(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115811
(43)【公開日】2023-08-21
(54)【発明の名称】エレベータドア装置及びエレベータ
(51)【国際特許分類】
B66B 13/30 20060101AFI20230814BHJP
【FI】
B66B13/30 P
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022018226
(22)【出願日】2022-02-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横竹 孝浩
(72)【発明者】
【氏名】荒川 満紀
【テーマコード(参考)】
3F307
【Fターム(参考)】
3F307BA03
3F307CD04
(57)【要約】
【課題】 異物がレールの上面に付着することを抑制することができるエレベータドア装置を提供する。
【解決手段】 エレベータドア装置は、横方向へ移動するドアと、ドアに回転可能に接続される複数のローラと、上面でローラを下方から支持し、横方向へ延びてローラを横方向へガイドするレールと、を備え、レールは、レール本体と、レール本体に固定され、レールの上面の少なくとも一部を構成する撥水部と、を備え、撥水部の撥水性は、レール本体の撥水性よりも、高い。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向へ移動するドアと、
前記ドアに回転可能に接続される複数のローラと、
上面で前記ローラを下方から支持し、前記横方向へ延びて前記ローラを前記横方向へガイドするレールと、を備え、
前記レールは、レール本体と、前記レール本体に固定され、前記レールの前記上面の少なくとも一部を構成する撥水部と、を備え、
前記撥水部の撥水性は、前記レール本体の撥水性よりも、高い、エレベータドア装置。
【請求項2】
前記ローラに対する前記撥水部の摩擦係数は、前記ローラに対する前記レール本体の摩擦係数よりも、小さく、
前記ドアは、閉位置から開位置まで開方向へ移動し、
前記撥水部は、前記ドアが前記開位置に位置するときに、前記複数のローラのうち、最も前記開方向側に配置されるローラのみと接するように、配置される、請求項1に記載のエレベータドア装置。
【請求項3】
前記ローラに対する前記撥水部の摩擦係数は、前記ローラに対する前記レール本体の摩擦係数よりも、小さく、
前記ドアが閉位置から開位置まで移動する移動期間は、移動速度が最も速い高速度である高速期間と、その後に移動速度が減速される減速期間と、その後に前記ドアが停止するまで移動速度が低速度で一定である低速期間と、を含み、
前記撥水部は、前記高速期間及び前記減速期間で全ての前記ローラから離れ且つ前記低速期間で少なくとも一つの前記ローラと接するように、配置される、請求項1又は2に記載のエレベータドア装置。
【請求項4】
前記ドアは、閉位置から開位置まで開方向へ移動し、
前記撥水部は、前記ドアが前記開位置に位置するときに、前記ローラと接する位置から前記開方向側に配置される外側部分と、前記ローラと接する位置から前記開方向と反対方向側に配置される内側部分と、を備え、
前記内側部分の前記開方向の長さは、前記外側部分の前記開方向の長さよりも、長い、請求項1~3の何れか1項に記載のエレベータドア装置。
【請求項5】
前記ローラに対する前記撥水部の摩擦係数は、前記ローラに対する前記レール本体の摩擦係数よりも、小さく、
前記ドアは、開位置から閉位置まで閉方向へ移動し、
前記撥水部は、前記ドアが前記閉位置に位置するときに、前記複数のローラのうち、最も前記閉方向側に配置されるローラのみと接するように、配置される、請求項1~4の何れか1項に記載のエレベータドア装置。
【請求項6】
前記ローラに対する前記撥水部の摩擦係数は、前記ローラに対する前記レール本体の摩擦係数よりも、小さく、
前記ドアが開位置から閉位置まで移動する移動期間は、移動速度が最も速い高速度である高速期間と、その後に移動速度が減速される減速期間と、その後に前記ドアが停止するまで移動速度が低速度で一定である低速期間と、を含み、
前記撥水部は、前記高速期間及び前記減速期間で全ての前記ローラから離れ且つ前記低速期間で少なくとも一つの前記ローラと接するように、配置される、請求項1~5の何れか1項に記載のエレベータドア装置。
【請求項7】
前記ドアは、開位置から閉位置まで閉方向へ移動し、
前記撥水部は、前記ドアが前記閉位置に位置するときに、前記ローラと接する位置から前記閉方向側に配置される外側部分と、前記ローラと接する位置から前記閉方向と反対方向側に配置される内側部分と、を備え、
前記内側部分の前記閉方向の長さは、前記外側部分の前記閉方向の長さよりも、長い、請求項1~6の何れか1項に記載のエレベータドア装置。
【請求項8】
