IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立製作所の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116365
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】振動センサ設置支援システム
(51)【国際特許分類】
   F17D 5/06 20060101AFI20230815BHJP
   G01M 3/24 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
F17D5/06
G01M3/24 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022019132
(22)【出願日】2022-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小山 晃広
(72)【発明者】
【氏名】杉田 悠介
【テーマコード(参考)】
2G067
3J071
【Fターム(参考)】
2G067AA13
2G067BB22
2G067CC02
2G067DD13
2G067EE13
3J071AA12
3J071CC17
3J071DD30
3J071EE06
3J071EE19
3J071EE30
3J071EE37
3J071FF12
3J071FF16
(57)【要約】
【課題】管路網を流れる流体の漏洩を検知する振動センサを、適切な配置で管路網に設置することを容易にすること。
【解決手段】接続された複数の管路要素を有し内部に流体が流れる管路網に設置され、管路網での流体の漏洩を検知する振動センサの管路網内の配置を算出する振動センサ設置支援システムであって、管路網の情報と、設置する振動センサの情報を入力として、流体の漏洩を検知できる振動センサの数を、管路要素毎に設定する最小数以上にしつつ、管路網に設置する振動センサの全数を最小にすることを表す目的とした最適化問題の式を生成し、最適化問題の式を解いて得られる、設置する振動センサの最適設置位置情報を算出して出力する設置位置算出部を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続された複数の管路要素を有し内部に流体が流れる管路網に設置され、前記管路網での前記流体の漏洩を検知する振動センサの前記管路網内の配置を算出する振動センサ設置支援システムであって、
前記管路網の情報と、設置する振動センサの情報を入力として、前記流体の漏洩を検知できる前記振動センサの数を、前記管路要素毎に設定する最小数以上にしつつ、前記管路網に設置する前記振動センサの全数を最小にすることを表す目的とした最適化問題の式を生成し、前記最適化問題の式を解いて得られる、設置する前記振動センサの最適設置位置情報を算出して出力する設置位置算出部を有する振動センサ設置支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の振動センサ設置支援システムであって、
複数の管路要素の構成情報と、前記複数の管路要素の運用管理に関する情報を含んだ管路網の情報を入力情報として有する振動センサ設置支援システム。
【請求項3】
請求項1に記載の振動センサ設置支援システムであって、
振動センサの過去の測定値に関する情報と、前記管路要素の構造特性に漏洩振動の強度や振動減衰に関する理論特性を対応付けた情報を含んだ振動センサの情報を入力情報として有する振動センサ設置支援システム。
【請求項4】
請求項1に記載の振動センサ設置支援システムであって、
前記管路網の情報と、設置する振動センサの情報から、振動センサの最適設置位置情報を算出するために必要な入力情報を抽出した入力データセットを生成する設置条件取得部と、前記入力データセットを入力として、前記流体の漏洩を検知できる前記振動センサの数を、前記管路要素毎に設定する最小数以上にしつつ、前記管路網に設置する前記振動センサの全数を最小にすることを表す目的とした最適化問題の式を生成し、前記最適化問題の式を解いて得られる、設置する前記振動センサの数を前記振動センサの配置として算出する、設置位置最適化演算部を有した設置位置算出部を有する振動センサ設置支援システム。
【請求項5】
請求項1に記載の振動センサ設置支援システムであって、
管路網の情報と、設置する振動センサの情報から、
前記管路網を構成する管路の構造特性を含めた管路要素テーブルと、
前記管路網を構成する節点の構造特性を含めた節点テーブルと、
前記振動センサの性能特性を含めた振動センサ感度テーブルと、
漏洩振動に関する特性を含めた振動モデルテーブルと、
管路要素での漏洩振動の減衰特性を含めた管路要素振動伝搬モデルテーブル
節点での漏洩振動の減衰特性を含めた節点振動伝搬モデルテーブル
を生成する設置条件取得部を有する振動センサ設置支援システム。
【請求項6】
請求項1に記載の振動センサ設置支援システムであって、
管路網を構成する複数の管路要素それぞれに対して、位置情報と、管路要素の構造特性を対応付けた管路要素情報、を入力として前記振動センサの最適設置位置情報を算出する振動センサ設置支援システム。
【請求項7】
請求項1に記載の振動センサ設置支援システムであって、
管路網を構成する複数の管路要素それぞれに対して、管路要素の構造特性を考慮した管路要素振動強度減衰特性、を対応付けた管路要素振動伝搬モデル情報、を入力として前記振動センサの最適設置位置情報を算出する振動センサ設置支援システム。
【請求項8】
請求項1に記載の振動センサ設置支援システムであって、
管路網を構成する複数の管路要素それぞれに対して、前記複数の管路要素それぞれの両端にある複数の節点の位置情報と、前記複数の節点のそれぞれが前記振動センサを設置する候補とする設置候補節点か否かを表す設置可否値を対応付けた節点情報を入力として前記振動センサの最適設置位置情報を算出する振動センサ設置支援システム。
【請求項9】
請求項1に記載の振動センサ設置支援システムであって、
管路網を構成する複数の管路要素それぞれの両端にある複数の節点毎に、節点構造特性を考慮した節点振動強度減衰特性を対応付けた節点振動伝搬モデル情報を入力として前記振動センサの最適設置位置情報を算出する振動センサ設置支援システム。
【請求項10】
請求項8に記載の振動センサ設置支援システムであって、
バルブが設けられている前記節点を優先的に前記設置候補節点に設定する、
振動センサ設置支援システム。
【請求項11】
請求項1に記載の振動センサ設置支援システムであって、
振動強度の項と、
前記管路要素での振動の減衰の度合いを表す、管路要素の振動減衰の項と、
前記節点での振動の減衰の度合いを表す、節点の振動減衰の項と、
検知下限振動強度の項と、を含む関数である検知関数を用いて、前記振動センサの最適設置位置情報を算出する振動センサ設置支援システム。
【請求項12】
請求項1に記載の振動センサ設置支援システムであって、
管路網があるエリアの地形、地図、施設配置、交通状況、人口構成、などで構成されたエリア情報を入力として前記振動センサの最適設置位置情報を算出する振動センサ設置支援システム。
【請求項13】
請求項8に記載の振動センサ設置支援システムであって、
前記管路網の情報と、前記振動センサの情報と、に基づいて、前記管路要素で前記流体が漏洩して生じる振動を、前記設置候補節点に設置される前記振動センサで検知できるか否かを表す検知可否値を要素とする監視可否行列を算出し、
前記管路網に設置する前記振動センサの数を最小にすることを表す目的関数と、前記複数の管路要素それぞれで、前記流体の漏洩を検知できる前記振動センサの数を、前記振動センサの最小数以上にすることを表し前記監視可否行列を含む制約の式と、を含む最適化問題の式を生成し、
前記最適化問題の式を解いて得られる、前記設置候補節点それぞれに対して設置する前記振動センサの数を前記振動センサの配置として算出する、
振動センサ設置支援システム。
【請求項14】
請求項1に記載の振動センサ設置支援システムであって、
前記振動センサの配置における、前記振動センサの最適設置位置情報と、前記振動センサを設置する順序を算出する、振動センサ設置支援システム。
【請求項15】
請求項1に記載の振動センサ設置支援システムであって、
前記管路要素毎に設定された、前記管路要素の前記流体の漏洩を検知できる前記振動センサの最小数が2以上に設定される、
振動センサ設置支援システム。
【請求項16】
請求項1に記載の振動センサ設置支援システムであって、
プロセッサと、記憶装置とを備え、
前記記憶装置は、前記管路網の情報と、設置する前記振動センサの情報を格納し
前記プロセッサは、
前記管路網を構成する複数の管路要素毎の前記振動センサの最小数が入力されると、前記管路網の情報と、設置する振動センサの情報にもとづいて、前記流体の漏洩を検知できる前記振動センサの数を、前記管路要素毎に設定する最小数以上にしつつ、前記管路網に設置する前記振動センサの全数を最小にすることを表す目的とした最適化問題の式を生成し、前記最適化問題の式を解いて得られる、設置する前記振動センサの最適設置位置情報を算出する設置位置算出部を有する振動センサ設置支援システム。
【請求項17】
請求項1に記載の振動センサ設置支援システムであって、
情報を表示する出力装置を備え、
算出した前記振動センサの最適設置位置情報を前記出力装置に出力する、
振動センサ設置支援システム。
【請求項18】
請求項1に記載の振動センサ設置支援システムであって、
情報を入力する入力装置を備え、
前記管路網を構成する複数の管路要素毎の前記振動センサの最小数を、前記入力装置を通じて入力されると、前記管路網の情報と、設置する振動センサの情報にもとづいて、前記流体の漏洩を検知できる前記振動センサの数を、入力された前記複数の管路要素毎の前記振動センサの最小数以上にしつつ、前記管路網に設置する前記振動センサの全数を最小にすることを表す目的とした最適化問題の式を生成し、前記最適化問題の式を解いて得られる、設置する前記振動センサの最適設置位置情報を算出する、振動センサ設置支援システム。
【請求項19】
請求項1に記載の振動センサ設置支援システムであって、
ネットワークを介して、外部の端末と管路網の情報と振動センサの情報を共有可能な振動センサ設置支援システム。
【請求項20】
請求項1に記載の振動センサ設置支援システムであって、
ネットワークを介して、外部の端末と前記振動センサの最適設置位置情報を共有可能な振動センサ設置支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続された複数の管路要素を有し内部に流体が流れる管路網に設置され、管路網での流体の漏洩を検知する振動センサの管路網内の配置を算出する振動センサ設置支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インフラや工場の管路網や、水道の管路網において、管路網を流れる流体の漏洩を検知するセンサの配置を算出する技術が提案されてきた。例えば、特許文献1には、内部を流体が流動可能な複数の配管が接続された管路ネットワーク上における、配管から流体の漏出を音圧で検知する複数のセンサの配置を、配管ごとにあらかじめ設定された重み付け値に基づいて算出する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-180598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の技術では、配管の構造により配管での振動の減衰のしやすさが変わることや、センサの検知性能を考慮せずに、センサの配置を算出する。これにより、管路ネットワークでセンサが漏出を検知できる範囲を算出できない。その結果、センサで検知できるはずの管路の漏洩が検知できないおそれがあり、センサの配置が適切でない場合があるという課題がある。
【0005】
本発明は、管路網を流れる流体の漏洩を検知する振動センサを、適切な配置で管路網に設置することを容易にする振動センサ設置位置システム、情報処理方法、情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の振動センサ設置支援システムの一態様は、接続された複数の管路要素を有し内部に流体が流れる管路網に設置され、前記管路網での前記流体の漏洩を検知する振動センサの前記管路網内の配置を算出する振動センサ設置支援システムであって、前記管路網の情報と、設置する振動センサの情報を入力として、前記流体の漏洩を検知できる前記振動センサの数を、前記管路要素毎に設定する最小数以上にしつつ、前記管路網に設置する前記振動センサの全数を最小にすることを表す目的とした最適化問題の式を生成し、前記最適化問題の式を解いて得られる、設置する前記振動センサの最適設置位置情報を算出して出力する設置位置算出部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、管路網を流れる流体の漏洩を検知する振動センサを、振動センサの検知範囲を考慮し、管路網を見逃しなく監視可能な配置で管路網に設置することを容易にするという効果がある。さらに、必要な振動センサの最少台数の算出結果にもとづき、振動センサの置き過ぎを回避し、振動センサを管路網に設置するために必要となるエネルギーや生成される二酸化炭素の排出量を減らし、地球温暖化を抑制できるという効果がある。
【0008】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の発明を実施するための形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1における振動センサ設置支援システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図2】実施例1における設置位置算出部の機能ブロック図の一例を示す図である。
図3】実施例1における管路網情報の構成の一例を示す図である。
図4】実施例1における振動センサ情報の構成の一例を示す図である。
図5】実施例1における設置条件取得部の機能ブロック図の一例を示す図である。
図6】実施例1における設置位置最適化演算部の機能ブロック図の一例を示す図である。
図7】実施例1における節点テーブルの一例を示す図である。
図8】実施例1における管路要素テーブルの一例を示す図である。
図9】実施例1における振動センサ感度テーブルの一例を示す図である。
図10】実施例1における振動モデルテーブルの一例を示す図である。
図11】実施例1における節点振動伝搬モデルテーブルの一例を示す図である。
図12】実施例1における管路要素振動伝搬モデルテーブルの一例を示す図である。
図13】実施例1の設置位置算出処理の例を示すフローチャートである。
