(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116373
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】リンク方式の駆動型フォーマー
(51)【国際特許分類】
B21J 13/02 20060101AFI20230815BHJP
B30B 1/26 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
B21J13/02 Z
B30B1/26 D
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067181
(22)【出願日】2022-04-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-12
(31)【優先権主張番号】10-2022-0016645
(32)【優先日】2022-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】515027174
【氏名又は名称】ヒョドン マシーン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドン ソプ
【テーマコード(参考)】
4E087
4E090
【Fターム(参考)】
4E087AA08
4E087EA37
4E087EB07
4E087HA52
4E090AA01
4E090AB01
4E090BA02
4E090CB02
4E090CB05
4E090CC02
4E090EB01
4E090HA05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】成形金型によって成形される引き出し対象物の成形精度を向上させる。
【解決手段】引き出し装置40が成形金型にはめ込まれている対象物を打撃して引き出すように前進または後進させるリンク方式の駆動型フォーマー1であって、回動ガイド軸10と、前記回動ガイド軸10に取り付けられ、駆動源50によって上下方向に回動する作動部20と、一側と他側は、前記作動部20と前記引き出し装置40にそれぞれ結合され、前記作動部20が上下方向に回転することにより、前記引き出し装置40を引いて後進させるか、または押して前進させるコネクタ部30と、を含むことで、従来のフォーマーより引き出し装置40が線材を打撃する時間を遅くする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き出し装置が成形金型にはめ込まれている対象物を打撃して引き出すように前進または後進させるリンク方式の駆動型フォーマーであって、
回動ガイド軸と、
前記回動ガイド軸に取り付けられ、駆動源によって上下方向に回動する作動部と、
一側と他側が前記作動部と前記引き出し装置にそれぞれ結合され、前記作動部が上下方向に回転することによって、前記引き出し装置を引いて後進させるか、または押して前進させるコネクタ部と、を含むリンク方式の駆動型フォーマー。
【請求項2】
前記作動部は、
前記回動ガイド軸に取り付けられるベース部と、
前記ベース部の一側に配置され、前記コネクタ部が結合される第1部材と、
前記ベース部の他側に配置される第2部材と、
前記第2部材に設けられ、前記駆動源がその場回転可能に結合される第1結合軸と、を含み、
前記第1部材は、前記第2部材よりも短い長さを有するように形成される請求項1に記載のリンク方式の駆動型フォーマー。
【請求項3】
前記第1部材および第2部材は、それぞれ互いに一定間隔で離隔して配置され、前記コネクタ部は、
前記第1部材と引き出し装置との間に配置される本体部と、
前記本体部の一面に互いに離隔するように配置されて前記第1部材の間にそれぞれ収容され、第1収容溝が形成された複数の第1突出片と、
前記本体部の他面に互いに離隔するように配置され、その間に前記引き出し装置の一定領域が挿入される空間を形成させ、一面に第2収容溝が形成され、前記本体部を挟んで前記第1突出片と対向する複数の第2突出片と、
前記第1部材にその場回転可能に結合され、一定領域が前記第1収容溝に収容される第2結合軸と、
一定領域が前記第2収容溝に収容され、前記引き出し装置にその場回転可能に結合される第3結合軸と、を含む請求項2に記載のリンク方式の駆動型フォーマー。
【請求項4】
前記コネクタ部は、
前記第3結合軸の一面に互いに離隔するように形成され、それぞれ前記第2突出片と本体部と第1突出片および前記第2結合軸を共同で貫通する結合具と、
