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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115754
(43)【公開日】2023-08-21
(54)【発明の名称】折装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 45/00 20060101AFI20230814BHJP
【FI】
B65H45/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022018148
(22)【出願日】2022-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138014
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 香織
(72)【発明者】
【氏名】萬 秀紀
(72)【発明者】
【氏名】大岩 英紀
【テーマコード(参考)】
3F108
【Fターム(参考)】
3F108AA01
3F108AB01
3F108AC10
3F108BA03
3F108BB31
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明の目的は、シートを搬送路上に保持しつつ折畳むとき、シートを搬送するローラによって、折畳みの動作が阻害されることがなく、適正に折畳処理可能な折装置を提供することである。
【解決手段】本発明の折装置1は、搬送部2には、前記搬送ローラとの間でシートSを挟持し搬送する挟持ローラ28と、折畳部でシートが折り畳まれるときに、搬送路20から前記挟持ローラ28を退避させる退避部とが設けられ、前記折畳部には、シートの保持片を搬送路20上に保持する保持部71と、前記保持部71によって保持された前記保持片の対向位置へシートの折片を折返す折返部とが設けられ、前記折返部は、折畳まれたシートを、前記搬送ローラとの間で挟持し搬送可能な折返ローラが設けられた。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送する搬送ローラが設けられた搬送部と、
前記搬送ローラにより搬送されるシートを折り畳む折畳部とを備え、
前記搬送部には、前記搬送ローラとの間でシートを挟持し搬送する挟持ローラと、
前記折畳部でシートが折り畳まれるときに、前記搬送路から前記挟持ローラを退避させる退避部とが設けられ、
前記折畳部には、シートの保持片を搬送路上に保持する保持部と、前記保持部によって保持された前記保持片の対向位置へシートの折片を折返す折返部とが設けられ、
前記折返部は、折畳まれたシートを、前記搬送ローラとの間で挟持し搬送可能な折返ローラが設けられた折装置。
【請求項2】
折り畳まれる前記シートの形態に基づいて、折畳まれた前記シートを、前記挟持ローラまたは前記折返ローラのいずれを用いて搬送するかを制御する制御部を備えた請求項1に記載の折装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送されてきたシートを折り畳む折装置が知られている。下記特許文献1には、折り畳まれるシートの折位置のずれを抑制可能な折装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-199561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の装置では、折ローラによってシートを搬送しながら折り畳む。この場合、折ローラは常にシートを挟持搬送したままで継続的に折畳処理することができ、作業効率がよい。このような折ローラを用いて折畳むことができるのは、コピー用紙や、手紙等シートの厚さが比較的薄い場合である。一方、シートが所定値より厚い場合、例えば、酒類の瓶を収容する箱を製造するための段ボールや、名刺の収容箱、カタログやチラシ等を挟んで収納できるポケット付きホルダ用の厚紙等を、折ローラを用いて折畳処理することは困難である。
【0005】
シートが所定値より厚い場合、シートを搬送路上に保持し、シートの折り畳みたい部分を搬送路上に保持されたシートの対向位置へ向けて移動することによって、シートを折り畳む方法が考えられる。しかし、シートの折り畳みたい部分を、搬送路上に保持された部分に近接させる際、該シート自体が搬送ローラによって挟持されていると、適正に折り畳むことが困難となる危険性がある。
【0006】
本発明の目的は、シートを搬送路上に保持しつつ折畳むとき、シートを搬送するローラによって、折畳みの動作が阻害されることがなく、適正に折畳処理可能な折装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の折装置は、シートを搬送する搬送ローラが設けられた搬送部と、前記搬送ローラにより搬送されるシートを折り畳む折畳部とを備え、前記搬送部には、前記搬送ローラとの間でシートを挟持し搬送する挟持ローラと、前記折畳部でシートが折り畳まれるときに、前記搬送路から前記挟持ローラを退避させる退避部とが設けられ、前記折畳部には、シートの保持片を搬送路上に保持する保持部と、前記保持部によって保持された前記保持片の対向位置へシートの折片を折返す折返部とが設けられ、
前記折返部は、折畳まれたシートを、前記搬送ローラとの間で挟持し搬送可能な折返ローラが設けられた。
【0008】
また、前記構成において、折り畳まれる前記シートの形態に基づいて、折畳まれた前記シートを、前記挟持ローラまたは前記折返ローラのいずれを用いて搬送するかを制御する制御部を備えた。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、前記搬送部には、前記搬送ローラとの間でシートを挟持し搬送する挟持ローラと、前記折畳部でシートが折り畳まれるときに、前記搬送路から前記挟持ローラを退避させる退避部とが設けられ、前記折畳部には、シートの保持片を搬送路上に保持する保持部と、前記保持部によって保持された前記保持片の対向位置へシートの折片を折返す折返部とが設けられ、前記折返部は、折畳まれたシートを、前記搬送ローラとの間で挟持し搬送可能な折返ローラが設けられたので、シートを折り畳んだ後、搬送ローラと折返ローラのと間でシートを挟持し搬送することができる。
【0010】
また、折り畳まれる前記シートの形態に基づいて、折畳まれた前記シートを、前記挟持ローラまたは前記折返ローラのいずれを用いて搬送するかを制御する制御部を備えた場合は、シートの形態に応じ、搬送ローラと折返ローラとでシートを搬送することが困難であるときに搬送ローラと挟持ローラとによってシートを下流側へ搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態にかかる折装置の概略構成を示す縦断面図である。
図2】前記折装置の平面図である。
図3】前記折装置の第1折畳部及び搬送ローラの拡大斜視図である
図4】前記第1折畳部及び搬送ローラの平面図である。
図5】前記第1折畳部及び搬送ローラを上流側から見た図である。
図6図5のA-A線断面図である。
図7】前記第1折畳部及び前記搬送ローラの使用態様図である。
図8】前記第1折畳部及び前記搬送ローラの使用態様図である。
図9】前記第1折畳部及び前記搬送ローラの使用態様図である。
図10】前記折装置の挟持ローラ及び支持ユニットの斜視図である。
図11】前記挟持ローラ及び前記支持ユニットの平面図である。
図12】前記挟持ローラ及び前記支持ユニットを前方図から見た図である。
図13】前記挟持ローラ及び前記支持ユニットの縦断面図である。
