IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハネウェル・アスカ・インコーポレーテッドの特許一覧

特開2023-11588平坦シート業界のためのプランナインサイト
<>
  • 特開-平坦シート業界のためのプランナインサイト 図1A
  • 特開-平坦シート業界のためのプランナインサイト 図1B
  • 特開-平坦シート業界のためのプランナインサイト 図2A
  • 特開-平坦シート業界のためのプランナインサイト 図2B
  • 特開-平坦シート業界のためのプランナインサイト 図3
  • 特開-平坦シート業界のためのプランナインサイト 図4
  • 特開-平坦シート業界のためのプランナインサイト 図5
  • 特開-平坦シート業界のためのプランナインサイト 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011588
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】平坦シート業界のためのプランナインサイト
(51)【国際特許分類】
   B65H 35/02 20060101AFI20230117BHJP
   G06N 99/00 20190101ALI20230117BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20230117BHJP
【FI】
B65H35/02
G06N99/00 180
G06Q50/04
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161027
(22)【出願日】2022-10-05
(62)【分割の表示】P 2021008821の分割
【原出願日】2021-01-22
(31)【優先権主張番号】16/751,421
(32)【優先日】2020-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】508322831
【氏名又は名称】ハネウェル・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100147991
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(72)【発明者】
【氏名】リンガスライ・パラニサミー
(72)【発明者】
【氏名】ガジャンナン・ロティ
(72)【発明者】
【氏名】アヴィジット・ダス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】顧客注文及びサイズを識別するプランナインサイト分析を実行して、事業及び動作効率を達成する方法を提供する。
【解決手段】シート作製システムにおけるトリムプランニングプロセスは、顧客注文、一次及び二次機械の仕様、倉庫在庫並びに取引制約を受信することと、(i)注文数量の履行、(ii)一次機械の一次切断パターン、(iii)二次機械の二次切断パターン及び(iv)在庫の詳細のためのソリューションを初期の取引制約を考慮して生成することと、バッチを実行して提案を生成することと、初期の取引制約をオーバーライドする、バッチを実行して提案を生成することで生成された提案から導出した改訂取引制約を使用して、ソリューションを生成することのパラメータの修正ソリューションを生成することと、切断装置を動作させることと、を含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦シート業界における平坦シートストック及び/又は顧客注文を履行するために、原反ロール及び/又はシートをトリミングするのに最適なトリミングパターンを生成する方法であって、
(a)顧客注文の仕様を受信することと、
(b)前記平坦シート業界における一次機械から一次機械の仕様を受信することと、
(c)前記平坦シート業界における二次機械から二次機械の仕様を受信することと、
(d)倉庫在庫の仕様を受信することと、
(e)各ロールサイズについてのオーバーラン又はアンダーランを含む取引制約を受信することと、
(f)次のパラメータ(i)ロール数量に関する許容限度内で行う注文を履行することを含む、注文数量の履行、(ii)各ロールサイズのためのスリッタ又はナイフの配設を含む、前記一次機械の一次切断パターン、(iii)異なるスリッタ又はナイフを含む、前記二次機械の二次切断パターン、及び(iv)利用可能なロールサイズを含む、在庫の詳細、のためのソリューションを生成することと、
生成された前記ソリューションが次善のソリューションである場合に、
(i)要求の履行、(ii)前記二次機械の追加的な使用量に対するペナルティ、(iii)前記二次機械の最適直径の使用量、及び(iv)最適なソリューションを提供するための前記一次機械又は前記二次機械の制約、の関数のうちの少なくとも1つに基づく目的を伴う、ナップサックアルゴリズムに、前記次善のソリューションを供給することと、
生成された前記ソリューションが最適なソリューションである場合に、
修正されたパターンの組によって前記最適なソリューションを再実行することと、
推奨システムにより受信される入力に基づいて、提案を生成することと、
(g)(f)で生成された前記提案を使用して、ステップ(f)の前記パラメータの修正ソリューションを生成することと、
(h)
切断する材料のリール又はシートを受け取ること、