前記結合具に締結され、前記第2結合軸に密着する密着部と、をさらに含む請求項3に記載のリンク方式の駆動型フォーマー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リンク方式の駆動型フォーマーに関するものであって、より具体的には、引き出し装置が成形金型にはめ込まれている引き出し対象物である線材を打撃して引き出すように前進または後進させることができ、特に、引き出し装置が成形金型によって成形された線材を引き出すために前進動作する際、従来のフォーマーより引き出し装置を線材の前まで早い時間に到達させながら、従来のフォーマーより引き出し装置が線材を打撃する時間を遅くし、成形金型によって成形される引き出し対象物の成形精度を向上させることができるリンク方式の駆動型フォーマーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、産業用設備、機械構造物などの締結部品として幅広く使用しているボルトやナットは、ほとんどフォーマー装置を通じて成形する。
【0003】
フォーマー装置は、大きくボルトやナットの材料となる線材が巻き取られ、線材を持続的に供給する線材巻線ユニットと、線材を一定のピッチで供給する線材供給ユニットと、線材の移動をガイドする移動ガイドホールが形成されたリボルブユニットと、リボルブユニットのガイドを受けながら移送される線材を徐々にカットするカッティングユニットと、カッティングユニットによってカットされた線材を各種成形金型ユニットに順次移送させるトンググリップタイプのトランスフォーマーと、成形金型ユニットの前方から線材を打撃して成形金型の内部に設けられた成形空間に引込むパンチユニットと、を含み得る。
【0004】
そして、線材は、パンチユニットによって打撃時に、成形空間に締りばめ方式で引込まれながら成形空間と同じ形状に成形される。
【0005】
その後、フォーマー装置の引き出しユニットが作動して成形空間にタイトにはめ込まれた線材を打撃して成形金型ユニットの外部に引き出させる。
【0006】
このとき、製造しようとするボルトやナットのサイズによって線材の直径を異にしなければならないため、前述のリボルブユニットは、直径別線材の移動をガイドできるように、異なる径を有する多数の移動ガイドホールが形成される。
【0007】
そして、前述の引き出しユニットは、リンクやカムによって作動して成形金型ユニットに成形された部品(線材)の一端を打撃し、この打撃によって成形金型ユニットにタイトにはめ込まれた線材が成形金型ユニットの外部に引き出される。
【0008】
このとき、引き出しユニットは、リンクやカムによって成形金型ユニットに対して前、後進し、前進する際に線材を打撃することになる。
【0009】
しかし、従来のフォーマーは、引き出しユニットが定型化された時間で作動するため、成形金型が線材を成形する前に引き出しユニットが線材を打撃して不良が発生するという問題が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国登録特許公報第10-1539741号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前述の従来技術の問題点を解決するために案出されたものであって、引き出し装置が成形金型にはめ込まれている引き出し対象物である線材を打撃して引き出すように前進または後進させることができ、特に、引き出し装置が成形金型によって成形された線材を引き出すために前進動作する際、従来のフォーマーより引き出し装置を線材の前まで早い時間に到達させながら、従来のフォーマーより引き出し装置が線材を打撃する時間を遅くし、成形金型によって成形される引き出し対象物の成形精度を向上させることができるリンク方式の駆動型フォーマーを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るリンク方式の駆動型フォーマーは、引き出し装置が成形金型にはめ込まれている対象物を打撃して引き出すように、前進または後進させるリンク方式の駆動型フォーマーであって、回動ガイド軸と、前記回動ガイド軸に取り付けられ、駆動源によって上下方向に回動する作動部と、一側と他側が前記作動部と前記引き出し装置にそれぞれ結合され、前記作動部が上下方向に回転することによって、前記引き出し装置を引いて後進させるか、または押して前進させるコネクタ部と、を含む。
【0013】
