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特開2023-115839情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115839
(43)【公開日】2023-08-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20230814BHJP
【FI】
G01C21/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022018280
(22)【出願日】2022-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(72)【発明者】
【氏名】中川 壮志
(72)【発明者】
【氏名】中村 毅
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB20
2F129DD13
2F129DD15
2F129DD19
2F129DD21
2F129DD35
2F129EE02
2F129EE43
2F129EE57
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE81
2F129EE84
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF20
2F129FF41
2F129HH02
2F129HH04
2F129HH12
2F129HH19
2F129HH20
(57)【要約】
【課題】音声を含むコンテンツを出力するのに適した時間帯を推定することを可能とする。
【解決手段】情報処理装置は、車両の現在位置に応じて音声案内を出力する情報処理装置であって、目的地までの車両の移動経路を示す経路情報、移動経路に対応する地図情報、および、車両の現在位置を示す現在位置情報を取得する取得部と、経路情報、地図情報および現在位置情報に基づいて、車両が移動経路を走行する走行期間のうち、音声案内の出力が不要な時間帯を推定する推定部と、を有することを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置に応じて音声案内を出力する情報処理装置であって、
目的地までの前記車両の移動経路を示す経路情報、前記移動経路に対応する地図情報、および、前記車両の現在位置を示す現在位置情報を取得する取得部と、
前記経路情報、前記地図情報および前記現在位置情報に基づいて、前記車両が前記移動経路を走行する走行期間のうち、前記音声案内の出力が不要な時間帯を推定する推定部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記経路情報、および前記地図情報に基づいて、前記移動経路における前記音声案内の出力が不要な区間を特定する特定部をさらに備え、
前記推定部は、
前記車両が前記音声案内の出力が不要な区間に到達する到達予想時刻、および、前記車両が前記音声案内の出力が不要な区間を通過する通過予想時刻を推定し、推定された前記到達予想時刻から前記通過予想時刻までの時間帯を前記音声案内の出力が不要な時間帯であると推定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定部は、
前記音声案内の出力が不要な区間として、前記移動経路における隣り合う2つの前記音声案内の出力地点の間の区間を特定し、
前記推定部は、
前記車両が前記隣り合う2つの前記音声案内の出力地点の間の区間に到達する前記到達予想時刻、および、前記車両が前記隣り合う2つの前記音声案内の出力地点の間の区間を通過する前記通過予想時刻を推定し、推定された前記到達予想時刻から前記通過予想時刻までの時間帯を前記音声案内の出力が不要な時間帯であると推定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定部は、
前記音声案内の出力が不要な区間として、前記移動経路における渋滞中の渋滞区間を特定し、
前記推定部は、
前記車両が前記渋滞区間に到達する前記到達予想時刻、および、前記車両が前記渋滞区間を通過する前記通過予想時刻を推定し、推定された前記到達予想時刻から前記通過予想時刻までの時間帯を前記音声案内の出力が不要な時間帯であると推定する、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定部は、
前記音声案内の出力が不要な区間として、前記移動経路における特定の交差点を特定し、
前記推定部は、
前記車両が前記特定の交差点に到達する前記到達予想時刻を推定し、推定した前記到達予想時刻と、前記特定の交差点を通過するための所要時間の統計値とに基づいて、前記車両が前記特定の交差点を通過する前記通過予想時刻を推定し、推定された前記到達予想時刻から前記通過予想時刻までの時間帯を前記音声案内の出力が不要な時間帯であると推定する、
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特定部は、
前記音声案内の出力が不要な区間として、前記移動経路における自動運転区間を特定し、
前記推定部は、
前記車両が前記自動運転区間に到達する前記到達予想時刻、および、前記車両が前記自動運転区間を通過する前記通過予想時刻を推定し、推定された前記到達予想時刻から前記通過予想時刻までの時間帯を前記音声案内の出力が不要な時間帯であると推定する、
ことを特徴とする請求項2~5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
車両の現在位置に応じて音声案内を出力する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
目的地までの前記車両の移動経路を示す経路情報、前記移動経路に対応する地図情報、および、前記車両の現在位置を示す現在位置情報を取得する取得工程と、
前記経路情報、前記地図情報および前記現在位置情報に基づいて、前記車両が前記移動経路を走行する走行期間のうち、前記音声案内の出力が不要な時間帯を推定する推定工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
