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特開2023-11636減速機用ケーシングを備えた回転電気機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011636
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】減速機用ケーシングを備えた回転電気機械
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/116 20060101AFI20230117BHJP
   H02K 7/08 20060101ALI20230117BHJP
   H02K 9/19 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
H02K7/116
H02K7/08 Z
H02K9/19 A
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022163453
(22)【出願日】2022-10-11
(62)【分割の表示】P 2019524080の分割
【原出願日】2017-11-09
(31)【優先権主張番号】1660829
(32)【優先日】2016-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】508075579
【氏名又は名称】ヴァレオ エキプマン エレクトリク モトゥール
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【弁理士】
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】セドリック、ルデュー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-クロード、ラブロス
(72)【発明者】
【氏名】ウサマ、ルイ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】減速機用ケーシングを備えた自動車用の回転電気機械を提供する。
【解決手段】ステータの冷却を保証するための冷却液を循環可能にするように構成された第1の冷却チャンバ114を備えた、特に自動車用の回転電気機械10を主に関し、この機械は、第1の冷却チャンバ114が、一方の軸受17の内面と他方の軸受16の外面とにより画定されること、および、軸受の一方16が、減速機99のケーシング107に延長され、この減速機99のケーシング107が、回転電気機械10のシャフトの対応ピニオンと係合するために減速機99の少なくとも1つのピニオンを受容するように構成された、少なくとも1つの収容部を含むことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に自動車用の回転電気機械(10)であって、
- ステータ(11)と、
- シャフト(13)に取り付けられたロータ(12)と、
- スプール(77、103)を支持するためにそれぞれ構成された前方軸受(16)および後方軸受(17)であって、各々のスプール(77、103)が回転電気機械(10)のシャフト(13)を回転支持する、前方軸受および後方軸受と、
- 前記ステータ(11)の冷却を保証するための冷却液を循環できるように構成された第1の冷却チャンバ(114)と、
を備え、
- 前記第1の冷却チャンバ(114)が、一方の軸受(17)の内面と他方の軸受(16)の外面とにより画定され、
- 前記軸受の一方(16)が、減速機(99)のケーシング(107)に延長され、前記減速機(99)のケーシング(107)が、回転電気機械(10)のシャフト(13)の対応ピニオンと係合するために前記減速機(99)の少なくとも1つのピニオンを受容するように構成された、少なくとも1つの収容部(110)を含んでいることを特徴とする、回転電気機械。
【請求項2】
前記減速機(99)のケーシング(107)が、この減速機(99)の対応する第2のケーシング(122)と共に回転電気機械を固定可能に構成された固定手段(119)を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の回転電気機械。
【請求項3】
前記ピニオンを受容する収容部(110)が、前記シャフト(13)を通すために前記軸受(16)に設けられた開口部(102)に対して軸方向にオフセットされていることを特徴とする、請求項1または2に記載の回転電気機械。
【請求項4】
前記ステータ(11)が前記軸受の一方(16)に焼き嵌めにより取り付けられていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電気機械。