そして、前記作動部は、前記回動ガイド軸に取り付けられるベース部と、前記ベース部の一側に配置され、前記コネクタ部が結合される第1部材と、前記ベース部の他側に配置される第2部材と、前記第2部材に設けられ、前記駆動源がその場回転可能に結合される第1結合軸と、を含み、前記第1部材は、前記第2部材よりも短い長さを有するように形成される。
【0014】
また、前記第1部材および第2部材は、それぞれ互いに一定間隔で離隔して配置され、前記コネクタ部は、前記第1部材と引き出し装置との間に配置される本体部と、前記本体部の一面に互いに離隔するように配置されて前記第1部材の間にそれぞれ収容され、第1収容溝が形成された複数の第1突出片と、前記本体部の他面に互いに離隔するように配置され、その間に前記引き出し装置の一定領域が挿入される空間を形成させ、一面に第2収容溝が形成され、前記本体部を挟んで前記第1突出片と対向する複数の第2突出片と、前記第1部材にその場回転可能に結合され、一定領域が前記第1収容溝に収容される第2結合軸と、一定領域が前記第2収容溝に収容され、前記引き出し装置にその場回転可能に結合される第3結合軸と、を含む。
【0015】
そして、前記コネクタ部は、前記第3結合軸の一面に互いに離隔するように形成され、それぞれ前記第2突出片と本体部と第2突出片および前記第2結合軸を共同で貫通する結合具と、前記結合具に締結されながら前記第2結合軸に密着する密着部と、を含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るリンク方式の駆動型フォーマーは、引き出し装置が成形金型にはめ込まれている引き出し対象物である線材を打撃して引き出すように前進または後進させることができ、特に、引き出し装置が成形金型によって成形された線材を引き出すために前進動作する際、従来のフォーマーより引き出し装置を線材の前まで早い時間に到達させながら、従来のフォーマーより引き出し装置が線材を打撃する時間を遅くし、成形金型によって成形される引き出し対象物の成形精度を向上させることができ、難成形材の鍛造工程時の成形精度および成形限界を克服し、成形荷重の低減および変形抵抗減少などの効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係るリンク方式の駆動型フォーマーを示す平面斜視図である。
【
図2】本発明に係るリンク方式の駆動型フォーマーを示す底面斜視図である。
【
図3】本発明に係るリンク方式の駆動型フォーマーに適用されたコネクタ部を示す斜視図である。
【
図4】本発明に係るリンク方式の駆動型フォーマーに適用されたコネクタ部を示す分解斜視図である。
【
図5】本発明に係るリンク方式の駆動型フォーマーの作動過程を示す図面である。
【
図6】本発明に係るリンク方式の駆動型フォーマーと一般フォーマーとの相違点を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の利点および特徴、そして、これを達成する方法は、添付の図面とともに詳細に後述される実施形態を参照することによって明らかになるであろう。
【0019】
しかし、本発明は、以下に開示される実施形態に限定されるものではなく、異なる様々な形態で実装でき、単に本実施形態は、本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、特許請求の範囲によって定義されるだけである。明細書全体にわたって同じ参照番号は、同じ構成要素を指す。
【0020】
以下、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施形態について添付した図面を参照して詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態で実装でき、本明細書で説明する実施形態に限定されない。明細書全体を通して同様の部分については、同じ参照番号を付した。
【0021】
図1は、本発明に係るリンク方式の駆動型フォーマーを示す平面斜視図であり、
図2は、本発明に係るリンク方式の駆動型フォーマーを示す底面斜視図であり、
図3は、本発明に係るリンク方式の駆動型フォーマーに適用されたコネクタ部を示す斜視図であり、
図4は、本発明に係るリンク方式の駆動型フォーマーに適用されたコネクタ部を示す分解斜視図であり、
図5は、本発明に係るリンク方式の駆動型フォーマーの作動過程を示す図面であり、
図6は、本発明に係るリンク方式の駆動型フォーマーと一般フォーマーとの相違点を示すグラフである。
【0022】
