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特開2023-115994設計支援デバイス、これを備える設計支援装置、及び設計支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023115994
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】設計支援デバイス、これを備える設計支援装置、及び設計支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/12 20200101AFI20230815BHJP
   G06F 30/10 20200101ALI20230815BHJP
   G06F 30/20 20200101ALI20230815BHJP
   G06F 111/04 20200101ALN20230815BHJP
【FI】
G06F30/12
G06F30/10 100
G06F30/20
G06F111:04
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022018485
(22)【出願日】2022-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】濱口 崇志
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 誠
(72)【発明者】
【氏名】清水 勇喜
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146DC04
5B146DC05
5B146DG01
5B146DL04
5B146DL08
5B146EA11
(57)【要約】
【課題】設計者が変更しようとする設計項目を確定させる前に、設計ルール等について明示し、設計作業効率を向上させる。
【解決手段】ユーザが変更をするために入力をした設計対象物の各種情報を含む第一設計項目を受信する受信部と、第一設計項目、及び第一設計項目に関係する第二設計項目を特定する設計項目特定部と、第一設計項目及び第二設計項目を用いて、設計対象物の設計上のルールである設計ルールを特定する設計ルール特定部と、第一設計項目を第二設計項目とする前に、設計ルール特定部により特定された設計ルールを出力する出力部と、を備える、設計支援デバイスを用いる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設計対象物の各種情報を含む設計項目を記憶する設計項目記憶部と、
ユーザが入力する第一設計項目を受信する受信部と、
前記設計項目記憶部に記憶された前記設計項目から前記第一設計項目と関係する第二設計項目を特定する設計項目特定部と、
前記第一設計項目と前記第二設計項目とを用いて、前記設計対象物の設計上のルールである設計ルールを特定する設計ルール特定部と、
前記設計ルールを出力する出力部と、を備える、設計支援デバイス。
【請求項2】
前記設計ルールを蓄積する設計ルールデータベースを更に備え、
前記設計ルール特定部は、前記設計ルールデータベースに蓄積された前記設計ルールを参照して、前記第一設計項目に関する設計ルールを特定する、請求項1に記載の設計支援デバイス。
【請求項3】
前記設計ルール特定部は、前記第一設計項目と前記第二設計項目とを用いて、違反している箇所の設計ルールのみを特定する、請求項1に記載の設計支援デバイス。
【請求項4】
前記出力部は、前記第一設計項目又は前記第二設計項目を他の部品又は設計項目と区別できるように出力する、請求項1記載の設計支援デバイス。
【請求項5】
製品としての品質を満たす実績を有する形状である実績形状並びに設計項目のパラメータ及び相対的位置についてのデータがあらかじめ記録されている実績形状データベースと、
前記実績形状のうち適用可能な実績形状を特定する実績形状特定部と、を更に備える、請求項1に記載の設計支援デバイス。
【請求項6】
シミュレーション又は実験によって求められた、一部の要件において最適な形状である最適形状並びに設計項目のパラメータ及び相対的位置についてのデータがあらかじめ記録されている最適形状データベースと、
前記最適形状のうち適用可能な最適形状を特定する最適形状特定部と、を更に備える、請求項1に記載の設計支援デバイス。
【請求項7】
前記設計項目特定部は、前記設計対象物を構成する部品であって前記ユーザが追加しようとしている前記第一設計項目が含まれるものを特定し、前記部品に含まれる確定済みの設計項目である前記第二設計項目を特定する、請求項1に記載の設計支援デバイス。
【請求項8】
前記第一設計項目は、前記設計対象物の形状及び位置を含む、請求項1に記載の設計支援デバイス。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の設計支援デバイスと、
前記第一設計項目を前記ユーザが前記入力をし、前記出力部から出力された前記設計ルールを表示する表示部と、を備える、設計支援装置。
