(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116412
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】現像剤ベルトを有する現像システム
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20230815BHJP
【FI】
G03G15/08 235
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016652
(22)【出願日】2023-02-07
(31)【優先権主張番号】17/668,118
(32)【優先日】2022-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス、エー.、グートベルレート
(72)【発明者】
【氏名】エリウド、ロブレス、フローレス
(72)【発明者】
【氏名】ポール、エフ.、サヴィッキ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルン、サンビー
【テーマコード(参考)】
2H077
【Fターム(参考)】
2H077AB02
2H077AC04
2H077AC12
2H077AD02
2H077AD07
2H077AE06
2H077BA08
2H077BA09
2H077EA14
2H077GA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】光導電性表面に対して複数の位置で使用することができる交換可能な現像システムを提供する。
【解決手段】現像システム12Aは、トナー粒子を含む現像剤材料を収容するように構成された現像剤ハウジング30を含む。2つの磁気ローラ32、34は、ハウジング30内に配置されて、現像剤材料を磁気ローラ32、34の表面に引き付ける。現像剤ベルト14Aは、現像剤ローラ18、20、22によって支持されている。現像剤ベルト14Aは、2つの磁気ローラ32、34からトナー粒子を当該現像剤ベルト14Aの表面に引き付ける。現像剤ローラ22は、光導電性表面を有するベルト又はドラムなどの画像転写部材16に隣接して配置されている。トナー粒子の一部は、画像転写部材16上に形成された潜像に転写されて、トナー画像層を生成し、これは、印刷媒体シートに付与される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー粒子を含む現像剤材料を収容するように構成されたハウジングと、
前記ハウジング内の少なくとも1つの磁気ローラであって、前記現像剤材料をその表面に引き付ける磁気ローラと、
連続現像剤ベルトであって、前記トナー粒子を前記少なくとも1つの磁気ローラから前記現像剤ベルトの表面に引き付ける、連続現像剤ベルトと、
複数の現像剤ローラであって、前記複数の現像剤ローラの周りに前記現像剤ベルトを搬送し、前記現像剤ローラのうちの1つが、関連する画像転写部材に隣接して配置されており、それによって、前記トナー粒子の一部が、前記画像転写部材上に形成された潜像に転写される、複数の現像剤ローラと、を備える、現像システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの磁気ローラが、2つの磁気ローラを含む、請求項1に記載の現像システム。
【請求項3】
前記複数の現像剤ローラが、3つの現像剤ローラを含む、請求項1に記載の現像システム。
【請求項4】
前記一組の現像剤ローラが、共通の駆動機構によって駆動される、請求項1に記載の現像システム。
【請求項5】
複数の請求項1に記載の現像システムを備える、マーキング装置。
【請求項6】
前記画像転写部材を更に備える、請求項5に記載のマーキング装置。
【請求項7】
前記現像システムのうちの少なくとも2つが、交換可能である、請求項5に記載のマーキング装置。
【請求項8】
前記現像システムのうちの少なくとも2つが、互いの鏡像である、請求項5に記載のマーキング装置。
【請求項9】
前記現像システムのうちの少なくとも2つが、他方の上に直接垂直に積み重ねられている、請求項5に記載のマーキング装置。
【請求項10】
第1の現像システムが、第1の長さの現像剤ベルトを含み、第2の現像システムが、前記第1の長さよりも長い第2の長さの現像剤ベルトを含む、請求項5に記載のマーキング装置。
【請求項11】
前記現像システムのうちの少なくとも2つが、水平に位置合わせされている、請求項5に記載のマーキング装置。
【請求項12】
前記マーキング装置が、少なくとも8つの前記現像システムを含む、請求項5に記載のマーキング装置。
【請求項13】
前記画像転写部材が、光導電性層を有するベルト及びドラムのうちの1つを含む、請求項5に記載のマーキング装置。
【請求項14】
請求項5に記載のマーキング装置と、前記画像転写部材からトナー画像層を受け取るよう、前記マーキング装置を通して関連する印刷媒体シートを運ぶシート搬送システムと、を備える、プリンタ。
【請求項15】
印刷方法であって、
第1のハウジング内に第1のトナー粒子を含む第1の現像剤材料を準備することと、
前記第1のトナー粒子の一部を第1の連続現像剤ベルトに転写することと、
前記転写されたトナー粒子の一部を用いて第1の画像転写部材上に第1の潜像を現像して、第1のトナー画像層を形成することと、
前記第1のトナー画像層を印刷媒体シートに転写することと、
を含む、方法。
【請求項16】
第2のハウジング内に第2のトナー粒子を含む第2の現像剤材料を準備することと、
前記第2のトナー粒子の一部を第2の連続現像剤ベルトに転写することと、
