(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115508
(43)【公開日】2023-08-21
(54)【発明の名称】形状取得装置、形状取得プログラム、および形状取得方法
(51)【国際特許分類】
G01B 5/20 20060101AFI20230814BHJP
G01B 5/00 20060101ALI20230814BHJP
G01B 5/02 20060101ALI20230814BHJP
B23Q 17/20 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
G01B5/20 C
G01B5/00 A
G01B5/02
B23Q17/20 A
【審査請求】有
【請求項の数】37
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017754
(22)【出願日】2022-02-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】597022425
【氏名又は名称】株式会社ジーベックテクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100196140
【弁理士】
【氏名又は名称】岩垂 裕司
(72)【発明者】
【氏名】福島 啓輔
【テーマコード(参考)】
2F062
3C029
【Fターム(参考)】
2F062AA01
2F062AA21
2F062AA51
2F062EE01
2F062EE62
2F062HH01
2F062MM02
3C029BB01
(57)【要約】
【課題】バリを含むワークの角部の形状を取得する形状取得装置を提供すること。
【解決手段】形状取得装置1は、マシニングセンタ2と、スタイラス10と、マシニングセンタ2の主軸50に取り付けられてスタイラスを保持する当接センサ4を有する。マシニングセンタ2は、角部6を構成する第1面7および第2面8にスタイラス10を当接せて第1基準座標C(0)および第2基準座標D(0)を取得し、次に、第1軸方向Xおよび第2軸方向Yからスタイラス10を角部6に当接させて第1角部座標F1と第2角部座標F2とを取得し、角部6の論理座標Eと、第1角部座標F1および第2角部座標F2を比較して、ワーク5の角部6の形状を判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを保持する保持部、主軸を互いに直交する第1軸方向および第2軸方向に移動させる主軸駆動機構、制御部、および記憶部を備えるマシニングセンタと、スタイラスと、前記主軸に取り付けられて前記スタイラスを保持し当該スタイラスがワークに接触したときに当接信号を前記制御部に入力する当接センサと、を有し、前記ワークの第1面と第2面とが交わる角部の形状を取得する形状取得装置において、
前記制御部は、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスの移動を制御するスタイラス移動制御部、前記当接信号に基づいて前記スタイラスが前記ワークに当接した当接位置の座標を取得して前記座標を前記記憶部に記憶保持する座標取得部、および前記座標に基づいて前記ワークの角部の形状を判定する形状判定部、を備え、
前記スタイラス移動制御部は、前記スタイラスを前記第1面と対向する前記第1軸方向から前記第1面に当接させ、次に、前記スタイラスを前記第2面と対向し前記第1軸方向と直交する第2軸方向から前記第2面に当接させ、その後、前記角部の論理座標に基づいて前記スタイラスを前記第1軸方向から前記角部に当接させ、しかる後に、前記論理座標に基づいて前記スタイラスを前記第2軸方向から前記角部に当接させ、
前記座標取得部は、前記スタイラスが前記第1面に最初に当接した第1基準位置の座標を第1基準座標として取得し、前記スタイラスが前記第2面に最初に接した第2基準位置の座標を第2基準座標として取得し、前記スタイラスが前記第1軸方向から前記角部に当接した座標を第1角部座標として取得し、前記スタイラスが前記第2軸方向から前記角部に当接した座標を第2角部座標として取得し、
前記形状判定部は、前記第1角部座標および前記第2角部座標のぞれぞれと、前記論理座標と、を比較し、前記第1軸方向において前記第2基準位置から前記角部に向かう方向を第1軸第1方向、その反対方向を第1軸第2方向、前記第2軸方向において前記第1基準位置から前記角部に向かう方向を第2軸第1方向、その反対方向を第2軸第2方向としたときに、前記第1角部座標が前記論理座標よりも前記第1軸第1方向に位置し、前記第2角部座標が前記論理座標と一致する場合には、前記ワークは前記角部に前記第1軸第1方向に延びる第1バリを備える形状であると判断し、前記第1角部座標が前記論理座標に一致し、前記第2角部座標が前記論理座標よりも前記第2軸第1方向に位置する場合には、前記ワークは前記角部に前記第2軸第1方向に延びる第2バリを備える形状であると判定することを特徴とする形状取得装置。
【請求項2】
前記形状判定部は、前記第1角部座標が前記論理座標よりも前記第1軸第2方向に位置し、かつ、前記第2角部座標が前記論理座標よりも前記第2軸第2方向に位置する場合には、前記ワークが前記角部にダレを備える形状であると判定することを特徴とする請求項1に記載の形状取得装置。
【請求項3】
前記形状判定部は、前記1角部座標が論理座標と一致し、かつ、前記第2角部座標が論理座標と一致する場合には、前記形状判定部は、前記ワークが前記角部に理論通りの形状を備えると判定することを特徴とする請求項1に記載の形状取得装置。
【請求項4】
前記論理座標は、前記記憶部に記憶保持されており、
前記スタイラス移動制御部は、前記記憶部を参照して前記論理座標を取得することを特徴とする請求項1に記載の形状取得装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1基準座標および前記第2基準座標に基づいて、前記論理座標を算出する論理座標取得部を備えることを特徴とする請求項1に記載の形状取得装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記論理座標を算出する論理座標取得部を備え、
前記論理座標取得部は、前記第1基準座標が取得された後に前記主軸駆動機構を駆動制
御して前記スタイラスを前記第1軸方向から前記第1基準位置とは異なる第1離間位置に当接させて当該第1離間位置の座標を第1離間座標として取得し、前記第2基準座標が取得された後に前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向から前記第2基準位置とは異なる第2離間位置に当接させて当該第2離間位置の座標を第2離間座標として取得し、前記第1基準座標、前記第1離間座標、前記第2基準座標、前記第2離間座標に基づいて前記論理座標を算出することを特徴とする請求項1に記載の形状取得装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記ワークが前記角部に前記第1バリを備える形状であると判定されると、前記第1バリの形状を取得する第1バリ形状取得部を備え、
前記第1バリ形状取得部は、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第1基準位置と前記角部との間の第1当接位置に前記第1軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1当接位置の第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第1当接座標として、前記第1基準座標と前記論理座標とを通過する第1仮想線分上の第1仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近い第1バリ根本座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向に移動させて前記第1当接位置を変更しながら前記第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第1当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記論理座標、および前記第1バリ根本座標に基づいて前記第1バリの根本部分の第1幅寸法を取得することを特徴とする請求項1に記載の形状取得装置。
【請求項8】
前記第1バリ形状取得部が前記スタイラスを最初に当接させる前記第1当接位置は、前記第1基準位置と前記角部との中央であり、前記第1当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標の前記第1軸方向の成分と前記第1仮想線分座標の前記第1軸方向の成分との差分に基づいて前記第1基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第1当接位置を決定することを特徴とする請求項7に記載の形状取得装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記ワークが前記角部に前記第2バリを備える形状であると判定されると、前記第2バリの形状を取得する第2バリ形状取得部を備え、
前記第2バリ形状取得部は、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第2基準位置と前記角部との間の第2当接位置に前記第2軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第2当接位置の第2当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第2当接座標として、前記第2基準座標と前記論理座標とを通過する第2仮想線分上の第2仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近い第2バリ根本座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1軸方向に移動させて前記第2当接位置を変更しながら前記第2当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第2当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記論理座標、および前記第2バリ根本座標に基づいて前記第2バリの根本部分の第2幅寸法を取得することを特徴とする請求項1に記載の形状取得装置。
【請求項10】
前記第2バリ形状取得部が前記スタイラスを最初に当接させる前記第2当接位置は、前記第2基準位置と前記角部との中央であり、前記第2当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標の前記第2軸方向の成分と前記第2仮想線分座標の前記第2軸方向の成分との差分
に基づいて前記第2基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第2当接位置を決定することを特徴とする請求項9に記載の形状取得装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記ワークが前記角部に前記ダレを備える形状であると判定されると前記ダレの形状を取得するダレ形状取得部を備え、
前記ダレ形状取得部は、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第1基準位置と前記角部との間の第1当接位置に前記第1軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1当接位置の第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第1当接座標として、前記第1基準座標と前記論理座標とを通過する第1仮想線分上の第1仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近いダレ開始座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向に移動させて前記第1当接位置を変更しながら前記第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第3当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記ダレ開始座標に基づいて、前記ダレの前記第1面の第3幅寸法を取得することを特徴とする請求項2に記載の形状取得装置。
【請求項12】
前記ダレ形状取得部が前記スタイラスを最初に当接させる前記第1当接位置は、前記第1基準位置と前記角部との中央であり、前記第3当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標の前記第1軸方向の成分と前記第1仮想線分座標の前記第1軸方向の成分との差分に基づいて前記第1基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第1当接位置を決定することを特徴とする請求項11に記載の形状取得装置。
【請求項13】
前記スタイラスは、前記第1軸方向の延びる軸線を備える軸部と、前記軸部の先端側に位置する接触部と、を備え、
前記接触部は、前記第1軸方向の先端に位置する第1当接部と、前記第1軸方向における前記軸部と前記第1当接部との間で前記軸線を囲む環状の第2当接部と、を備え、
前記第2当接部は、前記第1軸方向から見た場合に、前記第1当接部および前記軸部の外周側に位置し、
前記第1当接部と前記第2当接部とは、前記第2当接部から前記第1当接部に向かって前記軸線の側に窪む環状の第1凹曲面により接続され、
前記第2当接部と前記軸部とは、前記第2当接部から前記軸部に向かって前記軸線の側に窪む第2凹曲面により接続され、
前記第1面には、前記第1当接部が当接し、
前記第2面には、前記第2当接部が当接することを特徴とする請求項1に記載の形状取得装置。
【請求項14】
ワークを保持する保持部、主軸を互いに直交する第1軸方向および第2軸方向に移動させる主軸駆動機構、制御部、および記憶部を備えるマシニングセンタと、スタイラスと、前記主軸に取り付けられて前記スタイラスを保持し当該スタイラスがワークに接触したときに当接信号を前記制御部に入力する当接センサと、を有する形状取得装置の前記制御部で動作して前記ワークの第1面と第2面とが交わる角部の形状を取得する形状取得プログラムにおいて、
前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1面と対向する前記第1軸方
向から前記第1面に当接させ、前記当接信号に基づいて前記スタイラスが当接した第1基準位置の座標を第1基準座標として取得して前記記憶部に記憶保持する第1基準座標取得ステップと、
前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2面と対向し前記第1軸方向と直交する第2軸方向から前記第2面に当接させ、前記当接信号に基づいて前記スタイラスが当接した第2基準位置の座標を第2基準座標として取得して前記記憶部に記憶保持する第2基準座標取得ステップと、
前記第1軸方向において前記第2基準位置から前記角部に向かう方向を第1軸第1方向、その反対方向を第1軸第2方向、前記第2軸方向において前記第1基準位置から前記角部に向かう方向を第2軸第1方向、その反対方向を第2軸第2方向としたときに、前記角部の論理座標に基づいて前記スタイラスを前記第1軸方向から前記角部に当接させ、前記当接信号に基づいて第1角部座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第1角部座標取得ステップと、
前記論理座標に基づいて前記スタイラスを前記第2軸方向から前記角部に当接させ、前記当接信号に基づいて第2角部座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第2角部座標取得ステップと、
前記第1角部座標および前記第2角部座標のぞれぞれと、前記論理座標と、を比較し、前記第1角部座標が前記論理座標よりも前記第1軸第1方向に位置し、前記第2角部座標が前記論理座標と一致する場合には、前記ワークが前記角部に前記第1軸第1方向に延びる第1バリを備える形状であると判断し、前記第1角部座標が前記論理座標に一致し、前記第2角部座標が前記論理座標よりも前記第2軸第1方向に位置する場合には、前記ワークが前記角部に前記第2軸第1方向に延びる第2バリを備える形状であると判定する形状判定ステップと、
を、この順で備えることを特徴とする形状取得プログラム。
【請求項15】
前記形状判定ステップにおいて、前記第1角部座標が前記論理座標よりも前記第1軸第2方向に位置し、かつ、前記第2角部座標が前記論理座標よりも前記第2軸第2方向に位置する場合には、前記ワークが前記角部にダレを備える形状であると判定することを特徴とする請求項14に記載の形状取得プログラム。
【請求項16】
前記形状判定ステップにおいて、前記1角部座標が論理座標と一致し、かつ、前記第2角部座標が論理座標と一致する場合には、前記ワークが前記角部に理論通りの形状を備えると判定することを特徴とする請求項14に記載の形状取得プログラム。
【請求項17】
前記第1角部座標取得ステップの前に、前記記憶部に記憶保持された前記論理座標を取得する論理座標取得ステップを備えることを特徴とする請求項14に記載の形状取得プログラム。
【請求項18】
前記第2基準座標取得ステップと前記第1角部座標取得ステップとの間に、前記第1基準座標および前記第2基準座標に基づいて、前記角部の論理座標を算出する論理座標取得ステップを備えることを特徴とする請求項14に記載の形状取得プログラム。
【請求項19】
前記第1基準座標取得ステップと前記第2基準座標取得ステップとの間に、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1軸方向から前記第1基準位置とは異なる第1離間位置に当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1離間位置の座標を第1離間座標として取得する第1離間座標取得ステップを行い、
前記第2基準座標取得ステップと前記第1角部座標取得ステップとの間に、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向から前記第2基準位置とは異なる第2離間位置に当接させ、前記第2離間位置の座標を第2離間座標として取得する第2離間座標取得ステップと、前記第1基準座標、前記第1離間座標、前記第2基準座標、前記
第2離間座標に基づいて前記論理座標を算出する論理座標取得ステップと、をこの順で備えることを特徴とする請求項14に記載の形状取得プログラム。
【請求項20】
前記ワークが前記角部に前記第1バリを備える形状であると判定されると、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第1基準位置と前記角部との間の第1当接位置に前記第1軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1当接位置の第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第1当接座標として、前記第1基準座標と前記論理座標とを通過する第1仮想線分上の第1仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近い第1バリ根本座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向に移動させて前記第1当接位置を変更しながら前記第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第1当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記論理座標、および前記第1バリ根本座標に基づいて前記第1バリの根本部分の第1 幅寸法を取得する第1バリ形状取得ステップを備えることを特徴とする請求項14に記載の形状取得プログラム。