図14】実施例1における振動センサ設置支援システムのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図15】ユーザが、設置条件を入力するために表示される設置条件入力画面の一例を示す説明図である。
図16A】検知関数の式の一例を示す図である。
図16B】検知関数の式の計算例を示す図である。
図16C】監視可否行列の一例を示す図である。
図16D】最適化問題の制約の式を説明する図である。
図16E】最適化問題の式を示す図である。
図17】検知関数を算出する方法を説明する説明図である。
図18】監視可否行列を表す表の一例を示す図である。
図19】振動センサの配置をユーザに表で提示する場合の、表の一例を示す図である。
図20】振動センサの配置を表す振動センサ配置画面の例を示す説明図である。
図21】振動センサの配置を表す振動センサ配置画面の例を示す説明図である。
図22】実施例1の変形例1における、ユーザが、設置条件を入力するために表示される設置条件入力画面の一例を示す説明図である。
図23】実施例1の変形例2における、節点テーブルの一例を示す図である。
図24】実施例2における振動センサ設置支援システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図25】実施例2におけるエリア情報の構成の一例を示す図である。
図26】実施例2における振動センサ設置支援システムのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図27】実施例2における設置条件取得部の機能ブロック図の一例を示す図である。
図28】実施例2における節点テーブルの一例を示す図である。
図29】実施例2における管路要素テーブルの一例を示す図である。
図30】実施例2における管路要素振動伝搬モデルテーブルの一例を示す図である。
図31】実施例3における振動センサ設置支援システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図32】実施例3における設置順序算出部の機能ブロック図の一例を示す図である。
図33】実施例3における設置順序算出処理の例を示すフローチャートである。
図34】最適経路をユーザに表で提示する場合の、表の一例を示す図である。
図35】最短経路を表す最適経路提示画面の例を示す説明図である。
図36】実施例3の変形例1における振動センサ設置支援システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図37】実施例3の変形例1における設置順序算出部の機能ブロック図の一例を示す図である。
図38】実施例4における振動センサ設置支援システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図39】実施例4の変形例1における振動センサ設置支援システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図40】実施例5における振動センサ設置支援システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図41】実施例5における設置位置算出処理の例を示すフローチャートである。
図42】実施例5における振動センサ設置支援システムのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図43】実施例6における振動センサ設置支援システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図44】実施例6における設置位置算出処理の例を示すフローチャートである。
図45】実施例6における、ユーザが、情報取得条件を入力するために表示される情報取得条件入力画面の一例を示す説明図である。
図46】実施例7における振動センサ設置支援システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図47】実施例7における設置位置算出処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。実施例は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
【0011】
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
【0012】
各種情報の例として、「テーブル」、「リスト」、「キュー」等の表現にて説明することがあるが、各種情報はこれら以外のデータ構造で表現されてもよい。例えば、「XXテーブル」、「XXリスト」、「XXキュー」等の各種情報は、「XX情報」としてもよい。識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現を用いるが、これらについてはお互いに置換が可能である。
【0013】
同一あるいは同様の機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。また、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
【0014】
実施例において、プログラムを実行して行う処理について説明する場合がある。ここで、計算機は、プロセッサ(例えばCPU、GPU)によりプログラムを実行し、記憶資源(例えばメモリ)やインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら、プログラムで定められた処理を行う。そのため、プログラムを実行して行う処理の主体を、プロセッサとしてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であれば良く、特定の処理を行う専用回路を含んでいてもよい。ここで、専用回路とは、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)等である。
【0015】
プログラムは、プログラムソースから計算機にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、実施例において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【実施例0016】
振動センサ設置支援システム1は、インフラや工場等の、接続された複数の管路要素を有し内部に流体が流れる管路網に設置され、管路網での流体の漏洩を検知する振動センサの管路網内の配置を算出する。以下では、「管路網のマップ」を「管路網」と記載する場合がある。また、以下では、1つの例として、管路網を水道管の管路網とし、管路網を流れる流体を水とする。振動センサ設置支援システム1を、水道管の管路網に設置する振動センサの配置を算出することで、振動センサ設置支援システム1は、水道の管路網を流れる水の漏洩を検知する振動センサを適切な配置で管路網に設置することを容易にする。
【0017】
振動センサ設置支援システム1は、管路網を以下の要素を考慮して、振動センサの配置を算出する。
対象管路網とは、管路網において、振動センサを設置して漏洩を監視する範囲の管路網である。
節点とは、管路網において、管の端部(管と管との接続箇所や、管路の終点)、または、管内の流体の流れに影響を与える装置が設けられた箇所である。節点は、例えば、管径が異なる管と管との接続点や管路の分岐点等の管と管との接続点、管路の終点、管内の流体の流れに影響を与える装置(流量制御弁等の制水弁、消火栓、仕切弁)が設けられた箇所である。
設置候補節点とは、振動センサを設置する候補の節点である。設置候補節点から、振動センサを設置する設置節点が選択される。
管路要素とは、配管(管)であり、両端に節点がある。
【0018】
振動センサは、設置節点に設置され、水(流体)漏洩により生じる振動を検知(例えば、所定の周波数の振動強度、検知時刻や振動の定常性に関する特徴に基づく検知)して、振動センサが接続されている漏洩監視装置(不図示)に、所定の周波数の振動強度や、振動している旨の情報を出力できる。漏洩監視装置は、振動センサから、所定の周波数の振動強度や、振動している旨の情報を受け取ることで、振動センサが設置されている節点の周辺にある節点または管路要素から水(流体)が漏洩していることを検出できる。振動センサで検知する振動とは、配管を伝わる振動に限らず、空気や液体を伝わる音に由来する振動も含める。
【0019】
<システム構成>
図1は、実施例1における振動センサ設置支援システム1の機能ブロック図の一例を示す図である。図1に示すように、振動センサ設置支援システム1は、管路網情報11、振動センサ情報12、設置位置算出部13、最適設置位置情報14を有しており、管路網情報11と振動センサ情報12は設置位置算出部13の入力であり、最適設置位置情報14は設置位置算出部13の出力である。
【0020】
図3は管路網情報(管路網の情報)11の構成を示したものであり、管路網情報11は管路網の管路に関する情報を網羅的に含んでいる。例えば管路構成情報31や運用管理情報32などを網羅する情報であり、電子化された管路管理データや、管路網の運用や管理に関するデータ、紙面に管路図が印刷された資料や、紙面をスキャンして必要情報を電子データとして抽出したものなどが該当する。
【0021】
図4は振動センサ情報12の構成を示したものであり、振動センサ情報12は、利用する振動センサの仕様や過去の検知結果(振動センサの過去の測定値に関する情報)などを含む情報を網羅的に含む測定データ41、管路網からの流体の漏洩により生じる漏洩振動の特徴や伝搬減衰特徴をモデル化した解析値や理論値などの振動に関する情報を網羅的に含む理論データ42などで構成されている。測定データ41は、例えば振動センサの検知下限値に関するデータや、周波数帯域ごとの感度特性などに加え、過去取得された振動センサの検知結果を含む。理論データ42は、例えば漏洩によって生じる振動の想定強度や管路構造に依存した振動減衰特徴などの数式化したモデルなどの振動の伝搬特性に関わるデータなどが該当する。これらの情報は、対応付けることができ、振動センサ情報(振動センサの情報)は、振動センサの過去の測定値に関する情報と、管路要素の構造特性に漏洩振動の強度や振動減衰に関する理論特性を対応付けた情報を含んでいる。
【0022】
図2は設置位置算出部13の構成を表すブロック図である。設置位置算出部13は設置条件取得部21と設置位置最適化演算部22、入力データセット23を有している。設置条件取得部は管路網情報11および振動センサ情報12を用いて入力データセット23を出力する。設置位置最適化演算部22は入力データセット23を用いて最適設置位置情報13を出力する。
【0023】
図5は設置条件取得部21の構成を表すブロック図である。設置条件取得部21は管路網情報11と振動センサ情報12を参照し入力データセット23を作成する。入力データセット23は節点テーブル51、管路要素テーブル52、振動センサ感度テーブル53、振動モデルテーブル54、節点振動伝搬モデルテーブル55、管路要素振動伝搬モデルテーブル56を有している。
【0024】
管路網情報11の管路構成情報31、運用管理情報32からは節点テーブル51、管路要素テーブル52が出力され、振動センサ情報12の測定データ41、理論データ42からは、振動センサ感度テーブル53、振動モデルテーブル54、節点振動伝搬モデルテーブル55、管路要素振動伝搬モデルテーブル56が出力される。
【0025】
節点テーブル51は、詳細は図7を用いて後述するが、管路網におけるそれぞれの節点と、その性状や運用に関する構成情報と、を対応付けて格納する。
【0026】
管路要素テーブル52は、詳細は図8を用いて後述するが、管路網におけるそれぞれの管路要素と、その性状や運用に関する構成情報と、を対応付けて格納する。
【0027】
振動センサ感度テーブル53は、詳細は図9を用いて後述するが、振動センサの種類と、振動センサの感度に関する情報と、を対応付けて格納する。
【0028】
振動モデルテーブル54は、詳細は図10を用いて後述するが、管路要素の性状に関する構成情報と、漏洩点での振動特性に関する情報と、を対応付けて格納する。
【0029】
節点振動伝搬モデルテーブル55は、詳細は図11を用いて後述するが、節点の性状に関する構成情報と、節点における振動の伝搬過程での振動減衰特性に関する情報と、を対応付けて格納する。
【0030】
管路要素振動伝搬モデルテーブル56は、詳細は図12を用いて後述するが、管路要素の性状に関する構成情報と、管路要素における振動の伝搬過程での振動減衰特性に関する情報と、を対応付けて格納する。
【0031】
図6は設置位置最適化演算部22の構成を表すブロック図である。設置位置最適化演算部22は、入力データセット23を利用し演算部61で最適設置位置情報14を算出する処理を実施する。演算部61の処理については図13のフローチャートを用いて詳細を後述するが、前記設置条件取得部21で作成した入力データセット23を用いて、振動センサの配置と各配置箇所における検知範囲を算出する。そして、振動センサの配置を、出力装置を用いて出力する。
【0032】
図14は、実施例1における振動センサ設置支援システム1のハードウェア構成例を示すブロック図である。図14に示すように、振動センサ設置支援システム1は、プロセッサ141、主記憶装置142、副記憶装置143、入力装置144、出力装置145、これらを接続するバス146を有している。振動センサ設置支援システム1は、例えばPCやサーバーコンピューターのような一般的な情報処理装置で実現できる。
【0033】
プロセッサ141は、副記憶装置143に記憶されたデータやプログラムを主記憶装置142に読み出して、プログラムによって定められた処理を実行する。
【0034】
主記憶装置142は、RAMなどの揮発性記憶素子を有し、プロセッサ141が実行するプログラムや、データを記憶する。
【0035】
副記憶装置143は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)など不揮発性記憶素子を有し、プログラムやデータ等を記憶する装置である。副記憶装置143には、上述した、管路網情報11、振動センサ情報12を格納している。
【0036】
また、副記憶装置143には、設置位置算出プログラム13aがインストールされている。図2を用いて上述した、設置位置算出部13とは、副記憶装置143に記憶されている設置位置算出プログラム13aを、プロセッサ141が主記憶装置142に読み出して実行することにより実現される。設置位置算出プログラム13aは、図示を省略したが、設置条件取得プログラム21aと、設置位置最適化演算プログラム22aとを含む。設置位値算出部13は、図2を用いて上述した様に、設置条件取得部21と、設置位置最適化演算部22とを含む。設置条件取得部21は、副記憶装置143に副記憶装置143に記憶されている設置条件取得プログラム21aを、プロセッサ141が主記憶装置142に読み出して実行することにより実現される。また、設置位置最適化演算部22は、副記憶装置143に副記憶装置143に記憶されている設置位置最適化演算プログラム22aを、プロセッサ141が主記憶装置142に読み出して実行することにより実現される。
