(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011531
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】電気エネルギ貯蔵デバイスの製造のための材料のリールを交換するためのシステムおよびそれに関連した方法
(51)【国際特許分類】
B65H 19/10 20060101AFI20230117BHJP
B65H 19/12 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
B65H19/10 A
B65H19/12 A
B65H19/12 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022111169
(22)【出願日】2022-07-11
(31)【優先権主張番号】102021000018266
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】519293829
【氏名又は名称】マンツ・イタリー・エッセ・エッレ・エッレ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マッシミリアーノ・サーレ
(72)【発明者】
【氏名】シルヴィオ・セッサ
【テーマコード(参考)】
3F064
【Fターム(参考)】
3F064BA02
3F064BA16
3F064EA01
3F064EA04
3F064EA05
3F064EB01
3F064EB09
3F064EB22
(57)【要約】
【課題】電気エネルギ貯蔵デバイスの製造のための、材料のリール(2)を交換するための、格納ステーションまたは受け取りステーションから交換ステーションへとリール(2)を搬送するための、自動運転台車(7)を備えたシステム。
【解決手段】システムは、台車(7)により担持され、且つ交換ステーションにおいてリール(2)を支持して、電気エネルギ貯蔵デバイスの製造のための自動機械(3)の供給ユニット(4)へ、リールを搬送するように構成された、少なくとも1つの支持スピンドル(8)と、台車(7)により担持され、且つ支持スピンドル(8)により支持されたリール(2)の最初のフラップ(2a)を受け取って把持し、最初のフラップの巻き出し経路(T)に沿って最初のフラップ(2a)を張り続けるように構成された把持部材(11、11´)と、を備えている。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エネルギ貯蔵デバイスの製造のための、材料のリール(2)を交換するためのシステム(1)であって、該システム(1)は、
格納ステーションまたは受け取りステーションから交換ステーションへとリール(2)を搬送するための、好適に自動運転台車である台車(7)と、
該台車(7)により担持され、且つ交換ステーションにおいて前記リール(2)を支持して、前記電気エネルギ貯蔵デバイスの製造のための自動機械(3)の供給ユニット(4)へ、前記リールを搬送するように構成された、少なくとも1つの支持シャフトまたは支持スピンドル(8)と、
前記台車(7)により担持され、且つ前記支持スピンドル(8)により支持された前記リール(2)の最初のフラップ(2a)を受け取って把持し、前記最初のフラップの巻き出し経路(T)に沿って前記最初のフラップ(2a)を張り続けるように構成された少なくとも1つのグリッパ(12)を備えた把持部材(11、11´)と、
を備えた、システム(1)。
【請求項2】
前記台車(7)により担持され、且つ前記支持スピンドル(8)により支持されたリール(2)の角度変位を阻止して、これにより前記最初のフラップ(2a)が前記巻き出し経路(T)に沿って張り続けられるように構成された、阻止装置を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記グリッパ(12)は、該グリッパが前記最初のフラップ(2a)を把持し且つその張力を決定する、待避位置と、張られた前記最初のフラップ(2a)を前記供給ユニット(4)へ送達する、前進位置と、の間を移動可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記支持スピンドル(8)は、前記台車(7)が前記交換ステーションにある場合に、前記供給ユニット(4)に動作可能に連結するように構成されており、
前記システム(1)は、前記支持スピンドル(8)が前記供給ユニット(4)に動作可能に連結された場合に、前記リール(2)を前記支持スピンドル(8)から前記供給ユニット(4)へ移動させるための押出装置(13)を備え、
該押出装置(13)は、前記待避位置から前記前進位置へと、前記グリッパ(12)を前記リール(2)と一体的に移動させるように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記把持部材(11、11´)は、前記最初のフラップ(2a)の巻き出し経路(T)に沿って互いに離間されるように配置され、且つ前記最初のフラップ(2a)をその離間された2つの位置(2b)において把持して、これにより2つの把持された前記位置(2b)の間において前記最初のフラップ(2a)の中央部分(2c)が、少なくとも前記待避位置から前記前進位置への移動の際に張り続けられるように構成された一対の前記グリッパ(12)を備えている、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