【請求項10】
設計項目記憶部が、設計対象物の各種情報を含む設計項目を記憶し、
受信部が、ユーザが入力する第一設計項目を受信し、
設計項目特定部が、前記設計項目記憶部に記憶された前記設計項目から前記第一設計項目と関係する第二設計項目を特定し、
設計ルール特定部が、前記第一設計項目と前記第二設計項目とを用いて、前記設計対象物の設計上のルールである設計ルールを特定し、
出力部が、設計ルールを出力する、設計支援方法。
【請求項11】
設計ルールデータベースが、前記設計ルールを蓄積し、
前記設計ルール特定部が、前記設計ルールデータベースに蓄積された前記設計ルールを参照して、前記第一設計項目に関する設計ルールを特定する、請求項10に記載の設計支援方法。
【請求項12】
前記設計ルール特定部が、前記第一設計項目と前記第二設計項目とを用いて、違反している箇所の設計ルールのみを特定する、請求項10に記載の設計支援方法。
【請求項13】
前記出力部が、前記第一設計項目又は前記第二設計項目を他の部品又は設計項目と区別できるように出力する、請求項10に記載の設計支援方法。
【請求項14】
入出力部が、前記第一設計項目を前記ユーザが前記入力をし、前記出力部から出力された前記設計ルールを表示する、請求項10に記載の設計支援方法。
【請求項15】
前記第一設計項目は、前記設計対象物の形状及び位置を含む、請求項10に記載の設計支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、設計支援デバイス、これを備える設計支援装置、及び設計支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製造業では、製品形状を設計する際に、複数の要件(目標性能や強度、製造の制約、組み立ての制約、環境負荷の制約、保守の制約、意匠等)を全て満足する形状を決める必要がある。従来、3D-CADシステムを用いて、コンピュータ上で製品などの設計を行うことが知られている。この3D-CADを用いた設計を「3D-CAD設計」と呼ぶ。ここで、CADは、Computer-Aided Designの略称である。また、3Dは、三次元の略称である。
【0003】
3D-CAD設計では、製品製造時に問題となる、穴あけや曲げなどの加工のしやすさ、溶接やネジ締結などの組立のしやすさ、といった製造性を考慮した設計ガイドラインを考慮することが望ましい。さらに、3D-CAD設計では、製品の保守時に問題になる、点検のしやすさや治具のアクセスのしやすさといった保守性を考慮した設計ガイドラインを考慮することも望ましい。これらの設計ガイドラインは、1つの製品に対して数万程度のルールが存在する場合もあり、通常はチェックリスト等で人手によってチェックされる。
【0004】
特許文献1には、CAD形状作成支援装置において、ユーザによるフィーチャ追加後のCADの形状モデルに対して、フィーチャデータベース3及び設計ルールデータベース4を参照してチェックする設計ルールチェック5から作業情報を引き継いだ形状認識部6によって、設計ルールの不満足な部位を解消するために追加する新規フィーチャの追加位置(所在)を特定した上、三次元CADの形状データ作成時に製造要件等により規定された形状モデルの設計ルールを満足するように、形状モデル上に配置されたフィーチャの形状の接続状態を形状認識し、CADでの形状データの作成作業に要する詳細作業情報を作業誘導部7へ引き渡してユーザに対して作業誘導として提示することにより、設計ルールの不満足な部位に適切な形状変更を行うことができ、設計の手戻りを充分に防止できて設計作業効率の向上を図り得ることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-277460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のCAD形状作成支援装置においては、ユーザによるフィーチャ追加後のCADの形状モデルを用いていることからわかるように、3D-CADモデルの形状の位置及び寸法を確定した後に、設計ルールを満足しているかチェックしている。
【0007】
しかしながら、特に初心者など、設計ルールを十分に把握していない設計者の場合、守るべき設計ルールを、フィーチャー追加時に把握しきれていないことで、設計上の問題が生じやすい。さらに、問題となっている箇所を修正したとしても、新規の問題が生じ、繰り返しの修正が必要になる場合がある。このため、フィーチャー追加後に設計ルールをチェックしたのでは、3D-CADモデルの連鎖的な修正が必要となるおそれがある。
【0008】
