(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116054
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】乾燥装置
(51)【国際特許分類】
F26B 15/00 20060101AFI20230815BHJP
F26B 25/00 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
F26B15/00 B
F26B15/00 D
F26B25/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022018604
(22)【出願日】2022-02-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】595080887
【氏名又は名称】株式会社ヒートエナジーテック
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 淳一
【テーマコード(参考)】
3L113
【Fターム(参考)】
3L113AA02
3L113AB02
3L113AC04
3L113AC35
3L113AC41
3L113AC44
3L113AC48
3L113AC67
3L113AC76
3L113BA04
3L113CB22
3L113DA30
(57)【要約】
【課題】被乾燥物の外側面の外側から外側面全体に向けて乾燥用ガスを直接噴出することができる乾燥装置を提供する。
【解決手段】実施形態の乾燥装置40は、ワークWが搬送される搬送通路85と、搬送通路85においてワークWを搬送する搬送装置90と、搬送通路85に沿って設けられ、乾燥用ガスが導入されるガス噴出部本体51と、ワークWの外側面の周囲を囲い、ワークWの外側面に向けてガス噴出部本体51に導入された乾燥用ガスを噴出する乾燥用ガス噴出部120とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被乾燥物が搬送される搬送通路と、
前記搬送通路において前記被乾燥物を搬送する搬送装置と、
前記搬送通路に沿って設けられ、乾燥用ガスが導入されるガス噴出部本体と、
前記被乾燥物の外側面の周囲を囲い、前記被乾燥物の外側面に向けて前記ガス噴出部本体に導入された乾燥用ガスを噴出する乾燥用ガス噴出部と
を具備することを特徴とする乾燥装置。
【請求項2】
前記乾燥用ガス噴出部は、
前記被乾燥物の外側面の周囲を囲うことが可能な環状のガスチャンバ本体と、
前記ガス噴出部本体の前記搬送通路に面する通路側壁部を貫通する管状部材で構成され、一端側に前記ガス噴出部本体内の乾燥用ガスを導入する導入口を有し、他端側に前記ガスチャンバ本体を備える管状部と、
前記ガスチャンバ本体および前記管状部を進退させる駆動装置と
を備え、
前記ガスチャンバ本体は、前記ガス噴出部本体の前記通路側壁部側から前記被乾燥物の周囲に進退可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の乾燥装置。
【請求項3】
前記被乾燥物の外側面の周囲を囲う際に前記被乾燥物の外側面に対向する前記ガスチャンバ本体の内壁に、乾燥用ガスを噴出する噴出孔を備えることを特徴とする請求項2記載の乾燥装置。
【請求項4】
前記ガスチャンバ本体は、環状構造体で構成されていることを特徴とする請求項2または3記載の乾燥装置。
【請求項5】
前記駆動装置は、
一端が前記管状部の一端側に接続され、他端側が前記搬送通路側とは異なる側に前記ガス噴出部本体を貫通し、前記管状部を支持する棒状部材と、
前記棒状部材の他端側に設けられ、前記棒状部材を介して前記ガスチャンバ本体を進退させる駆動部と
を備えることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項記載の乾燥装置。
【請求項6】
前記ガス噴出部本体の前記通路側壁部は、
前記搬送通路を挟むように対向して配置された第1の通路側壁部および第2の通路側壁部を備え、
前記ガスチャンバ本体は、
半割環状構造体で構成される第1の半割ガスチャンバ本体と、
半割環状構造体で構成される第2の半割ガスチャンバ本体と
を備え、
前記管状部は、
前記第1の通路側壁部を貫通する管状部材で構成され、一端側に前記ガス噴出部本体内の乾燥用ガスを導入する第1の導入口を有し、他端側に前記第1の半割ガスチャンバ本体を備える第1の管状部と、
前記第2の通路側壁部を貫通する管状部材で構成され、一端側に前記ガス噴出部本体内の乾燥用ガスを導入する第2の導入口を有し、他端側に前記第2の半割ガスチャンバ本体を備える第2の管状部と
を備え、
前記駆動装置は、
前記第1の半割ガスチャンバ本体および前記第1の管状部を進退させる第1の駆動装置と、
前記第2の半割ガスチャンバ本体および前記第2の管状部を進退させる第2の駆動装置と
を備え、
前記第1の半割ガスチャンバ本体と前記第2の半割ガスチャンバ本体とが前記搬送通路を介して対向して配置され、
前記第1の半割ガスチャンバ本体は、前記第1の通路側壁部側から前記被乾燥物の周囲に進退可能に設けられ、前記第2の半割ガスチャンバ本体は、前記第2の通路側壁部側から前記被乾燥物の周囲に進退可能に設けられ、
前記第1の半割ガスチャンバ本体と前記第2の半割ガスチャンバ本体とを前記被乾燥物の周囲に移動して合体させることで環状の前記ガスチャンバ本体を構成することを特徴とする請求項2または3記載の乾燥装置。
【請求項7】
前記第1の駆動装置は、
一端が前記第1の管状部の一端側に接続され、他端側が前記搬送通路側とは異なる側に前記ガス噴出部本体を貫通し、前記第1の管状部を支持する第1の棒状部材と、
前記第1の棒状部材の他端側に設けられ、前記第1の棒状部材を介して前記第1の半割ガスチャンバ本体を進退させる第1の駆動部と
を備え、
前記第2の駆動装置は、
一端が前記第2の管状部の一端側に接続され、他端側が前記搬送通路側とは異なる側に前記ガス噴出部本体を貫通し、前記第2の管状部を支持する第2の棒状部材と、
前記第2の棒状部材の他端側に設けられ、前記第2の棒状部材を介して前記第2の半割ガスチャンバ本体を進退させる第2の駆動部と
を備えることを特徴とする請求項6記載の乾燥装置。
【請求項8】
前記ガスチャンバ本体の形状が、前記被乾燥物の形状に対応させて設定されていることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項記載の乾燥装置。
【請求項9】
前記搬送装置は、所定時間の前記被乾燥物の搬送と所定時間の前記被乾燥物の搬送停止を繰り返し実行することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の乾燥装置には、乾燥用ガスを高速で噴出して被乾燥物に衝突させ、被乾燥物を乾燥させるガス噴出型の乾燥装置がある。このようなガス噴出型の乾燥装置においては、被乾燥物に乾燥用ガスを高速で衝突させることで熱伝達を向上させている。
【0003】
従来のガス噴出型の乾燥装置では、乾燥用ガスを噴出する複数の噴出ノズルを備える。噴出ノズルは、被乾燥物が搬送される方向に沿って搬送通路を挟むように対向して配置されている。そのため、乾燥用ガスは、被乾燥物の搬送方向に対して垂直な方向から噴出される。
【0004】
これによって、噴出ノズルから噴出された乾燥用ガスは、噴出ノズルに対向する側の被乾燥物の側面に向けて噴出される。すなわち、噴出ノズルから噴出された乾燥用ガスは、乾燥物の側面のみに直接衝突する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、従来の乾燥装置においては、噴出ノズルから噴出された乾燥用ガスは、被乾燥物の側面のみに直接衝突する。そのため、噴出ノズルから噴出された乾燥用ガスは、被乾燥物の正面や背面には直接衝突しない。そのため、被乾燥物の正面や背面では、熱伝達が促進されない。なお、正面とは、搬送方向の前方側の面であり、背面とは、搬送方向の後方側の面である。
