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特開2023-115908ヨウ素含有金属化合物およびこれを含む薄膜蒸着用組成物
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  • 特開-ヨウ素含有金属化合物およびこれを含む薄膜蒸着用組成物 図1
  • 特開-ヨウ素含有金属化合物およびこれを含む薄膜蒸着用組成物 図2
  • 特開-ヨウ素含有金属化合物およびこれを含む薄膜蒸着用組成物 図3
  • 特開-ヨウ素含有金属化合物およびこれを含む薄膜蒸着用組成物 図4
  • 特開-ヨウ素含有金属化合物およびこれを含む薄膜蒸着用組成物 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115908
(43)【公開日】2023-08-21
(54)【発明の名称】ヨウ素含有金属化合物およびこれを含む薄膜蒸着用組成物
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/18 20060101AFI20230814BHJP
   H01L 21/316 20060101ALI20230814BHJP
   C07F 7/22 20060101ALI20230814BHJP
   C07F 9/90 20060101ALI20230814BHJP
   H01L 21/205 20060101ALN20230814BHJP
【FI】
C23C16/18
H01L21/316 X
C07F7/22 M
C07F9/90
H01L21/205
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016388
(22)【出願日】2023-02-06
(31)【優先権主張番号】10-2022-0016153
(32)【優先日】2022-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0009308
(32)【優先日】2023-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】514145604
【氏名又は名称】ディーエヌエフ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DNF Co. Ltd.
【住所又は居所原語表記】142 Daehwa-ro 132beon-gil, Daedeok-gu, Daejeon 306-802 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】クォン ヨン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】イム ユン ジェ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン サン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ビュン テ ソク
(72)【発明者】
【氏名】イ サン チャン
(72)【発明者】
【氏名】イ サン イク
【テーマコード(参考)】
4H049
4H050
4K030
5F045
5F058
【Fターム(参考)】
4H049VN03
4H049VP01
4H049VQ35
4H049VR21
4H049VR31
4H049VR52
4H049VS14
4H049VS35
4H049VU31
4H049VV02
4H050AA01
4H050AB80
4H050AD11
4H050BB11
4H050BC10
4H050BE62
4K030AA09
4K030AA11
4K030AA13
4K030AA14
4K030AA17
4K030AA18
4K030BA15
4K030BA16
4K030BA42
4K030CA04
4K030CA06
4K030CA07
4K030EA01
4K030FA01
4K030FA10
4K030HA01
4K030JA10
5F045AA15
5F045AB40
5F045AC04
5F045AC11
5F045EE17
5F058BA20
5F058BB01
5F058BB06
5F058BB07
5F058BC02
5F058BC03
5F058BC08
5F058BC09
5F058BD04
5F058BD05
5F058BD10
5F058BD12
5F058BF04
5F058BF07
5F058BF24
5F058BF29
5F058BF30
5F058BF37
(57)【要約】
【課題】本開示は、ヨウ素を含む金属化合物、これを含む金属含有薄膜蒸着用組成物およびこれを用いた金属含有薄膜の製造方法に関する。
【解決手段】一実施形態による薄膜蒸着用組成物は、常温で液体状態で存在して保管および取り扱いに優れ、高い反応性を有することから、これを用いて、金属薄膜を効率的に形成することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される、ヨウ素含有金属化合物。
[化学式1]
【化1】
前記化学式1中、
Mは、第14族金属、第15族金属または第16族金属であり、
は、水素またはC1-7アルキルであり、
は、C1-7アルキルであり、
およびRは、それぞれ独立して、C1-7アルキル、C2-7アルケニルまたは-NRであり、前記RおよびRは、それぞれ独立して、水素またはC1-7アルキルであり、
