(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115353
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】模型玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 3/04 20060101AFI20230810BHJP
A63H 3/36 20060101ALI20230810BHJP
A63H 3/48 20060101ALI20230810BHJP
【FI】
A63H3/04 Z
A63H3/36 Z
A63H3/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108272
(22)【出願日】2023-06-30
(62)【分割の表示】P 2021214747の分割
【原出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】洲崎 敦彦
(72)【発明者】
【氏名】石川 雅弘
(57)【要約】
【課題】新規な構造の模型玩具を提供すること。
【解決手段】模型玩具2は、腕部12とオプションパーツ30とを連結する屈曲形状の連結パーツ50を備える。連結パーツ50は、腕部12の固定係合部19に対して接続可能な固定接続部51と、オプションパーツ30の回転係合部32に対して回動可能に接続する回転接続部52と、有する。連結パーツ50は、回転係合部32と回転接続部52との回転角度を変化させることによって、オプションパーツ30を手16で持つ所定の把持位置と、オプションパーツ30が手から離れた所定の離間位置と、を少なくとも含む、腕部12とオプションパーツ30との相対位置を変更できる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕部と、
オプションパーツと、
前記腕部と前記オプションパーツとを連結する屈曲形状の連結パーツと、
を備え、
前記腕部は、第1係合部を有し、
前記オプションパーツは、第2係合部を有し、
前記連結パーツは、前記第1係合部に対して接続可能な第1接続部と、前記第2係合部に対して回動可能に接続する第2接続部と、を有し、
前記第2係合部に対する前記第2接続部の回転角度を変化させることによって、前記オプションパーツを手で持つ所定の把持位置と、前記オプションパーツが手から離れた所定の離間位置と、を少なくとも含む、前記腕部と前記オプションパーツとの相対位置を変更可能な模型玩具。
【請求項2】
前記連結パーツは、前記第1係合部に対する前記第1接続部の接続向きを変えて接続可能であり、
前記第1係合部に対する前記第1接続部の接続向きを変えることで、前記相対位置を変更可能である、
請求項1に記載の模型玩具。
【請求項3】
前記第1接続部は、前記連結パーツの表裏を変えて前記第1係合部に接続可能であり、
前記連結パーツは、表裏を変えて前記第1接続部を前記第1係合部に接続することで、前記接続向きを変えることができる、
請求項2に記載の模型玩具。
【請求項4】
前記第1接続部は、嵌合凹部であり、
前記第1係合部は、前記嵌合凹部に嵌合する嵌合凸部である、
請求項3に記載の模型玩具。
【請求項5】
前記第1係合部は、前記腕部の手首内側の位置に設けられている、
請求項1から4の何れか一項に記載の模型玩具。
【請求項6】
前記連結パーツは、前記第1接続部の側が、前記腕部に沿った直線形状である、
請求項5に記載の模型玩具。
【請求項7】
前記第2係合部は、前記オプションパーツの中心から離れた位置に設けられている、
請求項1から6の何れか一項に記載の模型玩具。
【請求項8】
前記オプションパーツは、取り付け向きを変更可能なサブパーツを有し、
前記サブパーツは、前記第2係合部を有し、
前記サブパーツの取り付け向きを変更することで、前記相対位置を変更可能である、
請求項1から7の何れか一項に記載の模型玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、模型玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
関節部を可動させて様々なポージングを楽しむことができる人形の模型玩具がある。なかでも映画や漫画、アニメ等の原作に登場するキャラクの模型玩具は、ユーザが原作中に登場する決めポーズなどを再現して楽しむことができるので特に人気である。
【0003】
模型玩具の1つである人形体に関する技術として、外観デザインの魅力低減を抑えつつ、関節部の可動自由度を高めることができる技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
