(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115712
(43)【公開日】2023-08-21
(54)【発明の名称】水まわり装置
(51)【国際特許分類】
E03C 1/042 20060101AFI20230814BHJP
A47K 1/00 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
E03C1/042 Z
E03C1/042 A
A47K1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022018078
(22)【出願日】2022-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】小林 基紀
(72)【発明者】
【氏名】川崎 祐一
(72)【発明者】
【氏名】一二三 潤
【テーマコード(参考)】
2D060
【Fターム(参考)】
2D060BA03
2D060BA05
2D060BC00
2D060BE00
2D060BE01
(57)【要約】
【課題】タッチスイッチの操作面に水が付着するのを抑制できる水まわり装置を提供する。
【解決手段】ボウル部と、前記ボウル部に水を吐出する吐水口を有する吐水部と、タッチスイッチが内部に設けられた筐体と、を備え、前記筐体は、前記タッチスイッチの操作面と、前記操作面と、前記吐水口と、の間に位置して前記操作面に水が付着するのを抑制する抑制面と、を有し、前記抑制面は、前記操作面よりも下方に向いていることを特徴とする水まわり装置。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボウル部と、
前記ボウル部に水を吐出する吐水口を有する吐水部と、
タッチスイッチが内部に設けられた筐体と、
を備え、
前記筐体は、
前記タッチスイッチの操作面と、
前記操作面と、前記吐水口と、の間に位置して前記操作面に水が付着するのを抑制する抑制面と、
を有し、
前記抑制面は、前記操作面よりも下方に向いていることを特徴とする水まわり装置。
【請求項2】
前記操作面は、前記抑制面から上方に向けて立ち上がる前記筐体の前面に設けられ、
前記抑制面は、前記吐水口よりも前方に延びていることを特徴とする請求項1に記載の水まわり装置。
【請求項3】
前記抑制面の横幅は、前記操作面の横幅よりも長くなっていることを特徴とする請求項1または2に記載の水まわり装置。
【請求項4】
前記操作面の上方には、水が前記操作面に向けて流れるのを抑制する被水抑制部が設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の水まわり装置。
【請求項5】
ボウル部と、
前記ボウル部に水を吐出する吐水口を有する吐水部と、
タッチスイッチが内部に設けられた筐体と、
を備え、
前記筐体は、
前記タッチスイッチの操作面と、
前記操作面の上方に位置して水が前記操作面に向けて流れるのを抑制する被水抑制部と、
を有することを特徴とする水まわり装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に水まわり装置に関する。
【背景技術】
【0002】
手が触れたことを検出するタッチスイッチが搭載された水まわり装置が知られている(引用文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-293411号公報
【特許文献2】特開2010-209573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タッチスイッチの操作面に水が付着すると、その水によりタッチスイッチが誤検知するおそれがある。
【0005】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、タッチスイッチの操作面に水が付着するのを抑制できる水まわり装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、ボウル部と、前記ボウル部に水を吐出する吐水口を有する吐水部と、タッチスイッチが内部に設けられた筐体と、を備え、前記筐体は、前記タッチスイッチの操作面と、前記操作面と、前記吐水口と、の間に位置して前記操作面に水が付着するのを抑制する抑制面と、を有し、前記抑制面は、前記操作面よりも下方に向いていることを特徴とする水まわり装置である。
【0007】
この水まわり装置によれば、手洗い時に操作面に水が跳ねるのを抑制でき、操作面に水が付着することによるタッチスイッチの誤検知を低減できる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記操作面は、前記抑制面から上方に向けて立ち上がる前記筐体の前面に設けられ、前記抑制面は、前記吐水口よりも前方に延びていることを特徴とする水まわり装置である。
