(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115857
(43)【公開日】2023-08-21
(54)【発明の名称】電話システム、主装置、プログラム、および話中着信制御方法
(51)【国際特許分類】
H04M 3/42 20060101AFI20230814BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20230814BHJP
H04Q 3/58 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
H04M3/42 A
H04M1/00 S
H04Q3/58 106
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022018320
(22)【出願日】2022-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】三沢 弘毅
(72)【発明者】
【氏名】桜庭 祐斗
【テーマコード(参考)】
5K049
5K127
5K201
【Fターム(参考)】
5K049BB05
5K049BB12
5K049EE02
5K049FF12
5K049FF32
5K049KK12
5K127BA14
5K127CB01
5K127GB24
5K127HA03
5K127HA24
5K127KA02
5K201BC10
5K201BC14
5K201BC18
5K201CA01
5K201CB05
5K201DC05
5K201EA08
5K201EF09
(57)【要約】
【課題】話中着信の発信元が通話中の通話相手よりも重要な相手である場合に、この通話相手との通話を優先するか、それとも話中着信の発信元との通話を優先するかをユーザが決定することが可能な着信制御技術を提供する。
【解決手段】主装置1は、通話中の電話機2-1~2-3を発信先とする新たな呼が着信した場合、この呼の発信元の優先度が通話相手の優先度よりも高いならば、この呼の発信先に話中着信通知を送信する。そして、発信先の電話機2-1~2-3から通話切替指示を受け付けたならば、新たな呼に応答して通話を切り替えるとともに、通話切替前の通話相手に対して、用件の続きを伺う旨の音声ガイダンスを送出して、この通話切替前の通話相手から音声メッセージを受信し録音する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主装置と、前記主装置に収容された電話機と、を備えた電話システムであって、
前記主装置は、
電話番号毎に優先度が記憶された優先度記憶手段と、
前記電話機の通話中に当該電話機を発信先とする新たな呼が着信した場合に、前記優先度記憶手段を参照し、前記新たな呼の発信元の優先度が通話中の通話相手の優先度よりも高いならば、前記電話機に話中着信通知を送信する話中着信通知手段と、
前記話中着信通知手段が前記話中着信通知を送信した場合に、前記電話機から通話切替指示を受信したならば、前記新たな呼に応答して前記電話機の通話を前記新たな呼の発信元に切り替える通話切替手段と、
前記通話切替手段が前記電話機の通話を切り替えた場合に、通話切替前の通話相手に、用件の続きを伺う旨の音声ガイダンスを送出して、当該通話切替前の通話相手から音声メッセージを受信して録音する音声メッセージ録音手段と、
前記電話機から音声メッセージ再生指示を受信した場合に、前記音声メッセージ録音手段により録音された音声メッセージを再生して前記電話機に送出する音声メッセージ再生手段と、を有し、
前記電話機は、
通話中に前記主装置から前記話中着信通知を受信した場合に、当該話中着信通知を出力する話中着信通知出力手段と、
前記話中着信通知出力手段により出力された話中着信通知に応答して通話切替操作を受け付けた場合に、前記通話切替指示を前記主装置に送信する通話切替指示送信手段と、
待機中に音声メッセージ再生操作を受け付けた場合に、前記音声メッセージ再生指示を前記主装置に送信する音声メッセージ再生指示送信手段と、を有する
ことを特徴とする電話システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電話システムであって、
前記主装置は、
前記電話機の通話中に前記新たな呼が着信した場合に、前記優先度記憶手段を参照し、前記新たな呼の発信元の優先度が前記通話中の通話相手の優先度よりも低いならば、前記新たな呼に一次応答する一次応答手段をさらに有し、
前記音声メッセージ録音手段は、
前記一次応答手段が前記新たな呼に一次応答した場合に、当該新たな呼の発信元に、用件を伺う旨の音声ガイダンスを送出して、当該新たな呼の発信元から音声メッセージを受信して録音する
ことを特徴とする電話システム。
【請求項3】
請求項2に記載の電話システムであって、
前記一次応答手段は、
前記電話機の通話中に前記新たな呼が着信した場合に、前記新たな呼の発信元の優先度と前記通話中の通話相手の優先度とが同じ場合でも、前記新たな呼に一次応答し、
前記話中着信通知手段は、
前記一次応答手段が前記新たな呼に一次応答した場合に、当該新たな呼の発信元の優先度と前記通話中の通話相手の優先度とが同じならば、当該新たな呼の発信元に、用件名を伺う旨の音声ガイダンスを送出して、当該新たな呼の発信元から音声メッセージを受信し、当該受信した音声メッセージをテキストデータに変換して、当該テキストデータを伴う前記話中着信通知を前記電話機に送信し、
前記電話機は、表示部をさらに有し、
前記話中着信通知出力手段は、
通話中に前記主装置から、前記テキストデータを伴う前記話中着信通知を受信した場合に、当該話中着信通知を出力するとともに、当該テキストデータを前記表示部に表示する
