(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115957
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】部品搭載装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20230815BHJP
【FI】
H05K13/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022018410
(22)【出願日】2022-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】石本 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】川上 奈緒美
(72)【発明者】
【氏名】納富 亮
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 菜緒
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC16
5E353CC22
5E353CC30
5E353EE02
5E353GG02
5E353GG08
5E353JJ02
5E353JJ11
5E353KK03
5E353KK11
5E353LL02
5E353LL06
5E353LL10
5E353QQ05
(57)【要約】
【課題】複数の操作部から複数の作業部を適切に操作することができる部品搭載装置を提供する。
【解決手段】制御部は、第1基板搬送レーンL1に位置決めされた第1基板2に対して第1作業部W1のみが第1部品供給部S1から部品を受け取って搭載し、第2基板搬送レーンL2に位置決めされた第2基板2に対して第2作業部W2のみが第2部品供給部S2から部品を受け取って搭載する独立実装モード、または、第1基板2に対して第2作業部W2も部品を搭載し、第2基板2に対して第1作業部W1も部品を搭載する非独立実装モードで複数の作業部を制御する。制御部は、独立実装モードの場合、第1操作部P1は第1基板搬送レーンL1および第1作業部W1の操作のみを受け付け、第2操作部P2は第2基板搬送レーンL2および第2作業部W2の操作のみを受け付ける、両側操作モードで複数の操作部を制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を搬送して位置決めする複数の基板搬送レーンと、
部品を供給する複数の部品供給部と、
前記部品供給部から前記部品を受け取って前記基板に前記部品を搭載する部品搭載作業を含む作業を行う複数の作業部と、
前記複数の基板搬送レーンのうちの第1基板搬送レーンに位置決めされた第1基板に対して前記複数の作業部のうちの第1作業部のみが前記複数の部品供給部のうちの第1部品供給部から前記部品を受け取って搭載し、前記複数の基板搬送レーンのうちの第2基板搬送レーンに位置決めされた第2基板に対して前記複数の作業部のうちの第2作業部のみが前記複数の部品供給部のうちの第2部品供給部から前記部品を受け取って搭載する独立実装モード、または、前記第1基板に対して前記第2作業部も前記部品を搭載し、前記第2基板に対して前記第1作業部も前記部品を搭載する非独立実装モードで前記複数の作業部を制御する制御部と、
前記制御部に接続された複数の操作部と、を備え、
前記制御部は、
前記独立実装モードの場合、
前記複数の操作部のうちの第1操作部は、前記第1基板搬送レーンおよび前記第1作業部の操作のみを受け付け、
前記複数の操作部のうちの第2操作部は、前記第2基板搬送レーンおよび前記第2作業部の操作のみを受け付ける、両側操作モードで前記複数の操作部を制御する、部品搭載装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1操作部または前記第2操作部が、前記複数の基板搬送レーンと前記複数の作業部のいずれかの動作が競合する操作を受け付けた場合、
他の操作部からの操作を受け付けない排他処理を行う、請求項1に記載の部品搭載装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記独立実装モードの場合、
前記複数の操作部のいずれも、前記複数の基板搬送レーンと前記複数の作業部のいずれの操作も受け付ける片側操作モードと、
前記両側操作モードとの、いずれかのモードで前記複数の操作部を制御する、請求項1または2に記載の部品搭載装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記非独立実装モードの場合、
前記片側操作モードで前記複数の操作部を制御する、請求項3に記載の部品搭載装置。
【請求項5】
各々の前記操作部は、
入力部と表示部を有し、
前記独立実装モードの場合、
前記表示部は、前記片側操作モードと前記両側操作モードとの切り替えを受け付ける切替ボタンを表示し、
前記入力部は、前記切替ボタンの操作情報を受け付け、
前記制御部は、前記操作情報に基づいて、前記複数の操作部の制御を前記片側操作モードと前記両側操作モードとの間で変更する、請求項3に記載の部品搭載装置。
【請求項6】
前記両側操作モードの場合、
前記第1操作部の表示部は、前記第1基板搬送レーンおよび前記第1作業部の操作を受け付ける操作項目を表示し、
前記第2操作部の表示部は、前記第2基板搬送レーンおよび前記第2作業部の操作を受け付ける操作項目を表示する、請求項5に記載の部品搭載装置。
【請求項7】
前記片側操作モードの場合、
前記複数の操作部の表示部は、前記複数の基板搬送レーンと前記複数の作業部のいずれの操作も受け付ける操作項目を表示する、請求項5または6に記載の部品搭載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に部品を搭載する部品搭載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に部品を搭載する部品搭載装置には、複数の部品搭載装置などを連結してラインを構成した場合に、ラインのどちら側からも同じ操作が可能なように、部品搭載装置の両側にタッチパネルなどを有する操作部を配置したものが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、部品搭載装置の両側で同時にメンテナンス作業するような場合に作業者の安全を確保するために、一方の操作部において操作を行う場合は他方の操作部からの入力は受け付けない構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、一方の操作部において操作が行われている場合は必ず他方の操作部からの操作が排除されるため、次のような問題点があった。すなわち、独立して作業を行う複数の作業部を備える部品搭載装置では、両側の操作部からそれぞれ個別に作業部に対する操作が安全に可能となる条件があるにも関わらず、一方の操作部が操作を行っている場合は、その操作が完了して操作権が開放されるまで他方の操作部では操作が禁止されるため、作業効率が低下する場合があるという課題があった。
【0005】
そこで本発明は、複数の操作部から複数の作業部を適切に操作することができる部品搭載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の部品搭載装置は、基板を搬送して位置決めする複数の基板搬送レーンと、部品を供給する複数の部品供給部と、前記部品供給部から前記部品を受け取って前記基板に前記部品を搭載する部品搭載作業を含む作業を行う複数の作業部と、前記複数の基板搬送レーンのうちの第1基板搬送レーンに位置決めされた第1基板に対して前記複数の作業部のうちの第1作業部のみが前記複数の部品供給部のうちの第1部品供給部から前記部品を受け取って搭載し、前記複数の基板搬送レーンのうちの第2基板搬送レーンに位置決めされた第2基板に対して前記複数の作業部のうちの第2作業部のみが前記複数の部品供給部のうちの第2部品供給部から前記部品を受け取って搭載する独立実装モード、または、前記第1基板に対して前記第2作業部も前記部品を搭載し、前記第2基板に対して前記第1作業部も前記部品を搭載する非独立実装モードで前記複数の作業部を制御する制御部と、前記制御部に接続された複数の操作部と、を備え、前記制御部は、前記独立実装モードの場合、前記複数の操作部のうちの第1操作部は、前記第1基板搬送レーンおよび前記第1作業部の操作のみを受け付け、前記複数の操作部のうちの第2操作部は、前記第2基板搬送レーンおよび前記第2作業部の操作のみを受け付ける、両側操作モードで前記複数の操作部を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の操作部から複数の作業部を適切に操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施の形態の実装基板製造ラインの要部平面図
