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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115756
(43)【公開日】2023-08-21
(54)【発明の名称】スクリュ圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04C 29/02 20060101AFI20230814BHJP
【FI】
F04C29/02 351
F04C29/02 311K
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022018150
(22)【出願日】2022-02-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100137143
【弁理士】
【氏名又は名称】玉串 幸久
(72)【発明者】
【氏名】池上 祥治
(72)【発明者】
【氏名】森長 謙太
(72)【発明者】
【氏名】西地 喜章
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和平
【テーマコード(参考)】
3H129
【Fターム(参考)】
3H129AA03
3H129AA17
3H129AA21
3H129AB05
3H129BB37
3H129CC02
3H129CC25
3H129CC42
(57)【要約】
【課題】油回収器から油分離器に至るまでの流路において発生する油分を含むドレンを回収できるスクリュ圧縮機を提供する。
【解決手段】スクリュ圧縮機1は、貯槽2から需要先8にボイルオフガスである対象ガスを供給するためのものであり、対象ガスを圧縮する油冷式の圧縮機本体10と、対象ガスから油を分離する油回収器20と、対象ガスに含まれる油をさらに分離する油分離器30と、油分離器30から油分を含むドレンを回収するドレン回収部40とを備える。ドレン回収部40は、圧縮機本体10に接続されるとともに圧縮空間に油分を含むドレンを戻すドレン流路42を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯槽内の液化ガスから発生したボイルオフガスであり且つ0℃未満の温度となる場合がある対象ガスを吸入し、少なくともエンジン又は発電設備の一方を含む需要先へと前記対象ガスを供給するスクリュ圧縮機であって、
油冷式の圧縮機本体と、
前記圧縮機本体から吐出された対象ガスから油を分離して貯める油回収器と、
前記油回収器の下流側に位置し、対象ガスに含まれる油をさらに分離する油分離器と、
前記油分離器に接続され、油分を含むドレンを回収するドレン回収部と、を備え、
前記ドレン回収部は、前記圧縮機本体に接続されており、圧縮空間に油分を含むドレンを戻すドレン流路を有する、スクリュ圧縮機。
【請求項2】
前記ドレン流路には、前記圧縮空間に向けて流れる対象ガスに抵抗を与える抵抗手段が設けられている、請求項1に記載のスクリュ圧縮機。
【請求項3】
前記スクリュ圧縮機は、前記油回収器よりも下流の流路に接続され、前記油回収器から前記油分離器に至るまでの流路から油分を含むドレンを回収する第2のドレン回収部をさらに備え、
前記第2のドレン回収部は、前記圧縮機本体又は前記ドレン流路に接続されているとともに油分を含むドレンを前記圧縮空間又は前記ドレン流路に流入させる第2のドレン流路を有する、請求項1または請求項2に記載のスクリュ圧縮機。
【請求項4】
前記第2のドレン流路には、前記圧縮空間に向けて流れる対象ガスに抵抗を与える抵抗手段が設けられている、請求項3に記載のスクリュ圧縮機。
【請求項5】
前記スクリュ圧縮機は、前記油回収器から前記油分離器に至るまでの前記流路上に配置され、前記対象ガスと、この対象ガスの温度よりも低い温度を有する流体とを熱交換させるための熱交換部をさらに備え、
前記第2のドレン流路は、前記熱交換部に接続されている、請求項3または請求項4に記載のスクリュ圧縮機。
【請求項6】
前記第2のドレン流路は、前記ドレン流路に接続されており、
前記ドレン流路は、前記ドレン回収部により回収した油分を含むドレンと、前記第2のドレン回収部により回収された油分を含むドレンとが流れる合流流路を含んでいる、請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載のスクリュ圧縮機。
【請求項7】
