(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115498
(43)【公開日】2023-08-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230814BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20230814BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017741
(22)【出願日】2022-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】黒田 宏
(72)【発明者】
【氏名】杉本 マキ
(72)【発明者】
【氏名】菅野 泰史
(72)【発明者】
【氏名】山本 義徳
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】 移動収容体の利用状況を管理するための装置及び方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、内部に人を収容可能な移動収容体を移動収容体の停留場所にて利用する際に、移動収容体の利用状況に関する処理を実行する情報処理装置であって、移動収容体の現状に関する情報を取得する取得部と、取得された情報に基づいて、停留場所、利用状況に応じて変化する指標、及び、移動収容体の配置状態のうち、少なくとも一つの項目を特定する特定部と、特定された少なくとも一つの項目に基づいて、前記利用状況の適否を判定する判定部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に人を収容可能な移動収容体を該移動収容体の停留場所にて利用する際に、前記移動収容体の利用状況に関する処理を実行する情報処理装置であって、
前記移動収容体の現状に関する情報を取得する取得部と、
取得された前記情報に基づいて、前記停留場所、前記利用状況に応じて変化する指標、及び、前記移動収容体の配置状態のうち、少なくとも一つの項目を特定する特定部と、
特定された前記少なくとも一つの項目に基づいて、前記利用状況の適否を判定する判定部と、を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記移動収容体の現在の前記停留場所に関する位置情報と、前記停留場所に該当する土地の利用契約に関する契約情報と、を取得し、
前記特定部は、前記位置情報から、前記移動収容体の現在の前記停留場所を特定し、
前記判定部は、特定された前記停留場所から、該停留場所での前記移動収容体の利用が前記利用契約の内容に合致するかどうかの第1判定を実施し、前記第1判定の結果に基づいて、前記利用状況の適否を判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記移動収容体の現在の前記指標を示す指標情報を取得し、
前記特定部は、前記指標情報から、前記移動収容体の現在の前記指標を特定し、
前記判定部は、特定された前記指標から、前記移動収容体が現在稼働しているかどうかの第2判定を実施し、前記第2判定の結果に基づいて、前記利用状況の適否を判定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記移動収容体の現在の前記配置状態を示す状態情報を取得し、
前記特定部は、前記状態情報から、前記移動収容体の現在の前記配置状態を特定し、
前記判定部は、特定された前記配置状態から、前記移動収容体が正しく配置されているかどうかの第3判定を実施し、前記第3判定の結果に基づいて、前記利用状況の適否を判定する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定部は、前記配置状態として、前記停留場所に置かれた前記移動収容体の傾き、向き及び振動の有無のうち、少なくとも一つを特定する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記第1判定、前記第2判定及び前記第3判定の各々の結果に基づいて、前記利用状況の適否を判定する、請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部は、前記移動収容体の現在の周辺状況に関する周辺情報をさらに取得し、
前記特定部は、前記周辺情報から、前記移動収容体の現在の前記周辺状況を特定し、
前記判定部は、特定された前記少なくとも一つの項目、及び、特定された前記周辺状況に基づいて、前記利用状況の適否を判定する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、前記移動収容体の現在の前記停留場所を含む地域について災害予想情報をさらに取得し、
前記特定部は、前記災害予想情報から、前記地域における災害予想の内容を特定し、
前記判定部は、特定された前記少なくとも一つの項目、及び、特定された前記災害予想の内容に基づいて、前記利用状況の適否を判定する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記判定部による判定結果に応じた通知情報を、予め設定された通知先に通知する通知部をさらに備える、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記移動収容体は、トレーラハウスである、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
