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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116270
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】指紋認証装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20230815BHJP
   A61B 5/1172 20160101ALI20230815BHJP
【FI】
G06T1/00 400G
A61B5/1172
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022018983
(22)【出願日】2022-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】田邉 伸幸
(72)【発明者】
【氏名】浦山 慎也
(72)【発明者】
【氏名】田口 幸生
【テーマコード(参考)】
4C038
5B047
【Fターム(参考)】
4C038FF05
4C038FG00
4C038FG01
5B047AA25
5B047BA03
5B047BB01
5B047BC20
5B047BC30
(57)【要約】
【課題】装置全体のサイズの大型化を抑制できるようにすること。
【解決手段】指紋認証装置は、操作者の指の指紋を検出する検出面を有する指紋センサ部と、指紋センサ部が実装された基板と、基板に被せて設けられる金属フレームと、基板を保持する保持部材とを備えた指紋認証装置であって、金属フレームと基板との間において、指紋センサ部の近傍に設けられ、金属フレームを基板のグランド電位に接続させる導電性弾性体を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者の指の指紋を検出する検出面を有する指紋センサ部と、
前記指紋センサ部が実装された基板と、
前記基板に被せて設けられる金属フレームと、
前記基板を保持する保持部材と
を備えた指紋認証装置であって、
前記金属フレームと前記基板との間において、前記指紋センサ部の近傍に設けられ、前記金属フレームを前記基板のグランド電位に接続させる導電性弾性体を備える
ことを特徴とする指紋認証装置。
【請求項2】
前記保持部材は、固定部を有し、
前記金属フレームは、被固定部を有し、前記被固定部が前記保持部材の前記固定部に固定されることにより、前記導電性弾性体を圧縮した状態で、前記保持部材に固定される。
ことを特徴とする請求項1に記載の指紋認証装置。
【請求項3】
前記金属フレームは、
前記検出面と平行な平面部と、
前記平面部の中央部に形成され、前記検出面の少なくとも一部を露出させる開口部と、
前記開口部を取り囲むように隆起して設けられた隆起部と、
前記平面部の縁部から下方に延設された複数の前記被固定部と
を有し、
複数の前記被固定部の各々は、
前記保持部材の側面および下面に沿って折り曲げられている
ことを特徴とする請求項2に記載の指紋認証装置。
【請求項4】
前記保持部材は、
複数の前記固定部を前記下面に有し、
複数の前記被固定部の各々は、
先端部にスリットを有し、当該スリット内に前記固定部が挿入されて前記固定部がカシメられることにより、前記固定部に固定される
ことを特徴とする請求項3に記載の指紋認証装置。
【請求項5】
前記導電性弾性体は、導電性ウレタン、導電性シリコン、導電性ポリエチレン、および導電性フォームのいずれかである
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の指紋認証装置。
【請求項6】
前記指紋センサ部の周囲における対角する2つの位置に設けられた2つの前記導電性弾性体を備える
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の指紋認証装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指紋認証装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、端末装置に設けられた指紋読み取り装置において、指紋読み取り部に、導電性を有し且つ基板にグランド電位に接続したプレートを設け、ユーザの指が指紋読み取り部に置かれたときに、当該プレートを介して、ユーザの指に帯電した静電気を除去する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