【0009】
この水まわり装置によれば、操作面により水が付着し難くなり、タッチスイッチの誤検知を低減できる。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記抑制面の横幅は、前記操作面の横幅よりも長くなっていることを特徴とする水まわり装置である。
【0011】
この水まわり装置によれば、横方向から操作面に向けて跳ねる水が操作面に付着し難くなる。
【0012】
第4の発明は、第1~第3のいずれか1つの発明において、前記操作面の上方には、水が前記操作面に向けて流れるのを抑制する被水抑制部が設けられていることを特徴とする水まわり装置である。
【0013】
この水まわり装置によれば、被水抑制部により操作面の上方から水が垂れ落ちるのを抑制できるので、タッチスイッチの誤検知を低減できる。
【0014】
第5の発明は、ボウル部と、前記ボウル部に水を吐出する吐水口を有する吐水部と、タッチスイッチが内部に設けられた筐体と、を備え、前記筐体は、前記タッチスイッチの操作面と、前記操作面の上方に位置して水が前記操作面に向けて流れるのを抑制する被水抑制部と、を有することを特徴とする水まわり装置である。
【0015】
この水まわり装置によれば、被水抑制部により操作面の上方から水が垂れ落ちるのを抑制できるので、タッチスイッチの誤検知を低減できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の態様によれば、タッチスイッチの操作面に水が付着するのを抑制できる水まわり装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態に係る水まわり装置を示す斜視図である。
【
図2】水まわり装置の水栓装置を正面からみた正面図である。
【
図3】水まわり装置の水栓装置を示す斜視図である。
【
図4】水栓装置を
図2中の矢示A-A方向からみた側面図である。
【
図5】手洗い時に水が跳ねた状態を示す説明図である。
【
図6】第1変形例に係る水まわり装置を示す
図5と同様の説明図である。
【
図7】第2変形例に係る水まわり装置を示す
図5と同様の説明図である。
【
図8】第3変形例に係る水まわり装置を示す
図5と同様の説明図である。
【
図9】第4変形例に係る水まわり装置を示す
図5と同様の説明図である。
【
図10】第5変形例に係る水まわり装置を示す
図5と同様の説明図である。
【
図11】第6変形例に係る水まわり装置を示す
図5と同様の説明図である。
【
図12】第7変形例に係る水まわり装置を示す
図5と同様の説明図である。
【
図15】
図15(a)、
図15(b)は、第10変形例に係る水まわり装置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る水まわり装置を示す斜視図である。
図2は、水まわり装置の水栓装置を正面からみた正面図である。
図3は、水まわり装置の水栓装置を示す斜視図である。
図4は、水栓装置を
図2中の矢示A-A方向からみた側面図である。
図1に示すように、水まわり装置10は、洗面化粧台となっている。水まわり装置10は、洗面器20と、支持台30と、ミラーキャビネット40と、水栓装置50と、を備える。なお、水まわり装置10は、洗面化粧台に限らず、例えばキッチンやトイレ室の手洗い器などでもよい。
【0019】
なお、本願明細書において、「上」、「下」、「右」および「左」という記載は、水まわり装置10の前で水まわり装置10を見た人を基準とした上、下、右および左をそれぞれいう。また、本願明細書においては、水まわり装置10から、水まわり装置10の前に居る人へ向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。
【0020】
洗面器20は、ボウル部22と、カウンタ24と、バックガード部26と、を有する。ボウル部22は、下方に向かって凹んだ凹状に形成されている。ボウル部22は、排水口22aを有する。排水口22aは、ボウル部22の底部に設けられる。排水口22aは、排水管に接続され、ボウル部22に吐出された水を排水管に流す。ボウル部22は、排水口22aに向かって下方へ傾斜した排水勾配を有する。
【0021】
カウンタ24は、ボウル部22の左右方向の両側および前側に位置している。すなわち、カウンタ24は、バックガード部26の前側でボウル部22を取り囲んでいる。カウンタ24は、例えばボウル部22の上端から水平方向に延びた水平面となっている。
【0022】
バックガード部26は、ボウル部22およびカウンタ24の後端から上方に延びる。カウンタ24およびバックガード部26は、必要に応じて設けられ、省略可能である。洗面器20の形状は、少なくともボウル部22を有する任意の形状でよい。