模型玩具本体とは別のオプションパーツを当該模型玩具と組み合わせることで、模型玩具に独特なポーズを取らせた独特のシーンを再現したい場合がある。特に、1つのオプションパーツを使って、そのオプションパーツと模型玩具とが一体となっている状態のシーンと、離間している状態のシーンとを再現することができれば至便である。
【0006】
例えば、手に持って投擲する武器のオプションパーツがあった場合に、その武器を手に持った状態のポーズを取らせて投擲前のシーンを再現したり、手から放った直後のポーズを取らせてその武器が手から放たれた直後のシーンを再現することができれば至便である。
【0007】
本発明は、新規の構造の模型玩具を提供することを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様は、腕部と、オプションパーツと、前記腕部と前記オプションパーツとを連結する屈曲形状の連結パーツと、を備え、前記腕部は、第1係合部を有し、前記オプションパーツは、第2係合部を有し、前記連結パーツは、前記第1係合部に対して接続可能な第1接続部と、前記第2係合部に対して回動可能に接続する第2接続部と、を有し、前記第2係合部に対する前記第2接続部の回転角度を変化させることによって、前記オプションパーツを手で持つ所定の把持位置と、前記オプションパーツが手から離れた所定の離間位置と、を少なくとも含む、前記腕部と前記オプションパーツとの相対位置を変更可能な模型玩具である。
【0009】
また、前記連結パーツは、前記第1係合部に対する前記第1接続部の接続向きを変えて接続可能であり、前記第1係合部に対する前記第1接続部の接続向きを変えることで、前記相対位置を変更可能である、としてもよい。
【0010】
また、前記第1接続部は、前記連結パーツの表裏を変えて前記第1係合部に接続可能であり、前記連結パーツは、表裏を変えて前記第1接続部を前記第1係合部に接続することで、前記接続向きを変えることができる、としてもよい。
【0011】
また、前記第1接続部は、嵌合凹部であり、前記第1係合部は、前記嵌合凹部に嵌合する嵌合凸部である、としてもよい。
【0012】
また、前記第1係合部は、前記腕部の手首内側の位置に設けられている、としてもよい。
【0013】
また、前記連結パーツは、前記第1接続部の側が、前記腕部に沿った直線形状である、としてもよい。
【0014】
また、前記第2係合部は、前記オプションパーツの中心から離れた位置に設けられている、としてもよい。
【0015】
また、前記オプションパーツは、取り付け向きを変更可能なサブパーツを有し、前記サブパーツは、前記第2係合部を有し、前記サブパーツの取り付け向きを変更することで、前記相対位置を変更可能である、としてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、新規の構造の模型玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図3】腕部とオプションパーツとの連結構造の拡大図。
【
図4】腕部とオプションパーツとの連結構造の分解図(一部断面)。
【
図5】オプションパーツを装着状態から離間状態へ変更する方法を説明するため状態遷移図(その1)。
【
図6】オプションパーツを装着状態から離間状態へ変更する方法を説明するため状態遷移図(その2)。
【
図7】オプションパーツを装着状態から離間状態へ変更する方法を説明するため状態遷移図(その3)。
【
図8】オプションパーツを離隔状態とした模型玩具のポーズの例を示す斜視外観図。
【
図10】模型玩具の変形例の構成例を示す斜視外観図。
【
図11】変形例における脚部とオプションパーツとの連結構造例を示す斜視分解図。
【
図12】変形例におけるオプションパーツを装着状態から離間状態へ変更する方法を説明するため状態遷移図(その1)。
【
図13】変形例におけるオプションパーツを装着状態から離間状態へ変更する方法を説明するため状態遷移図(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を適用した実施形態の一例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。また、各図には右手系の直交三軸を示す。直交三軸は、X,Y,Zの三軸とし、X軸プラス方向を模型玩具の正面又は前、X軸マイナス方向を背面又は後、Y軸プラス方向を左、Y軸マイナス方向を右、Z軸プラス方向を上、Z軸マイナス方向を下、として説明する。また、模型玩具の特定部分を拡大する図においては、当該部分に着目する上で代表的な方向を基準とした右手系直交三軸を別途、破線の座標軸で示す。
【0019】