-5951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の技術は、プレートをネジやバネ等によって指紋読み取り装置に固定する構成を採用しているため、プレートを固定するための固定部をプレートに設ける必要があるため、プレートのサイズが大型化し、結果的に装置全体のサイズが大型化する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る指紋認証装置は、操作者の指の指紋を検出する検出面を有する指紋センサ部と、指紋センサ部が実装された基板と、基板に被せて設けられる金属フレームと、基板を保持する保持部材とを備えた指紋認証装置であって、金属フレームと基板との間において、指紋センサ部の近傍に設けられ、金属フレームを基板のグランド電位に接続させる導電性弾性体を備える。
【発明の効果】
【0006】
一実施形態に係る指紋認証装置によれば、装置全体のサイズの大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る指紋認証装置の外観斜視図
図2】一実施形態に係る指紋認証装置の分解斜視図
図3】一実施形態に係る指紋認証装置の図1におけるA-A断面線による断面図
図4】一実施形態に係る指紋認証装置の下側から視た外観斜視図
図5】一実施形態に係る指紋認証装置の組み立て手順を説明するための図
図6】一実施形態に係る指紋認証装置の組み立て手順を説明するための図
図7】一実施形態に係る指紋認証装置の組み立て手順を説明するための図
図8】一実施形態に係る指紋認証装置の組み立て手順を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。
【0009】
(指紋認証装置100の構成)
図1は、一実施形態に係る指紋認証装置100の外観斜視図である。図2は、一実施形態に係る指紋認証装置100の分解斜視図である。図3は、一実施形態に係る指紋認証装置100の図1におけるA-A断面線による断面図である。図4は、一実施形態に係る指紋認証装置100の下側(Z軸負側)から視た外観斜視図である。
【0010】
なお、以降の説明では、便宜上、X軸方向を左右方向とし、Y軸方向を前後方向とし、Z軸方向を上下方向とする。但し、X軸正方向を右方向とし、Y軸正方向を前方向とし、Z軸正方向を上方向とする。これらは、装置内の相対的な位置関係を示すものであり、装置の設置方向や操作方向を限定するものではなく、装置内の相対的な位置関係が同等なものは、設置方向や操作方向が異なっているものも全て、本発明の権利範囲に含まれるものである。
【0011】
図1に示す指紋認証装置100は、例えば、自動車等の車両の車室内に搭載された操作パネルに設けられ、操作者の指の指紋を検出する装置である。
【0012】
図1図4に示すように、指紋認証装置100は、金属フレーム110、指紋センサ部120、フレキシブル基板130、保持部材140、および導電性弾性体150を備える。
【0013】
金属フレーム110は、フレキシブル基板130の基部131の上側に重ねて設けられる、金属製の部材である。金属フレーム110は、上方からの平面視において、フレキシブル基板130の基部131に実装された指紋センサ部120を取り囲む矩形枠状を有する。金属フレーム110は、導電性を有し、導電性弾性体150を介して、フレキシブル基板130のグランド電位に接続されている。
【0014】
金属フレーム110は、指紋センサ部120の検出面120Aに操作者の指が置かれる際に、操作者の指が接触することにより、操作者に帯電している静電気を、フレキシブル基板130のグランド電位に逃がすことにより、指紋センサ部120が静電気により破壊されることを防止することができる。金属フレーム110は、保持部材140との間でフレキシブル基板130の基部131および導電性弾性体150を挟み込む(図3参照)。
【0015】
金属フレーム110は、平面部111、隆起部112、および4本の爪部113を有する。平面部111は、指紋センサ部120の検出面120Aと平行な部分である。平面部111の中央には、上方からの平面視において矩形状の開口部111Aが形成されている。開口部111Aは、指紋センサ部120の検出面120Aの少なくとも一部を露出させるために形成されている。
【0016】
隆起部112は、絞り成形によって平面部111から上方に隆起した部分であり、開口部111Aの縁部に沿って、開口部111Aを取り囲む矩形状に形成されている。4本の爪部113は、「被固定部」の一例であり、平面部111の4つの角部の各々の近傍から、下方に延設されて設けられている、薄板状の部分である。
