これにより、その中で培養される細胞が、タンパク質への不自然な付着物を形成し得る。
【0003】
それにひきかえ、3D細胞培養で増殖された細胞は、三次元環境内で他の堆積細胞に付着することができ、それによって、スフェロイドを形成し、細胞間でより自然な相互作用を生じる。細胞のこの自然な配置は、自然組織のものに似た、柔軟な構成を与える。精度を増加させるように疾患に対する治療法を開発するための実験的研究を行う場合、組織微小環境の精確な適例を提供することが望ましい。細胞は人体内で2Dで増殖しないので、開発された薬品が最終的に適用される環境によく似ているので、3D培養においてこれらの治療法を開発することが望ましい。
【0004】
3D細胞培養の使用に対する懸念は、その中に形成されたスフェロイドが、容器を輸送するときに損傷を受ける感受性である。容器内の様々な体積の開放区域および液体の存在のために、容器を輸送すると、一般に、その中に収容された液体が意図せずに動き、これにより容器内に乱流が生じ得る。3D細胞培養における細胞は、2D細胞培養で増殖した細胞とは異なり、容器のどの表面にも付着していないので、この乱流は、それらを中で培養しているそれぞれのマイクロキャビティから細胞を出すように影響を及ぼし、それによって、球形度が損なわれ、スフェロイドの大きさが不均一になるかもしれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、3Dスフェロイド培養容器内の液体の動きを安定化させる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施の形態によれば、細胞培養容器は、底壁と上壁との間に囲まれた細胞培養チャンバを画成する容器本体;細胞培養チャンバ内にあり、上壁と底壁との間に延在する支持支柱;および細胞培養チャンバの幅と長さを覆う安定化装置であって、液体培養培地が細胞培養チャンバ内に収容されるときに安定化装置が支持支柱に沿って移動できるように支持支柱にスライド式に係合するような大きさの支柱係合構造を有する安定化装置を備える。この支持支柱は、液体培養培地の充填操作中に細胞培養チャンバ内の液面の上昇により、安定化装置が上昇するにつれて、支持支柱の長さに沿って安定化装置を誘導する。
【0007】
別の実施の形態によれば、細胞培養容器は、底壁、上壁、および一対の側壁内に囲まれた細胞培養チャンバを画成する容器本体を備える。その底壁は細胞培養表面を構成し、容器本体は、その培養表面に沿って培地が堆積されるように培地を収容するように作られている。この細胞培養容器は、上壁と底壁との間に延在する細胞培養チャンバ内に位置付けられた支持支柱;およびその細胞培養チャンバ内に配置された一対の外側翼と中央翼を含む安定化装置をさらに備える。この中央翼は、一対の外側翼間に配置されており、その一対の外側翼は、一対の側壁に枢動可能に結合されており、中央翼は、支持支柱にスライド式に係合するような大きさの支柱係合構造を含む。この支持支柱は、中央翼が持ち上げられたときに支持支柱の高さに沿って中央翼を誘導する。
【0008】
別の実施の形態によれば、細胞培養容器内の液体培地を安定化させる方法は、細胞培養容器の容器本体内の細胞培養チャンバ内に安定化装置を位置付ける工程、および細胞培養チャンバに液体細胞培養培地が充填されるときに、容器本体の上壁と底壁との間で支持支柱に沿って安定化装置が動けるように安定化装置の支柱係合構造を支持支柱と係合させる工程を有してなる。
【0009】
ここに記載された細胞培養容器の追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明に述べられており、一部は、その説明から当業者に容易に明白となるか、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付図面を含む、ここに記載された実施の形態を実施することによって、認識されるであろう。
【0010】
先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方とも、様々な実施の形態を記載しており、請求項の主題の性質および特徴を理解するための概要または骨子を提供する意図があることを理解すべきである。添付図面は、その様々な実施の形態のさらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に包含され、その一部を構成する。図面は、ここに記載された様々な実施の形態を示しており、説明と共に、請求項の主題の原理および作動を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ここに示され、記載された1つ以上の実施の形態による、安定化装置を備えた細胞培養容器であって、その中にマイクロキャビティ基板および支持支柱を備えた細胞培養容器の水平断面図
図2】マイクロキャビティ基板と安定化装置との間に棚が位置付けられた図1の細胞培養容器の、図1の線2-2に沿ってとられた垂直断面図
図3】液体培地が充填され、その液体培地の表面に沿って安定化装置が浮遊している図1の細胞培養容器の、図1の線3-3に沿ってとられた垂直断面図
図4】ここに示され、記載された1つ以上の実施の形態による、中に形成された磁石を含む安定化装置を備えた細胞培養容器の水平断面図
図5】ここに示され、記載された1つ以上の実施の形態による、安定化格子を備えた別の細胞培養容器であって、中にマイクロキャビティ基板および支持支柱を備え、その安定化格子がその上に一体成形された少なくとも1つの磁石を含む、細胞培養容器の水平断面図
図6】マイクロキャビティ基板と安定化格子との間に位置付けられた棚を備えた図5の細胞培養容器の、図5の線6-6に沿ってとられた垂直断面図
図7A】外部磁石が容器の上に位置付けられ、それによって、安定化格子をその外部磁石に向かって平行移動させる、図5の細胞培養容器の、図5の線7-7に沿ってとられた垂直断面図
図7B】安定化格子が外部磁石に近接した上昇位置に保持されている間に液体培地が充填された細胞培養容器の、図5の線7-7に沿ってとられた垂直断面図
図7C】第2の外部磁石が容器の上に位置付けられ、それによって安定化格子をその第2の外部磁石から離れるように平行移動させる、液体培地が充填された細胞培養容器の、図5の線7-7に沿ってとられた垂直断面図
図8】ここに示され、記載された1つ以上の実施の形態による、中に形成された磁石を有する安定化格子を備えた別の細胞培養容器であって、薄型本体およびその中の支持支柱を有する細胞培養容器の垂直断面図
図9A】外部磁石が容器の上に位置付けられ、それによって、安定化装置をその外部磁石に向かって平行移動させる、図8の細胞培養容器の垂直断面図
図9B】安定化装置が外部磁石に近接した上昇位置に保持されている間に液体培地が充填された細胞培養容器の垂直断面図
図9C】液体培地がマイクロキャビティ基板上に堆積され、外部磁石が取り除かれ、それによって、安定化装置がマイクロキャビティ基板に向かって戻り、液体培地の表面に沿って浮いている、細胞培養容器の垂直断面図
図10】ここに示され、記載された1つ以上の実施の形態による、別の安定化装置であって、多孔質基板および中に形成された磁石を有し、細胞培養容器は、マイクロキャビティ基板上に堆積された液体培地およびその容器の下に位置付けられた外部磁石を有し、それによって、安定化装置を液体培地の下部であってマイクロキャビティ基板に寄せて低下させる、安定化装置の垂直断面図