2つの前記グリッパ(12)は、前記前進位置において前記供給ユニット(4)の保持部材(6)を前記グリッパの間に受け入れて、前記保持部材(6)に前記最初のフラップ(2a)の張られた前記中央部分(2c)を送達するように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記最初のフラップ(2a)を前記リールから分離して、前記把持部材(11、11´)に前記最初のフラップを供給するために、前記巻き出し経路(T)に沿って前記最初のフラップを巻き出すように構成された巻き出し装置(16)を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記巻き出し装置は、前記支持スピンドル(8)に対応した対向ローラ(16)を備え、該対向ローラは、該対向ローラが前記支持スピンドル(8)から、および使用時には前記支持スピンドルに支持された前記リール(2)から離間された、開放形態と、前記対向ローラが、前記リール(2)に接触して押圧する、閉鎖形態と、の間を移動可能であり、
前記対向ローラ(16)は、前記支持スピンドル(8)の周りの前記リール(2)の回転を決定し、前記リール(2)から前記最初のフラップ(2a)を分離させて、前記最初のフラップ(2a)を前記巻き出し経路(T)に沿って前記把持部材(11、11´)に向かって巻き出すように、回転動作可能である、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記台車(7)により担持された回転可能なプレート(19)に装着された2つの支持スピンドルを備え、2つの外支持スピンドルは、交換ステーションにおいて、第1のスピンドル(8)が、前記自動機械(3)の前記供給ユニット(4)から使い果たされたリール(2)のコア(17)を引き出す/受け取るように構成され、且つ第2のスピンドル(8)が満杯のリール(2)を支持する、第1の位置と、前記第2のスピンドル(8)が、前記満杯のリール(2)を前記供給ユニット(4)へ移送し、且つ前記第2のスピンドル(8)が、前記使い果たされたリール(2)のコア(17)を支持する、第2の位置と、の間を移動間であり、
前記把持部材(11、11´)は、各支持スピンドル(8)のための少なくとも1つのグリッパ(12)を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記把持部材(11´)は、前記第1のスピンドル(8)または前記第2のスピンドル(8)と選択的に対応可能な2つのグリッパ(12)であって、前記巻き出し経路(T)に沿って互いに離間された前記最初のフラップの部分(2b)において前記最初のフラップ(2a)を把持し、これにより2つの把持された前記位置(2b)の間の前記最初のフラップ(2a)の中央部分(2c)を張り続ける、2つのグリッパ(12)を備えており、
前記プレート(19)は、回転軸(A)の周りに回転可能なように前記台車(7)に装着されており、
2つの前記グリッパ(12)は、前記回転可能なプレート(19)に互いに離間されて配置され、且つ前記プレート(19)にある直線(B)に沿って整列されており、前記直線は、前記回転軸(A)に直交して、且つ前記回転軸(A)に交差しており、前記巻き出し経路(T)は、前記直線(B)に沿って延びている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記支持スピンドル(8)は、形状結合を用いて前記供給ユニット(4)の受け取りスピンドル(5)と連結するように構成されたターミナル(14)を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
電気エネルギ貯蔵デバイスの製造のためのアセンブリ(100)であって、
電極およびセパレータのストリップから開始して前記貯蔵デバイスを製造するように構成された動作ユニットと、該動作ユニットに、個々のリール(2)に初期的に巻かれた前記ストリップを供給するように構成された供給ユニット(4)と、を備えた自動機械(3)と、
前記供給ユニット(4)内において、使い果たされたリールを満杯のリールと交換するための、請求項1に記載のシステム(1)と、
を備え、
前記供給ユニットは、使い果たされようとしているリール(2)の最後のフラップを、満杯のリール(2)の前記最初のフラップ(2a)と結合するように構成され、且つ前記把持部材(11、11´)から前記最初のフラップ(2a)を受け取るための保持部材(6)を含んだ継ぎ合わせ装置を備え、
前記把持部材(11、11´)は、張られた前記最初のフラップ(2a)を前記継ぎ合わせ装置の前記保持部材(6)に供給するように構成されている、アセンブリ(100)。
【請求項13】
電気エネルギ貯蔵デバイスの製造のための材料のリール(2)を交換するための方法であって、該方法は、
リール(2)を、格納ステーションまたは受け取りステーションから交換ステーションへと搬送するステップと、
巻き出し経路(T)に沿って、前記リール(2)の最初のフラップ(2a)を巻き出すステップと、
前記最初のフラップ(2a)を把持するステップと、
前記最初のフラップ(2a)に張力を加えて、これにより前記最初のフラップ(2a)を前記巻き出し経路(T)に沿って張るステップと、
前記交換ステーションにおいて、前記最初のフラップ(2a)を張り続けたまま、前記リール(2)を、前記貯蔵デバイスの製造のための自動機械(3)の供給ユニット(4)へ移送するステップと、
を含んでいる方法。
【請求項14】
前記把持するステップは、少なくとも1つのグリッパ(12)を用いて実行され、
前記移送するステップは、前記グリッパ(12)を、該グリッパが前記最初のフラップ(2a)を把持してその張力を決定する、待避位置から、前記グリッパが張られた前記最初のフラップ(2a)を前記供給ユニット(4)へ送達する、前進位置へ、移動させるステップを含んでいる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記把持するステップは、前記巻き出し経路(T)に沿って、前記最初のフラップの互いに離間された位置(2b)において前記最初のフラップ(2a)を把持するステップを含み、