ステップ(g)で生成された前記修正ソリューションを受信するように切断装置を構成すること、及び
前記構成した切断装置を動作させて、前記材料のリール又はシートを複数のより小さいリール又はシートに切断すること
によって、前記切断装置を動作させることと、を含む、方法。
【請求項2】
ステップ(f)、(g)、及び(h)が、ナップサックアルゴリズムによって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
トリミングシステムであって、
コンピュータデバイス(40)であって、
(a)顧客注文の仕様を受信することと、
(b)平坦シート業界における一次機械から一次機械の仕様を受信することと、
(c)前記平坦シート業界における二次機械から二次機械の仕様を受信することと、
(d)倉庫在庫の仕様を受信することと、
(e)各ロールサイズについてのオーバーラン又はアンダーランを含む取引制約を受信することと、
(f)次のパラメータ、(i)ロール数量に関する許容限度内で行う注文を履行することを含む、注文数量の履行、(ii)各ロールサイズのためのスリッタ又はナイフの配設を含む、前記一次機械の一次切断パターン、(iii)異なるスリッタ又はナイフを含む、前記二次機械の二次切断パターン、及び(iv)利用可能なロールサイズを含む、在庫の詳細、のためのソリューションを生成することと、
生成された前記ソリューションが次善のソリューションである場合に、
(i)要求の履行、(ii)前記二次機械の追加的な使用量に対するペナルティ、(iii)前記二次機械の最適直径の使用量、及び(iv)最適なソリューションを提供するための前記一次機械又は前記二次機械の制約、の関数のうちの少なくとも1つに基づく目的を伴う、ナップサックアルゴリズムに、前記次善のソリューションを供給することと、
生成された前記ソリューションが最適なソリューションである場合に、
修正されたパターンの組によって前記最適なソリューションを再実行することと、
推奨システムにより受信される入力に基づいて、提案を生成することと、
(g)(f)で生成された前記提案を使用して、ステップ(f)の前記パラメータの修正ソリューションを生成することと、を行う、コンピュータデバイス(40)と、
材料のリール又はシートを複数のより小さい材料のリール又はシートに切断するための切断装置(50)であって、ステップ(g)で生成された前記修正ソリューションを受信するように構成される、切断装置(50)と、を備える、トリミングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平坦シート業界におけるトリミング動作を改善するための技術に関し、特に、品質制御システムと一次及び二次トリミング機器とを統合し、顧客の要求を履行するために使用されるマスタロールの最小化の代わりに歩留まり又は損失に基づくトリムソリューションを生成する、全体的なトリムプランニングプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
シート平坦業界は、鋼、紙、アルミニウム、乾燥プラスチック膜、リチウムイオンセパレータ、デジタルディスプレイなどを、原反ロール又はシートの形態で生産する。原反ロール又はシートは、幅、直径(又は長さ)、量、及び品質の変動を有する。これらの原反ロールの幅及び直径は、それらを製造する機械の仕様に依存する。顧客は、しばしば、原反ロール又はシートの寸法よりも小さい寸法を有する製品ロール又はシートを注文する。したがって、原反ロール又はシートは、製品ロール又はシートに切断又はトリムしなければならない。
【0003】
紙業界において、製紙機械は、リールと呼ばれる、大きい紙のロールを生産する。リールの幅は、デッケルと呼ばれ、通常は、各機械に対して固定される。トリミング又はチャーティングは、例えば、ワインダ、リワインダ、シータ、トリマ、及びカッタを含む、二次処理機器を採用する。ワインダは、リールをより小さい直径及び幅のロールに切断する。二次処理としても知られているトリミングは、チャート化することを必要とする特定の寸法に応じて、1つ以上のステップ又は段階で実装される。通常、異なる寸法を取り扱う二次処理機器の能力に関して、二次処理機器の固有の制限のため、複数のステップが必要である。
【0004】
トリミングは、典型的に、一日又は一週に複数回実行され、これらのチャーティング動作は、各シフトに対する別個のチャーティングからなり得るか、又はチャーティングバッチと呼ばれる一群の顧客注文に対する別個のチャーティングであり得る。トリミングプロセスは、主として、必要なトリミングパターンの決定を含み、それに従って、一組の顧客注文を履行するために大きいサイズの原反ロール及び/又はシートが二次処理機器で処理される。顧客注文の属性は、典型的に、幅、直径(又は長さ)、注文数量(特定の許容限度内)、製品の種類、及び納期である。
【0005】
トリミングは、ソリューションが、特定の目的を達成するために、同じ製品の種類のワインダ機械への様々な顧客注文の正しい組み合わせを見出すことである場合の、典型的な組み合わせの最適化問題である。大部分のトリムアルゴリズムは、トリム損失の最小化の代わりに、要求の制約の上限の緩和によって顧客の要求を履行するために使用されるマスタロールの数の最小化に重点を置いている。その結果、元々の問題に対する次善のソリューションが導出される。アルゴリズムはまた、実際に使用できないソリューションにつながり得る。ロールの最小化の代わりに歩留まり又は損失に基づいたトリムソリューションを取得するための技術に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、サイズのコストへの影響を相関させることによって特定のバッチにおけるトリミングに特に好適である、ロール及び/又は材料シートのサイズ及び量を識別する分析の策定に部分的に基づく。分析は、業務効率を達成するために顧客が行うことができる注文及びサイズに関する複数の提案を提供する。これらのプランナインサイト又は戦略は、所望のトリム損失に到達する際に手動で実行する複数の繰り返しと関連付けられるコス