車両の現在位置に応じて音声案内を出力する情報処理装置が有するコンピュータに、
目的地までの前記車両の移動経路を示す経路情報、前記移動経路に対応する地図情報、および、前記車両の現在位置を示す現在位置情報を取得する取得手順と、
前記経路情報、前記地図情報および前記現在位置情報に基づいて、前記車両が前記移動経路を走行する走行期間のうち、前記音声案内の出力が不要な時間帯を推定する推定手順と、
を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地図情報を用いて、ドライバによって設定された出発地から目的地までの経路検索を行い、検索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション機能を備えた情報処理装置が提案されている。このような情報処理装置は、車両の現在位置に応じて、経路誘導(右左折案内など)、交通情報(周辺の渋滞・交通規制・事故多発地点など)、および、レコメンド情報(周辺施設のレコメンドなど)等の音声案内を出力する。
【0003】
上記のような情報処理装置において、所定のタイミングで広告情報を出力させるようにして、その広告料を充当することによって、上記のナビゲーション機能を無料で利用することができるようにした情報処理装置が知られている。例えば、目的地へ移動する際に出力される音声案内の出力タイミングと抵触しない所定のタイミングにおいて、音声広告を出力手段により出力させる出力制御手段を備える情報処理装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-58301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術では、音声を含むコンテンツの出力効果を高めることが可能な時間帯を予め推定することができるとは限らない。例えば、上記の従来技術では、目的地へ移動する際に出力される音声案内の出力タイミングと抵触しない所定のタイミングにおいて音声広告を出力させるにすぎないため、例えば、音声広告の出力中に音声案内が音声割込みして、音声広告の出力を妨げる可能性がある。したがって、上記の従来技術では、例えば、音声広告等の音声を含むコンテンツの出力効果を高めつつ出力するのに適した時間帯に、当該コンテンツが出力されるように予約することは困難である。
【0006】
本開示は、音声を含むコンテンツを出力するのに適した時間帯を推定することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の情報処理装置は、車両の現在位置に応じて音声案内を出力する情報処理装置であって、目的地までの前記車両の移動経路を示す経路情報、前記移動経路に対応する地図情報、および、前記車両の現在位置を示す現在位置情報を取得する取得部と、前記経路情報、前記地図情報および前記現在位置情報に基づいて、前記車両が前記移動経路を走行する走行期間のうち、前記音声案内の出力が不要な時間帯を推定する推定部と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項7に記載の情報処理方法は、車両の現在位置に応じて音声案内を出力する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、目的地までの前記車両の移動経路を示す経路情報、前記移動経路に対応する地図情報、および、前記車両の現在位置を示す現在位置情報を取得する取得工程と、前記経路情報、前記地図情報および前記現在位置情報に基づいて、前記車両が前記移動経路を走行する走行期間のうち、前記音声案内の出力が不要な時間帯を推定する推定工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、請求項8に記載の情報処理プログラムは、車両の現在位置に応じて音声案内を出力する情報処理装置が有するコンピュータに、目的地までの前記車両の移動経路を示す経路情報、前記移動経路に対応する地図情報、および、前記車両の現在位置を示す現在位置情報を取得する取得手順と、前記経路情報、前記地図情報および前記現在位置情報に基づいて、前記車両が前記移動経路を走行する走行期間のうち、前記音声案内の出力が不要な時間帯を推定する推定手順と、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理の概要について説明するための図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャートである。
図5図5は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0012】
(実施形態)
〔1.情報処理システムの構成〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。図1に示すように、情報処理システム1には、コンテンツ装置10と、情報処理装置100とが含まれる。コンテンツ装置10と、情報処理装置100とは所定のネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、図1に示した情報処理システム1には、複数台のコンテンツ装置10や、複数台の情報処理装置100が含まれてもよい。
【0013】
コンテンツ装置10は、情報処理装置100に対して、音声を含むコンテンツを配信するサーバ装置である。例えば、コンテンツ装置10は、音声広告など、音声のみのコンテンツを配信する。また、コンテンツ装置10は、音声および映像を含むコンテンツを配信してもよい。なお、以下では、単に「コンテンツ」と記載する場合、音声を含むコンテンツのことを指すものとする。
【0014】
情報処理装置100は、車両の現在位置に応じて音声案内を出力する情報処理装置である。具体的には、情報処理装置100は、車両の現在位置に応じて、経路誘導(右左折案内など)、交通情報(周辺の渋滞・交通規制・事故多発地点など)、または、レコメンド情報(周辺施設のレコメンドなど)等の音声案内を出力する。より具体的には、情報処理装置100は、ナビゲーション機能を備える情報処理装置である。例えば、情報処理装置100は、車両に設置される据え置き型のナビゲーション装置である。なお、情報処理装置100としては、ナビゲーション装置に限らず、車両の乗員が利用するスマートフォン等の携帯型端末装置を採用しても構わない。例えば、情報処理装置100は、ナビゲーション機能を実現するアプリケーションがインストールされた利用者の端末装置であってもよい。