図1は、本実施形態の模型玩具2の構成例を示す図であって、模型玩具2を玩具の左前方から見た斜視外観図である。
図2は、模型玩具2を玩具の右前方から見た斜視外観図である。
【0020】
本実施形態の模型玩具2は、マンガや映画、アニメなどの原作に登場するキャラクタを模した人の形をした外観を有し、関節部を動かして様々なポーズをとらせることができる模型玩具、いわゆるアクション玩具である。
図1および
図2の模型玩具2は、戦闘用のスーツを装着した人間のキャラクタの例を示しているが、模型玩具2が現すものは、エルフ、獣人、モンスター、宇宙人、式神、ロボット、アンドロイド、など手足等に相当する延設部を有する存在であれが実在/仮想を問わない。勿論、その設定によっては手・足などの延設部の数も問わない。
【0021】
模型玩具2は、玩具本体4と、当該玩具本体4に対して着脱可能なオプションパーツ30と、玩具本体4とオプションパーツ30とを連結する屈曲状の連結パーツ50と、を有する。なお、模型玩具2を構成する各模型部品は、ABS等の熱可塑性樹脂により構成することができるが特に限定されるものではなく、ABS以外の他の材質(ポリエチレン、ポリスチレン、熱硬化性樹脂等)を用いてもよい。また、チタニウム、アルミニウム等の金属材料や複数の金属材料等を混合した合金材料を用いてもよいし、樹脂性材料のパーツと金属・合金材料のパーツとを組み合わせたもの等であってもよい。
【0022】
玩具本体4は、胴体にあたる基部6と、当該基部6から延設される延設部10(本実施形態では腕部11・脚部12・頭部13)とを有する。
【0023】
オプションパーツ30は、模型玩具2の遊び方として、玩具本体4に装着されて玩具本体4と一体となった装着状態と、当該玩具本体4から離間した離間状態とを取ることができる追加パーツである。例えば、オプションパーツ30は、模型玩具2にとっての武器や防具などの装備品、身に纏っているとされるオーラや気を視覚化した演出物、などの造形物である。
図1および
図2の例では、オプションパーツ30は、手に持って把持したり、投擲することができる攻撃武器であり、盾としても機能する皿型のシールド(盾)である。オプションパーツとは、玩具本体とともに用いることができる部品、付属品などを含み、形状・種類等について特に限定されるものではない。また、装着状態とは、厳密に玩具本体4にオプションパーツ30が取り付けられて一体となっている状態のみではなく、玩具本体4とオプションパーツ30が一体的に見えるような状態も含むものである。また、離間状態とは、厳密に玩具本体4とオプションパーツ30が離れた状態のみではなく、オプションパーツ30が装着状態から移動した状態を含むものである。
【0024】
図3は、腕部11とオプションパーツ30との連結構造の拡大図である。
図4は、
図3の連結構造の一部を断面で示した分解図である。
なお、
図3と
図4では、破線で示す右手系の補助直交三軸を示している。当該補助直交三軸は、腕部11の延設方向(前腕部15の長手方向)をXa軸プラス方向、直立姿勢における手16の親指17の有る側をYa軸プラス方向、直立姿勢における手16の掌が向く側(手首の外側から内側に向かう方向)をZa軸プラス方向、としている。
【0025】
腕部11は、前腕部15と手16との間、つまり手首位置に連結パーツ50を保持するための環状のリストバンド部18を有する。リストバンド部18は、手首の内側位置からZa軸プラス方向へ突設された固定係合部19を有する。
【0026】
固定係合部19は、連結パーツ50の一端部に設けられた固定接続部51と係合する部位である。固定係合部19は、Za軸プラス方向から見るとアルファベットの「T字型」に見えるT字断面柱状体であり、連結パーツ50の固定接続部51に嵌合接続する嵌合凸部である。なお、固定係合部19の柱の断面(柱軸に直交する面)の形状は、T字型に限らず、三角形や四角形、六角形、X字型など、柱軸回りの自由回転を防止する固定的な接続が可能な形状であれば他の形状を採用することができる。なお、固定係合部19は、必ずしも固定的な接続形状に限らず、円形等の自由回転が可能な形状の係合部を採用してもよい。ただ、係合部に固定的な接続形状を採用して自由回転を規制することにより、腕部11に対する屈曲ロッド部59の位置が不必要に変化することがなく、屈曲ロッド部59が腕部11に隠れた状態を保持することができて好ましい。
【0027】
連結パーツ50は、屈曲ロッド部59の一端部に固定接続部51を有し、他端部にオプションパーツ30に係合させるための回転接続部52を有する。なお、固定接続部51の形状は、固定係合部19に嵌合する形状であればよく、手首の係合部が円形である場合、円形の接続部とすることができる。また、本実施形態では、手首(腕部11)側に嵌合凸部を設け、連結パーツ50に嵌合凹部を設ける構成としているが、嵌合凸部と嵌合凹部は逆の配置でもよいし、腕部11と連結パーツ50とが接続可能な構造であれば、特に限定されるものではない。また、一端部、他端部とは、屈曲ロッド部59の端の部分のみを意味するわけではなく、固定接続部51または回転接続部52からさらに延設する部分があってもよい。