図11】ここに示され、記載された1つ以上の実施の形態による、安定化装置を備えた別の細胞培養容器であって、支持支柱および一対の旋回棒を備え、安定化装置はその旋回棒に枢動可能に結合されている、細胞培養容器の水平断面図
図12A】安定化装置が旋回棒の周りの低下位置に位置付けられた、図11の細胞培養容器の、図11の線12-12に沿ってとられた前面断面図
図12B】安定化装置が旋回棒の周りの上昇位置に位置付けられた、図11の細胞培養容器の、図11の線12-12に沿ってとられた前面断面図
図13】安定化装置が旋回棒の周りの低下位置に位置付けられ、液体培地が下部に収容された、図11の細胞培養容器の、図11の線13-13に沿ってとられた後面断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、その例が添付図面に示されている、様々な安定化装置が中に配置された細胞培養容器の様々な実施の形態を詳しく参照する。できるときはいつでも、図面に亘り、同じまたは同様の部分を称するために、同じ参照番号が使用される。ここに用いられているような方向を示す用語-例えば、上、下、右、左、前、後ろ、上部、底部、遠位、および近位-は、描かれた図面に関してのみ用いられ、絶対的な向きを暗示する意図はない。
【0013】
範囲は、「約」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値まで、としてここに表現することができる。そのような範囲が表現されている場合、別の実施の形態は、その1つの特定の値から、および/または他方の特定の値までを含む。同様に、値が、「約」という先行詞によって近似として表現されている場合、その特定値は別の実施の形態を形成すると理解されよう。範囲の各々の端点は、他方の端点に関してと、他方の端点に関係なくの両方で有意であることがさらに理解されよう。
【0014】
特に明記のない限り、ここに述べられたどの方法も、その工程が特定の順序で行われることを必要とする、または任意の装置について、特定の向きが要求されると解釈されることは決して意図されていない。したがって、方法の請求項が、その工程が従うべき順序を実際に列挙していない場合、または装置の請求項が、個々の構成要素に関する順序または向きを実際に列挙していない場合、もしくは請求項または記載に、工程が特定の順序に限定されること、または装置の構成要素に対する特定の順序または向きが列挙されていない場合、どの点に関しても、順序または向きが暗示されることは決して意図されていない。このことは、工程の配列、操作の流れ、構成要素の順序、または構成要素の向き;文法構成または句読法に由来する明白な意味;および明細書に記載された実施の形態の数またはタイプに関する論理事項を含む、解釈に関するどの可能性のある非表現基準にも適用される。
【0015】
ここに用いられているように、名詞は、内容が明白に他に示していない限り、複数の対象を含む。それゆえ、例えば、成分に対する言及は、内容が明白に他に示していない限り、そのような成分を2つ以上有する態様を含む。
【0016】
ここで図1および図2を参照すると、細胞培養容器100の1つの実施の形態が示されている。細胞培養容器100は、容器本体102内に形成された細胞培養チャンバ104を画成する容器本体102を有する。詳しくは、細胞培養容器100の容器本体102は、上壁106、底壁108、および上壁106と底壁108との間に延在する複数の側壁110を含む。容器本体102は、細胞培養チャンバ104中への流体アクセスを提供するように作られた側部入口ポート112をさらに備える。以下により詳しく記載されるように、細胞培養容器100は、側部入口ポート112を通じて液体培地を細胞培養チャンバ104中に収容するように機能する。細胞培養容器100は、細胞培養チャンバ104内に延在する複数の支持支柱114をさらに備える。支持支柱114は、支持支柱114が、それぞれ、上壁と底壁106、108に、互いに反対の端部でしっかりと固定されるように、上壁と底壁106、108の間に延在する。この例において、容器本体102は、側壁110に沿って延在する細胞培養チャンバ104内の3つの支持支柱114を備える。細胞培養容器100の容器本体102は、追加のまたはそれより少ない支持支柱114を備えてもよいことを理解すべきである。それに加え、支持支柱114は、図示されたものに比べて、容器本体102に対して様々な位置および向きで延在してもよい。
【0017】
図2に最もよく見られるように、細胞培養容器100は、容器本体102の底壁108に沿って位置付けられた細胞培養表面116を備える。細胞培養表面116は、その中に少なくとも1つの細胞を収容するような大きさと形状の複数のマイクロキャビティを備えた基板である。したがって、細胞培養表面116は、細胞培養チャンバ104内で細胞の増殖と成長を促進させるように作られた細胞培養区域である。細胞培養容器100は、棚118が側壁110に一体的に取り付けられるように細胞培養チャンバ104の内周囲に延在する棚118をさらに備える。棚118は、細胞培養表面116の上に位置付けられ、細胞培養表面116と細胞培養チャンバ104の残りの部分との間に上方空間を提供する。下記により詳しく記載されるように、棚118は、細胞培養チャンバ104中に延在し、それによって、細胞培養チャンバ104内の特徴構造が細胞培養表面116と接触するのを防ぐような大きさと形状である。棚118は、この例では細胞培養チャンバ104内に備えられているが、ある態様では、棚118は完全に省略されてもよいことを理解すべきである。あるいは、細胞培養容器100は、追加の棚118および/または様々な形状または大きさの棚118を備えてもよいことを理解すべきである。
【0018】
細胞培養容器100は、細胞培養チャンバ104内に位置付けられた安定化装置120をさらに備える。安定化装置120は、基板122が、細胞培養チャンバ104の対応する幅と長さを覆う幅と長さを有するように、細胞培養チャンバ104内に収まるような大きさと形状の基板122を含む。言い換えると、安定化装置120は、細胞培養表面116(すなわち、細胞培養チャンバ104内の細胞培養区域)の少なくとも50パーセントである設置面積を有するような大きさである。さらに、基板122は、基板122が、低下位置にあるときに、棚118と係合するように作られるような、棚118にしたがう大きさである。この例では、棚118は、基板122と細胞培養表面116との間で細胞培養チャンバ104内に障害物を提供することによって、基板122が細胞培養表面116と接触するのを防ぐように作られている。
【0019】