【請求項5】
前記前方軸受(16)が、前記減速機(99)のケーシング(107)を支持していることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の回転電気機械。
【請求項6】
前記回転電気機械(10)の電気制御モジュール(40)を含んでいることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の回転電気機械。
【請求項7】
前記電気制御モジュール(40)に結合される放熱器(44)を含んでいることを特徴とする、請求項6に記載の回転電気機械。
【請求項8】
前記放熱器(44)が、後方軸受(17)に固定されることを特徴とする、請求項7に記載の回転電気機械。
【請求項9】
前記放熱器(44)の冷却のために冷却液を循環可能にするように構成された第2の冷却チャンバ(112)を含んでいることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の回転電気機械。
【請求項10】
前記第2の冷却チャンバ(112)が前記放熱器(44)の内部に形成されることを特徴とする、請求項9に記載の回転電気機械。
【請求項11】
前記第2の冷却チャンバ(112)が、前記放熱器(44)の軸方向端面と前記後方軸受(17)の対向面とにより画定されることを特徴とする、請求項9に記載の回転電気機械。
【請求項12】
前記2個の軸受(16、17)の間に配置されて前記第1の冷却チャンバ(114)の密封性を保証するパッキン(128)を含んでいることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の回転電気機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減速機用ケーシングを備えた回転電気機械に関する。本発明は、特に有利には、変速機の減速機等の要素と連結されてオルタネータモードとエンジンモードとで動作可能な高出力の可逆電気機械に適用されるが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
それ自体知られているように、回転電気機械は、ステータと、シャフトに結合されるロータとを含む。ステータは、軸受においてスプールを介してシャフトを回転支持するように設計されたケーシング内に取り付けられる。
【0003】
ロータは、適切な固定システムを用いてパッケージの形状に保持されるシートメタルの積層からなる本体を含む。ロータは、たとえば、ロータの磁性体内に設けられたキャビティに収容される永久磁石からなる磁極を含む。あるいは、いわゆる「凸型」磁極を有する構造体の場合、磁極は、ロータアームの周囲に巻き付けられたコイルから形成される。
【0004】
他方で、ステータは、クラウンを形成する複数枚のシート片の積層からなる本体を含み、その内面は、相巻線を受容するように内側に向かって開いたノッチを備える。相巻線は、たとえば、エナメルコーティングした連続ワイヤまたは、溶接により互いに結合されたピンの形状の導電性要素から得られる。これらの巻線は、星形または三角形に接続された多相巻線であり、その出口は電気制御モジュールに接続される。
【0005】
熱機関から自動車の車輪に機械的な出力を伝達することを保証とする自動車の幾つかのタイプの駆動系統では、高出力の可逆回転電気機械が自動車の変速機に連結される。その場合、回転電気機械は、特にバッテリと車載回路網とにエネルギーを供給するオルタネータモードでの動作に適し、また、エンジンモードでは、熱機関の始動を保証するばかりではなく、単独もしくは熱機関との組み合わせで車両の駆動にも関与する動作に適したものとなる。
【発明の概要】
【0006】
従来の1つの組立設計によれば、電気機械の軸受は、様々な要素を機械的にセンタリングした後でねじ留めシステムを用いて減速機用ケーシングに固定される。しかし、この組立モードには幾つかの厳しい機械的制約がある。
【0007】
本発明は、特に自動車用の回転電気機械を提案することによって上記の課題を解決することをめざしており、この回転電気機械は、
- ステータと、
- シャフトに取り付けられたロータと、
- スプールを支持するためにそれぞれが構成された前方軸受および後方軸受であって、各々のスプールが回転電気機械のシャフトを回転支持する、前方および後方軸受と、
- ステータの冷却を保証するための冷却液を循環可能にするように構成された第1の冷却チャンバと、
を備え、
