(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115960
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理プログラム、および情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20230815BHJP
【FI】
G06Q30/06 300
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022018415
(22)【出願日】2022-02-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 株式会社PECOFREEのウェブサイト 西日本FHビジネスコンテスト2020最終選考会 福岡雙葉学園でのサービス実施 西日本新聞への記事掲載 朝日新聞への記事掲載 SOUZAI jm News Jun/Jul 2021 No.299への記事掲載 全国財務局長会議 福岡ビジネス・デジタル・コンテンツ賞2022 竜ケ崎第二高等学校でのサービス実施
(71)【出願人】
【識別番号】522053562
【氏名又は名称】株式会社PECOFREE
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】川浪 達雄
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB54
(57)【要約】
【課題】保護者の適切な管理のもとに、子供が自ら商品またはサービスの内容を選べるようにして、子供に楽しんでもらいつつ、子供の自主性や計画性を育てることを支援するための情報処理装置を提供する。
【解決手段】
情報処理装置は、第1受付部、管理部、第2受付部、送信部、および支払処理部を有する。第1受付部は、保護者から、対象者によって注文される商品等の代金の支払いに使用されるバリューを事前に購入するための支払い処理を受け付ける。管理部は、対象者ごとのバリューの残高を管理する。第2受付部は、対象者から商品等の注文に関する指示を受け付ける。送信部は、受け付けられた指示に基づいて、商品等の提供者に対して発注情報を送信する。支払処理部は、発注情報に基づいて提供者に対して支払われるべき金額を決定し、管理部によって管理されるバリューを使用して提供者に対して金額の支払い処理を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品またはサービスの提供を受ける対象者を保護または管理する保護者から、前記対象者によって注文される前記商品またはサービスの代金の支払いに使用されるバリューを事前に購入するための支払い処理を受け付ける第1受付部と、
前記第1受付部によって支払い処理が受け付けられた前記対象者ごとの前記バリューの残高を管理する管理部と、
前記対象者から前記商品またはサービスの注文に関する指示を受け付ける第2受付部と、
前記第2受付部によって受け付けられた指示に基づいて、前記商品またはサービスの提供者に対して前記商品またはサービスの発注情報を送信する送信部と、
前記発注情報に応じて提供された前記商品またはサービスの代金に基づいて前記提供者に対して支払われるべき金額を決定し、前記管理部によって管理される前記バリューを使用して前記提供者に対して前記金額の支払い処理を実行する支払処理部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記提供者から、前記対象者が注文可能な前記商品またはサービスの登録を受け付ける第3受付部をさらに有する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2受付部は、前記第3受付部によって登録が受け付けられた前記商品またはサービスを一覧表示して前記対象者から前記商品またはサービスの注文に関する指示を受け付ける請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記管理部は、前記支払処理部によって使用された前記バリューを蓄積された前記バリューから減算する請求項1~3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記支払処理部は、前記提供者から前記商品またはサービスの提供が完了した旨を示す完了情報を受け付けるとともに、前記保護者または前記対象者からも当該商品またはサービスの提供完了を確認した旨を示す確認情報を受け付け、前記完了情報および前記確認情報が受け付けられた前記商品またはサービスについて、前記支払い処理を実行する請求項1~4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記対象者は、学校に通学する児童、生徒、または学生であり、
学校内のクラスの番号およびクラス内において前記対象者を識別するために付与される番号の組合せ、または、学校内において前記対象者を識別可能な情報を含む対象者識別情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記対象者識別情報を登録して前記対象者を識別する登録部をさらに有し、
前記管理部は、前記第1受付部によって、前記保護者から、前記バリューの支払い処理とともに前記対象者識別情報が受け付けられると、当該対象者識別情報に対応する前記対象者に関連付けて前記バリューを蓄積する請求項1~5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
互いに異なるユニークな識別コードを生成するコード生成部をさらに有し、
前記登録部は、前記コード生成部によって生成された前記識別コードと前記取得部によって取得された前記対象者識別情報とを関連付けて登録し、
前記登録部に登録された前記識別コードが、前記保護者または前記対象者から受け付けられた場合に、前記登録部において当該識別コードに関連付けられた前記対象者識別情報に対応する前記対象者を特定する特定部をさらに有する請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記管理部は、前記保護者を識別するための保護者識別情報に、複数の前記対象者識別情報を関連付けて記憶し、
前記第1受付部は、前記保護者から前記保護者識別情報を用いたアクセスを受け付けると、当該保護者識別情報に関連付けられて記憶された複数の前記対象者識別情報に対応する複数の前記対象者に関する情報を出力し、前記保護者から複数の前記対象者それぞれに関連付けられる前記バリューの支払い処理を受け付ける請求項6または7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記対象者は、学校に通学する児童、生徒、または学生であり、