この例において、基板122は、基板122が液体培養培地10よりも低い密度を有するように作られるように、室温で約1.0g/cm以下の密度を有する低密度高分子から形成されている。ある場合には、液体培養培地10は水を含むことがある。基板122は、その中の複数の支持支柱114とスライド式に係合するような大きさと形状の、中を通って形成された複数の支柱係合構造124をさらに備える。したがって、基板122は、細胞培養容器100内に備えられた支持支柱114の数にしたがう数の、スロットとして形成された支柱係合構造124を備える。この例において、基板122は、細胞培養チャンバ104内の細胞培養容器100の支持支柱114の大きさ、形状、および固定位置に対応する、基板122に沿った、大きさ、形状、および位置の3つの支柱係合構造124を備える。基板122が、支柱係合構造124と支持支柱114との間の係合により容器本体102に固定されることにより、基板122は、細胞培養チャンバ104内で動きが制限される。詳しくは、基板122は、支持支柱114の長さに沿って細胞培養チャンバ104内で摺動可能に平行移動するように機能する。さらに、基板122は、基板122と細胞培養表面116との間に位置付けられた棚118の存在によって、細胞培養表面116と接触しないように制限されている。
【0020】
使用に当たって、細胞培養チャンバ104が、細胞培養表面116の複数のマイクロキャビティ内に細胞を収容するように機能するように、複数の細胞が細胞培養容器100内に堆積される。複数の細胞が細胞培養表面116のマイクロキャビティ基板に沿って収容されるので、細胞の成長は、細胞培養表面116を、液体培養培地充填操作中に様々な流体に暴露することによって促進される。詳しくは、液体培養培地10は、容器本体102のキャップ111を開け、それによって、側部入口ポート112へのアクセスを容易にすることによって、細胞培養チャンバ104内に堆積される。図3から分かるように、液体培養培地10は、側部入口ポート112を通じて細胞培養チャンバ104中に入れられ、それによって、液体培養培地10が細胞培養表面116に向けて移される。液体培養培地10が細胞培養チャンバ104に入るにつれて、基板122は、液体培養培地10に対して低い基板122の密度のために、上壁106に向かって上方に移動する。言い換えると、低密度高分子から作られた基板122のために、基板122は、液体培養培地10が細胞培養チャンバ104内に収容されるにつれて、液体培養培地10の上に浮くように機能する。基板122は、細胞培養容器100が細胞培養チャンバ104内の液体培養培地10のさらなる収容を停止するまで、基板122が支持支柱114の長さに沿ってスライド式に平行移動し続けるように、支持支柱114によって上壁106に向かって誘導される。
【0021】
この場合、図3から分かるように、基板122は、液体培養培地10の表面の直接上に位置付けられているので、安定化装置120は、細胞培養チャンバ104内の液体培養培地10の動きを安定化させる働きをする。詳しくは、その中に液体培養培地10が貯蔵された細胞培養容器100のどの動きも、その中の開放体積区域12の存在のために、通常は、液体培養培地10を細胞培養チャンバ104内で動かすであろう。しかしながら、基板122が、液体培養培地10の上面に寄せて位置付けられているので、安定化装置120は、細胞培養チャンバ104内の液体培養培地10の流動性および/または自由運動を妨げるように作られている。さらに、基板122を細胞培養チャンバ104内で安定化しているのは、支持支柱114と支柱係合構造124との間の係合である。したがって、この例の安定化装置120は、液体培養培地10の動きを抑制し、細胞培養チャンバ104内の開放体積区域12から液体培養培地10を隔離することによって、細胞培養表面116のマイクロキャビティ内に収容された細胞の状態を維持するように作られている。
【0022】
それに加え、またはそれに代えて、安定化装置120は、図4から分かるように、その中に一体成形された磁石126を備えることがある。この例において、磁石126は、基板122と一体に組み込まれ、所定の分極を含む。磁石126は、上壁106および/または底壁108に隣接した外部磁石の配置に応答して、支持支柱114の長さに沿った細胞培養チャンバ104内の基板122の動きに影響を与えるように機能する。その外部磁石は、外部磁石および磁石126が互いに磁気的に引き付けられるように、磁石126と反対の分極を含むことがある。別の実施の形態において、外部磁石は、磁石が互いに反発するように磁石126と同じ分極を含むことがある。したがって、外部磁石を上壁106または底壁108に沿って容器本体102に隣接して配置することにより、磁石126が外部磁石と相互作用し、それによって、基板122が、外部磁石が隣接して位置付けされたそれぞれの壁106、108に向けて動く。
【0023】
使用に当たって、安定化装置120は、先に記載されたように、細胞培養チャンバ104内の液体培養培地10の液体充填操作により、および/または容器本体102の上壁106に寄せて外部磁石を位置付けることにより、細胞培養チャンバ104内で上昇させられる。各場合において、基板122は、液体培養培地10が基板122による妨害なく、細胞培養表面116の直接上に堆積されるように、細胞培養表面116に対して持ち上げられる。液体充填操作の終わりに、基板122は、細胞培養表面116と安定化装置120との間に液体培養培地10を取り囲み、それによって、細胞培養チャンバ104内の液体培養培地10の動きの自由範囲を制限するように基板122が機能するように、液体培養培地10の上に乗っている。磁石126は、底壁108に隣接して位置付けられ、それによって、磁石126を底壁108に向かって引っ張り、それにより、基板122を液体培養培地10に押し付けることがある。この場合、間に液体培養培地10が位置付けられた状態で安定化装置120を細胞培養表面116に向けて押し付けることによって、液体培養培地10はさらに安定化される。
【0024】
他の態様において、基板122は、平らなシート、側部が隆起した平らなシート、中に成形された少なくとも1つの空洞部分などを含んでもよいことを理解すべきである。他の態様において、基板122は、基板122に沿って配置された複数の開放区域128を含み、それによって、基板122を通る流体アクセスを提供することがある。この場合、基板122は、上述した液体培養培地10などの液体培地が複数の開放区域128を通じて基板122を自由に通過できるように複数の開放区域128が格子の表面に沿って位置付けられた、黒の格子図形としてモデル化することができる。安定化装置120の基板122は、上述した特徴構造の様々な組合せを含んでよいことを理解すべきである。
【0025】
図5および図6は、容器本体202内に形成された細胞培養チャンバ204を画成する容器本体202を有する細胞培養容器200の別の態様を示している。容器本体202は、上壁206、底壁208、それらの間に延在する複数の側壁210および複数の支持支柱214を含む。容器本体202は、細胞培養表面216および棚218が位置付けられている細胞培養チャンバ204中への流体アクセスを提供するように作られた入口ポート212をさらに備える。下記に特に記載のない限り、容器本体202、細胞培養チャンバ204、壁206、208、210、入口ポート212、支持支柱214、細胞培養表面216および棚218は、それぞれ、丁度、先に記載された、容器本体102、細胞培養チャンバ104、壁106、108、110、側部入口ポート112、支持支柱114、細胞培養表面116および棚118のように作られ、機能するであろうことを理解すべきである。それゆえ、多くの点で、細胞培養容器200は、この中に具体的に言及された違いを除いて、細胞培養容器100と実質的に同じように機能することを理解すべきである。