【
図2】本発明の一実施の形態の実装基板製造ラインが備える2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置の概略構造を示す平面図
【
図3】本発明の一実施の形態の実装基板製造ラインが備える2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置の概略構造を示す側面図
【
図4】本発明の一実施の形態の実装基板製造ラインが備える2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置における(a)独立実装モードの説明図(b)交互実装モードの説明図
【
図5】本発明の一実施の形態の2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置の制御系の構成を示すブロック図
【
図6】本発明の一実施の形態の作業表示方法のフロー図
【
図7】本発明の一実施の形態のログイン処理方法のフロー図
【
図8】本発明の一実施の形態の2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置が備える(a)前側の操作部の表示部に表示された操作画面の例の説明図(b)後側の操作部の表示部に表示された操作画面の例の説明図
【
図9】本発明の一実施の形態の2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置の他の実施例の制御系の構成を示すブロック図
【
図10】本発明の一実施の形態のサーバの他の実施例の制御系の構成を示すブロック図
【
図11】本発明の一実施の形態のログイン処理方法の他の実施例のフロー図
【
図12】本発明の一実施の形態の2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置が備える前側の操作部の表示部に表示された(a)独立実装モード中に両側操作モードが選択された操作画面の例の説明図(b)独立実装モード中に片側操作モードが選択された操作画面の例の説明図
【
図13】本発明の一実施の形態の2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置が備える前側の操作部の表示部に表示された交互実装モード中の操作画面の例の説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、実装基板製造ライン、部品搭載装置などの仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1、及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸として、基板搬送方向のX軸(
図1における上下方向)、基板搬送方向に直交するY軸(
図1における左右方向)が示される。
図3、及び後述する一部では、水平面と直交する高さ方向としてZ軸(
図3における上下方向)が示される。
【0010】
まず
図1を参照して、実装基板製造ライン1の構成を説明する。
図1は、実装基板製造ライン1の要部を模式的に示している。実装基板製造ライン1は、複数の部品搭載装置M1~M6を直列に連結して構成されており、基板に部品を搭載した実装基板を製造する機能を有している。各々の部品搭載装置M1~M6には、上流(紙面上方)から下流(紙面下方)に向けて基板2をX軸に沿って搬送する第1基板搬送レーンL1と第2基板搬送レーンL2がY軸方向に離れて配置されている。以下、Y軸方向において、第1基板搬送レーンL1が配置された側を前(紙面左側)、第2基板搬送レーンL2が配置された側を後(紙面右側)と称する。
【0011】
各々の部品搭載装置M1~M6が備える第1基板搬送レーンL1と第2基板搬送レーンL2は、それぞれ隣接する装置と連結されており、上流から下流に向けて基板2をそれぞれ搬送して隣接する装置に受け渡しする。各々の部品搭載装置M1~M6には、第1基板搬送レーンL1の前に第1部品供給部S1が、第2基板搬送レーンL2の後に第2部品供給部S2が配置されている。さらに、部品搭載装置M5と部品搭載装置M6には、第1部品供給部S1の下流に第3部品供給部S3が、第2部品供給部S2の下流に第4部品供給部S4が配置されている。第1部品供給部S1、第2部品供給部S2、第3部品供給部S3、第4部品供給部S4には、それぞれ部品を供給する複数の部品供給ユニット3がX軸に沿って並列に配置されている。
【0012】
図1において、各々の部品搭載装置M1~M6は、前に部品を保持して基板2に搭載する第1部品搭載ヘッドH1と、第1部品搭載ヘッドH1を移動させる第1作業ヘッド移動機構F1と、第1作業ヘッド移動機構F1によって第1部品搭載ヘッドH1とともに移動する第1ヘッドカメラC1と、を備えている。また、各々の部品搭載装置M1~M6は、後に部品を保持して基板に搭載する第2部品搭載ヘッドH2と、第2部品搭載ヘッドH2を移動させる第2作業ヘッド移動機構F2と、第2作業ヘッド移動機構F2によって第2部品搭載ヘッドH2とともに移動する第2ヘッドカメラC2と、を備えている。
【0013】
さらに、部品搭載装置M5と部品搭載装置M6には、前の下流に第3部品搭載ヘッドH3と、第3部品搭載ヘッドH3を移動させる第3作業ヘッド移動機構F3と、第3ヘッドカメラC3と、を備えている。また、部品搭載装置M5と部品搭載装置M6には、後の下流に第4部品搭載ヘッドH4と、第4部品搭載ヘッドH4を移動させる第4作業ヘッド移動機構F4と、第4ヘッドカメラC4と、を備えている。
【0014】
図1において、各々の部品搭載装置M1~M6は、前側にいるオペレータが操作可能な位置に第1操作部P1が配置され、後側にいるオペレータが操作可能な位置に第2操作部P2が配置されている。第1操作部P1と第2操作部P2は、各種情報や画面を表示するモニタ14(表示部)と、各種情報の入力を受け付けるタッチスクリーン13(入力部)と、オペレータを識別する生体認証部15と、を備えるタッチパネルなどの装置である(
図5参照)。
【0015】
生体認証部15は、虹彩を撮像する赤外線カメラや指紋センサなどの生体認証用のデバイスを備えており、部品搭載装置M1~M6にログインするオペレータの認証情報を取得する。すなわち、各々の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)は生体認証部15を有しており、生体認証部15により認証情報が取得される。
【0016】
このように、部品搭載装置M1~M4は、部品供給部(第1部品供給部S1、第2部品供給部S2)と搭載ヘッド(第1部品搭載ヘッドH1、第2部品搭載ヘッドH2)を2つずつ備える2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置である。また、部品搭載装置M5,M6は、部品供給部(第1部品供給部S1、第2部品供給部S2、第3部品供給部S3、第4部品供給部S4)と搭載ヘッド(第1部品搭載ヘッドH1、第2部品搭載ヘッドH2、第3部品搭載ヘッドH3、第4部品搭載ヘッドH4)を4つずつ備える4ステージ/4ヘッドの部品搭載装置である。
【0017】
図1に示す例では、実装基板製造ライン1は、4台の2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置M1~M4と2台の4ステージ/4ヘッドの部品搭載装置M5,M6を備えているが、実装基板製造ライン1は、この構成に限定されることはない。例えば、実装基板製造ライン1は、2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置M1~M4または4ステージ/4ヘッドの部品搭載装置M5,M6のいずれか1台を備える構成であってもよい。
【0018】
また、2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置M1~M4を2台、3台、5台以上、4ステージ/4ヘッドの部品搭載装置M5,M6を3台以上備える構成であってもよい。また、2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置M1~M4と4ステージ/4ヘッドの部品搭載装置M5,M6の配置順番は、任意に設定可能である。さらに、部品搭載装置M1~M6は物理的に連結されている必要もない。
【0019】
