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特開2023-116449体表面の障害の処置のためのデバイスおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116449
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】体表面の障害の処置のためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/30 20060101AFI20230815BHJP
   A61K 31/34 20060101ALI20230815BHJP
   A61K 9/00 20060101ALI20230815BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20230815BHJP
   A61P 17/12 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
A61M5/30
A61K31/34
A61K9/00
A61K9/08
A61P17/12
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023078384
(22)【出願日】2023-05-11
(62)【分割の表示】P 2019569785の分割
【原出願日】2018-06-15
(31)【優先権主張番号】62/615,429
(32)【優先日】2018-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/520,504
(32)【優先日】2017-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519436644
【氏名又は名称】ヴェリカ ファーマシューティカルズ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】VERRICA PHARMACEUTICALS INC.
【住所又は居所原語表記】44 West Gay Street,Suite 400, West Chester, PA 19380, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】デビットソン,マシュー,ジーン
(72)【発明者】
【氏名】リーガー,ジェイソン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】スカヴォラ,ユージン
(72)【発明者】
【氏名】デイリー,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ウェルグス,ホワード
(57)【要約】      (修正有)
【課題】1以上の体表面の状態(例として、いぼ、伝染性軟属腫、結膜炎、耳炎)を処置するための、アプリケーターデバイス、キット、システム、およびかかるデバイスを使用する方法が提供される。
【解決手段】アプリケーターデバイス1は、罹患した体表面の所望されるエリア(例として、皮膚、目、耳、鼻、口、肛門、膣)への制御可能な量の医薬組成物の局所投与を促進し得る。アプリケーターデバイス1は、医薬組成物を含有するアンプル40を備え、アンプル40はチューブ50内に位置する。チューブ50を圧搾するとアンプル40が割られ、医薬組成物を放出し得る。アプリケーターデバイス1は、流体の通過を可能にし、割られたアンプル破片の通過を妨げるフィルター30を備える。アプリケーターデバイス1は、医薬組成物が通過する分配チップ20を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象への医薬組成物の局所投与のための医薬組成物を分配するためのアプリケーターデバイスであって、
チューブ;
チューブ内に位置するアンプル;
アンプル内に含有される医薬組成物;
テーパーチップを有する、チューブに取り付けられたディスペンサーチップ;および
流体の通過を可能にし、および少なくとも150μmの粒子サイズを有する割られたアンプル破片の通過を妨げるように構築および配置されている、ディスペンサーチップのテーパーチップ内に位置するフィルター、
を備える、前記アプリケーターデバイス。
【請求項2】
フィルターが、フィルターとテーパーチップの内部表面との間の締まりばめを介してディスペンサーチップ内に保持される、請求項1に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項3】
フィルターの遠位端が、フィルターの近位端よりも圧縮されている、請求項2に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項4】
ディスペンサーチップが内部表面および外部表面を備え、ここで、内部表面の少なくとも一部は第1のテーパー角でテーパーが付けられ、および外部表面の少なくとも一部は第2のテーパー角でテーパーが付けられている、請求項1~3のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項5】
第2のテーパー角が第1のテーパー角とは異なる、請求項4に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項6】
第1のテーパー角が2.5~5.5度である、請求項4に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項7】
第2のテーパー角が2.5~5.5度である、請求項4に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項8】
第2のテーパー角が第1のテーパー角と等しい、請求項4に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項9】
ディスペンサーチップが第1の部分および第2の部分を備え、ここで、第1の部分はテーパリング内部直径を有し、および第2の部分は一定の内部直径を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項10】
第2の部分が第1の部分の遠位にある、請求項5に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項11】
ディスペンサーチップが、テーパーチップの外部表面を流れ落ちる流体を受け取るように構成された溝を備えるドリップガードを備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項12】
ドリップガードがテーパーチップの少なくとも一部の遠位にある、請求項11に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項13】
ドリップガードが環状リングを備える、請求項11に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項14】
ドリップガードが環状溝を備える、請求項13に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項15】
ドリップガードがテーパーチップの少なくとも一部を囲んでいる、請求項11に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項16】
ディスペンサーチップの少なくとも一部がチューブに取り付けられ、ディスペンサーチップとチューブとの間に液密シールを形成する、請求項1~15のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項17】
ディスペンサーチップが、約0.02インチ未満の内径および約0.05インチ未満の外径を有する遠位開口部を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項18】
ディスペンサーチップが、約0.013インチ未満の内径および約0.034インチ未満の外径を有する遠位開口部を有する、請求項1~17のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項19】
アプリケーターデバイスが、チップから10uL未満の液滴を生成するように構築および配置されている、請求項1~18のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項20】
アプリケーターデバイスが、チップから5uL未満の液滴を生成するように構築および配置されている、請求項1~19のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項21】
アプリケーターデバイスが、アンプル内に含有される450ul以下の医薬組成物から5超の別個の液滴を生成するように構築および配置されている、請求項1~20のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項22】
アプリケーターデバイスが、アンプル内に含有される450ul以下の医薬組成物から50超の別個の液滴を生成するように構築および配置されている、請求項1~21のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項23】
フィルターが0.045立方センチメートルより小さい、請求項1~22のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項24】
アプリケーターデバイスが、乾燥する皮膚に医薬組成物の液滴を10mm未満の直径で繰り返し適用するように構築および配置されている、請求項1~23のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項25】
アプリケーターデバイスが、乾燥する皮膚に医薬組成物の液滴を5mm未満の直径で繰り返し適用するように構築および配置されている、請求項24に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項26】
アプリケーターデバイスが、乾燥する皮膚に医薬組成物の液滴を4mm未満の直径で繰り返し適用するように構築および配置されている、請求項25に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項27】
アプリケーターデバイスが、乾燥する皮膚に医薬組成物の液滴を3mm未満の直径で繰り返し適用するように構築および配置されている、請求項1~26のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項28】
アプリケーターデバイスが、チューブが圧搾され、および次いで開放されたときに、チューブ内に真空を作るように構築および配置されている、請求項1~27のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項29】
アプリケーターデバイスが、キャップが開位置にある間、5分と60分との間の時間でチップをシールするように構築および配置されている、請求項1~28のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項30】
医薬組成物が、カンタリジン、抗真菌薬、抗菌薬、抗ウイルス薬、コルチコステロイド、ステロイド、免疫賦活薬、化学療法薬、角質溶解薬、抗ヒスタミン、および抗炎症剤からなる群から選択される組成物を含む、請求項1~29のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項31】
フィルターが、立方インチ当たり3グラムの密度を有する、請求項1~30のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項32】
医薬組成物が、約30cps~約110cpsの粘度を有する、請求項1に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項33】
医薬組成物が、カンタリジン、アセトン、エタノール、可塑剤、および皮膜形成剤を含む、請求項1に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項34】
組成物が、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、ヒマシ油、ショウノウ、安息香酸デナトニウム、およびゲンチアナバイオレットをさらに含む、請求項33に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項35】
医薬組成物が、エタノールの重量パーセント当たり31.5重量、アセトンの重量パーセント当たり60重量、ヒドロキシプロピルセルロースの重量パーセント当たり0.88重量、ニトロセルロースの重量パーセント当たり4.5重量、ヒマシ油の重量パーセント当たり1.4重量、ショウノウの重量パーセント当たり0.92重量、カンタリジンの重量パーセント当たり0.88重量、安息香酸デナトニウムの重量パーセント当たり0.006重量、およびゲンチアナバイオレットの重量パーセント当たり0.0005重量を含む、請求項34に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項36】
組成物がエーテルをさらに含む、請求項34に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項37】
医薬組成物が、
エタノールの重量パーセント当たり約25以上および約35以下の重量;
アセトンの重量パーセント当たり約55以上および約65以下の重量;
エーテルの重量パーセント当たり約10以下の重量;
ヒドロキシプロピルセルロースの重量パーセント当たり約0.1以上および約2以下の重量;
ニトロセルロースの重量パーセント当たり約2.0以上および約10以下の重量;
ヒマシ油の重量パーセント当たり約0.5以上および約2以下の重量;
カンタリジンの重量パーセント当たり約0.1以上および約1.5以下の重量;
安息香酸デナトニウムの重量パーセント当たり約0.001以上および約0.01以下の重量;および
ゲンチアナバイオレットの重量パーセント当たり約0.0001以上および約0.001以下の重量
を含む、請求項34に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項38】
医薬組成物がエーテルを含まない、請求項1に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項39】
医薬組成物が、皮膚病変の少なくとも一部に約1.2%(w/v)以下のカンタリジンおよび非水性溶媒を含み、ここで、組成物の蒸気圧は、摂氏20度で約210mg Hg以下である、請求項1に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項40】
医薬組成物が、皮膚病変の少なくとも一部に約1.2%(w/v)以下のカンタリジンおよび非水性溶媒を含み、ここで組成物は約20%(w/w)以下のジエチルエーテルを含む、請求項1に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項41】
医薬組成物が、摂氏20度で約200mg Hg以下である蒸気圧を含む、請求項1に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項42】
フィルターが、少なくとも100μmの粒子サイズを有する割られたアンプル破片の通過を妨げるように構築および配置されている、請求項1に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項43】