トを低減させることによって、プランニングの際の主観に基づく依存度を低減させ、及びリワインダの使用量を最小化し、かつ二次機器のスループットを高めることなどによって、動作効率を改善させる。
【0007】
一態様では、本発明は、平坦シートのストック及び/又は顧客注文を履行するために、原反ロール及び/又はシートをトリミングするのに最適なトリミングパターンを生成する方法を目的とし、該方法は、
(a)顧客注文の仕様を受信することと、
(b)一次機械の仕様を受信することと、
(c)二次機械の仕様を受信することと、
(d)倉庫在庫の仕様を受信することと、
(e)取引制約を受信することと、
(f)以下のパラメータ、すなわち、(i)注文数量の履行、(ii)一次機械の一次切断パターン、(iii)二次機械の二次切断パターン、及び(iv)在庫の詳細のためのソリューションを生成することであって、ソリューションが、受信した取引制約を考慮して生成される、生成することと、
(g)バッチを実行して提案を生成することと、
(h)初期の取引及び在庫の制約をオーバーライドする、(g)で生成された提案から導出した改訂取引制約を使用して、ステップ(f)のパラメータの修正ソリューションを生成することと、
(i)
切断する材料のリール又はシートを受け取ること、
ステップ(h)で生成された修正ソリューションによって切断装置を構成すること、及び
構成した切断装置を動作させて、材料のリール又はシートを複数のより小さいリール又はシートに切断することによって、切断装置を動作させることと、を含む。
【0008】
別の態様では、本発明は、上で説明した最適トリミングパターンを自動的に計算するコンピュータデバイスと、材料のリール又はシートを複数のより小さい材料のリール又はシートに切断するための切断装置と、を含み、切断装置が、コンピュータデバイスによって生成された修正ソリューションを受信するように構成される、トリミングシステムを目的とする。
【0009】
本発明の特徴は、最終的に最小化されるトリム損失に関する項を含む目的関数を伴うナップサックアルゴリズムを内部的に使用する列生成を含む、トリム最適化の採用である。具体的には、ナップサックは、総トリム損失の減算によって要求の制約の上限及び下限の両方の二重性を含む目的を有する。ナップサック目的関数は、バッチで使用されるロールの総数の最小化のためのものではない。ナップサックアルゴリズムはまた、要求及び最小デッケルのための上限も一体化する。通常、ナップサックアルゴリズムは、所与の一組のサイズに対して単一のデッケルだけを有するパターンを作成する。一組のサイズを所与のデッケル内から切断することができない場合、別の(又は二次)ナップサックを使用して、親ロールを生成する。本発明の独特な手法は、親及び注文の幅の両方に対して単一のナップサックを組み込むことを可能にする。具体的には、ナップサックアルゴリズムは、二次処理のサイズ制限に、並びに一次及び二次処理における切断数に関する制約を有する単一のナップサックルーチンによる二次処理に対して親ロールを取り扱う。革新的なナップサック定式化は、縁部の損失及び他の制約を伴う一次及び二次切断の両方を考慮する。本発明は、潜在価格の概念に作用するトリム損失の低減のための提案を提供する
【0010】
バッチは、共に組み合わされ、かつより大きいサイズの原反及び/又は在庫のロール及び/又はシートのチャーティングによって生産される、同じ又は類似する種類の製品の
一組の行うべき、及び随意の注文を指す。トリミング損失は、顧客注文によって指定されたように、より大きいサイズの原反ロール及び/又はシートをより小さい製品ロール及び/又はシートに切断するチャーティングプロセスの間の数量の損失を指す。顧客注文又は注文は、顧客又は内部在庫の注文であり、これは典型的に、製品仕様、製品名、サイズ(幅)、長さ、又は直径などの製品寸法、ロール数に関する数量、重量測定単位、顧客名、納品スケジュール、製品価格、及び該当する場合は特定の割引を含む。
【0011】
本発明は、製紙の際に実装されるものとして例示されているが、本発明は、一般に、任意の複雑な処理施設に、及び他の連続シート作製プロセス、例えばゴムシート、プラスチックフィルム、金属箔などの製造業者などに適用可能であることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】製紙システムの概略図である。
図1B】本発明のプランナインサイトモデルを実装するためのシステムを例示する。
図2A】それぞれ、ワインダの動作を表す、平面図及び斜視図である。
図2B】それぞれ、ワインダの動作を表す、平面図及び斜視図である。
図3】平坦シート業界のためのプランナインサイトの一般戦略を表す。
図4】一体化した品質制御システム並びに一次及び二次機器を有する、全体的なトリムプランニングプロセスのフローチャートである。
図5】推奨されるシステムを伴うトリムプランニングプロセスのフロー図である。
