(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116099
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】データ入力支援プログラム及びデータ入力支援方法、並びに情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G16H 10/20 20180101AFI20230815BHJP
【FI】
G16H10/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022018682
(22)【出願日】2022-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】野中 良亮
(72)【発明者】
【氏名】小柳出 光宣
(72)【発明者】
【氏名】飯星 秀明
(72)【発明者】
【氏名】西村 信之
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA24
(57)【要約】
【課題】画面のデータ入力領域へのデータ入力を支援する。
【解決手段】利用者端末は、CRF入力画面を表示しているときに他の画面の表示指示を受け付けると、サーバ内の操作記録順管理DB24を参照して、過去にCRF入力画面にデータを入力したときに表示していた画面のリスト(操作履歴リスト画面)を表示する。また、利用者端末は、CRF入力画面にデータが入力されたことを検出すると、CRF入力画面以外に表示している画面の情報を操作記録順管理DBに記憶するために、サーバに送信する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ入力領域を含む第1の画面を表示しているときに、他の画面の表示指示を受け付けると、記憶部を参照して、過去に前記第1の画面のデータ入力領域にデータを入力したときに表示していた第2の画面の情報を読み出し、前記第2の画面の表示指示を受付可能な画面又は前記第2の画面を表示し、
前記第1の画面のデータ入力領域にデータが入力されたことを検出すると、表示している前記第1の画面以外の画面の情報を前記第1の画面の情報と対応付けて前記記憶部に記憶する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするデータ入力支援プログラム。
【請求項2】
前記記憶する処理は、表示している前記第1の画面以外の画面の表示状態の情報を前記記憶部に記憶する、ことを特徴とする請求項1に記載のデータ入力支援プログラム。
【請求項3】
前記記憶部に記憶される情報は、利用者の情報と対応付けられており、
前記表示する処理では、前記記憶部を参照して、前記第1の画面を表示した利用者に対応する前記第2の画面の情報を読み出す、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ入力支援プログラム。
【請求項4】
前記記憶部に、前記第1の画面の情報に対応付けて、前記第2の画面の情報が複数種類記憶されている場合には、表示回数に応じて前記複数種類の第2の画面それぞれに順位付けがされており、
前記表示する処理において、前記複数種類の第2の画面のうちの少なくとも1つの画面の表示指示を受付可能な画面を表示するときに、前記複数種類の第2の画面の情報を前記順位付けの情報に基づいて並べて表示する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のデータ入力支援プログラム。
【請求項5】
前記第1の画面が、前記データ入力領域を複数含む場合に、
前記記憶する処理では、複数の前記データ入力領域のうちの第1のデータ入力領域にデータが入力されたことを検出すると、表示している前記第1の画面以外の画面の情報を前記第1の画面の前記第1のデータ入力領域の情報と対応付けて前記記憶部に記憶し、
前記表示する処理では、前記第1の画面の前記第1のデータ入力領域にデータを入力可能な状態で他の画面の表示指示を受け付けると、前記記憶部を参照して、過去に前記第1のデータ入力領域にデータを入力したときに表示していた第2の画面の情報を読み出し、前記第2の画面の表示指示を受付可能な画面又は前記第2の画面を表示する、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のデータ入力支援プログラム。
【請求項6】
データ入力領域を含む第1の画面を表示しているときに、他の画面の表示指示を受け付けると、記憶部を参照して、過去に前記第1の画面のデータ入力領域にデータを入力したときに表示していた第2の画面の情報を読み出し、前記第2の画面の表示指示を受付可能な画面又は前記第2の画面を表示し、
前記第1の画面のデータ入力領域にデータが入力されたことを検出すると、表示している前記第1の画面以外の画面の情報を前記第1の画面の情報と対応付けて前記記憶部に記憶する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とするデータ入力支援方法。
