(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115550
(43)【公開日】2023-08-21
(54)【発明の名称】端子台
(51)【国際特許分類】
H01R 9/00 20060101AFI20230814BHJP
H01R 13/70 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
H01R9/00 Z
H01R13/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017829
(22)【出願日】2022-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】塚田 貴一
【テーマコード(参考)】
5E021
5E086
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FC32
5E021MA19
5E021MA22
5E086DD44
5E086LL14
(57)【要約】
【課題】コストをあまりかけることなく、制御対象の機器の動作確認を実施する。
【解決手段】端子台100は、第1端子101および第2端子102と、第1端子101に対応する第3端子103および第2端子102に対応する第4端子104と、第1端子101と第3端子103との電気的な接続をオンオフする第1スイッチ105とを備える。第1端子101と第1スイッチ105とは、第1配線107で接続され、第3端子103と第1スイッチ105とは、第2配線108で接続される。また、第2端子102と第4端子104とは、第3配線109で接続される。また、端子台100は、第1配線107と第2配線108との電気的な接続をオンオフする第2スイッチ106を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端子および第2端子と、
前記第1端子に対応する第3端子および前記第2端子に対応する第4端子と、
前記第1端子と前記第3端子との電気的な接続をオンオフする第1スイッチと、
前記第1端子と前記第1スイッチとを接続する第1配線と、
前記第3端子と前記第1スイッチとを接続する第2配線と、
前記第2端子と前記第4端子とを接続する第3配線と、
前記第1配線と前記第2配線との電気的な接続をオンオフする第2スイッチと、
を備える端子台。
【請求項2】
請求項1記載の端子台において、
前記第1スイッチおよび前記第2スイッチの各々は、
筒状の挿入孔の内壁に露出する2つの第1接続端および第2接続端と、
前記挿入孔に挿抜可能とされ、前記挿入孔に挿入した状態で、前記第1接続端および前記第2接続端の両者に接触する、導電材料からなる導通棒と
から構成されていることを特徴とする端子台。
【請求項3】
請求項2記載の端子台において、
前記導通棒の長さは、前記挿入孔の深さと略同一とされていることを特徴とする端子台。
【請求項4】
請求項1記載の端子台において、
前記第1スイッチおよび前記第2スイッチは、3接点のロータリースイッチから構成されている
ことを特徴とする端子台。
【請求項5】
請求項4記載の端子台において、
前記ロータリースイッチの操作つまみの上面は、前記操作つまみが配置されている面より内側に配置されていることを特徴とする端子台。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の端子台において、
前記第1端子は、制御対象機器を制御するコントローラの第1制御ラインに接続され、
前記第2端子は、前記コントローラの第2制御ラインに接続され、
前記第3端子は、前記第1制御ラインと接続される前記制御対象機器の第3制御ラインに接続され、
前記第4端子は、前記第2制御ラインと接続される前記制御対象機器の第4制御ラインに接続される
ことを特徴とする端子台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調設備などで用いられるコントローラと制御対象の機器との間の接続に用いられる端子台に関する。
【背景技術】
【0002】
空調設備において、空調機器の施工時に、制御対象の機器の動作確認が実施される。例えば、制御対象の機器におけるI/O接続のオン状態とオフ状態とを切り替えることで実施する動作確認がある。ところで、ビルなどの空調設備は天井裏に設置されている場合が多く、制御対象の機器が設置されている箇所にアクセすることが用意ではない場合がある。このような場合、上述したような動作確認のための切り替えを、制御対象の機器におけるI/O接続部で実施することが容易ではない。
【0003】
ここで、コントローラの近傍において、制御対象の機器とコントローラとを接続するI/O接続ケーブルの途中に、オンオフ切り替えが可能な端子台を設けることで、コントローラの近くで上述した動作確認を実施することが可能となる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、空調設備の制御においては、I/O接続に、「+」と「-」の2ラインがある。このため、上述した技術では、制御対象の機器の動作確認のために、2つのラインの各々に端子台を設ける必要があり、端子台が2つ必要となり、コストの点などで問題となる。