Mの金属酸化数に応じて、前記RおよびRは、それぞれ独立して存在しなくてもよい。
【請求項2】
前記RおよびRは、それぞれ独立して、C1-5アルキルであり、
前記RおよびRは、それぞれ独立して、C1-5アルキル、C2-5アルケニルまたは-NRであり、前記RおよびRは、それぞれ独立して、水素またはC1-5アルキルであり、
Mの金属酸化数に応じて、前記RおよびRは、それぞれ独立して存在しなくてもよい、請求項1に記載のヨウ素含有金属化合物。
【請求項3】
前記ヨウ素含有金属化合物は、下記化学式2または化学式3で表される、請求項1に記載のヨウ素含有金属化合物。
[化学式2]
【化2】
前記化学式2中、
は、第14族金属であり、
11は、水素またはC1-7アルキルであり、
12は、C1-7アルキルであり、
13およびR14は、それぞれ独立して、C1-7アルキル、C2-7アルケニルまたは-NR1516であり、前記R15およびR16は、それぞれ独立して、水素またはC1-7アルキルであってもよい。
[化学式3]
【化3】
前記化学式3中、
は、第15族金属であり、
21は、水素またはC1-7アルキルであり、
22は、C1-7アルキルであり、
23は、C1-7アルキル、C2-7アルケニルまたは-NR2526であり、前記R25およびR26は、それぞれ独立して、水素またはC1-7アルキルであってもよい。
【請求項4】
前記R11、R12、R21およびR22は、それぞれ独立して、C1-5アルキルであり、
前記R13、R14およびR23は、それぞれ独立して、C1-5アルキルまたはC2-5アルケニルであるか、または前記R15、R16、R25およびR26がそれぞれ独立して、水素またはC1-5アルキルである、請求項3に記載のヨウ素含有金属化合物。
【請求項5】
前記化学式2で表される化合物は、下記化合物群から選択されるいずれか一つである、請求項3に記載のヨウ素金属化合物。
【化4】
【請求項6】
前記化学式3で表される化合物は、下記化合物群から選択されるいずれか一つである、請求項3に記載のヨウ素金属化合物。
【化5】
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のヨウ素含有金属化合物を含む金属含有薄膜蒸着用組成物。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のヨウ素含有金属化合物、またはこれを含む金属含有薄膜蒸着用組成物を用いる金属含有薄膜の製造方法。
【請求項9】
前記製造方法は、下記ステップを含む、請求項8に記載の金属含有薄膜の製造方法。
チャンバ内に装着された基板の温度を30℃~400℃に維持するステップ;
基板上に前記ヨウ素含有金属化合物またはこれを含む金属含有薄膜蒸着用組成物を接触させて前記基板上に吸着させるステップ;および
前記ヨウ素含有金属化合物が吸着された基板に反応ガスを注入して金属含有薄膜を形成させるステップ。
【請求項10】
前記反応ガスは、酸素、オゾン、蒸留水、過酸化水素、一酸化窒素、亜酸化窒素、二酸化窒素、アンモニア、窒素、ヒドラジン、アミン、ジアミン、一酸化炭素、二酸化炭素、飽和または不飽和のC1-12炭化水素、水素、アルゴンおよびヘリウムからなる群から選択されるいずれか一つ以上である、請求項9に記載の金属含有薄膜の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヨウ素を含む金属化合物、これを含む金属含有薄膜蒸着用組成物、および前記薄膜蒸着用組成物を用いた金属含有薄膜の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在使用されているフォトレジストであるCAR(Chemically amplified resist)は、高い敏感度(sensitivity)のために設計されているが、一般的な元素構成(主に、より少ない量(smaller quantities)のO、F、Sを有する、C)が13.5nmの波長でフォトレジストを過剰に透明にすることによって敏感度を減少させる現象が現れ得る。
【0003】
また、CARは、小さいピッチャーサイズで粗さ(roughness)の問題によって工程上効率が減少するか、酸触媒を用いた工程で光速度(photospeed)が減少するにつれてLER(Line edge roughness)が増加することが報告されており、これを解決するために、EUV(extreme ultroviolet)リソグラフィのための無機化合物(inorganic compounds)が求められている(韓国公開特許KR10-2022-0000366A)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一実施形態は、金属含有薄膜の前駆物質として使用可能なヨウ素含有金属化合物およびこれを含む金属含有薄膜蒸着用組成物を提供する。
【0005】
他の一実施形態は、前記金属含有薄膜蒸着用組成物を用いた金属含有薄膜の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態は、下記化学式1で表される化合物を提供する。
[化学式1]
【化1】
前記化学式1中、
Mは、第14族金属、第15族金属または第16族金属であり、
は、水素またはC1-7アルキルであり、
は、C1-7アルキルであり、
およびRは、それぞれ独立して、C1-7アルキル、C2-7アルケニルまたは-NRであり、前記RおよびRは、それぞれ独立して、水素またはC1-7アルキルであり、
Mの金属酸化数に応じて、前記RおよびRは、それぞれ独立して存在しなくてもよい。
【0007】