- 第1の冷却チャンバが、一方の軸受の内面と他方の軸受の外面とにより画定され、 - 軸受の一方が、減速機のケーシングに延長され、この減速機のケーシングが、回転電気機械のシャフトの対応ピニオンと係合するために減速機の少なくとも1つのピニオンを受容するように構成された、少なくとも1つの収容部を含んでいることを特徴とする。
このようにして、本発明は、電気機械の軸受の1つに変速機の減速機用ケーシングの機能を組み込むことによって、変速機へのアセンブリの組立を容易にし、アセンブリにおける機械的制約を減らすことができる。
【0008】
1つの実施形態によれば、減速機のケーシングが、この減速機の対応する第2のケーシングと共に回転電気機械を固定できるように構成された固定手段を含んでいる。
【0009】
1つの実施形態によれば、ピニオンを受容する収容部が、シャフトを通すために軸受に設けられた開口部に対して軸方向にオフセットされている。
【0010】
1つの実施形態によれば、ステータが上記軸受の一方に焼き嵌めにより取り付けられている。
【0011】
1つの実施形態によれば、前方軸受が減速機のケーシングを支持している。
【0012】
1つの実施形態によれば、前記回転電気機械が、この回転電気機械を制御する電気制御モジュールを含んでいる。
【0013】
1つの実施形態によれば、前記回転電気機械が、上記電気制御モジュールに結合される放熱器を含んでいる。
【0014】
1つの実施形態によれば、上記放熱器が後方軸受に固定される。
【0015】
1つの実施形態によれば、前記回転電気機械は、上記放熱器の冷却のために冷却液を循環可能にするように構成された第2の冷却チャンバを含んでいる。
【0016】
1つの実施形態によれば、第2の冷却チャンバが放熱器の内部に形成される。
【0017】
1つの実施形態によれば、第2の冷却チャンバが、放熱器の軸方向端面と後方軸受の対向面とにより画定される。
【0018】
1つの実施形態によれば、前記回転電気機械は、2個の軸受の間に配置されて第1の冷却チャンバの密封性を保証するパッキンを含んでいる。
【0019】
本発明は、以下の説明を読み、添付図面を参照すればいっそう理解されるであろう。これらの図面は、例としてのみ挙げられており、本発明を少しも限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明による回転電気機械および結合される減速機を示す斜視図である。
図2】本発明による電気機械で前方軸受の前方部分を省いた縦断面図である。
図3】本発明による回転電気機械のステータおよび相互接続器を示す斜視図である。
図4】本発明による回転電気機械の後方部分を示す斜視図である。
図5】本発明による回転電気機械の後方部分を示す縦断面図である。
図6a】本発明による回転電気機械の前方軸受の前部を示す斜視図である。
図6b】本発明による回転電気機械の前方軸受の後部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面では、同一または類似もしくは相似する要素には同じ参照符号を付した。以下の説明では、図2の左から右に向かって前方から後方への向きとみなす。したがって、「前方」要素とは、前方スプール77の側に配置される要素を意味し、「後方」要素とは、反対側すなわち電気制御モジュール40の側に配置される要素を意味する。
【0022】
図1図2は、ロータ12を囲む多相ステータ11を備えた回転電気機械10を示し、ロータは、電気機械の軸に対応するX軸を持つシャフト13に取り付けられている。ステータ11は、このステータ11の内周とロータ12の外周との間に隙間が存在するようにしながらロータ12を囲んでいる。ステータ11は、前方軸受16と後方軸受17とを備えたケーシング内に取り付けられる。
【0023】
この電気機械10は、変速機の上流に配置される減速機99に連結されるように構成されている。電気機械は、特にバッテリと車載回路網とにエネルギーを供給するためにオルタネータモードでの動作に適し、また、エンジンモードにおいて、自動車の熱機関の始動を保証するばかりではなく、単独もしくは熱機関との組み合わせで車両の駆動にも関与する動作に適したものとなる。電気機械の出力はたとえば15kWから50kWの範囲とすることができる。
【0024】
より詳しくは、ロータ12は、シートパッケージの形状の本体22を含む。本体22のキャビティ内に永久磁石23が設置される。永久磁石23は、回転電気機械の所望の用途および出力に応じて希土類またはフェライトから構成可能である。さらに、ロータ12は、このロータ12の軸方向端面にそれぞれが当接する2個のブラケット26を含む。これらのブラケット26は、永久磁石23を軸方向に固定することを保証し、またロータ12を平衡状態に置く役割を果たす。
【0025】
一方で、ステータ11は、シートパッケージからなる本体27とコイル28とを含む。本体27は、適切な固定システムを用いてパッケージの形状に保持されるシートメタルの積層から形成される。