前記張るステップは、2つの把持された前記位置(2b)の間において、前記最初のフラップ(2a)の中央部分(2c)を張るステップを含んでいる、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2021年7月12日に出願されたイタリア国特許出願第102021000018266号の優先権を主張するものであり、その全体の開示が参照によりここに統合されている。
【0002】
本発明は材料のリール、特に電気エネルギ貯蔵デバイスの製造のための、電極またはセパレータのストリップのリールを交換するためのシステムおよびそれに関連した方法である。
【0003】
特に、本発明は再充電可能なバッテリの製造に有利に、しかし専用的にではなく適用され、以下の記載は、例えば金属缶もしくは(一般的にパウチタイプと称される)封入された平坦なバッテリ、または(例えばジェリーロールタイプの)円筒巻線から成る円筒バッテリ等の普遍性を、それにより喪失することなく明確に参照する。
【背景技術】
【0004】
電気エネルギ貯蔵デバイス、特に再充電可能なバッテリまたはコンデンサの製造のための自動機械が知られている。
【0005】
再充電可能なバッテリは、二層の電極(陽極および陰極)と、互いに対して交互に配置された少なくとも二層のセパレータと、を通常は備えており、したがって交互に電極-セパレータ-電極-セパレータの図式となっている。
【0006】
製造工程内では、そのような層は、初期的にリールに巻かれたストリップの状態で各々が提供される。
【0007】
筒状バッテリの場合、前述の自動機械の個々の供給ユニットを用いて、電極のストリップおよびセパレータのストリップを、回転する巻取コアに向かって全てが集中した、異なった供給経路に沿って供給することが知られており、供給ユニットは、入れ替わるように互いに対して交互に配置された電極のストリップおよびセパレータのストリップを(全体的に細長い形状のサポートに関して)保持し且つ巻き取り、これにより円筒巻きを形成するように構成されている。
【0008】
続いて、円筒巻きは保護テープの層により一般的に閉じられ、バッテリを形成するためのさらなるユニットに供給される。
【0009】
パウチバッテリとしても知られた金属缶またはエンベロープ内の平坦なバッテリの場合、電極のストリップおよびセパレータのストリップは、それらのすべてを回転ユニットに向かって集中させるための個々の供給経路に沿って供給され、そのユニット内においてストリップは互いに対して積層される。必要であれば、積層の際に、前述の電極のストリップおよびセパレータのストリップは、2つのさらなる保護層(これらもストリップ状である)の間に配置される。そのような保護層は、回転ユニット内側の電極のストリップおよびセパレータのストリップを保護するように構成され、通常はこのユニットからの出口において除去される。
【0010】
製造される再充電可能なバッテリまたはコンデンサのタイプが何であれ、前述のタイプの自動機械は、一般的にセパレータのストリップおよび電極のストリップの前述の供給ユニットを備えており、これらのストリップはサポートシャフトまたはスピンドルにより各々が支持された個々のリールに初期的に巻かれている。
【0011】
保護工程の際に、供給ユニットには電極のストリップおよびセパレータのストリップの満杯のリールが絶え間なく提供されて、工程の継続を確実にしなければならない。
【0012】
したがって、使い果たされたリールを満杯のリールに交換する必要があることが知られている。一般的に、使い果たされたリールの各々の満杯のリールへの交換は、作業者により手動で実行される。
【0013】
一般的に、供給ユニットは各材料のストリップのための2つのリールを支持するように、都合よく適合されている。特に供給ユニットは、供給される各材料ストリップのための一対のサポートシャフトまたはスピンドルを備え、それらのスピンドルのうちの一方は巻き出しリールを支持し、それらのスピンドルのうちの他方は満杯のリールを支持する。
【0014】
上記に従って、製造における障害を避けるために、既知のタイプの供給ユニットは(一般にスプライサとして知られた)継ぎ合わせ装置を含んでおり、この装置は、スピンドル(ひいてはセパレータまたは電極の所与のストリップのリール)の各ペアに関して、使い果たされるリールの最終フラップを満杯のリールの最初のフラップと互いに自動的に結合するように構成されている。
【0015】
そのような点において、作業者が、スプライサに(個々のサポートスピンドルにすでに装填された)満杯のリールの最初のフラップを手動で配置することで十分である。この点において、継ぎ合わせは、巻き出しリールを使い果たされる際に自動的に行われる。
【0016】
「古い」リールが使い果たされた場合、そのリールは別の満杯のリールと交換され(置き換えられ)、満杯のリールが供給ユニットにすでに装填されていた場合、満杯のリールの最初のフラップは巻き出され(一般的に閉鎖テープが除去され)、前述のようにスプライサに配置される。
【0017】
そのようにして、セパレータまたは電極の各ストリップのリールの交換は、製造を阻害することなく実行されることが可能である。
【0018】
