(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116375
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】防災型リュックサック
(51)【国際特許分類】
A45F 4/02 20060101AFI20230815BHJP
【FI】
A45F4/02
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080795
(22)【出願日】2022-05-17
【基礎とした実用新案登録】
【原出願日】2022-02-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】390006079
【氏名又は名称】東洋物産株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520465415
【氏名又は名称】サイボウデジタル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助
(72)【発明者】
【氏名】吉田 裕之
(72)【発明者】
【氏名】宮村 信吾
(72)【発明者】
【氏名】奥村 祥国
【テーマコード(参考)】
2E181
【Fターム(参考)】
2E181AA00
2E181BB02
2E181BC01
2E181BD01
(57)【要約】
【課題】水中においてユーザーの両腕が肩ベルトから抜けることがなく、救命胴衣としての機能を確実に果たすことができる防水型リュックサックを提供すること。
【解決手段】本発明に係る防災型リュックサック1は、袋状のリュックサック本体2と、リュックサック本体2の背面部2Bの上下に連結された左右一対の肩ベルト3と、リュックサック本体2の背面部2Bの下部左右に連結された脱着可能な腰ベルト4とを備え、リュックサック本体2の少なくとも正面部2Aと背面部2Bの内部に浮力体16,17を収容して構成されるものであって、左右一対の肩ベルト3の中間高さ部分同士を連結する脱着可能な胸ベルト10と、左右一対の肩ベルト3の各中間高さ部分とリュックサック本体2とをそれぞれ連結する脱着可能な拘束ベルト13を設けたことを特徴とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋状のリュックサック本体と、
前記リュックサック本体の背面部の上下に連結された左右一対の肩ベルトと、
前記リュックサック本体の背面部の下部左右に連結された脱着可能な腰ベルトと、
を少なくとも備え、
前記リュックサック本体の少なくとも正面部と背面部の内部に浮力体を収容して構成される防災型リュックサックであって、
左右一対の前記肩ベルトの長さ方向中間部位と前記リュックサック本体の左右側の高さ方向の中間部位とを、左側と右側で夫々に、拘束ベルトにより着脱自在に結合できるように形成したことを特徴とする防災型リュックサック。
【請求項2】
前記拘束ベルトは、前記リュックサック本体に設けた固定ベルトと前記肩ベルトに設けた結合ベルトとによって形成するか、又は前記リュックサック本体に設けた結合ベルトと前記肩ベルトに設けた固定ベルトとによって形成した請求項1の防災型リュックサック。
【請求項3】
前記固定ベルトと前記結合ベルトの少なくとも一方は長さ調節機能を備えている請求項2の防災型リュックサック。
【請求項4】
少なくとも前記リュックサック本体は、防水性のある生地で構成した請求項1~3のいずれかの防災型リュックサック。
【請求項5】
前記リュックサック本体の開口部は、防水ファスナーで開閉するようにした請求項1から4のいずれかの防災型リュックサック。
【請求項6】
前記リュックサック本体の正面部に、別体の手提げバッグを脱着可能に取り付けた請求項1~5のいずれかの防災型リュックサック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、津波などの水害時や水難事故時には救命胴衣(以下、ライフジャケット又は救命浮器ともいう。)として機能することができる防災型リュックサック(以下、単に「防災リュック」ともいう。)に関する。
【背景技術】
【0002】
リュックサックは、通常は背中に背負って荷物を運搬するために使用されるものであるが、津波などの水害時や水難事故の際には、このリュックサックを救命胴衣としても使用する提案が今までになされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、収納部(リュックサック本体)の背面部と底面部及び周面部の少なくとも1つに浮力体を設けるとともに、収納部の外部と内部とを連通させる孔が設けられた連通部を形成してなるリュックサックが提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、自然災害や水難事故において水に浮く水陸両用の防水型リュックサックが提案されている。具体的には、この防水型リュックサックは、リュックサック本体の両側ポケット部上部にペットボトル固定バンドを設け、リュックサック本体左右の背負い部(背面部)の上下に固定ベルト通しバンドを設け、この固定ベルト通しバンドに固定ベルトを取り外し可能に装着するとともに、本体の底部両端に水抜き孔を形成し、リュックサック本体内部に発泡樹脂板とペットボトルを入れて構成されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、非常時にはライフジャケットとなり、その際にもリュックサック本体に収納した物が水で濡れることがないリュックサックが提案されている。具体的には、このリュックサックは、肩紐(肩ベルト)とリュックサック本体(収納バッグ本体)に、気体の注入によって膨張する袋状の浮力材を設けて構成されており、非常時には、肩紐とリュックサック本体の下側部分を取り外して使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO2018/154715号公報