【0023】
支持台30は、建築躯体の床F上に載置される。例えば、支持台30は、水まわり装置10が設置される部屋の床上に載置される。洗面器20は、支持台30の上に設けられる。支持台30は、洗面器20を支持する。支持台30は、例えば台部30aと、2つの引き出し30bと、を有する。台部30aは、例えば前方および上方を開口させた略直方体の開口箱状である。台部30aの上方の開口は、洗面器20によって塞がれる。ボウル部22の少なくとも一部は、台部30aの上方の開口から台部30a内に入り込む。
【0024】
各引き出し30bは、上方を開口させた略直方体の開口箱状である。各引き出し30bは、台部30aに前後に移動可能に支持され、台部30a内に収納された収納位置(
図1に表した位置)と、台部30aから前方に引き出された引出位置と、に移動する。各引き出し30bは、収納位置にある状態において、台部30aの前方の開口を塞ぐ。そして、各引き出し30bは、引出位置にある状態において、内部に物品を収納可能とする。
【0025】
このように、支持台30は、物品を収納可能なキャビネットとしても機能する。支持台30は、換言すれば、下部キャビネット(フロアキャビネット)である。なお、引き出しの数は、2つに限ることなく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。また、支持台30は、引き出し式のキャビネットに限ることなく、扉式のキャビネットでもよい。
【0026】
支持台30は、必ずしも収納機能を有していなくてもよい。支持台30は、洗面器20を支持可能な任意の構成でよい。また、洗面器20は、例えば建築躯体の壁(例えば洗面所または脱衣所など壁面)に直接取り付けてもよい。すなわち、支持台30は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0027】
ミラーキャビネット40は、水栓装置50を介して支持台30の上方に配置される。ミラーキャビネット40は、上部キャビネット41と、3枚の鏡扉42~44と、を有する。各鏡扉42~44の前面には、鏡が設けられている。なお、ミラーキャビネット40に設けられる鏡扉の数は、3枚に限ることなく、1枚又は2枚でもよいし、4枚以上でもよい。
【0028】
ミラーキャビネット40は、例えば建築躯体の壁などの支持体に、ボルトなどの固定部材によって取り付けられる。これに限らず、ミラーキャビネット40は、壁以外の支持体(例えば別途設けられたカウンタ、パネル、または支持台30など)に取り付けられ、支持されてもよい。
【0029】
水栓装置50は、ボウル部22およびバックガード部26の上方に配置される。すなわち、水栓装置50は、バックガード部26とミラーキャビネット40との間に設けられる。水栓装置50は、筐体52を有している。筐体52は、水栓装置50の外郭を形成している。筐体52は、ボウル部22およびバックガード部26の上方に配置される。例えば、バックガード部26の上端部は、筐体52と接していてもよい。筐体52は、例えばボルトなどの固定部材によって、建築躯体の壁に直接的または間接的に取り付けられる。
【0030】
筐体52は、バックガード部26の上方に位置する本体部53と、本体部53から前方に向けて突出する突出部55と、を有する。
図1~
図4に示すように、本体部53には、湯水を吐出する吐水部60、吐水部60から吐出される水の流量を調整する流量調整部62、機能水を霧状にしてボウル部22に噴霧する機能水吐出部64などが設けられている。
【0031】
吐水部60は、本体部53の下面53aから突出している。吐水部60は、いわゆるスパウトであり、洗面器20のボウル部22に向けて湯水を吐出する吐水口60aを有している。また、
図3に示すように、本体部53の内部には、吐水部60に接続されるホース(図示せず)や電装装置(制御部66)などが収納されるケース54が設けられている。
【0032】
流量調整部62は、吐水部60から吐出される水の流量を調整する。また、流量調整部62は、吐水部60から吐出される水の温度を調整する。流量調整部62は、本体部53の下面53aから突出する流量調整レバー62aを有する。流量調整部62は、使用者による流量調整レバー62aの操作に応じて、吐水部60から吐出される水の流量および温度を調整する。流量調整部62における流量および温度の調整の態様は、流量調整レバー62aに限ることなく、流量および温度を調整可能な任意の態様でよい。
【0033】
吐水部60は、筐体52や支持台30の内部空間などにおいて湯水混合部などを介して給水管および給湯管に接続される。吐水部60から吐出される水は、例えば上水(水道水)である。吐水部60から吐出される水の温度調整は、流量調整部62とは別の調整部で行ってもよい。流量調整部62は、少なくとも吐水部60から吐出される水の流量を調整できればよい。
