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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116110
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】給湯器
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/02 20060101AFI20230815BHJP
【FI】
F24H9/02 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022018702
(22)【出願日】2022-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 英展
【テーマコード(参考)】
3L037
【Fターム(参考)】
3L037AA02
3L037AB02
(57)【要約】
【課題】電源プラグをコンセントから引き抜くことが困難な場合でも、給湯器の作動を停止できるようにする。
【解決手段】本開示の給湯器1は、筐体2と、燃焼装置4と、コントローラ9と、を備えた給湯器1であって、筐体2は、前面が開口する筐体本体2Aを備え、燃焼装置4は筐体本体2Aの内部に配設され、元電磁弁が介設されるガス配管17と、ガス配管17から分岐される複数の分岐配管18と、複数の分岐配管18の下流端部の各々に配設される複数のバーナ19と、を備え、コントローラ9は、制御基板91と、制御基板91が収容される電装ボックス92と、を備え、筐体本体2Aの内部には、制御基板91への電力供給を停止するスイッチ94が、筐体本体2Aの前面に臨む前向き姿勢で設けられる、給湯器1である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、燃焼装置と、コントローラと、を備えた給湯器であって、
前記筐体は、前面が開口する筐体本体を備え、
前記燃焼装置は前記筐体本体の内部に配設され、元電磁弁が介設されるガス配管と、前記ガス配管から分岐される複数の分岐配管と、前記複数の分岐配管の下流端部の各々に配設される複数のバーナと、を備え、
前記コントローラは、制御基板と、前記制御基板が収容される電装ボックスと、を備え、
前記筐体本体の内部には、前記制御基板への電力供給を停止するスイッチが、前記筐体本体の前記前面に臨む前向き姿勢で設けられる、給湯器。
【請求項2】
前記スイッチは、前記電装ボックスに隣接して配置される、請求項1に記載の給湯器。
【請求項3】
前記スイッチを取り付ける取付金具を備え、この取付金具は、前記筐体本体の底面上に固定される底板と、前記底板の前端から立ち上がり前記スイッチが固定される前板と、前記前板の上端から後方にのびる上板と、を有し、
前記電装ボックスは前記燃焼装置の下方に配設され、上方に突出し前記燃焼装置に締結される第1固定片と、下方に突出する第2固定片と、下方に突出するとともに前記第2固定片よりも突出量が大きくされた一又は複数の差込部と、をそれぞれ有し、
前記取付金具の上板には、前記第2固定片を締結するための被固定部が立ち上がり形成されるとともに、前記差込部が差し込まれる孔部が形成されている、請求項2に記載の給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に給湯器は、前面が開口した筐体と、筐体の前面を閉塞するフロントカバーと、を有している。筐体を構成する底板には、水道管を接続するための水入口、外部の給湯栓につながる外部配管を接続するための湯出口等が設けられている。また、底板の中央部には、外部のガス配管を接続するためのガス入口が設けられており、その前方には、電源プラグが端部に設けられた電源線の引き込み口が設けられている。筐体内の上側には、燃焼室が配置されている。この燃焼室は、複数のバーナユニットを収容する下ケーシングと、給湯熱交換器等を収容する上ケーシングと、を組み付けてなる。ガス入口に接続されるガス管は、元ガス電磁弁やガス比例弁が設けられたガス経路、ガス経路から分岐した各分岐先に各開閉電磁弁が設けられた分岐経路を介して各バーナユニットに接続されている。
【0003】