【0015】
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報処理の概要について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理の概要について説明するための図である。情報処理装置100は、目的地までの車両の移動経路を示す経路情報、移動経路に対応する地図情報、および、車両の現在位置を示す現在位置情報に基づいて、車両が移動経路を走行する走行期間のうち、音声案内の出力が不要な時間帯を推定する。図2では、情報処理装置100が、音声案内の出力が不要な時間帯として、移動経路における隣り合う2つの音声案内の出力予定地点(以下、出力地点)の間の区間を走行する時間帯を推定する。
【0016】
一般的に、ナビゲーション機能を備える情報処理装置は、ナビゲーション機能に設定された経路上の音声案内の出力地点(経路上の位置に紐づいた経路誘導、交通情報、レコメンド情報の出力が予定される地点)を車両が走行する際に音声案内を出力する。言い換えると、ナビゲーション機能を備える情報処理装置は、音声案内の出力地点の間の区間を車両が走行する間は、例えば事故渋滞が発生したことなどに起因する突発的な音声案内を除いて、音声案内を出力しない。そのため、車両が音声案内の出力地点の間の区間を走行する時間帯は、情報処理装置による音声案内の出力が不要な時間帯であると推定することができる。
【0017】
具体的には、情報処理装置100は、経路情報、および地図情報に基づいて、移動経路における音声案内の出力が不要な区間を特定する。図2では、情報処理装置100は、音声案内の出力が不要な区間として、移動経路における隣り合う2つの音声案内の第1出力地点Pと第2出力地点Pの間の区間を特定する。
【0018】
続いて、情報処理装置100は、車両が音声案内の出力が不要な区間に到達する到達予想時刻、および、車両が音声案内の出力が不要な区間を通過する通過予想時刻を推定する。そして、情報処理装置100は、推定された到達予想時刻から通過予想時刻までの時間帯を音声案内の出力が不要な時間帯であると推定する。図2では、情報処理装置100は、車両が隣り合う2つの音声案内の第1出力地点Pと第2出力地点Pの間の区間に到達する到達予想時刻として、車両が音声案内の第1出力地点Pに到達する到達予想時刻tを推定する。また、情報処理装置100は、車両が隣り合う2つの音声案内の第1出力地点Pと第2出力地点Pの間の区間を通過する通過予想時刻として、車両が音声案内の第2出力地点Pを通過する通過予想時刻tを推定する。そして、情報処理装置100は、推定された到達予想時刻tから通過予想時刻tまでの時間帯を音声案内の出力が不要な時間帯であると推定する。
【0019】
また、情報処理装置100は、コンテンツ装置10からコンテンツを受信する。また、情報処理装置100は、受信したコンテンツの中から、音声案内の出力が不要な時間帯に収まる長さのコンテンツを選択する。図2では、情報処理装置100は、到達予想時刻tから通過予想時刻tまでの時間帯に収まる長さのコンテンツを選択する。また、情報処理装置100は、選択されたコンテンツを音声案内の出力が不要な時間帯に出力する。図2では、情報処理装置100は、選択されたコンテンツを到達予想時刻tから通過予想時刻tまでの時間帯に出力する。
【0020】
上述したように、情報処理装置100は、目的地までの車両の移動経路を示す経路情報、移動経路に対応する地図情報、および、車両の現在位置を示す現在位置情報に基づいて、車両が移動経路を走行する走行期間のうち、音声案内の出力が不要な時間帯を推定する。これにより、情報処理装置100は、音声を含むコンテンツを出力するのに適した時間帯を推定することを可能にすることができる。また、これにより、情報処理装置100は、例えば、音声案内の出力が不要な時間帯に収まるコンテンツを選択し、選択されたコンテンツを音声案内の出力が不要な時間帯に出力するよう予約することができる。これにより、情報処理装置100は、例えば、対話型のコンテンツやニュースの読み上げなど提示に長時間を要するコンテンツを途中で中断することなく一度に出力可能とすることができる。したがって、情報処理装置100は、音声を含むコンテンツの出力効果を高めることができる。また、情報処理装置100は、例えば、広告を提示する場合に、広告の提示の前後のそれぞれに所定時間以上の音声情報の出力の空白期間が含まれるように広告の提示タイミングをスケジューリングすることができる。これにより、情報処理装置100は、立て続けに音声情報が出力されることにより、広告効果が低下するのを防ぐことができる。あるいは、情報処理装置100は、広告を提示可能な時間帯が予め判るため、当該時間帯において提示することで効果がより高まる広告が当該時間帯に提示されるようにスケジューリングすることができる。したがって、情報処理装置100は、音声を含む広告の出力効果を高めることができる。また、情報処理装置100は、例えば、長時間の空き時間がある場合、予め空き時間に再生可能なコンテンツの候補を複数ピックアップし、利用者に候補を提示して選択させることができる。これにより、情報処理装置100は、利用者が空き時間を有効に活用できるようにすることができる。
【0021】
〔2.情報処理装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る情報処理装置の構成について説明する。図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、センサ部140と、音声出力部150と、入力部160と、表示部170とを有する。
【0022】
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部110は、ネットワークNを介してコンテンツ装置10と有線または無線で接続され、コンテンツ装置10との間で情報の通信を司る通信インターフェイスである。通信部110は、コンテンツ装置10からコンテンツを受信すると、受信したコンテンツを制御部130に出力する。