【0007】
このように従来の乾燥装置においては、噴出ノズルから被乾燥物の外側面全体に向けて乾燥用ガスを直接噴出することはできない。すなわち、従来の乾燥装置においては、噴出ノズルから噴出された乾燥用ガスを被乾燥物の外側面全体に直接衝突させることはできない。これによって、被乾燥物の外側面に温度斑が生じて、被乾燥物を適正に乾燥できないことがある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、被乾燥物の外側面の外側から外側面全体に向けて乾燥用ガスを直接噴出することができる乾燥装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の乾燥装置は、被乾燥物が搬送される搬送通路と、前記搬送通路において前記被乾燥物を搬送する搬送装置と、前記搬送通路に沿って設けられ、乾燥用ガスが導入されるガス噴出部本体と、前記被乾燥物の外側面の周囲を囲い、前記被乾燥物の外側面に向けて前記ガス噴出部本体に導入された乾燥用ガスを噴出する乾燥用ガス噴出部とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の乾燥装置によれば、被乾燥物の外側面の外側から外側面全体に向けて乾燥用ガスを直接噴出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施の形態の乾燥装置を備えた乾燥設備の概要を模式的に示した図である。
【
図2】第1の実施の形態の乾燥装置における、ワークの搬送方向に垂直な断面を示す図である。
【
図4】ガスチャンバ本体がワークの外側面の周囲を囲った状態における、第1の実施の形態の乾燥装置のワークの搬送方向に垂直な断面を示す図である。
【
図6】第2の実施の形態の乾燥装置の水平断面の一部を示す図である。
【
図8】ガスチャンバ本体がワークの外側面の周囲を囲った状態における、第2の実施の形態の乾燥装置の水平断面の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の乾燥装置40を備えた乾燥設備1の概要を模式的に示した図である。
【0014】
図1に示すように、乾燥設備1は、燃焼装置10と、燃焼装置10から排出された乾燥用ガスによってワークWを乾燥させる乾燥装置40とを備える。なお、ワークWは、被乾燥物として機能する。この乾燥設備1は、乾燥装置40に導入した乾燥用ガスの一部を燃焼装置10に戻す循環式の乾燥設備である。
【0015】
燃焼装置10は、燃料と酸化剤(空気中の酸素)を燃焼させて燃焼ガスを生成する。燃焼装置10は、燃焼室15と、バーナ20とを備える。
【0016】
燃焼室15は、内部空間を有する筐体である。燃焼室15の一端15aには、バーナ20が備えられている。バーナ20は、バーナ本体21と、燃料供給管22と、給気ファン23とを備える。
【0017】
燃料供給管22は、燃料供給源24から燃料をバーナ本体21に導く。燃料供給管22には、バーナ本体21に導入する燃料の流量を調整する流量調整弁25が設けられている。
【0018】
給気ファン23は、燃焼用の空気をバーナ本体21に供給する。なお、バーナ本体21に空気を供給する燃焼用空気供給装置は、給気ファン23に限らず、コンプレッサやブロアでもよい。
【0019】
バーナ本体21では、燃料供給管22から導入された燃料および給気ファン23から導入された空気が燃焼し、燃焼ガスを生成する。燃焼ガスは、燃焼室15の内部に広がる。
【0020】
燃焼室15の他端15bには、内部の燃焼ガスを排出するための排出口(図示しない)を有する。また、燃焼室15内の他端15b側には、例えば、
図1に示すように、断面に亘ってフィルタ16が設けられている。このフィルタ16は、排出口に向かって流れる乾燥用ガス中の異物を除去する。
【0021】
乾燥装置40は、燃焼室15から排出された乾燥用ガスによってワークWを乾燥させる。
図1には、ワークWを搬送する搬送通路85の方向、すなわちワークWの搬送方向に垂直な断面が示されている。乾燥装置40は、ワークWの搬送方向に延設されている。
【0022】
乾燥装置40は、ワークWに乾燥用ガスを噴出するための構成を備えるガス噴出部50と、ワークWを搬送通路85に沿って搬送する搬送装置90とを備える。ガス噴出部50は、乾燥用ガスが導入される乾燥用ガス導入空間54を備える。なお、乾燥装置40の構成については、後述する。
【0023】
ガス噴出部50の乾燥用ガス導入空間54は、導入管30を介して燃焼室15に連通している。導入管30の一端は、燃焼室15の排出口(図示しない)に連結され、導入管30の他端は、ガス噴出部50に連結されている。
【0024】
なお、ガス噴出部50における導入管30との連結部は、一箇所に限らず、複数個所であってもよい。連結部が複数ある場合、例えば、導入管30の他端側は、連結部の数に対応して複数に分岐される。
【0025】
導入管30には、戻り配管33を介して乾燥装置40から燃焼室15に乾燥用ガスを戻すための循環ファン31が介在している。なお、循環ファン31は、導入管30を介して燃焼室15からガス噴出部50に乾燥用ガスを導入するための機能も備えている。
【0026】
循環ファン31では、例えば、ファンモータ32を制御してファン回転数を調整することで、ガス噴出部50に供給される乾燥用ガスの流量が調整される。循環ファン31は、例えば、シロッコファンやターボファンなどで構成される。
【0027】
乾燥装置40の搬送通路85は、戻り配管33を介して燃焼室15に連通している。戻り配管33の一端は、搬送通路85と連通するように設けられている。なお、戻り配管33の一端が配置される搬送通路85は、ワークWを乾燥する領域である。
【0028】
ここで、戻り配管33は、乾燥用ガス導入空間54を貫通しないように配管された一例を示している。なお、戻り配管33は、例えば、乾燥用ガス導入空間54を貫通して配管されてもよい。また、戻り配管33の一端を複数に分岐して、搬送通路85の複数の位置から乾燥用ガスを吸引するようにしてもよい。
【0029】
戻り配管33の他端は、燃焼室15の側壁に連結されている。戻り配管33の他端が連結される側壁位置は、例えば、
図1に示すように、フィルタ16とバーナ20との間となるように設定される。これによって、戻り配管33を通って燃焼室15内に循環された乾燥用ガスは、再び燃焼室15から導入管30に導入される際、フィルタ16を通り異物が除去される。
【0030】
戻り配管33の他端側には、大気導入管34が接続されている。大気導入管34の一方の端部は、大気開放されている。大気導入管34は、戻り配管33を介して乾燥装置40から燃焼室15に戻る乾燥用ガスに、大気(空気)を導入するための配管である。すなわち、大気導入管34の大気開放側の端部から大気を吸い込み、戻り配管33に導入する。
【0031】
大気導入管34には、戻り配管33に導入する空気の流量を調整するための流量調整部35が備えられている。この流量調整部35は、例えば、ダンパなどで構成される。なお、ダンパの開度は、例えば、一定の流量の空気が戻り配管33に導入されるように調整されている。
【0032】
すなわち、燃焼室15から導入管30に導入される乾燥用ガスは、バーナ20によって生成された燃焼ガスと、戻り配管33から燃焼室15に循環される大気を含む乾燥用ガスとの混合ガスである。
【0033】
なお、図示していないが、乾燥装置40は、搬送通路85の乾燥用ガスを排気する排気管を備える。排気管の一端も、戻り配管33と同様に、搬送通路85と連通するように設けられている。なお、排気管は、例えば、乾燥用ガス導入空間54を貫通して配管されても、乾燥用ガス導入空間54を貫通しないように配管されてもよい。
【0034】
次に、乾燥装置40の構成について説明する。
【0035】
図2は、第1の実施の形態の乾燥装置40における、ワークWの搬送方向に垂直な断面を示す図である。