図14】前記挟持ローラ及び前記支持ユニットの使用態様図である。
図15】前記折装置で加工処理されるシートの平面図である。
図16】前記シートが順次折り畳まれる際の各工程を示す。
図17】前記折装置の使用態様図である。
図18】前記折装置の使用態様図である。
図19】前記折装置の使用態様図である。
図20】前記折装置の使用態様図である。
図21】前記折装置の使用態様図である。
図22】本発明の他の実施形態にかかる折装置で加工処理されるシートの平面図である。
図23】前記折装置の使用態様図である。
図24】前記折装置の使用態様図である。
図25】前記折装置の使用態様図である。
図26】本発明の更に他の実施形態にかかる折装置で加工処理されるシートの平面図である。
図27】前記折装置の使用態様図である。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる折装置1の概略構成を示す縦断面図、図2は前記折装置1の平面図である。折装置1は、第1機構101及び第2機構102を備える。第1機構101には、供給部16、斜行補正部4、縦クリース部5、横クリース部6が設置される。第2機構102には、折畳部7、糊塗布部3、押圧部8、及び排出部17が設置される。
【0013】
また、折装置1は、装置全体の作動を制御する制御部9を装置本体10内に備えている。供給部16から排紙部17へは、シートSを挟持し搬送する複数のローラ19を備えた搬送部2によって搬送路20が形成されている。
【0014】
供給部16は、供給トレイ94、吸引搬送部95を備える。供給トレイ94は、シートSが載置される。供給トレイ94は図示しない昇降部により昇降される。吸引搬送部95は、吸引箱96及び搬送ベルト97を備える。吸引箱96は図2に示す送風機98に接続される。送風機98の駆動により吸引箱96に負圧が発生し、供給トレイ94上の最上位のシートSが搬送ベルト97の下面に吸着される。
【0015】
斜行補正部4は、ガイド41、斜行ベルト42を備える。ガイド41は、シートSの側端が接触される。斜行ベルト42の走行によって、シートSは、ガイド41に向けて搬送され、一方の側端縁がガイド41に接触しつつ下流側へ搬送される。
【0016】
縦クリース部5は、シートSに搬送方向Fに沿った折目C(図15参照)を形成する。縦クリース部5は縦クリース刃501、離間部53及び横移動部54を備える。縦クリース刃501は上部材51及び下部材52を備える。上部材51は、搬送路20の上方に設置される。上部材51は円盤状に形成され、周面に凹溝が形成される。下部材52は上部材51の対向位置で、搬送路20の下方に設置される。下部材52は、上部材51と略同じ半径の円盤状に形成され、周面に凹溝に係合する凸部が形成される。離間部53は上部材51を下部材52から離間させる。横移動部54は、上部材51及び下部材52を一体で搬送方向Fに直交する幅方向Wに移動する。
【0017】
横クリース部6はシートSに幅方向Wに沿った折目Cを形成する。横クリース部6は、凹部材61、凸部材62及び昇降部63を備える。凹部材61は搬送路20の上方に設置され、昇降部63によって昇降される。凸部材62は凹部材61に対向し、搬送路20の下方に設置される。
【0018】
折畳部7は搬送ローラ27により搬送されるシートSを折り畳む。折畳部7は、第1―4折畳部11-14を備える。第1、2、4折畳部11、12、14は、シートSを搬送部2の搬送方向Fに直交する幅方向Wに沿った横折目CwでシートSを折り畳む横折畳部である。第3折畳部13は、搬送部2の搬送方向に沿った縦折目CfでシートSを折り畳む縦折畳部である。
【0019】
折畳部7には、保持部71、折返部72及び回転部73が設けられる。保持部71は、シートSの保持片を搬送路20上に保持する。折返部72は、保持部71によって保持されたシートSの保持片の対向位置へシートSの折片を折返す。回転部73は回転軸74を軸心とし、折返部72の折返部材721及び第1折返ローラ50の収容された折返ユニット750をシートSの搬送面を超えて180度回転させる。
【0020】
このとき、搬送ローラ27にシートSの搬送面を介し対向する挟持ローラ28は、退避部39によって、搬送路20から退避される。
【0021】
回転部73が折返ユニット750を回転した後は、搬送ローラ27と、該搬送ローラ27に対向する折返ローラ90とでシートSを下流側へ搬送するか、または、回転部73によって折返しユニット750を元の位置へと戻し、挟持ローラ28を搬送ローラ27に対向させ、搬送ローラ272と挟持ローラ28によりシートSを挟持し下流側へ搬送する。
【0022】
第1折畳部11は、4つの折畳部7のうち最も上流側に設置される。第1折畳部11は、第1保持部47、第1折返部46を備える。第1折返部46は、第1折返部材45、第1折返ローラ50及び第1回転部48を備える。第1回転部48は第1回転軸49を軸心とし、第1折返部材45及び第1折返ローラ50の収容された折返ユニット750をシートSの搬送面を超えて下流側へ向けて反転させる。第1折返部材45は下流側の第1保持部47に対向する。また、第1折返ローラ50は、下流側の搬送ローラ272に対向する。
【0023】
第1回転部48が折返ユニット750を回転した後は、搬送ローラ272とこの搬送ローラ272に対向する第1折返ローラ50とでシートSを下流側へ搬送するか、または、第1回転部48によって折返しユニット750を元の位置へと戻し、挟持ローラ282を搬送ローラ272に対向させ、搬送ローラ272と挟持ローラ282によりシートSを挟持し下流側へ搬送する。
【0024】
第2折畳部12は、第1折畳部11の下流側に設置される。第2折畳部12は、第2保持部57、第2折返部56を備える。第2折返部56は、第2折返部材55、第2折返ローラ60及び第2回転部58を備える。第2回転部58は、上流側の第2保持部57に向けて第2回転軸59を軸心に第2折返部材55及び第2折返ローラ60の収容された折返ユニット750をシートSの搬送面を超えて上流側へ向けて反転させる。第2折返部材55は上流側の第2保持部57に対向する。また、第2折返ローラ60は、上流側の搬送ローラ272に対向する。
【0025】
このとき、搬送ローラ272の上方の挟持ローラ282は、第2退避部22によって、搬送路20から退避される。第1折畳部11では、第1折返部材45を備えた折畳ユニット750が回転軸74を軸心にシートSの搬送方向F上流側から下流側へ回転されるのに対し、第2折畳部12では折畳ユニット750は、第2回転軸59を軸心にシートSの搬送方向下流側から上流側へ向けて回転される。
【0026】
第2回転部58が折返ユニット750を回転させた後は、搬送ローラ272と折畳位置にある第2折返ローラ60とでシートSを下流側へ搬送するか、または第2回転部58によって折返しユニット750をもと状態へと戻し、挟持ローラ282を退避位置から挟持位置へ移動し、搬送ローラ272と挟持ローラ282によりシートSを挟持し下流側へ搬送する。
【0027】
第3折畳部13は、第2折畳部12の下流側であって、2つの糊塗布部3の間に設置される。第3折畳部13は、第3保持部67、第3折返部66及び図示しない移動部を備える。第3折返部66は、第3回転部68を備える。
【0028】
図2に示すように、第3保持部67と、第3折返部66とは、幅方向Wに並設される。第3回転部68は第3回転軸69を軸心とし、第3折返部材65を幅方向Wに隣接して設けられた第3保持部67に向けて回転される。このとき、搬送ローラ274の上方の挟持ローラ284、第4退避部24によって、搬送路20から退避される。移動部は、折目Cの位置に合わせ、第3折返部66及び第3保持部67を一体で幅方向Wに移動する。
