IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝電機サービス株式会社の特許一覧 ▶ 西芝電機株式会社の特許一覧

特開2023-115659エンジン発電装置、エンジン発電装置の設置方法
<>
  • 特開-エンジン発電装置、エンジン発電装置の設置方法 図1
  • 特開-エンジン発電装置、エンジン発電装置の設置方法 図2
  • 特開-エンジン発電装置、エンジン発電装置の設置方法 図3
  • 特開-エンジン発電装置、エンジン発電装置の設置方法 図4
  • 特開-エンジン発電装置、エンジン発電装置の設置方法 図5
  • 特開-エンジン発電装置、エンジン発電装置の設置方法 図6
  • 特開-エンジン発電装置、エンジン発電装置の設置方法 図7
  • 特開-エンジン発電装置、エンジン発電装置の設置方法 図8
  • 特開-エンジン発電装置、エンジン発電装置の設置方法 図9
  • 特開-エンジン発電装置、エンジン発電装置の設置方法 図10
  • 特開-エンジン発電装置、エンジン発電装置の設置方法 図11
  • 特開-エンジン発電装置、エンジン発電装置の設置方法 図12
  • 特開-エンジン発電装置、エンジン発電装置の設置方法 図13
  • 特開-エンジン発電装置、エンジン発電装置の設置方法 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115659
(43)【公開日】2023-08-21
(54)【発明の名称】エンジン発電装置、エンジン発電装置の設置方法
(51)【国際特許分類】
   F02B 63/04 20060101AFI20230814BHJP
【FI】
F02B63/04 C
F02B63/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】34
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022018008
(22)【出願日】2022-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000195959
【氏名又は名称】西芝電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】柏木 克巳
(72)【発明者】
【氏名】武田 翔
(72)【発明者】
【氏名】林 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】西山 隆司
(72)【発明者】
【氏名】志水 正広
(72)【発明者】
【氏名】大西 恭平
(57)【要約】
【課題】エンジンおよび発電機を支持する支持部を、よりコンパクト化して搬入できるようにしたエンジン発電装置、および、このエンジン発電装置の設置方法を提供する。
【解決手段】本実施形態に係るエンジン発電装置は、動力を発生するエンジンと、前記エンジンが発生する動力により駆動されて発電する発電機と、前記エンジンおよび前記発電機を支持する支持部と、を備え、前記支持部は、複数の支持部構成部材により構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力を発生するエンジンと、
前記エンジンが発生する動力により駆動されて発電する発電機と、
前記エンジンおよび前記発電機を支持する支持部と、
を備え、
前記支持部は、複数の支持部構成部材により構成されているエンジン発電装置。
【請求項2】
前記支持部は、複数の前記支持部構成部材として、第1支持部構成部材および第2支持部構成部材を備え、
所定方向における前記第1支持部構成部材の長さと前記第2支持部構成部材の長さが異なる請求項1に記載のエンジン発電装置。
【請求項3】
所定方向における前記第1支持部構成部材の長さと前記第2支持部構成部材の長さを合計した長さは、所定方向における前記エンジンの長さ、または、所定方向における前記発電機の長さ、または、所定方向における前記エンジンの長さと前記発電機の長さを合計した長さよりも長い請求項2に記載のエンジン発電装置。
【請求項4】
所定方向における前記エンジンの長さと前記発電機の長さを合計した長さは、所定方向における前記第1支持部構成部材の長さよりも長い請求項2または3に記載のエンジン発電装置。
【請求項5】
所定方向における前記第1支持部構成部材の長さは、所定方向における前記エンジンの長さよりも長い請求項4に記載のエンジン発電装置。
【請求項6】
所定方向における前記エンジンの長さは、所定方向における前記発電機の長さよりも長い請求項5に記載のエンジン発電装置。
【請求項7】
前記エンジンおよび前記発電機を制御する制御盤を備え、
所定方向における前記発電機の長さは、所定方向における前記制御盤の長さよりも長い請求項6に記載のエンジン発電装置。
【請求項8】
所定方向における前記制御盤の長さは、所定方向における前記第2支持部構成部材の長さよりも長い請求項7に記載のエンジン発電装置。
【請求項9】
所定方向における前記第1支持部構成部材の長さは、少なくとも、所定方向における前記エンジンの長さ、および、所定方向における前記発電機の長さよりも長い請求項2から8の何れか1項に記載のエンジン発電装置。
【請求項10】
所定方向における前記第2支持部構成部材の長さは、少なくとも、所定方向における前記エンジンの長さ、および、所定方向における前記発電機の長さよりも短い請求項2から9の何れか1項に記載のエンジン発電装置。
【請求項11】
前記エンジンおよび前記発電機は、それぞれ脚部を備え、
前記エンジンの脚部および前記発電機の脚部は、何れも前記第1支持部構成部材に取り付けられている請求項2から10の何れか1項に記載のエンジン発電装置。
【請求項12】
前記第1支持部構成部材と前記第2支持部構成部材との間に形成される境界部は、前記発電機の脚部よりも前記エンジンとは反対側に位置している請求項11に記載のエンジン発電装置。
【請求項13】
前記境界部は、前記発電機の下方に位置している請求項12に記載のエンジン発電装置。
【請求項14】
前記エンジンに対する潤滑油の入出を行う潤滑油入出部を備え、
前記境界部は、前記潤滑油入出部から離れた位置に形成されている請求項12または13に記載のエンジン発電装置。
【請求項15】
前記エンジンを冷却するエンジン冷却部を備え、
前記境界部は、前記エンジン冷却部から離れた位置に形成されている請求項12から14の何れか1項に記載のエンジン発電装置。
【請求項16】
前記エンジンの燃料を貯留する燃料貯留部を備え、
前記境界部は、前記燃料貯留部から離れた位置に形成されている請求項12から14の何れか1項に記載のエンジン発電装置。
【請求項17】
