(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116427
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G01L 11/02 20060101AFI20230815BHJP
G01L 9/00 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
G01L11/02
G01L9/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018241
(22)【出願日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】17/668,188
(32)【優先日】2022-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】516344443
【氏名又は名称】シモンズ・プレシジョン・プロダクツ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】デービッド エイチ.クラウン
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055CC02
2F055CC34
2F055EE31
2F055FF11
(57)【要約】
【課題】 光学式圧力センサ上に蓄積する氷及び他の汚染物質を検出して考慮するためのシステム及び方法の改善を提供する。
【解決手段】 システムは光学式圧力センサを含む。コントローラは、光学式圧力センサから入力を受け取るように動作可能に接続される。出力接続部は、コントローラからの出力データを伝達するように動作可能に接続される。コントローラは、光学式圧力センサからデータを受け取ることと、光学式圧力センサ上での汚染物質の蓄積を検出することと、汚染物質の蓄積の検出を受けて出力接続部を通して修正処置を開始することと、をコントローラに行わせるように構成された機械可読命令を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学式圧力センサからデータを受け取ることと、
前記光学式圧力センサ上での汚染物質の蓄積を検出することと、
前記汚染物質の蓄積の検出を受けて修正処置を開始することと、を含む方法。
【請求項2】
前記光学式圧力センサ上での汚染物質の蓄積を検出することは、前記光学式圧力センサのダイアフラム上での前記汚染物質の蓄積を検出することを含み、前記光学式圧力センサはファブリーペローセンサである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記光学式圧力センサ上での汚染物質の蓄積を検出することは、前記光学式圧力センサから波長領域データを受け取ることと、前記波長領域データを周波数領域データに変換することと、前記周波数領域データ内で前記蓄積した汚染物質に対応する周波数ピークを検出することと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記波長領域データを周波数領域データに変換することは、前記波長領域データに対して高速フーリエ変換(FFT)を行うことを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記周波数領域データ内で前記蓄積した汚染物質の存在に対応する周波数ピークを検出することは、
前記光学式圧力センサ内の第1の光路であって、ファイバから、前記ファイバとメインセンサ本体との間の第1の光インターフェースを通り、キャビティと前記メインセンサ本体との間の第2の光インターフェースから反射して前記ファイバ内に戻る前記第1の光路の共振周波数に対応する第1のピーク周波数と、
前記光学式圧力センサ内の第2の光路であって、前記ファイバから、前記メインセンサ本体及び前記キャビティを通り、前記キャビティとダイアフラムとの間の第3の光インターフェースから反射して前記ファイバ内に戻る前記第2の光路の共振周波数に対応する第2のピーク周波数と、
前記光学式圧力センサ内の第3の光路であって、前記ファイバから、前記メインセンサ本体、前記キャビティ、及び前記ダイアフラムを通り、前記ダイアフラムと前記蓄積した汚染物質との間の第4の光インターフェースから反射する前記第3の光路の共振周波数に対応する第3のピーク周波数と、
前記光学式圧力センサ内の第4の光路であって、前記ファイバから、前記メインセンサ本体、前記キャビティ、前記ダイアフラム、及び前記蓄積した汚染物質を通り、前記蓄積した汚染物質と前記光学式圧力センサの周囲環境との間の第5の光インターフェースから反射する前記第4の光路の共振周波数に対応する第4のピーク周波数であって、前記第4のピーク周波数は、前記周波数領域データ内で前記蓄積した汚染物質の存在に対応する前記周波数ピークである、前記第4のピーク周波数と、
を検出することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