前記抵抗手段がオリフィスである、請求項2または請求項4に記載のスクリュ圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリュ圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスを圧縮して需要先に供給するスクリュ圧縮機が知られている。特許文献1には、図8に示すように、液化天然ガス(LNG)運搬船において、貯槽503において発生したボイルオフガスを圧縮機本体504により圧縮して、需要先502に供給するためのスクリュ圧縮機501が開示されている。このスクリュ圧縮機501は、ボイルオフガスを圧縮する圧縮機本体504と、圧縮機本体504から吐出されたガスから油(潤滑油成分)を分離する油回収器509及び油分離器516と、油回収器509により分離した油を圧縮機本体504に戻す循環用配管526と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-348752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のスクリュ圧縮機501では、油回収器509によって圧縮機本体504から吐出されたガスから分離された油が、循環用配管526を通じて圧縮機本体504に戻されて潤滑油として再度供給される。しかしながら、特許文献1のスクリュ圧縮機501では、油回収器509から油分離器516に至るまでの流路において油分を含むドレンが発生することについては考慮されていない。
【0005】
そこで本発明は、上記課題に鑑み成されたものであり、油回収器から油分離器に至るまでの流路において発生する油分を含むドレンを回収できるスクリュ圧縮機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するために、本発明に係るスクリュ圧縮機は、貯槽内の液化ガスから発生したボイルオフガスであり且つ0℃未満の温度となる場合がある対象ガスを吸入し、少なくともエンジン又は発電設備の一方を含む需要先へと前記対象ガスを供給するスクリュ圧縮機であって、油冷式の圧縮機本体と、前記圧縮機本体から吐出された対象ガスから油を分離して貯める油回収器と、前記油回収器の下流側に位置し、対象ガスに含まれる油をさらに分離する油分離器と、前記油分離器に接続され、油分を含むドレンを回収するドレン回収部と、を備えている。前記ドレン回収部は、前記圧縮機本体に接続されており、圧縮空間に油分を含むドレンを戻すドレン流路を有している。
【0007】
このように構成されたスクリュ圧縮機では、油分離器に接続されたドレン回収部により、油回収器よりも下流の流路において発生した油分を含むドレンを回収することができる。さらに、ドレン流路により回収されたドレンが、圧縮機本体における吸込口と吐出口の間の圧縮空間に戻される。これにより、圧縮機本体に吸い込まれる前の低温の対象ガスがドレンによって加熱されて膨張してスクリュ圧縮機の処理効率が低下することを抑制できる。
【0008】
前記ドレン流路には、前記圧縮空間に向けて流れる対象ガスに抵抗を与える抵抗手段が設けられていてもよい。
【0009】
この態様では、抵抗手段によりドレン流路への対象ガスの流入を抑制することができるため、需要先に供給される対象ガスの流量が減ることを抑制できる。
【0010】
前記スクリュ圧縮機は、前記油回収器よりも下流の流路に接続され、前記油回収器から前記油分離器に至るまでの流路から油分を含むドレンを回収する第2のドレン回収部をさらに備えていてもよい。前記第2のドレン回収部は、前記圧縮機本体又は前記ドレン流路に接続されているとともに油分を含むドレンを前記圧縮空間又は前記ドレン流路に流入させる第2のドレン流路を有していてもよい。
【0011】
この態様では、第2のドレン回収部により、油分離器だけでなく油回収器から油分離器に至るまでの流路において生じた油分を含むドレンを回収できる。さらに、回収した油分を含むドレンを第2のドレン流路を通じて、圧縮機本体の圧縮空間に戻すことができる。
【0012】
前記第2のドレン流路には、前記圧縮空間に向けて流れる対象ガスに抵抗を与える抵抗手段が設けられていてもよい。
【0013】
この態様では、抵抗手段により第2のドレン流路への対象ガスの流入を抑制できるため、需要先に供給される対象ガスの流量が減ることを抑制できる。
【0014】
前記スクリュ圧縮機は、前記油回収器から前記油分離器に至るまでの前記流路上に配置され、前記対象ガスと、この対象ガスの温度よりも低い温度を有する流体とを熱交換させるための熱交換部をさらに備えていてもよく、前記第2のドレン流路は、前記熱交換部に接続されていてもよい。
【0015】
この態様では、第2のドレン流路が熱交換部に接続されているため、油分を含むドレンが生じやすい熱交換部から効果的にドレンを回収できる。
【0016】
前記第2のドレン流路は、前記ドレン流路に接続されていてもよく、前記ドレン流路は、前記ドレン回収部により回収した油分を含むドレンと、前記第2のドレン回収部により回収された油分を含むドレンとが流れる合流流路を含んでいてもよい。
【0017】
この態様では、ドレン流路と第2のドレン流路とが別々に圧縮機本体に接続される場合と比べて、ドレンを受け入れるための圧縮機本体の構造を簡素化することができる。
【0018】
前記抵抗手段がオリフィスであってもよい。これにより、簡易な構成で対象ガスの流量を制限することができる。
【発明の効果】
【0019】
本開示におけるスクリュ圧縮機によれば、油回収器から油分離器に至るまでの流路において発生する油分を含むドレンを回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態に係るスクリュ圧縮機を示す概略的な構成図である。
図2】第2実施形態に係るスクリュ圧縮機を示す概略的な構成図である。
図3】第3実施形態に係るスクリュ圧縮機を示す概略的な構成図である。