前述のタイプのリールを交換するための機械および方法は、機能的および構造的に有効であるが、出願人は、特に製造速度、過失の最小化、および作業者の安全性に関して、これらがさらなる改善を受け入れる余地があることに気づいた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、電気エネルギ貯蔵デバイスの製造のための材料のリールを交換するためのシステムおよびそれに関連した方法を提供し、このシステムおよび方法は、きわめて信頼性が高く且つコストを制限されており、先に特定された要求の少なくともいくつかに合致し、既知のタイプの機械に接続されることが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明によれば、電気エネルギ貯蔵デバイスの製造のための、材料のリールを交換するためのシステムにより、ならびに以下の独立請求項、および好適に独立請求項に直接的または間接的に従属した請求項のいずれかによる関連した方法により、この目的な達成される。
【0021】
特許請求の範囲は、本明細書の不可欠な部分を形成した本発明の好適な実施形態をしている。
【0022】
より良好な理解のために、本発明、いくつかの非限定的な好適な実施形態は、添付の図の補助と共に単なる例示により以下に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】明確にするために部品が取り除かれた、本発明に従って実施された、電気エネルギ貯蔵装置の製造のための材料のリールを交換するためのシステムの正面を概略的に示した図である。
【
図3】明確にするために部品が取り除かれた、複数の別個の且つ連続した運転状態の際の、
図1のシステムの側面を概略的に示した図である。
【
図4】明確にするために部品が取り除かれた、複数の別個の且つ連続した運転状態の際の、
図1のシステムの側面を概略的に示した図である。
【
図5】明確にするために部品が取り除かれた、複数の別個の且つ連続した運転状態の際の、
図1のシステムの側面を概略的に示した図である。
【
図6】明確にするために部品が取り除かれた、複数の別個の且つ連続した運転状態の際の、
図1のシステムの側面を概略的に示した図である。
【
図7】明確にするために部品が取り除かれた、複数の別個の且つ連続した運転状態の際の、
図1のシステムの側面を概略的に示した図である。
【
図8】明確にするために部品が取り除かれた、複数の別個の且つ連続した運転状態の際の、
図1のシステムの側面を概略的に示した図である。
【
図9】明確にするために部品が取り除かれた、複数の別個の且つ連続した運転状態の際の、
図1のシステムの側面を概略的に示した図である。
【
図10】明確にするために部品が取り除かれた、複数の別個の且つ連続した運転状態の際の、
図1のシステムの側面を概略的に示した図である。
【
図11a】明確にするために部品が取り除かれた、2つの連続した運転状態の際の、
図1のシステムの詳細を示した拡大図である。
【
図11b】明確にするために部品が取り除かれた、2つの連続した運転状態の際の、
図1のシステムの詳細を示した拡大図である。
【
図12】明確にするために部品が取り除かれた、代替的な実施形態にしたがって実施された、電気エネルギ貯蔵装置の製造のための材料のリールを交換するためのシステムの正面を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付の図を参照すると、参照符号1は、全体として、電気エネルギ貯蔵デバイスの製造のための材料のリール2、特に電極(陽極または陰極)またはセパレータのストリップのリール2を交換するためのシステムを示しており、これらの材料から貯蔵デバイスの製造を開始する。
【0025】
特に、本発明は再充電可能なバッテリの製造に有利に、しかし専用的にではなく適用され、以下の記載は、例えば金属缶もしくは(一般的にパウチタイプと称される)封入された平坦なバッテリ、または(例えばジェリーロールタイプの)円筒巻線から成る円筒バッテリ等の普遍性を、それにより喪失することなく明確に参照する。
【0026】
より詳細には、システム1は、再充電可能なバッテリのアセンブリ100を製造する際にリール交換を実行するために使用すされるように形成されており、このシステムは、
以下により詳細に記載されたシステム1、ならびに
作動ユニット(図示略)であって、電極およびセパレータのストリップから開始して、再充電可能なバッテリを製造(より詳細には、実際のバッテリが得られる例えばモノセルのセルを製造)するように構成された、作動ユニットと、供給ユニット4(概略的に示されている)であって、供給ユニットの下流に配置された作動ユニットへ、初期的にリール2に巻かれたストリップを供給するように構成された供給ユニット4と、を備えた自動機械3(それ自体詳細には記載されておらず、
図3および
図10にその一部のみが記載されている)、を備えている。
【0027】
本記載においておよび添付の請求項において、「リール交換」は、本発明によるシステム1を用いて実行される、使い果たされようとしているまたは使い果たされたリール、すなわち関連した材料ストリップの巻き出しをほぼ完了したまたは完了したリールを、満杯のリールすなわち材料ストリップの全体をまだ収容したリールと交換することとして理解される。
【0028】
供給ユニット4は複数のサポートシャフトまたはスピンドル5を備え、各スピンドルは、リールから電極またはセパレータの関連したストリップを巻きだすことを画定するために、リール2を回転するように受け入れおよび支持するように形成されている。
【0029】
製造工程の間に、供給ユニット4には、電極またはセパレータのストリップの満杯のリール2が絶え間なく供給されて、工程の継続を確実にしなければならない。
【0030】
供給ユニット4は、電極またはセパレータの各々のストリップのための2つのリールを支持するように、都合よく適合されている。特に供給ユニット4は、供給される材料ストリップの各々のための一対のスピンドル5を備え、それらのスピンドル5のうちの一方は巻き出しリール2を支持しており、それらのスピンドル5のうちの他方は満杯のリール2を支持している。
【0031】
