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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115984
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】無線通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/20 20180101AFI20230815BHJP
   H04W 76/50 20180101ALI20230815BHJP
   H04W 84/08 20090101ALI20230815BHJP
【FI】
H04W76/20
H04W76/50
H04W84/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022018466
(22)【出願日】2022-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】清水 隆志
(72)【発明者】
【氏名】細野 英一
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
5K067BB12
(57)【要約】
【課題】あるチャンネルでの送信中に、相手装置にて他のチャンネルでの受信が開始されたことを把握できるようにすること。
【解決手段】第1無線機、及び第2無線機を有する無線通信装置であって、前記第1無線機は、他の無線通信装置への発話を開始する操作に応答して、ユーザの音声を第1チャンネルで前記他の無線通信装置へ送信し、前記第2無線機は、前記他の無線通信装置が前記第1チャンネルよりも優先して受信を行う第2チャンネルの電波を検出した場合、前記第2チャンネルの電波を検出したことを示す情報を出力する、無線通信装置が提供される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1無線機、及び第2無線機を有する無線通信装置であって、
前記第1無線機は、他の無線通信装置への発話を開始する操作に応答して、ユーザの音声を第1チャンネルで前記他の無線通信装置へ送信し、
前記第2無線機は、前記他の無線通信装置が前記第1チャンネルよりも優先して受信を行う第2チャンネルの電波を検出した場合、前記第2チャンネルの電波を検出したことを示す情報を出力する、
無線通信装置。
【請求項2】
前記第1無線機は、前記第2無線機により前記第2チャンネルの電波が検出された場合、前記第1チャンネルの電波の送信を停止する、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記第2無線機は、前記他の無線通信装置に対応付けて前記無線通信装置に設定されている前記第2チャンネルをスキャンする、
請求項1または2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記第1無線機は、前記第2チャンネルを示す情報を前記他の無線通信装置から取得する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記第2無線機は、前記第2チャンネルの電波を検出した後、前記第2チャンネルでの電波の送信が停止されたことを検出した場合、前記第2チャンネルでの電波の送信が停止されたことを示す情報を出力する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、警察無線等の業務無線において特定のチャンネル(チャネル、周波数)の電波により、1以上の無線端末に対して音声を送信する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6861861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、例えば、自装置から相手装置へ音声を送信している際に、当該相手装置に対してより優先度が高い他の装置から音声が送信された場合、当該相手装置は当該他の装置からの音声のみを受信する場合がある。この場合、自装置のユーザは、相手への発話が当該相手装置で受信されていないことを把握できない場合がある。
【0005】
本開示の目的は、あるチャンネルでの送信中に、相手装置にて他のチャンネルでの受信が開始されたことを把握できる無線通信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る態様では、第1無線機、及び第2無線機を有する無線通信装置であって、前記第1無線機は、他の無線通信装置への発話を開始する操作に応答して、ユーザの音声を第1チャンネルで前記他の無線通信装置へ送信し、前記第2無線機は、前記他の無線通信装置が前記第1チャンネルよりも優先して受信を行う第2チャンネルの電波を検出した場合、前記第2チャンネルの電波を検出したことを示す情報を出力する、無線通信装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
一側面によれば、あるチャンネルでの送信中に、相手装置にて他のチャンネルでの受信が開始されたことを把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
図2】実施形態に係る無線通信装置の構成例を示す図である。
図3】実施形態に係る制御装置のハードウェア構成例を示す図である。
図4】実施形態に係る制御装置の構成の一例を示す図である。
図5】実施形態に係る無線通信システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