前記転写された第2のトナー粒子の一部を用いて前記第1の画像転写部材上又は第2の画像転写部材上に第2の潜像を現像して、第2のトナー画像層を形成することと、
前記第2のトナー画像層を前記印刷媒体シートに転写することと、
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1及び第2の現像剤ベルトは、長さが異なる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の潜像が、前記第1の画像転写部材上に現像される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
印刷媒体源と、
前記印刷媒体源から印刷媒体を受け取り、前記印刷媒体にトナー画像を付与するマーキング装置であって、
画像搬送部材と、
前記画像搬送部材の光導電性表面を帯電させる少なくとも1つの帯電ステーションと、
前記帯電した光導電性表面上に潜像を形成する露光ステーションと、
少なくとも1つの現像システムであって、各現像システムが、
トナー粒子を含む現像剤材料を収容するように構成されたハウジングと、
前記トナー粒子を前記ハウジングから前記画像転写部材の表面に搬送して、前記画像転写部材上に前記潜像を現像してトナー画像層を形成する連続現像剤ベルトと、
を備える、少なくとも1つの現像システムと、
を備える、マーキング装置と、
前記画像転写部材から前記トナー画像層を受け取るよう、前記印刷媒体のシートを前記印刷媒体源から前記マーキング装置に運ぶシート搬送システムと、
を備える、プリンタ。
【請求項20】
前記少なくとも1つの現像システムが、第1及び第2の現像システムを含み、前記第1の現像システムが、前記第2の現像システムよりも長い現像剤ベルトを有する、請求項19に記載のプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
例示的な実施形態は、電子写真印刷に関し、可変長の現像ベルトを有する現像システムに関連して特定の用途を見出す。
【0002】
電子写真印刷のプロセスは、一般に、ベルト又はドラムなどの光導電性部材の表面を実質的に均一な電位に帯電させて、その表面を感光させることを含む。光導電性表面の帯電された部分は、走査レーザビーム、LED光源、又は複製されている元の文書のいずれかからの光画像に露出される。これにより、光導電性表面上に静電潜像が記録される。静電潜像が光導電性表面上に記録された後、潜像は現像される。二成分現像剤材料及び一成分現像剤材料が、現像に一般的に使用される。典型的な二成分現像剤は、摩擦電気的に帯電されて付着するトナー粒子を有する磁性キャリア粒子を含む。一成分現像剤材料は、典型的にはトナー粒子を含む。トナー粒子は、潜像に引き付けられ、光導電性表面上にトナー粉末画像を形成する。トナー粉末画像は、その後、直接的に、又は中間転写部材を介して、印刷媒体シートに転写される。最後に、トナー粉末画像を加熱して、画像構成で印刷媒体シートに対してより永久的に定着させる。
【0003】
多くの現像システムでは、現像剤ハウジングから光導電性表面にトナー粒子を転写するために、磁気ローラ(「マグロール」)が使用される。多数の現像システムを光導電性部材又は中間転写部材の周りに配置できるようにするために、各現像システムは、マグロールが光導電性部材に接触できるように、わずかに異なるように構成される。したがって、現像システムは交換可能ではない。加えて、トナー容器の交換は、それらが互いに位置合わせされていないため、必ずしも容易ではない。これらの要因は、印刷装置のダウンタイムを増加させ、かつ印刷装置のコストを増加させる傾向がある。
【0004】
光導電性表面に対して複数の位置で使用することができる交換可能な現像システムが依然として必要とされている。
【0005】
参照による組み込み
以下の参照文献(それらの開示内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる)が言及される:
2011年8月2日に発行された、Wuによる「POLYIMIDE INTERMEDIATE TRANSFER COMPONENTS」という名称の米国特許第8,005,410(B2)号は、熱硬化性ポリイミドを含む中間転写ベルトを記載している。
【0006】
2020年11月12日に公開された、Takeiらによる「BELT,INTERMEDIATE TRANSFER BELT,AND IMAGE FORMING APPARATUS」という名称の米国特許出願公開第2020/0356029(A1)号は、外層にカーボンブラック粒子を有するポリイミド系樹脂を含むベルトを記載している。
【0007】
2004年6月17日に公開された、Mannoによる「DEVELOPMENT SYSTEM」という名称の米国特許出願公開第2004/0114969(A1)号は、回転可能な磁気コアが中に配置された回転可能なスリーブを含む磁気現像ロールと、回転可能なスリーブに現像剤材料の計量供給を提供するための現像剤材料送達システムとを含む、現像システムを記載している。
【発明の概要】
【0008】
例示的な実施形態の一態様によれば、現像システムは、トナー粒子を含む現像剤材料を収容するように構成されたハウジングを含む。ハウジング内の少なくとも1つの磁気ローラは、その表面に現像剤材料を引き付ける。連続現像剤ベルトは、トナー粒子を少なくとも1つの磁気ローラから現像剤ベルトの表面に引き付ける。複数の現像剤ローラは、それらの周りに現像剤ベルトを搬送する。ローラのうちの1つが、関連する画像転写部材に隣接して配置されており、それによって、トナー粒子の一部が、画像転写部材上に形成された潜像に転写される。
【0009】