フィルターが、少なくとも130μmの粒子サイズを有する割られたアンプル破片の通過を妨げるように構築および配置されている、請求項1に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項44】
チューブの周りにスリーブをさらに備える、請求項1に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項45】
スリーブが板紙または厚紙で作られている、請求項44に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項46】
対象への医薬組成物の局所投与のための医薬組成物を分配するためのアプリケーターデバイスであって、
チューブ;
チューブ内に含有される医薬組成物;
チューブに連結されたディスペンサーチップ;および
ディスペンサーチップを受け取るための開口部を有するキャップ、ここで、キャップは、ディスペンサーチップの少なくとも一部が開口部を通過する閉位置を有し、ここで、キャップは、ディスペンサーチップに連結され、およびディスペンサーチップの少なくとも一部の上に位置し、
ここで、キャップが閉位置にあるとき、ディスペンサーチップの通気は、キャップの開口部を通じて可能になる、
を備える、前記アプリケーターデバイス。
【請求項47】
ディスペンサーチップの通気がキャップの開口部を通じてのみ生じる、請求項46に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項48】
ディスペンサーチップの表面に溝をさらに備え、ここで、ディスペンサーチップの通気が溝を通じて生じる、請求項46に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項49】
キャップが閉位置にあるとき、溝の少なくとも一部がキャップ内に受け取られる、請求項48に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項50】
キャップが、アプリケーターデバイスの回転を防ぐように構成された平坦な側面を有する外部表面を備える、請求項46~49のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項51】
キャップが、六角形を形成する6の平坦な側面を有する外部表面を備え、ここで、平坦な側面はアプリケーターデバイスの回転を防ぐように構成されている、請求項46~50のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項52】
医薬組成物がカンタリジンを含む、請求項46~51のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項53】
医薬組成物が約10%(w/v)以下のジエチルエーテルを含む、請求項51~52のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項54】
医薬組成物が約1.2%(w/v)以下のカンタリジンを含む、請求項51~53のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項55】
医薬組成物がジエチルエーテルを含まない、請求項51~54のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項56】
医薬組成物の蒸気圧が摂氏20度で約200mg Hg以下である、請求項51~55のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項57】
医薬組成物が皮膜形成剤を含む、請求項51~56のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項58】
皮膜形成剤が1以上のポリマーを含む、請求項57に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項59】
皮膜形成剤が、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、またはそれらの組み合わせを含む、請求項58に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項60】
医薬組成物が非水性溶媒を含む、請求項51に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項61】
医薬組成物が、カンタリジン、抗真菌薬、抗菌薬、抗ウイルス薬、コルチコステロイド、ステロイド、抗生物質、免疫賦活薬、抗真菌薬剤、化学療法薬、角質溶解薬、抗ヒスタミン、および抗炎症剤からなる群から選択される組成物を含む、請求項46に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項62】
医薬組成物がジエチルエーテルを含まない、請求項46に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項63】
医薬組成物の蒸気圧が摂氏20度で約200mg Hg以下である、請求項46に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項64】
医薬組成物が皮膜形成剤を含む、請求項46に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項65】
皮膜形成剤が1以上のポリマーを含む、請求項64に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項66】
皮膜形成剤が、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、またはそれらの組み合わせを含む、請求項64に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項67】
医薬組成物が非水性溶媒を含む、請求項46に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項68】
医薬組成物が、5分~60分の間の時間で固化するニトロセルロース溶液を含有する、請求項46に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項69】
ディスペンサーチップが溝を備え、これを通じて通気が生じる、請求項46に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項70】
医薬組成物が約30cps~約110cpsの粘度を有する、請求項46に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項71】
医薬組成物が、カンタリジン、アセトン、エタノール、可塑剤、および皮膜形成剤を含む、請求項46に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項72】
組成物が、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、ヒマシ油、ショウノウ、安息香酸デナトニウム、およびゲンチアナバイオレットをさらに含む、請求項71に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項73】
医薬組成物が、エタノールの重量パーセント当たり31.5重量、アセトンの重量パーセント当たり60重量、ヒドロキシプロピルセルロースの重量パーセント当たり0.88重量、ニトロセルロースの重量パーセント当たり4.5重量、ヒマシ油の重量パーセント当たり1.4重量、ショウノウの重量パーセント当たり0.92重量、カンタリジンの重量パーセント当たり0.88重量、安息香酸デナトニウムの重量パーセント当たり0.006重量、およびゲンチアナバイオレットの重量パーセント当たり0.0005重量を含む、請求項72に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項74】
組成物がエーテルをさらに含む、請求項72に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項75】
医薬組成物が、
エタノールの重量パーセント当たり約25以上および約35以下の重量;
アセトンの重量パーセント当たり約55以上および約65以下の重量;
エーテルの重量パーセント当たり約10以下の重量;
ヒドロキシプロピルセルロースの重量パーセント当たり約0.1以上および約2以下の重量;
ニトロセルロースの重量パーセント当たり約2.0以上および約10以下の重量;
ヒマシ油の重量パーセント当たり約0.5以上および約2以下の重量;
カンタリジンの重量パーセント当たり約0.1以上および約1.5以下の重量;
安息香酸デナトニウムの重量パーセント当たり約0.001以上および約0.01以下の重量;および
ゲンチアナバイオレットの重量パーセント当たり約0.0001以上および約0.001以下の重量
を含む、請求項72に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項76】
医薬組成物がエーテルを含まない、請求項46に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項77】
医薬組成物が、皮膚病変の少なくとも一部に約1.2%(w/v)以下のカンタリジンおよび非水性溶媒を含み、ここで、組成物の蒸気圧は、摂氏20度で約210mg Hg以下である、請求項46に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項78】
医薬組成物が、皮膚病変の少なくとも一部に約1.2%(w/v)以下のカンタリジンおよび非水性溶媒を含み、ここで、組成物は、約20%(w/w)以下のジエチルエーテルを含む、請求項46に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項79】
医薬組成物が、摂氏20度で約200mg Hg以下である蒸気圧を含む、請求項46に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項80】
チューブ内に位置する容器をさらに備え、ここで、医薬組成物は容器内に含有される、請求項46に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項81】
容器がアンプルを備える、請求項80に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項82】
容器がポーチを備える、請求項80に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項83】
対象への医薬組成物の局所投与の方法であって、
キャップがアプリケーターデバイスのディスペンサーチップの少なくとも一部を覆う閉位置にある間に、アプリケーターデバイスのチューブを圧搾してチューブ内のアンプルを割り、アンプル内に含有される医薬組成物を放出すること;
ディスペンサーチップを対象に向けて動かすこと;および
医薬組成物をディスペンサーチップから対象に分配すること、
を含む、前記方法。
【請求項84】
ディスペンサーチップから対象に医薬組成物を分配する前に、閉位置からキャップを除去することをさらに含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
医薬組成物がカンタリジンを含む組成物である、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
組成物が約10%(w/v)以下のジエチルエーテルを含む、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
組成物がジエチルエーテルを含まない、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
ディスペンサーチップから対象に医薬組成物を分配するステップが、医薬組成物を対象の皮膚病変に投与することを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項89】
医薬組成物の少なくとも一部が約6時間超の間、皮膚病変にとどまることを可能にすることをさらに含む、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
皮膚病変がヒトパピローマウイルスによって引き起こされない、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
組成物が、約12時間以上、皮膚病変にとどまる、請求項88~90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
組成物が、約18時間以上、皮膚病変にとどまる、請求項88~91のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
組成物が、約24時間以上、皮膚病変にとどまる、請求項88~92のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
組成物が、組成物の除去まで皮膚病変にとどまる、請求項88~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
組成物が、約6時間以上および約72時間以下、皮膚病変にとどまる、請求項88~94のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
組成物が、約12時間以上および約48時間以下、皮膚病変にとどまる、請求項88~95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
組成物が、約18時間以上および約24時間以下、皮膚病変にとどまる、請求項88~96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
皮膚病変の表皮組織の少なくとも一部を、皮膚病変の外皮組織の少なくとも一部から分離することを可能にすることをさらに含む、請求項88~97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
外皮組織が、前記可能にするステップの間、実質的に除去および/または損傷されない、請求項88~98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
皮膚病変が、伝染性軟属腫、脂漏性角化症、光線性角化症、稗粒腫、加齢によるシミ、汗孔角化症、または皮膚がんからのものである、請求項88~99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
皮膚病変が、伝染性軟属腫の感染によって引き起こされる、請求項88~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
5分未満で少なくとも5滴の医薬組成物をアプリケーターデバイスで適用することをさらに含む、請求項88~101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
1分未満で少なくとも10滴の医薬組成物をアプリケーターデバイスで適用することをさらに含む、請求項88~102のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
キャップが、ディスペンサーチップを受け取るための開口部を備え、および、キャップが閉位置にあるとき、キャップは、キャップの開口部を通じてディスペンサーチップの通気を可能にする、請求項83に記載の方法。
【請求項105】
ディスペンサーチップから対象に医薬組成物を分配するステップが、対象の皮膚に医薬組成物を投与することを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項106】