本発明の実施形態に係るリンク方式の駆動型フォーマー1は、線材を加工してボルト、ピンなどの部品に成形する装置である。
【0023】
このために、回動ガイド軸10と、作動部20およびコネクタ部30のうち、少なくともいずれか1つ以上を含み得る。
【0024】
このような構成を含む本発明の実施形態に係るリンク方式の駆動型フォーマー1は、引き出し装置40が成形金型にはめ込まれている引き出し対象物である線材を打撃して引き出すように前進または後進させることができ、特に、引き出し装置40が成形金型によって成形された線材を引き出すために前進動作する際、従来のフォーマーより引き出し装置40を線材の前まで早い時間に到達させながら、従来のフォーマーより引き出し装置40が線材を打撃する時間を遅くし、成形金型によって成形される引き出し対象物の成形精度を向上させることができる。
【0025】
さらに、本発明の実施形態に係るリンク方式の駆動型フォーマー1は、直径別線材の移動をガイドできるように、互いに異なる直径を有する多数の移動ガイドホールが形成されたリボルブ(図示せず)と、リボルブのガイドを受けながら移送される線材を徐々にカットするカッティングユニット(図示せず)と、カッティングユニットによってカットされた線材を各種成形金型に順次移送させるトンググリップタイプのトランスフォーマー(図示せず)と、成形金型の前方から線材を打撃し、成形金型の内部に設けられた成形空間に引込むパンチユニットと、を含み得る。このとき、線材は、パンチユニットによって打撃時に、成形空間に締りばめ方式で引込まれながら成形空間と同じ形状に成形される。
【0026】
このとき、カッティングユニットは、カッティング作動時間が可変され、線材を様々な長さにカットすることができる。
【0027】
すなわち、カッティングユニットが速く作動する場合、線材を短い長さにカットすることができ、これに比べて遅く作動する場合、線材を長い長さにカットすることができる。
【0028】
以上、説明したリボルブ、カッティングユニット、トランスフォーマー、パンチユニットなどは、フォーマーで商用化された技術であるため、具体的な説明は省略する。
【0029】
以下、本発明の実施形態に係るリンク方式の駆動型フォーマー1の構成について詳細に説明する。
【0030】
回動ガイド軸10は、作動部20の上下方向の回動をガイドする構成である。
【0031】
回動ガイド軸10は、全体が同じ外径を有する単純な円形の棒状に形成され得る。
【0032】
作動部20は、回動ガイド軸10に取り付けられ、駆動源50によって上下方向に繰り返し回動される。
【0033】
作動部20の上下方向の回動によってコネクタ部30が引き出し装置40を成形金型に対して繰り返して前進または後進させる。
【0034】
引き出し装置40は、前進する際に成形金型にはめ込まれている線材を打撃して成形金型から引き出す。
【0035】
このとき、引き出し装置40は、コネクタ部30と連結されるラム41およびラム41の前側に配置され、成形金型にタイトにはめ込まれた線材を打撃して引き出す打撃部42を含み得る。
【0036】
作動部20は、ベース部21と、第1部材22と、第2部材23および第1結合軸24のうち、少なくともいずれか1つ以上を含み得る。
【0037】
ベース部21は、中空状に形成され、回動ガイド軸10に取り付けられる。
【0038】
第1部材22は、概ねリップ状に形成され得る。
【0039】
第1部材22は、複数個で適用されてベース部21の一側面すなわち、コネクタ部30と対向する面でベース部21の幅方向に沿って互いに離隔するように配置される。
【0040】
このような第1部材22は、ベース部21に一体に形成され得る。
【0041】
第2部材23は、概ねリップ状に形成され得る。
【0042】
第2部材23は、複数個で適用されてベース部21の他側面からベース部21の幅方向に沿って互いに離隔するように配置される。
【0043】
第2部材23もベース部21に一体に形成され得る。
【0044】
したがって、第1部材22および第2部材23は、ベース部21材を基準にシーソー運動することになる。
【0045】
さらに、第2部材23は、第1部材22より長い長さを有するように形成され得る。
【0046】
このとき、第1部材22は、第2部材23の長さに対して30~80%の長さを有するように形成され得る。
【0047】
これにより、作動部20が回動ガイド軸10を基準に上下方向に回動される際、第1部材22の上下の回動角度は、第2部材23の上下の回動角度より小さくなる。
【0048】
