(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115434
(43)【公開日】2023-08-21
(54)【発明の名称】セパレータディスクホルダと弾性体リングの位置調整方法及びそれに用いる自動位置決め装置
(51)【国際特許分類】
B23D 19/06 20060101AFI20230814BHJP
B21C 47/26 20060101ALI20230814BHJP
B21C 47/34 20060101ALI20230814BHJP
B21B 39/14 20060101ALI20230814BHJP
B65H 23/038 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
B23D19/06 H
B21C47/26 F
B21C47/34 D
B21B39/14 J
B65H23/038
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017633
(22)【出願日】2022-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】591123355
【氏名又は名称】山王鉄工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091904
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 重雄
(72)【発明者】
【氏名】今田 博之
(72)【発明者】
【氏名】篠原 悟
【テーマコード(参考)】
3C039
3F104
4E026
【Fターム(参考)】
3C039CB35
3C039CB37
3F104AA05
3F104BA04
3F104FA02
3F104FA14
3F104JB05
4E026EA03
4E026GA06
(57)【要約】
【課題】セパレータガイドにおけるセパレータディスクホルダと弾性体リングの位置決めを自動的に行うことが容易となる位置調整方法を提供する。
【解決手段】まず、第1のセパレータディスクホルダ2aを第2のセパレータディスクホルダ2bの方向に移動させることにより、弾性体リング3aを第1のセパレータディスクホルダ2aからの押圧力によって移動させる。これにより、弾性体リング3aを所定位置に配置する。その後、第1及び第2のセパレータディスクホルダ2a・2bをセパレータシャフト1の延長方向に沿う適宜の方向に移動させる。これにより、第1及び第2のセパレータディスクホルダ2a・2bを所定位置に配置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セパレータシャフトに取り付けられた第1及び第2のセパレータディスクホルダと、前記第1及び第2のセパレータディスクホルダの間に配置される弾性体リングの位置を調整するための方法であって、
前記第1のセパレータディスクホルダを前記第2のセパレータディスクホルダの方向に移動させることにより、前記弾性体リングを前記第1のセパレータディスクホルダからの押圧力によって移動させ、これにより、前記弾性体リングを所定位置に配置する工程と、
その後、前記第1及び第2のセパレータディスクホルダを前記セパレータシャフトの延長方向に沿う適宜の方向に移動させることにより、前記第1及び第2のセパレータディスクホルダを所定位置に配置する工程と
を備えることを特徴とする位置調整方法。
【請求項2】
前記第1のセパレータディスクホルダ及び前記第2のセパレータディスクホルダは、それぞれ、外周側に突出するセパレータディスクを有しており、
前記第1及び第2のセパレータディスクホルダの移動は、前記セパレータディスクに適宜な力を加えることにより行われる
請求項1に記載の位置調整方法。
【請求項3】
前記第1及び第2のセパレータディスクホルダの移動は、前記セパレータディスクに適宜な方向への力を加えることができる自動位置決め装置により行われる
請求項2に記載の位置調整方法。
【請求項4】
セパレータシャフトに取り付けられた第1及び第2のセパレータディスクホルダと、前記第1及び第2のセパレータディスクホルダの間に配置される弾性体リングの位置を調整するための自動位置決め装置であって、
前記自動位置決め装置は、
前記第1のセパレータディスクホルダを前記第2のセパレータディスクホルダの方向に移動させることにより、前記弾性体リングを前記第1のセパレータディスクホルダからの押圧力によって移動させ、これにより、前記弾性体リングを所定位置に配置する動作と、
前記第1及び第2のセパレータディスクホルダを、前記セパレータシャフトの延長方向に沿う適宜の方向に移動させることにより、前記第1及び第2のセパレータディスクホルダを所定位置に配置する動作とを行う構成となっている