例示的な実施形態の別の態様によれば、マーキング装置は、上述の複数の現像システムを備える。
【0010】
例示的な実施形態の別の態様によれば、プリンタは、上述のマーキング装置と、画像転写部材からトナー画像層を受け取るよう、マーキング装置を通して関連する印刷媒体シートを運ぶシート搬送システムと、を備える。
【0011】
例示的な実施形態の別の態様によれば、印刷方法は、第1のハウジング内の第1の現像剤材料を準備することであって、第1の現像剤材料が第1のトナー粒子を含む、準備することと、第1のトナー粒子の一部を第1の連続現像剤ベルトに転写することと、転写されたトナー粒子の一部を用いて第1の画像転写部材上に第1の潜像を現像して、第1のトナー画像層を形成することと、第1のトナー画像層を印刷媒体シートに転写することと、を含む。
【0012】
例示的な実施形態の別の態様によれば、プリンタは、印刷媒体源と、印刷媒体源から印刷媒体を受け取り、印刷媒体にトナー画像を付与するマーキング装置とを備える。マーキング装置は、画像搬送部材と、画像搬送部材の光導電性表面を帯電させる少なくとも1つの帯電ステーションと、帯電した光導電性表面上に潜像を形成する露光ステーションと、少なくとも1つの現像システムと、画像転写部材からトナー画像層を受け取るよう、印刷媒体のシートを印刷媒体源からマーキング装置に運ぶシート搬送システムと、を備える。各現像システムは、トナー粒子を含む現像剤材料を収容するように構成されたハウジングと、トナー粒子をハウジングから画像転写部材の表面に搬送して、画像転写部材上に潜像を現像してトナー画像を形成する連続現像剤ベルトと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】例示的な実施形態の一態様による、マーキング装置を備えるプリンタの機能ブロック図である。
【
図2】
図1のマーキング装置に使用するのに適した現像ベルトを有する現像システムの側断面図である。
【
図3】例示的な実施形態の別の態様による、一組の現像システム及びベルト型画像転写部材を組み込んだマーキング装置の側断面図である。
【
図4】例示的な実施形態の別の態様による、一組の現像システム及びドラム型画像転写部材を組み込んだマーキング装置の側断面図である。
【
図5】例示的な実施形態の別の態様による、一組の現像システム及び一組のドラム型画像転写部材を組み込んだマーキング装置の側断面図である。
【
図6】例示的な実施形態の別の態様による等しい長さの現像剤ベルトを有する一組の現像システム及びベルト型画像転写部材を組み込んだマーキング装置の側断面図である。
【
図7】例示的な実施形態の別の態様による、異なる長さの現像剤ベルトを収容する駆動機構の斜視図である。
【
図8】例示的な実施形態の別の態様による、異なる長さの現像剤ベルトを収容する駆動機構の斜視図である。
【
図9】例示的な実施形態の別の態様による、印刷方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
例示的な実施形態の態様は、現像剤ベルトを組み込んだ現像システム、当該現像システムを組み込んだマーキング装置、及び当該システムで実行することができる印刷方法に関する。
【0015】
以下で更に詳細に説明するように、例示的なシステムは、電子写真プリンタにおける空間使用、部品の共通性、及び現像寛容度を最適化するのに役立つ。
【0016】
一実施形態では、マーキング装置は2つ以上の現像システムを備える。
【0017】
一実施形態では、2つ以上の現像システムが、異なる長さの現像剤ベルトを組み込む。
【0018】
一実施形態では、各現像剤ベルトは、現像剤ベルトと接触しているか、又はトナー粒子がその間を通過できるように十分に近接して配置されている(少なくとも)2つの磁気ローラからトナー粒子を受け取る。
【0019】
一実施形態では、各現像剤ベルトは、単一の転写ニップにおいて画像転写部材の表面上に形成された潜像にトナーを転写する。これにより、現像システムの位置決めにおける柔軟性を提供することができる。
【0020】
一実施形態では、マーキング装置は、少なくとも2つの同一の(汎用の交換可能な)現像システムを備える。
【0021】
一実施形態では、マーキング装置は、互いの鏡像である少なくとも2つの現像システムを備える。
【0022】
一実施形態では、マーキング装置は、少なくとも2つの垂直に積み重ねられた現像システムを備える。
【0023】
一実施形態において、マーキング装置は、少なくとも2つの水平に位置合わせされた現像システムを備える。
【0024】
一実施形態では、マーキング装置は、少なくとも8個又は少なくとも10個の現像システムを備える。
【0025】
一実施形態では、マーキング装置は印刷方法で使用される。
【0026】
本明細書で使用されるとき、「印刷装置」又は「プリンタ」は、複写機、レーザプリンタ、製本機、又は多機能装置(スキャン、アーカイビング、電子メール、及びファックスなどの1つ以上の追加機能を含む)などの、印刷媒体上に画像をレンダリングするための任意の装置を含むことができる。
【0027】
「印刷媒体」は、紙、プラスチック、又は画像用の他の適切な物理的印刷媒体基材の通常薄手の物理的シートであり得る。「印刷ジョブ」又は「文書」は、通常は関連するシートのセットであり、通常、特定のユーザからの元の印刷ジョブシートのセット若しくは電子文書のページ画像から複製された1つ以上の揃えられた複製セット、又はその他の関連するシートのセットである。
【0028】
「デジタル画像」は、一般に、印刷装置によって印刷媒体上にレンダリングされる電子形態の情報を含むことができ、テキスト、グラフィックス、写真などを含むことができる。例えば、グラフィック、テキスト、写真などのトナー画像を、印刷媒体に付与する動作は、一般に、本明細書では印刷又はマーキングと称される。