修正処置を開始することは、前記光学式圧力センサからのデータを用いることなく容器内の液体レベル及び/または液体量を決定することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記光学式圧力センサからのデータを用いることなく前記容器内の液体レベル及び/または液体量を決定することは、1つ以上の汚染されていないセンサからのデータを用いることを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
修正処置を開始することは、液体レベル及び/または液体量の測定用に前記光学式圧力センサが用いられる容器から水を取り除くことによる整備の合図を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記蓄積した汚染物質は、前記光学式圧力センサの光ファイバによって送信される波長に対して少なくとも部分的に透明である請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記蓄積した汚染物質は、水氷、微生物増殖、鉱床、及び/または煤煙のうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
システムであって、
光学式圧力センサと、
前記光学式圧力センサから入力を受け取るように動作可能に接続されたコントローラと、
前記コントローラからの出力データを伝達するように動作可能に接続された出力接続部と、を含み、前記コントローラは、機械可読命令であって、
光学式圧力センサからデータを受け取ることと、
前記光学式圧力センサ上での汚染物質の蓄積を検出することと、
前記汚染物質の蓄積の検出を受けて前記出力接続部を通して修正処置を開始することと、を前記コントローラに行わせるように構成された前記機械可読命令を含む、システム。
【請求項12】
前記光学式圧力センサ上での汚染物質の蓄積を検出することは、前記光学式圧力センサのダイアフラム上での前記汚染物質の蓄積を検出することを含み、前記光学式圧力センサはファブリーペローセンサである請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記光学式圧力センサ上での汚染物質の蓄積を検出することは、前記光学式圧力センサから波長領域データを受け取ることと、前記波長領域データを周波数領域データに変換することと、前記周波数領域データ内で前記蓄積した汚染物質に対応する周波数ピークを検出することと、を含む請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記波長領域データを周波数領域データに変換することは、前記波長領域データに対して高速フーリエ変換(FFT)を行うことを含む請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記周波数領域データ内で前記蓄積した汚染物質の存在に対応する周波数ピークを検出することは、
前記光学式圧力センサ内の第1の光路であって、ファイバから、前記ファイバとメインセンサ本体との間の第1の光インターフェースを通り、キャビティと前記メインセンサ本体との間の第2の光インターフェースから反射して前記ファイバ内に戻る前記第1の光路の共振周波数に対応する第1のピーク周波数と、
前記光学式圧力センサ内の第2の光路であって、前記ファイバから、前記メインセンサ本体及び前記キャビティを通り、前記キャビティとダイアフラムとの間の第3の光インターフェースから反射して前記ファイバ内に戻る前記第2の光路の共振周波数に対応する第2のピーク周波数と、
前記光学式圧力センサ内の第3の光路であって、前記ファイバから、前記メインセンサ本体、前記キャビティ、及び前記ダイアフラムを通り、前記ダイアフラムと前記蓄積した汚染物質との間の第4の光インターフェースから反射する前記第3の光路の共振周波数に対応する第3のピーク周波数と、
前記光学式圧力センサ内の第4の光路であって、前記ファイバから、前記メインセンサ本体、前記キャビティ、前記ダイアフラム、及び前記蓄積した汚染物質を通り、前記蓄積した汚染物質と前記光学式圧力センサの周囲環境との間の第5の光インターフェースから反射する前記第4の光路の共振周波数に対応する第4のピーク周波数であって、前記第4のピーク周波数は、前記周波数領域データ内で前記蓄積した汚染物質の存在に対応する前記周波数ピークである、前記第4のピーク周波数と、を検出することを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
修正処置を開始することは、前記光学式圧力センサからのデータを用いることなく容器内の液体レベル及び/または液体量を決定することを含む請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記光学式圧力センサからのデータを用いることなく前記容器内の液体レベル及び/または液体量を決定することは、1つ以上の汚染されていないセンサからのデータを用いることを含む請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