図1において、実装基板製造ライン1は、部品搭載装置M1~M6と有線または無線の通信ネットワークによって接続され、部品搭載装置M1~M6との間で各種情報を送受信するサーバSVを備えている。サーバSVは、部品搭載装置M1~M6に対して作業を行うオペレータのオペレータ情報を記憶するオペレータ情報サーバとしての機能を有している。また、サーバSVは、部品搭載装置M1~M6からの要求に基づいて、操作部からログインしようとするオペレータの操作を許可するか否かを判断する認証サーバとしての機能を有している。
【0020】
次に
図2、
図3を参照して、2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置M1~M4の詳細な構成について説明する。基台4の上部中央には、前に第1基板搬送レーンL1が、後に第2基板搬送レーンL2が配置されている。第1基板搬送レーンL1は、基板2を搭載作業位置に搬送する一対の基板搬送コンベアK1を備えている。第1基板搬送レーンL1は、搬送された基板2を搭載作業位置に位置決めして保持する。第2基板搬送レーンL2は、基板2を搭載作業位置に搬送する一対の基板搬送コンベアK2を備えている。第2基板搬送レーンL2は、搬送された基板2を搭載作業位置に位置決めして保持する。このように、部品搭載装置M1~M4は、基板2を搬送して位置決めする複数(2つ)の基板搬送レーン(第1基板搬送レーンL1、第2基板搬送レーンL2)を備えている。
【0021】
第1基板搬送レーンL1の前には第1部品供給部S1が、第2基板搬送レーンL2の後には第2部品供給部S2が配置されている。第1部品供給部S1および第2部品供給部S2には、上部に予め複数の部品供給ユニット3(テープフィーダ)が装着された台車5がセットされている。台車5には、部品を保持したキャリアテープ6を巻回状態で収納するリール7が保持されている。リール7から引き出されたキャリアテープ6は部品供給ユニット3によってピッチ送りされ、キャリアテープ6が保持する部品が部品供給位置に供給される。このように、部品搭載装置M1~M4は、部品を供給する複数(2つ)の部品供給部(第1部品供給部S1、第2部品供給部S2)を備えている。
【0022】
図2、
図3において、基台4の上面のX軸における両端部には、上流にY軸テーブル8が配置され、下流にY軸支持部9が配置されている。Y軸テーブル8およびY軸支持部9には、対向する位置にY軸に沿って伸びたガイド部10がそれぞれ配置されている。また、Y軸テーブル8には、Y軸に沿って伸びたY軸リニアモータ11が配置されている。Y軸テーブル8とY軸支持部9の間には、前に第1ビームB1が配置され、後に第2ビームB2が配置されている。第1ビームB1および第2ビームB2は、Y軸リニアモータ11によって駆動されてガイド部10に沿って前後に移動する。
【0023】
第1ビームB1には、X軸に沿って伸びた第1リニアモータD1が配置されている。また、第1ビームB1には、第1リニアモータD1によって駆動され、X軸に沿って左右に移動する第1移動部材E1が結合されている。第1移動部材E1には、第1部品搭載ヘッドH1と第1ヘッドカメラC1が装着されている。第2ビームB2には、X軸に沿って伸びた第2リニアモータD2が配置されている。また、第2ビームB2には、第2リニアモータD2によって駆動され、X軸に沿って左右に移動する第2移動部材E2が結合されている。第2移動部材E2には、第2部品搭載ヘッドH2と第2ヘッドカメラC2が装着されている。
【0024】
図3において、第1部品搭載ヘッドH1および第2部品搭載ヘッドH2には、下端部に部品を保持する複数の部品保持ノズル12が装着されている。第1部品搭載ヘッドH1および第2部品搭載ヘッドH2は、部品保持ノズル12をZ軸に沿って昇降させ、Z軸回りに回転させる。
【0025】
図2、
図3において、第1部品搭載ヘッドH1は、Y軸リニアモータ11および第1リニアモータD1によって水平方向(X軸方向、Y軸方向)に移動する。すなわち、Y軸テーブル8並びに第1ビームB1は、第1部品搭載ヘッドH1と第1ヘッドカメラC1を移動させる第1作業ヘッド移動機構F1を構成する。第2部品搭載ヘッドH2は、Y軸リニアモータ11および第2リニアモータD2によって水平方向に移動する。すなわち、Y軸テーブル8並びに第2ビームB2は、第2部品搭載ヘッドH2と第2ヘッドカメラC2を移動させる第2作業ヘッド移動機構F2を構成する。
【0026】
第1部品搭載ヘッドH1と第1作業ヘッド移動機構F1は、第1部品供給部S1から部品を受け取って第1基板搬送レーンL1または第2基板搬送レーンL2に位置決めされた基板2に搭載する部品搭載作業を含む作業を行う第1作業部W1を構成する。また、第2部品搭載ヘッドH2と第2作業ヘッド移動機構F2は、第2部品供給部S2から部品を受け取って第2基板搬送レーンL2または第1基板搬送レーンL1に位置決めされた基板2に搭載する部品搭載作業を含む作業を行う第2作業部W2を構成する。
【0027】
このように、部品搭載装置M1~M4は、部品供給部(第1部品供給部S1、第2部品供給部S2)から部品を受け取って、基板2に受け取った部品を搭載する部品搭載作業を含む作業を行う複数の作業部(第1作業部W1、第2作業部W2)を備えている。
【0028】
図2、
図3において、第1ヘッドカメラC1および第2ヘッドカメラC2は、第1基板搬送レーンL1の搭載作業位置または第2基板搬送レーンL2の搭載作業位置に保持された基板2の上方に移動し、基板2に設けられた基板マーク(図示省略)を撮像する。撮像結果は画像認識されて、基板2の位置が認識される。
【0029】
基台4の上面において、第1部品供給部S1と第1基板搬送レーンL1の間には、上方を撮像する第1部品カメラG1が配置されている。また、第2部品供給部S2と第2基板搬送レーンL2の間には、上方を撮像する第2部品カメラG2が配置されている。第1部品供給部S1から部品を取り出した第1部品搭載ヘッドH1が第1部品カメラG1の上方を移動する際に、第1部品カメラG1は部品保持ノズル12に保持された部品を撮像する。第2部品供給部S2から部品を取り出した第2部品搭載ヘッドH2が第2部品カメラG2の上方を移動する際に、第2部品カメラG2は部品保持ノズル12に保持された部品を撮像する。撮像結果は画像認識されて、部品保持ノズル12に保持された部品の姿勢が認識される。
【0030】
第1部品搭載ヘッドH1による基板2への部品搭載作業では、第1ヘッドカメラC1による基板位置の認識結果と、第1部品カメラG1による部品の認識結果を加味して部品の搭載位置の補正が行われる。同様に、第2部品搭載ヘッドH2による基板2への部品搭載作業では、第2ヘッドカメラC2による基板位置の認識結果と、第2部品カメラG2による部品の認識結果を加味して部品の搭載位置の補正が行われる。
【0031】
図2、
図3において、部品搭載装置M1~M4の前の上部には第1操作部P1が配置され、後の上部には第2操作部P2が配置されている。基台4には、制御部20が配置されている。制御部20には、第1操作部P1、第2操作部P2の他、部品搭載装置M1~M4の各部が接続されている(
図5参照)。これにより、入力部(タッチスクリーン13)、表示部(モニタ14)、生体認証部15を有する複数の操作部(第1操作部P1および第2操作部P2)は、制御部20と相互に通信可能である。すなわち、複数の操作部は、入力部から入力された入力情報を制御部20に送信し、制御部20から出力された表示情報を表示部に表示する。このように、部品搭載装置M1~M4は、制御部20に接続された複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)を備えている。
【0032】
制御部20は、第1作業部W1、第1部品供給部S1の部品供給ユニット3を制御して、第1基板搬送レーンL1の搭載作業位置または第2基板搬送レーンL2の搭載作業位置に保持された基板2に部品を搭載する部品搭載作業を実行させる。また、制御部20は、第2作業部W2、第2部品供給部S2の部品供給ユニット3を制御して、第2基板搬送レーンL2の搭載作業位置または第1基板搬送レーンL1の搭載作業位置に保持された基板2に部品を搭載する部品搭載作業を実行させる。制御部20は、制御部20の記憶部27に記憶される生産プログラム34(
図5)に従って、複数の実装モードによって部品搭載作業を実行させる。
【0033】
ここで、
図4を参照しながら、制御部20が制御する実装モードのうち、独立実装モードと交互実装モードについて説明する。
図4(a)は、部品搭載装置M1~M4における独立実装モードによる部品搭載作業を模式的に示している。独立実装モードでは、第1基板搬送レーンL1に搬入された第1基板2Fに対して、第1部品搭載ヘッドH1が第1部品供給部S1に装着された部品供給ユニット3から部品を受け取って搭載する(矢印a1)。同様に、独立実装モードでは、第2基板搬送レーンL2に搬入された第2基板2Rに対して、第2部品搭載ヘッドH2が第2部品供給部S2に装着された部品供給ユニット3から部品を受け取って搭載する(矢印a2)。