図4】第4実施形態に係るスクリュ圧縮機を示す概略的な構成図である。
図5】第5実施形態に係るスクリュ圧縮機を示す概略的な構成図である。
図6】圧縮機本体のその他の実施形態を示す概略的な構成図である。
図7】圧縮機本体のその他の実施形態を示す概略的な構成図である。
図8】特許文献1のスクリュ圧縮機を示す概略的な構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
(第1実施形態)
液化天然ガス(LNG;Liquefied Natural Gas)を運搬する船舶においては、約-160℃の極低温のLNGがタンク内に貯蔵されているが、外部から当該タンク内への熱の侵入によってLNGの一部が蒸発することにより、ボイルオフガス(BOG;Boil Off Gas)が発生する。本実施形態におけるスクリュ圧縮機1は、このボイルオフガスを所定の供給圧力まで圧縮して、例えば、船舶のエンジンや発電設備などの所定の需要先に供給する。スクリュ圧縮機1は、液体水素、液体アンモニア、液体プロパンガスなどの他の低温液化ガスを運搬する船舶内に設置して使用されてもよい。
【0023】
スクリュ圧縮機1は、図1に示すように、貯槽2に接続された吸込流路3と、貯槽2内で発生したボイルオフガスである対象ガスを圧縮するための圧縮機本体10と、圧縮された対象ガスから油分を分離する油回収器20及び油分離器30と、を備えている。スクリュ圧縮機1は、さらに、圧縮機本体10と油回収器20とを互いに接続する吐出流路4と、油回収器20と油分離器とを互いに接続するガス流路5と、ガス流路5上に配置された熱交換部であるプレヒーター51及びアフタークーラー55と、油分離器30から需要先8に対象ガスを導く需要先流路6と、を備えている。吸込流路3を通じて圧縮機本体10は貯槽2から、0℃未満(例えば-50℃~-40℃)の温度の対象ガスを吸引する。
【0024】
圧縮機本体10は、油冷式のスクリュ圧縮機構によって構成されている。具体的に、圧縮機本体10は、ケーシング11と、ケーシング11内に形成された空間に収容されている一対のスクリュロータ12と、を有している。ケーシング11内に形成された空間における一対のスクリュロータ12間には圧縮空間13が形成されている。一対のスクリュロータ12が互いに噛み合った状態で回転することにより圧縮空間13内において対象ガスが圧縮される。ケーシング11には、吸込流路3からの対象ガスを吸い込む吸込口17と、圧縮空間13から吐出された対象ガスを吐出流路4に流入させる吐出口18と、が設けられている。ケーシング11内には、ガス導入空間16とガス導出空間19とが形成されている。ガス導入空間16は、吸込口17を通して吸い込まれた対象ガスが圧縮空間13に流入する前に通過する空間である。ガス導出空間19は、圧縮空間13から吐き出された対象ガスが吐出口18を通して流出する前に通過する空間である。圧縮機本体10には、圧縮熱の排熱、内部潤滑及びシーリング等を目的として圧縮機本体10内に潤滑油が供給されており、供給された潤滑油は対象ガスと共に吐出口18から吐出される。
【0025】
油回収器20は、圧縮機本体10から吐出された対象ガスから油を分離するためのものであり、分離した油を溜めるように構成されている。油回収器20内において油が分離された対象ガスは、ガス流路5を通じて油分離器30に送られる。油回収器20内に溜められている油は、図略の油循環流路を通じて圧縮機本体10内に再度供給される。
【0026】
油分離器30は、油回収器20を通過した対象ガスから更に油を分離するためのものであり、対象ガスから油を分離させるフィルタ33と、フィルタ33を収納するケース31と、を有している。フィルタ33は、例えば、通過する対象ガスから油を捕捉できるように構成された微細繊維フィルタが用いられるが、これに限らない。油分離器30により油が分離された対象ガスは、需要先流路6を通じて需要先8に送られる。
【0027】
スクリュ圧縮機1は、油分離器30のケース31内に溜まった油分を含むドレンを回収するためのドレン回収部40を備えている。ドレン回収部40は、油分離器30と圧縮機本体10とを互いに接続しており、前記油循環流路とは別体として構成されているドレン流路42を有している。ドレン流路42の一方の端部は、ケース31の底部に設けられたドレン出口35に接続されている。圧縮機本体10のケーシング11には、圧縮空間13に開口するように油戻し流路15が設けられている。ドレン流路42の他方の端部は、この油戻し流路15に接続されている。
【0028】
プレヒーター51は、吸込流路3に接続された低温流路53と、ガス流路5に接続された高温流路52とを有している。プレヒーター51では、低温流路53を流れる低温の対象ガスが高温流路52を流れる高温の対象ガスとの熱交換により加熱される。このとき、高温流路52の高温の対象ガスが、低温流路53の低温の対象ガスによって冷やされることにより、高温流路52に油分を含むドレンが発生することがある。
【0029】
アフタークーラー55は、ガス流路5に接続された高温流路56と、冷却水を流すための低温流路57とを有している。アフタークーラー55では、高温流路56を流れる対象ガスが低温流路57を流れる冷却水により冷却される。このとき、高温流路56に油分を含むドレンが発生することがある。