ことを特徴とする電話システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電話システムであって、
前記主装置は、
前記電話機の通話中に当該電話機から通話継続指示を受信した場合に、当該通話が終了するまで、当該電話機に紐付けて通話継続フラグを設定する通話継続フラグ設定手段をさらに有し、
前記話中着信通知手段は、
前記電話機の通話中に前記新たな呼が着信した場合に、当該電話機に紐付けて前記通話継続フラグが設定されているならば、前記新たな呼の発信元および前記通話中の通話相手の優先度にかかわらず、前記電話機に前記話中着信通知を送信せず、
前記一次応答手段は、
前記電話機の通話中に前記新たな呼が着信した場合に、当該電話機に紐付けて前記通話継続フラグが設定されているならば、前記新たな呼の発信元および前記通話中の通話相手の優先度にかかわらず、前記新たな呼に一次応答する
ことを特徴とする電話システム。
【請求項5】
電話機を収容する主装置であって、
電話番号毎に優先度が記憶された優先度記憶手段と、
前記電話機の通話中に当該電話機を発信先とする新たな呼が着信した場合に、前記優先度記憶手段を参照し、前記新たな呼の発信元の優先度が通話中の通話相手の優先度よりも高いならば、前記電話機に話中着信通知を送信する話中着信通知手段と、
前記話中着信通知手段が前記話中着信通知を送信した場合に、前記電話機から通話切替指示を受信したならば、前記新たな呼に応答して前記電話機の通話を前記新たな呼の発信元に切り替える通話切替手段と、
前記通話切替手段が前記電話機の通話を切り替えた場合に、通話切替前の通話相手に、用件の続きを伺う旨の音声ガイダンスを送出して、当該通話切替前の通話相手から音声メッセージを受信して録音する音声メッセージ録音手段と、
前記電話機から音声メッセージ再生指示を受信した場合に、前記音声メッセージ録音手段により録音された音声メッセージを再生して前記電話機に送出する音声メッセージ再生手段と、を有する
ことを特徴とする主装置。
【請求項6】
電話機を収容する主装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
電話番号毎に優先度が記憶された優先度記憶手段、
前記電話機の通話中に当該電話機を発信先とする新たな呼が着信した場合に、前記優先度記憶手段を参照し、前記新たな呼の発信元の優先度が通話中の通話相手の優先度よりも高いならば、前記電話機に話中着信通知を送信する話中着信通知手段、
前記話中着信通知手段が前記話中着信通知を送信した場合に、前記電話機から通話切替指示を受信したならば、前記新たな呼に応答して前記電話機の通話を前記新たな呼の発信元に切り替える通話切替手段、
前記通話切替手段が前記電話機の通話を切り替えた場合に、通話切替前の通話相手に、用件の続きを伺う旨の音声ガイダンスを送出して、当該通話切替前の通話相手から音声メッセージを受信して録音する音声メッセージ録音手段、および
前記電話機から音声メッセージ再生指示を受信した場合に、前記音声メッセージ録音手段により録音された音声メッセージを再生して前記電話機に送出する音声メッセージ再生手段として、前記コンピュータを機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
主装置と、前記主装置に収容された電話機と、を備えた電話システムの話中着信制御方法であって、
前記主装置は、
電話番号毎に優先度を記憶しており、
前記電話機の通話中に当該電話機を発信先とする新たな呼が着信した場合に、前記新たな呼の発信元の優先度が通話中の通話相手の優先度よりも高いならば、前記電話機に話中着信通知を送信し、
前記話中着信通知に対して前記電話機から通話切替指示を受信したならば、前記新たな呼に応答して前記電話機の通話を前記新たな呼の発信元に切り替えるとともに、通話切替前の通話相手に、用件の続きを伺う旨の音声ガイダンスを送出して、当該通話切替前の通話相手から音声メッセージを受信して録音し、
前記電話機から音声メッセージ再生指示を受信した場合に、録音された音声メッセージを再生して前記電話機に送出し、
前記電話機は、
通話中に前記主装置から前記話中着信通知を受信した場合に、当該話中着信通知を出力し、当該話中着信通知に対して通話切替操作を受け付けたならば、前記通話切替指示を前記主装置に送信し、
待機中に音声メッセージ再生操作を受け付けた場合に、前記音声メッセージ再生指示を前記主装置に送信する
ことを特徴とする話中着信制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主装置と、主装置に収容された複数の電話機と、を有する電話システムに関し、特に、電話システムの話中着信制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、通話を中断することなく、話中着信のメッセージを受信し、かつワンタッチで話中着信の発信元へ折り返し電話することが可能な電話システムが開示されている。
【0003】