【0029】
図1を参照すると、印刷媒体上に画像をレンダリングするための電子写真プリンタ1が示されている。プリンタ1は、例示的な一実施形態によるマーキング装置10を含む。マーキング装置10は、共通の筐体/フレーム13内/上に取り付けられた1つ以上の現像システム12A、12Bを組み込む。各現像システム12A、12Bは、それぞれの連続現像剤ベルト14A、14Bにトナー粒子を供給するように構成される。現像剤ベルトは、トナー粒子を、光導電性表面を有することができるベルト又はドラムなどの画像転写部材16に転写する。
図1には2つの現像システム12A、12Bが示されているが、複数の同様に構成された現像システムを配置して、それぞれの色のトナー粒子を同じ画像転写部材16に供給することができることを理解されたい。各現像システム12A、12Bなどは、注記される場合を除いて、同様に構成されてよい。
【0030】
図2も参照すると、例示的な現像システム12Aにおいて、現像剤ベルト14Aは、一組の離間した現像剤ローラ18、20、22によって支持されている。図示の実施形態では3つの現像剤ローラが示されているが、他の実施形態では、各ベルト14Aに対して、2つの現像剤ローラ、又は3つより多くの現像剤ローラ、又は4つ以下の離間した現像剤ローラが使用されてもよい。ローラ18、20、22の少なくとも1つは、現像剤ベルト14Aを動かして、ベルト14Aの外面23の異なる部分を画像転写部材16と接触させるように回転される。現像剤ローラ18、20、22は、ベルト14Aを矢印Aの方向に動かす共通の駆動システム24によって駆動されてもよい。任意の所与の時間において、現像剤ベルト14Aの第1の部分26は、第1及び第2である現像剤ローラ18、20によって離間され、一方、第3である現像剤ローラ22、ベルト14Aの第2の部分28を画像転写部材16と接触した状態に維持する。
【0031】
現像剤ベルト14Aは、連続方向において、少なくとも4cm、又は少なくとも6cm、又は少なくとも8cm、又は最大100cm、又は最大50cmの長さを有してもよい。長さに対して垂直である、現像剤ベルト14Aの幅は、画像搬送部材16の(処理方向を横切る方向の)幅の関数であってもよく、例えば、画像搬送部材16の幅と等しいか、わずかに小さくてもよい。現像剤ベルト14Aの厚さ(最小寸法)は、少なくとも0.5mm、又は少なくとも1mm、又は最大1cmであってもよい。マーキング装置10内の他の現像剤ベルト14Bなどは、長さが異なっていてもよいが、一般に同じ厚さと幅を有する。
【0032】
現像剤ローラ18、20、22は、同じ直径であってもよいし、異なる直径であってもよい。例えば、転写部材16に接触するローラ22は、他の現像剤ローラ18、20よりも直径が大きくてもよく、例えば、少なくとも10%大きく、又は少なくとも20%大きく、又は少なくとも40%大きく、又は最大100%大きくてもよい。例えば、現像剤ローラ18、20は各々4~12mmの直径を有してもよく、現像剤ローラ22は7~20mmの直径を有してもよい。
【0033】
現像システム12Aは現像剤ハウジング30を含み、現像剤ハウジングは、摩擦電気的に帯電されて付着するトナー粒子を有する磁性キャリア粒子などの、ある供給量の乾燥現像剤材料を保持する。現像剤ベルト14Aは、ハウジング30内に部分的に封入されている。1つ以上の磁気ローラ(「マグロール」)32、34(図示の実施形態では2つのマグロール)がハウジング30内に取り付けられている。マグロールは、現像剤ローラ18、20、22よりも直径が大きくてもよい。それぞれの現像ニップ36、38は、各マグロールと現像剤ベルト14Aとの間に画定される。一実施形態では、各マグロール32、34は、一組の磁石を含む磁気コア44、46の周りを回転可能な円筒形シェル又はスリーブ40、42を含む。代替的に、シェル40、42が静止し、コア44、46が回転する。シェルは、アルミニウム又はステンレス鋼などの導電性非鉄材料から形成されてもよい。他の実施形態では、磁化可能なブラシ(図示せず)が各円筒形シェルの代わりをする。現像剤材料(トナー粒子及び磁性キャリアを含む)は、磁力によってマグロール32、34に引き付けられる。次に、トナー粒子は、マグロールと現像剤ベルト14Aとの間の電位差によってマグロールから現像剤ベルト14Aに引き付けられる。特に、トナー粒子は、現像ニップ36、38においてマグロール32、34から現像剤ベルト14Aの第1の部分24に転写され、キャリア粒子は現像ハウジング30内に残る。現像剤ベルト14A及び画像転写部材16は、それらの間に単一の転写ニップ50を画定する。
【0034】
トナー粒子は、現像剤ベルト14Aと画像転写部材16の表面52との間の電位差によって、画像転写部材16に引き付けられる。図示の実施形態では、表面52は光導電性であり、トナー粒子は、光導電性表面52上に形成された潜像を現像するために使用される。特に、各現像システム12は、光導電性表面52を帯電させる帯電コロトロンなどの関連する帯電ステーション54と、光導電性表面上に潜像を形成する露光ステーション56とを有する。トナー粒子は静電的に潜像に引き付けられて、表面52上にトナー画像層を形成する。トナー画像層を形成するために必要とされない残留トナー粒子は、現像剤ベルト14A上で現像剤ハウジング30に戻って再利用されてもよい。
【0035】
画像転写部材16とは対照的に、現像剤ベルト14Aは、トナー粒子(トナー粒子の比較的連続した層)を搬送するが、現像剤ベルト14Aのための関連する帯電ステーション又は露光ステーション56がないので、トナー画像層(トナー粒子の領域であって、トナー粒子の領域はトナー粒子のない領域によって離間されており、それぞれ画像転写部材が露光された/露光されなかった領域である)を搬送しない。