【0034】
すなわち、制御部20は、複数の基板搬送レーンのうちの第1基板搬送レーンL1に位置決めされた第1基板2Fに対して、複数の作業部のうちの第1作業部W1のみが複数の部品供給部のうちの第1部品供給部S1から部品を受け取って搭載させる。また、制御部20は、複数の基板搬送レーンのうちの第2基板搬送レーンL2に位置決めされた第2基板2Rに対して、複数の作業部のうちの第2作業部W2のみが複数の部品供給部のうちの第2部品供給部S2から部品を受け取って搭載させる。
【0035】
図4(b)は、部品搭載装置M1~M4における交互実装モードによる部品搭載作業を模式的に示している。交互実装モードでは、第1基板2Fまたは第2基板2Rの少なくともいずれか一つに対して、第1部品搭載ヘッドH1が第1部品供給部S1から部品を受け取って搭載する動作(矢印b1)と、第2部品搭載ヘッドH2が第2部品供給部S2から部品を受け取って搭載する動作(矢印b2)と、が交互に実行される。すなわち、制御部20は、第1基板2Fに対して第1作業部W1の他に第2作業部W2にも部品を搭載させる。また、制御部20は、第2基板2Rに対して第2作業部W2の他に第1作業部W1にも部品を搭載させる。
【0036】
交互実装モードなどの非独立実装モードでは、部品搭載作業中に第1部品搭載ヘッドH1が移動する領域と第2部品搭載ヘッドH2が移動する領域が相互に重なっている。そのため、非独立実装モードでは、制御部20は、第1部品搭載ヘッドH1と第2部品搭載ヘッドH2が干渉しないように第1作業部W1と第2作業部W2を制御する。一方、独立実装モードでは、部品搭載作業中に第1部品搭載ヘッドH1が移動する領域と第2部品搭載ヘッドH2が移動する領域は重ならない。そのため、独立実装モードでは、制御部20は、第1部品搭載ヘッドH1と第2部品搭載ヘッドH2の干渉を考慮することなく第1作業部W1と第2作業部W2を制御する。
【0037】
上記のように、部品搭載装置M1~M4は、基板2を搬送して位置決めする複数の基板搬送レーン(第1基板搬送レーンL1、第2基板搬送レーンL2)と、部品を供給する複数の部品供給部(第1部品供給部S1、第2部品供給部S2)と、部品供給部から部品を受け取って、基板2に受け取った部品を搭載する部品搭載作業を含む作業を行う複数の作業部(第1作業部W1、第2作業部W2)と、独立実装モード、または、非独立実装モードで複数の作業部を制御する制御部20と、制御部20に接続された複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)を備えている。
【0038】
次に
図1を参照して、4ステージ/4ヘッドの部品搭載装置M5,M6の詳細な構成について説明する。部品搭載装置M5,M6は、上流に第1作業部W1と第2作業部W2を備えるところは、上述した2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置M1~M4と同様である。部品搭載装置M5,M6は、さらに下流の前に第3作業部W3を備え、下流の後に第4作業部W4を備えているところが部品搭載装置M1~M4と異なる。また、部品搭載装置M5,M6は、第1操作部P1が第1作業部W1と第3作業部W3の間に配置され、第2操作部P2が第2作業部W2と第4作業部W4の間に配置されているところが部品搭載装置M1~M4と異なる。以下、部品搭載装置M1~M4と同じ部分には同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0039】
図1において、第3部品搭載ヘッドH3と第3作業ヘッド移動機構F3は、第3部品供給部S3から部品を受け取って第1基板搬送レーンL1または第2基板搬送レーンL2における第3部品搭載ヘッドH3の移動領域に位置決めされた基板2に搭載する部品搭載作業を含む作業を行う第3作業部W3を構成する。また、第4部品搭載ヘッドH4と第4作業ヘッド移動機構F4は、第4部品供給部S4から部品を受け取って第1基板搬送レーンL1または第2基板搬送レーンL2における第4部品搭載ヘッドH4の移動領域に位置決めされた基板2に搭載する部品搭載作業を含む作業を行う第4作業部W4を構成する。
【0040】
独立実装モードにおいて制御部20は、第1基板搬送レーンL1における第3部品搭載ヘッドH3の移動領域に位置決めされた基板2に対して、第3作業部W3のみが第3部品供給部S3から部品を受け取って搭載させる。また、独立実装モードにおいて制御部20は、第2基板搬送レーンL2における第4部品搭載ヘッドH4の移動領域に位置決めされた基板2に対して、第4作業部W4のみが第4部品供給部S4から部品を受け取って搭載させる。
【0041】
非独立実装モードにおいて制御部20は、第1基板搬送レーンL1における第3部品搭載ヘッドH3の移動領域に位置決めされた基板2に対して、第3作業部W3の他に第4作業部W4にも部品を搭載させる。また、非独立実装モードにおいて制御部20は、第2基板搬送レーンL2における第4部品搭載ヘッドH4の移動領域に位置決めされた基板2に対して、第4作業部W4の他に第3作業部W3にも部品を搭載させる。
【0042】
上記のように、部品搭載装置M5,M6は、基板2を搬送して位置決めする複数の基板搬送レーン(第1基板搬送レーンL1、第2基板搬送レーンL2)と、部品を供給する複数の部品供給部(第1部品供給部S1、第2部品供給部S2、第3部品供給部S3、第4部品供給部S4)と、部品供給部から部品を受け取って、基板2に受け取った部品を搭載する部品搭載作業を含む作業を行う複数の作業部(第1作業部W1、第2作業部W2、第3作業部W3、第4作業部W4)と、独立実装モード、または、非独立実装モードで複数の作業部を制御する制御部20と、制御部20に接続された複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)を備えている。
【0043】
次に
図5を参照して、2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置M1~M4の制御系の構成を、複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)を操作するオペレータに対応して適切に処理する機能と、複数の作業部(第1作業部W1、第2作業部W2)の実装モードに対応して適切に処理する機能を中心に説明する。
【0044】
部品搭載装置M1~M4が備える制御部20は、入力処理部21、処理部22、オペレータ承認部23、排他処理部24、出力処理部25、通信部26、記憶部27を備えている。通信部26は、有線または無線の通信ネットワークを介して、サーバSVや他の作業装置(部品搭載装置M1~M6)との間で各種情報を送受信する。入力処理部21は、複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)からの入力情報を受信するとともにいずれの操作部からの入力であるかを特定し、入力情報に基づく命令を出力する。入力処理部21は内部処理部として、受信部28、特定部29、出力部30を備えている。
【0045】
図5において、処理部22は、命令に基づいて後述する各種の処理を実行し、作業部(第1作業部W1、第2作業部W2)に部品搭載作業などを行わせる。処理部22は内部処理部として、部品搭載処理部31、片側操作処理部32、両側操作処理部33を備えている。記憶部27は記憶装置であり、生産プログラム34、ログイン情報35、装置状態データ36などが記憶されている。
【0046】
生産プログラム34には、実装基板の種類毎に、基板2のサイズ、搭載される部品の種類と搭載位置(XY座標)、部品供給部(第1部品供給部S1、第2部品供給部S2)における部品の配置、部品搭載時の実装モード(独立実装モード、交互実装モード)など、部品搭載作業に必要な情報や制御プログラムが記憶されている。
【0047】
図5において、処理部22は、作業部(第1作業部W1、第2作業部W2)の状態、部品搭載作業の進捗状況、キャリブレーションや供給位置ティーチングなどの進捗状況、制御部20に対する操作を行った操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)の情報などを逐次取得して、装置状態データ36として記憶部27に記憶させる。部品搭載処理部31は、生産プログラム34、装置状態データ36に基づいて第1作業部W1および第2作業部W2を制御し、基板2の搬送作業や部品を基板2に搭載する部品搭載作業を実行させる。
【0048】
