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特開2023-116358伝送システム、伝送方法、インサータ及びデータ構築装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116358
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】伝送システム、伝送方法、インサータ及びデータ構築装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/236 20110101AFI20230815BHJP
   H04N 21/222 20110101ALI20230815BHJP
   H04H 20/28 20080101ALI20230815BHJP
【FI】
H04N21/236
H04N21/222
H04H20/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022019122
(22)【出願日】2022-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩見 敬太
(72)【発明者】
【氏名】清水 逸平
(72)【発明者】
【氏名】多田 康崇
(72)【発明者】
【氏名】大野 秀樹
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA04
5C164SA11P
5C164SB11P
5C164TA04S
(57)【要約】
【課題】2K放送用の放送TSと互換性を保ちながら4K放送信号を放送TSに挿入(多重)するための具体的な伝送システム等を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る伝送システムは、インサータと、構築装置とを備える。インサータは、第1の伝送主信号を分割して複数の第2の伝送主信号を生成し、第2の伝送主信号と第1の伝送主信号の構成情報とを第1の放送TS(Transport Stream)に多重化して第2の放送TSを送信する。構築装置は、第2の放送TSを受信し、第2の放送TSから複数の第2の伝送主信号及び構成情報を抽出し、構成情報と複数の第2の伝送主信号とを用いて第1の伝送主信号を構築する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の伝送主信号を分割して複数の第2の伝送主信号を生成し、前記第2の伝送主信号と前記第1の伝送主信号の構成情報とを第1の放送TS(Transport Stream)に多重化して第2の放送TSを送信するインサータと、
前記第2の放送TSを受信し、前記第2の放送TSから前記複数の第2の伝送主信号及び前記構成情報を抽出し、前記構成情報と前記複数の第2の伝送主信号とを用いて前記第1の伝送主信号を構築する構築装置と、
を備える伝送システム。
【請求項2】
前記第1の伝送主信号は、実データに対応する第1のデータと、前記第1のデータとは異なる第2のデータとを含み、
前記インサータは、前記第1の伝送主信号から前記第2のデータを削除した後、前記第2のデータが削除された前記第1の伝送主信号を分割して前記複数の第2の伝送主信号を生成する、
請求項1に記載の伝送システム。
【請求項3】
前記構築装置は、前記構成情報に基づいて、前記第2のデータが削除された前記第1の伝送主信号に前記第2のデータを補い、第1の伝送主信号を構築する、
請求項2に記載の伝送システム。
【請求項4】
前記インサータは、TSペイロードのデータ量を分割単位として前記第1の伝送主信号を分割し、前記複数の第2の伝送主信号を生成する、
請求項2又は3に記載の伝送システム。
【請求項5】
前記第2のデータは、前記第1の伝送主信号内のBCHパリティ領域、スタッフビット領域、及びLDPCパリティ領域のうちの少なくとも一つを含む、
請求項2乃至4のうちいずれか一項に記載の伝送システム。
【請求項6】
前記インサータは、前記第1の伝送主信号が分割単位で割り切れない場合、2以上の前記第1の伝送主信号を連結して分割する、
請求項5に記載の伝送システム。
【請求項7】
前記インサータは、前記第1の伝送主信号が分割単位で割り切れない場合、前記第1の伝送主信号にスタッフィングバイト(0xFF)を連結して分割する、
請求項5に記載の伝送システム。
【請求項8】
前記インサータは、前記第1の放送TSの前記多重化において、前記第1の放送TSの無効階層TSパケットのTSペイロード領域へ前記第2の伝送主信号を上書きし、前記TSペイロード領域に続く8バイト領域内のlayer_indicatorを0x9~0xFの何れかに書き換える、
請求項6又は7に記載の伝送システム。
【請求項9】
前記インサータは、前記第1の放送TSの前記多重化において、前記第1の放送TSの無効階層TSパケットのTSペイロード領域へ前記第2の伝送主信号を上書きし、TSヘッダ領域内のPIDを事業者運用規定で定義されていない値の何れかに書き換える、
請求項6乃至8のうちいずれか一項に記載の伝送システム。
【請求項10】