【請求項21】
前記第1バリ形状取得ステップにおいて、前記スタイラスを最初に当接させる前記第1当接位置は、前記第1基準位置と前記角部との中央であり、前記第1当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標の前記第1軸方向の成分と前記第1仮想線分座標の前記第1軸方向の成分との差分に基づいて前記第1基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第1当接位置を決定することを特徴とする請求項20に記載の形状取得プログラム。
【請求項22】
前記ワークが前記角部に前記第2バリを備える形状であると判定されると、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第2基準位置と前記角部との間の第2当接位置に前記第2軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第2当接位置の第2当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第2当接座標として、前記第2基準座標と前記論理座標とを通過する第2仮想線分上の第2仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近い第2バリ根本座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1軸方向に移動させて前記第2当接位置を変更しながら前記第2当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第2当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記論理座標、および前記第2バリ根本座標に基づいて前記第2バリの根本部分の第2幅寸法を取得する第2バリ形状取得ステップを備えることを特徴とする請求項14に記載の形状取得プログラム。
【請求項23】
前記第2バリ形状取得ステップにおいて、前記スタイラスを最初に当接させる前記第2当接位置は、前記第2基準位置と前記角部との中央であり、前記第2当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標の前記第2軸方向の成分と前記第2仮想線分座標の前記第2軸方向の成分との差分に基づいて前記第2基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第2当接位置を決定することを特徴とする請求項22に記載の形状取得プログラム。
【請求項24】
前記ワークが前記角部に前記ダレを備える形状であると判定されると、前記主軸駆動機
構を駆動制御して前記第1基準位置と前記角部との間の第1当接位置に前記第1軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1当接位置の第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第1当接座標として、前記第1基準座標と前記論理座標とを通過する第1仮想線分上の第1仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近いダレ開始座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向に移動させて前記第1当接位置を変更しながら前記第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第3当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記ダレ開始座標に基づいて、前記ダレの前記第1面の第3幅寸法を取得するダレ形状取得ステップを備えることを特徴とする請求項15に記載の形状取得プログラム。
【請求項25】
前記ダレ形状取得ステップにおいて、前記スタイラスを最初に当接させる前記第1当接位置は、前記第1基準位置と前記角部との中央であり、前記第3当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標の前記第1軸方向の成分と前記第1仮想線分座標の前記第1軸方向の成分との差分に基づいて前記第1基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第1当接位置を決定することを特徴とする請求項24に記載の形状取得プログラム。
【請求項26】
ワークを保持する保持部、主軸を互いに直交する第1軸方向および第2軸方向に移動させる主軸駆動機構、制御部、および記憶部を備えるマシニングセンタと、スタイラスと、前記主軸に取り付けられて前記スタイラスを保持し当該スタイラスがワークに接触したときに当接信号を前記制御部に入力する当接センサと、を有する形状取得装置によって前記ワークの第1面と第2面とが交わる角部の形状を取得する形状取得方法において、
前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1面と対向する前記第1軸方向から前記第1面に当接させ、前記当接信号に基づいて前記スタイラスが当接した第1基準位置の座標を第1基準座標として取得して前記記憶部に記憶保持する第1基準座標取得ステップと、
前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2面と対向し前記第1軸方向と直交する第2軸方向から前記第2面に当接させ、前記当接信号に基づいて前記スタイラスが当接した第2基準位置の座標を第2基準座標として取得して前記記憶部に記憶保持する第2基準座標取得ステップと、
前記第1軸方向において前記第2基準位置から前記角部に向かう方向を第1軸第1方向、その反対方向を第1軸第2方向、前記第2軸方向において前記第1基準位置から前記角部に向かう方向を第2軸第1方向、その反対方向を第2軸第2方向としたときに、前記角部の論理座標に基づいて前記スタイラスを前記第1軸方向から前記角部に当接させ、前記当接信号に基づいて第1角部座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第1角部座標取得ステップと、
前記論理座標に基づいて前記スタイラスを前記第2軸方向から前記角部に当接させ、前記当接信号に基づいて第2角部座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第2角部座標取得ステップと、
前記第1角部座標および前記第2角部座標のぞれぞれと、前記論理座標と、を比較し、前記第1角部座標が前記論理座標よりも前記第1軸第1方向に位置し、前記第2角部座標が前記論理座標と一致する場合には、前記ワークが前記角部に前記第1軸第1方向に延びる第1バリを備える形状であると判断し、前記第1角部座標が前記論理座標に一致し、前記第2角部座標が前記論理座標よりも前記第2軸第1方向に位置する場合には、前記ワークが前記角部に前記第2軸第1方向に延びる第2バリを備える形状であると判定する形状判定ステップと、
を備えることを特徴とする形状取得方法。
【請求項27】
前記形状判定ステップにおいて、前記第1角部座標が前記論理座標よりも前記第1軸第2方向に位置し、かつ、前記第2角部座標が前記論理座標よりも前記第2軸第2方向に位置する場合には、前記ワークが前記角部にダレを備える形状であると判定することを特徴とする請求項26に記載の形状取得方法。
【請求項28】
前記形状判定ステップにおいて、前記1角部座標が論理座標と一致し、かつ、前記第2角部座標が論理座標と一致する場合には、前記ワークが前記角部に理論通りの形状を備えると判定することを特徴とする請求項26に記載の形状取得方法。
【請求項29】
予め、前記記憶部に前記論理座標を保持し、
前記第1角部座標取得ステップの前に、前記記憶部に記憶保持された前記論理座標を取得する論理座標取得ステップを備えることを特徴とする請求項26に記載の形状取得方法。
【請求項30】
前記第2基準座標取得ステップと前記第1角部座標取得ステップとの間に、前記第1基準座標および前記第2基準座標に基づいて、前記角部の論理座標を算出する論理座標取得ステップを備えることを特徴とする請求項26に記載の形状取得方法。
【請求項31】
前記第1基準座標取得ステップと前記第2基準座標取得ステップとの間に、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1軸方向から前記第1基準位置とは異なる第1離間位置に当接させ、前記第1離間位置の座標を第1離間座標として取得する第1離間座標取得ステップを行い、
前記第2基準座標取得ステップと前記第1角部座標取得ステップとの間に、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向から前記第2基準位置とは異なる第2離間位置に当接させ、前記第2離間位置の座標を第2離間座標として取得する第2離間座標取得ステップと、前記第1基準座標、前記第1離間座標、前記第2基準座標、前記第2離間座標に基づいて前記論理座標を算出する論理座標取得ステップと、をこの順で備えることを特徴とする請求項26に記載の形状取得方法。
【請求項32】
前記ワークが前記角部に前記第1バリを備える形状であると判定されると、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第1基準位置と前記角部との間の第1当接位置に前記第1軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1当接位置の第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第1当接座標として、前記第1基準座標と前記論理座標とを通過する第1仮想線分上の第1仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近い第1バリ根本座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向に移動させて前記第1当接位置を変更しながら前記第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第1当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記論理座標、および前記第1バリ根本座標に基づいて前記第1バリの根本部分の第1 幅寸法を取得する第1バリ形状取得ステップを備えることを特徴とする請求項26に記載の形状取得方法。
【請求項33】
前記第1バリ形状取得ステップにおいて、前記スタイラスを最初に当接させる前記第1当接位置は、前記第1基準位置と前記角部との中央であり、前記第1当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標の前記第1軸方向の成分と前記第1仮想線分座標の前記第1軸方向の成分との差分に基づいて前記第1基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標から選択される一つの座標と、直
前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第1当接位置を決定することを特徴とする請求項32に記載の形状取得方法。
【請求項34】
前記ワークが前記角部に前記第2バリを備える形状であると判定されると、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第2基準位置と前記角部との間の第2当接位置に前記第2軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第2当接位置の第2当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第2当接座標として、前記第2基準座標と前記論理座標とを通過する第2仮想線分上の第2仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近い第2バリ根本座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1軸方向に移動させて前記第2当接位置を変更しながら前記第2当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第2当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記論理座標、および前記第2バリ根本座標に基づいて前記第2バリの根本部分の第2幅寸法を取得する第2バリ形状取得ステップを備えることを特徴とする請求項26に記載の形状取得方法。
【請求項35】
前記第2バリ形状取得ステップにおいて、前記スタイラスを最初に当接させる前記第2当接位置は、前記第2基準位置と前記角部との中央であり、前記第2当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標の前記第2軸方向の成分と前記第2仮想線分座標の前記第2軸方向の成分との差分に基づいて前記第2基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第2当接位置を決定することを特徴とする請求項34に記載の形状取得方法。
【請求項36】
前記ワークが前記角部に前記ダレを備える形状であると判定されると、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第1基準位置と前記角部との間の第1当接位置に前記第1軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1当接位置の第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第1当接座標として、前記第1基準座標と前記論理座標とを通過する第1仮想線分上の第1仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近いダレ開始座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向に移動させて前記第1当接位置を変更しながら前記第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第3当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記ダレ開始座標に基づいて、前記ダレの前記第1面の第3幅寸法を取得するダレ形状取得ステップを備えることを特徴とする請求項27に記載の形状取得方法。
【請求項37】
前記ダレ形状取得ステップにおいて、前記スタイラスを最初に当接させる前記第1当接位置は、前記第1基準位置と前記角部との中央であり、前記第3当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標の前記第1軸方向の成分と前記第1仮想線分座標の前記第1軸方向の成分との差分に基づいて前記第1基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第1当接位置を決定することを特徴とする請求項36に記載の形状取得方法。
【請求項38】
軸部と、前記軸部の先端側に位置する接触部と、を備え、
前記接触部は、前記軸部の軸線に沿った軸線方向の先端に位置する第1当接部と、前記軸線方向における前記軸部と前記第1当接部との間で前記軸線を囲む環状の第2当接部と、を備え、
前記第2当接部は、前記軸線方向から見た場合に、前記第1当接部および前記軸部の外周側に位置し、
前記第1当接部と前記第2当接部とは、前記第2当接部から前記第1当接部に向かって前記軸線の側に窪む環状の第1凹曲面により接続され、
前記第2当接部と前記軸部とは、前記第2当接部から前記軸部に向かって前記軸線の側に窪む環状の第2凹曲面により接続されることを特徴とするスタイラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの角部の形状を取得する形状取得装置に関する。また、形状取得装置で動作してワークの角部の形状を取得する形状取得プログラムに関する。さらに、ワークの角部の形状を取得する形状取得方法に関する。また、ワークの角部の形状を取得する際に用いることができるスタイラスに関する。
【背景技術】
【0002】
スタイラスを用いてワークの形状を測定する形状取得方法は、特許文献1に記載されている。同文献のスタイラスは、軸部と、軸部の先端側に位置する接触部と、を有する。接触部は、軸部の軸線を底辺とする三角形を軸線回りに回転させた複円錐形状を備える。接触部の外周端は、ワークに当接する当接部である。
【0003】
同文献では、かかる形状のスタイラスを用いることにより、測定対象物に設けられた穴の内壁面の形状を測定する。穴の内壁面を測定する際には、まず、スタイラスを穴に挿入する。次に、スタイラスを軸線と直交する方向に移動させて当接部を穴の内壁面に当接させて当接位置の座標を取得する座標取得動作を行う。その後、スタイラスを軸線方向に移動させる移動動作と、座標取得動作とを繰り返す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
切削加工が行われた後のワークの角部には、バリが発生していることがある。このような角部について、バリを含めた角部の形状を、スタイラスを用いて取得する形状取得方法は提案されていないのが現状である。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、バリを含むワークの角部の形状を取得する形状取得装置を提供することにある。また、マシニングセンタに読み込まれて動作して、バリを含むワークの角部の形状を取得する形状取得プログラムと提供することにある。さらに、バリを含むワークの角部の形状を取得する形状取得方法を提案することにある。また、角部に発生したバリの形状を取得するのに適したスタイラスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、ワークを保持する保持部、主軸を互いに直交する第1軸方向および第2軸方向に移動させる主軸駆動機構、制御部、および記憶部を備えるマシニングセンタと、スタイラスと、前記主軸に取り付けられて前記スタイラスを保持し当該スタイラスがワークに接触したときに当接信号を前記制御部に入力する当接センサと、を有し、前記ワークの第1面と第2面とが交わる角部の形状を取得する形状取得装置において、前記制御部は、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスの移動を制御するスタイラス移動制御部、前記当接信号に基づいて前記スタイラスが前記ワークに当接した当接位置の座標を取得して前記座標を前記記憶部に記憶保持する座標取得部、および前記座標に基づいて前記ワークの角部の形状を判定する形状判定部、を備え、前記スタイラス移動制御部は、前記スタイラスを前記第1面と対向する前記第1軸方向から前記第1面に当接させ、次に、前記スタイラスを前記第2面と対向し前記第1軸方向と直交する第2軸方向から前記第2面に当接させ、その後、前記角部の論理座標に基づいて前記スタ
