IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユーグロップ株式会社の特許一覧

特開2023-115874フレコンの搬送装置におけるロック及びロック解除機構
<>
  • 特開-フレコンの搬送装置におけるロック及びロック解除機構 図1
  • 特開-フレコンの搬送装置におけるロック及びロック解除機構 図2
  • 特開-フレコンの搬送装置におけるロック及びロック解除機構 図3
  • 特開-フレコンの搬送装置におけるロック及びロック解除機構 図4
  • 特開-フレコンの搬送装置におけるロック及びロック解除機構 図5
  • 特開-フレコンの搬送装置におけるロック及びロック解除機構 図6
  • 特開-フレコンの搬送装置におけるロック及びロック解除機構 図7
  • 特開-フレコンの搬送装置におけるロック及びロック解除機構 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115874
(43)【公開日】2023-08-21
(54)【発明の名称】フレコンの搬送装置におけるロック及びロック解除機構
(51)【国際特許分類】
   B66C 1/34 20060101AFI20230814BHJP
【FI】
B66C1/34 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022031304
(22)【出願日】2022-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】307016283
【氏名又は名称】ユーグロップ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 政夫
【テーマコード(参考)】
3F004
【Fターム(参考)】
3F004AA03
3F004AB10
3F004AF06
3F004CA05
3F004CB08
3F004CD08
3F004EA24
3F004EA40
3F004KA01
(57)【要約】
【課題】 フレコンバッグのロックによる吊り下げ移送と所定位置での落下の制御をエアー回路により制御する。
【解決手段】 クレーンから垂下させたクレーンフックに掛けた架台を吊り下げた状態で建屋敷設の軌道を移動可能に構成した搬送装置において、所要位置において、エアー回路を用いてフレコンバッグを落下させる。シリンダーを係止部材から脱出させて環状ベルトから取り外し、落下させるように構成したこと。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーン(11)から垂下させたクレーンフック(21)に掛けた架台(3)を吊り下げた状態で建屋敷設の軌道(41)を移動可能に構成した搬送装置において、
前記架台(3)に少なくとも一対のエアーシリンダー(5)(6)(7)(8)を伸縮自在に設け、該エアーシリンダー(5)(6)(7)(8)の伸長において係合するように前記架台(3)に係止部材(9)(9)(9)(9)を設け、該シリンダー(5)(6)(7)(8)の伸長状態でフレコンの少なくとも一対の環状係止ベルト(10)(10)(10)(10)に相通係止させて、その係止状態で、前記架台(3)の側の係止部材(9)(9)(9)(9)によって挟持させてロックした状態でクレーン(11)を移動させ、目的位置において、前記シリンダー(5)(6)(7)(8)を収縮させて、前記シリンダー(5)(6)(7)(8)を前記係止部材(9)(9)(9)(9)から脱出させて前記環状ベルト(10)(10)(10)(10)から取り外し、落下させるように構成したことを特徴とするフレコンの搬送装置におけるロック及びロック解除機構。
【請求項2】
ポンプに接続されたアキュームレータ(2)から前記各シリンダー(5)(6)(7)(8)に夫々開閉バルブ(V1)(V2)を介して一対のエアー回路が敷設され、夫々一対のエアー回路が分岐構成され、各エアーシリンダー(5)(6)(7)(8)に接続されており、前記開閉バルブ(V1)(V2)が操作されて圧送がとめられたときには、前記エアーシリンダー(5)(6)(7)(8)に設けたスプリングによって復元動作されるように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載されているフレコンのロック及びロック解除機構。
【請求項3】
前記一対のエアーシリンダー(5)(6)(7)(8)は、単動又は複動のエアーシリンダーで構成されており、前記ポンプに接続されたアキュームレーター(2)から前記各シリンダー(5)(6)(7)(8)に夫々開閉バルブ(V1)(V2)を介して一対のエアー回路が敷設され、夫々一対のエアー回路は、往復動作可能なように分岐構成され、単動シリンダーの場合は、引き戻しばねが内蔵されていることを特徴とする請求項1に記載のフレコンのロック及びロック解除機構。