【請求項7】
データ入力領域を含む第1の画面を表示しているときに、他の画面の表示指示を受け付けると、記憶部を参照して、過去に前記第1の画面のデータ入力領域にデータを入力したときに表示していた第2の画面の情報を読み出し、前記第2の画面の表示指示を受付可能な画面又は前記第2の画面を表示する画面表示処理部と、
前記第1の画面のデータ入力領域にデータが入力されたことを検出すると、表示している前記第1の画面以外の画面の情報を前記第1の画面の情報と対応付けて前記記憶部に記憶する記憶処理部と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ入力支援プログラム及びデータ入力支援方法、並びに情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
手術症例データベースへの登録フォーマットであるCRF(Case Report Forms)は、臨床試験を行った際の患者の検査データや、副作用などの情報をとりまとめた報告書であり、症例報告書、ケースカード、調査票などとも呼ばれている。CRFには、手術情報や検査値など多くのデータを記録する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-108039号公報
【特許文献2】特開2003-337648号公報
【特許文献3】特開平9-134273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
医療現場において電子化が進むにつれて、CRFも電子化され、オンラインでやりとりされるようになってきている。医師や看護師、診療情報管理士などは、CRFを作成する際に、関連する画面(検査結果画面など)を立ち上げ、当該画面内の情報を目視で確認しながらCRFにデータを入力する必要がある。このため、CRF作成には多大な時間を要し、作業効率が悪い。
【0005】
なお、画面内のデータ入力領域に対して各種情報を入力する際に、他の画面を参照しなければならない作業については、上記CRF作成と同様の課題がある。
【0006】
1つの側面では、本発明は、画面のデータ入力領域へのデータ入力を支援することが可能なデータ入力支援プログラム及びデータ入力支援方法、並びに情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの態様では、データ入力支援プログラムは、データ入力領域を含む第1の画面を表示しているときに、他の画面の表示指示を受け付けると、記憶部を参照して、過去に前記第1の画面のデータ入力領域にデータを入力したときに表示していた第2の画面の情報を読み出し、前記第2の画面の表示指示を受付可能な画面又は前記第2の画面を表示し、前記第1の画面のデータ入力領域にデータが入力されたことを検出すると、表示している前記第1の画面以外の画面の情報を前記第1の画面の情報と対応付けて前記記憶部に記憶する、処理をコンピュータに実行させるデータ入力支援プログラムである。
【発明の効果】
【0008】
画面のデータ入力領域へのデータ入力を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る病院内システムの構成を概略的に示す図である。
【
図2】
図2(a)は、
図1のサーバのハードウェア構成の一例を示す図であり、
図2(b)は、
図1の利用者端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】サーバ及び利用者端末の機能ブロック図である。
【
図4】
図4(a)は、操作記録管理DBのデータ構造の一例を示す図であり、
図4(b)は、操作記録順管理DBのデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】サーバの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6(a)、
図6(b)は、サーバのデータ管理部の処理を説明するための図である。
【
図7】利用者端末の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8(a)は、CRF入力画面(一般用)の一例を示す図であり、
図8(b)は、CRF入力画面(入力支援対象者用)の一例を示す図である。
【
図9】
図9(a)は、操作記録順管理DBを示す図であり、
図9(b)は、操作履歴リスト画面が表示された状態を示す図である。
【
図10】画面A(メイン画面)が表示された状態を示す図である。
【
図11】画面A(メイン画面)と画面A(サブ画面)が表示された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態について、
図1~
図11に基づいて詳細に説明する。