上記に従って、製造における中断を避けるために、供給ユニット4は(それ自体詳細に記載されていないか、または図示されていないが、既知の)継ぎ合わせ装置またはスプライサを含んでおり、このスプライサは、サポートスピンドル5(ひいてはセパレータまたは電極の所与のストリップのリール2)の各ペアに関して、使い果たされるリール2の最後のフラップを満杯のリール2の最初のフラップと互いに自動的に結合するように構成されている。
【0032】
特に継ぎ合わせ装置は、満杯のリール2の最初のフラップを把持するように形成されたグリッパ6を備えた受入部材を備えている。
【0033】
したがって、使い果たされたリール2を満杯の(新しい)リール2と交換して、これにより製造工程の継続を確実にする必要性が感じられる。
【0034】
添付の図に見られているように、システム1は、
格納ステーションまたは受け取りステーションから、アセンブリ100の交換ステーションへとリール2を搬送するための、好適に自動運転台車である少なくとも1つの台車7と、
台車7により運搬され、且つ一度に1つのリール2を支持し、そのリールを、交換ステーションにおいて供給ユニット4、特に使い果たされつつあるまたは使い果たされたリールを支持した、したがって満杯のリール2を必要とした、供給ユニット4のスピンドル5へと搬送するように構成された少なくとも1つのサポートシャフトまたはスピンドル8と、
を備えている。
【0035】
一実施形態においては、台車7は好適に既知のタイプのトロリコンベアにより形成されており、ベース本体10、ベース本体10に固定された複数の車輪21、およびベース本体10に固定され且つ車輪21の載置地面に対して好適に垂直方向にベース本体から延びた支持垂直材20、を備えている。特に、車輪21はゴム車輪である。他の非限定的な実施形態においては、台車7はレール上を移動するように構成されている。
【0036】
スピンドル8は垂直材20に固定されており、且つ垂直材から片持ち梁式に延びている。
【0037】
都合よく、台車7には、例えばレーダもしくはLIDARシステム、光電子バリア安全システム、レーザシステム等の、台車7の自動運転を可能にするように構成されたセンサ(それ自体は既知であるが、詳細に記載または図示されていない)と、当該センサにより検出されたデータを管理し、これらのデータに基づいて、格納ステーションまたは受け取りステーションから交換ステーションへの台車7の軌跡を制御、すなわちその自動運転を決定するように構成された制御ユニット(図示略)と、が設けられている。
【0038】
一実施形態においては、台車7は、ベース本体10に固定されたスライドを用いた運転トラック上を自走する。例えば、アセンブリは、格納ステーションまたは受け取りステーションから交換ステーションへの、(複数の)台車7の個々の軌跡を形成したレールのシステムを備えている。
【0039】
本発明によれば、システムは、台車7により担持された把持部材11を備え、この把持部材は、スピンドル8により支持されたシール2の最初のフラップ2aが、受け入れ且つ把持して、そのような最初のフラップ2aが(
図11aおよび
図11bに示された)フラップの最初の巻き出し経路Tに沿って張られる(または張力をかけられる)ように維持するように構成された、少なくとも1つのグリッパ12を備えている。
【0040】
把持部材11、特にグリッパ12は、都合よく巻き出し経路Tに沿って配置されている。
【0041】
一実施形態においては、システム1は例えばブレーキである阻止装置(図示略)を備え、この装置は、台車7により担持され、且つリール2の使用時に、支持スピンドル8、使用時にはリール2と同軸である回転軸の周りにおけるリール2の角度変位を阻止し、これにより最初のフラップ2aが巻き出し経路Tに沿って張られることを維持するように構成されている。
【0042】
阻止装置は、例えば圧力によりリール上に作用して、リール2に巻かれた材料のストリップの巻き出しを阻止する対向ローラ等の、外側からリール2上に作用する停止機構により形成され得ると理解される。そのような場合、阻止装置の構造は、先述の場合に対して簡素化される。非限定的な他の場合においては、阻止装置は、所定のトルクを維持し、且つスピンドル8を回転移動させるように構成された電気モータにより形成され得る。
【0043】
本発明のさらなる態様によれば、把持部材11は一対のグリッパ12を備え、このグリッパは、巻き出し経路Tに沿って互いに離間されて配置され(すなわち、巻き出し経路Tと整列されているが、互いからゼロでない距離に配置されている)、最初のフラップの離間された部分2bにおいて最初のフラップ2aを把持し、これにより、把持された部分2bの間の、最初のフラップ2aの中央部分2cが張り続けられるように構成されている。
【0044】
換言すると、1つのみの代わりに2つのグリッパ12が存在することは、最初のフラップ2aの中央部分2cが、台車7の移動の間およびリール2の搬送の間、張られたままであることを確実にしており、これは以下で明らかになるだろう。
【0045】
そのような場合、比較的複雑であり且つ製造が高価となり得る、前述のリール2の角度固定装置は必要ではなく、これにより構造が簡素化され、コストが削減される。
【0046】
有利には、各グリッパ12は可動式であり、特に両方のグリッパ12は、グリッパが最初のフラップ2aを把持してその張力を決定し(例えばフラップを張らせる)待避位置(
図7および
図8)と、グリッパが、張られた最初のフラップ2aを供給ユニット4に、特に供給ユニットの継ぎ合わせ装置またはスプライサのグリッパ6に送達する前進位置(
図9)と、の間を、同時に且つ完全にそろった方式で移動可能である。
【0047】
そのような点において、システム1は、待避位置から前進位置へと各グリッパ12を移動させるように構成された押出装置13を備えている。
【0048】
