(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115598
(43)【公開日】2023-08-21
(54)【発明の名称】太陽光発電装置
(51)【国際特許分類】
E04D 13/18 20180101AFI20230814BHJP
H02S 20/10 20140101ALI20230814BHJP
H02S 20/23 20140101ALI20230814BHJP
H02S 20/30 20140101ALI20230814BHJP
【FI】
E04D13/18 ETD
H02S20/10 U
H02S20/23
H02S20/30 A
H02S20/10 K
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017905
(22)【出願日】2022-02-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】間野 幸浩
(72)【発明者】
【氏名】染川 貴亮
(72)【発明者】
【氏名】池田 陽一
(72)【発明者】
【氏名】村上 礼雄
(72)【発明者】
【氏名】山崎 将英
【テーマコード(参考)】
2E108
【Fターム(参考)】
2E108KK01
2E108LL01
2E108MM08
2E108NN07
(57)【要約】
【課題】揚力の発生を抑制可能な太陽光発電装置を得る。
【解決手段】太陽光発電装置10は、太陽電池パネル14と、設置面12に載置され、太陽電池パネル14の下方に設けられて、太陽電池パネル14を水平または傾斜させて支持する架台16と、太陽電池パネル14の外周側に離れて配置され、太陽電池パネル14に向けて流れる風を受けて太陽電池パネル14に生じる揚力を抑制する風向き変更手段24,26,28とを有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池パネルと、
設置面に載置され、前記太陽電池パネルの下方に設けられて、前記太陽電池パネルを水平または傾斜させて支持する架台と、
前記太陽電池パネルの外周側に前記太陽電池パネルから離れて前記太陽電池パネルの縁の全長に対して配置され、前記太陽電池パネルの上面に向けて流れる風を受けて前記太陽電池パネルに生じる揚力を抑制する風向き変更手段と、
を有する太陽光発電装置。
【請求項2】
前記架台に前記風向き変更手段が固定されている、
請求項1に記載の太陽光発電装置。
【請求項3】
前記風向き変更手段には、錘が取り付けられている、
請求項2に記載の太陽光発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の屋上に太陽電池パネルを設置する場合、太陽電池パネルを架台に取り付け、架台を設置面にアンカー、接着剤等を用いて固定する構造や、太陽電池パネルの下側の空間領域に流入する空気流を減少させて揚力を抑制する構造(例えば、特許文献1、2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6219450号公報
【特許文献2】特開2005-281995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、諸般の事情により架台を屋上面にアンカーで固定したり、接着剤を用いて固定できない場合がある。また、接着剤を用いて架台を固定した場合、経年劣化による接着剤の固着力の低下が懸念される。
【0005】
また、特許文献1では、太陽電池パネルの周囲に、太陽電池パネル下側の空間領域に流入する空気流を減少させるカバーを設ける構造が記載されているが、該カバーを設けても揚力を抑制できない場合があった。
本発明は上記事実を考慮し、揚力の発生を抑制可能とする、耐風性に優れた太陽光発電装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者らが種々の実験、検討を重ねた結果、太陽電池パネルに生ずる揚力は、太陽電池パネルの下方に吹き込む風の影響によるものの他に、太陽電池パネルの上面に沿って流れる風がパネル表面から剥離し、パネル表面に渦が発生することによっても揚力が発生することを突き止めた。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであって、請求項1に記載の太陽光発電装置は、太陽電池パネルと、設置面に載置され、前記太陽電池パネルの下方に設けられて、前記太陽電池パネルを水平または傾斜させて支持する架台と、前記太陽電池パネルの外周側に前記太陽電池パネルから離れて前記太陽電池パネルの縁の全長に対して配置され、前記太陽電池パネルの上面に向けて流れる風を受けて前記太陽電池パネルに生じる揚力を抑制する風向き変更手段と、を有する。
【0007】