ディスペンサーチップから対象に医薬組成物を分配するステップが、対象の粘膜に医薬組成物を投与することを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項107】
ディスペンサーチップから対象に医薬組成物を分配するステップが、対象の目に医薬組成物を投与することを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項108】
ディスペンサーチップから対象に医薬組成物を分配するステップが、対象の耳に医薬組成物を投与することを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項109】
ディスペンサーチップから対象に医薬組成物を分配するステップが、対象の口に医薬組成物を投与することを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項110】
ディスペンサーチップから対象に医薬組成物を分配するステップが、対象の唇に医薬組成物を投与することを含む、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
ディスペンサーチップから対象に医薬組成物を分配するステップが、対象の歯に医薬組成物を投与することを含む、請求項109に記載の方法。
【請求項112】
ディスペンサーチップから対象に医薬組成物を分配するステップが、対象の舌に医薬組成物を投与することを含む、請求項109に記載の方法。
【請求項113】
ディスペンサーチップから対象に医薬組成物を分配するステップが、対象の歯茎に医薬組成物を投与することを含む、請求項109に記載の方法。
【請求項114】
ディスペンサーチップから対象に医薬組成物を分配するステップが、対象のまぶたに医薬組成物を投与することを含む、請求項107に記載の方法。
【請求項115】
医薬組成物が、カンタリジン、抗真菌薬、抗菌薬、抗ウイルス薬、コルチコステロイド、ステロイド、免疫賦活薬、化学療法薬、角質溶解薬、抗ヒスタミン、および抗炎症剤からなる群から選択される組成物を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項116】
チューブを圧搾すると、医薬組成物の分配前にチューブから空気が排出され、医薬組成物の投与の制御を可能にするチューブ内の内部真空の発生をもたらす、請求項84に記載の方法。
【請求項117】
医薬組成物が分配された対象上の場所に閉塞テープを適用することをさらに含む、請求項83に記載の方法。
【請求項118】
閉塞テープが対象に少なくとも24時間保持される、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
アプリケーターから分配された医薬組成物が、対象との接触時に約30cps~約110cpsの粘度を有する、請求項83に記載の方法。
【請求項120】
医薬組成物が、カンタリジン、アセトン、エタノール、可塑剤、および皮膜形成剤を含む、請求項83に記載の方法。
【請求項121】
組成物が、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、ヒマシ油、ショウノウ、安息香酸デナトニウム、およびゲンチアナバイオレットをさらに含む、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
医薬組成物が、エタノールの重量パーセント当たり31.5重量、アセトンの重量パーセント当たり60重量、ヒドロキシプロピルセルロースの重量パーセント当たり0.88重量、ニトロセルロースの重量パーセント当たり4.5重量、ヒマシ油の重量パーセント当たり1.4重量、ショウノウの重量パーセント当たり0.92重量、カンタリジンの重量パーセント当たり0.88重量、安息香酸デナトニウムの重量パーセント当たり0.006重量、およびゲンチアナバイオレットの重量パーセント当たり0.0005重量を含む、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
組成物がエーテルをさらに含む、請求項121に記載の方法。
【請求項124】
医薬組成物が、
エタノールの重量パーセント当たり約25以上および約35以下の重量;
アセトンの重量パーセント当たり約55以上および約65以下の重量;
エーテルの重量パーセント当たり約10以下の重量;
ヒドロキシプロピルセルロースの重量パーセント当たり約0.1以上および約2以下の重量;
ニトロセルロースの重量パーセント当たり約2.0以上および約10以下の重量;
ヒマシ油の重量パーセント当たり約0.5以上および約2以下の重量;
カンタリジンの重量パーセント当たり約0.1以上および約1.5以下の重量;
安息香酸デナトニウムの重量パーセント当たり約0.001以上および約0.01以下の重量;および
ゲンチアナバイオレットの重量パーセント当たり約0.0001以上および約0.001以下の重量
を含む、請求項121に記載の方法。
【請求項125】
医薬組成物がエーテルを含まない、請求項83に記載の方法。
【請求項126】
医薬組成物が、皮膚病変の少なくとも一部に約1.2%(w/v)以下のカンタリジンおよび非水性溶媒を含み、ここで、組成物の蒸気圧は、摂氏20度で約210mg Hg以下である、請求項83に記載の方法。
【請求項127】
医薬組成物が、皮膚病変の少なくとも一部に約1.2%(w/v)以下のカンタリジンおよび非水性溶媒を含み、ここで、組成物は約20%(w/w)以下のジエチルエーテルを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項128】
医薬組成物が、摂氏20度で約200mg Hg以下である蒸気圧を含む、請求項83に記載の方法。
【請求項129】
アプリケーターデバイスのチューブを圧搾するステップが、チューブを囲むスリーブを圧搾することを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項130】
スリーブが板紙または厚紙で作られている、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
対象への医薬組成物の局所投与のための医薬組成物を分配するためのキットであって、
複数のアプリケーターデバイス、ここで、各アプリケーターデバイスは、
チューブ;
チューブ内に位置するアンプル;
アンプル内に含有された医薬組成物;
チューブに取り付けられたディスペンサーチップ、ここで、ディスペンサーチップはテーパーチップを有する;および
ディスペンサーチップのテーパーチップ内に位置するフィルター、ここで、フィルターは、流体の通過を可能にし、および少なくとも150μmの粒子サイズを有する割られたアンプル破片の通過を妨げるように構築および配置されている;
を備え、および
使用のための指示
を含む、前記キット。
【請求項132】
処方情報をさらに含む、請求項131に記載のキット。
【請求項133】
医薬組成物がカンタリジンを含む、請求項131~132のいずれか一項に記載のキット。
【請求項134】
医薬組成物が約10%(w/v)以下のジエチルエーテルを含む、請求項131~133のいずれか一項に記載のキット。
【請求項135】
医薬組成物が約1.2%(w/v)以下のカンタリジンを含む、請求項131~134のいずれか一項に記載のキット。
【請求項136】
医薬組成物がジエチルエーテルを含まない、請求項131~135のいずれか一項に記載のキット。
【請求項137】
医薬組成物の蒸気圧が、摂氏20度で約200mg Hg以下である、請求項131~136のいずれか一項に記載のキット。
【請求項138】
医薬組成物が皮膜形成剤を含む、請求項131~137のいずれか一項に記載のキット。
【請求項139】
皮膜形成剤が1以上のポリマーを含む、請求項131~138のいずれか一項に記載のキット。
【請求項140】
皮膜形成剤が、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、またはそれらの組み合わせを含む、請求項131~139のいずれか一項に記載のキット。
【請求項141】
医薬組成物が非水性溶媒を含む、請求項131~140のいずれか一項に記載のキット。
【請求項142】
医薬組成物が、抗菌薬、コルチコステロイド、ステロイド、抗生物質、抗真菌薬剤、抗ヒスタミン、および抗炎症剤からなる群から選択される組成物を含む、請求項131に記載のキット。
【請求項143】
医薬組成物が、約30cps~約110cpsの粘度を有する、請求項131に記載のキット。
【請求項144】
医薬組成物が、カンタリジン、アセトン、エタノール、可塑剤、および皮膜形成剤を含む、請求項131に記載のキット。
【請求項145】
組成物が、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、ヒマシ油、ショウノウ、安息香酸デナトニウム、およびゲンチアナバイオレットをさらに含む、請求項144に記載のキット。
【請求項146】
医薬組成物が、エタノールの重量パーセント当たり31.5重量、アセトンの重量パーセント当たり60重量、ヒドロキシプロピルセルロースの重量パーセント当たり0.88重量、ニトロセルロースの重量パーセント当たり4.5重量、ヒマシ油の重量パーセント当たり1.4重量、ショウノウの重量パーセント当たり0.92重量、カンタリジンの重量パーセント当たり0.88重量、安息香酸デナトニウムの重量パーセント当たり0.006重量、およびゲンチアナバイオレットの重量パーセント当たり0.0005重量を含む、請求項145に記載のキット。
【請求項147】
組成物がエーテルをさらに含む、請求項145に記載のキット。
【請求項148】
医薬組成物が、
エタノールの重量パーセント当たり約25以上および約35以下の重量;
アセトンの重量パーセント当たり約55以上および約65以下の重量;
エーテルの重量パーセント当たり約10以下の重量;
ヒドロキシプロピルセルロースの重量パーセント当たり約0.1以上および約2以下の重量;
ニトロセルロースの重量パーセント当たり約2.0以上および約10以下の重量;
ヒマシ油の重量パーセント当たり約0.5以上および約2以下の重量;
カンタリジンの重量パーセント当たり約0.1以上および約1.5以下の重量;
安息香酸デナトニウムの重量パーセント当たり約0.001以上および約0.01以下の重量;および
ゲンチアナバイオレットの重量パーセント当たり約0.0001以上および約0.001以下の重量
を含む、請求項145に記載のキット。
【請求項149】
医薬組成物がエーテルを含まない、請求項131に記載のキット。
【請求項150】
医薬組成物が、皮膚病変の少なくとも一部に約1.2%(w/v)以下のカンタリジンおよび非水性溶媒を含み、ここで、組成物の蒸気圧は摂氏20度で約210mg Hg以下である、請求項131に記載のキット。
【請求項151】
医薬組成物が、皮膚病変の少なくとも一部に約1.2%(w/v)以下のカンタリジンおよび非水性溶媒を含み、ここで、組成物は約20%(w/w)以下のジエチルエーテルを含む、請求項131に記載のキット。
【請求項152】
医薬組成物が、摂氏20度で約200mg Hg以下である蒸気圧を含む、請求項131に記載のキット。
【請求項153】
皮膚の状態を処置する方法であって、
以下を含む、対象に医薬組成物を適用すること、
アプリケーターデバイスのチューブを圧搾して、チューブ内のアンプルを割り、アンプル内に含有される医薬組成物を放出すること;
医薬組成物をディスペンサーチップから対象の複数の皮膚病変に分配すること;
17~25日ごとに一度、最大4回医薬組成物を適用するステップを行うこと、
ここで、医薬組成物は、カンタリジン、アセトン、エタノール、可塑剤、および皮膜形成剤を含む、
を含む、前記方法。
【請求項154】
皮膚の状態が伝染性軟属腫である、請求項153に記載の方法。
【請求項155】
皮膚の状態が、脂漏性角化症、光線性角化症、稗粒腫、加齢によるシミ、汗孔角化症、または皮膚がんである、請求項153に記載の方法。
【請求項156】
医薬組成物をディスペンサーチップから皮膚病変に分配する前に、閉位置からアプリケーターデバイスのキャップを除去することをさらに含む、請求項153に記載の方法。
【請求項157】
医薬組成物の少なくとも一部が約6時間超の間、皮膚病変にとどまることを可能にすることをさらに含む、請求項153に記載の方法。
【請求項158】
皮膚の状態がヒトパピローマウイルスによって引き起こされない、請求項153に記載の方法。
【請求項159】
皮膚の状態がヒトパピローマウイルスによって引き起こされる、請求項153に記載の方法。
【請求項160】
医薬組成物が、約12時間以上、皮膚病変にとどまる、請求項153に記載の方法。
【請求項161】
医薬組成物が、約18時間以上、皮膚病変にとどまる、請求項153に記載の方法。
【請求項162】
医薬組成物が、約24時間以上、皮膚病変にとどまる、請求項153に記載の方法。
【請求項163】
医薬組成物が、医薬組成物の除去まで、皮膚病変にとどまる、請求項153に記載の方法。
【請求項164】
医薬組成物が、約6時間以上および約72時間以下、皮膚病変にとどまる、請求項153に記載の方法。
【請求項165】
医薬組成物が、約12時間以上および約48時間以下、皮膚病変にとどまる、請求項153に記載の方法。
【請求項166】
医薬組成物が、約18時間以上および約24時間以下、皮膚病変にとどまる、請求項153に記載の方法。
【請求項167】
5分未満で50滴の医薬組成物をアプリケーターデバイスで適用することをさらに含む、請求項153に記載の方法。
【請求項168】
1分未満で10滴の医薬組成物をアプリケーターデバイスで適用することをさらに含む、請求項153に記載の方法。
【請求項169】
ディスペンサーチップがテーパーチップを有し、および、アプリケーターデバイスがディスペンサーチップのテーパーチップ内に位置するフィルターを備え、ここで、フィルターは、流体の通過を可能にし、および、少なくとも150μmの粒子サイズを有する割られたアンプル破片の通過を妨げるように構築および配置されている、請求項153に記載の方法。
【請求項170】
フィルターが、フィルターとテーパーチップの内部表面との間の締まりばめを介してディスペンサーチップ内に保持される、請求項169に記載の方法。
【請求項171】
フィルターの遠位端が、フィルターの近位端よりも圧縮されている、請求項170に記載の方法。
【請求項172】
ディスペンサーチップが、内部表面および外部表面を備え、ここで、内部表面の少なくとも一部は第1のテーパー角でテーパーが付けられ、および、外部表面の少なくとも一部は第1のテーパー角とは異なる第2のテーパー角でテーパーが付けられている、請求項153に記載の方法。
【請求項173】
ディスペンサーチップが、第1の部分および第2の部分を備え、ここで、第1の部分はテーパリング内部直径を有し、および、第2の部分は一定の内部直径を有する、請求項153に記載の方法。
【請求項174】
第2の部分が第1の部分の遠位にある、請求項173に記載の方法。
【請求項175】
第1の部分の外部直径がテーパー角を有し、および、第2の部分の外部直径が第1の部分の外部直径のテーパー角と等しいテーパー角を有する、請求項173に記載の方法。
【請求項176】
ディスペンサーチップの少なくとも一部が、ディスペンサーチップとチューブとの間に液密シールを形成するようにチューブに取り付けられている、請求項153に記載の方法。
【請求項177】
ディスペンサーチップが、約0.02インチ未満の内径および約0.05インチ未満の外径を有する、請求項153に記載の方法。
【請求項178】
ディスペンサーチップが、約0.013インチ未満の内径および約0.034インチ未満の外径を有する、請求項153に記載の方法。
【請求項179】
アプリケーターデバイスが、チップから10uL未満の液滴を生成するように構築および配置されている、請求項153に記載の方法。
【請求項180】
アプリケーターデバイスが、チップから5uL未満の液滴を生成するように構築および配置されている、請求項153に記載の方法。