【0028】
屈曲ロッド部59は、2つの第1ロッド部59a(直状部59a)と第2ロッド部(直状部59b)とが鈍角を成して一体となった屈曲部(屈曲体)である(
図3参照)。屈曲ロッド部59は、腕部11に連結された状態において、一端部(直状部59a)の側が腕部11の手首の内側で、腕部11の延設方向(Xa軸方向)に沿った直線形状を有している。なお、本実施形態では、屈曲ロッド部59は、直線形状の直状部59aと直状部59bとによって屈曲体を構成しているが、この形状に限定されるものではなく、湾曲形状の第1ロッド部59aと第2ロッド部59bとを組み合わせた形状でもよいし、3つ以上のロッド部が組み合わされた形状でも良いし、第1ロッド部59aと第2ロッド部59bとが一体的に湾曲した形状(例えばワイヤーを曲げたような形状)などであってもよい。屈曲部(屈曲ロッド部)の形状は、連結パーツ50の回転接続部52が、固定接続部51から屈曲部が延設する方向(本実施形態ではXa軸方向)の延長線上からずれた(はずれた)位置に配置されるような形状であれば、特に限定されるものではない。
【0029】
なお、屈曲部の少なくとも一部が延設部と平行に配置されることにより、屈曲部(連結パーツ)が延設部に隠れて見えづらくなり見栄えが向上して好ましい。本実施形態では、直状部59aが腕部11と平行に腕部11に隠れる位置に配置されることにより、オプションパーツ30を腕部11に対する離間位置に配置した場合でも連結パーツ50が見えづらくなっている。
【0030】
固定接続部51は、嵌合凸部である固定係合部19に嵌合する嵌合凹部であって、具体的にはZa軸方向の貫通孔である。従って、固定接続部51は、連結パーツ50を
図3に示す状態からXa軸を回転軸として表裏反転した姿勢であっても固定係合部19と嵌合することができる。
【0031】
回転接続部52は、オプションパーツ30の回転係合部32に嵌合する嵌合凹部であって、具体的にはZa軸方向の貫通孔である。なお、回転接続部52、回転係合部32の形状についても本実施形態の形状に限定されないことはもちろんである。
【0032】
オプションパーツ30は、主たる外観を構成するメインパーツ31と、メインパーツ31に嵌合部33で取り付け/取り外しが可能なサブパーツ34と、を有する。メインパーツ31は、皿状の形状をした盾を模している。サブパーツ34は、メインパーツ31が表す盾の内側に装着されたハンドルであって、メインパーツ31の中心Pより外側の位置に取り付けられる。
【0033】
サブパーツ34は、可倒式ハンドルがメインパーツ31の内面に沿って倒れた状態のデザインを有している。サブパーツ34は、メインパーツ31への取り付け姿勢を反転させることで、
図3のようにハンドルがメインパーツ31の中心Pを向いた(Xa軸プラス方向へ向いた)第1取付姿勢と、ハンドルが中心Pとは反対側を向いた(Xa軸マイナス方向へ向いた)第2取付姿勢と、に変えることができる(
図6参照)。
【0034】
サブパーツ34は、2つの回転係合部32(32a、32b)を有する。上述のように、サブパーツ34は、皿状の盾の内側に装着されたハンドルであって、メインパーツ31の中心Pより外側の位置に装着されるので、2つの回転係合部32(32a、32b)も必然的に、オプションパーツ30の中心Pから離れた位置に設けられることになる。
【0035】
回転係合部32(32a、32b)は、メインパーツ31が表す盾の裏側に突設する円柱体であって、円柱の外径が連結パーツ50の回転接続部52の嵌合凹部の内径に適合するように設定されている。つまり、回転係合部32が回転軸として機能し、回転接続部52がその軸受けとして機能する。両者の寸法公差は、(1)両者を損傷しないように分解・結合が可能で、且つ、(2)嵌め合いの結合力でオプションパーツ30の自重や慣性で連結パーツ50に対して動かない様に保持しつつも、ユーザがオプションパーツ30に力を加えると連結パーツ50に対する取り付け向きが変わり、相対位置をユーザが自在に変更可能なように設定されている。
【0036】
図5から
図7は、オプションパーツ30を、玩具本体4に装着した装着状態から、玩具本体4から離間した離間状態へ変更する方法を説明するための状態遷移図である。
【0037】
図5は、
図1から