請求項1~7の何れか1項に記載のエレベータドア装置を備える、エレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、エレベータドア装置及びエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、エレベータドア装置は、横方向へ移動するドアと、ドアに回転可能に接続される複数のローラと、ローラを下方から支持し、横方向に延びてローラを横方向へガイドするレールとを備えている(例えば、特許文献1)。ところで、水分を含んだ塵芥等の異物が、レールの上面に付着することによって、例えば、ドアの移動が円滑に行えなくなる虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、異物がレールの上面に付着することを抑制することができるエレベータドア装置及びエレベータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
エレベータドア装置は、横方向へ移動するドアと、前記ドアに回転可能に接続される複数のローラと、上面で前記ローラを下方から支持し、前記横方向へ延びて前記ローラを前記横方向へガイドするレールと、を備え、前記レールは、レール本体と、前記レール本体に固定され、前記レールの前記上面の少なくとも一部を構成する撥水部と、を備え、前記撥水部の撥水性は、前記レール本体の撥水性よりも、高い。
【0006】
また、エレベータは、前記のエレベータドア装置を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】同実施形態に係るエレベータドア装置の要部正面図
【
図5】同実施形態に係るローラ及びレールの要部正面図
【
図6】開位置時のレールに対するローラの位置を示す図
【
図7】開動作時のレールに対するローラの位置を示す図
【
図9】閉位置時のレールに対するローラの位置を示す図
【
図10】閉動作時のレールに対するローラの位置を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合がある。また、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0009】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。例えば、序数を含む構成要素は、複数備えられていない場合がある。なお、以下の明細書で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0010】
以下、エレベータ及びエレベータドア装置における一実施形態について、
図1~
図11を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、エレベータ及びエレベータドア装置の構成等の理解を助けるために例示するものであり、エレベータ及びエレベータドア装置の構成を限定するものではない。
【0011】
図1及び
図2に示すように、エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、ユーザが乗るためのかご1aと、かご1aを上下方向D3へ移動させるかご駆動部1bと、エレベータ1の各構成を制御する制御装置1cとを備えていてもよい。また、例えば、本実施形態のように、エレベータ1は、乗場X3に配置される乗場ドア装置2を備えており、かご1aは、かごドア装置3を備えている、という構成でもよい。
【0012】
なお、かご駆動部1bの駆動方式は、特に限定されない。例えば、本実施形態のように、エレベータ1は、第1端部がかご1aに接続されるロープ1dと、ロープ1dの第2端部に接続される釣合錘1eとを備え、かご駆動部1bは、ロープ1dが巻き掛けられる綱車1fと、綱車1fを回転させる駆動源1g(例えば、モータ)とを備えている、という構成でもよい。
【0013】
即ち、かご駆動部1bは、巻上機1bであって、エレベータ1は、ロープ式の駆動方式である、という構成でもよい。また、例えば、かご駆動部1bは、油圧装置であり、エレベータ1は、油圧式の駆動方式である、という構成でもよい。また、例えば、かご駆動部1bは、リニアモータであって、エレベータ1は、リニアモータ式の駆動方式である、という構成でもよい。
【0014】
本実施形態においては、ロープ1dの一端部がかご1aに固定され、ロープ1dの他端部が釣合錘1eに固定されている、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、ロープ1dの両端部がそれぞれ昇降路X1の上部又は下部に固定され、ロープ1dがかご1aのシーブ及び釣合錘1eのシーブにそれぞれ巻き掛けられることによって、ロープ1dがかご1a及び釣合錘1eにそれぞれ接続されている、という構成でもよい。
【0015】
また、本実施形態に係るエレベータ1は、かご駆動部1bである巻上機1bを機械室X2の内部に配置する、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、機械室X2が備えられておらず、エレベータ1は、巻上機1bを昇降路X1の内部に配置する、という構成でもよい。