【0036】
トナー粒子は、交換可能なトナー容器58Aからハウジング30に供給されてもよい。ハウジング30内のオーガ60、62は、トナー粒子を磁性キャリア粒子と混合する。2つのオーガが示されているが、混合のため、及びマグロール上への現像剤のピックアップを補助するために、別個のオーガが設けられてもよい。いくつかの実施形態では、トナー濃度がマグロール32、34上でより高くなるように、オーガ60、62とマグロール32、34との間に中間マグロール(図示せず)を配置してもよい。
【0037】
現像剤ベルト14Aは、狭いスロット64を通ってハウジング30から出る。現像剤粒子の漏れを最小限に抑えるために、スロットの領域に吸引力を加えることができる。現像剤粒子の漏れを制限するためにシールを使用することもできる。
【0038】
オーガ60、62、マグロール32、34、及び現像剤ローラ18、20、22は全て、適切なギア及び/又はベルトを有するモータなどの共通の駆動システム24によって駆動されてもよい。代替的に、別個の駆動システムを使用してもよい。駆動システム24は、現像剤ローラ18、20、22の速度を制御して、現像剤ベルト14Aが、駆動される画像転写部材16の表面の速度に一致又は近似するようにする。他の実施形態では、現像剤ベルトの速度と駆動される画像転写部材の表面の速度は厳密に一致する必要はなく、例えば、1.2:1までの速度比を有してもよい。
【0039】
図2の現像システムの1つの利点は、単一の大きな直径のマグロールを用いてトナーを光導電性表面に転写する従来のシステムよりも、デュアルマグロール32、34の直径を小さくできることである。例えば、直径22mmの2つのマグロール32、34は、従来の30mmマグロールよりも小さい現像剤ハウジング30内に取り付けることができる。
【0040】
別の利点は、2つの小さなマグロール32、34が2つの現像ニップ36、38を提供することであり、これにより、限られた設計空間においてより大きな現像寛容度を提供することができる。
【0041】
別の利点は、現像剤ベルト14Aと画像転写部材16との間の単一のニップ50が、現像剤ハウジング30の最終的な位置決めにおける柔軟性を提供し、これが、ユニバーサル又はセミユニバーサルな(交換可能な)現像システム12Aを可能にすることである。単一のニップ50はまた、マグロール現像ニップを頻繁に位置合わせする必要性を低減又は排除する。これにより、現像ハウジング30をマーキング装置内の新しい位置に移動させるときに、現像ハウジング内の様々なインターフェースを一定の関係に維持することができる。これらのインターフェースは、マグロールとオーガの関係、混合オーガとピックアップオーガの関係(存在する場合)、及び分注器と混合オーガの関係を含むことができる。
【0042】
別の利点は、従来のマーキング装置よりも多数の現像システム12A、12Bなどを単一の画像転写部材16の周りに収容できることである。例えば、8個又は10個の現像システム12A、12Bなどを、サイズが約84mmのドラム転写部材16の周りに設置することができる。
図2では、現像剤ローラ22はハウジング30内に部分的に封入されているが、他の実施形態では、現像剤ローラ22は、
図3~
図5の実施形態に示すように、ハウジング30の外側にあってもよい。これは、より多くの現像システム12A、12Bなどを従来のサイズの転写部材16の周りに収容することを可能にするのに役立つ。
【0043】
ここで
図3を参照すると、一実施形態では、マーキング装置10は、マーキング装置の左側に垂直に配置された第1の組の交換可能な現像システム12A、12B、12C、12D、及び12Eと、マーキング装置の右側に垂直に配置された第2の組の交換可能な現像システム12F、12G、12H、12I、及び12Hとを備える。第1の組の交換可能な現像システムは各々、
図2に示されるように構成されてもよく、5つの左側現像システム12A~Eの間の唯一の違いは、現像剤ベルト14A、14Bなどの長さ、ローラ18、20に対するローラ22の位置、及び場合によってはベルトがハウジングに出入りするスロット64(
図2)の位置に対する調整である。例えば、現像剤ベルト14A及び14Eは、現像剤ベルト14B及び14Dよりも長く、例えば少なくとも5%、若しくは少なくとも10%長く、又は少なくとも0.3cm、若しくは少なくとも0.5cm、若しくは少なくとも1cm、若しくは少なくとも2cmの長さの差を有する。現像剤ベルト14B及び14Dは、現像剤ベルト14Cよりも長く、例えば少なくとも2%、又は少なくとも5%長い。
【0044】
第2の組の交換可能な現像システム12F、12G、12H、12I、及び12Hは各々、第1の側の現像システムに対する鏡像として構成されてもよい(Yはマーキング装置の対称軸を画定する)。5つの右側現像システム間の唯一の違いは、現像剤ベルト14F、14Gなどの長さ、ローラ18、20に対するローラ22の位置、及び場合によっては、ベルトがハウジングに出入りするスロット64の位置に対する調整である。ベルト長さは、画像転写部材16までの距離に基づいて選択される。
【0045】
異なる長さの現像剤ベルト14A、14Bなどを使用することにより、各側の現像システムを垂直に積み重ねることが可能になり、これにより、例えば、同様に垂直に積み重ねることができるトナー容器58A~58Jを交換するために、マーキング装置の隣接する側70、72から現像システムにアクセスしやすくすることができる。
【0046】
したがって、