【0029】
第4折畳部14は、第2糊塗布部32の下流側に設置される。第4折畳部14は第4折返部76、第4保持部77を備える。第4折返部76は、第4折返部材75、第4折返ローラ80及び第4回転部78を備える。第4回転部78は、上流側の第4保持部77に向けて第4回転軸79を軸心に第4折返部材75及び第4折返ローラ80の収容された折返ユニット750をシートSの搬送面を超えて上流側へ向けて反転させる。第4折返部材75は上流側の第4保持部77に対向する。また、第4折返ローラ80は、上流側の搬送ローラ275に対向する。
【0030】
このとき、搬送ローラ275の上方の挟持ローラ285は、第5退避部25によって、搬送路20から退避される。
【0031】
第4折畳部14では、第2折畳部12と同様に、折畳ユニット750が回転軸74を軸心にシートS搬送方向下流側から上流側へ回転される。
【0032】
シートSを折り畳んだ後は、搬送ローラ275と折畳位置にある第2折返ローラ80とでシートSを下流側へ搬送するか、または第4回転部78によって折返しユニット750をもと状態へと戻し、挟持ローラ285を退避位置から挟持位置へ移動し、搬送ローラ275と挟持ローラ285によりシートSを挟持し下流側へ搬送する。
【0033】
図3は、第1折畳部11、及び第1折畳部11の下流側の搬送ローラ272の拡大斜視図である。図4は、図3の平面図である。図5は、図3を上流側から見た図である。図6は、図5のA-A線断面図である。
【0034】
保持部71は、保持台711及び吸引部712を備える。保持台711には、複数の通気口713が形成されている。吸引部712は、保持台711上のシートSを吸引し、保持台711上に保持する。吸引部712は、接続部材714、切替部715、図示しない負圧発生装置を備える。接続部材714は可撓性を有するパイプにより構成される。接続部材714は幅方向Wに沿って複数設置される。接続部材714の一方の端部は通気口713に接続され、他端部は切替部715に接続される。切替部715は、負圧発生装置の駆動に伴い、シートSが保持台711上に吸引され、保持される範囲を切り替える。
【0035】
折返部72は、折返部材721、折返ローラ90及び回転部73を備える。折返部材721及び折返ローラ90は、幅方向Wに延在する。折返部材721及び折返ローラ90は、シートSを折り畳んでいないときには、搬送路20の下方となる支持位置に位置する。折返部材721及び折返ローラ90は、支持位置において、搬送路20上を搬送されるシートSを下方より支持する。図3-6に示す第1折畳部11を構成する第1折返部46の第1折返部材45及び折返ローラ90は、支持位置において、第1折畳部11の第1保持部47の上流側に位置する。
【0036】
折返部材721は、本実施形態では中空四角形筒状に形成される場合を示す。しかし、折返部材721はこれに限定されず、断面三角形や他の多角形であってもよく、角柱状に形成してもよく、板状や円筒等の他の形状としてもよい。折返部材721の左右両端部は、軸受723を介して支持部731により支持される。また、折返部材721は、付勢部材727によって付勢される。
【0037】
折返ローラ90は、本実施形態では幅方向Wに3つに分割される場合を示す。しかし折返ローラ90は分割されていなくてもよく、幅方向Wに沿って延在する1つのローラであっても構わない。各折返ローラ90の幅方向W両端部は、それぞれ軸受724を介し支持部731によって回転自在に支持される。また、折返ローラ90は、それぞれ付勢部材728によって付勢される。折返ローラ90は、シートSを折り畳んだ後に、折畳まれたシートSを、搬送ローラ27との間で挟持し搬送可能である。
【0038】
回転部73は、折返部材721及び折返ローラ90を、図6に示す支持位置から図7に示す折畳位置へ移動させる。回転部73は、支持部731、回転軸74、動力伝達部736、リンク機構733及び折畳駆動部732を備える。支持部731は、筐体738及び連結部材739を備える。
【0039】
筐体738は、幅方向Wに長い直方体状に形成され、支持位置における上面が開口している。筐体738の内部に、折返部材721及び複数の折返ローラ90が収容され、回転自在に支持される。筐体738には、ガイド737が設けられる。ガイド737は、シートSを案内する。連結部材739は、筐体738を回転軸74に連結する。折返ローラ90、折返部材721及び支持部731は、折畳ユニット750を構成する。
【0040】
回転軸74は、筐体738の幅方向W外方に設置され、側板70に回動自在に軸支される。回転軸74は、動力伝達部736を介して折畳駆動部732に連結される。
【0041】
リンク機構733は、図7に示す折畳位置において、保持台711に対しシートSを押圧していた折返部材721の押圧力を解除し、折畳後のシートSを適切に搬送するための機構である。リンク機構733は左右一対設置される。リンク機構733は、筐体738の左右両端部と側板70との間に設けられる。
【0042】
図8は、図5のB-B断面図であって、リンク機構733及びその周辺を拡大して示す。折返ユニット750が図8(a)では折畳位置にあり、同図(b)では搬送位置にある。リンク機構733は、リンク部材734及び受部749を備える。リンク部材734は、側面視略長方形板状で、一部に切欠743を有する。
【0043】
切欠743は、リンク部材734の図8における右側に設けられ、矩形状に形成される。切欠743内には軸部725が収容される。軸部725は切欠743内を移動可能である。軸部725は、折返部材721の左右両端部が軸受723の外方へ突出して設けられる。
【0044】
リンク部材733はさらに凸部751及び接合部746を備える。凸部751は、図8におけるリンク部材733の中央部に設けられる。凸部751は、円柱状に形成され、リンク部材734の側面より側板70側へ突出している。
【0045】
接合部746は、リンク部材734の図8における左側に設けられる。接合部746は、リンク部材734と折畳ユニット750の連結部材739とを互いに回転可能に連結する。
【0046】
受部749は、図8(a)に示す折畳位置において、凸部751の下方に位置する。受部749は、板状に形成され、側板70からリンク部材734のある内方に向けて突出して設置されている。折返ユニット750が図8(a)に示す折畳位置から、搬送位置へ回転軸74を軸心に同図において反時計回りに回転したとき、図8(b)に示すように、凸部751が受部749に接触する。
【0047】
シートSを折り畳んでいないとき、折返部材721及び折返ローラ90は、図6に示すように、シートSを搬送路20の下方から支持する支持位置にある。シートSを折り畳むとき、折畳駆動部732が駆動され、回転軸74を軸心に折返ユニット750が180度回転され、反転される。これより、図7に示すように、折返部材721及び折返ローラ90は、保持台711及び搬送ローラ27にそれぞれ対向する折畳位置へ移動される。これにより、回転部73はシートSに形成された折目Cを回転中心として折片を保持片に向けて回転することができる。
【0048】
折畳位置から更に折畳駆動部732を駆動し、折返ユニット750を支持位置から折畳位置へ移動するときと同じ図7における反時計回りに回転することで、折畳ユニット750は支持位置から180度を超えて回転し、図9に示す搬送位置へと移動する。これにより、図7に示す折畳位置において、保持台711に対しシートSを押圧していた折返部材721の押圧力が解除される。折返部材721は、保持台711から離間する方向へ所定量移動し、保持台711と折返部材721との間に隙間Kが生じる。一方、折返ローラ90は搬送ローラ27に強く押圧される。このようにして、保持台711への折返部材721の押圧力が解除された状態で、シートSが下流側へ搬送される。