前記エンジンとしてガスタービンエンジンを備え、
前記境界部は、前記ガスタービンエンジンに給気するガスタービンエンジン用給気部から離れた位置に形成されている請求項12から14の何れか1項に記載のエンジン発電装置。
【請求項18】
前記エンジンに供給する潤滑油を冷却する潤滑油冷却部を備え、
前記境界部は、前記潤滑油冷却部から離れた位置に形成されている請求項12から14の何れか1項に記載のエンジン発電装置。
【請求項19】
前記発電機に給気する発電機用給気部を備え、
前記境界部は、前記発電機用給気部から離れた位置に形成されている請求項12から14の何れか1項に記載のエンジン発電装置。
【請求項20】
前記第1支持部構成部材は、前記発電機の脚部が取り付けられる発電機脚部取り付け部を備え、
前記発電機脚部取り付け部は、前記境界部に沿って設けられている請求項11から19の何れか1項に記載のエンジン発電装置。
【請求項21】
前記第1支持部構成部材に取り付けられる第1脚部と、前記第2支持部構成部材に取り付けられる第2脚部と、を有する台部を備える請求項2から20の何れか1項に記載のエンジン発電装置。
【請求項22】
前記所定方向は、前記エンジンおよび前記発電機の軸方向である請求項2から21の何れか1項に記載のエンジン発電装置。
【請求項23】
前記第1支持部構成部材と前記第2支持部構成部材とを電気的に接続する接続部を備える請求項2から22の何れか1項に記載のエンジン発電装置。
【請求項24】
前記第1支持部構成部材は、接地されている請求項23に記載のエンジン発電装置。
【請求項25】
前記第2支持部構成部材は、接地されている請求項23に記載のエンジン発電装置。
【請求項26】
前記エンジンの上端は、前記発電機の上端よりも高い請求項1から25の何れか1項に記載のエンジン発電装置。
【請求項27】
複数の脚部を有する台部を備え、
前記台部の上端は、前記エンジンの上端よりも低く、且つ、前記発電機の上端よりも高い請求項1から26の何れか1項に記載のエンジン発電装置。
【請求項28】
前記エンジンおよび前記発電機を制御する制御盤が前記台部に載置されており、
前記制御盤の上端は、前記エンジンの上端よりも高い請求項27に記載のエンジン発電装置。
【請求項29】
動力を発生するエンジンと、前記エンジンが発生する動力により駆動されて発電する発電機と、前記エンジンおよび前記発電機を支持する支持部と、を備え、前記支持部が、所定方向における長さが異なる第1支持部構成部材および第2支持部構成部材により構成されているエンジン発電装置を設置する方法であって、
搬入支援装置を用いて前記エンジン、前記発電機、前記第1支持部構成部材、前記第2支持部構成部材を搬入する搬入工程と、
前記搬入工程により搬入した前記第1支持部構成部材を設置位置に固定する第1支持部構成部材固定工程と、
前記第1支持部構成部材固定工程により固定した前記第1支持部構成部材に前記エンジンおよび前記発電機を取り付ける取り付け工程と、
前記取り付け工程の前または後において、前記搬入工程により搬入した前記第2支持部構成部材を設置位置に固定する第2支持部構成部材固定工程と、
を含むエンジン発電装置の設置方法。
【請求項30】
前記エンジン発電装置は、前記第1支持部構成部材に取り付けられる第1脚部と、前記第2支持部構成部材に取り付けられる第2脚部と、を有する台部を備えるものであり、
前記第1支持部構成部材固定工程および前記第2支持部構成部材固定工程の後において、前記第1脚部を前記第1支持部構成部材に取り付け、前記第2脚部を前記第2支持部構成部材に取り付ける台部取り付け工程を含む請求項29に記載のエンジン発電装置の設置方法。
【請求項31】
前記エンジン発電装置は、前記エンジンおよび前記発電機を制御する制御盤を備えるものであり、
前記台部取り付け工程の後において、前記制御盤を前記台部に取り付ける制御盤取り付け工程を含む請求項30に記載のエンジン発電装置の設置方法。
【請求項32】
前記第1支持部構成部材を接地する第1支持部構成部材接地工程を含む請求項29から31の何れか1項に記載のエンジン発電装置の設置方法。
【請求項33】
前記第1支持部構成部材と前記第2支持部構成部材とを電気的に接続する電気的接続工程を含む請求項29から32の何れか1項に記載のエンジン発電装置の設置方法。
【請求項34】
前記第2支持部構成部材を接地する第2支持部構成部材接地工程を含む請求項29から33の何れか1項に記載のエンジン発電装置の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エンジンおよび発電機を支持部によって支持する構成のエンジン発電装置、および、このエンジン発電装置の設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、エンジンおよび発電機を支持部であるベース部によって支持する構成のエンジン発電装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-303253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のエンジン発電装置を地下階に設置する場合には、地上階の床面に設けられている専用の搬入口を介して、例えばクレーンなどによりエンジン発電装置全体を吊り下げて搬入することが行われている。
【0005】
ところで、エンジン発電装置を地下階に設置したいにも関わらず、地上階の床面に専用の搬入口が設けられていない場合が実際に発生している。このような場合には、いったんエンジン発電装置を少なくともエンジン、発電機、ベース部などといった複数の構成要素に分解し、分解した複数の構成要素を例えばエレベーターなどといった搬入支援装置を用いて地下階に搬入し、搬入した複数の構成要素を地下階の所定の設置位置にて組み付けることが行われている。
【0006】
しかしながら、エンジン発電装置の構成要素のうち特にベース部は、エンジンおよび発電機の双方を支持するための構成要素であることから、どうしても大型化してしまい、ベース部単体に分解したとしても搬入支援装置に入らない場合が発生し得る。このような場合には、例えば、エンジン発電装置の設置場所を変更したり、小型のエンジン発電装置に変更したりといった設置計画自体の変更が必要になってしまう。
【0007】
そこで、本実施形態は、エンジンおよび発電機を支持する支持部を、よりコンパクト化して搬入できるようにしたエンジン発電装置、および、このエンジン発電装置の設置方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態に係るエンジン発電装置は、動力を発生するエンジンと、前記エンジンが発生する動力により駆動されて発電する発電機と、前記エンジンおよび前記発電機を支持する支持部と、を備え、前記支持部は、複数の支持部構成部材により構成されている。