【0026】
例えば、細胞培養容器200は、細胞培養チャンバ204内に位置付けられた安定化装置220を備える。安定化装置220は、細胞培養チャンバ204内に格子を形成する複数の相互接続した格子セグメント222、223を含む。詳しくは、安定化装置220は、細胞培養チャンバ204の互い反対の端部間で底壁208に平行に延在する少なくとも1つの第1の安定化壁222、および細胞培養チャンバ204の互いに反対の側壁210間で底壁208に垂直に延在する少なくとも1つの第2の安定化壁223を備える。したがって、第1の安定化壁222は、第2の安定化壁223と垂直であり、交点224で第2の安定化壁223と交差し、それによって、安定化装置220に支持を与える相互接続した格子セグメント222、223を形成する。この例において、図5から分かるように、安定化装置220は、底壁208に平行に延在する1つの第1の安定化壁222および底壁208に垂直に延在する2つの第2の安定化壁223を備え、それによって、各第2の安定化壁223と第1の安定化壁222との間に2つの交点224を形成する。安定化装置220は、この例に示されたものより少ないまたは追加の格子壁222、223および交点224を含んでもよいことを理解すべきである。
【0027】
支持支柱214は、支持支柱214が安定化装置220に当接するように作られるように第2の安定化壁223に隣接して延在している。この場合、支持支柱214は、細胞培養チャンバ204内の安定化装置220の動きの範囲を制限するように機能する。詳しくは、細胞培養容器200は、安定化装置220が上壁106および底壁208に対して横に動くのを支持支柱214が制限するように、安定化装置220の第2の安定化壁223に寄せて位置付けられた4つの支持支柱214を備える。言い換えると、支持支柱214は、細胞培養チャンバ204内の格子壁222、223の側方移動を妨げ、それによって、支持支柱214の長さに沿った格子壁222、223の上下移動だけを可能にするように作られている。
【0028】
安定化装置220は、複数の格子壁222、223内に一体に形成された少なくとも1つの磁石226をさらに備える。この例において、安定化装置220は、第2の安定化壁223と第1の安定化壁222の交点224で第1の安定化壁222に沿って位置付けられた2つの磁石226を備える。安定化装置220は、中に形成されたそれより少ないまたは追加の磁石226を備えてもよい、および/または格子壁222、223に沿った様々な他の位置に磁石226をさらに備えてもよいことを理解すべきである。図6に最もよく示されているように、磁石226は、第1の安定化壁222の上端に沿って安定化装置220に沿って位置付けられている。格子壁222、223は、低下位置にあるときに、格子壁222、223の底端が棚218と係合するように、底端で終端する所定の長さを有する。
【0029】
磁石226は所定の分極を含み、その磁石226は、容器本体202に隣接して外部磁石228を配置することに反応して、細胞培養チャンバ204内の複数の格子壁222、223の動きを促進する。外部磁石228は、外部磁石228と磁石226が磁気的に互いに引き付けるように、磁石226と反対の分極を有する。他の実施の形態において、磁石226、228は、磁石226、228が互いに反発するように同じ分極を有することがある。したがって、下記により詳しく記載されるように、上壁206または底壁208に沿って容器本体202に隣接して外部磁石228を位置付けると、磁石226が外部磁石228と相互作用し、それによって、複数の格子壁222、223が、外部磁石228が隣接して位置付けられているそれぞれの壁206、208に向けて動く。
【0030】
使用に当たって、図7Aから分かるように、安定化装置220は、容器本体202の上壁206に寄せて外部磁石228を位置付けることによって、細胞培養チャンバ204内で上昇させられる。この場合、複数の格子壁222、223は、図7Bから分かるように、安定化装置220に接触せずに、液体培養培地10が後で細胞培養表面216上に直接堆積されるように、細胞培養表面216に対して持ち上げられている。したがって、安定化装置220を上壁206に向けて上昇させると、複数の格子壁222、223は、細胞培養表面216がその上に液体培養培地10を収容することを妨害しないであろう。液体充填操作が終わると、安定化装置220は底壁208に向けて下げられ、それによって、液体培養培地10の上に複数の格子壁222、223が乗る。これは、いくつかの過程の内の1つによって行われる。
【0031】
図7Cから分かるように、安定化装置220の磁石226と同じ分極を有する第2の外部磁石230が、上壁206に寄せて位置付けられている。したがって、容器本体202の上壁206に隣接して第2の外部磁石230を位置付けると、磁石226が第2の外部磁石230と相互作用し、それによって、磁石226と第2の外部磁石230の同じ分極のために、安定化装置220が上壁206から離れるように反発する。この場合、複数の格子壁222、223は、液体培養培地10の上面と接触するまで、底壁208に向かって支持支柱214の長さに沿ってスライド式に平行移動する。上壁206での第2の外部磁石230の配置は維持され、それによって、格子壁222、223が好ましい期間に亘り細胞培養表面216と安定化装置220との間に液体培養培地10を取り囲むように機能するように、液体培養培地10に対する安定化装置220による一定の圧縮力が維持されるであろう。安定化装置220を液体培養培地10に対して位置付けることは、細胞培養チャンバ204内の液体培養培地10の動きの自由範囲を制限する働きをする。したがって、この例の安定化装置220は、液体培養培地10の動きを妨げ、液体培養培地10を細胞培養チャンバ204内の開放体積区域12から隔離することによって、細胞培養表面216のマイクロキャビティ内に収容された細胞の状態を維持するように作られている。
【0032】
他の例において、外部磁石228は、上壁206から単に取り除かれ、それによって、磁石226と外部磁石228との間の磁気相互作用を終わらせることがある。この例において、複数の格子壁222、223は、もはや、上壁206に対する上昇位置に制約されておらず、それによって、自然の重力によって低下位置に戻ることができる。今では液体培養培地10が細胞培養表面216上に収容されており、安定化装置220は、液体培養培地10の上面と接触し、それによって、液体培養培地10に対して格子壁222、223の平面が提供され、細胞培養チャンバ204内のその流動性が最小になる。
【0033】
さらに他の態様において、外部磁石228は、細胞培養チャンバ204内で安定化装置220を降下させるために使用されることがある。この例において、外部磁石228は、底壁208に隣接して位置付けられ、外部磁石228は、磁石226と反対の分極を有するので、それによって、磁石226が底壁208に向かって引き付けられる。したがって、複数の格子壁222、223は、磁力により降下され、それによって、液体培養培地10の上面と接触したときに、液体培養培地10を押す。この例において、液体培養培地10は、液体培養培地10が間に位置付けられて、安定化装置220の細胞培養表面216に向かう圧縮により安定化される。