【0023】
センサ部140は、各種センサを備える。例えば、センサ部140は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を備える。GNSSセンサは、GNSSを利用して、航法衛星から送信された測位用データを含む電波を受信する。当該測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられる。なお、利用されるGNSSは、例えば、GPS(Global Positioning System)であってもよいし、他のシステムであっても構わない。また、センサ部140は、GNSSセンサが生成した測位用データを制御部130に出力する。
【0024】
また、センサ部140は、車速センサを備える。車速センサは、車両の走行速度を検出し、当該走行速度に応じた車速データを生成する。また、センサ部140は、車速センサが生成した車速データを制御部130に出力する。
【0025】
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。例えば、記憶部120は、制御部130での処理に用いる情報(情報処理プログラムやデータ)を記憶する。
【0026】
また、図3に示すように、記憶部120は、地図情報記憶部121と、走行情報記憶部122を有する。地図情報記憶部121は、地図に関する各種の情報を記憶する。走行情報記憶部122は、車両の走行履歴を示す走行履歴情報を記憶する。例えば、走行情報記憶部122は、走行履歴情報として、車両が走行した道路および移動経路に関する情報、ならびに、各時刻における車両の位置情報および速度情報を対応付けた情報を記憶する。ここで、走行情報記憶部122が記憶する移動経路に関する情報は、車両が実際に走行した移動経路に関する情報であればどのような情報であってもよい。例えば、走行情報記憶部122は、情報処理装置100のナビゲーション機能に経路が設定されていない場合に車両が走行した移動経路に関する情報を記憶する。また、走行情報記憶部122は、情報処理装置100のナビゲーション機能に経路が設定されている場合に、当該設定中の経路に関する経路情報についても記憶する。
【0027】
制御部130は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、情報処理装置100の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。図3に示す例では、制御部130は、経路案内部131と、取得部132と、特定部133と、推定部134と、出力制御部135とを有する。
【0028】
経路案内部131は、情報処理装置100のナビゲーション機能を実行する。具体的には、経路案内部131は、ドライバから経路の設定を受け付けた場合に、ドライバによって設定された目的地までの経路検索を行う。例えば、経路案内部131は、ドライバによって設定された出発地からドライバによって設定された目的地までの経路検索を行う。例えば、経路案内部131は、入力部160が受け付けた入力操作に対応する出発地および目的地に関する情報を取得する。続いて、経路案内部131は、出発地および目的地に関する情報を取得した場合、地図情報記憶部121を参照して、地図情報を取得する。続いて、経路案内部131は、地図情報を用いて、出発地から目的地までの経路を検索する。図2に示す例では、経路案内部131は、例えば、ドライバによって設定された出発地に対応する出発地点Pからドライバによって設定された目的地に対応する目的地点Pまでの車両の移動経路を検索する。なお、経路案内部131は、ドライバから目的地の設定のみを受け付けた場合、検索を開始する時点における車両の現在位置を出発地として車両の移動経路を検索してよい。また、経路案内部131は、経路を検索した場合、出発地、目的地、検索結果に対応する移動経路に関する情報を対応付けて走行情報記憶部122に格納してよい。
【0029】
また、経路案内部131は、移動経路を検索した場合、検索結果をドライバに対して提案する。また、経路案内部131は、提案した移動経路がドライバによって選択された場合、ドライバによって選択された移動経路に応じた経路誘導に関する音声案内を出力させるよう音声出力部150を制御する。
【0030】
取得部132は、目的地までの車両の移動経路を示す経路情報を取得する。具体的には、取得部132は、走行情報記憶部122を参照して、経路案内部131によって検索された移動経路のうち、ドライバによって選択された移動経路、言い換えれば車両がこれから走行する移動経路を示す経路情報を取得する。
【0031】
また、取得部132は、移動経路に対応する地図情報を取得する。具体的には、取得部132は、地図情報記憶部121を参照して、経路案内部131によって検索された移動経路のうち、ドライバによって選択された移動経路に対応する地図情報を取得する。例えば、取得部132は、ドライバによって選択された移動経路を含む地図情報を取得する。
【0032】
また、取得部132は、車両の現在位置を示す現在位置情報を取得する。具体的には、取得部132は、センサ部140のGNSSセンサから、センサ部140のGNSSセンサが生成した測位用データを取得する。続いて、取得部132は、取得した測位用データから、車両の現在位置情報として、車両の現在位置を示す緯度情報および経度情報を取得する。
【0033】
特定部133は、取得部132によって取得された経路情報、および地図情報に基づいて、車両がこれから走行する移動経路における音声案内の出力が不要な区間を特定する。具体的には、特定部133は、音声案内の出力が不要な区間として、車両がこれから走行する移動経路における隣り合う2つの音声案内の出力地点の間の区間を特定する。例えば、特定部133は、経路情報および地図情報に基づいて、移動経路における音声案内の各出力地点を特定する。例えば、特定部133は、経路情報および地図情報に基づいて、右左折案内などの経路誘導に関する音声案内の出力地点を特定する。また、特定部133は、経路情報および地図情報に基づいて、事故多発地点などの交通情報に関する音声案内の出力地点を特定する。また、特定部133は、経路情報および地図情報に基づいて、周辺施設のレコメンドなどのレコメンド情報に関する音声案内の出力地点を特定する。続いて、特定部133は、現在位置情報に基づいて、車両がこれから走行する移動経路における音声案内の各出力地点を特定する。