他の一実施形態は、前記一実施形態によるヨウ素含有金属化合物を含む金属含有薄膜蒸着用組成物を提供する。
【0008】
他の一実施形態は、前記一実施形態による金属含有薄膜蒸着用組成物を用いる金属含有薄膜の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、ヨウ素を含有する金属化合物、これを含む金属含有薄膜蒸着用組成物およびこれを用いた金属含有薄膜の製造方法に関し、一実施形態による薄膜蒸着用組成物は、常温で液体状態で存在して保管および取り扱いに優れ、高い反応性を有することから、これを用いて金属薄膜を効率的に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1で製造されたt-ブチルビス(ジメチルアミノ)ヨウ素スズのTGA分析結果を示す図である。
図2】実施例2で製造されたトリス(ジメチルアミノ)ヨウ素スズのTGA分析結果を示す図である。
図3】実施例3で製造されたビス(メチルアミノ)ヨウ素アンチモンのTGA分析結果を示す図である。
図4】実施例4で製造されたビス(ジメチルエチルアミノ)ヨウ素アンチモンのTGA分析結果を示す図である。
図5】実施例1で製造されたスズ化合物を用いてシリコン基板の上に形成されたライン/空間パターンの走査電子顕微鏡のイメージ写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に記載の実施形態は、様々な他の形態に変形可能であり、一実施形態による技術が以下に説明する実施形態に限定されない。さらに、明細書の全体においてある構成要素を「含む」、「備える」、「含有する」、または「有する」とは、特別に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味し、さらに挙げられていない要素、材料または工程を排除しない。
【0012】
本明細書で使用される数値範囲は、下限値と上限値とその範囲内でのすべての値、定義される範囲の形態と幅で論理的に誘導される増分、二重限定されたすべての値および互いに異なる形態に限定された数値範囲の上限および下限のすべての可能な組み合わせを含む。一例として、組成の含量が10%~80%または20%~50%に限定された場合、10%~50%または50%~80%の数値範囲も本明細書に記載のものとして解釈すべきである。本明細書で特別な定義がない限り、実験誤差または値の四捨五入によって発生する可能性がある数値範囲以外の値も定義された数値範囲に含まれる。
【0013】
以下、本明細書において特別な定義がない限り、「約」は、明示されている値の30%、25%、20%、15%、10%または5%以内の値として考えられる。
【0014】
本明細書において、「アルキル」は、炭素および水素原子のみで構成された直鎖または分岐鎖の炭化水素を意味し、1個~7個、1個~5個または1個~4個の炭素を有することができる。
【0015】
本の明細書において、「アルケニル」は、鎖の任意の位置に一つまたは多数の炭素-炭素二重結合を有する炭化水素を意味し、単一置換または多重置換されることができる。例えば、アルケニル基は、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ブタジエニル基、ペンタジエニル基、ヘキサジエニル基などを含むことができる。
【0016】
本明細書において、「脱離基(leavinggroup)」は、他の官能基または原子による置換反応(例えば、親核性置換反応)により置換されることができる官能基または原子を指し、例えば、モノC1-7アルキルアミンまたはジC1-7アルキルアミンであってもよく、これに限定されるものではない。
【0017】
本明細書において、「ジアルキルアミン」に含まれる二つのアルキル基は、同一であってもよく、相違していてもよい。
【0018】
一実施形態は、下記化学式1で表されるヨウ素含有金属化合物を提供する。
【0019】
[化学式1]
【化2】
【0020】
前記化学式1中、
Mは、第14族金属、第15族金属または第16族金属であり、
は、水素またはC1-7アルキルであり、
は、C1-7アルキルであり、
およびRは、それぞれ独立して、C1-7アルキル、C2-7アルケニルまたは-NRであり、前記RおよびRは、それぞれ独立して、水素またはC1-7アルキルであり、
Mの金属酸化数に応じて、前記RおよびRは、それぞれ独立して存在しなくてもよい。
【0021】
一実施形態によるヨウ素含有金属化合物は、金属にモノアルキルアミノまたはジアルキルアミノ基とヨウ素基がともに導入されることにより、薄膜蒸着用前駆体として使用される場合、向上した物性を有する金属含有薄膜を製造することができる。一実施形態において、前記ヨウ素含有金属化合物は、ヨウ素および金属を含有することにより、EUVに対する光吸収率および/または光放出率の効果に優れ、フォトリソグラフィ工程に使用されるハードマスクとして有効に使用されることができる。
【0022】
一実施形態において、前記RおよびRは、それぞれ独立して、直鎖または分岐鎖のC1-7アルキル、C1-5アルキル、C1-4アルキル、C1-3アルキル、C1-2アルキルまたはメチルであることができる。
【0023】
