IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パイオニア株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-撮影装置 図1
  • 特開-撮影装置 図2
  • 特開-撮影装置 図3
  • 特開-撮影装置 図4
  • 特開-撮影装置 図5
  • 特開-撮影装置 図6
  • 特開-撮影装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115584
(43)【公開日】2023-08-21
(54)【発明の名称】撮影装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/02 20210101AFI20230814BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20230814BHJP
   G03B 17/12 20210101ALI20230814BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20230814BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20230814BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20230814BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20230814BHJP
   F16M 11/04 20060101ALI20230814BHJP
   F16M 11/10 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
G03B17/02
G03B15/00 V
G03B17/12 Z
G03B17/56 A
H04N5/225 100
H04N5/222 100
H04N5/232
F16M11/04 Z
F16M11/10 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017884
(22)【出願日】2022-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】堀内 裕人
(72)【発明者】
【氏名】大橋 聡
(72)【発明者】
【氏名】加藤 真帆
(72)【発明者】
【氏名】松林 佑介
【テーマコード(参考)】
2H100
2H101
2H105
5C122
【Fターム(参考)】
2H100AA11
2H100AA61
2H100CC01
2H101BB06
2H105AA03
5C122DA14
5C122EA42
5C122FA18
5C122GD01
5C122GE04
5C122GE06
5C122GE11
5C122HA75
5C122HA86
(57)【要約】
【課題】左右何れのハンドル位置の移動体に設置されても良好な操作性を得ることができる撮影装置を提供する。
【解決手段】撮影装置1が、装置本体11と、所定の第1姿勢S11、及び、筐体中心軸11aの軸回りに上下が反転した第2姿勢S12の何れの姿勢の装置本体11にも取付け可能であり、フロントカバー部分121に、第1姿勢S11及び第2姿勢S12の何れの姿勢においても前方カメラ112のレンズ112aを露出させるレンズ開口123が形成されたカバー部材12と、装置本体11を保持するとともに、移動体の内部において移動体外部の撮影が可能な位置に取り付けられる取付台座13と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントガラスを有する移動体に設置され、前記フロントガラス越しに移動体外部を撮影する撮影装置であって、
前記移動体への設置時に前記フロントガラス側を向くフロント面を備えた筐体を有し、当該筐体の前記フロント面以外の外面において、前記設置時に前記移動体の前後方向に沿う筐体中心軸からずれた位置に操作部が設けられるとともに、撮影用のカメラが、前記フロント面において前記筐体中心軸からずれた位置にレンズが位置するように前記筐体に搭載された装置本体と、
前記フロント面から前記設置時における上方側に掛けて前記装置本体を覆うカバーであって、所定の第1姿勢、及び、当該第1姿勢に対して前記筐体中心軸の軸回りに上下が反転した第2姿勢の何れの姿勢の前記装置本体にも取付け可能であり、前記フロント面を覆うフロントカバー部分に、前記第1姿勢及び前記第2姿勢の何れの姿勢においても前記レンズを露出させるレンズ開口が形成されたカバー部材と、
前記第1姿勢及び前記第2姿勢の何れの姿勢においても前記装置本体を保持するとともに、前記移動体の内部において前記カメラによる前記移動体外部の撮影が可能な位置に取り付けられる取付台座と、
を備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記フロントカバー部分における前記レンズ開口は、前記第1姿勢のときの前記レンズを露出させる第1開口、及び、前記第2姿勢のときの前記レンズを露出させる第2開口、で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
前記装置本体の前記フロント面には、前記第1姿勢のときに前記第2開口の内側に進入して当該第2開口を塞ぐとともに前記第2姿勢のときに前記第1開口の内側に進入して当該第1開口を塞ぐように突出した閉塞突起が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の撮影装置。
【請求項4】
前記装置本体が、