前記提供者は、前記学校において前記対象者に弁当を提供する請求項1~8のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記対象者は、学校に通学する児童、生徒、または学生であり、
前記提供者は、前記対象者が学校または所定の教室において利用する各種物品またはサービスを提供する請求項1~8のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピューターを請求項1~10のいずれかに記載の情報処理装置として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項12】
請求項1~10のいずれかに記載の情報処理装置と、
商品またはサービスの提供を受ける対象者を保護または管理する保護者によって使用される保護者端末と、
前記商品またはサービスの提供を受ける対象者によって使用される対象者端末と、
前記商品またはサービスの提供者によって使用される提供者端末と、
を有する情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理プログラム、および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
我が国では、義務教育として設けられている小学校および中学校等においては、基本的に昼食として学校給食が提供されている。学校給食は、栄養バランスや滋養等の質の高さ、身体の資本となる食を通じて健康を学ぶという食育推進の観点、富裕層や貧困層といった格差のある家庭の子供も一緒に食事をするという思想、成長を考えて年齢や身体に合った食事内容、法律に基づく国や地方自治体からの支援体制といった様々な点で、国際的にも高く評価されている。また、日本の食文化や食習慣は、健康的であるとして世界的にも注目されており、学校給食はその基礎を作る出発地点とも言える重要なものである。
【0003】
しかし、小学校、中学校とは異なり、高校は義務教育ではないため、高校においては、学校給食が提供されないことが一般的である。そのため、高校には、昼食を販売する食堂や購買が用意されていることが一般的である。しかし、高校の昼食における食堂や購買の利用率は10%に満たないとされており、90%以上は、家庭で用意される弁当や一般に市販されているパンや弁当等の食事となっている。
【0004】
ここで、家庭で用意される弁当について、特に共働き世帯や一人親世帯においては、毎朝弁当を用意する負担が非常に大きい。また、子供にとっても、毎日弁当を持ち運ぶのは大変である。一方、市販されている食事について、その多くは、学校給食のように子供向けに栄養バランスが考慮されているものではない。また市販されている食事は、一般向けであり、学生向けの食事よりも価格帯が高価に設定されていることも多く、家計を圧迫することもある。また、子供にとっても、朝の登校時や限られた昼休みの時間に、コンビニ等に行って食事を買う時間的な余裕はない。さらに、お昼の時間帯に食堂や購買に行っても、限られた時間内に多くの学生が殺到して混雑していたり、所望の食事が売り切れてしまったりすることが多いという現状がある。また、1年生等の下級生は、上級生との関係から、学校の食堂や購買に行きづらいという意見も多く聞かれている。
【0005】
さらに、食堂や購買を運営する事業者にとっても、上記のような事情により学生の利用率が低くなっており、十分な販売数量を確保することが難しくなっている。そのような状況下において、売れ残りを減らして利益を確保するためには、最小限の量を仕入れることが必要であるため、すぐに売り切れになってしまうといった実情がある。
【0006】
上記のような問題に関連して、給食を効率的に手配するための技術も提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献のような従来の技術においては、給食を効率的に手配することは考慮されているものの、子供に楽しんでもらうことや、子供の自主性や計画性を育てることは全く考慮されていない。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、保護者の適切な管理のもとに、保護対象者が自ら商品またはサービスの内容を選べるようにして、保護対象者に楽しんでもらいつつ、保護対象者の自主性や計画性を育てることを支援するための情報処理装置、情報処理プログラム、および情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0011】
情報処理装置は、第1受付部、管理部、第2受付部、送信部、および支払処理部を有する。第1受付部は、商品またはサービスの提供を受ける対象者を保護または管理する保護者から、対象者によって注文される商品またはサービスの代金の支払いに使用されるバリューを事前に購入するための支払い処理を受け付ける。管理部は、第1受付部によって支払いが受け付けられた対象者ごとのバリューの残高を管理する。第2受付部は、対象者から商品またはサービスの注文に関する指示を受け付ける。送信部は、第2受付部によって受け付けられた指示に基づいて、商品またはサービスの提供者に対して商品またはサービスの発注情報を送信する。支払処理部は、発注情報に基づいて提供された商品またはサービスの代金に基づいて提供者に対して支払われるべき金額を決定し、管理部によって管理されるバリューを使用して提供者に対して金額の支払い処理を実行する。
【0012】
情報処理プログラムは、コンピューターを上記の情報処理装置として機能させるように構成される。
【0013】
情報処理システムは、上記の情報処理装置、保護者端末、対象者端末、および提供者端末を有する。保護者端末は、商品またはサービスの提供を受ける対象者を保護または管理する保護者によって使用される。対象者端末は、商品またはサービスの提供を受ける対象者によって使用される。提供者端末は、商品またはサービスの提供者によって使用される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の情報処理装置によれば、商品またはサービスの提供を受ける対象者を保護または管理する保護者から、対象者によって注文される商品またはサービスの代金の支払いに使用されるバリューを事前に購入するための支払い処理を受け付ける第1受付部と、第1受付部によって支払いが受け付けられた対象者ごとのバリューの残高を管理する管理部と、対象者から商品またはサービスの注文に関する指示を受け付ける第2受付部と、第2受付部によって受け付けられた指示に基づいて、商品またはサービスの提供者に対して商品またはサービスの発注情報を送信する送信部と、発注情報に基づいて提供された商品またはサービスの代金に基づいて提供者に対して支払われるべき金額を決定し、管理部によって管理されるバリューを使用して提供者に対して金額の支払い処理を実行する支払処理部と、を有する。