イラスを前記第1軸方向から前記角部に当接させ、しかる後に、前記論理座標に基づいて前記スタイラスを前記第2軸方向から前記角部に当接させ、前記座標取得部は、前記スタイラスが前記第1面に最初に当接した第1基準位置の座標を第1基準座標として取得し、前記スタイラスが前記第2面に最初に接した第2基準位置の座標を第2基準座標として取得し、前記スタイラスが前記第1軸方向から前記角部に当接した座標を第1角部座標として取得し、前記スタイラスが前記第2軸方向から前記角部に当接した座標を第2角部座標として取得し、前記形状判定部は、前記第1角部座標および前記第2角部座標のぞれぞれと、前記論理座標と、を比較し、前記第1軸方向において前記第2基準位置から前記角部に向かう方向を第1軸第1方向、その反対方向を第1軸第2方向、前記第2軸方向において前記第1基準位置から前記角部に向かう方向を第2軸第1方向、その反対方向を第2軸第2方向としたときに、前記第1角部座標が前記論理座標よりも前記第1軸第1方向に位置し、前記第2角部座標が前記論理座標と一致する場合には、前記ワークは前記角部に前記第1軸第1方向に延びる第1バリを備える形状であると判断し、前記第1角部座標が前記論理座標に一致し、前記第2角部座標が前記論理座標よりも前記第2軸第1方向に位置する場合には、前記ワークは前記角部に前記第2軸第1方向に延びる第2バリを備える形状であると判定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明において、ワークを保持する保持部、主軸を互いに直交する第1軸方向および第2軸方向に移動させる主軸駆動機構、制御部、および記憶部を備えるマシニングセンタと、スタイラスと、前記主軸に取り付けられて前記スタイラスを保持し当該スタイラスがワークに接触したときに当接信号を前記制御部に入力する当接センサと、を有する形状取得装置によって前記ワークの第1面と第2面とが交わる角部の形状を取得する形状取得方法は、前記ワークの第1面と第2面とが交わる角部の形状を取得する際に、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1面と対向する前記第1軸方向から前記第1面に当接させ、前記当接信号に基づいて前記スタイラスが当接した第1基準位置の座標を第1基準座標として取得して前記記憶部に記憶保持する第1基準座標取得ステップと、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2面と対向し前記第1軸方向と直交する第2軸方向から前記第2面に当接させ、前記当接信号に基づいて前記スタイラスが当接した第2基準位置の座標を第2基準座標として取得して前記記憶部に記憶保持する第2基準座標取得ステップと、前記第1軸方向において前記第2基準位置から前記角部に向かう方向を第1軸第1方向、その反対方向を第1軸第2方向、前記第2軸方向において前記第1基準位置から前記角部に向かう方向を第2軸第1方向、その反対方向を第2軸第2方向としたときに、前記角部の論理座標に基づいて前記スタイラスを前記第1軸方向から前記角部に当接させ、前記当接信号に基づいて第1角部座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第1角部座標取得ステップと、前記論理座標に基づいて前記スタイラスを前記第2軸方向から前記角部に当接させ、前記当接信号に基づいて第2角部座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第2角部座標取得ステップと、前記第1角部座標および前記第2角部座標のぞれぞれと、前記論理座標と、を比較し、前記第1角部座標が前記論理座標よりも前記第1軸第1方向に位置し、前記第2角部座標が前記論理座標と一致する場合には、前記ワークが前記角部に前記第1軸第1方向に延びる第1バリを備える形状であると判断し、前記第1角部座標が前記論理座標に一致し、前記第2角部座標が前記論理座標よりも前記第2軸第1方向に位置する場合には、前記ワークが前記角部に前記第2軸第1方向に延びる第2バリを備える形状であると判定する形状判定ステップと、を備える。
【0009】
本発明の形状取得装置および形状取得方法によれば、バリを含むワークの角部の形状を取得できる。
【0010】
本発明の形状取得装置において、前記形状判定部は、前記第1角部座標が前記論理座標よりも前記第1軸第2方向に位置し、かつ、前記第2角部座標が前記論理座標よりも前記第2軸第2方向に位置する場合には、前記ワークが前記角部にダレを備える形状であると
判定するものとすることができる。ダレとは、角部のエッジが削られている状態である。すなわち、第1面の第2面側の端が第1軸第2方向に削られ、かつ、第1面の第1面側の端が第2軸第2方向に削られている状態である。従って、形状判定部は、第1角部座標が角部座標よりも第1軸第2方向に位置し、かつ、第2角部座標が角部座標よりも第2軸第2方向に位置する場合には、ダレが発生していると判断できる。
【0011】
また、本発明の形状取得方法は、前記形状判定ステップにおいて、前記第1角部座標が前記論理座標よりも前記第1軸第2方向に位置し、かつ、前記第2角部座標が前記論理座標よりも前記第2軸第2方向に位置する場合には、前記ワークが前記角部にダレを備える形状であると判定するものとすることができる。
【0012】
本発明の形状取得装置において、前記形状判定部は、前記1角部座標が論理座標と一致し、かつ、前記第2角部座標が論理座標と一致する場合には、前記形状判定部は、前記ワークが前記角部に理論通りの形状を備えると判定するものとすることができる。
【0013】
また、本発明の形状取得方法は、前記形状判定ステップにおいて、前記1角部座標が論理座標と一致し、かつ、前記第2角部座標が論理座標と一致する場合には、前記ワークが前記角部に理論通りの形状を備えると判定するものとすることができる。
【0014】
本発明の形状取得装置において、前記論理座標は、前記記憶部に記憶保持されており、前記スタイラス移動制御部は、前記記憶部を参照して前記論理座標を取得するものとすることができる。
【0015】
また、本発明の形状取得方法は、予め、前記記憶部に前記論理座標を保持し、前記第1角部座標取得ステップの前に、前記記憶部に記憶保持された前記論理座標を取得する論理座標取得ステップを備えるものとすることができる。
【0016】
本発明の形状取得装置において、前記制御部は、前記第1基準座標および前記第2基準座標に基づいて、前記論理座標を算出する論理座標取得部を備えるものとすることができる。
【0017】
また、本発明の形状取得方法は、前記第1角部座標取得ステップの前に、前記記憶部に記憶保持された前記論理座標を取得する論理座標取得ステップを備えるものとすることができる。
【0018】
本発明の形状取得装置において、前記制御部は、前記論理座標を算出する論理座標取得部を備え、前記論理座標取得部は、前記第1基準座標が取得された後に前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1軸方向から前記第1基準位置とは異なる第1離間位置に当接させて当該第1離間位置の座標を第1離間座標として取得し、前記第2基準座標が取得された後に前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向から前記第2基準位置とは異なる第2離間位置に当接させて当該第2離間位置の座標を第2離間座標として取得し、前記第1基準座標、前記第1離間座標、前記第2基準座標、前記第2離間座標に基づいて前記論理座標を算出するものとすることができる。
【0019】
また、本発明の形状取得方法は、前記第1基準座標取得ステップと前記第2基準座標取得ステップとの間に、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1軸方向から前記第1基準位置とは異なる第1離間位置に当接させ、前記第1離間位置の座標を第1離間座標として取得する第1離間座標取得ステップを行い、前記第2基準座標取得ステップと前記第1角部座標取得ステップとの間に、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向から前記第2基準位置とは異なる第2離間位置に当接させ、前
記第2離間位置の座標を第2離間座標として取得する第2離間座標取得ステップと、前記第1基準座標、前記第1離間座標、前記第2基準座標、前記第2離間座標に基づいて前記論理座標を算出する論理座標取得ステップと、をこの順で備えるものとすることができる。
【0020】
本発明の形状取得装置において、前記制御部は、前記ワークが前記角部に前記第1バリを備える形状であると判定されると、前記第1バリの形状を取得する第1バリ形状取得部を備え、前記第1バリ形状取得部は、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第1基準位置と前記角部との間の第1当接位置に前記第1軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1当接位置の第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第1当接座標として、前記第1基準座標と前記論理座標とを通過する第1仮想線分上の第1仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近い第1バリ根本座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向に移動させて前記第1当接位置を変更しながら前記第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第1当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記論理座標、および前記第1バリ根本座標に基づいて前記第1バリの根本部分の第1 幅寸法を取得するものとすることができる。ここで、主軸駆動機構がスタイラスを移動させる分解能は、マシニングセンタにおいて任意に設定される。
【0021】
この場合、本発明の形状取得装置は、前記第1バリ形状取得部が前記スタイラスを最初に当接させる前記第1当接位置は、前記第1基準位置と前記角部との中央であり、前記第1当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標の前記第1軸方向の成分と前記第1仮想線分座標の前記第1軸方向の成分との差分に基づいて前記第1基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第1当接位置を決定することが望ましい。
【0022】
また、本発明の形状取得方法は、前記ワークが前記角部に前記第1バリを備える形状であると判定されると、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第1基準位置と前記角部との間の第1当接位置に前記第1軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1当接位置の第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第1当接座標として、前記第1基準座標と前記論理座標とを通過する第1仮想線分上の第1仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近い第1バリ根本座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向に移動させて前記第1当接位置を変更しながら前記第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第1当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記論理座標、および前記第1バリ根本座標に基づいて前記第1バリの根本部分の第1 幅寸法を取得する第1バリ形状取得ステップを備えるものとすることができる。
【0023】
この場合、本発明の形状取得方法は、前記第1バリ形状取得ステップにおいて、前記スタイラスを最初に当接させる前記第1当接位置は、前記第1基準位置と前記角部との中央であり、前記第1当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標の前記第1軸方向の成分と前記第1仮想線分座標の前記第1軸方向の成分との差分に基づいて前記第1基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置
の前記第1当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第1当接位置を決定することが望ましい。
【0024】
本発明の形状取得装置において、前記制御部は、前記ワークが前記角部に前記第2バリを備える形状であると判定されると、前記第2バリの形状を取得する第2バリ形状取得部を備え、前記第2バリ形状取得部は、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第2基準位置と前記角部との間の第2当接位置に前記第2軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第2当接位置の第2当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第2当接座標として、前記第2基準座標と前記論理座標とを通過する第2仮想線分上の第2仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近い第2バリ根本座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1軸方向に移動させて前記第2当接位置を変更しながら前記第2当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第2当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記論理座標、および前記第2バリ根本座標に基づいて前記第2バリの根本部分の第2幅寸法を取得するものとすることができる。
【0025】
この場合、本発明の形状取得装置は、形状取得装置は、前記第2バリ形状取得部が前記スタイラスを最初に当接させる前記第2当接位置は、前記第2基準位置と前記角部との中央であり、前記第2当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標の前記第2軸方向の成分と前記第2仮想線分座標の前記第2軸方向の成分との差分に基づいて前記第2基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第2当接位置を決定することが望ましい。
【0026】
また、本発明の形状取得方法は、前記ワークが前記角部に前記第2バリを備える形状であると判定されると、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第2基準位置と前記角部との間の第2当接位置に前記第2軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第2当接位置の第2当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第2当接座標として、前記第2基準座標と前記論理座標とを通過する第2仮想線分上の第2仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近い第2バリ根本座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1軸方向に移動させて前記第2当接位置を変更しながら前記第2当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第2当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記論理座標、および前記第2バリ根本座標に基づいて前記第2バリの根本部分の第2幅寸法を取得する第2バリ形状取得ステップを備えるものとすることができる。
【0027】
この場合、本発明の形状取得方法は、前記第2バリ形状取得ステップにおいて、前記スタイラスを最初に当接させる前記第2当接位置は、前記第2基準位置と前記角部との中央であり、前記第2当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標の前記第2軸方向の成分と前記第2仮想線分座標の前記第2軸方向の成分との差分に基づいて前記第2基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第2当接位置を決定することが望ましい。
【0028】
本発明の形状取得装置は、前記制御部は、前記ワークが前記角部に前記ダレを備える形
状であると判定されると前記ダレの形状を取得するダレ形状取得部を備え、前記ダレ形状取得部は、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第1基準位置と前記角部との間の第1当接位置に前記第1軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1当接位置の第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第1当接座標として、前記第1基準座標と前記論理座標とを通過する第1仮想線分上の第1仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近いダレ開始座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向に移動させて前記第1当接位置を変更しながら前記第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第3当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記ダレ開始座標に基づいて、前記ダレの前記第1面の第3幅寸法を取得するものとすることができる。
【0029】
この場合、本発明の形状取得装置は、前記ダレ形状取得部が前記スタイラスを最初に当接させる前記第1当接位置は、前記第1基準位置と前記角部との中央であり、前記第3当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標の前記第1軸方向の成分と前記第1仮想線分座標の前記第1軸方向の成分との差分に基づいて前記第1基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第1当接位置を決定することが望ましい。
【0030】
また、本発明の形状取得方法は、前記ワークが前記角部に前記ダレを備える形状であると判定されると、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第1基準位置と前記角部との間の第1当接位置に前記第1軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1当接位置の第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第1当接座標として、前記第1基準座標と前記論理座標とを通過する第1仮想線分上の第1仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近いダレ開始座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向に移動させて前記第1当接位置を変更しながら前記第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第3当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記ダレ開始座標に基づいて、前記ダレの前記第1面の第3幅寸法を取得するダレ形状取得ステップを備えるものとすることができる。
【0031】
この場合、本発明の形状取得方法は、前記ダレ形状取得ステップにおいて、前記スタイラスを最初に当接させる前記第1当接位置は、前記第1基準位置と前記角部との中央であり、前記第3当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標の前記第1軸方向の成分と前記第1仮想線分座標の前記第1軸方向の成分との差分に基づいて前記第1基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第1当接位置を決定することが望ましい。
【0032】
本発明の形状取得装置において、前記スタイラスは、前記第1軸方向の延びる軸線を備える軸部と、前記軸部の先端側に位置する接触部と、を備え、前記接触部は、前記第1軸方向の先端に位置する第1当接部と、前記第1軸方向における前記軸部と前記第1当接部との間で前記軸線を囲む環状の第2当接部と、を備え、前記第2当接部は、前記第1軸方向から見た場合に、前記第1当接部および前記軸部の外周側に位置し、前記第1当接部と前記第2当接部とは、前記第2当接部から前記第1当接部に向かって前記軸線の側に窪む