【0037】
入力装置144は、キーボードやマウスなどのユーザの操作を受け付ける装置であり、ユーザの操作により入力された情報を取得する。出力装置145は、ディスプレイなど情報を出力する装置であり、例えば画面への表示により情報をユーザに提示する。
【0038】
<各種データ構造>
図7は、節点テーブル51の一例を示す図である。節点ID701は、複数の節点のそれぞれの節点を識別する節点IDである。位置702は、複数の節点それぞれの位置を表す位置情報であり、例えば、緯度経度で表す。属性情報703は、節点の属性(種類)の情報である。節点の属性は、例えば、管径が異なる管と管との異管接続点、管路の分岐点、管路の終点等の節点に接続された管の種類の情報や、流量制御弁等の制水弁、消火栓、仕切弁等の管内の流体の流れに影響を与える装置の種類の情報である。
バルブ値704は、節点が、バルブが設けられている節点か否かを表す。節点が、バルブが設けられている節点の場合は、バルブ値704は1(バルブ値704=1)に設定されており、節点が、バルブが設けられていない節点の場合は0(バルブ値704=0)に設定されている。
分岐分類705は、節点の分岐の構成を特定する値である。属性情報703が分岐でない場合は、分岐分類705は0(分岐分類705=0)に設定され、属性情報703が分岐である場合は、分岐数や分岐管の材質や管径に応じて異なる分岐の構成を識別する値が入る。
設置可否値706とは、節点が振動センサを設置する候補とする設置候補節点か否かを表す。設置可否値706では、節点が設置候補節点の場合は1(設置可否値706=1)に設定されており、節点が設置候補節点ではない場合は0(設置可否値706=0)に設定されている。「複数の節点と、複数の節点のそれぞれが振動センサを設置する候補とする設置候補節点か否かを表す設置可否値を対応付けた節点情報」は、例えば、図7の節点テーブル51において、節点ID701と、設置可否値706である。
【0039】
以上で説明したように節点テーブル51は、管路網を構成する節点の構造特性(属性情報703、バルブ値704、分岐分類705)を含めた管路要素テーブルである。また、節点テーブル51は、管路網を構成する複数の管路要素それぞれに対して、複数の管路要素それぞれの両端にある複数の節点の位置情報(位置702)と、複数の節点のそれぞれが振動センサを設置する候補とする設置候補節点か否かを表す設置可否値706を対応付けた節点情報である。
【0040】
振動を検知しやすい節点として、バルブが設けられている節点があげられる。そこで、バルブが設けられているバルブ値704が1の節点の設置可否値を1(設置可否値706=1)とする。また、バルブ値704が0の節点の設置可否値は適宜設定する。
【0041】
これにより、バルブが設けられている節点を優先的に設置候補節点に設定できる。この様に設定することで、バルブが設けられている節点が優先的に、振動センサの設置する設置節点に設定され、これにより、より確実に管路網の水(流体)の漏洩を検知できる。
【0042】
また、管路要素の長さが、管路要素の末端に設置された振動センサで、管路要素をまんべんなく検知できないほど長い場合、管路要素内に管内の流体の流れに影響を与える装置がなくとも、管路要素の途中に節点を設定する。
【0043】
図8は、管路要素テーブル52の一例を示す図である。管路要素ID801は、管路要素それぞれを識別するIDである。末端節点ID1の列802は、管路要素が一端側で接続されている節点の節点IDである。末端節点ID2の列803は、管路要素が他端側で接続されている節点の節点IDである。管種804は、管路要素の管の材質を表す。
【0044】
管長805は、管路要素の長さである。管壁厚806は、管路要素を構成する管の厚みである。管径807は、管路要素を構成する管の直径である。圧力808は、管路要素内の想定された圧力である。敷設年数809は、管路の敷設時からの経過年数である。過去修繕日810は、過去漏洩が発生した管路要素である場合はその漏洩の修繕日である。
【0045】
以上で説明したように、管路要素テーブル52は、管路網を構成する管路の構造特性(管種804、管長805、管壁厚806、管径807、圧力808)を含めた管路要素テーブルである。また、管路要素テーブル52は、管路網を構成する複数の管路要素それぞれに対して、位置情報(末端節点ID1の列802、末端節点ID2の列803)と、管路要素の構造特性(管種804、管長805、管壁厚806、管径807、圧力808)を対応付けた管路要素情報である。
【0046】
図9は、振動センサ感度テーブル53の一例を示す図である。振動センサ感度テーブル53は、設置候補節点(節点)に設置される振動センサの検知下限振動強度を格納している。振動センサ感度テーブル53の振動センサID901は、振動センサの型番902を識別するIDである。センサ型番902は、振動センサの型番である。検知下限振動強度903は、振動センサが検知できる最小の振動強度の値である。検知下限振動強度903は、振動の複数の周波数に対して、振動センサが検知できる最小の振動強度の値を含んでいる。図9では、検知下限振動強度903の単位を任意単位(a.u.)としたが、振動強度の単位は適宜変更でき、例えば、(g)や、(dB)としてもよい。以上で説明したように、振動センサ感度テーブル53は、振動センサの性能特性(検知下限振動強度903)を含めた振動センサ感度テーブルである。
【0047】
図10は、振動モデルテーブル54の一例を示す図である。ID1001は、振動モデルの係数(振動強度A)を識別するIDである。図10の、管種804、管壁厚806、圧力808は図8と同様の、管路要素の性状を表す値である。また、漏洩量1002は、管路要素で想定される水(流体)の漏洩量、漏洩孔形状1003は、漏洩箇所の孔の構造特徴である。周波数1004は、漏洩により生じる振動の想定される周波数である。振動強度Aの列1005は、管路要素で、水(流体)が漏洩して振動が生じる場合の漏洩地点で想定される振動強度Aである。振動モデルとは、管路要素の構成や漏洩量、漏洩孔形状に応じて想定される、漏洩によって生じる振動の強度を表す関数である。図10の振動強度Aの列1005は、管種804、管壁厚806、管径807、圧力808、漏洩量1002、漏洩孔形状1003、周波数1004などに基づき、実験や理論式によって算出される。
【0048】
以上で説明したように、振動モデルテーブル54は、漏洩振動に関する特性(周波数1004、振動強度Aの列1005)を含めた振動センサ感度テーブルである。
図11は、節点振動伝搬モデルテーブル55の一例を示す図である。ID1101は、節点の振動減衰量Bを識別するIDである。節点振動伝搬モデルとは、節点の構成の情報に基づいて、漏洩により生じる振動が管路網の節点を伝わることによる減衰を表す関数である。減衰量Bの列1102は、後述する振動伝搬モデルの減衰の項「B」の算出結果であり、節点を振動が伝達することによる振動の減衰のしやすさを表す。
【0049】
図11の減衰量Bの列1102は、属性情報703、分岐分類705、周波数1004などに基づき、実験や理論式によって算出される。以上で説明したように、節点振動伝搬モデルテーブル55は、節点での漏洩振動の減衰特性(減衰量Bの列1102)を含めた節点振動伝搬モデルテーブルである。また、節点振動伝搬モデルテーブル55は、管路網を構成する複数の管路要素それぞれの両端にある複数の節点毎に、節点構造特性(属性情報703、分岐分類705)を考慮した節点振動強度減衰特性(減衰量Bの列1102)を対応付けた節点振動伝搬モデル情報である。
【0050】
図12は、管路要素振動伝搬モデルテーブル56の一例を示す図である。ID1201は、管路要素の振動減衰量αを識別するIDである。管路要素振動伝搬モデルとは、管路要素の構成の情報に基づいて、漏洩により生じる振動が管路網の管路要素を伝わることによる減衰を表す関数である。図11の周波数1004は、漏洩により生じる振動の想定される周波数である。減衰量αの列1202は、後述する振動伝搬モデルの減衰の項「α」の算出結果であり、管路要素を振動が伝達することによる振動の減衰のしやすさを表す。
【0051】
図12の減衰量αの列1202は、管種804、管長805、管壁厚806、管径807、圧力808、周波数1004などに基づき、実験や理論式によって算出される。
【0052】
以上で説明したように、管路要素振動伝搬モデルテーブル56は、管路要素での漏洩振動の減衰特性(減衰量αの列1202)を含めた管路要素振動伝搬モデルテーブルである。また、管路要素振動伝搬モデルテーブル56は、管路網を構成する複数の管路要素それぞれに対して、管路要素の構造特性(管種804、管長805、管壁厚806、管径807、圧力808)を考慮した管路要素振動強度減衰特性、を対応付けた管路要素振動伝搬モデル情報である。
【0053】
以上の説明において、「複数の管路要素それぞれに対して、位置情報、流体が漏洩して生じる振動の振動強度、管路要素構造特性を考慮した管路振動強度減衰特性、を対応付けることが可能な管路要素情報」は、例えば、図8の管路要素テーブル52と、図10の振動モデルテーブル54と、図12の管路要素振動伝搬モデルテーブル56とを含む情報である。
【0054】
管路要素情報の「位置情報」は、管路要素の両端の位置に関する情報であり、例えば、図8の管路要素テーブル52の末端節点ID1の列802および末端節点ID2の列803である。図8の管路要素テーブル52に示すように、複数の管路要素それぞれに対して、位置情報が対応付けられている。また、これらの末端節点IDと、図7の節点テーブル51の節点ID701と位置702から、複数の管路要素それぞれの両端の地図上の位置を算出できる。
【0055】
また、管路要素情報の「流体が漏洩して生じる振動の振動強度」は、管路要素で流体が漏洩して生じる振動の振動強度Aであり、例えば、図10の振動モデルテーブル54の振動強度Aの列1005である。図10の振動モデルテーブル54において、振動強度Aの列1005の振動強度Aは、周波数1004ごとに、図10の管種804、管壁厚806、管径807、圧力808に対応付けられており、これらはさらに、図8の管路要素テーブル52の管種804、管壁厚806、管径807、圧力808および管路要素ID801(すなわち、複数の管路要素それぞれ)に対応付けられている。これにより、複数の管路要素それぞれに対して、任意の漏洩量1002、漏洩孔形状1003における「流体が漏洩して生じる振動の振動強度」を対応付けられる。
【0056】
また、管路要素情報の「管路要素構造特性」は、管路要素での振動減衰に関連する管路要素の構造の情報であり、例えば、図8の管路要素テーブル52および図12の管路要素振動伝搬モデルテーブル56の、管種804、管長805、管壁厚806、管径807、圧力808である。図12の管種804、管長805、管壁厚806、管径807、圧力808は、図8の管路要素テーブル52の管種804、管長805、管壁厚806、管径807、圧力808および管路要素ID801(すなわち、複数の管路要素それぞれ)に対応付けられている。これにより、複数の管路要素それぞれに対して、「管路要素構造特性」が対応付けられる。
【0057】
また、管路要素情報の「管路構造特性を考慮した管路振動強度減衰特性」は、管路要素での振動減衰に関連する管路要素の構造の情報(管路要素構造特性)に基づいて算出される、管路での振動の減衰による振動強度の低下に関する値である。「管路振動強度減衰特性」は、例えば、図12の管路要素振動伝搬モデルテーブル56の減衰量αの列1202である。上述した様に、減衰量αの列1202(管路要素振動強度減衰特性)は、管種804、管長805、管壁厚806、管径807、圧力808(管路要素構造特性)に基づき、周波数1004ごとに実験や理論式によって算出されている。これにより、「管路振動強度減衰特性」は、管路構造特性が考慮されている。
【0058】
そして、「複数の管路要素それぞれの両端にある複数の節点と、複数の節点毎に節点構造特性を考慮した節点振動強度減衰特性を対応付けることが可能な節点情報」は、例えば、図7の節点テーブル51と、図10の振動モデルテーブル54と、図11の節点振動伝搬モデルテーブル55とを含む情報である。
【0059】
ここで、「節点構造特性」は、節点での振動減衰に関連する節点の構造の情報であり、例えば、図7の節点テーブル51の属性情報703である。図7の節点テーブル51において、属性情報703(節点構造特性)は、節点ID701(すなわち、複数の節点)と、対応付けられている。また、図11の属性情報703、分岐分類705は、図7の節点テーブル51の属性情報703、分岐分類705および節点ID701(すなわち、複数の節点それぞれ)に対応付けられる。これにより、複数の節点それぞれに対して、「節点構造特性」が対応付けられる。
【0060】
また、「節点構造特性を考慮した節点振動強度減衰特性」は、節点での振動減衰に関連する節点の構造の情報(節点構造特性)に基づいて算出される、節点での振動の減衰による振動強度の低下に関する値である。
この「節点振動強度減衰特性」は、例えば、図11の節点振動伝搬モデルテーブル55の減衰量Bの列1102である。上述した様に、減衰量Bの列1102は、属性情報703と、分岐分類705に基づき、実験や理論式によって算出されている。これにより、「節点振動強度減衰特性」は、節点構造特性が考慮されている。なお、各データテーブルを構成する項目は図7図8図9図10図11図12に示した項目に限らず、任意に追加可能である。
【0061】
<処理手順>
振動センサの配置を算出するために、振動センサ設置支援システム1のユーザは図14の入力装置144を操作して、振動センサの配置の算出を要求する配置算出要求信号を、振動センサ設置支援システム1に入力する。振動センサ設置支援システム1は、配置算出要求信号を取得すると、設置条件取得部21が、設置条件入力画面情報を出力装置145に送信する。
【0062】
設置条件入力画面情報は、振動センサの配置を算出するために必要な設置条件をユーザが入力するために、出力装置145に設置条件入力画面を表示させる情報である。設置条件入力画面情報には、管路網マップの情報を含んでいる。管路網マップは、複数の節点の節点のそれぞれの節点IDと位置情報と、複数の管路要素それぞれの管路要素の両端に接続された節点IDとを含む、管路要素の地図である。
【0063】
ユーザは出力装置145に表示された設置条件入力画面から、振動センサの型番、振動センサを設置する対象の対象管路網、対象管路網内の管路要素毎に対する管路要素の流体の漏洩を検知できる振動センサの最小数mp等の、設置条件を設定できるようになっている。以上の設置条件には振動センサの型番を含むが、振動センサの性能を特定する情報であれば、振動センサの型番の代わりとすることができる。