前記インサータは、前記第1の放送TSの前記多重化において、前記第1の放送TSの無効階層TSパケットのTSペイロード領域へ前記第2の伝送主信号を上書きし、前記第1の伝送主信号内のヘッダ領域を含む無効階層TSパケットのTSヘッダ領域内或いは付加情報領域内の所定のビットを書き換える、
請求項8又は9に記載の伝送システム。
【請求項11】
前記構成情報は、前記第1の伝送主信号の伝送パラメータ情報を含む、
請求項1乃至10のうちいずれか一項に記載の伝送システム。
【請求項12】
前記伝送パラメータ情報は、キャリア変調情報、コンスタレーション識別情報、誤り訂正符号長情報、及び誤り訂正符号化率情報の少なくとも一つを含む、
請求項11に記載の伝送システム。
【請求項13】
前記インサータは、前記構成情報の前記第1の放送TSへの多重化において、TSパケットのISDB-T_information内のACデータ領域へ前記構成情報を上書きする、
請求項12に記載の伝送システム。
【請求項14】
前記インサータは、前記構成情報の前記第1の放送TSへの多重化において、前記第1の放送TSの無効階層TSパケットのTSペイロード領域へ前記構成情報を上書きし、TSヘッダ領域内のPIDを事業者運用規定で定義されていない値の何れかに書き換える、
請求項12に記載の伝送システム。
【請求項15】
前記インサータは、前記構成情報の前記第1の放送TSへの多重化において、前記第1の放送TSの無効階層TSパケットのTSペイロード領域へ前記構成情報を上書きし、前記TSペイロード領域に続く8バイト領域(ISDB-T_information)内のlayer_indicatorを0x9~0xFの何れかに書き換える、
請求項12又は14に記載の伝送システム。
【請求項16】
前記構築装置は、前記第2の伝送主信号の抽出において、前記第2の放送TSの無効階層TSパケットのTSペイロード領域に格納されたデータに基づいて、複製データ又は切り出しデータを生成する、
請求項1乃至15のうちいずれか一項に記載の伝送システム。
【請求項17】
前記構築装置は、前記複製データ又は前記切り出しデータのスタッフィングバイト(0xFF)を削除する、
請求項16に記載の伝送システム。
【請求項18】
前記構築装置は、前記第2の伝送主信号の抽出において、前記第2の伝送主信号をISDB-T_information内のlayer_indicatorに基づいて識別する、
請求項16又は17に記載の伝送システム。
【請求項19】
前記構築装置は、前記第2の伝送主信号の抽出において、前記第2の伝送主信号をTSヘッダ領域内のPIDにより識別する、
請求項16又は17に記載の伝送システム。
【請求項20】
前記構築装置は、前記第1の伝送主信号の構築において、前記複製データ又は前記切り出しデータを連結し前記第1の伝送主信号を構築する、
請求項16乃至19のうちいずれか一項に記載の伝送システム。
【請求項21】
前記構築装置は、
前記第1の伝送主信号の構築において、BCHパリティ領域、スタッフビット領域、LDPCパリティ領域分のうちの少なくともいずれかを連結し前記第1の伝送主信号を構築し、
前記第1の伝送主信号の前記構築において、無効階層TSパケットのTSヘッダ領域内或いは付加情報領域内の所定ビットにより、前記第1の伝送主信号内のヘッダ領域を識別する、
請求項20に記載の伝送システム。
【請求項22】
前記構築装置は、前記第1の伝送主信号の前記構築において、前記構成情報の参照により、実データに対応する第1のデータのデータ量と、前記第1のデータとは異なる第2のデータのデータ量とを識別する、
請求項20又は21に記載の伝送システム。
【請求項23】
前記構築装置は、前記第1の伝送主信号の構築において、TSパケットのISDB-T_information内のACデータ領域から前記構成情報のデータを読み取る、
請求項22に記載の伝送システム。
【請求項24】
前記構築装置は、前記第1の伝送主信号の構築において、ISDB-T_information内のlayer_indicatorが0x0、0x9~0xFの何れか、又はTSヘッダ領域内のPIDが事業者運用規定で定義されていない値の何れかの無効階層TSパケットのTSペイロード領域から前記構成情報のデータを読み取る、
請求項22に記載の伝送システム。
【請求項25】
第1の伝送主信号を分割して複数の第2の伝送主信号を生成し、
前記第2の伝送主信号と前記第1の伝送主信号の構成情報とを第1の放送TS(Transport Stream)に多重化して第2の放送TSを送信し、
前記第2の放送TSを受信し、
前記第2の放送TSから前記複数の第2の伝送主信号を抽出し、
前記構成情報と前記複数の第2の伝送主信号とを用いて前記第1の伝送主信号を構築すること、
を備える伝送方法。
【請求項26】
第1の伝送主信号を分割して複数の第2の伝送主信号を生成する分割部と、
前記第2の伝送主信号と前記第1の伝送主信号の構成情報とを第1の放送TS(Transport Stream)に多重化して第2の放送TSを生成する生成部と、
を備えたインサータ。
【請求項27】
第1の伝送主信号を分割して生成された複数の第2の伝送主信号と、前記第1の伝送主信号の構成情報と、を第1の放送TS(Transport Stream)に多重化して生成された第2の放送TSを受信する受信部と、