【0030】
スクリュ圧縮機1は、プレヒーター51の高温流路52から油分を含むドレンを回収するための第2のドレン回収部60を備えている。第2のドレン回収部60は、プレヒーター51の高温流路52とドレン流路42とを互いに接続する第2のドレン流路61を有している。第2のドレン流路61は、プレヒーター51の高温流路52における油分が溜まり易い部位(例えば、高温流路52の下部)に接続されており、高温流路52から油分を含むドレンを流入させる。
【0031】
また、スクリュ圧縮機1は、アフタークーラー55の高温流路56から油分を含むドレンを回収するための第3のドレン回収部63を備えている。第3のドレン回収部63は、アフタークーラー55の高温流路56とドレン流路42とを互いに接続する第3のドレン流路64を有している。第3のドレン流路64は、アフタークーラー55の高温流路56における油分が溜まり易い部位(例えば、高温流路56の下部)に接続されており、高温流路56から油分を含むドレンを流入させる。
【0032】
第2のドレン流路61及び第3のドレン流路64はそれぞれ、ドレン流路42の途中部分である接続部62及び接続部65に接続されている。このため、ドレン流路42において、油分離器30から接続部65まで部分は、油分離器30からの油分を含むドレンが流れる上流流路43となる。また、ドレン流路42において、接続部65から油戻し流路15までの部分は、油分離器30からの油分を含むドレンと、少なくとも第3のドレン流路64の油分を含むドレンとが合流する合流流路44となる。
【0033】
ドレン流路42、第2のドレン流路61及び第3のドレン流路64にはそれぞれ、圧縮空間13に向けて流れる対象ガスに抵抗を与える抵抗手段46、47、48が設けられている。抵抗手段46、47、48は、例えば、各流路42、61、64の断面積を局所的に小さくして流量を絞ることにより油分を含むドレンの通過を許容する一方で、対象ガスの通過を抑制するように構成されたオリフィスが用いられるが、これに限らない。抵抗手段46、47、48は、例えば、ニードル弁、グローブ弁などが用いられてもよい。なお、各流路42、61、64には、圧縮空間13からの対象ガスの逆流を防止するための逆止弁や開閉弁が設けられていてもよい。
【0034】
ここで、スクリュ圧縮機1の運転動作について説明する。
【0035】
スクリュ圧縮機1が運転開始の指令を受けて運転を開始すると、貯槽2内の対象ガスが吸込流路3を通じてプレヒーター51に流入して昇温する。プレヒーター51において昇温した対象ガスは、吸込流路3から圧縮機本体10の吸込口17に流入し、ガス導入空間16を通過してケーシング11内の圧縮空間13に吸い込まれる。ガス導入空間16内の圧力が圧縮機本体10の吸込圧となる。
【0036】
圧縮機本体10において、圧縮空間13に吸い込まれた対象ガスは、スクリュロータ12の回転により圧縮される。このとき、対象ガスは圧縮に伴い昇温する。そして、高温・高圧の対象ガスが、潤滑油である油と共に、ガス導出空間19を通過して吐出口18から吐出流路4に吐き出される。吐出流路4に吐き出された対象ガスは油と共に、油回収器20に流入する。
【0037】
油回収器20において、対象ガスから油が分離される。油が分離された対象ガスは、ガス流路5に流入し、プレヒーター51とアフタークーラー55とを順次通過して油分離器30に向けて流れる。
【0038】
プレヒーター51において、高温流路52に流入した高温・高圧の対象ガスは、低温流路53の低温の対象ガスとの熱交換により冷却される。このとき、高温流路52の対象ガスが冷却されることにより、高温流路52において油分を含むドレンが発生する。高温流路52で発生した油分を含むドレンは、高温流路52から第2のドレン流路61に流れ出る対象ガスの流れに随伴して、第2のドレン流路61に流れる。
【0039】
アフタークーラー55において、高温流路56に流入した対象ガスは、低温流路57を流れる冷却水との熱交換により更に冷却される。このとき、高温流路56の対象ガスが冷却されることにより、高温流路56において油分を含むドレンが発生する。この油分を含むドレンは、高温流路56から第3のドレン流路64に流れ出る対象ガスの流れに随伴して、第3のドレン流路64に流れる。プレヒーター51及びアフタークーラー55を通過したガス流路5の対象ガスは、油分離器30に流入する。
【0040】
油分離器30において、対象ガスがフィルタ33を通過するときに、対象ガスに含まれる油がフィルタ33の微細繊維フィルタにより補足される。フィルタ33を通過して油が分離された対象ガスは、需要先流路6を通じて需要先8に送られる。フィルタ33により捕捉された油は、油分を含むドレンとして、ケース31の底部からドレン流路42に流れる。
【0041】
スクリュ圧縮機1の運転時では、圧縮機本体10の油戻し流路15での圧力が、吸込口17における対象ガスの圧力(圧縮機本体の10の吸込圧)よりも大きく、吐出口18における対象ガスの圧力(圧縮機本体の10の吐出圧)よりも小さい。そして、油分離器30内の圧力は、吐出口18での圧力にほぼ等しい。このため、油分離器30と油戻し流路15との間の差圧により、ドレン流路42において、油分離器30から油戻し流路15に向けて流れる対象ガスの流れが発生する(図1に矢印Aで示す)。これにより、油分離器30内の油分を含むドレンが対象ガスに随伴されてドレン流路42を通じて油戻し流路15に流れて、圧縮空間13に戻される。ただし、ドレン流路42の抵抗手段46により、ドレン流路42を流れる対象ガスの流量は抑制される。