【0009】
また、本実施形態に係るエンジン発電装置の設置方法は、動力を発生するエンジンと、前記エンジンが発生する動力により駆動されて発電する発電機と、前記エンジンおよび前記発電機を支持する支持部と、を備え、前記支持部が、所定方向における長さが異なる第1支持部構成部材および第2支持部構成部材により構成されているエンジン発電装置を設置する方法であって、搬入支援装置を用いて前記エンジン、前記発電機、前記第1支持部構成部材、前記第2支持部構成部材を搬入する搬入工程と、前記搬入工程により搬入した前記第1支持部構成部材を設置位置に固定する第1支持部構成部材固定工程と、前記第1支持部構成部材固定工程により固定した前記第1支持部構成部材に前記エンジンおよび前記発電機を取り付ける取り付け工程と、前記取り付け工程の前または後において、前記搬入工程により搬入した前記第2支持部構成部材を設置位置に固定する第2支持部構成部材固定工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係るエンジン発電装置の構成例を概略的に示す正面図
図2】第1実施形態に係るエンジン発電装置の構成例を概略的に示す側面図
図3】第1実施形態に係るベース部の構成例を概略的に示す平面図
図4】第1実施形態に係るエンジン発電装置の設置方法の一例を概略的に示すフローチャート
図5】第1実施形態に係るエンジン発電装置の設置方法における分解工程の一例を概略的に示す図
図6】第1実施形態に係るエンジン発電装置の設置方法における搬入工程の一例を概略的に示す図
図7】第1実施形態に係るエレベーターの大きさをベース部の大きさと比較して示す図
図8】第1実施形態に係るエンジン発電装置の設置方法における搬入工程後の工程の一例を概略的に示す図(その1)
図9】第1実施形態に係るエンジン発電装置の設置方法における搬入工程後の工程の一例を概略的に示す図(その2)
図10】第2実施形態に係るエンジン発電装置の構成例を概略的に示す正面図
図11】第3実施形態に係るエンジン発電装置の構成例を概略的に示す正面図
図12】第4施形態に係るエンジン発電装置の構成例を概略的に示す正面図
図13】第5施形態に係るエンジン発電装置の構成例を概略的に示す正面図
図14】第6施形態に係るエンジン発電装置の構成例を概略的に示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示のエンジン発電装置およびエンジン発電装置の設置方法に係る複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0012】
(第1実施形態)
図1に例示するエンジン発電装置100は、エンジン110、発電機120、ベース部130を備えている。エンジン110は、燃料を燃焼することにより動力を発生する。発電機120は、エンジン110が発生する動力により駆動されて電力を発生する。ベース部130は、エンジン110および発電機120の双方を下方から支持する。即ち、ベース部130は、エンジン110および発電機120の土台として機能する構成要素である。また、ベース部130は、エンジン発電装置100全体についての土台としても機能する構成要素である。
【0013】
さらに、エンジン発電装置100は、架台140、制御盤150を備えている。架台140は、台部の一例であり、矩形状の架台本体部141を備えている。また、架台140は、この架台本体部141の角部からそれぞれ下方に直線状に延びる複数の脚部142,143を備えている。複数の脚部142,143のうち、エンジン110側に設けられている2つの脚部142は、第1脚部の一例である。一方、複数の脚部142,143のうち、エンジン110とは反対側に設けられている2つの脚部143は、第2脚部の一例である。
【0014】
また、架台本体部141の側部には、計器パネル144や銘板プレート145が取り付けられている。また、架台140の脚部143の側部には、端子台146が備えられている。端子台146には、図示しない複数の電線類が接続されている。
【0015】
制御盤150は、エンジン発電装置100の動作全般を制御するものである。制御盤150は、少なくとも、エンジン110および発電機120の動作を制御可能であるとともに、エンジン110および発電機120の動作状況を監視可能である。この場合、制御盤150は、架台140の架台本体部141上に載置されている。また、図2に例示するように、架台140の架台本体部141上には、バッテリー160も載置されている。
【0016】
エンジン110は、発生した動力を発電機120に伝達するための図示しない動力伝達軸を備えている。また、エンジン110の下部には脚部111が設けられている。この場合、脚部111は、エンジン110の下部のうち発電機120とは反対側の端部に設けられている。
【0017】
一方、発電機120は、エンジン110から伝達される動力により回転する図示しない回転体を備えている。発電機120は、この回転体を回転させることによって電力を発生可能つまり発電可能である。また、発電機120の下部には脚部121が設けられている。この場合、脚部121は、発電機120の下部のうちエンジン110側の端部と、発電機120の下部のうち軸方向における中央部と、に設けられている。
【0018】
エンジン110および発電機120がベース部130に支持された状態において、エンジン110の動力伝達軸の軸心と発電機120の回転体の軸心は、ほぼ或いは完全に一致するようになっている。これにより、エンジン発電装置100は、エンジン110が発生する動力を発電機120に効率良く伝達可能となっている。以下、エンジン110の動力伝達軸の軸心方向であり、発電機120の回転体の軸心方向でもある方向Sをエンジン発電装置100の「軸心方向S」と称する。エンジン発電装置100の軸心方向Sは、所定方向の一例である。
【0019】
本開示に係るエンジン発電装置100は、特にベース部130の構成例に創意工夫が施されている。次に、この点について、さらに詳細に説明する。即ち、図3に例示するように、ベース部130は、複数のパーツ、この場合、大パーツ131および小パーツ132という2つのパーツにより構成されている。大パーツ131は、第1支持部構成部材の一例であり、小パーツ132は、第2支持部構成部材の一例である。
【0020】
大パーツ131と小パーツ132との間には境界部133が形成されている。境界部133は、エンジン発電装置100の軸心方向Sに直交する方向に沿って直線状に延びている。なお、境界部133において、大パーツ131と小パーツ132は、接触していてもよいし、離間していてもよい。但し、境界部133において大パーツ131と小パーツ132を離間させる場合には、その離間距離は、極力短くすることが好ましい。