【請求項4】
前記架台(3)は、井桁状に構成され、左右に一対のエアーシリンダーが並列して配置され、該一対のシリンダーは、互いに反対方向に伸縮して前記架台に設けた前記係止部材に挿脱自在に構成されており、前記架台(3)の下方に設けた係止部材(9)、(9)、(9)、(9)は、逆U字形部材を下方に向けて垂下させて構成され、該U字形部材は、余裕をもって前記シリンダーが相通できる大きさに形成されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のフレコンの搬送装置におけるロック及びロック解除機構。
【発明の詳細な説明】
〔発明の詳細な説明〕
【0001】
〔発明の属する技術分野〕
本発明は、粉粒体、例えばカーボンブラック等の粉粒体の移送、充填に関し、かかる粉粒体の移送に用いる搬送装置におけるフレコンバッグの吊り下げ治具のロック及びロック解除機構に関するものである。
かかる搬送装置において、フレコンバッグを吊り下げ、所定位置に移動させた後にロック解除して落下させる動作を自動的に行うのに必要な動作を、エアー回路とシリンダー機構によって行う。
【0002】
〔従来の技術〕
カーボンブラック等の粉体の移送には、容器としては、一般に布製、化繊製等のフレコンが使用されている。輸送車両などで出移送されたフレコンは、建屋等の所定の場所に仮設置され、そこで、特殊車両などへ積み替えられるべく、仮置きされる。
こうした仮置き場から、積み替え作業場所へは、フレコンを、ホイスト等のクレーンで吊り下げ、軌道に沿って移動させ、その積み替え作業位置で下方を開放して放出することになる。放出した粉体は、特殊な揚上装置によって、所定の位置に搬送され、その後、所定の搬送車に移し替えられる。
〔特許文献1〕特開2018-131260
〔特許文献2〕特開2013-143972
こうした作業には、当初にフレコンバッグをクレーン搬送するのに吊り下げ、移動させなければならない。このためには、所定位置においてフレコンバッグを吊り下げ、つり下げ状態をロックして、上昇及び水平移動させ、所定位置においてロック状態を解除して落下させなければならない。そして、こうした一連の動作を自動的に行う必要が生じる。
【0003】
〔発明の開示〕
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、フレコンバッグの移し替え、搬送を、エアー回路機構を用いて自動的に行い得るようにすることを目的とする。
かかる目的のために、次の手段を講じるようにした。
本発明においては、エアー圧力を用いたエアーシリンダーを利用しているが、機能的に均等物である油圧シリンダー機構に代えて用いることもできる。
【0004】
〔課題を解決する手段〕
即ち、フレコンバッグの吊り下げ搬送装置におけるロック及びロック解除機構であって、クレーン(11)から垂下させたクレーンフック(21)に掛けた架台(3)を吊り下げた状態で建屋敷設の所定位置に敷設した軌道(41)を移動可能に構成した搬送装置において、
前記架台(3)に少なくとも一対のエアーシリンダー(5)、(6)、(7)、(8)を伸縮自在に設け、該エアーシリンダー(5)、(6)、(7)、(8)の伸長において係合するように前記架台(3)に係止部材(9)、(9)、(9)、(9)を設け、該シリンダー(5),(6)、(7)、(8)の伸長状態でフレコンの少なくとも四隅に逢着した一対の環状係止ベルト(10)(10)(10)(10)に相通係止させて、その係止状態で、前記架台(3)の側の係止部材(9)、(9)、(9)、(9)によって挟持させてロックした状態でクレーン(11)を移動させ、目的位置において、前記シリンダー(5),(6)、(7)、(8)を収縮させて、前記シリンダー(5),(6)、(7)、(8)を前記係止部材(9)、(9)、(9)、(9)から脱出させて前記環状ベルト(10)(10)(10)(10)から取り外し、落下させるように構成したのである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、エアー回路とエアーシリンダーによって、フレコンバッグの吊り下げ、移動後のロック状態の解除を自動的に行い得るようになって、所定の位置でのバッグの落下を安全、確実にスムースに行い得るようになった。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明にかかるフレコンの輸送装置のフレコンバッグのロックにかかるロック時の概略図を示す。
図2】本発明にかかるフレコンの輸送装置のフレコンバッグのロック解除時のエアー回路にかかる概略図を示す。
図3】本発明にかかるフレコンの輸送装置のフレコンバッの吊り下げ用の井桁枠に設置したエアーシリンダーと、ロック作動時の作動図を示す平面視図である。
図4】本発明にかかるフレコンの輸送装置のフレコンバッグのロック作動時の井桁枠に設置したエアーシリンダーとその作動図を示す平面視図である。