修正処置を開始することは、液体レベル及び/または液体量の測定用に前記光学式圧力センサが用いられる容器から水を取り除くことによる整備の合図を含む請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記蓄積した汚染物質は、前記光学式圧力センサの光ファイバによって送信される波長に対して少なくとも部分的に透明である請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記蓄積した汚染物質は、水氷、微生物増殖、鉱床、及び/または煤煙のうちの少なくとも1つを含む請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学式圧力センサに関し、より詳細には、液体レベル/量測定等で用いる光学式圧力センサに関する。
【背景技術】
【0002】
液体中の静水圧を測定するために光学式圧力センサを用いることができる。これは、航空機の燃料タンクのような応用例における液体レベル/量検知のような用途に対して有用である可能性がある。圧力を用いる光学に基づいた燃料量測定の場合、センサダイアフラム上で氷が成長すると測定値の間違いにつながる可能性がある。氷によって、読み取り値として、間違っているが、妥当な液体レベル/量に対して予想される範囲内の読み取り値となる場合がある。したがって、氷及び付随する誤差は検出が難しい。また、氷は、測定誤差につながる可能性がある光学式圧力センサのダイアフラム上に蓄積する可能性がある唯一の汚染物質ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術は、その意図する目的に対して満足のいくものであると考えられている。しかし、光学式圧力センサ上に蓄積する氷及び他の汚染物質を検出して考慮するためのシステム及び方法の改善が常に求められている。本開示によって、この要求に対する解決策が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
方法は、光学式圧力センサからデータを受け取ることと、光学式圧力センサ上での汚染物質の蓄積を検出することとを含む。本方法は、汚染物質の蓄積の検出を受けて修正処置を開始することを含む。
【0005】
光学式圧力センサ上での汚染物質の蓄積を検出することは、光学式圧力センサのダイアフラム上での汚染物質の蓄積を検出することを含むことができ、光学式圧力センサはファブリーペローセンサである。光学式圧力センサ上での汚染物質の蓄積を検出することは、光学式圧力センサから波長領域データを受け取ることと、波長領域データを周波数領域データに変換することと、周波数領域データ内で蓄積した汚染物質に対応する周波数ピークを検出することと、を含むことができる。波長領域データを周波数領域データに変換することは、波長領域データに対して高速フーリエ変換(FFT)を行うことを含むことができる。
【0006】
周波数領域データ内で蓄積した汚染物質の存在に対応する周波数ピークを検出することは、光学式圧力センサ内の第1の光路であって、ファイバから、ファイバとメインセンサ本体との間の第1の光インターフェースを通り、キャビティとメインセンサ本体との間の第2の光インターフェースから反射してファイバ内に戻る第1の光路の共振周波数に対応する第1のピーク周波数と、光学式圧力センサ内の第2の光路であって、ファイバから、メインセンサ本体及びキャビティを通り、キャビティとダイアフラムとの間の第3の光インターフェースから反射してファイバ内に戻る第2の光路の共振周波数に対応する第2のピーク周波数と、光学式圧力センサ内の第3の光路であって、ファイバから、メインセンサ本体、キャビティ、及びダイアフラムを通り、ダイアフラムと蓄積した汚染物質との間の第4の光インターフェースから反射する第3の光路の共振周波数に対応する第3のピーク周波数と、光学式圧力センサ内の第4の光路であって、ファイバから、メインセンサ本体、キャビティ、ダイアフラム、及び蓄積した汚染物質を通り、蓄積した汚染物質と光学式圧力センサの周囲環境との間の第5の光インターフェースから反射する第4の光路の共振周波数に対応する第4のピーク周波数であって、第4のピーク周波数は、周波数領域データ内で蓄積した汚染物質の存在に対応する周波数ピークである、第4のピーク周波数と、を検出することを含むことができる。
【0007】
修正処置を開始することは、光学式圧力センサからのデータを用いることなく容器内の液体レベル及び/または液体量を決定することを含むことができる。光学式圧力センサからのデータを用いることなく容器内の液体レベル及び/または液体量を決定することは、1つ以上の汚染されていないセンサからのデータを用いることを含むことができる。修正処置を開始することは、液体レベル及び/または液体量の測定用に光学式圧力センサが用いられる容器から水を取り除くことによる整備の合図を含むことができる。