内部に人を収容可能な移動収容体を該移動収容体の停留場所にて利用する際に、前記移動収容体の利用状況に関する処理を実行する情報処理方法であって、
コンピュータにより、
前記移動収容体の現状に関する情報を取得する処理と、
取得された前記情報に基づいて、前記停留場所、前記利用状況に応じて変化する指標、及び、前記移動収容体の配置状態のうち、少なくとも一つの項目を特定する処理と、
特定された前記少なくとも一つの項目に基づいて、前記利用状況の適否を判定する処理と、を実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び情報処理方法に係り、特に、内部に人を収容可能な移動収容体をその停留場所にて利用する場合に、移動収容体の利用状況を管理するための情報処理装置、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トレーラハウスやキャンピングカー等のように、人が活動可能なスペースを備えた乗物(以下、移動収容体)は、宿泊用、イベント用、又は小規模店舗用等の多岐の目的で利用される。
【0003】
移動収容体を利用する場合には利用状況が管理され、例えば、移動収容体のオーナーが移動収容体を貸し出すケースでは、予約及び貸出の状況等を把握し、また、貸し出した移動収容体の現在位置等を監視することになる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、移動収容体を利用する際には、移動収容体を所定の停留場所に停留させ、その場所で適用される規則又はルールに従って利用する必要がある。そのため、例えば、移動収容体の貸出業者、あるいは、移動収容体が利用される場所の管理者等は、移動収容体が適切に利用されているかどうかを監視し、不適切な利用が発覚した場合には対処することになる。
【0006】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、移動収容体の利用状況を管理するための情報処理装置及び情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題は、本発明の情報処理装置によれば、内部に人を収容可能な移動収容体を移動収容体の停留場所にて利用する際に、移動収容体の利用状況に関する処理を実行する情報処理装置であって、移動収容体の現状に関する情報を取得する取得部と、取得された情報に基づいて、停留場所、利用状況に応じて変化する指標、及び、移動収容体の配置状態のうち、少なくとも一つの項目を特定する特定部と、特定された少なくとも一つの項目に基づいて、利用状況の適否を判定する判定部と、を備えることにより解決される。
【0008】
上記のように構成された本発明の情報処理装置では、移動収容体の現状に関する情報を取得し、その情報から特定される内容に基づいて、移動収容体の利用状況の適否を判定することができる。
【0009】
また、上記の情報処理装置において、取得部は、移動収容体の現在の停留場所に関する位置情報と、停留場所に当する土地の利用契約に関する契約情報と、を取得してもよい。この場合、特定部は、位置情報から、移動収容体の現在の停留場所を特定し、判定部は、特定された停留場所から、停留場所での移動収容体の利用が利用契約の内容に合致するかどうかの第1判定を実施し、第1判定の結果に基づいて、利用状況の適否を判定すると、好適である。
上記の構成によれば、移動収容体の現在の停留場所に基づいて、移動収容体の利用状況の適否を判定することができる。
【0010】
また、上記の情報処理装置において、取得部は、移動収容体の現在の指標を示す指標情報を取得してもよい。この場合、特定部は、指標情報から、移動収容体の現在の指標を特定し、判定部は、特定された指標から、移動収容体が現在稼働しているかどうかの第2判定を実施し、第2判定の結果に基づいて、利用状況の適否を判定すると、好適である。
上記の構成によれば、移動収容体の利用状況に応じた指標に基づいて、移動収容体の利用状況の適否を判定することができる。
【0011】
また、上記の情報処理装置において、取得部は、移動収容体の現在の配置状態を示す状態情報を取得してもよい。この場合、特定部は、状態情報から、移動収容体の現在の配置状態を特定し、判定部は、特定された配置状態から、移動収容体が正しく配置されているかどうかの第3判定を実施し、第3判定の結果に基づいて、利用状況の適否を判定すると、好適である。
上記の構成によれば、移動収容体の現在の配置状態に基づいて、移動収容体の利用状況の適否を判定することができる。
【0012】
また、上記の構成において、特定部は、配置状態として、停留場所に置かれた移動収容体の傾き、向き及び振動の有無のうち、少なくとも一つを特定すると、より好適である。
上記の構成によれば、移動収容体の現在の傾き、向き及び振動の有無から、移動収容体の利用状況の適否を判定することができる。
【0013】
また、上記の情報処理装置において、判定部は、第1判定、第2判定及び第3判定の各々の結果に基づいて、利用状況の適否を判定すると、より一段と好適である。
上記の構成によれば、移動収容体の現在位置、利用状況に応じた指標、及び現在の配置状態を総合して、移動収容体の利用状況の適否を判定することができる。
【0014】