燃焼室の下部で筐体の開口付近には、元ガス電磁弁等に電気的に接続されたコントローラが設置されている。このコントローラは、ON操作されるとスリープ状態からウエイク状態に移行し、元ガス電磁弁を開栓するための電力を元ガス電磁弁に供給する。また、コントローラは、給湯器への入水を検出したときには、バーナユニットの点火制御を行い、設定温度、入水温度等に基づき、ガス比例弁の開度、各開閉電磁弁の開閉制御を行う。一方、コントローラは、OFF操作されると全ての開閉電磁弁を閉状態とし、元ガス電磁弁への電力供給を停止して元ガス電磁弁を閉状態にする。このような給湯器として、例えば特開2019-66114号公報(下記特許文献1)に記載の給湯器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-66114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ノイズ等によりコントローラにおいてOFF操作が受け付けられなくなった場合、その緊急措置として、電源線の電源プラグをコンセントから引き抜くことが行われる。これにより元ガス電磁弁への電力供給が停止され、元ガス電磁弁が内部のばねに付勢されて閉状態となり、ガスバーナへのガス供給が遮断されるからである。しかしながら、給湯器の設置箇所、設置状態によっては容易に電源プラグをコンセントから引き抜くことができない場合も想定されるため、別の手段により給湯器の作動を停止できる停止手段が求められていた。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、電源プラグをコンセントから引き抜くことが困難な場合でも、給湯器の作動を停止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の給湯器は、筐体と、燃焼装置と、コントローラと、を備えた給湯器であって、前記筐体は、前面が開口する筐体本体を備え、前記燃焼装置は前記筐体本体の内部に配設され、元電磁弁が介設されるガス配管と、前記ガス配管から分岐される複数の分岐配管と、前記複数の分岐配管の下流端部の各々に配設される複数のバーナと、を備え、前記コントローラは、制御基板と、前記制御基板が収容される電装ボックスと、を備え、前記筐体本体の内部には、前記制御基板への電力供給を停止するスイッチが、前記筐体本体の前記前面に臨む前向き姿勢で設けられる、給湯器である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電源プラグをコンセントから引き抜くことが困難な現場でも、給湯器の作動を停止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態においてフロントカバーを外した給湯器の正面図である。
図2図2は、図1のコントローラ付近を拡大して示す拡大正面図である。
図3図3は、図1の給湯器の底面図である。
図4図4は、図1のコントローラ付近を斜め前方から見た斜視図である。
図5図5は、図4の要部拡大斜視図である。
図6図6は、実施形態の給湯器の構成を概念的に示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態を列記して例示する。
(1)本開示の給湯器は、筐体と、燃焼装置と、コントローラと、を備えた給湯器であって、前記筐体は、前面が開口する筐体本体を備え、前記燃焼装置は前記筐体本体の内部に配設され、元電磁弁が介設されるガス配管と、前記ガス配管から分岐される複数の分岐配管と、前記複数の分岐配管の下流端部の各々に配設される複数のバーナと、を備え、前記コントローラは、制御基板と、前記制御基板が収容される電装ボックスと、を備え、前記筐体本体の内部には、前記制御基板への電力供給を停止するスイッチが、前記筐体本体の前記前面に臨む前向き姿勢で設けられる、給湯器である。
【0011】
制御基板への電力供給を停止するスイッチが、筐体本体の前面に臨む前向き姿勢で設けられるため、電源プラグをコンセントから引き抜くことが難しい場合でも、容易に給湯器の動作を緊急的に停止することができる。
【0012】
(2)前記スイッチは、前記電装ボックスに隣接して配置されることが好ましい。
スイッチは、電装ボックスに隣接して配置されるため、ハーネス類の取り回しをすっきりさせることができる。
【0013】
(3)前記スイッチを取り付ける取付金具を備え、この取付金具は、前記筐体本体の底面上に固定される底板と、前記底板の前端から立ち上がり前記スイッチが固定される前板と、前記前板の上端から後方にのびる上板と、を有し、前記電装ボックスは前記燃焼装置の下方に配設され、上方に突出し前記燃焼装置に締結される第1固定片と、下方に突出する第2固定片と、下方に突出するとともに前記第2固定片よりも突出量が大きくされた一又は複数の差込部と、をそれぞれ有し、前記取付金具の上板には、前記第2固定片を締結するための被固定部が立ち上がり形成されるとともに、前記差込部が差し込まれる孔部が形成されていることが好ましい。