【0008】
蓄積した汚染物質は、光学式圧力センサの光ファイバによって送信される波長に対して少なくとも部分的に透明であるとすることができる。蓄積した汚染物質としては、水氷、微生物増殖、鉱床、及び/または煤煙のうちの少なくとも1つを挙げることができる。
【0009】
システムは光学式圧力センサを含む。コントローラが、光学式圧力センサから入力を受け取るように動作可能に接続されている。出力接続部が、コントローラからの出力データを伝達するように動作可能に接続されている。コントローラは、機械可読命令であって、光学式圧力センサからデータを受け取ることと、光学式圧力センサ上での汚染物質の蓄積を検出することと、汚染物質の蓄積の検出を受けて出力接続部を通して修正処置を開始することと、をコントローラに行わせるように構成された機械可読命令を含む。機械可読命令は、本明細書で開示した方法のいずれかをコントローラに実行させることができる。
【0010】
主題の開示のシステム及び方法のこれら及び他の特徴が、以下の好ましい実施形態の詳細な説明とともに図面から、当業者にはより容易に明らかになる。
【0011】
主題の開示が属する当業者が、過度な実験を行うことなく主題の開示のデバイス及び方法の製造及び使用方法を容易に理解するように、本明細書ではその好ましい実施形態について、特定の図を参照して以下で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示により構成された光学式圧力センサの実施形態の概略的な断面側面図であり、ダイアフラム上に蓄積した汚染物質を示す図である。
【
図2】
図1のセンサの通常動作に対する周波数ピークとともに、蓄積した汚染物質に対応するさらなる周波数ピークを示す周波数領域グラフである。
【
図3】
図1に示したようなセンサを用いるシステムの概略図であり、センサをどのように用いて容器内の液体レベル及び/または液体量を決定できるかを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、主題の開示の同様の構造的特徴または態様を同様の参照数字によって特定する図面を参照する。説明及び例示の目的で、また限定することなく、本開示による光学式圧力センサの実施形態の部分図を
図1に示し、全般的に参照文字100により指定する。本開示によるシステムの他の実施形態またはその態様を、後述するように
図2~3に示す。本明細書に記載のシステム及び方法を用いて、光学式圧力センサ(たとえば、ファブリーペローセンサ)のダイアフラム上に蓄積した汚染物質を検出することができる。
【0014】
センサ100は、ファブリーペロ光学式圧力センサであり、光ファイバ102を含んでいる。光ファイバ102は、長手軸Aを規定し、メインセンサ本体104に光学的に結合されている。メインセンサ本体104の内部には内部空洞106が規定されている。また感圧ダイアフラム108がメインセンサ本体102の軸方向外側部分に規定されている。センサ100は圧力検知用に用いることができる。照明がファイバ102を行き来する。ファイバ102を通って返った光信号からの波長領域データを、周波数領域データ(たとえば、
図2に示す)に、たとえば高速フーリエ変換(FFT)を用いて変換することができる。周波数領域データにおけるピーク周波数を用いて、センサ100の外部からダイアフラム108に作用する圧力を検出することができる。以下でより詳しく説明するように、周波数領域データ内で検出したピーク周波数を用いて、ダイアフラム108上に蓄積した汚染物質110を検出することもできる。
【0015】
引き続き
図1及び2を参照して、センサ100からの周波数領域データにおける第1のピーク周波数112は、第1の光路長(OPL1)の共振周波数に対応する。OPL1は、ファイバ102とメインセンサ本体104との間のインターフェース1から軸Aに沿った光路長である。OPL1に関連する光信号に対する全光路は、ファイバ102から第1の光インターフェース1を通り、キャビティ106とメインセンサ本体104との間の第2の光インターフェース2から反射してファイバ102内に戻る。第2の光路長(OPL2)の共振周波数に対応する第2のピーク周波数114は、ファイバ102からメインセンサ本体104及びキャビティ104を通り、キャビティ104とダイアフラム108との間の第3の光インターフェース3から反射してファイバ3内に戻る光路に関連する。この周波数ピーク114の周波数の変化は、ダイアフラム108に作用する周囲圧力の変化を示す。ダイアグラム108が加圧下で歪むと、共振波長/周波数が変化し、ピーク114に付随する周波数を、様々な周囲圧力及びピーク114の周波数にわたって周囲圧力値に関連づけることができる。
【0016】
引き続き