図3の実施形態のマーキング装置10は、システム12Aのように構成された左側タイプと、システム12Fのように構成された右側タイプとの2つの交換可能な現像システムタイプのみから構成することができる。これは、マーキング装置10の単位製造コストを低減し、また、マーキング装置を修理するために製造業者又は顧客が手元に持つ必要がある交換現像システム12A、12F(若しくはその構成部品)の数を低減する。
【0047】
8つの現像システム12A、12Bなどが
図3に示されているが、3つ、4つ、5つ、又は6つの現像システムなど、より少ない又はより多い現像システムが使用されてもよいことを理解されたい。各現像システムは、シアン、マゼンタ、イエロー、若しくはブラックなどのそれぞれのトナー色、又は、ホワイト、メタリック、クリア、磁気などのカスタムトナーのセットのうちの1つを用いて潜像を現像する。
【0048】
図示されていないが、現像剤ハウジング30は、適切なマニホールド、エンドキャップ、電気接続などを含むことができ、これらは、左側及び右側のハウジングで使用される能力を有するように適合されて、ユニバーサルハウジング又は実質的にユニバーサルハウジングを提供することができる。
【0049】
図3の実施形態において、画像転写部材16は、光導電性表面52を有する連続ベルトの形態である。ベルトは、1組の移送ローラ74(図示の実施形態では6個の移送ローラ)によって搬送され、そのうちの1つ以上の移送ローラは、関連する駆動システム(図示せず)によって駆動される。潜像は、
図2に関して説明したように、関連する帯電ステーション及び露光ステーション(説明を容易にするために図示せず)によってベルト16上に形成される。現像システムによって画像転写ベルト16上に形成されたトナー画像層は、印刷媒体シート76がニップ78を通過する際に印刷媒体シート76に転写されて、多層トナー画像を形成する。転写コロトロン80は、トナー画像をシート76に引き付けるのを助ける。コンベヤベルト、シート移動ローラを有するプレートなどの搬送部材82が、印刷媒体シート76をニップを通って搬送する。
【0050】
先に述べた利点に加えて、
図3の実施形態は、異なる長さの現像剤ベルト14A~Jを提供することによって、現像システム12A~Fが画像転写ベルト16から異なる距離に位置決めされることを可能にする。これは、現像ハウジングの集中配置を可能にし、ベルト16のクリーニング、帯電、及び放電のためのモジュールのために、画像転写ベルト16の周りに追加の空間を開く。
【0051】
別の利点は、現像剤ハウジング30A~30Jをそれぞれのトナーボトル58A~58Jに近接させることができ、複雑な分注ラインが回避されることである。これにより、現像装置とトナー容器とを一体の交換可能ユニットとすることが容易となる。
【0052】
別の利点は、マーキング装置筐体13のサイズが、既存のマーキング装置と比較して著しく低減され得ることである。マーキング装置の設置面積の30~50%の減少が期待される。
【0053】
図4は、
図1のシステムに使用するのに適したマーキング装置10の別の実施形態を示す。マーキング装置10は、注記される場合を除いて、
図3のマーキング装置と同様に構成されてもよい。同様の要素が同じ番号を与えられる。この実施形態の画像転写部材16は、例えば導電性金属から形成され、光導電性表面52を画定するポリマー光導電性材料の層88によって覆われた中空円筒形ドラム86を含む。ドラム転写部材16は、関連する駆動システム(図示せず)によって駆動される。潜像は、
図2に関して説明したように、関連する帯電ステーション及び露光ステーション(説明を容易にするために図示せず)によってドラム転写部材16の表面52上に形成される。現像システム12A~12Jによってドラム転写部材16上に形成されたトナー画像層は、印刷媒体シート76がドラム転写部材16と搬送部材82との間のニップ78を通過する際に、印刷媒体シート76に転写される。転写コロトロン80は、トナー画像層をシート76に引き付けるのを助ける。
【0054】
図5は、
図1のシステムに使用するのに適したマーキング装置10の別の実施形態を示す。マーキング装置10は、注記される場合を除いて、
図4のマーキング装置と同様に構成されてもよい。同様の要素が同じ番号を与えられる。この実施形態では、マーキング装置は、一組の現像システム12A~12Fの各々につき、一組の画像転写部材16A~16Fを含む。画像転写部材16A~16Fの各々は、
図4に関して説明したように、光導電性表面52を有する中空円筒ドラムの形態である。ドラム転写部材16~16Fの各々は、関連する駆動システム(図示せず)によって駆動される。代替的に、共通の駆動システムが全てのドラム転写部材16A~16Fを駆動してもよい。潜像は、
図2に関して説明したように、関連する帯電ステーション及び露光ステーション(説明を容易にするために図示せず)によって、転写部材16A~16Fのそれぞれの表面52上に形成される。現像システム12A~12Fによって転写部材16A~16F上に形成されたトナー画像層は、一組の被駆動ローラ90A、90B、90Cによって搬送されるベルト89の形態の中間転写部材に転写される。ドラム転写部材16A~16Fにそれぞれ関連付けられた転写コロトロン80A~80Fは、トナー画像層をベルト89に転写するのを助ける。転写された画像は、ベルト89から印刷媒体シート76に、印刷媒体シート76が、ローラ90に隣接する、ベルトと搬送部材82との間のニップ78を通過する際に転写される。搬送部材82搬送部材82の下にある転写コロトロン80Gは、トナー画像層をシート76に引き付けるのを助ける。
【0055】