【0034】
続いて、特定部133は、車両がこれから走行する移動経路における音声案内の各出力地点を特定した場合、車両がこれから走行する移動経路における隣り合う2つの音声案内の出力地点の間の区間を特定する。例えば、特定部133は、車両がこれから走行する移動経路における最初の音声案内の出力地点(第1出力地点)と2番目の音声案内の出力地点(第2出力地点)を特定した場合、隣り合う2つの音声案内の出力地点の間の区間として、第1出力地点と第2出力地点の間の区間を特定する。また、特定部133は、車両がこれから走行する移動経路における2番目の音声案内の出力地点(第2出力地点)と最後の音声案内の出力地点(第3出力地点)を特定した場合、隣り合う2つの音声案内の出力地点の間の区間として、第2出力地点と第3出力地点の間の区間を特定する。
【0035】
推定部134は、経路情報、地図情報および現在位置情報に基づいて、車両が移動経路を走行する走行期間のうち、音声案内の出力が不要な時間帯を推定する。具体的には、推定部134は、車両が特定部133によって特定された音声案内の出力が不要な区間に到達する到達予想時刻を推定する。続いて、推定部134は、車両が特定部133によって特定された音声案内の出力が不要な区間を通過する通過予想時刻を推定する。続いて、推定部134は、推定された到達予想時刻から通過予想時刻までの時間帯を音声案内の出力が不要な時間帯であると推定する。
【0036】
より具体的には、推定部134は、車両が特定部133によって特定された隣り合う2つの音声案内の出力地点の間の区間に到達する到達予想時刻を推定する。例えば、推定部134は、車両が特定部133によって特定された隣り合う2つの音声案内の出力地点の間の区間の開始地点に到達する到達予想時刻を推定する。例えば、推定部134は、経路情報、地図情報および現在位置情報に基づいて、車両の現在位置から特定部133によって特定された区間の開始地点までの走行距離を推定する。続いて、推定部134は、推定した走行距離を車両の走行速度(例えば、平均速度など)で除することにより、現在位置から区間の開始地点までの移動時間(以下、第1移動時間ともいう)を推定する。また、推定部134は、第1移動時間を推定した場合、現在の時刻に第1移動時間を加算することにより、区間の開始地点に到達する到達予想時刻を推定する。
【0037】
続いて、推定部134は、車両が特定部133によって特定された音声案内の出力が不要な区間を通過する通過予想時刻を推定する。より具体的には、推定部134は、車両が特定部133によって特定された隣り合う2つの音声案内の出力地点の間の区間を通過する通過予想時刻を推定する。例えば、推定部134は、車両が特定部133によって特定された隣り合う2つの音声案内の出力地点の間の区間の終了地点を通過する通過予想時刻を推定する。例えば、推定部134は、経路情報、地図情報および現在位置情報に基づいて、車両の現在位置から特定部133によって特定された区間の終了地点までの走行距離を推定する。続いて、推定部134は、推定した走行距離を車両の走行速度(例えば、平均速度など)で除することにより、現在位置から区間の終了地点までの移動時間(以下、第2移動時間ともいう)を推定する。また、推定部134は、第2移動時間を推定した場合、現在の時刻に第2移動時間を加算することにより、区間の終了地点を通過する通過予想時刻を推定する。
【0038】
出力制御部135は、コンテンツの出力を制御する。具体的には、出力制御部135は、通信部110からコンテンツを取得する。続いて、出力制御部135は、取得したコンテンツの中から、推定部134によって推定された音声案内の出力が不要な時間帯に収まるコンテンツを選択する。以下では、「推定部134によって推定された音声案内の出力が不要な時間帯」のことを「推定部134によって推定された時間帯」と記載する場合がある。また、以下では、「推定部134によって推定された音声案内の出力が不要な時間帯の長さ」のことを「推定部134によって推定された時間帯の長さ」と記載する場合がある。例えば、出力制御部135は、推定部134によって推定された時間帯の長さと、取得した各コンテンツの再生時間を比較して、取得したコンテンツの中から、推定部134によって推定された時間帯の長さよりも再生時間が短いコンテンツを選択する。例えば、出力制御部135は、ロングバージョンとショートバージョンの音声広告のうち、継続時間に収まる広告を選択してよい。続いて、出力制御部135は、選択したコンテンツに含まれる音声を推定部134によって推定された時間帯に出力するよう音声出力部150を制御する。なお、出力制御部135は、選択したコンテンツに映像が含まれる場合は、選択したコンテンツに含まれる映像を推定部134によって推定された時間帯に表示するよう表示部170を制御する。
【0039】
音声出力部150は、スピーカを含み、制御部130から入力したデジタルの音声信号をD/A(Digital/Analog)変換によってアナログの音声信号に変換し、当該スピーカから当該アナログの音声信号に応じた音声を出力する。具体的には、音声出力部150は、制御部130の制御に従って、車両の現在位置に応じて、経路誘導(右左折案内など)、交通情報(周辺の渋滞・交通規制・事故多発地点など)、または、レコメンド情報(周辺施設のレコメンドなど)等の音声案内を出力する。
【0040】
また、音声出力部150は、出力制御部135の制御に従って、出力制御部135によって選択されたコンテンツに含まれる音声を出力する。具体的には、音声出力部150は、出力制御部135によって選択されたコンテンツに含まれる音声を推定部134によって推定された時間帯に出力する。
【0041】
入力部160は、利用者から各種操作が入力される。例えば、入力部160は、タッチパネル機能により表示面(例えば表示部170)を介して利用者からの各種操作を受け付けてもよい。例えば、入力部160は、車両の運転者から、出発地および目的地に関する情報の入力操作を受け付ける。また、入力部160は、情報処理装置100に設けられたボタンや、情報処理装置100に接続されたキーボードやマウスからの各種操作を受け付けてもよい。