図3は、
図2のA-A断面を示す図である。なお、
図2において、駆動装置150については断面で示していない。
【0036】
図2および
図3に示すように、乾燥装置40は、ガス噴出部50と、搬送通路85と、搬送装置90と、制御装置100とを備える。
【0037】
ガス噴出部50は、ワークWに乾燥用ガスを噴出するための構成を備える。ガス噴出部50は、搬送通路85に沿って、搬送通路85を囲うように設けられている。換言すると、ガス噴出部50は、ワークWの搬送方向に沿って、搬送されるワークWを囲うように設けられている。
【0038】
ガス噴出部50は、ガス噴出部本体51と、乾燥用ガス噴出部120とを備えている。
【0039】
ガス噴出部本体51は、外部ケーシング52と、内部ケーシング53とを備える。外部ケーシング52は、乾燥装置40の外郭を構成する。外部ケーシング52は、例えば、断面が矩形の筒状形状を有する。
【0040】
外部ケーシング52の内側には、外部ケーシング52に沿って内部ケーシング53が備えられている。内部ケーシング53は、例えば、断面形状が逆U字状(コ字状)の筒状形状を有する。なお、内部ケーシング53は、搬送通路85に面するガス噴出部本体51の通路側壁部として機能する。また、内部ケーシング53の天井壁53bは、例えば、平板状部材で構成される。
【0041】
外部ケーシング52と内部ケーシング53との間には、所定の間隙が設けられている。そして、外部ケーシング52と内部ケーシング53との間には、搬送通路85に沿って断面形状が逆U字状(コ字状)の空間が形成されている。
【0042】
この逆U字状の空間のうち、例えば、下方側には封止板55が備えられている。ここで、封止板55よりも上方の逆U字状の空間は、乾燥用ガスが導入される乾燥用ガス導入空間54を構成している。
【0043】
なお、逆U字状の空間のうち、封止板55よりも下方側には、乾燥用ガスは流れない。乾燥用ガス導入空間54における搬送通路85方向の両端は、封鎖されている。
【0044】
乾燥用ガス導入空間54には、導入管30から乾燥用ガスが導入される。なお、前述したように、ガス噴出部50(ガス噴出部本体51)と導入管30の接続部は、一箇所に限られない。分岐された複数の導入管30がガス噴出部本体51と連結されてもよい。ガス噴出部本体51と導入管30の接続部の位置および連結箇所数は、乾燥用ガス導入空間54に導入された乾燥用ガスの圧力分布が均一になるように設定されることが好ましい。
【0045】
内部ケーシング53の側壁53aは、平板状部材で構成される。すなわち、2つの側壁53aは、搬送通路85を挟むように対向して配置されている。側壁53aは、例えば、鉛直方向に立設されている。また、側壁53aは、例えば、搬送されるワークWと側壁53aとの距離が、搬送方向に亘って一定となるように配置されている。
【0046】
内部ケーシング53内には、乾燥するワークWを搬送する搬送通路85が形成されている。内部ケーシング53の両端は、開口している。そして、内部ケーシング53の一端は、搬送通路85の入口であり、内部ケーシング53の他端は、搬送通路85の出口である。
【0047】
搬送通路85の底部には、搬送装置90が備えられている。搬送装置90は、例えば、レール91と、駆動部92と、支持部93とを備える。
【0048】
レール91は、乾燥装置40(外部ケーシング52)の床上に搬送方向に亘って配置されている。例えば、2本のレール91は、等間隔に配置されている。支持部93は、例えば、駆動部92上に配置され、ワークWを支持する。支持部93は、例えば、ワークWを下方から安定して支持する棒状部材などで構成される。
【0049】
駆動部92は、支持部93および支持部93に支持されたワークWをレール91に沿って移動可能な駆動機構を備える。
【0050】
なお、搬送装置90の構成は、これに限られない。搬送装置90は、搬送通路85に沿ってワークWを搬送方向に移動可能な構成であればよい。搬送装置90は、例えば、ワークWをワイヤなどに吊り下げて搬送する吊り下げ式搬送装置で構成されてもよい。
【0051】
ここで、乾燥装置40におけるワークWの搬送形態として、例えば、タクト運転が採用される。タクト運転は、一定時間間隔で断続的にワークWを搬送する運転である。すなわち、タクト運転では、所定時間のワークWの搬送と所定時間のワークWの搬送停止が繰り返し行われる。
【0052】
次に、乾燥用ガス噴出部120について説明する。
【0053】
図4は、ガスチャンバ本体130がワークWの外側面の周囲を囲った状態における、第1の実施の形態の乾燥装置40のワークWの搬送方向に垂直な断面を示す図である。
図5は、
図2のB-B断面を示した図である。なお、
図5では、ガスチャンバ本体130以外の構成は、省略されている。
【0054】
図2~
図4に示すように、乾燥用ガス噴出部120は、ガスチャンバ本体130と、管状部140と、駆動装置150とを備える。
【0055】
ガスチャンバ本体130は、搬送通路85内におけるガス噴出部本体51の天井壁53b側から搬送通路85側のワークWの周囲に進退可能に設けられている。この場合、ガスチャンバ本体130は、鉛直方向に進退可能に設けられている。なお、天井壁53bは、通路側壁部の一つとして機能する。
【0056】
ガスチャンバ本体130は、ワークWの外側面の周囲を囲うことが可能な環状筐体で構成されている。このような環状構造体であるガスチャンバ本体130は、内部に環状空間135を有する。
【0057】
図2、
図4および
図5に示すように、ガスチャンバ本体130は、環状内壁131と、環状外壁132と、環状上部壁133と、環状下部壁134とを備える。
【0058】
環状内壁131は、乾燥用ガスをワークWに噴出する際、ワークWの周囲を取り囲む。環状内壁131には、乾燥用ガスを噴出するための複数の噴出孔131aが形成されている。
【0059】
例えば、環状内壁131の形状は、例えば、ワークWの形状に対応させて構成される。なお、ワークWの形状が非対称形状の場合には、環状内壁131の形状もワークWの形状に対応させて非対称形状となる。
【0060】
環状内壁131の形状は、例えば、ワークWと一定の間隔をあけてワークWの外周を囲むように構成される。これによって、ワークWの外側面と噴出孔131aとの距離が一定に維持される。
【0061】
ここで、噴出孔131aとして、環状内壁131を貫通する孔を例示しているが、この形状に限られない。環状内壁131は、例えば、環状内壁131から内側(ワークW側)に突出する管状の噴出部を備えてもよい。
【0062】
また、噴出孔131aは、例えば、環状内壁131の全面に亘って均一に配置されてもよい。また、噴出孔131aの配置構成は、例えば、ワークWの各部位における熱容量に対応させて設定されてもよい。
【0063】
例えば、ワークWにおいて熱容量が大きな部位には、熱容量が小さな部位よりも多くの乾燥用ガスを噴出して衝突させてもよい。すなわち、例えば、ワークWの熱容量が大きな部位に対向する環状内壁131には、熱容量が小さな部位に対向する環状内壁131よりも多くの噴出孔131a、または大口径の噴出孔131aを備えてもよい。この場合には、複数の噴出孔131aは、環状内壁131に不均一に形成される。
【0064】
環状外壁132は、環状内壁131と所定の間隙をあけて環状内壁131の外周に設けられている。環状上部壁133は、環状内壁131と環状外壁132の間隙の上端を塞ぐように設けられている。環状下部壁134は、環状内壁131と環状外壁132の間隙の下端を塞ぐように設けられている。
【0065】
環状内壁131および環状外壁132の鉛直方向の高さは、
図4に示すように、例えば、ワークWの鉛直方向の高さに対応して設定される。環状内壁131および環状外壁132の鉛直方向の高さは、例えば、ワークWの外側面のすべてを囲うように、ワークWの鉛直方向の高さ以上に設定される。
【0066】