【請求項181】
アプリケーターデバイスが、アンプル内に含有される450ul以下の医薬組成物から50超の別個の液滴を生成するように構築および配置されている、請求項153に記載の方法。
【請求項182】
フィルターが0.045立方センチメートルより小さい、請求項169に記載の方法。
【請求項183】
アプリケーターデバイスが、乾燥する皮膚に医薬組成物の液滴を10mm未満の直径で繰り返し適用するように構築および配置されている、請求項153に記載の方法。
【請求項184】
アプリケーターデバイスが、乾燥する皮膚に医薬組成物の液滴を5mm未満の直径で繰り返し適用するように構築および配置されている、請求項153に記載の方法。
【請求項185】
アプリケーターデバイスが、乾燥する皮膚に医薬組成物の液滴を4mm未満の直径で繰り返し適用するように構築および配置されている、請求項153に記載の方法。
【請求項186】
アプリケーターデバイスが、乾燥する皮膚に医薬組成物の液滴を3mm未満の直径で繰り返し適用するように構築および配置されている、請求項153に記載の方法。
【請求項187】
アプリケーターデバイスが、チューブが圧搾され、および次いで開放されたときに、チューブ内に真空を作るように構築および配置されている、請求項153に記載の方法。
【請求項188】
アプリケーターデバイスが、アプリケーターデバイスのキャップが開位置にある間、5分~60分の間の時間でチップをシールするように構築および配置されている、請求項153に記載の方法。
【請求項189】
アプリケーターデバイスのキャップがディスペンサーチップを受け取るための開口部を有し、および、キャップがディスペンサーチップの少なくとも一部が開口部を通過する閉位置を有し、ここで、キャップは、ディスペンサーチップに連結され、およびディスペンサーチップの少なくとも一部の上に位置する、および
ここで、キャップが閉位置にあるとき、ディスペンサーチップの通気はキャップの開口部を通じて可能になる、請求項153に記載の方法。
【請求項190】
ディスペンサーチップの通気が、キャップの開口部を通じてのみ生じる、請求項189に記載の方法。
【請求項191】
アプリケーターデバイスが、ディスペンサーチップの表面の溝をさらに備え、ここで、ディスペンサーチップの通気が溝を通じて生じる、請求項189に記載の方法。
【請求項192】
キャップが閉位置にあるとき、溝の少なくとも一部がキャップ内に受け取られる、請求項191に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項193】
組成物が、カンタリジンの体積パーセント当たり約0.1以上および約1.5以下の重量を含む、請求項153~192のいずれか一項に記載の方法。
【請求項194】
組成物が、アセトンの重量パーセント当たり約55以上および約65以下の重量を含む、請求項153~193のいずれか一項に記載の方法。
【請求項195】
組成物が、エタノールの重量パーセント当たり約25以上および約35以下の重量を含む、請求項153~194のいずれか一項に記載の方法。
【請求項196】
可塑剤が、ヒマシ油および/またはショウノウを含む、請求項153~195のいずれか一項に記載の方法。
【請求項197】
組成物が、ヒマシ油の重量パーセント当たり約0.5以上および約2以下の重量を含む、請求項196に記載の方法。
【請求項198】
組成物が、ショウノウの重量パーセント当たり約0.1以上および約2以下の重量を含む、請求項196または197に記載の方法。
【請求項199】
皮膜形成剤が、ニトロセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルセルロースを含む、請求項153~198のいずれか一項に記載の方法。
【請求項200】
組成物が、ニトロセルロースの重量パーセント当たり約2以上および約10以下の重量を含む、請求項199に記載の方法。
【請求項201】
組成物が、ヒドロキシプロピルセルロースの重量パーセント当たり約0.1以上および約2以下の重量を含む、請求項199または200に記載の方法。
【請求項202】
組成物が苦味剤をさらに含む、請求項153~201のいずれか一項に記載の方法。
【請求項203】
組成物が、苦味剤の重量パーセント当たり約0.001以上および約0.01以下の重量を含む、請求項153~202のいずれか一項に記載の方法。
【請求項204】
組成物が染料をさらに含む、請求項153~203のいずれか一項に記載の方法。
【請求項205】
組成物が、染料の重量パーセント当たり約0.0001以上および約0.001以下の重量を含む、請求項153~204のいずれか一項に記載の方法。
【請求項206】
組成物が、カンタリジンの体積パーセント当たり約0.7以上および約0.9以下の重量を含む、請求項153~205のいずれか一項に記載の方法。
【請求項207】
組成物が、アセトンの重量パーセント当たり約58以上および約62以下の重量を含む、請求項153~206のいずれか一項に記載の方法。
【請求項208】
組成物が、エタノールの重量パーセント当たり約28以上および約32以下の重量を含む、請求項153~207のいずれか一項に記載の方法。
【請求項209】
組成物が、ヒマシ油の重量パーセント当たり約1.2以上および約1.6以下の重量を含む、請求項153~208のいずれか一項に記載の方法。
【請求項210】
組成物が、ニトロセルロースの重量パーセント当たり約3以上および約6以下の重量を含む、請求項153~209のいずれか一項に記載の方法。
【請求項211】
組成物が、ヒドロキシプロピルセルロースの重量パーセント当たり約0.1以上および約2以下の重量を含む、請求項153~210のいずれか一項に記載の方法。
【請求項212】
組成物が、ショウノウの重量パーセント当たり約0.5以上および約1.5以下の重量を含む、請求項153~211のいずれか一項に記載の方法。
【請求項213】
組成物が、苦味剤の重量パーセント当たり約0.004以上および約0.008以下の重量を含む、請求項153~212のいずれか一項に記載の方法。
【請求項214】
組成物が、染料の重量パーセント当たり約0.0002以上および約0.0008以下の重量を含む、請求項153~213のいずれか一項に記載の方法。
【請求項215】
組成物が、約10%(w/v)以下のジエチルエーテルを含む、請求項153~214のいずれか一項に記載の方法。
【請求項216】
組成物がジエチルエーテルを含まない、請求項153~215のいずれか一項に記載の方法。
【請求項217】
組成物が、摂氏4度未満の引火点を有する溶媒を含まない、請求項153~216のいずれか一項に記載の方法。
【請求項218】
組成物が、過酸化物を形成する傾向のある溶媒を含まない、請求項153~217のいずれか一項に記載の方法。
【請求項219】
組成物が、摂氏20度で約185mm Hg以上の蒸気圧を有する溶媒を含まない、請求項153~218のいずれか一項に記載の方法。
【請求項220】
組成物が、約10%(w/v)以下の水を備える、請求項153~219のいずれか一項に記載の方法。
【請求項221】
皮膚の状態が、主に皮膚の表皮に影響を与える皮膚障害からのものである、請求項153~220のいずれか一項に記載の方法。
【請求項222】
組成物が、
カンタリジンの体積パーセント当たり約0.1以上および約1.5以下の重量;
アセトンの重量パーセント当たり約55以上および約65以下の重量;
エタノールの重量パーセント当たり約25以上および約35以下の重量;
可塑剤の重量パーセント当たり約0.5以上および約4以下の重量;および
皮膜形成剤の重量パーセント当たり約2以上および約12以下の重量
を含む、請求項153~221のいずれか一項に記載の方法。
【請求項223】
組成物が、
カンタリジンの体積パーセント当たり約0.1以上および約1.5以下の重量;
アセトンの重量パーセント当たり約55以上および約65以下の重量;
エタノールの重量パーセント当たり約25以上および約35以下の重量;
ヒマシ油の重量パーセント当たり約0.5以上および約2以下の重量;
ニトロセルロースの重量パーセント当たり約2以上および約10以下の重量;
ヒドロキシプロピルセルロースの重量パーセント当たり約0.1以上および約2以下の重量;
ショウノウの重量パーセント当たり約0.1以上および約2以下の重量;
苦味剤の重量パーセント当たり約0.001以上および約0.01以下の重量;および
染料の重量パーセント当たり約0.0001以上および約0.001以下の重量
を含む、請求項153~222のいずれか一項に記載の方法。
【請求項224】
苦味剤が安息香酸デナトニウムを含む、請求項153~223のいずれか一項に記載の方法。
【請求項225】
染料がゲンチアナバイオレットを含む、請求項153~224のいずれか一項に記載の方法。
【請求項226】
医薬組成物を5回適用するステップを行うことをさらに含む、請求項153に記載の方法。
【請求項227】
アプリケーターのキャップがアプリケーターデバイスのディスペンサーチップの少なくとも一部を覆う閉位置にある間に、アプリケーターデバイスのチューブを圧搾するステップが生じる、請求項153に記載の方法。
【請求項228】
アプリケーターデバイスで皮膚病変を処置することが、すべての患者の75%で皮膚病変のすべての排除をもたらす、請求項153に記載の方法。
【請求項229】
皮膚病変のすべての排除が、すべての患者の75%で15週間以内に生じる、請求項228に記載の方法。
【請求項230】
皮膚病変のすべての排除が、すべての患者の75%で12週間以内に生じる、請求項229に記載の方法。
【請求項231】
皮膚病変のすべての排除が、すべての患者の75%で12週間以内におよび4回以下の処置で生じる、請求項229に記載の方法。
【請求項232】
アプリケーターデバイスで皮膚病変を処置することが、すべての患者の100%で皮膚病変の少なくとも90%の排除をもたらす、請求項153に記載の方法。
【請求項233】
アプリケーターデバイスで皮膚病変を処置することが、すべての患者の100%で皮膚病変の少なくとも75%の排除をもたらす、請求項153に記載の方法。
【請求項234】
アプリケーターデバイスで皮膚病変を処置することが、皮膚病変の平均97%の低減をもたらす、請求項153に記載の方法。
【請求項235】
アプリケーターデバイスで皮膚病変を処置することが、すべての患者の50%以上で皮膚病変のすべての排除をもたらす、請求項153に記載の方法。
【請求項236】
アプリケーターデバイスで皮膚病変を処置することが、すべての患者の60%以上で皮膚病変のすべての排除をもたらす、請求項153に記載の方法。
【請求項237】
アプリケーターデバイスで皮膚病変を処置することが、すべての患者の70%以上で皮膚病変のすべての排除をもたらす、請求項153に記載の方法。
【請求項238】
アプリケーターデバイスで皮膚病変を処置することが、すべての患者の75%以上で皮膚病変のすべての排除をもたらす、請求項153に記載の方法。
【請求項239】
皮膚の状態を処置する方法であって、
医薬組成物をアプリケーターデバイスから皮膚病変に分配することによって、対象の複数の皮膚病変を処置すること、
ここで、医薬組成物は、カンタリジンおよび1以上の賦形剤を含み、
および、アプリケーターデバイスで皮膚病変を処置することは、同じ時間でスティックアプリケーターで皮膚病変を処置することよりも多くの皮膚病変を排除する、
を含む、前記方法。
【請求項240】
皮膚病変を処置するステップが、アプリケーターデバイスから皮膚病変に医薬組成物を17~25日ごとに一度、4回分配することを含む、請求項239に記載の方法。
【請求項241】
アプリケーターデバイスで皮膚病変を処置することが、すべての患者の75%で皮膚病変のすべての排除をもたらす、請求項239に記載の方法。
【請求項242】
皮膚病変のすべての排除が、5回以下の処置ですべての患者の75%で生じる、請求項241に記載の方法。
【請求項243】
皮膚病変のすべての排除が、4回以下の処置ですべての患者の75%で生じる、請求項241に記載の方法。
【請求項244】
皮膚病変のすべての排除が、15週間以内にすべての患者の75%で生じる、請求項241に記載の方法。
【請求項245】
皮膚病変のすべての排除が、12週間以内にすべての患者の75%で生じる、請求項244に記載の方法。
【請求項246】
皮膚病変のすべての排除が、12週間以内におよび4回以下の処置ですべての患者の75%で生じる、請求項244に記載の方法。
【請求項247】
アプリケーターデバイスで皮膚病変を処置することが、すべての患者の100%で皮膚病変の少なくとも90%の排除をもたらす、請求項239に記載の方法。
【請求項248】
アプリケーターデバイスで皮膚病変を処置することが、すべての患者の100%で皮膚病変の少なくとも75%の排除をもたらす、請求項239に記載の方法。
【請求項249】
アプリケーターデバイスで皮膚病変を処置することが、皮膚病変の平均97%の低減をもたらす、請求項239に記載の方法。
【請求項250】
アプリケーターデバイスが、スティックアプリケーターよりも63%多くの患者で皮膚病変のすべての排除をもたらす、請求項239に記載の方法。
【請求項251】
アプリケーターデバイスが、スティックアプリケーターよりも50%多くの患者で皮膚病変のすべての排除をもたらす、請求項239に記載の方法。
【請求項252】
アプリケーターデバイスが、スティックアプリケーターよりも25%多くの患者で皮膚病変のすべての排除をもたらす、請求項239に記載の方法。
【請求項253】
アプリケーターデバイスが、スティックアプリケーターよりも10%多くの患者で皮膚病変のすべての排除をもたらす、請求項239に記載の方法。
【請求項254】
アプリケーターデバイスが、スティックアプリケーターよりも5%多くの患者で皮膚病変のすべての排除をもたらす、請求項239に記載の方法。
【請求項255】
医薬組成物が、アセトン、エタノール、可塑剤および皮膜形成剤を含む、請求項239に記載の方法。
【請求項256】
組成物が苦味剤をさらに含む、請求項239~255のいずれか一項に記載の方法。
【請求項257】
組成物が染料をさらに含む、請求項239~256のいずれか一項に記載の方法。
【請求項258】
アプリケーターデバイスで皮膚病変を処置することが、すべての患者の50%以上で皮膚病変のすべての排除をもたらす、請求項239に記載の方法。
【請求項259】
アプリケーターデバイスで皮膚病変を処置することが、すべての患者の60%以上で皮膚病変のすべての排除をもたらす、請求項239に記載の方法。
【請求項260】
アプリケーターデバイスで皮膚病変を処置することが、すべての患者の70%以上で皮膚病変のすべての排除をもたらす、請求項239に記載の方法。
【請求項261】
アプリケーターデバイスで皮膚病変を処置することが、すべての患者の75%以上で皮膚病変のすべての排除をもたらす、請求項239に記載の方法。
【請求項262】
対象への医薬組成物の局所投与のための医薬組成物を分配するためのアプリケーターデバイスであって、
チューブ;
チューブ内に含有される医薬組成物;
チューブに取り付けられたディスペンサーチップ、ここで、ディスペンサーチップは、約0.013インチ未満の内径および約0.034インチ未満の外径を有する遠位開口部で終わるテーパーチップを有する、
を備える、前記アプリケーターデバイス。
【請求項263】
ディスペンサーチップが内部表面および外部表面を備え、ここで、内部表面の少なくとも一部は第1のテーパー角でテーパーが付けられ、および、外部表面の少なくとも一部は第1のテーパー角とは異なる第2のテーパー角でテーパーが付けられている、請求項262に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項264】
ディスペンサーチップが第1の部分および第2の部分を備え、ここで、第1の部分はテーパリング内部直径を有し、および、第2の部分は一定の内部直径を有する、請求項262に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項265】