この電話システムにおいて、ボタン電話主装置は、内線ボタン電話機の通話中に新たに着信した場合(話中着信)、この新たな着信に応答して音声メッセージを録音するとともに、この新たな着信の発信元の電話番号をこの内線ボタン電話機のワンタッチボタンに登録する。そして、内線ボタン電話機の通話終了後に、録音した音声メッセージを含む音声メールをこの内線ボタン電話機に送出する。つぎに、この内線ボタン電話機からワンタッチボタンの操作信号を受信すると、音声メッセージの録音主(上述の新たな着信の発信元)へ発信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、話中着信の発信元が通話中の通話相手よりも重要な相手であり、この通話相手との通話よりも話中着信の発信元との通話を優先したい場合がある。しかしながら、特許文献1に記載の電話システムは、この場合を想定していない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、話中着信の発信元が通話中の通話相手よりも重要な相手である場合に、ユーザがこの通話相手との通話を優先するか、それとも話中着信の発信元との通話を優先するかを決定することが可能な着信制御技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明において、主装置は、予め電話番号毎に優先度を登録しておく。通話中の電話機を発信先とする呼が新たに着信した場合、この電話機の通話相手の優先度と新たに着信した呼の発信元の優先度とを比較し、新たに着信した呼の発信元の優先度の方が高いならば、この電話機に話中着信通知を送信する。そして、この電話機から通話切替指示を受け付けたならば、新たに着信した呼に応答して通話を切り替えるとともに、通話切替前の通話相手に対して、用件の続きを伺う旨の音声ガイダンスを送出して、この通話切替前の通話相手から音声メッセージを受信して録音する。その後、この電話機と新たな呼の発信元との通話が終了し、この電話機から録音再生指示を受け付けたならば、この電話機に通話切替前の通話相手の音声メッセージを送出する。
【0008】
例えば、本発明は、
主装置と、前記主装置に収容された電話機と、を備えた電話システムであって、
前記主装置は、
電話番号毎に優先度が記憶された優先度記憶手段と、
前記電話機の通話中に当該電話機を発信先とする新たな呼が着信した場合に、前記優先度記憶手段を参照し、前記新たな呼の発信元の優先度が通話中の通話相手の優先度よりも高いならば、前記電話機に話中着信通知を送信する話中着信通知手段と、
前記話中着信通知手段が前記話中着信通知を送信した場合に、前記電話機から通話切替指示を受信したならば、前記新たな呼に応答して前記電話機の通話を前記新たな呼の発信元に切り替える通話切替手段と、
前記通話切替手段が前記電話機の通話を切り替えた場合に、通話切替前の通話相手に、用件の続きを伺う旨の音声ガイダンスを送出して、当該通話切替前の通話相手から音声メッセージを受信して録音する音声メッセージ録音手段と、
前記電話機から音声メッセージ再生指示を受信した場合に、前記音声メッセージ録音手段により録音された音声メッセージを再生して前記電話機に送出する音声メッセージ再生手段と、を有し、
前記電話機は、
通話中に前記主装置から前記話中着信通知を受信した場合に、当該話中着信通知を出力する話中着信通知出力手段と、
前記話中着信通知出力手段により出力された話中着信通知に応答して通話切替操作を受け付けた場合に、前記通話切替指示を前記主装置に送信する通話切替指示送信手段と、
待機中に音声メッセージ再生操作を受け付けた場合に、前記音声メッセージ再生指示を前記主装置に送信する音声メッセージ再生指示送信手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明において、主装置は、通話中の電話機を発信先とする呼が新たに着信した場合、この呼の発信元の優先度が通話相手の優先度よりも高いならば、この電話機に話中着信通知を送信する。この電話機から通話切替指示を受け付けたならば、新たに着信した呼に応答して通話を切り替えるとともに、通話切替前の通話相手に対して用件の続きを伺う旨の音声ガイダンスを送出して、この通話切替前の通話相手からの音声メッセージを受信・録音する。したがって、本発明によれば、話中着信の発信元が通話中の通話相手よりも重要な相手である場合に、この通話相手との通話を優先するか、それとも話中着信の発信元との通話を優先するかをユーザが決定することができる。また、電話機のユーザは、話中着信の発信元との通話に切り替えた場合でも、録音された音声メッセージの再生により通話切替前の通話相手の用件の続きを確認することができるので、通話切替前の通話相手に電話をかけ直して用件の続きを確認する必要がなく、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態に係る電話システムの概略構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施の形態に係る電話システムの話中着信処理の第1動作例を説明するためのシーケンス図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施の形態に係る電話システムの話中着信処理の第1動作例を説明するためのシーケンス図であり、
図2の続きである。
【
図4】
図4は、本発明の一実施の形態に係る電話システムの話中着信処理の第2動作例を説明するためのシーケンス図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施の形態に係る電話システムの話中着信処理の第2動作例を説明するためのシーケンス図であり、
図4の続きである。
【
図6】
図6は、本発明の一実施の形態に係る電話システムの話中着信処理の第3動作例を説明するためのシーケンス図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施の形態に係る電話システムの話中着信処理の第4動作例を説明するためのシーケンス図である。
【
図9】
図9は、主装置1の話中着信処理を説明するためのフロー図である。
【
図10】
図10は、