一実施形態において、前記RおよびRは、それぞれ独立して、直鎖または分岐鎖のC1-7アルキル、C1-6アルキル、C1-5アルキル、C1-4アルキル、C1-3アルキル、C1-2アルキル、メチル、C2-7アルケニル、C2-6アルケニル、C2-5アルケニル、C2-4アルケニル、C2-3アルケニルまたはビニル(エテニル)であることができる。ここで、前記アルケニルは、不飽和炭素が直接連結されるか、または不飽和炭素がアルキレンを挟んで連結されたものを含む。また、一実施形態において、前記RおよびRは、それぞれ独立して、-NRであることができ、ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または直鎖または分岐鎖のC1-7アルキル、C1-6アルキル、C1-5アルキル、C1-4アルキル、C1-3アルキル、C1-2アルキルまたはメチルであることができる。
【0024】
一実施形態において、前記Mは、Si、Ge、Sn、Pb、P、As、Sb、Bi、S、Se、TeまたはPoであることができ、前記Mの金属酸化数に応じて、前記Rおよび/またはRは、それぞれ独立して存在しなくてもよい。
【0025】
一実施形態において、前記ヨウ素金属化合物は、下記化学式2で表される化合物であることができる。
【0026】
[化学式2]
【化3】
【0027】
前記化学式2中、
は、第14族金属であり、
11は、水素またはC1-7アルキルであり、
12は、C1-7アルキルであり、
13およびR14は、それぞれ独立して、C1-7アルキル、C2-7アルケニルまたは-NR1516であり、前記R15およびR16は、それぞれ独立して、水素またはC1-7アルキルであってもよい。
一実施形態において、前記Mは、SnまたはTeであることができる。
一実施形態において、前記R11およびR13は、それぞれ独立して、直鎖または分岐鎖のC1-7アルキル、C1-5アルキル、C1-4アルキル、C1-3アルキル、C1-2アルキルまたはメチルであることができる。
【0028】
一実施形態において、前記R13およびR14は、それぞれ独立して、直鎖または分岐鎖のC1-7アルキル、C1-6アルキル、C1-5アルキル、C1-4アルキル、C1-3アルキル、C1-2アルキル、メチル、C2-7アルケニル、C2-6アルケニル、C2-5アルケニル、C2-4アルケニル、C2-3アルケニルまたはビニル(エテニル)であることができる。ここで、前記アルケニルは、不飽和炭素が直接連結されるか、または不飽和炭素がアルキレンを挟んで連結されたものを含む。また、一実施形態において、前記R13およびR14は、それぞれ独立して、-NR1516であることができ、ここで、R15およびR16は、それぞれ独立して、水素または直鎖または分岐鎖のC1-7アルキル、C1-6アルキル、C1-5アルキル、C1-4アルキル、C1-3アルキル、C1-2アルキルまたはメチルであることができる。
【0029】
一実施形態において、前記ヨウ素金属化合物は、下記化学式3で表される化合物であることができる。
【0030】
[化学式3]
【化4】
【0031】
前記化学式3中、
は、第15族金属であり、
21は、水素またはC1-7アルキルであり、
22は、C1-7アルキルであり、
23は、C1-7アルキル、C2-7アルケニルまたは-NR2526であり、前記R25およびR26は、それぞれ独立して、水素またはC1-7アルキルであってもよい。
【0032】
一実施形態において、前記Mは、SbまたはBiであることができる。
【0033】
一実施形態において、前記R21およびR22は、それぞれ独立して、直鎖または分岐鎖のC1-7アルキル、C1-5アルキル、C1-4アルキル、C1-3アルキル、C1-2アルキルまたはメチルであることができる。
【0034】
一実施形態において、前記R23は、直鎖または分岐鎖のC1-7アルキル、C1-6アルキル、C1-5アルキル、C1-4アルキル、C1-3アルキル、C1-2アルキル、メチル、C2-7アルケニル、C2-6アルケニル、C2-5アルケニル、C2-4アルケニル、C2-3アルケニルまたはビニル(エテニル)であることができる。ここで、前記アルケニルは、不飽和炭素が直接連結されるか、または不飽和炭素がアルキレンを挟んで連結されたものを含む。また、一実施形態において、前記R23は、-NR2526であることができ、ここで、R25およびR26は、それぞれ独立して、水素または直鎖または分岐鎖のC1-7アルキル、C1-6アルキル、C1-5アルキル、C1-4アルキル、C1-3アルキル、C1-2アルキルまたはメチルであることができる。
【0035】
一実施形態において、前記化学式2で表される化合物は、
【化5】
であることができる。
【0036】
前記Mは、第14族金属であり、例えば、SnまたはTeであることができる。
【0037】
一実施形態において、前記化学式3で表される化合物は、
【化6】
であることができる。
【0038】
前記Mは、第15族金属であり、例えば、SbまたはBiであることができる。
【0039】
ただし、具体的な化合物は、化学式1、化学式2または化学式3で表される化合物の一例示であって、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0040】
前記化合物は、本明細書により開示される技術分野の通常の技術者が認識することができる範囲内で可能な方法により製造されることができる。
【0041】
具体的な一例として、一実施形態による前記化学式1で表されるヨウ素含有金属化合物は、下記化学式11の化合物と下記化学式12の化合物を反応させて製造されることができる。
【0042】
[化学式11]
【化7】
【0043】
前記化学式11中、
Mは、第14族金属、第15族金属または第16族金属であり、
は、水素またはC1-7アルキルであり、
は、C1-7アルキルであり、
およびRは、それぞれ独立して、C1-7アルキル、C2-7アルケニルまたは-NRであり、前記RおよびRは、それぞれ独立して、水素またはC1-7アルキルであり、