請求項1に記載の太陽光発電装置では、太陽電池パネルの外周側に、太陽電池パネルから離れて太陽電池パネルの縁の全長に対して配置された風向き変更手段が、太陽電池パネルの上面に向けて流れる風を受けることで、太陽電池パネルに生じる揚力を抑制する。太陽電池パネルの外周側に離れて配置とは、言い換えれば、太陽電池パネルから水平方向に離れて配置されていることである。
【0008】
例えば、太陽光発電装置に自重以上の揚力が発生すると、太陽光発電装置が動いてしまう虞がある。しかし、請求項1に記載の太陽光発電装置では、太陽光発電装置に生じる揚力を抑制することができるので、架台を設置面にアンカーや接着剤を用いて固定しなくても、風によって太陽光発電装置が動いてしまうことを抑制可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の太陽光発電装置において、前記架台に前記風向き変更手段が固定されている。
【0010】
請求項2に記載の太陽光発電装置では、太陽電池パネルを支持している架台に風向き変更手段の重量が加わるので、太陽光発電装置が動き難くなる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の太陽光発電装置において、前記風向き変更手段には、錘が取り付けられている。
【0012】
請求項3に記載の太陽光発電装置では、太陽電池パネルを支持している架台に風向き変更手段の重量が加わり、更に錘の重量が加わるので、太陽光発電装置がより動き難くなる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明の太陽光発電装置によれば、揚力の発生を抑制することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】設置面に載置された本発明の一実施形態に係る太陽光発電装置を示す斜視図である。
【
図3】(A)は比較例に係る太陽光発電装置を示す側面図であり、(B)は実施形態に係る太陽光発電装置を示す側面図である。
【
図4】錘を加えた他の実施形態に係る太陽光発電装置の一部を示す側面図である。
【
図5】錘を風向き変更手段として用いた他の実施形態に係る太陽光発電装置を示す側面図である。
【
図6】(A)、(B)は、試験に用いた太陽光発電装置の寸法を示す側面図である。
【
図7】比較例に係る太陽光発電装置と、実施形態に係る太陽光発電装置に作用する鉛直方向の力の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1~
図3を用いて、本発明の一実施形態に係る太陽光発電装置10について説明する。
【0016】
図1には、設置面12に設置された本実施例に係る太陽光発電装置10が斜視図にて示されている。なお、設置面12とは、一例としての建物の屋上、陸屋根などの水平面のことである。また、図中、矢印E方向は東方向、矢印Wは西方向、矢印Sは南方向、矢印Nは北方向、矢印Uは上方向、矢印Dは下方向を示している。
【0017】
図2に示すように、太陽光発電装置10は、太陽電池パネル14と、架台16と、架台側部カバー18~22と、風向き変更手段24~28とを含んで構成されている。
【0018】
架台16は、一例として、鉄鋼、アルミニウム等の金属の型材で構成されており、南側が北側よりも低くなるように形成されている。また、架台16の高さ(最大高さ)Hは、架台16の東西方向の幅寸法W、及び架台16の南北方向の奥行寸法Dよりも小さく、架台16は必要最小限の高さHを有していればよく、可能な限り重心が低くなるように形成されている。
【0019】
架台16の上部には、架台16の上部全面を覆うように太陽電池パネル14が固定されている。なお、架台16に固定する太陽電池パネル14は、1枚であってもよく、複数枚であってもよい。
【0020】
図1、及び
図3(B)に示すように、架台16の東及び西側の側部、及び太陽電池パネル14の東及び西側の側面は、各々架台側部カバー18で覆われており、架台16の南側の側部、及び太陽電池パネル14の南側の側面は架台側部カバー20で覆われ、架台16の北側の側部、及び太陽電池パネル14の北側の側面(
図3(B)では図示せず)は架台側部カバー22で覆われている。
【0021】
これにより、架台16における太陽電池パネル14の下側の空間は、設置面12、架台側部カバー18、架台側部カバー20、架台側部カバー22、及び太陽電池パネル14で塞がれている。
【0022】
なお、本実施形態では、図示するように、架台側部カバー18は設置面12に対して垂直に配置され、架台側部カバー20、及び架台側部カバー22は、上端よりも下端が架台16から離れるように傾斜している。
【0023】
図1、及び
図3(B)に示すように、架台16の東及び西側には、各々風向き変更手段24が設けられ、架台16の南側には、風向き変更手段26が設けられ、架台16の北側には、風向き変更手段28が設けられている。風向き変更手段24、風向き変更手段26、及び風向き変更手段28は、太陽電池パネル14から離間して配置され、かつ、各々が太陽電池パネル14の縁の全長に対して配置されている。
【0024】