前記第1姿勢及び前記第2姿勢のうちの一方を正規姿勢とするとともに他方を反転姿勢とし、前記装置本体が何れの姿勢であるかを検出する姿勢センサと、
前記姿勢センサで前記正規姿勢が検出された場合に前記カメラの撮影画像をそのまま記録し、前記反転姿勢が検出された場合に前記撮影画像を上下反転して記録する記録部と、
を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の移動体に設置されてフロントガラス越しに移動体外部を撮影する撮影装置が、ドライブレコーダ等に利用されている(例えば、特許文献1又は2参照。)。これらの特許文献に記載のタイプのドライブレコーダは撮影用のカメラが筐体に搭載された撮影装置一体型の装置となっている。カメラのレンズは、移動体への設置時にフロントガラス側を向くフロント面に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-076267号公報
【特許文献2】特開2021-125062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、自動車等の移動体には左ハンドル車と右ハンドル車があり、上述のドライブレコーダは、移動体における各ハンドル位置に応じた場所に取り付けられて使用される。このとき、ドライブレコーダには運転者等からの操作を受ける操作部が設けられる場合がある。そして、この操作部の位置によっては、左ハンドル車及び右ハンドル車のうちの一方の運転者にとっては操作し易いが、他方の運転者にとっては操作部が遠くなって操作し難くなる場合がある。
【0005】
尚、ここまで移動体に設置される撮影装置の一例としてドライブレコーダを例に挙げ、ハンドル位置による操作性の違いについて説明した。しかしながら、このような操作性の違いは、ドライブレコーダに限るものではなく、移動体に設置される撮影装置であれば、共通して生じ得るものである。
【0006】
したがって、本発明の課題は、左右何れのハンドル位置の移動体に設置されても良好な操作性を得ることができる撮影装置を提供すること等が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決し目的を達成するために、本発明の撮影装置は、フロントガラスを有する移動体に設置され、前記フロントガラス越しに移動体外部を撮影する撮影装置であって、前記移動体への設置時に前記フロントガラス側を向くフロント面を備えた筐体を有し、当該筐体の前記フロント面以外の外面において、前記設置時に前記移動体の前後方向に沿う筐体中心軸からずれた位置に操作部が設けられるとともに、撮影用のカメラが、前記フロント面において前記筐体中心軸からずれた位置にレンズが位置するように前記筐体に搭載された装置本体と、前記フロント面から前記設置時における上方側に掛けて前記装置本体を覆うカバーであって、所定の第1姿勢、及び、当該第1姿勢に対して前記筐体中心軸の軸回りに上下が反転した第2姿勢の何れの姿勢の前記装置本体にも取付け可能であり、前記フロント面を覆うフロントカバー部分に、前記第1姿勢及び前記第2姿勢の何れの姿勢においても前記レンズを露出させるレンズ開口が形成されたカバー部材と、前記第1姿勢及び前記第2姿勢の何れの姿勢においても前記装置本体を保持するとともに、前記移動体の内部において前記カメラによる前記移動体外部の撮影が可能な位置に取り付けられる取付台座と、を備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施例にかかる撮影装置をフロント側から見て示す斜視図である。
図2図1に示されている撮影装置をリア側から見て示す斜視図である。
図3図2に示されているコネクタカバーを示す図である。
図4】取付台座の首振り角度の調整について示す模式図である。
図5】取付台座の前後位置の調整について示す模式図である。
図6】取付台座の前後位置の調整によって前方カメラのレンズとフロントガラスの内面との間隔が最小化される様子を示す模式図である。
図7図1図6に示されている撮影装置において装置本体の姿勢反転が可能であることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態にかかる撮影装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる撮影装置は、フロントガラスを有する移動体に設置され、フロントガラス越しに移動体外部を撮影する撮影装置であって、装置本体と、カバー部材と、取付台座と、を備えている。装置本体は、移動体への設置時にフロントガラス側を向くフロント面を備えた筐体を有し、当該筐体のフロント面以外の外面において、設置時に移動体の前後方向に沿う筐体中心軸からずれた位置に操作部が設けられる。また、この装置本体では、撮影用のカメラが、フロント面において筐体中心軸からずれた位置にレンズが位置するように筐体に搭載されている。カバー部材は、フロント面から設置時における上方側に掛けて装置本体を覆うカバーである。このカバー部材は、所定の第1姿勢、及び、当該第1姿勢に対して筐体中心軸の軸回りに上下が反転した第2姿勢の何れの姿勢の装置本体にも取付け可能となっている。また、このカバー部材では、フロント面を覆うフロントカバー部分に、第1姿勢及び第2姿勢の何れの姿勢においてもレンズを露出させるレンズ開口が形成されている。取付台座は、第1姿勢及び第2姿勢の何れの姿勢においても装置本体を保持するとともに、移動体の内部においてカメラによる移動体外部の撮影が可能な位置に取り付けられるものとなっている。
【0010】