図9に示す話中着信相手優先処理を説明するためのフロー図である。
【
図14】
図14は、電話機2の動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る電話システムの概略構成図である。
【0013】
図示するように、本実施の形態に係る電話システムは、IP(Internet Protocol)電話網、PSTN(Public Switched Telephone Network)等の外線電話網3およびLAN(Local Area Network)、アナログ回線等で構成された内線電話網4に接続された主装置1と、内線電話網4を介して主装置1に収容された複数の電話機2-1~2-3(以下、単に電話機2とも呼ぶ)と、を備えている。
【0014】
主装置1は、電話機2と連携して、電話機2と電話機2との間、あるいは電話機2と外線電話網3との間に通話路を確立し、この通話路を介して電話機2と通話相手との通話を中継する。また、主装置1は、電話番号毎に優先度を登録しており、通話中の電話機2を発信先とする呼が新たに着信した場合に(話中着信)、話中着信した呼の発信元およびこの通話中の電話機2の通話相手それぞれの優先度に基づいて話中着信を処理する。
【0015】
図2および
図3は、本実施の形態に係る電話システムの話中着信処理の第1動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0016】
主装置1が電話機2-1の通話路と電話機2-2の通話路とを中継することにより、電話機2-1および電話機2-2間で通話中であるとする(S100)。
【0017】
主装置1は、通話中の電話機2-1を発信先とする呼が外線電話網3から着信(話中着信)すると(S101)、この呼の発信元(話中着信相手とよぶ)に紐付けられて予め登録されている優先度と、電話機2-1の通話相手である電話機2-2に紐付けられて予め登録されている優先度とを比較する(S102)。ここでは、話中着信相手の優先度が通話相手の優先度よりも高いものとする。
【0018】
この場合、主装置1は、話中着信相手の電話番号を伴う話中着信通知を電話機2-1に送出する(S103)。これを受けて、電話機2-1は、所定の話中着信音を出力して、話中着信相手の電話番号をLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部に表示することにより、話中着信相手から着信中であることをユーザに知らせる。その後、電話機2-1は、ユーザから通話切替操作(応答操作)を受け付けると(S104)、主装置1に通話切替指示を送出する(S105)。
【0019】
これを受けて、主装置1は、電話機2-1の通話路の接続先を通話相手から話中着信相手に切り替える(S106~S108)。すなわち、主装置1は、電話機2-2との通話路を一時保留するとともに(S106)、話中着信相手に応答を送出して(S107)、話中着信相手と通話路を確立する。そして、電話機2-1の通話路と話中着信相手の通話路とを接続して中継する(S108)。これにより、電話機2-1および話中着信相手間の通話が可能となる。
【0020】
つぎに、主装置1は、電話機2-2の一時保留を解除して、電話機2-2に、用件の続きを伺う旨の音声ガイダンスを送出する(S109)。そして、電話機2-2の通話録音を開始し(S110)、電話機2-2のユーザの発話(用件の続き)の音声データを電話機2-1に紐付けて録音する。
【0021】
その後、電話機2-2は、ユーザから終話操作を受け付けると(S111)、主装置1に終話指示を送信する(S112)。これを受けて、主装置1は、電話機2-2の通話路を解放して終話するとともに、電話機2-2の通話録音を終了する(S113)。また、電話機2-1に録音通知を送信する(S114)。
【0022】
また、電話機2-1は、ユーザから終話操作を受け付けると(S115)、主装置1に終話指示を送信する(S116)。主装置1は、電話機2-1から、あるいは、外線電話網3を介して電話機2-1の通話相手から終話指示を受信すると、電話機2-1と電話機2-1の通話相手との通話路を解放して終話する(S117)。
【0023】
その後、電話機2-1は、ユーザから録音再生操作を受け付けると(S118)、主装置1に録音再生指示を送信する(S119)。これを受けて、主装置1は、電話機2-1に紐付けて録音された電話機2-2の音声データ(用件の続きの音声データ)を再生して電話機2-1に送出する(S120)。
【0024】
図4および
図5は、本実施の形態に係る電話システムの話中着信処理の第2動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0025】
主装置1が電話機2-1の通話路と電話機2-2の通話路とを中継することにより、電話機2-1および電話機2-2間で通話中であるとする(S130)。
【0026】
主装置1は、電話機2-1を発信先とする呼が電話機2-3から話中着信すると(S131)、この話中着信相手である電話機2-3に紐付けられて予め登録されている優先度と、電話機2-1の通話相手である電話機2-2に紐付けられて予め登録されている優先度とを比較する(S132)。ここでは、話中着信相手の優先度が通話相手の優先度よりも低いものとする。
【0027】
この場合、主装置1は、話中着信相手である電話機2-3に応答を送出して(S133)、話中着信相手と通話路を確立し(S134)、電話機2-3に、用件を伺う旨の音声ガイダンスを送出する(S135)。そして、電話機2-3の通話録音を開始し(S136)、電話機2-3のユーザの発話(用件)の音声データを電話機2-1に紐付けて録音する。