また、上記の情報処理装置において、取得部は、移動収容体の現在の周辺状況に関する周辺情報をさらに取得してもよい。この場合、特定部は、周辺情報から、移動収容体の現在の周辺状況を特定し、判定部は、特定された少なくとも一つの項目、及び、特定された周辺状況に基づいて、利用状況の適否を判定すると、好適である。
上記の構成によれば、移動収容体の現在の周辺状況を加味して、移動収容体の利用状況の適否を判定することができる。
【0015】
また、上記の情報処理装置において、取得部は、移動収容体の現在の停留場所を含む地域について災害予想情報をさらに取得してもよい。この場合、特定部は、災害予想情報から、地域における災害予想の内容を特定し、判定部は、特定された少なくとも一つの項目、及び、特定された災害予想の内容に基づいて、利用状況の適否を判定すると、好適である。
上記の構成によれば、移動収容体が現在停留している地域における災害予想の内容を加味して、移動収容体の利用状況の適否を判定することができる。
【0016】
また、上記の情報処理装置は、判定部による判定結果に応じた通知情報を、予め設定された通知先に通知する通知部をさらに備えてもよい。
上記の構成によれば、移動収容体の利用状況の適否を、所定の通知先に通知することができる。これにより、必要に応じて、移動収容体の利用状況を是正する措置を講じることができる。
【0017】
また、本発明の一つの実施形態として、移動収容体は、トレーラハウスであってもよい。
【0018】
また、前述の課題は、本発明の情報処理方法によれば、内部に人を収容可能な移動収容体を移動収容体の停留場所にて利用する際に、移動収容体の利用状況に関する処理を実行する情報処理方法であって、コンピュータにより、移動収容体の現状に関する情報を取得する処理と、取得された情報に基づいて、停留場所、利用状況に応じて変化する指標、及び、移動収容体の配置状態のうち、少なくとも一つの項目を特定する処理と、特定された少なくとも一つの項目に基づいて、利用状況の適否を判定する処理とを実行することで解決される。
上記の情報処理方法によれば、移動収容体の現状に関する情報を取得し、その情報から特定される内容に基づいて、移動収容体の利用状況の適否を判定することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、移動収容体の現状に関する情報を基に、移動収容体の利用状況の適否を判定することができ、移動収容体の利用状況を監視することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】トレーラハウスが停留場所にて利用されている様子を示す図である。
【
図2】本発明の情報処理装置を含む通信システムの概念図を示す図である。
【
図3】本発明の情報処理装置の機能についての説明図である。
【
図4】本発明の情報処理装置が取得する情報についての説明図である。
【
図5】互いに隣り合う位置に配置された複数のトレーラハウスを上方から見た図である。
【
図6】本発明の一つの実施形態に係る情報処理フローを示す図である。
【
図7】利用状況に関する情報の通知経路に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<<本発明の一つの実施形態について>>
本発明は、移動収容体の利用を管理する技術に関するものであり、具体的には、移動収容体の利用状況を監視(詳しくは、遠隔監視)するためのものである。以下、本発明の一つの実施形態(以下、本実施形態)について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0022】
[移動収容体について]
移動収容体は、内部に人を収容可能な機器であり、具体的には、トレーラハウス及びキャンピングカー等のように、移動収容体の利用者(以下、単に利用者)が移動収容体の内部で所定の活動を行うことができるものである。移動収容体内で行われる活動は、利用者が移動収容体を利用して行う活動、例えば日常生活(宿泊を含む)、事業活動、サービス提供、及びその他の活動であるが、移動収容体の移動に関する活動、つまり乗物の運転は除外される。
【0023】
また、移動収容体は、目的地に向かって移動し、目的地に到達した後に、その場所(停留場所)にて停留した状態で利用される。「停留」とは、移動収容体を停止させて静置させることであり、交通法規や道路の信号機等によって移動を一時的に中断することを除く。また、停留場所で利用するとは、停留場所において利用者が所望の目的で移動収容体の内部スペース及び移動収容体に備わった機器を利用することを意味する。
【0024】
以下では、移動収容体がトレーラハウスTであるケースを例に挙げて説明することとする。なお、トレーラハウスTは、不図示の牽引車(ピラー)によって牽引されるものでもよく、あるいは、トレーラハウスT自体にエンジンが搭載されて自走可能なものでもよい。
【0025】
トレーラハウスTは、
図1に示すように、コンテナ型のハウス本体Thと、ハウス本体Thの下部に取り付けられた車輪とを有する。ハウス本体Thの内部には、人を収容することが可能である。具体的に説明すると、ハウスThの側壁には開閉自在な扉が設けられており、扉が開いた状態では、ハウス本体Thの内部が屋外空間に対して露出して、人がハウス本体Thの内部に自由に出入りすることができる。
【0026】