ことを特徴とする自動位置決め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セパレータディスクホルダと弾性体リングの位置調整方法及びそれに用いる自動位置決め装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、所定幅の金属帯を製造する場合、幅広の金属帯を順次巻出しながら、スリッターにより任意幅にスリットしてスリット金属帯とし、このスリット金属帯を巻き取りリールによって巻き取る技術が用いられている。この技術においては、スリット金属帯を巻き取る前に、各スリット金属帯の間隔を一定に保つためのセパレータガイドが用いられている(下記特許文献1~4参照)。
【0003】
セパレータガイドは、セパレータシャフトに取り付けられた複数のディスクホルダを有しており、これらのディスクホルダの外周に設けられたセパレータディスクによりスリット金属帯の位置決めを行い、巻取り不良を防ぐようになっている。
【0004】
ところで、特に金属帯の場合、巻取り方向への張力をかけないことが多いので、スリットの間隔が大きい(つまりスリット金属帯の幅が広い)場合には、スリット金属帯の幅方向中央付近が自重でたわみ、巻取り不良を生じるおそれがある。
【0005】
そこで従来は、セパレータホルダ間において、セパレータシャフトにゴムリングを嵌合して配置し、スリット金属帯の中央付近をこのゴムリングの表面で支持することによって、幅広のスリット金属帯の変形を抑止していた。
【0006】
しかしながら、セパレータホルダ間にゴムリングをセットする作業は、作業者への負担が大きい。この作業を自動化しようとしても、ゴムリングは表面が滑らかな円筒状なので、自動位置決めが難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実公平4-54992号公報
【特許文献2】実公昭54-40551号公報
【特許文献3】実公昭61-30733号公報
【特許文献4】実公昭62-13693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記した状況に鑑みてなされたものである。本発明の主な目的は、セパレータガイドにおけるセパレータディスクホルダと弾性体リングの位置決めを自動的に行うことが容易となる位置調整方法を提供することである。本発明の他の目的は、この方法に用いる自動位置決め装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の項目に記載の発明として表現することができる。
【0010】
(項目1)
セパレータシャフトに取り付けられた第1及び第2のセパレータディスクホルダと、前記第1及び第2のセパレータディスクホルダの間に配置される弾性体リングの位置を調整するための方法であって、
前記第1のセパレータディスクホルダを前記第2のセパレータディスクホルダの方向に移動させることにより、前記弾性体リングを前記第1のセパレータディスクホルダからの押圧力によって移動させ、これにより、前記弾性体リングを所定位置に配置する工程と、
その後、前記第1及び第2のセパレータディスクホルダを前記セパレータシャフトの延長方向に沿う適宜の方向に移動させることにより、前記第1及び第2のセパレータディスクホルダを所定位置に配置する工程と
を備えることを特徴とする位置調整方法。
【0011】
(項目2)
前記第1のセパレータディスクホルダ及び前記第2のセパレータディスクホルダは、それぞれ、外周側に突出するセパレータディスクを有しており、
前記第1及び第2のセパレータディスクホルダの移動は、前記セパレータディスクに適宜な力を加えることにより行われる
項目1に記載の位置調整方法。
【0012】
(項目3)
前記第1及び第2のセパレータディスクホルダの移動は、前記セパレータディスクに適宜な方向への力を加えることができる自動位置決め装置により行われる
項目2に記載の位置調整方法。
【0013】
(項目4)
セパレータシャフトに取り付けられた第1及び第2のセパレータディスクホルダと、前記第1及び第2のセパレータディスクホルダの間に配置される弾性体リングの位置を調整するための自動位置決め装置であって、
前記自動位置決め装置は、
前記第1のセパレータディスクホルダを前記第2のセパレータディスクホルダの方向に移動させることにより、前記弾性体リングを前記第1のセパレータディスクホルダからの押圧力によって移動させ、これにより、前記弾性体リングを所定位置に配置する動作と、
前記第1及び第2のセパレータディスクホルダを、前記セパレータシャフトの延長方向に沿う適宜の方向に移動させることにより、前記第1及び第2のセパレータディスクホルダを所定位置に配置する動作とを行う構成となっている