前記第2の放送TSから前記複数の第2の伝送主信号及び前記構成情報を抽出する抽出部と、
前記構成情報と前記複数の第2の伝送主信号とを用いて前記第1の伝送主信号を構築する構築部と、
を備えるデータ構築装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、伝送システム、伝送方法、インサータ及びデータ構築装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地上デジタルテレビジョン放送の高度化に関する技術検討において、既存の2K放送と同一チャンネルで4K放送を行う高度化放送導入方式が検討されている。高度化放送導入方式では、現行のSTL/TTL回線設備に影響を与えることがないように、現行の放送TSと互換性を保ちながら4K放送信号を挿入した放送TSの伝送を行う中継技術の実現性が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5350869号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記中継技術を実現する伝送システム、伝送方法等について、具体的な提案が期待されるところである。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、2K放送用の放送TSと互換性を保ちながら4K放送信号を放送TSに挿入(多重)するための具体的な伝送システム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る伝送システムは、インサータと、構築装置とを備える。前記インサータは、第1の伝送主信号を分割して複数の第2の伝送主信号を生成し、前記第2の伝送主信号と前記第1の伝送主信号の構成情報とを第1の放送TS(Transport Stream)に多重化して第2の放送TSを送信する。前記構築装置は、前記第2の放送TSを受信し、前記第2の放送TSから前記複数の第2の伝送主信号及び前記構成情報を抽出し、前記構成情報と前記複数の第2の伝送主信号とを用いて前記第1の伝送主信号を構築する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る伝送システムの概略を説明するための構成図である。
図2】放送TSに用いられるTSパケットのデータ構造を説明するための図である。
図3図2に示したTSパケットの実データとしての情報部分の構成を示した図である。
図4】4K放送に用いられる伝送主信号のデータ構造を説明するための図である。
図5】伝送主信号と同じ基本構造を持つ4K放送信号としての信号ブロックの一例を示した図である。
図6】第1実施形態に係るインサータの機能ブロック図である。
図7】分割部が実行する分割処理、分割データ挿入部が実行する挿入処理を説明するための図である。
図8】第1実施形態に係る第1変調装置の機能ブロック図である。
図9】インサータが実行する伝送主信号挿入処理の流れを示したシーケンス図である。
図10】第1変調装置が実行する伝送主信号構築処理の流れを示したシーケンス図である。
図11】伝送主信号に伝送パラメータ情報が付加されたデータの構成を示した図である。
図12】第2の実施形態に係るインサータの機能ブロック図である。
図13】第2の実施形態に係るインサータの伝送主信号挿入処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、第1実施形態に係る伝送システム、伝送方法について説明する。なお、以下の実施形態では、同一の参照符号を付した部分は同様の動作をおこなうものとして、重複する説明を適宜省略する。以下の実施形態は開示の技術を限定するものではない。そして、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0009】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る伝送システムSの概略を説明するための構成図である。第1実施形態に係る伝送システムSは、互換性を保ちながら4K放送信号を2K放送用の放送TSに挿入して伝送し、伝送された2K放送用の放送TSから4K放送信号を構築するものである。
【0010】
図1に示した様に、伝送システムSは、2K放送エンコーダ10、第1多重化装置12、第1再多重化装置14、4K放送エンコーダ20、第2多重化装置22、第2再多重化装置24、インサータ30、第1中継装置40、第1変調装置50、第2中継装置60、第2変調装置70を備える。
【0011】
なお、第1実施形態に係る伝送システムSの構成は、図1の例に限定する趣旨ではない。例えば、インサータ30、第1変調装置50、第2変調装置70が他の装置の機能の一部を含む構成であってもよい。
【0012】
2K放送エンコーダ10は、入力した2K放送用の映像データ及び音声データをそれぞれ符号化し、ビットストリームであるTS(Tramnsport Stream)変換して第1多重化装置12へ送出する。
【0013】
第1多重化装置12は、2K放送エンコーダ10から受け取った映像、音声のTSを一つのTSに多重化して第1再多重化装置14へ送出する。