第2の部分が第1の部分の遠位にある、請求項264に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項266】
第1の部分の外部直径がテーパー角を有し、および、第2の部分の外部直径が第1の部分の外部直径のテーパー角と等しいテーパー角を有する、請求項264に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項267】
皮膚の状態を処置する方法であって、
以下を含む、対象に医薬組成物を適用すること、
約0.013インチ未満の内径および約0.034インチ未満の外径を有する遠位開口部にあるテーパーチップを有するディスペンサーチップを有する、アプリケーターデバイスのチューブを圧搾すること;
医薬組成物をディスペンサーチップから対象の複数の皮膚病変に分配すること
を含む、前記方法。
【請求項268】
ディスペンサーチップが、内部表面および外部表面を備え、ここで、内部表面の少なくとも一部は第1のテーパー角でテーパーが付けられ、および、外部表面の少なくとも一部は第1のテーパー角とは異なる第2のテーパー角でテーパーが付けられている、請求項267に記載の方法。
【請求項269】
ディスペンサーチップが、第1の部分および第2の部分を備え、ここで、第1の部分はテーパリング内部直径を有し、および、第2の部分は一定の内部直径を有する、請求項267に記載の方法。
【請求項270】
第2の部分が第1の部分の遠位にある、請求項269に記載の方法。
【請求項271】
第1の部分の外部直径がテーパー角を有し、および、第2の部分の外部直径が第1の部分の外部直径のテーパー角と等しいテーパー角を有する、請求項269に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、35U.S.C.§119(e)に基づき、2017年6月15日に出願され、および「Devices and Methods for the Treatment of Cutaneous Disorders」と題された米国仮特許出願第62/520,504号の優先権を主張し、ならびに、35U.S.C.§119(e)に基づき、2018年1月9日に出願されおよび「Devices and Methods for the Treatment of Cutaneous Disorders」と題された米国特許仮出願第62/615,429号の優先権を主張し、本願明細書において、その各々はその全体において参照によって組み込まれる。
背景技術
体表面は様々な障害に影響され得る。例としては、多くの皮膚障害は、皮膚上に病変を生成する。これらの病変のうちいくつかは、皮膚上の表皮増殖の形態をとる。実例として、いぼは、ウイルス感染によって引き起こされる小さな表皮の皮膚増殖であり、しばしば手または足に見受けられる。いぼのもっとも最も一般的な種類は、尋常性疣贅と呼ばれるものであり、それはヒトパピローマウイルス(HPV)の複数の異なる株によって引き起こされ得る。体のほとんどの部分で、これらのいぼは、一般的ないぼと呼ばれるだろう;足においては、しかしながら、足底疣贅、または生殖器にある場合には性器疣贅もしくはコンジローマ(condoloma)と指されるだろう。伝染性軟属腫などの他の表皮のウイルス性疾患(viral condition)は、いぼと似ているが、別個のウイルスによって引き起こされるものである。これらのウイルス媒介の皮膚の増殖は、見苦しいものであり、がんへの変形についておよび蔓延について有意なリスクを提起するものであって、それらの除去を望ましいものとするであろう。他の表面の過剰増殖性障害は、いぼと似ているが、非ウイルス性メカニズムによって引き起こされており、脂漏性角化症、光線性角化症および汗孔角化症を含む。
【0002】
複数のモダリティが、いぼ、伝染性軟属腫、および他の皮膚疾患の除去のために使用されており、それには凍結療法;外科的掻爬術;レーザー処置;サリチル酸および酸化亜鉛などの刺激剤;硝酸およびスクアリン酸などの酸、イミキモド、2,4-ジニトロクロロベンゼンおよびカンジダ抗原などの免疫療法;およびブレオマイシン、ポドフィロトキシンおよび5-フルオロウラシルなどの化学療法剤を含む。これらの治療剤の多くは、痛みを伴うものであり得る一方で、他のものは、瘢痕を外観をそこなったまま残し得るか、および/または毎日の適用を必要とし得る。しかしながら、おそらくほとんどの心配事は、これらの皮膚障害の多くが、複数のフォローアップ処置の後でさえ、手に負えず残存することである。結果的に、改善された療法は、これらの状態を処置するために必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
本願明細書に記載されるものは、対象への組成物の局所投与のために組成物を分配するためのアプリケーターデバイスである。いくつかの態様において、組成物は、医薬組成物であってもよい。いくつかの態様において、アプリケーターデバイスは、対象へ局所的に組成物を投与することに使用されてもよい。アプリケーターデバイスは、これらに限定されないが、皮膚、粘液膜、曝露された軟組織または臓器、性器、陰茎、膣、肛門、爪、髪、鼻、目、耳、または唇、歯、舌、および歯茎を包含する口、を包含する様々な体表面へ局所的に組成物を投与してもよい。それらの体表面は、無傷であるか、すりむけているかまたは負傷しているか、あるいは傷または外科的曝露により曝露される。
【0004】
体表面の状態などの1以上の状態を処置するデバイス、方法、キットおよびシステムは、本願明細書に記載される。体表面の状態は、組成物の体上への局所投与を介して処置され得る、体の部分に影響している状態である。一側面に従うと、アプリケーターデバイスは、状態によって影響された体のあるエリアに組成物を分配するのに使用される。アプリケーターデバイスは、体の他のエリアに組成物をうつすことなしに制御可能な量の組成物を体の特定の場所へ送達するように構築および配置されていてもよい。
【0005】
一側面に従うと、アプリケーターデバイスは、アプリケーターデバイスと体表面との間の物理的な接触をつくることなしに、体表面に分配され得る液滴を産生することができる。結果として、組成物を投与するとき、使用者は、体表面とアプリケーターデバイスを接触させることを避けること(例として、物理的に体表面をかき乱すことを避けること、および/またはディスペンサーチップまたは医薬組成物を汚染することを避けること)ができ、および医薬組成物を投与するとき、ディスペンサーチップを所望される処置部位から少し離して保持し、医薬組成物が体表面の上に分配されることを可能にする。これは、組成物を投与するために体表面と接触しなければならないブラシアプリケーター(泡、布、またはファジー)またはロールオン式のヘッドを有するアプリケーターデバイスと対照的である。このディスペンサーチップの別の側面は、表面エリアおよび溶液の空気への曝露の時間を最小化し、溶媒の喪失の量を低減させ、それによって他のアプリケーターチップと比較して体表面へ適用された溶液の濃度を維持してもよいことである。
【0006】
本開示の別の側面は、局所的に状態を処置する、医薬組成物を分配するためのアプリケーターデバイスを提供する。アプリケーターデバイスは、チューブ、チューブ内に位置されたアンプル、アンプル内に含有される医薬組成物、チューブへ取り付けられたディスペンサーチップ、テーパーチップを有するディスペンサーチップ、およびディスペンサーチップのテーパーチップ内に位置するフィルターを備えていてもよい。フィルターは、液体の通過および少なくとも150μmの粒子サイズを有する割られたアンプル破片の通過を妨げるように構築および配置されてもよい。
【0007】
本開示の別の側面は、局所的に状態を処置する、医薬組成物を分配するためのアプリケーターデバイスを提供する。アプリケーターデバイスは、以下を備えていてもよい:チューブ、チューブ内に含有される医薬組成物、チューブに連結されたディスペンサーチップ、およびディスペンサーチップを受け取るための開口部を有するキャップ。キャップは、ディスペンサーチップの少なくとも一部が開口部を通じて通過する閉位置を有してもよい。キャップは、ディスペンサーチップへ連結され、およびディスペンサーチップの少なくとも一部の上に位置してもよい。キャップが閉位置にあるとき、ディスペンサーチップの通気は、キャップの開口部を通じて可能になる。いくつかの態様において、アプリケーターデバイスは、アンプルを備え、および医薬組成物は、アンプル内に含有される。
【0008】
本開示の別の側面は、対象への医薬組成物の局所投与の方法を提供する。方法は、以下を含んでもよい:キャップがアプリケーターデバイスのディスペンサーチップの少なくとも一部を覆う閉位置にある間にアプリケーターデバイスのチューブを圧搾してチューブ内のアンプルを割り、アンプル内に含有される医薬組成物を放出すること、ディスペンサーチップを対象に向けて動かすこと、および医薬組成物をディスペンサーチップから対象に分配すること。
【0009】
本開示の別の側面は、局所的に状態を処置する、医薬組成物を分配するためのキットを提供する。キットは、複数のアプリケーターデバイスを含んでいてもよい。各アプリケーターデバイスは、以下を備えていてもよい:チューブ、チューブ内に位置するアンプル、アンプル内に含有される医薬組成物、チューブに取り付けられたディスペンサーチップ、テーパーチップを有するディスペンサーチップ、およびディスペンサーチップのテーパーチップ内に位置するフィルター、ここでフィルターは流体の通過を可能にし、および少なくとも150μmの粒子サイズを有する割られたアンプル破片の通過を妨げるように構築および配置されている。キットはまた、使用のための指示も含んでいてよい。いくつかの態様において、キットは、アプリケーターおよび/または薬物を光や湿気から保護する外部パッケージ、アプリケーターを開くための補助および/または販促材料を包含してもよい。医薬組成物は、カンタリジン、アセトン、エタノール、可塑剤、および皮膜形成剤を包含していてもよい。
【0010】
本開示の別の側面は、これらに限定されないが、皮膚、目、耳、口、鼻、膣、または肛門などの、影響を与えられた体表面エリアを有する対象を処置する方法を提供する。方法は、アプリケーターデバイスのチューブを圧搾して、キャップがアプリケーターデバイスのディスペンサーチップの少なくとも一部を覆う閉位置にある間に、チューブの中のアンプルを割り、アンプル内に含有される医薬組成物を放出することを包含し得る。方法はまた、ディスペンサーチップを対象の影響を与えられた体表面エリアに向けて移動すること、およびディスペンサーチップから医薬組成物を影響される体表面エリア上に分配することも包含し得る。
【0011】
一側面に従うと、患者は、3週間プラスまたはマイナス4日ごとに1回の処置(すなわち17~25日ごとに1回の処置)を受ける:第1の処置は、0週目においてであり、第2の処置は3週目においてであり、第3の処置は6週目においてであり、および第4の処置は9週目においてである。
【0012】
本開示の一側面は、皮膚科学的な状態を処置する方法を提供する。方法は、医薬組成物を対象へ適用することを含み、それは以下を含んでもよい:アプリケーターデバイスのチューブを圧搾して、チューブ内のアンプルを割り、アンプル内に含有される医薬組成物を放出すること、および医薬組成物を、ディスペンサーチップから対象の複数の皮膚病変に分配すること。方法は、医薬組成物を17~25日ごとに一度、適用するステップを4回行うことを含み得、ここで医薬組成物は、カンタリジン、アセトン、エタノール、可塑剤、および皮膜形成剤を含む。
【0013】
本開示の別の側面は、皮膚科学的な状態を処置する方法を提供する。方法は、医薬組成物をアプリケーターデバイスから皮膚病変に分配することによって、対象の複数の皮膚病変を処置することを包含してもよく、ここで医薬組成物は、カンタリジンおよび1以上の賦形剤を含み、およびここでアプリケーターデバイスを用いて皮膚病変を処置することは、同じ時間内にスティックアプリケーターを用いて皮膚病変を処置することよりも多くの皮膚病変を除去する。
【0014】
本開示の別の側面は、皮膚科学的な状態を処置する方法を提供する。方法は、医薬組成物をアプリケーターデバイスから皮膚病変に分配することによって、対象の複数の皮膚病変を処置することを含んでもよい。医薬組成物は、カンタリジンおよび1以上の賦形剤を含んでいてもよい。アプリケーターデバイスを用いて皮膚病変を処置することは、同じ時間内にスティックアプリケーターを用いて皮膚病変を処置するよりも多くの皮膚病変を除去するだろう。
【0015】
本開示の別の側面は、対象への医薬組成物の局所投与のために医薬組成物を分配するためのアプリケーターデバイスを提供する。デバイスは、チューブ、チューブ内に含有される医薬組成物、チューブに取り付けられたディスペンサーチップを備えていてもよい。ディスペンサーチップは、約0.013インチ未満の内径および約0.034インチ未満の外径を有する遠位開口部で終わるテーパーチップを有してもよい。
【0016】
本開示の別の側面は、皮膚科学的な状態を処置する方法を提供する。方法は、医薬組成物を対象に適用することを包含してもよく、それはアプリケーターデバイスのチューブを圧搾することを包含してもよい。アプリケーターデバイスは、遠位開口部において約0.013インチ未満の内径および約0.034インチ未満の外径を有するテーパーチップを有するディスペンサーチップを有してもよい。方法はまた、医薬組成物をディスペンサーチップから対象の複数の皮膚病変に分配することも包含してもよい。
【0017】
本発明の他の利点および新規の特色は、付随する図と合わせて考えられたとき、本発明の様々な非限定的な態様の以下の詳細な記載から明らかになるだろう。本願明細書および文書が、相反するおよび/または不一致な開示を包含する参照によって組み込まれるケースにおいて、本願明細書が制御するべきである。
【0018】
本発明の非限定的な態様は、概略図であり、および一定の縮尺で描かれることを意図されておらず、付随する図に関連する例として記載される。図において、各同一のまたは図解付きのほぼ同一の構成要素は、典型的には単一の数字によって表される。明確さの目的のために、すべての図においてすべての構成要素がラベル付けされるわけではなく、または図解が、当業者が本発明を理解することを可能にするために必要ではない場合には、本発明の各態様のすべての構成要素が示されるわけでもないここで。図において:
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明のいくつかの側面によるアプリケーターデバイスの斜視図である。
【0020】
図2図2は、図1のアプリケーターデバイスの分解立体図である。
【0021】
図3図3は、図1のアプリケーターデバイスの側面図である。
【0022】
図4図4は、図3のライン4-4に沿ってとられた図3のアプリケーターデバイスの断面図である。
【0023】
図5図5は、本発明のいくつかの側面によるアプリケーターデバイスのディスペンサーチップの斜視図である。
【0024】
図6図6は、本願明細書に記載のアプリケーターデバイスのディスペンサーチップの側面図である。
【0025】
図7図7は、図6のライン7-7に沿ってとられた図6のディスペンサーチップの断面図である。
【0026】
図8図8は、図7のディスペンサーチップの囲まれた領域8の詳細図である。
【0027】
図9図9は、図7のディスペンサーチップの囲まれた領域9の詳細図である。
【0028】
図10図10は、本発明のいくつかの側面によるアプリケーターデバイスのフィルターの斜視図である。
【0029】
図10Bは、図10Aのフィルターの側面図である。
【0030】
図10Cは、図10Aのフィルターの平面図である。
【0031】
図11図11は、本発明のいくつかの側面によるアプリケーターデバイスのキャップの斜視図である。
【0032】
図12図12は、図11のキャップの側面図である。
【0033】
図13図13は、図11のキャップの底面図である。
【0034】
図14図14は、図13のライン14-14に沿ってとられた図13のキャップの断面図である。