環状の第1凹曲面により接続され、前記第2当接部と前記軸部とは、前記第2当接部から前記軸部に向かって前記軸線の側に窪む第2凹曲面により接続され、前記第1面には、前記第1当接部が当接し、前記第2面には、前記第2当接部が当接するものとすることができる。このようにすれば、スタイラスは、第1軸方向からワークに接触可能な第1当接部と、第2軸方向からワークに接触可能な第2当接部を備える。また、軸線方向における第1当接部と第2当接部との間は、第2当接部から第1当接部に向かって軸線の側に窪む環状の第1凹曲面によって接続される。従って、第1面から第1バリが立ち上がっているときに、スタイラスの接触部と第1バリとを干渉させることなく、第1当接部を第1面における第1バリの近傍に当接させることが可能となる。また、第2軸方向における第2当接部と第1当接部との間は第1凹曲面によって接続されているとともに、第2当接部と軸部との間は、第2当接部から軸部に向かって軸線の側に窪む第2凹曲面によって接続されている。従って、第2面から第2バリが立ち上がっているときに、スタイラスの接触部と第2バリとを干渉させることなく、第2当接部を第2面における第2バリの近傍に当接させることが可能となる。
【0033】
次に、本発明の形状取得プログラムは、ワークを保持する保持部、主軸を互いに直交する第1軸方向および第2軸方向に移動させる主軸駆動機構、制御部、および記憶部を備えるマシニングセンタと、スタイラスと、前記主軸に取り付けられて前記スタイラスを保持し当該スタイラスがワークに接触したときに当接信号を前記制御部に入力する当接センサと、を有する形状取得装置の前記制御部で動作して、形状取得装置に、形状処理方法の各ステップを行わせる。
【0034】
すなわち、本発明は、ワークを保持する保持部、主軸を互いに直交する第1軸方向および第2軸方向に移動させる主軸駆動機構、制御部、および記憶部を備えるマシニングセンタと、スタイラスと、前記主軸に取り付けられて前記スタイラスを保持し当該スタイラスがワークに接触したときに当接信号を前記制御部に入力する当接センサと、を有する形状取得装置の前記制御部で動作して前記ワークの第1面と第2面とが交わる角部の形状を取得する形状取得プログラムにおいて、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1面と対向する前記第1軸方向から前記第1面に当接させ、前記当接信号に基づいて前記スタイラスが当接した第1基準位置の座標を第1基準座標として取得して前記記憶部に記憶保持する第1基準座標取得ステップと、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2面と対向し前記第1軸方向と直交する第2軸方向から前記第2面に当接させ、前記当接信号に基づいて前記スタイラスが当接した第2基準位置の座標を第2基準座標として取得して前記記憶部に記憶保持する第2基準座標取得ステップと、前記第1軸方向において前記第2基準位置から前記角部に向かう方向を第1軸第1方向、その反対方向を第1軸第2方向、前記第2軸方向において前記第1基準位置から前記角部に向かう方向を第2軸第1方向、その反対方向を第2軸第2方向としたときに、前記角部の論理座標に基づいて前記スタイラスを前記第1軸方向から前記角部に当接させ、前記当接信号に基づいて第1角部座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第1角部座標取得ステップと、前記論理座標に基づいて前記スタイラスを前記第2軸方向から前記角部に当接させ、前記当接信号に基づいて第2角部座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第2角部座標取得ステップと、前記第1角部座標および前記第2角部座標のぞれぞれと、前記論理座標と、を比較し、前記第1角部座標が前記論理座標よりも前記第1軸第1方向に位置し、前記第2角部座標が前記論理座標と一致する場合には、前記ワークが前記角部に前記第1軸第1方向に延びる第1バリを備える形状であると判断し、前記第1角部座標が前記論理座標に一致し、前記第2角部座標が前記論理座標よりも前記第2軸第1方向に位置する場合には、前記ワークが前記角部に前記第2軸第1方向に延びる第2バリを備える形状であると判定する形状判定ステップと、を、この順で備えることを特徴とする。
【0035】
本発明では、前記形状判定ステップにおいて、前記第1角部座標が前記論理座標よりも
前記第1軸第2方向に位置し、かつ、前記第2角部座標が前記論理座標よりも前記第2軸第2方向に位置する場合には、前記ワークが前記角部にダレを備える形状であると判定するものとすることができる。
【0036】
また、本発明では、前記形状判定ステップにおいて、前記1角部座標が論理座標と一致し、かつ、前記第2角部座標が論理座標と一致する場合には、前記ワークが前記角部に理論通りの形状を備えると判定するものとすることができる。
【0037】
本発明において、前記第1角部座標取得ステップの前に、前記記憶部に記憶保持された前記論理座標を取得する論理座標取得ステップを備えるものとすることができる。
【0038】
本発明において、前記第2基準座標取得ステップと前記第1角部座標取得ステップとの間に、前記第1基準座標および前記第2基準座標に基づいて、前記角部の論理座標を算出する論理座標取得ステップを備えるものとすることができる。
【0039】
本発明において、前記第1基準座標取得ステップと前記第2基準座標取得ステップとの間に、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1軸方向から前記第1基準位置とは異なる第1離間位置に当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1離間位置の座標を第1離間座標として取得する第1離間座標取得ステップを行い、前記第2基準座標取得ステップと前記第1角部座標取得ステップとの間に、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向から前記第2基準位置とは異なる第2離間位置に当接させ、前記第2離間位置の座標を第2離間座標として取得する第2離間座標取得ステップと、前記第1基準座標、前記第1離間座標、前記第2基準座標、前記第2離間座標に基づいて前記論理座標を算出する論理座標取得ステップと、をこの順で備えるものとすることができる。
【0040】
本発明において、前記ワークが前記角部に前記第1バリを備える形状であると判定されると、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第1基準位置と前記角部との間の第1当接位置に前記第1軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1当接位置の第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第1当接座標として、前記第1基準座標と前記論理座標とを通過する第1仮想線分上の第1仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近い第1バリ根本座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向に移動させて前記第1当接位置を変更しながら前記第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第1当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記論理座標、および前記第1バリ根本座標に基づいて前記第1バリの根本部分の第1 幅寸法を取得する第1バリ形状取得ステップを備えるものとすることができる。
【0041】
この場合において、前記第1バリ形状取得ステップにおいて、前記スタイラスを最初に当接させる前記第1当接位置は、前記第1基準位置と前記角部との中央であり、前記第1当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標の前記第1軸方向の成分と前記第1仮想線分座標の前記第1軸方向の成分との差分に基づいて前記第1基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第1当接位置を決定するものとすることができる。
【0042】
本発明において、前記ワークが前記角部に前記第2バリを備える形状であると判定されると、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第2基準位置と前記角部との間の第2当接位
置に前記第2軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第2当接位置の第2当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第2当接座標として、前記第2基準座標と前記論理座標とを通過する第2仮想線分上の第2仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近い第2バリ根本座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1軸方向に移動させて前記第2当接位置を変更しながら前記第2当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第2当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記論理座標、および前記第2バリ根本座標に基づいて前記第2バリの根本部分の第2幅寸法を取得する第2バリ形状取得ステップを備えるものとすることができる。
【0043】
この場合において、前記第2バリ形状取得ステップにおいて、前記スタイラスを最初に当接させる前記第2当接位置は、前記第2基準位置と前記角部との中央であり、前記第2当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標の前記第2軸方向の成分と前記第2仮想線分座標の前記第2軸方向の成分との差分に基づいて前記第2基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第2当接位置を決定するものとすることができる。
【0044】
本発明において、前記ワークが前記角部に前記ダレを備える形状であると判定されると、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第1基準位置と前記角部との間の第1当接位置に前記第1軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1当接位置の第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第1当接座標として、前記第1基準座標と前記論理座標とを通過する第1仮想線分上の第1仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近いダレ開始座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向に移動させて前記第1当接位置を変更しながら前記第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第3当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記ダレ開始座標に基づいて、前記ダレの前記第1面の第3幅寸法を取得するダレ形状取得ステップを備えるものとすることができる。
【0045】
この場合において、前記ダレ形状取得ステップにおいて、前記スタイラスを最初に当接させる前記第1当接位置は、前記第1基準位置と前記角部との中央であり、前記第3当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標の前記第1軸方向の成分と前記第1仮想線分座標の前記第1軸方向の成分との差分に基づいて前記第1基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第1当接位置を決定することを特徴とする請求項11に記載の形状取得プログラム。
【0046】
次に、本発明のスタイラスは、軸部と、前記軸部の先端側に位置する接触部と、を備え、前記接触部は、前記軸部の軸線に沿った軸線方向の先端に位置する第1当接部と、前記軸線方向における前記軸部と前記第1当接部との間で前記軸線を囲む環状の第2当接部と、を備え、前記第2当接部は、前記軸線方向から見た場合に、前記第1当接部および前記軸部の外周側に位置し、前記第1当接部と前記第2当接部とは、前記第2当接部から前記第1当接部に向かって前記軸線の側に窪む環状の第1凹曲面により接続され、前記第2当接部と前記軸部とは、前記第2当接部から前記軸部に向かって前記軸線の側に窪む環状の第2凹曲面により接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0047】
本発明の形状取得装置および形状取得方法によれば、ワークの角部の形状を、角部に存在するバリを含めて取得できる。また、本発明の形状取得プログラムを形状取得装置の制御部で動作させれば、ワークの角部の形状を、角部に存在するバリを含めて取得できる。さらに、本発明のスタイラスによれば、スタイラスの第1当接部または第2当接部をワークに接触させる際に、スタイラスの接触部がワークと干渉することを防止或いは抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図3】角部の形状を取得する形状取得方法のフローチャートである。
【
図4】角部の形状を取得する形状取得方法の説明図である。
【
図5】第1バリ形状取得モードのフローチャートである。
【
図7】第2バリ形状取得モードのフローチャートである。
【
図9】ダレ形状取得ステップのフローチャートである。
【
図11】第1面および第2面が傾斜する場合の角部の論理座標の算出方法のフローチャートである。
【
図12】第1面および第2面が傾斜する場合の角部の論理座標の算出方法の説明図である。
【
図13】第2バリ高さの値を補正する補正方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態である形状取得方法、形状取得プログラム、形状取得方法、およびスタイラスを説明する。
【0050】
図1は、本例の形状取得装置の説明図である。
図2は、形状測定装置に取り付けるスタイラスの斜視図である。
図1に示すように、本例の形状取得装置1は、マシニングセンタ2と、スタイラス10と、マシニングセンタ2の主軸50に取り付けられてスタイラス10を保持する当接センサ4と、を有する。マシニングセンタ2は、ワーク5を保持するテーブル51(保持部)、主軸50、主軸50を移動させる主軸駆動機構52を備える。マシニングセンタ2の制御系は、マシニングセンタ2の動作を司る制御部53と、記憶部54と、を備える。当接センサ4は、スタイラス10がワーク5に接触したときに当接信号Vを制御部53に入力する。
【0051】
形状取得装置1は、テーブル51上に保持されたワーク5の角部6の形状を取得する。本例では、マシニングセンタ2が形状取得装置1として機能する。従って、マシニングセンタ2の主軸50に切削工具を取り付けてワーク5に切削加工を施した後に、マシニングセンタ2からワーク5を取り外すことなく、ワーク5の角部6の形状を取得する形状測定動作を行うことができる。
【0052】
以下の説明では、互いに直交する3軸を第1軸L1、第2軸L2、および第3軸L3とする。また、第1軸L1に沿った方向を第1軸方向X、第2軸L2に沿った方向を第2軸方向Y、第3軸L3に沿った方向を第3軸方向Zとする。マシニングセンタ2の主軸駆動機構52は、主軸50を、第1軸方向X、第2軸方向Y、および第3軸方向Zに移動させる。本例では、第1軸方向Xは、主軸50に沿った方向であり、上下方向である。第2軸
方向Yは水平方向である。また、第1軸方向の一方側を第1軸第1方向、その反対側を第1軸第2方向とする。第2軸方向の一方側を第2軸第1方向、その反対側を第2軸第2方向とする。以下では、第1軸L1および第2軸L2を含む平面上に位置するXY座標について説明する。
【0053】
制御部53は、CPU、ROM、RAMなどを備える。記憶部54には、マシニングセンタ2を駆動制御するアプリケーションプログラムである形状取得プログラム55が記憶保持されている。また、記憶部54には、形状取得のための各種のデータが記憶保持される。
【0054】
マシニングセンタ2、当接センサ4、およびスタイラス10を形状取得装置1として機能させる際には、制御部53に、形状取得プログラム55を読み込ませる。形状取得プログラム55は、制御部53を、スタイラス移動制御部11、座標取得部12、論理座標取得部13、形状判定部14として機能させる。また、形状取得プログラム55は、制御部53を、第1バリ形状取得部15、第2バリ形状取得部16、ダレ形状取得部17、として機能させる。制御部53の詳細は、後述する。
【0055】
図2に示すように、スタイラス10は、軸部21と、軸部21の先端側に位置する接触部22と、を備える。スタイラス10は、軸部21の基端部分、すなわち、軸部21の接触部22とは反対側の部分をマシニングセンタ2の主軸50に接続して使用される。接触部22は、軸部21の軸線L0に沿った軸線方向の先端に位置する第1当接部23と、軸線方向における軸部21と第1当接部23との間で軸線L0を囲む円環状の第2当接部24と、を備える。第2当接部24は、軸線方向から見た場合に、第1当接部23および軸部21の外周側に位置する。第2当接部24は、軸部21と同軸である。
【0056】
第1当接部23と第2当接部24とは、第2当接部24から第1当接部23に向かって軸線L0の側に窪む環状の第1凹曲面25により接続されている。第2当接部24と軸部21とは、第2当接部24から軸部21に向かって軸線L0の側に窪む環状の第2凹曲面26により接続されている。
【0057】
図1に示すように、スタイラス10が当接センサ4を介してマシニングセンタ2の主軸50に接続された状態では、主軸50、当接センサ4、およびスタイラス10は、同軸である。従って、スタイラス10の軸線L0は、第1軸方向Xに延びる。よって、スタイラス10は、第1軸方向Xからワーク5に接触可能な第1当接部23と、第1軸方向Xと直交する第2軸方向Yからワーク5に接触可能な第2当接部24と、を備える。
【0058】
本例において、ワーク5は、
図1に示すように、上面である第1面7と、側面である第2面8と、第1面7と第2面8とが交わる角部6と、をする。また、本例では、ワーク5がマシニングセンタ2のテーブル51に保持された状態で、第1面7は、第1軸Lに対して垂直である。第2面8は、第2軸L2に対して垂直である。従って、第1面7は第2軸方向Yに延び、第2面8は第1軸方向Xに延びる。
【0059】
(制御部)
形状取得プログラム55は、制御部53を、スタイラス移動制御部11、座標取得部12、論理座標取得部13、および形状判定部14として機能させる。
【0060】
スタイラス移動制御部11は、主軸駆動機構52を駆動制御して主軸50に接続されたスタイラス10の移動を制御する。具体的には、スタイラス移動制御部11は、スタイラス10を第1面7と対向する第1軸方向Xから第1面7に当接させ、次に、スタイラス10を第2面8と対向し第1軸方向Xと直交する第2軸方向Yから第2面8に当接させる。
その後、スタイラス移動制御部11は、角部6の論理座標Eに基づいてスタイラス10を第1軸方向Xから角部6に当接させる。しかる後に、スタイラス移動制御部11は、論理座標Eに基づいてスタイラス10を第2軸方向Yから角部6に当接させる。
【0061】
座標取得部12は、当接センサ4からの当接信号Vに基づいてスタイラス10がワーク5に当接した当接位置の座標を取得し、その座標を記憶部54に記憶保持する。具体的には、座標取得部12は、スタイラス10が第1面7に最初に当接した第1基準位置P1(後述する
