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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116144
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】試験用具及び測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/327 20060101AFI20230815BHJP
   G01N 27/28 20060101ALI20230815BHJP
   G01N 27/416 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
G01N27/327 353Z
G01N27/28 R
G01N27/327 353R
G01N27/416 338
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022018765
(22)【出願日】2022-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000141897
【氏名又は名称】アークレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西山 尚
(57)【要約】
【課題】演算用情報の出力に際して導電性材料そのものの抵抗値の影響を受けることのない試験用具を提供する。
【解決手段】バイオセンサ2は、非導電性材料からなる基板上に配置された、測定対象成分の測定のための成分測定領域2bと、前記基板上に配置された導電性材料により形成され、所定の電圧が印加される電圧印加点41、接地電位に接続されるアース接続点42、及び電気的測定値を測定するための少なくとも1つの測定点43が定められる導電領域32と、導電領域32の内部において、電圧印加点41とアース接続点42との間の導電領域32における第1の抵抗値と、電圧印加点41又はアース接続点42と測定点43との間の導電領域32における第2の抵抗値との比率を規定する抵抗規定領域とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演算用情報に基づいて試料内の測定対象成分の演算を行う測定装置に装着して使用され、かつ前記測定装置に対して前記演算用情報を出力可能な試験用具であって、
非導電性材料からなる基板上に配置された、前記測定対象成分の測定のための成分測定領域と、
前記基板上に配置された導電性材料により形成され、所定の電圧が印加される電圧印加点、接地電位に接続されるアース接続点、及び電気的測定値を測定するための少なくとも1つの測定点が定められる導電領域と、
前記導電領域の内部において、前記電圧印加点と前記アース接続点との間の前記導電領域における第1の抵抗値と、前記電圧印加点又は前記アース接続点と前記測定点との間の前記導電領域における第2の抵抗値との比率を規定する抵抗規定領域と、
を備える、試験用具。
【請求項2】
前記抵抗規定領域は、前記電圧印加点と前記アース接続点との間の距離と、前記電圧印加点又は前記アース接続点と前記測定点との間の距離とを規定することで、前記第1の抵抗値と前記第2の抵抗値との比率を規定する、請求項1に記載の試験用具。
【請求項3】
前記抵抗規定領域は、前記測定点の周囲を取り囲み、一部が開放している切断線を有する、請求項2に記載の試験用具。
【請求項4】
前記切断線は、前記測定点の周囲を矩形状に取り囲んでいる、請求項3に記載の試験用具。
【請求項5】
前記切断線は、前記測定点の近傍の位置で開放している、請求項3に記載の試験用具。
【請求項6】
前記抵抗規定領域は、前記電圧印加点と前記アース接続点との間の長さ及び幅と、前記電圧印加点又は前記アース接続点と前記測定点との間の長さ及び幅を規定することで前記第1の抵抗値と前記第2の抵抗値との比率を規定する、請求項1~5のいずれか1項に記載の試験用具。
【請求項7】
前記抵抗規定領域として、前記電圧印加点と前記アース接続点との間に非導電性の領域が設けられることによって、前記電圧印加点又は前記アース接続点と前記測定点との間の面積を規定する、請求項6に記載の試験用具。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の試験用具を装着して使用し、かつ前記試験用具から出力された前記演算用情報に基づいて試料内の測定対象成分の演算を行う測定装置であって、
前記導電性材料に電圧を印加するために前記電圧印加点と接続する電圧印加端子と、
前記アース接続点を接地電位とするために前記アース接続点と接続する接地端子と、
前記測定点と接続する測定端子と、
前記測定点の電気的測定値を測定する情報測定部と、
前記情報測定部が測定した前記電気的測定値に基づき、前記演算用情報を特定する演算用情報特定部と、
を備える、測定装置。
【請求項9】
前記測定点の電気的測定値は、前記測定点の電位である、請求項8に記載の測定装置。
【請求項10】