Mの金属酸化数に応じて、前記RおよびRは、それぞれ独立して存在しなくてもよく、
Lは、脱離基である。
【0044】
[化学式12]
MI
【0045】
前記化学式12中、
Mは、第14族金属、第15族金属または第16族金属であり、
xは、Mの酸化数に応じて選択され、1以上の整数である。
【0046】
前記化学式11および化学式12のM、R、R、R、Rは、化学式1に関する上述のことを適用することができる。
【0047】
一実施形態による前記ヨウ素含有金属化合物の製造方法は、前記化学式1で表されるヨウ素含有金属化合物を合成した後、約50℃~80℃または50℃~70℃の温度、および0.1Torr~1.0Torr、または0.3Torr~0.8Torrの圧力で精製するステップをさらに含むことができる。
【0048】
一実施形態において、前記有機溶媒は、通常、有機合成に使用される溶媒を使用することができ、例えば、ヘキサン、ペンタン、ジクロロメタン(DCM)、ジクロロエタン(DCE)、トルエン、アセトニトリル、ニトロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、および/またはN,N-ジメチルアセトアミド(DMA)を使用することができる。
【0049】
他の一実施形態は、一実施形態によるヨウ素含有金属化合物を含む金属含有薄膜蒸着用組成物を提供する。
【0050】
一実施形態において、前記金属含有薄膜蒸着用組成物は、金属-ヨウ素(M-I)結合および1個以上の金属-窒素(M-N)結合を有するヨウ素含有金属化合物を含むことで、原子層蒸着法、および/または気相蒸着法などの工程を用いた金属薄膜蒸着工程の反応性を向上させ、さらに、形成された金属含有薄膜の密度および純度を高めることができる。
【0051】
また、本発明の一実施形態による金属含有薄膜蒸着用組成物は、金属およびヨウ素基を有するヨウ素含有金属化合物を含むことで、これより製造された金属含有薄膜は、EUVに対する光吸収率および光放出効果に優れる。
【0052】
一実施形態において、前記金属含有薄膜蒸着用組成物は、常温で液体であることから取り扱いおよび保管が容易であり、高い蒸着率で高純度の様々な薄膜を製造することができ、一実施形態による金属含有薄膜蒸着用組成物を用いて製造した薄膜は、耐久性および電気的特性に優れ、透湿度にも優れる。
【0053】
他の一実施形態は、前記金属含有薄膜蒸着用組成物を用いる金属含有薄膜の製造方法を提供する。
【0054】
一実施形態において、前記製造方法は、本明細書により開示される技術分野における通常の技術者が認識することができる範囲内で可能な方法であれば、制限なく適用することができ、例えば、原子層蒸着法(ALD)、気相蒸着法(CVD)、有機金属化学気相蒸着法(MOCVD)、低圧気相蒸着法(LPCVD)、プラズマ強化気相蒸着法(PECVD)またはプラズマ強化原子蒸着法(PEALD)により行われることができる。
【0055】
一実施形態において、前記金属含有薄膜の製造方法は、下記ステップを含むことができる。
【0056】
チャンバ内に装着された基板の温度を80℃~400℃に維持するステップ;
基板上に前記ヨウ素含有薄膜蒸着用組成物を接触させて前記基板上に吸着させるステップ;および
前記ヨウ素含有薄膜蒸着用組成物が吸着された基板に反応ガスを注入してヨウ素含有薄膜を形成させるステップ。
【0057】
一実施形態において、前記製造方法は、パージ(purge)して未反応の反応物を形成された薄膜周りから除去するステップをさらに含むことができる。
【0058】
一実施形態において、前記反応ガスは、酸素、オゾン、蒸留水、過酸化水素、一酸化窒素、亜酸化窒素、二酸化窒素、アンモニア、窒素、ヒドラジン、アミン、ジアミン、一酸化炭素、二酸化炭素、飽和または不飽和のC1-12炭化水素、水素、アルゴンおよび/またはヘリウム、またはこれらの混合気体であることができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0059】
一実施形態による金属含有薄膜の製造方法は、目的とする薄膜の構造または熱的特性によって蒸着条件が調節されることができ、蒸着条件の例としては、前記一実施形態による金属含有薄膜蒸着用組成物の投入流量、反応ガス、キャリアガスの投入流量、圧力、RFパワー、基板温度などが例示されることができる。例えば、金属含有薄膜蒸着用組成物の投入流量は、10cc/min~1000cc/min、キャリアガスは、10cc/min~1000cc/min、反応ガスの流量は、1cc/min~1500cc/min、圧力は、0.5Torr~10Torr、RFパワーは、50W~1000W、または400W~800Wであることができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0060】
一実施形態による金属含有薄膜の製造方法に使用される基板は、Si、Ge、SiGe、GaP、GaAs、SiC、SiGeC、InAsおよびInPのうち一つ以上の半導体材料を含む基板;SOI(Silicon On Insulator)基板;石英基板;またはディスプレイ用ガラス基板;ポリイミド(polyimide)、ポリエチレンテレフタレート(PET、PolyEthylene Terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN、PolyEthylene Naphthalate)、ポリメチルメタクリレート(PMMA、Poly Methyl MethAcrylate)、ポリカーボネート(PC、PolyCarbonate)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエステル(Polyester)などのプラスチック基板;であることができるが、これに限定されるものではない。