【0042】
また、プレヒーター51の高温流路52での圧力は、油戻し流路15での圧力よりも大きいため、高温流路52と油戻し流路15との間の差圧により、第2のドレン流路61において、高温流路52からドレン流路42に向けて流れる対象ガスの流れが発生する(図1に矢印Bで示す)。これにより、高温流路52の油分を含むドレンが対象ガスに随伴されて、第2のドレン流路及び合流流路44を通じて油戻し流路15に流れて、圧縮空間13に戻される。ただし、第2のドレン流路61の抵抗手段47により、第2のドレン流路61を流れる対象ガスの流量は抑制される。
【0043】
同様に、アフタークーラー55の高温流路56での圧力は、油戻し流路15での圧力よりも大きいため、高温流路56と油戻し流路15との間の差圧により、第3のドレン流路64において、高温流路56からドレン流路42に向けて流れる対象ガスの流れが発生する(図1に矢印Cで示す)。これにより、高温流路56の油分を含むドレンが対象ガスに随伴されて、第3のドレン流路64及び合流流路44を通じて油戻し流路15に流れて、圧縮空間13に戻される。ただし、第3のドレン流路64の抵抗手段48により、第3のドレン流路64を流れる対象ガスの流量は抑制される。
【0044】
このように構成されたスクリュ圧縮機1では、油分離器30に接続されたドレン回収部40により、油回収器20よりも下流の流路において発生した油分を含むドレンを回収することができる。さらに、ドレン流路42により回収されたドレンが圧縮機本体10における吸込口17と吐出口18の間の圧縮空間13に戻される。これにより、圧縮機本体10に吸い込まれる前の低温の対象ガスが、比較的高温の油分を含むドレンにより加熱されて膨張して、スクリュ圧縮機1の処理効率が低下する、ということを抑制できる。
【0045】
さらに、第2のドレン回収部60及び第3のドレン回収部63により、油分離器30だけでなく油回収器20から油分離器30に至るまでの流路において生じた油分を含むドレンを回収できる。また、回収した油分を含むドレンを第2のドレン流路61及び第3のドレン流路64を通じて、圧縮機本体10の圧縮空間13に戻すことができる。
【0046】
さらに、第2のドレン回収部60がプレヒーター51の高温流路52に接続されており、第3のドレン回収部63がアフタークーラー55の高温流路56に接続されているため、油分を含むドレンが生じやすい熱交換部から効果的にドレンを回収できる。
【0047】
さらに、第2のドレン流路61及び第3のドレン流路64がドレン流路42に接続されているため、ドレン流路42、第2のドレン流路61及び第3のドレン流路64が別々に圧縮機本体10に接続される場合と比べて、ドレンを受け入れるための圧縮機本体10の構造を簡素化できる。
【0048】
さらに、ドレン流路42、第2のドレン流路61及び第3のドレン流路64に設けられた抵抗手段46、47、48により、各流路42、61、64への対象ガスの流入を抑制することができるため、需要先8に供給される対象ガスの流量が減ることを抑制できる。また、抵抗手段46、47、48としてオリフィスを用いているため、簡易な構成で対象ガスの流量を制限することができる。
【0049】
(第1実施形態の変形例)
なお、第2のドレン流路61及び第3のドレン流路64の一方または両方は、ドレン流路42に接続されていなくてもよい。その場合、第2のドレン流路61及び第3のドレン流路64の一方または両方は、圧縮機本体10の油戻し流路15に直接的に接続される。
【0050】
また、第2のドレン回収部60と第3のドレン回収部63の一方または両方は、プレヒーター51またはアフタークーラー55ではなく、ガス流路5に接続されていてもよい。
【0051】
なお、スクリュ圧縮機1では、ドレンの量に応じて第2のドレン回収部60及び第3のドレン回収部63の一方または両方が省略されてもよい。
【0052】
(第2実施形態)
第2実施形態に係るスクリュ圧縮機1は、図2に示すように、アフタークーラー55がガス流路5上ではなく、需要先流路6上に配置されている点において、第1実施形態によるスクリュ圧縮機1とは異なっている。この場合、第3のドレン回収部63は省略される。ここでは、実施形態1と異なる構成要素について説明し、その他の構成要素については説明を省略する。
【0053】
アフタークーラー55の高温流路56は需要先流路6に接続されている。すなわち、アフタークーラー55が、対象ガスの流れ方向において油分離器30よりも下流側に配置されている。このような構成では、油回収器20により油が分離された対象ガスは、油分離器30により更に油が分離された上で、アフタークーラー55の高温流路56に流入する。このため、アフタークーラー55の高温流路56の対象ガスにはほとんど油が含まれていない。したがって、高温流路56の対象ガスが低温流路57の冷却水により冷却されたとしても、高温流路56には油分を含むドレンがほとんど発生せず、第3のドレン回収部63を省略することが可能となる。