前記成分測定領域と接続する成分測定用端子と、前記成分測定領域で測定対象成分を測定する成分測定部と、をさらに備える、請求項8又は9に記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、試験用具及び測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~3には、バイオセンサのセンサ感度(試薬の感度)の情報(検量線情報)、センサの測定項目の情報、又は接続された測定装置に合致したセンサか否かを判定するための情報(非互換情報)を測定装置が判定できるように、バイオセンサにおける測定装置と接続する接続端子部(演算情報標識領域)の導電性材料の形状、又は測定装置との接続時の電気的接続経路を利用して各種情報のインジケータとする技術が開示されている。
【0003】
特許文献1~3には、測定装置との接続時の電気的接続経路の抵抗値の利用が示されており、導電性材料の接続を工夫している。特許文献1には、抵抗値に基づいて接続を判定する技術が開示されている。また、特許文献2、3には、経路が接続しているか否かを通電のON/OFF(「0」又は「1」)で判定する具体的手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4885508号
【特許文献2】国際公開第2003/029804号
【特許文献3】特許第3859239号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献では、バイオセンサの接続端子部(演算情報標識領域)の導電性材料における2点間の抵抗値又は接続有無を、各演算情報のインジケータとしている。しかし、2点間の抵抗値を各情報のインジケータとする方法では、導電性材料そのものの抵抗値の影響を受ける。すなわち同じ導電性材料の形状であったとしても、導電性材料そのものの製造差、又は導電性材料に対する傷付きがあれば2点間の抵抗値が変わってしまう。抵抗値が変動してしまうと、測定装置が演算情報を正しく判定することができない。また、2点間の接続有無を各情報のインジケータとする方法では、経路が接続しているか否かの二択に限られ、情報量が少ない。
【0006】
本開示は、上記の点に鑑みてなされたものであり、演算用情報の出力に際して導電性材料そのものの抵抗値の影響を受け難い試験用具及び測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、試験用具であって、演算用情報に基づいて試料内の測定対象成分の演算を行う測定装置に装着して使用され、かつ前記測定装置に対して前記演算用情報を出力可能な試験用具であって、非導電性材料からなる基板上に配置された、前記測定対象成分の測定のための成分測定領域と、前記基板上に配置された導電性材料により形成され、所定の電圧が印加される電圧印加点、接地電位に接続されるアース接続点、及び電気的測定値を測定するための少なくとも1つの測定点が定められる導電領域と、前記導電領域の内部において、前記電圧印加点と前記アース接続点との間の前記導電領域における第1の抵抗値と、前記電圧印加点又は前記アース接続点と前記測定点との間の前記導電領域における第2の抵抗値との比率を規定する抵抗規定領域と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、演算用情報の出力に際して導電性材料そのものの抵抗値の影響を受け難い試験用具及び測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】開示の技術の実施形態に係る測定装置の外観を示す斜視図である。
図2】実施形態の測定装置で使用されるバイオセンサの模式図である。
図3】バイオセンサの演算情報検出領域を拡大して示す図である。
図4】バイオセンサの演算情報検出領域を拡大して示す図である。
図5】実施形態の測定装置の機能を示すブロック図である。
図6】導電領域の形状の変形例を示す図である。
図7】切断線の形状の変形例を示す図である。
図8】導電領域の一部をトリミングさせている例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0011】
(1)試験用具
本実施形態に係る試験用具は、演算用情報に基づいて試料内の測定対象成分の演算を行う測定装置に装着して使用され、かつ測定装置に対して演算用情報を出力可能な試験用具であって、非導電性材料からなる基板上に配置された、測定対象成分の測定のための成分測定領域と、基板上に配置された導電性材料により形成され、所定の電圧が印加される電圧印加点、接地電位に接続されるアース接続点、及び電気的測定値を測定するための少なくとも1つの測定点が定められる導電領域と、導電領域の内部において、電圧印加点とアース接続点との間の導電領域における第1の抵抗値と、電圧印加点又はアース接続点と測定点との間の導電領域における第2の抵抗値との比率を規定する抵抗規定領域と、を備える。
【0012】
係る試験用具は、第1の抵抗値と第2の抵抗値との比率を規定して、測定点において電気的測定値が測定されることで、演算用情報の出力に際して導電性材料そのものの抵抗値の影響を抑制することが出来る。
【0013】
試料は、例えば、体液、水質検査のための液体であり、体液の場合は、血液、血漿、尿及び唾液等である。
【0014】
測定対象成分は、試料中に含まれる化学的成分をいい、例えば、試料が血液の場合、血液中に含まれるグルコース(血糖)又はラクテート(乳酸)等である。