図4に示した装着状態にあたる。腕部11の手16は、人差し指から小指までの4つの指を密着させて指先を伸ばした状態とされており、親指17は人差し指から小指までの4つの指からやや離れて、掌の内側に位置した状態とされている。人差し指から小指までの4つの指と、親指17との間には谷状の空間ができており、そこにオプションパーツ30の外縁を挟み込むことができる。
【0038】
つまり、
図1から
図5に示す状態は、オプションパーツ30は、模型玩具2がオプションパーツ30の外縁を手16で把持しているように見える把持位置にあり、オプションパーツ30の縁を手16で把持したシーンが再現されている。この時、連結パーツ50は腕部11の手首内側にあるので、一見すると連結パーツ50の存在が隠れ、模型玩具2を外から見た状態では連結パーツ50が見難くなっている(
図1,
図2参照)。
【0039】
装着状態から離間状態へ変更する方法には幾つかの方法がある。1つの方法は、連結パーツ50をZa軸プラス方向に一旦外して、固定係合部19と固定接続部51との嵌合および回転係合部32と回転接続部52との嵌合の両方を解除する。連結が解除されたオプションパーツ30は、腕部11(手16)から一旦分離できる。
【0040】
次に、
図6に示すように、オプションパーツ30において、サブパーツ34の取り付け向きを
図5の取り付け向きから反転させてメインパーツ31に取り付ける。また、連結パーツ50の固定係合部19への接続向きを、
図5の向きから反転させて取り付ける。連結パーツ50の接続向きが反転することで、屈曲ロッド部59の屈曲方向(直状部59aから直状部59bが伸びている方向)が、
図5のYa軸マイナス向きの状態からYa軸プラス向きに変わり、回転接続部52は親指17側の位置から小指側の位置へ移る。
【0041】
そして、
図7に示すように、サブパーツ34の取り付け向きを反転させたオプションパーツ30を連結パーツ50に接続する。具体的には、回転接続部52を回転係合部32bに係合させる。
【0042】
そして、回転係合部32aへエフェクトパーツ60を装着する。
エフェクトパーツ60は、オプションパーツ30が飛翔しているシチュエーションを視覚的に表現して演出するためパーツである。エフェクトパーツ60は、回転接続部52と同様の構造である回転接続部62を有しており、
図7の例では、回転接続部62を回転係合部32aに嵌合させている。
【0043】
これらの変更操作によって、オプションパーツ30は、手16の小指側で、且つ腕部11の延設方向(Xa軸プラス方向)において、手16から離れた所定の離間位置で連結パーツ50にて保持されているが、あたかもオプションパーツ30が手16から離れているように見える離間状態となる。
【0044】
腕部11およびオプションパーツ30を離間状態にして、模型玩具2を投擲ポーズに変えると、例えば
図8に示すように、今、正にオプションパーツ30を投擲した直後であるかのようなシーンを再現できる。このように本実施形態では、オプションパーツを手で持つ所定の把持位置とすることによって当該オプションパーツと模型玩具本体とが一体となっている状態と、オプションパーツを手から離れた離間位置とすることによって当該オプションパーツが模型玩具本体から離間した状態と、の両方を実現することが可能である。なお、本実施形態では、オプションパーツ30を投擲した状態を表現する例を説明したが、これに限られることはなく、例えばエフェクトパーツ60の取り付け向きを変更する等により、飛んできたオプションパーツ30をキャッチする状態を表現することも可能である。
【0045】
オプションパーツ30が模型玩具2に固定されているので、ユーザは、投擲ポーズの模型玩具2を手に持って様々な角度から眺めて楽しむことができる。オプションパーツ30を離間状態にするために台座パーツや支柱パーツを必要としないので、ユーザは、それらによって視界を妨げることなく、再現シーンを自在に変えて分に楽しむことができる。気分次第で、回転係合部32と回転接続部52との相対角度を変えて、オプションパーツ30を様々な相対位置に移動させて更に楽しむことができる。また、台座パーツや支柱パーツを必要としない点は、部品点数を削減できる副次的効果もある。
【0046】
装着状態から離間状態へ変更する方法の1つを
図6から8を参照して説明したが、別の方法もある。例えば、
図5において、オプションパーツ30を回転してオプションパーツ30の回転係合部32aに対する回転接続部52の接続角度(回転角度)を変更して、オプションパーツ30の外縁が手16から離れた位置となるようにする方法である。その他にも、連結パーツ50の固定係合部19への接続向きのみを変えたり、オプションパーツ30におけるサブパーツ34の取り付け向きのみを変えたりした上で、回転係合部32aに対する回転接続部52の接続角度(回転角度)を変更するといった方法がある。なお本実施形態では、装着状態から離間状態への変更について説明したが、もちろん離間状態から装着状態へ変更することも可能である。