図6】アルゴリズムのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1Aに示すように、シート作製システム10は、製紙機械2と、品質制御システム4と、ネットワーク6と、を含む。製紙機械2は、巻き取りリール14によって回収される、紙材料12の連続シートを生産する。紙材料12は、木繊維及び他の材料の水性混合物を含むパルプ懸濁液原料から生産され、これは、品質制御システム4によって監視及び制御される様々な単位動作を受ける。ネットワーク6は、システム10の構成要素の間の通信を容易にする。
【0014】
製紙機械2は、ヘッドボックス8を含み、これは、水性パルプ懸濁液を機械にわたって、機械方向(MD)に移動している連続スクリーン又はワイヤ30の上へ均等に分配する。ヘッドボックス8は、パルプ懸濁液を受容し、かつ水又は他の材料をパルプ懸濁液から排出又は除去することを可能にするためのスライス開口部を含み、それを通してパルプ懸濁液がメッシュなどのスクリーン又はワイヤ30の上へ分配される。紙シート12の形成は、形成されている紙のシート12にわたって横断方向に延在する複数の直線アクチュエータ3によって左右される。アクチュエータ3は、横断方向(CD)におけるシートの重量を制御する。アクチュエータの下流に位置付けられたセンサは、シートの性質を測定する。原料は、ヘッドボックスから間隙又は細長いオリフィス5を通してワイヤセクション30の上へ供給される。そのような配設の重量プロファイル制御は、モータ付き直線アクチュエータ3によって機械にわたるスライスリップの位置を局所的に調整して、アクチュエータに直接隣接した間隙又はオリフィスの寸法を変動させることによって達成される。
【0015】
次いで、シート12は、複数のプレスロールを含むプレスセクション32に進入し、シート12は、(「ニップ」と称される)開口部を通ってプレスセクション32内の複数対の対向回転ロールの間を通って進行する。このようにして、プレスセクション32内のロールは、シート12を形成するパルプ材料を圧縮する。シート12が乾燥機セクション34内の一連の加熱ロールの上を進行するとき、シート12中のより多くの水が蒸発する
。カレンダー36は、例えば、シート12を平滑化し、かつ最終仕上げ、厚さ、光沢、又は他の特性を付与することによって、シート12の処理及び仕上げを行う。誘導加熱アクチュエータ24のアレイは、CDに沿ってローラの1つ以上に熱を印加して、ロール直径、及びそれによってニップのサイズを制御する。カレンダー36による処理が終了すると、シート12は、リール14上へ回収される。
【0016】
シート作製システム10は、CDに沿って射出される高温蒸気の量を制御する、蒸気アクチュエータ20のアレイを更に含む。高温蒸気は、紙の表面温度を上昇させ、横断方向における紙シートからのより容易な水の除去を可能にする。また、紙シートの過度の乾燥を低減又は防止するために、紙材料14には、CDにおいて水がスプレーされる。同様に、再湿潤シャワーアクチュエータ22のアレイが、CDに沿って適用される水量を制御する。
【0017】
製紙プロセスを制御するために、シート12の選択された性質が連続的に測定され、製紙機械2が、シート品質を確実にするように調整される。測定することができる紙の典型的な物理的特性としては、例えば、厚さ、坪量、含水量、化学組成、表面粗さ、光沢、キャリパ、及びクレープパターン表面特徴が挙げられる。CDの制御は、シート12を走査することが可能な1つ以上のスキャナ26、28を使用してシートの性質を測定し、シート12の1つ以上の特性を測定することによって達成することができる。例えば、スキャナ28は、シート12の乾燥重量、含水量、灰分、又は任意の他の若しくは追加の特性を測定するためのセンサを携持することができる。スキャナ28は、一組の又はアレイのセンサなどの、シート12の1つ以上の特性を測定又は検出するための好適な構造を含む。
【0018】
スキャナ26及び28からの測定値は、シート12の機械方向の特性に影響を及ぼす製紙機械2の様々な動作を調整する、制御システム4に提供される。シート12の機械方向の特性は、一般的に、機械方向において変動し、かつ制御される、シート12の平均特性を指す。この実施例では、品質制御システム(QCS)4は、ヘッドボックス8へのパルプの供給を調整することによって、紙シートの乾燥重量を制御することが可能である。例えば、QCS4は、弁を通り、ヘッドボックス8への原料の流れを制御する、原料流れコントローラに情報を提供することができる。QCS4は、シート作製機械2又は他の機械の動作を制御するための任意のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせを含む。QCS4は、例えば、プロセッサによって使用、生成、及び収集される命令及びデータを記憶するプロセッサ及びメモリを含むことができる。
【0019】
製造される紙の親又はマスタリールは、二次機器を通して処理されて、倉庫に保管される子ロールを生産する。異なる製紙機械からのリールは、典型的に、異なるデッケル及びグレードを有し、各リールから複数組のロールを作製することができる。これらのロールの幅及び直径は、顧客注文に記載された顧客の要件と一致させなければならない。あるときには、製造業者は、(指定された許容限度内で)注文された量よりも多く又は少なく生産し得る。注文数量を超えて生産された量は、オーバーランと呼ばれ、生産の不足は、アンダーランと呼ばれる。トリミングは、リールを切断して、ロールを作製するためのプロセスである。トリミングのためのパターンは、所与のデッケルサイズに合計される、異なるロール幅の組み合わせである。