図1には、一実施形態に係る病院内システム100の構成が概略的に示されている。
図1の病院内システム100は、病院などの医療機関(以下、「病院」と呼ぶ)において利用されるシステムであり、電子カルテサーバ10と、情報処理装置としての利用者端末(クライアント端末)70と、を備える。電子カルテサーバ10と利用者端末70とは、インターネットなどのネットワーク80に接続されている。
【0011】
(電子カルテサーバ10について)
電子カルテサーバ10は、患者の情報や、病院内で行われた診察や診療、手術などの情報を管理する情報処理装置である。電子カルテサーバ10は、利用者端末70から要求されたデータを利用者端末70に提供する。また、電子カルテサーバ10は、利用者端末70におけるCRF(Case Report Forms)作成作業を支援するためのデータを管理する。なお、CRFは、手術症例データベースへの登録フォーマットであり、担当者は、CRFを作成する際に、患者の検査データや、副作用などの様々な情報を入力する必要がある。
【0012】
図2(a)には、電子カルテサーバ10のハードウェア構成が示されている。
図2(a)に示すように、電子カルテサーバ10は、CPU(Central Processing Unit)90、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)94、ストレージ(SSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive))96、ネットワークインタフェース97、及び可搬型記憶媒体用ドライブ99等を備えている。これら電子カルテサーバ10の構成各部は、バス98に接続されている。電子カルテサーバ10では、ROM92あるいはストレージ96に格納されているプログラム、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ99が可搬型記憶媒体91から読み取ったプログラムをCPU90が実行することにより、
図3に示す、データ取得部12やデータ管理部14の機能が実現される。なお、データ取得部12やデータ管理部14は、電子カルテサーバ10の機能の一部であり、電子カルテサーバ10はその他の機能も有しているが、図示は省略している。なお、
図3に示す電子カルテサーバ10の各機能は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0013】
データ取得部12は、利用者端末70から送信されてきた情報(誰が、いつ、どのCRF入力画面にデータを入力したときに、どの画面を参照していたかの情報)を取得し、操作記録管理DB22に格納する。操作記録管理DB22は、
図4(a)に示すようなデータ構造を有する。なお、操作記録管理DB22の詳細については後述する。
【0014】
データ管理部14は、利用者DB20において利用者の情報を管理する。具体的には、データ管理部14は、CRF入力画面においてデータ入力を行う担当者のうち、入力支援対象となっている担当者の利用者ID等を利用者DB20において管理する。
【0015】
また、データ管理部14は、操作記録管理DB22に格納されたデータを所定のタイミングで集計し、集計結果を記憶部としての操作記録順管理DB24に格納する。操作記録順管理DB24は、
図4(b)に示すようなデータ構造を有する。なお、操作記録順管理DB24の詳細については後述する。
【0016】
(利用者端末70について)
利用者端末70は、病院内の医療従事者が利用するPC(Personal Computer)やスマートフォンなどの情報処理装置である。利用者端末70の利用者には、CRFを作成するためにCRF入力画面にデータを入力する担当者が含まれる。
【0017】
図2(b)には、利用者端末70のハードウェア構成が示されている。
図2(b)に示すように、利用者端末70は、CPU190、ROM192、RAM194、ストレージ196、ネットワークインタフェース197、表示部193、入力部195、及び可搬型記憶媒体用ドライブ199等を備えている。表示部193は、液晶ディスプレイ等を含み、入力部195は、キーボードやマウス、タッチパネル等を含む。これら利用者端末70の構成各部は、バス198に接続されている。利用者端末70では、ROM192あるいはストレージ196に格納されているプログラム(データ入力支援プログラムを含む)、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ199が可搬型記憶媒体191から読み取ったプログラムをCPU190が実行することにより、
図3に示す、画面表示処理部72、及び記憶処理部としてのデータ送信部74、の機能が実現される。なお、画面表示処理部72やデータ送信部74は、利用者端末70の機能の一部であり、利用者端末70はその他の機能も有しているが、図示は省略している。
【0018】
画面表示処理部72は、表示部193上に第1の画面としてのCRF入力画面(