【0042】
また、入力部160は、音声認識機能(例えば、マイクなど)を含み、利用者の音声を認識する。入力部160は、利用者の音声により、利用者からの各種操作を受け付けてもよい。
【0043】
表示部170は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現される表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。表示部170は、制御部130の制御に従って、各種情報を表示する。例えば、表示部170は、経路案内部131によって提案される移動経路および地図情報を表示する。また、表示部170は、出力制御部135の制御に従って、出力制御部135によって選択されたコンテンツに含まれる映像を表示する。例えば、表示部170は、出力制御部135によって選択されたコンテンツに含まれる映像を推定部134によって推定された時間帯に表示する。なお、情報処理装置100にタッチパネルが採用される場合には、入力部160と表示部170とは一体化される。また、以下の説明では、表示部170を画面と記載する場合がある。
【0044】
〔3.情報処理のフロー〕
次に、図4を用いて、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。図4は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す例では、情報処理装置100の取得部132は、目的地までの車両の移動経路を示す経路情報、移動経路に対応する地図情報、および、車両の現在位置を示す現在位置情報を取得する(ステップS1)。また、情報処理装置100の特定部133は、経路情報、および地図情報に基づいて、移動経路における音声案内の出力が不要な区間を特定する(ステップS2)。また、情報処理装置100の推定部134は、車両が音声案内の出力が不要な区間に到達する到達予想時刻、および、車両が音声案内の出力が不要な区間を通過する通過予想時刻を推定し、推定された到達予想時刻から通過予想時刻までの時間帯を音声案内の出力が不要な時間帯であると推定する(ステップS3)。
【0045】
〔4.変形例〕
上述した実施形態に係る処理は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。
【0046】
〔4-1.車両が進まない時間帯の推定〕
上述した実施形態では、特定部133が、音声案内の出力が不要な区間として、移動経路における隣り合う2つの音声案内の出力地点の間の区間を特定する場合について説明したが、特定部133が音声案内の出力が不要な区間として特定する区間はこれに限られない。具体的には、特定部133は、音声案内の出力が不要な区間として、移動経路における車両が進まない区間を特定する。一般的に、車両が進まない区間を車両が走行している間は、車両の位置変化が少ないため、音声案内が出力されない(つまり、音声案内の出力が不要な)時間帯であると推定することができる。
【0047】
〔4-1-1.渋滞に巻き込まれる時間帯の推定〕
一般的に、渋滞中の区間は、車両が進まない区間であると考えられる。特定部133は、音声案内の出力が不要な区間として、移動経路における渋滞中の渋滞区間を特定する。具体的には、取得部132は、通信部110を介して、例えば、交通情報を管理するサーバから、車両の現在位置付近の渋滞情報を取得する。特定部133は、取得部132によって取得された経路情報、地図情報、現在位置情報および渋滞情報に基づいて、これから走行する移動経路における渋滞中の渋滞区間を特定する。
【0048】
推定部134は、車両が特定部133によって特定された渋滞区間に到達する到達予想時刻を推定する。例えば、推定部134は、車両が特定部133によって特定された渋滞区間の開始地点に到達する到達予想時刻を推定する。例えば、推定部134は、経路情報、地図情報および現在位置情報に基づいて、車両の現在位置から特定部133によって特定された渋滞区間の開始地点までの走行距離を推定する。続いて、推定部134は、推定した走行距離を車両の走行速度(例えば、平均速度など)で除することにより、現在位置から渋滞区間の開始地点までの移動時間(以下、第3移動時間ともいう)を推定する。また、推定部134は、第3移動時間を推定した場合、現在の時刻に第3移動時間を加算することにより、渋滞区間の開始地点に到達する到達予想時刻を推定する。
【0049】
続いて、推定部134は、車両が特定部133によって特定された渋滞区間を通過する通過予想時刻を推定する。例えば、推定部134は、車両が特定部133によって特定された渋滞区間の終了地点を通過する通過予想時刻を推定する。例えば、推定部134は、渋滞情報に基づいて、車両が渋滞区間を移動するのに要する移動時間(以下、第4移動時間ともいう)を推定する。続いて、推定部134は、第4移動時間を推定した場合、渋滞区間の開始地点に到達する到達予想時刻に第4移動時間を加算することにより、渋滞区間の終了地点を通過する通過予想時刻を推定する。続いて、推定部134は、推定された到達予想時刻から通過予想時刻までの時間帯を音声案内の出力が不要な時間帯であると推定する。
【0050】
〔4-1-2.混雑する交差点を通過する時間帯の推定〕
一般的に、混雑する交差点を通過する区間は、車両が進まない区間であると考えられる。特定部133は、音声案内の出力が不要な区間として、移動経路における特定の交差点を特定する。具体的には、取得部132は、通信部110を介して、例えば、交通情報を管理するサーバから、信号機のある交差点ごとの所要通過時間に関する統計情報(以下、統計情報ともいう)を取得する。例えば、取得部132は、交差点ごとの所要通過時間に関する統計情報として、車両の進行方向別の統計情報を取得してもよい。特定部133は、取得部132によって取得された経路情報、地図情報、現在位置情報および統計情報に基づいて、特定の交差点として、これから走行する移動経路における交差点のうち、交差点の通過に要する所要時間が所定の時間を超える交差点を特定する。
【0051】