【0035】
図15図15は、複数の通気口を有するアプリケーターデバイスのディスペンサーチップの斜視図である。
【0036】
図16図16は、図15のディスペンサーチップの側面図である。
【0037】
図17図17は、図15のディスペンサーチップの平面図である。
【0038】
図18図18は、図15のディスペンサーチップの側面図である。
【0039】
図19図19は、図18のライン19-19に沿ってとられた図18のディスペンサーチップの断面図である。
【0040】
図20図20は、図19のディスペンサーチップの囲まれた領域20の詳細図である。
【0041】
図21図21は、図19のディスペンサーチップの囲まれた領域21の詳細図である。
【0042】
図22図22は、本願明細書に記載のデバイスアプリケーターを使用して医薬組成物を適用することが、従来のウッドスティックアプリケーターを使用するときと比較して、より多くの皮膚病変除去をもたらしたことを示すグラフである。
【0043】
図23図23は、本願明細書に記載のデバイスアプリケーターを使用し、医薬組成物を適用することが、従来のウッドスティックアプリケーターを使用するときと比較して、より多くの皮膚病変除去をもたらしたことを示すグラフである。
【0044】
図24図24は、本願明細書に記載のデバイスアプリケーターを使用し、医薬組成物を適用することが、従来のウッドスティックアプリケーターを使用するときと比較して、より多くの皮膚病変除去をもたらしたことを示すグラフである。
【0045】
図25図25は、本願明細書に記載のデバイスアプリケーターを使用し、医薬組成物を適用することが、従来のウッドスティックアプリケーターを使用するときと比較して、より多くの皮膚病変除去をもたらしたことを示すグラフである。
【0046】
図26図26は、本願明細書に記載のデバイスアプリケーターを使用し、医薬組成物を適用することが、従来のウッドスティックアプリケーターを使用するときと比較して、より多くの皮膚病変除去をもたらしたことを示すグラフである。
【0047】
図27図27は、本願明細書に記載のデバイスアプリケーターを使用し、医薬組成物を適用することが、従来のウッドスティックアプリケーターを使用するときと比較して、より多くの皮膚病変除去をもたらしたことを示すグラフである。
【0048】
図28図28は、本願明細書に記載のデバイスアプリケーターを使用し、医薬組成物を適用することが、従来のウッドスティックアプリケーターを使用するときと比較して、より多くの皮膚病変除去をもたらしたことを示すグラフである。
【0049】
図29図29は、本願明細書に記載のデバイスアプリケーターを使用し、医薬組成物を適用することが、従来のウッドスティックアプリケーターを使用するときと比較して、より多くの皮膚病変除去をもたらしたことを示すグラフである。
【0050】
詳細な記載
1組の態様において、組成物を分配するのに使用されるアプリケーターデバイスが提供される。アプリケーターデバイスは、対象の体表面に組成物を局所的に投与することに使用されてもよい。図1は、チューブ50およびキャップ10を有するアプリケーターデバイス1の実例となる態様を描写する。図2は、アプリケーターデバイス1の分解立体図を描写する。いくつかの態様において、アプリケーターデバイス1は、医薬組成物を保持するためのリザーバ40(例として、アンプル)を備える。いくつかの態様において、アプリケーターデバイス1は、ディスペンサーチップ20およびフィルター30を備える。図3は、アプリケーターデバイス1の側面図を描写し、および図4は、図3のライン4-4に沿ってとられた図3のアプリケーターデバイスの断面図である。いくつかの態様において、アプリケーターデバイスは、体表面への組成物の局所投与のためのいかなる好適な組成物をも送達するのに使用されてもよい。
【0051】
いくつかの態様に従ってアプリケーターデバイス1の構成要素の各相対位置は、図4において見られ得る。いくつかの態様において、アンプル40は、チューブ50内に位置する。いくつかの態様において、フィルター30は、ディスペンサーチップ20内に位置する。いくつかの態様において、キャップ10は、キャップ10がディスペンサーチップの遠位開口部を覆う閉位置を有する。いくつかの態様において、閉位置において、キャップは、ディスペンサーチップ20へ取り外し可能に連結される。
【0052】
いくつかの態様において、医薬組成物は、アンプル40内に保管される。アンプル40は、医薬組成物、とりわけ活性成分の周囲空気への曝露を妨げるためにシールされた槽として構築および配置されてもよく、それは医薬組成物および/または活性成分の安定性を保つことを助けるだろう。いくつかの態様において、アンプルは、ガラスで作られている。いくつかの態様において、アンプルは、プラスティックで作られている。
【0053】
いくつかの態様に従って、使用において、使用者は、チューブ50を圧搾することによって、それは、アンプル40が割れることを引き起こし、アンプルの内部からの医薬組成物の放出をもたらすことによって医薬組成物の放出を始めてもよい。いくつかの態様において、使用者は、チューブの周りの板紙または段ボール紙スリーブもしくは他のアンプル破砕デバイスを圧搾することによって、チューブを圧搾してアンプルを割る。アンプルから放出される組成物に伴って、医薬組成物は、割られたアンプルからディスペンサーチップ20に向けて流れ出る。いくつかの態様において、チューブを圧搾することは、組成物がディスペンサーチップ20の外へ組成物が流れ出ることを引き起こしてもよい。フィルター30は、医薬組成物の通過を可能にするように構築および配置されてもよく、一方、割られたアンプルからの破片の通過を妨げる。
【0054】
いくつかの態様において、使用者は、医薬組成物の放出を始めるとき(例として、チューブ50を圧搾して、アンプル40を割るとき)、キャップ10を閉位置にとどめておいてもよい。いくつかの態様において、アンプルが割られている間にキャップ10をつけたままにすることは、ディスペンサーチップからの医薬組成物の早すぎる分配を避けるために役立つだろう。他の態様において、しかしながら、使用者は、キャップ10を外して医薬組成物の放出を始めてもよい。いくつかの態様において、ユニットは、アンプルが割られたときに、上向き、下向き、または斜めに向いていることがあり得る。
【0055】
いくつかの態様において、使用者(例として、医療専門家)が対象へ医薬組成物を投与する準備ができているとき、使用者は、キャップ10を除去し、ディスペンサーチップ20の遠位開口部を曝露する。使用者は、次いで対象の体表面上の所望される処置部位に向けてディスペンサーチップ20を移動する。いくつかの態様において、ディスペンサーチップは、使用者がある量の医薬組成物がディスペンサーチップから外へ放出されることを引き起こすのに充分な量のチューブ内圧力を作り出すために、チューブ上に閾値の力を及ぼさなければならない(例として、チューブを圧搾する)ように構築および配置されている。いくつかの態様において、空気は、医薬組成物の前に排出され、内部真空の発生をもたらしてもよい。いくつかの態様において、重力単独で、医薬組成物をディスペンサーチップから外へ、および対象の体表面に流れ出させるのに充分である。
【0056】
いくつかの態様において、チューブに加えた力の休止(例として、使用者がチューブを圧搾することを止める)は、医薬組成物をディスペンサーチップの中へ引き戻させてもよい。いくつかの態様において、医薬組成物のディスペンサーチップの中へ戻るこの動きは、圧搾された状態にあるときの最初の体積から、圧搾しているケースで、チューブがその元のストレスのない形状へと逆戻りすることが可能となるときのより大きな体積への、チューブ50の内部体積の膨張によって生じるチューブ50内部の真空の発生によって引き起こされてもよい。いくつかの態様において、医薬組成物のディスペンサーチップの中へ戻るこの動きは、ディスペンサーチップの幾何学性によって引き起こされるか、または容易にされてもよく、それは後の節において議論されるだろう。
【0057】
いくつかの態様において、アプリケーターデバイスは、アプリケーターデバイスと体表面の間に物理的な接触を作ることなしに液滴を生成することができる。
【0058】
他の態様において、しかしながら、使用者は、医薬組成物の投与の間、体表面とディスペンサーチップの遠位端を接触してもよい。
【0059】
いくつかの態様において、使用者は、綿棒スティックアプリケーター、棒、つまようじ、キャピラリーチューブ、綿球、またはいかなる他の好適なアプリケーターなどの仲介アプリケーターにアプリケーターデバイスからの医薬組成物のある量を分配し、それは次いで医薬組成物を処置部位へ適用することに使用される。
【0060】
いくつかの態様において、アプリケーターデバイスは、ディスペンサーチップを有してもよい。いくつかの態様において、ディスペンサーチップは、チューブとは別個の構成要素である。いくつかの態様において、ディスペンサーチップは、ディスペンサーチップとチューブが1つの一体となった構成要素を形成するように、チューブと共に一体的に形成される。いくつかの態様において、ディスペンサーチップは、それを通じて医薬組成物が流れ出るテーパーチップを備える。ディスペンサーチップは、それを通じて医薬組成物がアプリケーターデバイスを出る遠位開口部を有していてもよい。
【0061】
ディスペンサーチップの1つの実例となる態様は、図5において示される。ディスペンサーチップ20は、テーパーチップ22を備えていてもよく、それは開口部23を備えていてもよい。いくつかの態様において、開口部23は、テーパーチップ22の遠位端にある。
【0062】
図6~9は、ディスペンサーチップの1つの実例となる態様についての寸法(距離についてはインチおよび角度については度で示される)を提供する。かかる寸法が実例として提供されること、およびアプリケーターデバイスが図6~9において示されるものと異なる寸法を有するディスペンサーチップを包含してもよいことが、正しく理解されるべきである。
【0063】
いくつかの態様において、開口部23は、約0.01インチ~約0.1インチ、約0.015インチ~約0.09インチ、約0.0175インチ~約0.05インチ、約0.02インチ~約0.04インチ、約0.025インチ~約0.035インチ、約0.028インチ~約0.032インチ、または約0.032インチの外部直径を有する。いくつかの態様において、開口部23は、約0.001インチ~約0.1インチ、約0.005~約0.05インチ、約0.0075~約0.05インチ、約0.01インチ~約0.03インチ、または約0.012インチの内部直径を有する。
【0064】
本発明の一側面に従うと、いくつかの態様において、ディスペンサーチップは、外部表面および内部表面を有してもよいテーパーチップを備える。アプリケーターデバイスからの医薬組成物は、ディスペンサーチップの内部表面を通じて流れ出し、および内部表面に接触してもよい。内部および/または外部表面は、ディスペンサーチップの近位端から遠位端へ移動する方向にてテーパー(すなわち、サイズにおける減少)が付けてもよい。いくつかの態様において、外部表面のテーパーの角度は、内部表面のテーパーの角度と異なっていてもよい。いくつかの態様において、外部表面のテーパー角は、テーパーチップの長さにわたって変化する。いくつかの態様において、内部表面のテーパー角は、テーパーチップの長さにわたって変化する。いくつかの態様において、テーパーチップの外部表面の第1部分は、第1のテーパー角を有してもよく、および外部表面の第2部分は、第2の、異なるテーパー角を有していてもよい。いくつかの態様において、テーパーチップの内部表面の第1部分は、第1のテーパー角を有してもよく、および内部表面の第2部分は、第2の、異なるテーパー角を有していてもよい。いくつかの態様において、第2のテーパー角は、第1のテーパー角よりも小さい。いくつかの態様において、内部および/または外部表面は、テーパーが付けられている部分、およびテーパーが付けられていない部分を有する。
【0065】
図7のディスペンサーチップの囲まれた領域9の詳細図を描写する図9において示される1つの実例となる態様において、テーパーチップ22は、外部表面24および内部表面26を有する。内部表面26は、テーパーが付けられた第1の部分27有し、およびまっすぐであるか、または第1の部分のものから異なるテーパー角を有する第2の部分29を有する。いくつかの態様において、第2の部分は、第1の部分よりも小さいテーパー角を有してもよい。図9の態様においてもまた見られるように、外部表面24のテーパー角は、内部表面26の第1の部分27のテーパー角と異なる。
【0066】
いくつかの態様において、ディスペンサーチップの内部表面は、約1~約5度、約2~約4度、約2.5~約3.5度、約2.5~約4度、約2.5~約4.5度、約2.5~約5度、約2.5~約5.5度、または約3.00度のテーパー角を有する。
【0067】
いくつかの態様において、ディスペンサーチップの外部表面は、約1~約10度、約2~約9度、約2.5~約5.5度、約2.5~約7度、約3~約8度、約4~約7度、約4.5~約5.5度、約4.7度~約5度、または約4.80度のテーパー角を有する。
【0068】
テーパーチップは、図6、8、および9において示されるように、縦軸Lを有してもよい。テーパーチップは、縦軸Lのまわりに回転対称であってもよい。
【0069】
テーパーチップは、約0.1~約2インチ、約0.3~約1.7インチ、約0.5インチ~約1.5インチ、約0.7インチ~約1.4インチ、約0.8インチ~約1.3インチ、約0.9インチ~約1.3インチ、約1.1~約1.3インチ、または約1.1インチ~約1.2インチの縦軸Lに沿った長さを有していてもよい。
【0070】
いくつかの態様において、チップの遠位部分でディスペンサーチップの内部表面は、内部表面の他の部分と比較して減少したテーパーを有するか、またはテーパーなしのまっすぐな壁に囲われた流路である。いくつかの態様において、まっすぐな壁に囲われた流路を有するチップの遠位部分は、約0.01~約0.1インチ長、約0.01~約0.05インチ長、約0.02~約0.04インチ長、約0.025~約0.035インチ長、または約0.029インチ長であるディスペンサーチップの縦軸Lに沿う距離に広がる。
【0071】
本発明の一側面に従うと、テーパーチップのサイズおよび形状は、皮膚の所望されるエリアへの組成物の液滴の分配を制御することに役に立つ。いくつかの態様において、テーパーチップは、サイズで約0.1mm~約10mm、約0.5mm~約9mm、約0.7mm~約6mm、または約1mm~約4mmのサイズを有する組成物の液滴を生成する。アプリケーターチップによって生成された液滴の制御されたサイズは、分配された組成物を皮膚の小さなエリア内に保つこと、および皮膚の不要なエリアへの組成物の分配を避けること、例として、皮膚の状態によって影響を与えられている皮膚のエリアのみに処置を限定すること、に役立つだろう。
【0072】
いくつかの態様において、アプリケーターデバイスによって投与される組成物の各液滴の体積は、少なくとも1uL、少なくとも2uL、少なくとも3uL、少なくとも4uL、少なくとも5uL、少なくとも6uL、少なくとも7uL、少なくとも8uL、少なくとも9uL、少なくとも10uL、少なくとも15uL、少なくとも20uL、少なくとも30uL、少なくとも50uL、少なくとも100uL、少なくとも200uL、少なくとも300uL、少なくとも500uL、少なくとも800uL、少なくとも900uL、少なくとも1mL、または少なくとも5mLであってもよい。いくつかの態様において、アプリケーターデバイスによって投与される各液滴の体積は、5mL未満、1mL未満、900uL未満、800uL未満、700uL未満、600uL未満、500uL未満、400uL未満、300uL未満、200uL未満、100uL未満、90uL未満、80uL未満、70uL未満、60uL未満、50uL未満、45uL未満、40uL未満、35uL未満、30uL未満、25uL未満、20uL未満、15uL未満、12uL未満、10uL未満、9uL未満、8uL未満、7uL未満、6uL未満、または5uL未満である。上に参照される範囲のすべての組み合わせは、可能である。例えば、アプリケーターデバイスによって投与される各液滴の体積は、約1uL~約5mL、または約2uL~約1mL、または約3uL~約900uL、または約4uL~約900uL、または約5uL~約500uL、または約5uL~約400uL、または約5uL~約200uL、または約5uL~約100uL、または約5uL~約50uL、または約5uL~約20uL、または約5uL~約10uLであってもよい。