この撮影装置では、筐体のフロント面以外の外面において筐体中心軸からずれた位置に操作部が設けられる。また、フロント面において筐体中心軸からずれた位置にレンズが位置するようにカメラが筐体に搭載される。本実施形態とは異なり、操作部やカメラのレンズが筐体中心軸の軸線上に配置される場合には、筐体内部が小空間に分断される可能性がある。つまり、本実施形態によれば、操作部やカメラのレンズが筐体中心軸の軸線上に配置される場合に比べると纏まった広い部品収容空間が得られることから、筐体内部の部品配置等について高い自由度が得られ、これを受けて撮影装置の小型化が可能となっている。
【0011】
また、上記の撮影装置では、装置本体がカバー部材によりフロント面から上方側に掛けて覆われることから、フロントガラス越しに装置本体へと向かう日光が遮られ、このような日光の照射による過度の温度上昇から装置本体を保護することができる。また、上記の撮影装置では、このカバー部材が、所定の第1姿勢、及び、当該第1姿勢に対して上下が反転した第2姿勢の何れの姿勢の装置本体にも取付け可能となっている。そして、装置本体が第1姿勢と第2姿勢の何れの姿勢となったとしてもカメラのレンズはレンズ開口から露出するので撮影が妨げられることはない。このような構成により、移動体における左右何れかのハンドル位置に応じ、第1姿勢及び第2姿勢のうち操作部が運転者から近く操作し易い姿勢で、装置本体(即ち撮影装置)を移動体に設置することが可能となる。つまり、上記の撮影装置によれば、左右何れのハンドル位置の移動体に設置されても良好な操作性を得ることができる。
【0012】
ここで、本実施形態では、フロントカバー部分におけるレンズ開口は、第1姿勢のときの前記レンズを露出させる第1開口、及び、第2姿勢のときのレンズを露出させる第2開口、で構成されている。
【0013】
この構成によれば、レンズ開口が、第1姿勢及び第2姿勢に応じた2つの開口に分かれているので、例えばレンズ開口が長孔として形成されている場合等と比較するとフロントカバー部分における開口面積が抑えられる。これにより、このフロントカバー部分による日光の遮断効果を高めることができる。
【0014】
また、本実施形態では、装置本体のフロント面には、第1姿勢のときに第2開口の内側に進入して当該第2開口を塞ぐとともに第2姿勢のときに第1開口の内側に進入して当該第1開口を塞ぐように突出した閉塞突起が設けられている。
【0015】
この構成によれば、レンズを露出させない開口が閉塞突起によって塞がれるので、フロント側から見たときの撮影装置の外観を良好なものとすることができる。
【0016】
また、本実施形態では、装置本体が、次のような姿勢センサと記録部とを備えている。姿勢センサは、第1姿勢及び第2姿勢のうちの一方を正規姿勢とするとともに他方を反転姿勢とし、装置本体が何れの姿勢であるかを検出する。また、記録部は、姿勢センサで正規姿勢が検出された場合にカメラの撮影画像をそのまま記録し、反転姿勢が検出された場合に撮影画像を上下反転して記録する。
【0017】
この構成によれば、反転姿勢の装置本体におけるカメラで正規姿勢の場合とは上下が反転した状態で撮影された撮影画像が正規姿勢の場合と同じ向きに直されて記録される。これにより、記録された撮影画像を、装置本体の姿勢に関わらず、上下に同じ向きの画像として表示させて目視確認することができる。
【実施例0018】
撮影画像の一実施例について説明する。図1は、一実施例にかかる撮影装置をフロント側から見て示す斜視図であり、図2は、図1に示されている撮影装置をリア側から見て示す斜視図である。
【0019】
本実施例の撮影装置1は、自動車等の移動体に搭載される装置であり、カメラ一体型のドライブレコーダであるとともに、搭乗者との音声対話によって運転案内を行うナビゲーション装置ともなっている。この撮影装置1は、GPS(Global Positioning System)により自機の位置を取得するとともに、所定のサーバに無線接続されるように構成されている。運転案内は、音声対話による目的地の取得、GPSによる自機位置の取得、サーバでのルート探索、及び音声ガイド等により行われる。また、移動体に設置されたスマートフォン等の表示端末と無線接続することにより、当該表示端末に地図を表示させ、この地図上に案内画像を表示させることも可能となっている。尚、以下では、撮影装置1について、運転案内については以上の概略説明に留め、ドライブレコーダに利用される撮影機能に関連した構成に注目して説明を行う。
【0020】
撮影装置1は、装置本体11、カバー部材12、及び取付台座13、を備えている。装置本体11は、扁平な矩形箱部分の一側面に円筒部分が横倒しの状態で一体となった形状の筐体111を備えている。本実施例では、後述の室内/後方カメラ114やマイク/スピーカー113が円筒部分に格納され、矩形箱部分には、後述の前方カメラ112とともに回路基板等の細々とした部品が集約されて収められる。移動体への設置時には、装置本体11の円筒部分が運転者側となるように撮影装置1が配置される。装置本体11における筐体111の上記形状は、設置時に円筒部分を運転者側に配置することにより、矩形箱部分を円筒部分で隠して装置本体11を小さく見せることが可能な、運転者の視界を遮らない安全面に最大限配慮した形状となっている。
【0021】
この筐体111では、円筒部分とは反対側の側面が、移動体への撮影装置1の設置時に移動体のフロントガラス側を向くフロント面111aとなっている。このフロント面111aには、フロントガラス越しに移動体の前方側について移動体外部を撮影する前方撮影用の前方カメラ112のレンズ112aが配置されている。このレンズ112aは、移動体への設置時にこの移動体の前後方向D11に沿う筐体中心軸11aからずれた位置、具体的には、長方形状のフロント面111aにおける図1中の右側端部寄りの位置に配置されている。前方カメラ112は、フロント面111aにおけるこのような位置にレンズ112aが位置するように筐体111に搭載されている。
【0022】