図8参照)を表示したり、その他の画面(例えばCRF入力画面にデータを入力する際に担当者が参照する画面)を表示したりする。また、画面表示処理部72は、担当者が参照する画面を表示したい場合に、画面選択を支援する情報を表示部193上に表示する。
【0019】
データ送信部74は、担当者がCRF入力画面においてデータ入力を行ったときに表示部193上に表示されている他の画面の情報を取得し、電子カルテサーバ10のデータ取得部12に送信する。
【0020】
ここで、
図4(a)、
図4(b)に基づいて、操作記録管理DB22、操作記録順管理DB24について説明する。
【0021】
操作記録管理DB22は、データ送信部74から受信した情報(誰が、いつ、どのCRF入力画面にデータを入力したときに、どの画面を参照していたかの情報)を格納するものである。具体的には、
図4(a)に示すように、「操作日時」、「利用者ID」、「表示CRF」、「表示画面」、「表示位置(X座標、Y座標)」の各情報を紐づけて蓄積するものである。「操作日時」は、担当者がCRF入力画面にデータ入力を行った日時の情報であり、「利用者ID」は、担当者の識別情報である。「表示CRF」は、担当者がデータ入力を行ったCRF入力画面の種別の情報であり、「表示画面」は、担当者がCRF入力画面にデータ入力を行った際に表示していた他の画面の情報である。また、「表示位置(X座標、Y座標)」は、他の画面のどこの部分を表示していたかを示す情報である。X座標及びY座標は、スクロールの位置(横方向のスクロール位置及び縦方向のスクロール位置)を意味するものであり、スクロールが発生しない画面やスクロールをしていない状態であれば、表示位置は(000,000)と記録される。
【0022】
操作記録順管理DB24は、各担当者が各CRF入力画面にデータを入力したときに、CRF入力画面以外のどの画面を表示していたかを集計してランク付けし、管理するものである。具体的には、操作記録順管理DB24は、
図4(b)に示すように、「利用者ID」、「表示CRF」、「Rank」、「表示画面」、「表示位置(X座標、Y座標)」、「回数」の各情報を紐づけて管理する。これらのうち「利用者ID」、「表示CRF」、「表示画面」、「表示位置(X座標、Y座標)」は、操作記録管理DB22と同様である。「回数」の列には、
図4(a)の操作記録管理DB22において利用者IDと表示CRFが共通するデータを集計した結果が格納される。また、「Rank」の列には、利用者IDと表示CRFが共通するデータを、回数が多い順にランク付けした結果が格納される。例えば、
図4(b)の例では、ある担当者(利用者ID=DR001)が、CRF入力画面(消化器)にデータを入力したときに表示していた画面が2つあることがわかる。また、
図4(b)の例では、これら2つの画面のうちで、表示した回数が多いのが、「検査結果一覧画面(表示位置=(123,456))」であり、回数が少ないのが、「検査実施画面(表示位置=(000,000))」であることが格納されている。
【0023】
(電子カルテサーバ10の処理について)
以下、電子カルテサーバ10の処理について、
図5のフローチャートに沿って説明する。
図5の処理は、電子カルテサーバ10が、利用者端末70から取得したデータを操作記録管理DB22に格納したり、操作記録管理DB22のデータを集計して、操作記録順管理DB24を更新する処理である。
【0024】
図5の処理が開始されると、まず、ステップS100では、データ管理部14が、所定のタイミングとなったか否かを判断する。電子カルテサーバ10が夜間バッチ処理を行う場合には、所定のタイミングは、予め定められたバッチ処理のタイミングである。このステップS100の判断が否定された場合には、ステップS102に移行する。
【0025】
ステップS102に移行すると、データ取得部12は、利用者端末70から情報(誰が、いつ、どのCRF入力画面にデータを入力したときに、どの画面を参照していたかの情報)を取得したか否かを判断する。このステップS102の判断が否定された場合には、ステップS100に戻る。一方、ステップS102の判断が肯定された場合には、ステップS104に移行し、データ取得部12は、取得した情報を操作記録管理DB22に格納する。その後は、ステップS100に戻る。
【0026】
これに対し、ステップS100の判断が肯定された場合、すなわち所定のタイミング(例えばバッチ処理のタイミング)になった場合には、ステップS106に移行する。ステップS106に移行すると、データ管理部14は、操作記録管理DB22に格納されているデータのうち、操作記録順管理DB24に反映されていないデータを特定し、操作記録順管理DB24に反映する。例えば、データ管理部14は、前回のバッチ処理以降の「操作日時」のデータを特定し、操作記録順管理DB24に対応するデータが存在すれば、そのデータの「回数」を更新する。また、特定したデータに対応するデータが操作記録順管理DB24に存在しなければ、特定したデータに対応するデータを操作記録順管理DB24に新たに格納する。なお、操作記録順管理DB24に反映したデータを操作記録管理DB22から削除する運用を採用する場合には、データ管理部14は、ステップS106において、操作記録管理DB22に格納されている全データを操作記録順管理DB24に反映するようにする。