【0015】
基板は、電気的に非導電性の材料である非導電性材料からなり、例えば、電荷または電流を運ぶことができない任意の絶縁材料で形成されており、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ビニル類等が挙げられる。
【0016】
成分測定領域は、測定対象成分を測定するために試験用具に配置された領域であって、例えば、電気化学的な手段や光学的な手段によって、測定対象成分を測定できるように構成されている。成分測定領域には必要に応じて、測定対象成分と反応する試薬が備えられている。電気化学的な手段の場合には、試薬が測定対象成分と反応したことによって生じた電子の量を測定することで測定対象成分の量を測定できるように準備されている。また、光学的な手段の場合には、試薬が測定対象成分と反応したことによって生じた色調変化を測定することで測定対象成分の量を測定できるように準備されている。
【0017】
導電領域は、金(Au)のような金属材料、又はカーボンのような炭素材料を用いて基板上に配置された導電性材料によって形成されている。導電領域には、基板の裏面とは反対方向の露出した表面上に電圧印加点、アース接続点、及び少なくとも1つの測定点がそれぞれ離れて定められている。それぞれの点は、導電性材料上に位置しており、断線されておらず、電気的に接続可能となっており、同じ導電性材料上に位置していることが好ましい。電圧印加点は、測定装置に試験用具が装着された際に、測定装置から電圧が印加される導電領域内部の点である。アース接続点は、電圧がアース(電圧がゼロ)または所定の電位(定電位)に接続される導電領域内部の点である。測定点は電圧印加点からアース接続点へ電流が流れる経路の間であって、導電領域内部の点が定められる。
【0018】
抵抗規定領域は、導電領域の内部において、電圧印加点とアース接続点との間の導電領域における第1の抵抗値と、電圧印加点又はアース接続点と測定点との間の導電領域における第2の抵抗値との比率を規定するための領域であり、第1の抵抗値と第2の抵抗値のうち少なくとも一つを任意の抵抗値に規定するための構成である。電圧印加点とアース接続点との間の導電領域とは、測定装置に試験用具が装着され、測定装置から電圧印加点に電圧を印加した際の電圧印加点とアース接続点との間の電位差が発生する導電領域の内部の領域を指し、電流が流れる導電領域内部の領域であるともいえる。電圧印加点又はアース接続点と測定点との間の導電領域も同様に、電圧印加点又はアース接続点と測定点との間の電位差が発生する導電領域の内部の領域を指し、電流が流れる導電領域内部の領域であるとも言える。なお、電圧印加点又はアース接続点と測定点との間の導電領域は、電圧印加点とアース接続点との間の導電領域の一部である。
【0019】
第1の抵抗値と第2の抵抗値とのうちの少なくとも一つを任意の抵抗値に規定するために、電圧印加点とアース接続点との間の導電領域の抵抗値と、電圧印加点又はアース接続点と測定点との間の導電領域の抵抗値と、を任意の抵抗値に規定するよう構成されている。つまり、電圧印加点と測定点との間の導電領域と、アース接続点と測定点との間の導電領域うちの少なくとも一つの導電領域の抵抗値を任意の抵抗値に規定するよう構成されているともいえる。抵抗値を規定する手段として、当該導電領域の導電性材料の抵抗率、又は任意の二点間の導電領域の長さ、幅、若しくは厚みの少なくとも一つを規定することで構成されている。
【0020】
具体的には、第1の抵抗値と第2の抵抗値との比率を規定するために、例えば、抵抗規定領域において、電圧印加点とアース接続点との間の距離と、電圧印加点又はアース接続点と測定点との間の距離とを規定してもよい。
【0021】
また例えば、抵抗規定領域は、測定点の周囲を取り囲み、一部が開放している切断線を有してもよい。係る切断線が設けられていることで、第1の抵抗値と第2の抵抗値との比率を規定することができる。
【0022】
測定点の周囲を取り囲む切断線は、測定点の周囲を矩形状に取り囲んでいてもよい。切断線が測定点の周囲を矩形状に取り囲んでいることで、電圧印加点とアース接続点との間の距離を長く取ることが可能となる。
【0023】
測定点の周囲を取り囲む切断線は、測定点の近傍の位置で開放していてもよい。切断線が、測定点の近傍の位置で近傍の位置で開放していることで、電圧印加点又はアース接続点と測定点との距離を短く取ることが可能となる。
【0024】
また例えば、抵抗規定領域として、電圧印加点とアース接続点との間に非導電性の領域が設けられることによって、第1の抵抗値と第2の抵抗値との比率を規定してもよい。
【0025】
(2)測定装置
本実施形態に係る測定装置は、上記試験用具を装着して使用し、かつ試験用具から出力された演算用情報に基づいて試料内の測定対象成分の演算を行う測定装置であって、導電性材料に電圧を印加するために電圧印加点と接続する電圧印加端子と、アース接続点を接地電位とするためにアース接続点と接続する接地端子と、測定点と接続する測定端子と、測定点の電気的測定値を測定する情報測定部と、情報測定部が測定した電気的測定値に基づき、演算用情報を特定する演算用情報特定部と、を備える。
【0026】
測定点の電気的測定値は、電位、電流値、または抵抗値等であり、好ましくは測定点の電位である。