具体的には、押出装置13は、台車7の支持スピンドル8から、満杯のリール2を受け入れる必要がある供給ユニット4の支持スピンドル5へと、リール2を移動させるようにも構成されている。
【0049】
より詳細には、スピンドル8は、台車7が交換ステーションにある場合、満杯のリール2を受け入れる必要がある供給ユニット4の支持スピンドル5に動作可能に連結されるように構成されている。
【0050】
一実施形態においては、押出装置13は、例えばエンドレスライフ(endless life)を有する直線もしくは回転モータ等の電気式アクチュエータ、または空気式アクチュエータにより制御された押出バーにより形成されている。
【0051】
より詳細には、そのような押出バーはグリッパ12に動作可能に接続されており、例えば前述の電気式アクチュエータを用いて、支持垂直材20からグリッパ12を移動させるために展開可能である。
【0052】
代替的な実施形態においては、押出装置13はスプリングピンにより形成されている。
【0053】
代替的な実施形態においては、押出装置13は、供給ユニット4に向かって延びるための、または支持垂直材20に向かって戻るための伸縮構成において、スピンドル8により形成されている。
【0054】
好適に、スピンドル8は、形状カップリングを用いて供給ユニット4のスピンドル5に連結されるように構成された、成形されたターミナル14を備えている(
図4、
図5、
図8、および
図9)。
【0055】
より具体的には、スピンドル5は、前述の形状カップリングを得るために、ターミナル14に相補的に成形された相手側ターミナル15を備えている。
【0056】
そのような方法において、リール2の交換、すなわちスピンドル8からスピンドル5への、押出装置13を用いたリールの移送は、安全な方法において、且つ互いの連結が確実に行われた場合にのみ実行される。
【0057】
記載された例においては、ターミナル14は円錐キャビティを備え、一方でターミナル15は、そのキャビティに相補的な円錐形状を備えている。
【0058】
前述の円錐形状は、その形状がターミナル14内へのターミナル15の連結の誘導を決定し、スピンドル5とスピンドル8との発生し得る不整合を最小化または排除するので、特に有利である。
【0059】
好適に、各リール2は、都合よく剛性コア17の周りに巻かれている。
【0060】
実際に、各コア17は円筒中空体により形成されており、したがって、スピンドル8によりおよび/またはスピンドル5により係合されるように形成された、相手側リール2のハブを形成している。
【0061】
都合よく、グリッパ12は、スピンドル8に摺動可能に装着され(そのような点については、
図8および
図9を参照)、且つ押出装置13に動作可能に連結された分離器22により(固定して)担持されている。
【0062】
分離器22はまた、押出装置13により作動されるコア17の押出を決定するために、スピンドル8により支持された満杯のリール2の各々のコア17に動作可能に接続可能である。
【0063】
実際に、押出は、分離器22を用いてコア17を移動させる。
【0064】
前述の観点において、押出装置13は、
スピンドル8がスピンドル5に連結された場合に、支持されたリール2の各々を、スピンドル8から供給ユニット4のスピンドル5へと移動させ、それと同時に
待避位置から前進位置へと、グリッパ12をリール2と完全にそろって移動させる、
ように構成されている。
【0065】
有利に、グリッパ12は、最初のフラップ2aの部分2bを把持することにより、最初のフラップ2aの中央部分2cの張力を決定し、そのような中央部分2cは、少なくとも待避位置から前進位置へとグリッパ12の移動の際、特にグリッパ12が最初のフラップ2aを解放するまで張力が維持される。
【0066】
より具体的には、グリッパ12は、前進位置において、供給ユニット4の継ぎ合わせ装置のグリッパ6をグリッパ12の間に受け入れ、これにより最初のフラップ2aの張られた中央部分2cをそのようなグリッパ6へと供給するように構成されている。
【0067】
前述の構成のために、リール2は台車7から供給ユニット4へと移送され(すなわちリール2の交換が実行され)、これにより継ぎ合わせ装置は、通常の方法において都合よく張られた最初のフラップ2aを、自動的に且つ作業者の介入を必要とすることなく受け取って把持することが可能である。
【0068】
このことは、生産速度の増大、作業者による間違いの可能性の最小化、および作業者の事故の危険性の減少に帰結し、したがって、アセンブリ100の安全状態の改善を増大させる。
【0069】
有利には、システム1は、スピンドル8により支持されたリール2から最初のフラップ2aを分離して、巻き出し経路Tに沿って最初のフラップを巻き出し、これにより最初のフラップを把持部材11に供給するように構成された巻き出し装置16も備えている。
【0070】
図11aおよび
図11bに示された非限定的な実施形態によれば、巻き出し装置は、スピンドル8に対応した対向ローラ16を備え、このローラは、当該ローラがスピンドル8から、および使用時にスピンドル8により支持されたリール2から離間された、開放形態(
図11a)と、ローラがそのようなリール2に対して接触圧迫(押圧)する、閉鎖形態(
図11b)と、の間を移動可能(特に、前述の制御ユニットを用いて制御可能)である。
【0071】
さらに、対向ローラ16は、スピンドル8の周りのリール2の回転を決定するために回転動作可能であり(
図11b)、これにより最初のフラップ2aをリール2から引き離し、最初のフラップ2aを、巻き出し経路Tに沿って把持部材11に向かって、すなわちグリッパ12に向かって巻き出させる。
【0072】
代替としてまたは追加として、巻き出し装置は、スピンドル8を制御するように構成された電気モータを備えている。
【0073】