【0027】
ここで、データ管理部14は、操作記録管理DB22の表示位置(X座標、Y座標)については、ほぼ一致すると見做せる場合には、同一の位置としてカウントするものとする。例えば、X座標の座標値、Y座標の座標値のそれぞれが±25の誤差範囲内であれば、座標値がほぼ一致すると見做すなどすることができる。例えば、
図6(a)の操作記録管理DB22において矢印Aで示す行のデータの表示位置と、矢印Bで示す行のデータの表示位置は、X座標の座標値が17だけ違う。このような場合でも、データ管理部14は、これらの座標値をほぼ一致すると見做し、
図6(b)の操作記録順管理DB24において矢印Cで示すように、表示位置=(123,456)の回数を2回分カウントする。なお、矢印Cで示す表示位置としては、2つのX座標の平均値(123+140)/2≒132を用いて、表示位置=(132,456)と記録してもよい。
【0028】
その後は、ステップS100に戻る。以降は、上記処理が繰り返し実行される。
【0029】
(利用者端末70の処理について)
次に、利用者端末70の処理について、
図7のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ詳細に説明する。
【0030】
図7の処理が開始されると、まず、ステップS10において、画面表示処理部72が、CRF入力画面の表示要求があるまで待機する。利用者端末70の利用者からCRF入力画面の表示要求が入力されると、画面表示処理部72は、ステップS12に移行する。なお、CRF入力画面には、複数種類(例えば、消化器、医療水準などの種類)が存在するため、利用者は、表示要求の際に種類を選択するものとする。
【0031】
ステップS12に移行すると、画面表示処理部72は、電子カルテサーバ10の利用者DB20を参照して、入力支援対象の利用者であるか否かを判断する。具体的には、画面表示処理部72は、利用者が利用者端末70においてログインしたときに利用した利用者IDが、利用者DB20に格納されているか否かを判断する。
【0032】
このステップS12の判断が否定された場合、すなわち、利用者が入力支援対象の利用者である場合には、画面表示処理部72は、ステップS14に移行し、CRF入力画面(一般用)を表示部193上に表示する。CRF入力画面(一般用)は、
図8(a)に示すような画面であり、後述するCRF入力画面(入力支援対象者用)(
図8(b)参照)と比べ、「操作履歴参照」ボタン60が設けられていない点が異なる。CRF入力画面(一般用)には、各種データ入力欄を有するデータ入力領域が設けられている。
【0033】
ステップS14に移行した後は、画面表示処理部72は、利用者の操作に応じた処理を実行する。すなわち、画面表示処理部72は、利用者によってCRF入力画面(一般用)にデータが入力された場合には、その内容を画面に反映する。また、データ入力のために参照したい画面(他の画面)の表示要求があった場合には、画面表示処理部72は、その画面を表示部193上に表示する。その後は、
図7の全処理を終了する。
【0034】
一方、ステップS12の判断が肯定された場合には、ステップS16に移行し、画面表示処理部72は、CRF入力画面(入力支援対象者用)を表示部193上に表示する。このCRF入力画面(入力支援対象者用)は、
図8(b)に示すような画面であり、前述のように、「操作履歴参照」ボタン60が設けられている。
【0035】
次いで、ステップS18では、画面表示処理部72が、利用者によって「操作履歴参照」ボタン60がクリックされたか否かを判断する。このステップS18の判断が肯定された場合には、ステップS20に移行し、画面表示処理部72は、表示部193上に操作履歴リスト画面(
図9(b))を表示する。例えば、利用者ID=DR003の利用者が、「医療水準」のCRF入力画面(入力支援対象者用)を表示しており、当該画面において「操作履歴参照」ボタン60を押したとする。この場合、画面表示処理部72は、
図9(a)に示す操作記録順管理DB24から、利用者ID=DR003、表示CRF=医療水準に対応するデータを取得する。そして、取得したデータに基づいて、
図9(b)に示すような操作履歴リスト画面を作成して、表示部193上に表示する。
【0036】
次いで、
図7のステップS22に移行すると、画面表示処理部72は、利用者から表示要求が入力されるまで待機する。具体的には、利用者が操作履歴リスト画面(
図9(b))において、いずれかの画面を選択するまで待機する。利用者は、CRF入力画面へのデータ入力の際に参照したい画面を、操作履歴リスト画面の中から選択する。なお、操作履歴リスト画面(