他方、前後方向D11についてフロント面111aと反対のリア側では、このリア側に配置された円筒部分における図2中の右側の一部に、運転案内の際に搭乗者と音声対話するためのマイク/スピーカー113が格納されている。また、円筒部分における残りの部分には、室内/後方カメラ114が搭載されている。室内/後方カメラ114は、移動体の室内の様子を撮影したり、リアガラス越しに移動体の後方側について移動体外部を撮影したりする。また、円筒部分におけるこのカメラ搭載部分の周面には、室内/後方カメラ114のレンズ114aが配置されている。このレンズ114aは、筐体中心軸11aから、上述の前方カメラ112のレンズ112aと同じ側にずれた位置に配置されている。
【0023】
また、マイク/スピーカー113が格納されている円筒部分の周壁は目の粗いファブリックとなっているが、この円筒部分には、マイク/スピーカー113とともに、このファブリックを通して視認可能となるようにライトバー115が内蔵されている。このライトバー115は、マイク/スピーカー113の長手方向に沿って複数の発光素子が配列されて構成されたものであり、これらの発光素子の発光パターンで撮影装置1の状態を示す。この発光パターンとしては、例えば運転案内におけるルート探索中に中央から左右に流れるように繰り返し白色光で点灯するパターンや、システムエラーの発生中に全体が赤色光で2回ゆっくり点滅を繰り返すパターン等が一例として挙げられる。
【0024】
上述のように移動体への撮影装置1の設置時には、マイク/スピーカー113及びライトバー115が格納された円筒部分が運転者側に配置される。この配置により、移動体の運転時でも運転者がライトバー115の発光パターンを視界の端に捉えることができる。その結果、例えば運転案内等の際の音声ガイドが聞き取りづらいシチュエーションであっても音声操作のフードバックや装置状態を運転者に適切に伝えることができる。また、ライトバー115がファブリックを通して視認可能となっていることで、発光素子のレンズが露出せず光が拡散されるので、例えば夜間等であっても眩しすぎず、運転者の邪魔にならない構成となっている。
【0025】
また、装置本体11には、筐体111のフロント面111a以外の外面において、筐体中心軸11aからずれた位置に操作部116が設けられている。具体的には、筐体111の側面の一部、マイク/スピーカー113を有する円筒部分における室内/後方カメラ114とは反対側の端面に円形状の操作部116が設けられている。この操作部116では、マイクON/OFFボタン116a、システムインジケータ116b、音量調整ボタン116c、及びリセットボタン116e、が周方向に配列されている。また、操作部116の中央部に、イベント録画/ペアリング待受ボタン116dが配置されている。
【0026】
マイクON/OFFボタン116aは、マイク/スピーカー113をON/OFFするための操作ボタンである。システムインジケータ116bは、録画やWi-Fi通信の状況、データアップデートの状態や起動中の状態等をLED(Light Emitting Diode)の発光状態で示す表示部である。この発光状態としては、例えば起動中の緑色点滅や、ネットワーク接続処理中の緑色点灯等が一例として挙げられる。音量調整ボタン116cは、マイク/スピーカー113の発音時の音量を調整したり消音(ミュート)したりするための操作ボタンである。音量調整ボタン116cは、+ボタン116c-1と-ボタン116c-2を有しており、+ボタン116c-1で音量を上げ、-ボタン116c-2で音量を下げるように構成されている。また、-ボタン116c-2の長押しによって消音が行われる。イベント録画/ペアリング待受ボタン116dは、イベント録画の開始を指示したり、長押しによってスマートフォンとの接続待受け状態にセットしたりするための操作ボタンである。リセットボタン116eは、長押しによって初期出荷状態にリセットするための操作ボタンである。
【0027】
本実施例の撮影装置1は、基本的にはマイク/スピーカー113を介した音声対話によって操作する装置となっている。上記の操作部116は、例えば緊急時等に物理ボタンでも操作可能となるように設けられている。また、操作部116が、円筒部分の端面、即ち筐体111の側面に配置されていることで、移動体への設置時に運転者が手を伸ばして操作し易いものとしている。
【0028】
また、装置本体11の筐体111では、矩形箱部分における操作部116と同じ側の側壁に、筐体111に内蔵された冷却ファンで発生させた冷却風を通す第1通風孔117aが形成されている。また、第1通風孔117aが設けられた側壁とは反対側で前方カメラ112のレンズ112a及び室内/後方カメラ114のレンズ114aと同じ側の側壁に第2通風孔117bが形成されている。第1通風孔117aが冷却ファン側の通風孔であり、第2通風孔117bが冷却ファンから離れた側の通風孔である。前方カメラ112は、筐体111内部においてこの冷却ファンや他の内蔵部品を避けるように配置されており、これを受けてそのレンズ112aがフロント面111aにおける筐体中心軸11aからずれた位置に配置されることとなっている。
【0029】
また、筐体111における第2通風孔117bが設けられた側壁には次のようなコネクタカバー118が設けられている。
【0030】
図3は、図2に示されているコネクタカバーを示す図である。
【0031】
コネクタカバー118は、電源ケーブル接続端子118a、SIM(Subscriber Identity Module)カードスロット118b、及び、microSD(Secure Digital)カードスロット118c、を覆うように筐体111に設けられた開閉カバーである。コネクタカバー118は、筐体111において、図1図3の例で底面をなしている第1面111b側でヒンジ連結されている。また、コネクタカバー118は、図1図3の例で天面をなしている第2面111c側に設けられた係止部によって筐体111の側壁の開口の内縁に係止するように構成されている。