【0027】
試験用具の成分測定領域と接続する成分測定用端子と、成分測定領域を用いて測定対象成分を測定する測定部と、をさらに備えてもよい。
【0028】
以下の説明では、バイオセンサに点着された血液が流路内で流動する方向に沿って、「上流側」及び「下流側」を定義している。
【0029】
図1は、本実施形態に係る測定装置1の外観を示す斜視図である。本実施形態は、一例として、測定装置1を、携帯型の血糖値計とした場合の例である。図1において、測定装置1としての携帯型の血糖値計と、この測定装置1に着脱可能に構成されたバイオセンサ2とが設けられている。バイオセンサ2は、本開示の試験用具の一例である。このバイオセンサ2には、後述の流路2a内に試料としての患者の血液が導入されるように流路2aの導入口としての血液供給口2dと、血液が導入されたことによる流路2a内の空気を排出するための空気孔2eが形成されており、血液中の血糖値(グルコース値)を検出するための機能を有するように構成されている。図1に示す測定装置1は、たとえば、携帯型の血糖測定器又は血糖自己測定メータなどの血糖値計として使用することができる。
【0030】
また、測定装置1は、本体1aを備えており、この本体1aには、短冊状のバイオセンサ2を挿入するための挿入口1bが設けられている。また、本体1aには、図3に示すように、バイオセンサ2に所定の電圧信号を供給し、バイオセンサ2から測定結果を示す電流信号を受け取ってA/D変換する電圧印加器50が設けられている。また、本体1aには、図5に示すように、たとえばマイクロプロセッサにて構成されるとともに、測定装置1の各部の制御を行う制御部100が設けられている。制御部100は、図5に示すように、バイオセンサ2に対して、所定の電圧信号を電圧印加器50から供給させるとともに、電圧信号の供給に応じたバイオセンサ2からの電流値に基づいて、測定値を示す測定データを生成する。測定部で得られた測定データは図示しない記録部に記録される。この制御部100で得られた測定データは、測定時間又は患者IDなどと関連付けて、記録部に記録されるようになっている。
【0031】
また、本体1aには、測定データを表示する表示画面1cと、外部機器とデータ通信するためのコネクタ1dとが設けられている。このコネクタ1dは、外部機器としてのスマートフォンなどの携帯機器又はパーソナルコンピュータなどとの間で、測定データ、測定時間、患者IDなどのデータを送受信するようになっている。すなわち、測定装置1では、コネクタ1dを介在させて、外部機器に測定データ又は測定時間を転送したり、外部機器から患者ID等を受信して測定データなどと関連付けたりすることができるように構成されている。
【0032】
なお、上記の説明以外に、たとえば上記制御部100をバイオセンサ2の端部に設けて、バイオセンサ2の側で測定データを生成する構成でもよい。また、測定装置1の本体1aにおいて、患者などのユーザがデータを入力するためのボタン、タッチパネル等の入力部を含むユーザインタフェースを備えてもよい。また、表示画面1c又は記録部などを本体1aに設けずに、本体1aと接続可能な外部装置に設ける構成であってもよい。
【0033】
図2は、本実施形態の測定装置1で使用されるバイオセンサ2の模式図である。図中、上側が上流側であり、下側が下流側である。バイオセンサ2においては、たとえば、合成樹脂(プラスチック)を用いて形成された基板上に、たとえば、金(Au)のような金属材料、又はカーボンのような炭素材料を用いて形成された電極層が形成される。電極層の上に、被覆領域として矩形状の切抜部を有する図示しないスペーサ、さらにその上に空気孔2eが形成された図示しない合成樹脂製のカバーが積層される。基板、スペーサ、及びカバーの積層により、スペーサの切抜部によって形成された血液供給口2dを有する空間が形成され、この空間が流路2aとなる。空気孔2eは流路2aの下流端付近に形成されている。
【0034】
本実施形態において、電極層は、第1電極対10としての第1作用極11及び第1対極12、第2電極対20としての第2作用極21及び第2対極22、並びに血液検知極30の5つの電極が流路2a内にバイオセンサ2の長手方向及び幅方向にそれぞれが平行して矩形状に露出するように形成されている。流路2aに露出した第1電極対10、第2電極対20、血液検知極30は、導入された血液と接触し、成分測定領域として機能する。なお、隣接する各電極間は絶縁されている。たとえば、物理蒸着によって形成された金属材料によって電極層が形成されている場合には、レーザ光で所定の電極パターンを描くこと(トリミング)により各電極間が絶縁されている。また、炭素材料を用いて形成された電極層の場合では所定の間隔を空けてそれぞれの電極が形成される。本実施形態の電極層は、ニッケルバナジウム合金を用いて形成されている。本実施形態では、第1電極対10はグルコース値を取得するための電極対であり、第2電極対20はヘマトクリット値を取得するための電極対である。第1電極対10、第2電極対20、血液検知極30の形状は、図2に示したものに限られない。
【0035】