図9(b))には、表示回数が多い順に表示候補が表示されているため、利用者による画面選択がしやすくなっている。利用者がいずれかの画面を選択すると、画面表示処理部72は、ステップS24に移行する。
【0037】
ステップS24に移行すると、画面表示処理部72は、表示要求に対応する画面を表示する。例えば、
図9(b)の操作履歴リスト画面において、画面Aが選択された場合には、
図10に示すように画面Aを表示部193上に表示する。なお、画面Aは、検査歴一覧を表示するメイン画面である。したがって、利用者が画面A(メイン画面)内で検査歴の1つを選択すれば、
図11に示すように検査歴の詳細を表示する画面A(サブ画面)が表示されるようになっている。
【0038】
次いで、ステップS26では、画面表示処理部72が、CRF入力画面への入力があったか否かを判断する。このステップS26の判断が否定された場合には、ステップS18に戻る。
【0039】
ところで、ステップS18の判断が否定された場合には、ステップS28に移行し、画面表示処理部72は、CRF入力画面以外の画面(他の画面)の表示要求があったか否かを判断する。利用者が、操作履歴リスト画面(
図9(b))を表示せずに、他の画面の表示要求を入力した場合には、ステップS28の判断が肯定されて、ステップS24に移行する。ステップS24に移行すると、画面表示処理部72は、表示要求のあった他の画面を表示し、ステップS26に移行する。一方、ステップS28の判断が否定された場合には、そのままステップS26に移行する。
【0040】
上記ステップS18~S28の処理が繰り返し実行され、ステップS26の判断が肯定された場合、すなわち、利用者がCRF入力画面にデータを入力した場合には、ステップS30に移行する。なお、ステップS30に移行する際には、画面表示処理部72は、利用者によってCRF入力画面に入力された内容を画面に反映する。
【0041】
ステップS30に移行すると、データ送信部74は、表示されているCRF入力画面以外の画面の情報を電子カルテサーバ10に送信する。このとき、データ送信部74は、操作記録管理DB22に登録するために必要な情報(誰が、いつ、どのCRF入力画面にデータを入力したときに、どの画面を参照していたかの情報)を電子カルテサーバ10に送信する。
【0042】
なお、本実施形態では、CRF入力画面にデータが入力されたときに、
図11に示すように画面A(サブ画面)が表示されている場合であっても、データ送信部74は、画面A(メイン画面)の情報を電子カルテサーバ10に送信することとする。これにより、利用者からの表示要求があった場合に、
図10に示すように最初に画面A(メイン画面)を表示することができる。ただしこれに限らず、CRF入力画面にデータ入力されたときに、画面A(サブ画面)が表示されていた場合には、データ送信部74は、画面A(サブ画面)の情報を電子カルテサーバ10に送信することとしてもよい。
【0043】
以上、詳細に説明したように、本実施形態によると、画面表示処理部72は、CRF入力画面を表示しているときに他の画面の表示指示を受け付けると(S18:肯定)、操作記録順管理DB24を参照して操作履歴リスト画面を表示する(S20)。また、データ送信部74は、CRF入力画面にデータが入力されたことを検出すると(S26:肯定)、CRF入力画面以外に表示している画面の情報を操作記録順管理DB24に記憶するために、電子カルテサーバ10に送信する(S30)。これにより、データ入力の際に利用者が頻繁に参照している画面の情報を操作履歴リスト画面に表示して利用者に提供することができるため、利用者は、CRF入力画面にデータ入力を行う際に参照すべき画面を簡易に表示することができる。また、利用者は、CRF入力画面へのデータ入力を短時間で行うことができる。このように、本実施形態では、利用者によるCRF入力画面へのデータ入力を支援することができる。
【0044】
また、本実施形態では、操作記録管理DB22や操作記録順管理DB24には、CRF入力画面にデータを入力したときに表示していた画面の位置情報が記録される。これにより、CRF入力画面にデータを入力したときに表示していた画面がスクロールした状態であった場合には、その表示状態の画面の情報を操作記録管理DB22や操作記録順管理DB24に記憶しておくことができる。この場合、操作履歴リスト画面(
図9(b))においてスクロールした状態の画面が選択された場合には、利用者端末70の表示部193上に、スクロールした状態の画面を表示することが可能となる。これにより、利用者は、表示された画面内において、参照すべきデータを探しやすくなる。
【0045】
また、本実施形態では、データ管理部14は、操作記録順管理DB24において、CRF入力画面にデータを入力したときに表示していた画面を利用者IDごとに集計する。これにより、利用者ごとに適切な情報を提供することができる。
【0046】