このような構成のガスチャンバ本体130には、
図5に示すように、環状内壁131、環状外壁132、環状上部壁133および環状下部壁134に囲まれる環状空間135が形成される。この環状空間135には、管状部140から乾燥用ガスが供給される。
【0067】
管状部140は、中空の管状部材で構成される。管状部140は、直管で構成される。この管状部140は、天井壁53bを貫通するように配置されている。
【0068】
天井壁53bには、管状部140を搬送通路85側に進退させるための貫通孔53cが形成されている。換言すると、天井壁53bには、管状部140を貫通させるとともに、管状部140を搬送通路85側に突出させたり、乾燥用ガス導入空間54側に引っ込めるための貫通孔53cが形成されている。このように、管状部140は、貫通孔53cを進退方向に移動する部分である。
【0069】
管状部140の一端側には、環状空間135に乾燥用ガスを導入するための導入孔141が形成されている。環状内壁131の噴出孔131aから噴出される乾燥用ガスの流量は、例えば、導入孔141の開口面積や導入孔141の数などで調整される。なお、管状部140の一端は、後述する駆動装置150の棒状部材151と接続されている。
【0070】
管状部140の他端は、環状上部壁133に形成された連結孔136に連結されている。すなわち、管状部140の他端には、ガスチャンバ本体130が連結されている。
【0071】
なお、タクト運転において、ワークWの移動が所定時間停止されたときに、
図4に示すように、ガスチャンバ本体130は、ワークWを囲む位置に移動され、乾燥用ガスを噴出する。
【0072】
駆動装置150は、ガスチャンバ本体130および管状部140を進退させる。駆動装置150は、棒状部材151と、駆動部152とを備える。
【0073】
棒状部材151は、ガスチャンバ本体130および管状部140を鉛直方向に移動可能に支持している。棒状部材151は、例えば、円筒状または円柱状の棒状部材で構成される。
【0074】
棒状部材151の一端は、ガスチャンバ本体130および管状部140を搬送通路85側(鉛直方向)に進退することができるように、管状部140の一端に接続されている。
【0075】
棒状部材151は、搬送通路85側とは異なる側に外部ケーシング52の天井壁52aを貫通している。天井壁52aには、棒状部材151を貫通させる貫通孔52bが形成されている。棒状部材151が貫通する貫通孔52bの内周面には、シール部材52cが設けられている。シール部材52cは、棒状部材151の外側面と当接しながら、棒状部材151を進退方向に摺動可能としている。
【0076】
シール部材52cは、例えば、金属製のOリングなどで構成される。シール部材52cを設けることで、乾燥用ガス導入空間54に導入された乾燥用ガスが貫通孔52bと棒状部材151と間の隙間から外部に漏洩することを防止できる。
【0077】
天井壁52aから外部に突出する棒状部材151の他端は、駆動部152に連結されている。駆動部152は、棒状部材151を介してガスチャンバ本体130および管状部140を搬送通路85側に進退駆動する。この際、駆動部152は、ワークWの周囲にガスチャンバ本体130を進退させるように、制御装置100によって制御される。
【0078】
駆動部152としては、特に限定されないが、例えば、エアーシリンダ、ステッピングモータなどで構成される。
【0079】
例えば、タクト運転においてワークWが搬送されている場合、搬送が停止している間、ガスチャンバ本体130は、搬送通路85側に突出する。そして、
図4に示すように、ワークWの周囲にガスチャンバ本体130が移動され、ワークWの外側面に向かって乾燥用ガスが噴出される。そして、搬送が開始する前に、ガスチャンバ本体130は、ワークWの周囲から天井壁53b側の所定位置まで移動される。
【0080】
ここで、乾燥用ガス噴出部120は、搬送方向に少なくとも一つ備えられている。乾燥用ガス噴出部120は、搬送方向に所定の間隔をあけて複数配置されてもよい。例えば、ワークWの搬送形態がタクト運転の場合、ワークWが停止する搬送方向位置毎に乾燥用ガス噴出部120を配置してもよい。
【0081】
また、ここでは、ガスチャンバ本体130内に乾燥用ガスを導入する一つの管状部140を備えた一例が示されているが、この構成に限られない。例えば、複数の管状部140を備えてもよい。この場合、環状上部壁133には、管状部140の一端と連結するための複数の連結孔136が周方向に形成される。そして、各管状部140の一端は、対応する連結孔136に連結されている。
【0082】
例えば、複数の管状部140のうちの一つの管状部140の他端が、前述したように駆動装置150の棒状部材151に連結される。他の管状部140の他端は、封鎖される。なお、各管状部140の他端側には、乾燥用ガス導入空間54の乾燥用ガスを管状部140内に導入する導入孔141が形成される。なお、天井壁53bには、各管状部140に対応して貫通孔53cが形成される。
【0083】
また、複数の管状部140を備える場合、複数の駆動装置150を備えてもよい。この場合、駆動装置150に連結される管状部140において、管状部140の他端が、駆動装置150の棒状部材151に連結される。この場合、各駆動部152は、同期して制御され、乾燥用ガス噴出部120を同じ動作で進退させる。
【0084】
制御装置100は、ガスチャンバ本体130の搬送通路85側への進退を制御する。具体的には、制御装置100は、例えば、ワーク搬送位置検知機構110からの検知信号に基づいて駆動部152を制御してガスチャンバ本体130を搬送通路85側へ進退させる。
【0085】
制御装置100は、ガスチャンバ本体130を搬送通路85側に進退させる際、予め設定された位置にガスチャンバ本体130を停止させることができる。予め設置される位置は、任意に設定可能である。
【0086】
なお、制御装置100は、ガスチャンバ本体130を搬送通路85側へ進退させるために駆動部152を制御する機能を備えるが、この制御装置100の機能は、例えば、乾燥装置40または乾燥設備1を制御する制御装置に備えられてもよい。
【0087】
ワーク搬送位置検知機構110は、ワークWの搬送位置に関する情報を検知する。このワーク搬送位置検知機構110は、乾燥装置40に備えられている。
【0088】
ワーク搬送位置検知機構110は、例えば、非接触センサであるレーザセンサなどで構成される。ここで、
図2および
図4には、ワーク搬送位置検知機構110としてレーザセンサを使用した一例を示している。ワーク搬送位置検知機構110は、レーザ光を出射する出射部111と、出射部111が出射したレーザ光を検知する検知部112とを備える。
【0089】
ここでは、出射部111および検知部112を内部ケーシング53の側壁53aに備えた一例を示している。出射部111と検知部112は、搬送通路85を介して互いに対向して配置されている。
【0090】
また、ここでは、ワークWを搬送駆動する駆動部92を検知することで、ワークWの搬送位置を検知する一例を示している。なお、ワーク搬送位置検知機構110は、ワークWを直接検知可能な位置に設置されてもよい。
【0091】
なお、出射部111および検知部112が搬送通路85内の乾燥用ガスに直接曝されないように、出射部111および検知部112の搬送通路85側には、例えば、耐熱ガラス111a、112aが設けられている。
【0092】
ここで、出射部111と検知部112との間に駆動部92(ワークW)が存在するときには、検知部112は、出射部111から出射されたレーザ光を検知しない。出射部111と検知部112との間にワークWがないときには、検知部112は、出射部111から出射されたレーザ光を検知する。
【0093】
すなわち、制御装置100は、ワーク搬送位置検知機構110からの検知信号に基づいて、タクト運転においてワークWが所定位置に停止していることを検知したとき、駆動部152を制御してガスチャンバ本体130を搬送通路85側へ突出させて、ガスチャンバ本体130をワークWの外側面の周囲に移動する。