【0016】
なお、各図において、第1方向D1は、第1横方向D1であり、ユーザがかご1aに出入りするために進む出入方向であり、第2方向D2は、第1横方向D1と直交する横方向である第2横方向D2であり、第3方向D3は、各横方向D1,D2とそれぞれ直交する上下方向D3であり、かご1a及び釣合錘1eが昇降する昇降方向である。
【0017】
例えば、本実施形態のように、乗場ドア装置2は、第2横方向(「ドア移動方向」ともいう)D2へ移動する乗場ドア2aを備え、前記かごドア装置3は、第2横方向D2へ移動するかごドア3aと、かごドア3aを開閉させるドア駆動部3bとを備えている、という構成でもよい。そして、例えば、かごドア3aがドア駆動部3bによって開閉されることにより、かご1aが停止している乗場X3の乗場ドア2aも、連動して開閉される、という構成でもよい。
【0018】
なお、各ドア装置2,3のドア2a,3aの枚数は、特に限定されず、例えば、本実施形態のように、2枚としてもよく、また、例えば、1枚又は3枚以上としてもよい。また、各ドア2a,3aの移動の方向は、特に限定されず、例えば、本実施形態のように、各ドア2a,2a(3a,3a)は、開閉時に反対方向に移動する、所謂、センターオープンタイプとしてもよい。
【0019】
即ち、
図3に示すように、各ドア2a,2a(3a,3a)が閉位置から開位置へ移動する開方向D4は、反対方向であって、互いに離れる方向であり、各ドア2a,2a(3a,3a)が開位置から閉位置へ移動する閉方向D5は、反対方向であって、互いに近づく方向である。なお、各ドア2a,2a(3a,3a)は、開閉時に同じ方向に移動する、所謂、片側オープンタイプであってもよい。
【0020】
ここで、乗場ドア装置2の構成について、
図3~
図5を参照しながら説明する。なお、乗場ドア装置2の構成は、以下の構成に限られない。
【0021】
図3~
図5に示すように、乗場ドア装置2は、例えば、本実施形態のように、転動可能なローラ4,5と、ローラ4,5と乗場ドア2aとを接続する接続部2bと、上面でローラ4,5を下方から支持し、ローラ4,5をガイドするレール6とを備えていてもよい。なお、レール6は、例えば、昇降路X1に対して固定されていてもよい。
【0022】
そして、レール6は、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2へ延びていてもよい。これにより、ローラ4,5がレール6の上面上を転動し、レール6がローラ4,5を第2横方向D2へガイドすることによって、乗場ドア2aは、第2横方向D2へ移動する。
【0023】
なお、乗場ドア装置2において、乗場ドア2aに対するローラ4,5の個数は、特に限定されず、例えば、本実施形態のように、2つとしてもよく、また、例えば、3つ以上としてもよい。以下、複数のローラ4,5のうち、最も開方向D4側に配置されるローラ4は、第1ローラ4といい、複数のローラ4,5のうち、最も閉方向D5側に配置されるローラ5は、第2ローラ5という。
【0024】
レール6は、例えば、本実施形態のように、レール本体6aと、レール本体6aに固定され、レール6の上面の一部を構成する撥水部6b,6cとを備えていてもよい。これにより、レール6の上面は、レール本体6aと撥水部6b,6cとによって、構成されている。
【0025】
なお、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、撥水部6b,6cは、シート状に形成され、レール本体6aの上面に接着される、という構成でもよい。これにより、例えば、シート状の撥水部6b,6cがレール本体6aの上面に接着されることによって、レール6の上面に撥水部6b,6cが形成される。また、例えば、異物が撥水部6b,6cに強固に付着したり撥水部6b,6cが損傷したりした場合等には、撥水部6b,6cを交換することができる。
【0026】
そして、撥水部6b,6cの撥水性は、レール本体6aの撥水性よりも、高くなっている。具体的には、例えば、撥水部6b,6cの上面の撥水性は、レール本体6aの上面の撥水性よりも、高くなっていてもよい。なお、「撥水性が高い」とは、例えば、JISR3257に準拠して決定された接触角が大きいことを意味してもよい。
【0027】
また、ローラ4,5に対する撥水部6b,6cの摩擦係数は、例えば、本実施形態のように、ローラ4,5に対するレール本体6aの摩擦係数よりも、小さくてもよい。特に限定されないが、例えば、ローラ4,5の少なくとも外周は、例えば、ウレタン等の硬質樹脂や鉄鋼等の金属で形成され、レール本体6aの少なくとも上面は、例えば、鉄鋼、ステンレス鋼等の金属で形成され、撥水部6b,6cの少なくとも上面は、例えば、ポリエチレン、フッ素系樹脂等の樹脂で形成されている、という構成でもよい。
【0028】
ここで、撥水部6b,6cの配置について、
図6~