また、本実施形態では、データ管理部14は、操作記録順管理DB24において、CRF入力画面にデータを入力したときに表示していた画面の情報を、表示回数に従ってランク付け(順位付け)する。これにより、操作履歴リスト画面(
図9(b))には、ランク付けした順番に従って、画面の情報を表示することができるため、利用者は表示すべき画面を選択しやすくなる。
【0047】
なお、上記実施形態では、操作記録管理DB22や操作記録順管理DB24において各画面の表示位置を記録する場合について説明したが、これに限られるものではない。操作記録管理DB22や操作記録順管理DB24には、表示位置を記録しなくてもよい。
【0048】
なお、上記実施形態では、
図7のステップS18の判断が肯定された場合に、ステップS20において、画面表示処理部72は、操作履歴リスト画面(
図9(b))を表示する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、操作履歴リスト画面を表示せずに、操作記録順管理DB24においてRankが「1」の画面を自動的に表示するようにしてもよい。また、操作履歴リスト画面(
図9(b))に表示する画面(参照すべき画面)の情報が1つしかない場合には、操作履歴リスト画面を表示せずに、参照すべき画面を自動的に表示するようにしてもよい。
【0049】
なお、上記実施形態では、利用者がデータ入力した位置(CRF入力画面内の入力欄の位置)の情報と、データ入力時に表示していた他の画面の情報と、を操作記録管理DB22や操作記録順管理DB24において管理することとしてもよい。例えば、CRF入力画面の「白血球」の欄にデータ入力をするときと、「ヘモグロビン」の欄にデータ入力をするときとで、参照すべき画面が異なるような場合がある。このような場合でも、上記のようにデータ管理をすれば、「白血球」の欄にカーソルを合わせた状態(データを入力可能な状態)で「操作履歴参照」ボタン60が押された場合に、「白血球」の欄に対応する参照すべき画面の情報を提供することができる。また、「ヘモグロビン」の欄にカーソルを合わせた状態で「操作履歴参照」ボタン60が押された場合に、「ヘモグロビン」の欄に対応する参照すべき画面の情報を提供することができる。このようにすることで、利用者が参照すべき画面がCRF入力画面の入力欄ごとに異なる場合でも、参照すべき画面の情報として適切な情報を提供することができる。なお、管理するCRF入力画面内の入力欄の位置の情報は、CRF入力画面における入力欄の座標値であってもよいし、入力欄の表示順(例えば上から数えて何番目か)であってもよいし、その他の方法で定められる位置の情報であってもよい。また、
図11において、入力欄にカーソルが合わせられた状態では、各入力欄に対応する参照すべき画面(
図11のサブ画面)を表示し、入力欄にカーソルが合わせられていない状態では、各入力欄に対応する参照画面を選択するための画面(
図11のメイン画面)を表示するようにしてもよい。
【0050】
なお、利用者端末70は、上記処理に加えて、CRF入力画面のデータ入力領域の各欄と、他の画面の項目とを予め対応付けておき、CRF入力画面のデータ入力領域の空欄に対して他の画面の項目の内容を自動転記するようにしてもよい。
【0051】
なお、上記実施形態では、CRF入力画面にデータ入力を行う利用者に対して、参照すべき画面の情報を提示する場合について説明したが、これに限られるものではない。上記実施形態と同様の処理を実行することで、その他の画面(医療分野に限らない)にデータ入力を行う利用者に対して、参照すべき画面の情報を提示することとしてもよい。
【0052】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(ただし、搬送波は除く)に記録しておくことができる。
【0053】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0054】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0055】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【0056】
なお、以上の実施形態の説明に関して、更に以下の付記を開示する。
(付記1) データ入力領域を含む第1の画面を表示しているときに、他の画面の表示指示を受け付けると、記憶部を参照して、過去に前記第1の画面のデータ入力領域にデータを入力したときに表示していた第2の画面の情報を読み出し、前記第2の画面の表示指示を受付可能な画面又は前記第2の画面を表示し、
前記第1の画面のデータ入力領域にデータが入力されたことを検出すると、表示している前記第1の画面以外の画面の情報を前記第1の画面の情報と対応付けて前記記憶部に記憶する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするデータ入力支援プログラム。