【0061】
また、前記金属含有薄膜は、前記基板に直接薄膜を形成する他に、前記基板と金属含有薄膜との間に多数の導電層、遺伝層または絶縁層などが形成されることができる。
【0062】
他の一実施形態は、一実施形態による金属含有薄膜蒸着用組成物を用いて基板上に金属含有薄膜が蒸着された多層構造体を提供する。
【0063】
一実施形態において、前記薄膜は、ヨウ素および金属(M)を含有する酸化膜、窒化膜、酸窒化膜、炭素窒化膜またはケイ素窒化膜であるか、またはトランジスターのゲート絶縁膜またはキャパシタの誘電膜であることもでき、特に、EUVを使用するフォトレジスト薄膜であることができる。
【0064】
以下、実施例および実験例を下記に具体的に例示して説明する。ただし、後述する実施例および実験例は、一実施形態の一部を例示するものであって、本明細書に記載の技術がこれに限定されるものと解釈してはならない。
【0065】
<実施例1>t-ブチルビス(ジメチルアミノ)ヨウ素スズの製造
[化学式A]
【化8】
500mLフラスコにt-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ13.0g(0.042mol)を投入し、次いで、ヘキセンを100mL投入した後、常温を維持して撹拌し、t-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ溶液を製造した。他の500mLフラスコにSnI10.0g(0.016mol)を投入し、次いで、n-ヘキセン100mLを投入した後、撹拌して十分に希釈した。この溶液の内部温度を-10℃に維持して前記製造されたt-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ溶液を徐々に投入した後、常温で4時間撹拌し、t-ブチルビス(ジメチルアミノ)ヨウ素スズを合成した。反応完了後、フィルタを通して残余物を除去し、減圧の下で溶媒および副生成物を除去した。その後、62℃の温度および0.5Torrの圧力下で精製し、t-ブチルビス(ジメチルアミノ)ヨウ素スズ(t-Butylbis(dimethylamino)iodotin)を3g取得した。
【0066】
H NMR (C) : δ 2.66(s, 12H), δ 1.14(s, 9H)
【0067】
図1に実施例1で製造されたt-ブチルビス(ジメチルアミノ)ヨウ素スズのTGA分析結果を示し、これにより、実施例1のスズ化合物が約110℃で単一蒸発ステップを有することが分かり、500℃で残余物の質量(residue mass)は23.4%と確認されて、迅速な気化を特徴として気化することが分かる。このような結果として、実施例1のスズ化合物は熱安定性が非常に優れていることが分かる。
【0068】
<実施例2>トリス(ジメチルアミノ)ヨウ素スズの製造
[化学式B]
【化9】
500mLフラスコにテトラ(ジメチルアミノ)スズ7.0g(0.023mol)を投入し、次いで、エーテルを100mLを投入した後、常温を維持して撹拌し、テトラ(ジメチルアミノ)スズ溶液を製造した。他の500mLフラスコにSnI5.0g(0.008mol)を投入し、次いで、N-ヘキセン100mLを投入した後、十分に撹拌した。この溶液の内部温度を-10℃に維持してテトラ(ジメチルアミノ)スズ溶液を徐々に投入した後、常温で4時間撹拌し、トリス(ジメチルアミノ)ヨウ素スズを合成した。反応完了後、フィルタを通して残余物を除去し、減圧の下で溶媒および副生成物を除去し、トリス(ジメチルアミノ)ヨウ素スズ(Tris(dimethylamino)iodotin)を取得した。
【0069】
その後、65℃の温度および0.5Torrの圧力下で精製し、トリス(ジメチルアミノ)ヨウ素スズ(Tris(dimethylamino)iodotin)を2g取得した。
【0070】
H NMR (C) : δ 2.54(s, 18H)
【0071】
図2に実施例2で製造されたトリス(ジメチルアミノ)ヨウ素スズのTGA分析結果を示し、これにより、実施例2のスズ化合物が約120℃で単一蒸発ステップを有することが分かり、500℃で残余物の質量(residue mass)は25.0%と確認されて、迅速な気化を特徴として気化することが分かる。このような結果として、実施例2のスズ化合物が熱安定性が非常に優れていることが分かる。
【0072】
<実施例3>ビス(ジメチルアミノ)ヨウ素アンチモンの製造
[化学式C]
【化10】
500mLフラスコにSbI5.0g(0.009mol)を投入し、次いで、トルエン100mLを投入した後、十分に撹拌した。この溶液の内部温度を-10℃に維持してテトラ(ジメチルアミノ)アンチモン5.0g(0.019mol)溶液を徐々に投入した後、常温で4時間撹拌し、ビス(ジメチルアミノ)ヨウ素アンチモンを合成した。反応完了後、フィルタを通して残余物を除去し、減圧の下で溶媒および副生成物を除去し、ビス(ジメチルアミノ)ヨウ素アンチモン5gを取得した。
【0073】
その後、50℃温度および0.26Torrの圧力の下で精製し、トリス(ジメチルアミノ)ヨウ素スズ2gを取得した。
【0074】
H NMR (C) : δ 2.49(s, 12H)
【0075】