取付金具の上板に設けた孔部に、電装ボックスの差込部を差し込むことで電装ボックスを仮止めすることができる。このため、第1、第2固定片の締結を容易に行うことができ、組付性、メンテナンス性に優れる。また、コントローラの電装ボックスとして既存の電装ボックスを用いる場合、電装ボックスの底面と筐体本体の底面との間に形成される隙間を埋めるためのスペーサとして取付金具を利用できる。
【0014】
<実施形態>
以下、本開示の実施形態を図1から図6によって説明する。以下の説明において前後方向、上下方向、および左右方向は、各図における四方向矢印で示す方向を基準とする。
[給湯器の全体構造]
給湯器1は筐体2を備え、筐体2は、前面を開口した四角箱状の筐体本体2Aと、筐体本体2Aの前面開口を覆うフロントカバー(図示せず)と、を備える。図1は、給湯器1を前方から見た正面図で、前面のフロントカバーを外した状態を示している。給湯器1は、筐体本体2A内に、燃焼装置4と、一次熱交換器5と、二次熱交換器6と、が下から順に設けられる内胴3を収容した構成とされている。燃焼装置4の前面には、燃焼装置4内の複数のバーナ19に燃料ガスを分配供給するためのガス供給ユニット7が組み付けられている。燃焼装置4の下面には、燃焼用空気を供給する吸気ファン8が組み付けられている。内胴3の下方右側には、制御基板91を収容してなるコントローラ9が設置されている。一次熱交換器5と二次熱交換器6の間には排気フード(図示せず)が配設されている。
【0015】
給湯器1は、ドレンホース14を備える。ドレンホース14は、上流端が二次熱交換器6のドレン排出口(図示せず)に接続されており、下流端が中和器(図示せず)に接続されている。二次熱交換器6において潜熱の回収によって生じたドレンは、ドレン排出口を介して二次熱交換器6の外部に排出され、ドレンホース14を通じて中和器に送られる。
【0016】
給湯器1は、制御装置としてのコントローラ9を備える。コントローラ9は、例えば、公知のマイクロコンピュータ等として構成されており、給湯器1に設けられた様々なセンサからの信号を取得可能に構成されており、給湯器1に設けられた様々なアクチュエータを制御し得る構成となっている。例えば、給湯器1は、通水センサによって入水管11内の通水を検知した場合に、燃焼装置4を動作させて湯を生成することを行う。
【0017】
[給湯器の回路構成]
図6に示すように、給湯器1は、回路構成的には、給湯回路10を備えて構成されている。給湯回路10は、水道等からの水を加熱して湯として流出させる回路である。給湯回路10は、水道等の給水源に接続された入水口11Aから入水管11に水を流入し、二次熱交換器6、一次熱交換器5の順に通水させつつバーナ19の燃焼排気と熱交換して水を加熱し、出湯管13を流通させて出湯口13Aから湯を流出する。
【0018】
燃焼装置4は、元ガス電磁弁16が介設されるガス配管17と、ガス配管17から分岐される複数の分岐配管18と、複数の分岐配管18の下流端部の各々に配設される複数のバーナ19と、を備えている。分岐配管18の途中には、給湯ガス電磁弁20が配設されている。
【0019】
元ガス電磁弁16は、ガス流路を開閉可能な弁体と、ガス流路を閉じる方向に弁体を常時付勢するスプリングと、電磁誘導によって弁体を吸引可能なコイルと、を備えている。コイルへの通電が開始されると、電磁誘導によって弁体が吸引されてガス流路が開くようになっており、コイルへの通電が停止されると、スプリングによって弁体が付勢されてガス流路が閉じるようになっている。したがって、電源線の電源プラグをコンセントから引き抜いてコイルへの電力供給を停止させることにより、弁体が内部のスプリングに付勢されて閉状態となり、バーナ19へのガス供給を遮断できる。なお、給湯ガス電磁片20についても元ガス電磁片16と同様であるため、その説明を省略する。
【0020】
[燃焼装置]
図1に示すように、燃焼装置4は、一次熱交換器5の下部に接続されている。燃焼装置4は、燃料ガスと燃焼に必要な全ての燃焼用空気との混合気が燃焼する全一次空気式で、筐体2内に収まる角箱状のインナーケース41を有している。インナーケース41の内部には、複数のバーナ19が左右方向に並んで設けられたバーナユニットが組み付けられている。燃焼装置4は、燃焼ガスを燃焼させて燃焼排気を発生させる。
【0021】
給湯器1は、燃焼装置4の各バーナ19で発生させた燃焼排気を燃焼装置4の上方の一次熱交換器5に流通させる。一次熱交換器5では、一次熱交換器5内の通水と燃焼排気とを熱交換させる。給湯器1は、一次熱交換器5によって燃焼排気の顕熱を回収する。
【0022】
給湯器1においては、燃焼装置4の燃焼排気が一次熱交換器5から排気フードを経て二次熱交換器6に導かれる。二次熱交換器6は、一次熱交換器5に対して、燃焼排気の経路の下流側に配されている。二次熱交換器6では、二次熱交換器6の通水と燃焼排気とを熱交換させる。給湯器1は、二次熱交換器6によって燃焼排気の潜熱を回収する。