【0064】
図15は、ユーザが、設置条件を入力するために、出力装置145に表示される設置条件入力画面の一例を示す説明図である。図15に示す設置条件入力画面1500は、管路網マップ1501と、振動センサ設置範囲選択枠1502と、マップ拡大ボタン1503と、マップ縮小ボタン1504と、振動センサ型番入力欄1505と、最小数入力欄1506と、決定ボタン1507とを備えている。
【0065】
図15の管路網マップ1501には、白塗りの丸で示す節点v1~v8と、実線で示す管路要素p1~p8を含む。管路網マップ1501において、破線で示す振動センサ設置範囲選択枠1502で囲まれた範囲の管路網が、振動センサの配置を算出する対象の対象管路網に設定される。ユーザは、入力装置144のマウスなどで、設置条件入力画面1500に表示される管路網マップを、東西南北に動かすことができる。また、ユーザがマップ拡大ボタン1503を押すと管路網マップ1501は拡大して表示される。また、ユーザがマップ縮小ボタン1504を押すと管路網マップ1501は縮小して表示される。ユーザは、振動センサ設置範囲選択枠1502の位置や大きさを、マウスなどを使用して変更して、対象管路網を設定できるようになっている。なお、図15では、振動センサ設置範囲選択枠1502を矩形の枠で示したが、振動センサ設置範囲選択枠1502の形状は矩形に限らない、例えば、ユーザがマウスなどを使って、対象管路網を囲う丸などの曲線を描き、描いた曲線を振動センサ設置範囲選択枠1502としてもよい。
【0066】
振動センサ型番入力欄1505は、振動センサの型番をユーザが入力する欄である。最小数入力欄1506は、振動センサ設置範囲選択枠1502内の管路要素それぞれに対して、管路要素の流体の漏洩を検知できる振動センサの最小数mpをユーザが入力する欄である。最小数入力欄1506には、振動センサ設置範囲選択枠1502内の全ての管路要素の管路要素IDと、振動センサの最小数mpの入力欄を有する。また、最小数入力欄1506の管路要素IDは、振動センサ設置範囲選択枠1502の変更に応じて、振動センサ設置範囲選択枠1502内の管路要素IDとなるよう、自動的に変更されるようになっている。例えば、図15の例では、管路要素IDがp1の管路要素p1に、最小数mpは1に設定されている。これは、管路要素p1に漏洩が生じた場合に、1(mp=1)以上の振動センサが、管路要素p1の漏洩を検知できるように設定することを表している。
【0067】
ユーザは、振動センサ設置範囲選択枠1502で、振動センサを設置する対象とする対象管路網を選択し、振動センサ型番入力欄1505に振動センサの型番を入力し、最小数入力欄1506に、対象管路網内にある管路要素毎に、管路要素の流体の漏洩を検知できる振動センサの最小数mpを入力して、振動センサの最小数mpを設定する。そして、ユーザは、決定ボタン1507を押すようになっている。すると、振動センサの型番、対象管路網の範囲内にある管路要素の管路要素IDと振動センサの最小数mpとを対応付けた振動センサ最小数情報などの設置条件を保存するようになっている。ここで、設置条件を保存した振動センサ設置支援システム1は、設置条件取得部21(図2参照)にて、設置条件取得処理を実行して、設置条件と、管路網情報11と、振動センサ情報12とに基づいて入力データセット23を作成し保存すると、振動センサ設置支援システム1の設置位置算出部13により実行される、設置位置算出処理を実行する。
【0068】
図16A図21を参照しつつ、図13を用いて振動センサ設置支援システム1の設置位置算出部13により実行される設置位置算出処理について説明する。
【0069】
図13は、設置位置算出処理の例を示すフローチャートである。
【0070】
以下の説明で、便宜的に、対象管路網に、管路要素p1~pm、設置候補節点w1~wnが含まれているとする。
【0071】
振動センサ設置支援システム1は、あらかじめ設定された設置条件もしくは外部から入力された設置条件(管路要素毎に設定された、管路要素の流体の漏洩を検知できる振動センサの最小数mpを含む)を保存する(ステップS131)。
【0072】
次に、振動センサ設置支援システム1は、監視対象管路網内にある振動センサの設置候補節点を抽出する(ステップS132)。ステップS131にて保存した設置条件には、対象管路網に含まれる管路要素の管路要素IDの情報を含む。そこで、ステップS132では、振動センサ設置支援システム1は、管路要素IDを用い、管路要素テーブル52の管路要素ID801、末端節点ID1の列802、末端節点ID2の列803を参照して、対象管路網に含まれる節点の節点IDを抽出する。そして、節点テーブル51の節点ID701、設置可否値706(設置候補節点識別情報)を参照して、設置可否値706が1(設置可否値=1)の節点(節点ID)を、設置候補節点w1~wnとし、保存する。
【0073】
次に、振動センサ設置支援システム1は、振動強度Aと節点の振動減衰量Bと管路要素の振動減衰量αに基づき、検知関数FVijを算出し、さらに、検知可否値cijを算出する(ステップS133)。検知関数FVijは、設置候補節点wjに振動センサが設置された場合に、管路要素piの漏洩により生じる振動が、設置候補節点wjに設置された振動センサでの振動の検知のしやすさを表す関数である。検知関数FVijは、振動強度Aと節点の振動減衰量Bと管路要素の振動減衰量α、検知下限振動強度Lに基づいて算出され、これにより、漏洩振動が管路網を伝わることによる減衰が考慮されている。
【0074】
上述した様に、入力データセット23に含まれる、振動センサ感度テーブル53と振動モデルを含む振動モデルテーブル54と振動伝搬モデルを構成する節点振動伝搬モデルテーブル55と管路要素振動伝搬モデルテーブル56は、設置位置算出部21が、振動センサ情報12に格納された測定データ41、理論データ42に基づき読み出して作成されている。
【0075】
図16Aは、検知関数FVijの一例を示す図である。図16Aの式(1)は、検知関数FVijの式の一例である。検知関数FVijは、式(1)以外の検知関数であってもよい。
【0076】
図16Aの式(1)の検知関数FVijは、振動強度の項「振動強度A」と、管路要素の振動減衰の項「α」と、節点の振動減衰の項「B」と、センサの感度の項「検知下限振動強度L」と、を含む。換言すれば、検知関数FVijは、振動強度Aと、管路要素の振動減衰量αと、節点の振動減衰量Bと、検知下限振動強度Lを変数とする関数である。
【0077】
振動強度の項「振動強度A」は、管路要素で水(流体)が漏洩して生じる振動の振動強度Aの項である。振動強度Aは、管路要素の構成によって定まる。振動強度Aの取得については、振動センサ設置支援システム1は、図8に示す管路要素テーブル52から、漏洩を想定する管路要素の管種804、管壁厚806、管径807、圧力808を抽出し、これらに対応する振動強度Aおよび周波数Qを、図10に示す振動モデルテーブル54の振動強度Aの列1005および周波数1004から抽出し、振動強度Aおよび周波数Qとする。なお、漏洩量をユーザが入力し、入力された漏洩量に基づいて振動強度Aを算出しても良い。
【0078】
管路要素の振動減衰の項「α」は、管路要素での振動の減衰の度合いを表し、管路要素の構成によって定まる。振動減衰の項「α」は、管路要素の管径や管種、管長によって定まる値である。例えば、ある管路要素に振動が伝わることで、振動強度は「α」倍になる。振動減衰の項「α」の取得については、振動センサ設置支援システム1は、図8に示す管路要素テーブル52から、漏洩を想定する管路要素の管種804、管長805、管壁厚806、管径807、圧力808を抽出する。次に、抽出したこれらと、上述の振動モデルテーブル54から抽出した周波数Qと、に対応する管路要素の振動減衰量αを、図12に示す管路要素振動伝搬モデルテーブル56の減衰量αの列1202から抽出し、管路要素の振動減衰量αとする。なお、管路要素での漏洩量をユーザが入力し、入力された漏洩量に基づいて、振動センサ設置支援システム1が管路要素の振動減衰量αを算出しても良い。また、管路要素の振動減衰量αをユーザが入力しても良い。
【0079】
節点の振動減衰の項「B」は、節点での振動の減衰の度合いを表し、伝搬経路上の節点の構成によって定まる。振動減衰の項「B」は、節点に接続された管路要素の管径や分岐数等によって定まる。例えば、1個の節点を振動が伝わると、振動強度は「B」倍になる。振動減衰の項「B」の取得については、振動センサ設置支援システム1は、図7に示す節点テーブル51から、属性情報703、分岐分類705を抽出する。次に、振動センサ設置支援システム1は、抽出したこれらと、上述の振動モデルテーブル54から抽出した周波数Qと、に対応する節点の振動減衰量Bを、図11に示す節点振動伝搬モデルテーブル55の減衰量Bの列1102から抽出し、振動減衰量Bとする。なお、管路要素での漏洩量をユーザが入力し、入力された漏洩量に基づいて振動減衰量Bを算出しても良い。また、節点の振動減衰量Bをユーザが入力しても良い。
【0080】
検知下限振動強度の項「検知下限振動強度L」は、振動強度Aに対応する周波数Qにおける振動センサの感度の項であり、振動センサの種類によって定まる。検知下限振動強度Lの取得については、振動センサ設置支援システム1は、図10に示す振動モデルテーブル54から、上記の様に抽出した振動強度Aに対応する周波数Qと、設定条件に含まれる振動センサの型番と、に対応する検知下限振動強度を、図9に示す振動センサ感度テーブル53から抽出し、検知下限振動強度Lとする。
【0081】
振動センサ設置支援システム1は、次に、管路要素の振動減衰の項「α」を管路要素毎に算出するとともに、節点の振動減衰の項「B」を節点毎に算出する。
【0082】
図17は、検知関数FVijを算出する方法を説明する説明図である。図16Bは、図17における検知関数FVijの式の例を示す図である。図17は、対象管路網の管路要素p1~p7それぞれに管路要素の振動減衰の項「α」を示し、節点v1~v8それぞれに節点の振動減衰の項「B」を示した。また、図17では、設置候補節点を白塗りの破線の丸で示し、設置候補節点でない節点を白塗りの実線の丸で示し、管路要素を実線で示した。
【0083】
図17において、例えば、管路要素p2で漏洩し、漏洩による振動(振動強度A2)を節点(設置候補節点)v3に設置された振動センサで検出する場合の検知関数FV23は、図16Bの式(2)になる。なお、設置候補節点は図7の節点テーブル51の設置可否値706の列の値に従って決定され、設置可否値706が1(設置可否値=1)の節点である。
【0084】
また、例えば、図17において、管路要素p2で漏洩し、漏洩による振動(振動強度A2)を節点(設置候補節点)v7に設置された振動センサで検出する場合の検知関数FV27は、図16Bの式(3)になる。図16Bの式(3)は、管路要素p2で漏洩し、漏洩による振動が、管路要素p2から、節点v3、管路要素p5、節点v6、管路要素p6、節点v7に伝わる、節点v6を経由する経路の検知関数の式である。ここで、節点v6を経由する経路を代表経路とし、この経路に関する検知関数を、検知関数FV27とした。管路要素p2から節点v7へ振動が伝わる経路には、他に、節点v4を経由する経路(管路要素p2の漏洩による振動が、管路要素p2から、節点v3、管路要素p3、節点v4、管路要素p7、節点v7に伝わる)もある。節点v6を経由する経路を代表経路とした理由は、節点v6を経由する経路の検知関数の値の方が、節点v4を経由する経路の検知関数の値よりも大きい(すなわち、振動の減衰が小さい)からである。
【0085】
この様に振動センサが設置される設置候補節点wjと、漏洩が生じる管路要素piに対する検知関数FVijは、設置候補節点wjと管路要素piの間の代表経路の検知関数とする。すなわち、管路要素piと設置候補節点wjの間に、複数の経路が存在する場合、複数の経路のうちで、検知関数の値が最も大きくなる経路(すなわち、最も振動の減衰が小さい経路)を代表経路とし、代表経路の検知関数を、検知関数FVijとする。なお、計算の簡略化のため、経路上の管路要素の管長の合計が最も短い経路、もしくは分岐の属性を有し、分岐数が1より大きい節点の数が最も少ない経路を、代表経路として算出した検知関数FVを使用してもよい。
【0086】
検知関数FVにおいて、振動強度の項「A」と、管路要素の振動減衰の項「α」と節点の振動減衰の項「B」を含む減衰式F(α,B)との積は、振動センサに伝わる振動の振動強度となっており、この振動強度が、センサの感度の項「検知下限振動強度L」よりも大きい場合(1<検知関数FV)には、振動センサが振動を検知できるとみなす。
【0087】
そこで、検知関数FVの値が1よりも大きい場合(1<検知関数FV)、振動センサが漏洩を検知でき、検知可否値cを1(検知可否値c=1)とする。一方、検知関数FVの値が1以下の場合(検知関数FV≦1)には、振動センサが漏洩を検知できず、検知可否値cを0(検知可否値c=0)とする。なお、1≦検知関数FVの場合に検知可否値cを1にし、検知関数FV<1の場合に検知可否値cを0に設定しても良い。
【0088】
振動センサ設置支援システム1は、以上の様に、検知関数FVijを算出し、さらに、検知関数FVijについて検知可否値cijを算出する。すなわち、対象管路網には、管路要素p1~pm、設置候補節点w1~wnが含まれている。管路要素p1~pmそれぞれと、設置候補節点w1~wnそれぞれに対して、管路要素piで漏洩し、漏洩による振動を設置候補節点wjに設置された振動センサで検出する場合の検知関数FVijを算出し、さらに、検知関数ijから検知可否値cijを算出する。
【0089】
上述した様に、検知可否値cijの値は、設置候補節点wjに振動センサが設置され、管路要素piで漏洩した場合に、漏洩による振動を設置候補節点wjに設置された振動センサで検知できる場合には1(cij=1)となり、検知できない場合には0(cij=0)となる。
【0090】
次に、振動センサ設置支援システム1は、検知可否値cijから監視可否行列Cを生成する(ステップS134)。ステップS133の処理では、管路要素p1~pmそれぞれと、設置候補節点w1~wnそれぞれに対して、検知可否値cijを算出した。ステップS104の処理では、管路要素p1~pmを行とし、設置候補節点w1~wnを列とする配置で、検知可否値cijを要素とする監視可否行列Cを生成する。
【0091】
図18は、監視可否行列Cを表す表の一例を示す図である。図18の表は図17に示す管路要素p1~p8と、設置候補節点v2、v4、v6、v7と、に対する検知可否値cijの表である。図18の検知可否値の表で、例えば、節点v2の列で、管路要素p1の行の検知可否値c12は1(c12=1)となっており、これは、設置候補節点v2に振動センサが設置された場合に、設置された振動センサが管路要素p1の漏洩を検知できることを表している。また、例えば、設置候補節点v4の列で、管路要素p1の行の検知可否値c14は0(c14=0)となっており、これは、設置候補節点v4に振動センサが設置された場合に、設置された振動センサが管路要素p1の漏洩を検知できないことを表している。