【0032】
尚、本実施例の装置本体11は、後述するように、筐体中心軸11aの軸回りに上下反転させることが可能となっている。図1図3に示されている装置本体11を上下反転させると、図1図3の例で底面をなしている第1面111bが天面となり、図1図3の例で天面をなしている第2面111cが底面となる。
【0033】
コネクタカバー118は、電源ケーブルの接続時、SIMカード及びmicroSDカードの取り付け・取り外しの際に図3に示されているように開かれる。コネクタカバー118の開放は、図3に矢印D12で示されているように、天面側の係止部を抑えて係止を解除しつつ手前側に倒すことで行われる。コネクタカバー118を閉じる際は、矢印D12とは逆向きにコネクタカバー118を起こすとともに、係止部を開口に押し込んでその内縁に係止させることとなる。
【0034】
以上に説明した装置本体11が、取付台座13に保持され、この取付台座13が移動体に取り付けられることで撮影装置1が移動体に設置されることとなる。図1及び図2に示されているように、カバー部材12は、フロント面111aから、移動体への設置時における上方側に掛けて装置本体11を覆うL字型のカバーである。図1図3の例では、カバー部材12は、フロント面111aから天面をなす第2面111cに掛けて覆っている。カバー部材12は、フロント面111aを覆うフロントカバー部分121と、第2面111cを覆う天面カバー部分122と、を有する。天面カバー部分122には、4箇所のネジ貫通孔122aが設けられており、このネジ貫通孔122aを貫通した不図示のネジが装置本体11に設けられたネジ孔に捩じ込まれてカバー部材12が装置本体11に固定される。
【0035】
取付台座13は、装置本体11を保持するとともに、移動体の内部において前方カメラ112による前方側の外部の撮影と、室内/後方カメラ114による室内及び後方側の外部の撮影と、が可能な位置に取り付けられる。本実施例では、具体的には、フロントガラスの内面においてルームミラーと隣り合う位置に取り付けられる。この取付台座13は、フロントガラス固着部131、台座部132、台座ボルト133、及び、首振り角度/前後位置調整ネジ134、を備えている。
【0036】
フロントガラス固着部131は、フロントガラスの内面形状に応じて緩やかに湾曲するとともに表面に粘着テープが貼付され、この粘着テープを介してフロントガラスの内面に張り付けられる固着板131aを有している。また、固着板131aの裏面からは台座部132に回動可能に連結する固着側連結アーム131bが突出している。
【0037】
台座部132は、カバー部材12の天面カバー部分122を間に挟んで装置本体11にネジ止め固定される台部分132aと、この台部分132aから突出してフロントガラス固着部131に回動可能に連結する台側連結アーム132bと、を有している。固着側連結アーム131bと台側連結アーム132bとが連結されることでフロントガラス固着部131が台座部132に連結される。
【0038】
台座ボルト133は、この連結を行う部材となっている。台座ボルト133は、装置本体11の筐体中心軸11aと交差するとともにカバー部材12の天面カバー部分122に沿う回動軸133aの軸回りに回動可能となるように、固着側連結アーム131bと台側連結アーム132bとを連結する。この台座ボルト133を緩めることで、フロントガラス固着部131の上下の首振り角度を調整することができる。調整後に台座ボルト133を締めることで、所望の角度位置でフロントガラス固着部131が台座部132に連結固定されることとなる。
【0039】
首振り角度/前後位置調整ネジ134は、台座部132の台部分132aを装置本体11に固定する2本のネジである。この首振り角度/前後位置調整ネジ134を緩めることで、以下に説明するように、取付台座13の首振り角度及び前後位置の調整が可能となる。
【0040】
図4は、取付台座の首振り角度の調整について示す模式図である。
【0041】
取付台座13の首振り角度θ11は、カバー部材12の天面カバー部分122に対する平面視において、固着板131aの表面に対する法線131a-1が筐体中心軸11aとの間になす角度となっている。本実施例では、台部分132aにおいて2本の首振り角度/前後位置調整ネジ134が貫通する孔として、一対の円弧スリット状のネジ貫通孔132a-1が互いに向き合って一の円の円周に沿うように形成されている。そして、2本の首振り角度/前後位置調整ネジ134が緩められると、一対のネジ貫通孔132a-1の中を2本の首振り角度/前後位置調整ネジ134のネジ部分がスライド可能となる。これにより、取付台座13は、筐体中心軸11aと交差するとともにカバー部材12の天面カバー部分122に沿う首振り方向D13に回動可能となり、この回動により、上記の首振り角度θ11の調整が可能となる。本実施例では、移動体への設置時に、前方カメラ112のレンズ112aが露出したカバー部材12のフロントカバー部分121が移動体の進行方向D14の前方を向くように首振り角度θ11が調整される。
【0042】
図5は、取付台座の前後位置の調整について示す模式図である。
【0043】
取付台座13の前後位置は、装置本体11に対する取付台座13の、筐体中心軸11aに沿った装置前後方向D15の相対位置である。台座部132の台部分132aに設けられた一対のネジ貫通孔132a-1は、首振り角度/前後位置調整ネジ134のネジ太さに対して余裕を持ったスリット幅で形成されている。このため、2本の首振り角度/前後位置調整ネジ134が緩められると、スリット幅の余裕で許容される範囲において、一対のネジ貫通孔132a-1の中を2本の首振り角度/前後位置調整ネジ134のネジ部分が装置前後方向D15にもスライド可能となる。これにより、取付台座13は、装置前後方向D15に移動可能となり、この移動により、取付台座13の前後位置が調整される。本実施例では、移動体への設置時に、移動体のフロントガラスの内面と、カバー部材12のフロントカバー部分121から露出した前方カメラ112のレンズ112aと、の間隔が小さくなるように前後位置が調整される。