本開示の目的は、設計者が変更しようとする設計項目を確定させる前に、設計ルール等について明示し、設計作業効率を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の設計支援デバイスは、設計対象物の各種情報を含む設計項目を記憶する設計項目記憶部と、ユーザが入力する第一設計項目を受信する受信部と、設計項目記憶部に記憶された設計項目から第一設計項目と関係する第二設計項目を特定する設計項目特定部と、第一設計項目と第二設計項目とを用いて、設計対象物の設計上のルールである設計ルールを特定する設計ルール特定部と、設計ルールを出力する出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、設計者が変更しようとする設計項目を確定させる前に、設計ルール等について明示し、設計作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例の設計支援装置を示す構成図である。
図2】設計ルール適用既存フィーチャー抽出部における処理の一例を示すフロー図である。
図3】既存フィーチャーから取得したフィーチャーを設計ルール適用既存フィーチャーに追加する工程S206の詳細を示すフロー図である。
図4】設計ルール特定部における処理の一例を示すフロー図である。
図5】入出力部の画面の一例を示す拡大図である。
図6】入出力部の画面の別の例を示す拡大図である。
図7】変形例(a)の設計支援装置を示す構成図である。
図8】変形例(a)の入出力部の画面の一例を示す拡大図である。
図9】変形例(b)の設計支援装置を示す構成図である。
図10】変形例(b)の入出力部の画面の一例を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の一実施形態に係る設計支援装置においては、新規フィーチャーの種類(穴、リブなど)を選択した後、ユーザが新規フィーチャーの位置および/または寸法を確定する前に、設計ルールデータベースから、新規フィーチャーに適用可能な設計ルールを抽出する。さらに、抽出した各設計ルールの適用領域条件に合致する既存フィーチャーを抽出する。抽出した設計ルールの中から、抽出した既存フィーチャーに適用可能な設計ルールを特定し、提示する。
【0013】
ここで、フィーチャーとは、設計対象物の形状及び位置に関する設計項目をいい、例えば、形状の特徴から、穴、曲げ、リブなどを挙げることができる。また、寸法は、寸法ルールにより規定される。寸法ルールは、フィーチャー単体の寸法、二つのフィーチャーの間の距離やこれらのフィーチャーの相対的な角度等を含む。
【0014】
また、新規フィーチャーとは、3D-CADモデルに対してユーザが追加するフィーチャーをいい、設計項目記憶部104に記憶される前の状態のフィーチャーのことである。ユーザが新規フィーチャーの入力を3D-CADモデルのフィーチャーとして確定する前のものである。既存フィーチャーとは、3D-CADモデルに対してユーザが追加・修正・削除の対象としないフィーチャーをいい、設計項目記憶部104に記憶されているフィーチャーのことである。また、既存フィーチャーは、3D-CADモデルに含まれる確定済みのフィーチャーともいう。適用領域条件とは、新規フィーチャーからの距離、一体となっている領域全体などをいう。ここで、「確定」とは、仮入力の状態にある新規フィーチャーを3D-CADモデルの構成要素としている状態のことを示す。言い換えると、「確定」とは、新規フィーチャーが設計項目記憶部104に記憶されることである。
【0015】
なお、新規フィーチャーは「第一設計項目」、既存フィーチャーは「第二設計項目」とも呼ぶ。
【0016】
設計ルールに関しては、例えば、「ボルトを貫通させる穴は、穴と縁の距離について、基準値以上とする。」といった設計ガイドラインが存在する。この設計ガイドラインのうち、3D-CADモデル上でチェックするルールを「設計ルール」と呼ぶ。
【0017】
設計ルールの例としては、「穴と縁の距離を10mm以上離すこと。縁は、穴と一体の領域全体における縁とする。」等がある。ユーザが「穴」を選択すると、設計ルールデータベースから、新規フィーチャーである穴に関する設計ルールが抽出される。
【0018】
続いて、その設計ルールから、適用領域条件として「穴と一体の領域全体における縁」を抽出し、3D-CADモデルの中から、穴と一体の領域全体における「縁」のフィーチャーが全て、既存フィーチャーとして抽出される。
【0019】
3D-CADモデルの中に、例えば「曲げ」のフィーチャーが含まれない場合は、「曲げ」のフィーチャーは抽出されない。
【0020】
このようなフィーチャー追加作業において、関係のない設計ルールは排除され、ユーザにとって必要と判定された設計ルールが特定され、提示される。これにより、ユーザによる適切な設計ルールの把握がしやすくなる。提示する設計ルールが多い場合は、確認の抜け漏れ防止や視認性の確保の観点から、例えば、既存フィーチャーをハイライトで表示し、その既存フィーチャーから吹き出しにより設計ルールを提示してもよい。
【0021】
以降、本開示の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例0022】
図1は、実施例の設計支援装置を示す構成図である。
【0023】
本図において、設計支援装置100は、3D-CADデータ及び新規フィーチャー情報を入力するため、入出力部101(表示部を含む。)と、3D-CADデータ入力部102(3D-CADデータ特定部)と、新規フィーチャー入力部103(新規フィーチャー特定部)と、を備える。なお、新規フィーチャー入力部103は、「受信部」ともいう。