【0092】
図16Cは、監視可否行列Cの一例を示す図である。図16Cの式(4)の監視可否行列Cは、図18の表を行列で表した監視可否行列Cである。図18の表の検知可否値cijの値の配置と、図16Cの式(4)の監視可否行列Cの要素の検知可否値cijの配置は同じである。
【0093】
次に、振動センサ設置支援システム1は、監視可否行列Cを用いて、最適化問題の式を生成する(ステップS135)。
【0094】
設置候補節点wjに設置された振動センサの数をxj(通常は0または1)とする。検知可否値cijと、設置候補節点wjの振動センサの数xjとの積、cij・xjは、以下に説明するように、管路要素piの漏洩を検知可能な、設置候補節点wjに設置された振動センサの数となる。すなわち、設置候補節点wjに設置された振動センサが、管路要素piの漏洩を検知できない場合(検知可否値cij=0)も、設置候補節点wjに振動センサが設置されていない場合(設置候補節点wjの振動センサの数xj=0)も、cij・xjは0(cij・xj=0)となる。一方、設置候補節点wjに設置された振動センサが、管路要素piの漏洩を検知でき(検知可否値cij=1)かつ、設置候補節点wjに振動センサが1つ以上設置されている(設置候補節点wjの振動センサの数xj≧1)場合には、cij・xjは1以上(cij・xj≧1)となる。以上の様に、cij・xjは、管路要素piの漏洩を検知可能な、設置候補節点wjに設置された振動センサの数となる。
【0095】
図16Dは、最適化問題の制約の式を説明する図である。管路要素piの漏洩を検知できる振動センサの総数tiは、管路要素piの漏洩を検知可能な、設置候補節点w1~wnに設置された振動センサの総数(全数)となり、図16Dの式(5)で算出できる。
【0096】
管路要素piの漏洩を検知できる振動センサの数tiが、振動センサの最小数mpi以上(ti≧mpi)となることを、全ての管路要素p1~pmについて表すと、図16Dの式(6)~式(8)となる。
【0097】
上述したが、「管路要素p1~pm毎に設定された、管路要素piの流体の漏洩を検知できる振動センサの最小数mpi(管路要素毎に設定された最小数)」は、ステップS131にて取得した設定条件に含まれている。また、図16Dの式(6)~式(8)を、行列とベクトルを用いて表すと、図16Dの式(9)になる。図16Dの式(9)の、m次の列ベクトルである、振動センサ数ベクトルT=(t1,t2,・・・,tm)、振動センサの最小数ベクトルmp=(mp1,mp2,・・・,mpm)と、n次の列ベクトルである設置センサ数ベクトルx=(x1,x2,・・・,xn)、m×n行列である監視可否行列Cにより、図16Dの式(9)は、式(10)で表すことができる。
【0098】
以上で説明した、図16Dの式(6)~式(8)、式(9)および式(10)は、最適化問題における制約の式に相当する。これらの制約の式は、「複数の管路要素p1~pmそれぞれで、水(流体)の漏洩を検知できる振動センサの数xiを、振動センサの最小数mpi以上にすること」を意味する。
【0099】
図16Eは、最適化問題の式を示す図である。図16Eの式(11)~式(15)は、最適化問題の式の例である。図16Eの式(11)は、最適化問題の目的関数の式である。図16Eの式(11)において、設置センサ数ベクトルx(成分は1以上か0)と設置センサ数ベクトルxとの内積は、設置する振動センサの総数となる。目的関数の図16Eの式(11)は、「対象管路網に設置する振動センサの数を最小にすること」を意味する。図16Eの式(12)は、図16Dの式(10)であり、最適化問題における制約の式である。また図16Eの最適化問題の式(11)および式(12)は、図16Eに示す式(13)~式(15)で表すことができる。図16Eに示す式(13)~式(15)において、各変数は以下の通りである。
vは、設置候補節点を表し、Vは全設置候補節点の集合を表す。
pは、管路要素を表し、Pは全管路要素の集合を表す。
は、設置候補節点vに設けられる振動センサの数を表し、値は0か1以上である(すなわち、xは、設置候補節点wjに設置された振動センサの数xjを表す)。
pvは、振動センサが設置候補節点vに設置され、管路要素pに漏洩が生じた場合に、設置候補節点vに設置された振動センサが、管路要素pの漏洩を検知できるか否かを1と0で表す検知可否値であり、監視可否行列Cと同じ意味をもつ。
mpは、管路要素pごとに設定された、管路要素pの漏洩を検知できる振動センサの最小数mp(最低監視数)である。
【0100】
図16Eに示す式(13)の内容は、上述した目的関数の図16Eに示す式(11)であり、「対象管路網に設置する振動センサの数を最小にすること」ことを意味する。また、図16Eに示す式(14)の内容は、上述した制約の式(12)であり、「複数の管路要素p1~pmそれぞれで、水(流体)の漏洩を検知できる振動センサの数xiを、振動センサの最小数mpi以上にすること」を意味する。
【0101】
そして、図16Eに示す最適化問題の式(11)および式(12)、最適化問題の式(13)~式(15)は、一般に整数計画問題と呼ばれる問題に属する。ステップS135にて、振動センサ設置支援システム1は、図16Eに示す最適化問題の式(11)および式(12)を生成する。ここで、最適化問題の式(11)に、監視可否行列Cが含まれており、ステップS134にて振動センサ設置支援システム1が算出した監視可否行列Cを使用する。監視可否行列Cを算出することで、上述した図16Dの式(6)~式(8)に含まれるm×n個の検知可否値cを、1つの監視可否行列Cにまとめることができる。
【0102】
次に、振動センサ設置支援システム1は、ステップS135にて生成した最適化問題の式を解く(ステップS136)。最適化問題の式の解は、設置候補節点w1~wnそれぞれに対して設置する振動センサの数x1~xnであり、これを振動センサの配置を表す最適設置位置情報とする。すなわち、振動センサ設置支援システム1は、最適化問題の式を解いて得られる、設置候補節点w1~wnそれぞれに対して設置する振動センサの数x1~xnの情報である、設置候補節点w1~wnそれぞれの節点IDと振動センサの数x1~xnとを対応付けた情報を、を振動センサの配置を表す最適設置位置情報として算出する。
【0103】
最適化問題の式を解く方法には、例えば、厳密最適解を求める場合、分枝限定法を用いることができる。また、例えば、ヒューリスティックに最適化問題の式を解く方法として、シミュレーテッドアニーリングや遺伝的アルゴリズム等を用いることができる。さらには、目的に応じて、その他の最適化手法や複数の手法を組み合わせて用いてもよい。なお、最適化問題の式等に、さらに所望の制約の式を加えるなどにより、振動センサの配置の条件に所望の条件を追加できる。この条件は、例えば、各管路要素が、極力均一の数の振動センサで検出できるような、検知可能なセンサ数の均一度の条件である。
【0104】
次に、振動センサ設置支援システム1は、ステップS136にて解いた最適化問題の解を、振動センサの配置を表す最適設置位置情報として出力して、処理を終了する(ステップS137)。最適化問題の解は、上述した様に、設置候補節点w1~wnそれぞれに対して設置する振動センサの数x1~xnであり、振動センサの配置を表す最適設置位置情報である。
【0105】
最適化問題の解(最適設置位置情報)の出力は、次のような出力でよい。例えば、最適設置位置情報を、出力装置145に出力して、最適設置位置情報に含まれる振動センサの配置を出力装置145に表示(提示)させる。最適化問題の解を含むファイルを送信する。最適化問題の解を含むファイルを記憶させる。
【0106】
図19は、振動センサの配置(最適設置位置情報)をユーザに表で提示する場合の、表の一例を示す図である。図19の表では、配置候補に対して、設置候補節点v2、v4、v6、v7に設置される振動センサの数(0か1以上)を表に示した。例えば、図19に示す表において、配置候補1では、設置候補節点v2およびv7には、1台の振動センサを設置し、設置候補節点v4およびv6には振動センサを設置しないことを表している。配置候補1は配置候補2よりも優先度が高い。優先度は、配置する振動センサ台数、各管路要素の最低監視数、振動センサが管路網をカバーする度合いであるカバー率、検知範囲の重なり具合である重複度などの観点で設定しても良い。なお、カバー率は、対象管路網内の全管路要素数に対する、振動センサが漏洩を検知できる管路要素の割合(=漏洩を検知できる管路要素数/全管路要素数)である。
【0107】
図20および図21は、振動センサの配置を表す振動センサ配置画面の例を示す説明図である。図20および図21において、振動センサが設置される設置節点v2、v7を、二重丸で示した。
【0108】
図20に示す振動センサ配置画面2000では、設置節点毎に、画面を分割し、分割した画面の設置接点に設置された振動センサが検知できる管路要素を実線で示し、振動センサが検知できない管路要素を破線で示している。図20の振動センサ配置画面2000では、上側の管路網では、設置節点v2に振動センサが設置された場合に、実線で示す管路要素p1~p3、p5の漏洩は、設置節点v2に設置された振動センサで検知でき、破線で示す管路要素p4、p6~p8の漏洩は振動センサで検知できないことを示している。一方、振動センサ配置画面2000の下側では、設置節点v7に振動センサが設置された場合に、実線で示す管路要素p3、p4、p6~p8の漏洩は設置節点v7に設置された振動センサで検知でき、破線で示す管路要素p1、p2、p5の漏洩は振動センサで検知できないことを示している。なお、図20では、節点や管路要素を区別するために、二重丸、破線、実線を用いて表示する例を示したが、節点や管路要素を区別するための表示方法は、適宜変更でき、例えば、線の太さや色などを変更する方法でもよい。
【0109】
図21の振動センサ配置画面2100では、振動センサを配置する全ての設置節点v2、v7に振動センサを設置した場合に、管路要素を検知できる振動センサの数を線の多重度で示している。すなわち、図21の振動センサ配置画面2100では、1つの振動センサで漏洩が検知される管路要素(管路要素p3以外)を一重線で示し、2つの振動センサで漏洩が検知される管路要素p3を二重線で示した。この様に、図21の振動センサ配置画面2100では、管路要素piの漏洩を検知できる振動センサの数を、線の多重度で表すことにより、ユーザは、管路要素pの漏洩を検知できる振動センサの数を容易に把握することができる。なお、図21の振動センサ配置画面2100では、節点や管路要素を区別するために、二重丸、一重線、二重線を用いて表示する例を示したが、節点や管路要素を区別するための表示方法は、適宜変更でき、例えば、線の太さや色などを変更する方法でもよい。
【0110】
このように、実施例1では、振動センサ設置支援システム1は、管路網情報11(管路網の情報)と、振動センサ情報12(振動センサの情報)を入力として、最適化問題の式を生成して、管路網内での振動配置を算出する(図2参照)。これにより、管路網を流れる水(流体)の漏洩を検知する振動センサを、振動センサの検知範囲を考慮し、管路網を見逃しなく監視可能な配置で管路網に設置することを容易にするという効果がある。さらに、必要な振動センサの最少台数の算出結果にもとづき、振動センサの置き過ぎを回避し、振動センサを管路網に設置するために必要となるエネルギーや生成される二酸化炭素の排出量を減らし、地球温暖化を抑制できるという効果がある。
【0111】
また、管路構成情報(複数の管路要素の構成情報)31と、複数の管路要素の運用管理に関する運用管理情報32を含む管路網情報11(図3参照)を入力情報として有し、最適設置位置情報は、管路網情報11に基づいて算出される。これにより、振動センサ設置支援システム1は、より適切な管路網内での振動センサの配置を算出できるという効果がある。
【0112】
また、振動センサの過去の測定値に関する情報と、前記管路要素の構造特性に漏洩振動の強度や振動減衰に関する理論特性を対応付けた情報を含む振動センサ情報(振動センサの情報)12を入力情報として有し、最適設置位置情報は、振動センサ情報12に基づいて算出される。これにより、振動センサ設置支援システム1は、より適切な管路網内での振動センサの配置を算出できるという効果がある。
【0113】
また、振動センサ設置支援システム1は、入力データセット23を生成し、入力データセット23に基づいて、管路網内での振動センサの配置を算出する(図2参照)。これにより、振動センサ設置支援システム1は、より確実に管路網内での振動センサの配置を算出できるという効果がある。
【0114】
また、設置条件取得部は、節点テーブル(節点情報)51と、管路要素テーブル(管路要素情報)52と、振動センサ感度テーブル(振動センサ感度情報)53と、振動モデルテーブル(振動モデル情報)54と、節点振動伝搬モデルテーブル(節点振動伝搬モデル情報)55と、管路要素振動伝搬モデルテーブル(管路要素振動伝搬モデル情報)56と、を含む入力データセット23を生成する(図5参照)。これにより、振動センサ設置支援システム1は、より確実に管路網内での振動センサの配置を算出できるという効果がある。
【0115】
また、管路要素テーブル(管路要素情報)52は、管路要素それぞれに対して、位置情報と、管路要素の構造特性とを対応付けた情報を含む(図8参照)。これにより、振動センサ設置支援システム1は、より確実に管路網内での振動センサの配置を算出できるという効果がある。
【0116】
また、振動センサ設置支援システム1は、管路網を構成する複数の管路要素それぞれに対して、管路要素の構造特性を考慮した管路要素振動強度減衰特性、を対応付けた管路要素振動伝搬モデル情報(図12参照)、を入力として前記振動センサの最適設置位置情報を算出する。これにより、振動センサ設置支援システム1は、より確実に管路網内での振動センサの配置を算出できるという効果がある。
【0117】
また、振動センサ設置支援システム1は、複数の節点のそれぞれが振動センサを設置する候補とする設置候補節点か否かを表す設置可否値を対応付けた節点情報を入力として、振動センサの最適設置位置情報を算出する。これにより、振動センサ設置支援システム1は、より確実に管路網内での振動センサの配置を算出できるという効果がある。
【0118】
また、振動センサ設置支援システム1は、複数の節点毎に、節点構造特性を考慮した節点振動強度減衰特性を対応付けた節点振動伝搬モデルテーブル(節点振動伝搬モデル情報)55を入力として、振動センサの最適設置位置情報を算出する。これにより、振動センサ設置支援システム1は、より確実に管路網内での振動センサの配置を算出できるという効果がある。
