(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115976
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 7/00 20060101AFI20230815BHJP
A47L 9/24 20060101ALI20230815BHJP
A47L 9/02 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
A47L7/00 Z
A47L9/24 A
A47L9/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022018444
(22)【出願日】2022-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】ダーラ リベラ ファビオ
(72)【発明者】
【氏名】西岡 伸一郎
【テーマコード(参考)】
3B057
3B061
【Fターム(参考)】
3B057BA09
3B061AA04
3B061AA22
(57)【要約】
【課題】コンパクト化、軽量化及び柔軟化が可能な掃除機を提供する。
【解決手段】掃除機100は、ゴミを吸引するための吸引流を発生させる吸引モータ112と、吸引モータ112を収容する本体部110と、本体部110に連結された膨張式の吸引部120とを備え、吸引部120は、ゴミを吸引する際には、外気流を取り込んで膨張することで、吸引流及びゴミの流路143を形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴミを吸引するための吸引流を発生させる吸引モータと、
前記吸引モータを収容する本体部と、
前記本体部に連結された膨張式の吸引部とを備え、
前記吸引部は、前記ゴミを吸引する際には、外気流を取り込んで膨張することで、前記吸引流及び前記ゴミの流路を形成する
掃除機。
【請求項2】
前記吸引モータは、前記吸引流を起因とした排気流を発生させ、
前記吸引部は、前記排気流を前記外気流として膨張する
請求項1に記載の掃除機。
【請求項3】
前記吸引部は、前記外気が取り込まれる空間を有しており、
前記本体部は、前記空間に供給する流れを、前記吸引流と前記外気流とで切り替える切替部を有する
請求項1または2に記載の掃除機。
【請求項4】
前記吸引部は、前記外気が取り込まれる空間を有しており、
前記空間は、複数に区画されており、
前記本体部は、複数の前記区画のそれぞれに対する前記外気流の流量を調整することで、膨張後の前記吸引部の姿勢を調整する姿勢調整部を有する
請求項1~3のいずれか一項に記載の掃除機。
【請求項5】
前記本体部は、前記吸引部に対する前記外気流の流量を調整する流量調整部を有する
請求項1~4のいずれか一項に記載の掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、払拭体の内方に配置された袋体からなるヘッドに対し空気を注入することで、当該払拭体を外方へと押圧し、払拭体を清掃可能状態とする掃除機が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の掃除機では、ヘッドが袋体から形成されていることで不使用時のコンパクト化が図られているが、より掃除機のコンパクト化、軽量化及び柔軟化が望まれている。
【0005】
このため、本発明は、コンパクト化、軽量化及び柔軟化が可能な掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つである掃除機は、ゴミを吸引するための吸引流を発生させる吸引モータと、前記吸引モータを収容する本体部と、前記本体部に連結された膨張式の吸引部とを備え、前記吸引部は、前記ゴミを吸引する際には、外気流を取り込んで膨張することで、前記吸引流及び前記ゴミの流路を形成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コンパクト化、軽量化及び柔軟化が可能な掃除機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る掃除機において使用時の外観を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る掃除機において不使用時の外観を示す模式図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る使用時での吸引流及び排気流の流れを示す説明図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る使用後での吸引流の流れを示す説明図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る吸引部が膨張した際の内部構造を示す断面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係るマウント部を示す断面図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る流路部を示す断面図である。