【0094】
ここで、制御装置100は、例えば、検知部112が出射部111からのレーザ光を所定時間検知しなくなったことに基づいて、ワークWが所定位置に停止していると判定する。所定時間として、例えば、ワークWが搬送されているときに駆動部92によってレーザ光が遮られる時間以上の時間が設定される。
【0095】
そして、制御装置100は、タクト運転においてワークWが停止している設定時間およびワークWの停止後の経過時間に基づいて、ワークWが再度搬送される前に、駆動部152を制御してガスチャンバ本体130をワークWの周囲から天井壁53b側の所定位置まで移動させる。
【0096】
なお、タクト運転においてワークWが停止する所定位置に対応して、乾燥用ガス噴出部120は配置されている。
【0097】
ここで、ワーク搬送位置検知機構110の構成は、上記した構成に限られない。ワーク搬送位置検知機構110は、例えば、光電センサ、近接スイッチなどの非接触センサで構成されてもよい。
【0098】
また、例えば、搬送装置90の駆動部92において駆動軸の回転を検出するロータリーエンコーダなどが備えられている場合、ワーク搬送位置検知機構110は、パルス信号を出力するロータリーエンコーダで構成されてもよい。この場合、ワークWの搬送方向位置は、ロータリーエンコーダからのパルス信号に基づいて特定される。
【0099】
すなわち、ワーク搬送位置検知機構110は、ワークWの搬送位置に関する情報を検知できる構成であればよい。
【0100】
ここで、タクト運転においてワークWが所定位置に確実に停止する場合には、ワーク搬送位置検知機構110を備えずに、制御装置100によって乾燥用ガス噴出部120の駆動部152を制御することができる。すなわち、制御装置100は、駆動部92を制御する乾燥装置40の制御装置から信号に基づいて、ワークWが所定位置に停止したこと検知したとき、駆動部152を制御してガスチャンバ本体130を搬送通路85側へ突出させて、ガスチャンバ本体130をワークWの外側面の周囲に移動する。
【0101】
そして、制御装置100は、タクト運転においてワークWが停止している設定時間およびワークWの停止後の経過時間に基づいて、ワークWが再度搬送される前に、駆動部152を制御してガスチャンバ本体130をワークWの周囲から天井壁53b側の所定位置まで移動させる。
【0102】
次に、乾燥設備1の作用について説明する。
【0103】
まず、
図1を参照して、乾燥設備1全体における作用を説明する。
【0104】
乾燥設備1の運転開始時において、給気ファン23、循環ファン31が駆動される。
【0105】
バーナ20における燃焼が開始すると、循環ファン31の吸引によって、燃焼室15内の燃焼ガスが乾燥用ガスとして導入管30内に吸引される。導入管30内に吸引された乾燥用ガスは、乾燥装置40のガス噴出部50に導入される。
【0106】
ガス噴出部50の乾燥用ガス導入空間54内に広がった乾燥用ガスは、乾燥用ガス噴出部120のガスチャンバ本体130から搬送通路85に噴出される。なお、乾燥装置40における作用は、後に詳しく説明する。
【0107】
燃焼室15内の乾燥用ガスが循環ファン31によって吸引されるため、燃焼室15内の圧力は、乾燥装置40の搬送通路85内の圧力よりも低くなる。そのため、搬送通路85の乾燥用ガスは、戻り配管33を通り燃焼室15に導かれる。
【0108】
この際、大気導入管34の大気開放側の端部からも空気が吸引される。そして、大気導入管34を介して、所定量の空気が戻り配管33に導入され、燃焼室15に導かれる。
【0109】
戻り配管33を介して燃焼室15に導入された乾燥用ガスおよび空気は、バーナ20における燃焼によって生成した燃焼ガスと混合し、導入管30内に吸引され、前述したように乾燥装置40のガス噴出部50に導入される。
【0110】
このように、燃焼室15において形成された乾燥用ガスの一部は、乾燥装置40を経て燃焼室15に循環される。
【0111】
次に、
図2~
図4を参照して、乾燥装置40における作用を説明する。
【0112】
乾燥用ガスは、
図2に示すように、導入管30を介して乾燥装置40のガス噴出部50に導入される。ガス噴出部本体51内に導入された乾燥用ガスは、乾燥用ガス導入空間54に広がる。
【0113】
制御装置100は、ガスチャンバ本体130を進退させることができる所定位置にワークWが停止していると判定した場合には、駆動部152を制御してガスチャンバ本体130を搬送通路85側へ突出させる。
【0114】
そして、
図4に示すように、ガスチャンバ本体130は、ワークWの外側面の周囲を取り囲む位置まで移動される。制御装置100は、ガスチャンバ本体130がワークWを取り囲む位置で停止するように、駆動部152を制御する。
【0115】
乾燥用ガス導入空間54内の乾燥用ガスは、導入孔141から管状部140内に流入する。管状部140内に流入した乾燥用ガスは、ガスチャンバ本体130の環状空間135に流入して環状空間135内に広がる。環状空間135内に広がった乾燥用ガスは、噴出孔131aからワークWの外側面の全面に向けて噴出される。
【0116】
この際、ワークWの外側面に対向する噴出孔131aから噴出された乾燥用ガスがワークWの外側面に衝突することで、熱伝達が向上する。そのため、乾燥用ガスの熱量を効率的にワークWに伝達することができる。
【0117】
また、制御装置100は、タクト運転においてワークWが停止しているタクト停止設定時間、ワークWが停止してからの経過時間に基づいて、駆動部152を制御してガスチャンバ本体130をワークWの周囲から天井壁53bの近傍の所定位置に移動させる。具体的には、制御装置100は、ワークWが停止してからタクト停止設定時間の所定時間前に、駆動部152を制御してガスチャンバ本体130を天井壁53bの近傍の所定位置に移動させる。
【0118】
ここで、所定時間は、ガスチャンバ本体130をワークWを取り囲む位置から乾燥用ガス導入空間54における天井壁53bの近傍の所定位置まで移動させる時間を考慮して設定される。また、所定位置は、ワークWが搬送される際にガスチャンバ本体130がワークWに接触しない位置である。
【0119】
これによって、ワークWの搬送が開始される前に、ガスチャンバ本体130は、乾燥用ガス導入空間54における天井壁53bの近傍の位置に移動される。
【0120】
上記したように、タクト運転においてワークWが所定位置に停止している間、ワークWは、ガスチャンバ本体130によって外側面側から加熱される。
【0121】
上記したように、第1の実施の形態の乾燥装置40では、乾燥用ガス噴出部120を備えることで、ワークWの外側面の全面に向かって乾燥用ガスを直接噴出することができる。これによって、ワークWの外側面の全面に乾燥用ガスを直接衝突させて加熱することができる。また、乾燥用ガス噴出部120を備えることで、ワークWにおいて温度斑を発生することなく、ワークWを外側面の全面から加熱することができる。
【0122】
このような乾燥用ガスの噴出方式では、噴出された乾燥用ガスの全量をワークWの加熱に寄与させることができる。これによって、ガス噴出部本体51内に導入された乾燥用ガスをワークWを加熱するために有効に利用することができる。
【0123】
そのため、乾燥装置40は、ワークWが搬送される方向に沿って搬送通路を挟むように対向して配置される噴出ノズルを備える従来の乾燥装置に比べて、加熱時間(乾燥時間)を短縮できる。また、乾燥装置40では、ワークWの乾燥時間を短縮することができるため、乾燥装置40の搬送通路85を短くすることができる。
【0124】
(第2の実施の形態)
図6は、第2の実施の形態の乾燥装置41の水平断面の一部を示す図である。
図7は、
図6のC-C断面を示す図である。
図8は、半割ガスチャンバ本体170A、170BがワークWの外側面の周囲を囲った状態における、第2の実施の形態の乾燥装置41の水平断面の一部を示す図である。