また、ハウス本体12の内部には、例えば、トレーラハウスTの利用目的に応じた機器が据え付けられている。例えば、宿泊用途で利用されるトレーラハウスTには、トイレ、キッチン又はユニットバス(風呂)、冷蔵庫又はレンジ等の調理家電、その他の電化製品等、用途に応じた機器が配置されている。また、ハウス本体T内に据え付けられた機器には、その機器を利用するために必要な資源、具体的には水(上水)及び電気等が、ハウス本体12の外に設置された不図示の供給源(インフラ)から供給される。
【0027】
トレーラハウスTには、トレーラハウスTの現状をモニタリングするための機器(監視用機器)が搭載されている。監視用機器の種類及び台数等は、特に限定されないが、例えば、トレーラハウスTの現在位置を測定するGPS(Global Positioning System)用のセンサ、トレーラハウスTの傾きを測定するジャイロセンサ、トレーラハウスTの振動を検知する加速度センサ、及び、トレーラハウスTの積載荷重を測定する荷重センサ等が含まれてもよい。さらに、トレーラハウスの周辺状況を撮影する車載カメラが含まれてもよい。
【0028】
また、上記の監視用機器には、トレーラハウスTの利用に伴って変動するハウス本体Th内の指標(特徴量及び物理量)を計測する機器がさらに含まれてもよい。例えば、ハウス本体Th内での電力消費量を計測する機器、ハウス本体Th内での明るさ(照度)を計測する機器、ハウス本体Thの側壁に設けられた扉の開閉回数をカウントする機器、及び、ハウス本体Th内への人の出入数をカウントする機器等が含まれてもよい。
【0029】
そして、上記の監視用機器によって得られる情報は、トレーラハウスTに搭載された通信用ユニット(不図示)を通じて、インターネット又はモバイル回線等の外部ネットワークに接続された機器に向けて随時、又は定期的に送信される。
【0030】
上述したトレーラハウスTは、例えば貸出業者(以下、単に業者)によって利用者に貸し出される。利用者は、業者に対して、トレーラハウスTの予約手続を行うことで、予約内容に応じて貸し出されたトレーラハウスTを利用することができる。利用者は、トレーラハウスTを宿泊施設として利用する個人又は団体でもよく、あるいは、トレーラハウスTを小規模店舗として利用する事業者(テナント事業者)でもよい。
【0031】
また、トレーラハウスTを利用するにあたり、業者は、トレーラハウスTの利用場所、(すなわちトレーラハウスTの停留場所)に該当する土地の利用契約を、その土地の管理者と締結する。土地の管理者は、例えば、利用対象の土地を管轄する自治体、又は、その土地の利用に関する業務を請け負う行政機関等であってもよい。利用者は、上記の利用契約の内容に従って、トレーラハウスTを停留場所(つまり、利用契約の対象となる土地)にて利用することができる。なお、土地の利用契約は、利用者がその土地の管理者と直接交渉して締結してもよい。
【0032】
[本実施形態に係る情報処理装置の構成]
次に、本実施形態において移動収容体(具体的には、トレーラハウスT)の利用状況に関する処理を実行する情報処理装置(以下、情報処理装置10)について、
図2及び3を参照しながら説明する。
なお、「装置」という概念には、特定の機能を一台で発揮する単一の装置が含まれるとともに、分散してそれぞれが独立して存在しつつも協働(連携)して特定の機能を発揮する複数の装置も含まれることとする。
【0033】
情報処理装置10は、コンピュータによって構成され、例えば業者が使用可能な業者用PC(Personal Computer)、あるいはサーバコンピュータ、若しくは業者用PCとサーバコンピュータとの組み合わせによって構成される。情報処理装置10は、
図2に示すように、プロセッサ11、メモリ12、ストレージ13、通信用インタフェース14、入力装置15及び出力装置16を有する。
【0034】
プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、TPU(Tensor Processing Unit)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成される。
メモリ12は、例えばROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリによって構成される。
【0035】
ストレージ13は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、FD(Flexible Disc)、MOディスク(Magneto-Optical disc)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SDカード(Secure Digital card)、又はUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)等によって構成される。なお、ストレージ13は、情報処理装置10を構成するコンピュータ本体内に内蔵されてもよく、外付け形式でコンピュータ本体に取り付けてもよく、あるいは、ネットワーク上に存在する外部サーバ(例えば、データベースサーバ)によって構成されてもよい。
【0036】
通信用インタフェース14は、例えばネットワークインターフェースカード、又は通信インタフェースボード等によって構成される。情報処理装置10を構成するコンピュータは、通信用インタフェース14を通じて、インターネット又はモバイル通信回線等の外部ネットワーク17に接続された他の機器と通信可能である。
【0037】
入力装置15は、例えばキーボード、マウス又はタッチパネル等によって構成される。