ことを特徴とする自動位置決め装置。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、セパレータガイドにおけるセパレータディスクホルダと弾性体リングの位置決めを自動的に行うことが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る位置調整方法に用いるセパレータガイドと自動位置決め装置の正面図である。
【
図2】
図1の自動位置決め装置に用いられる押圧部をセパレータディスクホルダに接近させた状態を示す要部の拡大正面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る位置調整方法を説明するための説明図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る位置調整方法を説明するための説明図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る位置調整方法を説明するための説明図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る位置調整方法を説明するための説明図である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係る位置調整方法を説明するための説明図である。
【
図10】本発明の第2実施形態に係る位置調整方法を説明するための説明図(平面図)である。
【
図11】本発明の第2実施形態に係る位置調整方法を説明するための説明図である。
【
図12】本発明の第2実施形態に係る位置調整方法を説明するための説明図である。
【
図13】本発明の第2実施形態に係る位置調整方法を説明するための説明図である。
【
図14】本発明の第2実施形態に係る位置調整方法を説明するための説明図である。
【
図15】本発明の第3実施形態に係る位置調整方法を説明するための説明図である。
【
図16】本発明の第3実施形態に係る位置調整方法を説明するための説明図である。
【
図17】本発明の第3実施形態に係る位置調整方法を説明するための説明図である。
【
図18】本発明の第3実施形態に係る位置調整方法を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、
図1~
図9を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る位置調整方法について説明する。説明の前提として、まず、この方法に用いるセパレータガイド100と自動位置決め装置200について説明する。
【0017】
(セパレータガイド)
本実施形態のセパレータガイド100は、セパレータシャフト1と、セパレータディスクホルダ2a・2b・2cと、弾性体リング3a・3bと、駆動機構4と、台座5と、支持機構6とを主要な構成として備えている(
図1参照)。
【0018】
セパレータシャフト1は、ほぼ水平方向に配設されている。図中符号11は、センターライン(スリットされた金属帯の中心位置)を仮想的に示している。
【0019】
セパレータディスクホルダ2a・2b・2cは、いずれも、円筒状のホルダ本体21と、ホルダ本体21の外周面に、外周方向に突出するように取り付けられたセパレータディスク22とから構成されている。ホルダ本体21は、セパレータシャフト1に嵌合されている。また、本実施形態の説明においては、セパレータディスクホルダを総称するときは符号2を用いる。
【0020】
ホルダ本体21は、セパレータシャフト1に嵌合される、例えばスチール製の剛体部211と、その外周側に配置された、例えばゴム製の弾性部212とから構成されている(
図2参照)。
【0021】
セパレータディスク22は外周側ほど細くなる先細り状となっており、セパレータディスク22の基部近傍の両面は、径方向に直線的に延長された平坦部23となっている(
図2参照)。平坦部23は、後述する押圧部9の当接部93が当接する部分である。セパレータディスク22は、ホルダ本体21の剛体部211に例えばピン止めにより、交換可能なように固定されている。
【0022】
弾性体リング3a・3bは、円筒状に構成されており、セパレータディスクホルダ2a・2b・2cの間に配置されて、セパレータシャフト1に嵌合されている。弾性体リング3a・3bの材質としては、この実施形態ではゴムが用いられているが、スリット金属帯を傷つけずに支持できるものであれば適宜の弾性材料を用いることができる。本実施形態の説明においては、弾性体リングを総称するときは符号3を用いる。
【0023】
駆動機構4は、台座5を介して支持機構6に固定されている。駆動機構4は、セパレータシャフト1の一端側(DS側)に取り付けられて、セパレータシャフト1を所定の方向に回転駆動させるようになっている。
【0024】