図11を参照しながら説明する。なお、撥水部6b,6cの配置は、以下の配置に限定されない。
【0029】
まず、水分(例えば、湿気)を含んだ塵芥等の異物が、レール6の上面に付着し易い位置は、移動するドア2aが停止したときに、最も移動方向D4,D5側のローラ4,5の位置の周辺である。これは、例えば、レール6の上面に落ちた塵芥等の異物が、最も移動方向D4,D5側のローラ4,5、即ち、初めに接するローラ4,5に付着することが理由、と推測される。
【0030】
したがって、
図6に示すように、ドア2aが開位置に位置するときに、最も開方向D4側に配置される第1ローラ4の位置の周辺で、異物がレール6の上面に付着され易い。そこで、例えば、本実施形態のように、第1撥水部6bは、ドア2aが開位置に位置するときに、第1ローラ4のみと接するように配置されていてもよい。これにより、水分を含んだ異物が、第1撥水部6bに付着し難いため、異物がレール6の上面に付着することを抑制することができる。
【0031】
特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、第1撥水部6bは、ドア2aが開位置に位置するときに、第1ローラ4と接する位置から、開方向D4側の内側部分6dと閉方向D5側の外側部分6eとを備えていてもよい。即ち、ドア2aが開位置に位置するときに、第1ローラ4は、第1撥水部6bの第2横方向D2の中間部(端部から離れた部分)に、接していてもよい。
【0032】
なお、異物が付着する長さについては、ドア2aが開位置に位置するときに第1ローラ4がレール6と接する位置に対して、閉方向D5側の部分の長さが、開方向D4側の部分の長さよりも、長くなり易い。これは、例えば、ドア2aが開方向D4へ移動するときに、第1ローラ4が、レール6との間で、異物を押し出しながら進むことが理由、と推測される。
【0033】
そこで、例えば、本実施形態のように、第1内側部分6eの長さW4は、第1外側部分6dの長さW3よりも、長くなっていてもよい。これにより、ドア2aが開方向D4へ移動するときに異物が付着し易い部分に、第1撥水部6bを確実に配置することができる。なお、特に限定されないが、例えば、第1内側部分6eの長さW4は、第1外側部分6dの長さW3の120%~200%としてもよい。
【0034】
また、特に限定されないが、第1撥水部6bの第2横方向D2の寸法W1は、第1ローラ4の直径W5に対して、例えば、50%以上としてもよく、また、例えば、75%以上としてもよい。また、特に限定されないが、第1撥水部6bの第2横方向D2の寸法W1は、第1ローラ4の直径W5に対して、例えば、200%以下としてもよく、また、例えば、150%以下としてもよい。
【0035】
また、
図7及び
図8に示すように、例えば、本実施形態のように、ドア2aが閉位置から開位置まで移動する移動期間は、ドア2aの移動速度が加速される加速期間P1と、ドア2aの移動速度が最も速い速度である高速度V1で一定である高速期間P2と、ドア2aの移動速度が高速度V1から低速度V2へ減速される減速期間P3と、ドア2aが停止するまで移動速度が低速度V2で一定である低速期間P4とを含んでいてもよい。
【0036】
なお、低速期間P4の「低速度V2で一定」とは、ドア2aの移動速度が同じである場合だけでなく、移動速度が基準速度(低速度)V2の±10%の変動を有する場合を含む概念である。また、低速期間P4は、ドア2aが停止する直前に、ドア2aの移動速度が減速する期間も含む概念である。特に限定されないが、低速期間P4の低速度V2は、例えば、ドア2aの高速度V1の30%以下としてもよい。
【0037】
そして、ローラ4,5に対する撥水部6b,6cの上面の摩擦係数が、ローラ4,5に対するレール本体6aの上面の摩擦係数よりも、小さいことに対して、例えば、本実施形態のように、撥水部6b,6cは、高速期間P2及び減速期間P3で全てのローラ4,5から離れ、第1撥水部6bは、低速期間P4(本実施形態においては、低速期間P4の一部)で第1ローラ4と接する、という構成でもよい。
【0038】
これにより、ドア2aの移動速度が速いとき、即ち、ローラ4,5の移動速度が速いときに、ローラ4,5は、撥水部6b,6cと接しない。したがって、ローラ4,5が撥水部6b,6cでスリップすることを抑制することができる。
【0039】
なお、第2ローラ5が第2撥水部6cと加速期間P1で接するときには、ドア2aの移動速度が遅いため、加速期間P1のときに、第2ローラ5が第2撥水部6cでスリップすることは、殆どない。特に限定されないが、第2ローラ5が第2撥水部6cと接するときのドア2aの移動速度は、例えば、ドア2aの高速度V1の30%以下としてもよい。
【0040】
一方で、
図9に示すように、ドア2aが閉位置に位置するときに、最も閉方向D5側に配置される第2ローラ5の位置の周辺で、異物がレール6の上面に付着され易い。そこで、例えば、本実施形態のように、第2撥水部6cは、ドア2aが閉位置に位置するときに、第2ローラ5のみと接するように配置されていてもよい。これにより、水分を含んだ異物が、第2撥水部6cに付着し難いため、異物がレール6の上面に付着することを抑制することができる。