【0073】
ディスペンサーチップは、複数の液滴、例として、5個、10個、20個、30個、40個、50個、60個またはより多くの液滴を送達し得るだろう。
【0074】
いくつかの態様において、アプリケーターデバイスは、医薬組成物がデバイス側面からデバイスを保持する使用者の手に滑り落ちることを予防することを補助するドリップガードを備える。いくつかの態様において、ドリップガードは、医薬組成物をとらえるためのくぼみを有する堀の形態であってもよい。いくつかの態様において、ドリップガードは、ディスペンサーチップのテーパーチップの少なくとも一部を囲む。
【0075】
図5~8において見られるように、ディスペンサーチップ20は、テーパーチップ22の側面を流れ落ちる1以上の液滴を受け取るための環上くぼみ36を形成する環状リングの形態でドリップガード26を備える。くぼみは、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個または少なくとも5個の液滴、またはいかなる他の好適な数の液滴を保持するようなサイズに合わせて作らてもよい。
【0076】
図5および7において見られるように、ディスペンサードリップガード26は、テーパーチップ22の近位部位を囲む。
【0077】
いくつかの態様において、ドリップガードは、ディスペンサーチップの最大外部直径を定義する。例えば図7において見られるように、ドリップガード26の直径は、ディスペンサーチップ20の最大直径である。
【0078】
いくつかの態様において、ドリップガードは、約0.1~約1インチ、約0.15~約0.8インチ、約0.2~約0.6インチ、約0.3~約0.5インチ、約0.3~約0.45インチ、または約0.404インチの直径を有する。
【0079】
いくつかの態様において、アプリケーターデバイスは、アンプルにおける濃度と同じ濃度で材料を常に送達する能力を可能にし、皮膚と接触の時点において、送達された材料は、約0.7%w/vの濃度を有する。
【0080】
いくつかの態様において、ディスペンサーチップ20は、チューブ50とつなぎ合わせてもよい取り付け部分28を備える。いくつかの態様において、取り付け部分28は、チューブ50に取り付けられている。例えば、図4において示されるように、取り付け部分28の少なくとも一部は、チューブ50の少なくとも一部に接触してもよい。ディスペンサーチップ20とチューブ50は、粘着、溶接、超音波溶接、UV接着剤、締まりばめ、機械的インターロック、螺合、スナップ嵌合、ファスナー、またはいかなる他の好適な配置を介して、相互に取り付けられてもよい。1以上の仲介する構成要素は、チューブへディスペンサーチップを取り付けるために使用されてもよい。いくつかの態様において、ディスペンサーチップ20とチューブ50は、相互に取り付けられ、気密シールを形成する。
【0081】
チップは、プラスティックまたは熱可塑性物質などの、ポリマー材料で作られてもよい。いくつかの態様において、チップは、ポリプロピレンホモポリマーで作成される。いくつかの態様において、チップは、透明のまたは半透明の材料で作成される。透明のまたは半透明の材料は、投与の間、使用者が投与の間チップを通して流れ出る組成物を見ることを可能とするだろう。いくつかの態様において、組成物は、使用者がチップを通じて流れ出る組成物を見ることに役立つために色を付けられている。チューブ、アンプル、およびキャップなどの、アプリケーターデバイスの他の部分もまた、透明または半透明であってもよい。
【0082】
いくつかの態様において、アプリケーターデバイスは、医薬組成物の通過を可能にし、および割られたアンプル破片の通過を妨げるフィルターを備える。
【0083】
フィルターは、凝集物、粒子、材料の断片またはそのようなものを、濾して取り除いてもよい。これらの凝集物、粒子、または材料の断片は、これらに限定されないが、ガラス粒子、プラスティック粒子、液剤の製剤からの沈殿物または他の凝集物である。
【0084】
フィルターは、1以上の穴をもつプラスティックから作成され得、または代わりにメッシュ材料であり得る。フィルターは、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、coPETまたは他のポリマーまたはファイバーベース材料で作成され得る。
【0085】
いくつかの態様において、フィルターは、シリンダーの形状、直角プリズム、立方体、または他の好適な形状を有する。
【0086】
いくつかの態様において、フィルターは、ある外部直径およびある長さを有するシリンダーである。いくつかの態様において、フィルターは、約0.05インチ~約0.5インチ、0.1インチ~約0.3インチ、0.12インチ~約0.14インチ、または約0.135インチの外部直径を有してもよい。いくつかの態様において、フィルターは、約0.1インチ~約0.3インチ、0.12インチ~約0.18インチ、0.13インチ~約0.17インチ、0.14インチ~約0.15インチ、または約0.147インチ、または約0.169インチの長さを有していてもよい。
【0087】
いくつかの態様において、フィルターは、立方インチ当たり約2グラムより大きいまたは等しい、立方インチ当たり約2.5グラム以上、立方インチ当たり約3グラム以上の密度を有する。いくつかの態様において、フィルターは、立方インチ当たり約5グラム未満、立方インチ当たり約4グラム未満、または立方インチ当たり約3.5グラム未満の密度を有する。いくつかの態様において、フィルターは、立方インチ当たり約2~約4グラムの密度を有してもよく、または立方インチ当たり約2.5~約3.5グラム、または立方インチ当たり約3グラムを有してもよい。
【0088】
図10A、10Bおよび10Cにおいて示される実例において、フィルター30は、約0.147インチの長さおよび約0.135インチの直径を有するシリンダーの形状である。代わりの態様において、フィルターは、約0.169インチの長さおよび約0.135インチの直径を有するシリンダーの形状である。
【0089】
いくつかの態様において、フィルターは、30~100cpsの粘度を有する流体の通過を可能にするように構築および配置される。いくつかの態様において、フィルターは、少なくとも20μm、少なくとも50μm、少なくとも100μm、少なくとも120μm、少なくとも130μm、少なくとも140μm、少なくとも150μm、少なくとも200μm、少なくとも250μm、少なくとも300μm、または少なくとも400μmの粒子サイズを有する割られたアンプル破片の通過を予防するように構築および配置される。いくつかの態様において、フィルターは、1mm未満、800μm未満、700μm未満、500μm未満、400μm未満、300μm未満、200μm未満、または100μm未満の粒子サイズを有する割られたアンプル破片の通過を妨げるように構築および配置される。いくつかの態様において、フィルターは、約20μm~約1mmの、約30μm~約800μmの、約50μm~約500μmの、約100μm~約300μmの、約100μm~約200μmの、または約120μm~約170μmの粒子サイズを有する割られたアンプル破片の通過を妨げるように構築および配置される。
【0090】
本願明細書に使用されるとき、粒子の「粒子サイズ」は、粒子の最も大きな寸法を指す。例えば、粒子の最も長い寸法が200μmであるが、粒子がまた20μmのみの幅を有し、および30μmのみの深さを有する場合に、かかる粒子の粒子サイズは、その最も長い寸法を考えられ、それは200μmである。
【0091】
ある粒子サイズの粒子を妨げることにおけるフィルターの性能は、2017年6月15日現在のUnited States Pharmacopoeia (USP) Chapter (788) 「Particular Matter in injections」に従って、試験され得る。
【0092】
いくつかの態様において、組成物がフィルターを通じて流れ出るため、フィルターは、35μLよりも多くの体積の医薬組成物を吸収することを避けるように構築および配置されている。
【0093】
本発明の一側面に従うと、いくつかの態様において、フィルターは、アプリケーターデバイスのディスペンサーチップ内に位置する。いくつかの態様において、ディスペンサーチップは、テーパーチップを有し、およびフィルターは、テーパーチップの壁面内に位置する。いくつかの態様において、フィルターは、フィルターとテーパーチップの内部表面との間の締まりばめを介して、テーパーチップ内に保持される。
【0094】
図4において示される、1つの実例において、フィルター30は、ディスペンサーチップ20のテーパーチップ22の壁内に位置する。
【0095】
いくつかの態様において、フィルターの遠位端は、フィルターの近位端よりも圧縮されている。これは、チップを通じて通過する材料(例として、医薬組成物および破片)がまた、フィルターのまわりというよりもフィルターを通じて通過することを確実にすることに役立つだろう。
【0096】
いくつかの態様において、ディスペンサーチップは、フィルターを受け取るための凹部を備える。
【0097】
図7および8において示される態様において、ディスペンサーチップ20は、フィルター30を受け取るようなサイズおよび形状で作られた凹部37を包含する。凹部は、凹部の遠位および近位側面上の狭まっている流路によって隣接され、凹部37内に位置するフィルターを保つことに役立ってもよい。例えば、図7において見られるように、凹部37の遠位端にある流路部分47は、凹部37の物よりも小さい直径を有し、および凹部37の近位端にある流路部分57は、凹部37のそれよりも小さい直径を有する。
【0098】
いくつかの態様において、アプリケーターデバイスは、キャップを有する。本発明の一側面に従うと、キャップは、ディスペンサーチップが損傷されることから保護するために使用される。いくつかの態様において、キャップは、閉位置にあるときにはシールを実際に作らないが、しかしその代わり、キャップを通じて、例として、キャップ内の貫通孔の開口部を通じて、またはディスペンサーチップとキャップとの間の開口部を通じて、ディスペンサーチップの通気を可能にする。いくつかの態様において、ディスペンサーチップの通気流路は、キャップからディスペンサーチップの通気を許容する。いくつかの態様において、所望されない医薬組成物は、患者または別の格納デバイスにというよりはキャップの中へ制御可能に分配され得る。
【0099】
いくつかの態様において、キャップは、1以上の他のアプリケーターデバイス構成要素の少なくとも一部を受け取る開口部を有する。キャップの開口部は、閉位置にあるとき、1以上の他のアプリケーターデバイス構成要素の少なくとも一部へ除去可能に連結されてもよい。例えば、いくつかの態様において、キャップは、閉位置にあるときディスペンサーチップの少なくとも一部を受け取ってもよく、およびディスペンサーチップへ連結されてもよい。いくつかの態様において、キャップは、閉位置にあるとき、少なくともチューブの一部を受け取り、およびチューブへ連結される。
【0100】
図4において示される実例となる態様において、キャップ10は、キャップが閉位置にあるとき、ディスペンサーチップ20の一部を受け取る開口部を有し、およびディスペンサーチップ20へ連結される。開口部11は、図11において見るだろう。キャップは、キャップがアプリケーターデバイスの別の構成要素へ連結されることを可能にするだろうという特色を有していてもよい。本発明の一側面に従うと、キャップは、キャップが連結されている構成要素に対するシールを作ることなしに、キャップがアプリケーターデバイスの別の構成要素へ連結することを可能にするという連結の特色を有していてもよい。言い換えれば、いくつかの態様において、連結の特色は、キャップを通じて、例として、キャップが閉位置にあるときに、ディスペンサーチップ内の通気流路を通じて、ディスペンサーチップの通気を可能にする。
【0101】
1つの実例となる態様において、キャップの連結の特色は、キャップ内部内に位置する1以上のリブを含む。そのリブは、キャップの内側表面から半径方向内向きに突き出てもよい。アプリケーターデバイスの別の構成要素がキャップの開口部の中へ挿入されているとき、リブは、構成要素の表面に対して接触してもよい。リブは、リブの間の排除の量がキャップの中へ受け取られる構成要素の部分によって占領されるエリアよりも小さくてもよい。結果として、リブは、構成要素の表面に半径方向内向きに押してもよく、およびキャップは、締まりばめを介して構成要素に連結されてもよい。
【0102】
図4、11、および13おいて示される実例となる態様において、アプリケーターデバイスは、複数のリブ15を備えるキャップ10を有する。図13において最良に見られるように、リブ15は、相互に均等に間隔をあけられてもよい。この実例となる態様が3つのリブを使用する一方、2、3、4、5、6、7または8本のリブなどのいかなる好適な数のリブが使用されてもよいことが、正しく理解されるべきである。
【0103】
図4において最良に見られるように、キャップ10は、ディスペンサーチップ20の部分と連動する。ディスペンサーチップがキャップ内に受け取られるとき、リブ15は、ディスペンサーチップの外部表面を押し付けて、キャップとディスペンサーチップを連結してもよい。キャップは、最大の直径を有するディスペンサーチップの一部と連動してもよい。いくつかの態様において、キャップは、ディスペンサーチップのドリップガード26と連動する。リブ15は、ドリップガード26の外部表面に押し付けてもよい。
【0104】
いくつかの態様において、リブがディスペンサーチップ20の部分に対して締まりばめを作るものの、リブは、キャップとディスペンサーチップとの間のシールを作らない。いくつかの態様において、リブは、超音波溶接を介してチューブへ融合されてもよい。
【0105】
他の連結の配置が使用されてもよいことが、正しく理解されるべきである。例えば、連結の特色は、機械的インターロックを介して、螺合、またはいかなる他の好適な連結配置を介して作動してもよい。
【0106】
いくつかの態様において、ディスペンサーチップと連動することに加えてまたはその代わりに、キャップは、閉位置にあるときチューブと連動してもよい。例えば、キャップは、チューブの外部表面に押し付け、対応するスレッド等を介してチューブとつながってもよい。
【0107】
本発明の一側面に従うと、キャップは、アプリケーターデバイスの別の構成要素を受け取る開口部からの通気を可能にする。いくつかの態様において、キャップは、ただ1つの開口部を有し、および通気のための開口部のほかに他の穴をもたない。かかる態様において、キャップは、開口部のほかに穴をもたない、連続する、途切れていない外部表面を有する。他の態様において、開口部に加えて、キャップは、通気のための1以上の穴を有してもよい。
【0108】
いくつかの態様において、期間の後、医薬組成物の少なくとも一部(例として、遠位開口部に向けて位置するディスペンサーチップ内の医薬組成物の一部)は、硬化してシールを作り、セルフシール効果を可能にしてもよく、および医薬組成物がディスペンサーチップの外へ流れ出ることを防いでもよく、および/または大気空気への医薬組成物の曝露を防いでもよい。いくつかの態様において、セルフシール効果は、医薬組成物からの溶媒(例として、水またはアルコール)の蒸発によって引き起こされてもよく、それは固体を後に残してもよい。いくつかの態様において、キャップの通気の特色は、溶媒が蒸発することを可能にし、およびよってセルフシール効果を可能にしてもよい。
【0109】