これにより、保護者の適切な管理のもとに、子供等の保護対象者が自ら商品またはサービスの内容を選べるようにして、保護対象者に楽しんでもらいつつ、保護対象者の自主性や計画性を育てることを支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図1に示した保護者端末の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示した対象者端末の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1に示した情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】
図1に示した学校端末の概略構成を示すブロック図である。
【
図6】
図1に示した提供者端末の概略構成を示すブロック図である。
【
図7】情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図8】
図1に示した情報処理システムにおいて実行される登録・ポイント購入処理の手順を示すシーケンスチャートである。
【
図9】
図8のステップS101の処理において保護者端末に表示される識別コード入力受付画面の一例を示す図である。
【
図10】
図8のステップS102の処理において保護者端末に表示されるユーザー認証画面の一例を示す図である。
【
図11】
図8のステップS102の処理において保護者端末に表示される規約確認画面の一例を示す図である。
【
図12】
図8のステップS103の処理において保護者端末に表示されるポイント購入指示受付画面の一例を示す図である。
【
図13】
図1に示した情報処理システムにおいて実行される注文処理の手順を示すシーケンスチャートである。
【
図14】
図13のステップS211の処理において対象者端末に表示される注文状況表示画面の一例を示す図である。
【
図15】
図13のステップS212の処理において対象者端末に表示されるメニュー選択受付画面の一例を示す図である。
【
図16】
図13のステップS213の処理において対象者端末に表示されるポイント確認画面の一例を示す図である。
【
図17】
図13のステップS215の処理において対象者端末に表示される注文確定ポイント確認画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態が説明される。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0017】
〔実施形態〕
<情報処理システムの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
【0018】
図1に示すように、情報処理システムは、保護者端末100、対象者端末200(複数存在する場合は対象者端末200a、200b、…等とも称され、互いに区別しないときには「対象者端末200」と総称される。)、情報処理装置300、学校端末400、および提供者端末500を有し、各構成はネットワークを通じて相互に通信可能に構成されている。
【0019】
保護者端末100は、商品またはサービスの提供を受ける対象者を保護または管理する保護者によって使用される、スマートフォン、タブレットPC、ノートPC、デスクトップPC、各種ウェアラブル端末等の情報端末である。
【0020】
対象者端末200は、商品またはサービスの提供を受ける対象者によって使用される、スマートフォン、タブレットPC、ノートPC、デスクトップPC、各種ウェアラブル端末等の情報端末である。
【0021】
情報処理装置300は、情報処理システムおよびサービスを管理・運営する事業者(以下、「サービス提供者」とも称する)によって設けられ、各種情報を登録・管理・送受信するサーバーである。
【0022】
学校端末400は、対象者に商品またはサービスが提供される場所である学校、教室等の所定の施設のスタッフや管理者等によって使用される情報端末である。
【0023】
提供者端末500は、商品またはサービスの提供者によって使用される情報端末である。
【0024】
以下は、各構成に関する詳細な説明である。
【0025】
<保護者端末100>
図2は、保護者端末の概略構成を示すブロック図である。
【0026】
図2に示すように、保護者端末100は、制御部110、記憶部120、通信部130、操作表示部140、撮影部150、および音声入出力部160を有する。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0027】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)を有し、プログラムに従い、上述した各構成要素の制御や各種の演算処理を実行する。
【0028】
記憶部120は、予め各種プログラムや各種データを記憶するROM(Read Only Memory)、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、各種プログラムや各種データを記憶する。
【0029】
通信部130は、ネットワークを介して他の端末や装置等と通信するための構成である。通信部130は、たとえば情報処理装置300との間で各種情報を送受信する。
【0030】
操作表示部140は、各種の情報を表示したり、ユーザーからの入力を受け付けたりするための構成であり、たとえば、タッチパネル式のディスプレイによって構成される。操作表示部140は、液晶ディスプレイ、マスス等のポインティングデバイス、キーボード等の組み合わせによって構成されてもよい。
【0031】
撮影部150は、可視光を感度領域とするカメラである。撮影部150は、所望の範囲を撮影して画像を取得するために用いられる。
【0032】
音声入出力部160は、音声を入力するためのマイクまたは音声入力端子等と、音声を出力するためのスピーカーまたは音声出力端子等によって構成される。
【0033】
<対象者端末200>
図3は、対象者端末の概略構成を示すブロック図である。
【0034】
図3に示すように、対象者端末200は、制御部210、記憶部220、通信部230、操作表示部240、撮影部250、および音声入出力部260を有する。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。なお、制御部210、記憶部220、通信部230、操作表示部240、撮影部250、および音声入出力部260の各構成は、保護者端末100の制御部110、記憶部120、通信部130、操作表示部140、撮影部150、および音声入出力部160と同様の機能を有するので、重複する説明を省略する。