【0017】
具体的には、2本の爪部113は、平面部111の右縁部(X軸正側の縁部)における前端部(Y軸正側の端部)および後端部(Y軸負側の端部)から、下方に延設されて設けられている。また、他の2本の爪部113は、平面部111の左縁部(X軸負側の縁部)における前端部(Y軸正側の端部)および後端部(Y軸負側の端部)から、下方に延設されて設けられている。
【0018】
各爪部113は、先端部にスリット113Aが形成されている。各爪部113は、保持部材140の側面140Cおよび下面140Bに沿って略直角に折り曲げられ、スリット113A内に保持部材140の突起141が挿入された状態で、保持部材140の突起141がカシメられることにより、保持部材140の突起141に固定される。金属フレーム110は、4本の爪部113の各々が4つの突起141の各々に固定されることにより、導電性弾性体150を圧縮した状態で、保持部材140に固定される。なお、組み立て手順の詳細はあらためて後述する。
【0019】
指紋センサ部120は、フレキシブル基板130の基部131の上面に実装される、薄板状の部材である。指紋センサ部120は、上方からの平面視において矩形状を有する。指紋センサ部120は、その上面に検出面120Aを有し、当該検出面120Aにおいて、操作者の指の指紋を検出する。例えば、指紋センサ部120は、検出面120Aに置かれた指の指紋を光学的に検出し、検出された指紋のパターンを示す指紋検出信号を出力することができる。ただし、指紋センサ部120の検出方式は、光学式に限らず、静電式等の他の検出方式であってもよい。
【0020】
フレキシブル基板130は、「基板」の一例である。フレキシブル基板130は、導電性の回路が折り曲げ可能且つ絶縁性を有する樹脂製且つシート状の部材で被覆された基板である。フレキシブル基板130は、指紋センサ部120によって検出された指紋検出信号を、外部へ伝達することができる。
【0021】
図1図3に示す例では、フレキシブル基板130は、基部131、折り返し部132、平面部133、引き出し部134、および接続部135を有する。基部131は、上方からの平面視において矩形状を有し、指紋センサ部120が実装される部分である。また、基部131は、保持部材140の上面に重ねて設けられることにより、保持部材140によって支持される。
【0022】
折り返し部132は、基部131の右端部(X軸正側の端部)から下方(Z軸負方向)に延びる部分であり、フレキシブル基板130の延びる方向を、右方向(X軸正方向)から左方向(X軸負方向)へ折り返し、平面部133と接続する部分である。平面部133は、折り返し部132の下端部(Z軸負側の端部)から左方向(X軸負方向)に延びる部分であり、保持部材140の下面140Bの位置決め突起142に位置決めされた状態で、弾性ブロック136を介して図示しない相手部品と下面140Bとの間に挟持される部分である。
【0023】
引き出し部134は、平面部133の左端部(X軸負側の端部)から下方(Z軸負方向)に延びる部分である。接続部135は、引き出し部134の終端部に設けられており、外部へと繋がるコネクタ(図示省略)に接続される部分である。
【0024】
保持部材140は、フレキシブル基板130の基部131の下側に重ねて設けられる、樹脂製且つ平板状の部材である。保持部材140は、上方からの平面視において、略矩形状を有する。保持部材140は、その上面である支持面140Aにフレキシブル基板130の基部131が配置されることにより、フレキシブル基板130の基部131を下側から支持する。
【0025】
保持部材140の下面140Bにおける4つの角部の各々には、4つの突起141の各々が下方(Z軸負方向)に突出して設けられている。4つの突起141の各々は、「固定部」の一例であり、上述したように、金属フレーム110の爪部113が有するスリット113A内に挿入された状態でカシメられることにより、爪部113を固定する。
【0026】
本実施形態では、突起141のカシメ方法として、圧力および熱を加える熱カシメを用いているが、これに限らず、その他のカシメ方法(例えば、圧力のみを加えるカシメ方法)を用いてもよい。なお、図4で示された突起141は、カシメによって高さ方向に圧縮され、高さ寸法よりも径方向の寸法が大きな略円柱形状であるが、圧縮前の突起141は、図5に示すように、高さ寸法が径方向の寸法より大きな略円柱形状である。
【0027】