図4参照)の座標を第1基準座標として取得し、記憶部54に記憶保持する。また、座標取得部12は、スタイラス10が第2面8に最初に接した第2基準位置P2(後述する
図4参照)の座標を第2基準座標として取得し、記憶部54に記憶保持する。さらに、座標取得部12は、スタイラス10が第1軸方向Xから角部6に当接した座標を第1角部座標として取得し、記憶部54に記憶保持する。また、座標取得部12は、スタイラス10が第2軸方向Yから角部6に当接した座標を第2角部座標として取得し、記憶部54に記憶保持する。
【0062】
論理座標取得部13は、第1基準位置P1の第1基準座標および第2基準位置P2の第2基準座標に基づいて、角部6の論理座標Eを算出する。本例では、ワーク5の第1面7が第2軸L2に沿っており、第2面8が第1軸L1に沿っている。従って、角部6の論理座標Eの第1軸方向Xの成分は、第1基準位置P1の第1軸方向Xの成分となり、角部6の論理座標Eの第2軸方向Yの成分は、第2基準位置P2の第2軸方向Yの成分となる。
【0063】
ここで、第1軸第1方向X1は、第1軸方向Xにおいて第2基準位置P2から角部6に向かう方向であり、第1軸第2方向X2は、その反対方向である。第1軸第1方向X1は、上方であり、第1軸第2方向X2は、下方である。また、第2軸第1方向Y1は、第2軸方向Yにおいて第1基準位置P1から角部6に向かう方向であり、第2軸第2方向Y2は、反対方向である。第2軸第1方向Y1は、水平方向の一方側であり、第2軸第2方向Y2は、水平方向の他方側である。
【0064】
形状判定部14は、ワーク5の角部6の形状が、第1軸方向Xに延びる第1バリ31(後述する
図6参照)を備える形状であるか、第2軸方向Yに延びる第2バリ32(後述する
図8参照)を備える形状であるか、ダレ33(後述する
図10)を備える形状であるか、或いは、バリ31、32やダレ33を備えていない論理どおりの形状であるか、を判定する。ダレ33とは、角部6のエッジが削られている状態である。
【0065】
具体的には、形状判定部14は、座標取得部12が取得した座標に基づいてワーク5の角部6の形状を算出する。すなわち、形状判定部14は、第1角部座標および第2角部座標のぞれぞれと、論理座標Eと、を比較する。そして、形状判定部14は、第1角部座標が論理座標Eよりも第1軸第1方向に位置し、第2角部座標が論理座標Eと一致する場合には、ワーク5は角部6に第1軸第1方向に延びる第1バリ31を備える形状であると判断する。また、形状判定部14は、第1角部座標が論理座標Eに一致し、第2角部座標が論理座標Eよりも第2軸第1方向に位置する場合には、ワーク5は角部6に第2軸第1方向に延びる第2バリ32を備える形状であると判定する。さらに、形状判定部14は、第1角部座標が論理座標Eよりも第1軸第2方向に位置し、かつ、第2角部座標が論理座標Eよりも第2軸第2方向に位置する場合には、ワーク5が角部6にダレ33を備える形状であると判定する。また、形状判定部14は、第1角部座標が論理座標Eと一致し、かつ、第2角部座標が論理座標Eと一致する場合には、形状判定部14は、ワーク5が角部6に理論通りの形状を備えると判定する。
【0066】
また、形状取得プログラム55は、制御部53を、第1バリ形状取得部15、第2バリ形状取得部16、およびダレ形状取得部17として機能させる。
【0067】
第1バリ形状取得部15は、ワーク5の角部6の形状が第1バリ31を備える形状であると判定された場合に、第1バリ31の形状を取得する。すなわち、第1バリ形状取得部15は、第1角部座標と論理座標Eとに基づいて第1バリ31の第1軸方向Xの高さを算出する。具体的には、第1角部座標の第1軸方向Xの成分と角部6の論理座標Eの第1軸方向Xの成分との差分を算出し、第1バリ高さH1として取得する。
【0068】
また、第1バリ形状取得部15は、ワーク5が角部6に第1バリ31を備える形状であると判定されると、主軸駆動機構52を駆動制御して第1基準位置P1と角部6との間の第1当接位置に第1軸方向Xからスタイラス10を当接させ、当接信号Vに基づいて第1当接位置の第1当接座標を取得して記憶部54に記憶保持する。しかる後に、第1バリ形状取得部15は、第1当接座標として、第1基準座標と論理座標Eとを通過する第1仮想線分上の第1仮想線分座標であって、かつ、主軸駆動機構52がスタイラス10を移動させる分解能において最も論理座標Eに近い第1バリ根本座標を取得するまで、主軸駆動機構52を駆動制御してスタイラス10を第2軸方向Yに移動させて第1当接位置を変更しながら第1当接座標を取得して記憶部54に記憶保持する第1当接座標取得動作を繰り返す。その後に、第1バリ形状取得部15は、論理座標E、および第1バリ根本座標に基づいて第1バリ31の根本部分の第1幅寸法を取得する。ここで、主軸駆動機構52がスタイラス10を移動させる分解能は、主軸駆動機構52の本来の分解能の場合がある。また、主軸駆動機構52がスタイラス10を移動させる分解能は、主軸駆動機構52に任意に設定された分解能である。すなわち、形状取得プログラム55は、主軸駆動機構52の分解能を任意の値に設定する。
【0069】
本例では、第1バリ形状取得部15がスタイラス10を最初に当接させる第1当接位置は、第1基準位置P1と角部6との中央である。また、第1バリ形状取得部15が第1当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前にスタイラス10を当接させた第1当接位置の第1当接座標の第1軸方向Xの成分と第1仮想線分座標の第1軸方向Xの成分との差分に基づいて第1基準座標、論理座標E、およびスタイラス10を2回前に当接させた第1当接位置の第1当接座標から選択される一つの座標と、直前にスタイラス10を当接させた第1当接位置の第1当接座標と、基づいて、次にスタイラス10を当接させる第1当接位置を決定する。
【0070】
第2バリ形状取得部16は、ワーク5の角部6の形状が第2バリ32を備える形状であると判定された場合に、第2バリ32の形状を取得する。すなわち、第2バリ形状取得部16は、第2角部座標と論理座標E第とに基づいて、第2バリ32の第2軸方向Yの高さを算出する。具体的には、第2角部座標F2の第2軸方向Yの成分と角部6の論理座標Eの第2軸方向Yの成分との差分を算出し、第2バリ高さH2として取得する。
【0071】
また、第2バリ形状取得部16は、主軸駆動機構52を駆動制御して第2基準位置P2と角部6との間の第2当接位置に第2軸方向Yからスタイラス10を当接させ、当接信号Vに基づいて第2当接位置の第2当接座標を取得して記憶部54に記憶保持する。しかる後に、第2バリ形状取得部16は、第2当接座標として、第2基準座標と論理座標Eとを通過する第2仮想線分上の第2仮想線分座標であって、かつ、主軸駆動機構52がスタイラス10を移動させる分解能において最も論理座標Eに近い第2バリ根本座標を取得するまで、主軸駆動機構52を駆動制御してスタイラス10を第1軸方向Xに移動させて第2当接位置を変更しながら第2当接座標を取得して記憶部54に記憶保持する第2当接座標取得動作を繰り返す。その後に、第2バリ形状取得部16は、論理座標E、および第2バリ根本座標に基づいて第2バリ32の根本部分の第2幅寸法を取得する。
【0072】
本例では、第2バリ形状取得部16がスタイラス10を最初に当接させる第2当接位置
は、第2基準位置P2と角部6との中央である。また、第2バリ形状取得部16が第2当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前にスタイラス10を当接させた第2当接位置の第2当接座標の第2軸方向Yの成分と第2仮想線分座標の第2軸方向Yの成分との差分に基づいて第2基準座標、論理座標E、およびスタイラス10を2回前に当接させた第2当接位置の第2当接座標から選択される一つの座標と、直前にスタイラス10を当接させた第2当接位置の第2当接座標と、基づいて、次にスタイラス10を当接させる第2当接位置を決定する。
【0073】
ダレ形状取得部17は、ワーク5の角部6の形状がダレ33を備える形状であると判定された場合に、ダレ33の形状を取得する。すなわち、ダレ形状取得部17は、第1角部座標と論理座標Eとに基づいてダレ深さH3を算出する。具体的には、第1角部座標F1の第1軸方向Xの成分と角部6の論理座標Eの第1軸方向Xの成分との差分を算出し、ダレ深さH3として取得する。
【0074】
また、ダレ形状取得部17は、主軸駆動機構52を駆動制御して第1基準位置P1と角部6との間の第1当接位置に第1軸方向Xからスタイラス10を当接させ、当接信号Vに基づいて第1当接位置の第1当接座標を取得して記憶部54に記憶保持する。しかる後に、ダレ形状取得部17は、第1当接座標として、第1基準座標と論理座標Eとを通過する第1仮想線分上の第1仮想線分座標であって、かつ、主軸駆動機構52がスタイラス10を移動させる分解能において最も論理座標Eに近いダレ開始座標を取得するまで、主軸駆動機構52を駆動制御してスタイラス10を第2軸方向Yに移動させて第1当接位置を変更しながら第1当接座標を取得して記憶部54に記憶保持する第3当接座標取得動作を繰り返す。その後に、ダレ形状取得部17は、ダレ開始座標に基づいて、ダレ33の第1面7上の第3幅寸法を取得する。
【0075】
本例では、ダレ形状取得部17がスタイラス10を最初に当接させる第1当接位置は、第1基準位置P1と角部6との中央である。ダレ形状取得部17が第3当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前にスタイラス10を当接させた第1当接位置の第1当接座標の第1軸方向Xの成分と第1仮想線分座標の第1軸方向Xの成分との差分に基づいて第1基準座標、論理座標E、およびスタイラス10を2回前に当接させた第1当接位置の第1当接座標から選択される一つの座標と、直前にスタイラス10を当接させた第1当接位置の第1当接座標と、基づいて、次にスタイラス10を当接させる第1当接位置を決定する。
【0076】
(形状取得方法:形状取得プログラムが制御部を動作させるステップ)
図3は、ワーク5の角部6の形状を取得する形状取得方法のフローチャートである。
図4は、角部6の形状を取得する形状取得方法の説明図である。
図4は、ワーク5が、角部6に第1バリ31を備える例である。なお、以下に説明する形状取得装置1の形状取得方法の各ステップは、マシニングセンタ2の制御部53で動作する形状取得プログラム55が形状取得装置1を駆動制御する各ステップである。
【0077】
図3、
図4に示すように、本例の形状取得方法では、マシニングセンタ2は、まず、スタイラス10を第1面7と対向する第1軸方向Xから第1面7に当接させて当該スタイラス10が当接した第1基準位置P1の座標を第1基準座標C(0)として取得する(第1基準座標取得ステップST1)。具体的には、スタイラス移動制御部11は、主軸駆動機構52を動作させ、スタイラス10を第1軸方向Xから第1面7の第1基準位置P1に当接させる。座標取得部12は、スタイラス10が当接した第1基準位置P1の第1基準座標C(0)を取得する。また、座標取得部12は、取得した第1基準座標C(0)を記憶部54に記憶保持する。ここで、第1基準位置P1は、角部6にバリ31、32やダレ33が発生している場合でも、これらバリ31、32やダレ33に接触しない程度に角部6
から第2軸方向Yに離間する位置である。このような第1基準位置P1は、予め、設定できる。
【0078】
また、マシニングセンタ2は、スタイラス10を、第2面8と対向し第1軸方向Xと直交する第2軸方向Yから第2面8に当接させ、スタイラス10が当接した第2基準位置P2の座標を第2基準座標D(0)として取得する(第2基準座標取得ステップST2)。すなわち、スタイラス移動制御部11は主軸駆動機構52を動作させ、スタイラス10を第2軸方向Yから第2面8の第2基準位置P2に当接させる。座標取得部12は、スタイラス10が当接した第2基準位置P2の第2基準座標D(0)を取得する。また、座標取得部12は、取得した第2基準座標D(0)を記憶部54に記憶保持する。ここで、第2基準位置P2は、角部6にバリ31、32やダレ33が発生している場合でも、これらバリ31、32やダレ33に接触しない程度に角部6から第1軸方向Xに離間する位置である。このような第2基準位置P2は、予め、設定できる。
【0079】
ここで、論理座標取得部13は、第1基準位置P1の第1基準座標C(0)および第2基準位置P2の第2基準座標D(0)に基づいて、角部6の論理座標Eを算出する(
図3:論理座標取得ステップST3)。また、論理座標取得部13は、算出した論理座標Eを記憶部54に記憶保持する。論理座標Eは、ワーク5の角部6の設計上の座標であり、第1軸L1および第2軸L2を含む平面上において第1面7と第2面8とが交差する交点の座標である。本例では、第1面7は第2軸方向Yに延び、第2面8は第1軸方向Xに延びる。従って、角部6の論理座標Eの第1軸方向Xの成分は、第1基準位置P1の第1軸方向Xの成分となり、角部6の論理座標Eの第2軸方向Yの成分は、第2基準位置P2の第2軸方向Yの成分となる。
【0080】
なお、形状取得方法では、予め、マシニングセンタ2の記憶部54に角部6の論理座標Eを記憶保持しておく場合がある。この場合には、論理座標取得ステップST3において、論理座標取得部13は、記憶部54に記憶保持された論理座標Eを取得する。
【0081】
次に、マシニングセンタ2は、スタイラス10を第1軸方向Xから角部6に当接させて第1角部座標F1を取得する(第1角部座標取得ステップST4)。すなわち、スタイラス移動制御部11は、記憶部54に記憶保持された角部6の論理座標Eに基づいて主軸駆動機構52を動作させ、スタイラス10を第1軸方向Xから角部6に当接させる。座標取得部12は、スタイラス10が第1軸方向Xから当接した角部6の第1角部座標F1を取得する。また、座標取得部12は、取得した第1角部座標F1を記憶部54に記憶保持する。
【0082】
さらに、マシニングセンタ2は、スタイラス10を第2軸方向Yから角部6に当接させて第2角部座標F2を取得する(第2角部座標取得ステップST5)。すなわち、スタイラス移動制御部11は、論理座標Eに基づいて主軸駆動機構52を動作させ、スタイラス10を第2軸方向Yから角部6に当接させる。座標取得部12により、スタイラス10が第2軸方向Yから当接した角部6の第2角部座標F2を取得する。また、座標取得部12は、取得した第2角部座標F2を記憶部54に記憶保持する。
【0083】
ここで、形状判定部14は、第1角部座標F1および第2角部座標F2のぞれぞれと、論理座標Eと、を比較し、角部6の形状を取得する(形状判定ステップST6~ST14)。
【0084】
すなわち、形状判定部14は、第1角部座標F1が論理座標Eよりも第1軸第1方向X1に位置し、第2角部座標F2が論理座標Eと一致する場合には(形状判定ステップST6)、形状判定部14は、ワーク5が、角部6に第1軸第1方向X1に延びる第1バリ3
1を備える形状であることを取得する(形状判定ステップST7)。
【0085】
また、第1角部座標F1が論理座標Eに一致し、第2角部座標F2が論理座標Eよりも第2軸第1方向Y1に位置する場合には(形状判定ステップST8)、形状判定部14は、ワーク5が、角部6に第2軸第1方向Y1に延びる第2バリ32を備える形状であることを取得する(形状判定ステップST9)。
【0086】
さらに、第1角部座標F1が論理座標Eよりも第1軸第2方向X2に位置し、かつ、第2角部座標F2が論理座標Eよりも第2軸第2方向Y2に位置する場合には(形状判定ステップST10)、形状判定部14は、ワーク5が角部6にダレ33を備える形状であることを取得する(形状判定ステップST11)。ダレ33とは、角部6の稜線が削られている状態である。すなわち、第1面7の第2面8側の端が第1軸第2方向X2に削られ、かつ、第1面7の第1面7側の端が第2軸第2方向Y2に削られている状態である。
【0087】
また、第1角部座標F1が論理座標Eと一致し、かつ、第2角部座標F2が論理座標Eと一致する場合には(形状判定ステップST12)、形状判定部14は、ワーク5の角部6が理論通りの形状を備えることを取得する(形状判定ステップST13)。なお、上記のいずれにも当てはまらない場合には、エラーとする(形状判定ステップST14)。
【0088】
(第1バリ形状取得ステップ)
ステップST7において、ワーク5が角部6に第1バリ31を備える形状である、と判断された場合には、第1バリ形状取得ステップST20に移行する。
図5は、第1バリ形状取得ステップST20のフローチャートである。
図6は、第1バリ形状取得ステップST20の説明図である。
図5に示すように、第1バリ形状取得ステップST20では、第1バリ形状取得部15は、まず、第1バリ31の第1軸方向Xの高さを算出する。すなわち、第1角部座標F1の第1軸方向Xの成分と角部6の論理座標Eの第1軸方向Xの成分との差分を算出し、第1バリ高さH1として取得する(第1バリ高さ取得ステップST21)。
【0089】
次に、第1バリ形状取得部15は、第1基準位置P1と角部6との間の第1当接位置Q(1)に第1軸方向Xからスタイラス10を当接させて第1当接位置Q(1)の第1当接座標C(1)を取得する(ステップST22)。すなわち、第1バリ形状取得部15は、第1基準座標C(0)と、論理座標Eに基づいて主軸駆動機構52を動作させ、スタイラス10を第1軸方向Xから第1当接位置Q(1)に当接させる。座標取得部12は、第1当接位置Q(1)の第1当接座標C(1)を取得する。
【0090】
しかる後に、第1バリ形状取得部15は、第1当接座標C(n)として、第1基準座標C(0)と論理座標Eとを通過する第1仮想線分R1上の第1仮想線分座標G1であって、かつ、主軸駆動機構52の分解能において最も論理座標Eに近い第1バリ根本座標C(y)を取得するまで、スタイラス10を第2軸方向Yに移動させて第1当接位置Q1を変更しながら第1当接座標C(n)を取得する第1当接座標取得動作を繰り返す(ST23)。
【0091】
本例では、第1面7は、第2軸方向Yに延びる。従って、第1仮想線分R1は、第1面7に沿って第2軸方向Yに延びる線分である。よって、第1当接座標取得動作を制御する第1バリ形状取得部15は、第1当接座標C(n)の第1軸方向Xの成分から第1基準座標C(0)の第1軸方向Xの成分を差し引いた値が0であれば、第1当接座標C(n)が第1仮想線分R1上の第1仮想線分座標G1であると判断する。一方、第1バリ形状取得部15は、第1当接座標C(n)の第1軸方向Xの成分から第1基準座標C(0)の第1軸方向Xの成分を差し引いた値が0よりも大きければ、第1当接座標C(n)は、第1仮
想線分R1上の第1仮想線分座標G1ではないと判断する。
【0092】
また、本例では、第1基準座標C(0)と論理座標Eとを通過する第1仮想線分R1上の第1仮想線分座標G1であって、かつ、最も論理座標Eに近い第1バリ根本座標C(y)を取得するために、二分探索法を用いる。すなわち、第1面7において第1バリ31が存在しない領域では、第1当接座標Cの値は、第1仮想線分座標G1となる。また、第1面7において第1バリ31が存在する領域は、必ず、第1バリ31が存在しない領域の第2軸第1方向Y1に位置する。さらに、第1面7において第1バリ31が存在する領域では、第1バリ31が存在する分だけ第1軸第1方向X1に高くなるので、第1当接座標C(n)の第1軸方向Xの成分は、第1バリ31が存在する分だけ第1仮想線分座標G1よりも大きくなる。従って、第1基準座標C(0)と論理座標Eとを通過する第1仮想線分R1上の第1仮想線分座標G1であって、かつ、最も論理座標Eに近い第1バリ根本座標C(y)を取得するために、二分探索法を用いることができる。
【0093】
二分探索法では、
図5に示すように、ステップST22においてスタイラス10を最初に当接させるステップST22の第1当接位置Q(1)は、第1基準位置P1と角部6との中央とする。ステップST23において第1当接座標取得動作をn回繰り返す際には、第1バリ形状取得部15は、直前にスタイラス10を当接させた第1当接位置Q(n-1)の第1当接座標C(n-1)の第1軸方向Xの成分と第1仮想線分座標の第1軸方向Xの成分との差分に基づいて第1基準座標C(0)、論理座標E、およびスタイラス10を2回前に当接させた第1当接位置Q(n-2)の第1当接座標C(n-2)から選択される一つの座標と、直前にスタイラス10を当接させた第1当接位置Q(n-1)の第1当接座標C(n-1)と、基づいて、次にスタイラス10を当接させる第1当接位置Q(n)を決定する(ステップST231)。