図3は実施例3で製造されたビス(ジメチルアミノ)ヨウ素アンチモンのTGA分析結果を示し、これにより、実施例3のアンチモン化合物が約137℃で単一蒸発ステップを有することが分かり、500℃で残余物の質量(residue mass)は28.2%と確認されて、迅速な気化を特徴として気化することが分かる。このような結果として、実施例3のアンチモン化合物は熱安定性が非常に優れていることが分かる。
【0076】
<実施例4>ビス(メチルエチルアミノ)ヨウ素アンチモンの製造
[化学式D]
【化11】
500mLフラスコにSbI5.0g(0.009mol)を投入し、次いで、トルエン100mLを投入した後、十分に撹拌した。この溶液の内部温度を-10℃に維持してトリス(メチルエチルアミノ)アンチモン5.6g(0.02mol)溶液を徐々に投入した後、常温で4時間撹拌し、ビス(メチルエチルアミノ)ヨウ素アンチモンを合成した。反応完了後、フィルタを通して残余物を除去した後、減圧の下で溶媒および副生成物を除去し、ビス(メチルエチルアミノ)ヨウ素アンチモン7gを取得した。
【0077】
その後、50℃の温度および0.19Torrの圧力下で精製し、ビス(メチルエチルアミノ)ヨウ素アンチモン2gを取得した。
【0078】
H NMR (C) : δ 2.36(q, 4H), δ 2.17(s, 6H), δ 0.94(t, 6H)
【0079】
図4は実施例4で製造されたビス(メチルエチルアミノ)ヨウ素アンチモンのTGA分析結果を示し、これにより、実施例4のアンチモン化合物が約124℃で単一蒸発ステップを有することが分かり、500℃で残余物の質量(residue mass)は25.1%と確認されて、迅速な気化を特徴として気化することが分かる。このような結果として、実施例4のアンチモン化合物は熱安定性が非常に優れていることが分かる。
【0080】
<実施例5>
プラズマ強化原子層蒸着法(Plasma Enhanced Atomic Layer Deposition)によって酸化スズ薄膜を製造した。前駆体としては実施例1で製造されたt-ブチルビス(ジメチルアミノ)ヨウ素スズを使用し、反応ガスは酸素ガスを使用した。
【0081】
酸化スズ薄膜が形成される基板はシリコン基板を使用し、シリコン基板は蒸着チャンバ内に移送し、下記表1に記載の温度を一定に維持した。
【0082】
前駆体が充填されたステンレススチール材質のバブラータイプのキャニスターは、表1に記載の所定の前駆体の蒸気圧になるように温度を維持した。蒸気化した前駆体は、アルゴンガスをキャリアガスとしてチャンバ内に移送され、シリコン基板に吸着された。次に、アルゴンガスを使用してパージ工程を実施した。反応ガスである酸素ガスを下記表1に記載の所定のプラズマパワーを使用して反応工程を実施した。また、反応副生成物を除去するために、アルゴンガスを使用してパージ工程を実施した。上記のような原子層蒸着工程を1周期として、所定周期を繰り返して酸化スズ薄膜を形成しており、詳細な評価条件および結果は表1のとおりである。
【0083】
また、酸化スズ薄膜の組成は、X線光電子分光法により分析されており、炭素と窒素およびヨウ素は検出されず、純粋な酸化スズ薄膜を得ることができることを確認した。
【0084】
【表1】
【0085】
<実施例6>
原子層蒸着法(Atomic Layer Deposition)によって酸化スズ薄膜を製造した。前駆体としては実施例1で製造されたt-ブチルビス(ジメチルアミノ)ヨウ素スズを使用し、反応ガスはオゾンガスを使用した。
【0086】
酸化スズ薄膜が形成される基板はシリコン基板を使用し、シリコン基板は蒸着チャンバ内に移送して下記表2に記載の所定温度に維持した。
【0087】
前駆体が充填されたステンレススチール材質のバブラータイプのキャニスターは、下記表2に記載の所定の前駆体の蒸気圧になるように温度を維持した。蒸気化した前駆体は、アルゴンガスをキャリアガスとしてチャンバ内に移送され、シリコン基板に吸着された。次に、アルゴンガスを使用してパージ工程を実施し、反応ガスであるオゾンガスを使用して反応工程を実施した。また、反応副生成物を除去するために、アルゴンガスを使用してパージ工程を実施した。上記のような原子層蒸着工程を1周期として、所定の周期を繰り返して酸化スズ薄膜を形成しており、詳細な評価条件および結果は表2のとおりである。
【0088】
また、酸化スズ薄膜の組成はX線光電子分光法により分析されたが、炭素と窒素は検出されず純粋な酸化スズ薄膜を得ることができることを確認した。
【0089】
【表2】
【0090】
<実施例7>
プラズマ強化原子層蒸着法(Plasma Enhanced Atomic Layer Deposition)によってスズ含有薄膜を製造した。前駆体としては実施例1で製造されたt-ブチルビス(ジメチルアミノ)ヨウ素スズを使用し、反応ガスは二酸化炭素ガスを使用した。
【0091】
スズ含有薄膜が形成される基板はシリコン基板を使用し、シリコン基板は蒸着チャンバ内に移送して下記表3に記載の所定温度に維持した。
【0092】
前駆体が充填されたステンレススチール材質のバブラータイプのキャニスターは、下記表3に記載の所定の前駆体の蒸気圧になるように温度を維持した。蒸気化した前駆体は、アルゴンガスをキャリアガスとしてチャンバ内に移送され、シリコン基板に吸着された。次に、アルゴンガスを使用してパージ工程を実施した。反応ガスである二酸化炭素ガスを下記表3に記載の所定のプラズマパワーを使用して反応工程を実施した。また、反応副生成物を除去するために、アルゴンガスを使用してパージ工程を実施した。上記のような原子層蒸着工程を1周期として、所定の周期を繰り返して酸化スズ含有薄膜を形成しており、詳細な評価条件および結果は表3のとおりである。