図6】実施形態に係る無線通信システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
図7】実施形態に係る通信相手DBの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の原理は、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明される。これらの実施形態は、例示のみを目的として記載されており、本開示の範囲に関する制限を示唆することなく、当業者が本開示を理解および実施するのを助けることを理解されたい。本明細書で説明される開示は、以下で説明されるもの以外の様々な方法で実装される。
以下の説明および特許請求の範囲において、他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
以下、図面を参照して、本開示の実施形態を説明する。
【0010】
<システム構成>
図1を参照し、実施形態に係る無線通信システム1の構成について説明する。図1は、実施形態に係る無線通信システム1の構成例を示す図である。図1の例では、無線通信システム1は、無線通信装置10A、無線通信装置10B、無線通信装置10C、無線通信装置10D、・・・(以下で、区別する必要がない場合は、単に「無線通信装置10」と称する。)を有する。なお、無線通信装置10の数は図1の例に限定されない。
【0011】
無線通信装置10は、例えば、警察無線、消防無線、防災無線、鉄道無線、船舶無線、防衛無線等の、業務用の情報伝達のための専用無線(業務無線)による通信を行う端末である。各無線通信装置10は、直接、または中継所を介して、所定のチャンネル(周波数)でのシンプレックス(単信)またはセミデュプレックス(半複信)での無線通信を行ってもよい。
【0012】
無線通信装置10は、例えば、警察、消防、救急、行政、災害救護、山岳救助、海上保安、タクシー事業者、トラック事業者等に用いられてもよい。無線通信装置10は、例えば、車両、及び船舶等の移動体に搭載されてもよいし、ユーザに携帯されてもよい。
【0013】
無線通信装置10は、所定の複数のチャンネルのそれぞれを間欠受信(スキャン)し、当該複数のチャンネルのうちの一のチャンネルで他の無線通信装置10から送信された音声信号を受信し、当該音声信号をスピーカから出力してもよい。また、無線通信装置10は、当該複数のチャンネルのうちユーザに指定(選択)された一のチャンネルで、マイクで収音した当該ユーザの音声等の音の信号を変調して送信してもよい。
【0014】
また、無線通信装置10は、例えば、所定の複数のチャンネルのうち、ユーザに入力された相手の番号に応じた一のチャンネルで、マイクで収音した当該ユーザの音声等の音の信号を変調して送信してもよい。
【0015】
<無線通信装置10の構成>
次に、図2を参照し、実施形態に係る無線通信装置10の構成について説明する。図2は、実施形態に係る無線通信装置10の構成例を示す図である。図2の例では、無線通信装置10は、制御装置11、無線機12A、無線機12B、操作部13、マイク15を有する。なお、無線機12Aと無線機12Bとを区別する必要がない場合は、単に「無線機12」と称する。なお、無線機12の数は図2の例に限定されない。
【0016】
図2の例では、操作部13は、1以上のボタン13A、ディスプレイ(表示部)13B、及びスピーカ13Cを有する。
【0017】
制御装置11は、無線通信装置10の全体を制御する。図2の例では、操作部13の少なくとも一部は、制御装置11の筐体に内蔵されている。また、操作部13の少なくとも一部は、マイク15の筐体に内蔵されてもよい。図2の例では、制御装置11と無線機12とはケーブル17により接続されている。また、制御装置11とマイク15とはケーブル18により接続されている。
【0018】
無線機12は、1以上のアンテナ、アナログ-デジタル変換回路等を有する。無線機12は、予め設定されている複数のチャンネルの電波を順次スキャン(間欠受信)する。そして、無線機12は、当該複数のチャンネルのうちの一のチャンネルの電波を検出した場合は、当該チャンネルで受信した信号から復調した音声信号を制御装置11へ出力し、音声信号をスピーカ13Cから出力させる。
【0019】
なお、各チャンネルにはユーザ等により優先度が設定されている。無線機12は、一のチャンネルの電波を受信している際にも、当該一のチャンネルよりも優先度が高い他のチャンネルの電波を順次スキャンする。そして、無線機12は、一のチャンネルの電波を受信している際に、他のチャンネルの電波を検出した場合、当該一のチャンネルの電波の受信を停止し、当該他のチャンネルの電波の受信を開始する。これにより、例えば、より優先度が高い相手からの音声を受信できる。
【0020】
無線機12は、一のチャンネルの電波を送信している際には、各チャンネルの電波のスキャンを停止してもよい。これにより、例えば、音声を途切れることなく送信できる。
【0021】
<ハードウェア構成>
図3は、実施形態に係る制御装置11のハードウェア構成例を示す図である。図3の例では、制御装置11(コンピュータ100)は、プロセッサ101、メモリ102、通信インターフェイス103を含む。これら各部は、バス等により接続されてもよい。メモリ102は、プログラム104の少なくとも一部を格納する。通信インターフェイス103は、他のネットワーク要素との通信に必要なインターフェイスを含む。
【0022】