【特許文献2】特開2013-031615号公報
【特許文献3】特開2021-160592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1,2において提案されたリュックサックにおいては、ユーザーがこのリュックサックを背負ったまま水に入ると、リュックサック本体内に水が入り、リュックサック本体に収納した物が水で濡れてしまうという問題がある。
【0008】
これに対して、特許文献3において提案されたリュックサックにおいては、リュックサック本体(収納バッグ本体)内に収納した物が水で濡れることはないが、次のような問題が発生する。
【0009】
すなわち、ユーザーが肩に掛ける左右一対の各肩紐(肩ベルト)の拡がり(拡径)を制限する手段が設けられていないため、ユーザーが両腕をリュックサック本体の肩ベルトに通し、リュックサック本体を両腕で抱え込むようにして落水した場合、リュックサック本体は水に浮くが、ユーザーの両腕がリュックサック本体の肩ベルトから抜けてしまうため、ユーザーの身体が水に沈んでしまい、当該リュックサックが救命胴衣としての機能を果たすことができない。このような問題は、特許文献2おいて提案された防水型リュックサックにおいても発生し得る。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、水中においてユーザーの両腕が肩ベルトから抜けることがなく、救命胴衣としての機能を確実に果たすことができる防水型リュックサックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、袋状のリュックサック本体と、前記リュックサック本体の背面部の上下に連結された左右一対の肩ベルトと、前記リュックサック本体の背面部の下部左右に連結された脱着可能な腰ベルトと、を少なくとも備え、前記リュックサック本体の少なくとも正面部と背面部の内部に浮力体を収容して構成される防災型リュックサックであって、
左右一対の前記肩ベルトの長さ方向中間部位と前記リュックサック本体の左右側の高さ方向の中間部位とを、左側と右側で夫々に、拘束ベルトにより着脱自在に結合できるように形成したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明において、前記拘束ベルトは、前記リュックサック本体に設けた固定ベルトと前記肩ベルトに設けた結合ベルトとによって形成するか、又は前記リュックサック本体に設けた結合ベルトと前記肩ベルトに設けた固定ベルトとによって形成することができる。また前記結合ベルトと固定ベルトの少なくとも一方は長さ調節機能を備えたものである。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、少なくとも前記リュックサック本体を防水性のある生地で構成したことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記リュックサック本体の開口部を防水ファスナーで開閉することを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1~3の何れかに記載の発明において、前記リュックサック本体の前面部に、別体の手提げバッグを脱着可能に取り付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、リュックサック本体の一対の肩ベルトの中間部が拘束ベルトによって絞られるため、ユーザーがリュックサック本体を胸の前で両腕で抱えた状態で両腕を肩ベルトに通し、このリュックサック本体を両腕で抱え込むようにして落水した場合、ユーザーの両腕がリュックサック本体の肩ベルトから抜けることがない。このため、ユーザーの身体、特に上半身が水に浮かんだリュックサック本体によって支えられて水中に沈むことがなく、当該防災型リュックサックが救命胴衣としての機能を確実に果たす。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、少なくともリュクサック本体が防水性のある生地で構成され、請求項4に記載の発明によれば、リュックサック本体の開口部を防水ファスナーで開閉するようにしたため、リュックサック本体内への水の浸入が防がれ、リュックサック本体内に収納された物が水で濡れるという不具合の発生が防がれる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、手提げバッグをリュックサック本体から取り外し、これを単体としてポーチなどとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る防災型リュックサックの一部を破断して示す背面側斜視図。
【
図2】本発明に係る防災型リュックサックの一部を破断して示す正面図。
【
図3】本発明に係る防災型リュックサックの背面図。
【
図4】本発明に係る防災型リュックサックを救命胴衣として使用する状態の側面図。
【