【0035】
なお、対象者端末200は、保護者端末100と同じ端末によって実現されてもよい。この場合、たとえば対象者と保護者において、ユーザーアカウント(使用者)およびユーザーアカウントごとの使用可能機能を切り替えることによって、一つの端末が対象者端末200としても保護者端末100としても使用され得る。
【0036】
<情報処理装置300>
図4は、
図1に示した情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0037】
図4に示すように、情報処理装置300は、制御部310、記憶部320、および通信部330を有する。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。なお、制御部310、記憶部320、および通信部330の各構成は、保護者端末100の制御部110、記憶部120、および通信部130と同様の機能を有するので、重複する説明を省略する。
【0038】
記憶部320には、情報処理装置300を機能させるための各種プログラムや情報が記憶される。情報処理装置300の機能について、詳細は後述する。
【0039】
<学校端末400>
図5は、
図1に示した学校端末の概略構成を示すブロック図である。
【0040】
図5に示すように、学校端末400は、制御部410、記憶部420、通信部430、操作表示部440、撮影部450、および音声入出力部460を有する。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。なお、制御部410、記憶部420、通信部430、操作表示部440、撮影部450、および音声入出力部460の各構成は、保護者端末100の制御部110、記憶部120、通信部130、操作表示部140、撮影部150、および音声入出力部160と同様の機能を有するので、重複する説明を省略する。
【0041】
<提供者端末500>
図6は、
図1に示した提供者端末の概略構成を示すブロック図である。
【0042】
図6に示すように、提供者端末500は、制御部510、記憶部520、通信部530、操作表示部540、撮影部550、および音声入出力部560を有する。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。なお、制御部510、記憶部520、通信部530、操作表示部540、撮影部550、および音声入出力部560の各構成は、保護者端末100の制御部110、記憶部120、通信部130、操作表示部140、撮影部150、および音声入出力部160と同様の機能を有するので、重複する説明を省略する。
【0043】
<情報処理装置300の機能>
図7は、情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【0044】
図7に示すように、情報処理装置300の制御部310は、プログラムを読み込んで処理を実行することによって、第1受付部311、管理部312、第2受付部313、送信部314、支払処理部315、第3受付部316、取得部317、登録部318、コード生成部319、および特定部31Aとして機能する。
【0045】
第1受付部311は、商品またはサービスの提供を受ける対象者を保護または管理する保護者から、対象者によって注文される商品またはサービスの代金の支払いに使用されるバリュー(ポイント)を事前に購入するための支払い処理を受け付ける。
【0046】
管理部312は、第1受付部311によって支払い処理が受け付けられた対象者ごとのバリューの残高を管理する。
【0047】
第2受付部313は、対象者から商品またはサービスの注文に関する指示を受け付ける。
【0048】
送信部314は、第2受付部313によって受け付けられた指示に基づいて、商品またはサービスの提供者に対して商品またはサービスの発注情報を送信する。
【0049】
支払処理部315は、発注情報に基づいて提供された商品またはサービスの代金に基づいて提供者に対して支払われるべき金額を決定し、管理部312によって管理されるバリューを使用して提供者に対して金額の支払い処理を実行する。管理部312は、支払処理部315によって使用されたバリューを、蓄積されたバリューから減算する。また、支払処理部315は、提供者から商品またはサービスの提供が完了した旨を示す完了情報を受け付けるとともに、保護者または対象者からも当該商品またはサービスの提供完了を確認した旨を示す確認情報を受け付け、完了情報および確認情報が一致した場合に、金額の支払処理を実行してもよい。
【0050】
第3受付部316は、提供者から、対象者が注文可能な商品またはサービスの登録を受け付ける。このとき、第2受付部313は、第3受付部316によって登録が受け付けられた商品またはサービスを一覧表示して対象者から商品またはサービスの注文に関する指示を受け付けてもよい。
【0051】
取得部317は、対象者が、学校に通学する児童、生徒、または学生(以下、「学生」と総称する)である場合に、学校内のクラスの番号およびクラス内において対象者を識別するために付与される番号の組合せ、または、学校内において対象者を識別可能な情報を含む対象者識別情報を取得する。
【0052】
登録部318は、取得部317によって取得された対象者識別情報を登録して対象者を識別する。管理部312は、第1受付部311によって、保護者から、バリューの支払い処理とともに対象者識別情報が受け付けられると、当該対象者識別情報に対応する対象者に関連付けてバリューを蓄積する。
【0053】
コード生成部319は、互いに異なるユニークな識別コードを生成する。登録部318は、コード生成部319によって生成された識別コードと取得部317によって取得された対象者識別情報とを関連付けて登録する。
【0054】
特定部31Aは、登録部318に登録された識別コードが、保護者または対象者から受け付けられた場合に、登録部318において当該識別コードに関連付けられた対象者識別情報に対応する対象者を特定する。
【0055】
また、管理部312は、保護者を識別するための保護者識別情報に、複数の対象者識別情報を関連付けて記憶してもよい。第1受付部311は、保護者から保護者識別情報を用いたアクセスを受け付けると、当該保護者識別情報に関連付けられて記憶された複数の対象者識別情報に対応する複数の対象者に関する情報を出力し、保護者から複数の対象者それぞれに関連付けられるバリューの支払い処理を受け付ける。
【0056】