第2部材23は、駆動源50と結合される第1結合軸24が貫通設置される。
【0049】
第1結合軸24は、一定の領域が第2部材23の内部に隠され、他の領域が第2部材23の間に突出する。
【0050】
駆動源50は、モーター51、プーリ52、モーター51とプーリ52を連結するタイミングベルト、一側にプーリ52が偏心するように取り付けられる第1回転軸54、第1回転軸54の他側に結合される第1ギア55、作動部20の下側に配置される第2回転軸56、第2回転軸56に取り付けられ、第1ギア55と噛み合う第2ギア57および第2ギア57の一側と他側にそれぞれ偏心するように結合されて第2ギア57とともに回転し、一側には、突出バー581および突出バー581の先端に形成され、第2部材23の間で第1結合軸24に取り付けられる取付リング582が形成されたカム部58を含み得る。
【0051】
したがって、モーター51が駆動すると、タイミングバルブが無限軌道を形成しながら回転し、これによりプーリ52と、第1回転軸54と、第2回転軸56と、第1ギア55と、第2ギア57およびカム部58が一律に回転する。
【0052】
このとき、突出バー581および取付リング582は、カム部58が回転すると、曲線を描いて回転しながら、作動部20を上下方向に回転させる。
【0053】
すなわち、カム部58が第2ギア57とともに回転する過程で突出バー581および取付リング582が上昇すると、第2部材23は上方向に回動し、第1部材22は下方向に回動する。そして、突出バー581および取付リング582が下降すると、第2部材23は下方向に回動し、第1部材22は上方向に回動する。
【0054】
第1部材22が下方向に回動されると、コネクタ部30がラム41を押して打撃部42が成形金型に固定された線材を打撃することになり、第1部材22が上方向に回動すると、コネクタ部30がラム41を引くことになり、打撃部42が成形金型から離れることになる。
【0055】
このような原理により、成形金型によって成形される線材を一定時間の間隔で打撃して引き出すことができる。
【0056】
一方、コネクタ部30は、作動部20と引き出し装置40に結合され、作動部20が上下方向に回転することにより、引き出し装置40を引いて後進させたり、押して前進させる構成である。
【0057】
このため、コネクタ部30は、本体部31と、第1突出片32と、第2突出片33と、第2結合軸34と、第3結合軸35と、結合具36および密着部37のうち、少なくともいずれか1つ以上を含み得る。
【0058】
本体部31は、第1部材22とラム41との間に配置される。
【0059】
本体部31は、概ね多角ブロック状に形成され得る。
【0060】
本体部31は、後述する第1収容溝32aおよび第2収容溝33aとそれぞれ連結される一対の貫通穴31aが形成される。
【0061】
第1突出片32は、本体部31の一面に互いに離隔するように配置され、第1部材22の間にそれぞれ収容される。
【0062】
したがって、
図1を基準として中央に位置する第1部材22は、第1突出片32の間に収容される。
【0063】
これにより、第1部材22と第1突出片32は、水平方向に互いに噛み合うことになる。
【0064】
そして、第1突出片32は、後述する第2結合軸34の一定領域が収容される第1収容溝32aが収容される。
【0065】
第2結合軸34は円形に形成され、第1収容溝32aは半円状に形成される。
【0066】
第2突出片33は、本体部31の他面に互いに離隔するように配置され、ラム41の端部に形成された収容空間にそれぞれ収容される。
【0067】
このとき、第2突出片33は、本体部31を挟んで第1突出片32と対向する。
【0068】
第2突出片33の間の空間には、ラム41の収容空間の中央部分に配置された挿入片411が挿入される。
【0069】
これにより、第2突出片33とラム41は、水平方向に互いに噛み合うことになる。
【0070】
そして、第2突出片33は、後述する第3結合軸35の一定領域が収容される第2収容溝33aが形成される。
【0071】
第3結合軸35は円形に形成され、第2収容溝33aは半円状に形成される。
【0072】
第2結合軸34は、第1部材22にその場回転可能に結合される。
【0073】
第2結合軸34は、一定領域が第1部材22の内部に隠され、他の領域は、第1部材22の間に突出する。
【0074】
そして、第2結合軸34の前軸の一定領域は、第1収容溝32aに収容される。
【0075】
第3結合軸35は、ラム41の両側と挿入片411を共同で貫通する。
【0076】