いくつかの非限定的な実施形態においては、巻き出し装置は、フラップ2aをリール2の残りの部分に拘束した接着テープを切断または除去するように構成された開封要素を備えている。
【0074】
都合よく、システム1は、分離器22により好適に担持されて、最初のフラップ2aを経路Tに沿って巻き出して案内するように構成された、一連の偏位部材23を備えている。
【0075】
そのような構成により、本発明に関して、リールをスピンドル8に装填することのみに限定された作業者の必要性はさらに減少している。この方法において、アセンブリ100内の生産速度は増大し、間違いおよび事故の危険性は減少し、すべてが単純且つコスト効果の高い方法となる。
【0076】
一実施形態においては、アセンブリ100の格納ステーションまたは受け取りステーションからのリール2の引き出しも、自動的な方法により実行され、特に、格納ステーションは自動保管所を備えている。
【0077】
いくつかの非限定的な実施形態によれば、格納ステーションまたは受け取りステーションは、電気エネルギ貯蔵装置の生産チェーンの上流にある機械に配置されている。特に、格納ステーションまたは受け取りステーションは、リール2が完成したステーションに相当している。したがって、これらの場合において、リール2はリールを巻き取る機械によりリールを巻き出す機械へと直接搬送される。
【0078】
ここに記載されおよび図示された非限定的な例においては、システム1は2つの支持スピンドル8を備え、両方が支持垂直体20から片持ち梁式に延びている。換言すると、台車7は2つの支持スピンドル8を担持している。
【0079】
より詳細には、台車7は、支持垂直体20に対して移動可能なように装着された、回転可能なプレート19を含み、このプレートに対してスピンドル8が固定されて、そこから片持ち梁式に延びている。
【0080】
リール交換を実行するために、プレート19は交換ステーションにおいて(すなわち都合よく台車7が交換ステーションにある場合に)、
第1のスピンドル8が、使い果たされたリール2のコア17を供給ユニット4から、すなわち機械3の対応したスピンドル5から引き出す/受け取るように適合され、第2のスピンドル8が、(使い果たされたリールの交換において前述のスピンドル5に供給される)満杯のリール2を支持した、第1の位置(
図4および
図5)と、
第2のスピンドル8が、満杯のリール2を供給ユニット4へ、すなわちスピンドル5へ移送するように適合され、第1のスピンドル8が、スピンドル5から受け取る前に、使い果たされたリール2のコア17を支持する。第2の位置(
図7、
図8、および
図9)と、
の間を移動可能である。
【0081】
特に、回転可能なプレート19は、好適に水平な(垂直材20に直交した)回転軸Aの周りに回転可能なように、垂直材20に固定されている。
【0082】
有利には、把持部材11は、各スピンドル8について少なくとも1つのグリッパ12を備えている。
【0083】
特に、把持部材11は各スピンドル8について一対のグリッパ12を備え、グリッパはこれまでに記載されたことに従って作動する。
【0084】
本発明により実施されたリール交換のシステム1の運転は、
図3から
図10および初期条件を特に参照して以下に記載されており、初期条件において、台車7は、リールの交換を実行するために、供給ユニット4へ供給される満杯のリール2を引き出した。特に、2つの支持スピンドル8のうちの1つは満杯のリール2を担持し、一方でスピンドルの他の1つは、使い果たされたリール2のコア17を受け取るために待機している間、使われていない(空である)。
【0085】
そのような条件において、制御ユニットは、センサから受信したデータに基づいて、格納ステーションまたは受け取りステーションから交換ステーション(
図3)への事前に確定された軌跡に沿った台車7の移動を制御している。
【0086】
そのような位置に到達した場合、台車7は、空のスピンドル8を、交換される使い果たされたリール2のコア17を支持した、供給ユニット4のスピンドル5に連結することを決定するために前進する。都合よく、供給ユニット4は、各スピンドル5に対して1つの押出装置18を含み、押出装置18は、押出装置13と略同一のタイプであり、且つスピンドル5により支持されたコア17を、スピンドル5に(形状)連結されたスピンドル8に向かって移動させるように構成されている(
図5)。
【0087】
図示されていないいくつかの非限定的な実施形態においては、押出装置18は、台車7により代わりに支持されている。そのような場合、このことは、供給ユニット4に関して変更することを防止している。
【0088】
コア17の移動が開始された場合、台車7は、スピンドル5からのスピンドル8の係合解除(
図6)のために、供給ユニット4から離間し、したがって、制御ユニットは回転可能なプレート19の回転を制御し、これにより満杯のリール2を支持したスピンドル8は、使い果たされたリール2のコア17を支持したスピンドル8に入れ替わって、スピンドル5に面する(
図7)。前後関係からしてまたはこれまでに、例えば対向ローラ16は、巻き出し経路Tに沿って最初のフラップ2aを離間し且つ巻き出すことを決定し、相対したグリッパ12は最初のフラップ2aを把持する(
図7)。そのような条件において、最初のフラップ2aは張られ、より具体的には中央部分2cが張られ、さらにより具体的には、そのような部分は、グリッパ12が、フラップ2aを継ぎ合わせ装置のグリッパ6に送達するまで張り続けられる。
【0089】
この点において、台車7は、供給ユニット4へ再度接近するように移動するために制御され、これにより満杯のリール2を支持したスピンドル8をスピンドル5に連結するように決定する(
図8)。中央部分2cは、常に張り続けられている。
【0090】