図5】本発明に係る防災型リュックサックの装着状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は本発明に係る防災型リュックサックの一部を破断して首位雌背面側斜視図、
図2は同防災型リュックサックの一部を破断して示す正面図、
図3は同防災型リュックサックの背面図、
図4は同防災型リュックサックの水害発生時の使用状態を示す側面図である。
【0021】
本実施の形態に係る防災型リュックサック1は、
図1に示すように、袋状のリュックサック本体2と、該リュックサック本体2の背面部2Bの上下に連結された左右一対の肩ベルト3と、リュックサック本体2の背面部2Bの下部左右に連結された脱着可能な腰ベルト4とを備えている。
【0022】
また、上記リュックサック本体2は、正面部2Aと、背面部2Bと、上面部2Cと、底面部2D及び左右の側面部2Eを備え、全体がナイロンやポリエステルなどの防水性のある生地を縫製することによって一般的リュックサックの形態と略同様の袋状に成形されている。なお、図示しないが、背面部2Bの表面は、メッシュ地で被覆されている。
【0023】
さらに、
図2に示すように、リュックサック本体2の正面部2Aの下部には、該リュックサック本体2とは別体の独立した手提げバッグ5が脱着可能に取り付けられている。なお、本実施の形態では、手提げバッグ5は、不図示の複数のフックボタンによってリュックサック本体2に対して脱着可能に取り付けられているが、この手提げバッグ5の脱着手段としては面ファスナーなどを使用することができる。
【0024】
而して、リュックサック本体2の正面部2Aの下部に取り付けられている手提げバッグ5を
図2の手前側に強く引けば、複数のフックボタンの篏合が解除されるため、当該手提げバッグ5をリュックサック本体2から簡単に取り外してこれをポーチなどとして単独で持ち歩くことができるために便利である。なお、手提げバッグ5の上端には把手6が取り付けられている。また、図示しないが、この手提げバッグ5には、物を出し入れするための開口部が形成されており、この開口部は、防水ファスナーによって開閉される。
【0025】
一方、前記リュックサック本体2は、その上面部2Cから左右の側面部2Eにかけて、スリット状に形成された切り込みによって開閉可能な開口部(不図示)が形成されており、この開口部から当該リュックサック本体2に対して物を出し入れすることができる。この開口部には、防水ファスナー7が設けられており、これによって開口部は開閉される。
【0026】
ところで、本実施の形態では、
図2に示すように、リュックサック本体2の正面部2Aの内部には浮力体16が収容され、
図1に示すように、同リュックサック本体2の背面部2Bの内部にも浮力体17が収容されている。これらの浮力体16,17は、それぞれ正面部2Aと背面部2Bの外形形状に沿った形状を有する平板状の軽量な部材である。ここで、各浮力体16,17は、比重が水(比重=1)よりも格段に小さくて水に浮いて所要の浮力を発生するものであって、例えば、エチレン・ビニル・アセテート(EVA)、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの軽量な発泡樹脂によって構成されている。
【0027】
また、
図1、
図4、
図5に示すように、リュックサック本体2の両側面部2Eの下部には、サイドポケット8(
図1、
図4、
図5には一方のみ図示)がそれぞれ設けられており、これらのサイドポケット8には、例えば、飲料水などが入った不図示のペットボトル等を上方から差し込んで収納することができる。前記サイドポケット8は、図示しないが、水抜き穴やメッシュ地の底で水抜き機能を持たせることもできる。
【0028】
さらに、
図1及び
図3に示すように、リュックサック本体2の背面側には、上端がリュックサック本体2の背面部2Bの上端に縫い付けによって固定され、下端が背面部2Bの下端側部に縫い付けによって固定された左右一対の肩ベルト3が設けられている。ここで、左右の各肩ベルト3は、幅広のクッション材3Aと、各クッション材3Aの表面に幅方向中央部に縫い付けられたベルト3Bとでそれぞれ構成されている。そして、左右の各ベルト3Bのクッション材3Aから下方に延びる部分の長さは、バックル9によって自由に調整することができる。
【0029】
また、
図3に示すように、左右の肩ベルト3の中間高さ位置には、両肩ベルト3同士を連結して両肩ベルト3の間隔を一定に保つための胸ベルト10が脱着可能に設けられている。ここで、胸ベルト10は、各一端が肩ベルト3のベルト3Bに固定された胸ベルト片10A,10Bによって構成されており、一方(左側)の胸ベルト片10Aの他端(自由端)には、スナップフィット11の雄型11aが取り付けられており、他方(右側)のベルト片10Bの他端(自由端)には、スナップフィット11の雌型11bが取り付けられている。したがって、左右の胸ベルト片10A,10Bは、スナップフィット11によってワンタッチで簡単に連結され、或いは連結が解除される。ここで、スナップフィット11は、硬質樹脂などによって構成された雄型11aと雌型11bによって構成されており、雄型11aを雌型11bに差し込むだけの簡単な操作によってワンタッチで簡単に連結され、雄型11aの上下を押圧することによって連結が簡単に解除される。なお、リュックサック本体2の背面部2Bの上端には、当該防災型リュックサック1を吊り下げるためのフック12が縫い付けられて取り付けられている。
【0030】