【0028】
その後、電話機2-3は、ユーザから終話操作を受け付けると(S137)、主装置1に終話指示を送信する(S138)。これを受けて、主装置1は、電話機2-3の通話路を解放して終話するとともに、電話機2-3の通話録音を終了する(S139)。また、電話機2-1に録音通知を送信する(S140)。
【0029】
つぎに、電話機2-1は、ユーザから終話操作を受け付けると(S141)、主装置1に終話指示を送信する(S142)。主装置1は、電話機2-1から、あるいは、電話機2-1の通話相手である電話機2-2から終話指示を受信すると、電話機2-1および電話機2-2間の通話路を解放して終話する(S143)。
【0030】
その後、電話機2-1は、ユーザから録音再生操作を受け付けると(S144)、主装置1に録音再生指示を送信する(S145)。これを受けて、主装置1は、電話機2-1に紐付けて録音された電話機2-3の音声データ(用件の音声データ)を再生して電話機2-1に送出する(S146)。
【0031】
図6は、本実施の形態に係る電話システムの話中着信処理の第3動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0032】
主装置1が電話機2-1の通話路と電話機2-2の通話路とを中継することにより、電話機2-1および電話機2-2間で通話中であるとする(S160)。
【0033】
主装置1は、電話機2-1を発信先とする呼が外線電話網3から話中着信すると(S161)、この話中着信相手に紐付けられて予め登録されている優先度と、電話機2-1の通話相手である電話機2-2に紐付けられて予め登録されている優先度とを比較する(S162)。ここでは、話中着信相手の優先度が通話相手の優先度と同じであるとする。
【0034】
この場合、主装置1は、話中着信相手に応答を送出して(S163)、話中着信相手と通話路を確立し(S164)、話中着信相手に、用件名を伺う旨の音声ガイダンスを送出する(S165)。そして、話中着信相手のユーザの発話(用件名)の音声データに音声認識処理を実施してテキストデータに変換し(S166)、この用件名のテキストデータおよび話中着信相手の電話番号を伴う話中着信通知を電話機2-1に送出する(S167)。これを受けて、電話機2-1は、所定の話中着信音を出力して、話中着信相手の電話番号を用件名のテキストデータとともにLCD等の表示部に表示することにより、ユーザに、話中着信相手から着信中であることを用件名とともに知らせる。その後は、
図2および
図3に示すS104~S120と同様の処理が行われる(S168)。
【0035】
図7は、本実施の形態に係る電話システムの話中着信処理の第4動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0036】
主装置1が電話機2-1の通話路と電話機2-2の通話路とを中継することにより、電話機2-1および電話機2-2間で通話中であるとする(S180)。
【0037】
電話機2-1は、通話相手との通話内容が重要であると認識したユーザから通話継続操作を受け付けると(S181)、主装置1に通話継続指示を送信する(S182)。これを受けて、主装置1は、電話機2-1の通話中、この電話機2-1に紐付けて通話継続フラグを設定する(S183)。
【0038】
つぎに、主装置1は、電話機2-1を発信先とする呼が外線電話網3から話中着信すると(S184)、電話機2-1に通話継続フラグが設定されているので、話中着信相手および電話機2-1の通話相手である電話機2-2にそれぞれ紐付けられて予め登録されている優先度にかかわらず、通話相手である電話機2-2の通話を優先する。この場合、
図4および
図5に示すS133~S146と同様の処理が行われる(S185)。
【0039】
つぎに、本実施の形態に係る電話システムを構成する主装置1および電話機2の詳細を説明する。
【0040】
まず、主装置1の詳細を説明する。
【0041】
【0042】
図示するように、主装置1は、内線電話網インターフェース部10と、外線電話網インターフェース部11と、呼制御部12と、中継部13と、優先度記憶部14と、音声メッセージ録音部15と、音声メッセージ再生部16と、音声認識部17と、通話継続フラグ設定部18と、を有する。
【0043】
内線電話網インターフェース部10は、内線電話網4に接続するためのインターフェースであり、外線電話網インターフェース部11は、外線電話網3に接続するためのインターフェースである。
【0044】
呼制御部12は、電話機2と連携して呼制御処理を実施することにより、この電話機2と通話相手(他の電話機2あるいは外線電話網3)との間の通話路を確立あるいは解放する。また、呼制御部12は、話中着信通知部120と、通話切替部121と、一次応答部122と、を有する。
【0045】
話中着信通知部120は、話中着信した呼の発信先である通話中の電話機2に話中着信通知を送信する。
【0046】
通話切替部121は、電話機2との間に確立された通話路の接続先を通話中の通話相手から話中着信相手に切り替える。
【0047】
一次応答部122は、話中着信した呼に一次応答する。
【0048】
中継部13は、呼制御部12により確立された通話路を介して、電話機2およびこの電話機2の通話相手(他の電話機2あるいは外線電話網3)間の通話を中継する。
【0049】
優先度記憶部14には、電話番号毎に、この電話番号が割り当てられた電話機(内線電話網4に接続された電話機2および外線電話網3に接続された電話機)の優先度が記憶される。ここで、電話番号に加えて、さらに番号体系毎にも(内線番号体系、外線番号体系等)、優先度を優先度記憶部14に記憶しておき、優先度記憶部14に電話番号が記憶されていない電話機については、その電話番号の番号体系に基づいて優先度を判断してもよい。