推定部134は、車両が特定部133によって特定された特定の交差点に到達する到達予想時刻を推定する。例えば、推定部134は、経路情報、地図情報および現在位置情報に基づいて、車両の現在位置から特定部133によって特定された特定の交差点までの走行距離を推定する。続いて、推定部134は、推定した走行距離を車両の走行速度(例えば、平均速度など)で除することにより、現在位置から特定の交差点までの移動時間(以下、第5移動時間ともいう)を推定する。また、推定部134は、第5移動時間を推定した場合、現在の時刻に第5移動時間を加算することにより、特定の交差点に到達する到達予想時刻を推定する。
【0052】
続いて、推定部134は、車両が特定部133によって特定された特定の交差点を通過する通過予想時刻を推定する。例えば、推定部134は、統計情報に基づいて、車両が特定部133によって特定された特定の交差点を通過するための所要通過時間を推定する。例えば、推定部134は、車両が特定部133によって特定された特定の交差点を通過するための所要通過時間として、特定の交差点の所要通過時間の統計値を取得する。また、推定部134は、所要通過時間を推定した場合、特定の交差点に到達する到達予想時刻に所要通過時間を加算することにより、車両が特定部133によって特定された特定の交差点を通過する通過予想時刻を推定する。続いて、推定部134は、推定された到達予想時刻から通過予想時刻までの時間帯を音声案内の出力が不要な時間帯であると推定する。
【0053】
〔4-2.自動運転区間を走行する時間帯の推定〕
上述した実施形態では、特定部133が、音声案内の出力が不要な区間として、移動経路における隣り合う2つの音声案内の出力地点の間の区間を特定する場合について説明したが、特定部133が音声案内の出力が不要な区間として特定する区間はこれに限られない。具体的には、特定部133は、音声案内の出力が不要な区間として、移動経路における自動運転区間を特定する。一般的に、自動運転区間を車両が自動運転により走行している間は、ドライバが運転をしないため、経路案内、交通情報等の音声案内の出力が不要な時間帯であると推定することができる。
【0054】
特定部133は、音声案内の出力が不要な区間として、移動経路における自動運転区間を特定する。具体的には、取得部132は、自動運転区間を含む地図情報を取得する。特定部133は、取得部132によって取得された経路情報、および地図情報に基づいて、これから走行する移動経路における自動運転区間を特定する。
【0055】
推定部134は、車両が特定部133によって特定された自動運転区間に到達する到達予想時刻を推定する。例えば、推定部134は、車両が特定部133によって特定された自動運転区間に到達する到達予想時刻を推定する。例えば、推定部134は、経路情報、地図情報および現在位置情報に基づいて、車両の現在位置から特定部133によって特定された自動運転区間の開始地点までの走行距離を推定する。続いて、推定部134は、推定した走行距離を車両の走行速度(例えば、平均速度など)で除することにより、現在位置から自動運転区間の開始地点までの移動時間(以下、第6移動時間ともいう)を推定する。また、推定部134は、第6移動時間を推定した場合、現在の時刻に第6移動時間を加算することにより、自動運転区間の開始地点に到達する到達予想時刻を推定する。
【0056】
推定部134は、車両が特定部133によって特定された自動運転区間を通過する通過予想時刻を推定する。例えば、推定部134は、車両が特定部133によって特定された自動運転区間の終了地点を通過する通過予想時刻を推定する。例えば、推定部134は、経路情報、地図情報および現在位置情報に基づいて、車両の現在位置から特定部133によって特定された自動運転区間の終了地点までの走行距離を推定する。続いて、推定部134は、推定した走行距離を車両の走行速度(例えば、平均速度など)で除することにより、現在位置から自動運転区間の終了地点までの移動時間(以下、第7移動時間ともいう)を推定する。また、推定部134は、第7移動時間を推定した場合、現在の時刻に第7移動時間を加算することにより、自動運転区間の終了地点を通過する通過予想時刻を推定する。続いて、推定部134は、推定された到達予想時刻から通過予想時刻までの時間帯を音声案内の出力が不要な時間帯であると推定する。
【0057】
〔4-3.その他〕
上述した実施形態および変形例のいずれにおいても、推定部134は、レコメンド情報が出力されるコアタイム(食事時)を音声案内の出力が不要な時間帯から除いてもよい。
【0058】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置100は、車両の現在位置に応じて音声案内を出力する情報処理装置であって、取得部132と推定部134を備える。取得部132は、目的地までの車両の移動経路を示す経路情報、移動経路に対応する地図情報、および、車両の現在位置を示す現在位置情報を取得する。推定部134は、経路情報、地図情報および現在位置情報に基づいて、車両が移動経路を走行する走行期間のうち、音声案内の出力が不要な時間帯を推定する。
【0059】
これにより、情報処理装置100は、音声を含むコンテンツを出力するのに適した時間帯を推定することを可能にすることができる。また、これにより、情報処理装置100は、例えば、音声案内の出力が不要な時間帯に収まるコンテンツを選択し、選択されたコンテンツを音声案内の出力が不要な時間帯に出力するよう予約することができる。これにより、情報処理装置100は、例えば、対話型のコンテンツやニュースの読み上げなど提示に長時間を要するコンテンツを途中で中断することなく一度に出力可能とすることができる。したがって、情報処理装置100は、音声を含むコンテンツの出力効果を高めることができる。また、情報処理装置100は、例えば、広告を提示する場合に、広告の提示の前後のそれぞれに所定時間以上の音声情報の出力の空白期間が含まれるように広告の提示タイミングをスケジューリングすることができる。これにより、情報処理装置100は、立て続けに音声情報が出力されることにより、広告効果が低下するのを防ぐことができる。あるいは、情報処理装置100は、広告を提示可能な時間帯が予め判るため、当該時間帯において提示することで効果がより高まる広告が当該時間帯に提示されるようにスケジューリングすることができる。したがって、情報処理装置100は、音声を含む広告の出力効果を高めることができる。また、情報処理装置100は、例えば、長時間の空き時間がある場合、予め空き時間に再生可能なコンテンツの候補を複数ピックアップし、利用者に候補を提示して選択させることができる。これにより、情報処理装置100は、利用者が空き時間を有効に活用できるようにすることができる。