図3(B)に示すように、風向き変更手段26は、金属板等により側面視でL字状に形成されており、設置面12に沿って配置されるベース部26Aと、ベース部26Aから垂直に立ち上がり、風を受ける壁部26Bとを備えている。壁部26Bは、架台16、及び太陽電池パネル14から離されている。
【0025】
風向き変更手段26において、ベース部26Aは、架台16の端部に図示しないボルト等を用いて固定されており、壁部26Bは架台16の側部から離されている。図示を省略するが、風向き変更手段24、及び風向き変更手段28も側面視でL字状に形成され、ベース部が架台16の端部に固定されており、壁部が架台16、及び太陽電池パネル14から離されている。
【0026】
なお、風向き変更手段26、及び風向き変更手段28は幅方向に渡って高さが一定であるが、風向き変更手段24は、壁部の上端が太陽電池パネル14の上面と同方向に傾斜しており、北側に向けて高さが増大している。なお、本実施形態では、風向き変更手段26の壁部26Bの上端の高さは、太陽電池パネル14の上面の風上側の端部の高さと一致させているが、必要に応じて一致させればよく、一致させなくてもよい。
【0027】
以上の様に構成された本実施形態の太陽光発電装置10は、設置面12に載置するだけで設置が完了しており、ボルト、接着剤等の固定手段を用いて設置面12に固定されていない。
なお、架台16、及び風向き変更手段24,26,28は、必要に応じて設置面12に接着剤を用いて固定してもよい。
【0028】
(作用、効果)
先ず、本実施形態の太陽光発電装置10の作用、効果について説明する前に、
図3(A)に基づいて、比較例の太陽光発電装置100について説明する。
図3(A)に示すように、比較例の太陽光発電装置100は、風上に風向き変更手段が設けられていないものである。なお、比較例の太陽光発電装置100において、実施形態の太陽光発電装置10と同一構成には同一符号を付している。
【0029】
比較例の太陽光発電装置100では、一例として、矢印で示すように、南風Wsが太陽光発電装置100に向けて吹いている場合、南風Wsが太陽電池パネル14の上で剥離し、下流側で渦Wvが発生して揚力が発生することがあった。特に風速5m/s以上の場合、剥離が生じ易く、揚力によって太陽光発電装置100が動かないように、太陽光発電装置100を設置面12に固定する必要があった。
【0030】
一方、本実施形態の太陽光発電装置10では、
図3(B)に示すように、南風Wsが太陽光発電装置10に向けて吹いている場合、太陽電池パネル14の風上で風向き変更手段26が南風Wsを受ける。すると、風向き変更手段26によって南風Wsの風向きが変更され、南風Wsが太陽電池パネル14の風上の端部(南側の端部)から太陽電池パネル表面に沿って流れ、比較例の太陽光発電装置100で生じた南風Wsの剥離、及び揚力の発生原因となる渦Wvの発生が抑制される。この実施形態では、傾斜した太陽電池パネル14に沿って風が流れることで押し付け力が生じ、太陽光発電装置10の風による動きが抑制される。
【0031】
このようにして、太陽光発電装置10に対して揚力の発生が抑制されるので、太陽光発電装置10を設置面12に固定する必要がなくなり、太陽光発電装置10を設置面12に載置するだけで設置(据付)を完了させることが可能となる。また、風向き変更手段24,26,28によって太陽光発電装置10における揚力の発生が抑制されるので、太陽光発電装置10の耐風性を向上させることができる。
なお、本実施形態の太陽光発電装置10では、耐風性が向上しているので設置面12に対して接着剤を用いて固定していないが、接着剤を用いて架台16、及び風向き変更手段24,26,28を固定してもよく、接着剤を用いて固定する場合、接着力の弱い接着剤を用いることができる。
【0032】
なお、防水処理が施されている建物の屋上や陸屋根に太陽光発電装置を設置する場合、アンカー等を用いて太陽光発電装置を設置面に固定すると、防水処理をした部分に孔等が開いて防水性能を確保することが困難になる。しかし、本実施形態の太陽光発電装置10では、設置面12に載置するだけでよいため、防水処理を施した部分に孔等が開いて損傷することを抑制でき、防水性能を確保したまま太陽光発電装置10を設置することができる。
【0033】
ここでは、南風Wsについて説明をしたが、東風、西風、北風についても、風向き変更手段24、及び風向き変更手段28によって風向きを変更して、太陽電池パネル14の上の風の剥離を抑制し、揚力の発生を抑制することができる。
【0034】
本実施形態では、風向きを変更する風向き変更手段24、風向き変更手段26、及び風向き変更手段28を金属板等で形成して架台16に取り付けたが、風で動かなければ風向き変更手段24、風向き変更手段26、及び風向き変更手段28は架台16と分離されていてもよい。風向き変更手段24、風向き変更手段26、及び風向き変更手段28を架台16に取り付けるか取り付けないかは、適宜選択することができる。
【0035】