次に、押出装置13が作動され、満杯のリール2のコア17は(したがって、リールも)、これによりスピンドル8からスピンドル5へと移送される。前後関係からして、グリッパ12は、待避位置から伸長位置へと移動する(
図9)。
【0091】
そのような位置において、継ぎ合わせ装置のグリッパ6は2つのグリッパ12の間に受け入れられ、中央部分2cにおいて最初のフラップ2aを把持し、これまでに特定されたように、中央部分はそのような作業の間、張り続けられる。
【0092】
満杯のリール2の送達は、最初のフラップ2aの継ぎ合わせ装置への送達と共に、この時点において達成される。したがって、台車7は供給ユニット4から連結解除されることが可能である(
図10)。
【0093】
【0094】
そのような実施形態によれば、システム1は2つのスピンドル8、回転可能なプレート19、および前述の把持部材11とは以下の点のみが異なった把持部材11´を備え、把持部材11´は明示的に示されたものを除いて、システム1の構造および運転がこれまでに記載されたものと同一であると理解される。
【0095】
特に、把持部材11´は(前述の場合のような4つでない)確実に2つのグリッパ12を備え、これらのグリッパは、中央部分2cを張り続けるために、巻き出し経路Tに沿って離間された部分2bにおいて最初のフラップ2aを把持するために、第1のスピンドル8とまたは第2のスピンドル8と選択的に関連付けられる。有利に、2つのグリッパ12は、互いに離間されて且つプレート19上にある直線Bに沿って整列されて、回転可能なプレート19上に配置(具体的には装着)されており、直線Bは、回転軸Aに対して直交し且つ回転軸Aと交差しており、巻き出し経路Tは直線Bに沿って延びている。
【0096】
好適に、回転可能なプレート19は円形状であり、直線Bは回転可能なプレート19の直径を定義している。2つのスピンドル8は、直線Bの両側に配置されており、グリッパ12はプレート19の直径に沿って配置されて、これによりプレート19回転中心(回転軸A)と交差している。
【0097】
代替的な実施形態においては、プレート19は、何であれ多様な形状(長方形、楕円形、三角形など)を有するが、直線Bは、プレート19上に位置して、回転軸Aと交差し且つ回転軸に直交するように常に配置されている。
【0098】
さらに、スピンドル8は直線Bから等距離に配置されて、これにより直線Bに対して逆対称の構成を形成している。
【0099】
そのような構成により、最初のフラップ2aを離間された2つの位置(部分2b)において把持し、これにより中央部分2cを張ることを確実にすることが可能であり、同時に部品の全点数を制限し(4つの代わりに2つのグリッパ12)、したがって構造を簡素化して且つ全コストを削減することが可能である。
【0100】
前述の観点において、システム1が、電気エネルギ貯蔵デバイスの製造のための、材料のリール2の交換のための方法を実施することが可能であることは明らかであり、この方法は、
リール2を格納ステーションまたは受け取りステーションから交換ステーションへと搬送するステップと、
リール2の最初のフラップ2aを巻き出し経路Tに沿って巻き出すステップと、
最初のフラップ2aを把持するステップと、
最初のフラップ2aに張力を加えて、これにより最初のフラップ2aを巻き出し経路Tに沿って張るステップと、
交換ステーションにおいて、最初のフラップ2aが張り続けられたまま、リール2を供給ユニットに移送するステップと、
を含んでいる。
【0101】
有利に、把持ステップは少なくとも1つのグリッパ12を用いて実行され、移送ステップは、グリッパが最初のフラップ2aを把持して、その張力を決定する(最初のフラップを張る)、待避位置から、グリッパが、張られた最初のフラップ2aを供給ユニット4へ送達する、前進位置へ、グリッパ12を移動させることを含んでいる。
【0102】
有利に、把持ステップは、巻き出し経路Tに沿って互いに離間された部分2bにおいて最初のフラップ2aを把持することを含み、張力を加えるステップは、把持された2つの部分2bの間で圧縮された最初のフラップ2aの中央部分2cを張ることを含んでいる。
【0103】
システム1のおよび本発明により提供された方法の特性を調べることにより、それらが得ることが可能な利点が明確になる。
【0104】
特に、本発明によるシステム1および方法は、アセンブリ100内の生産速度の増大を決定すること、作業者により生じ得る誤りを最小化すること、および作業者の事故の危険性を減少すること、したがってアセンブリ100の安全条件を改良することを可能にしている。
【0105】
さらに、最初のフラップ2aを自動的に巻き出して、最初のフラップをグリッパ12に送達するための対向ローラ16の存在は、前述の利点のさらなる協調を決定する 。
【0106】
最後に、システム1が把持部材11´を備えている場合、前述の利点が達成されると同時に、部品の総点数を制限して、したがって構造を簡素化して、全コストを削減する。
【0107】
請求項によって定義される保護の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明および図示されたシステム1に対して修正および変更を行うことができることは、明らかである。
【符号の説明】
【0108】
1 ・・・システム
2 ・・・リール
2a ・・・最初のフラップ
2c ・・・中央部分
3 ・・・自動機械
4 ・・・供給ユニット
5 ・・・スピンドル
6 ・・・グリッパ
7 ・・・台車
8 ・・・スピンドル
10 ・・・ベース本体
11 ・・・把持部材
12 ・・・グリッパ
13、18 ・・・押出装置
14、15 ・・・ターミナル
16 ・・・対向ローラ
17 ・・・コア
19 ・・・プレート
20 ・・・支持垂直材
21 ・・・車輪
22 ・・・分離器
23 ・・・偏位部材
A ・・・回転軸
B ・・・直線
T ・・・巻き出し経路
【外国語明細書】