【0094】
ここで、第1当接座標C(n-1)から第1当接位置Q(n)までのスタイラス10の移動量が、主軸駆動機構52の分解能よりも大きい場合には(ステップST232:No)、第1バリ形状取得部15は、第1当接位置Q(n)にスタイラス10と当接させる。座標取得部12は、第1当接位置Q(n)の第1当接座標C(n)を取得し、記憶部54に記憶保持する(ステップST233)
【0095】
一方、第1当接座標C(n-1)から第1当接位置Q(n)までのスタイラス10の移動量が、主軸駆動機構52の分解能よりも小さい場合には(ステップST232:Yes)、第1バリ形状取得部15は、取得している第1当接位置Q(n)の第1当接座標C(n)を、第1バリ根本座標C(y)とする(ステップST234)。
【0096】
例えば、第1当接位置Q(1)の第1当接位置Q(1)が第1仮想線分R1上の第1仮想線分座標G1である場合に、第1バリ形状取得部15は、次にスタイラス10を当接させる第1当接位置Q(2)を、第1当接位置Q(1)と角部6との中央とする。一方、第1当接位置Q(1)の第1当接位置Q(1)が第1仮想線分R1上の第1仮想線分座標G1よりも第1軸第1方向X1に位置する場合に、第1バリ形状取得部15は、次にスタイラス10を当接させる第1当接位置Q(2)を、第1当接位置Q(1)と第1基準位置P1との中央とする。
【0097】
ここで、第1当接位置Q(2)の第1当接位置Q(2)が第1仮想線分R1上の第1仮想線分座標G1である場合には、第1バリ形状取得部15は、次にスタイラス10を当接させる第1当接位置Q(3)を、第1当接位置Q(2)よりも角部6の側とする。すなわち、この場合には、直前にスタイラス10を当接させた第1当接位置Q(2)の第1当接座標C(2)の第1軸方向Xの成分と第1仮想線分座標の第1軸方向Xの成分との差分が0である。従って、第1バリ形状取得部15は、第1基準座標C(0)と論理座標Eとか
ら論理座標Eを選択し、第1当接位置Q(3)を、第1当接位置Q(2)と論理座標Eとの中央とする。その後、第1当接位置Q(3)の第1当接位置Q(3)が第1仮想線分R1上の第1仮想線分座標G1である場合には、第1バリ形状取得部15は、次にスタイラス10を当接させる第1当接位置Q(4)を、第1当接位置Q(3)よりも論理座標Eの側とする。すなわち、この場合には、直前にスタイラス10を当接させた第1当接位置Q(2)の第1当接座標C(2)の第1軸方向Xの成分と第1仮想線分座標の第1軸方向Xの成分との差分が0である。従って、第1バリ形状取得部15は、第1基準座標C(0)、論理座標Eおよび第1当接位置Q(2)から論理座標Eを選択し、第1当接位置Q(4)を、第1当接位置Q(3)と論理座標Eとの中央とする。一方、第1当接位置Q(3)の第1当接位置Q(3)が第1仮想線分R1上の第1仮想線分座標G1よりも第1軸第1方向X1にある場合には、第1バリ形状取得部15は、次にスタイラス10を当接させる第1当接位置Q(4)を、第1当接位置Q(3)よりも第1当接位置Q(2)の側とする。すなわち、この場合には、直前にスタイラス10を当接させた第1当接位置Q(2)の第1当接座標C(2)の第1軸方向Xの成分と第1仮想線分座標の第1軸方向Xの成分との差分が0よりも大きい。従って、第1バリ形状取得部15は、第1基準座標C(0)、論理座標Eおよび第1当接位置Q(2)から第1当接位置Q(2)を選択し、第1当接位置Q(4)を、第1当接位置Q(3)と第1当接位置Q(2)との中央とする。
【0098】
以降は、第1当接位置Q(n)が第1仮想線分座標G1である場合には、スタイラス10を第2軸第1方向Y1に移動させて探索領域を限定し、第1当接位置Q(n)が第1仮想線分座標G1の第1軸第1方向にある場合には、スタイラス10を第2軸第2方向Y2に移動させて探索領域を限定しながら、探索を継続する。そして、スタイラス10の移動量が、主軸駆動機構52の分解能よりも小さくなった時点で、第1バリ形状取得部15は、取得している第1当接位置Q(n)の第1当接座標C(n)を、第1バリ根本座標C(y)とする。
【0099】
その後、第1バリ形状取得部15は、論理座標Eおよび第1バリ根本座標C(y)に基づいて第1バリ31の根本部分の厚みを取得する(ステップST24)。すなわち、ステップST22、ステップST23により、座標取得部12は、第1バリ根本座標C(y)として、第1面7において第1バリ31が立ち上がる第1バリ31立ち上がり位置の第1仮想線分R1上の座標を取得する。従って、第1バリ形状取得部15は、第1バリ根本座標C(y)と論理座標Eとの間の差分を、第1バリ31の根本部分の第1幅寸法I1として取得する。よって、第1バリ形状取得部15は、角部6に存在する第1バリ31の形状を取得できる。
【0100】
なお、第1バリ高さH1を取得するステップST21は、第1バリ31の根本部分の第1幅寸法I1を取得するステップST24の後でもよい。
【0101】
(第2バリ形状取得ステップ)
ステップST9において、ワーク5が角部6に第2バリ32を備える形状である、と判断された場合には、第2バリ形状取得ステップST30に移行する。
図7は、第2バリ形状取得ステップST30のフローチャートである。
図8は、第2バリ形状取得ステップST30の説明図である。
図7に示すように、第2バリ形状取得ステップST30では、第2バリ形状取得部16は、まず、第2バリ32の第2軸方向Yの高さを算出する。すなわち、第2角部座標F2の第2軸方向Yの成分と角部6の論理座標Eの第2軸方向Yの成分との差分を算出し、第2バリ高さH2として取得する(ステップST31)。
【0102】
次に、第2バリ形状取得部16は、第2基準位置P2と角部6との間の第2当接位置S(1)に第2軸方向Yからスタイラス10を当接させて当該第2当接位置S(1)の第2当接座標D(1)を取得する(ステップST32)。すなわち、第2バリ形状取得部16
は、第2基準座標D(0)と、論理座標Eに基づいて主軸駆動機構52を動作させ、スタイラス10を第2軸方向Yから第2当接位置S(1)に当接させる。座標取得部12は、第2当接位置S(1)の第2当接座標D(1)を取得し、記憶部54に記憶保持する。
【0103】
しかる後に、第2バリ形状取得部16は、第2当接座標D(n)として、第2基準座標D(0)と論理座標Eとを通過する第2仮想線分R2上の第2仮想線分座標G2であって、かつ、主軸駆動機構52の分解能において最も論理座標Eに近い第2バリ根本座標D(x)を取得するまで、スタイラス10を第1軸方向Xに移動させて第2当接位置Sを変更しながら第2当接座標D(n)を取得する第2当接座標取得動作を繰り返す(ステップST33)。
【0104】
ここで、本例では、第2面8は、第1軸方向Xに延びる。従って、第2仮想線分R2は、第2面8に沿って第1軸方向Xに延びる線分である。よって、第2当接座標取得動作を制御する第2バリ形状取得部16は、第2当接座標D(n)の第2軸方向Yの成分から第2基準座標D(0)の第2軸方向Yの成分を差し引いた値が0であれば、第2当接座標D(n)が第2仮想線分R2上の第2仮想線分座標G2であると判断する。一方、第2バリ形状取得部16は、第2当接座標D(n)の第2軸方向Yの成分から第2基準座標D(0)の第2軸方向Yの成分を差し引いた値が0よりも大きければ、第2当接座標D(n)が第2仮想線分R2上の第2仮想線分座標G2ではないと判断する。
【0105】
本例では、第2基準座標D(0)と論理座標Eとを通過する第2仮想線分R2上の第2仮想線分座標G2であって、かつ、最も論理座標Eに近い第2バリ根本座標D(x)を取得するために、二分探索法を用いる。すなわち、第2面8において第2バリ32が存在しない領域では、第2当接座標D(n)の値は、第2仮想線分座標G2となる。また、第2面8において第2バリ32が存在する領域は、必ず、第2バリ32が存在しない領域の第1軸第1方向X1に位置する。さらに、第2面8において第2バリ32が存在する領域では、第2バリ32が存在する分だけ第2軸第1方向Y1に高くなるので、第2当接座標D(n)の第2軸方向Yの成分が、第2バリ32の分だけ第2仮想線分座標G2よりも大きくなる。従って、第2基準座標D(0)と論理座標Eとを通過する第2仮想線分R2上の第2仮想線分座標G2であって、かつ、最も論理座標Eに近い第2バリ根本座標D(x)を取得するために、二分探索法を用いることができる。
【0106】
二分探索法では、
図7に示すように、スタイラス10を最初に当接させるステップST32の第2当接位置S(1)は、第2基準位置P2と角部6との中央とする。ステップST33において第2当接座標取得動作をn回繰り返す際には、第2バリ形状取得部16は、直前にスタイラス10を当接させた第2当接位置S(n-1)の第2当接座標D(n-1)の第2軸方向Yの成分と第2仮想線分座標の第2軸方向Yの成分との差分に基づいて第2基準座標D(0)、論理座標E、およびスタイラス10を2回前に当接させた第2当接位置S(n-2)の第2当接座標D(n-2)から選択される一つの座標と、直前にスタイラス10を当接させた第2当接位置S(n-1)の第2当接座標D(n-1)と、基づいて、次にスタイラス10を当接させる第2当接位置S(n)を決定する(ステップST331)。
【0107】
ここで、第2当接座標D(n-1)から第2当接位置S(n)までのスタイラス10の移動量が、主軸駆動機構52の分解能よりも大きい場合には(ステップST332:No)、第2バリ形状取得部16は、第2当接位置S(n)にスタイラス10と当接させる。座標取得部12は、第2当接位置S(n)の第2当接座標D(n)を取得し、記憶部54に記憶保持する(ステップST333)
【0108】
一方、第2当接座標D(n-1)から第2当接位置S(n)までのスタイラス10の移
動量が、主軸駆動機構52の分解能よりも小さい場合には(ステップST332:Yes)、第2バリ形状取得部16は、取得している第2当接位置S(n)の第2当接座標D(n)を、第2バリ根本座標D(x)とする(ステップST334)。
【0109】
その後、第2バリ形状取得部16は、論理座標E、第2バリ根本座標D(x)に基づいて第2バリ32の根本部分の厚みを取得する(ステップST34)。すなわち、ステップST32、ステップST33により、座標取得部12は、第2バリ根本座標D(x)として、第2面8において第2バリ32が立ち上がる第2バリ32立ち上がり位置の第2仮想線分R2上の座標を取得する。従って、第2バリ形状取得部16は、第2バリ根本座標D(x)と論理座標Eとの間の差分を、第2バリ32の根本部分の第2幅寸法I2として取得する。よって、第2バリ形状取得部16は、角部6に存在する第2バリ32の形状を取得できる。
【0110】
なお、第2バリ高さH2を取得するステップST31は、第2バリ32の根本部分の第2幅寸法I2を取得するステップST34の後でもよい。
【0111】
(ダレ形状取得ステップ)
ステップST11において、ワーク5が、角部6にダレ33を備える形状である、と判断された場合には、ダレ形状取得ステップ40に移行する。
図9は、ダレ形状取得ステップ40のフローチャートである。
図10は、ダレ形状取得ステップ40の説明図である。
図9に示すように、ダレ形状取得ステップ40では、ダレ形状取得部17は、まず、ダレ33の第1軸方向Xの深さを算出する。すなわち、第1角部座標F1の第1軸方向Xの成分と角部6の論理座標Eの第1軸方向Xの成分との差分を算出し、ダレ深さH3として取得する(ステップST41)。
【0112】
次に、ダレ形状取得部17は、第1基準位置P1と角部6との間の第1当接位置Q(1)に第1軸方向Xからスタイラス10を当接させて第1当接位置Q(1)の第1当接座標C(1)を取得する(ステップST42)。すなわち、ダレ形状取得部17は、第1基準座標C(0)と、論理座標Eに基づいて主軸駆動機構52を動作させ、スタイラス10を第1軸方向Xから第1当接位置Q(1)に当接させる。座標取得部12は、第1当接位置Q(1)の第1当接座標C(1)を取得し、記憶部54に記憶保持する。
【0113】
しかる後に、ダレ形状取得部17は、第1当接座標C(n)として、第1基準座標C(0)と論理座標Eとを通過する第1仮想線分R1上の第1仮想線分座標G1であって、かつ、主軸駆動機構52の分解能において最も論理座標Eに近いダレ開始座標C(y)を取得するまで、スタイラス10を第2軸方向Yに移動させて第1当接位置Q1を変更しながら第1当接座標C(n)を取得する第3当接座標取得動作を繰り返す(ステップST43)。
【0114】
本例では、第1面7は、第2軸方向Yに延びる。従って、第1仮想線分R1は、第1面7に沿って第2軸方向Yに延びる線分である。よって、第1当接座標取得動作を制御するダレ形状取得部17は、第1当接座標C(n)の第1軸方向Xの成分から第1基準座標C(0)の第1軸方向Xの成分を差し引いた値が0であれば、第1当接座標C(n)が第1仮想線分R1上の第1仮想線分座標G1であると判断する。一方、ダレ形状取得部17は、第1当接座標C(n)の第1軸方向Xの成分から第1基準座標C(0)の第1軸方向Xの成分を差し引いた値が0よりも小さければ、第1当接座標C(n)は、第1仮想線分R1上の第1仮想線分座標G1ではないと判断する。
【0115】
また、本例では、第1基準座標C(0)と論理座標Eとを通過する第1仮想線分R1上の第1仮想線分座標G1であって、かつ、最も論理座標Eに近いダレ開始座標C(y)を
取得するために、二分探索法を用いる。すなわち、第1面7においてダレ33が存在しない領域では、第1当接座標Cの値は、第1仮想線分座標G1となる。また、第1面7においてダレ33が存在する領域は、必ず、ダレ33が存在しない領域の第2軸第1方向Y1に位置する。さらに、第1面7においてダレ33が存在する領域では、ダレ33が存在する分だけ第1軸第2方向X2に低くなるので、第1当接座標C(n)の第1軸方向Xの成分は、ダレ33が存在する分だけ第1仮想線分座標G1よりも小さくなる。従って、第1基準座標C(0)と論理座標Eとを通過する第1仮想線分R1上の第1仮想線分座標G1であって、かつ、最も論理座標Eに近いダレ開始座標C(y)を取得するために、二分探索法を用いることができる。
【0116】
二分探索法では、
図9に示すように、スタイラス10を最初に当接させるステップST42の第1当接位置Q(1)は、第1基準位置P1と角部6との中央とする。ステップST43において第1当接座標取得動作をn回繰り返す際には、ダレ形状取得部17は、直前にスタイラス10を当接させた第1当接位置Q(n-1)の第1当接座標C(n-1)の第1軸方向Xの成分と第1仮想線分座標の第1軸方向Xの成分との差分に基づいて第1基準座標C(0)、論理座標E、およびスタイラス10を2回前に当接させた第1当接位置Q(n-2)の第1当接座標C(n-2)から選択される一つの座標と、直前にスタイラス10を当接させた第1当接位置Q(n-1)の第1当接座標C(n-1)と、基づいて、次にスタイラス10を当接させる第1当接位置Q(n)を決定する(ステップST431)。
【0117】
ここで、第1当接座標C(n-1)から第1当接位置Q(n)までのスタイラス10の移動量が、主軸駆動機構52の分解能よりも大きい場合には、ダレ形状取得部17は、第1当接位置Q(n)にスタイラス10と当接させる。座標取得部12は、第1当接位置Q(n)の第1当接座標C(n)を取得し、記憶部54に記憶保持する(ステップST432)
【0118】
一方、第1当接座標C(n-1)から第1当接位置Q(n)までのスタイラス10の移動量が、主軸駆動機構52の分解能よりも小さい場合には、ダレ形状取得部17は、直前に取得している第1当接位置Q(n)の第1当接座標C(n)を、ダレ開始座標C(y)とする。
【0119】
その後、ダレ形状取得部17は、論理座標Eおよびダレ開始座標C(y)に基づいて第1面7におけるダレ33の幅を取得する(ステップST44)。すなわち、ステップST42、ステップST43により、座標取得部12は、ダレ開始座標C(y)として、第1面7においてダレ33が始まるダレ開始位置の第1仮想線分R1上の座標を取得する。従って、ダレ形状取得部17は、ダレ開始座標C(y)と論理座標Eとの間の差分を、ダレ33の第1面7の第3幅寸法I3として取得する。よって、ダレ形状取得部17は、角部6に存在するダレ33の形状を取得できる。
【0120】
なお、ダレ深さH3として取得するステップST41は、ダレ33の第1面7の第3幅寸法I3を取得するステップST44の後でもよい。
【0121】
(作用効果)
本例の形状取得装置1、形状取得プログラム55、および形状取得方法によれば、第1バリ31または第2バリ32を含むワーク5の角部6の形状を取得できる。また、本例の形状取得方法によれば、ダレ33を備えるワーク5の角部6の形状を取得できる。さらに、本例の形状取得方法によれば、ワーク5の角部6が理論通りの形状を備えているか、否かを取得できる。
【0122】
また、本例によれば、ワーク5が角部6に第1バリ31を備える形状の場合には、第1バリ根本座標C(y)として、第1面7において第1バリ31が立ち上がる第1バリ31立ち上がり位置の座標をする。従って、形状判定部14は、第2軸方向Yにおける第1バリ31立ち上がり位置の第1バリ根本座標C(y)と論理座標Eとの間の差分に基づいて、第1バリ31の根本部分の第1幅寸法I1を取得できる。また、形状判定部14は、第1軸方向Xにおける第1角部座標F1と論理座標Eとの差分に基づいて、第1バリ31の高さH1を取得できる。よって、形状判定部14は、角部6に存在する第1バリ31の形状を取得できる。
【0123】
また、本例では、第1バリ根本座標C(y)の取得に際して二分探索法を用いる。従って、スタイラス10を第1基準位置P1から第2軸第1方向Y1に向かって分解能分だけ移動させる動作と、スタイラス10を第1軸方向Xに移動させて第1面7に接触させて第1当接座標Cを取得する動作とを繰り返して第1バリ根本座標C(y)を取得する場合と比較して、スタイラス10を第1面7に接触させる回数を低減させることができる。これにより、第1バリ根本座標C(y)を取得するための時間を短縮できる。
【0124】
さらに、本例では、ワーク5が角部6に第2バリ32を備える形状の場合には、第2バリ根本座標D(x)として、第2面8において第2バリ32が立ち上がる第2バリ32立ち上がり位置の座標を取得する。従って、形状判定部14は、第1軸方向Xにおける第2バリ32立ち上がり位置の第2バリ根本座標D(x)と論理座標Eとの間の差分に基づいて、第2バリ32の根本部分の第2幅寸法I2を取得できる。また、形状判定部14は、第2軸方向Yにおける第2角部座標F2と論理座標Eとの差分に基づいて、第2バリ32の高さH2を取得できる。よって、形状判定部14は、角部6に存在する第2バリ32の形状を取得できる。
【0125】
また、本例では、第2バリ根本座標D(x)の取得に際して二分探索法を用いる。従って、スタイラス10を第2基準位置P2から第1軸第1方向X1に向かって分解能分だけ移動させる動作と、スタイラス10を第1軸方向Xに移動させて第2面8に接触させて第2当接座標D(n)を取得する動作とを繰り返して第2バリ根本座標D(x)を取得する場合と比較して、スタイラス10を第2面8に接触させる回数を低減させることができる。これにより、第2バリ根本座標D(x)を取得するための時間を短縮できる。
【0126】
さらに、本例では、ワーク5が角部6にダレ33を備える形状の場合には、ダレ開始座標C(y)として、第1面7においてダレ33が発生するダレ33発生位置の座標を取得する。従って、形状判定部14は、ダレ開始座標C(y)と論理座標Eとの間の差分を、ダレ33の第3幅寸法I3として取得できる。また、角部6にダレ33が存在するときに、スタイラス10を第1軸方向Xから角部6に接触させた第1角部座標F1は、第2面8におけるダレ開始位置のダレ開始座標であり、ダレ深さH3である。従って、形状判定部14は、ダレ開始座標C(y)と、第1角部座標F1とに基づいて、角部6に発生しているダレ33の形状を取得できる。
【0127】
また、本例では、ダレ開始座標C(y)の取得に際して二分探索法を用いる。従って、スタイラス10を第1基準位置P1から第2軸第1方向Y1に向かって分解能分だけ移動させる動作と、スタイラス10を第1軸方向Xに移動させて第1面7に接触させて第1当接座標Cを取得する動作とを繰り返してダレ開始座標C(y)を取得する場合と比較して、スタイラス10を第1面7に接触させる回数を低減させることができる。これにより、ダレ開始座標C(y)を取得するための時間を短縮できる。