【0049】
第2、4折畳部12、14は、保持部71と折返部72との配置が、第1折畳部11とは上流側と下流側で逆転する。この点を除き、第2、4折畳部12、14は、第1折畳部11とほぼ同様の構成を有する。
【0050】
図1,2に示す糊塗布部3は、第1,2糊塗布部31,32が含まれる。第1糊塗布部31は第2折畳部12と第3折畳部13の間に設置される。第1糊塗布部31は、シートSに幅方向Wに沿って糊を塗布する。第1糊塗布部31は、第1ノズル81、第1糊供給部(図示省略)、第1糊移動部82を備える。第1ノズル81は第1糊供給部からの糊GをシートSに向けて噴射し、シートSに糊Gを塗布する。第1糊供給部は第1ノズル81へ糊Gを供給する。第1糊移動部82は、第1ノズル81を幅方向Wへ移動する。
【0051】
第2糊塗布部32は第3折畳部13と第4折畳部14の間に設置される。第2糊塗布部32は、シートSに幅方向Wに沿って糊を塗布する。第2糊塗布部32は、第2ノズル91、第2糊供給部(図示省略)、第2糊移動部92を備える。第2ノズル91は第2糊供給部からの糊GをシートSに向けて噴射し、シートSに糊Gを塗布する。第2糊供給部は第2ノズル91へ糊Gを供給する。第2糊移動部92は、第2ノズル91を幅方向Wへ移動する。
【0052】
押圧部8は、シートSの折目Cを押圧する。押圧部8は、上下一対の押圧部材85、86及び昇降部87を備える。一対の押圧部材85、86は搬送路20を介し上下に対向配置される。昇降部87は、搬送路20の上方に設置された押圧部材85を対向する他方の押圧部材86に向けて昇降する。
【0053】
排出部17は、加工処理されたシートSが載置される。排出部17は、排出トレイ99を備える。
【0054】
搬送部2は、シートSを挟持し、供給部16から排紙部17へ向けて搬送するようになっている。搬送部2は搬送ローラ27、挟持ローラ28、搬送駆動部及び退避部39を備える。搬送ローラ27は、搬送路20の下方に設置される。搬送ローラ27は、図示しない動力伝達部を介して搬送駆動部に接続される。
【0055】
第3折畳部13に設置された搬送ローラ274を除く他のすべての搬送ローラ27の幅方向Wの長さは、シートSが搬送される搬送路20の幅方向Wの長さより長く設定される。第3折畳部13に設置された搬送ローラ274は、搬送路20の幅方向W長さより短く、半分程度の長さとなっている。
【0056】
挟持ローラ28は、搬送路20の上方に設置される。挟持ローラ28は、搬送ローラ27との間でシートSを挟持し搬送する。挟持ローラ28は対向する搬送ローラ27の搬送駆動部の駆動による回転に伴って従動回転する。第1機構101のすべて挟持ローラ28及び第2機構102の最下流に配置された挟持ローラ28は、幅方向Wの長さが、シートSが搬送される搬送路20の幅方向Wの長さより長く形成される。これらの挟持ローラ28は、対向する搬送ローラ27とほぼ同じ幅方向Wの長さを有する。
【0057】
これに対し、第2機構102の押圧部8より上流側に設置された挟持ローラ281-288は、搬送路20の幅方向Wの長さより短い範囲に設置される。図2では、第2機構102の押圧部8より上流側の挟持ローラ281―288が搬送路20の図2における左側の位置に、幅方向Wの半分程度の長さで設置される場合を示す。
【0058】
図10は、第2機構102の最も上流側の挟持ローラ281及び該挟持ローラ281の支持ユニット18の斜視図である。図11は挟持ローラ281及び支持ユニット18の平面図である。図12は、挟持ローラ281及び支持ユニット18を前方図から見た図である。図13は、挟持ローラ281及び支持ユニット18の縦断面図である。
【0059】
第2機構102の最上流に位置する挟持ローラ281は、幅方向Wに複数個に分割されている。支持ユニット18は、軸支部37及び退避部39を備える。軸支部37は、分割された複数の挟持ローラ281をいずれも回転自在に軸支する。軸支部37は、底部が開放した横長直方体状に形成され、内部に挟持ローラ281を収容する。これらの挟持ローラ281は、軸支部37に軸支されたままで退避部39によって搬送路20から退避可能に構成される。
【0060】
退避部39は、折畳部7でシートSが折畳まれるとき、搬送路20から挟持ローラ28を退避させる。退避部39は、挟持ローラ281の回転軸34が搬送部2の搬送方向Fに直交する幅方向Wに沿った挟持位置から、回転軸34が幅方向Wに交差する方向となる退避位置へ挟持ローラ28を移動する。本実施形態では、図14に示すように、退避位置で、回転軸34が上下方向に沿う場合を示す。
【0061】
退避部39は、移動部30を備える。移動部30は、挟持ローラ281を回転自在に軸支する軸支部37を搬送路20の外方へ向けて移動する。移動部30は、揺動部40を備える。揺動部40は、軸支部37を、揺動軸38を軸心に揺動する。揺動軸38は、搬送方向Fに沿って延在する。揺動部40は、退避駆動部33、支持台43、回転体35、リンク36、検出部44を備える。検出部44は、遮光板441及び光学式のセンサー442を備える。
【0062】
退避駆動部33及び回転体35及び揺動軸38は、装置本体10に固定された支持台43によって支持される。回転体35は、退避駆動部33の駆動により回転される。回転体35の円盤面にリンク36の一端部がピン64により連結されている。リンク36の他端部は軸支部37の揺動軸38と図12において最も左側に位置する挟持ローラ281aとの間に、ピン65により連結されている。
【0063】
また、回転体35の回転軸35aには遮光板441が固定されている。遮光板441は、回転体35の下方に設置されたセンサー442によって検出され、挟持ローラ281が退避位置と、挟持位置とのいずれに位置するのかを検出する。
【0064】
シートSの搬送時、挟持ローラ281は挟持位置に位置する。シートSを折り畳むとき、挟持ローラ281は退避位置へ移動する。退避位置への移動の際、退避駆動部33が駆動され、回転体35が図13において反時計回りに所定量回転される。回転体35の回転によってリンク36は同図において左方へ移動し、軸支部37のピン65によるリンク36への連結部を同図における左方へ移動させる。これより軸支部37は揺動軸38を軸心に揺動する。
【0065】
図14に示すように、軸支部37は挟持ローラ281を軸支しつつ水平姿勢から上下方向に沿った姿勢へ移動する。挟持ローラ281の設置方向が略90度変更される。挟持ローラ281の挟持位置から退避位置への移動によって搬送路20が開放される。
【0066】
第2機構102の押圧部8より上流側の他の挟持ローラ282-288も、図10-14に示す第2機構102の最上流に設置された挟持ローラ281及びその支持ユニット18と略同様の構成を有する。押圧部8の上流側に隣接して設置された3つの搬送ローラ275-278にそれぞれ対向する挟持ローラ286-288は、1つの退避部39によって一体で挟持位置から、退避位置へ移動される。
【0067】
制御部9は、操作パネル(図示省略)に接続したCPUを有している。操作パネルは、シートSの加工処理情報を設定する設定部として機能する。設定部は、シートSの種類や厚さ、紙質、硬さ、表面加工の状態、大きさ、打ち抜型の形状、タイプ、クリース位置、糊塗布位置等の形態シートSの形態等を使用者が手動でまたは自動で入力し、設定可能に構成される。また、設定部は、使用者が番号等を入力や選択することで、シートSの形態等をシートSの処理内容とともに記憶部から呼び出し、設定することも可能である。また、操作パネルは、各種情報を表示する表示部としても機能する。