【0034】
筐体52の本体部53は、吐水部60および流量調整部62の少なくとも一部を覆う。本体部53は、例えば左右方向に延びた箱状である。吐水部60は、本体部53に直接的または間接的に取り付けられる。本体部53は、内部の空間に吐水部60や流量調整部62の少なくとも一部を入り込ませ、これらの各部を保持する。
【0035】
機能水吐出部64は、除菌作用を有する機能水をボウル部22に吐出する。機能水吐出部64は、本体部53の下面53aに設けられ、下方に向けて機能水を吐出する。機能水吐出部64は、例えばボウル部22の排水口22aに向けて機能水を吐出する。
【0036】
例えば、機能水吐出部64からボウル部22に機能水を吐出することにより、ボウル部22の排水口22aや排水口22aの内部における菌の繁殖を抑えることができる。水まわり装置10および水栓装置50では、例えば排水口22aおよび排水口22aの内部の除菌を行い、洗面器20を清潔に保つことができる。また、歯ブラシやコップなどに機能水を吐出することにより、これらの除菌を行うこともできる。
【0037】
突出部55は、本体部53の下側位置から前方に向けて突出している。突出部55は、内部が空洞な箱状に形成されている。例えば、突出部55の内部と、本体部53の内部とは、連通している。突出部55は、例えば本体部53の左端から右端まで延びている。この例では、筐体52は、洗面器20のカウンタ24の左右両端と同じ幅となっている。
【0038】
図4に示すように、突出部55の内部には、タッチスイッチ70が設けられている。タッチスイッチ70は、例えば指先などを検知して静電容量を変化させる静電式センサ(静電容量センサ)となっている。この例では、タッチスイッチ70の前面が検出部となっている。なお、タッチスイッチ70は、マイクロ波センサ、ミリ波センサ、赤外線(光電)センサ、超音波センサなどでもよい。なお、タッチスイッチ70は、操作面57aに接近する手指などを検出してもよい。つまり、タッチスイッチ70は、操作面57aに手指をかざすことで接触せずに操作入力を行えるものでもよい。タッチスイッチ70は、電装装置を構成する制御部66に電気的に接続され、検出した静電容量(指令信号)を制御部66に送信している。制御部66は、タッチスイッチ70から送信された指令信号を基にして、各種の機能部(機能水吐出や水温調節など)を作動させる。
【0039】
突出部55は、本体部53の前面53bから前方に向けて延びる上面56と、上面56の先端から下方に向けて延びる前面57と、前面57の下端から後方に向けて延びる抑制面58と、を有している。上面56は、例えば水平な平坦面となっており、コップや歯ブラシなどの物品を載置できるようになっている。
【0040】
突出部55の前面57は、抑制面58の先端から上方に立ち上がっている。本体部53の前面53bおよび突出部55の前面57は、筐体52の前面となっている。すなわち、筐体52の前面は、本体部53の前面53bと突出部55の前面57とにより前後方向で段付き状に形成されている。
【0041】
突出部55の前面57は、タッチスイッチ70の操作面57aを有している。操作面57aは、タッチスイッチ70の前方に位置している。タッチスイッチ70は、操作面57aに手指が触れたか否かを検出する。操作面57aは、複数のタッチ部を有している。タッチ部は、例えば自動水栓と手動水栓との切替え、機能水の吐水、設定した温度になるまで吐水などの操作部分となっている。
【0042】
操作面57aは、前方を向いた面(例えば、正面視において少なくとも一部が視認可能な面)となっている。
図4に示すように、この例では、前面57および操作面57aは、鉛直方向に立設した面となっている。この例では、操作面57aは、吐水部60と流量調整部62との間、かつ上方に位置している。操作面57aは、吐水部60の吐水口60aよりも上方に位置している。操作面57aは、吐水口60aの真上に限らず、左右方向にずれていてもよい。
【0043】
抑制面58は、本体部53の下面53aから突出部55の前面57の下端まで延びている。抑制面58は、突出部55の下面を構成している。抑制面58は、操作面57aと、吐水口60aと、の間に位置している。抑制面58は、例えば吐水口60aから吐出された水Wが操作面57aに付着するのを抑制する。
【0044】
抑制面58は、操作面57aよりも下方に向いている。
図4に示すように、この例では、操作面57aが前方に向いており、抑制面58が下方に向いている。抑制面58は、本体部53の下面53aから吐水口60aよりも前方に向けて延びている。換言すると、抑制面58は、吐水部60(吐水口60a)の上方を覆っている。
図4に示すように、操作面57aは、吐水口60aよりも前方に位置している。
【0045】