【
図8】
図8は、実施の形態に係る切り替えレバーを示す断面図である。
【
図9】
図9は、実施の形態に係る使用時及び収容時の、切り替えレバー、各貫通孔及び各区画の位置関係を示す説明図である。
【
図10】
図10は、実施の形態において各姿勢調整時の切り替えレバー、各貫通孔及び各区画の位置関係を示す説明図である。
【
図11】
図11は、実施の形態において各姿勢調整時の切り替えレバー、各貫通孔及び各区画の位置関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明における掃除機の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明における掃除機の一例を示したものに過ぎない。従って本発明は、以下の実施の形態を参考に請求の範囲の文言によって範囲が画定されるものであり、以下の実施の形態のみに限定されるものではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0010】
また、図面は、本発明を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。
【0011】
[掃除機]
図1は、実施の形態に係る掃除機100において使用時の外観を示す模式図である。
図2は、実施の形態に係る掃除機100において不使用時の外観を示す模式図である。
図1及び
図2に示すように、掃除機100は、ハンディタイプの掃除機であり、使用時においては吸引部120が膨張してゴミの流路を形成し(
図1参照)、不使用時には吸引部120が収縮して本体部110に収容されるようになっている。
【0012】
図1に示すように、掃除機100は、本体部110と、吸引部120とが設けられている。本体部110には、ユーザにより把握されるグリップ111が設けられている。本体部110の一端部には、吸引部120を保持する保持部130が設けられている。本体部110には、ゴミを吸引するための吸引流を発生させる吸引モータ112と、吸引モータ112によって発生した吸引流及び当該吸引流を起因とした排気流が保持部130につながるように形成された内部流路(図示省略)とが収容されている。
【0013】
吸引部120は、インフレータブルな筒体である。具体的には、吸引部120は、例えば樹脂繊維からなる布により二重筒状に形成されていて、その二重筒の先端部では中央部分を除いて閉ざされている。このため、吸引部120の中央部分は、軸方向に貫通しているものの、当該中央部分を囲む壁部においては中空かつ先端が閉ざされた形状となっている。吸引部120の二重の壁のうち、内側の壁を内壁121と称し、外側の壁を外壁122と称す。
図1では、内壁121を破線で図示している。内壁121よりも内側の部分は、上述した中央部分であり、吸引流及びゴミの流路123である。流路123は、本体110部の内部流路に繋げられており、当該流路123に吸引モータ112からの吸引流が流れるようになっている。
【0014】
一方、吸引部120において、内壁121と外壁122との間の環状な空間124は、本体部110の内部流路を介して吸引ポンプ112と繋がっている。つまり、空間124には、吸引流および排気流が流れるようになっている。
【0015】
図3は、実施の形態に係る使用時での吸引流及び排気流の流れを示す説明図である。
図4は、実施の形態に係る使用後での吸引流の流れを示す説明図である。吸引流は破線矢印で示し、排気流は実線矢印で示している。
【0016】
例えば、
図3に示すように、掃除機100の使用時においては吸引流が空間124に流れるために、吸引部120が円筒状に膨張した状態を維持する。これにより、流路123も伸び全体として貫通した状態となるため、流路123内を吸引流及びゴミが流れることが可能となる。
【0017】
図5は、実施の形態に係る吸引部120が膨張した際の内部構造を示す断面図である。
図5に示すように吸引部120の空間124には、放射状に配置された複数(本実施の形態では4つ)の区画壁125が設けられており、これらの区画壁125により空間124が複数(本実施の形態では4つ)に区画されている。各区画126は、吸引部120の全長にわたって連続的に設けられていて、流路123を囲んでいる。
【0018】
その後、後述する切り替えレバー160に対する操作で、空間124に流れる気流が、排気流から吸引流に切り替えられると、
図4に示すように、吸引部120が収縮して保持部130内に収容されることになる(収容時)。このため、不使用時においては掃除機100をコンパクトにすることが可能である。
【0019】
以降、保持部130の具体的構成について説明する。保持部130は、吸引部120の複数の区画126のそれぞれに対する排気流の流量を調整することで、膨張後の吸引部120の姿勢を調整する姿勢調整部の一例である。
図3及び
図4に示すように、保持部130は、マウント部140と、流路部150と、切り替えレバー160とを備えている。
【0020】