【0050】
音声メッセージ録音部15は、通話中の電話機2に呼が話中着信した場合に、この呼の発信元から、あるいはこの電話機2の通話相手から受信した音声メッセージをこの電話機2に紐付けて登録する。
【0051】
音声メッセージ再生部16は、音声メッセージ録音部15により録音された音声メッセージを再生する。
【0052】
音声認識部17は、話中着信した呼の発信元から受信した音声に音声認識処理を実施して、この音声をテキストデータに変換する。
【0053】
通話継続フラグ設定部18は、通話中の電話機2から通話継続指示を受信した場合、この通話が継続している間、この電話機2に紐付けて通話継続フラグを設定する。
【0054】
なお、
図8に示す主装置1の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるか、DSP(Digital Signal Processor)等の計算機によりソフトウエア的に実現される。あるいは、CPUと、メモリと、ハードディスク、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、NIC(Network Interface Card)等の通信インターフェースと、を備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することによりプロセスとして実現される。
【0055】
図9は、主装置1の話中着信処理を説明するためのフロー図である。
【0056】
このフローは、電話機2の通話中に、外線電話網3あるいは内線電話網4を介して、この電話機2を発信先とする呼が話中着信することにより開始される。
【0057】
まず、呼制御部12は、通話継続フラグ設定部18を参照し、話中着信した呼の発信先である電話機2に通話継続フラグが設定されているか否かを判断する(S200)。通話継続フラグが設定されているならば(S200でYES)、後述の通話相手優先処理を実施する(S203)。一方、通話継続フラグが設定されていないならば(S200でNO)、優先度記憶部14を参照して、この電話機2の通話相手の優先度と話中着信相手の優先度とを比較する(S201)。
【0058】
ここで、話中着信相手の優先度が通話相手の優先度より高い場合は(S201で「話中着信相手優先」)、後述の話中着信相手優先処理を実施する(S202)。また、話中着信相手の優先度が通話相手の優先度より低い場合は(S201で「通話相手優先」)、後述の通話相手優先処理を実施する(S203)。また、話中着信相手の優先度が通話相手の優先度と同じである場合は(S201で「両者同等」)、後述の優先相手確認処理を実施する(S204)。
【0059】
図10は、
図9に示す話中着信相手優先処理を説明するためのフロー図である。
【0060】
まず、話中着信通知部120は、内線電話網インターフェース部10を介して、話中着信した呼の発信先である電話機2に、話中着信通知を送信する(S210)。
【0061】
つぎに、通話切替部121は、話中着信通知の送信先である電話機2の通話中に(S212でNO)、この電話機2から通話切替指示を受信すると(S211でYES)、この電話機2の通話路の接続先を通話相手から話中着信相手に切り替える(S213)。
【0062】
すなわち、通話切替部121は、通話相手との通話路を一時保留するとともに、話中着信相手に応答を送出して話中着信相手と通話路を確立する。そして、話中着信通知の送信先である電話機2の通話路と話中着信相手の通話路とを接続して中継する。これにより、話中着信通知の送信先である電話機2および話中着信相手間の通話が可能となる。
【0063】
つぎに、通話切替部121は、一時保留中の通話相手(前通話相手と呼ぶ)の一時保留を解除するとともに、前通話相手の用件の続きに関する音声メッセージの録音開始を音声メッセージ録音部15に指示する。これを受けて、音声メッセージ録音部15は、中継部13を介して、前通話相手との通話路に、用件の続きを伺う旨の音声ガイダンスを送出する(S214)。そして、前通話相手から送られてくる、用件の続きに関する音声メッセージの録音を開始する(S215)。
【0064】
つぎに、呼制御部12は、前通話相手との通話が終了すると(S216でYES)、前通話相手の用件の続きに関する音声メッセージの録音終了を音声メッセージ録音部15に指示する。これを受けて、音声メッセージ録音部15は、用件の続きに関する音声メッセージの録音を終了して、この音声メッセージを、話中着信通知の送信先である電話機2に紐付けて保存するとともに、この電話機2に録音通知を送信する(S217)。
【0065】
それから、呼制御部12は、話中着信通知の送信先である電話機2と話中着信相手との通話が終了すると(S218でYES)、この電話機2から録音再生指示が送られてくるのを待つ(S219)。そして、電話機2から録音再生指示を受信すると(S219でYES)、音声メッセージ再生部16に、録音再生指示の送信元の電話機2を通知して音声メッセージ再生を指示する。これを受けて、音声メッセージ再生部16は、録音再生指示の送信元の電話機2に紐付けられて音声メッセージ録音部15に保存されている用件の続きに関する音声メッセージを再生し、この電話機2に送出する(S220)。これにより、話中着信の発信先である電話機2のユーザは、通話終了後、通話切替により中断した前通話相手の用件の続きを迅速に確認することができる。
【0066】
図11は、
図9に示す通話相手優先処理を説明するためのフロー図である。