出力装置16は、例えばディスプレイ及びスピーカ等によって構成される。
【0038】
また、情報処理装置10を構成するコンピュータには、ソフトウェアとして、オペレーティングシステム(OS)用のプログラム、及び、トレーラハウスの利用を管理するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。
【0039】
また、情報処理装置10は、外部ネットワーク17を通じて、利用中のトレーラハウスT(詳しくは、トレーラハウスTに搭載された通信ユニット)と通信して、そのトレーラハウスTから情報を入手することができる。トレーラハウスTから入手可能な情報には、後述の位置情報、指標情報、及び状態情報が含まれる。
【0040】
また、情報処理装置10は、トレーラハウスTの利用者が使用する端末(以下、利用者端末18)、及び、利用中のトレーラハウスTの停留場所に該当する土地の管理者が使用する端末(以下、管理者端末19)と通信して、これらの端末から情報を取得することができる。利用者端末18から入手可能な情報には、利用者の識別情報、及び、利用者の個人情報等が含まれる。管理者端末19から入手可能な情報には、後述の契約情報及び災害予想情報等が含まれる。
【0041】
以上のように、情報処理装置10は、外部ネットワーク17を通じて通信可能に接続されたトレーラハウスT、利用者端末18及び管理者端末19とともに、トレーラハウスTの利用状況を遠隔で管理するための通信システム(以下、利用状況管理システムS)を構築する。
【0042】
情報処理装置10の構成について機能面から改めて説明すると、情報処理装置10は、
図3に示すように、取得部21、特定部22、判定部23、及び通知部24を有する。これらの機能部は、情報処理装置10を構成するコンピュータに備わるハードウェア機器と、そのコンピュータにインストールされたソフトウェアとしてのプログラムとの協働によって実現される。以下、上述の各機能部について説明する。
【0043】
(取得部)
取得部21は、トレーラハウスTの利用状況を管理するために必要な各種の情報を取得する。情報を取得する方法は、外部ネットワーク17に接続された機器(例えば、トレーラハウスT、利用者端末18及び管理者端末19)と通信することで当該機器から情報を受信することに限られず、例えば、受信した情報を解析することで新たな情報を取得してもよい。また、情報処理装置10の操作者(オペレータ)が、トレーラハウスTの利用状況を電話等で確認し、確認した内容を入力装置15により入力することで情報を取得してもよい。
【0044】
取得部21は、トレーラハウスTの現状に関する情報として、位置情報、指標情報及び状態情報を取得するように構成されている。これらの情報は、例えば、利用中のトレーラハウスTとの通信によって取得可能である。
位置情報は、トレーラハウスTの現在の停留場所に関する情報である。位置情報には、
図4に示すように、利用中のトレーラハウスTの識別情報(ID)、そのトレーラハウスTの現在位置(停留場所)の経度及び緯度、並びに、位置情報の取得時刻等が含まれる。
【0045】
指標情報は、トレーラハウスTの現在の指標を示す情報である。指標は、トレーラハウスTの利用状況に応じて変化する値、特徴又は内容であり、トレーラハウスTの稼働状態、ハウス本体Th内の状態(具体的には、ハウス本体Th内に据え付けられた機器の作動状況)、及びトレーラハウスTへの人の往来状況等を反映している。指標情報には、
図4に示すように、利用中のトレーラハウスTの識別情報(ID)、そのトレーラハウスTの現在の指標(詳しくは、各指標の現在値など)、及び、指標情報の取得時刻等が含まれる。また、一つの指標情報が示す指標の種類は、1種類でもよく、あるいは
図4に示すように2以上の種類でもよい。
【0046】
なお、指標情報が示す指標の例としては、ハウス本体Th内での電力消費量、ハウス本体Thに搭載されたバッテリの蓄電量の残量、ハウス本体Th内での明るさ(照度)、ハウス本体Thに設けられた扉の開閉回数、ハウス本体Th内への人の出入数、及び室内の画像(撮影映像)等が含まれる。
【0047】
状態情報は、トレーラハウスTの現在の配置状態を示す情報である。配置状態には、停留場所に置かれたトレーラハウスTの傾き、向き及び振動の有無が含まれる。傾きは、地面に対するハウス本体Thの傾き具合、換言すると姿勢である。向きは、トレーラハウスTの正面が向く向き(方角)である。振動の有無は、トレーラハウスT周辺に居る人又は機器等によって付与される外力によって生じるトレーラハウスTの振動の有無である。状態情報には、
図4に示すように、利用中のトレーラハウスTの識別情報(ID)、そのトレーラハウスTの現在の配置状態、及び、状態情報の取得時刻等が含まれる。また、一つの状態情報が示す配置状態の種類は、1種類でもよく、あるいは
図4に示すように2以上の種類でもよい。
【0048】
また、取得部21は、トレーラハウスTの利用者に関する情報(利用者情報)を取得するように構成されている。利用者情報は、トレーラハウスTを利用している利用者の端末(利用者端末18)との通信によって取得可能である。利用者情報には、
図4に示すように、利用者の識別情報(ID)と、その利用者によるトレーラハウスTの予約に関する情報(例えば、予約番号)等が含まれる。
【0049】
また、取得部21は、トレーラハウスTの停留場所(すなわち、トレーラハウスTの利用場所)に該当する土地の利用契約に関する契約情報を取得するように構成されている。契約情報は、その土地の管理者の端末(管理者端末19)との通信によって取得可能である。契約情報には、