【0024】
入出力部101は、ユーザが設計対象物の各種情報等を入力し、設計ルールを表示するものである。例えば、ユーザが使用する端末であってキーボード及びディスプレイを備えたもの、パーソナルコンピュータ(PC)等が挙げられる。
【0025】
3D-CADデータ入力部102の3D-CADデータにおいては、一つまたは複数の設計対象物が、一つまたは複数のボディ(設計対象物を構成する部品)で構成されている。このボディは、面や線で閉じた1つの領域(一体となっている領域)であり、一つまたは複数のフィーチャーで構成されている。フィーチャーには、例えば、形状(寸法)および位置に関する情報が含まれている。また、3D-CADデータには、例えば、複数のボディ間の相対的な位置情報が含まれている。
【0026】
なお、ボディは、「設計対象ボディ」ともいう。
【0027】
新規フィーチャー入力部103は、3D-CADデータに対して追加するフィーチャー(追加対象フィーチャー)である新規フィーチャーを特定する。本実施例では、第一設計項目の一例として、新規フィーチャーを挙げているが、第一設計項目は、3D-CADデータに既に含まれる既存フィーチャーの中から修正するフィーチャー(修正対象フィーチャー)であってもよい。また、第一設計項目は、3D-CADデータに既に含まれる既存フィーチャーの中から除去するフィーチャー(除去対象フィーチャー)であってもよい。まとめると、第一設計項目は、ユーザが変更をするために入力をした設計対象物の各種情報を含む。すなわち、ここでいう「変更」とは、ユーザが求めるフィーチャーの追加、修正、除去等をいう。さらに、変更の対象は、ボディであってもよい。
【0028】
新規フィーチャー情報には、新規フィーチャーの分類(穴、曲げ、リブなど)と、新規フィーチャーの追加領域と、が含まれる。新規フィーチャーの追加領域は、例えば、新規フィーチャーの二次元形状を定義するスケッチにおいて、このスケッチの対象面(「スケッチ平面」とも呼ばれる。)が該当する。この新規フィーチャーの追加領域は、スケッチ確定前のフィーチャー仮置き位置からの距離に基づいた領域としてもよい。
【0029】
設計支援装置100は、更に、設計項目記憶部104と、3D-CADデータに含まれる既存のフィーチャーを特定する既存フィーチャー特定部105と、あらかじめ設計ルールを登録しておく設計ルールデータベース109と、設計ルール適用既存フィーチャー抽出部106と、設計ルール特定部107と、表示制御部108(出力部)と、を備える。
【0030】
設計項目記憶部104は、設計対象物の各種情報を含む設計項目を記憶する。各種情報とは、例えば、設計対象物の形状、位置、質量、体積、強度、断熱性能等が含まれる。実施例1では、3D-CADデータの形状及び位置に関する設計項目を記憶する。
【0031】
既存フィーチャー特定部105は、設計対象ボディであってユーザが追加しようとしている新規フィーチャーが含まれるものを特定し、設計対象ボディに含まれる確定済みのフィーチャーである既存フィーチャーを特定する。既存フィーチャー特定部105は、設計項目特定部と言い換えることができ、第一設計項目、及び第一設計項目に関係する第二設計項目を特定するものである。また、第二設計項目は、設計対象物を構成する部品に含まれる確定済みの設計項目である。既存フィーチャー特定部105、すなわち設計項目特定部は、新規フィーチャー入力部103を含むものであってもよい。
【0032】
設計ルール適用既存フィーチャー抽出部106は、新規フィーチャーに適用可能な設計ルールにおいて考慮すべき領域を設計ルール適用領域として特定し、設計ルール適用領域に含まれる既存フィーチャーを抽出する。
【0033】
設計ルール特定部107は、設計ルールデータベース109に記録され蓄積されている設計ルールの中から、設計ルール適用既存フィーチャー抽出部106で抽出した設計ルール適用既存フィーチャーに対して適用可能な設計ルールを特定する。更に詳しくは、ユーザが新規フィーチャーを確定する前に、新規フィーチャーと設計ルールデータベースに記録されている既存フィーチャーに関する設計ルールとの組み合わせに基づいて、新規フィーチャーに関する設計ルールを特定する。まとめると、設計ルール特定部107は、第一設計項目及び第二設計項目を用いて、設計対象物の設計上のルールである設計ルールを特定する。さらに、設計ルール特定部107は、設計ルールデータベースに蓄積された設計ルールを参照して、第一設計項目に関する設計ルールを特定することが望ましい。
【0034】
表示制御部108は、提示対象設計ルールを入出力部101に出力する。入出力部101においては、視認性確保のため、提示対象設計ルールに関する既存フィーチャーをハイライト等で表示してもよい。なお、入出力部101だけでなく、表示制御部108にも表示画面を設けてもよい。このように、入出力部101及び表示制御部108を用いて二画面で表示してもよい。これにより、ユーザの操作性が向上する。