【0014】
第1再多重化装置14は、第1多重化装置12から受け取った多重化されたTSを、それぞれ定められた階層に分けて送信するため、1つのTSに再多重化して放送TSを生成する。第1再多重化装置14は、生成した放送TSをインサータ30へ送出する。なお、第1再多重化装置14がインサータ30へ送出する放送TSは、第1の放送TSの一例である。
【0015】
図2は、放送TSに用いられるTSパケットのデータ構造を説明するための図である。図2に示した様に、放送TSに用いられるTSパケットは、188バイトの実データとしての情報部分に、付加情報(8バイト)、パリティ(8バイト)が多重化された構造となっている。
【0016】
図3は、図2に示したTSパケットの実データとしての情報部分の構成を示した図である。図3に示した様に、TSパケットの情報部分は、ヘッダ部、アダプテーションフィールド/ペイロード部を有する。また、ヘッダ部は、同期バイト(8ビット)、トランスポートエラーンジケーター(1ビット)、ペイロードユニット開始インジケーター(1ビット)、トランスポート優先度(1ビット)、PID(13ビット)、トランスポートスクランブル制御(2ビット)、アダプテーションフィールド制御(2ビット)、連続性指標(4ビット)の各領域に分かれている。
【0017】
4K放送エンコーダ20は、入力した4K放送用の映像データ及び音声データをそれぞれ符号化し、小さい単位に区切ってMMTP(MPEG Media Transport Protocol)パケットのペイロード領域に挿入し、映像データ、音声データのそれぞれに対応するMMTPパケットを生成する。4K放送エンコーダ20は、生成したMMTPを第2多重化装置22へ送出する。
【0018】
第2多重化装置22は、4K放送エンコーダ20から受け取った映像、音声のMMTPを多重化してTLV(Type Length Value)パケットを生成する。第2多重化装置22は、生成したTLVパケットを第2再多重化装置24へ送出する。
【0019】
第2再多重化装置24は、第2多重化装置22から受け取ったTLVパケットを再多重化し、伝送主信号を生成する。第2再多重化装置24は、生成した伝送主信号をインサータ30へ送出する。なお、第2再多重化装置24がインサータ30へ送出する伝送主信号は、第1の伝送主信号の一例である。
【0020】
図4は、4K放送に用いられる伝送主信号のデータ構造を説明するための図である。図4に示した様に、伝送主信号は、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)情報に基づいた多重フレーム構造を有し、5610バイトのスロット群から構成されるストリームである。ここで、TMCC情報とは、各スロットに対する伝送ストリームの割り当てや伝送方式との関係など、伝送制御に関する情報である。
【0021】
図5は、伝送主信号と同じ基本構造を持つ4K放送信号としての信号ブロックの一例を示した図である。図5に示した様に、信号ブロックは、8640バイト(69120ビット)のスロット群から構成されるストリームである。信号ブロックは、ブロックヘッダ領域、主信号領域(実データ領域)、BCHパリティ領域、LDPCパリティ領域、スタッフビット領域(図示せず)の各データが多重化された構造となっている。
【0022】
なお、図4図5に示したBCHパリティ領域、スタッフビット領域、LDPCパリティ領域の各データは、伝送主信号の中継において冗長データとも呼ばれる。
【0023】
以下においては、説明を具体的にするため、4K放送に用いられる伝送主信号が図5に示した多重化構造を有する信号ブロックの構成を有する場合を例とする。これに対し、図
4に示した伝送主信号と同じ基本構造を持つ信号ブロックであれば、どのようなものであっても本実施形態に係る伝送システム、伝送方法等に利用することは可能である。
【0024】
インサータ30は、第1の伝送主信号を分割して複数の第2の伝送主信号を生成し、前記第2の伝送主信号と前記第1の伝送主信号の構成情報とを第1の放送TSに挿入(多重化)して第2の放送TSを送信する。すなわち、インサータ30は、互換性を保ちながら4K放送信号を2K放送用の放送TSに挿入する。このインサータ30の構成については、後で詳しく説明する。
【0025】
第1中継装置40、第2中継装置60は、インサータ30から放送TSを受信し、それぞれ第1変調装置50、第2変調装置70へ送信する。
【0026】
第1変調装置50、第2変調装置70は、第2の放送TSを受信し、第2の放送TSから複数の第2の伝送主信号を抽出し、構成情報と複数の第2の伝送主信号とを用いて前記第1の伝送主信号を構築する。すなわち、伝送された2K放送用の放送TSから、互換性を保ちながら4K放送信号を構築する。この第1変調装置50、第2変調装置70の構成については、後で詳しく説明する。なお、第1変調装置50、第2変調装置70はデータ構築装置の一例である。
【0027】
図6は、第1実施形態に係るインサータ30の機能ブロック図である。第1実施形態に係るインサータ30は、第1の伝送主信号を分割して複数の第2の伝送主信号を生成し、前記第2の伝送主信号と前記第1の伝送主信号の構成情報とを第1の放送TS(Transport Stream)に多重化して第2の放送TSを送信する。