【0034】
図8は、細胞培養容器100と実質的に同じような細胞培養容器300を示しており、したがって、同様の構成要素を特定するために、同様の参照番号が使用される。しかしながら、細胞培養容器300は、細胞培養容器300が、上壁306上のキャップ311の相対位置のために、細胞培養容器300の細胞培養チャンバ304に液体培養培地10を完全に充填できる薄型本体302を有するという点で、細胞培養容器100と異なる。詳しくは、本体302の側壁310は、約0.5センチメートルから約1.0センチメートルの鉛直高さを有することがある;しかしながら、細胞培養容器300の側壁310は、他の寸法を有してもよいことを理解すべきである。細胞培養容器300の薄型のために、キャップ311は、上述した細胞培養容器100、200上に備えられるように、本体302の側壁310に沿うよりもむしろ、本体302の上壁306に沿って位置付けられている。細胞培養容器300は、細胞培養チャンバ304内に棚を備えていない;しかしながら、他の態様において、細胞培養チャンバ304は、細胞培養表面316に隣接して位置付けられた棚を備えてもよい。
【0035】
細胞培養容器300は、ここに明白に言及された違いを除いて、上述した安定化装置120と同じように作られ、機能する安定化装置320を備える。安定化装置320は、その中に一体成形された磁石326を備えた基板322を含む。基板322は、そこに通して本体302の複数の支持支柱314をスライド式に収容するような大きさと形状の複数のスロット324をさらに備える。細胞培養容器100に関して先に詳しく同じように記載したように、細胞培養容器300の支持支柱314は、支持支柱314の長さに沿って上壁306と底壁308との間で安定化装置320を誘導するように作られている。したがって、支持支柱314は、細胞培養チャンバ304内の安定化装置320の横方向の動きを妨げるように作られている。
【0036】
細胞培養容器300の使用中、図9Aから分かるように、外部磁石328が本体302の上壁306に沿って位置付けられ、それによって、基板322の磁石326が上壁306に向かって相対的に上方に引き付けられる。この例において、磁石326および外部磁石328は、磁石326が外部磁石328に磁気的に引き付けられ、それによって、基板322が上壁306に向かって支持支柱314に沿って摺動可能に平行移動するように、反対の磁気分極を有する。基板322が細胞培養チャンバ304内の上昇位置に配置されているので、ひいては、図9Bから分かるように、液体培養培地10が細胞培養表面316上に直接堆積されるように、液体培養培地10が入口ポート312を通じて細胞培養容器300に入れられる。液体培養培地10を安定化するために、外部磁石328が上壁306から取り除かれ、それによって、上壁306に向かう磁石326の磁力が終わる。したがって、基板322は、液体培養培地10の上面と接触するまで、自然の重力のために、細胞培養チャンバ304内を降下する。
【0037】
図9Cは、安定化装置320が、細胞培養チャンバ304内の液体培養培地10の流動性を安定化させ、それによって、液体培養培地10が、過剰な乱流または運動を経験せずに、細胞培養表面316上に堆積されることを確実にするように機能するように液体培養培地10上に位置付けられた基板322を示している。したがって、安定化装置320は、液体培養培地10の動きを妨げ、液体培養培地10を細胞培養チャンバ304内の開放体積区域12から隔離することによって、細胞培養表面316のマイクロキャビティ内に収容された細胞の状態を維持するように作られている。言い換えると、液体培養培地10を細胞培養チャンバ304内の開放体積区域12から隔離することにより、細胞培養容器300が物理的に輸送されるときに、液体培養培地10がその中を動く適切な空間を有する能力が最小になる。
【0038】
他の態様において、図10から分かるように、安定化装置320は、基板322が基板322の長さに沿って配置された複数の細孔325を含むように多孔質構造を有することがある。この例において、基板322は、細胞培養チャンバ304が細胞培養表面316に沿って液体培養培地10を収容した後、液体培養培地10を通って平行移動するように作られている。詳しくは、液体培養培地10を安定化させるために、外部磁石328が上壁306から取り除かれ、底壁308に隣接して再配置され、それによって、基板322の磁石326を底壁308に向かって磁気的に引き付ける。液体培養培地10の上面に最初に接触した際に、基板322は、基板322に沿った複数の細孔325の存在により、複数の支持支柱314の長さに沿って、底壁308に向かって摺動自在に平行移動し続ける。言い換えると、基板322は、基板322が支持支柱314に沿って細胞培養表面316に向かって平行移動するときに、液体培養培地10を基板322の複数の細孔325に通して向け直すことによって、液体培養培地10を通過することができる。
【0039】
この例において、図10から最もよく分かるように、安定化装置320は最終的に、液体培養培地10が基板322の上に再配置されるように、細胞培養表面316に寄せて、底壁308に近接して位置付けられる。基板322が、先に記載されたように液体培養培地10の上面ではなく細胞培養表面316に沿って、液体培養培地10の底面に沿って位置しているので、この例の安定化装置320は、マイクロキャビティ基板を液体培養培地10から実質的に隔離することによって、細胞培養表面316のマイクロキャビティ内に収容された細胞の状態を維持するように作られている。したがって、その中のゆとりのある開放体積区域12のために、細胞培養チャンバ304内で動く能力を有する液体培養培地10にかかわらず、安定化装置320は、細胞培養表面316を液体培養培地10から隔て、それによって、細胞培養表面316内に収容された細胞を安定化させる。
【0040】
あるいは、他の例では、外部磁石328は、安定化装置320が細胞培養表面316に寄せて位置付けられるように、細胞培養容器300に液体培養培地10を充填する前に、底壁308に対して位置付けられることがある。この例において、細胞は、基板322の複数の細孔325を通じて細胞培養表面316のマイクロキャビティ中に堆積させることができる。したがって、この例において、複数の細孔325は、その中を通して細胞を収容し、それによって、その上に基板322が位置付けられているにもかかわらず、細胞培養表面316のマイクロキャビティ基板中への細胞の播種を促進させるような大きさと形状である。この例において、基板322は既に低下位置にあり、細胞培養容器300が細胞培養チャンバ304内に液体培養培地10を収容する前に、細胞培養表面316の細胞を確保している。
【0041】