図4に示すように、利用契約の内容、具体的には、利用対象の場所、契約期間、及び、契約当事者等が含まれる。
なお、契約情報の取得元については、管理者端末19には限定されず、例えば、トレーラハウスTの利用者の端末(利用者端末18)から契約情報を取得してもよい。
【0050】
また、取得部21は、上記の情報に加えて、周辺情報及び災害予想情報をさらに取得してもよい。周辺情報は、利用中のトレーラハウスTの現在の周辺状況を示す情報である。周辺状況には、トレーラハウスT周辺の建造物、壁、崖及び河川等のようにトレーラハウスTの利用又は搬送に影響を及ぼす物(自然物を含む)の有無、及び、トレーラハウスTの停留場所が属する地域の地形等が含まれる。
【0051】
また、トレーラハウスT付近に隣接トレーラハウスTxが配置されている場合、隣接トレーラハウスTxとの位置関係、及び、隣接トレーラハウスTxの向き等も周辺情報に含まれ得る。隣接トレーラハウスTxとは、
図5に示すように、複数のトレーラハウスTをステージ台P周りに集合させて利用する場合において、一台のトレーラハウスTと隣り合う位置に配置されたトレーラハウスTである。ちなみに、
図5には、ステージ台Pの角を挟んで隣り合う位置に配置された2台のトレーラハウスTが示されており、一方のトレーラハウスTから見て、もう一方のトレーラハウスTが隣接トレーラハウスTxに該当する。
【0052】
なお、周辺情報の取得元及び取得方法については、特に限定されないが、例えば、上述した位置情報と地図情報とを照合し、トレーラハウスTの停留場所周辺における地形や建物の有無等を地図上で認識することで周辺情報を取得してもよい。また、トレーラハウスTの車載カメラによって撮影された画像を解析することで周辺情報を取得してもよい。あるいは、利用者が利用者端末18を通じて周辺情報を入力するケースでは、利用者端末18との通信を通じて、利用者により入力された周辺情報を取得してもよい。
【0053】
災害予想情報は、ハザードマップ等のように、トレーラハウスTの現在の停留場所を含む地域について、災害予想の内容を示す情報である。
なお、災害予想情報の取得元及び取得方法については、特に限定されないが、トレーラハウスTの現在の停留場所が該当する土地の管理者の端末(管理者端末19)との通信によって取得してもよい。あるいは、各地域の自治体が運用するサーバ(不図示)から災害予想情報が配信される場合には、その情報を受信することで災害予想情報を取得してもよい。
【0054】
(特定部)
特定部22は、取得部21により取得された上述の情報に基づいて、トレーラハウスTの現在の停留場所、現在の指標、及び、現在の配置状態のうち、少なくとも一つの項目を特定する。特に、本実施形態では、特定部22が上記3つの項目すべてを特定する。具体的に説明すると、特定部22は、利用中のトレーラハウスTについて取得した位置情報から、そのトレーラハウスTの現在の停留場所を特定する。また、特定部22は、利用中のトレーラハウスTについて取得した指標情報から、そのトレーラハウスTの現在の指標を特定する。また、特定部22は、利用中のトレーラハウスTについて取得した状態情報から、そのトレーラハウスTの現在の配置状態を特定する。
【0055】
また、取得部21が周辺情報を取得した場合、特定部22は、その周辺情報から、周辺情報が取得されたトレーラハウスTの現在の周辺状況を特定してもよい。また、取得部21が、トレーラハウスTの現在の停留場所を含む地域について災害予想情報を取得した場合、その地域における災害予想の内容を特定してもよい。
【0056】
(判定部)
判定部23は、特定部22によって特定された項目に基づいて、利用中のトレーラハウスTについて利用状況の適否を判定する。本実施形態では、特定部22によって特定される項目が、トレーラハウスTの現在の停留場所、現在の指標、及び、現在の配置状態であり、判定部23は、これら3つの項目に基づいて利用状況の適否を判定する。
【0057】
具体的に説明すると、判定部23は、特定部22により特定されたトレーラハウスTの現在の停留場所と、取得部21により取得された利用者情報及び契約情報とに基づいて、第1判定を行う。第1判定では、トレーラハウスTの利用者と、その利用者に適用される利用契約を利用者情報及び契約情報から認識する。そして、第1判定では、特定部22により特定された停留場所から、当該停留場所でのトレーラハウスTの利用が上記の利用契約の内容に合致するかどうかを判定する。より分かり易くは、現在の停留場所が、契約された利用対象の場所と一致しているかを判定する。
【0058】
また、判定部23は、特定部22により特定されたトレーラハウスTの現在の指標に基づいて、第2判定を行う。第2判定では、特定部22により特定された現在の指標から、トレーラハウスTが現在稼働しているかどうか、より詳しくは、トレーラハウスTが利用者の目的に応じて利用されているか、例えば、ハウス本体Th内の機器が作動しているかどうかを判定する。
【0059】
また、判定部23は、特定部22により特定されたトレーラハウスTの現在の配置状態に基づいて、第3判定を行う。第3判定では、特定部22により特定された現在の配置状態から、トレーラハウスTが正しく配置されているかどうか、より詳しくは、トレーラハウスTが停留場所にて正常な姿勢で安定して配置されているかを判定する。
【0060】