【0068】
次に、折装置1の動作について説明する。図15は、本第1の実施形態に係る折装置1で加工処理されるシートSの平面図である。シートSは抜型によって予め所定形状に切り抜かれている。シートSは、折り畳まれる際、折畳部7の保持部71によって搬送路20に保持される保持片と、保持片の対向位置へ折り畳まれる折片とを備える。
【0069】
図15に示すシートSの保持片は、本体Bにより構成される。折片は、前糊代D、後糊代E、前折片H、後折片Iにより構成される。そして、シートSが中央折目C5で半分に折り畳まれるとき、本体Bの上流側部分Brが保持片を構成し、本体Bの下流側部分Bfが折片を構成する。
【0070】
シートSには、搬送部2の搬送方向Fに沿った縦折目Cfまたは搬送方向Fに直交する幅方向Wに沿った横折目Cwが設けられる。図15に示すシートSは、幅方向Wの位置が同じ1本の縦折目Cfを備える。この縦折目Cfの下流側部分は前縦折目C3であり、上流側部分は後縦折目C4である。横折目Cwは、2本設定される。横折目Cwは、前横折目C1、後横折目C2を備える。
【0071】
前糊代D及び後糊代Eには、糊Gが塗布される。前糊代D、後糊代E、前折片H、後折片Iは、それぞれ前横折目C1、後横折目C2、前縦折目C3、後縦折目C4でそれぞれ本体Bに向けて折り畳まれる。更に、シートSは、本体Bが中央折目C5で半分に折り畳まれることで、同図(b)に示す加工処理物Jが形成される。
【0072】
折装置1によってシートSを加工処理する際は、シートSが供給トレイ94に載置される。図16は、シートSが順次折り畳まれる際の各工程を示す。吸引搬送部95によって供給トレイ94上の最上位のシートSが下流側の斜行補正部4へ供給される。
【0073】
斜行補正部4で、シートSは、斜行ベルト42の走行によって、図15で左側に示す側縁Qを、ガイド41に沿わせつつ搬送され、斜行が修正される。シートSが縦クリース部5に至ると、図16(b)において、二点鎖線で示すように、搬送方向Fに沿って前縦折目C3及び後縦折目C4が形成される。
【0074】
その後、シートSは横クリース部6へ搬送される。シートSの前横折目C1が凹部材61及び凸部材62の間に位置するタイミングで、制御部9は搬送部2によるシートSの搬送を停止する。そして、制御部9は、昇降部63を駆動し、凹部材61、シートSを介して凸部材62に係合し、前横折目C1を形成する。後横折目C2についても、前横折目C1と同様に形成される。これより、図16(c)に示す前横折目C1及び後横折目C2が形成される、
【0075】
その後、シートSの先頭部分は、第1折畳部11を通過し、第2折畳部12に至る。前横折目C1が第2折畳部12の左右一対の第2回転軸59を結ぶ直線の上方に至ると、制御部9はシートSの搬送を停止する。
【0076】
図17は、前横折目C1でシートSを折り畳むために、制御部9が搬送部2の搬送を停止した状態の折装置1の一部の概略構成を示す平面図である。図18は、図17の状態の要部を示す斜視図である。図17,18では、シートSが搬送ローラ27及び挟持ローラ28に挟持されている。前横折目C1は、第2折畳部12の第2回転軸59を結ぶ直線の上方に位置している。第2折畳部12の上流側に隣接して設置されている挟持ローラ282及び下流側に隣接して設置されている挟持ローラ283は、それぞれシートSの本体B及び前糊代Dの一部をそれぞれ挟持している。同図において矢印で示すように、前横折目C1で前糊代Dを上流側の本体Bに向けて折り返し、前糊代Dを一点鎖線で示す位置に折り返そうとしても、挟持ローラ282、283が前糊代Dの折返しの経路上に存在しており、このままでは前糊代Dを本体Bに向けて折り畳むことはできない。
【0077】
そこで、制御部9は、第2折畳部12の上流及び下流に隣接して設置された挟持ローラ282、283を退避部39によって搬送路20から退避させる。制御部9は、第2、3退避部22,23の退避駆動部33をそれぞれ駆動する。これより退避部39の回転体35を所定量回転させる。リンク36が軸支部37に作用し、軸支部37を、揺動軸38を軸心に揺動させる。
【0078】
挟持位置において、軸支部37が幅方向Wに延在し、回転軸34が水平方向にあった挟持ローラ282、283は、図14に示すように回転軸34を上下方向に沿う向きとなるよう引き上げられる。
【0079】
挟持ローラ282,283は挟持位置で前糊代D及び本体Bをそれぞれ挟持した状態から、搬送路20の側方の退避位置へ移動する。これにより、図19に示すように、シートSは、搬送路20上で、挟持ローラ282,293に挟持された状態から解放される。第2折畳部12の周辺においてシートSの上面はむき出しの状態となる。
【0080】
一方、シートSの下面は搬送路20の下側の搬送ローラ27及び第2保持部57に支持される。挟持ローラ282,283の退避位置への移動の際、制御部9は、シートSの大きさに応じた所定範囲で、負圧が発生するよう第2折畳部12の切替部715を制御する。そして、制御部9は、負圧発生装置を駆動する。負圧発生装置の駆動により、搬送路20上でシートSが存在する範囲に対応する位置の接続部材714に負圧が発生し、通気口713からシートSが吸引される。シートSは、保持台711上に保持される。
【0081】
次に、制御部9は、折畳駆動部732を駆動する。折畳駆動部732の駆動により、動力伝達部736を介して回転軸74が所定量回転される。折畳ユニット750は、回転軸74を軸心に回転される。図20に示すように第2折返部材55及び第2折返ローラ60は、折畳位置へ移動し、第2保持部57及び第2搬送ローラ272にそれぞれ対向される。
【0082】
前糊代Dは、搬送路20の上で前横折目C1を回転中心として回転され、円弧を描いて上流側へ向けて折り返され本体Bの対向位置へ移動される。このようにして前糊代Dは本体B上に重ねられ、図16(d)に示すように、シートSは、前横折目C1で折り畳まれる。この状態の斜視図を図21に示す。
【0083】
第2折畳部12の両側の挟持ローラ282,283がいずれも退避位置に移動しているので、前糊代Dが搬送路20の上で折り畳まれる際の前糊代Dの移動経路に挟持ローラ282,283が存在することで、折畳動作が妨げられるといったことがない。
【0084】
制御部9は、折畳位置から、折畳ユニット750をさらに回転するよう折畳駆動部7323を制御する。図8に示すリンク機構733の作用により 折畳位置において、保持台711に対しシートSを押圧していた折返部材721の押圧力が解除される。折返部材721は、保持台711から離間する方向へ所定量移動し、図9に示すように、 保持台711と折返部材721との間に隙間Kが生じる。一方、折返ローラ90は付勢部材278の付勢力により搬送ローラ27に強く押圧される。このようにして、保持台711への折返部材721の押圧力が解除された状態で、シートSが下流側へ搬送される。
【0085】
前横折目C1は、第1糊塗布部31及び第3折畳部13を通過する。前糊代Dが第2糊塗布部32に至ると、制御部9は搬送部2を停止する。制御部9は第2糊塗布部32の第2ノズル91から糊Gを噴射し、図16(e)に示すように、折り返された前糊代Dの上面に糊Gを塗布する。
【0086】
更に、制御部9は、前糊代Dへ糊塗布した位置のままで、シートSを下流側へ搬送することなく、図16(f)に示すように、前縦折目C3で前折片Hを本体Bへ向けて折り返す。このとき、制御部9は、まず、第4退避部24を駆動し、第3折畳部13に設置された搬送路20の上側の挟持ローラ284を挟持位置から退避位置へ移動する。これより、前折片Hを本体Bに向けて折り畳むときに、挟持ローラ284が本体B上に位置することで、折畳動作を妨げるといったことが生じない。