【0044】
図6は、取付台座の前後位置の調整によって前方カメラのレンズとフロントガラスの内面との間隔が最小化される様子を示す模式図である。
【0045】
この図6には、前方カメラ112のレンズ112aとフロントガラスの内面との間隔の最小化調整について、水平に対する立上り具合が異なる第1~第3フロントガラスGf1,Gf2,Gf3が例に挙げられて示されている。
【0046】
図6(A)には最も立ち上がった第1フロントガラスGf1に対する調整が例示されている。この場合、撮影装置1では、第1フロントガラスGf1の内面にフロントガラス固着部131が張り付けられた後、まず、2本の首振り角度/前後位置調整ネジ134が緩められて取付台座13の前後位置の調整が行われる。また、このときには、上述した首振り角度θ11の調整も行われる。図6(A)の例では、取付台座13が、最もフロント側の第1位置P11に調整されている。首振り角度θ11及び前後位置の調整後、2本の首振り角度/前後位置調整ネジ134が締め付けられる。更に、台座ボルト133が緩められて、前方カメラ112のレンズ112aが水平に沿って進行方向D14の前方を向くように装置本体11の姿勢の調整が行われる。図6(A)の例では、この姿勢調整により、固着側連結アーム131b及び台側連結アーム132bが略直線状に延ばされた状態となっている。以上の調整作業により、第1フロントガラスGf1の内面と前方カメラ112のレンズ112aの水平方向の間隔が、第1フロントガラスGf1に対して最小の間隔L11に調整される。
【0047】
図6(B)には立ち上がりが中程度の第2フロントガラスGf2に対する調整が例示されている。この図6(B)の例では、撮影装置1において、フロントガラス固着部131の貼付け後、取付台座13の前後位置が、フロント側から若干リア側に後退した第2位置P12に調整されている。また、台座ボルト133が緩められて行われる装置本体11の姿勢調整では、取付台座13の固着側連結アーム131b及び台側連結アーム132bが前方側に最も折り畳まれた状態となっている。以上の調整作業により、第2フロントガラスGf2の内面と前方カメラ112のレンズ112aの水平方向の間隔が、第2フロントガラスGf2に対して最小の間隔L12に調整される。
【0048】
図6(C)には最も立ち上がりが小さい第3フロントガラスGf3に対する調整が例示されている。この図6(C)の例では、撮影装置1において、フロントガラス固着部131の貼付け後、取付台座13の前後位置が、最もリア側に後退した第3位置P13に調整されている。また、台座ボルト133が緩められて行われる装置本体11の姿勢調整では、取付台座13の固着側連結アーム131b及び台側連結アーム132bが図6(B)の例に比べると若干開いて折り畳まれた状態となっている。以上の調整作業により、第3フロントガラスGf3の内面と前方カメラ112のレンズ112aの水平方向の間隔が、第3フロントガラスGf3に対して最小の間隔L13に調整される。
【0049】
ここで、図1図6に示されている撮影装置1では、移動体への設置時には、室内から見て装置本体11の右側面に操作部116が位置することとなる。このような位置の操作部116は、右ハンドルの移動体における運転者に近く、手を伸ばして操作し易い。他方、左ハンドルの移動体における運転者にとっては、操作部116が遠く、更に筐体111に隠れてしまうこととなり、操作し難くなる。そこで、本実施例では、左右何れのハンドル位置の移動体に設置されても良好な操作性を得ることができるように、撮影装置1には次のような工夫が凝らされている。
【0050】
即ち、本実施例では、図1図6のように右側面に操作部116が位置する第1姿勢と、当該第1姿勢に対して筐体中心軸11aの軸回りに上下が反転した第2姿勢との間で装置本体11の姿勢反転が可能となっている。第1姿勢に対して上下が反転した第2姿勢では、図1図6の例とは反対に、室内から見て左側面に操作部116が位置することとなる。
【0051】
図7は、図1図6に示されている撮影装置において装置本体の姿勢反転が可能であることを示す図である。
【0052】
この図7(A)には、装置本体11が、図1図6のように移動体の室内から見て右側面に操作部116が位置する第1姿勢S11となった撮影装置1がフロント側からの斜視図で示されている。また、図7(B)には、装置本体11が、第1姿勢に対して筐体中心軸11aの軸回りに上下が反転し、室内から見て左側面に操作部116が位置する第2姿勢S12となった撮影装置1がフロント側からの斜視図で示されている。
【0053】
本実施例では、装置本体11における上記の第1面111b及び第2面111cの両方に、カバー部材12における4箇所のネジ貫通孔122aと、取付台座13における一対のネジ貫通孔132a-1(図4及び図5)と、に対応するネジ孔が形成されている。これにより、カバー部材12は、第1姿勢S11と第2姿勢S12の何れの姿勢の装置本体11にも取付け可能で、取付台座13が、第1姿勢S11及び第2姿勢S12の何れの姿勢においても装置本体11を保持することとなる。
【0054】