図11は、細胞培養容器100と実質的に同じような細胞培養容器400の別の実施の形態を示しており、したがって、同様に構成要素を特定するために、同様の参照番号が使用される。しかしながら、細胞培養容器400は、細胞培養容器400が、本体402の側壁410に沿って延在する少なくとも2つの旋回棒を備えるという点で、細胞培養容器100と異なる。詳しくは、旋回棒409は底壁408に対して平行に延在し、各旋回棒409は、複数の支持支柱414の一対の支持支柱414の間に位置付けられている。この例において、本体402は6つの支持支柱414を備え、第1の対の支持支柱414は第1の側壁410に沿って位置付けられ、第2の対の支持支柱414は、反対にある第2の側壁410に沿って位置付けられている。図11からさらに分かるように、第3の対の支持支柱414は、本体402の後壁407に沿って位置付けられている。後壁407は、入口ポート412の反対側に位置付けられ、その一対の側壁410の間に延在する細胞培養チャンバ404の遠位端を画成する。
【0042】
細胞培養容器400は、細胞培養チャンバ404内に安定化装置420を備える。安定化装置420は、格子を集団で形成する複数の格子壁422、423(すなわち、翼)を含む。詳しくは、安定化装置420は、第1の安定化壁422が第2の安定化壁423に対して垂直となるように、底壁408に対して平行に延在する少なくとも1つの第1の安定化壁422(すなわち、中央翼)および底壁408に対して垂直に延在する少なくとも1つの第2の安定化壁423(すなわち、外側翼)を含む。この例において、安定化装置420は、1つの第1の安定化壁422および2つの第2の安定化壁423を備える。安定化装置420の第1の安定化壁422は、後壁407に沿って位置付けられた一対の支持支柱414にスライド式に結合されている。下記により詳しく記載されるように、第1の安定化壁422は、支持支柱414の長さに沿って細胞培養チャンバ404内で平行移動するように作られている。
【0043】
各第2の安定化壁423は、図11から分かるように、交点424で第1の安定化壁422に枢動可能に結合されており、よって、第2の安定化壁423が第1の安定化壁422に対して旋回するように作られている。第1の安定化壁422は、一対の第2の安定化壁423の間に位置付けられている。第2の安定化壁423はさらに、側壁410で本体402に枢動可能に結合されている。詳しくは、側壁410の各々は、第2の安定化壁423が旋回棒409に結合し、細胞培養チャンバ404内で旋回棒409の周りに旋回するように作られるように、その上に延在する旋回棒409を備えている。安定化装置420は、図示されたものよりも、少ないまたは追加の格子壁422、423および交点424を備えてもよいことを理解すべきである。
【0044】
細胞培養容器400の使用中、安定化装置420は、図12Aから分かるように、第1の安定化壁422が本体402の底壁408に隣接して位置付けられるように、最初に低下位置にある。この例において、第2の安定化壁423は、第1の安定化壁422の下方への方向付けを容易にするために、旋回棒409に対して下向きに旋回されている。安定化装置420は、把持可能な器具の使用により本体402で上昇させられる。詳しくは、その器具は、安定化装置420のコネクタ426中に挿入され、それによって、安定化装置420を細胞培養チャンバ404に対して旋回させる。この例において、コネクタ426は、細胞培養容器400のキャップ411が一旦開けられたら、コネクタ426がユーザに容易に到達できるように、ポート412に隣接して第1の安定化壁422に沿って位置付けられている。コネクタ426が入口ポート412を通じて露出されているので、ユーザは、その器具をコネクタ426に挿入し、その後、第1の安定化壁422を上壁406に向けて上昇させることによって、安定化装置420を手動で操作する。図12Bから分かるように、第1の安定化壁422を上壁406に向けて上昇させると、第2の安定化壁423が交点424で旋回棒409および第1の安定化壁422の両方に対して旋回する。その器具は、ストリペット、ピペット、または他の様々な適切な器具を含んでもよいことを理解すべきである。
【0045】
安定化装置420が底壁408から遠い上昇位置にあるときに、液体培養培地10が細胞培養チャンバ404に入れられ、安定化装置420からの干渉を受けずに、細胞培養表面416上に堆積される。細胞培養容器400がその中に十分な液体培養培地10を一旦収容したら、安定化装置420が底壁408に向けて降下され、それによって、液体培養培地10が複数の格子壁422、423に対して押し付けられる。詳しくは、図13から分かるように、第1の安定化壁422は、その器具をコネクタ426に再び挿入することによって、後壁407に沿って一対の支持支柱414の間で摺動可能に平行移動される。安定化装置420の第1の安定化壁422が後壁407に沿って支持支柱414の間に収容されているので、安定化装置420は支持支柱414の長さに沿った平行移動に限定され、それによって、安定化装置420の側方運動が効果的に制限される。したがって、第2の安定化壁423が旋回棒409の周りに旋回できる動きの範囲が制限される。
【0046】
この例において、複数の格子壁422、423は、安定化装置420が細胞培養チャンバ404内の液体培養培地10の流動性を安定化させ、それによって、細胞培養容器400が動かされたときに過剰な乱流または運動を経験せずに液体培養培地10が細胞培養表面416上に堆積されることを確実にするように機能する。したがって、安定化装置420は、液体培養培地10の運動を妨げ、液体培養培地10を細胞培養チャンバ404内の開放体積区域12から隔離することによって、細胞培養表面416のマイクロキャビティ内に収容された細胞の状態を維持するように作られている。言い換えると、液体培養培地10を細胞培養チャンバ404の開放体積区域12から隔離することによって、細胞培養容器400が物理的に輸送されているときに、液体培養培地10がその中を動く適切な空間を有する能力が最小になる。
【0047】
上述した細胞培養容器は、その容器のそれぞれの細胞培養チャンバ内に位置付けられた様々な安定化装置を備える。ここに記載された安定化装置は、その容器の細胞培養表面に沿った液体培地の収容および細胞培養表面に対する液体培地の安定化の両方を促進するために、細胞培養チャンバ内で再配置するおよび/または動かすことができる。ここに記載された安定化装置は、容器内に収容された液体培地および/または他の流体の自由運動および/または流動性を妨げるための構造的支持特徴構造を備え、その構造的支持特徴構造は、先に詳しく記載されたような磁気浮上および/または他の様々な方法による手動作動が可能である。先に基づいて、ここに記載された安定化装置は、細胞培養容器を物理的に操作するおよび/または輸送するときに、その容器内に収容された液体培地を安定化させ、それによって、容器内の液体培地の運動の量を最小にし、容器の細胞培養表面に沿って培養されている細胞に対する乱流の可能性を減少させるために使用してもよいことを理解すべきである。
【0048】
請求項の主題の精神および範囲から逸脱せずに、ここに記載された実施の形態に、様々な改変および変更を行えることが当業者に明白であろう。それゆえ、本明細書が、ここに記載された様々な実施の形態の改変および変更を、そのような改変および変更が付随の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内に入るという条件で、包含することが意図されている。