【0020】
いくつかの製紙工場及びプラントは、抄紙機リール、コータ、押出機、及びリリーラを含む、巨大な処理機械を有する。巨大な機械は、親又はマスタリール上で第1の切断を実施する。この場合、巨大な処理機器は、一次機器を備え、ワインダは、二次機器の一部である。本発明のプランナインサイトの場合、一次機器は、第1の切断を実施するデバイスを指し、二次機器は、後続のトリミングを実行するデバイスを指す。
【0021】
図1Bに示すように、本発明の最適化モデルは、プロセス42と、メモリ44と、入力デバイス46と、出力デバイス48と、を含む、プランナインサイトシステム40で実装することができる。メモリは、入力デバイス又は他の方法によって入力される情報を保管するために使用される、データベースを含む。プランナインサイトシステム40は、本明細書で説明する一次及び二次機器に動作可能に接続される。
【0022】
チャーティング又はトリミングは、様々な平坦シート業界の一組の特定の機器(例えば、ワインダ、リワインダ、シータ、トリマ、カッタなど)を使用して実行される。ワインダは、巨大なプロセス機械がプラント内に存在しない場合に、一次処理機器と呼ばれる。ワインダは、巨大な抄紙機の大きいリールをより小さいロールに変換する、ウエブ切断装置である。ワインダは、リール又はウエブを巻き取り、それらをより細い幅にスリッティングし、粗いデッケル縁部をトリミングする。この場合、リワインダ、シータ、トリマ、及びカッタなどの次のトリミング機器は、集合的に二次処理機器と呼ばれる。リワインダは、リール又はウエブを巻き戻し、ワインダに類似するが、ワインダよりも小さいサイズに切断することができる。例えばBiwinder、Bobin Winder、シングル及びマルチパスユニットを含む、切断されるロールのサイズに部分的に依存して利用可能な、異なる種類のリワインダ及びワインダが存在する。シータは、紙ウエブをシートに正確に切断し、カッタもまた、紙ウエブをシートに切断するが、精度がより低い。シータ及びカッタは、典型的に、大きなロールを切断するために使用される。トリマは、大きいシートをより小さいシートに切断する。
【0023】
巻き取りは、図2A及び図2Bに例示するロールツーロール動作であり、ワインダ50は、全幅で大径の紙リール14(図1)を好適なサイズのロール55に切断し、巻き取る。巻き取りの間、全幅の機械リールは、製紙機械のリールスタンドから巻き出しスタンドに転送される。紙は、巻き出しスタンドから、ウエブ張力付与ロール、調節可能なナイフ又はスリッタ56、調節可能なスプレッダバー52、54(又はロール)を通して、繊維又はプラスチックコアの上へ通される。2つのロール57及び58であるリワインドユニットは、ワインダを駆動する。スプレッダバーは、ウエブを広げ、続いてスリッティングして、ウエブ縁部が絡まるのを防止する。この図では、ウエブは、長手方向に切断されて、個々の製品ロールに巻き取られる7つのより小さい帯を形成する。ナイフ56の位置は、機械が異なる幅の帯を切断するための切断パターンに従って調節することができる。また、リールの2つの外側粗縁部もトリミングされる。スリッタ-ワインダデバイスは、Fohrに対する米国特許第9,260,266号、Daulに対する同第9,187,285号、及びKatoakaに対する同第7,100,657号に記載されており、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
図3は、本発明の平坦シート業界のためのプランナインサイトの概要である。従来のトリムアルゴリズム72は、トリム損失の最小化ではなく、要求の制約の上限の緩和によって顧客の要求又は注文を履行するために使用されるマスタロールの数の最小化に重点を置いている。確立したポリシー、パラメータ、及び制約(P-P-C)を適用することで、利益最大化アルゴリズム70は、一次及び二次機器のトリムアプリケーション76を動作させるためのソリューションを生成する。
【0025】
本発明によって、分析74は、事業に関する新しいインサイトを含む複数の提案を顧客に提供し、かつより高い効率を達成するために顧客が行うことができる注文数量及びサイズに関する提案を与える。プランナインサイトは、特定のバッチにおけるトリミングについてより高コストであるサイズ及び数量を識別するのを補助する。プランナインサイトは、特定の製品及びサイズの価格戦略を作成する際に使用される、コストに影響を及ぼすサイズを識別する。具体的には、インサイトは、サイズであり、また、最終的にチャーテ
ィング効率を改善することができる特定のサイズに対する数量のパーセント増加又は減少である。インサイトを実装することで、バッチのインサイトである、各推奨に関するトリム効率の最大25%の改善を実現する。
【0026】
新しいインサイトは、顧客が、数量及びサイズに基づいて価格戦略を構築することを可能にする。具体的には、新しいインサイトは、適切な組み合わせが存在しないのでより多くのトリム損失を生じる、特定のサイズを識別する。現在の一組の注文、ストック及び将来の注文のいずれかから効率を改善させ得る注文を調査する。これは、プランニングに対する個人の依存を低減させる。プランナインサイトは、所望のトリム損失に到達するために複数の繰り返しを実行することと関連付けられる人手のコストを低減させるので、生産性を改善させる。プランナインサイトは、従来のトリムアルゴリズムと比較して、非常に短い間隔でソリューションを生成する。