図1及び2を参照して、第3のピーク周波数116は第3の光路長OPL3の共振周波数に対応する。OPL3は、ファイバ102から、メインセンサ本体104、キャビティ106、及びダイアフラム108を通り、ダイアフラム108と蓄積した汚染物質110との間の第4の光インターフェース4から反射する光路に関連する。第4のピーク周波数118は第4の光路OPL4の共振周波数に対応する。OPL4は、ファイバ102から、メインセンサ本体104、キャビティ106、ダイアフラム108、及び蓄積した汚染物質110を通り、蓄積した汚染物質110と光学式圧力センサ100の周囲環境120との間の第5の光インターフェース5から反射する光路に関連する。第4のピーク周波数118は、周波数領域データ内で蓄積した汚染物質110の存在に対応する周波数ピークである。センサ100からの周波数領域データ内に第4のピーク周波数118が無い場合、ダイアフラム108上には蓄積する汚染物質110がほとんどないかまたはまったくないことを示す。第4のピーク周波数118がある場合(
図2において他のピーク周波数112、114、及び116の右側に位置する)は、蓄積した汚染物質110が存在することを示す。ピーク118の実際の周波数(共振波長)によって、蓄積した汚染物質110の厚さの何らかの粗い尺度が得られる。光学照合波長範囲における材料の不透明度によって、ピーク118の大きさが決定される。
【0017】
メインセンサ本体(ダイアフラム108含む)は、任意の好適な材料(たとえば、サファイア)で形成することができる。蓄積した汚染物質は、ファイバ102によって送信される波長に対して少なくとも部分的に透明である必要がある。これらの波長の所与の応用例に対する調整を、前記応用例においてどんな種類の汚染物質が蓄積すると予想できるのかに基づいて行うことができる。種々の応用例における蓄積汚染物質としては、氷(凍結した水)、微生物増殖、鉱床、煤煙、及び/または任意の他の材料であって、センサダイアフラム108上に付着し及び/または蓄積され得るものを挙げることができる。
【0018】
次に
図3を参照して、システム10は、
図1~2を参照して前述したような1つ以上の光学式圧力センサ100を含む。コントローラ128は、光学式圧力センサ(複数可)100から入力を受け取るように動作可能に接続されている。出力接続部130が、コントローラ128から出力データを伝達するように動作可能に接続されている。コントローラは、機械可読命令であって、光学式圧力センサ100からデータを受け取ることと、光学式圧力センサ(複数可)100上での汚染物質110の蓄積を検出することと、汚染物質の蓄積の検出を受けて出力接続部130を通して修正処置を開始することと、をコントローラに行わせるように構成された機械可読命令を含む。機械可読命令は、本明細書で開示した方法のいずれかをコントローラに実行させることができる。
【0019】
引き続き
図3を参照して、システム10では、関連する方法を、圧力センサ(複数可)100に基づいて、また容器122内の光学センサ(複数可)100の既知の場所に基づいて、容器122内の液体レベル及び液体量のうちの少なくとも一方を決定するときに用いることができる。容器122内のセンサ100の場所または深さ、及びセンサ100に作用する圧力が与えられれば、計算を行って容器100内の液体レベルを決定することができる。容器100内に分配するセンサ100の数を多くするほど、容器122内の液体レベル/量の測定の分解能を高くすることができる。センサ100を、深さ方向だけでなく、容器122の全範囲にわたって分配すれば、容器122の向きに対する液面の角度を修正して、たとえば、燃料レベル/量測定の場合に航空機または他の車両の姿勢を修正することができる。2つの異なる液面角度を
図4に示す。当業者であれば容易に分かるように、3次元容器122の全体にわたってセンサ100を3次元分配すれば、液体レベル/量測定の修正/精度のための3次元の液面決定が可能になる。角度センサ(たとえば、容器122の外部にある)を用いて液面及び容器122の相対姿勢を決定して、液体に作用する重力及び/または任意の他の体積力(たとえば、容器122が動いたときの運動量に由来する力)の方向に対して容器122の角度を決定することもできる。コントローラ128をセンサ100のネットワークに動作可能に接続して、前述した測定を行うことができる。図面において明瞭にするために、個々のセンサ100とコントローラ128との間の接続部は
図4には示していない。
【0020】
本明細書で開示した方法は、センサ100のうちの1つ以上での汚染物質110(
図1で標示する)の蓄積の検出を受けて修正処置を開始することを含む。修正処置を開始することは、汚染物質110が蓄積した光学式圧力センサ100からのデータを用いることなく、容器122内の液体レベル及び/または液体量を決定することを含む。これは、液体レベル及び/または液体量の決定に、1つ以上の汚染されていないセンサ100からのデータを用いることを含む。修正処置を開始することは、容器122から水を取り除くことによる整備の合図を含む。たとえば、航空機上では、センサ110のうちの1つ以上での蓄積した汚染物質110(たとえば、凍結水氷)を検出するコントローラ128は、氷が検出されたセンサ(複数可)100を用いることなく、燃料タンク122内の液体レベル及び/または液体量を決定することができる。コントローラ128は、出力接続部130を用いて、乗組員または自動化システムに燃料タンク122から水を取り除くことを合図することができる。なぜならば、燃料タンク122内の水は、1つ以上の汚染されたセンサ100上での氷の存在によって示されるからである。