マウント部140は、保持部130において先端に配置されており、吸引部120を支持する部材である。マウント部140は、剛体からなる二重の環状部材である。
図6は、実施の形態に係るマウント部140を示す断面図である。
図6に示すように、マウント部140の二重の壁のうち、内側の壁を内壁141と称し、外側の壁を外壁142と称す。内壁141よりも内側の部分は、吸引流及びゴミの流路143である。流路143は、本体部110の内部流路に繋げられており、当該流路143に吸引モータ112からの吸引流が流れるようになっている。
【0021】
マウント部140において、内壁141と外壁142との間の環状な空間144は、本体部110の内部流路を介して吸引部120と繋がっている。つまり、空間144には、吸引流および排気流が流れるようになっている。空間144には、放射状に配置された複数(本実施の形態では4つ)の区画壁145が設けられており、これらの区画壁145により空間144が複数(本実施の形態では4つ)に区画されている。各区画146と、吸引部120の各区画126とは対応するように接続されている。また、各区画146には、不使用時に収縮した吸引部120が収容される(
図4参照)。
【0022】
流路部150は、
図3及び
図4に示すように、保持部130において基端に配置されており、本体部110の一端に固定されている。
図7は、実施の形態に係る流路部150を示す断面図である。なお、
図7では、吸引部120及びマウント部140の各区画126、146を二点鎖線で示している。
【0023】
図7に示すように、流路部150は、剛体からなる環状部材である。流路部150の中央には、貫通した流路153が形成されている。流路153は、本体部110の内部流路に繋げられており、当該流路153に吸引モータ112からの吸引流が流れるようになっている。
【0024】
流路部150には、周方向に等間隔に配列された複数(本実施の形態では8つ)の貫通孔154が形成されている。複数の貫通孔154のうち、半数が吸引流用の吸気流路154aであり、残りの半数が排気流用の排気流路154bである(
図7では吸気流路154aを破線で図示。)。吸気流路154aと排気流路154bとは周方向に交互に並んでいる。一組の区画126、146に対して、吸気流路154aと排気流路154bとが一組配置されている。
【0025】
切り替えレバー160は、吸引部120の空間124に供給する流れを、吸引流と排気流とで切り替える切替部の一例である。切り替えレバー160は、マウント部140と流路部150との間に配置され、周方向にスライド自在に保持されている。
【0026】
図8は、実施の形態に係る切り替えレバー160を示す断面図である。
図8に示すように、切り替えレバー160は、剛体からなる環状部材である。具体的には、切り替えレバー160は、円筒状のレバー本体161と、レバー本体161の一端から突出した突出部162とを有している。突出部162は、保持部130からも突出しており、ユーザによって把握可能な状態となっている。ユーザが突出部162を把握して、周方向にスライドさせることにより、レバー本体161も周方向に回転するようになっている。
【0027】
レバー本体161の中央には、貫通した流路163が形成されている。流路163は、本体部110の内部流路に繋げられており、当該流路163に吸引モータ112からの吸引流が流れるようになっている。
【0028】
レバー本体161には、1つの円孔164と、3つの円弧状の弧孔165とが周方向に並ぶように形成されている。円孔164は、突出部162に対応する位置に配置されていて、当該円孔164に対向する箇所に一つの弧孔165が配置されている。当該弧孔165と円孔164とを結ぶ方向に交差する方向には、残りの2つの弧孔165が対向する位置に配置されている。
【0029】
次に、切り替えレバー160が操作された際における流路部150の各貫通孔154と、吸引部120及びマウント部140の各区画126、146との位置関係について説明する。
図9は、実施の形態に係る使用時及び収容時の、切り替えレバー160、各貫通孔154及び各区画126、146の位置関係を示す説明図である。
図9の(a)は、使用時における位置関係を示し、
図9の(b)は収容時の位置関係を示している。
図9においては、吸引部120及びマウント部140の各区画126、146を二点鎖線で図示している。
【0030】
まず、
図9の(a)に示すように、掃除機100の使用時においては、切り替えレバー160の円孔164が、流路部150の一つの排気流路154bに重なるように配置されている。この場合、切り替えレバー160の各弧孔165内には、残りの3つの排気流路154bが配置されている。また、4つの吸気流路154aは、切り替えレバー160の壁によって覆われて閉塞されている。このため、吸引部120及びマウント部140の各区画126、146には、切り替えレバー160を介して全ての排気流路154bが繋がるので、吸引部120の各区画126に排気流が流れ込む。これにより、吸引部120は直線状に膨張し、使用時においてはこの状態を維持することになる(
図1及び