【0021】
大パーツ131は、エンジン発電装置100の軸心方向Sに沿って直線状に延びる一対の側板部131Aの間に、エンジン脚部取り付け部131Bおよび発電機脚部取り付け部131Cを備えている。大パーツ131は、1つのエンジン脚部取り付け部131Bを備えている。また、大パーツ131は、複数、この場合、2つの発電機脚部取り付け部131Cを備えている。
【0022】
エンジン脚部取り付け部131Bおよび発電機脚部取り付け部131Cは、何れも、エンジン発電装置100の軸心方向Sに直交する方向に沿って直線状に延びている。換言すれば、エンジン脚部取り付け部131Bおよび発電機脚部取り付け部131Cは、何れも、境界部133の延伸方向に沿って直線状に延びている。つまり、エンジン脚部取り付け部131Bおよび発電機脚部取り付け部131Cは、何れも、境界部133とほぼ或いは完全に平行となるように設けられている。
【0023】
図1に例示するように、エンジン110の脚部111は、大パーツ131のエンジン脚部取り付け部131Bに取り付けられる。また、発電機120の脚部121は、大パーツ131の発電機脚部取り付け部131Cに取り付けられる。即ち、エンジン110の脚部111および発電機120の脚部121は、何れも、大パーツ131に取り付けられている。
【0024】
また、架台140の脚部142は、大パーツ131に取り付けられる。この場合、架台140の脚部142は、大パーツ131のうち2つの発電機脚部取り付け部131Cの間の部位に取り付けられる。また、架台140の脚部143は、小パーツ132に取り付けられる。この場合、架台140の脚部143は、小パーツ132のうちエンジン110とは反対側の端部に取り付けられる。このように、架台140は、大パーツ131および小パーツ132に跨るようにして取り付けられるようになっている。
【0025】
また、発電機120の脚部121は、金属製であり、同じく金属製である大パーツ131の発電機脚部取り付け部131Cに電気的に接続される。また、発電機120は、アース線122によって接地されている。これにより、大パーツ131は、発電機120およびアース線122を介して接地された構成となっている。
【0026】
また、エンジン発電装置100は、大パーツ131と小パーツ132とを電気的に接続する導電線134を備えている。即ち、小パーツ132は、接地電位に維持される大パーツ131に導電線134を介して電気的に接続された構成となっている。そのため、小パーツ132も、大パーツ131と同じく接地電位に維持される。即ち、大パーツ131および小パーツ132を組み合わせて構成されるベース部130は、その全体が接地電位に維持される。導電線134は、電気的な接続部の一例である。
【0027】
次に、エンジン発電装置100を構成する各部の長さ関係の一例について詳細に説明する。即ち、図1に例示するように、エンジン発電装置100は、その軸心方向Sにおける大パーツ131の長さL1と小パーツ132の長さL2とが異なる構成となっている。この場合、大パーツ131の長さL1は、小パーツ132の長さL2よりも長い構成となっている。
【0028】
また、エンジン発電装置100は、その軸心方向Sにおける大パーツ131の長さL1と小パーツ132の長さL2を合計した長さL3つまり軸心方向Sに沿うベース部130の長さL3が、軸心方向Sにおけるエンジン110の長さL4よりも長く、且つ、軸心方向Sにおける発電機120の長さL5の長さよりも長く、且つ、軸心方向Sにおけるエンジン110の長さL4と発電機120の長さL5を合計した長さL6よりも長い構成となっている。
【0029】
なお、エンジン発電装置100は、その軸心方向Sにおける大パーツ131の長さL1と小パーツ132の長さL2を合計した長さL3つまり軸心方向Sに沿うベース部130の長さL3が、軸心方向Sにおけるエンジン110の長さL4よりも長く、または、軸心方向Sにおける発電機120の長さL5の長さよりも長く、または、軸心方向Sにおけるエンジン110の長さL4と発電機120の長さL5を合計した長さL6よりも長い構成であってもよい。
【0030】
また、エンジン発電装置100は、その軸心方向Sにおけるエンジン110の長さL4と発電機120の長さL5を合計した長さL6が、軸心方向Sにおける大パーツ131の長さL1よりも長い構成となっている。
【0031】
また、エンジン発電装置100は、その軸心方向Sにおける大パーツ131の長さL1が、軸心方向Sにおけるエンジン110の長さL4よりも長い構成となっている。
【0032】
また、エンジン発電装置100は、その軸心方向Sにおけるエンジン110の長さL4が、軸心方向Sにおける発電機120の長さL5よりも長い構成となっている。
【0033】
また、エンジン発電装置100は、その軸心方向Sにおける発電機120の長さL5が、軸心方向Sにおける制御盤150の長さL7よりも長い構成となっている。
【0034】
また、エンジン発電装置100は、その軸心方向Sにおける制御盤150の長さL7が、軸心方向Sにおける小パーツ132の長さL2よりも長い構成となっている。また、エンジン発電装置100は、その軸心方向Sにおける架台140の架台本体部141の長さL8が、軸心方向Sにおける制御盤150の長さL7と同等の長さとなっている。よって、エンジン発電装置100は、その軸心方向Sにおける架台140の架台本体部141の長さL8も、軸心方向Sにおける小パーツ132の長さL2よりも長い構成となっている。
【0035】
なお、上述したエンジン発電装置100についての各部の長さ関係は、あくまでも一例に過ぎない。そのため、エンジン発電装置100についての各部の長さは、適宜変更して実施することができる。
【0036】
但し、エンジン発電装置100は、その軸心方向Sにおける大パーツ131の長さL1が、少なくとも、軸心方向Sにおけるエンジン110の長さL4、および、軸心方向Sにおける発電機120の長さL5よりも長い構成であることが好ましい。
【0037】
また、エンジン発電装置100は、その軸心方向Sにおける小パーツ132の長さL2が、少なくとも、軸心方向Sにおけるエンジン110の長さL4、および、軸心方向Sにおける発電機120の長さL5よりも短い構成であることが好ましい。
【0038】
次に、エンジン発電装置100における境界部133の位置関係について説明する。即ち、図1に例示するように、境界部133は、発電機120の脚部121、この場合、エンジン110とは反対側である小パーツ132側の脚部121よりも、さらにエンジン110とは反対側である小パーツ132側に位置している。また、境界部133は、エンジン110の下方には位置しておらず、発電機120の下方に位置している。