【0028】
具体的には、図6に示した様に、インサータ30は、第1放送TS受信部301、伝送主信号受信部302、外部制御部303、伝送パラメータ生成部304、冗長データ削除部305、分割部306、分割データ挿入部307、伝送パラメータ挿入部308、放送TS送信部309を備える。なお、分割部306は分割部の一例であり、分割データ挿入部307、伝送パラメータ挿入部308は生成部の一例である。
【0029】
第1放送TS受信部301は、上流側にある2K放送用の再多重化装置(図示せず)から放送TSを受信する。なお、放送TSは、188バイトの実データ領域に8バイトの付加情報(ISDB-T_information)と8バイトのパリティを多重した204バイトのTSパケットの群から構成されるストリームである。
【0030】
伝送主信号受信部302は、上流側の4K放送用の再多重化装置(図示せず)から伝送主信号を受信する。ここで、伝送主信号とは、ブロックヘッダ領域、主信号領域、BCHパリティ領域、LDPCパリティ領域、スタッフビット領域から成る信号ブロックの群から構成されるストリームである。
【0031】
外部制御部303は、外部装置(図示せず)から、伝送主信号の伝送パラメータ情報を生成するための制御信号を受信する。
【0032】
伝送パラメータ生成部304は、外部制御部303が制御信号を受信したことに応答して、伝送主信号の伝送パラメータ情報を生成する。ここで、伝送パラメータ情報とは、キャリア変調情報、コンスタレーション識別情報、誤り訂正符号長情報、及び誤り訂正符号化率情報の少なくとも1つ以上を有する情報である。伝送パラメータ情報は、構成情報の一例である。
【0033】
冗長データ削除部305は、伝送パラメータ生成部304から受け取った伝送パラメータ情報に基づき、伝送主信号が有する冗長データを削除する。
【0034】
分割部306は、冗長データが削除された信号ブロック(すなわち伝送主信号)をTSペイロードのデータ量(184バイト)を単位として分割する。なお、分割部306によって分割された伝送主信号は、第2の伝送主信号の一例である。
【0035】
図7は、分割部306が実行する分割処理、分割データ挿入部307が実行する挿入処理を説明するための図である。図7の上段は、冗長データが削除された信号ブロック80を示している。冗長データが削除された信号ブロック80は、ヘッダ領域800、主信号領域801から構成されるデータである。
【0036】
分割部306は、図7の中段に示した様に、ヘッダ領域800及び主信号領域801を184バイト毎に分割し、複数の分割データ81、82、83、84を生成する。なお、184バイト毎に分割する際、分割によって余るデータ(184バイトに満たないデータ)が発生する。分割部306は、係るデータに、スタッフィングバイト(0xFF)を連結して184バイトのデータとする。なお、図7の分割データ84は、分割によって余ったデータ840にスタッフィングバイトデータ841を連結して184バイトのデータを示している。
【0037】
なお、分割部306は、分割によって余ったデータ84に、次の(後続の)冗長データを削除した信号ブロック80(すなわち、ヘッダ領域800、主信号領域801)を連結して、184バイト毎に分割処理を実行するようにしてもよい。
【0038】
分割データ挿入部307は、図7の下段に示した様に、分割部306から受け取った複数の分割データ(それぞれ184バイトデータ)を、第1放送TS受信部301から受けとった放送TSの無効階層TSパケットのTSペイロード(184バイト)領域へ上書きして、放送TSに分割データを挿入(多重化)する。
【0039】
具体的には、分割データ挿入部307は、分割データを上書きする無効階層TSパケットの付加情報(ISDB-T_information)領域内のlayer_indicatorを0x9~0xFの何れかに書き換える、または、分割データを上書きする無効階層TSパケットのTSヘッダ領域内のPIDを事業者運用規定で定義されていない値の何れかに書き換える。
【0040】
また、分割データ挿入部307は、分割データに信号ブロックヘッダが含まれる場合、上書きする無効階層TSパケットのTSヘッダ領域内のペイロードユニット開始インジケーターを「1」に書き換える。
【0041】
なお、放送TSの無効階層TSパケットは、TSヘッダのPID=0x1FFF、又はISDB-T_information内のlayer_indicator = 0x0で識別することが可能である。また、放送TSの無効階層TSパケットは、放送TSで伝送されるIIPのmodulation_control_configuration_informationのTMCC_information内の各パラメータの組合せで識別することができる。
【0042】
伝送パラメータ挿入部308は、伝送パラメータ生成部304からの伝送パラメータ情報を、分割データ挿入部307からの(分割データが挿入された)放送TSのACデータ領域に上書きして、放送TSに伝送パラメータ情報を挿入(多重化)する。ここで、ACデータ領域とは、放送TSのTSパケットの付加情報(ISDB-T_information)内のAC_data領域である。