第1操作部P1は制御部20に設けられた第1接続ポートT1に接続されている。第2操作部P2は制御部20に設けられた第2接続ポートT2に接続されている。オペレータがタッチスクリーン13(入力部)に対して行った操作の内容を意味する操作イベントと、操作が行われた位置を示す座標データを含む入力情報は、接続ポート(第1接続ポートT1、第2接続ポートT2)を経由して制御部20の入力処理部21に伝達される。操作イベントとしては、タップ、ロングタップ、フリック、スライド、ペンアップ、ペンダウン、ピッチイン、ピッチアウト等が挙げられる。
【0049】
図5において、受信部28は、タッチスクリーン13から出力された入力情報(操作イベント、座標データ)、生体認証部15で取得された認証情報を受信する。入力処理部21は、受信部28が受信した入力情報に基づいて、オペレータがタッチスクリーン13に入力した命令を判別する。特定部29は、入力情報が経由する接続ポート(第1接続ポートT1、第2接続ポートT2)に基づいて、操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)から制御部20に送信された入力情報が複数の操作部のいずれから入力されたかを特定する。出力部30は、判別された命令や受信された認証情報に特定された接続ポートの情報を関連付けて、処理部22、オペレータ承認部23、出力処理部25に出力する。
【0050】
オペレータ承認部23は、操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)から送信されたオペレータに関する認証情報と、認証情報に対応するオペレータ情報に基づき、そのオペレータに対してその操作部の操作を許可するか否かを判断する。本実施例では、オペレータ情報は、実装基板製造ライン1(作業システム)が備えるサーバSVがデータベースとして記憶している。すなわち、サーバSVは、実装基板製造ライン1において部品搭載装置M1~M6に対する作業を行うオペレータ毎に、オペレータを特定する情報(ID番号など)、習熟度、オペレータの認証処理で使用される生体認証データなどを含むオペレータ情報を記憶する、オペレータ情報サーバである。
【0051】
具体的には、オペレータ承認部23は、認証情報に基づく問い合わせ情報を、通信部26を介してサーバSVに送信する。サーバSV(オペレータ情報サーバ)は、作業装置(部品搭載装置M1~M6)の通信部26から送信される問い合わせ情報を受信し、対応するオペレータ情報をその作業装置の通信部26に送信(返信)する。そして、オペレータ承認部23は、通信部26を介してサーバSVからオペレータ情報を受信し、認証情報とオペレータ情報に基づき、そのオペレータに対する許可、不許可を判断する。このように、通信部26は、認証情報に基づく問い合わせ情報をサーバSVに送信し、サーバSVからオペレータ情報を受信する。なお、作業システムは、オペレータ情報をサーバSVから取得する構成の他に、作業装置の記憶部27がオペレータ情報を記憶する構成であってもよい。
【0052】
図5において、オペレータ承認部23は、オペレータによる操作を許可する場合、許可するオペレータに関する情報であるログイン情報を作成する。そして、オペレータ承認部23は、認証情報を送信したと特定された操作部の情報にログイン情報を関連付けて、ログイン情報35として記憶部27に記憶させる。言い換えると、記憶部27は、オペレータ承認部23によって許可されたオペレータに関する情報であるログイン情報35を、特定部29によって認証情報を送信したと特定された操作部に関連付けて記憶する。また、オペレータ承認部23は、所定時間(例えば、1分間)操作部が許可されたオペレータによって操作されない場合、記憶部27からそのオペレータに係るログイン情報35を削除させる。これにより、そのオペレータは、許可された操作部から自動でログアウトされる。
【0053】
出力処理部25は、操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)からの入力情報とログイン情報35に基づいて生成された表示情報を、特定部によって特定された操作部に出力する。表示情報を受信した操作部は、表示情報をモニタ14(表示部)に表示させる。これにより、操作が許可されたオペレータが操作するモニタ14には、オペレータや実装モードに対応する操作画面などの表示情報が表示される。
【0054】
次に、
図6、
図7のフローに沿って、
図8を参照しながら、複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)から送信されたオペレータに関する認証情報に基づいて、各々の操作部が有するモニタ14(表示部)に認証情報に応じた表示をさせる作業表示方法について説明する。ここでは、オペレータが部品搭載装置M1の操作部を操作する例で説明する。
【0055】
図6において、オペレータがいずれかの操作部のタッチスクリーン13をタッチすると、その操作部から入力情報が送信され、接続ポート(第1接続ポートT1、第2接続ポートT2)を経由した入力情報を入力処理部21が受信する(ST1:入力情報受信工程)。次いで特定部29は、操作部から送信された入力情報が複数の操作部のいずれから入力されたかを、入力情報が経由した接続ポートから特定する(ST2:特定工程)。次いでオペレータ承認部23は、特定された操作部に対応するログイン情報35が記憶部27に記憶されているかを参照する(ST3:ログイン情報参照工程)。
【0056】
次いでオペレータ承認部23は、特定された操作部がログイン済みか否かを判断する(ST4:ログイン判断工程)。具体的には、オペレータ承認部23は、特定された操作部に対応するログイン情報35が記憶部27に記憶されている場合はログイン済み(ログイン状態)と判断し、記憶されていない場合はログインされていない(ログオフ状態)と判断する。以下、特定された操作部は、前側の第1操作部P1として説明する。特定された第1操作部P1がログオフ状態と判断されると(ST4においてNo)、ログイン処理が実行される(ST5:第1ログイン処理工程)。
【0057】
図7において、第1ログイン処理工程(第1ログイン処理方法)では、まず、オペレータ承認部23からの命令に基づいて、出力処理部25は第1操作部P1に認証情報入力画面を出力する(ST11:認証情報入力画面出力工程)。これにより、第1操作部P1のモニタ14(表示部)に、認証情報入力画面(図示省略)が表示される。認証情報入力画面には、オペレータに対して生体認証部15のセンサを使用した認証操作を行うように表示される。例えば、モニタ14に、「赤外線カメラを使用して虹彩を撮像してください」や、「指紋センサを使用して指紋を取得してください」と、認証操作を促す表示がされる。
【0058】
なお、オペレータ承認部23によるオペレータの識別は、生体認証部15によって取得された認証情報を使用する方法に限定されることはない。例えば、操作部のタッチスクリーン13にオペレータが入力したユーザIDとパスワードを使用して、オペレータを識別するようにしてもよい。
【0059】
図7において、第1操作部P1の生体認証部15により取得されたオペレータの認証情報は、第1接続ポートT1を経由して受信部28によって受信される(ST12:認証情報受信工程)。第1操作部P1(操作部)から送信されたオペレータに関する認証情報が受信されると(ST12においてYes)、オペレータ承認部23は、サーバSV(オペレータ情報サーバ)に認証情報に対応するオペレータ情報を問い合わせて、オペレータ情報を取得(参照)する(ST13:オペレータ情報参照工程)。
【0060】
次いでオペレータ承認部23は、認証情報とオペレータ情報に基づいて、第1操作部P1を操作しているオペレータに対して操作を許可するか否かを判断する(ST14:オペレータ承認工程)。すなわち、オペレータ承認工程(ST14)において、操作部から送信されたオペレータに関する認証情報に基づき、そのオペレータに対して操作部の操作を許可するかどうかが判断される。
【0061】
図7において、許可すると判断された場合(ST14においてYes)、オペレータ承認部23は、許可されたオペレータに関するログイン情報35を作成し、特定された操作部(第1操作部P1)に関連付けて記憶部27に記憶させる(ST15:記憶工程)。すなわち、記憶工程(ST15)において、オペレータ承認工程(ST14)において許可されたオペレータに関する情報であるログイン情報35が、特定工程(ST2)において認証情報を送信したと特定された操作部に関連付けされて記憶される。次いで出力処理部25は、表示情報としてログイン完了画面を第1操作部P1に出力する(ST16:ログイン完了画面出力工程)。これにより、第1操作部P1のモニタ14(表示部)に、ログインが完了した旨(ログイン完了画面)が表示される。
【0062】