図5は、手洗い時に水が跳ねた状態を示す説明図である。
図5では、説明の便宜上、筐体52や吐水部60などを簡略して表している。
【0046】
図5に示すように、手洗い時に跳ねた水Wは、操作面57aよりも下方に向いている抑制面58に遮られる。従って、操作面57aに水Wが付着するのを抑制できる。これにより、操作面57aに水Wが付着して、タッチスイッチ70が誤検知するのを抑制できる。また、抑制面58は、吐水口60aよりも前方に延びている。これにより、抑制面58は、手から跳ねた水Wが操作面57aに付着するのをより効果的に抑制できる。
【0047】
また、
図2に示すように、抑制面58の横幅L1は、操作面57aの横幅L2よりも大きくなっている。これにより、抑制面58は、横方向(斜め下方)から操作面57aに向けて跳ねる水Wが操作面57aに付着するのを効果的に抑制できる。なお、この例では、抑制面58は、カウンタ24の左右方向の両端にわたって延びている。これにより、抑制面58は、カウンタ26の両端から突出部55の前面57の上端までの間の洗面空間で跳ねた水Wを効率よく遮ることができる。
【0048】
図4、
図5に示すように、操作面57aの上方には、被水抑制部59が設けられている。被水抑制部59は、水Wが上方から操作面57aに向けて流れるのを抑制する。この例では、被水抑制部59は、突出部55の上面56と、前面57との間で上方に突出した突起となっている。被水抑制部59は、少なくとも操作面57aの真上に位置して、操作面57aの横幅L2よりも長く形成されている。これにより、被水抑制部59は、上面56に付着した水Wが上面56から操作面57aに向かって流れるのを抑制できる。その結果、操作面57aに水Wが付着して、タッチスイッチ70が誤検知するのを抑制できる。
【0049】
また、
図5に示すように、被水抑制部59は、上方に向けて突出しているので、上面56および被水抑制部59に物品100を載置した場合に、物品100とタッチスイッチ70との間に所定の距離をとらせることができる。これにより、被水抑制部59は、例えば物品100がタッチスイッチ70を誤検知させるような電子機器や金属製のコップなどである場合に、タッチスイッチ70が誤検知してしまうのを抑制できる。被水抑制部59は、必要に応じて設けられていてもよい。
【0050】
図6は、第1変形例に係る水まわり装置を示す
図5と同様の説明図である。
図7は、第2変形例に係る水まわり装置を示す
図5と同様の説明図である。
図8は、第3変形例に係る水まわり装置を示す
図5と同様の説明図である。
図9は、第4変形例に係る水まわり装置を示す
図5と同様の説明図である。
図10は、第5変形例に係る水まわり装置を示す
図5と同様の説明図である。
図11は、第6変形例に係る水まわり装置を示す
図5と同様の説明図である。
図6~
図10は、操作面と抑制面との形態の関係性についてを例示している。
図6~
図10では、被水抑制部59を省略して示している。
【0051】
図6に示す第1変形例のように、操作面80は、前方から後方に向けて下方に傾斜している。このような場合でも、抑制面58は、操作面80よりも下方に向いているので、吐水口60aから吐出された水Wが操作面80に付着するのを抑制できる。
【0052】
図7に示す第2変形例のように、操作面81は、前方から後方に向けて上方に傾斜している。このような場合でも、抑制面58は、操作面81よりも下方に向いているので、吐水口60aから吐出された水Wが操作面81に付着するのを抑制できる。
【0053】
図8に示す第3変形例のように、抑制面82は、前方から後方に向けて下方に傾斜している。このような場合でも、抑制面82は、操作面57aよりも下方に向いているので、吐水口60aから吐出された水Wが操作面57aに付着するのを抑制できる。
【0054】
図9に示す第4変形例のように、抑制面83は、前方から後方に向けて上方に傾斜している。このような場合でも、抑制面83は、操作面57aよりも下方に向いているので、吐水口60aから吐出された水Wが操作面57aに付着するのを抑制できる。
【0055】
図10に示す第5変形例のように、突出部84は、上面84aから下方に向けて凸状に湾曲する湾曲面84bを有していてもよい。この場合、湾曲面84bは、操作面85と、抑制面86と、を有している。操作面85は、タッチスイッチ70が手指などを検知できる範囲となっている。一方、抑制面86は、操作面85よりも下方に位置する操作面85以外の部分となっている。
【0056】
図10に細線で示す接線B-Bは、操作面85の下端における接線となっている。従って、
図10に二点鎖線で示す抑制面86の接線C-Cは、操作面85の接線B-Bよりも下方を向いている。このような場合でも、抑制面86は、操作面85よりも下方に向くことになり、吐水口60aから吐出された水Wが操作面85に付着するのを抑制できる。