風向き変更手段24、風向き変更手段26、及び風向き変更手段28を架台16に取り付ければ、風向き変更手段24、風向き変更手段26、及び風向き変更手段28の重量が架台16に加わり、取り付けない場合に比較して架台16を動き難くすることができる。
【0036】
風向き変更手段24、風向き変更手段26、及び風向き変更手段28は、太陽電池パネル14の表面に沿って風が流れるように設置されればよく、太陽電池パネル14の形状、サイズ、壁部の形状、幅、高さ、架台16との間隔等は、風洞実験や、シミュレーション等で求めることができ、形状やサイズは任意である。
風向き変更手段24、風向き変更手段26、及び風向き変更手段28の壁部を、太陽電池パネル14の側部から離す寸法は、1000mm以下が好ましく、900mm以下がより好ましく、800mm以下がより一層好ましい。離し過ぎると、剥離を抑制する効果が減少する。また、風向き変更手段24、風向き変更手段26、及び風向き変更手段28の壁部の高さは、太陽電池パネル14の表面の端部(壁部に対向する部分の端部)の高さに対して、同等以上の高さとすることが好ましい。壁部の高さが低くなり過ぎると剥離を抑制する効果が減少する。また、壁部が高くなり過ぎると、太陽電池パネル14に当たるべき太陽光が遮られてしまう場合がある。
【0037】
なお、太陽光発電装置10を設置面12に載置するにあたっては、太陽電池パネル14、架台16、架台側部カバー18~22、及び風向き変更手段24~28を一体化したものを運搬して設置面12に載置してもよく、太陽電池パネル14、架台16、架台側部カバー18~22、及び風向き変更手段24~28を別々に運搬して設置現場で組み立てるようにしてもよい。
【0038】
[その他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0039】
上記実施形態では、風向き変更手段26の壁部26Bが設置面12に対して垂直であったが、壁部26Bは設置面12に対して傾斜していてもよい。なお、その他の風向き変更手段24、28の壁部においても同様である。
【0040】
一例として、
図4に示すように、風向き変更手段26のベース部26Aに錘30を取り付けてもよい。図示を省略するが、風向き変更手段24、及び風向き変更手段28のベース部にも錘30を取り付けてもよい。錘30としては、縁石、コンクリートブロック等を用いることができるが、鋼材等の重量物を用いることもできる。錘30を用いることで、錘30の重量が架台16に加わり、架台16がより動き難くなる。
【0041】
また、
図5に示すように、錘30のみを設置面12に載置して、錘30を風向き変更手段として利用し、錘30のみで風向きを変更することも可能である。この場合の錘30は、台風、暴風などによって動かないような重量のものが使用される。
【0042】
上記実施形態では、架台16の側部を架台側部カバー18、20、22で覆うことで、揚力の発生原因となる太陽電池パネル14の下側への風の吹き込みを抑制しているが、風向き変更手段24、風向き変更手段26、及び風向き変更手段28によって太陽電池パネル14の下側への風の吹き込みを抑制できる場合は、架台16の側部を架台側部カバー18、20、22で覆わなくてもよい。
【0043】
上記実施形態では、太陽電池パネル14が傾斜するように架台16の上部が傾斜していたが、太陽電池パネル14が水平となるように架台16の上部が水平となっていてもよい。
上記実施形態では、架台16の周囲に風向き変更手段24~28を設けたが、例えば、太陽光発電装置10を設置する屋上などの設置面12の周囲に立ち上がり部(パラペット)が設けられている場合、該立ち上がり部を風向き変更手段として利用することもできる。
【0044】
(試験例)
本発明の効果を確かめるために、
図6(A),(B)に示すように、錘30を風向き変更手段として用いた実施形態の太陽光発電装置10と、
図6に示す実施形態の太陽光発電装置10から錘30を取り除いた比較例の太陽光発電装置(図示省略)と、を用意し、風洞にて風速と太陽光発電装置に作用する鉛直方向の力との関係を調べた。
試験は、風洞の床面に設置した3分力計の上に太陽光発電装置を載せて水平に風を送り、風速を徐々に上げて鉛直方向の力(N)の変化を計測した。
【0045】
以下に、試験に用いた太陽光発電装置10の各部の寸法を示す(
図6参照)。
・水平方向に計測する太陽電池パネル14上面の奥行方向の寸法D
1:1030mm
・設置面から計測する太陽電池パネル14上面の前端(風上側の端部)の高さh
1:1010mm
・設置面から計測する太陽電池パネル14上面の後端(風下側の端部)の高さH
1:280mm
・架台側部カバー20の角度θ
1:51°
・架台側部カバー22の角度θ
2:47°
・太陽電池パネル14の幅W
1:1770mm
・錘30の高さh
2:100mm
・錘30の厚みD
4:100mm
・錘30の幅W
2:220mm
・水平方向に計測する太陽電池パネル14上面の前端(風上側の端部)から錘30の前端(風上側の端部)までの距離D
2:220mm
【0046】