許可しないと判断された場合(ST14においてNo)、オペレータ承認部23は、オペレータに関するログイン情報35は作成せず、出力処理部25は、表示情報としてログイン失敗画面を第1操作部P1に出力する(ST17:ログイン失敗画面出力工程)。これにより、第1操作部P1のモニタ14(表示部)に、ログインが失敗した旨(ログイン失敗画面)が表示される。その後、入力情報受信工程(ST1)に戻って、第1操作部P1のタッチスクリーン13(入力部)に対する操作を待機する。
【0063】
図6において、第1ログイン処理工程(ST5)においてログインが完了した後に、オペレータが第1操作部P1のタッチスクリーン13(入力部)から入力する入力情報が入力処理部21によって受信される(ST6:入力情報受信工程)。次いで入力情報とログイン情報35に基づいて、表示情報が生成される(ST7:表示情報生成工程)。ログイン判断工程(ST4)においてログイン済み(Yes)と判断された場合、表示情報生成工程(ST7)では、入力情報受信工程(ST1)において受信された入力情報に基づいて、表示情報が生成される。次いで出力処理部25は、生成された表示情報を第1操作部P1に出力する(ST8:出力処理工程)。これにより、第1操作部P1のモニタ14(表示部)に表示情報が表示される。
【0064】
すなわち、出力処理工程(ST8)において、出力処理部25は、入力情報受信工程(ST1またはST6)において操作部から入力された入力情報とログイン情報35に基づいて生成された表示情報を、特定工程(ST2)において特定された操作部に出力する。その後、入力情報受信工程(ST1)に戻って、第1操作部P1のタッチスクリーン13(入力部)に対する操作を待機する。なお、所定時間(例えば、1分間)第1操作部P1が操作されない場合、オペレータ承認部23はログイン情報35を削除する(自動ログアウト処理)。
【0065】
ここで、
図8(a)を参照して、出力処理工程(ST8)によって第1操作部P1のモニタ14に表示された操作画面40(第1の表示情報)の例について説明する。操作画面40には、オペレータ名表示欄41、作業選択欄42、作業詳細表示欄43が設けられている。オペレータ名表示欄41には、第1ログイン処理工程(ST5)において許可されたオペレータを特定する情報(ここでは、「OP1」)が表示される。また、オペレータ名表示欄41には、変更ボタン41aが設けられている。変更ボタン41aが操作されると、ログイン画面が表示される。例えば、オペレータ名が前に操作した別のオペレータであった場合に、新しいオペレータは変更ボタン41aを操作して、自分のログイン名でログインする。
【0066】
作業選択欄42には、オペレータ情報に含まれるオペレータの習熟度に基づいて、そのオペレータに許可された作業を行うためのボタンが表示される。オペレータOP1は習熟度が「高」の熟練者であり、作業選択欄42には、作業A選択ボタン42a、作業B選択ボタン42b、作業C選択ボタン42cが表示されている。作業詳細表示欄43には、作業選択欄42において選択された作業の詳細情報などが表示される。
【0067】
この例では、作業A選択ボタン42aが選択されており、作業詳細表示欄43には、「作業A」を実行するための詳細情報が表示されている。すなわち、オペレータOP1が第1操作部P1のタッチスクリーン13を操作した入力情報を受信部28が受信し、出力処理部25が部品搭載装置M1の「作業A」に関する詳細情報(表示情報)を送信し、第1操作部P1のモニタ14に送信された詳細情報が表示されている。
【0068】
図8(a)において、作業詳細表示欄43には、装置状況表示枠44が表示されている。装置状況表示枠44には、部品搭載装置M1が有する2つのテーブル(第1部品供給部S1、第2部品供給部S2)の状況が上下に表示される。装置状況表示枠44には、操作部を操作しているオペレータの前にあるテーブルが下欄に、オペレータとは反対側にあるテーブルが上欄に表示される。すなわち、第1操作部P1のモニタ14では、前側のテーブルFの状況(準備中)が下欄に、後側のテーブルRの状況(準備中)が上欄に表示される。
【0069】
ここで、
図8(b)を参照して、出力処理工程(ST8)によってモニタ14に表示された操作画面45(第1の表示情報)の他の例について説明する。
図8(b)は、習熟度が「中」のオペレータOP2が第2操作部P2からログインした後にモニタ14に表示された操作画面45である。操作画面45には、
図8(a)の操作画面40と同様に、変更ボタン46aを備えたオペレータ名表示欄46、作業選択欄47、作業詳細表示欄48が設けられている。作業詳細表示欄48に表示される装置状況表示枠49には、後側のテーブルRの状況(準備中)が下欄に、前側のテーブルFの状況(準備中)が上欄に表示されている。
【0070】
作業選択欄47には、オペレータ情報に含まれるオペレータの習熟度に基づいて、作業A選択ボタン47a、作業B選択ボタン47bが表示されている。すなわち、習熟度が「高」のオペレータには許可されているが習熟度が「中」のオペレータには許可されていない「作業C」を選択する作業C選択ボタン42cは表示されていない。
【0071】
図8(b)において、作業詳細表示欄48には、作業選択欄47において選択された「作業A」の詳細情報が表示されている。作業詳細表示欄48に表示された「作業A」の操作項目の中には、習熟度が「中」のオペレータには許可されていない項目がある。オペレータOP2が許可されていな操作項目を選択すると、作業詳細表示欄48には、「権限の無い操作」である旨を警告する警告表示枠48aが表示され、作業詳細表示欄48の操作受付が中断される。オペレータOP2が警告表示枠48aに設けられた確認ボタン48bを操作することで、作業詳細表示欄48の操作受付が再開される。
【0072】
部品搭載装置M1に対して、同時期にオペレータOP1が前側の第1操作部P1にログインし、オペレータOP2が後側の第2操作部P2にログインした場合、前側のモニタ14には操作画面40が表示され、後側のモニタ14には操作画面45が表示される。この時、オペレータOP1は第1操作部P1から、オペレータOP2は第2操作部P2から、部品搭載装置M1に対して別々に操作が可能な状態となる。しかし、各々の操作部は、オペレータの習熟度に対応した操作以外の操作は受け付けないため、誤って習熟度が低いオペレータOP2が許可されていない操作を行うことが防止できる。
【0073】
このように、出力処理部25は、各々の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)から入力された認証情報に基づき、各々の操作部に異なる第1の表示情報(操作画面40、操作画面45)を出力する。また、出力処理部25は、ログイン情報35に基づいて生成されたオペレータに許可された操作項目を含む第1の表示情報を特定された操作部に出力し、操作部は、操作項目に関してタッチスクリーン13(入力部)から入力された入力情報を制御部20に送信する。また、出力処理部25は、ログイン情報35に応じたオペレータの習熟度(高、中、低など)に基づく第1の表示情報を特定された操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)に出力する。
【0074】
上記説明したように、本実施の形態の部品搭載装置M1~M6は、作業を行う作業部(第1作業部W1、第2作業部W2、第3作業部W3、第4作業部W4)と、作業部を制御する制御部20と、入力部(タッチスクリーン13)と表示部(モニタ14)を有し、入力部から入力された入力情報を制御部20に送信し、制御部20から出力された表示情報(操作画面40、操作画面45、操作画面50)を表示部に表示する複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)と、を備えている作業装置(作業システム)である。
【0075】
そして、制御部20は、操作部から制御部20に送信された入力情報が複数の操作部のいずれから入力されたかを特定する特定部29と、いずれかの操作部から送信されたオペレータに関する認証情報に基づき、オペレータに対して操作部の操作を許可するか否かを判断するオペレータ承認部23と、オペレータ承認部23によって許可されたオペレータに関する情報であるログイン情報35を、特定部29によって認証情報を送信したと特定された操作部に関連付けて記憶する記憶部27と、操作部からの入力情報とログイン情報35に基づいて生成された表示情報を、特定部29によって特定された操作部に出力処理部25と、を有している。これよって、複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)から各々のオペレータに対応する適切な操作を行うことができる。
【0076】
次に
図9、