【0039】
次に、エンジン発電装置100を構成する各部の高さ関係の一例について詳細に説明する。即ち、図1に例示するように、エンジン発電装置100は、エンジン110の上端H1が、発電機120の上端H2よりも高い構成となっている。
【0040】
また、エンジン発電装置100は、架台140の上端である架台本体部141の上端H3が、エンジン110の上端H1よりも低く、且つ、発電機120の上端H2よりも高い構成となっている。
【0041】
また、エンジン発電装置100は、制御盤150の上端H4が、エンジンの上端H1よりも高い構成となっている。
【0042】
次に、本開示に係るエンジン発電装置100の設置方法の一例について説明する。即ち、図4に例示するように、エンジン発電装置100の設置方法は、分解工程(ステップS1)、搬入工程(ステップS2)、大パーツ固定工程(ステップS3)、エンジン取り付け工程(ステップS4)、発電機取り付け工程(ステップS5)、小パーツ固定工程(ステップS6)を含む。
【0043】
さらに、エンジン発電装置100の設置方法は、架台取り付け工程(ステップS7)、制御盤取り付け工程(ステップS8)、大パーツ接地工程(ステップS9)、電気的接続工程(ステップS10)を含む。
【0044】
このエンジン発電装置100の設置方法において、大パーツ固定工程(ステップS3)は、第1支持部構成部材固定工程の一例であり、エンジン取り付け工程(ステップS4)および発電機取り付け工程(ステップS5)は、取り付け工程の一例であり、小パーツ固定工程(ステップS6)は、第2支持部構成部材固定工程の一例である。また、架台取り付け工程(ステップS7)は、台部取り付け工程の一例である。
【0045】
次に、このエンジン発電装置100の設置方法を構成する各工程の内容について詳細に説明する。即ち、図5に例示するように、分解工程(ステップS1)では、エンジン発電装置100を、この場合、少なくとも、エンジン110、発電機120、大パーツ131、小パーツ132、架台140、制御盤150、バッテリー160に分解する。
【0046】
そして、図6に例示するように、搬入工程(ステップS2)では、エレベーターEVを用いて、エンジン110、発電機120、大パーツ131、小パーツ132、架台140、制御盤150、バッテリー160を所定の設置場所に搬入する。
【0047】
エレベーターEVは、搬入支援装置の一例である。図7に例示するように、この場合、エレベーターEVの縦方向の長さEV1および横方向の長さEV2は、何れも、エンジン発電装置100の軸心方向Sに沿うベース部130の長さL3よりも短くなっている。即ち、ベース部130は、大パーツ131および小パーツ132に分解されていない状態では、エレベーターEV内に入らない大きさとなっている。
【0048】
なお、この搬入工程(ステップS2)においては、エンジン発電装置100の構成要素をエレベーターEV内に1つずつ入れて昇降させてもよいし、可能であれば、1度に複数の構成要素をエレベーターEV内に入れて昇降させてもよい。即ち、例えば、小パーツ132、架台140、制御盤150、バッテリー160などといった比較的小さめの構成要素については、可能であれば、エレベーターEV内に同時に入れて搬入するようにしてもよい。
【0049】
そして、図8に例示するように、大パーツ固定工程(ステップS3)では、搬入工程(ステップS2)によって搬入した大パーツ131を、所定の設置場所の床面に、例えばアンカーなどといった図示しない固定用部材によって固定する。そして、エンジン取り付け工程(ステップS4)では、大パーツ固定工程(ステップS3)によって固定した大パーツ131にエンジン110を取り付ける。また、発電機取り付け工程(ステップS5)では、大パーツ固定工程(ステップS3)によって固定した大パーツ131に発電機120を取り付ける。そして、小パーツ固定工程(ステップS6)では、搬入工程(ステップS2)によって搬入した小パーツ132を、所定の設置場所の床面に、例えばアンカーなどといった図示しない固定用部材によって固定する。
【0050】
大パーツ固定工程(ステップS3)によって大パーツ131が固定され、且つ、小パーツ固定工程(ステップS6)によって小パーツ132が固定されることにより、大パーツ131および小パーツ132からなるベース部130が所定の設置場所の床面に形成される。
【0051】
そして、図9に例示するように、架台取り付け工程(ステップS7)では、架台140の脚部142を大パーツ131に取り付け、且つ、架台140の脚部143を小パーツ132に取り付ける。これにより、架台140は、大パーツ131および小パーツ132に跨るようにして取り付けられる。また、制御盤取り付け工程(ステップS8)では、制御盤150を架台140の架台本体部141上に載置する。このとき、バッテリー160も架台140の架台本体部141上に載置するとよい。
【0052】
また、大パーツ接地工程(ステップS9)では、大パーツ131に電気的に接続されている発電機120をアース線122によって接地する。これにより、大パーツ131を、発電機120およびアース線122を介して接地する。また、電気的接続工程(ステップS10)では、大パーツ131と小パーツ132とを導電線134によって電気的に接続する。
【0053】
大パーツ接地工程(ステップS9)によって接地された大パーツ131に小パーツ132を電気的に接続(ステップS10)することによって、小パーツ132も接地することができる。よって、電気的接続工程(ステップS10)は、第2支持部構成部材接地工程の一例でもある。
【0054】
なお、このエンジン発電装置100の設置方法の実施に先立ち、エンジン発電装置100が予め複数の構成要素に分解されている場合には、分解工程(ステップS1)を不要とすることができる。
【0055】
また、大パーツ固定工程(ステップS3)および小パーツ固定工程(ステップS6)については、小パーツ固定工程(ステップS6)を大パーツ固定工程(ステップS3)よりも前に実施してもよいし、大パーツ固定工程(ステップS3)および小パーツ固定工程(ステップS6)を同時に実施してもよい。
【0056】
また、エンジン取り付け工程(ステップS4)および発電機取り付け工程(ステップS5)については、発電機取り付け工程(ステップS5)をエンジン取り付け工程(ステップS4)よりも前に実施してもよいし、エンジン取り付け工程(ステップS4)および発電機取り付け工程(ステップS5)を同時に実施してもよい。
【0057】