【0049】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0050】
実施形態1
細胞培養容器において、
底壁と上壁との間に囲まれた細胞培養チャンバを画成する容器本体、
前記細胞培養チャンバ内にあり、前記上壁と前記底壁との間に延在する支持支柱、および
前記細胞培養チャンバの幅と長さを覆う安定化装置であって、液体培養培地が該細胞培養チャンバ内に収容されるときに該安定化装置が前記支持支柱に沿って移動できるように該支持支柱にスライド式に係合するような大きさの支柱係合構造を有する安定化装置、
を備え、
前記支持支柱は、液体培養培地の充填操作中に前記細胞培養チャンバ内の液面の上昇により、前記安定化装置が上昇するにつれて、前記支持支柱の長さに沿って該安定化装置を誘導する、細胞培養容器。
【0051】
実施形態2
細胞培養表面が、前記底壁に沿って位置しており、細胞培養区域を画成し、前記安定化装置が、該細胞培養区域の少なくとも50パーセントである設置面積を該細胞培養表面上に有する、実施形態1に記載の細胞培養容器。
【0052】
実施形態3
前記安定化装置が、該安定化装置が前記細胞培養チャンバ内に収容された液体培養培地の表面で浮くように、室温で約1.0g/cm以下の密度を有する材料から作られている、実施形態2に記載の細胞培養容器。
【0053】
実施形態4
前記安定化装置が、高分子から作られた基板の形態にある、実施形態3に記載の細胞培養容器。
【0054】
実施形態5
前記安定化装置が、該安定化装置と一体となるようにその中に配置された磁石を含む、実施形態1に記載の細胞培養容器。
【0055】
実施形態6
前記上壁または前記底壁に寄せて位置付けられた外部磁石をさらに備え、該外部磁石が、前記安定化装置内に配置された磁石の分極と同じまたは反対の分極を有し、それによって、該安定化装置内に配置された磁石と相互作用する、実施形態5に記載の細胞培養容器。
【0056】
実施形態7
前記容器本体が、前記細胞培養チャンバ中に延在する棚、および該細胞培養チャンバ内に位置付けられた細胞培養表面を備え、該棚が、前記安定化装置に係合し、該安定化装置の前記細胞培養表面に向かう動きを妨げるように、前記細胞培養チャンバの上に位置している、実施形態1に記載の細胞培養容器。
【0057】
実施形態8
前記細胞培養表面が、その中に細胞を収容するような大きさの、収容するように作られた複数のマイクロキャビティを画成するマイクロキャビティ基板を含む、実施形態7に記載の細胞培養容器。
【0058】
実施形態9
前記安定化装置が、該安定化装置内に一体成形された空洞部分を備える、実施形態1に記載の細胞培養容器。
【0059】
実施形態10
前記安定化装置が、複数の相互接続した格子セグメント、格子の互いに反対の端部間に延在する第1の安定化壁、および該格子の互いに反対の側部間に延在する第2の安定化壁を含み、該第1の安定化壁が該第2の安定化壁に対して垂直である、実施形態1に記載の細胞培養容器。
【0060】
実施形態11
前記格子が、前記第1と第2の安定化壁の少なくとも一方により支持された少なくとも1つの磁石を含む、実施形態10に記載の細胞培養容器。
【0061】
実施形態12
前記上壁または前記底壁に寄せて位置付けられた外部磁石をさらに備え、該外部磁石が、前記格子内に配置された磁石の分極と同じまたは反対の分極を有し、それによって、該格子内に配置された磁石と相互作用する、実施形態11に記載の細胞培養容器。
【0062】
実施形態13
前記格子が、前記第1と第2の安定化壁が前記底壁に対して旋回するように、前記容器本体に枢動可能に結合されている、実施形態10に記載の細胞培養容器。
【0063】
実施形態14
前記格子が、該格子を前記細胞培養チャンバに対して手動で旋回するようにピペットまたはストリペットを受け入れるコネクタを備えた、実施形態13に記載の細胞培養容器。
【0064】
実施形態15
前記安定化装置が、その中に形成された複数の細孔を含む多孔質基板を含む、実施形態1に記載の細胞培養容器。
【0065】
実施形態16
前記多孔質基板が、その中に一体成形された磁石を備え、前記細胞培養容器が、前記上壁または前記底壁に寄せて位置付けられる外部磁石を含み、該外部磁石が、前記多孔質基板内に配置された磁石の分極と同じまたは反対の分極を有し、それによって、該多孔質基板内に配置された磁石と相互作用する、実施形態15に記載の細胞培養容器。
【0066】
実施形態17
細胞培養容器において、
底壁、上壁、および一対の側壁内に囲まれた細胞培養チャンバを画成する容器本体であって、該底壁は細胞培養表面を構成し、該培養表面に沿って培地が堆積されるように該培地を収容するように作られている容器本体、
前記上壁と前記底壁との間に延在する前記細胞培養チャンバ内に位置付けられた支持支柱、および
前記細胞培養チャンバ内に配置された一対の外側翼と中央翼を含む安定化装置であって、該中央翼は、該一対の外側翼間に配置されており、該一対の外側翼は、前記一対の側壁に枢動可能に結合されており、該中央翼は、前記支持支柱にスライド式に係合するような大きさの支柱係合構造を含む、安定化装置、
を備え、
前記支持支柱は、前記中央翼が持ち上げられたときに該支持支柱の高さに沿って該中央翼を誘導する、細胞培養容器。
【0067】
実施形態18
前記中央翼が、前記細胞培養チャンバに対して該中央翼を手動で持ち上げるようにピペットまたはストリペットを受け入れるように作られている、実施形態17に記載の細胞培養容器。
【0068】
実施形態19
前記容器本体が、前記細胞培養チャンバ内に液体培地を収容するように作られており、前記安定化装置が、該液体培地の動きを妨げるように作られている、実施形態17に記載の細胞培養容器。
【0069】
実施形態20
細胞培養容器内の液体培地を安定化させる方法において、
前記細胞培養容器の容器本体内の細胞培養チャンバ内に安定化装置を位置付ける工程、および
前記安定化装置の支柱係合構造を支持支柱と、前記細胞培養チャンバに液体細胞培養培地が充填されるときに、前記容器本体の上壁と底壁との間で該支持支柱に沿って安定化装置が動けるように係合させる工程、
を有してなる方法。
【0070】
実施形態21
細胞培養表面が、前記底壁に沿って位置しており、細胞培養区域を画成し、前記安定化装置が、該細胞培養区域の少なくとも50パーセントである設置面積を該細胞培養表面上に有する、実施形態20に記載の方法。
【0071】
実施形態22
前記安定化装置が、該安定化装置が前記細胞培養チャンバ内に収容された液体培養培地の表面で浮くように、室温で約1.0g/cm以下の密度を有する材料から作られている、実施形態21に記載の方法。
【0072】
実施形態23
前記安定化装置が、高分子から作られた基板の形態にある、実施形態22に記載の方法。
【0073】
実施形態24
細胞培養容器において、
底壁と上壁との間に囲まれた細胞培養チャンバを画成する容器本体、
前記細胞培養チャンバ内にあり、前記上壁と前記底壁との間に延在する支持支柱、および
前記細胞培養チャンバの幅と長さを覆う安定化装置であって、液体培養培地が該細胞培養チャンバ内に収容されるときに該安定化装置が前記支持支柱に沿って移動できるように該支持支柱にスライド式に係合するような大きさの支柱係合構造を有する安定化装置、
を備え、