なお、情報処理システムの各構成は、それぞれ上記の構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上記の構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
【0057】
<情報処理システムにおける処理の概要>
<登録・ポイント購入処理>
図8は、
図1に示した情報処理システムにおいて実行される登録・ポイント購入処理の手順を示すシーケンスチャートである。
図8のシーケンスチャートに示される処理は、各構成のストレージにプログラムとして記憶されており、各構成の制御部が各部を制御することにより実行される。
図9は、
図8のステップS101の処理において保護者端末に表示される識別コード入力受付画面の一例を示す図である。
図10は、
図8のステップS102の処理において保護者端末に表示されるユーザー認証画面の一例を示す図である。
図11は、
図8のステップS102の処理において保護者端末に表示される規約確認画面の一例を示す図である。
図12は、
図8のステップS103の処理において保護者端末に表示されるポイント購入指示受付画面の一例を示す図である。
図8のシーケンスチャートに示される処理は、各構成のストレージにプログラムとして記憶されており、各構成の制御部が各部を制御することにより実行される。
【0058】
図8に示すように、学校端末400は、サービスを導入する学校の職員等のスタッフの指示に基づいて、対象者識別情報を抽出して出力し(ステップS401)、情報処理装置300に送信する。たとえば、学校の職員等は、学校に通学する学生の名簿やデータベースから、学校内において各学生を識別可能な対象者識別情報である、学年・クラス・出席番号の情報を抽出して、送信可能なファイル等の形態で出力する。
【0059】
情報処理装置300は、サービスの運営管理者等の指示に基づいて、対象者識別情報それぞれに対応する互いに異なるユニークな識別コードを生成する(ステップS301)。
【0060】
情報処理装置300は、ステップS301の処理において生成した識別コードを、対応する対象者識別情報と関連付けて登録する(ステップS302)。登録された識別コードと対象者識別情報の組み合わせは、たとえば紙に印刷された形式やデータファイルの形式で学校の職員等に通知される。学校の職員等は、各学生に関連付けられた識別コードを、たとえば、各学生および当該学生の保護者に通知する。たとえば、学校の職員等は、各学生の対象者識別情報と識別コードが印刷された紙を配布したり、電子メールや電子メッセージに記載して送信したりすることによって、各学生および当該学生の保護者に、それぞれの識別コードを通知することができる。
【0061】
保護者端末100は、保護者から識別コードの入力を受け付ける(ステップS101)。たとえば、保護者端末100は、予めインストールされた専用のアプリケーションの機能によって、または情報処理装置300から送信された画面情報をウェブブラウザー等の汎用的なアプリケーションによって表示することによって、
図9に示すような画面を操作表示部140に表示して、保護者から識別コード(ログインコード)の入力を受け付ける。保護者が、予め通知されている識別コードを
図9の画面に入力すると、保護者端末100は、入力された識別コードを情報処理装置300に送信する。
【0062】
情報処理装置300は、保護者端末100から送信された識別コードを用いて記憶部320のデータベースを検索し、当該識別コードに関連付けて記憶されている対象者識別情報を特定する(ステップS303)。情報処理装置300は、特定された対象者識別情報を、保護者端末100に送信する。
【0063】
保護者端末100は、情報処理装置300から送信された対象者識別情報を出力して、適切な対象者であることを保護者に確認する(ステップS102)。保護者端末100は、たとえば、
図10に示すような画面を用いて対象者識別情報を操作表示部140に出力して、当該保護者に対応する学生の対象者識別情報が表示されているか否かを保護者に確認する。また、保護者端末100は、たとえば
図11に示すような画面を操作表示部140に表示して、対象者がサービスの利用規約を確認した旨の指示を受け付けてもよい。保護者端末100は、確認を受け付けた旨を示す情報等を情報処理装置300との間で送受信して各種ユーザー認証、ユーザー確認処理を実施する。
【0064】
保護者端末100は、保護者からポイント購入の指示を受け付ける(ステップS103)。なお、購入されるポイントは、対象者によって注文される商品またはサービスの代金の支払いに使用されるバリューである。ポイントは、たとえば情報処理装置300によって、対象者ごとの残高が管理され、ポイントがチャージされれば残高が加算され、ポイントが使用されれば残高が減算される。
【0065】
たとえば、保護者端末100は、
図12に示すような画面を操作表示部140に表示して、保護者からポイントを購入するための指示を受け付ける。
図12の画面には、現在の所有ポイント、チャージボタン、ポイントの利用およびチャージ履歴等が表示されている。たとえば保護者がチャージボタンを選択すると、ポイントを購入するための画面(不図示)が表示され、保護者が購入するポイントの数量を選択したり、支払いに必要な各種カード情報等の決済情報を入力したりすることによって、ポイント購入の指示が受け付けられる。保護者端末100は、受け付けたポイント購入指示を、情報処理装置300に送信する。なお、支払いに必要な決済情報は、クレジットカード等の各種カード情報に限定されず、各種コード決済、プリペイド決済、コンビニ払い決済等の任意の決済手段を使用した支払いに必要な情報や指示を含む。
【0066】
情報処理装置300は、保護者端末100から送信されたポイント購入指示に基づいて、ポイントを購入するための支払い処理(決済処理)を実行し、購入されたポイントを当該保護者に対応する対象者に付与する(ステップS304)。具体的には、情報処理装置300は、ポイント購入指示に含まれているポイントの購入数量に対応する代金について、決済情報を用いて支払い処理を実行する。情報処理装置300は、決済されたポイントの数量を、記憶部320のデータベースにおいて当該対象者の対象者識別情報に関連付けて記憶されているポイント残高情報に加算して、ポイントの付与を実行する。情報処理装置300は、ポイントが付与された旨を保護者端末100および対象者端末200に通知する。
【0067】
保護者端末100は、情報処理装置300から送信されたポイント付与通知に基づいて、付与されたポイントに関する情報を操作表示部140に表示する(ステップS104)。また、対象者端末200は、たとえば、対象者から識別コード等の認証入力を受け付けて、ユーザー認証を実行し(ステップS201)、付与されたポイントに関する情報を操作表示部240に表示する(ステップS202)。