プログラム104が、プロセッサ101及びメモリ102等の協働により実行されると、コンピュータ100により本開示の実施形態の少なくとも一部の処理が行われる。メモリ102は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよい。メモリ102は、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体でもよい。また、メモリ102は、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイスおよびシステム、光学メモリデバイスおよびシステム、固定メモリおよびリムーバブルメモリなどの任意の適切なデータストレージ技術を使用して実装されてもよい。コンピュータ100には1つのメモリ102のみが示されているが、コンピュータ100にはいくつかの物理的に異なるメモリモジュールが存在してもよい。プロセッサ101は、任意のタイプのものであってよい。プロセッサ101は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、および非限定的な例としてマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサの1つ以上を含んでよい。コンピュータ100は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有してもよい。
【0023】
本開示の実施形態は、ハードウェアまたは専用回路、ソフトウェア、ロジックまたはそれらの任意の組み合わせで実装され得る。いくつかの態様はハードウェアで実装されてもよく、一方、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサまたは他のコンピューティングデバイスによって実行され得るファームウェアまたはソフトウェアで実装されてもよい。
【0024】
本開示はまた、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に有形に記憶された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、プログラムモジュールに含まれる命令などのコンピュータ実行可能命令を含み、対象の実プロセッサまたは仮想プロセッサ上のデバイスで実行され、本開示のプロセスまたは方法を実行する。プログラムモジュールには、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データ型を実装したりするルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態で望まれるようにプログラムモジュール間で結合または分割されてもよい。プログラムモジュールのマシン実行可能命令は、ローカルまたは分散デバイス内で実行できる。分散デバイスでは、プログラムモジュールはローカルとリモートの両方のストレージメディアに配置できる。
【0025】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはコントローラに提供される。プログラムコードがプロセッサまたはコントローラによって実行されると、フローチャートおよび/または実装するブロック図内の機能/動作が実行される。プログラムコードは、完全にマシン上で実行され、一部はマシン上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、一部はマシン上で、一部はリモートマシン上で、または完全にリモートマシンまたはサーバ上で実行される。
【0026】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例には、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、光ディスク媒体、半導体メモリ等が含まれる。磁気記録媒体には、例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ等が含まれる。光磁気記録媒体には、例えば、光磁気ディスク等が含まれる。光ディスク媒体には、例えば、ブルーレイディスク、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、CD-R(Recordable)、CD-RW(ReWritable)等が含まれる。半導体メモリには、例えば、ソリッドステートドライブ、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory)等が含まれる。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0027】
<構成>
図4を参照し、実施形態に係る制御装置11の構成について説明する。図4は、実施形態に係る制御装置11の構成の一例を示す図である。図4の例では、制御装置11は、取得部111、制御部112、及び出力部113を有する。これら各部は、制御装置11にインストールされた1以上のプログラムと、制御装置11のプロセッサ101、及びメモリ102等のハードウェアとの協働により実現されてもよい。
【0028】
取得部111は、制御装置11内部の記憶部、操作部13、または無線機12等の外部装置から各種の情報を取得する。制御部112は、無線通信装置10の各部を制御する。出力部113は、制御部112の指示に従い、無線機12等の外部装置へ各種の情報を出力する。
【0029】
<処理>
次に、図5から図7を参照し、実施形態に係る無線通信システム1の処理の一例について説明する。図5及び図6は、実施形態に係る無線通信システム1の処理の一例を示すシーケンス図である。図7は、実施形態に係る通信相手DB(データベース)701の一例を示す図である。