各電極は、バイオセンサ2の長手方向に沿って延設され、上流端側で幅方向に屈曲している。この屈曲部分は、上流側から、第2作用極21、第2対極22、第1作用極11、第1対極12及び血液検知極30の順に、幅方向に並行に位置している。各電極は、バイオセンサ2の上流端から下流端近傍までの成分測定領域2bで図示しない前記カバーで被覆されているが、下流端部分は被覆されずに露出し、この部分が本体1aの挿入口1bに挿入される領域となっている。この成分測定領域2bの下流端部分では、第1作用極11のリード部11a、第1対極12のリード部12a、第2作用極21のリード部21a、第2対極22のリード部22a及び血液検知極30のリード部30aがそれぞれ露出した接点となっている。
【0036】
バイオセンサ2の上流部分の幅方向中央部分において、各電極と図示しないカバーとの間に間隙が形成されている。この間隙は、上述のとおり血液が点着され流動するキャピラリ状の流路2aである。また、上流側から数えて2番目の電極である第2対極22と、3番目の電極である第1作用極11との間の間隙である非導電領域45は、他の電極間の間隙よりも広くなっている。この非導電領域45は、レーザ光で矩形状のパターンを電極層に描かれることによって他の電極と絶縁されて形成された領域である。さらに、第1作用極11の上には試薬40が載置されている。試薬40は、測定対象物と反応する化学物質であって、たとえば、酵素及びメディエータを含むものであってもよい。この試薬40が載置されている領域は、下流側は第1対極12の半ばまでに至り、上流側は非導電領域45の半ばまでに至るが、第2対極22までには及んでいない。換言すると、第1作用極11と第2対極22との間が非導電領域45で隔てられているため、第1作用極11に載置されている試薬40と第2対極22との接触が妨げられている。バイオセンサ2の血液供給口2dに血液が点着されると、流路2aの中を、毛細管力によって第2対極22、第1作用極11、第1対極12及び血液検知極30の順に下流側に流動していく。このとき、血液が第1作用極11に至ると、第1作用極11に載置されている試薬40が血液により溶解される。
【0037】
図2には、測定装置1に設けられていて、バイオセンサ2の挿入により成分測定領域2bの各リード部と接触する成分測定用端子111、112、121、122、130を図示している。成分測定用端子111は第1作用極11のリード部11aと接触する。成分測定用端子112は第1対極12のリード部12aと接触する。成分測定用端子121は第2作用極21のリード部21aと接触する。成分測定用端子122は第2対極22のリード部22aと接触する。成分測定用端子130は血液検知極30のリード部30aと接触する。なお、成分測定用端子111、112、121、122、130は、バイオセンサ2の挿入により、各リード部とそれぞれ点接触する。
【0038】
また、成分測定領域2bの下流側には、成分測定領域2bとトリミングによって絶縁された演算情報検出領域2cが設けられている。図3及び図4は、バイオセンサ2の演算情報検出領域2cを拡大して示す図である。図3に示すように、バイオセンサ2の演算情報検出領域2cには、電極層と同じニッケルバナジウム合金である導電性材料による導電領域32が形成される。導電領域32は、レーザ光でトリミングされることによって矩形状の切断線33が形成されており、切断線33部分で導通しないようになっているが、導電領域32は断線されておらず、全体が導通されている。
【0039】
また、図4に示すように、導電領域32は、測定装置1に設けられる電極と接触することで、所定の電圧が印加される電圧印加点41、接地電位に接続されるアース接続点42、及び電気的測定値を測定するための測定点43が定められる。なお、測定点43の周囲を囲む切断線33は、完全な矩形ではなく、図3に示すように一部が開放している。一部が開放していることにより、電圧印加点41に電圧が印加されると、測定点43における電気的測定値の測定が可能となる。
【0040】
図4には、測定装置1に設けられていて、バイオセンサ2の挿入により演算情報検出領域2cの導電領域32と接触する電圧印加端子141、接地端子142、及び測定端子143を図示している。電圧印加端子141は、導電領域32に電圧を印加するために電圧印加点41と接続する端子である。接地端子142は、アース接続点42を接地電位とするためにアース接続点42と接続する端子である。測定端子143は、測定点43の電気的測定値を測定するために測定点43と接続する端子である。なお、電気的測定値は、電位値、電流値、抵抗値その他の電気的に取得可能な値である。測定点43及び測定端子143の数は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。また、電圧印加端子141、接地端子142のそれぞれの先端側が二股に分かれており、導電領域32と2点で接触する構成であってもよく、その場合には、電圧印加点41およびアース接続点42も2点となる。
【0041】
演算情報検出領域2cは、電圧印加点41とアース接続点42との間の導電領域32における抵抗値(第1の抵抗値)と、電圧印加点41又はアース接続点42と測定点43との間の導電領域32における抵抗値(第2の抵抗値)との比率を規定する領域を有することになる。当該領域を抵抗規定領域とする。切断線33は、抵抗規定領域の一例である。後述するが、バイオセンサ2は、抵抗規定領域として導電領域32上に非導電性の領域を設けることで、上記第1の抵抗値と第2の抵抗値との比率を変化させてもよい。