【0021】
どのセンサ100に汚染物質110が付着または蓄積したかを検出できることは有用である。なぜならば、ダイアフラム108(
図1で標示する)の柔軟性は、加圧下で歪むその能力に影響する蓄積した汚染物質110の影響を受けるからである。不良な圧力測定を検出して、その結果、修正処置を取ることができる。本明細書で開示したシステム及び方法によって、汚染物質の比較的薄い層(たとえば、1μm~200μm)を検出できる利点も得られる。なぜならば、このような値は、間違っているが他の方法では検出できない場合がある範囲内圧力測定値をもたらす可能性があるからである。本明細書で開示したシステム及び方法は、センサが圧力変化に全く応答しないことになる汚染のより厚い層も検出できる。異なる検知技術(たとえば、MEMS)を用いる他の種類の圧力センサの応答悪化を正確に検出するための既知の正確な手法はない。したがって、本明細書で開示した診断能力は、ファブリーペロタイプの光学式圧力センサ(燃料タンクの内部に電流を必要としないという付加利益を有する)を用いた高い精度/高い整合性の圧力測定システムを可能にする際立った特徴になる。本明細書に記載の燃料測定応用例は、この手法に対する多くの潜在的利用のうちの1つに過ぎない。
【0022】
当業者であれば分かるように、本開示の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具体化してもよい。したがって、本開示の態様は、完全にハードウェア実施形態、完全にソフトウェア実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェア及びハードウェア態様を結合する実施形態という形を取ってもよく、そのすべての可能性を、本明細書では「回路」、「モジュール」、または「システム」と言うことができる。「回路」、「モジュール」、もしくは「システム」は、「回路」、「モジュール」、もしくは「システム」の開示した機能を共に実行することができる1つ以上の別個の物理ハードウェア及び/またはソフトウェアコンポーネントの1つ以上の部分を含むことができるか、または「回路」、「モジュール」、もしくは「システム」は、単一の内蔵ユニット(たとえば、ハードウェア及び/またはソフトウェアの)とすることができる。さらに、本開示の態様は、コンピュータ可読プログラムコードが具体化される1つ以上のコンピュータ可読媒体(複数可)において具体化されるコンピュータプログラム製品という形を取ってもよい。
【0023】
1つ以上のコンピュータ可読媒体(複数可)の任意の組み合わせを用いてもよい。コンピュータ/機械可読媒体はコンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、たとえば、限定することなく、電子、磁気、光、電磁気、赤外、もしくは半導体のシステム、装置、もしくはデバイス、またはこれらの任意の好適な組み合わせであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的リスト)には以下が含まれる。1つ以上のワイヤを有する電気接続部、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、光学記憶装置、磁気記憶装置、またはこれらの任意の好適な組み合わせ。この文献の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって使用されるかまたはこれらに関連して使用されるプログラムを収容または記憶することができる任意の有形的表現媒体であってもよい。
【0024】
コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読プログラムコードが具体化された伝搬データ信号を、たとえば、搬送波のベースバンドにおいてまたは搬送波の一部として、含んでいてもよい。このような伝搬信号は、種々の形(たとえば、これらに限定されないが、電磁気、光、またはそれらの任意の好適な組み合わせ)のいずれかを取ってもよい。コンピュータ可読信号媒体は、任意のコンピュータ可読媒体であって、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、またはデバイスで使用されるかまたはこれらに関連して使用されるプログラムを伝達し、伝搬し、または搬送することができるコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0025】
コンピュータ可読媒体上で具体化されるプログラムコードは、任意の適切な媒体(たとえば、限定することなく、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、またはこれらの任意の好適な組み合わせ)を用いて送信してもよい。