また、小パーツ固定工程(ステップS6)は、エンジン取り付け工程(ステップS4)および発電機取り付け工程(ステップS5)よりも前に実施してもよいし、エンジン取り付け工程(ステップS4)および発電機取り付け工程(ステップS5)と同時に実施してもよい。
【0058】
また、架台取り付け工程(ステップS7)、制御盤取り付け工程(ステップS8)、大パーツ接地工程(ステップS9)、電気的接続工程(ステップS10)については、それぞれの実施順を自由に入れ換えて実施することができる。また、架台取り付け工程(ステップS7)、制御盤取り付け工程(ステップS8)、大パーツ接地工程(ステップS9)、電気的接続工程(ステップS10)については、これらの工程のうち少なくとも2つ以上の工程を同時に実施してもよい。
【0059】
以上に例示したエンジン発電装置100によれば、エンジン110および発電機120を支持するベース部130を、大パーツ131および小パーツ132という複数のパーツにより構成した。この構成例によれば、ベース部130を大パーツ131と小パーツ132に分割して搬入することができる。よって、エンジン110および発電機120を支持するベース部130を、よりコンパクト化して所定の設置場所に搬入することができる。
【0060】
また、エンジン発電装置100によれば、軸心方向Sにおける大パーツ131の長さL1と小パーツ132の長さL2とが異なっており、この場合、大パーツ131の長さL1が小パーツ132の長さL2よりも長くなっている。この構成例によれば、エンジン110および発電機120を、何れも大パーツ131によって支持することができる。即ち、エンジン110および発電機120を共通の大パーツ131によって支持することができ、設置後において、エンジン110の動力伝達軸の軸心と発電機120の回転体の軸心とがずれてしまうことを抑制することができる。
【0061】
また、エンジン発電装置100によれば、軸心方向Sにおける大パーツ131の長さL1と小パーツ132の長さL2を合計した長さL3つまりベース部130の長さL3は、軸心方向Sにおけるエンジン110の長さL4よりも長く、軸心方向Sにおける発電機120の長さL5よりも長く、軸心方向Sにおけるエンジンの長さL4と発電機120の長さL5を合計した長さL6よりも長い。
【0062】
即ち、エンジン発電装置100によれば、ベース部130を分割可能な複数のパーツ131,132により構成しながらも、エンジン110および発電機120よりも大きいベース部130を実現することができる。これにより、ベース部130を大パーツ131および小パーツ132という複数のパーツによって構成しながらも、そのベース部130によってエンジン110および発電機120を十分に支持することができる。
【0063】
また、エンジン発電装置100によれば、軸心方向Sにおけるエンジン110の長さL4と発電機120の長さL5を合計した長さL6は、軸心方向Sにおける大パーツ131の長さL1よりも長く、また、軸心方向Sにおける大パーツ131の長さL1は、軸心方向Sにおけるエンジン110の長さL4よりも長く、また、軸心方向Sにおけるエンジン110の長さL4は、軸心方向Sにおける発電機120の長さL5よりも長く、また、軸心方向Sにおける発電機120の長さL5は、軸心方向Sにおける制御盤150の長さL7および架台140の架台本体部141の長さL8よりも長く、また、軸心方向Sにおける制御盤150の長さL7および架台140の架台本体部141の長さL8は、軸心方向Sにおける小パーツ132の長さL2よりも長い。
【0064】
即ち、エンジン発電装置100によれば、L6>L1>L4>L5>L7(=L8)>L2という長さ関係が成立しており、つまり、軸心方向Sにおける小パーツ132の長さL2が最も短い構成となっている。この構成例によれば、軸心方向Sにおける小パーツ132の長さL2を最小限の長さにして大パーツ131の長さL1を極力長くすることができる。これにより、エンジン110および発電機120を支持する大パーツ131が必要以上に小型化してしまうことを回避することができ、エンジン110および発電機120を十分に支持することが可能な大きさの大パーツ131を実現することができる。
【0065】
また、エンジン発電装置100によれば、エンジン110の脚部111および発電機120の脚部121は、何れも大パーツ131に取り付けられている。この構成例によれば、エンジン110や発電機120から発生する振動を、比較的大きな構成要素である大パーツ131によって効率良く吸収することができる。また、比較的大きな構成要素である大パーツ131によって、大型で重量物であるエンジン110および発電機120を安定した状態で支持することができる。
【0066】
また、エンジン発電装置100によれば、大パーツ131と小パーツ132との間に形成される境界部133は、発電機120の脚部121よりもエンジン110とは反対側に位置している。即ち、エンジン発電装置100によれば、境界部133は、エンジン110からある程度離れた位置に形成されている。この構成例によれば、エンジン110から発生する振動や音などが境界部133に影響してしまうことを抑制することができる。また、エンジン110から発生する振動や音などによって大パーツ131や小パーツ132が共振してしまうこと、ひいては、ベース部130全体が共振してしまうことを抑制することができる。
【0067】
また、エンジン発電装置100によれば、境界部133は、発電機120の下方に位置しており、振動や音などが発生しやすいエンジン110の下方には位置していない。即ち、エンジン発電装置100は、エンジン110から発生する振動や音などが境界部133に一層影響しにくい構成を実現している。
【0068】
また、エンジン発電装置100によれば、エンジン脚部取り付け部131Bおよび発電機脚部取り付け部131Cは、境界部133に沿うようにして当該境界部133とほぼ或いは完全に平行となるように設けられている。この構成例によれば、境界部133に沿うエンジン脚部取り付け部131Bおよび発電機脚部取り付け部131Cによって、特に境界部133に近い発電機脚部取り付け部131Cによって、当該境界部133を補強する効果を発揮することができる。
【0069】
また、エンジン発電装置100によれば、架台140は、大パーツ131に取り付けられる脚部142と、小パーツ132に取り付けられる脚部143と、を有しており、大パーツ131および小パーツ132に跨るようにして取り付けられている。この構成例によれば、架台140を、制御盤150やバッテリー160などといった構成要素が載置される載置用の台部として活用できるとともに、大パーツ131と小パーツ132とを連結する連結部としても活用することができる。また、大パーツ131に対して小パーツ132の位置がずれてしまうこと、換言すれば、ベース部130の一部が歪んでしまうことを架台140の連結機能によって抑制することができる。