【0067】
まず、一次応答部122は、話中着信通知に一次応答して(S230)、話中着信相手との間に通話路を確立する。それから、話中着信相手の用件に関する音声メッセージの録音開始を音声メッセージ録音部15に指示する。これを受けて、音声メッセージ録音部15は、中継部13を介して、話中着信相手との通話路に、用件を伺う旨の音声ガイダンスを送出する(S231)。そして、話中着信相手から送られてくる、用件に関する音声メッセージの録音を開始する(S232)。
【0068】
つぎに、呼制御部12は、話中着信相手との通話が終了すると(S233でYES)、話中着信相手の用件に関する音声メッセージの録音終了を音声メッセージ録音部15に指示する。これを受けて、音声メッセージ録音部15は、用件に関する音声メッセージの録音を終了し、この音声メッセージを、話中着信通知の送信先である電話機2に紐付けて保存するとともに、この電話機2に録音通知を送信する(S234)。
【0069】
それから、呼制御部12は、話中着信通知の送信先である電話機2と通話相手との通話が終了すると(S235でYES)、この電話機2から録音再生指示が送られてくるのを待つ(S236)。そして、電話機2から録音再生指示を受信すると(S236でYES)、音声メッセージ再生部16に、録音再生指示の送信元の電話機2を通知して音声メッセージ再生を指示する。これを受けて、音声メッセージ再生部16は、録音再生指示の送信元の電話機2に紐付けられて音声メッセージ録音部15に保存されている用件に関する音声メッセージを再生し、この電話機2に送出する(S237)。これにより、話中着信の発信先である電話機2のユーザは、通話終了後に、話中着信相手の用件を迅速に確認することができる。
【0070】
図12は、
図9に示す優先相手確認処理を説明するためのフロー図である。
【0071】
まず、一次応答部122は、話中着信通知に一次応答して(S250)、話中着信相手との間に通話路を確立する。それから、話中着信相手の用件名(タイトル)に関する音声メッセージの音声認識を音声認識部17に指示する。これを受けて、音声認識部17は、中継部13を介して話中着信相手との通話路に、用件名を伺う旨の音声ガイダンスを送出する(S251)。そして、用件名に関する音声メッセージを話中着信相手から受信し、これに音声認識処理を実施して、用件名に関するテキストデータに変換する(S252)。
【0072】
それから、話中着信通知部120は、内線電話網インターフェース部10を介して、話中着信した呼の発信先である電話機2に、用件名に関するテキストデータが話中着信相手の電話番号とともに付与された話中着信通知を送信する(S253)。その後、上述した
図10のS211~S220に示す処理を実施する(S254)。
【0073】
つぎに、電話機2の詳細を説明する。
【0074】
【0075】
図示するように、電話機2は、内線電話網インターフェース部20と、マンマシンインターフェース部21と、電話機能部22と、を有する。
【0076】
内線電話網インターフェース部20は、内線電話網4に接続するためのインターフェースである。
【0077】
マンマシンインターフェース部21は、ユーザが電話をするためのインターフェースであり、ハンドセット(マイク、スピーカ)、ダイヤルキーを含む各種キー、およびLCD、LED(Light Emitting Diode)等の表示部を備えて構成される。
【0078】
電話機能部22は、電話機として必要な機能を実現するためのものであり、主装置1と連携して呼制御処理を実施することにより通話路を確立あるいは解放する。そして、確立中の通話路を介して通話相手から受信した音声信号(通話データ)をマンマシンインターフェース部21から出力するとともに、マンマシンインターフェース部21に入力された音声信号をこの通話路を介して通話相手に送信する。
【0079】
また、電話機能部22は、話中着信通知出力部220と、通話切替指示送信部221と、音声メッセージ再生指示送信部222と、を有する。
【0080】
話中着信通知出力部220は、通話中に主装置1から話中着信通知を受信した場合に、話中着信通知をマンマシンインターフェース部21から出力する。
【0081】
通話切替指示送信部221は、マンマシンインターフェース部21に出力された話中着信通知に応答して、マンマシンインターフェース部21を介してユーザから通話切替操作を受け付けた場合に、通話切替指示を主装置1に送信する。
【0082】
音声メッセージ再生指示送信部222は、待機中にマンマシンインターフェース部21を介してユーザから音声メッセージ再生操作を受け付けた場合に、音声メッセージ再生指示を主装置1に送信する。
【0083】
通話継続指示送信部223は、通話中にマンマシンインターフェース部21を介してユーザから通話継続操作を受け付けると、主装置1に通話継続指示を送信する。
【0084】
なお、
図13に示す電話機2の機能構成も、
図8に示す主装置1と同様に、ASIC、FPGAなどの集積ロジックICによりハード的に実現されるか、DSP等の計算機によりソフトウエア的に実現される。あるいは、CPUと、メモリと、ハードディスク、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、NIC、無線アダプタ等の通信インターフェースと、を備えたPC、タブレットPC、スマートホン等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することによりプロセスとして実現されてもよい。
【0085】
図14は、電話機2の動作を説明するためのフロー図である。
【0086】