【0026】
本開示の態様に対する動作を行うためのコンピュータプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語(たとえば、オブジェクト指向プログラミング言語、たとえば、Java、Smalltalk、C++など、及び従来の手続き型プログラミング言語、たとえば、「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語)の任意の組み合わせに書き込んでもよい。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上及び部分的にリモートコンピュータ上で、または完全にリモートコンピュータまたはサーバ上で実行してもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータをユーザのコンピュータに、任意のタイプのネットワーク(たとえば、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN))を通して接続してもよいし、または外部コンピュータに対して接続を形成してもよい(たとえば、インターネットサービスプロバイダを用いてインターネットを通して)。
【0027】
またコンピュータプログラム命令を、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイス上にロードして、一連の動作ステップを、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で実行させて、コンピュータ実装プロセスを、コンピュータまたは他のプログラマブル装置上で実行される命令が、本明細書で指定した機能/動作を実施するためのプロセスを提供するように、生成してもよい。
【0028】
冠詞「a」、「an」、及び「the」は、本明細書及び添付の請求項で用いる場合は、本明細書において、文脈上明らかに別の意味が示される場合を除き、冠詞の目的語のうちの1つまたは2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指す。一例として、「an element(要素)」は、1つの要素または2つ以上の要素を意味する。
【0029】
語句「及び/または」は、本明細書及び特許請求の範囲で用いる場合、そのように結合された要素、すなわち、ある場合には接続的に存在し、他の場合には離接的に存在する要素の「一方または両方」を意味すると理解しなくてはならない。「及び/または」によって列記された複数の要素は、同様に、すなわち、要素の「1つ以上」がそのように結合されていると、解釈すべきである。「及び/または」節によって具体的に特定された要素以外の要素が、具体的に特定された要素に関係しているか関係していないかにかかわらず、任意選択で存在してもよい。こうして、非限定的な例として、「A及び/またはB」への言及は、オープンエンドの用語(たとえば、「含む」)と共に用いた場合に、一実施形態では、Aのみを指すことができ(任意選択で、B以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみを指すことができ(任意選択で、A以外の要素を含む)、さらに他の実施形態では、A及びBの両方を指すことができる(任意選択で、他の要素を含む)等。
【0030】
本明細書及び特許請求の範囲で用いる場合、「または」は、上記で規定したような「及び/または」と同じ意味を有すると理解すべきである。たとえば、リスト内の物品を分ける場合、「または」または「及び/または」は包含的であると、すなわち、要素の数またはリストのうちの少なくとも1つを含むが、2つ以上も含み、また任意選択で追加のリストされていない物品も含むと、解釈されるものとする。明らかにそれとは反対の指示がある用語のみ、たとえば、「たった1つの」もしくは「正確に1つの」、または特許請求の範囲で用いる場合に「からなる」は、要素の数またはリストのうちの正確に1つの要素を含めることを指す。全般的に、用語「または」は、本明細書で用いる場合、排他性の用語、たとえば「いずれか」、「1つの」、「たった1つの」、または「正確に1つの」が先行したときには、排他的な選択肢(すなわち、「一方または他方であるが両方ではない」)を示すものとしてのみ解釈されるものとする。
【0031】
任意の開示した実施形態及び/またはその任意の好適な部分(複数可)の任意の好適な組み合わせ(複数可)は、本明細書では、本開示を考慮すれば当業者によって理解されるものと考えられる。
【0032】
本開示の方法及びシステムによって、前述して図面に示したように、光学式圧力センサ(たとえば、ファブリーペローセンサ)のダイアフラム上に蓄積した汚染物質を検出することが提供される。主題の開示の装置及び方法を好ましい実施形態に関して図示して説明してきたが、当業者であれば容易に分かるように、主題の開示の範囲から逸脱することなく変形及び/または変更を施してもよい。