支持機構6の作業者側(WS側)には、支持機構6に対して回動可能なように、軸受部61が取り付けられている。軸受部61の先端には、セパレータシャフト1の作業者側の端部(WS側)を回転可能なように支持する軸受(図示せず)が取り付けられている。
【0025】
(自動位置決め装置)
自動位置決め装置200は、直動機構7と、直動機構7により駆動される直動部8と、直動部8に取り付けられた押圧部9とから構成されている。
【0026】
直動機構7は、ボールねじ機構やリニアモータにより直動部8を、直線方向(
図1中左右方向)に沿って、所定のタイミング及び位置において正逆方向に移動させることができるようになっている。直動機構7による直動部8の移動方向は、セパレータシャフト1の軸線方向と平行となっている。
【0027】
直動部8は、押圧部9を支持しており、かつ、所定のタイミングで、押圧部9を、セパレータディスクホルダ2に対して離間・接近させることができるようになっている。
【0028】
押圧部9は、略板状に形成されており(
図2~
図4参照)、押圧部9の下端には、内周面がほぼセパレータディスク22の内径(あるいはセパレータシャフト1の外径)に沿う形状とされた円弧部91が形成されている(
図3及び
図4参照)。円弧部91の下端部は、下方に延長された直線部92となっている。押圧部9の下端部の両側面(セパレータシャフト1の軸方向における両側面)は、セパレータディスク22の平坦部23に当接する当接部93とされている(
図2及び
図4参照)。この当接部93は、押圧部9を若干肉厚とすることにより、表面方向にわずかに突出しており(
図2参照)、平坦部23に確実に当接するようになっている。
【0029】
以上の構成により、本実施形態の自動位置決め装置200は、次の動作を行う構成となっている。
・第1のセパレータディスクホルダ2aを第2のセパレータディスクホルダ2bの方向に移動させることにより、弾性体リング3を第1のセパレータディスクホルダ2aからの押圧力によって移動させ、これにより、弾性体リング3を所定位置に配置する動作、及び
・第1及び第2のセパレータディスクホルダ2a・2bを、セパレータシャフト1の延長方向に沿う適宜の方向に移動させることにより、第1及び第2のセパレータディスクホルダ2a・2bを所定位置に配置する動作。
【0030】
詳しい自動位置決め動作については後述する。
【0031】
(位置調整方法)
次に、前記した本実施形態の装置を用いて、セパレータディスクホルダ2と弾性体リング3の位置を調整する方法について、
図5~
図9をさらに参照しながら順次説明する。以下の説明では、説明の便宜上、セパレータディスクホルダ2と弾性体リング3が
図1に示される状態で(つまりDS側に寄せられた状態で)セパレータシャフト1に取り付けられていると仮定する。また、自動位置決め装置200の動作内容は、あらかじめ使用者により入力されているものとする。
【0032】
(
図1→
図5)
まず、
図1の状態において、自動位置決め装置200の直動部8により、押圧部9の円弧部91をセパレータディスクホルダ2aのDS側に接近させる(
図2及び
図3参照)。このとき、押圧部9の円弧部91の内周面を、セパレータディスクホルダ2aのホルダ本体21の表面に十分に接近させることが好ましい。ただし、円弧部91の内周面がホルダ本体21の表面に接触しない位置とすることが好ましい。
【0033】
ついで、直動機構7により、直動部8を一方向(WS側)に移動させる。すると、押圧部9の先端の当接部93がセパレータディスクホルダ2a(第1のセパレータディスクホルダに相当)のセパレータディスク22の平坦部23(DS側)に当接する。さらに直動部8を同じ方向(つまりセパレータディスクホルダ2bの方向)に移動させると、押圧部9の押圧力により、弾性体リング3全体と、セパレータディスクホルダ2全体が、一方向に移動する(
図5参照)。弾性体リング3aが所定位置(本来設置されるべき位置)となったときに、押圧部9による押圧を停止する。このようにして、弾性体リング3aを所定位置に自動的に配置することができる。
【0034】
ここで、本実施形態では、セパレータディスク22の平坦部23を押圧部9の当接部93で押圧しているので、当接部93を平坦部23に面的に接触させることができ、これにより、セパレータディスク22への押圧を確実に行うことができる。また、当接部93を肉厚にすることで剛性を高めているので、押圧によるこの部分の変形を抑止することができる。さらに、円弧部91の下端部分を下方に延びる直線部92としたので、円弧部91の内周面をホルダ本体21に近づける際に、円弧部91の下端部分がホルダ本体21に干渉しない。また、この直線部92を設けたことにより、押圧部9とセパレータディスク22の接触面積を大きくすることができる。これにより、押圧部9からセパレータディスク22への押圧力の伝達をより確実に行うことができる。