話中着信通知出力部220は、通話中に(S300でYES)、内線電話網インターフェース部20を介して主装置1から話中着信通知を受信すると(S301でYES)、話中着信通知音の出力、話中着信通知を知らせるLEDの点灯等の所定の話中着信通知出力を実施する(S302)。その後、通話切替指示送信部221は、話中着信通知の受信から所定の時間内に、マンマシンインターフェース部21を介してユーザから通話切替操作を受け付けた場合には(S311でYES)、通話切替指示を主装置1に送信する(S312)。
【0087】
また、通話継続指示送信部223は、通話中に(S300でYES)、マンマシンインターフェース部21を介してユーザから通話継続操作を受け付けると(S303でYES)、内線電話網インターフェース部20を介して主装置1に通話継続指示を送信する(S304)。
【0088】
また、音声メッセージ再生指示送信部222は、待機中に(S305でYES)、マンマシンインターフェース部21を介してユーザから録音再生操作を受け付けると(S306でYES)、内線電話網インターフェース部20を介して主装置1に録音再生指示を送信する(S307)。それから、電話機能部22は、内線電話網インターフェース部20を介して主装置1から送られてくる音声メッセージを出力する(S308)。
【0089】
また、電話機能部22は、内線電話網インターフェース部20を介して主装置1から録音通知を受信すると(S309でYES)、音声メッセージが録音されたことを知らせるLEDの点灯等の所定の録音通知出力を実施する(S310)。
【0090】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0091】
本実施の形態において、主装置1は、通話中の電話機2を発信先とする呼が話中着信した場合、話中着信相手の優先度が通話中の通話相手の優先度よりも高いならば、この電話機2に話中着信通知を送信する。そして、この電話機2から通話切替指示を受け付けたならば、話中着信した呼に応答して通話を切り替えるとともに、通話切替前の通話相手(前通話相手)に対して用件の続きを伺う旨の音声ガイダンスを送出して、前通話相手からの音声メッセージを受信して録音する。したがって、本実施の形態によれば、話中着信相手が通話中の通話相手よりも重要な相手である場合に、通話相手との通話を優先するか、それとも話中着信相手との通話を優先するかをユーザが決定することができる。また、電話機のユーザは、話中着信相手との通話に切り替えた場合でも、録音された音声メッセージの再生により前通話相手の用件の続きを確認することができる。このため、前通話相手に電話をかけ直して用件の続きを確認する必要がなく、利便性が向上する。
【0092】
また、本実施の形態において、主装置1は、通話中の電話機2を発信先とする呼が話中着信した場合、話中着信相手の優先度が通話相手の優先度よりも低いならば、話中着信に一次応答して、用件を伺う旨の音声ガイダンスを送出し、話中着信相手から音声メッセージを受信して録音する。したがって、本実施の形態によれば、電話機のユーザは、通話中の通話相手が話中着信相手よりも重要な相手であり、通話相手との通話を継続した場合でも、録音された音声メッセージの再生により話中着信相手の用件を確認することができる。このため、話中着信相手に電話をかけ直して用件を確認する必要がなく、さらに利便性が向上する。
【0093】
また、本実施の形態において、主装置1は、通話中の電話機2を発信先とする呼が話中着信した場合、話中着信相手の優先度が通話相手の優先度と同じ場合でも、話中着信に一次応答して、用件名を伺う旨の音声ガイダンスを送出し、話中着信相手から、用件名を含む音声メッセージを受信して、受信した音声メッセージをテキストデータに変換し、このテキストデータを伴う話中着信通知を電話機2に送信する。これを受けて、電話機2は、用件名のテキストデータを表示して話中着信通知を出力する。したがって、本実施の形態によれば、通話中の通話相手が話中着信相手と同程度重要な相手である場合、電話機2のユーザは、話中着信相手の用件名と通話相手との通話内容とを比較して、どちらの通話を優先するかを決定することができ、さらに利便性が向上する。
【0094】
また、本実施の形態において、主装置1は、通話中の電話機2から通話継続指示を受信した場合に、通話が終了するまで、電話機2に紐付けて通話継続フラグを設定する。そして、通話中の電話機2を発信先とする呼が話中着信した場合、この電話機2に紐付けられた通話継続フラグが設定されているならば、話中着信相手および通話相手の優先度にかかわらず、通話相手との通話を優先する。したがって、本実施の形態によれば、電話機2のユーザは、簡単な操作で通話中の通話相手との通話を優先することが可能となり、利便性がさらに向上する。
【0095】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。また、本発明は、主装置と、主装置に収容された複数の電話機と、を有する電話システムに広く適用可能である。
【符号の説明】
【0096】
1:主装置 2、2-1~2-3:電話機 3:外線電話網
4:内線電話網 10:内線電話網インターフェース部
11:外線電話網インターフェース部 12:呼制御部
13:中継部 14:優先度記憶部 15:音声メッセージ録音部
16:音声メッセージ再生部 17:音声認識部
18:通話継続フラグ設定部 20:内線電話網インターフェース部
21:マンマシンインターフェース部 22:電話機能部
120:話中着信通知部 121:通話切替部 122:一次応答部
220:話中着信通知出力部 221:通話切替指示送信部
222:音声メッセージ再生指示送信部 223:通話継続指示送信部