【0043】
また、伝送パラメータ挿入部308は、伝送パラメータ生成部304からの伝送パラメータ情報を、放送TSの分割データが挿入された無効階層TSパケット以外の無効階層TSパケットのTSペイロード(184バイト)領域に上書きして、放送TSに伝送パラメータ情報を挿入(多重化)することもできる。この様に無効階層TSパケットのTSペイロード(184バイト)領域へ上書きする場合は、上書きする無効階層TSパケットのTSヘッダ領域内のPIDを事業者運用規定で定義されていない値の何れかに書き換える。また、無効階層TSパケットのTSペイロード(184バイト)領域へ上書きする場合、上書きする無効階層TSパケットの付加情報(ISDB-T_information)領域内のlayer_indicatorを0x9~0xFの何れかに書き換えてもよい。
【0044】
放送TS送信部309は、伝送パラメータ挿入部308から受け取った(伝送パラメータ情報が挿入された)放送TSを、第1中継装置40へ送信する。
【0045】
図8は、第1実施形態に係る第1変調装置50の機能ブロック図である。第1変調装置50は、前記第2の放送TSを受信し、前記第2のTSから前記複数の第2の伝送主信号を抽出し、前記構成情報と前記複数の第2の伝送主信号とを用いて前記第1の伝送主信号を構築する。なお、第2変調装置70の構成は第1変調装置50と実質的に同じであるため、その詳細は省略する。
【0046】
具体的には、図8に示した様に、第1変調装置50は、第2放送TS受信部501、伝送パラメータ抽出部502、分割データ抽出部503、連結部504、冗長データ復元部505、伝送主信号構築部506、伝送路符号化部507、変調処理部508を備える。なお、伝送パラメータ抽出部502、分割データ抽出部503は抽出部の一例であり、冗長データ復元部505、伝送主信号構築部506は構築部の一例である。
【0047】
第2放送TS受信部501は、上流側の中継装置から放送TSを受信する。
【0048】
伝送パラメータ抽出部502は、受け取った放送TSのACデータ領域から伝送主信号の伝送パラメータ情報を抽出する。また、伝送パラメータ抽出部502は、受け取った放送TSの無効階層TSパケットのTSペイロード(184バイト)領域から伝送主信号の伝送パラメータ情報を抽出する。なお、伝送パラメータ情報を格納する無効階層TSパケットは、TSヘッダのPIDが事業者運用規定で定義されていない値、または、付加情報(ISDB-T_information)領域内のlayer_indicatorが0x9~0xFの何れかで識別が可能である。
【0049】
分割データ抽出部503は、受け取った放送TSの無効階層TSパケットのTSペイロード(184バイト)領域から分割データを抽出(複製又は切り取り)する。分割データ抽出部503は、分割データを切り取る場合、TSペイロード(184バイト)領域には0xFFをスタッフィングする。なお、分割データを格納する無効階層TSパケットは、付加情報(ISDB-T_information)領域内のlayer_indicatorが0x9~0xFの何れか、または、TSヘッダのPIDが事業者運用規定で定義されていない値で識別が可能である。また、信号ブロックヘッダを含む分割データを格納する無効階層TSパケットは、TSヘッダ領域内のペイロードユニット開始インジケーターで識別が可能である。
【0050】
連結部504は、伝送パラメータ情報に基づき分割データを連結して、冗長データが削除された信号ブロックを構築する。ここで、冗長データが削除された信号ブロックは、既述の通り、信号ブロックヘッダ及び主信号から成るデータである。主信号領域のデータサイズは、伝送パラメータ情報によって一意に決定される。なお、連結部504は、分割データ内にスタッフィングバイト(0xFF)が存在する場合は、スタッフィングバイトを削除する。
【0051】
冗長データ復元部505は、伝送パラメータ情報に基づき、冗長データが削除された信号ブロックに冗長データを連結して信号ブロックを復元する。なお、冗長データの連結は、BCHパリティ領域、スタッフビット領域、及びLDPCパリティ領域サイズ分のスタッフィングバイトを連結することで実行することができる。また、LDPCパリティ領域のデータサイズは、伝送パラメータ情報によって一意に決定される。
【0052】
伝送主信号構築部506は、復元した信号ブロックから伝送主信号を構築する。
【0053】
伝送路符号化部507は、構築された伝送主信号に伝送路符号化を行う。
【0054】
変調処理部508は、伝送路符号化された伝送主信号を変調し、変調送信波として送信する。
【0055】
次に、インサータ30が実行する伝送主信号挿入処理について説明する。
【0056】
図9は、インサータ30が実行する伝送主信号挿入処理の流れを示したシーケンス図である。以下、図9を参照しながらインサータ30の動作について説明する。
【0057】
第1放送TS受信部301は、2K放送用の再多重化装置から放送TSを受信する(ステップS1)。
【0058】
伝送主信号受信部302は、4K放送用の再多重化装置から伝送主信号を受信する(ステップS2)。伝送主信号受信部302は、受信した伝送主信号を冗長データ削除部305に送出する。