そして、判定部23は、第1判定、第2判定及び第3判定の各々の結果に基づいて、トレーラハウスTの利用状況の適否を判定する。具体的には、上記3つの判定すべてにおいて肯定的な判定結果が得られた場合、判定部23は、トレーラハウスTの利用が適正であると判定する。反対に、上記3つの判定のいずれかにおいて否定的な判定結果が得られた場合、判定部23は、トレーラハウスTの利用が適正でないと判定する。
【0061】
また、特定部22がトレーラハウスTの現在の周辺状況を特定した場合、判定部23は、第1判定、第2判定及び第3判定の各々の結果に加え、特定された周辺状況に基づいて、トレーラハウスTの利用状況の適否を判定してもよい。この場合、例えば、トレーラハウスTの利用及び搬送に支障をきたす建物等がトレーラハウスTの周辺に存在する状況であるならば、トレーラハウスTの利用が適正でないと判定してもよい。また、隣接トレーラハウスTxが存在し、隣接トレーラハウスTxの向き及び位置等が、隣接トレーラハウスTxと隣り合うトレーラハウスTの搬送に支障をきたす状況であるならば、そのトレーラハウスTの利用が適正でないと判定してもよい。
【0062】
また、特定部22がトレーラハウスTの現在の停留場所を含む地域における災害予想の内容を特定した場合、判定部23は、第1判定、第2判定及び第3判定の各々の結果に加え、特定された災害予想の内容に基づいて、トレーラハウスTの利用状況の適否を判定してもよい。この場合、例えば、トレーラハウスTの現在の停留場所を含む地域において、数時間以内に集中豪雨等による被害が発生する確率が所定値以上であれば、トレーラハウスTの利用が適正でないと判定してもよい。
【0063】
(通知部)
通知部24は、判定部23による判定結果に応じた通知情報を、予め設定された通知先に通知する。通知情報は、例えば、トレーラハウスTの利用状況が適正でないという判定結果である場合には、警告等のように利用の是正を促す情報である。ただし、これに限定されず、トレーラハウスTの利用状況が適切であるという判定結果が得られた場合に、その判定結果を知らせる通知情報を通知してもよい。
【0064】
なお、通知情報を通知する方法については特に限定されず、例えば、警告等のメッセージを表示するためのデータを通知先の端末に向けて送信してもよく、また、通知情報に相当する音声を出力させるためのデータを通知先の端末に向けて送信してもよい。
【0065】
また、通知情報の通知先についても特に限定されないが、一般的な運用を考えると、
図7にて実線で示した経路のように、先ず、トレーラハウスTを貸し出す業者に対して通知情報を通知するのがよく、通知情報を踏まえた内容を、業者から利用者又は土地の管理者に連絡する形が好ましい。ただし、通知情報が緊急性を要する内容の情報、例えば、トレーラハウスTの停留場所を含む地域で数時間以内に災害が発生する可能性が高いという内容の情報である場合には、
図7にて破線で示した経路のように、業者を介さず、利用者又は土地の利用者に対して通知情報を直接通知してもよい。また、特に緊急の場合には、
図7にて一点鎖線で示した経路のように、業者を含めた三者に対して一斉に通知情報を通知してもよい。
【0066】
[本実施形態に係る情報処理フローについて]
以下、上述した情報処理装置10を用いた情報処理フロー、具体的には、トレーラハウスTの利用状況を管理する情報処理フロー(以下、利用状況管理フロー)について説明する。利用状況管理フローは、本発明の情報処理方法を採用しており、
図6に示す流れに沿って進行する。つまり、
図6に示す利用状況管理フロー中の各ステップは、本発明の情報方法の構成要素に該当する。なお、
図6に示す情報処理フローは、あくまでも一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、ステップの実施順序を入れ替えてもよい。
【0067】
利用状況管理フローは、停留場所で利用されているトレーラハウスTを対象として、当該トレーラハウスTの利用期間における所定の時点(例えば、利用開始時点)に実施され、あるいは利用期間中、一定の周期で継続的に実施される。利用状況管理フローの各ステップは、情報処理装置10を構成するコンピュータによって実施される。
【0068】
利用状況管理フローでは、先ず、管理対象のトレーラハウスT(以下、対象トレーラハウス)の現状に関する情報、具体的には、対象トレーラハウスの位置情報、指標情報、及び状態情報を取得する(S001)。また、
図6には記載していないが、ステップS001と同時、又は、ステップS001に先立って、対象トレーラハウスの停留場所に該当する土地の利用契約に関する契約情報を取得する。
【0069】
また、ステップS001では、上記の情報に加えて、対象トレーラハウスについて周辺情報を取得してもよい。さらに、ステップS001では、対象トレーラハウスの現在の停留場所を含む地域について災害予想情報を取得してもよい。
【0070】
次に、ステップS001にて取得した情報から、対象トレーラハウスの現在の停留場所、現在の指標、及び、現在の配置状態を特定する(S002)。また、ステップS001にて周辺情報を取得している場合、ステップS002では、対象トレーラハウスの現在の周辺状況を特定するとよい。また、ステップS001にて災害予想情報を取得している場合、ステップS002では、対象トレーラハウスの現在の停留場所を含む地域における災害予想の内容を特定するとよい。
【0071】