図10を参照して、2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置の他の実施例(以下、単に「部品搭載装置M1A~M4A」と称する。)の制御系の構成と、サーバの他の実施例(以下、単に「サーバSV1」と称する。)の制御系の構成について説明する。すなわち、他の実施例の実装基板製造ラインは、作業装置(部品搭載装置M1A~M4A)とサーバSV1(認証サーバ)を備えている。
【0077】
部品搭載装置M1A~M4Aの制御部20Aは承認要求部37を備え、認証情報に基づくオペレータの操作の許可の可否判断はサーバSV1が実行するところが、部品搭載装置M1~M4とサーバSVとは異なる。すなわち、サーバSV1は、作業装置(部品搭載装置M1A~M4A)からの問い合わせを受信し、オペレータに対して操作部の操作を許可するかどうかを判断し、判断結果を作業装置に送信する認証サーバである。以下、部品搭載装置M1~M4とサーバSVと同じ構成には同じ符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0078】
図9において、承認要求部37は、操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)から送信されたオペレータに関する認証情報に基づき、オペレータに対して操作部の操作を許可するか否かの判断を、通信部26を介してサーバSV1(認証サーバ)に問い合わせる。また、承認要求部37は、サーバSV1からの判断結果を、通信部26を介して取得する。さらに、承認要求部37は、サーバSV1によって許可されたオペレータに関する情報であるログイン情報を作成し、認証情報を送信したと特定された操作部の情報にログイン情報を関連付けて、ログイン情報35Aとして記憶部27Aに記憶させる。
【0079】
言い換えると、記憶部27Aは、サーバSV1(認証サーバ)によって許可されたオペレータに関する情報であるログイン情報35Aを、特定部29によって認証情報を送信したと特定された操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)に関連付けて記憶する。また、承認要求部37は、所定時間(例えば、1分間)操作部が許可されたオペレータによって操作されない場合、記憶部27Aからそのオペレータに係るログイン情報35Aを削除する。これにより、そのオペレータは、許可された操作部から自動でログアウトされる。
【0080】
図10において、サーバSV1が備える認証処理装置70は、受付部71、オペレータ識別処理部72、認証通信部73、認証記憶部74を備えている。認証通信部73は、有線または無線の通信ネットワークを介して、作業装置(部品搭載装置M1A~M4A)との間で各種情報を送受信する。認証記憶部74は記憶装置であり、オペレータ情報75などが記憶されている。オペレータ情報75には、実装基板製造ラインにおいて部品搭載装置M1A~M4Aに対する作業を行うオペレータ毎に、オペレータを特定する情報(ID番号など)、習熟度、オペレータ識別処理で使用される生体認証データなどが記憶されている。
【0081】
受付部71は、作業装置(部品搭載装置M1A~M4A)から送信されたオペレータの認証要求を、認証通信部73を介して受け付ける。作業装置から送信される認証要求には、操作部から送信されたオペレータに関する認証情報が含まれている。オペレータ識別処理部72は、受け付けられた認証要求に含まれる認証情報と、認証記憶部74に記憶されるオペレータ情報75に基づいて、認証情報に合致するオペレータを特定(識別)する。具体的には、認証要求に含まれる認証情報とオペレータ情報75に含まれる複数のオペレータの生体認証データを比較して、合致するオペレータを探索する。
【0082】
オペレータ識別処理部72は、合致するオペレータが見つかった場合、認証要求に係るオペレータを許可する旨と、そのオペレータを特定する情報、習熟度などを、認証通信部73を介して認証要求を送信した作業装置に送信(返信)する。また、オペレータ識別処理部72は、合致するオペレータが見つからなかった場合、認証要求に係るオペレータを不許可とする旨を、認証通信部73を介して認証要求を送信した作業装置に送信(返信)する。
【0083】
次に、
図6、
図11のフローに沿って、部品搭載装置M1A~M4AとサーバSV1を備える実装基板製造ライン(作業システム)における作業表示方法の他の実施例について説明する。作業表示方法の他の実施例は、ログイン判断工程(ST4)においてログオフ状態と判断された場合(No)に実行されるログイン処理が第2ログイン処理工程であるところが、第1ログイン処理工程(ST5)である
図7、
図8に示す作業表示方法とは異なる。以下、第2ログイン処理工程について説明する。
【0084】
図11において、第2ログイン処理工程(第2ログイン処理方法)では、まず、認証情報入力画面出力工程(ST11)、認証情報受信工程(ST12)が実行される。操作部から送信されたオペレータに関する認証情報が受信されると(ST12においてYes)、承認要求部37は、サーバSV1(認証サーバ)に認証要求を送信し、許可の可否判断を問い合わせる(ST21:承認要求工程)。次いで承認要求部37は、サーバSV1からの可否判断の結果を取得する(ST22:結果取得工程)。可否判断結果が許可の場合(ST23においてYes)、記憶工程(ST15)、ログイン完了画面出力工程(ST16)が実行される。可否判断結果が不許可の場合(ST23においてNo)、ログイン失敗画面出力工程(ST17)が実行される。
【0085】
次に、
図4、
図5、
図12、
図13を参照して、2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置M1~M4の各種の実装モードにおける制御部20の制御について説明する。制御部20は、生産プログラム34に含まれる部品搭載時の実装モードに基づいて、基板搬送コンベア(第1基板搬送コンベアK1、第2基板搬送コンベアK2)、部品供給部(第1部品供給部S1、第2部品供給部S2)、作業部(第1作業部W1、第2作業部W2)などを制御する。
【0086】
まず、独立実装モードにおける制御部20による制御について説明する。独立実装モードでは、部品搭載作業中に第1部品搭載ヘッドH1が移動する領域と第2部品搭載ヘッドH2が移動する領域は重ならない(
図4(a)参照)。そのため、独立実装モードでは、複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)から第1作業部W1または第2作業部W2に対して、同じタイミングで個別に操作を行うことができる。
【0087】
ここで、
図12を参照して、独立実装モードで部品搭載作業中に第1操作部P1のモニタ14に表示された操作画面の例について説明する。
図12(a)において、操作画面55には、オペレータ名表示欄56、作業選択欄57、作業詳細表示欄58が設けられている。作業選択欄57には、部品搭載作業中にオペレータOP1が行う作業である「作業D」を選択するための作業D選択ボタン57d、「作業E」を選択するための作業E選択ボタン57eが設けられている。作業詳細表示欄58には、作業選択欄57において作業D選択ボタン57dを操作して選択された「作業D」の詳細情報が表示されている。
【0088】
図12(a)において、作業詳細表示欄58には、操作モード選択枠59とテーブル選択枠60が設けられている。操作モード選択枠59には、両側操作モードを選択するラジオボタンと片側操作モードを選択するラジオボタンが設けられている。この例では、両側操作モードが選択されている。第1操作部P1において両側操作モードが選択されると、第1操作部P1と第2操作部P2に対して、処理部22の両側操作処理部33による処理が実行される。すなわち、両側操作処理部33は、複数の操作部のうちの第1操作部P1は、第1基板搬送レーンL1および第1作業部W1の操作のみを受け付け、第2操作部P2は、第2基板搬送レーンL2および第2作業部W2の操作のみを受け付けるように制御する。
【0089】
具体的には、両側操作処理部33は、前側の第1操作部P1のモニタ14に表示させた操作画面55のテーブル選択枠60が有する前側テーブル選択ボタン60aと後側テーブル選択ボタン60bを選択不可に設定する。そして、両側操作処理部33は、前側の第1操作部P1のモニタ14に第1基板搬送レーンL1および第1作業部W1の操作項目を表示し、前側の第1操作部P1のタッチスクリーン13からは第1基板搬送レーンL1および第1作業部W1の操作のみを受け付けるように制御する。
【0090】