【0041】
特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、第2撥水部6cは、ドア2aが閉位置に位置するときに、第2ローラ5と接する位置から、閉方向D5側の第2外側部分6fと開方向D4側の第2内側部分6gとを備えていてもよい。即ち、ドア2aが閉位置に位置するときに、第2ローラ5は、第2撥水部6cの第2横方向D2の中間部(端部から離れた部分)に、接していてもよい。
【0042】
なお、異物が付着する長さについては、ドア2aが閉位置に位置するときに第2ローラ5がレール6と接する位置に対して、開方向D4側の部分の長さが、閉方向D5側の部分の長さよりも、長くなり易い。これは、例えば、ドア2aが閉方向D5へ移動するときに、第2ローラ5が、レール6との間で、異物を押し出しながら進むことが理由、と推測される。
【0043】
そこで、例えば、本実施形態のように、第2内側部分6gの長さW7は、第2外側部分6fの長さW6よりも、長くなっていてもよい。これにより、ドア2aが閉方向D5へ移動するときに異物が付着し易い部分に、第2撥水部6cを確実に配置することができる。なお、特に限定されないが、例えば、第2内側部分6gの長さW7は、第2外側部分6fの長さW6の120%~200%としてもよい。
【0044】
また、特に限定されないが、第2撥水部6cの第2横方向D2の寸法W2は、第2ローラ5の直径W8に対して、例えば、50%以上としてもよく、また、例えば、75%以上としてもよい。また、特に限定されないが、第2撥水部6cの第2横方向D2の寸法W2は、第2ローラ5の直径W8に対して、例えば、200%以下としてもよく、また、例えば、150%以下としてもよい。
【0045】
また、
図10及び
図11に示すように、例えば、本実施形態のように、ドア2aが開位置から閉位置まで移動する移動期間は、ドア2aの移動速度が加速される加速期間P5と、ドア2aの移動速度が最も速い速度である高速度V3で一定である高速期間P6と、ドア2aの移動速度が高速度V3から低速度V4へ減速される減速期間P7と、ドア2aが停止するまで移動速度が低速度V4で一定である低速期間P8とを含んでいてもよい。
【0046】
なお、低速期間P8の「低速度V4で一定」とは、ドア2aの移動速度が同じである場合だけでなく、移動速度が基準速度(低速度)V4の±10%の変動を有する場合を含む概念である。また、低速期間P8は、ドア2aが停止する直前に、ドア2aの移動速度が減速する期間も含む概念である。特に限定されないが、低速期間P8の低速度V4は、例えば、ドア2aの高速度V3の5%~50%としてもよい。
【0047】
そして、ローラ4,5に対する撥水部6b,6cの上面の摩擦係数が、ローラ4,5に対するレール本体6aの上面の摩擦係数よりも、小さいことに対して、例えば、本実施形態のように、撥水部6b,6cは、高速期間P6及び減速期間P7で全てのローラ4,5から離れ、第2撥水部6cは、低速期間P8(本実施形態においては、低速期間P8の一部)で第2ローラ5と接する、という構成でもよい。
【0048】
これにより、ドア2aの移動速度が速いとき、即ち、ローラ4,5の移動速度が速いときに、ローラ4,5は、撥水部6b,6cと接しない。したがって、ローラ4,5が撥水部6b,6cでスリップすることを抑制することができる。
【0049】
なお、第1ローラ4が第1撥水部6bと加速期間P5で接するときには、ドア2aの移動速度が遅いため、加速期間P5のときに、第1ローラ4が第1撥水部6bでスリップすることは、殆どない。特に限定されないが、第1ローラ4が第1撥水部6bと接するときのドア2aの移動速度は、例えば、ドア2aの高速度V3の30%以下としてもよい。
【0050】
ところで、塵芥等の異物に、例えば、潤滑油等の油分が含まれていることもある。斯かる場合には、異物が粘状の固形物となり得る。そこで、例えば、本実施形態のように、撥水部6b,6cの撥油性は、レール本体6aの撥油性よりも、高くなっていてもよい。具体的には、撥水部6b,6cの上面の撥油性は、レール本体6aの上面の撥油性よりも、高くなっていてもよい。これにより、例えば、油分を含んだ異物が、撥水部6b,6cに付着し難いため、異物がレール6の上面に付着することを抑制することができる。
【0051】
なお、「撥油性が高い」とは、例えば、JISR3257に準拠して(例えば、JISR3257における「蒸留水」は、「油」とし、当該「油」は、ドア2a周りに使用される潤滑油であって、例えば、コスモ石油ルブリカンツ株式会社の商品名「コスモピュアセイフティー46」としてもよい)決定された接触角が大きいことを意味してもよい。
【0052】
以上より、本実施形態のように、エレベータ1は、前記のエレベータドア装置2,3を備える。
【0053】