【0027】
プランナインサイトは、目的を有する、ナップサックアルゴリズムに基づく列生成手法を採用し、これは、損失及び最適な使用量に関する情報を伴う上限及び下限両方の要求の制約の二重性を含む。目的関数は、バッチに使用されるロールの総数の最小化の代わりに、損失の最小化として定義される。
【0028】
図4にフローチャートで示すトリムプランニングプロセスを参照すると、ステップ82で、注文がトリムプランニングアルゴリズム80に供給される。2つの異なる種類の注文、すなわち、顧客注文及びストック注文が存在する。全ての注文は、寸法(幅、直径、長さ)、見込みの出荷日、数量、消費者が要求する最終製品の種類(グレード)を有する。全ての注文は、典型的に、企業資源プランニング(Enterprise Resource Planning、ERP)又は製造実行システム(Manufacturing Execution System、MES)層で動作する、注文管理システムによって管理される。トリムプランニングアルゴリズムもまた、図1の製紙機械2の品質制御システム(quality control system、QCS)システムと接続され、品質パラメータ及び機械の欠陥を監視、検出、及び制御する。品質パラメータ及び欠陥データは、品質に基づくトリミングのための主要入力ソースである。トリムプランニングアルゴリズムは、ステップ86で、一次及び二次機器の最小トリム損失を伴う最適化された実行プランを生成する。実行プランは、一次スリッティング機器88と二次スリッティング機器90との間のMESインターフェースを通して、これらの機器について展開される。
【0029】
図5は、図4のステップ80に対応する、トリムプランニングアルゴリズム100の動作を示す詳細なフローチャートである。機械の詳細102は、一次又は二次機器の機械マスタデータを含む。製紙業界の場合、一次機器は、ワインダを含み、二次機器は、例えば、リワインダ、シータ、トリマ、押出機、及びコータを含む。機械の詳細は、例えば、機器のデッケル、出力ロール数、ナイフの数、生産速度、特定のグレードの製品の能力、バックスタンドの数、重量取り扱いの制約、及びサイズ取り扱いの制約を含む。注文の詳細104は、例えば、注文寸法、グレード、製品名、特定の品質要件、出荷日、顧客特定のニーズ、注文数量、及び許容限度を含む。注文は、注文管理システムによって管理される。倉庫在庫106は、異なる現場の倉庫に保管されている様々な紙製品に関する、管理システムによって管理される情報から成る。倉庫在庫データは、例えば、特定の製品の予約、並びに異なる製品及びサイズの未割り当て及び利用可能な在庫を含む。予約は、確認された注文(99%)であり得る、将来の顧客特定の注文に関する。いくつかの製品は、標準品であるので、迅速に注文を履行することができる。倉庫マネージャは、いくつかの在庫を予約して、予測される将来の注文に適応させることができる。
【0030】
動作中に、特定の製品(グレード)のトリムプランを作成するために、ユーザは、機械の詳細102から特定の機械パラメータを選択する。ユーザはまた、注文管理システム
から注文の詳細104も選択する。機械の詳細、注文の詳細、及び利用可能な在庫又は未割り当ての在庫からの在庫の詳細106は、トリムプランニングアルゴリズム100に提供される。アルゴリズムは、必要に応じて、在庫を調整し、かつ予約することができる。サイズ特定の及び全体的な許容限度、プレミアムゾーン、縁部なし、品質パラメータ、ストックロールの選好、二次処理の選好、パック当たりのロールなどの、顧客特定の選好108が、トリムプランニングアルゴリズムへの入力として提供される。最後に、QCSからの欠陥関連の情報110が、トリムプランニングアルゴリズムの入力として提供される。
【0031】
トリムプランニングアルゴリズム100は、次の4つの主要構成要素についてソリューションを実行及び生成する。(1)注文数量の履行114、(2)一次機械の切断パターン116、(3)二次機械の切断パターン118、及び(4)予約を伴う在庫の詳細120。典型的に、(i)注文数量の履行は、ロール数量に関する許容限度内で行うべき注文を履行することを含み、(ii)一次機械の一次切断パターンは、元々の注文ロールサイズ又は二次処理の親ロールサイズを含む異なるロールサイズのためのスリッタ又はナイフの配設を含み、(iii)二次機械の二次切断パターンは、親ロールから一次切断パターンによって生成された元々の注文ロールサイズのための異なるスリッタ又はナイフの位置を含み、(iv)在庫の詳細は、利用可能なロールサイズを含む。
【0032】
トリムプランニングアルゴリズム100はまた、推奨システム112の入力も提供し、これは次に、上述した構成要素114、116、118、及び120の各々について改善させるための推奨及び提案を生成する。サイズの組み合わせ及び所与の許容限度に基づいて、推奨ルーチンは、効率を改善させるための追加的な許容限度を有する一組のサイズを提供する。推奨は、潜在価格及び最適化の範囲概念に基づく。典型的に、生成される提案は、例えば、許容限度を超える追加的な数量を伴うロールサイズを識別すること、(ii)許容限度を超える数量の最小の低減を伴うロールサイズを識別すること、(iii)全体的な効率を改善するために現在のバッチから除外することができるロールサイズを識別すること、(iv)異なる在庫のサイズ及びロール数量を識別することを含む。