【0054】
(第3実施形態)
第3実施形態に係るスクリュ圧縮機1は、図3に示すように、プレヒーター51及びアフタークーラー55がガス流路5上ではなく、需要先流路6上に配置されている点において、第1実施形態によるスクリュ圧縮機1とは異なっている。この場合、第2のドレン回収部60及び第3のドレン回収部63は省略される。ここでは、実施形態1と異なる構成要素について説明し、その他の構成要素については説明を省略する。
【0055】
プレヒーター51の高温流路52は需要先流路6に接続されており、アフタークーラー55の高温流路56は需要先流路6におけるプレヒーター51よりも対象ガスの流れ方向において下流側に接続されている。すなわち、プレヒーター51及びアフタークーラー55が、油分離器30よりも下流側に配置されている。このような構成では、油回収器20により油が分離された対象ガスは、油分離器30により更に油が分離された上で、プレヒーター51の高温流路52と、アフタークーラー55とに順次流入する。このため、プレヒーター51及びアフタークーラー55では油分を含むドレンがほとんど発生せず、第2のドレン回収部60及び第3のドレン回収部63を省略することが可能となる。
【0056】
(第4実施形態)
第4実施形態に係るスクリュ圧縮機1は、図4に示すように、油分離器30が、アフタークーラー55から需要先8への対象ガスの流れに対して直列に配置された第1油分離器80及び第2油分離器81と、中間流路88とを含んでいる点において、第1実施形態によるスクリュ圧縮機1とは異なっている。この場合、ドレン流路42の上流流路43は、第1油分離器80から油分を含むドレンを流入させる第1の上流流路82と、第2油分離器81から油分を含むドレンを流入させる第2の上流流路84と、を含んでいる。ここでは、実施形態1と異なる構成要素について説明し、その他の構成要素については説明を省略する。
【0057】
本実施形態のスクリュ圧縮機1では、圧縮機本体10から吐出された対象ガスは、油回収器20、プレヒーター51、アフタークーラー55、第1油分離器80及び第2油分離器81を順次通過して需要先8に送られる。すなわち、油回収器20と、第1油分離器80と、第2油分離器81とにより3段階の対象ガスからの油の分離が行われる。これにより、対象ガスに含まれる油の量をより少なくして需要先8に供給できる。
【0058】
第1油分離器80では、フィルタ90により対象ガスから捕捉された油が、ケース91の底部に溜まる。第2油分離器81には、第1油分離器80により油が分離された対象ガスが流入し、フィルタ93により対象ガスから捕捉された比較的少量の油がケース94の底部に溜まる。第1油分離器80のケース91の底部に溜まった油分を含むドレンは、対象ガスの流れに随伴して第1の上流流路82を通じて合流流路44に合流し、油戻し流路15を通じて圧縮空間13に戻される。
【0059】
第2の上流流路84には、第2油分離器81のケース94から油を抜くための開閉弁からなる油抜き弁86が設けられている。ケース94に所定量の油分を含むドレンが溜まると、油抜き弁86が開状態に切り替えられる。これにより、第2油分離器81のケース94に溜まる油分を含むドレンが対象ガスの流れに随伴して第2の上流流路84を通じて合流流路44に合流し、油戻し流路15を通じて圧縮空間13に戻される。なお、第2の上流流路84には、第1油分離器80のケース91から油を抜くための開閉弁からなる油抜き弁が設けられていてもよい。
【0060】
第1の上流流路82及び第2の上流流路84にはそれぞれ、圧縮空間13に向けて流れる対象ガスに抵抗を与える抵抗手段46が設けられているため、第1の上流流路82及び第2の上流流路84を流れる対象ガスの流量が抑制される。
【0061】
(第5実施形態)
第5実施形態に係るスクリュ圧縮機1は、図5に示すように、第1油分離器80及び第2油分離器81が、アフタークーラー55から需要先8への対象ガスの流れに対して直列ではなく、並列に配置されている点において、第4実施形態によるスクリュ圧縮機1とは異なっている。この場合、中間流路88及び油抜き弁86は省略される。ここでは、実施形態1と異なる構成要素について説明し、その他の構成要素については説明を省略する。
【0062】
ガス流路5は、アフタークーラー55の高温流路56から対象ガスを流入させる主流路87と、主流路87と第1油分離器80とを接続する第1分岐流路96と、主流路87と第2油分離器81とを接続する第2分岐流路97と、を含んでいる。需要先流路6は、第1油分離器80から対象ガスを流入させる第3分岐流路98と、第2油分離器81から対象ガスを流入させる第4分岐流路99と、第3分岐流路98からの対象ガスと第4分岐流路99からの対象ガスとを合流させて需要先8に流す第2の主流路89と、を含んでいる。
【0063】
本実施形態のスクリュ圧縮機1では、主流路87からの対象ガスを、第1油分離器80及び第2油分離器81に別々に流入させることができる。2つの油分離器80、81を用いることにより、対象ガスから油を分離する処理量を大きくすることができるため、より大きな流量の対象ガスを需要先8に供給できる。また、主流路87から流入する対象ガスの流量が少ない場合には、2つの油分離器80、81のいずれか一方だけが用いられてもよい。