次に、ステップS002で特定された3つの項目に基づいて、対象トレーラハウスの利用状況の適否を判定する(S003)。具体的には、ステップS002で特定された現在の停留場所から、当該停留場所での対象トレーラハウスの利用が、上記の利用契約の内容に合致するかどうかの第1判定を実施する。また、ステップS002で特定された現在の指標から、対象トレーラハウスが現在稼働しているかどうか(利用されているかどうか)の第2判定を実施する。また、ステップS002で特定された現在の配置状態から、対象トレーラハウスが停留場所にて正しく配置されているかどうかの第3判定を実施する。そして、第1判定、第2判定及び第3判定のそれぞれの判定結果に基づいて、対象トレーラハウスの利用状況の適否を判定する。
【0072】
また、ステップS002で対象トレーラハウスの現在の周辺状況を特定した場合には、第1判定、第2判定及び第3判定のそれぞれの判定結果と、特定された周辺状況とに基づいて、対象トレーラハウスの利用状況の適否を判定するとよい。また、ステップS002で災害予想の内容を特定した場合には、第1判定、第2判定及び第3判定のそれぞれの判定結果と、特定された災害予想の内容とに基づいて、対象トレーラハウスの利用状況の適否を判定するとよい。
【0073】
その後のフローは、ステップS003での判定結果に応じて変わり、利用状況が適正であるという判定結果が得られた場合には(S004でYes)、その時点で利用状況管理フローが終了する。
他方、利用状況が適正でないという判定結果が得られた場合には(S004でNo)、判定結果に応じた通知情報を所定の通知先、例えば、業者に対して通知する(S005)。そして、通知情報の通知が完了した時点で、利用状況管理フローが終了する。
【0074】
[本発明の有効性について]
以上までに説明してきたように、本発明では、通信技術、すなわちICT(Information and Communication Technology)技術を利用して、トレーラハウス等のような移動収容体の利用状況を管理し、遠隔で監視することができる。具体的に説明すると、移動収容体の現状(現在の停留場所、指標及び配置状態)に関する情報を取得し、その情報に基づいて、利用状況の適否を判定することができる。また、その判定結果を業者等に通知することで、業者等は、移動収容体の利用状況を是正するための措置を講じることができる。
【0075】
上述した本発明の効果は、管理対象である移動収容体がトレーラハウスである場合に特に有効である。詳しく説明すると、トレーラハウスは、車両として扱うことが可能であり、建築基準法による規制を受けず、自由な場所で停留させて利用することができる。つまり、トレーラハウスは、建築基準法上では設置できない場所に設置可能であり、その点においては、トレーラハウスの利用者及び貸出業者にメリットがある。
一方で、土地を管理する自治体や行政機関にとっては、トレーラハウスが無秩序に設置されたり、放置されたりすることが懸念される。また、トレーラハウスが正常に利用されていない場合、あるいは、トレーラハウスが安全な状態で停留していない場合には、事故等の発生も危惧される。
【0076】
これに対し、本発明によれば、トレーラハウスの利用状況を管理し、トレーラハウスが適正に利用されているかどうかを判断することで、上記の課題を解決しつつ、トレーラハウスの利用促進を図ることができる。
【0077】
<<その他の実施形態について>>
以上までに、本発明の情報処理装置、及び情報処理方法に関する一つの実施形態を例に挙げて説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得る。また、本発明には、その等価物が含まれることは勿論である。
【0078】
上記の実施形態では、移動収容体の利用状況の適否を判定し、その判定結果に応じた通知情報を、予め設定された通知先に通知することとしたが、これに限定されない。例えば、判定結果に応じた通知情報を通知しなくてもよく、情報通知に代わる措置を講じてもよい。
【0079】
また、上記の実施形態では、移動収容体の現在の停留場所、現在の指標、及び現在の配置状態を特定し、特定した各項目が適正であるどうかの判定、すなわち、第1判定、第2判定、及び第3判定を実施することとした。そして、上記の実施形態では、これら3つの判定結果のすべてに基づいて、移動収容体の利用状況の適否について判定することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、上記3つの項目のいずれか1つ、又は、上記3つの項目の中の2つに基づいて利用状況の適否を判定してもよい。ただし、上記3つの判定結果のすべてに基づいて移動収容体の利用状況の適否を判定した場合には、総合的に利用状況の適否を判定することができ、かかる点では、上記の実施形態の方が望ましい。
【0080】
また、上記の実施形態では、移動収容体の一例としてトレーラハウスを例に挙げたが、本発明が適用可能な移動収容体は、他にも挙げられ、例えば、キャンピングカーであってもよく、また、地上を走行する車両以外の移動収容体、例えば、水上を移動する船舶型の移動収容体が水上の所定位置で停留して利用される場合にも本発明は適用され得る。
【符号の説明】
【0081】
10 情報処理装置
11 プロセッサ
12 メモリ
13 ストレージ
14 通信用インタフェース
15 入力装置
16 出力装置
17 外部ネットワーク
18 利用者端末
19 管理者端末
S 利用状況管理システム
T トレーラハウス(移動収容体)
Th ハウス本体
Tx 隣接トレーラハウス