そして、本実施形態のように、エレベータドア装置(本実施形態においては、乗場ドア装置)2は、横方向D2へ移動するドア(本実施形態においては、乗場ドア)2aと、前記ドア2aに回転可能に接続される複数のローラ4,5と、上面で前記ローラ4,5を下方から支持し、前記横方向D2へ延びて前記ローラ4,5を前記横方向D2へガイドするレール6と、を備え、前記レール6は、レール本体6aと、前記レール本体6aに固定され、前記レール6の前記上面の少なくとも一部(本実施形態においては、一部)を構成する撥水部6b,6cと、を備え、前記撥水部6b,6cの撥水性は、前記レール本体6aの撥水性よりも、高い、という構成が好ましい。
【0054】
斯かる構成によれば、撥水部6b,6cが、レール6の上面の少なくとも一部を構成しており、撥水部6b,6cの撥水性は、レール本体6aの撥水性よりも、高くなっている。これにより、異物が撥水部6b,6cに付着し難いため、異物がレール6の上面に付着することを抑制することができる。
【0055】
また、本実施形態のように、エレベータドア装置(本実施形態においては、乗場ドア装置)2においては、前記ローラ4,5に対する前記撥水部6b,6cの摩擦係数は、前記ローラ4,5に対する前記レール本体6aの摩擦係数よりも、小さく、前記ドア(本実施形態においては、乗場ドア)2aは、閉位置から開位置まで開方向D4へ移動し、前記撥水部(本実施形態においては、第1撥水部)6bは、前記ドア2aが前記開位置に位置するときに、前記複数のローラ4,5のうち、最も前記開方向D4側に配置されるローラ(本実施形態においては、第1ローラ)4のみと接するように、配置される、という構成でもよい。
【0056】
斯かる構成によれば、ドア2aが開位置に位置するときに、最も開方向D4側に配置されるローラ4の位置で、異物がレール6の上面に付着され易いことに対して、ドア2aが開位置に位置するときに、撥水部6bは、最も開方向D4側に配置されるローラ4のみと接するように、配置されている。これにより、撥水部6bが必要な位置に配置されているため、異物がレール6の上面に付着することを抑制することができる。
【0057】
しかも、ローラ4,5に対する撥水部6b,6cの摩擦係数が、ローラ4,5に対するレール本体6aの摩擦係数よりも、小さいことに対して、撥水部6b,6cが、特に必要な位置のみに配置されている。これにより、ローラ4,5が撥水部6b,6cでスリップすることを抑制することができる。
【0058】
また、本実施形態のように、エレベータドア装置(本実施形態においては、乗場ドア装置)2においては、前記ローラ4,5に対する前記撥水部6b,6cの摩擦係数は、前記ローラ4,5に対する前記レール本体6aの摩擦係数よりも、小さく、前記ドア(本実施形態においては、乗場ドア)2aが閉位置から開位置まで移動する移動期間は、移動速度が最も速い高速度V1である高速期間P2と、その後に移動速度が減速される減速期間P3と、その後に前記ドア2aが停止するまで移動速度が低速度V2で一定である低速期間P4と、を含み、前記撥水部6b,6cは、前記高速期間P2及び前記減速期間P3で全ての前記ローラ4,5から離れ且つ前記低速期間P4で少なくとも一つの前記ローラ(本実施形態においては、第1ローラ)4と接するように、配置される、という構成でもよい。
【0059】
斯かる構成によれば、ローラ4,5に対する撥水部6b,6cの摩擦係数が、ローラ4,5に対するレール本体6aの摩擦係数よりも、小さいことに対して、全てのローラ4,5は、高速期間P2及び減速期間P3で撥水部6b,6cから離れている。これにより、ローラ4,5の移動速度が速いときに、ローラ4,5が撥水部6b,6cと接することを抑制できるため、ローラ4,5が撥水部6b,6cでスリップすることを抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態のように、エレベータドア装置(本実施形態においては、乗場ドア装置)2においては、前記ドア(本実施形態においては、乗場ドア)2aは、閉位置から開位置まで開方向D4へ移動し、前記撥水部(本実施形態においては、第1撥水部)6bは、前記ドア2aが前記開位置に位置するときに、前記ローラ(本実施形態においては、第1ローラ)4と接する位置から前記開方向D4側に配置される外側部分(本実施形態においては、第1外側部分)6dと、前記ローラ4と接する位置から前記開方向D4と反対方向D5側に配置される内側部分(本実施形態においては、第1内側部分)6eと、を備え、前記内側部分6eの前記開方向D4の長さW4は、前記外側部分6dの前記開方向D4の長さW3よりも、長い、という構成が好ましい。
【0061】
斯かる構成によれば、ドア2aが開位置に位置するときにローラ4がレール6と接する位置に対して、異物が付着する長さが、開方向D4と反対方向D5側の部分で長くなり易いことに対して、内側部分6eの長さW4は、外側部分6dの長さW3よりも、長くなっている。これにより、ドア2aが開方向D4へ移動するときに異物が付着し易い部分に、撥水部6bを確実に配置することができる。