【0087】
制御部9は、第3回転部68を駆動する。第3折返部66は第3回転軸69を軸心に揺動され、第3保持部67の対向位置に至る。
【0088】
シートSは、前縦折目C3で折り畳まれる。前折片Hは本体Bの上方に重ねられる。このとき、シートSの先頭部分には、本体Bの上に前糊代Dがすでに折り畳まれ、対向しており、更に前糊代Dの上面に糊Gが塗布されているので、前糊代Dの上面と前折片Hの前端部分下面が接着される。
【0089】
その後、制御部9は、第4退避部24を駆動する。挟持ローラ284は退避位置から挟持位置へ移動される。挟持ローラ284は搬送路20の下側の搬送ローラ274との間で、本体B及び前折片Hを挟持する。制御部9が搬送駆動部を駆動すると、挟持ローラ284とこれに対向する搬送ローラ274とによってシートSは下流側へ搬送される。
【0090】
その後、シートSの後部の後横折目C2が、第1折畳部11の第1回転軸49設置位置に至ると、制御部9は搬送駆動部を停止する。第1折畳部11の上流側に隣接する挟持ローラ281と、下流側に隣接する挟持ローラ282を第1退避部21及び第2退避部22をそれぞれ駆動することで、挟持位置から退避位置へ移動する。これより、挟持ローラ281、282が挟持していたシートSは解放される。
【0091】
そして、制御部9はシートSを第1保持部47に保持した状態で、第1回転部48により、シートSを後横折目C2に沿って折り畳む。後糊代Eが本体Bの上方に位置される。これより、シートSは図16(g)に示す状態となる。
【0092】
折畳位置から更に折畳駆動部732を駆動し、回転ユニット750を支持位置から折畳位置へ移動するときと同じ図7における反時計回りに回転することで、折畳ユニット750は支持位置から180度を超えて回転し、折畳位置において、保持台711に対しシートSを押圧していた折返部材721の押圧力を解除する。保持台711への折返部材721の押圧力が解除された状態で、シートSが下流側へ搬送される。
【0093】
後糊代Eが第1糊塗布部31に至ると、制御部9は、搬送部2を停止する。制御部9が、第1ノズル81から糊Gを噴射すると、図16(h)に示すように、後糊代Eの上面に糊Gが塗布される。
【0094】
更に、制御部9は、後糊代Eへ糊塗布した位置のままで、シートSを下流側へ搬送することなく、後縦折目C4で後折片Iを本体Bへ向けて折り返す。このとき、制御部9は第3折畳部13に設置された挟持ローラ284を退避させるよう退避駆動部33を駆動する。挟持ローラ284は挟持位置から退避位置へ移動させる。
【0095】
制御部9は、第3回転部68を駆動し、第3折返部66を第3回転軸69を軸心に揺動し、第3保持部67の対向位置に位置させる。これにより、シートSは、後縦折目C4で折り畳まれる。本体Bと後折片Iの間に位置する後糊代E上面の糊Gにより、後糊代Eと後折片Iの後端部分が接着される。これより、シートSは図16(i)に示す状態となる。
【0096】
制御部9は第4退避部24によって挟持ローラ284を挟持位置へ戻す。そして、制御部9は、搬送部2を駆動する。中央折目C5が第4折畳部14に至ると、搬送部2を停止する。制御部9は、第4折畳部14の下流側に隣接する3つの挟持ローラ286―288を第6退避部26によって一体で挟持位置から退避位置へ移動する。
【0097】
制御部9は、第4折返部76を揺動して、第4保持部77に保持された保持片としての本体Bの上流側部分Brに、本体Bの下流側部分Bfを近接させ、シートSを中央折目C5で折り畳む。
【0098】
制御部9は、折畳位置から折畳ユニット750をさらに回転し搬送位置へ移動し、保持台711へのシートSの押圧力を解除する。折返ローラ90と搬送ローラ27との間でシートSを挟持し、下流側へ搬送する。折り畳まれたシートSは、中央折目C5を先頭に搬送部2により搬送される。
【0099】
シートSの先頭部分が押圧部8に至ると、制御部9は搬送部2を停止する。制御部9は、昇降部87を駆動し、搬送路20の上側の押圧部材85を下側の押圧部材86に向けて下降する。中央折目C5は、一対の押圧部材85,86によって押圧され、しっかりと折り畳まれる。
【0100】
制御部2は搬送部2の駆動を再開し、シートSの後端部分が押圧部8に至った時点で搬送を停止する。制御部2は、一対の押圧部材85,86によって上下に重ねられた前横折目C1、後横折目C2を押圧する。前横折目C1及び後横折目C2はよりしっかりと折り畳まれるとともに、塗布された糊Gにより前糊代Dと前折片H、後糊代Eと後折片Iとが強固に接着される。加工処理により得られた加工処理物Jは、排出トレイ99上に排出される。
【0101】
以上より、本第1の実施形態に係る折装置1は、シートSを搬送する搬送ローラ27が設けられた搬送部2と、搬送ローラ27により搬送されるシートSを折り畳む折畳部7とを備え、搬送部2には、搬送ローラ27との間でシートSを挟持し搬送する挟持ローラ28と、折畳部7でシートSが折り畳まれるときに、搬送路20から挟持ローラ28を退避させる退避部39とが設けられ、折畳部7には、シートSの保持片を搬送路20上に保持する保持部71と、保持部71によって保持された保持片の対向位置へシートSの折片を折返す折返部72とが設けられ、折返部72は、折畳まれたシートSを、搬送ローラ27との間で挟持し搬送可能な折返ローラ90が設けられたので、シートSを折り畳んだ後、搬送ローラ27と折返ローラ90のと間でシートSを挟持し搬送することができる。この場合、折返部72をもとの支持位置へ戻し、挟持ローラ28を退避位置から挟持位置へ移動して、搬送ローラ27と挟持ローラ28との間でシートSを挟持し搬送する場合に比較して、短時間でシートSを下流側へ搬送することができる。
【0102】
また、本実施形態では、折返ローラ90は、挟持ローラ28より幅方向Wの長さが長く形成されているので、折り畳まれたシートSを搬送ローラ27との間で挟持し搬送するローラ19が、折返ローラ90であると、挟持ローラ28であるときよりも折目Cを挟持し、押圧可能な範囲が大きくなり、幅方向Wの全範囲で折目Cを挟持し搬送することができる。よって、よりしっかりとシートSを折目Cで折り畳むことができる。
【0103】
(第2の実施形態)本発明の第2の実施形態について以下に説明する。尚、以下の各実施形態では、上記第1の実施形態と制御部9の制御方法が異なるのみで、折装置1の各部の構成は同じである。
【0104】
上記第1の実施形態では、第1、2、4折畳部11,12,14で折片を保持片へ重ね合わせ折り畳んだ後、搬送ローラ27との間でシートSを挟持し、下流側へ搬送するローラ19が、折返ローラ90であった。しかし、シートSの厚さが、所定値より厚くなると、このように搬送ローラ27と折返ローラ72との間で、シートSを搬送するのが困難となることがある。
【0105】
例えば、折畳位置から搬送位置へ折返しユニット750を移動させると、保持台711と折返部材721との間に隙間Kが形成される。しかし、シートSの厚さが所定値以上であるときに十分な隙間Kを確保できなくなる恐れがある。
【0106】
このように、制御部9は、折り畳まれるシートSの厚さ、紙質、表面加工の状態、大きさ、打ち抜型の形状、タイプ、印刷状態等の形態が異なる場合、シートSの形態に基づいて、折畳まれたシートSを、挟持ローラ28または折返ローラ72のいずれを用いて搬送するかを制御する。
【0107】
折り畳まれるシートSの形態は、作業者が操作パネルや通信端末から入力し、設定するか、または、シートSの形態を検出するための図示しない検出部によって検出され、制御部9に送信される。検出部としては、例えば、厚みセンサ、用紙幅検出センサ等のうち少なくともいずれか一つを用いることができる。