【0093】
また、スズ含有薄膜の組成は、X線光電子分光法により分析されており、炭素およびヨウ素が各5~10%含有された薄膜として確認された。
【0094】
【表3】
【0095】
<実施例8>
化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition)によってスズ含有薄膜を製造した。前駆体としては実施例1で製造されたt-ブチルビス(ジメチルアミノ)ヨウ素スズを使用し、反応ガスは水蒸気を使用した。
【0096】
スズ含有薄膜が形成される基板はシリコン基板を使用し、シリコン基板は蒸着チャンバ内に移送して下記表4に記載の所定温度に維持した。
【0097】
前駆体が充填されたステンレススチール材質のバブラータイプのキャニスターは、下記表4に記載の所定の前駆体の蒸気圧になるように温度を維持した。蒸気化した前駆体は、アルゴンガスをキャリアガスとしてチャンバ内に移送された。また、反応ガスである水蒸気は水が充填されたステンレススチール材質のバブラータイプのキャニスターを下記表4に記載の所定の蒸気圧になるように温度を維持し、アルゴンガスをキャリアガスとしてチャンバ内に移送した。また、工程圧力は、スロットルバルブを用いてチャンバの圧力が一定に維持されるように調節した。このように、前記前駆体と水蒸気を用いて化学気相蒸着方法を行ってスズ含有薄膜を形成しており、詳細な評価条件および結果は表4のとおりである。
【0098】
また、スズ含有薄膜の組成は、X線光電子分光法により分析されており、炭素とヨウ素が各5~10%含有された薄膜として確認された。
【0099】
【表4】
【0100】
<実施例9>
実施例7で製造したスズ含有薄膜を用いて、スズ含有薄膜のパターニングを実施した。
【0101】
24nmのピッチで1:1ライン-空間ピッチャーを形成するために、極紫外線(EUV、extreme ultraviolet)リソグラフィ装置で約76mJ/cmの露出でEUVを使用してパターニングした。次いで、3分間約150℃で焼成し、2-ヘプタノンで約15秒間現像した後、同じ溶媒でリンシングをした。
【0102】
図5は24nmのピッチでシリコン基板上に形成されたライン/空間パターンの走査電子顕微鏡のイメージである。
【0103】
パターンのイメージに示されているように、24nmの狭いピッチでも1:1のライン/空間パターンが均一に形成されたことを確認することができる。
【0104】
<実施例10>
プラズマ強化原子層蒸着法(Plasma Enhanced Atomic Layer Deposition)によって酸化アンチモン薄膜を製造した。前駆体としては実施例4で製造されたビス(メチルエチルアミノ)ヨウ素アンチモンを使用し、反応ガスは酸素ガスを使用した。
【0105】
酸化アンチモン薄膜が形成される基板はシリコン基板を使用し、シリコン基板は蒸着チャンバ内に移送して下記表5に記載の温度に一定に維持した。
【0106】
前駆体が充填されたステンレススチール材質のバブラータイプのキャニスターは、表5に記載の所定の前駆体の蒸気圧になるように温度を維持した。蒸気化した前駆体は、アルゴンガスをキャリアガスとしてチャンバ内に移送され、シリコン基板に吸着された。次に、アルゴンガスを使用してパージ工程を実施した。反応ガスである酸素ガスを下記表5に記載の所定のプラズマパワーを使用して反応工程を実施した。また、反応副生成物を除去するために、アルゴンガスを使用してパージ工程を実施した。上記のような原子層蒸着工程を1周期として、所定の周期を繰り返して酸化アンチモン薄膜を形成しており、詳細な評価条件および結果は表5のとおりである。
【0107】
また、酸化アンチモン薄膜の組成は、X線光電子分光法により分析されており、炭素と窒素およびヨウ素は検出されず、純粋な酸化アンチモン薄膜を得ることができることを確認した。
【0108】
【表5】
【0109】
<実施例11>
原子層蒸着法(Atomic Layer Deposition)によって酸化アンチモン薄膜を製造した。前駆体としては実施例4で製造されたビス(メチルエチルアミノ)ヨウ素スズを使用し、反応ガスはオゾンガスを使用した。
【0110】
酸化アンチモン薄膜が形成される基板はシリコン基板を使用し、シリコン基板は蒸着チャンバ内に移送して下記表6に記載の所定温度に維持した。
【0111】
前駆体が充填されたステンレススチール材質のバブラータイプのキャニスターは、下記表6に記載の所定の前駆体の蒸気圧になるように温度を維持した。蒸気化した前駆体は、アルゴンガスをキャリアガスとしてチャンバ内に移送され、シリコン基板に吸着された。次に、アルゴンガスを使用してパージ工程を実施し、反応ガスであるオゾンガスを使用して反応工程を実施した。また、反応副生成物を除去するために、アルゴンガスを使用してパージ工程を実施した。上記のような原子層蒸着工程を1周期として、所定の周期を繰り返して酸化アンチモン薄膜を形成しており、詳細な評価条件および結果は表6のとおりである。
【0112】
また、酸化アンチモン薄膜の組成は、X線光電子分光法により分析されており、炭素と窒素は検出されず、純粋な酸化アンチモン薄膜を得ることができることを確認した。
【0113】
【表6】
【0114】
以上、一実施形態を実施例および実験例により詳細に説明しているが、一実施形態の範囲は、特定の実施例に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって解釈すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5