【0026】
図3に示したステータ本体27は、環状ヨーク31の内周から延びる歯30を備え、歯は、ステータ11のコイル28を取り付けるためのノッチ32を2個ずつ画定する。したがって、2個の連続ノッチ32は1個の歯30により隔てられる。ノッチ32は、軸方向には、軸方向端面に通じており、半径方向にはステータ本体27の内側に通じている。
【0027】
コイル28は、ノッチ32を貫通する相巻線アセンブリ33を含み、このアセンブリが、ステータ本体27の両側に突出して延びる引出線36を形成する。相巻線33は、ここでは、たとえば溶接により互いに結合されたピンの形状の導電性要素から得られる。これらの巻線33は、たとえば星形接続された三相二重巻線である。
【0028】
このため、相巻線33の一端は、各相巻線33の中性点どうしを接続することを保証する中性バー38を用いて中性点に接続される。これらの相巻線33の他端37、いわゆる相の出口は、相互接続器41を介して電気制御モジュール40に接続されるように構成される。
【0029】
図5から分かるように、電気制御モジュール40は、放熱器44を含み、この放熱器には、たとえばねじ留めによって特に出力モジュール45が固定される。これらの出力モジュール45は、それ自体知られているように、エンジンモードまたはオルタネータモードで回転電気機械10を制御することを保証可能な、たとえばMOS型トランジスタの形状を呈するスイッチを組み込む。電気制御モジュール40は、放熱器44を介して後方軸受17の横壁46の背面に当接するように取り付けられる。
【0030】
このため、図3に示したように、ここではほぼ環状の相互接続器41は、相の出口37に接続されるように構成された端子48と、出力モジュール45の脚部50に電気接続されるように構成された接続端子49とを含む。このようにして、相互接続器41は、相の出口37と、相の出口37に対して角方向にオフセットされた出力モジュール45の脚部50とを対応させることができる。
【0031】
このため、端子48は、プラスチック等の絶縁材料からなる本体53が一体的に成形されたパターン52を介して(図5参照)、接続端末49に電気接続される。接続端末49が出ている一体成形部分54は、相互接続器41の環状部分から軸方向に突出して延びている。
【0032】
相互接続器41は、たとえばねじなどの対応する固定部材を受容するためのインサート57を用いて、後方軸受17の横壁46の前面に固定される。したがって、相互接続器41はステータ本体11から離れて配置されるので、その加熱が大幅に制限される。
【0033】
さらに、出力モジュール45の脚部50の正面に相互接続器41の端子49を配置可能にするために、後方軸受17は、図5に示したように、接続端子49を通すために横壁46に設けられた開口部61を含む。これらの開口部61は、電気制御モジュール40の放熱器44内に設けられた対応する開口部63に向かい合って配置される。
【0034】
図1から分かるように、減速機99の出口シャフトは、変速機内に配置されるスリーブの対応する形状のフルート溝入りの内周と係合するように構成された、フルート溝入りの端部73を含むことができる。したがって、これにより、シャフト13と、変速機のピニオンの歯と協働する歯を外周に備えたスリーブとを回転結合することができる。
【0035】
前方軸受16に対してシャフト13を回転式に組み立てることを保証するために、前方スプール77は、電気機械10のシャフト13と前方軸受16との間に半径方向に配置される。前方スプール77は、たとえば、玉軸受または針状ころ軸受とすることができる。さらに、図2に示したように、後方スプール103は、後方軸受17の対応する収容部104に組み立てられる。
【0036】
有利には、電気機械10は、この電気機械の内部で水または油を主成分とする液体等の冷却液を流すことが可能な冷却回路109を用いて冷却される。図5から分かるように、冷却回路109は、放熱器44内に設けられた入口111を含み、この入口は、放熱器44の冷却のために冷却チャンバ112に通じて冷却液を循環させ、電気制御モジュール40が発生する熱量を排出する。
【0037】
冷却チャンバ112は、放熱器44内に組み込むことができ、すなわち冷却チャンバ112は、放熱器44の成形時または加工時に当該放熱器44の内部に中空空間を画定するように構成することができる。したがって、冷却チャンバ112は、放熱器44の内面によって画定される。
【0038】
変形実施形態では、冷却チャンバ112が、放熱器44の軸方向端面と、後方軸受17の対向面とにより画定される。これらの2つの部品の一方は、冷却チャンバ112の内部空間を画定するための凹部を含んでいてもよい。その場合、冷却チャンバ112の密封性はパッキンにより保証される。