【0125】
なお、
図6は、ワークWが半割ガスチャンバ本体170A、170Bが設けられた位置にある際、乾燥装置41の水平断面を上方から見たときの断面図である。また、
図6では、駆動装置190A、190Bについては断面で示していない。
【0126】
第2の実施の形態において、第1の実施の形態の乾燥装置40と同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
【0127】
第2の実施の形態の乾燥装置41は、乾燥用ガス噴出部121以外の構成は、第1の実施の形態の乾燥装置40の構成と同じである。すなわち、乾燥装置41は、ガス噴出部50と、搬送通路85と、搬送装置90と、制御装置100とを備える。ガス噴出部50は、ガス噴出部本体51と、乾燥用ガス噴出部121とを備える。
【0128】
そのため、ここでは、乾燥用ガス噴出部121の構成について主に説明する。
【0129】
図6~
図8に示すように、乾燥用ガス噴出部121は、2つの構成部で構成されている。乾燥用ガス噴出部121は、半割ガスチャンバ本体170A、170Bと、管状部180A、180Bと、駆動装置190A、190Bとを備える。
【0130】
半割ガスチャンバ本体170Aと半割ガスチャンバ本体170Bは、搬送方向に対して垂直かつ水平な方向からワークWを挟み込むことができるように、それぞれ対向して配置されている。半割ガスチャンバ本体170Aおよび半割ガスチャンバ本体170Bは、搬送通路85内において、内部ケーシング53の側壁53a側から搬送通路85側に進退可能に設けられている。そして、半割ガスチャンバ本体170Aおよび半割ガスチャンバ本体170Bは、水平方向に進退可能に設けられている。
【0131】
半割ガスチャンバ本体170Aと半割ガスチャンバ本体170Bとを水平方向に移動させて合体することで、ワークWの周囲を囲う環状のガスチャンバ本体が構成される。
【0132】
搬送通路を挟むように対向して配置された側壁53a、53aには、管状部180A、180Bを搬送通路85側に進退させるための貫通孔200が形成されている。なお、一方の側壁53aは、第1の通路側壁部として機能し、他方の側壁53aは、第2の通路側壁部として機能する。
【0133】
ここで、半割ガスチャンバ本体170Aの構成と半割ガスチャンバ本体170Bの構成は同じである。また、管状部180Aの構成と管状部180Bの構成は同じである。さらに、駆動装置190Aの構成と駆動装置190Bの構成は同じである。そのため、ここでは、半割ガスチャンバ本体170Aの構成、管状部180Aの構成および駆動装置190Aの構成について説明する。
【0134】
なお、半割ガスチャンバ本体170Aの構成、管状部180Aの構成および駆動装置190Aの構成についての説明において、半割ガスチャンバ本体170Aの構成に対応する半割ガスチャンバ本体170Bの構成の符号、管状部180Aの構成に対応する管状部180Bの構成の符号、および駆動装置190Aの構成に対応する駆動装置190Bの構成の符号をかっこ書きで示す。
【0135】
なお、半割ガスチャンバ本体170Aは、第1の半割ガスチャンバ本体として機能し、半割ガスチャンバ本体170Bは、第2の半割ガスチャンバ本体として機能する。管状部180Aは、第1の管状部として機能し、管状部180Bは、第2の管状部として機能する。駆動装置190Aは、第1の駆動装置として機能し、駆動装置190Bは、第2の駆動装置として機能する。
【0136】
半割ガスチャンバ本体170A(170B)は、ワークWの外側面の周囲の一部を囲うことが可能な半環状筐体で構成されている。このような半環状構造体である半割ガスチャンバ本体170A(170B)は、内部に半環状空間176A(176B)を有する。
【0137】
半割ガスチャンバ本体170A(170B)は、半環状内壁171A(171B)と、半環状外壁172A(172B)と、半環状上部壁173A(173B)と、半環状下部壁174A(174B)と、端部封止壁175A(175B)とを備える。
【0138】
半環状内壁171A(171B)は、乾燥用ガスをワークWに噴出する際、ワークWの周囲の一部を取り囲む。半環状内壁171A(171B)には、乾燥用ガスを噴出するための複数の噴出孔210A(210B)が形成されている。
【0139】
例えば、半環状内壁171A(171B)の形状は、例えば、ワークWの形状に対応さて構成される。すなわち、半割ガスチャンバ本体170Aと半割ガスチャンバ本体170Bとを合体させた際、ワークWの形状に対応してワークWの周囲を囲う環状のガスチャンバ本体が構成される。なお、ワークWの形状が非対称形状の場合には、合体させた際、環状のガスチャンバ本体、換言すれば、環状の環状内壁の形状もワークWの形状に対応させて非対称形状となる。
【0140】
半環状内壁171A(171B)の形状は、例えば、ワークWと一定の間隔をあけてワークWの外周の一部を囲むように構成される。これによって、ワークWの外側面と噴出孔210A(210B)との距離が一定に維持される。
【0141】
ここで、噴出孔210A(210B)として、半環状内壁171A(171B)を貫通する孔を例示しているが、この形状に限られない。半環状内壁171A(171B)は、例えば、半環状内壁171A(171B)から内側(ワークW側)に突出する管状の噴出部を備えてもよい。
【0142】
半環状外壁172A(172B)は、半環状内壁171A(171B)と所定の間隙をあけて半環状内壁171A(171B)の外周に設けられている。半環状上部壁173A(173B)は、半環状内壁171A(171B)と半環状外壁172A(172B)の間隙の上端を塞ぐように設けられている。半環状下部壁174A(174B)は、半環状内壁171A(171B)と半環状外壁172A(172B)の間隙の下端を塞ぐように設けられている。2つの端部封止壁175A(175B)は、半環状空間176A(176B)の両端部を塞ぐようにそれぞれ設けられている。
【0143】
このような構成の半割ガスチャンバ本体170A(170B)には、半環状内壁171A(171B)、半環状外壁172A(172B)、半環状上部壁173A(173B)、半環状下部壁174A(174B)および端部封止壁175A(175B)に囲まれる半環状空間176A(176B)が形成される。この半環状空間176A(176B)には、管状部180A(180B)から乾燥用ガスが供給される。
【0144】
なお、半環状内壁171A(171B)および半環状外壁172A(172B)の鉛直方向の高さについては、前述した環状内壁131および環状外壁132の鉛直方向の高さと同じである。
【0145】
管状部180A(180B)の構成は、前述した管状部140の構成と同じである。管状部180A(180B)は、側壁53aの貫通孔200を貫通するように配置されている。管状部180A(180B)は、貫通孔200を進退方向に移動する部分である。
【0146】
管状部180A(180B)の一端側には、半環状空間176A(176B)に乾燥用ガスを導入するための導入孔181A(181B)が形成されている。半環状内壁171A(171B)の噴出孔210A(210B)から噴出される乾燥用ガスの流量は、例えば、導入孔181A(181B)の開口面積や導入孔181A(181B)の数などで調整される。管状部180A(180B)の一端は、後述する駆動装置190A(190B)の棒状部材191A(191B)と接続されている。
【0147】
管状部180A(180B)の他端は、半環状上部壁173A(173B)に形成された連結孔177A(177B)に連結されている。
【0148】
なお、噴出孔210A(210B)の配置構成は、前述した噴出孔131aの配置構成と同じである。
【0149】