【0059】
外部制御部303は、外部装置から、伝送主信号の伝送パラメータ情報を生成するための制御信号を受信する(ステップS3)。
【0060】
伝送パラメータ生成部304は、外部制御部303が制御信号を受信したことに応答して、伝送主信号の伝送パラメータ情報を生成する(ステップS4)。
【0061】
冗長データ削除部305は、伝送パラメータ生成部304から受け取った伝送パラメータ情報に基づき、信号ブロックが有する冗長データを削除する(ステップS5)。すなわち、冗長データ削除部305は、BCHパリティ領域、LDPCパリティ領域、スタッフビット領域の各データを削除する。なお、LDPCパリティ領域のデータサイズは、伝送パラメータ情報によって一意に決定される。冗長データ削除部305は、冗長データが削除された信号ブロックを分割部306へ送出する。
【0062】
分割部306は、冗長データが削除された信号ブロックをTSペイロードのデータ量(184バイト)を単位として分割し、複数の分割データ(184バイト)を生成する(ステップS6)。分割部306は、複数の分割データを分割データ挿入部307へ送出する。
【0063】
分割データ挿入部307は、分割部306から受け取った複数の分割データ(それぞれ184バイトデータ)を、第1放送TS受信部301から受けとった放送TSの無効階層TSパケットのTSペイロード(184バイト)領域へ上書きして、放送TSに分割データを挿入(多重化)する(ステップS7)。分割データ挿入部307は、分割データが挿入された放送TSを伝送パラメータ挿入部308へ送出する。
【0064】
伝送パラメータ挿入部308は、分割データ挿入部307から受け取った(分割データが挿入された)放送TSのACデータ領域に、伝送パラメータ情報を上書きして、放送TSに伝送パラメータ情報を挿入(多重化)する(ステップS8)。伝送パラメータ挿入部308は、伝送パラメータ情報が挿入された放送TSを放送TS送信部309へ送出する。
【0065】
放送TS送信部309は、伝送パラメータ挿入部308から受け取った(伝送パラメータ情報が挿入された)放送TSを、第1中継装置40へ送信する(ステップ9)。
【0066】
次に、第1変調装置50が実行する伝送主信号構築処理について説明する。
【0067】
図10は、第1変調装置50が実行する伝送主信号構築処理の流れを示したシーケンス図である。以下、図10を参照しながら第1変調装置50の動作について説明する。
【0068】
第2放送TS受信部501は、上流側の中継装置から放送TSを受信する(ステップS11)。第2放送TS受信部501は、受信した放送TSを伝送パラメータ抽出部502へ送出する。
【0069】
伝送パラメータ抽出部502は、第2放送TS受信部501から受け取った放送TSのACデータ領域から伝送主信号の伝送パラメータ情報を抽出する(読み取る)。また、伝送パラメータ抽出部502は、受け取った放送TSの無効階層TSパケットのTSペイロード(184バイト)領域から伝送主信号の伝送パラメータ情報を抽出する(ステップS12)。伝送パラメータ抽出部502は、連結部504、冗長データ復元部505へ抽出した伝送パラメータ情報を送出する。
【0070】
分割データ抽出部503は、受け取った放送TSの無効階層TSパケットのTSペイロード(184バイト)領域から分割データを抽出(複製又は切り取り)する(ステップS13)。分割データ抽出部503は、抽出した分割データを連結部504へ送出する。
【0071】
連結部504は、伝送パラメータ情報に基づき分割データを連結して、冗長データが削除された信号ブロックを構築する(ステップS14)。なお、連結部504は、分割データ内にスタッフィングバイト(0xFF)が存在する場合は、スタッフィングバイトを削除する。連結部504は、冗長データが削除された信号ブロックを冗長データ復元部505へ送出する。
【0072】
冗長データ復元部505は、伝送パラメータ情報に基づき、冗長データが削除された信号ブロックに冗長データを連結して信号ブロックを復元する(ステップS15)。冗長データ復元部505は、復元した信号ブロックを伝送主信号構築部506へ送出する。
【0073】
伝送主信号構築部506は、復元した信号ブロックから伝送主信号を構築する(ステップS16)。伝送主信号構築部506は、構築した伝送主信号を伝送路符号化部507へ送出する。
【0074】
伝送路符号化部507は、構築された伝送主信号に伝送路符号化を行う(ステップS17)。伝送路符号化部507は、伝送路符号化された伝送主信号を変調処理部508へ送出する。
【0075】
変調処理部508は、伝送路符号化された伝送主信号を変調し、変調送信波として送信する(ステップS18)。
【0076】
以上述べた実施形態に係る伝送システムによれば、インサータ30は、2K放送用の放送TSに4K放送用の伝送主信号を分割して挿入(多重化)する。第1変調装置50は、放送TSから4K放送用の分割された伝送主信号を抽出し、4K放送用の伝送主信号を構築する。従って、現行の放送TSと互換性を保ちながら、既存のSTL/TTL回線設備に影響を与えることなく、また、新規に回線設備を導入することなく、地上デジタルテレビジョン放送の高度化(4K放送)を実現することができる。