【0068】
なお、上述のように、対象者端末200と保護者端末100とは同じ端末であってもよい。その場合、たとえば専用アプリケーションの画面において保護者用メニューと対象者用メニューとを区別して設けて、ステップS103のポイント購入に関する処理は保護者用メニューにおいてのみ実行可能としてもよい。あるいは、保護者と対象者に対して同じ画面を表示して、対象者もポイント購入に関する処理の操作自体は実行可能とし、対象者が決済情報等の必要な情報を入力できないことによって、ポイント購入に関する処理を保護者のみが実行できるようにしてもよい。また、対象者を識別するための情報とは別に、保護者を識別するための識別コード等の保護者識別情報を用意して、ポイント購入に関する処理は、保護者識別情報を用いてユーザー認証した場合にのみ実行可能としてもよい。
【0069】
また、上記のように保護者識別情報を用意する場合、情報処理装置300は、保護者識別情報に、複数の対象者識別情報を関連付けて記憶してもよい。この場合、情報処理装置300は、保護者から保護者識別情報を用いたアクセスを受け付けると、当該保護者識別情報に関連付けられて記憶された複数の対象者識別情報に対応する複数の対象者に関する情報を出力できる。また、情報処理装置300は、保護者からの指示に基づいて、複数の対象者それぞれに関連付けられるポイントの購入処理(バリューの支払い処理)を受け付けることができる。これにより、保護者は1つの保護者識別情報を用いて複数の対象者それぞれのバリュー(ポイント)を購入したり、使用状況を把握したりすることができ、複数の対象者を容易に管理することが可能となる。
【0070】
<注文処理>
図13は、
図1に示した情報処理システムにおいて実行される注文処理の手順を示すシーケンスチャートである。
図14は、
図13のステップS211の処理において対象者端末に表示される注文状況表示画面の一例を示す図である。
図15は、
図13のステップS212の処理において対象者端末に表示されるメニュー選択受付画面の一例を示す図である。
図16は、
図13のステップS213の処理において対象者端末に表示されるポイント確認画面の一例を示す図である。
図17は、
図13のステップS215の処理において対象者端末に表示される注文確定ポイント確認画面の一例を示す図である。
図13のシーケンスチャートに示される処理は、各構成のストレージにプログラムとして記憶されており、各構成の制御部が各部を制御することにより実行される。
【0071】
図13に示すように、提供者端末500は、提供者からの指示に基づいて、提供可能なメニューの登録を受け付け(ステップS511)、登録された提供メニュー情報を、情報処理装置300に送信する。たとえば、提供者が学生向けの弁当の提供者である場合、提供する日付ごとに、学生が選択可能な弁当のメニュー、数量、追加オプション等の登録を受け付けて、登録された提供メニュー情報を情報処理装置300に送信する。
【0072】
情報処理装置300は、提供者端末500から送信された提供メニュー情報を記憶部320のデータベースに登録する(ステップS311)。情報処理装置300は、登録した提供メニュー情報を、各対象者の対象者端末200に送信する。情報処理装置300は、その時点での各対象者の注文状況を示す情報をあわせて対象者端末200に送信してもよい。
【0073】
対象者端末200は、情報処理装置300から送信された情報に基づいて、たとえば
図14に示すような画面を用いて、その時点での当該対象者の注文状況を表示する(ステップS211)。たとえば、
図14の画面においては、4月2日における注文状況が示されており、4月1日は注文なし、4月2日はランチAが注文されており、4月3日は予約受付中であることが示されている。また、4月4日は既にランチBが注文されており、4月5日は予約受付中、4月6日、7日は休日のため提供なし、4月8日は既にランチCが注文されていることが示されている。
【0074】
対象者端末200は、情報処理装置300から送信された提供メニュー情報に基づいて、対象者から予約注文するメニューの選択を受け付ける(ステップS212)。たとえば、対象者端末200は、
図15に示されるような画面を操作表示部240に表示して、予約注文するメニューの選択を受け付ける。
図15の画面においては、4月3日に提供される弁当のメニューとしてランチA、ランチB、ランチCが示されている。ここで、対象者が所望のメニューの表示を選択することによって、予約注文するメニューの選択が受け付けられる。対象者端末200は、提供メニュー情報に基づいて、大盛り等のボリューム指定、アレルギー食材の排除、ヘルシーな食材への変更等の追加オプションの選択を受け付けてもよい。
【0075】
対象者端末200は、選択されたメニューについて使用されるポイントやポイントの残高を確認する(ステップS213)。対象者端末200は、たとえば、
図16に示されるような画面において、選択されたメニュー、使用されるポイント、ポイントの残高等を表示する。
【0076】
図16の画面において予約注文を決定するためのボタンが選択されると、対象者端末200は、予約注文を決定し(ステップS214)、予約注文されたメニュー、数量、追加オプション等の情報を含む注文情報を、情報処理装置300に送信する。なお、上記の
図15および
図16の例においては、予約注文および変更は提供日である4月3日の前日の4月2日の14時まで受け付け可能に設定されている。予約注文および変更の期限は、提供者によって任意に設定および変更されうる。このように、予約注文および変更の期限を提供者が任意に設定できることによって、提供日に用意する必要があるメニューの数量を、必要な準備期間を確保しつつ事前に確定することができるため、提供者は無駄なく効率的に商品またはサービスを提供することができる。また、予約注文および変更は、1か月先まで等、任意の期間において先行して受付可能に設定されうる。これにより、たとえば月の初めに1か月分などのまとまった期間分の弁当を予約しておくことができる。その結果、毎日弁当を予約する手間を省くことができるとともに、計画性を育むこともできる。
【0077】
情報処理装置300は、対象者端末200から送信された注文情報を、記憶部320に登録するとともに(ステップS312)、提供者端末500に送信する。
【0078】
提供者端末500は、情報処理装置300から送信された注文情報に基づいて注文された内容を提供可能である場合、当該注文情報を記憶部520に登録するとともに(ステップS512)、注文が確定したことを示す通知を情報処理装置300に送信する。提供者は、注文情報に基づいて、注文されたメニューを提供するために必要な準備を開始する。