(付記2) 前記記憶する処理は、表示している前記第1の画面以外の画面の表示状態の情報を前記記憶部に記憶する、ことを特徴とする付記1に記載のデータ入力支援プログラム。
(付記3) 前記記憶部に記憶される情報は、利用者の情報と対応付けられており、
前記表示する処理では、前記記憶部を参照して、前記第1の画面を表示した利用者に対応する前記第2の画面の情報を読み出す、ことを特徴とする付記1又は2に記載のデータ入力支援プログラム。
(付記4) 前記記憶部に、前記第1の画面の情報に対応付けて、前記第2の画面の情報が複数種類記憶されている場合には、表示回数に応じて前記複数種類の第2の画面それぞれに順位付けがされており、
前記表示する処理において、前記複数種類の第2の画面のうちの少なくとも1つの画面の表示指示を受付可能な画面を表示するときに、前記複数種類の第2の画面の情報を前記順位付けの情報に基づいて並べて表示する、ことを特徴とする付記1~3のいずれかに記載のデータ入力支援プログラム。
(付記5) 前記第1の画面が、前記データ入力領域を複数含む場合に、
前記記憶する処理では、複数の前記データ入力領域のうちの第1のデータ入力領域にデータが入力されたことを検出すると、表示している前記第1の画面以外の画面の情報を前記第1の画面の前記第1のデータ入力領域の情報と対応付けて前記記憶部に記憶し、
前記表示する処理では、前記第1の画面の前記第1のデータ入力領域にデータを入力可能な状態で他の画面の表示指示を受け付けると、前記記憶部を参照して、過去に前記第1のデータ入力領域にデータを入力したときに表示していた第2の画面の情報を読み出し、前記第2の画面の表示指示を受付可能な画面又は前記第2の画面を表示する、
ことを特徴とする付記1~4のいずれかに記載のデータ入力支援プログラム。
(付記6) データ入力領域を含む第1の画面を表示しているときに、他の画面の表示指示を受け付けると、記憶部を参照して、過去に前記第1の画面のデータ入力領域にデータを入力したときに表示していた第2の画面の情報を読み出し、前記第2の画面の表示指示を受付可能な画面又は前記第2の画面を表示し、
前記第1の画面のデータ入力領域にデータが入力されたことを検出すると、表示している前記第1の画面以外の画面の情報を前記第1の画面の情報と対応付けて前記記憶部に記憶する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とするデータ入力支援方法。
(付記7) データ入力領域を含む第1の画面を表示しているときに、他の画面の表示指示を受け付けると、記憶部を参照して、過去に前記第1の画面のデータ入力領域にデータを入力したときに表示していた第2の画面の情報を読み出し、前記第2の画面の表示指示を受付可能な画面又は前記第2の画面を表示する画面表示処理部と、
前記第1の画面のデータ入力領域にデータが入力されたことを検出すると、表示している前記第1の画面以外の画面の情報を前記第1の画面の情報と対応付けて前記記憶部に記憶する記憶処理部と、
を備える情報処理装置。
(付記8) 前記記憶処理部は、表示している前記第1の画面以外の画面の表示状態の情報を前記記憶部に記憶する、ことを特徴とする付記7に記載の情報処理装置。
(付記9) 前記記憶部に記憶される情報は、利用者の情報と対応付けられており、
前記画面表示処理部は、前記記憶部を参照して、前記第1の画面を表示した利用者に対応する前記第2の画面の情報を読み出す、ことを特徴とする付記7又は8に記載の情報処理装置。
(付記10) 前記記憶部に、前記第1の画面の情報に対応付けて、前記第2の画面の情報が複数種類記憶されている場合には、表示回数に応じて前記複数種類の第2の画面それぞれに順位付けがされており、
前記画面表示処理部は、前記複数種類の第2の画面のうちの少なくとも1つの画面の表示指示を受付可能な画面を表示するときに、前記複数種類の第2の画面の情報を前記順位付けの情報に基づいて並べて表示する、ことを特徴とする付記7~9のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記11) 前記第1の画面が、前記データ入力領域を複数含む場合に、
前記記憶処理部は、複数の前記データ入力領域のうちの第1のデータ入力領域にデータが入力されたことを検出すると、表示している前記第1の画面以外の画面の情報を前記第1の画面の前記第1のデータ入力領域の情報と対応付けて前記記憶部に記憶し、
前記画面表示処理部は、前記第1の画面の前記第1のデータ入力領域にデータを入力可能な状態で他の画面の表示指示を受け付けると、前記記憶部を参照して、過去に前記第1のデータ入力領域にデータを入力したときに表示していた第2の画面の情報を読み出し、前記第2の画面の表示指示を受付可能な画面又は前記第2の画面を表示する、
ことを特徴とする付記7~10のいずれかに記載の情報処理装置。
【符号の説明】
【0057】
24 操作記録順管理DB(記憶部)
70 利用者端末(情報処理装置)
72 画面表示処理部
74 データ送信部(記憶処理部)