【0023】
[一次熱交換器]
一次熱交換器5は、顕熱回収型熱交換器である。一次熱交換器5は、その下端部が燃焼装置4に連なり、上端部が二次熱交換器6に連なって設けられている。一次熱交換器5は、燃焼装置4からの燃焼排気が通過する一次ケーシング51と、一次ケーシング51の内部に配され、厚み方向となる前後方向へ所定間隔を空けて並設された複数の伝熱フィン53(図6参照)と、各伝熱フィン53を前後方向に貫通して蛇行状に形成された一次伝熱管52と、を備えている。一次ケーシング51は上下方向に貫通する四角筒状をなしている。図1に示すように、一次伝熱管52の下流端には、出湯管13が接続されている。
【0024】
[二次熱交換器]
二次熱交換器6は、潜熱回収型熱交換器である。二次熱交換器6は、その下端部が一次熱交換器5に連なり、上端部が排気フードに連なって設けられている。二次熱交換器6は、一次熱交換器5からの燃焼排気が通過する二次ケーシング61と、二次ケーシング61の内部に収容される複数の二次伝熱管62(図6参照)と、を備えている。二次熱交換器6は、耐食性に優れたステンレス製とすることができる。
【0025】
[コントローラ]
コントローラ9は、筐体本体2Aの右下角部に取り付けられている。コントローラ9は、制御基板91と、制御基板91が収容される電装ボックス92と、を備えている。コントローラ9の下方には取付金具95が固定されている。取付金具95は、図4に示すように、筐体本体2Aの底面2A1上に固定される底板95Aと、底板95Aの前端から立ち上がる前板95Bと、前板95Bの上端から後方にのびる上板95Cと、を有している。取付金具95の底板95Aは、図3に示すように、筐体本体2Aの底面2A1に対して2つのボルト93によって二箇所で固定されている。
【0026】
図2に示すように、取付金具95の前板95Bには、スイッチ94が固定されている。スイッチ94は筐体本体2Aの前面に臨む前向き姿勢で取り付けられている。スイッチ94は制御基板91への電力供給をON/OFF操作するためのものである。スイッチ94をON操作すると制御基板91への電力供給が供給され、スイッチ94をOFF操作すると制御基板91への電力供給が停止される。スイッチ94は電源線の途中に配置されているため、スイッチ94をOFF操作すると、電源線の電源プラグをコンセントから引き抜くのと同じ効果が得られる。給湯器1の設置箇所、設置状態によっては容易に電源プラグをコンセントから引き抜くことができない場合があり、その場合にはスイッチ94をOFF操作することで給湯器1の作動を停止できる。これにより、元ガス電磁弁16の弁体を閉状態とし、バーナ19へのガス供給を遮断できる。
【0027】
電装ボックス92は、図1に示すように、燃焼装置4の下方に配設されている。電装ボックス92の上面には、第1固定片92Aが上方に突出して形成されている。第1固定片92Aは、燃焼装置4の右下角部にボルト93で締結されている。電装ボックス92の下面には、第2固定片92Bが下方に突出して形成されている。第2固定片92Bは、取付金具95の上板95Cに立ち上がり形成された被固定部96にボルト93で締結されている。このように電装ボックス92は、少なくとも第1固定片92Aと第2固定片92Bの二箇所で締結されることで筐体本体2A内に固定されている。
【0028】
図4に示すように、電装ボックス92の下面において第2固定片92Bの左側には第1差込部92Cが下方に突出して形成され、同右側には第2差込部92Dが下方に突出して形成されている。第1差込部92Cと第2差込部92Dはいずれも同じ突出量を有し、第2固定片92Bよりも大きい突出量を有している。
【0029】
詳細には図5に示すように、第1差込部92Cは、円柱状をなす第1台座部92C1と、第1台座部92C1の下面から下方に突出して形成された第1凸部92C2と、を有する。同様に、第2差込部92Dは、円柱状をなす第2台座部92D1と、第2台座部92D1の下面から下方に突出して形成された第2凸部92D2と、を有する。
【0030】
一方、取付金具95の上板95Cには、第1凸部92C2が差し込まれる第1孔部95C1と、第2凸部92D2が差し込まれる第2孔部95C2とが貫通して形成されている。第1凸部92C2が第1孔部95C1に差し込まれ、第2凸部92D2が第2孔部95C2に差し込まれると、第1台座部92C1が上板95Cに当接し、第2台座部92D1が上板95Cに当接することで電装ボックス92が上下方向、左右方向、および前後方向に位置決めされ、仮止めされる。これにより、第2固定片92Bのボルト孔と被固定部96のボルト孔とが一致し、ボルト93を各ボルト孔に通しやすくなり、締結作業が容易になる。さらに、第2固定片92Bと被固定部96が固定されると、第1固定片92Aを燃焼装置4の右下角部にボルト締結する作業も容易になる。