【0079】
情報処理装置300は、確定した注文に必要なポイントの数量を、対象者のポイントの残高から減算し(ステップS313)、注文が確定したことを示す通知を対象者端末200および保護者端末100に送信する。なお、ポイントの残高から減算する処理は、注文された商品またはサービスが提供された後などの他のタイミングで実行されてもよい。
【0080】
対象者端末200および保護者端末100は、情報処理装置300から送信された情報に基づいて、たとえば
図17に示されるような画面を表示して、確定した注文に関する情報や、ポイントに関する情報を表示する(ステップS215、ステップS111)。
図17の画面例においては、情報処理装置300から、SNS等のメッセージングサービスを介して対象者端末200および保護者端末100に情報が送信されて表示された例が示されている。対象者は、
図17の画面を確認することによって、自身が行った注文が正常に処理されたことを把握できる。また、保護者は、
図17の画面を確認することによって、対象者が忘れずにメニューを注文しているか、どのようなメニューを注文しているか、ポイントの残高は十分であるか、といった情報を把握することができる。
【0081】
提供者は、ステップS512の処理で登録した注文情報に基づいて、商品・サービスを対象者に提供し、提供が完了した旨を記憶部520に登録するとともに(ステップS513)、提供完了した旨を示す完了情報を情報処理装置300に送信する。たとえば、提供者は、注文された数および種類の弁当を、当日のお昼の時間帯までに各学校に配送することによって、商品を対象者である学生に提供する。たとえば提供者は、各弁当の包装に、対象者識別情報に相当する情報を記載して学校の所定の場所に納品する。対象者は、自身に相当する対象者識別情報が表示された弁当を見つけて入手することによって、予約注文した弁当を受け取ることができる。このとき、対象者端末200は、対象者または保護者から、商品・サービスが提供されたことを確認した旨の指示を受け付けて、確認が完了した旨を示す確認情報を情報処理装置300に送信してもよい。あるいは、情報処理装置300は、対象者端末200または保護者端末100から、商品・サービスが提供されなかったことを示す情報が一定期間内に受け付けられていない場合に、対象者または保護者から確認情報を受け付けたものと見做して支払い処理を実行してもよい。
【0082】
情報処理装置300は、提供者端末500から完了情報を受け付け、対象者端末200から確認情報を受け付けた商品・サービスについて、提供者に対して代金の支払い処理を実行し(ステップS314)、支払処理の内容を示す支払情報を提供者端末500に送信する。
【0083】
以上のように、本実施形態の情報処理システムは、保護者から、対象者によって注文される商品またはサービスの代金の支払いに使用されるバリューを事前に購入するための支払い処理を受け付け、対象者ごとのバリューの残高を管理する。そして、情報処理システムは、対象者から商品またはサービスの注文に関する指示を受け付け、受け付けられた指示に基づいて、商品またはサービスの提供者に対して商品またはサービスの発注情報を送信する。情報処理システムは、発注情報に応じて提供された商品またはサービスの代金に基づいて提供者に対して支払われるべき金額を決定し、管理されているバリューを使用して提供者に対して金額の支払い処理を実行する。これにより、保護者の適切な管理のもとに、子供等の保護対象者が自ら商品またはサービスの内容を選べるようにして、保護対象者に楽しんでもらいつつ、保護対象者の自主性や計画性を育てることを支援することが可能となる。
【0084】
また、情報処理システムは、提供者から、対象者が注文可能な商品またはサービスの登録を受け付ける。これにより、提供者は対象者が注文可能な提供メニューを任意のタイミングで自在に登録することができ、提供者の利便性を高めることができる。また、対象者が注文可能なメニューの選択肢を広げたり変更したりすることができるため、対象者に楽しんでもらいつつ、対象者の自主性や計画性を育てることをより一層支援することができる。
【0085】
また、情報処理システムは、提供者によって登録された商品またはサービスを一覧表示させて、対象者から商品またはサービスの注文に関する指示を受け付ける。これにより、対象者は注文可能なメニューを容易に把握して適切に注文を行うことができる。
【0086】
また、情報処理システムは、提供者から商品またはサービスの提供が完了した旨を示す完了情報を受け付けるとともに、保護者または対象者からも当該商品またはサービスの提供完了を確認した旨を示す確認情報を受け付け、完了情報および確認情報が受け付けられた商品またはサービスについて、金額の支払処理を実行する。これにより、提供者が提供を完了し、対象者が提供完了を確認した商品またはサービスについて、提供者に対して確実に代金の支払処理を実行することができる。
【0087】
また、本実施形態において、対象者は、学校に通学する児童、生徒、または学生であり、情報処理システムは、学校内のクラスの番号およびクラス内において対象者を識別するために付与される番号の組合せ、または、学校内において対象者を識別可能な情報を含む対象者識別情報を登録して対象者を識別する。そして、情報処理システムは、保護者から、バリューの支払い処理とともに対象者識別情報が受け付けられると、当該対象者識別情報に対応する対象者に関連付けてバリューを蓄積する。これにより、対象者に対して学校内で付与される学籍番号や、学校内のクラス番号およびクラス内の出席番号等によって対象者を識別することができる。したがって、情報処理システムは、学校外で様々な用途に使用(悪用)されうる個人情報を保有することなく、対象者を識別および管理することができる。
【0088】
また、情報処理システムは、互いに異なるユニークな識別コードを予め生成して、生成した識別コードを対象者が通学する学校において使用される学校端末に送信し、学校端末から、識別コードと対象者識別情報とを関連付けた情報を取得する。そして、情報処理システムは、取得された識別コードと対象者識別情報とを関連付けた情報を登録し、登録された識別コードが、保護者または対象者から受け付けられた場合に、当該識別コードに関連付けられた対象者識別情報に対応する対象者を特定する。このように、対象者識別情報と識別コードとが関連付けて登録され、識別コードを用いて対象者が特定される。これにより、学校内において対象者を容易に識別可能な対象者識別情報を用いることなく、情報処理システムにおいて対象者を特定することができるため、対象者の個人情報をより一層確実に保護できる。さらに、学校内において対象者を容易に識別可能な対象者識別情報ではない識別コードを用いることによって、他の学生による操作間違いやいたずらによって、不正にログインされて操作されてしまうことが抑止される。