【0108】
そして例えば、検出部が厚みセンサであるとき、制御部9は、検出部の検出結果から、シートSの厚さが、所定値より厚いかどうかを判断する。制御部9は、シートSが所定値より厚いときに、折畳部7において、折返部72を反転してシートSを折り畳んだ後、折畳位置から搬送位置へ折返部72を移動させるのに変えて、折畳駆動部732を逆回転し、折返部72をもとの支持位置へと戻す。そして、制御部9は、退避駆動部33を駆動し、挟持ローラ28を退避位置から挟持位置へ移動させる。その後、制御部9は、搬送部2を駆動することで、シートSは搬送ローラ27と挟持ローラ28とで挟持され、下流側へ搬送することができる。
【0109】
このように、本第2の実施形態では、折り畳まれるシートSの形態に基づいて、折畳まれたシートSを、挟持ローラ28または折返ローラ72のいずれを用いて搬送するかを制御する制御部9を備えたので、搬送ローラ27と折返ローラ72とでシートSを搬送することが困難な場合であっても、搬送ローラ27と挟持ローラ28とによってシートSを下流側へ搬送することができる。
【0110】
(第3の実施形態)第3の実施形態では、加工処理を行う対象のシートSaの形状が上記第1の実施形態とは異なるとともに、これに応じて制御部9の制御方法が上記第1,2の実施形態とは異なる。図22は、第3の実施形態にかかるシートSaを示し、このシートSaが順次折り畳まれる際の各工程を示す。第1の実施形態と同様に、シートSaは抜型によって予め所定形状に打ち抜かれているが、第1の実施形態とは異なる形状に設定される。図22に示すシートSaには、幅方向Wの位置が異なる4本の縦折目C5―C8と、幅方向Wに沿った第1―4横折目C9―C12が設けられる。
【0111】
シートSaは、横折目C9―C12によって幅方向Wに平行に4つに区画される。シートSaは前折片R、前本体T,後本体U、後折片V,糊代Yを備える。シートSaが、搬送方向F下流側から3番目の第3折目C11で折り畳まれると、後本体Uの上に後折片Vが重ねられ、前本体Tの下流側端部に後折片Vが重ねられ、同図(b)に示す状態となる。そして、同図(c)に示すように、糊代Yの上面に糊Gが塗布される。シートSaが最下流の第1折目C9で折り畳まれると、前本体Tの上に前折片Rが重ねられるとともに、後糊代Yの上に前折片Rが重ねられ糊付けされて、同図(d)に示すようにシートSaが筒状に形成される。
【0112】
縦折目C5―C8は縦クリース部5で加工処理される。複数の縦折目Cfを同時に形成するために、縦クリース部5には、複数の縦クリース刃(図示省略)を設置することとしてもよい。また、縦クリース刃501が1つしかない場合であっても、制御部9は、1つの縦折目Cfを形成したのち、搬送部2を制御し、シートSを上流側へ逆走させるとともに、縦クリース刃501を、縦折目Cfを形成すべき幅方向Wの所定位置へ適宜移動されることで、幅方向Wに並設された縦折目Cfを形成することができる。
【0113】
横折目C9―C12は横クリース部6で加工処理される。
【0114】
図23は、シートSaの搬送方向F下流側から3番目の横折目Cwである第3折目C11でシートSaを折り畳むために、制御部9が搬送部2の搬送を停止した状態の折装置1の一部を示す平面図である。この状態では全ての挟持ローラ28がシートSaの挟持位置にあり、シートSaが搬送ローラ27及び挟持ローラ28に挟持されている。
【0115】
第3折目C11は、第1折畳部11の左右一対の第1回転軸49を結ぶ直線の上方に位置している。第1折畳部11の上流側に隣接して設置されている挟持ローラ281及び下流側に隣接して設置されている挟持ローラ282は、それぞれシートSaの後折片V及び後本体Uをそれぞれ挟持している。同図において矢印で示すように、第3折目C11で後折片Vを下流側の後本体Uに向けて折り返すために、後折片Vの折返しの経路上に存在している挟持ローラ281、282を退避部39によって搬送路20から退避させる。
【0116】
制御部9は、第1、2退避部21,22をそれぞれ駆動する。図24に示すように、挟持ローラ281、282は、挟持位置から引き上げられ、搬送路20の側方の退避位置へ移動する。制御部9は、第1保持部47により、シートSaを保持台711上に保持し、第1回転部48を駆動する。図25に示すように、折返ユニット750が下流側へ向けて反転しシートSaは、第3折目C11で折り畳まれる。
【0117】
挟持ローラ281,282がいずれも退避位置に移動しているので、後折片Vを適切に後ろ本体Uに重ね合わせ、折り畳むことができる。その後、制御部9は、折畳ユニット750を折畳位置から搬送位置までさらに回転し、搬送駆動部を駆動して、搬送ローラ272と第1折返ローラ50とを用いてシートSaを下流側へ搬送する。
【0118】
このとき、必要により、制御部9はシートSaの形態に基づいて、挟持ローラ28または折返ローラ90のいずれを用いて搬送するかを制御することができる。そして、制御部9は、折返ローラ90に替えて挟持ローラ28を用いてシートSaを下流側へ搬送してもよい。この場合、制御部9は、折返ユニット750を折畳位置から支持位置へと戻す。また、制御部9は、挟持ローラ28を退避位置から挟持位置へ移動する。そして、シートSaを搬送ローラ27と挟持ローラ28とによって下流側へ搬送するよう制御することとなる。
【0119】
糊代Yが第2糊塗布部32に至ると、制御部9は搬送部2を停止する。制御部9は第2糊塗布部32の第2ノズル91から糊Gを噴射し、図22(c)に示すように、折り返された糊代Yの上面に糊Gを塗布する。
【0120】
その後、制御部9はシートSaの第1折目C9が、第4折畳部14に至ると、搬送部2を停止する。制御部9は、第4折畳部14の下流側に隣接する3つの挟持ローラ286―288を一体で挟持位置から退避位置へ移動する。制御部9は、第4折返部76により前折片Rを前本体Tに向けて回転し、図22(d)に示すように、シートSaを第1折目C9で折り畳む。
【0121】
このとき、糊代Yの上に前折片Rの下面が重ね合わされ接着される。制御部9は、その後、搬送ローラ27と、折返ローラ90または挟持ローラ283のいずれかとを用いてシートSaを下流側へ搬送する。シートSaの第1折目C9、第3折目C11が押圧部8に至ると、制御部9は搬送部2を停止し、押圧部材85、押圧部材86によって押圧され、しっかりと折り畳まれる。
【0122】
(第4の実施形態)図26は、第4の実施形態にかかるシートSbを示し、このシートSbが順次折り畳まれる際の各工程を示す。第1、3の実施形態と同様に、シートSbは抜型によって予め所定形状に打ち抜かれている。図26に示すシートSbは、上記第3の実施形態にかかるシートSaと折目Cの数が同じであり、類似する形状を有する。すなわち、搬送部2の搬送方向Fに沿った4本の縦折目Cfbと、搬送方向Fに直交する幅方向Wに沿った第1―4折目C13-C15が設けられる。シートSbは、第1-4折目C13―C16によって、前折片L、中折片M,前本体N、後本体O,糊代Pの4つに区画される。
【0123】
一方、第4の実施形態にかかるシートSbの大きさは、第3実施形態にかかるシートSaより小さく設定される。このため、第3の実施形態と同様に、第3折目C15で折畳み、後本体Oを前本体Nに重ねるとシートS全体の搬送方向Fの長さが小さくなり過ぎる。そして、シートSbの長さが前後に並設される搬送ローラ27及び各折畳部11-14の間の長さより短くなり、搬送路20から落下する恐れがある。
【0124】