【0047】
〔変形例〕
本発明を適用可能な実施形態は、上記の例に限らず適宜構成要素の追加・省略・変更が可能である。
【0048】
(変形例その1)
上記実施形態では、回転係合部32をサブパーツ34に設ける構成としたが、
図9に示すオプションパーツ30Bのように、メインパーツ31の裏面に回転係合部32を設ける構成も可能である。なお、当該構成における回転係合部32のメインパーツ31における位置や数は適宜設定可能である。
【0049】
(変形例その2)
上記実施形態では、オプションパーツ30を装着する模型玩具2の延設部10として腕部11を例示したが、他の延設部10にもオプションパーツ30を装着する構成も可能である。
【0050】
例えば、
図10に示す模型玩具2Cのように、脚部12の足首部位に設けられたアンクルバンド18Cに、連結パーツ50Cを介してオプションパーツ30Cを連結して、オプションパーツ30Cを装着状態/離間状態に変更可能な構成とすることも可能である。
【0051】
オプションパーツ30Cは、湾曲した刃物の様に見える短翼型の形状を有している。オプションパーツ30Cは、装着状態においては模型玩具2の飛行モードに応じて様々な姿勢をとる。しかし、戦闘中に脚部12を蹴り出すと、オプションパーツ30Cは一時的に脚部12から分離して、蹴り出し方向に飛翔してブーメランの如く戻ってくる飛翔式の刃物武器となる設定である。
【0052】
図11は、装着状態における、アンクルバンド18C・連結パーツ50C・オプションパーツ30Cの分解斜視図である。アンクルバンド18Cが有する固定係合部19Cは、八角形断面の柱状体からなる嵌合凸部である。これに対応する連結パーツ50Cの固定接続部51Cは、八角形断面の貫通孔からなる嵌合凹部となる。
【0053】
固定接続部51Cは、屈曲ロッド部59の一端部にある。屈曲ロッド部59の他端部には回転接続部52Cがある。回転接続部52Cは、円柱体が突設された嵌合凸部であり、これに対応するオプションパーツ30Cの回転係合部32Cは、当該円柱に対応する嵌合凹部であって、オプションパーツ30Cの側面に長手方向に沿って3つ用意されている。
【0054】
オプションパーツ30Cの連結パーツ50Cに対する接続向きは、再現する模型玩具2Cの飛行シーンのポーズに応じて変更することができる。具体的には、回転係合部32Cを回転軸としてオプションパーツ30Cを回転させることで、脚部12(回転接続部52C)に対する接続向きを変えることができる。なお、サブパーツ34Cはメインパーツ31Cとは直接的には連結されていない。装着状態において、脚部12とサブパーツ34Cとの間に位置する回転接続部52Cが連結部として両者を繋いでいるように見えるようになっている。
【0055】
図12および
図13は、オプションパーツ30Cを、模型玩具2Cの玩具本体4(脚部12)に装着した装着状態から、当該玩具本体4から離間した離間状態へ変更する方法を説明するため状態遷移図である。
【0056】
図12に示す装着状態から
図13に示す離間状態へ変更するには、オプションパーツ30Cを連結パーツ50Cから取り外し、連結パーツ50Cを固定係合部19Cから取り外す。次いで、
図13に示すように、模型玩具2Cの脚部12を前方に蹴り出したポーズに整え、取り外されている連結パーツ50Cを固定係合部19Cへ再び接続する。その際、回転接続部52Cが脚部12の先端を向くように固定係合部19Cへの接続向きを変更する。そして、オプションパーツ30Cの回転係合部32を、回転接続部52Cに嵌合させオプションパーツ30Cの姿勢を整える。なお、オプションパーツ30Cには適宜、エフェクトパーツ60Cを着脱できるようにすると好適である。
【0057】
(変形例その3)
また、上記実施形態では模型玩具を人の形状であることとして説明したが、模型玩具の形態は問わない。例えば、戦車や戦艦のように砲身(延設部)を備える兵器の模型玩具にも本発明は同様に適用できる。具体的には、砲身の先端部に装着されているパーツが、特別射撃モードになると、砲身から離間した位置に展開するといった設定の場合に、砲身を上記実施形態の腕部11或いは上記変形例の構成における脚部12に見立て、砲身の先端部に装着されているパーツをオプションパーツ30,30Cとすれば、本発明を同様に適用できる。
【符号の説明】
【0058】
2…模型玩具
4…玩具本体
6…基部
10…延設部
11…腕部
12…脚部
16…手
19…固定係合部
30…オプションパーツ
31…メインパーツ
32…回転係合部
34…サブパーツ
50…連結パーツ
51…固定接続部
52…回転接続部
59…屈曲ロッド部
60…エフェクトパーツ