また、カバー部材12におけるフロントカバー部分121には、第1姿勢S11及び第2姿勢S12の何れの姿勢においても前方カメラ112のレンズ112aを露出させるレンズ開口123が形成されている。本実施例では、このレンズ開口123は、第1姿勢S11のときのレンズ112aを露出させる第1開口123a、及び、第2姿勢S12のときのレンズ112aを露出させる第2開口123b、で構成されている。第1開口123a及び第2開口123bは、前方カメラ112のレンズ112aの周辺構造を収める互いに同じ形状の円形孔となっている。
【0055】
更に、装置本体11のフロント面111aには次のような閉塞突起111dが突出して設けられている。即ち、閉塞突起111dは、第1姿勢S11のときに第2開口123bの内側に進入して当該第2開口123bを塞ぐとともに第2姿勢S12のときに第1開口123aの内側に進入して当該第1開口123aを塞ぐ部位である。この閉塞突起111dは、前方カメラ112のレンズ112aの周辺構造を模したダミーの円形突起となっている。
【0056】
ここで、第1姿勢S11のときに前方カメラ112及び室内/後方カメラ114で撮影される撮影画像と、第2姿勢S12のときに前方カメラ112及び室内/後方カメラ114で撮影される撮影画像と、は互いに上下が反転した画像となる。このような撮影画像をそのまま記録すると、後で表示させたときに、何れかの姿勢での撮影画像が上下逆さまに表示されることとなり見づらくなってしまう。そこで、本実施例では、装置本体11における撮影画像の記録について次のような工夫が凝らされている。
【0057】
まず、装置本体11には、姿勢センサ119aと、記録部119bと、が備えられている。姿勢センサ119aは、6軸加速度センサで構成されており、第1姿勢S11及び第2姿勢S12のうちの一方を正規姿勢とするとともに他方を反転姿勢とし、装置本体11が何れの姿勢であるかを検出する。このとき、正規姿勢は、前方カメラ112及び室内/後方カメラ114で上下に順方向の撮影が行われる姿勢で、反転姿勢は、上下逆さまの撮影が行われる姿勢となる。記録部119bは、前方カメラ112及び室内/後方カメラ114の撮影画像を、図4に示されているmicroSDカードスロット118cに装着されるmicroSDカードに記録する。このとき、記録部119bは、姿勢センサ119aで正規姿勢が検出された場合に前方カメラ112及び室内/後方カメラ114の撮影画像をそのまま記録する。他方、姿勢センサ119aで反転姿勢が検出された場合には前方カメラ112及び室内/後方カメラ114の撮影画像を上下反転して、言い換えれば180°回転して記録する。また、上述したように、本実施例の撮影装置1は所定のサーバに無線接続される。記録部119bは、microSDカードに記録した撮影画像をサーバに無線送信するように構成されている。
【0058】
以上に説明した実施例の撮影装置1では、筐体111のフロント面111a以外の外面において筐体中心軸11aからずれた位置に操作部116が設けられる。また、フロント面111aにおいて筐体中心軸11aからずれた位置にレンズ112aが位置するように前方カメラ112が筐体111に搭載される。同様に、筐体111のリア側の円筒部分において筐体中心軸11aからずれた位置にレンズ114aが位置するように室内/後方カメラ114が筐体111に搭載される。本実施例とは異なり、操作部116や前方カメラ112及び室内/後方カメラ114のレンズ112a,114aが筐体中心軸11aの軸線上に配置される場合には、筐体内部が小空間に分断される可能性がある。つまり、本実施例によれば、上記の部位が筐体中心軸11aの軸線上に配置される場合に比べると纏まった広い部品収容空間が得られることから、筐体内部の部品配置等について高い自由度が得られ、これを受けて撮影装置1の小型化が可能となっている。
【0059】
また、上記の撮影装置1では、装置本体11がカバー部材12によりフロント面111qから上方側に掛けて覆われることから、フロントガラス越しに装置本体11へと向かう日光が遮られる。これにより、日光の照射による過度の温度上昇から装置本体11を保護することができる。
【0060】
また、カバー部材12が、互いに上下反転関係にある第1姿勢S11及び第2姿勢S12の何れの姿勢の装置本体11にも取付け可能となっている。このとき、カバー部材12において前方カメラ112側の部位となるフロントカバー部分121には、第1姿勢S11及び第2姿勢S12の何れの姿勢においてもレンズ112aを露出させるレンズ開口123が形成されている。このため、装置本体11が第1姿勢S11と第2姿勢S12の何れの姿勢となったとしても前方カメラ112のレンズ112aはレンズ開口123から露出するので撮影が妨げられることはない。このような構成により、移動体における左右何れかのハンドル位置に応じ、第1姿勢S11及び第2姿勢S12のうち操作部116が運転者から近く操作し易い姿勢で、装置本体11(即ち撮影装置1)を移動体に設置することが可能となる。つまり、上記の撮影装置1によれば、左右何れのハンドル位置の移動体に設置されても良好な操作性を得ることができる。
【0061】
ここで、本実施例では、上記のレンズ開口123が各姿勢のときのレンズ112aを露出させる2つの開口で構成されている。この構成によれば、例えばレンズ開口が長孔として形成されている場合等と比較するとフロントカバー部分121における開口面積が抑えられる。これにより、このフロントカバー部分121による日光の遮断効果を高めることができる。
【0062】
また、本実施例では、装置本体11のフロント面111aには、レンズ112aを露出させていない開口を塞ぐように閉塞突起111dが設けられている。この構成によれば、フロント側から見たときの撮影装置1の外観を良好なものとすることができる。
【0063】