【0035】
別の説明としては、表示制御部108は、設計ルール特定部107が特定した新規フィーチャーに関する設計ルールを入出力部101に出力する。また、表示制御部108は、特定された設計対象ボディ又は新規フィーチャーを他のボディ又はフィーチャーと区別できるように入出力部101に出力することが望ましい。
【0036】
本図においては、表示制御部108は、ユーザが第一設計項目の入力を確定する前に、設計ルール特定部107により特定された設計ルールを入出力部101に出力する。そして、入出力部101は、表示制御部108から出力された設計ルールを表示する。
【0037】
設計ルールデータベース109では、例えば、設計ルール1「穴と縁の距離を10mm以上離すこと。縁は、穴と同一ボディにおける縁とする。」、設計ルール2「穴と曲げの距離を15mm以上離すこと。曲げは、穴と同一ボディにおける曲げとする。」、設計ルール3「曲げとリブの距離を20mm以上離すこと。リブは、曲げと同一ボディにおけるリブとする。」、設計ルール4「穴同士の距離を20mm以上離すこと。穴同士は、同一ボディにおける穴とする。」のように、設計ルールを定義し、設計ルールデータベースに登録しておく。このとき、距離などの値は、新規フィーチャーの変数(例えば穴径)によって変更可能とするなど、数式および/または表から求める方法でもよい。また、設計ルールの有効/無効を新規フィーチャーの変数で切り替えるようにしてもよい。
【0038】
なお、設計支援装置100の主要な演算部は、半導体パッケージであってもよい。半導体パッケージは、集積回路(IC)を有する半導体チップと、これを覆う樹脂と、外部との通信を可能とする端子と、を備える。本明細書においては、この半導体パッケージを「設計支援デバイス」と呼ぶことにする。設計支援デバイスは、3D-CADデータ入力部102と、新規フィーチャー入力部103と、既存フィーチャー特定部105と、設計ルール適用既存フィーチャー抽出部106と、設計ルール特定部107と、表示制御部108と、を含む。また、設計支援デバイスは、設計ルールデータベース109を含むものであってもよい。
【0039】
図2は、設計ルール適用既存フィーチャー抽出部106における処理の一例を示すフロー図である。
【0040】
本図に示すように、まず、新規フィーチャーの分類を取得し(工程S201)、設計ルールデータベース109から、新規フィーチャーの分類に適用可能な設計ルールを抽出する(工程S202)。変数iに、初期値として0を代入し(工程S203)、1を加算する(工程S204)。抽出した設計ルールの中から、i番目の設計ルールの設計ルール適用領域条件を取得する(工程S205)。続いて、既存フィーチャーの中から、取得した設計ルール適用領域条件に合致するフィーチャーを取得し、設計ルール適用既存フィーチャーに追加する(工程S206)。
【0041】
つぎに、iが、抽出した設計ルール数以上かどうかを判定する(工程S207)。iが、抽出した設計ルール数未満、すなわちNoの場合は、工程S204に戻る。iが、抽出した設計ルール数以上、すなわちYesの場合には、設計ルール適用既存フィーチャーを出力する(工程S208)。
【0042】
ここでは、上記の設計ルール1~4を例として用いて説明する。
【0043】
縁と穴のフィーチャーがあり、曲げおよびリブのフィーチャーがない3D-CADモデルに対して、穴のフィーチャーを追加する場合、ユーザが分類として「穴」を選択すると、工程S202で、設計ルール1、2、4を抽出する。設計ルール3は「穴」フィーチャーに関する設計ルールではないため、抽出されない。工程S205では、設計ルール1の場合、「穴と同一ボディにおける縁」の部分を適用領域条件とする。工程S206では、設計ルール1の場合、穴と同一ボディにおける「縁」のフィーチャーを全て取得し、追加する。「曲げ」はないため、設計ルール2に関して抽出するフィーチャーはない。
【0044】
適用領域条件は、同一ボディ以外にも、同一/指定部品、同一/指定3D-CADデータ、同一/指定材料、同一/指定名称(部分合致を含む。)、同一/指定製造方法(条件を含む。)、同一/指定検査方法(条件を含む。)、同一/指定保守運用方法(条件を含む。)、同一/指定用途のように、3D-CADデータに含まれる属性情報を活用することで、様々な形態が可能である。
【0045】
図3は、既存フィーチャーから取得したフィーチャーを設計ルール適用既存フィーチャーに追加する工程S206の詳細を示すフロー図である。
【0046】
本図に示す例においては、設計ルール適用領域となることが多い、新規フィーチャーと同一のボディに絞り、既存フィーチャーを抽出する。
【0047】
まず、新規フィーチャーと接続する既存フィーチャーを抽出する(工程S301)。そして、抽出したフィーチャーと接続する既存フィーチャーを抽出する(工程S302)。
【0048】
追加で抽出されたフィーチャーがないかどうかを判定する(工程S303)。Noの場合、すなわち追加で抽出されたフィーチャーがある場合は、工程S302に戻る。Yesの場合、すなわち追加で抽出されたフィーチャーがない場合は、抽出された既存フィーチャーを設計ルール適用既存フィーチャーに追加する(工程S304)。