【0035】
(
図5→
図6)
ついで、自動位置決め装置200の押圧部9を、直動部8により直動部8の方向に一旦退避させる。この状態で、押圧部9の位置が、セパレータディスクホルダ2aのセパレータディスク22の他面側(WS側)となるように、直動部8を直動機構7によりわずかに移動させる。
【0036】
ついで、直動部8により、押圧部9をセパレータディスクホルダ2aのホルダ本体21に接近させ、この状態で、直動機構7により、直動部8をDS側に移動させる(
図6参照)。これにより、直動部8によりセパレータディスクホルダ2aのセパレータディスク22を押圧して、セパレータディスクホルダ2aを所定位置に配置することができる。
【0037】
(
図6→
図7)
ついで、再び自動位置決め装置200の直動部8及び直動機構7を駆動し、前記と同様にして、セパレータディスクホルダ2bをWS側に移動させる。これにより、セパレータディスクホルダ2bよりもWS側にある弾性体リング3bとセパレータディスク2cとを、WS側に一緒に移動させることができる(
図7参照)。
【0038】
弾性体リング3bが所定位置に到達したら、直動部8の移動を停止させる。このようにして、弾性体リング3bを所定位置に配置することができる。
【0039】
(
図7→
図8)
ついで、自動位置決め装置200により、前記と同様にして、セパレータディスクホルダ2bをDS側に移動させる。これにより、セパレータディスクホルダ2bを所定位置に配置することができる。
【0040】
(
図8→
図9)
最後に、自動位置決め装置200により、押圧部9を介して、セパレータディスクホルダ2cをWS側に移動させる。これにより、セパレータディスクホルダ2cを所定位置に配置することができる。
【0041】
このようにして、各セパレータディスクホルダ2と、各弾性体リング3とを、所定位置に位置決めすることができる。
【0042】
また、本実施形態では、セパレータディスクホルダ2を介して弾性体リング3の位置決めを行っているので、自動位置決め装置200による位置決め動作が容易になるという利点がある。
【0043】
セパレータディスクホルダ2及び弾性体リング3の数が増減したが場合も、基本的に、前記と同様の動作によって位置決めが可能である。
【0044】
なお、前記した実施形態では、弾性体リング3aから位置決めしているが、これに限るものではない。例えば、セパレータディスクホルダ2及び弾性体リング3を全体としてWS側に一旦押し込んだ後、WS側にある弾性体リング3bから位置決めしていくことも可能である。この場合の手順は、左右が逆になる以外は、前記と実質的に同様である。
【0045】
(第2実施形態)
次に、本実施形態の第2実施形態に係る位置調整方法を、
図10~
図14に基づいて説明する。第2実施形態の説明においては、前記した第1実施形態で説明した要素と基本的に同様の要素については、同一符号を用いることにより、記載を簡潔にする。
【0046】
第2実施形態においては、ストック用シャフト300・400が用いられている。ストック用シャフト300には、幅の狭いスリット金属帯用のセパレータディスクホルダ302が取り付けられている。これらのセパレータディスクホルダ302は従来と同様のものでよい(
図10参照)。
【0047】
ストック用シャフト400には、第1実施形態で説明したセパレータディスクホルダ2と弾性体リング3が取り付けられている。この例では、セパレータディスクホルダ2a~2fと弾性体リング3a~3eがストック用シャフト400に嵌合されて取り付けられている(
図10参照)。
【0048】
また、この実施形態では、ストック用シャフト300・400の基部がDS側に配置され、セパレータシャフト1を駆動する駆動機構4がWS側に配置されている(
図10参照)。
【0049】
この例では、初期状態として、セパレータシャフト1にはセパレータディスクホルダ2及び弾性体リング3が取り付けられていない。これらをセパレータシャフト1に取り付けるときは、図示しない駆動装置によりストック用シャフト300・400を必要量だけ移動させて、ストック用シャフト400をセパレータシャフト1と同軸とする(
図11参照)。ついで、ストック用シャフト400を図示しない駆動装置により駆動して、ストック用シャフト400の端部と、これに対向するセパレータシャフト1の端部とを結合する(
図12参照)。この状態で、自動位置決め装置200の押圧部9により、DS側に配置されたセパレータディスクホルダ2aをWS側に向けて押圧し、セパレータディスクホルダ2全体、及び弾性体リング3全体をセパレータシャフト1のWS側に移動させる(
図13参照)。これにより、左右は逆になるが、実質的に
図1の状態を実現できる。以降は、自動位置決め装置200により、前記第1実施形態と同様の手法により、セパレータディスクホルダ2a~2fと弾性体リング3a~3eとをそれぞれ所定位置に位置決めすることができる(