【0039】
放熱器44の冷却チャンバ112内で冷却液が循環すると、冷却液は、前方軸受16および後方軸受17により画定されるチャンバ114に向かって流れる。このため、ダクト115は、一方では放熱器44のチャンバ112内に通じ、他方では、前方軸受16および後方軸受17により画定されるチャンバ114に通じている。
【0040】
より詳しくは、図1および図2から分かるように、冷却チャンバ114は、前方軸受16の側壁125の外周と、後方軸受17の側壁117の内周とによって画定される。この冷却チャンバ114は、その軸方向端部で、Oリングタイプの2個のパッキン128により閉じられる。ステータ11は、ステータ本体11の外周と前方軸受16の側壁の内周との間が密接に接触するように、前方軸受16の内部に焼き嵌めにより取り付けられる。
【0041】
ダクト115は、後方軸受17の側壁117に設けられ、すなわちダクト115を画定する壁は、後方軸受17の側壁117とモノブロックである。ダクト115は、たとえば、後方軸受17の側壁117の成形または加工により得られる。
【0042】
冷却液は、約360°にわたって冷却を保証するためにステータ11の周囲に延びるチャンバ114内で循環した後、図1から分かるように液体の出口121を介して排出される。
【0043】
より詳しくは、図6aおよび図6bに示したように、前方軸受16は、その前方端部側で開放されて、その前方端部側に底部101を備える円筒状の側壁125を含む。底部101は、電気機械のシャフト13を通すための中央開口部102を有する。
【0044】
前方軸受16の底部101は、減速機99のケーシング107に延長される。したがって、減速機99のケーシング107は、前方軸受16とモノブロックである。対応する部品は、たとえば成形または加工により得られる。
【0045】
このケーシング107は、底部101よりも肉厚に形成される壁108と、電気機械のシャフト13と回転結合される対応ピニオンと係合するために減速機99のピニオンを受容するように構成された収容部110とを含む。シャフト13と回転結合されるピニオンは、開口部102と同軸の第2の収容部113内に受容される。このピニオンは、シャフト13のフルート溝入りの区間または、シャフト13に回転結合式に組み立てられるはめ込みピニオンから構成可能である。図1に示したように、変速機の歯付きスリーブと係合するためのフルート溝入りの端部73を備えたシャフト116に減速機99のピニオンを取り付けることができる。
【0046】
収容部110は、シャフト13を通すために前方軸受16に設けられた開口部102に対して軸方向にオフセットされている。換言すれば、収容部110の軸は、シャフト13の軸Xに対してオフセットされている。図6bから分かるように、このオフセットは、ケーシング107の横壁108の一部分が、前方軸受16の底部101から半径方向にはみ出すようになされる。
【0047】
収容部110、113は、段付きの直径を有する内周を備えることができる。そのため、収容部110、113は、受容するピニオンを据え付けるためのショルダ118を有する。
【0048】
図1に示したように、ケーシング107は、減速機99の対応する第2のケーシング122と共に電気機械10を固定できるように構成された固定手段119を含む。したがって、第2のケーシング122は、収容部110、113を画定するケーシング107の開放空間を閉鎖可能である。これらの固定手段119は、ケーシング107の壁108の外周から出た穴の開いた突出耳状部から構成される。これらの耳状部119によって、ねじ等の固定部材124を通すことができ、この固定部材は、第2のケーシング122の対応する穴の開いた耳状部を貫通する。
【0049】
第2のケーシング122は、また、変速機の一要素と共に第2のケーシング122を固定可能な、ねじ等の固定部材127を通す開口部を備えた穴の開いた突出耳状部126を含む。
【0050】
図6aから分かるように、アセンブリを補強するためにケーシング107の壁108の周囲にリブ129を設けることもできる。
【0051】
当然のことながら、上記の説明は単に例として挙げられており、本発明の範囲を限定するものではなく、他のあらゆる同等物に各要素を代替しても発明の範囲を逸脱することはない。本発明は、冷却チャンバの一部を形成せずにスプール支持体だけを備えた回転電気機械の簡易ケーシングでも利用可能である。
【0052】
さらに、本発明の様々な特徴、変形および/または実施形態は、それらが互いに相容れるものであって除外的でない限り、多様な組み合わせに応じて互いに結合可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
【外国語明細書】