図3参照)。この状態において保持部130では、マウント部140、流路部150及び切り替えレバー160の各流路143、153、163に吸引流が流れているため、これらにつながる吸引部120の流路123にも吸引流が流れる。これにより、吸引部120の先端開口からゴミが吸引されることになる。
【0031】
なお、使用路において、切り替えレバー160を周方向に微調整することで、円孔164及び排気流路154bの重畳面積と、各弧孔165及び各排気流路154bの重畳面積を調整することができる。これにより、吸引部120に流れ込む排気流の流量を調整することができる。つまり、切り替えレバー160は、吸引部120に対する排気流の流量を調整する流量調整部の一例である。これにより、使用時の吸引部120の柔軟性を調整することが可能である。
【0032】
次に、吸引部120の収容時について説明する。収容時には、マウント部140、流路部150及び切り替えレバー160の各流路143、153、163に吸引流が流れないようになっている。
【0033】
図9の(b)に示すように、吸引部120の収容時においては、切り替えレバー160の円孔164が、流路部150の一つの吸気流路154aに重なるように配置されている。この場合、切り替えレバー160の各弧孔165内には、残りの3つの吸気流路154aが配置されている。また、4つの排気流路154bは、切り替えレバー160の壁によって覆われて閉塞されている。このため、吸引部120及びマウント部140の各区画126、146には、切り替えレバー160を介して全ての吸気流路154aが繋がるので、吸引部120の各区画126に吸引流が流れ込む。これにより、吸引部120は収縮されて、保持部130内に収容される(
図2及び
図4参照)。
【0034】
次に、使用時における吸引部120の姿勢調整について説明する。
図10及び
図11は、実施の形態において各姿勢調整時の切り替えレバー160、各貫通孔154及び各区画126、146の位置関係を示す説明図である。具体的には、
図10の(a)は、上方に吸引部120を傾けた場合の位置関係を示している。
図10の(b)は、下方に吸引部120を傾けた場合の位置関係を示している。
図11の(a)は、左方に吸引部120を傾けた場合の位置関係を示している。
図11の(b)は、右方に吸引部120を傾けた場合の位置関係を示している。
【0035】
図10の(a)に示すように、吸引部120を上方に傾ける場合には、上方に配置された吸気流路154a及び排気流路154bの間に、切り替えレバー160の円孔164が配置されている。これにより、当該吸気流路154a及び排気流路154bの間の壁で円孔164が閉塞されるが、切り替えレバー160の各弧孔165内には、残りの3つの排気流路154bが配置されている。このため、吸引部120では、上方の区画126を除く、3つの区画126に排気流が流れ込む。これにより、吸引部120は上方に傾く姿勢で膨張することになる。
【0036】
図10の(b)に示すように、吸引部120を下方に傾ける場合には、下方に配置された吸気流路154a及び排気流路154bの間に、切り替えレバー160の円孔164が配置されている。これにより、当該吸気流路154a及び排気流路154bの間の壁で円孔164が閉塞されるが、切り替えレバー160の各弧孔165内には、残りの3つの排気流路154bが配置されている。このため、吸引部120では、下方の区画126を除く、3つの区画126に排気流が流れ込む。これにより、吸引部120は下方に傾く姿勢で膨張することになる。
【0037】
図11の(a)に示すように、吸引部120を左方に傾ける場合には、左方に配置された吸気流路154a及び排気流路154bの間に、切り替えレバー160の円孔164が配置されている。これにより、当該吸気流路154a及び排気流路154bの間の壁で円孔164が閉塞されるが、切り替えレバー160の各弧孔165内には、残りの3つの排気流路154bが配置されている。このため、吸引部120では、左方の区画126を除く、3つの区画126に排気流が流れ込む。これにより、吸引部120は左方に傾く姿勢で膨張されることになる。
【0038】
図11の(b)に示すように、吸引部120を右方に傾ける場合には、右方に配置された吸気流路154a及び排気流路154bの間に、切り替えレバー160の円孔164が配置されている。これにより、当該吸気流路154a及び排気流路154bの間の壁で円孔164が閉塞されるが、切り替えレバー160の各弧孔165内には、残りの3つの排気流路154bが配置されている。このため、吸引部120では、右方の区画126を除く、3つの区画126に排気流が流れ込む。これにより、吸引部120は右方に傾く姿勢で膨張されることになる。
【0039】
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る掃除機100によれば、ゴミを吸引するための吸引流を発生させる吸引モータ112と、吸引モータ112を収容する本体部110と、本体部110に連結された膨張式の吸引部120とを備え、吸引部120は、ゴミを吸引する際には、外気流を取り込んで膨張することで、吸引流及びゴミの流路143を形成する。
【0040】