さらに、左右の肩ベルト3の左右の胸ベルト片10A,10Bが取り付けられた箇所よりも若干下方の位置には、拘束ベルト13になる左右の結合ベルト片13Aがそれぞれ取り付けられており、左右の結合ベルト片13Aの各端部(自由端)には、スナップフィット14の雌型14bがそれぞれ取り付けられている。
一方、
図2に示すように、リュックサック本体2の左右の側面の背面部2Bの中間高さ位置には拘束ベルト13になる左右の固定ベルト片13Bがそれぞれに取り付けられており、これらの固定ベルト片13Bの端部(自由端)には、スナップフィット14の各雄型14aがそれぞれ取り付けられている。なお、拘束ベルト13として用いない場合の固定ベルト片13Bは、リュックサック本体2の背面側2Bの側縁に設けた係止ベルト片のスナップフィットの雌型13Cに、固定ベルト片13Bのスナップフィットの雄型14aを係合して保持するようにしている。
【0031】
図4,
図5に示すように、水害時などにおいて本発明に係る防水型リュックサック1を救命胴衣として使用する際には、左右の結合ベルト片13Aと固定ベルト片13Bとはスナップフィット14によって互いに連結されて拘束ベルト13を構成し、ユーザーMの両腕Aが左右の肩ベルト3からの抜けを防ぐ機能を果たす。ここで、左右の各拘束ベルト13は、固定ベルト片13Bの端部に取り付けられたスナップフィット14の雄型14aを結合ベルト片13Aの端部に取り付けられたスナップフィット14の雌型14bに差し込んで両ベルト片13A,13B同士を連結することによって構成される。上記において、結合ベルト片13Aと固定ベルト片13Bの少なくとも一方は長さ調節機能を備えたものである。
【0032】
また、
図1に示すように、リュックサック本体2の背面部2Bの下端部左右には、腰ベルト4が脱着可能に取り付けられている。ここで、腰ベルト4は、各一端がリュックサック本体2に取り付けられた腰ベルト片4A,4Bによって構成されており、一方(左側)の腰ベルト片4Aの他端(自由端)にはスナップフィット15の雄型15aが取り付けられ、他方(右側)の腰ベルト片4Bの他端(自由端)にはスナップフィット15の雌型15bが取り付けられている。
【0033】
次に、以上のように構成された本発明防水型リュックサック1の使用態様について説明する。通常、ユーザーは、リュックサック本体2の背面部2Bを背中に背負うようにして両腕を左右の肩ベルト3の間に通して該肩ベルト3を両肩に掛けた状態で、荷物などを運ぶために使用されるが、水害時などにおいては、以下に説明するように救命胴衣機能を持つリュックサック、即ち防災リュックとして使用される。
【0034】
すなわち、水害時等においては、ユーザーMは、次の1~5の着用手順で本発明防災リュックを着用する。
1.胸ベルト10をスナップフィット11Aと11Bを連結して構成する。
2.左右の拘束ベルト13をスナップフィット14Aと14Bを連結して構成する。
3.上記胸ベルト10と左右の肩ベルト3の上部、リュックサック本体2の背面部2Bで構成される空間にユーザーMの頭を通す。
4.3と同時に、2で構成された左右の拘束ベルト13と左右の肩ベルト3と背面部2Bの上半部縁が形成する空間に両腕Aを通して、リュックサック本体2をユーザーMの胸部で抱える状態を作る。
5.腰ベルト4をスナップフィット15Aと15Bを連結して構成する。
【0035】
上記手順で着用すると、ユーザーMは、左右の肩ベルト3、胸ベルト10、拘束ベルト13、腰ベルト4によって、リュックサック本体2がユーザーMの胸部に両腕で抱え込んだ形で確実に固定されることになる。
【0036】
上記の装着状態で、ユーザーMが落水した場合には、リュックサック本体2は、その正面部2Aと背面部2Bにそれぞれ収容された浮力体16,17(
図1及び
図2参照)において発生する浮力によって水に浮く。このとき拘束ベルト13と腰ベルト4の作用によってユーザーMの両腕Aがリュックサック本体2の肩ベルト3から抜けることがなく、且つ左右の肩ベルト3を絞る胸ベルト10と腰ベルト4によってリュックサック本体2の上部と下部がユーザーMから離れないため、ユーザーMは、水に浮かんだリュックサック本体2によって上半身がしっかり支えられて水中に沈むことがない。従って、当該防災型リュックサック1は救命胴衣又はライフジャケットとしての機能を確実に果たす。
【0037】
本実施形態に係る防災型リュックサック1においては、リュクサック本体2が防水性のある生地で構成されており、リュックサック本体2の開口部を防水ファスナー7で開閉するようにしたため、リュックサック本体2内への水の浸入が防がれ、リュックサック本体2内に収納された物が水で濡れるという不具合の発生が防がれる。またリュックサック本体2もその防水・遮水機能によって救命浮器としての機能も発揮する。
【0038】
また、本実施の形態に係る防災型リュックサック1においては、リュックサック本体2に別体の手提げバッグ5を脱着可能に取り付けたため、必要に応じて手提げバッグ5をリュックサック本体2から取り外し、これを単体のポーチなどとして利用することができるという効果も得られる。
【0039】
なお、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0040】
1 防災型リュックサック
2 リュックサック本体
2A リュックサック本体の正面部
2B リュックサック本体の背面部
3 左右の肩ベルト
4 腰ベルト
5 手提げバッグ
7 防水ファスナー
10 胸ベルト
13 拘束ベルト
13A 結合ベルト片
13B 固定ベルト片
16,17 浮力体
M ユーザー
A ユーザーの腕