【0119】
また、振動センサ設置支援システム1は、振動強度Aの項と、管路要素の振動減衰量αの項と、節点の振動減衰量Bの項と、検知下限振動強度Lの項とを含む関数である、検知関数FVを用いて、管路網内での振動センサの配置を算出する。これにより、振動センサ設置支援システム1は、より容易に管路網内での振動センサの配置を算出できるという効果がある。
【0120】
また、振動センサ設置支援システム1は、管路要素毎の振動センサの最小数が入力され、入力された管路要素毎の振動センサの最小数に基づいて管路網内での振動センサの配置を算出する。これにより、振動センサ設置支援システム1は、より好適な管路網内での振動センサの配置を算出できるという効果がある。
【0121】
また、振動センサ設置支援システム1は、最適設置位置情報を出力装置145に出力する。これにより、振動センサ設置支援システム1は、容易にユーザに、管路網内での振動センサの配置を提示できるという効果がある。
【0122】
また、管路要素毎の振動センサの最小数は、入力装置144を用いて入力される。これにより、振動センサ設置支援システム1は、容易に管路要素毎の振動センサの最小数を設定できるという効果がある。
【0123】
また、振動センサ設置支援システム1は、管路網情報11と、振動センサ情報12とに基づいて、設置候補節点に設置される振動センサが、管路要素の流体の漏洩を検知できるか否かを表す検知可否値cを要素とする監視可否行列Cを算出する。これにより、管路網の配管の分岐や管径等の配管構造や、センサの検知性能を考慮して、センサの配置の算出を容易にするという効果がある。
【0124】
そして、振動センサ設置支援システム1は、上述した図16Dの式(6)~式(8)に含まれるm×n個の検知可否値cを1つの監視可否行列Cにまとめて扱うことができる。このため、振動センサ設置支援システム1は、振動センサの配置をより容易に算出できるという効果がある。
【0125】
そして、振動センサ設置支援システム1は、管路網に設置する振動センサの数を最小にすることを表す目的関数を生成する。また、振動センサ設置支援システム1は、全ての管路要素で、管路要素piの流体の漏洩を検知できる振動センサの数を振動センサの最小数mpi以上にすることを表し監視可否行列を含む制約の式を生成する。これにより、振動センサ設置支援システム1は、目的関数の式と、制約の式とを含む最適化問題の式を生成する。また、振動センサ設置支援システム1は、最適化問題の式を解いて、設置候補節点(設置節点)それぞれに設置する振動センサの数と設置候補節点の節点IDおよび位置情報を振動センサの配置として算出できるという効果がある。
【0126】
従って、振動センサ設置支援システム1は、振動センサのより適切な配置を算出し、かつ、振動センサの配置をより容易に算出できる。これにより、振動センサ設置支援システム1は、管路網を流れる流体の漏洩を検知する振動センサを適切な配置で管路網に設置することを容易にするという効果がある。
【0127】
そして、振動センサを適切な配置で管路網に設置するために必要となるエネルギーや生成される二酸化炭素の排出量を減らし、地球温暖化を抑制できるという効果がある。
【0128】
また、振動センサ設置支援システム1は、検知可否値cの算出に、一例として図16Aの式(1)の検知関数を用いる。これにより、管路要素の管径、長さ、分岐、センサの感度を適切に考慮して、センサの配置を算出できるという効果がある。
【0129】
また、検知関数FVijを算出するために、振動伝搬モデルのうち、管路要素の振動減衰の項「α」を管路要素毎に算出するとともに、節点の振動減衰の項「B」を節点毎に算出する(図17参照)。そして、算出した管路要素毎の振動減衰の項と、節点毎の振動減衰の項とを組み合わせて、検知関数FVijを算出し、検知可否値cijを算出する(図16Bの式(2)及び式(3)参照)。これにより、管路要素毎の振動減衰の項と、節点毎の振動減衰の項の算出を1度で済ますことができる。従って、より計算量を少なくして、振動センサの配置を算出できる。すなわち、より容易に振動センサの配置を算出できるという効果がある。
【0130】
なお、検知関数FVijを算出するために、管路要素の振動減衰の項「α」を、全ての管路要素に対して算出せずに、一部の管路要素に対する振動減衰の項の算出を適宜省いても良い。また、節点の振動減衰の項「B」を、全ての節点に対して算出せずに、一部の節点に対する振動減衰の項の算出を適宜省いても良い。
【0131】
<<変形例1>>
変形例1の振動センサ設置支援システム1が、実施例1の振動センサ設置支援システム1と異なる点は、管路要素毎に設定された、管路要素の水(流体)の漏洩を検知できる振動センサの最小数mpが2以上に設定される点にある。
【0132】
変形例1の振動センサ設置支援システム1は、上述した、設置条件入力画面を表示させる設置条件入力画面情報が、次の点で異なる。設置条件入力画面情報には、それぞれの管路要素に対して検知できる振動センサの最小数mpを2以上に設定させる情報含む。
【0133】
図22は、変形例1における、ユーザが、設置条件を入力するために表示される設置条件入力画面の一例を示す説明図である。図22の設置条件入力画面2200には、それぞれの管路要素に対して検知できる振動センサの最小数mpが2以上に設定されるよう、振動センサの最小数入力欄2206に、2未満(例えば、1や0)が入力されると、自動的に2に置き替える。このように、自動的に2に置き替える情報が、設置条件入力画面情報に含まれる。
【0134】
これにより、変形例1の振動センサ設置支援システム1は、全ての管路要素で、管路要素の漏洩を検知できる振動センサの数が、2以上となるよう、振動センサの配置を算出する。従って、変形例1の振動センサ設置支援システム1は、管路要素の漏洩を、2つ以上の設置節点に設置された振動センサで検知し得るため、管路要素で漏洩が生じた場合に、漏洩をより確実に検知できるという効果がある。
【0135】
なお、あらかじめ、振動センサ設置支援システム1が、管路要素内で、2つ以上のセンサで検出できる部分を算出しておき、その個所の漏洩が2つ以上のセンサで検知されることを、漏洩個所の特定に用いてもよい。
【0136】
<<変形例2>>
変形例2の振動センサ設置支援システム1が、実施例1の振動センサ設置支援システム1と異なる点は、振動センサを設置した場合に、振動センサと漏洩監視装置(不図示)との無線通信接続が容易な節点を、優先的に設置候補節点に設定する点にある。上述したが、漏洩監視装置は、振動センサから、無線通信接続で、所定の周波数の振動強度や、振動している旨の情報を受け取ることで、振動センサが設置されている節点の周辺にある節点または管路要素から水(流体)が漏洩していることを検出できる。
【0137】
変形例2の振動センサ設置支援システム1は、図7を用いて説明した節点テーブル51において、振動センサを設置した場合に、振動センサと漏洩監視装置(不図示)との無線通信接続が容易な節点の設置可否値706を1とする。
【0138】
図23には、変形例2における、節点テーブルの一例を示す図である。図23の節点テーブル51では、図7に示す実施例1の節点テーブル51のバルブ値704に換えて、接続容易値2304を有している。接続容易値2304は、節点が、振動センサを設置した場合に、振動センサと漏洩監視装置(不図示)との接続が容易な節点か否かを表す。振動センサを設置した場合に、振動センサと漏洩監視装置(不図示)との接続が容易な節点は、接続容易値2304が1(接続容易値2304=1)に設定されており、接続が容易でない節点は、接続容易値2304が0(接続容易値2304=0)に設定されている。そして、接続容易値2304が1(接続容易値2304=1)の節点の設置可否値を1(設置可否値=1)とする。また、接続容易値2304が0(接続容易値2304=0)の節点の設置可否値は適宜設定する。
【0139】
上述した様に、設置可否値706が1(設置可否値=1)の節点、すなわち、振動センサを設置した場合に、振動センサと漏洩監視装置(不図示)との接続が容易な節点は、優先的に設置候補節点に設定される。このため、振動センサを設置した場合に、振動センサと漏洩監視装置(不図示)との接続が容易な節点は、優先的に設置候補節点に設定され、ひいては、振動センサを設置する設置節点に優先的に設定される。そして、振動センサを設置した場合、振動センサと漏洩監視装置(不図示)との接続が容易な節点に対して、振動センサを容易に取り付けることができる。これにより、振動センサを適切な配置で設置することがより容易になるという効果がある。
【実施例0140】
図24は、実施例2における振動センサ設置支援システム1の機能ブロック図の一例を示す図である。実施例2の振動センサ設置支援システム1が、実施例1の振動センサ設置支援システム1と異なる点は、実施例1の振動センサ設置支援システム1に加えて、エリア情報241を備えており、エリアの地形、地質、地図、施設配置、交通状況、人口構成、などのエリア情報を考慮して、振動センサの配置を算出することができる点である。エリア情報241は、管路網のあるエリアの、自然環境の情報や、社会環境の情報といった地理的な情報である。なお、実施例2の振動センサ設置支援システム1で、実施例1の振動センサ設置支援システム1と同様の機能を有する部分や構成には、同一符号を付与し、説明を省略する。
【0141】
図25は、実施例2における、エリア情報241の構成を表すブロック図を示している。エリア情報241は管路網が設けられているエリアに関する情報を網羅しており、地形、施設配置や、人口構成、道路などの情報を網羅的に含む地図情報251、道路の交通量などの交通状況を網羅的に含む交通情報252、土壌などの地質情報を網羅的に含む地質情報253などで構成されている。エリア情報241は、例えば電子化されたデータや、交通状況や地形画像などを含む衛星データ、人口などの統計データ、地質調査に関するデータ、紙面に地図が印刷された資料をスキャンして必要情報を電子データとして抽出したものなどから取得される。
【0142】
図26は、実施例2における振動センサ設置支援システム1のハードウェア構成例を示すブロック図である。図26に示すように、振動センサ設置支援システム1は、図14の構成に加えて、副記憶装置143内にエリア情報241を有している。
【0143】
図27は、実施例2における、設置条件取得部21のブロック図を示している。図27の設置条件取得部21は管路網情報11、振動センサ情報12に加えエリア情報241を参照して入力データセット23を出力(生成)する構成となっている。
【0144】
図28は、実施例2における、節点テーブル51の一例を示す図である。図26の節点テーブル51では、図7に示す節点テーブル51に加え新たな列である近隣施設2801が追加されている。近隣施設2801はエリア情報241に基づき節点の近くの代表的な施設情報を識別するものである。
【0145】
図29には、実施例2における、管路要素テーブル52の一例を示す図である。図29の管路要素テーブル52は、図8に示す管路要素テーブル52に加え新たな列である土壌2901が追加されている。土壌2901は、管路要素のあるエリアの土壌の種類を表す。
【0146】
図30は、実施例2における、管路要素振動伝搬モデルテーブル56の一例を示す図である。図30の管路要素振動伝搬モデルテーブル56は、図12に示す管路要素振動伝搬モデルテーブル56に加え新たな列である土壌2901が追加されている。土壌2901は、実施例2の管路要素テーブル52の土壌2901と対応付けることができ、管路要素のあるエリアの土壌の種類を表す。管路要素の周囲に振動がどの程度伝わるかは、管路要素のあるエリアの土壌の種類によって異なる。このため、管路要素の振動減衰量αの値は、管路要素の周囲にある土壌の種類(すなわち土壌2901)によって変化する。
【0147】
実施例2の管路要素テーブル52においても、管路要素の振動減衰量の列αは、管路要素での振動の減衰の度合いを表し、管路要素の構成によって定まる。振動減衰量の列αは、管路要素の管径や管種、管長に加えエリア情報241から取得された値によって定まる値である。例えば、ある管路要素に振動が伝わることで、振動強度は、管路要素の振動減衰量α倍になるように設定される。振動センサ設置支援システム1は、振動減衰量αを次のように取得する。まず、振動センサ設置支援システム1は、図29に示す管路要素テーブル52から、漏洩を想定する管路要素の管種804、管長805、管壁厚806、管径807、圧力808に加えてエリア情報241から取得される土壌2902を抽出する。次に、抽出したこれらと、上述の振動モデルテーブル54から抽出した周波数Qと、に対応する管路要素での振動減衰量αを、図30に示す管路要素振動伝搬モデルテーブル56の減衰量αの列1202から抽出し、振動減衰量αとする。なお、管路要素での漏洩量をユーザが入力し、入力された漏洩量に基づいて、振動センサ設置支援システム1が管路要素の振動減衰量αを算出しても良い。また、管路要素の振動減衰量αをユーザが入力しても良い。なお、エリア情報から取得し、管路要素テーブル52および管路要素振動伝搬モデルテーブル56に加える情報は、土壌2902に限らず、適宜追加できる。
【0148】
実施例2のエリア情報241による効果として、例えば、図28に示す節点テーブル51において、節点を設置候補節点とするか否か(設置可否値=1とするか0とするか)は、エリア情報241に格納された、エリアの地形、地図、施設配置、交通状況、人口構成、などのエリア情報を考慮して設定することができる。例えば近隣施設2801が病院である節点の設置可否値を1(設置可否値=1)とすることで、漏洩発生による被害が大きくなると想定される病院の近くの節点を設置候補節点とすることが可能となる。これにより、振動センサの配置を、漏洩発生による被害を抑制できるよう、より利便性の高い配置にすることができるという効果がある。
【0149】
また、エリア情報241による効果として、図29に示す土壌2901の列を含んだ管路要素テーブル52において、対応する図30の土壌2901の列を含んだ管路要素振動伝搬モデルテーブル56を参照することで、例えば土壌の違いによる管路要素の振動減衰の影響を考慮して管路要素の振動減衰量αを設定したうえで振動センサの配置を算出することが可能となる。これにより、振動センサの検知関数の精度を向上することができるという効果がある。
【実施例0150】
実施例3の振動センサ設置支援システム1が、実施例1の振動センサ設置支援システム1と異なる点は、振動センサの配置を算出した後に、振動センサを設置する全ての設置節点を通る経路から、振動センサを設置するために最適な移動経路を算出して、出力する点にある。なお、実施例3の振動センサ設置支援システム1で、実施例1の振動センサ設置支援システム1と同様の機能を有する部分や構成には、同一符号を付与し、説明を省略する。
【0151】