【0064】
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0065】
例えば、油戻し流路15は、図6に示すように、圧縮機本体10の圧縮空間13に開口するように設けられるのではなく、ガス導入空間16に開口するように設けられていてもよい。この態様では、ドレン流路42からの油分を含むドレンが圧縮空間13の直前のガス導入空間16に流入されるため、吸込流路3からの対象ガスに油分を含むドレンが合流するとしても、対象ガスは圧縮空間13に流入するまでに昇温し難い。これにより、圧縮機本体10に吸い込まれる前の対象ガスが、油分を含むドレンにより加熱されて膨張し、スクリュ圧縮機1の処理効率が低下することを抑制できる。
【0066】
圧縮機本体10は、図7に示すように、吸込流路3からの対象ガスを圧縮する1段目の圧縮部12aと、1段目の圧縮部12aにより圧縮された対象ガスをさらに圧縮する2段目の圧縮部12bと、を備えたタンデム構造のスクリュ圧縮機であってもよい。吸込口17とガス導入空間16とは、1段目の圧縮部12aの圧縮空間の上流側に位置する。1段目の圧縮部12aの圧縮空間と2段目の圧縮部12bの圧縮空間とは、接続流路14によって接続される。吐出口18とガス導出空間19とは、2段目の圧縮部12bから吐出された対象ガスを通過させる。この場合、油戻し流路15は、接続流路14に開口するように設けられてもよい。これにより、ドレン流路42からの油分を含むドレンを、1段目の圧縮部12aにより圧縮された対象ガスに合流させて、2段目の圧縮部12bの圧縮空間に戻すことができる。なお、油戻し流路15は、接続流路14に代えて、ガス導入空間16、1段目の圧縮部12aの圧縮空間、2段目の圧縮部12bの圧縮空間に開口するように設けられてもよい。
【0067】
スクリュ圧縮機1では、プレヒーター51及びアフタークーラー55の一方または両方が省略されてもよい。
【0068】
上記第4実施形態では、必ずしも油抜き弁86が設けられる必要はない。ドレン流路42の上流流路43は、第2の上流流路84を含まなくてもよく、この場合、第2油分離器81のケース94からの油分を含むドレンの回収は行われない。
【符号の説明】
【0069】
1・・・・・・・・・・スクリュ圧縮機
2・・・・・・・・・・貯槽
8・・・・・・・・・・需要先
10・・・・・・・・・圧縮機本体
13・・・・・・・・・圧縮空間
20・・・・・・・・・油回収器
30・・・・・・・・・油分離器
40・・・・・・・・・ドレン回収部
42・・・・・・・・・ドレン流路
44・・・・・・・・・合流流路
46、47、48・・・抵抗手段
51・・・・・・・・・プレヒーター(熱交換器)
55・・・・・・・・・アフタークーラー(熱交換器)
60・・・・・・・・・第2のドレン回収部
61・・・・・・・・・第2のドレン流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
プレヒーター51は、吸込流路3に接続された低温流路53と、ガス流路5に接続された高温流路52とを有している。プレヒーター51では、低温流路53を流れる低温の対象ガスが高温流路52を流れる高温の対象ガスとの熱交換により加熱される。このとき、高温流路52の高温の対象ガスが、低温流路53の低温の対象ガスによって冷やされることにより、高温流路52に油分を含むドレンが発生することがある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
このように構成されたスクリュ圧縮機1では、油分離器30に接続されたドレン回収部40により、油回収器20よりも下流の流路において発生した油分を含むドレンを回収することができる。さらに、ドレン流路42により回収されたドレンが圧縮機本体10における吸込口17と吐出口18の間の圧縮空間13に戻される。これにより、圧縮機本体10に吸い込まれる前の低温の対象ガスが、比較的高温の油分を含むドレンにより加熱されて膨張して、スクリュ圧縮機1の処理効率が低下する、ということを抑制できる。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯槽内の液化ガスから発生したボイルオフガスであり且つ0℃未満の温度となる場合がある対象ガスを吸入し、少なくともエンジン又は発電設備の一方を含む需要先へと前記対象ガスを供給するスクリュ圧縮機であって、
油冷式の圧縮機本体と、
前記圧縮機本体から吐出された対象ガスから油を分離して貯める油回収器と、
前記油回収器の下流側に位置し、対象ガスに含まれる油をさらに分離する油分離器と、
吸込流路に接続された低温流路と、前記油回収器と前記油分離器とを互いに接続するガス流路に接続された高温流路とを有し、前記低温流路を流れる低温の対象ガスが前記高温流路を流れる高温の対象ガスとの熱交換により加熱される、プレヒーターと、
前記油分離器に接続され、油分を含むドレンを回収するドレン回収部と、
前記プレヒーターの前記高温流路から油分を含むドレンを回収するための第2のドレン回収部と、
を備え、