前記支持支柱は、液体培養培地の充填操作中に前記細胞培養チャンバ内の液面の上昇により、前記安定化装置が上昇するにつれて、前記支持支柱の長さに沿って該安定化装置を誘導する、細胞培養容器。
【0074】
実施形態25
細胞培養表面が、前記底壁に沿って位置しており、細胞培養区域を画成し、前記安定化装置が、該細胞培養区域の少なくとも50パーセントである設置面積を該細胞培養表面上に有する、実施形態24に記載の細胞培養容器。
【0075】
実施形態26
前記安定化装置が、該安定化装置が前記細胞培養チャンバ内に収容された液体培養培地の表面で浮くように、室温で約1.0g/cm以下の密度を有する材料から作られている、実施形態25に記載の細胞培養容器。
【0076】
実施形態27
前記安定化装置が、高分子から作られた基板の形態にある、実施形態26に記載の細胞培養容器。
【0077】
実施形態28
前記安定化装置が、該安定化装置と一体となるようにその中に配置された磁石を含む、実施形態24に記載の細胞培養容器。
【0078】
実施形態29
前記上壁または前記底壁に寄せて位置付けられた外部磁石をさらに備え、該外部磁石が、前記安定化装置内に配置された磁石の分極と同じまたは反対の分極を有し、それによって、該安定化装置内に配置された磁石と相互作用する、実施形態28に記載の細胞培養容器。
【0079】
実施形態30
前記容器本体が、前記細胞培養チャンバ中に延在する棚、および該細胞培養チャンバ内に位置付けられた細胞培養表面を備え、該棚が、前記安定化装置に係合し、該安定化装置の前記細胞培養表面に向かう動きを妨げるように、前記細胞培養チャンバの上に位置している、実施形態24に記載の細胞培養容器。
【0080】
実施形態31
前記細胞培養表面が、その中に細胞を収容するような大きさの、収容するように作られた複数のマイクロキャビティを画成するマイクロキャビティ基板を含む、実施形態30に記載の細胞培養容器。
【0081】
実施形態32
前記安定化装置が、該安定化装置内に一体成形された空洞部分を備える、実施形態24に記載の細胞培養容器。
【0082】
実施形態33
前記安定化装置が、複数の相互接続した格子セグメント、格子の互いに反対の端部間に延在する第1の安定化壁、および該格子の互いに反対の側部間に延在する第2の安定化壁を含み、該第1の安定化壁が該第2の安定化壁に対して垂直である、実施形態24に記載の細胞培養容器。
【0083】
実施形態34
前記格子が、前記第1と第2の安定化壁の少なくとも一方により支持された少なくとも1つの磁石を含む、実施形態33に記載の細胞培養容器。
【0084】
実施形態35
前記上壁または前記底壁に寄せて位置付けられた外部磁石をさらに備え、該外部磁石が、前記格子内に配置された磁石の分極と同じまたは反対の分極を有し、それによって、該格子内に配置された磁石と相互作用する、実施形態34に記載の細胞培養容器。
【0085】
実施形態36
前記格子が、前記第1と第2の安定化壁が前記底壁に対して旋回するように、前記容器本体に枢動可能に結合されている、実施形態33に記載の細胞培養容器。
【0086】
実施形態37
前記格子が、該格子を前記細胞培養チャンバに対して手動で旋回するようにピペットまたはストリペットを受け入れるコネクタを備えた、実施形態36に記載の細胞培養容器。
【0087】
実施形態38
前記安定化装置が、その中に形成された複数の細孔を含む多孔質基板を含む、実施形態24に記載の細胞培養容器。
【0088】
実施形態39
前記多孔質基板が、その中に一体成形された磁石を備え、前記細胞培養容器が、前記上壁または前記底壁に寄せて位置付けられる外部磁石を含み、該外部磁石が、前記多孔質基板内に配置された磁石の分極と同じまたは反対の分極を有し、それによって、該多孔質基板内に配置された磁石と相互作用する、実施形態38に記載の細胞培養容器。
【0089】
実施形態40
細胞培養容器において、
底壁、上壁、および一対の側壁内に囲まれた細胞培養チャンバを画成する容器本体であって、該底壁は細胞培養表面を構成し、該培養表面に沿って培地が堆積されるように該培地を収容するように作られている容器本体、
前記上壁と前記底壁との間に延在する前記細胞培養チャンバ内に位置付けられた支持支柱、および
前記細胞培養チャンバ内に配置された一対の外側翼と中央翼を含む安定化装置であって、該中央翼は、該一対の外側翼間に配置されており、該一対の外側翼は、前記一対の側壁に枢動可能に結合されており、該中央翼は、前記支持支柱にスライド式に係合するような大きさの支柱係合構造を含む、安定化装置、
を備え、
前記支持支柱は、前記中央翼が持ち上げられたときに該支持支柱の高さに沿って該中央翼を誘導する、細胞培養容器。
【0090】
実施形態41
前記中央翼が、前記細胞培養チャンバに対して該中央翼を手動で持ち上げるようにピペットまたはストリペットを受け入れるように作られている、実施形態40に記載の細胞培養容器。
【0091】
実施形態42
前記容器本体が、前記細胞培養チャンバ内に液体培地を収容するように作られており、前記安定化装置が、該液体培地の動きを妨げるように作られている、実施形態40に記載の細胞培養容器。
【0092】
実施形態43
細胞培養容器内の液体培地を安定化させる方法において、
前記細胞培養容器の容器本体内の細胞培養チャンバ内に安定化装置を位置付ける工程、および
前記安定化装置の支柱係合構造を支持支柱と、前記細胞培養チャンバに液体細胞培養培地が充填されるときに、前記容器本体の上壁と底壁との間で該支持支柱に沿って安定化装置が動けるように係合させる工程、
を有してなる方法。
【0093】
実施形態44
細胞培養表面が、前記底壁に沿って位置しており、細胞培養区域を画成し、前記安定化装置が、該細胞培養区域の少なくとも50パーセントである設置面積を該細胞培養表面上に有する、実施形態43に記載の方法。
【0094】
実施形態45
前記安定化装置が、該安定化装置が前記細胞培養チャンバ内に収容された液体培養培地の表面で浮くように、室温で約1.0g/cm以下の密度を有する材料から作られている、実施形態44に記載の方法。
【0095】
実施形態46
前記安定化装置が、高分子から作られた基板の形態にある、実施形態45に記載の方法。
【符号の説明】
【0096】
10 液体培養培地
100、200、300、400 細胞培養容器
102、202、302、402 容器本体
104、204、304、404 細胞培養チャンバ
106、206、306、406 上壁
108、208、308、408 底壁
110、210、310、410 側壁
111、211、311、411 キャップ
112、212、312、412 入口ポート
114、214、314、414 支持支柱
116、216、316、416 細胞培養表面
118、218 棚
120、220、320、420 安定化装置
122、322 基板
124 支柱係合構造
126、226、326 磁石
128 開放区域
222、223 相互接続した格子セグメント、安定化壁、格子壁
224 交点
228、328 外部磁石
325 細孔
407 後壁
409 旋回棒
422 第1の安定化壁、中央翼
423 第2の安定化壁、外側翼
426 コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12A
図12B
図13