【0089】
また、情報処理システムは、保護者を識別するための保護者識別情報に、複数の対象者識別情報を関連付けて記憶し、保護者から保護者識別情報を用いたアクセスを受け付けると、当該保護者識別情報に関連付けられて記憶された複数の対象者識別情報に対応する複数の対象者に関する情報を出力し、保護者から複数の対象者それぞれに関連付けられるバリューの支払い処理を受け付ける。これにより、保護者は1つの保護者識別情報を用いて複数の対象者それぞれのバリュー(ポイント)を購入したり、使用状況を把握したりすることができ、複数の対象者を容易に管理することが可能となる。
【0090】
また、上記の実施形態において、対象者は、学校に通学する児童、生徒、または学生であり、提供者は、学校において対象者に弁当を提供する。これにより、保護者は、対象者のために毎朝弁当を用意する必要がなくなり、特に共働き世帯や一人親世帯において大きな負担となっていた弁当作成や食器洗い等の負荷を軽減することができる。また、対象者は、毎日弁当を持ち運ぶ必要がなくなり、また、学校から離れた場所にあるコンビニに食事を買いに行ったり、混雑して利用しにくい食堂や購買で売り切れ等によって限られた選択肢の中から食事を購入したりする必要もなくなり、たとえば教室等で友達と一緒に会話しながら、自ら事前に予約注文した食事をゆっくりと楽しむことができる。また、コンビニ等で一般向けの食事を購入する場合と比べると、子供向けに栄養バランスや価格帯が考慮された食事が提供されるため、保護者にも安心感を与えることができる。また、学校にとっても、調理施設、食堂施設、その場で弁当を販売するための設備やスペース等が不要となるため、効率的な運営が可能となる。また、これまで食堂や購買を運営していた事業者にとっても、予め注文を確定させることができるため、無駄な仕入れや売れ残りをなくすことができ、効率的な経営が可能となる。
【0091】
なお、本発明は、上述した実施形態および変形例のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0092】
たとえば、上記の実施形態においては、提供者が対象者のための弁当を提供する例について説明したが、提供者によって提供される商品・サービスはこれに限定されない。たとえば、提供者は、対象者が学校または所定の教室(たとえば、学習塾や各種習い事、スポーツ教室等)において利用する各種物品または各種サービスを提供してもよい。各種物品には、たとえば、学校の購買で販売されている筆記用具、文房具、運動用具等、学校内の活動において使用される物品が含まれる。各種サービスには、たとえば、学習塾の特別講座や習い事の特別レッスン等の追加メニューが含まれる。これにより、子供に対して、所有しているポイントの範囲内において、生活や学習等に必要な物品等を購入する検討、判断、決定を自分自身で行わせることができる。したがって、保護者の適切な管理のもとで、子供に現金以外の決済手段を保有させることができ、子供のマネーリテラシーの教育および向上を実現することができる。
【0093】
また、上記の実施形態においては、対象者が学校に通学する学生(児童、生徒も含む)である場合の例について説明したが、対象者はこれに限定されない。対象者は、幼稚園や保育園に通園する園児であってもよく、学童保育施設を利用する子供でもあってもよい。あるいは、対象者は、オフィス等に通勤する社会人であってもよく、介護施設等を利用する高齢者や、医療施設を利用する患者等であってもよい。これらの場合には、上記の実施形態において「学校」として説明された施設が、各施設や事業者等に置き替えられる。
【0094】
また、上記の実施形態においては、
図8のステップS302の処理において、情報処理装置300が識別コードと対象者識別情報とを関連付けて登録する例について説明したが、これに限定されない。たとえば、情報処理装置300において生成した識別コードを学校端末400に送信し、学校端末400において識別コードと対象者識別情報との関連付けが実行されてもよい。この場合、学校端末400は関連付けられた情報を情報処理装置300に送信し、情報処理装置300は送信された情報を記憶部320に登録する。
【0095】
また、保護者端末100、対象者端末200、情報処理装置300、学校端末400、提供者端末500は、それぞれ複数の装置によって構成されてもよく、あるいは単一の装置によって構成されてもよい。
【0096】
また、各構成が有する機能は、他の構成によって実現されてもよい。たとえば、情報処理装置300が有する各機能が、保護者端末100や対象者端末200によって実現されていてもよく、あるいは、他のサーバーによって実現されてもよい。あるいは、保護者端末100や対象者端末200等が有する各機能の一部が、情報処理装置300によって実現されてもよい。
【0097】
また、上記の実施形態におけるシーケンスチャートの処理単位は、各処理の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方によって、本願発明が制限されることはない。各処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
【0098】
上述した実施形態に係るシステムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえば、フレキシブルディスクおよびCD-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、システムの一機能としてその装置のソフトウェアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0099】
100 保護者端末、
110 制御部、
120 記憶部、
130 通信部、
140 操作表示部、
150 撮影部、
160 音声入出力部、
200 対象者端末、
210 制御部、
220 記憶部、
230 通信部、
240 操作表示部、
250 撮影部、
260 音声入出力部、
300 情報処理装置、
310 制御部、
311 第1受付部、
312 管理部、
313 第2受付部、
314 送信部、
315 支払処理部、
316 第3受付部、
317 取得部、
318 登録部、
319 コード生成部、
31A 特定部、
320 記憶部、
330 通信部、
400 学校端末、
410 制御部、
420 記憶部、
430 通信部、
440 操作表示部、
450 撮影部、
460 音声入出力部、
500 提供者端末、
510 制御部、
520 記憶部、
530 通信部、
540 操作表示部、
550 撮影部、
560 音声入出力部。