【0033】
図6は、トリムプランナアルゴリズム100(図5)の実行を更に詳細に説明する。注文の詳細130は、注文マネージャシステムから供給され、注文は、ステップ132で、それらの寸法、グレード又は製品の種類、及び選好に基づいてグループ化される。グループ化注文は、目的としてトリム損失を有する混合整数線形プログラミング(Mixed Integer Linear Programming、MILP)134の定式化のための入力である。機械の詳細138及び顧客特定の選好136は、MILPの入力である。MILPトリム問題は、要求の制約を伴うトリム損失の目的を有するインターンコール列生成によって定式化される。実行後に、ステップ140で、ソリューションが生成される。次のステップでは、ソリューションを確認して、それが最適であるか次善であるかを判定する。ソリューションが次善であった場合、ソリューションは、146で、(i)要求の履行(潜在価格及び最大幅を伴う)、(ii)二次機器の追加的な使用量に対するペナルティ、(iii)二次機器の最適直径の使用量、及び(iv)二次又は一次機器の制約に基づく目的を伴う、ナップサック組み合わせの最適化問題に供給される。加えて、第2の機器の詳細は、148で、ナップサックに供給される。ステップ146で修正した目的は、列生成を通してステップ138の入力として提供される。ループは、ソリューションが最適になるまで実行する。
【0034】
ソリューションが最適であった場合、ステップ144で、要求の制約を有する、及び目的としてトリム損失を有する、修正した複数組のパターンによってMILPでソリューションが再実行される。ソリューション150が生成される。ソリューションは、(1)トリム損失、(2)パターンの詳細、(3)注文の履行、(4)在庫の詳細、及び(5)二次機器の割り当てを含む。制約レポート152が生産され、レポートは、以下の2つの
主要な出力を生成する。一方は、各サイズ156の潜在価格であり、他方は、要求154に関して等しい制約を有するMILP問題を伴うソリューションを生成している。このソリューションに基づいて、追加的な数量を伴う特定のサイズの範囲158の評価が生成される。潜在価格156は、推奨システム160に供給される。特定のサイズの範囲もまた、推奨システム160に供給される。システムは、以下の推奨を生成する。(i)可能な数量の追加、(ii)可能な数量の除去、及び(iii)在庫の増加又は減少。最後に、推奨システム160からの情報を使用して、取引又は事業の許容限度を使用した各推奨のソリューションを生成する。ソリューションは、5つの主要構成要素、すなわち、トリム損失、パターンの詳細、注文の履行、在庫の詳細、及び二次機器の割り当てを有する。
【0035】
ソリューションの定式化
紙ストックの切断問題のための標準的な、又は従来の定式化は、以下によって開始する。
1.幅Dのマスタリール(デッケル、巨大なリール)。
2.幅d1、d2、・・・、dmの補助リールのm個の注文を伴う。
3.各々補助リールが、対応する要求q1、q2、・・・、qmを有する。
【0036】
各パターン(必要な幅の可能な組み合わせ)と関連付けられる切断の全ての有意で可能な組み合わせのリストを構築する。パターン内の補助リールの必要な幅の各々の頻度が評価され、不等式制約の左辺の変数の係数に指定される。要求q1、q2、・・・、qmは、不等式制約の右辺に委譲され、記号≧(以上)は、不等式制約の右辺と左辺との間に配置される。
【0037】
標準的な定式化の場合、jは、幅Dのマスタリールの有意で可能な組み合わせの最大数である。マスタリールロールの数を最小化する目的は、個々の注文の要求を満たすことである。
【0038】
この定式化の場合、fi,aは、標準的な幅Dのマスタリールの可能な組み合わせXaに注文iが現れる回数である。
【0039】
次いで、線形整数プログラミング問題は:ロールを最小化する:
【0040】
【数1】
以下を前提とする:
【0041】
【数2】
【0042】
ユーザが上記の問題を解決する場合、ユーザは、完全な列挙パターン生成手法又は列生成手法のいずれかを使用する。上限は、列生成手法の要求に提供されない。その理由は、列生成手法が、パターン生成において上記の要求の制約の二重性を使用するナップサックを使用することである。二重性は、両方の目的において使用される。ユーザが上限及び下限の両方を有することを望む場合、標準的な、又は従来のナップサック手法は、常に全体的なトリム損失の代わりに使用されるロールの数を最小化しようとするので、機能しない。また、現在の列生成手法は、要求の下限に基づいてナップサックを使用する。実際には、ユーザは、好ましくは、標準的な、又は従来の手法によって間接的に達成される損失を最小化することを望むが、要求の上限が存在しないので効率的でない。
【0043】
本発明によって、ユーザは、要求に対する上限及び下限によって、損失を最小化することができる。これは、ナップサックの目的及び手法の両方に関する問題を修正することによって達成される。具体的には、トリム最適化アルゴリズムの提案された独特の目的関数は、最終的に最小化される損失に関する項を含む。列生成手法のナップサックの目的は、損失によって減算される上限及び下限の制約の二重性の和を含む。上限及び損失に関する二重性に対する2つの追加的な項を組み込むことによって、項は、最終的に、全体的な損失の最小化のためのソリューションに移動する。
【0044】