【0128】
本例において、スタイラス10は、第1軸方向Xからワーク5に接触可能な第1当接部23と、第2軸方向Yからワーク5に接触可能な第2当接部24を備える。また、第1軸
方向Xにおける第1当接部23と第2当接部24との間は、第2当接部24から第1当接部23に向かって軸線L0の側に窪む環状の第1凹曲面25によって接続されている。従って、第1面7から第1バリ31が立ち上がっているときに、スタイラス10の接触部22と第1バリ31とを干渉させることなく、第1当接部23を第1面7における第1バリ31の近傍に当接させることが可能となる。また、第2軸方向Yにおける第2当接部24と第1当接部23との間は第1凹曲面25によって接続されているとともに、第2当接部24と軸部21との間は、第2当接部24から軸部21に向かって軸線L0の側に窪む第2凹曲面26によって接続されている。従って、第2面8から第2バリ32が立ち上がっているときに、スタイラス10の接触部22と第2バリ32とを干渉させることなく、第2当接部24を第2面8における第2バリ32の近傍に当接させることが可能となる。
【0129】
ここで、ワーク5の角部6を構成する第1面7と第2面8とが90°とは異なる角度で交差する場合でも、本例の形状取得方法により、バリを含むワーク5の角部6の形状、およびダレ33を備えるワーク5の角部6の形状を取得できる。
図11は、第1面7および第2面8が傾斜する場合に角部6の論理座標Eを算出する算出方法のフローチャートである。
図12は、第1面7および第2面8が傾斜する場合の角部6の論理座標Eの算出方法の説明図である。
【0130】
第1面7および第2面8が傾斜する場合には、
図1に示す第1基準座標取得ステップST1と第2基準座標取得ステップST2との間に、主軸駆動機構52を駆動制御してスタイラス10を第1軸方向Xから第1基準位置P1とは異なる第1離間位置T1に当接させ、第1離間位置T1の座標を第1離間座標U(0)として取得する第1離間座標取得ステップST51を行う。また、第2基準座標取得ステップST2と第1角部座標取得ステップST3との間に、主軸駆動機構52を駆動制御してスタイラス10を第2軸方向Yから第2基準位置P2とは異なる第2離間位置T2に当接させ、第2離間位置T2の座標を第2離間座標V(0)として取得する第2離間座標取得ステップST52と、第1基準座標C(0)、第1離間座標U(0)、第2基準座標D(0)、第2離間座標V(0)に基づいて論理座標Eを算出する論理座標取得ステップST53と、をこの順で行う。
【0131】
すなわち、論理座標取得部13は、第1基準座標C(0)が取得された後に主軸駆動機構52を駆動制御してスタイラス10を第1軸方向Xから第1基準位置Paとは異なる第1離間位置T1に当接させて当該第1離間位置T1の座標を第1離間座標U(0)として取得する。また、論理座標取得部13は、第2基準座標が取得された後に主軸駆動機構52を駆動制御してスタイラス10を第2軸方向Yから第2基準位置P1とは異なる第2離間位置T1に当接させて当該第2離間位置T1の座標を第2離間座標V(0)として取得するその後、論理座標取得部13は、第1基準座標C(0)、第1離間座標U(0)、第2基準座標D(0)、および第2離間座標V(0)に基づいて、角部6の論理座標Eを算出する。すなわち、論理座標取得部13は、第1基準座標C(0)および第1離間座標U(0)を通過する第1仮想線分R1と、第2基準座標D(0)および第2離間座標V(0)を通過する第2仮想線分R2との交点を、角部6の論理座標Eとして算出する。
【0132】
また、第1面7および第2面8が傾斜する場合には、第1バリ31の第1バリ高さH1を、第2面8が第1軸L1に対して傾斜する傾斜角度に基づいて補正してもよい。同様に、第2バリ32の第2バリ高さH2を、第1面7が第1軸L1に対して傾斜する傾斜角度に基づいて補正してもよい。第1バリ31は、第2面8に沿った方向に立ち上がり、第2バリ32は、第1面7に沿った方向に立ち上がるからである。
【0133】
図12は、第2バリ32の第2バリ高さH2を補正する場合の説明図である。
図13に示すように、第2バリ形状取得ステップST30において取得された第2バリ高さH2は、第2軸方向Yにおける高さである。ここで、第1面7が角部6から第1軸第2方向X2
に向かって第2軸方向Yに傾斜する傾斜角度をαとした場合には、第2バリ32の第1バリ高さH1を、COSαで除算し、この値を第2バリ高さH2の補正値H2´とする。補正値H2´は、第2バリ32の第2高さH2を、第1仮想線分R1に沿った高さに補正した寸法である。また、第1バリ高さH1を補正する場合には、第1面7が角部6から第1軸第2方向X2に向かって第2軸方向Yに傾斜する傾斜角度をβとし、かかる角度βに基づいて、第1バリ高さH1を補正することができる。
【0134】
なお、スタイラス10を第1軸方向Xおよび第2軸方向Yと直交する第3軸方向Zに移動させて、本例の形状取得方法を行うことにより、ワーク5の角部6の形状を3次元で取得できる。
【符号の説明】
【0135】
1…形状取得装置、2…マシニングセンタ、4…当接センサ、5…ワーク、6…角部、7…第1面、8…第2面、10…スタイラス、11…スタイラス移動制御部、12…座標取得部、13…論理座標取得部、14…形状判定部、15…第1バリ形状取得部、16…第2バリ形状取得部、17…ダレ形状取得部、21…軸部、22…接触部、23…第1当接部、24…第2当接部、25…第1凹曲面、26…第2凹曲面、31…第1バリ、32…第2バリ、33…ダレ、50…主軸、51…テーブル、52…主軸駆動機構、53…制御部、54…記憶部、55…形状取得プログラム、I1…第1バリの根本部分の第1幅寸法、I2…第2バリの根本部分の第2幅寸法、I3…ダレの第1面の第3幅寸法、L1…第1軸、L2…第2軸、L3…第3軸、P1…第1基準位置、P2…第2基準位置、Q1…第1当接位置、R1…第1仮想線分、R2…第2仮想線分、T1…第1離間位置、T2…第2離間位置、X…第1軸方向、Y…第2軸方向
【手続補正書】
【提出日】2022-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを保持する保持部、主軸を互いに直交する第1軸方向および第2軸方向に移動させる主軸駆動機構、制御部、および記憶部を備えるマシニングセンタと、スタイラスと、前記主軸に取り付けられて前記スタイラスを保持し当該スタイラスがワークに接触したときに当接信号を前記制御部に入力する当接センサと、を有し、前記ワークの第1面と第2面とが交わる角部の形状を取得する形状取得装置において、
前記制御部は、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスの移動を制御するスタイラス移動制御部、前記当接信号に基づいて前記スタイラスが前記ワークに当接した当接位置の座標を取得して前記座標を前記記憶部に記憶保持する座標取得部、および前記座標に基づいて前記ワークの角部の形状を判定する形状判定部、を備え、
前記スタイラス移動制御部は、前記スタイラスを前記第1面と対向する前記第1軸方向から前記第1面に当接させ、次に、前記スタイラスを前記第2面と対向し前記第1軸方向と直交する第2軸方向から前記第2面に当接させ、その後、前記角部の論理座標に基づいて前記スタイラスを前記第1軸方向から前記角部に当接させ、しかる後に、前記論理座標に基づいて前記スタイラスを前記第2軸方向から前記角部に当接させ、
前記座標取得部は、前記スタイラスが前記第1面に最初に当接した第1基準位置の座標を第1基準座標として取得し、前記スタイラスが前記第2面に最初に接した第2基準位置の座標を第2基準座標として取得し、前記スタイラスが前記第1軸方向から前記角部に当接した座標を第1角部座標として取得し、前記スタイラスが前記第2軸方向から前記角部に当接した座標を第2角部座標として取得し、
前記形状判定部は、前記第1角部座標および前記第2角部座標のぞれぞれと、前記論理座標と、を比較し、前記第1軸方向において前記第2基準位置から前記角部に向かう方向を第1軸第1方向、その反対方向を第1軸第2方向、前記第2軸方向において前記第1基準位置から前記角部に向かう方向を第2軸第1方向、その反対方向を第2軸第2方向としたときに、前記第1角部座標が前記論理座標よりも前記第1軸第1方向に位置し、前記第2角部座標が前記論理座標と一致する場合には、前記ワークは前記角部に前記第1軸第1方向に延びる第1バリを備える形状であると判断し、前記第1角部座標が前記論理座標に一致し、前記第2角部座標が前記論理座標よりも前記第2軸第1方向に位置する場合には、前記ワークは前記角部に前記第2軸第1方向に延びる第2バリを備える形状であると判定することを特徴とする形状取得装置。
【請求項2】
前記形状判定部は、前記第1角部座標が前記論理座標よりも前記第1軸第2方向に位置し、かつ、前記第2角部座標が前記論理座標よりも前記第2軸第2方向に位置する場合には、前記ワークが前記角部にダレを備える形状であると判定することを特徴とする請求項1に記載の形状取得装置。
【請求項3】
前記形状判定部は、前記1角部座標が論理座標と一致し、かつ、前記第2角部座標が論理座標と一致する場合には、前記形状判定部は、前記ワークが前記角部に理論通りの形状を備えると判定することを特徴とする請求項1に記載の形状取得装置。
【請求項4】
前記論理座標は、前記記憶部に記憶保持されており、
前記スタイラス移動制御部は、前記記憶部を参照して前記論理座標を取得することを特徴とする請求項1に記載の形状取得装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1基準座標および前記第2基準座標に基づいて、前記論理座標を算出する論理座標取得部を備えることを特徴とする請求項1に記載の形状取得装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記論理座標を算出する論理座標取得部を備え、
前記論理座標取得部は、前記第1基準座標が取得された後に前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1軸方向から前記第1基準位置とは異なる第1離間位置に当接させて当該第1離間位置の座標を第1離間座標として取得し、前記第2基準座標が取得された後に前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向から前記第2基準位置とは異なる第2離間位置に当接させて当該第2離間位置の座標を第2離間座標として取得し、前記第1基準座標、前記第1離間座標、前記第2基準座標、前記第2離間座標に基づいて前記論理座標を算出することを特徴とする請求項1に記載の形状取得装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記ワークが前記角部に前記第1バリを備える形状であると判定されると、前記第1バリの形状を取得する第1バリ形状取得部を備え、
前記第1バリ形状取得部は、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第1基準位置と前記角部との間の第1当接位置に前記第1軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1当接位置の第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第1当接座標として、前記第1基準座標と前記論理座標とを通過する第1仮想線分上の第1仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近い第1バリ根本座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向に移動させて前記第1当接位置を変更しながら前記第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第1当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記論理座標、および前記第1バリ根本座標に基づいて前記第1バリの根本部分の第1幅寸法を取得することを特徴とする請求項1に記載の形状取得装置。
【請求項8】
前記第1バリ形状取得部が前記スタイラスを最初に当接させる前記第1当接位置は、前記第1基準位置と前記角部との中央であり、前記第1当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標の前記第1軸方向の成分と前記第1仮想線分座標の前記第1軸方向の成分との差分に基づいて前記第1基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第1当接位置を決定することを特徴とする請求項7に記載の形状取得装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記ワークが前記角部に前記第2バリを備える形状であると判定されると、前記第2バリの形状を取得する第2バリ形状取得部を備え、
前記第2バリ形状取得部は、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第2基準位置と前記角部との間の第2当接位置に前記第2軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第2当接位置の第2当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第2当接座標として、前記第2基準座標と前記論理座標とを通過する第2仮想線分上の第2仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近い第2バリ根本座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1軸方向に移動させて前記第2当接位置を変更しながら前記第2当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第2当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記論理座標、および前記第2バリ根本座標に基づいて前記第2バリの根本部分の第2幅寸法を取得することを特徴とする請求項1に記載の形状取得装置。
【請求項10】
前記第2バリ形状取得部が前記スタイラスを最初に当接させる前記第2当接位置は、前記第2基準位置と前記角部との中央であり、前記第2当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標の前記第2軸方向の成分と前記第2仮想線分座標の前記第2軸方向の成分との差分に基づいて前記第2基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第2当接位置を決定することを特徴とする請求項9に記載の形状取得装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記ワークが前記角部に前記ダレを備える形状であると判定されると前記ダレの形状を取得するダレ形状取得部を備え、
前記ダレ形状取得部は、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第1基準位置と前記角部との間の第1当接位置に前記第1軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1当接位置の第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第1当接座標として、前記第1基準座標と前記論理座標とを通過する第1仮想線分上の第1仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近いダレ開始座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向に移動させて前記第1当接位置を変更しながら前記第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第3当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記ダレ開始座標に基づいて、前記ダレの前記第1面の第3幅寸法を取得することを特徴とする請求項2に記載の形状取得装置。
【請求項12】
前記ダレ形状取得部が前記スタイラスを最初に当接させる前記第1当接位置は、前記第1基準位置と前記角部との中央であり、前記第3当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標の前記第1軸方向の成分と前記第1仮想線分座標の前記第1軸方向の成分との差分に基づいて前記第1基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第1当接位置を決定することを特徴とする請求項11に記載の形状取得装置。
【請求項13】
前記スタイラスは、前記第1軸方向の延びる軸線を備える軸部と、前記軸部の先端側に位置する接触部と、を備え、
前記接触部は、前記第1軸方向の先端に位置する第1当接部と、前記第1軸方向におけ
る前記軸部と前記第1当接部との間で前記軸線を囲む環状の第2当接部と、を備え、
前記第2当接部は、前記第1軸方向から見た場合に、前記第1当接部および前記軸部の外周側に位置し、
前記第1当接部と前記第2当接部とは、前記第2当接部から前記第1当接部に向かって前記軸線の側に窪む環状の第1凹曲面により接続され、
前記第2当接部と前記軸部とは、前記第2当接部から前記軸部に向かって前記軸線の側に窪む第2凹曲面により接続され、
前記第1面には、前記第1当接部が当接し、
前記第2面には、前記第2当接部が当接することを特徴とする請求項1に記載の形状取得装置。
【請求項14】
ワークを保持する保持部、主軸を互いに直交する第1軸方向および第2軸方向に移動させる主軸駆動機構、制御部、および記憶部を備えるマシニングセンタと、スタイラスと、前記主軸に取り付けられて前記スタイラスを保持し当該スタイラスがワークに接触したときに当接信号を前記制御部に入力する当接センサと、を有する形状取得装置の前記制御部で動作して前記ワークの第1面と第2面とが交わる角部の形状を取得する形状取得プログラムにおいて、
前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1面と対向する前記第1軸方向から前記第1面に当接させ、前記当接信号に基づいて前記スタイラスが当接した第1基準位置の座標を第1基準座標として取得して前記記憶部に記憶保持する第1基準座標取得ステップと、
前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2面と対向し前記第1軸方向と直交する第2軸方向から前記第2面に当接させ、前記当接信号に基づいて前記スタイラスが当接した第2基準位置の座標を第2基準座標として取得して前記記憶部に記憶保持する第2基準座標取得ステップと、
前記第1軸方向において前記第2基準位置から前記角部に向かう方向を第1軸第1方向、その反対方向を第1軸第2方向、前記第2軸方向において前記第1基準位置から前記角部に向かう方向を第2軸第1方向、その反対方向を第2軸第2方向としたときに、前記角部の論理座標に基づいて前記スタイラスを前記第1軸方向から前記角部に当接させ、前記当接信号に基づいて第1角部座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第1角部座標取得ステップと、
前記論理座標に基づいて前記スタイラスを前記第2軸方向から前記角部に当接させ、前記当接信号に基づいて第2角部座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第2角部座標取得ステップと、