導電性弾性体150は、導電性および弾性を有する部材である。導電性弾性体150は、フレキシブル基板130の基部131の上面のグランドパターン(図示省略)上、且つ、指紋センサ部120の周囲の近傍に設けられる。図示を省略するが、基部131に形成されているグランドパターンは、指紋認証装置100が搭載される装置のグランド電位に接続される。
【0028】
導電性弾性体150は、保持部材140に金属フレーム110が固定されることにより、金属フレーム110と基部131によって挟持される。これにより、導電性弾性体150は、金属フレーム110をフレキシブル基板130のグランド電位に接続させる。本実施形態では、導電性弾性体150は、導電性を有する両面テープによって、フレキシブル基板130の基部131の上面のグランドパターンに接着されている。但し、これに限らず、例えば、導電性弾性体150は、導電性を有する両面テープによって、金属フレーム110の平面部111の下面(グランドパターンと対向する位置)に接着されてもよい。
【0029】
なお、本実施形態において、導電性弾性体150は、導電性ウレタン、導電性シリコン、導電性ポリエチレン、および導電性フォームのいずれかである。また、本実施形態において、指紋認証装置100は、指紋センサ部120の周囲の近傍における対角する2つの位置に設けられた2つの導電性弾性体150を備える。但し、導電性弾性体150の数および配置位置は、これに限らない。
【0030】
以上のように構成された指紋認証装置100は、金属フレーム110の開口部111Aから露出した指紋センサ部120の検出面120Aに、操作者の指が置かれることにより、当該検出面120Aによって操作者の指の指紋を検出することができる。そして、指紋認証装置100は、フレキシブル基板130を通じて、検出された指紋のパターン等を示す指紋検出信号を外部へ出力することができる。この際、指紋認証装置100は、操作者の指が金属フレーム110の隆起部112に接触することにより、操作者に帯電している静電気を、金属フレーム110および導電性弾性体150を介して、フレキシブル基板130のグランド電位に逃がすことで、指紋センサ部120の静電気による破壊を防ぐことができる。
【0031】
(指紋認証装置100の組み立て手順)
図5図8は、一実施形態に係る指紋認証装置100の組み立て手順を説明するための図である。なお、以下の組み立て手順を説明するにあたり、予め、ハンダバンプ等によりフレキシブル基板130の基部131に指紋センサ部120が実装されているものとする。
【0032】
まず、図5に示すように、保持部材140を、フレキシブル基板130の基部131と平面部133との間に配置することにより、保持部材140によってフレキシブル基板130を保持した状態にする。このとき、フレキシブル基板130の基部131が、保持部材140の支持面140Aによって保持された状態とする。
【0033】
また、図5に示すように、フレキシブル基板130の基部131の上面における対角する2つの位置(いずれも、グランドパターン上)の各々に、導電性弾性体150を設置する。
【0034】
そして、図6に示すように、フレキシブル基板130の基部131に対し、金属フレーム110を被せる。このとき、金属フレーム110の平面部111と、フレキシブル基板130の基部131の間で、導電性弾性体150が押し潰されるようにする。
【0035】
次に、図7に示すように、金属フレーム110が有する4本の爪部113の各々を、保持部材140の下面140Bに沿うように、内側に向けて略直角に折り曲げる。これにより、4本の爪部113の各々のスリット113A内に、保持部材140が有する突起141が挿入される。
【0036】
そして、図8に示すように、保持部材140が有する4つの突起141の各々を高さ方向に圧縮してカシメることにより、金属フレーム110が有する4本の爪部113の各々を、保持部材140に固定する。これにより、金属フレーム110は、導電性弾性体150を介してフレキシブル基板130のグランド電位に接続された状態で、保持部材140に固定されて、図4に示される状態となる。
【0037】
このとき、金属フレーム110の平面部111と、フレキシブル基板130の基部131の間で、導電性弾性体150が押し潰されているため、その復元力によって金属フレーム110とフレキシブル基板130との両方に強く当接し、導電性弾性体150を介して金属フレーム110のグランド電位への接続状態は、安定的に維持される。また、導電性弾性体150が緩衝材としても機能し、金属フレーム110の爪部113の曲げ位置や関連する部品の寸法バラつきを吸収し、金属フレーム110はガタつきのない固定状態に維持される。
【0038】
(効果)