図5】本発明にかかるフレコンの輸送装置のフレコンバッグのロック解除時のエアーシリンダーとその作動図を示す平面斜視図である。
図6】本発明にかかるフレコンの輸送装置のフレコンバッグのロック時のフレコンバッグ落下状態時の作用を示す一側面図である。
図7】本発明にかかるフレコンの輸送装置のフレコンバッグのロック時のフレコンバッグの要部の拡大斜視図である。
図8】本発明にかかるフレコンの輸送装置のフレコンバッグのロック前のフレコンバッグの要部の模式図である。
【0007】
〔発明の実施の形態〕
【0008】
図1に示すエアーシリンダーの回路図について説明する。尚、エアーシリンダーは、油圧シリンダーでも同じ機能を発揮するので、均等物として、適宜置換可能である。
また、本実施例では、単動シリンダーとばねを併用しているが、所謂複動シリンダーを用いてもよい。
また、本実施例では、単動シリンダーとばねを併用しているが、所謂複動シリンダーを用いてもよい。この際、単動シリンダーを用いる場合は、実施例のごとく内部に引き戻しの為のスプリングを内蔵し、シリンダーを収縮させることになる。
ポンプに接続されたアキュームレーター(蓄圧器)2から分岐された流路を経て矢印の方向に圧縮エアーは送られる。図示のごとく、分岐流路からバルブV1を介して、シリンダー5に圧送され、そのロッド5Aが伸長され、フレコンバッグ10Aの環状係止ベルト10Aの係止ベルト10に相通されることになる。このシリンダー5には、引き戻し用のスプリング4が内蔵されている。即ち、前記バルブV1が閉じられエアー圧が解除されると、前記スプリング4によって、ロッド5Aは収縮方向に移動されることになる。図1における図示エアーガンは、エアー圧補充用器具を示す。こうした機器は、他の機器に代えて使用できる。
【0009】
前記アキュームレーター(蓄圧器)2から一方の流路には、並列回路になるように、シリンダー6が設けられ、圧送され、そのロッド6Aが伸長されることになる。このシリンダー6には、引き戻し用のスプリング4が内蔵されている。前記アキュームレーター(蓄圧器)2から分岐されたもう一方の流路にも、バルブV2を介して、シリンダー7に圧送され、そのロッド7Aが伸長されることになる。このシリンダー7にも同様に引き戻し用のスプリング4が内蔵されており、前記バルブV2が閉じられエアー圧が解除されると、前記スプリング4によって、ロッド7Aは収縮方向に移動されることになる。され、環状係止ベルト10から抜け出ることになり、ロック状態が解除される。上述したロッド5A、6A、7A8Aの収縮方向の移動によってロック状態が解除され、フレコンバッグ10Aの全ての環状ベルトのロック状態が解除されて落下されることになる。
【0010】
同様に、このもう一方の流路も、並列回路のシリンダー8(ロッド8A)が接続されており、前記と同様の構成とされていて、同様に動作される。
こうした一対のエアーシリンダー5、ロッド5A、シリンダー6、ロッド6A、シリンダー7、ロッド7A、シリンダー8、ロッド8Aによって、一つのフレコンバッグが吊り下げ、ロック状態とされ、クレーン移送されて、所定位置において、上述のごとくロック解除がなされ、落下されることになる。
【0011】
前記ロッド5A、ロッド6A、ロッド7A、ロッド8Aの先端には、係止体9が設けられており、ここに、フレコンバッグの環状係止ベルトが係止される構成とされている。図7参照。
【0012】
前記バルブV1、V2は、クレーン移送経路近辺、フレコンバッグ落下相当位置即ち、フレコンバッグの落下予定位置に設置されたバルブ接触体レバー7A、7Bに接触して動作される。図6を参照。フレコンバッグの落下時の状況を示す。
【0013】
図4は、ロッド5Aが伸長してフレコンバッグの環状係止ベルトに挿入された状態で、バッグは要するにロック状態となっているところを示す。この状態からロッド5Aが引退してベルトから抜け出ると、係合状態が解除され、バッグは落下されることになる。
図8は、ロッド5Aが伸長してフレコンバッグの環状係止ベルトに挿入された状態で、バッグは要するにロック状態となっているところを示す。この状態からエアー遮断されて、引き戻しばねによりロッド5Aが引き戻され、前記係止ベルト10から引き抜かれ、ロック解除状態に至る。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明は、吊り下げ移動するフレコンバッグの移動後に所定位置において自動的に落下させることができて非常に有益である。
【符号の説明】
【0014】
2:アキュームレーター
3:架台
4:スプリング
5:エアーシリンダー
6:エアーシリンダー
7:エアーシリンダー
8:エアーシリンダー
9:係止部材
10:環状ベルト
10A:フレコンバッグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8