前記第1角部座標および前記第2角部座標のぞれぞれと、前記論理座標と、を比較し、前記第1角部座標が前記論理座標よりも前記第1軸第1方向に位置し、前記第2角部座標が前記論理座標と一致する場合には、前記ワークが前記角部に前記第1軸第1方向に延びる第1バリを備える形状であると判断し、前記第1角部座標が前記論理座標に一致し、前記第2角部座標が前記論理座標よりも前記第2軸第1方向に位置する場合には、前記ワークが前記角部に前記第2軸第1方向に延びる第2バリを備える形状であると判定する形状判定ステップと、
を、この順で備えることを特徴とする形状取得プログラム。
【請求項15】
前記形状判定ステップにおいて、前記第1角部座標が前記論理座標よりも前記第1軸第2方向に位置し、かつ、前記第2角部座標が前記論理座標よりも前記第2軸第2方向に位置する場合には、前記ワークが前記角部にダレを備える形状であると判定することを特徴とする請求項14に記載の形状取得プログラム。
【請求項16】
前記形状判定ステップにおいて、前記1角部座標が論理座標と一致し、かつ、前記第2角部座標が論理座標と一致する場合には、前記ワークが前記角部に理論通りの形状を備え
ると判定することを特徴とする請求項14に記載の形状取得プログラム。
【請求項17】
前記第1角部座標取得ステップの前に、前記記憶部に記憶保持された前記論理座標を取得する論理座標取得ステップを備えることを特徴とする請求項14に記載の形状取得プログラム。
【請求項18】
前記第2基準座標取得ステップと前記第1角部座標取得ステップとの間に、前記第1基準座標および前記第2基準座標に基づいて、前記角部の論理座標を算出する論理座標取得ステップを備えることを特徴とする請求項14に記載の形状取得プログラム。
【請求項19】
前記第1基準座標取得ステップと前記第2基準座標取得ステップとの間に、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1軸方向から前記第1基準位置とは異なる第1離間位置に当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1離間位置の座標を第1離間座標として取得する第1離間座標取得ステップを行い、
前記第2基準座標取得ステップと前記第1角部座標取得ステップとの間に、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向から前記第2基準位置とは異なる第2離間位置に当接させ、前記第2離間位置の座標を第2離間座標として取得する第2離間座標取得ステップと、前記第1基準座標、前記第1離間座標、前記第2基準座標、前記第2離間座標に基づいて前記論理座標を算出する論理座標取得ステップと、をこの順で備えることを特徴とする請求項14に記載の形状取得プログラム。
【請求項20】
前記ワークが前記角部に前記第1バリを備える形状であると判定されると、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第1基準位置と前記角部との間の第1当接位置に前記第1軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1当接位置の第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第1当接座標として、前記第1基準座標と前記論理座標とを通過する第1仮想線分上の第1仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近い第1バリ根本座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向に移動させて前記第1当接位置を変更しながら前記第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第1当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記論理座標、および前記第1バリ根本座標に基づいて前記第1バリの根本部分の第1 幅寸法を取得する第1バリ形状取得ステップを備えることを特徴とする請求項14に記載の形状取得プログラム。
【請求項21】
前記第1バリ形状取得ステップにおいて、前記スタイラスを最初に当接させる前記第1当接位置は、前記第1基準位置と前記角部との中央であり、前記第1当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標の前記第1軸方向の成分と前記第1仮想線分座標の前記第1軸方向の成分との差分に基づいて前記第1基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第1当接位置を決定することを特徴とする請求項20に記載の形状取得プログラム。
【請求項22】
前記ワークが前記角部に前記第2バリを備える形状であると判定されると、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第2基準位置と前記角部との間の第2当接位置に前記第2軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第2当接位置の第2当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第2当接座標として、前記第2基準座標と前記論理座標とを通過する第2仮想線分上の第2仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に
近い第2バリ根本座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1軸方向に移動させて前記第2当接位置を変更しながら前記第2当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第2当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記論理座標、および前記第2バリ根本座標に基づいて前記第2バリの根本部分の第2幅寸法を取得する第2バリ形状取得ステップを備えることを特徴とする請求項14に記載の形状取得プログラム。
【請求項23】
前記第2バリ形状取得ステップにおいて、前記スタイラスを最初に当接させる前記第2当接位置は、前記第2基準位置と前記角部との中央であり、前記第2当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標の前記第2軸方向の成分と前記第2仮想線分座標の前記第2軸方向の成分との差分に基づいて前記第2基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第2当接位置を決定することを特徴とする請求項22に記載の形状取得プログラム。
【請求項24】
前記ワークが前記角部に前記ダレを備える形状であると判定されると、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第1基準位置と前記角部との間の第1当接位置に前記第1軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1当接位置の第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第1当接座標として、前記第1基準座標と前記論理座標とを通過する第1仮想線分上の第1仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近いダレ開始座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向に移動させて前記第1当接位置を変更しながら前記第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第3当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記ダレ開始座標に基づいて、前記ダレの前記第1面の第3幅寸法を取得するダレ形状取得ステップを備えることを特徴とする請求項15に記載の形状取得プログラム。
【請求項25】
前記ダレ形状取得ステップにおいて、前記スタイラスを最初に当接させる前記第1当接位置は、前記第1基準位置と前記角部との中央であり、前記第3当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標の前記第1軸方向の成分と前記第1仮想線分座標の前記第1軸方向の成分との差分に基づいて前記第1基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第1当接位置を決定することを特徴とする請求項24に記載の形状取得プログラム。
【請求項26】
ワークを保持する保持部、主軸を互いに直交する第1軸方向および第2軸方向に移動させる主軸駆動機構、制御部、および記憶部を備えるマシニングセンタと、スタイラスと、前記主軸に取り付けられて前記スタイラスを保持し当該スタイラスがワークに接触したときに当接信号を前記制御部に入力する当接センサと、を有する形状取得装置によって前記ワークの第1面と第2面とが交わる角部の形状を取得する形状取得方法において、
前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1面と対向する前記第1軸方向から前記第1面に当接させ、前記当接信号に基づいて前記スタイラスが当接した第1基準位置の座標を第1基準座標として取得して前記記憶部に記憶保持する第1基準座標取得ステップと、
前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2面と対向し前記第1軸方向と直交する第2軸方向から前記第2面に当接させ、前記当接信号に基づいて前記スタイラ
スが当接した第2基準位置の座標を第2基準座標として取得して前記記憶部に記憶保持する第2基準座標取得ステップと、
前記第1軸方向において前記第2基準位置から前記角部に向かう方向を第1軸第1方向、その反対方向を第1軸第2方向、前記第2軸方向において前記第1基準位置から前記角部に向かう方向を第2軸第1方向、その反対方向を第2軸第2方向としたときに、前記角部の論理座標に基づいて前記スタイラスを前記第1軸方向から前記角部に当接させ、前記当接信号に基づいて第1角部座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第1角部座標取得ステップと、
前記論理座標に基づいて前記スタイラスを前記第2軸方向から前記角部に当接させ、前記当接信号に基づいて第2角部座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第2角部座標取得ステップと、
前記第1角部座標および前記第2角部座標のぞれぞれと、前記論理座標と、を比較し、前記第1角部座標が前記論理座標よりも前記第1軸第1方向に位置し、前記第2角部座標が前記論理座標と一致する場合には、前記ワークが前記角部に前記第1軸第1方向に延びる第1バリを備える形状であると判断し、前記第1角部座標が前記論理座標に一致し、前記第2角部座標が前記論理座標よりも前記第2軸第1方向に位置する場合には、前記ワークが前記角部に前記第2軸第1方向に延びる第2バリを備える形状であると判定する形状判定ステップと、
を備えることを特徴とする形状取得方法。
【請求項27】
前記形状判定ステップにおいて、前記第1角部座標が前記論理座標よりも前記第1軸第2方向に位置し、かつ、前記第2角部座標が前記論理座標よりも前記第2軸第2方向に位置する場合には、前記ワークが前記角部にダレを備える形状であると判定することを特徴とする請求項26に記載の形状取得方法。
【請求項28】
前記形状判定ステップにおいて、前記1角部座標が論理座標と一致し、かつ、前記第2角部座標が論理座標と一致する場合には、前記ワークが前記角部に理論通りの形状を備えると判定することを特徴とする請求項26に記載の形状取得方法。
【請求項29】
予め、前記記憶部に前記論理座標を保持し、
前記第1角部座標取得ステップの前に、前記記憶部に記憶保持された前記論理座標を取得する論理座標取得ステップを備えることを特徴とする請求項26に記載の形状取得方法。
【請求項30】
前記第2基準座標取得ステップと前記第1角部座標取得ステップとの間に、前記第1基準座標および前記第2基準座標に基づいて、前記角部の論理座標を算出する論理座標取得ステップを備えることを特徴とする請求項26に記載の形状取得方法。
【請求項31】
前記第1基準座標取得ステップと前記第2基準座標取得ステップとの間に、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1軸方向から前記第1基準位置とは異なる第1離間位置に当接させ、前記第1離間位置の座標を第1離間座標として取得する第1離間座標取得ステップを行い、
前記第2基準座標取得ステップと前記第1角部座標取得ステップとの間に、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向から前記第2基準位置とは異なる第2離間位置に当接させ、前記第2離間位置の座標を第2離間座標として取得する第2離間座標取得ステップと、前記第1基準座標、前記第1離間座標、前記第2基準座標、前記第2離間座標に基づいて前記論理座標を算出する論理座標取得ステップと、をこの順で備えることを特徴とする請求項26に記載の形状取得方法。
【請求項32】
前記ワークが前記角部に前記第1バリを備える形状であると判定されると、前記主軸駆
動機構を駆動制御して前記第1基準位置と前記角部との間の第1当接位置に前記第1軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1当接位置の第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第1当接座標として、前記第1基準座標と前記論理座標とを通過する第1仮想線分上の第1仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近い第1バリ根本座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向に移動させて前記第1当接位置を変更しながら前記第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第1当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記論理座標、および前記第1バリ根本座標に基づいて前記第1バリの根本部分の第1 幅寸法を取得する第1バリ形状取得ステップを備えることを特徴とする請求項26に記載の形状取得方法。
【請求項33】
前記第1バリ形状取得ステップにおいて、前記スタイラスを最初に当接させる前記第1当接位置は、前記第1基準位置と前記角部との中央であり、前記第1当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標の前記第1軸方向の成分と前記第1仮想線分座標の前記第1軸方向の成分との差分に基づいて前記第1基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第1当接位置を決定することを特徴とする請求項32に記載の形状取得方法。
【請求項34】
前記ワークが前記角部に前記第2バリを備える形状であると判定されると、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第2基準位置と前記角部との間の第2当接位置に前記第2軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第2当接位置の第2当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第2当接座標として、前記第2基準座標と前記論理座標とを通過する第2仮想線分上の第2仮想線分座標であって、かつ、前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近い第2バリ根本座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第1軸方向に移動させて前記第2当接位置を変更しながら前記第2当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第2当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記論理座標、および前記第2バリ根本座標に基づいて前記第2バリの根本部分の第2幅寸法を取得する第2バリ形状取得ステップを備えることを特徴とする請求項26に記載の形状取得方法。
【請求項35】
前記第2バリ形状取得ステップにおいて、前記スタイラスを最初に当接させる前記第2当接位置は、前記第2基準位置と前記角部との中央であり、前記第2当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標の前記第2軸方向の成分と前記第2仮想線分座標の前記第2軸方向の成分との差分に基づいて前記第2基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第2当接位置の前記第2当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第2当接位置を決定することを特徴とする請求項34に記載の形状取得方法。
【請求項36】
前記ワークが前記角部に前記ダレを備える形状であると判定されると、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記第1基準位置と前記角部との間の第1当接位置に前記第1軸方向から前記スタイラスを当接させ、前記当接信号に基づいて前記第1当接位置の第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持し、しかる後に、前記第1当接座標として、前記第1基準座標と前記論理座標とを通過する第1仮想線分上の第1仮想線分座標であって、かつ、
前記主軸駆動機構が前記スタイラスを移動させる分解能において最も前記論理座標に近いダレ開始座標を取得するまで、前記主軸駆動機構を駆動制御して前記スタイラスを前記第2軸方向に移動させて前記第1当接位置を変更しながら前記第1当接座標を取得して前記記憶部に記憶保持する第3当接座標取得動作を繰り返し、その後に、前記ダレ開始座標に基づいて、前記ダレの前記第1面の第3幅寸法を取得するダレ形状取得ステップを備えることを特徴とする請求項27に記載の形状取得方法。
【請求項37】
前記ダレ形状取得ステップにおいて、前記スタイラスを最初に当接させる前記第1当接位置は、前記第1基準位置と前記角部との中央であり、前記第3当接座標取得動作を繰り返す際には、二分探索法に則り、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標の前記第1軸方向の成分と前記第1仮想線分座標の前記第1軸方向の成分との差分に基づいて前記第1基準座標、前記論理座標、および前記スタイラスを2回前に当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標から選択される一つの座標と、直前に前記スタイラスを当接させた前記第1当接位置の前記第1当接座標と、基づいて、次に前記スタイラスを当接させる前記第1当接位置を決定することを特徴とする請求項36に記載の形状取得方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、ワークの角部の形状を取得する形状取得装置に関する。また、形状取得装置で動作してワークの角部の形状を取得する形状取得プログラムに関する。さらに、ワークの角部の形状を取得する形状取得方法に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、バリを含むワークの角部の形状を取得する形状取得装置を提供することにある。また、マシニングセンタに読み込まれて動作して、バリを含むワークの角部の形状を取得する形状取得プログラムと提供することにある。さらに、バリを含むワークの角部の形状を取得する形状取得方法を提案することにある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】削除
【補正の内容】