【0042】
バイオセンサ2が測定装置1に挿入され、電圧印加端子141によって電圧が印加されると、電圧印加点41からアース接続点42に向かって電流が流れる。また、切断線33は、図3に示すように一部が開放している(断線されていない)ことで、測定装置1は、電圧印加点41からアース接続点42に向かって電流が流れる経路の途中に位置する測定点43で電気的測定値を測定することができる。
【0043】
導電性材料における2点間の抵抗値又は接続有無を、各演算情報のインジケータとする場合は、同じ導電性材料の形状であったとしても、導電性材料そのものの製造差、又は導電性材料に対する傷付きがあれば2点間の抵抗値が変わってしまう。抵抗値Rは、
R=ρ・L/t・W
で表すことができる。ρは導電性材料の抵抗率、Lは導電性材料の2点間の長さ、tは導電性材料の2点間の厚み、Wは導電性材料の2点間の幅である。ここで、導電性材料そのものの製造差、又は導電性材料に対する傷付きがあれば、上記数式におけるρが変化してしまい、導電性材料が同じ長さ、厚み、幅であっても、その導電性材料の抵抗値が変化する。
【0044】
本実施形態に係るバイオセンサ2は、導電領域32に電圧印加点41、アース接続点42、及び測定点43が定められることで、測定装置1における演算情報の検出において、導電性材料そのものの抵抗値の影響を抑制することができる。すなわち、本実施形態に係るバイオセンサ2は、電圧印加点41とアース接続点42との間の導電領域32における抵抗値と、電圧印加点41又はアース接続点42と測定点43との間の導電領域32における抵抗値との比率が、切断線33によって規定されている。仮に上記数式のρが変化しても、本実施形態に係るバイオセンサ2は抵抗値ではなく抵抗値の比率によって演算情報の検出が行われるため、測定装置1における演算情報の検出において、導電性材料そのものの抵抗値の影響を抑制することができる。
【0045】
図5は、本実施形態の測定装置1の機能を示すブロック図である。本実施形態の測定装置1は、上述のとおり、血液中の測定対象物を測定する第1作用極11及び第1対極12からなる第1電極対10と、第1電極対10の上流側に形成されるとともに第2作用極21及び第2対極22からなる第2電極対20と、第1電極対10の下流側に形成される血液検知極30と、少なくとも第1作用極11に接して載置されるとともに測定対象物と反応する試薬40と、を有するバイオセンサ2を備える。
【0046】
バイオセンサ2の各電極のリード部11a、12a、21a、22a及び30aはそれぞれ並列に後述の電圧印加器50及びグランドと接続回路200、300によって接続している。接続回路200には、電圧印加器50とリード部11aとの間に第1作用極用スイッチ211が、電圧印加器50とリード部12aとの間に第1対極用スイッチ212が、電圧印加器50とリード部21aとの間に第2作用極用スイッチ221が、電圧印加器50とリード部22aとの間に第2対極用スイッチ222が、電圧印加器50とリード部30aとの間に血液検知極用スイッチ230が、電圧印加器50と電圧印加点41との間に演算情報取得用スイッチ241が、それぞれ設けられている。
【0047】
さらに、各電極のリード部11a、12a、21a、22a及び30aと、各々に対応するスイッチ211、212、221、222、230との間はそれぞれ分岐しており、グランドに並列に接続している。そして、それぞれの分岐点とグランドとの間の接続回路300には第1作用極用グランドスイッチ311、第1対極用グランドスイッチ312、第2作用極用グランドスイッチ321、第2対極用グランドスイッチ322、血液検知極用グランドスイッチ330がそれぞれ設けられている。それぞれのスイッチは電子スイッチであり、後述のとおり、制御部100によってオン・オフが制御されるようになっている。
【0048】
また、バイオセンサ2の電圧印加点41は後述の電圧印加器50と接続回路200によって接続している。アース接続点42は、グランドと接続している。測定点43は、制御部100と接続している。
【0049】
測定装置1は、電源を備えた電圧印加器50を備えている。電圧印加器50は接続回路200を通じて各電極と接続できるようになっている。また、電圧印加器50には、電極間に流れる電流を電圧に変換して出力する電流/電圧変換回路51、電流/電圧変換回路51からの電圧値をパルスに変換するA/D変換回路52を有している。制御部100によって使用する電極に対応する所望のスイッチをオンし、グランドにおいて各電極間に印加する電圧を可変制御することで、電圧印加器50は電極間にパルス電圧を印加するとともに、電極間に流れる応答電流値を取得できる。
【0050】
印加されるパルス電圧の電圧値は、たとえば、50~1000mVの範囲、より好ましくは100~600mVの範囲で設定することが望ましい。また、応答電流のピーク値は、たとえば、0.3μA以上、より好ましくは0.7μA以上で設定することが望ましい。一例を挙げれば、電圧印加器50は電圧印加点41に200mV又は500mVの電圧を印加し、リード部11aに400mVの電圧を印加し、リード部30aに500mVの電圧を印加する。
【0051】