【0031】
[実施形態の作用効果]
実施形態の給湯器1は、筐体2と、燃焼装置4と、コントローラ9と、を備えた給湯器1であって、筐体2は、前面が開口する筐体本体2Aを備え、燃焼装置4は筐体本体2Aの内部に配設され、元ガス電磁弁16が介設されるガス配管17と、ガス配管17から分岐される複数の分岐配管18と、複数の分岐配管18の下流端部の各々に配設される複数のバーナ19と、を備え、コントローラ9は、制御基板91と、制御基板91が収容される電装ボックス92と、を備え、筐体本体2Aの内部には、制御基板91への電力供給を停止するスイッチ94が、筐体本体2Aの前面に臨む前向き姿勢で設けられる、給湯器1である。
【0032】
制御基板91への電力供給を停止するスイッチ94が、筐体本体2Aの前面に臨む前向き姿勢で設けられるため、電源プラグをコンセントから引き抜くことが難しい場合でも、容易に給湯器1の動作を緊急的に停止することができる。
【0033】
スイッチ94は、電装ボックス92に隣接して配置される。
スイッチ94は、電装ボックス92に隣接して配置されるため、ハーネス類の取り回しをすっきりさせることができる。
【0034】
スイッチ94を取り付ける取付金具95を備え、この取付金具95は、筐体本体2Aの底面2A1上に固定される底板95Aと、底板95Aの前端から立ち上がりスイッチ94が固定される前板95Bと、前板95Bの上端から後方にのびる上板95Cと、を有し、電装ボックス92は燃焼装置4の下方に配設され、上方に突出し燃焼装置4に締結される第1固定片92Aと、下方に突出する第2固定片92Bと、下方に突出するとともに第2固定片92Bよりも突出量が大きくされた一又は複数の差込部(第1差込部92C,第2差込部92D)と、をそれぞれ有し、取付金具95の上板95Cには、第2固定片92Bを締結するための被固定部96が立ち上がり形成されるとともに、差込部(第1差込部92C,第2差込部92D)が差し込まれる孔部(第1孔部95C1,第2孔部95C2)が形成されている。
取付金具95の上板95Cに設けた孔部(第1孔部95C1,第2孔部95C2)に、電装ボックス92の差込部(第1差込部92C,第2差込部92D)を差し込むことで電装ボックス92を仮止めすることができる。このため、第1、第2固定片92A,92Bの締結を容易に行うことができ、組付性、メンテナンス性に優れる。また、コントローラ9の電装ボックス92として既存の電装ボックス92を用いる場合、電装ボックス92の底面と筐体本体2Aの底面2A1との間に形成される隙間を埋めるためのスペーサとして取付金具95を利用できる。
【0035】
<他の実施形態>
本開示は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態を、次のように変更してもよい。
【0036】
(1)実施形態ではスイッチ94が電装ボックス92に隣接して配置されているが、電装ボックス92から離間して配置されているものでもよい。
【0037】
(2)実施形態ではスイッチ94が取付金具95の前板95Bに固定されているが、スイッチは取付金具95とは別の部材に固定されているものでもよい。
【0038】
(3)実施形態では差込部として第1差込部92Cと第2差込部92Dの双方を例示したが、第1差込部92Cと第2差込部92Dのいずれか一方のみを設けてもよいし、3つ以上の差込部を設けてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1:給湯器 2:筐体 2A:筐体本体 2A1:底面 3:内胴 4:燃焼装置 5:一次熱交換器 6:二次熱交換器 7:ガス供給ユニット 8:吸気ファン 9:コントローラ 10:給湯回路 11:入水管 13:出湯管 14:ドレンホース 16:元ガス電磁弁(元電磁弁) 17:ガス配管 18:分岐配管 19:バーナ 20:給湯ガス電磁片
41:インナーケース
51:一次ケーシング 52:一次伝熱管 53:伝熱フィン
61:二次ケーシング
91:制御基板 92:電装ボックス 92A:第1固定片 92B:第2固定片 92C:第1差込部(差込部) 92C1:第1台座部 92C2:第1凸部 92D:第2差込部(差込部) 92D1:第2台座部 92D2:第2凸部 93:ボルト 94:スイッチ 95:取付金具 95A:底板 95B:前板 95C:上板 95C1:第1孔部 95C2:第2孔部 96:被固定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6