これによれば、膨張式の吸引部120が膨張することで流路143を形成するので、不使用時においては吸引部120を収縮させることが可能である。つまり、吸引部120の流路143の全体を収縮することができるので、不使用時においては掃除機100をコンパクトにすることが可能である。また、膨張式の吸引部120であるので、掃除機100の軽量化及び柔軟化(安全性)も高めることが可能である。
【0041】
また、吸引モータ112は、吸引流を起因とした排気流を発生させ、吸引部120は、排気流を外気流として膨張する。
【0042】
これによれば、吸引モータ112からの排気流を外気流として使用して、吸引部120を膨張させることができる。したがって、吸引部120を膨張させる専用のモータを設けなくとも、一つの吸引モータ112で吸引部120を膨張させることができるので、掃除機100をコンパクトにすることが可能である。
【0043】
また、吸引部120は、外気が取り込まれる空間124を有しており、本体部110は、空間124に供給する流れを、吸引流と排気流とで切り替える切り替えレバー160(切替部)を有する。
【0044】
これによれば、吸引部120の空間124に供給する流れが、切り替えレバー160によって吸引流と排気流とで切り替えられるので、切り替えレバー160をユーザが操作することで容易に吸引部120の膨張及び収縮を切り替えることができる。特に、収縮時においては、吸引流で吸引部120を収縮させることができるので、自動的に吸引部120を収縮させることができ、収容作業の効率化を図ることができる。
【0045】
また、吸引部120は、外気が取り込まれる空間124を有しており、空間124は、複数に区画されており、本体部110は、複数の区画126のそれぞれに対する排気流の流量を調整することで、膨張後の吸引部120の姿勢を調整する保持部130(姿勢調整部)を有する。
【0046】
これによれば、保持部130によって膨張後の吸引部120の姿勢が調整できるので、掃除場所に適するように吸引部120の姿勢を調整することができる。これにより、多様な場所の清掃性を高めることが可能である。
【0047】
また、本体部110は、吸引部120に対する排気流の流量を調整する切り替えレバー160(流量調整部)を有する。
【0048】
これによれば、切り替えレバー160によって吸引部120に対する排気流の流量が調整できるので、使用時の吸引部120の柔軟性を調整することが可能である。例えば、壊れやすいものを掃除する際には、吸引部120の柔軟性を上げることで、安全性を高めることが可能である。また、狭い場所や曲がっている場所を掃除する場合においても、吸引部120の柔軟性を上げることで当該場所に対する清掃性を高めることが可能である。
【0049】
[その他]
以上、本発明に係る掃除機について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0050】
例えば、上記実施の形態では、吸引部120を膨張させる外気流として吸引部120の排気流を用いている場合を例示した。しかしながら、外気流を発生させる専用のモータを本体部110に設け、このモータからの外気流によって吸引部120を膨張させてもよい。
【0051】
また、上記実施の形態では、吸引部120の空間124に吸引流が供給されることで吸引部120が収縮される場合を例示したが、吸引部120に吸引流を供給しなくてもよい。この場合、吸引部120を手動で収縮すればコンパクトに収容することが可能である。
【0052】
また、上記実施の形態では、切替部の一例として手動式の切り替えレバー160を例示したが、切替部は電動式であってもよい。
【0053】
また、上記実施の形態では、姿勢調整部の一例として手動式の保持部130を例示したが、姿勢調整部は電動式であってもよい。
【0054】
また、上記実施の形態では、流量調整部の一例として手動式の切り替えレバー160を例示したが、流量調整部は電動式であってもよい。
【0055】
また、上記実施の形態では、吸引部120の空間124が4つに区画された場合を例示したが、区画126の設置個数は如何様でもよい。また吸引部120の空間124は区画されていなくてもよい。
【0056】
また、その他、実施の形態及び各変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態及び各変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、吸引式の掃除機に対して利用可能である。
【符号の説明】
【0058】
100 掃除機
110 本体部
111 グリップ
112 吸引モータ
120 吸引部
121 内壁
122 外壁
123 流路
124 空間
125 区画壁
126 区画
130 保持部(姿勢調整部)
140 マウント部
141 内壁
142 外壁
143 流路
144 空間
145 区画壁
146 区画
150 流路部
153 流路
154 貫通孔
154a 吸気流路
154b 排気流路
160 切り替えレバー(切替部、流量調整部)
161 レバー本体
162 突出部
163 流路
164 円孔
165 弧孔