駆動装置190A(190B)は、棒状部材191A(191B)と、駆動部192A(192B)とを備える。なお、棒状部材191Aは、第1の棒状部材として機能し、棒状部材191Bは、第2の棒状部材として機能する。駆動部192Aは、第1の駆動部として機能し、駆動部192Bは、第2の駆動部として機能する。
【0150】
棒状部材191A(191B)は、半割ガスチャンバ本体170A(170B)および管状部180A(180B)を水平方向に移動可能に支持している。棒状部材191A(191B)は、例えば、円筒状または円柱状の棒状部材で構成される。
【0151】
棒状部材191A(191B)の一端は、半割ガスチャンバ本体170A(170B)および管状部180A(180B)を搬送通路85側(水平方向)に進退することができるように、管状部180A(180B)の一端に接続されている。
【0152】
棒状部材191A(191B)の他端側は、搬送通路85側とは異なる側に外部ケーシング52の側壁52fを貫通している。側壁52fには、棒状部材191A(191B)を貫通させる貫通孔205が形成されている。棒状部材191A(191B)が貫通する貫通孔205の内周面には、シール部材206が設けられている。シール部材206は、棒状部材191A(191B)の外側面と当接しながら、棒状部材191A(191B)を進退方向に摺動可能としている。
【0153】
なお、シール部材206の構成は、前述したシール部材52eの構成と同じである。シール部材206を設けることで、乾燥用ガス導入空間54に導入された乾燥用ガスが貫通孔205と棒状部材191A(191B)と間の隙間から外部に漏洩することを防止できる。
【0154】
側壁52fから外部に突出する棒状部材191A(191B)の他端は、駆動部192A(192B)に連結されている。駆動部192A(192B)は、棒状部材191A(191B)を介して半割ガスチャンバ本体170A(170B)および管状部180A(180B)を搬送通路85側に進退駆動する。この際、駆動部192A(192B)は、ワークWの周囲に半割ガスチャンバ本体170A(170B)を進退させるように、制御装置100によって制御される。
【0155】
なお、駆動部192A(192B)の構成は、前述した駆動部152の構成と同じである。
【0156】
次に、乾燥装置41における乾燥用ガス噴出部121の作用について説明する。
【0157】
図8に示すように、タクト運転においてワークWが停止した際、半割ガスチャンバ本体170Aは、ワークWの搬送方向に対して垂直かつ水平な一方の方向からワークWの周囲を取り囲む位置まで移動される。また、半割ガスチャンバ本体170Bは、ワークWの搬送方向に対して垂直かつ水平な他方の方向からワークWの周囲を取り囲む位置まで移動される。制御装置100は、半割ガスチャンバ本体170A、170BがワークWを取り囲む位置で停止するように、駆動部192A、192Bを制御する。
【0158】
この際、半割ガスチャンバ本体170Aの端部封止壁175Aと半割ガスチャンバ本体170Bの端部封止壁175Bとが当接して環状のガスチャンバ本体が構成される。
【0159】
乾燥用ガス導入空間54内の乾燥用ガスは、導入孔181A、181Bから管状部180A、180B内に流入する。なお、半割ガスチャンバ本体170Aの端部封止壁175Aと半割ガスチャンバ本体170Bの端部封止壁175Bとが当接する際、導入孔181A、181Bは、乾燥用ガス導入空間54内に位置する。
【0160】
管状部180A、180B内に流入した乾燥用ガスは、半割ガスチャンバ本体170A、170Bの半環状空間176A、176Bに流入して半環状空間176A、176B内に広がる。半環状空間176A、176B内に広がった乾燥用ガスは、ワークWの外側面に対向する噴出孔210A、210BからワークWの外側面の全面に向けて噴出される。
【0161】
この際、噴出孔210A、210Bから噴出された乾燥用ガスがワークWの外側面に衝突することで、熱伝達が向上する。そのため、乾燥用ガスの熱量を効率的にワークWに伝達することができる。
【0162】
また、制御装置100は、タクト運転においてワークWが停止しているタクト停止設定時間、ワークWが停止してからの経過時間に基づいて、駆動部192A、192Bを制御して半割ガスチャンバ本体170A、170BをワークWの周囲から側壁53aの近傍の所定位置に移動させる。具体的には、制御装置100は、ワークWが停止してからタクト停止設定時間の所定時間前に、駆動部192A、192Bを制御して半割ガスチャンバ本体170A、170BをワークWの周囲から側壁53aの近傍の所定位置に移動させる。
【0163】
ここで、所定時間は、半割ガスチャンバ本体170A、170BをワークWを取り囲む位置から乾燥用ガス導入空間54における側壁53aの近傍の所定位置まで移動させる時間を考慮して設定される。また、所定位置は、ワークWが搬送される際に半割ガスチャンバ本体170A、170BがワークWに接触しない位置である。
【0164】
これによって、ワークWの搬送が開始される前に、半割ガスチャンバ本体170A、170Bは、ワークWの周囲から乾燥用ガス導入空間54における側壁53aの近傍の所定位置に移動される。
【0165】
上記したように、タクト運転においてワークWが所定位置に停止している間、ワークWは、半割ガスチャンバ本体170A、170Bによって外側面側から加熱される。
【0166】
第2の実施の形態の乾燥装置41では、乾燥用ガス噴出部121を備えることで、第1の実施の形態の乾燥装置40と同様に、ワークWの外側面の全面に向かって乾燥用ガスを直接噴出することができる。これによって、ワークWの外側面の全面に乾燥用ガスを直接衝突させて加熱することができる。また、乾燥用ガス噴出部121を備えることで、ワークWにおいて温度斑を発生することなく、ワークWを外側面の全面から加熱することができる。
【0167】
このような乾燥用ガスの噴出方式では、噴出された乾燥用ガスの全量をワークWの加熱に寄与させることができる。これによって、ガス噴出部本体51内に導入された乾燥用ガスをワークWを加熱するために有効に利用することができる。
【0168】
そのため、乾燥装置41は、ワークWが搬送される方向に沿って搬送通路を挟むように対向して配置される噴出ノズルを備える従来の乾燥装置に比べて、加熱時間(乾燥時間)を短縮できる。また、乾燥装置41では、ワークWの乾燥時間を短縮することができるため、乾燥装置41の搬送通路85を短くすることができる。
【0169】
さらに、乾燥装置41では、ガスチャンバ本体を半割ガスチャンバ本体170Aと半割ガスチャンバ本体170Bとからなる分割構造とすることで、例えば、逆円錐台形状のようにワークWの形状が上方から下方に向かって小さくなるような場合でも、ガスチャンバ本体は、ワークWの側面全体に対して一定の間隔をあけてワークWの外周を囲うことができる。
【0170】
ここで、例えば、ワークWの形状が非対称形状の場合には、半割ガスチャンバ本体170Aの形状は、半割ガスチャンバ本体170Bの形状と異なる形状に構成されることがある。この場合においても、半割ガスチャンバ本体170Aと半割ガスチャンバ本体170Bとを合体した際には、ワークWの周囲を囲う環状のガスチャンバ本体が構成される。
【0171】
なお、前述した実施の形態では、燃焼装置10において発生した燃焼ガスを乾燥用ガスとして使用した一例を示したが、乾燥用ガスは他の手段で発生させてもよい。例えば、乾燥用ガスとして、電気炉などで加熱された空気を使用してもよい。
【0172】
また、ここでは、ワークWを加熱して乾燥させる乾燥設備の一例を示したがこれに限られるものではない。ワークWを冷却して乾燥させる乾燥設備においても、本実施の形態における乾燥装置40、特にガス噴出部50の構成を適用できる。ワークWを冷却して乾燥させる乾燥設備では、燃焼装置10の代わりに、例えば、空気を冷却する冷却装置が使用される。
【0173】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0174】