測定装置1はさらに、所定のプログラムを実行する中央制御装置である制御部100を備える。制御部100は、接続回路200、300の各スイッチの開閉を制御し、電圧印加器50のA/D変換回路52からのパルスに基づいて測定値を示す測定データを取得する。制御部100は、表示画面1cに対する表示制御も行う。表示画面1cには、測定データの他に、バイオセンサ2が適切なものであるかどうかの情報を表示する。制御部100は、バイオセンサ2が適切なものであるかどうかを、演算用情報を特定することによって判断する。
【0052】
制御部100は、機能構成として、情報測定部101と、演算用情報特定部102と、成分測定部103と、を含む。制御部100は、プログラムを実行することにより、情報測定部101と、演算用情報特定部102と、成分測定部103とを有するように機能する。
【0053】
情報測定部101は、測定点43の電気的測定値を測定する。測定点43の電気的測定値は、測定装置1にバイオセンサ2が挿入され、測定端子143が測定点43に接触することで得られる。情報測定部101は、測定装置1にバイオセンサ2が挿入されたことを検知すると、演算情報取得用スイッチ241を接続するよう制御し、他のスイッチは非接続状態となるように制御する。演算情報取得用スイッチ241が接続されることで、電圧印加器50から電圧印加端子141を通じて電圧印加点41に所定の電圧が印加される。電圧印加点41に所定の電圧が印加されると、電圧印加点41と、接地端子142によって接地電位とされたアース接続点42との間に電位差が発生することにより、電圧印加点41からアース接続点42に電流が流れる。電圧印加点41からアース接続点42に電流が流れることで、電圧印加点41からアース接続点42の間の測定点43の電気的測定値を、例えば電位として、測定端子143を通じて情報測定部101で測定することができる。
【0054】
演算用情報特定部102は、情報測定部101が測定した電気的測定値に基づいて、測定装置1に挿入されたバイオセンサ2の演算情報を特定する。電気的測定値は、第1の抵抗値と第2の抵抗値との比率に対応するため、第1の抵抗値と第2の抵抗値との比率に基づいて演算情報を特定すると言い換えることもできる。詳細には、演算用情報特定部102は、演算用情報を特定する際に、予め記憶されている値と、情報測定部101が測定した電気的測定値とを比較することで、バイオセンサ2の演算情報を特定する。
【0055】
成分測定部103は、成分測定用端子111、112、121、122、130によって、バイオセンサ2の各リード部11a、12a、21a、22a、30aの電気的測定値に基づいて、試料に含まれる成分を測定する。本実施形態では、成分測定部103は、血液中のグルコース値及びヘマトクリット値を測定する。また本実施形態では、演算用情報特定部102によって演算情報を特定した結果、バイオセンサ2が測定装置1に合致したセンサであった場合に限り、成分測定部103による成分の測定が行われる。
【0056】
成分測定部103は、グルコース値の情報を測定する場合には、第1作用極用スイッチ211及び第1作用極用グランドスイッチ311を接続するよう制御し、他のスイッチは非接続状態となるように制御する。そして、電圧印加器50が、第1電極対10に直流電圧(たとえば、400mV)を印加すると、成分測定部103は、印加した直流電圧に対応する応答電流値を測定する。第1電極対10に印加される直流電圧の電圧値は、たとえば、100~1000mVの範囲、より好ましくは200~500mVの範囲で設定することが望ましい。成分測定部103は、測定した応答電流値を、そのままの値でグルコース値の情報としてもよい。また成分測定部103は、あらかじめ既知の濃度の測定対象物で測定した電流応答値で作成した検量線又は対比表との参照により、測定対象物の濃度に換算された値をグルコース値としてもよい。
【0057】
成分測定部103は、ヘマトクリット値の情報を測定する場合には、第2作用極用スイッチ221及び第2作用極用グランドスイッチ321を接続するよう制御し、他のスイッチは非接続状態となるように制御する。そして、電圧印加器50が、第2電極対20に直流電圧(たとえば、4000mV=4V)を印加すると、成分測定部103は、印加した直流電圧に対応する応答電流値を測定する。第2電極対20に印加される直流電圧の電圧値は、たとえば、2~20Vの範囲、より好ましくは3~10Vの範囲で設定することが望ましい。成分測定部103は、測定した応答電流値を、そのままの値でヘマトクリット値の情報としてもよい。また成分測定部103は、あらかじめ既知である別の血液で測定した電流応答値で作成した検量線又は対比表との参照により、測定対象物の濃度に換算された値をヘマトクリット値としてもよい。
【0058】
上記の実施形態の測定装置では、各電極にパルス電圧を印加する際、制御部100は各スイッチの開閉制御を行っていた。しかし、別の実施形態の測定装置1では、各スイッチは設けずに、制御部100からの制御に基づいて電圧印加器50から直接パルス電圧を各電極に印加してもよい。
【0059】
導電領域32の形状は、図3及び図4に示したものに限定されない。図6は、導電領域32の形状の変形例を示す図である。V1では、開放位置はアース接続点42に最も近く、V2、V3、・・・の順に開放位置はアース接続点42から遠くなり、V9では、開放位置はアース接続点42から最も遠くなる。換言すれば、V9では、開放位置は電圧印加点41に最も近くなる。図6に示したように、切断線33における開放位置を様々なパターンの中から選択することで、測定点43の電気的測定値を変化させることができる。