この実施形態では、現像システム12A~12Fの各々は、同一に構成されてもよく、かつ、水平に位置合わせされてもよく、それぞれのトナー容器58A~58Fがマーキング装置筐体の上端91からアクセス可能であることを可能にする。
【0056】
別の実施形態では、ベルト89の上側の水平部分が搬送部材82(図示せず)76として機能し、コロトロン80Gが省略される。
【0057】
図3~
図4は、画像転写部材16、16Aなどから直接シートへのトナー画像層の転写を示すが、
図5の実施形態では、画像は、画像転写部材16、16Aなどからベルトなどの中間転写部材89に転写され、そこからトナー画像層が印刷媒体シートに転写される。この構成は、より多数の現像システムが収容される場合にも有利であり、第1の組の現像システムを第1の画像転写部材の周りに配置し、第2の組の現像システムを第2の画像転写部材の周りに配置することができ、第1及び第2の画像転写部材はそれぞれのトナー画像層を中間転写部材に転写する。
【0058】
図6は、現像剤ベルト14A~14Jが全て同じ長さであることを除いて、
図3のマーキング装置と同様のマーキング装置10の実施形態を示す。これは、左側現像システム12A~12Eが互いに同一であること、及び右側現像システム12A~12Fが互いに同一であり、左側現像システムの鏡像であることを可能にする。現像剤ハウジング30A~30J間の共通性は、製造及び交換部品のコストを低減する。
【0059】
本明細書で説明される様々な実施形態の別の利点は、ドラム又はベルト画像転写部材の周りの現像剤ハウジングの配置の汎用性が、色域の増加及び/又は追加の色/コーティングなどを提供することができることである。
【0060】
図1に戻ると、多層トナー画像は、熱及び/又は圧力によって、例えば定着ユニット92によって、シート76により永久的に付着されてもよい。定着ユニットは、マーキング装置筐体内でマーキング装置10の下流にあってもよい。
図5の実施形態では、最後のドラム転写部材16Fの下流に配置された単一の定着ユニットがあってもよい。代替的に、それぞれの定着ユニットを転写部材16A~16Fの各々の下流に配置して、次のトナー画像層がシート上に置かれる前に各トナー画像層を定着させてもよい。
【0061】
また、
図1には、印刷媒体源94、シートフィーダ96、任意選択の後処理装置98、及び出力装置100が示されており、これらはシート搬送システム102によって接続されている。構成要素10、92、94、96、98、100、及び102の各々は、共通の制御システム104の制御下にあってもよい。印刷媒体源94は、例えば、1つ以上の供給トレイ内に、ある供給量の印刷媒体シート76を含む。シートフィーダ96は、シートを一列にしてシートコンベヤシステム102に供給する。搬送部材82を含むシート搬送システム102は、シートを下流のマーキング装置10、定着ユニット92、任意選択の後処理装置98、最後に出力装置100に運ぶ。シート搬送システム102は、ローラ、エアジェット、コンベヤベルト、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、シート搬送システム102は、印刷されたシート76の第2の面にトナー画像を印刷するために、印刷されたシートを反転させてマーキング装置10及び定着ユニット92に戻すための戻り経路を提供してもよい(両面印刷)。任意選択の後処理装置98は、スタッカ、バインダ、ステープラ、ホールパンチャ、シートフォルダなどのうちの1つ以上を含むことができる。出力装置100は、1つ以上の出力トレイを含むことができ、印刷され、任意選択で後処理されたシート76をユーザが出力トレイから収集することができる。制御システム104は、印刷中にプリンタ1の他の構成要素10、92、94、96、98、100、及び102を動作させるために、関連するハードウェアプロセッサによって実行されるソフトウェアを記憶するメモリを含んでもよい。
【0062】
ここで
図7を参照すると、異なる長さの現像剤ベルト14A、14Bなどを収容するのに適した駆動機構110が示されている。駆動機構は、駆動シャフト114を駆動するモータ112を含む。駆動シャフトは駆動ベルト116を搬送し、これにより、3つのローラ18、20、22のシャフト118、120、122を回転させる。駆動軸114及び/又はモータ114は、矢印Xによって示されるように、再位置決め可能である。これにより、駆動ベルト112は、ローラ22が矢印Zで示すように、再位置決めされると、ピンと張った状態を維持する。例えば、より長い現像剤ベルト14Aが使用される場合、ローラ22が、ローラ18、20から更に変位され、駆動軸114/モータ112が、ローラ18及び20のうち最も近接するもの近くに移動される。シャフト118、120の端部は、支持部材128内のスロット124、126内に配置され、これにより、ローラを回転運動に拘束する一方、シャフト122の端部は、スロット130内で垂直に再位置決め可能である。理解されるように、異なる長さの現像剤ベルト14A、14Bなどを収容するための他の機構も考えられる。例えば、異なる長さの駆動ベルト112が提供されてもよい。
【0063】
別の実施形態では、
図8に示されるように、伸縮式駆動シャフトによって搬送される歯車機構132、134、136が使用されてもよい。これは、より長い現像剤ベルト14Bが使用される場合に、歯車機構136が矢印Zの方向にモータ112から更に移動されることを可能にする。
【0064】
図3及び