1…乾燥設備、10…燃焼装置、15…燃焼室、15a…一端、15b…他端、16…フィルタ、20…バーナ、21…バーナ本体、22…燃料供給管、23…給気ファン、24…燃料供給源、25…流量調整弁、30…導入管、31…循環ファン、32…ファンモータ、33…戻り配管、34…大気導入管、35…流量調整部、40、41…乾燥装置、50…ガス噴出部、51…ガス噴出部本体、52…外部ケーシング、52a、53b…天井壁、52b、53c、200、205…貫通孔、52c、52e、206…シール部材、52f、53a…側壁、53…内部ケーシング、54…乾燥用ガス導入空間、55…封止板、85…搬送通路、90…搬送装置、91…レール、92、152、192A、192B…駆動部、93…支持部、100…制御装置、110…ワーク搬送位置検知機構、111…出射部、111a、112a…耐熱ガラス、112…検知部、120、121…乾燥用ガス噴出部、130…ガスチャンバ本体、131…環状内壁、131a、210A、210B…噴出孔、132…環状外壁、133…環状上部壁、134…環状下部壁、135…環状空間、136、177A、177B…連結孔、140、180A、180B…管状部、141、181A、181B…導入孔、150、190A、190B…駆動装置、151、191A、191B…棒状部材、170A、170B…半割ガスチャンバ本体、171A…半環状内壁、172A…半環状外壁、173A…半環状上部壁、174A…半環状下部壁、175A、175B…端部封止壁、176A、176B…半環状空間、W…ワーク。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被乾燥物が搬送される搬送通路と、
前記搬送通路において前記被乾燥物を搬送する搬送装置と、
前記搬送通路に沿って設けられ、乾燥用ガスが導入されるガス噴出部本体と、
前記ガス噴出部本体の前記搬送通路に面する通路側壁部側から前記被乾燥物の周囲に進退可能に設けられ、前記被乾燥物の外側面の周囲を囲い、前記被乾燥物の外側面に向けて前記ガス噴出部本体に導入された乾燥用ガスを噴出する乾燥用ガス噴出部と
を具備することを特徴とする乾燥装置。
【請求項2】
被乾燥物が搬送される搬送通路と、
前記搬送通路において前記被乾燥物を搬送する搬送装置と、
前記搬送通路に沿って設けられ、乾燥用ガスが導入されるガス噴出部本体と、
前記被乾燥物の外側面の周囲を一定の間隔をあけて囲い、前記ガス噴出部本体に導入された乾燥用ガスを前記被乾燥物の外側面に向けて噴出して前記被乾燥物の外側面に衝突させる乾燥用ガス噴出部と
を具備することを特徴とする乾燥装置。
【請求項3】
前記乾燥用ガス噴出部は、
前記被乾燥物の外側面の周囲を囲うことが可能な環状のガスチャンバ本体と、
前記ガス噴出部本体の前記搬送通路に面する通路側壁部を貫通する管状部材で構成され、一端側に前記ガス噴出部本体内の乾燥用ガスを導入する導入口を有し、他端側に前記ガスチャンバ本体を備える管状部と、
前記ガスチャンバ本体および前記管状部を進退させる駆動装置と
を備え、
前記ガスチャンバ本体は、前記ガス噴出部本体の前記通路側壁部側から前記被乾燥物の周囲に進退可能に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の乾燥装置。
【請求項4】
前記被乾燥物の外側面の周囲を囲う際に前記被乾燥物の外側面に対向する前記ガスチャンバ本体の内壁に、乾燥用ガスを噴出する噴出孔を備えることを特徴とする請求項3記載の乾燥装置。
【請求項5】
前記ガスチャンバ本体は、環状構造体で構成されていることを特徴とする請求項3または4記載の乾燥装置。
【請求項6】
前記駆動装置は、
一端が前記管状部の一端側に接続され、他端側が前記搬送通路側とは異なる側に前記ガス噴出部本体を貫通し、前記管状部を支持する棒状部材と、
前記棒状部材の他端側に設けられ、前記棒状部材を介して前記ガスチャンバ本体を進退させる駆動部と
を備えることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項記載の乾燥装置。
【請求項7】
前記ガス噴出部本体の前記通路側壁部は、
前記搬送通路を挟むように対向して配置された第1の通路側壁部および第2の通路側壁部を備え、
前記ガスチャンバ本体は、
半割環状構造体で構成される第1の半割ガスチャンバ本体と、
半割環状構造体で構成される第2の半割ガスチャンバ本体と
を備え、
前記管状部は、
前記第1の通路側壁部を貫通する管状部材で構成され、一端側に前記ガス噴出部本体内の乾燥用ガスを導入する第1の導入口を有し、他端側に前記第1の半割ガスチャンバ本体を備える第1の管状部と、
前記第2の通路側壁部を貫通する管状部材で構成され、一端側に前記ガス噴出部本体内の乾燥用ガスを導入する第2の導入口を有し、他端側に前記第2の半割ガスチャンバ本体を備える第2の管状部と
を備え、
前記駆動装置は、
前記第1の半割ガスチャンバ本体および前記第1の管状部を進退させる第1の駆動装置と、
前記第2の半割ガスチャンバ本体および前記第2の管状部を進退させる第2の駆動装置と
を備え、
前記第1の半割ガスチャンバ本体と前記第2の半割ガスチャンバ本体とが前記搬送通路を介して対向して配置され、
前記第1の半割ガスチャンバ本体は、前記第1の通路側壁部側から前記被乾燥物の周囲に進退可能に設けられ、前記第2の半割ガスチャンバ本体は、前記第2の通路側壁部側から前記被乾燥物の周囲に進退可能に設けられ、
前記第1の半割ガスチャンバ本体と前記第2の半割ガスチャンバ本体とを前記被乾燥物の周囲に移動して合体させることで環状の前記ガスチャンバ本体を構成することを特徴とする請求項3または4記載の乾燥装置。
【請求項8】
前記第1の駆動装置は、
一端が前記第1の管状部の一端側に接続され、他端側が前記搬送通路側とは異なる側に前記ガス噴出部本体を貫通し、前記第1の管状部を支持する第1の棒状部材と、
前記第1の棒状部材の他端側に設けられ、前記第1の棒状部材を介して前記第1の半割ガスチャンバ本体を進退させる第1の駆動部と
を備え、
前記第2の駆動装置は、
一端が前記第2の管状部の一端側に接続され、他端側が前記搬送通路側とは異なる側に前記ガス噴出部本体を貫通し、前記第2の管状部を支持する第2の棒状部材と、
前記第2の棒状部材の他端側に設けられ、前記第2の棒状部材を介して前記第2の半割ガスチャンバ本体を進退させる第2の駆動部と
を備えることを特徴とする請求項7記載の乾燥装置。
【請求項9】
前記ガスチャンバ本体の形状が、前記被乾燥物の形状に対応させて設定されていることを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1項記載の乾燥装置。
【請求項10】
前記搬送装置は、所定時間の前記被乾燥物の搬送と所定時間の前記被乾燥物の搬送停止を繰り返し実行することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載の乾燥装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
実施形態の乾燥装置は、被乾燥物が搬送される搬送通路と、前記搬送通路において前記被乾燥物を搬送する搬送装置と、前記搬送通路に沿って設けられ、乾燥用ガスが導入されるガス噴出部本体と、前記ガス噴出部本体の前記搬送通路に面する通路側壁部側から前記被乾燥物の周囲に進退可能に設けられ、前記被乾燥物の外側面の周囲を囲い、前記被乾燥物の外側面に向けて前記ガス噴出部本体に導入された乾燥用ガスを噴出する乾燥用ガス噴出部とを備える。また、実施形態の乾燥装置は、被乾燥物が搬送される搬送通路と、前記搬送通路において前記被乾燥物を搬送する搬送装置と、前記搬送通路に沿って設けられ、乾燥用ガスが導入されるガス噴出部本体と、前記被乾燥物の外側面の周囲を一定の間隔をあけて囲い、前記ガス噴出部本体に導入された乾燥用ガスを前記被乾燥物の外側面に向けて噴出して前記被乾燥物の外側面に衝突させる乾燥用ガス噴出部とを備える。