第3結合軸35の両側と中央は、ラム41の両側および挿入片411にそれぞれ挿入され、残りの部分は、外部に突出する。
【0077】
このとき、第3結合軸35は、ラム41の両側と挿入片411でその場回転できる。
【0078】
そして、第3結合軸35の後側の一定領域は、第2収容溝33aに収容される。
【0079】
結合具36は、第3結合軸35の一面に互いに離隔するように形成される。
【0080】
結合具36は、一定の長さと直径を有する棒状に形成され得る。
【0081】
結合具36は、本体部31の貫通穴31aと同じ数で適用される。
【0082】
そして、結合具36は、本体部31の貫通穴31aとそれぞれ対向する。
【0083】
したがって、結合具36は、それぞれ第2突出片33と本体部31と第2突出片33および第2結合軸34を共同で貫通する。
【0084】
結合具36の一定領域は、第2結合軸34の外部に突出する。結合具36の突出した領域には、密着部37が締結される螺旋が形成される。
【0085】
密着部37は、ボルトで形成され得る。
【0086】
密着部37は、第2結合軸34の外部に突出した結合具36の螺旋に締結され、第2結合軸34の外面に密着する。これにより、本体部31と、第2結合軸34と、第3結合軸35および結合具36が一体に結合される。
【0087】
次に、前述したリンク方式の駆動型フォーマーの作動およびその過程で現れる特有の効果について説明する。
【0088】
まず、モーター51を駆動してタイミングベルト53を無限軌道の形で回転させる。
【0089】
したがって、プーリ52と、第1回転軸54と、第1ギア55と、第2ギア57と、第2回転軸56およびカム部58が一律に回転される。
【0090】
カム部58は、第2ギア57の両側面にそれぞれ偏心して結合されるため、突出バー581は、カム部58とともに回転しながら、第2部材23を上下方向に反復して回動させる。
【0091】
このとき、
図5(a)に示すように、作動部20が最初の駆動源50の動力の伝達を受けない場合、第1部材22は、回動ガイド軸10よりも高い場所に位置し、第2部材23は、回動ガイド軸10よりも低い場所に位置する。
【0092】
すなわち、第1部材22は、上方向に回動した状態になり、第2部材23は、下方向に回動した状態になる。
【0093】
このとき、コネクタ部30は、ラム41を引いて打撃部42を成形金型から離間させた状態となる。
【0094】
図5(b)は、カム部58が回転によって第2部材23を上方向に回動させた状態を示したが、第2部材23が上方向に回動すると、第1部材22は下方向に回動する。
【0095】
したがって、第1部材22と第2部材23は、ベース部21を挟んで互いに水平をなすことになる。
【0096】
図5(b)のような状態では、コネクタ部30は、ラム41を押して打撃部42を前進させ、これにより打撃部42が成形金型にタイトにはめ込まれている線材を打撃して引き出すことになる。
【0097】
特に、第2結合軸34と第3結合軸35が第1部材22およびラム41にそれぞれその場で正方向または逆方向に所定の角度で回転可能に結合されるため、カムが第2部材23を下方向に回動させ、第1部材22を上方向に回動させた状態では、
図5(a)のように、本体部31がベース部21に対して折れる形でラム41を引くことになる。
【0098】
すなわち、
図5(a)に示すように、本体部31は、左側が上方向に回動され、本体部31の右側が下方向に回動された形に傾斜した形をなしながら、ラム41を引いて打撃部42を引き出し装置40の線材と離隔させる。
【0099】
そして、カムが第2部材23を上方向に回動させ、第1部材22を下方向に回動させた状態では、ベース部21と第1部材22および第2部材23が水平状態をなし、本体部31が広がる形でラム41を押すことになる。
【0100】
すなわち、
図5(b)に示すように、カムが第2部材23を下方向に回動させると、本体部31は、ベース部21とともに水平の形をなすようになるが、このとき、本体部31は、第2部材23が上方向に徐々に回動され、第1部材22が徐々に下方向に回動する角度に比例して傾斜角度が徐々に緩やかになる形で水平形状に広がりながらラム41を徐々に前進させる。
【0101】
結局、打撃部42が成形金型の線材近傍(1~5cm)まで到達する時間は、従来のフォーマーよりも速いか、または同一にすることができ、打撃部42が成形金型の線材を打撃する時点は、従来のフォーマーよりも約1秒~3秒ほど遅くすることができる。
【0102】