図7には、試験結果が示されており、グラフの実線は比較例、破線は実施形態の結果を示している。なお、
図6のグラフの縦軸において、零(基準)よりも上側は浮き上がる方向の力、即ち、揚力が発生していることを表しており、零(基準)よりも下側は、下向きの押し付け力が発生していることを表している。
【0047】
図7の試験結果で示す様に、比較例の太陽光発電装置100では、風速が上がるにしたがって揚力が高くなる傾向にあるのに対し、実施形態の太陽光発電装置10では、風速が上がるにしたがって下向きの押しけ力が作用し、揚力の発生が抑制されていることが分かる。
【符号の説明】
【0048】
10 太陽光発電装置
12 設置面
14 太陽電池パネル
16 架台
24 風向き変更手段
26 風向き変更手段
28 風向き変更手段
30 錘(風向き変更手段)
【手続補正書】
【提出日】2022-05-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
発明者らが種々の実験、検討を重ねた結果、太陽電池パネルに生ずる揚力は、太陽電池パネルの下方に吹き込む風の影響によるものの他に、太陽電池パネルの上面に沿って流れる風がパネル表面から剥離し、パネル表面に渦が発生することによっても揚力が発生することを突き止めた。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであって、請求項1に記載の太陽光発電装置は、太陽電池パネルと、設置面に載置され、前記太陽電池パネルの下方に設けられて、前記太陽電池パネルを水平または傾斜させて支持する架台と、前記太陽電池パネルの外周側に前記太陽電池パネルから離れて前記太陽電池パネルの縁の全長に対して配置され、前記太陽電池パネルの上面に向けて流れる風を受けて前記太陽電池パネルに生じる揚力を抑制する風向き変更手段と、を有し、前記風向き変更手段は、前記太陽電池パネル側とは反対側の壁部が、前記設置面に対して垂直に立ち上がっている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池パネルと、
設置面に載置され、前記太陽電池パネルの下方に設けられて、前記太陽電池パネルを水平または傾斜させて支持する架台と、
前記太陽電池パネルの外周側に前記太陽電池パネルから離れて前記太陽電池パネルの縁の全長に対して配置され、前記太陽電池パネルの上面に向けて流れる風を受けて前記太陽電池パネルに生じる揚力を抑制する風向き変更手段と、
を有し、
前記風向き変更手段は、前記太陽電池パネル側とは反対側の壁部が、前記設置面に対して垂直に立ち上がっている、
太陽光発電装置。
【請求項2】
前記架台に前記風向き変更手段が固定されている、
請求項1に記載の太陽光発電装置。
【請求項3】
前記風向き変更手段には、錘が取り付けられている、
請求項2に記載の太陽光発電装置。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
発明者らが種々の実験、検討を重ねた結果、太陽電池パネルに生ずる揚力は、太陽電池パネルの下方に吹き込む風の影響によるものの他に、太陽電池パネルの上面に沿って流れる風がパネル表面から剥離し、パネル表面に渦が発生することによっても揚力が発生することを突き止めた。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであって、請求項1に記載の太陽光発電装置は、太陽電池パネルと、設置面に載置され、前記太陽電池パネルの下方に設けられて、前記太陽電池パネルを傾斜させて支持する架台と、前記太陽電池パネルの外周側に前記太陽電池パネルから離れて前記太陽電池パネルの縁の全長に対して配置され、前記太陽電池パネルの上面に向けて流れる風を受けて前記太陽電池パネルに生じる揚力を抑制する風向き変更手段と、を有し、前記風向き変更手段は、前記太陽電池パネル側とは反対側の壁部が、前記設置面に対して垂直に立ち上がっており、前記壁部は、前記太陽電池パネルの傾斜した端部と対向する上端が、前記端部と同方向に傾斜している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池パネルと、
設置面に載置され、前記太陽電池パネルの下方に設けられて、前記太陽電池パネルを傾斜させて支持する架台と、
前記太陽電池パネルの外周側に前記太陽電池パネルから離れて前記太陽電池パネルの縁の全長に対して配置され、前記太陽電池パネルの上面に向けて流れる風を受けて前記太陽電池パネルに生じる揚力を抑制する風向き変更手段と、
を有し、
前記風向き変更手段は、前記太陽電池パネル側とは反対側の壁部が、前記設置面に対して垂直に立ち上がっており、前記壁部は、前記太陽電池パネルの傾斜した端部と対向する上端が、前記端部と同方向に傾斜している、
太陽光発電装置。
【請求項2】
前記架台に前記風向き変更手段が固定されている、
請求項1に記載の太陽光発電装置。
【請求項3】
前記風向き変更手段には、錘が取り付けられている、
請求項2に記載の太陽光発電装置。