【0030】
なお、以下の各処理の順番は適宜変更されてもよい。また、以下の各処理のうち少なくとも一部の処理は省略されてもよい。以下では、無線通信装置10AのユーザAが、無線通信装置10B(「他の無線通信装置」の一例。)のユーザBに対して発話する場合を例として説明する。なお、音声を受信する側である無線通信装置10Bは、無線機12を一つ以上有していればよい。
【0031】
ステップS1において、無線通信装置10Aの取得部111は、ユーザBへの発話を開始する操作を操作部13にてユーザAから受け付ける。ここで、操作部13は、例えば、ユーザBに応じた所定の桁数(例えば、3桁)の番号を指定する操作と、送信の開始を指示する操作とを受け付けてもよい。送信の開始を指示する操作は、例えば、マイク15の筐体に配置されているボタンを長押しする操作でもよい。なお、制御装置11は、当該ボタンが押下されている間は、指定された番号に応じたチャンネルでの送信を実行させ、当該ボタンの押下が停止されると、当該チャンネルでの送信を停止させてもよい。
【0032】
続いて、無線通信装置10Aの取得部111は、無線通信装置10Bの優先チャンネルである第2チャンネルを示す情報を取得する(ステップS2)。なお、無線通信装置10Bの優先チャンネルとは、例えば、無線通信装置10Bがスキャンしている複数のチャンネルのうち、ユーザAからの音声を受信する第1チャンネルよりも優先して受信するチャンネルである。なお、無線通信装置10Bは、第1チャンネルにてユーザAからの音声を受信している際に、第2チャンネルの電波を検出した場合、第1チャンネルの受信を停止し、第2チャンネルの受信を開始する。なお、第2チャンネルは、例えば、指令センタからの音声等、ユーザBにとって比較的重要度が高い音声を受信するためのチャンネルでもよい。
【0033】
無線通信装置10Aの取得部111は、例えば、当該優先チャンネルを示す情報を、ユーザAの音声を無線通信装置10Bへ送信する第1チャンネルを用いて、無線機12Aを介して無線通信装置10Bから取得してもよい。
【0034】
また、無線通信装置10Aの取得部111は、例えば、当該優先チャンネルを示す情報を、図6の通信相手DB701から取得してもよい。なお、通信相手DB701は、例えば、無線通信装置10Aの内部または外部の記憶装置に記憶されていてもよい。図6の例では、通信相手DB701には、通信相手の番号に対応付けて、音声送受信用のチャンネル、及び通信相手の優先チャンネルが記憶(設定、登録)されている。通信相手DB701のデータは、ユーザ等により予め設定されていてもよい。なお、無線通信装置10Aの取得部111は、例えば、ユーザBの番号に対する優先チャンネルが通信相手DB701に設定されていない場合、当該優先チャンネルを示す情報を、無線通信装置10Bから取得して通信相手DB701に記録してもよい。
【0035】
続いて、無線通信装置10Aの無線機12Bは、第2チャンネルのスキャンを開始する(ステップS3)。ここで、無線機12Bは、例えば、無線通信装置10Aの出力部113から受信した、第2チャンネルのスキャンを開始させるコマンドに基づいて、スキャンを開始してもよい。
【0036】
続いて、無線通信装置10Aの無線機12Aは、第1チャンネルでの送信を開始する(ステップS4)。ここで、無線機12Aは、例えば、無線通信装置10Aの出力部113から受信した、第1チャンネルでの送信を開始させるコマンドに基づいて、送信を開始してもよい。
【0037】
無線機12Aは、例えば、マイク15により集音された音を第1チャンネルの電波で送信する。これにより、例えば、無線通信装置10のユーザは、単信用のチャンネルを用いて、他の無線通信装置10のユーザに音声を伝えることができる。
【0038】
なお、無線通信装置10Aは、ステップS3の処理と、ステップS4の処理とを、並列に実行してもよい。また、無線通信装置10は、ステップS4の処理を、ステップS3の処理よりも先に実行してもよい。
【0039】
以下では、ステップS4までの処理が行われた後、無線通信装置10Aの無線機12Aが第1チャンネルでの送信を行っている間に、他の無線通信装置10(例えば、無線通信装置10C)により第2チャンネルでの送信が行われた場合の処理について説明する。
【0040】
続いて、無線通信装置10Aの無線機12Bは、第2チャンネルの電波を検出する(ステップS5)。続いて、無線通信装置10Aの無線機12Bは、第2チャンネルの電波を検出したことを示す情報を制御装置11へ出力する(ステップS6)。
【0041】
続いて、無線通信装置10Aの無線機12Aは、第1チャンネルの電波の送信を停止(終了)する(ステップS7)。ここで、無線機12Aは、制御装置11の出力部113から受信したコマンドに基づいて、第1チャンネルでの送信を終了してもよい。これにより、例えば、ユーザA以外のユーザが、第1チャンネルを利用できるようになる。
【0042】
続いて、無線通信装置10Aの制御装置11は、ユーザBへの発話が無効であること等を示すメッセージをユーザAへ報知する(ステップS8)。ここで、制御装置11の出力部113は、ユーザBの優先チャンネルの電波を検出したこと、第1チャンネルでの送信を終了したこと、及びユーザBへの発話が無効であることの少なくとも一つを示すメッセージをディスプレイ13B及びスピーカ13Cの少なくとも一方にて報知してもよい。
【0043】
なお、マイク15の筐体に配置されているボタンのユーザAによる長押しが解除された場合、無線通信装置10Aの無線機12Bにコマンドを送信し、第2チャンネルのスキャンを停止させてもよい。これにより、無線通信装置10Aは、ステップS1の処理の以前の状態(初期状態)に復帰される。