【0070】
また、エンジン発電装置100によれば、大パーツ131と小パーツ132とを電気的に接続する導電線134を備えている。この場合、大パーツ131は、発電機120およびアース線122を介して接地されているため、この大パーツ131に導電線134を介して小パーツ132を電気的に接続することによって、小パーツ132を間接的に接地することができる。また、ベース部130を複数のパーツ131,132により構成しながらも、ベース部130全体を接地電位に維持することができる。
【0071】
(第2実施形態)
図10に例示するエンジン発電装置200は、潤滑油入出部201を備えている。潤滑油入出部201は、エンジン110に対する潤滑油の入出を行うための構成要素である。即ち、潤滑油入出部201は、潤滑油が流入する流入口201A、および、潤滑油が流出する流出口201Bを備えている。また、エンジン110には、図示しない潤滑油供給口および潤滑油排出口が設けられている。流入口201Aから流入する潤滑油は、エンジン110の潤滑油供給口から当該エンジン110内に供給されてエンジン110の潤滑油排出口から排出される。そして、エンジン110の潤滑油排出口から排出された潤滑油は、流出口201Bから流出する。
【0072】
このように構成されるエンジン発電装置200において、潤滑油入出部201は、発電機120の脚部121、この場合、エンジン110側の脚部121よりもさらにエンジン110側に設けられている。これに対して、境界部133は、発電機120の脚部121、この場合、エンジン110とは反対側の脚部121よりもさらにエンジン110とは反対側に設けられている。即ち、エンジン発電装置200によれば、境界部133は、潤滑油入出部201からある程度離れた位置に形成されている。
【0073】
この構成例によれば、仮に、潤滑油入出部201において潤滑油の漏出が発生したとしても、その潤滑油が境界部133まで到達しにくい。境界部133においては、大パーツ131と小パーツ132との間に隙間が形成されやすい。そのため、エンジン発電装置200によれば、このような大パーツ131と小パーツ132との間に形成される隙間に潤滑油が入り込んで固着や汚れの原因となってしまうことを抑制することができる。
【0074】
(第3実施形態)
図11に例示するエンジン発電装置300は、ラジエーター301を備えている。ラジエーター301は、エンジン110を冷却するためのエンジン冷却部の一例である。このように構成されるエンジン発電装置300において、ラジエーター301は、発電機120の脚部121、この場合、エンジン110側の脚部121よりもさらにエンジン110側に設けられている。これに対して、境界部133は、発電機120の脚部121、この場合、エンジン110とは反対側の脚部121よりもさらにエンジン110とは反対側に設けられている。即ち、エンジン発電装置300によれば、境界部133は、ラジエーター301からある程度離れた位置に形成されている。
【0075】
この構成例によれば、仮に、ラジエーター301において冷却液の漏出が発生したとしても、境界部133がラジエーター301からある程度離れた位置に形成されていることから、その冷却液が境界部133まで到達しにくい。そのため、エンジン発電装置300によれば、境界部133において大パーツ131と小パーツ132との間に形成される隙間に冷却液が入り込んで固着や汚れの原因となってしまうことを抑制することができる。
【0076】
(第4実施形態)
図12に例示するエンジン発電装置400は、燃料タンク401を備えている。燃料タンク401は、エンジン110の燃料を貯留するための燃料貯留部の一例である。このように構成されるエンジン発電装置400において、燃料タンク401は、発電機120の脚部121、この場合、エンジン110側の脚部121よりもさらにエンジン110側に設けられている。これに対して、境界部133は、発電機120の脚部121、この場合、エンジン110とは反対側の脚部121よりもさらにエンジン110とは反対側に設けられている。即ち、エンジン発電装置400によれば、境界部133は、燃料タンク401からある程度離れた位置に形成されている。
【0077】
この構成例によれば、仮に、燃料タンク401において燃料の漏出が発生したとしても、境界部133が燃料タンク401からある程度離れた位置に形成されていることから、その漏出した燃料が境界部133まで到達しにくい。そのため、エンジン発電装置400によれば、境界部133において大パーツ131と小パーツ132との間に形成される隙間に燃料が入り込んで固着や汚れの原因となってしまうことを抑制することができる。
【0078】
(第5実施形態)
図13に例示するエンジン発電装置500は、その外郭を構成する矩形箱状のキャビネット501の内部に設けられている。この場合、エンジン発電装置500は、エンジン110としてガスタービンエンジンを備えている。
【0079】
キャビネット501は、ガスタービンエンジンであるエンジン110に給気するためのガスタービンエンジン用給気経路502を備えている。ガスタービンエンジン用給気経路502は、ガスタービンエンジン用給気部の一例である。ガスタービンエンジン用給気経路502は、この場合、キャビネット501内の上部において、発電機120側からエンジン110側に向かって延びており、その先端部の給気口502Aからエンジン110に給気可能な構成となっている。
【0080】
また、キャビネット501は、オイルクーラー用給気経路503を備えている。オイルクーラー用給気経路503は、この場合、キャビネット501内の上部において、発電機120側からエンジン110側に向かって延びており、その先端部にはオイルクーラー504が設けられている。オイルクーラー用給気経路503は、その内部にファン505を備えており、このファン505を駆動することによってオイルクーラー504に給気可能な構成となっている。オイルクーラー504は、エンジン110に供給する潤滑油を冷却するための潤滑油冷却部の一例である。
【0081】
また、キャビネット501は、発電機120に給気するための発電機用給気経路506を備えている。発電機用給気経路506は、発電機用給気部の一例である。発電機用給気経路506は、この場合、キャビネット501内のうち発電機120側の側面において、上側から下側に向かって延びており、その先端部の給気口506Aから発電機120に給気可能な構成となっている。
【0082】