そこで、本第4の実施形態にかかるシートSbは、図26(b)に示すように、第4折目C16で折り畳まれ、糊代Pが後本体Oの上に重ねられる。そして、糊代Pに糊Gが塗布される。その後、シートSbが最下流から2番目の第2折目C14で折り畳まれる。これより、図26(c)に示すように、中折片Mが、前本体N及び後本体Oに重ねられるとともに、前折片Lが後本体Oに重ねられる。前折片Lの下面は、糊代P上面に塗布された糊に接着され、シートSbが筒状に形成される。
【0125】
図27は、シートSbの搬送方向F最も下流側の第4折目C16でシートSbを折り畳むために、第4折目C16が、第1折畳部11の左右一対の第1回転軸49を結ぶ直線の上方に位置したとき、制御部9が搬送部2の搬送を停止した状態を示す。
【0126】
シートSbの第4折目C16で糊代Pを下流側に向けて折り返すには、糊代Pの折返しの経路上に存在している挟持ローラ283を第2退避部22によって搬送路20から退避すればよい。
【0127】
制御部9は、第2退避部22を駆動し、挟持ローラ282を挟持位置に引き上げ、退避位置へ移動する。そして、制御部9は折返ユニット750を反転し、シートSbは、第3折目C14で折り畳まれる。
【0128】
その後、制御部9は、折畳ユニット750を折畳位置から搬送位置までさらに回転し、搬送駆動部を駆動して、搬送ローラ272と第1折返ローラ50とを用いてシートSを下流側へ搬送する。または、制御部9は、折返ユニット750を折畳位置から支持位置へと戻し、挟持ローラ282を退避位置から挟持位置へ移動する。そして、シートSbを搬送ローラ27と挟持ローラ28とによって下流側へ搬送することとしてもよい。
【0129】
糊代Pが第2糊塗布部32に至ると、制御部9は搬送部2を停止する。制御部9は第2糊塗布部32の第2ノズル91から糊Gを噴射し、第1折畳部14で折り返された糊代Pの上面に糊Gを塗布する。
【0130】
その後、制御部9はシートSの第2折目C14が、第4折畳部14に至ると、搬送部2を停止する。シートSbは、第4折畳部14の下流側に隣接する3つの挟持ローラ286―288に届かないので、制御部9は、挟持ローラ286-288を移動することなくそのままの状態とする。そして、制御部9は、第4折返部76により前折片L及び中折片Mを前本体N及び後本体Oに向けて回転し、図26(c)に示すように、シートSbを第2折目C14で折り畳む。
【0131】
このとき、糊代Pの上に前折片Lの下面が重ね合わされ接着される。制御部9は、その後、搬送ローラ27と、折返ローラ90によってシートSbを下流側へ搬送する。シートSbが下流側の挟持ローラ286-288の設置位置に至ると、挟持位置の挟持ローラ286-288と搬送ローラ27とによってシートSbが搬送され、押圧部8へ送られる。
【0132】
尚、本発明は、上述した各実施形態に限定されない。上記実施形態では、折返部72は、シートSに形成された折目Cを回転中心として折片を保持片に向けて回転する回転部を備えたが、これに替えて、折目以外の他の箇所を回転中心として、保持片に折片を近接させてもよく、折片は回転移動でなく、保持片に平行に必要な量移動し、折り畳んでもよい。
【0133】
また、折畳部7は、シートSに設けられた搬送部2の搬送方向に沿った縦折目または搬送方向に直交する幅方向に沿った横折目でシートを折り畳んだが、折目は搬送方向に対し斜めであってもよい。また、退避部39は、ローラ19を回転自在に軸支する軸支部37を搬送路20の外方へ向けて移動する移動部30を備えたが、ローラ自体を移動させてもよく、搬送路20の上方又は下方であって、折畳動作を阻害しない位置にローラを退避させてもよい。
【0134】
また、移動部30は、軸支部37を、揺動軸38を軸心に揺動する揺動部40を備えたが、軸支部37を上下方向に移動してもよく、昇降してもよく、平行移動してもよく、斜めに移動してもよい。また、揺動軸38は、搬送方向Fに沿って延在したが、軸支部37を搬送方向に対し前方または後方へ三次元で移動することで、揺動軸38が搬送方向Fに対し斜めに形成されてもよい。また、退避部39は、ローラ19の回転軸34が搬送部2の搬送方向Fに直交する幅方向Wに沿った挟持位置から、回転軸34が幅方向Wに交差する方向となる退避位置へローラ19を移動したが、搬送方向に平行な退避位置へローラを移動してもよい。
【0135】
また、退避位置では、回転軸34が上下方向に沿う場合を示したが、退避位置でローラの回転軸が搬送方向に沿った搬送路の外方へ退避させてもよい。また、退避部39によって退避可能な挟持ローラ281-288は、幅方向Wに3つに分割された場合を示したが、2つまたは4つ以上に分割されもよく、分割されていなくてもよい。また、挟持ローラ281-288の幅方向Wの長さは搬送路20の幅方向Wの長さの半分程度である場合を示したが、半分より短くてもよく、それより長くてもよく、搬送路の長さより長くてもよい。
【0136】
また、退避部39は、搬送路20の片側のみに設けたが、ローラが幅方向で分割され、それぞれ個別に軸支されている場合、退避部を搬送路の左右両側に設け、ローラを搬送路の左右両側に退避させてもよい。
【0137】
また、折装置1は、第1,2糊塗布部81,82を備えたが、糊塗布部はなくてもよく、3個以上の糊塗布部を備えてもよい。第1、2糊塗布部81,82で、前糊代D及び後糊代Eへそれぞれ糊塗布した位置のままで、搬送することなく、前縦折目C3,後縦折目C4で前折片H,後折片Iをそれぞれ折り畳んだが、糊塗布部と折畳部が離れた場所に設置されている場合には、糊塗布後シートの折目が所定の折畳部に至るまで、該シートを搬送し、折目が適正な折畳部に至った時点で、シートの搬送を停止し、折畳処理してもよい。
【0138】
また、折装置1は、折目を形成する縦クリース部5及び横クリース部6を備えたが、折目形成済みのシートを折り畳み処理する場合、折目を形成する機構を備えなくてもよい。また、折装置1は、第1―4折畳部11―14を備えたが、少なくとも1つの折畳部を備えればよく、2または3個の折畳部を備えてもよく、5個以上の折畳部を備えてもよい。
【0139】
また、折装置1で折畳処理されるシートの形状は、上記各実施形態に示すものに限定されず、折目に沿って折り畳むことが可能なシートであればよく、名刺を収容箱を形成するシートや、瓶、容器、洋酒等を収容するための容器を形成するシート、クリスマスカードや会員証、クーポン券等の各種折り畳み用紙を形成するためのシートであってもよい。
【0140】
また、各種加工処理情報は、操作パネルより使用者が手動設定したが、読取部によりバーコードや二次元コード等を読み取ることで自動的に入力してもよく、パソコンなど外部の情報折装置と通信を行って設定してもよい。また、予め操作パネルからの手動入力によって、シートの折畳パターンを複数記憶手段に記憶しておき、各パターンを番号などによって呼出して、設定することとしてもよい。
【0141】
また、折畳を行う折畳部7の上流側及び下流側に隣接する挟持ローラ281-288を退避部39によって退避させたが、全ての挟持ローラ281―288を一度に退避位置へ移してもよい。
【符号の説明】
【0142】
S シート、2 搬送部、7 折畳部、20 搬送路、27 搬送ローラ、28 挟持ローラ、39 退避部、71 保持部、72 折返部、90 折返ローラ。
図1
図2
図3
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図5
図6
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図10
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