【0062】
また、本実施形態のように、エレベータドア装置(本実施形態においては、乗場ドア装置)2においては、前記ローラ4,5に対する前記撥水部6b,6cの摩擦係数は、前記ローラ4,5に対する前記レール本体6aの摩擦係数よりも、小さく、前記ドア(本実施形態においては、乗場ドア)2aは、開位置から閉位置まで閉方向D5へ移動し、前記撥水部6b,6cは、前記ドア2aが前記閉位置に位置するときに、前記複数のローラ4,5のうち、最も前記閉方向D5側に配置されるローラ(本実施形態においては、第2ローラ)5のみと接するように、配置される、という構成が好ましい。
【0063】
斯かる構成によれば、ドア2aが閉位置に位置するときに、最も閉方向D5側に配置されるローラ5の位置で、異物がレール6の上面に付着され易いことに対して、ドア2aが閉位置に位置するときに、撥水部6b,6cは、最も閉方向D5側に配置されるローラ5のみと接するように、配置されている。これにより、撥水部6cが必要な位置に配置されているため、異物がレール6の上面に付着することを抑制することができる。
【0064】
しかも、ローラ4,5に対する撥水部6b,6cの摩擦係数が、ローラ4,5に対するレール本体6aの摩擦係数よりも、小さいことに対して、撥水部6b,6cが、特に必要な位置のみに配置されている。これにより、ローラ4,5が撥水部6b,6cでスリップすることを抑制することができる。
【0065】
また、本実施形態のように、エレベータドア装置(本実施形態においては、乗場ドア装置)2においては、前記ローラ4,5に対する前記撥水部6b,6cの摩擦係数は、前記ローラ4,5に対する前記レール本体6aの摩擦係数よりも、小さく、前記ドア(本実施形態においては、乗場ドア)2aが開位置から閉位置まで移動する移動期間は、移動速度が最も速い高速度V3である高速期間P6と、その後に移動速度が減速される減速期間P7と、その後に前記ドア2aが停止するまで移動速度が低速度V4で一定である低速期間P8と、を含み、前記撥水部6b,6cは、前記高速期間P6及び前記減速期間P7で全ての前記ローラ4,5から離れ且つ前記低速期間P8で少なくとも一つの前記ローラ(本実施形態においては、第2ローラ)5と接するように、配置される、という構成が好ましい。
【0066】
斯かる構成によれば、ローラ4,5に対する撥水部6b,6cの摩擦係数が、ローラ4,5に対するレール本体6aの摩擦係数よりも、小さいことに対して、全てのローラ4,5は、高速期間P6及び減速期間P7で撥水部6b,6cから離れている。これにより、ローラ4,5の移動速度が速いときに、ローラ4,5が撥水部6b,6cと接することを抑制できるため、ローラ4,5が撥水部6b,6cでスリップすることを抑制することができる。
【0067】
また、本実施形態のように、エレベータドア装置(本実施形態においては、乗場ドア装置)2においては、前記ドア(本実施形態においては、乗場ドア)2aは、開位置から閉位置まで閉方向D5へ移動し、前記撥水部(本実施形態においては、6c)は、前記ドア2aが前記閉位置に位置するときに、前記ローラ(本実施形態においては、第2ローラ)5と接する位置から前記閉方向D5側に配置される外側部分(本実施形態においては、第2外側部分)6fと、前記ローラ5と接する位置から前記閉方向D5と反対方向D4側に配置される内側部分(本実施形態においては、第2内側部分)6gと、を備え、前記内側部分6gの前記閉方向D5の長さW7は、前記外側部分6fの前記閉方向D5の長さW6よりも、長い、という構成が好ましい。
【0068】
斯かる構成によれば、ドア2aが閉位置に位置するときにローラ5がレール6と接する位置に対して、異物が付着する長さが、閉方向D5と反対方向D4側の部分で長くなり易いことに対して、内側部分6gの長さW7は、外側部分6fの長さW6よりも、長くなっている。これにより、ドア2aが閉方向D5へ移動するときに異物が付着し易い部分に、撥水部6cを確実に配置することができる。
【0069】
また、本実施形態のように、エレベータドア装置(本実施形態においては、乗場ドア装置)2においては、前記撥水部6b,6cは、シート状に形成され、前記レール本体6aの上面に接着される、という構成が好ましい。
【0070】
斯かる構成によれば、シート状の撥水部6b,6cがレール本体6aの上面に接着されることによって、レール6の上面の少なくとも一部を撥水部6b,6cで構成することができる。
【0071】
なお、エレベータ1及びエレベータドア装置2,3は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、エレベータ1及びエレベータドア装置2,3は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0072】