前記ドレン回収部は、前記圧縮機本体に接続されており、前記圧縮機本体のケーシング内に形成された空間における一対のスクリュロータ間に形成された圧縮空間に油分を含むドレンを戻すドレン流路を有し、
前記ケーシングは、前記圧縮空間に開口するように油戻し流路を備え、
前記ドレン流路の端部は、前記油戻し流路に接続され、
前記第2のドレン回収部は、前記プレヒーターの前記高温流路と前記ドレン流路とを互いに接続する第2のドレン流路を有し、
前記ドレン流路は、前記ドレン回収部により回収した油分を含むドレンと、前記第2のドレン回収部により回収された油分を含むドレンとが流れる合流流路を含んでおり、
前記ドレン流路および前記第2のドレン流路にはそれぞれ、前記圧縮空間に向けて流れる対象ガスに抵抗を与える抵抗手段が設けられている、スクリュ圧縮機。
【請求項2】
前記ガス流路に接続された高温流路と、冷却水を流すための低温流路とを有し、前記高温流路を流れる対象ガスが前記低温流路を流れる冷却水により冷却されるアフタークーラーと、
前記アフタークーラーの前記高温流路から油分を含むドレンを回収するための第3のドレン回収部と、
をさらに備え、
前記第3のドレン回収部は、前記アフタークーラーの前記高温流路と前記ドレン流路とを互いに接続する第3のドレン流路を有し、
前記第3のドレン流路には、前記圧縮空間に向けて流れる対象ガスに抵抗を与える抵抗手段が設けられている、請求項1に記載のスクリュ圧縮機。
【請求項3】
前記抵抗手段がオリフィスである、請求項または請求項に記載のスクリュ圧縮機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
前記の目的を達成するために、本発明に係るスクリュ圧縮機は、貯槽内の液化ガスから発生したボイルオフガスであり且つ0℃未満の温度となる場合がある対象ガスを吸入し、少なくともエンジン又は発電設備の一方を含む需要先へと前記対象ガスを供給するスクリュ圧縮機であって、油冷式の圧縮機本体と、前記圧縮機本体から吐出された対象ガスから油を分離して貯める油回収器と、前記油回収器の下流側に位置し、対象ガスに含まれる油をさらに分離する油分離器と、吸込流路に接続された低温流路と、前記油回収器と前記油分離器とを互いに接続するガス流路に接続された高温流路とを有し、前記低温流路を流れる低温の対象ガスが前記高温流路を流れる高温の対象ガスとの熱交換により加熱される、プレヒーターと、前記油分離器に接続され、油分を含むドレンを回収するドレン回収部と、前記プレヒーターの前記高温流路から油分を含むドレンを回収するための第2のドレン回収部と、を備えている。前記ドレン回収部は、前記圧縮機本体に接続されており、前記圧縮機本体のケーシング内に形成された空間における一対のスクリュロータ間に形成された圧縮空間に油分を含むドレンを戻すドレン流路を有している。前記ケーシングは、前記圧縮空間に開口するように油戻し流路を備える。前記ドレン流路の端部は、前記油戻し流路に接続される。前記第2のドレン回収部は、前記プレヒーターの前記高温流路と前記ドレン流路とを互いに接続する第2のドレン流路を有する。前記ドレン流路は、前記ドレン回収部により回収した油分を含むドレンと、前記第2のドレン回収部により回収された油分を含むドレンとが流れる合流流路を含んでいる。前記ドレン流路および前記第2のドレン流路にはそれぞれ、前記圧縮空間に向けて流れる対象ガスに抵抗を与える抵抗手段が設けられている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、ドレン回収部により回収した油分を含むドレンと第2のドレン回収部により回収された油分を含むドレンとが流れる合流流路を有するため、ドレン流路と第2のドレン流路とが別々に圧縮機本体に接続される場合と比べて、ドレンを受け入れるための圧縮機本体の構造を簡素化することができる。また、抵抗手段によりドレン流路への対象ガスの流入を抑制することができるため、需要先に供給される対象ガスの流量が減ることを抑制できる。また、抵抗手段により第2のドレン流路への対象ガスの流入を抑制できるため、需要先に供給される対象ガスの流量が減ることを抑制できる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、第2のドレン回収部により、油分離器だけでなく油回収器から油分離器に至るまでの流路において生じた油分を含むドレンを回収できる。さらに、回収した油分を含むドレンを第2のドレン流路を通じて、圧縮機本体の圧縮空間に戻すことができる。
前記スクリュ圧縮機は、前記ガス流路に接続された高温流路と、冷却水を流すための低温流路とを有し、前記高温流路を流れる対象ガスが前記低温流路を流れる冷却水により冷却されるアフタークーラーと、前記アフタークーラーの前記高温流路から油分を含むドレンを回収するための第3のドレン回収部と、をさらに備えてもよい。この場合、前記第3のドレン回収部は、前記アフタークーラーの前記高温流路と前記ドレン流路とを互いに接続する第3のドレン流路を有してもよい。前記第3のドレン流路には、前記圧縮空間に向けて流れる対象ガスに抵抗を与える抵抗手段が設けられていてもよい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【補正の内容】