【0057】
図11に示す第6変形例のように、タッチスイッチ75は、突出部55の上面56に操作面87を有していてもよい。このような場合、操作面87は、上方を向いている。従って、抑制面58は、操作面87よりも下方に向いているので、吐水口60aから吐出された水Wが操作面87に付着するのを抑制できる。
【0058】
図12は、第7変形例に係る水まわり装置を示す
図5と同様の説明図である。
図13(a)、
図13(b)は、第8変形例に係る水まわり装置を示す説明図である。
図14(a)、
図14(b)は、第9変形例に係る水まわり装置を示す説明図である。
図15(a)、
図15(b)は、第10変形例に係る水まわり装置を示す説明図である。
図12~
図15は、上述した被水抑制部59に変えて用いられる被水抑制部の変形例を示している。
【0059】
図12に示す第7変形例のように、被水抑制部90は、操作面57aの上方に位置して、前方に向けて突出する突起となっていてもよい。上面56に付着した水Wは、被水抑制部90の前端から後方に垂れ落ちる。これにより、被水抑制部59は、上面56に付着した水Wが上面56から操作面57aに向かって流れるのを抑制できる。その結果、操作面57aに水Wが付着して、タッチスイッチ70が誤検知するのを抑制できる。
【0060】
図13に示す第8変形例のように、被水抑制部91は、操作面57aの上方に位置する凹部となっていてもよい。被水抑制部91は、前面57から後方に凹んだ凹部となっている。
図13(b)に示すように、被水抑制部91は、例えば前面57の左右方向(幅方向)の端部まで延びている。これにより、上面56から操作面57aに向けて流れる水Wは、被水抑制部91内に浸入した後に、被水抑制部91の端部から下方に垂れ落ちる。その結果、操作面57aに水Wが付着して、タッチスイッチ70が誤検知するのを抑制できる。
【0061】
図14に示す第9変形例のように、被水抑制部92は、操作面57aの上方に位置する凹部となっていてもよい。被水抑制部92は、上面56から下方に凹んだ凹部となっている。
図14(b)に示すように、被水抑制部92は、例えば上面56の左右方向(幅方向)の端部まで延びている。これにより、上面56から操作面57aに向けて流れる水Wは、被水抑制部92内に浸入した後に、被水抑制部92の端部から下方に垂れ落ちる。その結果、操作面57aに水Wが付着して、タッチスイッチ70が誤検知するのを抑制できる。
【0062】
図15に示す第10変形例のように、突出部93の上面94に被水抑制部95を有していてもよい。被水抑制部95は、操作面57aの上方に位置する上面94の前端から後方に向けて下方に傾斜している。この例では、上面94の全体が被水抑制部95となっている。なお、被水抑制部95の後端側は、平坦面となっていってもよい。
図14(b)に示すように、被水抑制部95による傾斜は、例えば左右方向(幅方向)の端部まで延びている。これにより、水Wは、被水抑制部95の傾斜に沿って後方に移動した後に、被水抑制部95の端部から下方に垂れ落ちる。その結果、操作面57aに水Wが付着して、タッチスイッチ70が誤検知するのを抑制できる。
【0063】
なお、上述した実施形態では、吐水部60が筐体52に設けられた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば吐水部は、洗面器20や筐体の下方に位置する壁などに設けられていてもよい。すなわち、上述した実施形態では、水栓装置50の筐体52にタッチスイッチ70が内蔵された場合を例に挙げて説明したが、水栓装置50の筐体52に限らず、タッチスイッチ70が内蔵された任意の筐体でよい。
【0064】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、水まわり装置が備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0065】
10 水まわり装置
20 洗面器
22 ボウル部
22a 排水口
24 カウンタ
26 バックガード部
30 支持台
30a 台部
30b 引き出し
40 ミラーキャビネット
41 上部キャビネット
42、43、44 鏡扉
50 水栓装置
52 筐体
53 本体部
53a 下面
53b 前面
54 ケース
55 突出部
56 上面
57 前面
57a 操作面
58 抑制面
59 被水抑制部
60 吐水部
60a 吐水口
62 流量調整部
62a 流量調整レバー
64 機能水吐出部
66 制御部
70、75 タッチスイッチ
80、81 操作面
82、83 抑制面
84 突出部
84a 上面
84b 湾曲面
85 操作面
86 抑制面
87 操作面
90、91、92 被水抑制部
93 突出部
94 上面
95 被水抑制部
100 物品
F 床
W 水