【0006】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、コストをあまりかけることなく、制御対象の機器の動作確認を実施することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る端子台は、第1端子および第2端子と、第1端子に対応する第3端子および第2端子に対応する第4端子と、第1端子と第3端子との電気的な接続をオンオフする第1スイッチと、第1端子と第1スイッチとを接続する第1配線と、第3端子と第1スイッチとを接続する第2配線と、第2端子と第4端子とを接続する第3配線と、第1配線と第2配線との電気的な接続をオンオフする第2スイッチと、を備える。
【0008】
上記端子台の一構成例において、第1スイッチおよび第2スイッチの各々は、筒状の挿入孔の内壁に露出する2つの第1接続端および第2接続端と、挿入孔に挿抜可能とされ、挿入孔に挿入した状態で、第1接続端および第2接続端の両者に接触する、導電材料からなる導通棒とから構成されている。
【0009】
上記端子台の一構成例において、導通棒の長さは、挿入孔の深さと略同一とされている。
【0010】
上記端子台の一構成例において、第1スイッチおよび第2スイッチは、3接点のロータリースイッチから構成されている。
【0011】
上記端子台の一構成例において、ロータリースイッチの操作つまみの上面は、操作つまみが配置されている面より内側に配置されている。
【0012】
上記端子台の一構成例において、第1端子は、制御対象を制御するコントローラの第1制御ラインに接続され、第2端子は、コントローラの第2制御ラインに接続され、第3端子は、第1制御ラインと接続される制御対象の第3制御ラインに接続され、第4端子は、第2制御ラインと接続される制御対象の第4制御ラインに接続される。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、端子台に、第1スイッチおよび第2スイッチを設けたので、コストをあまりかけることなく、制御対象の機器の動作確認が実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る端子台100の構成を示す構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態に係る端子台100のより詳細な構成を示す構成図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態に係る他の端子台100のより詳細な構成を示す構成図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の実施の形態に係る他の端子台100のより詳細な構成を示す平面図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明の実施の形態に係る他の端子台100のより詳細な構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態に係る端子台100について
図1を参照して説明する。端子台100は、第1端子101および第2端子102と、第1端子101に対応する第3端子103および第2端子102に対応する第4端子104と、第1端子101と第3端子103との電気的な接続をオンオフする第1スイッチ105とを備える。
【0016】
第1端子101と第1スイッチ105とは、第1配線107で接続され、第3端子103と第1スイッチ105とは、第2配線108で接続される。また、第2端子102と第4端子104とは、第3配線109で接続される。また、端子台100は、第1配線107と第2配線108との電気的な接続をオンオフする第2スイッチ106を備える。
【0017】
例えば、第1端子101は、制御対象機器121を制御するコントローラ122の第1制御ライン131に接続され、第2端子102は、コントローラ122の第2制御ライン132に接続される。また、例えば、第3端子103は、第1制御ライン131と接続される制御対象機器121の第3制御ライン133に接続され、第4端子104は、第2制御ライン132と接続される制御対象機器121の第4制御ライン134に接続される。
【0018】
例えば、
図2に示すように、第1スイッチ105は、挿入孔105aと、導電材料から構成された導通棒110とから構成することができる。また、第2スイッチ106は、挿入孔106aと、導通棒110とから構成することができる。導通棒110は、第1スイッチ105および第2スイッチ106のいずれかに用いる。導通棒110は、例えば、
図2の紙面の奥の側から手前の側にかけて延在する柱状の構造体である。
【0019】
挿入孔105aは、筒状に形成され、内壁に露出する2つの第1接続端105bおよび第2接続端105cを備える。導通棒110は、挿入孔105aに挿抜可能とされ、挿入孔105aに挿入した状態で、第1接続端105bおよび第2接続端105cの両者に接触する。導通棒110を挿入孔105aに挿入した状態が、第1スイッチ105のオン状態であり、挿入孔105aから導通棒110を抜去した状態が、第1スイッチ105のオフ状態となる。導通棒110の長さが、挿入孔105aの深さと略同一とされていれば、導通棒110を挿入孔105aに挿入した状態では、導通棒110が、挿入孔105aから突出した部分がないものとなる。