【0049】
設計ルール特定部107では、新規フィーチャー追加作業において関係のない設計ルール(不要な設計ルール)を排除し、ユーザに適切な設計ルールの把握を促すため、提示対象設計ルールの特定を行う。
【0050】
図4は、設計ルール特定部107における処理の一例を示すフロー図である。
【0051】
本図に示すように、まず、新規フィーチャーの分類を取得する(工程S401)。そして、設計ルールデータベース109から、新規フィーチャーの分類に該当する設計ルールを抽出する(工程S402)。変数jに、初期値として0を代入し(工程S403)、1を加算する(工程S404)。設計ルール適用既存フィーチャー抽出部106で出力した設計ルール適用既存フィーチャーの中から、j番目の既存フィーチャーを取得する(工程S405)。抽出した設計ルールの中から、取得した既存フィーチャーに合致する設計ルールを取得し、提示対象設計ルールに追加する(工程S406)。
【0052】
jが設計ルール適用既存フィーチャー数以上かどうかを判定する(工程S407)。Noの場合、すなわちjが設計ルール適用既存フィーチャー数未満の場合は、工程S404に戻る。Yesの、すなわちjが設計ルール適用既存フィーチャー数以上の場合には、提示対象設計ルールを出力する(工程S408)。
【0053】
図5は、入出力部の画面の一例を拡大して示したものである。
【0054】
本図においては、破線で示す新規フィーチャー501に関する設計ルール502、504を既存フィーチャー503、505に表示している。ここで、設計ルール502は、縁のフィーチャーに関する設計ルールであるため、縁の既存フィーチャー503から吹き出しの表示をする。同様に、設計ルール504は、穴のフィーチャーに関する設計ルールであるため、穴の既存フィーチャー505から吹き出しの表示をする。
【0055】
これにより、既存フィーチャー503、505との位置関係を確認しながら、必要な設計ルールを把握できる。さらに、新規フィーチャー近傍に提示対象設計ルールを全て表示するよりも、表示位置が分散されるため、視認性が向上する。また、設計ルールを表示している既存フィーチャー503のように、外形線の太さを太くすること、色を変えることなどによってハイライトすることで、視認性を更に向上させることができる。
【0056】
さらに、外形線の太さを太くすること、色を変えることなどによるハイライトをした場合、ユーザがハイライトする領域を変更させ、設計ルールの表示範囲を変更することが可能である。これにより、ユーザは、見たい範囲の設計ルールのみを確認することができ、更に視認性が向上する。
【0057】
なお、設計ルール特定部107は、第一設計項目と第二設計項目とを用いて、違反している箇所の設計ルールのみを特定してもよい。
【0058】
さらに、表示されている設計ルール中で、設計者が認識した設計ルールは、色を変えるなど、設計者が認識済みの設計ルールと、未認識の設計ルールとを明確に区別することで、設計ルールの認識漏れを防止することができる。設計者の認識を入力する方法としては、設計者による吹き出しなどの設計ルールの表示部分をクリックする方法、設計者の音声、視線、ジェスチャーなどをマイクやカメラから入力する方法などがある。
【0059】
図6は、入出力部の画面の別の例を示したものである。
【0060】
本図に示す既存フィーチャー610は、穴の既存フィーチャー611を有する。既存フィーチャー610には、一例として、穴のフィーチャー601と、この穴のフィーチャー601のパターンに基づくフィーチャー602、603、604とを新規フィーチャーとして追加している。
【0061】
ハイライトするフィーチャーが多い場合、設計ルール表示部605を別枠で設けておき、ハイライトするフィーチャーに関する設計ルール606を、ユーザが選択できるようにしておいてもよい。さらに、例えば穴のフィーチャー601~604の+Z面(上面)をスケッチしている場合でも、隠れ線も含めてハイライトすることで、見えない位置にあるフィーチャーでも、注意しなくてはいけないフィーチャーを把握しながら、フィーチャーの形や位置を確定することができる。
【0062】
なお、本開示は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は、本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
【0063】
上記の各構成、機能、処理部、処理手段などは、それらの一部または全部を、例えば集積回路などのハードウェアで実現してもよい。上記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈して実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記録装置、または、フラッシュメモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)などの記録媒体に置くことができる。