【0060】
表1は、電圧印加点41に200mVの電圧を印加した際の、測定点43の測定電位を示す表である。測定点43は全て同じ点である。表1に示すように、導電領域32の形状、すなわち切断線33における開放位置を変えることで測定点43の測定電位を調整することが可能となる。
【0061】
【表1】
【0062】
このように、図6の形態では9つの電気的測定値から選択できるため、インジケータとして9パターン準備できるようになる。具体的には、測定電位が200V±5Vでは、検量線No.1、185V±5Vでは、検量線No.2、・・・5V±5Vでは、検量線No.9というように、複数の検量線を準備することができると共に、その過程の演算用情報の出力に際して、導電性材料そのものの抵抗値の影響を受け難いといえる。演算情報検出領域2cにおいて、電圧印加点41、アース接続点42、及び測定点43を含む導電領域32の形状(面積や外枠)は共通し、切断線33の形状、すなわち開放している部分が相違するだけなので、製造が簡易となる利点もある。
【0063】
さらに、切断線33の形状を他のパターンに変化させることによっても、測定点43の電気的測定値を変化させることができる。図7は、切断線33の形状の変形例を示す図であり、測定点43の周囲の切断線33の形状を3通り、電圧印加点41とアース接続点42との間の切断線33の形状を6通りの、計18通りの形状を示している。
【0064】
測定点43の電気的測定値は、切断線33の形状を変化させる方法以外であっても変化させることが可能である。例えば、導電領域32の一部をトリミングするか、導電領域32をスパッタリングさせる領域を変化させることによっても、測定点43の電気的測定値を変化させることが可能である。
【0065】
電圧印加点41とアース接続点42との間に非導電性の領域が設けられることによって、電圧印加点41又はアース接続点42と測定点43との間の面積を規定することで、結果的に、電圧印加点41とアース接続点42との間の長さ及び幅と、電圧印加点41又はアース接続点42と測定点43との間の長さ及び幅を変化することができ、これにより、電圧印加点41とアース接続点42との間の抵抗値と、電圧印加点41又はアース接続点42と測定点43との間の抵抗値を規定してもよい。図8は、導電領域32の一部をトリミングさせている例を示す図である。図8の(A)~(D)に示したように、導電領域32の一部をトリミング領域34でトリミングさせることで、測定点43の電気的測定値を変化させることが可能となる。図8では、切断線33の形状は全て同じであるが、導電領域32をトリミング領域34でトリミングさせた上で、切断線33の形状を変化させることで測定点43の電気的測定値を変化させることが可能となる。なお、トリミング領域34の形状及び数は、電圧印加点41、アース接続点42、及び測定点43に干渉しない限り図8に示したものに限定されない。
【0066】
なお、電圧印加点41、アース接続点42、及び測定点43の位置は図4に示した位置に限定されるものでは無い。例えば、アース接続点42の位置を変えると、その他の条件が同じであっても、測定点43で測定される電位は変わる。
【0067】
以上説明したように本開示の実施形態によれば、演算情報を測定装置1で識別する際に、導電性材料そのものの抵抗値の影響を受けることのないバイオセンサ2を提供することが出来る。また、本開示の実施形態によれば、少なくとも3点で導電領域32から演算情報を測定することで、バイオセンサ2の導電性材料そのものの抵抗値の影響を受け難く、演算情報を識別できる測定装置1を提供することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 測定装置 1a本体 1b 挿入口
1c 表示画面 1d コネクタ
2 バイオセンサ 2a 流路 2b 成分測定領域
2c 演算情報検出領域 2d 血液供給口 2e 空気孔
10 第1電極対 11 第1作用極 11a リード部
12 第1対極 12a リード部
13 第1上流電極 14 参照電極
20 第2電極対 21 第2作用極 21a リード部
22 第2対極 22a リード部
23 第2下流電極
30 血液検知極 30a リード部
32 導電領域 33 切断線
40 試薬 41 電圧印加点
42 アース接続点 43 測定点 45 非導電領域
50 電圧印加器 51 電流/電圧変換回路 52 A/D変換回路
100 制御部
141 電圧印加端子 142 接地端子
143 測定端子
200 接続回路
211 第1作用極用スイッチ 212 第1対極用スイッチ
221 第2作用極用スイッチ 222 第2対極用スイッチ
230 血液検知極用スイッチ
300 接続回路
311 第1作用極用グランドスイッチ 312 第1対極用グランドスイッチ
321 第2作用極用グランドスイッチ 322 第2対極用グランドスイッチ
330 血液検知極用グランドスイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8