【0020】
同様に、挿入孔106aは、筒状に形成され、内壁に露出する2つの第1接続端106bおよび第2接続端106cを備える。導通棒110は、挿入孔106aに挿抜可能とされ、挿入孔106aに挿入した状態で、第1接続端106bおよび第2接続端106cの両者に接触する。導通棒110を挿入孔106aに挿入した状態が、第2スイッチ106のオン状態であり、挿入孔106aから導通棒110を抜去した状態が、第2スイッチ106のオフ状態となる。導通棒110の長さが、挿入孔106aの深さと略同一とされていれば、導通棒110を挿入孔106aに挿入した状態では、導通棒110が、挿入孔106aから突出した部分がないものとなる。
【0021】
また、
図3に示すように、第1スイッチ105および第2スイッチ106は、ロータリースイッチ111から構成することができる。ロータリースイッチ111は、第1接点111a、第2接点111b、第3接点111cの3接点を備える。
【0022】
ここで、
図4A,
図4Bに示すように、ロータリースイッチ111の操作つまみ112の上面112aは、端子台100の操作つまみ112が配置されている面151より内側に配置されたものとすることができる。このような構成とすることで、不用意に操作つまみ112が操作(回転)されてしまうことが防止できる。
【0023】
走査つまみ112の操作により、ロータリースイッチ111の接続先を、第1接点111a、第2接点111b、第3接点111cのいずれかに変更することができる。ロータリースイッチ111の接続先を、第1接点111aとすることで、第1スイッチ105がオン状態となり、第2スイッチ106がオフ状態となる。ロータリースイッチ111の接続先を、第2接点111bとすることで、第1スイッチ105および第2スイッチ106の両者がオフ状態となる。ロータリースイッチ111の接続先を、第3接点111cとすることで、第1スイッチ105がオフ状態となり、第2スイッチ106がオン状態となる。
【0024】
上述した構成の端子台100において、第1スイッチ105をオン状態とし、第2スイッチ106をオフ状態とすることで、通常の接続状態とすることができる。また、第1スイッチ105および第2スイッチ106の両者をオフ状態とすることで、コントローラ122に対し、制御対象機器121の側がオフ(断線)の状態を模擬したものとすることができる。また、第1スイッチ105をオフ状態とし、第2スイッチ106をオン状態とすることで、コントローラ122に対し、制御対象機器121の側がオン(ショート)の状態を模擬したものとすることができる。
【0025】
例えば、制御対象機器121は、ダクトであり、第1スイッチ105および第2スイッチ106の両者をオフ状態を、ダクトの閉状態と模擬し、第1スイッチ105をオフとし、第2スイッチ106をオンとした状態を、ダクトの開状態と模擬することができる。
【0026】
また、例えば、制御対象機器121は、漏水検知器であり、第1スイッチ105および第2スイッチ106の両者をオフ状態を、漏水検知と模擬し、第1スイッチ105をオフとし、第2スイッチ106をオンとした状態を、漏水未検知と模擬することができる。
【0027】
また、例えば、制御対象機器121は、室内照明スイッチであり、第1スイッチ105および第2スイッチ106の両者をオフ状態を、照明オフと模擬し、第1スイッチ105をオフとし、第2スイッチ106をオンとした状態を、照明オンと模擬することができる。
【0028】
また、例えば、制御対象機器121は、空調スイッチであり、第1スイッチ105および第2スイッチ106の両者をオフ状態を、空調オフと模擬し、第1スイッチ105をオフとし、第2スイッチ106をオンとした状態を、空調オンと模擬することができる。
【0029】
このように、実施の形態によれば、端子台100をコントローラ122の近傍に配置することで、制御対象機器121の設置箇所にアクセすることなく、制御対象機器121の動作確認が実施できる。また、実施の形態によれば、1つの制御対象機器に対して1つの端子台を用いれば良く、コストをあまりかけることなく、制御対象の機器の動作確認を実施することができる。
【0030】
上述したように本発明によれば、端子台に、第1スイッチおよび第2スイッチを設けたので、コストをあまりかけることなく、制御対象の機器の動作確認が実施できるようになる。
【0031】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
【符号の説明】
【0032】
100…端子台、101…第1端子、102…第2端子、103…第3端子、104…第4端子、105…第1スイッチ、106…第2スイッチ、107…第1配線、108…第2配線、109…第3配線、121…制御対象機器、122…コントローラ、131…第1制御ライン、132…第2制御ライン、133…第3制御ライン、134…第4制御ライン。