【0077】
また、インサータ30は、4K放送用の伝送主信号から冗長データを削減して、2K放送用の放送TSに分割した伝送主信号を挿入する。第1変調装置50は、放送TSから4K放送用の分割された伝送主信号を抽出し、冗長データを復元して4K放送用の伝送主信号を構築する。従って、冗長データが削除された4K放送信号を伝送することができる。その結果、データ伝送を効率化することができ、4Kマスター設備の映像・音声符号化、及び受信機の復号処理の負担を軽減することができる。
【0078】
[第2実施形態]
次に、第2の実施形態に係る伝送システム及び伝送方法について説明する。第1実施形態では、外部制御装置から伝送主信号の伝送パラメータ情報生成のための制御信号を受信する例を示した。これに対し、第2の実施形態に係る伝送システム及び伝送方法は、伝送パラメータ情報を伝送主信号と共に、図1に示した4K放送用の第2再多重化装置24から受信するものである。
【0079】
図11は、図1に示した4K放送用の第2再多重化装置24における再多重化処理を説明するための図であり、伝送主信号に伝送パラメータ情報が付加されたデータの構成を示した図である。図11に示した様に、伝送主信号に伝送パラメータ情報が付加されたデータは、スロット領域(5610バイト)に、TMCC基本情報領域(35バイト)を結合した構成を有している。TMCC基本情報領域には、変調方式や符号化率などの伝送パラメータ情報が含まれている。
【0080】
第2の実施形態に係る伝送システム及び伝送方法では、第2再多重化装置24は、図11に示したTMCC基本情報領域に伝送パラメータ情報を多重化し伝送主信号と共にインサータ30へ送出する。
【0081】
図12は、第2の実施形態に係るインサータ30の機能ブロック図である。図6に示した第1の実施形態に係るインサータ30と比較した場合、第2の実施形態に係るインサータ30においては、外部制御部303を有さない点、新たに伝送パラメータ抽出部310を備える点が異なる。
【0082】
伝送パラメータ抽出部310は、伝送主信号受信部302が第2再多重化装置24から受信したTMCC基本情報領域から、伝送パラメータ情報を抽出する。
【0083】
図13は、第2の実施形態に係るインサータ30の伝送主信号挿入処理の流れを説明するためのシーケンス図である。以下、図9に示した処理と異なるステップについてのみ説明する。
【0084】
ステップS21、S22の処理は、図9のステップS1、S2の処理と実質的に同じである。
【0085】
伝送パラメータ抽出部310は、伝送主信号受信部302が受信したTMCC基本情報領域から、伝送パラメータ情報を抽出する。
【0086】
以降、ステップS25~S29については、図9のステップS5~S9の処理と実質的に同じである。
【0087】
以上述べた第2実施形態に係る伝送システムS及び伝送方法によっても、第1実施形態と同様の効果を実現することができる。
【0088】
(変形例)
上記各実施形態においては、第1変調装置50、第2変調装置70がデータ構築装置である場合の伝送システムSを例示した。これに対し、伝送システムSは、例えば、第1変調装置50、第2変調装置70のデータ構築装置としての機能を別体とする構成であってもよい。すなわち、第1変調装置50及び第2変調装置70は、伝送路符号化部507、変調処理部508を備える構成とし、第1変調装置50、第2変調装置70のそれぞれの前段において、伝送パラメータ抽出部502、分割データ抽出部503、連結部504、冗長データ復元部505、伝送主信号構築部506を備えるデータ構築装置を配置する構成としても良い。
【0089】
なお、上記各実施形態において説明した伝送方法は、コンピュータによって実行可能なプログラムによっても実現することができる。すなわち、上記各実施形態において説明した伝送方法を実現するプログラムをメモリに格納し、コンピュータの処理回路により当該プログラムをメモリから読み出し、ソフトウエアとハードウエア資源とが協働することによって、上記各実施形態において説明した伝送システム又は伝送方法を構築することも可能である。
【0090】
以上、本発明のいくつかの実施形態(及び変形例)を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0091】
10 2K放送エンコーダ
12 第1多重化装置
14 第1再多重化装置
20 4K放送エンコーダ
22 第2多重化装置
24 第2再多重化装置
30 インサータ
40 第1中継装置
50 第1変調装置
60 第2中継装置
70 第2変調装置
301 第1放送TS受信部
302 伝送主信号受信部
303 外部制御部
304 伝送パラメータ生成部
305 冗長データ削除部
306 分割部
307 分割データ挿入部
308 伝送パラメータ挿入部
309 放送TS送信部
310 伝送パラメータ抽出部
501 第2放送TS受信部
502 伝送パラメータ抽出部
503 分割データ抽出部
504 連結部
505 冗長データ復元部
506 伝送主信号構築部
507 伝送路符号化部
508 変調処理部
S 伝送システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13