また、本実施例では、装置本体11において、正規姿勢の場合の撮影画像がそのまま記録され、反転姿勢の場合の撮影画像が上下反転して記録される。この構成によれば、反転姿勢の装置本体11における前方カメラ112及び室内/後方カメラ114で正規姿勢の場合とは上下が反転した状態で撮影された撮影画像が正規姿勢の場合と同じ向きに直されて記録される。これにより、記録された撮影画像を、装置本体11の姿勢に関わらず、上下に同じ向きの画像として表示させて目視確認することができる。
【0064】
尚、本発明は、以上に説明した実施例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
【0065】
例えば、上述した実施例では、撮影装置の一例として、カメラ一体型のドライブレコーダであるとともに、搭乗者との音声対話によって運転案内を行うナビゲーション装置ともなっている撮影装置1が例示されている。しかしながら、撮影装置は、これに限るものではなく、撮影機能のみを備えた単純な構成のもの等であってもよい。
【0066】
また、上述した実施例では、撮影装置の一例として、サーバに無線接続され、撮影画像がサーバに無線送信される撮影装置1が例示されている。しかしながら、撮影装置は、これに限るものではなく、如何なるサーバにも接続されない装置であってもよい。
【0067】
また、上述した実施例では、撮影装置の一例として、フロントガラスの内面に取り付けられる撮影装置1が例示されている。しかしながら、撮影装置は、これに限るものではなく、移動体の内部においてフロントガラス越しの移動体外部の撮影が可能な位置に取り付けられるのであれば、移動体の内部における具体的な取付け場所を問うものではない。
【0068】
また、上述した実施例では、撮影装置の一例として、装置本体11に前方カメラ112及び室内/後方カメラ114が搭載された撮影装置1が例示されている。しかしながら、撮影装置は、これに限るものではなく、移動体に設置されてフロントガラス越しに移動体外部を撮影するものであれば、前方カメラのみを備えたもの等であってもよい。
【0069】
また、上述した実施例では、装置本体の一例として、扁平な矩形箱部分の一側面に円筒部分が横倒しの状態で一体となった形状の筐体111を備えた装置本体11が例示されている。しかしながら、装置本体は、これに限るものではなく、その筐体の形状は、移動体への設置時にフロントガラス側を向くフロント面を備えた形状であれば、単純な矩形箱状や円筒箱状等であってもよく、任意の形状を採用し得るものである。
【0070】
また、上述した実施例では、カバー部材の一例として、レンズ開口123が第1姿勢S11及び第2姿勢S12のときのレンズ112aを露出させる2つの開口で構成されたカバー部材12が例示されている。しかしながら、カバー部材は、これに限るものではなく、例えば、各姿勢のときのレンズ112aを露出させる長孔がレンズ開口として形成されたもの等であってもよい。ただし、レンズ開口123を2つの開口で構成することで、カバー部材12のフロントカバー部分121による日光の遮断効果を高めることができる点は上述した通りである。
【0071】
また、上述した実施例では、装置本体の一例として、レンズ112aを露出させていない開口を塞ぐ閉塞突起111dが設けられた装置本体11が例示されている。しかしながら、装置本体は、これに限るものではなく、例えば、上記のような閉塞突起は設けず、レンズを露出させていない開口をそのまま残すもの等であってもよい。ただし、装置本体11に閉塞突起111dを設けることで、フロント側から見たときの撮影装置1の外観を良好なものとすることができる点は上述した通りである。
【0072】
また、上述した実施例では、装置本体の一例として、正規姿勢の場合の撮影画像がそのまま記録され、反転姿勢の場合の撮影画像が上下反転して記録される装置本体11が例示されている。しかしながら、装置本体は、これに限るものではなく、例えば、正規姿勢及び反転姿勢の何れの場合も撮影画像がそのまま記録されるもの等であってもよい。ただし、反転姿勢の場合の撮影画像が上下反転して記録されることで、記録された撮影画像を、装置本体11の姿勢に関わらず、上下に同じ向きの画像として表示させて目視確認することができる点は上述した通りである。
【符号の説明】
【0073】
1 撮影装置
11 装置本体
11a 筐体中心軸
12 カバー部材
13 取付台座
111 筐体
111a フロント面
111b 第1面
111c 第2面
111d 閉塞突起
112 前方カメラ
112a,114a レンズ
113 マイク/スピーカー
114 室内/後方カメラ
115 ライトバー
116 操作部
116a マイクON/OFFボタン
116b システムインジケータ
116c 音量調整ボタン
116c-1 +ボタン
116c-2 -ボタン
116d イベント録画/ペアリング待受ボタン
116e リセットボタン
117a 第1通風孔
117b 第2通風孔
118 コネクタカバー
118a 電源ケーブル接続端子
118b SIMカードスロット
118c microSDカードスロット
119a 姿勢センサ
119b 記録部
121 フロントカバー部分
122 天面カバー部分
122a,132a-1 ネジ貫通孔
123 レンズ開口
123a 第1開口
123b 第2開口
131 フロントガラス固着部
131a 固着板
131a-1 法線
131b 固着側連結アーム
132 台座部
132a 台部分
132b 台側連結アーム
133 台座ボルト
133a 回動軸
134 首振り角度/前後位置調整ネジ
D11 前後方向
D12 矢印
D13 首振り方向
D14 進行方向
D15 装置前後方向
Gf1 第1フロントガラス
Gf2 第2フロントガラス
Gf3 第3フロントガラス
L11,L12,L13 最小の間隔
P11 第1位置
P12 第2位置
P13 第3位置
S11 第1姿勢
S12 第2姿勢
θ11 首振り角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7