【0044】
続いて、無線通信装置10Aの無線機12Bは、第2チャンネルでの電波の送信が停止されたことを検出する(ステップS9)。ここで、無線通信装置10Aの無線機12Bは、例えば、所定時間(例えば、5秒間)継続して第2チャンネルでの電波を検出しない場合に、第2チャンネルでの電波の送信が停止されたと判定してもよい。
【0045】
続いて、無線通信装置10Aの無線機12Bは、第2チャンネルでの電波の送信が停止されたことを示す情報を制御装置11へ出力する(ステップS10)。続いて、無線通信装置10Aの制御装置11は、ユーザBへの発話が有効であること等を示すメッセージをユーザAへ報知する(ステップS11)。ここで、制御装置11の出力部113は、ユーザBの優先チャンネルの電波の送信停止を検出したこと、第1チャンネルでの送信が可能となったこと、及びユーザBへの発話が有効であることの少なくとも一つを示すメッセージをディスプレイ13B及びスピーカ13Cの少なくとも一方にて報知してもよい。
【0046】
続いて、無線通信装置10Aの無線機12Aは、第1チャンネルでの送信を再開する(ステップS12)。ここで、無線通信装置10Aの無線機12Aは、ステップS1での操作と同様の操作をユーザAから受け付けた場合または、リダイヤルボタン等の所定のボタンを押下された場合に、送信を再開してもよい。
【0047】
また、制御装置11の出力部113は、無線機12Bから第2チャンネルでの電波の送信が停止されたことを示す情報を受信した場合に、再開を指示するコマンドを無線通信装置10Aの無線機12Aに送信してもよい。なお、出力部113は、マイク15の筐体に配置されているボタンが長押しされている場合にのみ、当該コマンドを送信してもよい。そして、無線通信装置10Aの無線機12Aは、受信したコマンドに基づいて、第1チャンネルでの送信を再開してもよい。
【0048】
第1チャンネルと第2チャンネルとの優先度の関係は一例であって、無線通信装置10Bがスキャンの対象としている複数のチャンネルのいずれのチャンネルが、無線通信装置10Aが送信するチャンネルより優先度が高いチャンネルであるかは相対的に変わってくる。例えば、無線通信装置10Aがより優先度の高い第3チャンネルで送信する場合は、無線通信装置10Bがスキャンの対象としている複数のチャンネルの中で、よりさらに優先度が高い第4チャンネルの情報を取得し、無線通信装置10Aの無線機12Bが第4チャンネルのスキャンを開始する。
【0049】
従来、FDMA(Frequency-Division Multiple Access)通信方式により複数のチャンネルでの音声をセミデュプレクス(半複信)で送受信する無線通信装置では、ある一のチャンネル(第1チャンネル)の音声を受信している間は、1以上の他のチャンネル(例えば、音声受信中のチャンネルよりも高い優先度が設定されているチャンネル)を間欠動作でスキャンしている場合がある。そして、当該無線通信装置は、当該一のチャンネルの音声を受信している間により優先度が高い他のチャンネル(第2チャンネル)の電波を受信した場合は、当該一のチャンネルの受信を停止し、当該他のチャンネルの受信を開始する場合がある。これにより、ユーザは、あるチャンネルでの受信中に、より優先度の高いチャンネルの音声を聞くことができる。この場合、当該一のチャンネルでの発話者(ユーザA)は、自身の音声を受話者(ユーザB)が聞いていないことを認識できない。
【0050】
また、従来、複数のチャンネルでの音声をセミデュプレクスで送受信する無線通信装置では、あるチャンネルでの送信中は、各チャンネルのスキャンを停止している。これにより、例えば、アンテナ等の部品数を低減することができる。そのため、あるチャンネルでの送信中に、他のチャンネルでの音声が送信された場合は、当該他のチャンネルの電波を検出できない。一方、本開示によれば、発話者の無線通信装置10が複数の無線機12A、12Bを有しており、例えば、発話者は、ある一のチャンネルでの送信中に、受話者がより優先度の高い他のチャンネルの音声を聞いていることを把握できる。そのため、発話者は、例えば、当該一のチャンネルでの発話を停止できる。そのため、当該一のチャンネルで受話者に伝達したと発話者が誤認することを低減できる。
【0051】
なお、上述した例では、無線機12Bが無線通信装置10Bの優先チャンネルで電波を検出した場合に、無線機12Aの送信を停止したが、無線機12Aの送信は維持したままとしてもよい。これにより、例えば、無線機12Aでの第1チャンネルでの送信を再開する処理を不要とできる。
【0052】
<変形例>
制御装置11は、一つの筐体に含まれる装置でもよいが、本開示の制御装置11はこれに限定されない。制御装置11の各部は、例えば1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。これらのような制御装置についても、本開示の「制御装置」の一例に含まれる。また、制御装置11の少なくとも一部の処理を、無線機12にて実行する構成としてもよい。
【0053】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 無線通信システム
10 無線通信装置
11 制御装置
111 取得部
112 制御部
113 出力部
100 コンピュータ
101 プロセッサ
102 メモリ
103 通信インターフェイス
104 プログラム
12A 無線機
12B 無線機
13 操作部
13A ボタン
13B ディスプレイ
13C スピーカ13
15 マイク
17 ケーブル
18 ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7