図31は、実施例3における振動センサ設置支援システム1の機能ブロック図の一例を示す図である。図31に示すように、実施例3の振動センサ設置支援システム1は、実施例1の振動センサ設置支援システム1に加えて、設置順序算出部310と最適設置順序情報311を備えている。
【0152】
設置順序算出部310は、図32に示すように、振動センサの配置を算出した後に、演算部320で振動センサを設置する全ての設置節点を通る経路の中から、振動センサを設置するために最適な移動経路を表す最適設置順序情報311を算出して出力する設置順序算出処理を実行する。
【0153】
図33は、設置順序算出部310により実行される設置順序算出処理の例を示すフローチャートである。設置順序算出処理は、図13のフローチャートのステップS136の処理が終了すると、ステップS136にて解いた、振動センサの配置である最適化問題の解(最適設置位置情報)を受け取り、実行されるようになっている。
【0154】
振動センサ設置支援システム1は、振動センサを設置する全ての設置節点を通る最適経路を算出する(ステップS331)。ここで、最適経路の算出では、一般に整数計画問題と呼ばれる問題を解くことになる。この処理では、最適化のための目的関数として、例えば経路長が最小になるような関数を用いて厳密最適解を求める場合、分枝限定法を用いることができる。また、例えば、ヒューリスティックに最適経路を算出する方法として、シミュレーテッドアニーリングや遺伝的アルゴリズム等を用いることができる。さらには、目的に応じて、その他の最適化手法や複数の手法を組み合わせて用いてもよい。なお、最適経路の算出には、振動センサ設置支援システム1が、上述した、エリア情報241の道路の交通量などの交通状況の情報や道路などの地図の情報を用い、地上の道路を考慮して、最適経路が地上の道路を通るように算出してもよい。
【0155】
次に、振動センサ設置支援システム1は、ステップS331にて算出した最適経路を最適設置順序情報として出力し、処理を終了する(ステップS332)。ステップS332の出力では、図13を用いて上述した、設置位置算出処理のフローチャートのステップS137で出力される振動センサの配置と同様に、最適経路を出力する。この出力は、上述した、設置位置算出処理のフローチャートのステップS137と同様に行ってもよい。すなわち、振動センサの配置とともに最適経路を、例えば、ファイルに含めて出力してもよく、ファイルに含めて副記憶装置143に記憶させてもよく、出力装置145に出力して振動センサ設置支援システム1のユーザに提示してもよい。
【0156】
図34は、例えばv8を始点として、設置箇所間の経路の長さの合計が最小になるような目的関数を用いて最適経路を出力する場合の、表の一例を示す図である。図34の表では、振動センサを設置する予定の設置節点は、節点v2、v6~v8である。図34の表では、各設置節点に振動センサを設置する設置順序を数字で示している。設置順序で設置節点を通る経路が最短経路である。図34の表には、節点v8、v7、v6、v2の順に節点を通る経路が最短経路であることが示されている。なお、この際の設置順序の表示の仕方は、降順、昇順、記号、文字など任意の手法で表現可能である。
【0157】
図35は、最適経路を提示するために、振動センサ設置支援システム1の出力装置145に出力される、最適経路を表す最適経路提示画面の例を示す説明図である。図35において、振動センサを設置する予定の設置節点は、節点v2、v6~v8である。図35の最適経路提示画面の例では、対象管路網とともに、振動センサを設置する設置順序を、設置節点の上にかっこ書きの数字で示した。図35には、節点v8、v7、v6、v2の順に節点を通る経路が最適経路であることが示されている。図35の最適経路提示画面の例においても、設置順序の表示の仕方は、記号や、線、色など任意の手法で表現可能である。
【0158】
以上で説明した、図34および図35では、振動センサを設置する予定の設置節点は、節点v2、v6~v8の4つの節点であるが、これは一例である。最適経路に含まれる設置節点の数や位置は問わない。
【0159】
実施例3の振動センサ設置支援システム1は、振動センサを設置する全ての設置節点を通る最適経路を算出して、出力する。例えば経路長が最小になるような目的関数を用いて算出した最適経路を通って振動センサを設置すれば、より少なく移動して、振動センサを設置できる。これにより、振動センサを設置することがより容易になるという効果がある。
【0160】
<<変形例1>>
図36は、変形例3における振動センサ設置支援システム1の機能ブロック図の一例を示す図である。変形例1の振動センサ設置支援システム1が、実施例3の振動センサ設置支援システム1と異なる点は、設置位置算出部13で取得される入力データセット23を図36に示すように設置順序算出部310の入力として用いる点である。
【0161】
図37は、実施例3の変形例1における振動センサ設置支援システム1の設置順序算出部310における機能ブロック図を示す図である。図32の設置順序算出部310の構成に加えて、入力データセット23を演算部320の入力としている。
【0162】
上述したように、設置順序を算出する際に、振動センサを設置する全ての設置節点を通る経路のうち、入力データセット23内に含まれる情報をもとに最適経路を算出することができる。例えば、図8の管路要素テーブル52を参照し、設置候補節点が属する管路要素の敷設年数が長い管路素の近くにある設置節点から先に設置するような設置順序を算出することで、老朽化が進み漏洩の可能性が高い管路の漏洩有無の監視をより迅速に開始できるという効果がある。
【実施例0163】
図38は、実施例4における振動センサ設置支援システム1の機能ブロック図の一例を示す図である。図38を用いて実施例4を説明する。実施例4の振動センサ設置支援システム1が、実施例1の振動センサ設置支援システム1と異なる点は、実施例2で示したような設置位置算出部13の入力としてエリア情報241を含み、エリアの地形、地図、施設配置、交通状況、人口構成、などのエリア情報を考慮して、振動センサの配置を算出することができる点と、実施例3で示した振動センサの配置を算出した後に、振動センサを設置する全ての設置節点を通る最適経路を算出して、出力する点にある。なお、実施例4の振動センサ設置支援システム1で、実施例1の振動センサ設置支援システム1と同様の機能を有する部分や構成には、同一符号を付与し、説明を省略する。
【0164】
図38は実施例4における振動センサ設置支援システム1の機能ブロック図の一例を示す図である。図38は、エリア情報241、設置順序算出部310、最適設置順序情報311がある点を除き、実施例1における振動センサ設置支援システム1の機能ブロック図と同じである。本実施例の振動センサ設置支援システム1の、設置位置算出部13の実行する処理は、実施例2の設置位置算出部13の実行する処理と同様であるため、説明を省略する。また、本実施例の設置順序算出部310の実行する処理は、実施例3の振動センサ設置支援システム1の設置順序算出部310の実行する処理と同様であるため、説明を省略する。
【0165】
実施例4におけるエリア情報241による効果として、例えば、設置位置算出部13において、入力データセットを算出する際に、管路網情報11とエリア情報241から、節点テーブル51において、節点を設置候補節点とするか否か(設置可否値=1とするか0とするか)は、図25のエリア情報241に格納された、エリアの地形、地図、施設配置、交通状況、人口構成、などのエリア情報を考慮して設定することができる。例えば、車の通行が多い場所にある節点を設置候補にしないよう、設置可否値を0(設置可否値=0)に設定できる。また、人口密度の高い場所にある節点を重点的に設置候補節点に設定できる(設置可否値=1とする)。これにより、振動センサ設置支援システム1は、振動センサの配置を、より利便性の高い配置にしたうえで、設置順序算出部において、振動センサを設置できる設置順序を算出することが可能となる。
【0166】
また、エリア情報241による効果として、例えば設置位置算出部13において、入力データセット23から最適設置位置情報14を算出する図6の演算部61において、図16Dの管路要素pごとに設定された、管路要素pの漏洩を検知できる振動センサの最小数mp(最低監視数)に対してエリア情報を考慮して設定することができる。例えば、近隣施設に病院などがある箇所や人口密度が多い箇所では、漏水発生によって水道水の衛生状態の低下した際に与える影響が大きくなるため、監視可能なセンサ台数を増やし、漏洩の見逃しを減らす必要がある。こういった箇所では、管路要素に対する最小数mp(最低監視数)を増やすことで、漏洩の見逃しを減らせる振動センサの配置を算出したうえで、設置順序算出部において、振動センサを設置できる設置順序を算出することで、振動センサを設置することがより容易になるという効果がある。
【0167】
<<変形例1>>
図39は、実施例4の変形例1における振動センサ設置支援システム1の機能ブロック図の一例を示す図である。実施例4の変形例1の振動センサ設置支援システム1が、実施例4の振動センサ設置支援システム1と異なる点は、図38に示す設置位置算出部13で取得される入力データセット23を図39に示すように設置順序算出部310の入力として用いる点である。これにより、設置順序(最適設置順序情報)を算出する際に、入力データセット内にあるデータをもとに振動センサを設置する全ての設置節点を通る経路のうち、エリア情報241をもとに経路を算出することができる。例えば図25のエリア情報241の地図情報251から標高値などの指標に基づいて設置順序を算出することで、標高が高い点から低い点に向かって通って振動センサを設置する経路となり、より楽な移動で振動センサを設置できる。これにより、振動センサを設置することがより容易になるという効果がある。
【実施例0168】
実施例5の振動センサ設置支援システム1が、実施例1の振動センサ設置支援システム1と異なる点は、実施例1の構成に加えて、実施例5の振動センサ設置支援システム1が、一つのユーザ端末(外部の端末)もしくは複数のユーザ端末群と、ネットワークNWを介して接続されている点である。
【0169】
図40は、実施例5における振動センサ設置支援システム1の機能ブロック図の一例を示す図である。ユーザ端末2のユーザは、振動センサの配置を算出するために、ユーザ端末2を操作して、ユーザ端末2に、振動センサの配置の算出を要求する配置算出要求信号を、振動センサ設置支援システム1に送信することができる。振動センサ設置支援システム1は、配置算出要求信号を取得すると、設置条件入力画面情報をユーザ端末2に送信する。
【0170】
ユーザ端末2は、振動センサ設置支援システム1から、設置条件入力画面情報を受け取ると、設置条件入力画面を表示するようになっている。ユーザ端末2のユーザは、ユーザ端末2に表示された設置条件入力画面から、振動センサの型番、振動センサを設置する対象の対象管路網、対象管路網内の管路要素毎に対する管路要素の流体の漏洩を検知できる振動センサの最小数mp等の、設置条件を設定できるようになっている。以上の設置条件には振動センサの型番を含むが、設置する振動センサを特定する情報であれば、振動センサの型番の代わりとすることができる。
【0171】
ユーザ端末2のユーザが、設置条件を入力するために、ユーザ端末2に表示される設置条件入力画面は実施例1で示した図15と同様の構成で実施可能である。
【0172】
図15を用いて説明したように、ユーザは、図15と同様の設置条件入力画面にて、振動センサ設置範囲選択枠1502等で、実施例1で述べた所定の入力欄への入力を実施した後、決定ボタン1507を押すと、ユーザ端末2は、振動センサの型番、対象管路網の範囲内にある管路要素の管路要素IDと振動センサの最小数mpとを対応付けた振動センサ最小数情報を含む設置条件を、ネットワークNWを介して振動センサ設置支援システム1に送信する。ここで、設置条件を受け取った振動センサ設置支援システム1は、設置条件に含まれる、対象管路網の範囲内にある管路要素の管路要素IDの情報により、対象管路網を特定できる。振動センサ設置支援システム1は、ユーザ端末2から設置条件を受信すると、振動センサ設置支援システム1の設置位置算出処理を実行する。
【0173】
図41は実施例5における設置位置算出処理の例を示すフローチャートである。図41のフローチャートでは、図13に示す実施例1の入力された設置条件を保存するステップS131に換えて、入力装置もしくはネットワークNWを介して入力された設置条件を保存するステップS411を有し、最適化問題の解を出力するステップS137に換えて、出力装置もしくはネットワークNWを介して最適化問題の解を出力するステップS412を有している。以上のステップS411およびステップS412以外の処理は、図13の、実施例1のフローチャートのステップS132~S137と同様であるため、説明を省略する。
【0174】
振動センサ設置支援システム1は、振動センサ設置支援システム1の入力装置もしくは、ユーザ端末2から受け取った設置条件を主記憶装置142に保存する(ステップS411)。これにより、振動センサ設置支援システム1は、設置条件(管路要素毎に設定された、管路要素の流体の漏洩を検知できる振動センサの最小数mpを含む)の入力をネットワークNW上のユーザ端末2のユーザによる入力も受け付けて、保存することができる。
【0175】
最適化問題の解の出力(ステップS412)は、次のような出力でよい。例えば、最適化問題の解を含むファイルをユーザ端末2に送信する。最適化問題の解を含むファイルを記憶させる。最適化問題の解を出力装置に出力して振動センサ設置支援システム1のユーザに提示する。最適化問題の解を、ユーザ端末2に送信して、ユーザ端末2に最適化問題の解をユーザに提示させる。ここで、ユーザ端末2のユーザへの提示は、例えばユーザ端末2のディスプレイへの出力であってもよいし、印刷機を通じた出力などであってもよい。
【0176】
ネットワークNWは、有線のネットワークでもよいし、無線のネットワークでもよい。また、ネットワークNWは、インターネットのようなグローバルネットワークであってもよいし、構内ネットワーク(LAN:Local Area Network)であってもよい。
【0177】
図42は、実施例5における振動センサ設置支援システム1のハードウェア構成例を示すブロック図である。図42に示すように、振動センサ設置支援システム1は、図14の構成に加えて、ネットワークI/F420を有している。
【0178】
ネットワークI/F420は、ユーザ端末2と、ネットワークNWを介してデータを送受信するためのインターフェースである。振動センサ設置支援システム1は、ネットワークI/F420を用いて、ネットワークNWに接続されているユーザ端末2等の装置とデータの送受信を行うことができる。ネットワークI/F420は、ユーザ端末2のユーザから入力された情報を受け付けることができ、これによりネットワークI/F420は、入力装置としても機能する。また、ネットワークI/F420は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末2にデータを送信することができ、これによりネットワークI/F420は、出力装置としても機能する。