以上説明したように、一実施形態に係る指紋認証装置100は、操作者の指の指紋を検出する検出面120Aを有する指紋センサ部120と、指紋センサ部120が実装されたフレキシブル基板130と、フレキシブル基板130に被せて設けられ、検出面120Aに置かれた指が接触可能な金属フレーム110と、フレキシブル基板130を保持する保持部材140とを備えた指紋認証装置100であって、金属フレーム110とフレキシブル基板130との間において、指紋センサ部120の近傍に設けられ、金属フレーム110をフレキシブル基板130のグランド電位に接続させる導電性弾性体150を備える。
【0039】
これにより、一実施形態に係る指紋認証装置100は、金属フレーム110をグランド電位へ接続させるために必要なネジ止め部等が不要となるため金属フレーム110の面積を小さくでき、且つ、導電性接着剤のように意図せずに広がってしまう等の虞がないため導電性弾性体150と指紋センサ部120との間のクリアランスを小さくできるため、装置全体のサイズの大型化を抑制することができる。
【0040】
一実施形態に係る指紋認証装置100において、保持部材140は、突起141を有し、金属フレーム110は、爪部113を有し、爪部113が保持部材140の突起141に固定されることにより、導電性弾性体150を圧縮した状態で、保持部材140に固定される。
【0041】
これにより、一実施形態に係る指紋認証装置100は、導電性弾性体150を圧縮した状態を安定的に維持できるため、部品寸法がばらついても金属フレーム110のガタが発生することがなく、金属フレーム110の固定状態およびグランド電位への接続状態を安定的に維持することができる。
【0042】
一実施形態に係る指紋認証装置100において、金属フレーム110は、検出面120Aと平行な平面部111と、平面部111の中央部に形成され、検出面120Aの少なくとも一部を露出させる開口部111Aと、開口部111Aを取り囲むように隆起して設けられた隆起部112と、平面部111の縁部から下方に延設された複数の爪部113とを有し、複数の爪部113の各々は、保持部材140の側面140Cおよび下面140Bに沿って折り曲げられている。
【0043】
これにより、一実施形態に係る指紋認証装置100は、金属フレーム110を一枚の金属板から絞り工程や曲げ工程等からなる一連のプレス加工で一体成形できるため、部品の製造を容易にすることができる。
【0044】
一実施形態に係る指紋認証装置100において、保持部材140は、複数の突起141を下面140Bに有し、複数の爪部113の各々は、先端部にスリット113Aを有し、当該スリット113A内に突起141が挿入されて突起141がカシメられることにより、突起141に固定される。
【0045】
これにより、一実施形態に係る指紋認証装置100は、比較的簡単な作業で、別部品を用いることなく金属フレーム110を保持部材140に固定することができる。また、金属フレーム110の固定状態を安定的に維持することができる。
【0046】
一実施形態に係る指紋認証装置100において、導電性弾性体150は、導電性ウレタン、導電性シリコン、導電性ポリエチレン、および導電性フォームのいずれかである。
【0047】
これにより、一実施形態に係る指紋認証装置100は、金属フレーム110を固定および接地させるための、好適な導電性および弾性を得ることができる。
【0048】
また、一実施形態に係る指紋認証装置100は、指紋センサ部120の周囲における対角する2つの位置に設けられた2つの導電性弾性体150を備える。
【0049】
これにより、一実施形態に係る指紋認証装置100は、金属フレーム110をバランスよく安定的に支持することができ、且つ、4つの導電性弾性体150を備える構成と比較して、係るコストを抑制することができる。
【0050】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形または変更が可能である。
【符号の説明】
【0051】
100 指紋認証装置
110 金属フレーム
111 平面部
111A 開口部
112 隆起部
113 爪部(被固定部)
113A スリット
120 指紋センサ部
120A 検出面
130 フレキシブル基板(基板)
131 基部
132 折り返し部
133 平面部
134 引き出し部
135 接続部
136 弾性ブロック
140 保持部材
140A 支持面
140B 下面
140C 側面
141 突起(固定部)
142 位置決め突起
150 導電性弾性体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8