新しい目的は、以下の通りである:損失を最小化する:
【0045】
【数3】
以下を前提とする:
【0046】
【数4】
以下を前提とする:
【0047】
【数5】
li=下限数量
ui=上限数量。
【0048】
実施例
本発明の技術及び利点は、以下の実施例に例示され、紙製造業者は、顧客注文を受信して、プランナインサイトを適用する。この実施例では、ワインダが一次機器である。分析は、事業に関する新規なインサイトを提供し、顧客注文を効率的に履行するために行うことができる、注文数量及びサイズに関する複数の提案を生成する。
【0049】
この単一バッチトリミングプロセスの場合、好ましくは、以下を含む3つの主要な入力が使用される。(1)注文の詳細(ロールサイズ及び数量)、(2)取引の許容限度(個々の注文/サイズレベル及びバッチ全体/プランレベルで)、及び(3)一次及び二次機械の制約(デッケル、最小デッケル、及びロール出力数など)。具体的には、取引の制約は、典型的に、各ロールサイズに対して、又は全体的な注文に対して、許容される過剰又は過少の作製数量、及びバッチに対して、全体的な許容される過剰又は過少の動作ロール数量を含む。一次機械の仕様は、典型的に、デッケルサイズ、スリッタの数、取り扱いロール重量、最小ロールサイズ、最大ロールサイズ、ロール出力数並びに考慮する必要がある追加的な損失、及びワインダの種類を含む。二次機械の仕様は、典型的に、ロールを搭載するバックスタンドの数、スタックの出力数、デッケルサイズ、スリッタの数、取り扱いロール重量、最小ロールサイズ、最大ロールサイズ、ロール出力数並びに考慮する必要がある追加的な損失、及びリワインダの種類を含む。
【0050】
以下の表に列記される注文及びサイズ。随意の注文は、将来の納期を有するストック注文である。随意の注文は、生産する必要がないか、又は生産された場合には部分的又は完全に履行することができ、したがって、数量をゼロ又は注文数に指定することができる。全ての他の注文は、注文を行うべきものである。
【0051】
【表1】
【0052】
各ロールサイズの取引制約は、以下の通りである。
【0053】
【表2】
【0054】
一次及び二次機械の制約は、以下の通りである。
【0055】
【表3】
【0056】
出力数は、ワインダによって1つのパターンで切断されるロール数であり、ワインダのナイフの数に基づく。(例えば、最大出力数は、総ナイフ-1の数に等しい)。第1のナイフは、ワインダの縁部にある。目標最小組は、ソリューションが生成されるときの特定の切断パターンの最小組数である。最小デッケルは、デッケルの有効利用を達成するために顧客によって指定される。顧客は、最小デッケルを超えるように最小パターンサイズ幅を指定する。例えば、デッケルの標準サイズが500cmで、ユーザは、最小デッケルとして470cmを望み得るが、その結果、ソリューションから生成される全てのパターンは、470cm以上のデッケルを有することになる。
【0057】
上記の制約によって、図4図6に例示するようなアルゴリズムは、ナップサックを使用した列生成手法に基づいて切断パターンを生成する。具体的には、アルゴリズムは、最初に、各サイズ及びバッチレベルの取引制約(個々の、及び全体的なサイズ)を考慮してサイズを実行し、以下のソリューションを得る。
【0058】
【表4】
【0059】
パターン数は、個々のパターンを識別するインデックスである。次いで、分析によってバッチが実行され、(構成に応じて)5つの提案を生成する。各推奨のソリューションの比較は、生成されたソリューションである。対応する推奨のソリューションを下に示す。
【0060】
【表5】
(Qtyは、数量)
【0061】
この実施例の場合、5つのソリューションが生成され、各々、許容限度の最小オーバーライドである推奨を伴う。ソリューション1では、上の第1の表に記載されている注文全体を履行する際の提案は、103、133、160、及び165cmのサイズの各々に対して1つの追加的なロールを作製することである。ソリューション1が実装された場合、トリム損失は、全体的なトリム損失パーセンテージである0.18%である。(例えば、1%のトリム損失は、99%である切断パターンの効率に対応する。)このソリューションは、全幅(デッケルサイズ)に適合する切断パターンの12の可能な組み合わせを有する。組数(42)は、異なるサイズの全ての注文を履行するために使用されるリールの総数(デッケルサイズ)である。2.82%のアンダーランは、バッチ全体の注文未満で(よりも少なく)作製された数量のパーセンテージであり、9.15%のオーバーランは、バッチ全体の注文を超えて(よりも多く)作製された数量のパーセンテージである。トリム損失、アンダーラン、及びオーバーランは、ソリューションの有効性を測定するパラメータである。個人は、ソリューションのうちの1つを選択し、一次及び二次機器を動作させて、注文を履行する。
【0062】
上記にて、本発明の原理、好ましい実施形態、及び動作モードを説明してきた。しかしながら、本発明は、論じた特定の実施形態に限定されるものと解釈されるべきでない。したがって、上で説明した実施形態は、制限的なものではなく、例示的なものとみなされるべきであり、以下の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によってそうした実施形態に対して様々な変形が行われ得ることを理解されたい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6