【0179】
ユーザ端末2は、図42の設置位置算出プログラム13a、管路網情報11、振動センサ情報12を除いたハードウェア資源を使用することができ、ユーザ端末2のユーザから入力された、振動センサの配置の条件等を、ネットワークNWを介して振動センサ設置支援システム1に送信することができる。また、ユーザ端末2は、ディスプレイなど情報を表示する装置を備え、ネットワークNWを介して取得した情報をユーザに表示できる。振動センサ設置支援システム1から、振動センサの配置(最適化問題の解、最適設置位置情報)が送信されると、ユーザ端末2は、振動センサの配置を表示できる。これにより、多くのユーザが、振動センサ設置支援システム1をより容易に用いることができるという効果がある。
【実施例0180】
図43は、実施例6における振動センサ設置支援システム1の機能ブロック図の一例を示す図である。図43は、を用いて実施例6を説明する。実施例6の振動センサ設置支援システム1が、実施例1の振動センサ設置支援システム1と異なる点は、振動センサ設置支援システム1は、情報管理システム3(外部の端末)と、ネットワークNWを介して接続されている点である。
【0181】
情報管理システム3は、管路網に関する情報、振動センサに関する情報を格納している。振動センサ設置支援システム1は、必要に応じて、補充する情報を情報管理システム3に要求し、情報管理システム3から補充する情報を受け取ることができる。この様に、振動センサ設置支援システム1は、記憶している情報に、振動センサの配置を算出するための情報が不足する場合であっても、情報管理システム3から情報を補充して、振動センサの配置を算出できる。振動センサ設置支援システム1が、情報管理システム3から補充できる情報には、以下に説明する振動センサ設置支援システム1が格納している情報と同様の情報、例えば、次の情報がある。
【0182】
例えば管路網の管路構成や運用管理を網羅する情報であり、例えば管路構成や運用管理を網羅する情報であり、電子化された管路管理データや、管路網の運用や管理に関する情報、紙面に管路図が印刷された資料や、紙面をスキャンして必要情報を電子データとして抽出したものなどが該当する。
【0183】
また、利用する振動センサの検知結果や仕様、測定データ、漏洩振動の特徴などを網羅する情報である。例えば振動センサの検知下限値に関するデータや、周波数帯域ごとの感度特性などに加え、過去取得された振動センサの検知結果、漏洩によって生じる振動の想定強度や管路構造に依存した振動減衰特徴などの数式化したモデルなどの振動伝搬に関わるデータなどが該当する。また、管路網があるエリアの地形、地図、施設配置、交通状況、人口構成、などで構成されたエリア情報や、振動センサの配置の算出に関するプログラムやパラメータなどが該当する。
【0184】
また、例えば、節点テーブル51~管路要素振動伝搬モデルテーブル56と同様の情報でもよい。
【0185】
図44は実施例6における設置位置算出処理の例を示すフローチャートである。図44のフローチャートでは、図13に示す実施例1の処理フローに加え、入力された情報取得条件を保存するステップS441、情報管理システム3から必要情報を取得するステップS442を有している。以上のステップS441およびステップS442以外の処理は、図13の、実施例1のフローチャートのステップS132~S137と同様であるため、説明を省略する。また、以下の、配置算出要求信号、情報取得条件入力画面情報、情報取得条件入力画面(図15参照)は、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
【0186】
ユーザは、振動センサ設置支援システム1の入力装置144を通じて、振動センサの配置の算出を要求する配置算出要求信号を、振動センサ設置支援システム1に入力する。振動センサ設置支援システム1は、配置算出要求信号を取得すると、情報取得条件入力画面情報を出力する。
【0187】
ユーザは、出力装置145に表示された情報取得条件入力画面から、例えば、図45を用いて後述する様に振動センサを設置する対象の対象管路網のある地域名などの情報取得条件を設定し、振動センサ設置支援システム1へと入力する。振動センサ設置支援システム1は入力された情報取得条件を保存する(ステップS441)。
【0188】
次に、振動センサ設置支援システム1は、入力された情報取得条件に応じて、必要な情報を情報管理システム3に要求し、情報管理システム3から補充する情報を受け取ることができる(ステップS442)。以降は実施例1で示した図13のフローのステップS132~S137と同じである。
【0189】
図45は、ユーザが、情報取得条件の一例として地域名を入力するために、出力装置145に表示される情報取得条件入力画面の一例を示す説明図である。図45に示す情報取得条件入力画面4500は、地域名入力欄4501と、決定ボタン1507とを備えている。
【0190】
実施例6における振動センサ設置支援システム1のハードウェア構成は実施例5で示した図42と同様の構成で実現可能である。なお、この図45では地域名を情報取得条件入力としたが、地域名として地域を特定する情報であればよく、郵便番号や住所などでもよい。
【0191】
ユーザは、地域名入力欄4501に振動センサを設置する地域名称を入力し、決定ボタン1507を押すと、入力された地域名称が情報取得条件として振動センサ設置支援システム1に入力され、振動センサ設置支援システム1内に保存するようになっている(図44のフローチャートのステップS441)。ここで、情報取得条件を保存した振動センサ設置支援システム1は、情報取得条件に基づいて必要な情報を情報管理システム3に要求し、情報管理システム3から補充する情報を受け取る(ステップS442)。以降の処理は実施例1で示した図13のステップS131以降と同じ処理が実行される。
【0192】
実施例6の振動センサ設置支援システム1は、振動センサ設置支援システム1で不足する情報を情報管理システム3から取得することができる。これにより、振動センサ設置支援システム1上で保持する情報量を減らすことができ、記憶域の少ないハードウェアでも実行することができ、ひいては、多くのユーザがより容易に使うことが可能となるという効果がある。
【実施例0193】
図46は、実施例7における振動センサ設置支援システム1の機能ブロック図の一例を示す図である。図46を用いて実施例7を説明する。実施例7の振動センサ設置支援システム1が、実施例1の振動センサ設置支援システム1と異なる点は、振動センサ設置支援システム1は、ユーザ端末2および情報管理システム3と、ネットワークNWを介して接続されている点である。
【0194】
図47は実施例7における設置位置算出処理の例を示すフローチャートである。図47のフローチャートは、図41に示す実施例5の処理フローに、入力装置もしくはネットワークNWを介して入力された情報取得条件を保存するステップS471、情報管理システム3から必要情報を取得するステップS442を有している。図47のフローチャートで他のステップは、図41の、実施例5のフローチャートのステップS411~S412と同様であるため、説明を省略する。また、本実施例において、実施例1~6と同様の構成および処理の説明は適宜省略する。
【0195】
ユーザ端末2のユーザは、振動センサの配置を算出するために、振動センサ設置支援システム1の入力装置もしくはユーザ端末2を操作して、振動センサの配置の算出を要求する配置算出要求信号を、振動センサ設置支援システム1に入力する。振動センサ設置支援システム1は、配置算出要求信号を取得すると、情報取得条件入力画面情報を振動センサ設置支援システム1のユーザ端末2に送信する。
【0196】
ユーザ端末2は、振動センサ設置支援システム1から、情報取得条件入力画面情報を受け取ると、図45に示すような情報取得条件入力画面を表示するようになっている。ユーザ端末2のユーザは、ユーザ端末2に表示された情報取得条件入力画面から、例えば振動センサを設置する対象の対象管路網のある地域名などの情報取得条件を設定し、振動センサ設置支援システム1へと送信する。振動センサ設置支援システム1はユーザ端末2から送信された情報取得条件を保存する(ステップS471)。振動センサ設置支援システム1は、ユーザ端末から送信された情報取得条件に応じて、必要な情報を情報管理システム3に要求し、情報管理システム3から補充する情報を受け取ることができる(ステップS442)。
【0197】
振動センサ設置支援システム1は、補充する情報を受け取ると、設置条件入力画面情報をユーザ端末2に送信する。
【0198】
ユーザ端末2は、振動センサ設置支援システム1から、設置条件入力画面情報を受け取ると、図15の設置条件入力画面を表示するようになっている。ユーザ端末2のユーザは、ユーザ端末2に表示された設置条件入力画面から、振動センサの型番、振動センサを設置する対象の対象管路網、対象管路網内の管路要素毎に対する管路要素の流体の漏洩を検知できる振動センサの最小数mp等の、設置条件を設定できるようになっている。以上の設置条件には振動センサの型番を含むが、設置する振動センサを特定する情報であれば、振動センサの型番の代わりとすることができる。
【0199】
振動センサ設置支援システム1は、振動センサ設置支援システム1の入力装置もしくはネットワークNWを介して、ユーザ端末2から受け取った設置条件を主記憶装置に保存する(ステップS411)。これにより、振動センサ設置支援システム1は、設置条件(管路要素毎に設定された、管路要素の流体の漏洩を検知できる振動センサの最小数mpを含む)の入力をネットワークNW上のユーザ端末2のユーザによる入力も受け付けて、保存することができる。
【0200】
最適化問題の解の出力(ステップS412)は、次のような出力でよい。例えば、最適化問題の解を含むファイルをユーザ端末2に送信する。最適化問題の解を含むファイルを記憶させる。最適化問題の解を出力装置に出力して振動センサ設置支援システム1のユーザに提示する。最適化問題の解を、ユーザ端末2に送信して、ユーザ端末2に最適化問題の解をユーザに提示させる。ここで、ユーザ端末2のユーザへの提示は、例えばユーザ端末2のディスプレイへの出力であってもよいし、印刷機を通じた出力などであってもよい。
【0201】
ネットワークNWは、有線のネットワークでもよいし、無線のネットワークでもよい。また、ネットワークNWは、インターネットのようなグローバルネットワークであってもよいし、構内ネットワーク(LAN:Local Area Network)であってもよい。
【0202】
情報管理システム3は、管路網に関する情報、振動センサに関する情報を格納している。振動センサ設置支援システム1は、ユーザ端末から送信された地域名に応じて、必要な情報を情報管理システム3に要求し、情報管理システム3から補充する情報を受け取ることができ、これを図47に示すフローチャート中の全ステップにおいて実施可能である。
【0203】
この様に、振動センサ設置支援システム1は、記憶している情報に、振動センサの配置を算出するための情報が不足する場合であっても、振動センサ設置支援システム1の入力装置からの入力情報もしくは、ユーザ端末2から送信された入力情報に応じて、情報管理システム3から不足する情報を補充し、振動センサの配置を算出できる。振動センサ設置支援システム1が、情報管理システム3から補充できる情報には、以下に説明する振動センサ設置支援システム1が格納している情報と同様の情報、例えば、次の情報がある。
例えば管路構成や運用管理を網羅する情報であり、電子化された管路管理データや、管路網の運用や管理に関する情報、紙面に管路図が印刷された資料や、紙面をスキャンして必要情報を電子データとして抽出したものなどが該当する。
【0204】
また、利用する振動センサの検知結果や仕様、測定データ、漏洩振動の特徴などを網羅する情報である。例えば振動センサの検知下限値に関するデータや、周波数帯域ごとの感度特性などに加え、過去取得された振動センサの検知結果、漏洩によって生じる振動の想定強度や管路構造に依存した振動減衰特徴などの数式化したモデルなどの振動伝搬に関わるデータなどが該当する。また、管路網があるエリアの地形、地図、施設配置、交通状況、人口構成、などで構成されたエリア情報や、振動センサの配置の算出に関するプログラムやパラメータなどが該当する。
【0205】
また、例えば、節点テーブル51~管路要素振動伝搬モデルテーブル56と同様の情報でもよい。
【0206】
実施例7の振動センサ設置支援システム1は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末2から要求され、なおかつ振動センサ設置支援システム1で不足する情報を情報管理システム3から取得することができる。これにより、膨大な管路網情報や振動センサ情報を振動センサ設置支援システム1に常時保持する必要がなくなり、ユーザが要求する振動センサの配置案算出に必要な情報のみをその都度取得し実行することができるという効果がある。振動センサ設置支援システム1を記憶域の少ないハードウェア資源でも実装可能になるとともに、ネットワークNWを介した入出力により、より多くのユーザが容易に使うことができるという効果がある。
【0207】
なお、本発明は上述した実施例および変形例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。たとえば、前述した実施例および変形例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、または置換をしてもよい。
【符号の説明】
【0208】
1:振動センサ設置支援システム
2:ユーザ端末
3:情報管理システム
11:管路網情報
12:振動センサ情報
13:設置位置算出部
14:最適設置位置情報
21:設置条件取得部
22:設置位置最適化演算部
23:入力データセット
31:管路構成情報
32:運用管理情報
41:測定データ
42:理論データ
51:節点テーブル
52:管路要素テーブル
53:振動センサ感度テーブル
54:振動モデルテーブル
55:節点振動伝搬モデルテーブル
56:管路要素振動伝搬モデルテーブル
61:演算部
141:プロセッサ
142:主記憶装置
143:副記憶装置
144:入力装置
145:出力装置
146:バス
241:エリア情報
251:地図情報
252:交通情報
253:地質情報
310:設置順序算出部
311:最適設置順序情報
320:演算部320
420:ネットワークI/F
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47