図14参照)。ここで、第2実施形態では、第1実施形態とは左右逆であるため、WS側の弾性体リング3eから順次位置決めされる。もちろん、第1実施形態と同様に、DS側の弾性体リング3aから順次位置決めすることも可能である。当然のことながら、スリッターの動作時には、ストック用シャフト400をセパレータシャフト1から取り外す。
【0050】
セパレータディスクホルダ2をセパレータディスクホルダ302に交換するときは、
図14の状態から、自動位置決め装置200を用いてセパレータディスクホルダ2をストック用シャフト400に退避させたのち、ストック用シャフト300・400を移動させて、ストック用シャフト300からセパレータディスクホルダ302をセパレータシャフト1に取り付ければよい。
【0051】
第2実施形態における他の構成及び利点は、前記した第1実施形態と基本的に同様なので、これ以上詳しい説明は省略する。
【0052】
(第3実施形態)
次に、本実施形態の第3実施形態に係る位置調整方法を、
図15~
図18に基づいて説明する。第3実施形態の説明においては、前記した第1及び第2実施形態で説明した要素と基本的に同様の要素については、同一符号を用いることにより、記載を簡潔にする。
【0053】
第2実施形態においては、セパレータシャフト1に、幅狭スリット金属帯用のセパレータディスクホルダ102があらかじめ嵌合されている(
図15参照)。このセパレータディスクホルダ102は第2実施形態におけるセパレータディスクホルダ302と基本的に同様の構成となっている。
【0054】
また、この第2実施形態では、ストック用シャフト500に、セパレータディスクホルダ2及び弾性体リング3が取り付けられている。ストック用シャフト500とセパレータシャフト1とは同軸とされている。ストック用シャフト500は常設となっている。
【0055】
第3実施形態の位置調整方法においては、まず、セパレータディスクホルダ102をDS側に寄せておく(
図15参照)。ついで、セパレータガイド100の支持機構6の軸受部61を回動させ、軸受部61をセパレータシャフト1の端部から取り外す(
図15参照)。
【0056】
ついで、ブリッジ600をセパレータシャフト1とストック用シャフト500との間に架け渡す。ここまでの作業は作業者が行う。
【0057】
ついで、自動位置決め装置200の押圧部9により、ストック用シャフト500に嵌合されているセパレータディスクホルダ2fをセパレータシャフト1の方向に押圧し、セパレータディスクホルダ2と弾性体リング3のすべてをセパレータシャフト1に移動させる(
図16)。このとき、セパレータディスクホルダ2のDS側の端部がセパレータディスクホルダ102に当接するようにすれば、セパレータディスクホルダ2及び弾性体リング3の全体的な位置決めができる。
【0058】
ついで、前記した第1実施形態と同様にして、自動位置決め装置200により、セパレータディスクホルダ2及び弾性体リング3の位置を所定位置に調整する(
図17参照)。
【0059】
ついで、支持機構6の軸受部61を逆方向に回動させ、軸受部61の軸受け(図示せず)をセパレータシャフト1の端部に取り付ける(
図18参照)。
【0060】
幅狭スリット金属帯用のセパレータディスクホルダ102を使う場合は、軸受部61を回動させ、ブリッジ600を取り付けて
図17の状態にした後、自動位置決め装置200により、幅広スリット金属帯用のセパレータディスクホルダ2の端部を押圧し、セパレータディスクホルダ2及び弾性体リング3の全体をストック用シャフト500に移動させる。そしてセパレータディスクホルダ102の位置決めを行うことができる。
【0061】
第3実施形態における他の構成及び利点は、前記した第1実施形態と基本的に同様なので、これ以上詳しい説明は省略する。
【0062】
なお、本発明の内容は、前記実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲に記載された範囲内において、具体的な構成に対して種々の変更を加えうるものである。
【符号の説明】
【0063】
1 セパレータシャフト
11 センターライン
2(2a~2g) セパレータディスクホルダ(第1及び第2のセパレータディスクホルダ)
21 ホルダ本体
211 剛体部
212 弾性部
22 セパレータディスク
23 平坦部
3(3a~3e) 弾性体リング
4 駆動機構
5 台座
6 支持機構
61 軸受部
7 直動機構
8 直動部
9 押圧部
91 円弧部
92 直線部
93 当接部
100 セパレータガイド
102 セパレータガイドのセパレータディスクホルダ
200 自動位置決め装置
300・400・500 ストック用シャフト
302 ストック用シャフトのセパレータディスクホルダ
600 ブリッジ