【0064】
各実施例において、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0065】
さらに、本開示の変形例としては、例えば、次の(a)及び(b)のようなものがある。
【0066】
(変形例(a))
本変形例においては、設計ルールに加え、設計ルール適用領域に含まれる複数のフィーチャーのパラメータ(穴径など)及び相対的位置が類似であると判定された実績形状を表示する。ここで、実績形状は、製品としての品質をすべて満たす実績を有する形状である。言い換えると、製品としての所定の条件のすべてを満たすと経験的に認められた実績を有する形状である。したがって、実績形状においては、設計ルールに含まれていない要件も満足されている。
【0067】
途中まで作成した設計図に実績形状を重ねて表示することで、製品としての実績を有する形状を参考としながら、新規フィーチャーのパラメータや位置を定義できる。
【0068】
図7は、変形例(a)の設計支援装置を示す構成図である。
【0069】
本図に示す設計支援装置700においては、実績形状データベース709が設けられている。また、設計ルール特定部107と表示制御部108との間には、実績形状特定部710が設けられている。実績形状データベース709には、実績形状並びにフィーチャーのパラメータ及び相対的位置のパターンがあらかじめ登録されている。言い換えると、実績形状データベース709には、実績形状並びにフィーチャーのパラメータ及び相対的位置についてのデータがあらかじめ記録されている。実績形状特定部710は、類似の実績形状を特定するものである。言い換えると、実績形状特定部710は、実績形状データベース709に記録されている実績形状のうち適用可能な実績形状を特定するものである。
【0070】
なお、本変形例においては、設計支援デバイスは、実績形状特定部710を含む。また、設計支援デバイスは、実績形状データベース709を含んでいてもよい。
【0071】
図8は、変形例(a)の入出力部の画面の一例を示す拡大図である。
【0072】
本図においては、途中まで作成した設計図に実績形状806を重ねて示している。
【0073】
(変形例(b))
本変形例においては、設計ルールに加え、設計ルール適用領域に含まれる複数のフィーチャーのパラメータ(穴径など)及び相対的位置が類似であると判定された最適形状を表示する。ここで、最適形状は、シミュレーションや実験などによって求められた、一部の要件において最適な形状である。言い換えると、製品としてのすべての要件を満たすとは限らないが、所定の仮定の下で最適とされた形状である。
【0074】
途中まで作成した設計図に最適形状を重ねて表示することで、理想の形状を参考としながら、新規フィーチャーのパラメータや位置を定義できる。
【0075】
図9は、変形例(b)の設計支援装置を示す構成図である。
【0076】
本図に示す設計支援装置900においては、最適形状データベース911が設けられている。また、設計ルール特定部107と表示制御部108との間には、最適形状特定部912が設けられている。最適形状データベース911には、最適形状並びにフィーチャーのパラメータ及び相対的位置のパターンがあらかじめ登録されている。言い換えると、最適形状データベース911には、最適形状並びにフィーチャーのパラメータ及び相対的位置についてのデータがあらかじめ記録されている。最適形状特定部912は、類似の最適形状を特定するものである。言い換えると、最適形状特定部912は、最適形状データベース911に記録されている最適形状のうち適用可能な最適形状を特定するものである。
【0077】
なお、本変形例においては、設計支援デバイスは、最適形状特定部912を含む。また、設計支援デバイスは、最適形状データベース911を含んでいてもよい。
【0078】
図10は、変形例(b)の入出力部の画面の一例を示す拡大図である。
【0079】
本図においては、途中まで作成した設計図に最適形状1006を重ねて示している。
【0080】
なお、上記の説明に記載の「類似」とは、設計ルール、フィーチャーのパラメータ及び相対的位置等の観点から、設計中の部品(設計対象ボディ)に適用可能なフィーチャーを有することをいう。
【0081】
類似と判定するためのフィーチャーのパラメータには、穴径などの寸法に代表される数値情報のほか、材料情報、製造方法、用途などの文字列情報が含まれていてもよい。
【0082】
また、変形例(a)と変形例(b)とを組み合わせてもよく、この場合、設計ルールに含まれていない要件を満足した形状と、一部の要件における理想の形状とを参考としながら、新規フィーチャーのパラメータや位置を定義できる。
【0083】
なお、上述の実施形態においては、フィーチャーが設計対象物の形状及び位置に関する設計項目である場合について説明をしているが、本開示の実施形態は、これに限定されるものではなく、次のような別の実施形態も考えられる。
【0084】