【0060】
また、情報処理装置100は、特定部133をさらに備える。特定部133は、経路情報、および地図情報に基づいて、移動経路における音声案内の出力が不要な区間を特定する。推定部134は、車両が音声案内の出力が不要な区間に到達する到達予想時刻、および、車両が音声案内の出力が不要な区間を通過する通過予想時刻を推定し、推定された到達予想時刻から通過予想時刻までの時間帯を音声案内の出力が不要な時間帯であると推定する。
【0061】
これにより、情報処理装置100は、移動経路における音声案内の出力が不要な区間を特定することにより、車両が音声案内の出力が不要な区間を走行する時間帯を音声案内の出力が不要な時間帯として適切に推定することができる。
【0062】
また、特定部133は、音声案内の出力が不要な区間として、移動経路における隣り合う2つの音声案内の出力地点の間の区間を特定する。推定部134は、車両が隣り合う2つの音声案内の出力地点の間の区間に到達する到達予想時刻、および、車両が隣り合う2つの音声案内の出力地点の間の区間を通過する通過予想時刻を推定し、推定された到達予想時刻から通過予想時刻までの時間帯を音声案内の出力が不要な時間帯であると推定する。
【0063】
これにより、情報処理装置100は、移動経路における音声案内の出力が不要な区間として、移動経路における隣り合う2つの音声案内の出力地点の間の区間を特定することにより、車両が隣り合う2つの音声案内の出力地点の間の区間を走行する時間帯を音声案内の出力が不要な時間帯として適切に推定することができる。
【0064】
また、特定部133は、音声案内の出力が不要な区間として、移動経路における渋滞中の渋滞区間を特定する。推定部134は、車両が渋滞区間に到達する到達予想時刻、および、車両が渋滞区間を通過する通過予想時刻を推定し、推定された到達予想時刻から通過予想時刻までの時間帯を音声案内の出力が不要な時間帯であると推定する。
【0065】
これにより、情報処理装置100は、移動経路における音声案内の出力が不要な区間として、移動経路における渋滞中の渋滞区間を特定することにより、車両が渋滞区間を走行する時間帯を音声案内の出力が不要な時間帯として適切に推定することができる。
【0066】
また、特定部133は、音声案内の出力が不要な区間として、移動経路における特定の交差点を特定する。推定部134は、車両が特定の交差点に到達する到達予想時刻を推定し、推定した到達予想時刻と、特定の交差点を通過するための所要時間の統計値とに基づいて、車両が特定の交差点を通過する通過予想時刻を推定し、推定された到達予想時刻から通過予想時刻までの時間帯を音声案内の出力が不要な時間帯であると推定する。
【0067】
これにより、情報処理装置100は、移動経路における音声案内の出力が不要な区間として、移動経路における特定の交差点を特定することにより、車両が特定の交差点を通過する時間帯を音声案内の出力が不要な時間帯として適切に推定することができる。
【0068】
また、特定部133は、音声案内の出力が不要な区間として、移動経路における自動運転区間を特定する。推定部134は、車両が自動運転区間に到達する到達予想時刻、および、車両が自動運転区間を通過する通過予想時刻を推定し、推定された到達予想時刻から通過予想時刻までの時間帯を音声案内の出力が不要な時間帯であると推定する。
【0069】
これにより、情報処理装置100は、移動経路における音声案内の出力が不要な区間として、移動経路における自動運転区間を特定することにより、車両が自動運転区間を走行する時間帯を音声案内の出力が不要な時間帯として適切に推定することができる。
【0070】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置100は、例えば図5に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図5は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を備える。
【0071】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0072】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0073】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイ等の出力装置、及び、キーボード等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。なお、CPU1100の代わりに、MPU(Micro Processing Unit)、また多大な計算パワーを必要とすることからGPU(Graphics Processing Unit)を用いてもよい。
【0074】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0075】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0076】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0077】
〔7.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0078】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0079】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 情報処理システム
10 コンテンツ装置
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 地図情報記憶部
122 走行情報記憶部
130 制御部
131 経路案内部
132 取得部
133 特定部
134 推定部
135 出力制御部
140 センサ部
150 音声出力部
160 入力部
170 表示部
図1
図2
図3
図4
図5