図6に示される画像転写ベルト16は、例えば、導電性材料から形成されてもよい。適切な材料としては、導電性粒子が少なくともその一部に分散されているポリマーが挙げられる。例えば、画像転写ベルト16、16A、16Bなどの外側層は、カーボンブラック粒子を含む第1の層を含んでもよい。カーボンブラック粒子は導電性が高く、カーボンブラック粒子の使用量が少なくても導電性を高度に高めることができる。第1の層に含まれるカーボンブラック粒子の例としては、ケッチェンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、表面酸化カーボンブラックが挙げられる。これらの中でも、電気抵抗の経時的な一貫性の観点から、表面処理カーボンブラックが好ましい。ポリマーとしては、ポリイミド系樹脂、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂、ポリアミドイミドとポリベンズイミダゾールとの混合物、フルオロポリイミド、又はこれらの組み合わせを使用することができる。そのようなポリマー材料の例については、例えば、米国特許出願公開第2011/0244247(A1)号、同第2012/0183783(A1)号、同第2013/0273373(A1)号、同第2015/0227065(A1)号、同第2020/0325333(A1)号、同第2020/0326645(A1)号、及び同第2020/0356029(A1)号(それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0065】
図2、
図4、及び
図5に示されるようなドラム形状の画像転写部材16、16A、16Bなどの場合、外側層88は、上述の画像転写ベルト16、16A、16Bと同様に構成されてもよい。しかしながら、層88は自己支持型ではないので、ベルトよりも薄くすることができる。
【0066】
図2~8の現像剤ベルト14A、14B、14Cなどは、マグロールに対して帯電してトナー粒子を現像剤ベルトに引き付けることができる任意の適切な材料で形成することができる。適切な材料としては、画像転写部材16、16Aなど(又は、ドラムの場合はそのポリマー層)に関して記載されたものが挙げられる。現像剤ベルト14A、14B、14Cなどは、継ぎ目のある又は継ぎ目のないエンドレスベルトであってもよい。
【0067】
画像転写部材(ベルト又はドラム)は、セラミック又はセラマータイプのコーティングを用いてコーティングされてもよい。セラマーは、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)に基づく焼結可能な高性能ポリマーである。コーティングは、0.01~5mmの厚さ、例えば少なくとも0.05mm又は最大0.3mmまでの厚さであってもよい。例えば、セラミックコーティングは、200Vで測定して0.13mm厚のセラミックコーティングに対して10メガオーム/cm3を提供し、1.5V/ミクロンの電界で6×107の体積抵抗率を提供することができる。
【0068】
ここで
図9を参照すると、本明細書に記載される例示的な現像剤システムのうちの1つ以上を用いて実行することができる印刷方法が示されている。方法は、S100において開始する。
【0069】
S102において、第1の現像剤材料が第1の現像システム12Aの第1の現像剤ハウジング30A内に準備され、第1現像剤材料は第1トナー粒子を含む。
【0070】
S104において、S102は、1つ以上の追加の現像システム12B、12Cなどに対して繰り返されてもよい。
【0071】
S106において、第1のトナー粒子の一部は、例えば、少なくとも1つの磁気ローラ32、34によって、第1の現像システム12Aの第1の連続現像剤ベルト14Aに転写される。
【0072】
S108において、S106は、追加の現像剤システムごとに繰り返されてもよい。
【0073】
S110において、第1の潜像が、第1の画像転写部材16、16A上に形成される。
【0074】
S112において、S110は、追加の現像剤システムごとに繰り返されてもよく、潜像は、第1の画像転写部材16、16A上に、又は追加の画像転写部材16B、16C上などに形成される。
【0075】
S114において、第1の潜像は、第1の現像剤ベルト14Aから転写されたトナー粒子の一部を用いて第1の画像転写部材上に現像されて、第1のトナー画像層を形成する。
【0076】
S116において、S114は、追加の現像剤システムごとに繰り返されてもよく、潜像は、第1の画像転写部材16上に、又は追加の画像転写部材16B、16C上などに現像されて、第1のトナー画像層の上に、又は第1のトナー画像層から離間して、追加のトナー画像層を形成する。
【0077】
S118において、第1のトナー画像層が第1の画像転写部材から印刷媒体シート76に転写される。
【0078】
S120において、追加のトナー画像層が、第1の画像転写部材16から(又は、存在する場合、追加の画像転写部材16B、16Cなどから)印刷媒体シート76に転写されてもよい。
【0079】
S122において、その上にトナー画像を有するシートは、定着され、任意選択で後処理され、出力されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、印刷されたシートは、任意選択で後処理されて出力される前に、S106~S122に関して説明したように、シートの第2の面に印刷するために、反転されてマーキング装置に戻されてもよい。
【0081】
本方法は、S124において終了する。
【0082】
上記で開示されたものの変形、並びに他の特徴及び機能、又はこれらの代替物が、多くの他の異なるシステム又は用途に組み合わされ得ることは、理解されるであろう。現在予想されていないか又は予測されていないそこでの様々な代替、修正、変形、又は改善は、以後に当業者によって行われ得、これらはまた、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。