例えば、新規フィーチャーとして、設計対象物の機能である板材の質量、体積、強度、断熱性能等に関する設計項目をユーザが入力してもよい。
【0085】
この場合の例としては、次のようなものがある。
【0086】
軽量化の観点から、洗濯乾燥機の筐体を構成する鋼板の質量を小さくする要請がある場合に、質量を小さくするためには、例えば、鋼板の厚さを薄くすることが考えられる。この場合、鋼板の質量を新規フィーチャーとしてユーザが入力する。
【0087】
設計支援装置は、この入力を受け、鋼板の強度等を計算に入れて、許容される鋼板の厚さ、強度を維持するために追加する補強部材の位置、筐体の形状の変更可能な範囲等の設計ルールを出力する。
【0088】
また、冷蔵庫の庫内容積拡大の観点から、冷蔵庫の断熱材の厚さを薄くする要請がある場合に、断熱材の厚さ及び適用可能な真空断熱材の種類を新規フィーチャーとしてユーザが入力する。
【0089】
設計支援装置は、この入力を受け、断熱性能等を計算に入れて、真空断熱材の配置や、場合によっては冷媒配管、外部に放熱するための凝縮器の位置等の設計ルールを出力する。
【0090】
上記のような設計ルールに基づくフィーチャーをユーザの判断により確定する。
【0091】
設計支援装置の適用対象としては、上記の例だけでなく、例えば、鉄道車両の構体、飛行機の翼等、様々な製品が含まれる。
【0092】
よって、新規フィーチャー、すなわち第一設計項目は、設計対象物の形状及び位置だけでなく、質量、体積、強度、断熱性能等の各種情報であってもよい。
【0093】
さらに、ユーザがフィーチャーの修正を求める場合について、次に説明する。
【0094】
例えば、従来の製品を構成する板材に穴が設けてある場合であって、この穴の直径を大きくする場合が考えられる。この場合、従来の製品の穴の直径が既存フィーチャーである。この穴の直径を大きくするというのは、第一設計項目の修正に該当する。
【0095】
また、ユーザがフィーチャーの除去を求める場合について、次に説明する。
【0096】
例えば、既存フィーチャーとして補強部材がある場合に、この補強部材を除去することが考えられる。この場合、補強部材の除去が第一設計項目の除去に該当する。そして、この場合、製品の強度を維持するため、他の部分の厚さ等の寸法を変更するといった設計ルールの変更が必要となると考えられる。設計支援デバイスは、そのような変更の候補となる設計ルールを出力する。
【0097】
つぎに、本開示の効果についてまとめて説明する。
【0098】
本開示によれば、設計者が変更しようとするフィーチャーを確定させる前に、つまり、変更対象のフィーチャーが設計項目記憶部に記憶される前に、設計ルール等の適否について明示することができる。そして、設計者が適切な3D-CADモデルを容易に作成することができるようにし、設計ルール等を十分に把握していない設計者であっても、安心して設計を進めることができるようにすることができる。
【0099】
最後に、本開示の設計支援方法についてまとめとして説明する。
【0100】
設計支援方法は、受信部が、ユーザが入力する第一設計項目を受信し、設計項目特定部が、設計項目記憶部に記憶された設計項目から第一設計項目と関係する第二設計項目を特定し、設計ルール特定部が、第一設計項目と第二設計項目とを用いて、設計対象物の設計上のルールである設計ルールを特定し、出力部が、設計ルールを出力する。
【0101】
また、設計支援方法は、受信部が、ユーザが変更をするために入力をした設計対象物の各種情報を含む第一設計項目を受信し、設計項目特定部が、第一設計項目、及び第一設計項目に関係する第二設計項目を特定し、設計ルール特定部が、第一設計項目及び第二設計項目を用いて、設計対象物の設計上のルールである設計ルールを特定し、第一設計項目を第二設計項目とする前に、出力部が、設計ルール特定部により特定された設計ルールを出力する。
【0102】
なお、本開示の設計支援方法は、クラウド上で実施することもできる。その場合、図1等に示す設計支援装置の構成要素のうち、入出力部は、ユーザの端末であり、それ以外の構成要素は、インターネットのプロバイダ等が設置しているサーバーに内蔵されている。したがって、サーバーとユーザの端末とがシステム(設計支援システム)を構成している。
【符号の説明】
【0103】
100、700、900:設計支援装置、101:入出力部、102:3D-CADデータ入力部、103:新規フィーチャー入力部、104:設計項目記憶部、105:既存フィーチャー特定部、106:設計ルール適用既存フィーチャー抽出部、107:設計ルール特定部、108:表示制御部、109:設計ルールデータベース、501:新規フィーチャー、502、504、606:設計ルール、503、505、610:既存フィーチャー、601:穴のフィーチャー、602、603、604:フィーチャー、611:穴の既存フィーチャー、605:設計ルール表示部、709:実績形状データベース、710:実績形状特定部、911:最適形状データベース、912:最適形状特定部、1006:最適形状。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10