このように構成されるキャビネット501内に収容されたエンジン発電装置500において、ガスタービンエンジン用給気経路502の給気口502Aは、発電機120の脚部121、この場合、エンジン110側の脚部121よりもさらにエンジン110側に設けられている。また、ガスタービンエンジン用給気経路502の給気口502Aは、エンジン110および発電機120よりも高い位置に設けられている。
【0083】
これに対して、境界部133は、発電機120の脚部121、この場合、エンジン110とは反対側の脚部121よりもさらにエンジン110とは反対側に設けられている。また、境界部133は、エンジン110および発電機120よりも低い位置に設けられている。
【0084】
即ち、エンジン発電装置500によれば、境界部133は、ガスタービンエンジン用給気経路502の給気口502Aからある程度離れた位置に形成されている。
【0085】
この構成例によれば、境界部133がガスタービンエンジン用給気経路502の給気口502Aからある程度離れた位置に形成されていることから、ガスタービンエンジン用給気経路502の給気口502Aから供給される空気が境界部133まで到達しにくい。そのため、ガスタービンエンジン用給気経路502の給気口502Aから供給される空気が境界部133に影響を与えてしまうことを抑制することができる。
【0086】
また、オイルクーラー504は、発電機120の脚部121、この場合、エンジン110側の脚部121よりもさらにエンジン110側に設けられている。また、オイルクーラー504は、エンジン110および発電機120よりも高い位置に設けられている。
【0087】
これに対して、境界部133は、発電機120の脚部121、この場合、エンジン110とは反対側の脚部121よりもさらにエンジン110とは反対側に設けられている。また、境界部133は、エンジン110および発電機120よりも低い位置に設けられている。
【0088】
即ち、エンジン発電装置500によれば、境界部133は、オイルクーラー504からある程度離れた位置に形成されている。
【0089】
この構成例によれば、仮に、オイルクーラー504において潤滑油の漏出が発生したとしても、境界部133がオイルクーラー504からある程度離れた位置に形成されていることから、その漏出した潤滑油が境界部133まで到達しにくい。そのため、オイルクーラー504から漏出した潤滑油が境界部133に影響を与えてしまうことを抑制することができる。
【0090】
また、オイルクーラー用給気経路503から空気の漏出が発生したとしても、その漏出した空気が境界部133まで到達しにくく、従って、オイルクーラー用給気経路503から漏出した空気が境界部133に影響を与えてしまうことを抑制することができる。
【0091】
また、発電機用給気経路506の給気口506Aは、境界部133の直上部からずれた位置に設けられている。即ち、エンジン発電装置500によれば、境界部133は、発電機用給気経路506の給気口506Aからある程度離れた位置に形成されている。
【0092】
この構成例によれば、発電機用給気経路506の給気口506Aから供給される空気が境界部133に直接的に当たってしまうことを回避することができ、発電機用給気経路506の給気口506Aから供給される空気が境界部133に影響を与えてしまうことを抑制することができる。
【0093】
(第6実施形態)
図14に例示するエンジン発電装置600によれば、端子台146は、アース線601によって接地されている。架台140の脚部143は、金属製であり、同じく金属製である小パーツ132に電気的に接続されている。これにより、小パーツ132は、架台140の脚部143、端子台146、アース線601を介して接地された構成となっている。なお、エンジン発電装置600は、大パーツ131と小パーツ132とを電気的に接続する導電線134を備えていない。
【0094】
この構成例によっても、大パーツ131とは別個の部材である小パーツ132を接地することができる。このように、大パーツ131と小パーツ132とを、それぞれ別個に接地させることによっても、複数のパーツ131,132によって構成されるベース部130全体を接地電位に維持することができる。
【0095】
(その他の実施形態)
なお、本実施形態は、上述した複数の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更や拡張を行うことができる。例えば、エンジン発電装置は、上述した複数の実施形態を適宜選択して組み合わせた構成としてもよい。
【0096】
また、本実施形態における所定方向は、軸心方向Sに限られるものではなく、例えば、軸心方向Sに対して直交する方向、軸心方向Sに対して交差する方向、あるいは、軸心方向Sとは無関係に規定される所定の方向など、適宜の方向を設定することができる。
【0097】
また、エンジン発電装置は、少なくともエンジン、発電機、支持部を備え、エンジンおよび発電機を支持部によって支持するようにした構成であれば、その他の構成要素は備えていてもよいし、備えていなくてもよい。
【0098】
また、搬入支援装置は、エレベーターに限られるものではなく、エンジン発電装置の構成要素の搬入を支援することができる装置であれば、例えば台車などといった種々の装置を適用することができる。
【0099】
また、本実施形態は、エンジン発電装置を地下階に設置したいにも関わらず、地上階の床面に専用の搬入口が設けられていない場合に好適である。しかし、本実施形態は、この場合に限らず、例えば、地上階の床面に専用の搬入口が設けられている場合や、エンジン発電装置を設置したい場所が地下階ではない場合など、種々の場合に適用可能である。
【0100】
以上、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、あくまでも例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
図面において、100,200,300,400,500,600はエンジン発電装置、110はエンジン、120は発電機、130はベース部(支持部)、131は大パーツ(支持部構成部材、第1支持部構成部材)、131Cは発電機脚部取り付け部、132は小パーツ(支持部構成部材、第2支持部構成部材)、133は境界部、134は導電線(接続部)、140は架台(台部)、142は脚部(第1脚部)、143は脚部(第2脚部)、150は制御盤、201は潤滑油入出部、301はラジエーター(エンジン冷却部)、401は燃料タンク(燃料貯留部)、502はガスタービンエンジン用給気経路(ガスタービンエンジン用給気部)、504はオイルクーラー(潤滑油冷却部)、506は発電機用給気経路(発電機用給気部)、EVはエレベーター(搬入支援装置)、を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14