すなわち、従来のフォーマーは、成形金型が線材を成形する前に打撃部42が線材を打撃して不良が発生するという問題点が発生したが、本発明の一実施形態に係るリンク方式の駆動型フォーマー1は、打撃部42が成形金型の線材を打撃する時点を従来のフォーマーよりも約1秒~3秒程度遅くすることができるため、成形金型が線材を成形する前に打撃部42が線材を打撃する状況が発生することを防止できる。
【0103】
これを
図6を参照してより具体的に説明すると、工程間フォーマーにおけるラム41の精密駆動制御は、成形品質、成形金型の寿命向上などのために非常に重要な要素である。本発明の一実施形態に係るリンク方式の駆動型フォーマー1は、クランク機構にナックル機構を追加し、ラム41と打撃部411の前進速度が圧造転写点である線材付近で非常にゆっくり動作する運動曲線を有するようにした。
【0104】
本発明の一実施形態に係るリンク方式の駆動型フォーマー1は、ナックルクランク機構構造に動力伝達構造を適用し、難成形材の鍛造工程時の成形精度および成形限界を克服し、成形荷重の低減および変形抵抗の減少などの効果を得られる。
【0105】
本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施できることが理解されるであろう。したがって、前述の実施形態は、すべての点で例示的なものであり、限定的ではないものと理解するべきである。本発明の範囲は、前述の詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、そしてその均等概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0106】
1:リンク方式の駆動型フォーマー
10:回動ガイド軸
20:作動部
21:ベース部
22:第1部材
23:第2部材
24:第1結合軸
30:コネクタ部
31:本体部
31a:貫通穴
32:第1突出片
32a:第1収容溝
33:第2突出片
33a:第2収容溝
34:第2結合軸
35:第3結合軸
36:結合具
37:密着部
40:引き出し装置
41:ラム
42:打撃部
50:駆動源
51:モーター
52:プーリ
53:タイミングバルブ
54:第1回転軸
55:第1ギア
56:第2回転軸
57:第2ギア
58:カム部
581:突出バー
582:取付リング
【手続補正書】
【提出日】2023-03-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き出し装置が成形金型にはめ込まれている対象物を打撃して引き出すように前進または後進させるリンク方式の駆動型フォーマーであって、
回動ガイド軸と、
前記回動ガイド軸に取り付けられ、駆動源によって上下方向に回動する作動部と、
一側と他側が前記作動部と前記引き出し装置にそれぞれ結合され、前記作動部が上下方向に回転することによって、前記引き出し装置を引いて後進させるか、または押して前進させるコネクタ部と、を含む構成において、
前記作動部は、
前記回動ガイド軸に取り付けられるベース部と、
前記ベース部の一側に配置され、前記コネクタ部が結合される第1部材と、
前記ベース部の他側に配置される第2部材と、
前記第2部材に設けられ、前記駆動源がその場回転可能に結合される第1結合軸と、を含み、
前記第1部材は、前記第2部材よりも短い長さを有するように形成される
ことを特徴とするリンク方式の駆動型フォーマー。
【請求項2】
前記第1部材および第2部材は、それぞれ互いに一定間隔で離隔して配置され、前記コネクタ部は、
前記第1部材と引き出し装置との間に配置される本体部と、
前記本体部の一面に互いに離隔するように配置されて前記第1部材の間にそれぞれ収容され、第1収容溝が形成された複数の第1突出片と、
前記本体部の他面に互いに離隔するように配置され、その間に前記引き出し装置の一定領域が挿入される空間を形成させ、一面に第2収容溝が形成され、前記本体部を挟んで前記第1突出片と対向する複数の第2突出片と、
前記第1部材にその場回転可能に結合され、一定領域が前記第1収容溝に収容される第2結合軸と、
一定領域が前記第2収容溝に収容され、前記引き出し装置にその場回転可能に結合される第3結合軸と、を含む請求項1に記載のリンク方式の駆動型フォーマー。
【請求項3】
前記コネクタ部は、
前記第3結合軸の一面に互いに離隔するように形成され、それぞれ前記第2突出片と本体部と第2突出片および前記第2結合軸を共同で貫通する結合具と、
前記結合具に締結され、前記第2結合軸に密着する密着部と、をさらに含む請求項2に記載のリンク方式の駆動型フォーマー。