また同様に、両側操作処理部33は、後側の第2操作部P2のモニタ14に表示させた操作画面(図示省略)のテーブル選択枠が有する前側テーブル選択ボタンと後側テーブル選択ボタンを選択不可に設定する。そして、両側操作処理部33は、後側の第2操作部P2のモニタ14に第2基板搬送レーンL2および第2作業部W2の操作項目を表示し、後側の第2操作部P2のタッチスクリーン13からは第2基板搬送レーンL2および第2作業部W2の操作のみを受け付けるように制御する。これにより両側操作モードでは、例えば、前側の第1操作部P1ではオペレータOP1が前側テーブルのエラー対応を実行し、同時に、後側の第2操作部P2では別のオペレータが後側テーブルの生産モニタ操作を実行することができる。
【0091】
図12(b)は、操作画面61の作業詳細表示欄62に設けられた操作モード選択枠63において、片側操作モードが選択された例を示している。第1操作部P1において片側操作モードが選択されると、第1操作部P1と第2操作部P2に対して、処理部22の片側操作処理部32による処理が実行される。すなわち、片側操作処理部32は、複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)のいずれも、複数の基板搬送レーン(第1基板搬送レーンL1、第2基板搬送レーンL2)と複数の作業部(第1作業部W1、第1作業部W1)のいずれの操作も受け付けるように制御する。
【0092】
具体的には、片側操作処理部32は、前側の第1操作部P1のモニタ14に表示させた操作画面61のテーブル選択枠64が有する前側テーブル選択ボタン64aと後側テーブル選択ボタン64bを選択可能に設定する。そして、片側操作処理部32は、テーブル選択枠64で選択された側の基板搬送レーンと作業部の操作項目を表示し、それらに対する操作を受け付けるように制御する。
【0093】
図12(b)では、後側テーブル選択ボタン64bが選択されている。そのため、前側の第1操作部P1のモニタ14には、第2基板搬送レーンL2および第2作業部W2の操作項目が表示されている。そして、片側操作処理部32は、前側の第1操作部P1のタッチスクリーン13からは、第2基板搬送レーンL2および第2作業部W2の操作のみを受け付けるように制御する。これにより片側操作モードでは、例えば、前側の第1操作部P1から前側テーブルの操作と後側テーブルの操作を切り替えながら実行することができる。
【0094】
次に、交互実装モードにおける制御部20による制御について説明する。交互実装モードなどの非独立実装モードでは、部品搭載作業中に第1部品搭載ヘッドH1が移動する領域と第2部品搭載ヘッドH2が移動する領域が相互に重なっている(
図4(b)参照)。そのため、非独立実装モードでは、複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)からの操作で第1部品搭載ヘッドH1と第2部品搭載ヘッドH2が干渉しないように排他処理がされる。
【0095】
図5において、排他処理は、制御部20の排他処理部24と片側操作処理部32によって実行される。排他処理部24は、入力処理部21から出力された操作部の識別結果と、装置状態データ36に含まれる作業部(第1作業部W1、第2作業部W2)の状態に基づいて、第1部品搭載ヘッドH1と第2部品搭載ヘッドH2が干渉するおそれがある場合には、他の操作部からの操作を受け付けないように制御する。
【0096】
そして、制御部20の片側操作処理部32は、第1操作部P1または第2操作部P2が、複数の基板搬送レーン(第1基板搬送レーンL1、第2基板搬送レーンL2)と複数の作業部(第1作業部W1、第2作業部W2)のいずれかの動作が競合する操作を受け付けた場合、他の操作部からの操作を受け付けない排他処理を行う。すなわち、制御部20は、非独立実装モードの場合、片側操作モードで複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)を制御する。
【0097】
ここで、
図13を参照して、交互実装モードで部品搭載作業中に第1操作部P1のモニタ14に表示された操作画面65の例について説明する。作業詳細表示欄66には、独立実装モードの操作画面55,61と異なり、操作モード選択枠59,63は表示されない。また、テーブル選択枠67の前側テーブル選択ボタン67aと後側テーブル選択ボタン67bを選択可能に設定されている。排他処理部24は、作業詳細表示欄66において、複数の基板搬送レーン(第1基板搬送レーンL1、第2基板搬送レーンL2)と複数の作業部(第1作業部W1、第2作業部W2)のいずれかの動作が競合する操作は拒絶する(受け付けない)ように処理する。
【0098】
このように、独立実装モードの場合、操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)の表示部(モニタ14)は、片側操作モードと両側操作モードとの切り替えを受け付ける切替ボタン(操作モード選択枠59、63のラジオボタン)を表示し、入力部(タッチスクリーン13)は、切替ボタンの操作情報を受け付け、制御部20は、操作情報に基づいて、複数の操作部の制御を片側操作モードと両側操作モードとの間で変更する(
図12(a)、
図12(b))。
【0099】
そして、両側操作モードの場合、第1操作部P1の表示部(モニタ14)は、第1基板搬送レーンL1および第1作業部W1の操作を受け付ける操作項目を表示し、第2操作部P2の表示部(モニタ14)は、第2基板搬送レーンL2および第2作業部W2の操作を受け付ける操作項目を表示する(
図12(a)、
図12(b))。また、片側操作モードの場合、複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)の表示部(モニタ14)は、複数の基板搬送レーン(第1基板搬送レーンL1、第2基板搬送レーンL2)と複数の作業部(第1作業部W1、第2作業部W2)のいずれの操作も受け付ける操作項目を表示する(
図13)。
【0100】
上記説明したように、本実施の形態の2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置M1~M4は、基板2を搬送して位置決めする複数の基板搬送レーン(第1基板搬送レーンL1、第2基板搬送レーンL2)と、部品を供給する複数の部品供給部(第1部品供給部S1、第2部品供給部S2)と、部品供給部から部品を受け取って基板2に部品を搭載する部品搭載作業を含む作業を行う複数の作業部(第1作業部W1、第2作業部W2)と、独立実装モードまたは非独立実装モードで複数の作業部を制御する制御部20と、制御部20に接続された複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)と、を備えている。
【0101】
そして、制御部20は、独立実装モードの場合、複数の操作部のうちの第1操作部P1は、第1基板搬送レーンL1および第1作業部W1の操作のみを受け付け、複数の操作部のうちの第2操作部P2は、第2基板搬送レーンL2および第2作業部W2の操作のみを受け付ける、両側操作モードで複数の操作部を制御する。これによって、複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)から複数の作業部(第1作業部W1、第2作業部W2)を適切に操作することができる。
【0102】
なお、上記は2ステージ/2ヘッドの部品搭載装置M1~M4の制御部20について説明したが、4ステージ/4ヘッドの部品搭載装置M5,M6の制御部も同様である。すなわち、部品搭載装置M5,M6の制御部は、独立実装モードの場合、複数の操作部のうちの第1操作部P1は、第1基板搬送レーンL1および第1作業部W1または第3作業部W3の操作のみを受け付け、第2操作部P2は、第2基板搬送レーンL2および第2作業部W2または第4作業部W4の操作のみを受け付ける、両側操作モードで複数の操作部を制御する。これによって、複数の操作部(第1操作部P1、第2操作部P2)から複数の作業部(第1作業部W1、第2作業部W2、第3作業部W3、第4作業部W4)を適切に操作することができる。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明の部品搭載装置は、複数の操作部から複数の作業部を適切に操作することができるという効果を有し、部品を基板に搭載する分野において有用である。
【符号の説明】
【0104】
2、2F、2R 基板
13 タッチスクリーン(入力部)
14 モニタ(表示部)
20、20A 制御部
L1 第1基板搬送レーン(基板搬送レーン)
L2 第2基板搬送レーン(基板搬送レーン)
M1~M6 部品搭載装置
P1 第1操作部(操作部)
P2 第2操作部(操作部)
S1 第1部品供給部(部品供給部)
S2 第2部品供給部(部品供給部)
S3 第3部品供給部(部品供給部)
S4 第4部品供給部(部品供給部)
W1 第1作業部(作業部)
W2 第2作業部(作業部)
W3 第3作業部(作業部)
W4 第4作業部(作業部)