(1)上記実施形態に係るエレベータ1においては、乗場ドア装置2は、撥水部6b,6cを備えている、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。例えば、かごドア装置3も、撥水部6b,6cを備えている、という構成でもよい。また、例えば、乗場ドア装置2及びかごドア装置3のうち、何れか一方のみが、撥水部6b,6cを備えている、という構成でもよい。
【0073】
(2)また、上記実施形態に係るエレベータドア装置2においては、撥水部6b,6cは、レール6の上面の一部を構成する、という構成である。しかしながら、エレベータドア装置2,3は、斯かる構成に限られない。例えば、撥水部6b,6cは、レール6の上面の全部を構成する、という構成でもよい。
【0074】
(3)また、上記実施形態に係るエレベータドア装置2においては、ローラ4,5に対する撥水部6b,6cの摩擦係数は、ローラ4,5に対するレール本体6aの摩擦係数よりも、小さい、という構成である。しかしながら、エレベータドア装置2,3は、斯かる構成に限られない。例えば、ローラ4,5に対する撥水部6b,6cの摩擦係数は、ローラ4,5に対するレール本体6aの摩擦係数よりも、大きい、という構成でもよい。
【0075】
(4)また、上記実施形態に係るエレベータドア装置2においては、ドア2aが開位置に位置するときに、最も開方向D4側に配置される第1ローラ4のみが、撥水部6bと接する、という構成である。しかしながら、エレベータドア装置2,3は、斯かる構成に限られない。例えば、ドア2aが開位置に位置するときに、複数のローラ4,5が、撥水部6b,6cと接する、という構成でもよい。
【0076】
(5)また、上記実施形態に係るエレベータドア装置2においては、ドア2aが閉位置に位置するときに、最も閉方向D5側に配置される第2ローラ5のみが、撥水部6cと接する、という構成である。しかしながら、エレベータドア装置2,3は、斯かる構成に限られない。例えば、ドア2aが閉位置に位置するときに、複数のローラ4,5が、撥水部6b,6cと接する、という構成でもよい。
【0077】
(6)また、上記実施形態に係るエレベータドア装置2においては、高速期間P2,P6及び減速期間P3,P7で、全てのローラ4,5は、撥水部6b,6cから離れ、低速期間P4,P8で、少なくとも一つのローラ4,5は、撥水部6b,6cと接する、という構成である。しかしながら、エレベータドア装置2,3は、斯かる構成に限られない。
【0078】
例えば、高速期間P2,P6及び減速期間P3,P7の少なくとも一方で、少なくとも一つのローラ4,5は、撥水部6b,6cに接する、という構成でもよい。また、例えば、低速期間P4,P8で、全てのローラ4,5は、撥水部6b,6cから離れる、という構成でもよい。
【0079】
(7)また、上記実施形態に係るエレベータドア装置2においては、高速期間P2,P6は、所定の長さを有する期間である、という構成である。しかしながら、エレベータドア装置2,3は、斯かる構成に限られない。例えば、高速期間P2,P6は、瞬時の期間である、という構成でもよい。即ち、加速期間P1,P5でドア2aの移動速度が高速度V1,V3になって直ぐに、減速期間P3,P7が開始される、という構成でもよい。
【0080】
(8)また、上記実施形態に係るエレベータドア装置2においては、撥水部6b,6cは、シート状に形成され、レール本体6aの上面に接着される、という構成である。しかしながら、エレベータドア装置2,3は、斯かる構成に限られない。
【0081】
例えば、撥水部6b,6cは、レール本体6aの上面にコーキングや塗装された液状の材料が固化することによって、形成されている、という構成でもよい。また、例えば、撥水部6b,6cは、固形状(例えば、ブロック状)に形成され、ボルト等の固定手段によって、レール本体6aに固定されている、という構成でもよい。
【0082】
(9)また、エレベータドア装置2は、レール6の上面の異物を除去するために、最も開方向D4側に配置される第1ローラ4よりも開方向D4側、及び、最も閉方向D5側に配置される第2ローラ5よりも閉方向D5側、の少なくとも一方で、レール6の上面をスライドするスライド部材を備える、という構成でもよい。特に限定されないが、スライド部材は、例えば、ブラシやスポンジ等としてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1…エレベータ、1a…かご、1b…かご駆動部(巻上機)、1c…制御装置、1d…ロープ、1e…釣合錘、1f…綱車、1g…駆動源、2…乗場ドア装置(エレベータドア装置)、2a…乗場ドア、2b…接続部、3…かごドア装置(エレベータドア装置)、3a…かごドア、3b…ドア駆動部、4…第1ローラ、5…第2ローラ、6…レール、6a…レール本体、6b…第1撥水部、6c…第2撥水部、6d…第1外側部分,6e…第1内側部分,6f…第2外側部分,6g…第2内側部分、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向、D4…開方向、D5…閉方向、X1…昇降路、X2…機械室、X3…乗場