いくつかの態様において、セルフシールの特色は、安全性の特色として機能してもよく、例として、処置の後の医薬組成物の不要な放出を防ぐこと、例えば、異なる患者との間の相互汚染を引き起こし得るであろう続けての使用を阻止することである。セルフシールの特色は、使用者が依然に作動したアプリケーターを使用することを可能にすることを防ぐことができるタンパーエビデント特色として機能できるだろう。いくつかの態様において、セルフシールの特色は、医薬組成物の活性成分の酸化の分解を防ぐことに役立つだろう。
【0110】
いくつかの態様において、アプリケーターは、複数の皮膚病変をもつ対象(例として、子供)を処置することに使用され、および使用者は、医薬組成物を分配する途中でアプリケーターを下に置く必要があるだろう。使用者は、患者を治療する間、単一の処置の間に複数の回数、適用を開始することおよび停止することを必要とするだろう。いくつかの態様において、アプリケーターは、使用しないとき、少なくとも1、5、10、20、30、45、60分の間乾燥しないだろうが、しかし第1の病変が処置された後、乾燥するだろう。
【0111】
いくつかの態様において、キャップは、キャップが閉位置にあるとき、キャップおよびデバイスアプリケーター全体の回転を防ぐ特色を備える。いくつかの態様において、キャップは、キャップが回転するのを防ぐ1以上の平らな表面を備えていてもよい。図11~13において見られるように、キャップ10は、6つの平らな表面12を備えていてもよい。いかなる数の平らな表面が使用されてもよいことが、正しく理解されるべきである。いくつかの態様において、キャップは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはいかなる他の好適な数の平らな表面を備える。平らな表面は、規則的な形を形成するために同じサイズであってもよい。例えば、図11~13において示される態様において、平らな表面12は、六角形を形成する。
【0112】
いくつかの態様において、平らな表面は、ディスペンサーチップを受け取るキャップの近位端において位置する。
【0113】
図11~14は、キャップの1つの実例となる態様についての(インチにおいて示される)寸法を提供する。かかる寸法が、実例として提供されること、およびアプリケーターデバイスが、図11~14において示されるものと異なる寸法を有するキャップを備えていてもよいことが正しく理解されるべきである。
【0114】
いくつかの態様において、キャップは、約0.5~約3インチ、約1インチ~約2インチ、約1インチ~約1.5インチ、または約1.28インチの長さを有していてもよい。
【0115】
いくつかの態様において、キャップは、約0.1~約1インチ、約0.3~約0.8インチ、約0.4~約0.5インチ、または約0.47インチの最大外部幅(1つの平面の表面12から別のものまでに測定された)を有してもよい。いくつかの態様において、キャップは、ディスペンサーチップを受け取るための開口部およびまたはチューブを備える。開口部は、円形であってもよく、および約0.1~約1インチ、約0.2~約0.9インチ、約0.3~約0.8インチ、約0.3~約0.5インチ、約0.35~約0.45インチ、または約0.4インチの直径を有していてもよい。
【0116】
いくつかの態様において、キャップは、所望されない液滴を集めるために使用されてもよい。-例として、薬物の投与の間、使用者が所望されるよりも多くの液滴が放出される程激しく圧搾されている場合に、キャップは、超過分の液滴をとらえることに使用されてもよい。
【0117】
いくつかの態様において、通気を補助するために、1以上の溝は、キャップとつなぎ合わせられたディスペンサーチップの表面に、および/またはディスペンサーチップとつなぎ合わせられたキャップの表面に存在してもよい。かかる溝は、キャップとディスペンサーチップとの間のシールを妨げるため、および上記で論じたように溶媒の通気を促進するために、キャップが閉位置にあるとき、ディスペンサーチップとキャップとの間に1以上の隙間を作ってもよい。いくつかの態様において、キャップが閉位置にあるとき、キャップは、ディスペンサーチップへ取り付けられ、およびディスペンサーチップのドリップガードの外部表面などのディスペンサーチップの境界面でつなぎ合わせられる。いくつかの態様において、ディスペンサーチップのつなぎ合わせられる表面は、1以上の溝を有していてもよい。代わりにまたはこれに加えて、キャップの表面、例として、ディスペンサーチップの表面とつなぎ合わせられるキャップの内部表面は、1以上の溝を有していてもよい。
【0118】
1以上の溝を有するディスペンサーチップの1つの実例となる態様は、図15~17において示される。図15において見られるように、溝25は、ドリップガード26の外部表面において形成される。いくつかの態様において、溝は、ドリップガード26の遠位エッジ21から、ドリップガード26の近位エッジ31まで延長する。しかしながら、他の態様において、溝は、異なる長さであってもよいことが正しく理解されるべきである。例えば、溝は、溝が遠位エッジから近位エッジまでではなく、表面を部分的に横切って延長するように、ドリップガードの遠位エッジから表面のある一点まで延長してもよい。図15~17の態様において、溝は直線状である。しかしながら、他の溝の形が使用され得ることが正しく理解されるべきである。例えば、溝は、曲がりくねった、曲線状の、または他の非直線状の経路を有していてもよい。図17において見られるように、いくつかの態様において、ディスペンサーチップは、1より多い通気口を備える。図17において示される態様は、3つの通気口を備える。しかしながら、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10の通気口、または他の好適な数の通気口なども使用され得ることを正しく理解されるべきである。いくつかの態様において、通気口は相互に等しく一定間隔を空けられる。通気口は、表面の外周上で相互に半径方向に一定間隔をあけられてもよい。通気口は、最大の直径を有するディスペンサーチップの一部の表面上に位置してもよい。図17において見られるように、3つの通気口25について、通気口は、ドリップガード26の外周に沿って、相互に120度の間隔をあけられていてもよい。しかしながら、他の態様において、通気口は、非一様に相互に間隔をあけられていてもよい。
【0119】
ディスペンサーチップの1つの実例となる態様について図18~21は、寸法(距離についてはインチおよび角度については度で示される)を提供する。かかる寸法が、実例として提供されること、およびアプリケーターデバイスが図18~21において示されるものと異なる寸法を有するディスペンサーチップを備えていてもよいことが理解されるべきである。
【0120】
図21において見られるように、開口部23は、約0.032インチ+/-0.002インチの外部直径、および約0.012インチ+/-0.001インチの内部直径を有していてもよい。
【0121】
ディスペンサーチップ20は、外部表面および内部表面を備えるテーパーチップ22を備える。図19のディスペンサーチップの囲まれた領域21の詳細図を描写する図21において見られるように、テーパーチップ22は、外部表面24および内部表面26を有する。内部表面26は、テーパー付けされている第1の部分27、およびまっすぐである第2の部分29を有し、または第1の部分のそれと異なるテーパー角を有する。いくつかの態様において、第2の部分は、第1の部分のそれよりも小さいテーパー角を有していてもよい。図9の態様においても見られるように、外部表面24のテーパー角は、内部表面26の第1の部分27のテーパー角のそれと異なる。図21の態様において、内部表面は、約3度のテーパー角を有し、および外部表面は約4.8度のテーパー角を有する。
【0122】
図18、20および21において示されるように、テーパーチップは、縦軸Lを有する。テーパーチップは、縦軸Lについて回転対称である。
【0123】
図21において示されるように、チップの遠位部分におけるディスペンサーチップの内部表面26は、残りの内部表面と比較して減少したテーパーを有するか、または、テーパーをもたないまっすぐな壁に囲われた流路である。いくつかの態様において、まっすぐな壁に囲われた内部流路を有するチップの遠位部分は、約0.029+/-0.002インチ長であるディスペンサーチップの縦軸Lに沿う距離に広がる。
【0124】
ディスペンサーチップ20は、チューブ50とつなぎ合わせられる取り付け部分28を備える。いくつかの態様において、取り付け部分28は、チューブ50に取り付けられる。
【0125】
アプリケーターデバイスは、アプリケーターデバイスのディスペンサーチップ内に位置するフィルターを備える。図19および20において示される態様において、ディスペンサーチップ20は、フィルター30を受け取るようにサイズおよび形状で作られた凹部37を備える。凹部は、凹部の遠位および近位側面上の狭まっている流路によって隣接され、凹部37内に位置するフィルターを保つことに役立ってもよい。例えば、図19および20において見られるように、凹部37の遠位端における流路部分47は、凹部37のそれよりも小さい直径を有し、および凹部37の近位端における流路部分57は、凹部37のそれよりも小さい直径を有する。図19および20の態様において、ディスペンサーチップはまた、より小さい直径のフィルター凹部37から、ディスペンサーチューブの中へ挿入されるより大きな直径のチャンバー77への移行として機能する漏斗領域67も備える。図19および20の態様において、ディスペンサーチップは、フィルター凹部37と漏斗領域67との間のまっすぐな壁に囲われた流路領域65をさらに備える。
【0126】
一側面に従うと、チューブは、圧縮可能であり、チューブ内の圧力増加を誘導し、医薬組成物をディスペンサーチップの外へ分配する。いくつかの態様において、チューブは、圧縮可能であり得、約1.0atm、1.1atm、1.2atm、1.3atm、1.4atm、1.5atm、1.6atm、1.7atm、1.8atm、1.9atm、2.0atm、3.0atm、4.0atm、5.0atm、6.0atm、7.0atm、8.0atm、9.0atm、10atm、20atm、30atm、または40atmの超過におけるチューブ内の圧力増加を誘導する。チューブは、圧縮可能であり得、約1.0atm、1.1atm、1.2atm、1.3atm、1.4atm、1.5atm、1.6atm、1.7atm、1.8atm、1.9atm、2.0atm、3.0atm、4.0atm、5.0atm、6.0atm、7.0atm、8.0atm、9.0atm、10atm、20atm、30atm、または40atm以上のチューブ内の圧力増加を誘導する。いくつかのケースにおいて、チューブ内の圧力は、最大でも約100atm、50atm、40atm、30atm、20atm、10atmまたは5atmの倍数によって増加する。いくつかの例において、チューブは、圧縮可能であり、チューブ内の約1atm~20atm、1atm~15atm、1atm~10atm、または1atm~5atmの圧力増加を誘導する。
【0127】
いくつかのケースにおいて、チューブは、圧縮可能であり得、約1.0atm、1.1atm、1.2atm、1.3atm、1.4atm、1.5atm、1.6atm、1.7atm、1.8atm、1.9atm、2.0atm、3.0atm、4.0atm、5.0atm、6.0atm、7.0atm、8.0atm、9.0atm、10atm、20atm、30atm、または40atm超であるチューブ内の圧力を誘導する。チューブは、圧縮可能であり得、約1.0atm、1.1atm、1.2atm、1.3atm、1.4atm、1.5atm、1.6atm、1.7atm、1.8atm、1.9atm、2.0atm、3.0atm、4.0atm、5.0atm、6.0atm、7.0atm、8.0atm、9.0atm、10atm、20atm、30atm、または40atm以上であるチューブ内の圧力を誘導する。いくつかのケースにおいて、チューブ内の圧力は、最大でも約100atm、50atm、40atm、30atm、20atm、10atmまたは5atmまで増加する。いくつかの例において、チューブは、圧縮可能であり得、約1atm~20atm、1atm~15atm、1atm~10atm、または1atm~5atmのチューブ内の圧力を誘導する。
【0128】
チューブは、主にまたは実質的に円柱状または球状である形を有し得る。代わりに、チューブは、主にまたは実質的に長方形である形を有し得る。チューブは、1つのエッジを有し得る。代わりに、チューブは、2つまたはより多くのエッジを有し得る。さらに、チューブは、不規則な形を有し得る。
【0129】
チューブは、少なくとも部分的または完全に、ポリマー材料(例として、プラスティック)で形成され得る。使用されるプラスティックは、限定されないが、ポリプロパノール、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、またはポリテトラフルオロエチレンまたはそれらのいくつかの組み合わせであり得る。代わりとして、チューブは、少なくとも部分的または完全に金属材料(例として、ステンレス鋼またはアルミニウム)で形成され得る。ある例において、チューブの一部は、ポリマー材料で形成され、およびチューブの残りは金属材料で形成される。
【0130】
チューブは、少なくとも部分的または完全にポリマー材料(例として、プラスティック)で形成され得る。代わりとして、チューブは、少なくとも部分的または完全に金属材料(例として、ステンレス鋼またはアルミニウム)で形成され得る。ある例において、チューブの一部は、ポリマー材料で形成され、およびチューブの残りは、金属材料で形成される。
【0131】
いくつかの態様において、チューブは、約0.1mL~10mL、または約0.2mL~9mL、または約0.3mL~8mL、または約0.4mL~8mL、または約0.5~6mL、または約2mL~4mLまたはより少ない、あるいは約3mLと等しい体積を有し得る。チューブは、約10mL、約8mL、約6mL、約5mL、約4mL、約3mL、約2.5mL、または約2mL以下の体積を有し得る。
【0132】
いくつかの態様において、チューブは、約0.5インチ~約5インチ、約1インチ~約4インチ、約1.5インチ~約3.5インチ、約2インチ~約3インチ、または約2.5インチの長さを有する。
【0133】
いくつかの態様において、チューブは、約0.1インチ~約1インチ、約0.15~約0.7インチ、約0.2~約0.6インチ、約0.25~約0.4インチ、約0.3~約0.35インチ、または約0.31インチの内径を有する。
【0134】
いくつかの態様において、チューブは、医薬組成物を光から保護し、およびガラスの破片がチューブをパンクさせるケースにおいて、ガラスが使用者を突き刺すことの危険を減少させる板紙または厚紙スリーブ内に置かれてもよい。
【0135】
アプリケーターは、医薬組成物を保持するアンプルを含有し得る。アンプルは、割られて医薬組成物を放出するように構築および配置されていてもよい。
いくつかのケースにおいて、アンプルは、数個の破片へ押し砕かれ得る。いくつかのケースにおいて、外部チューブは、アンプルを押し砕き、および割り、それにより医薬組成物を放出するために圧縮され得る。図2および4は、アンプル60の実例となる態様を描く。
【0136】
いくつかの態様において、アンプルを押し砕くことに必要とされる力は、約1~20lbf、約5~15lbf、約7~13lbfまたは約9-10lbfである。
【0137】
いくつかの態様において、アンプルは、USP I型ホウケイ酸ガラス、USP II型ホウケイ酸ガラス、またはUSP III型ホウケイ酸ガラスで作られている。代わりとして、アンプルは、プラスティックまたはゴムなどのポリマー材料で形成され得る。別の代わりとして、アンプルは、PTFEで裏打ちされたプラスティックまたは金属フォイルで裏打ちされたプラスティックから作られ得るだろう。別の代わりとして、アンプルはまた陶器からも作られ得るだろう。かかるケースにおけるアンプルは、パンクさせられ、押し砕かれ、または引き裂かれて開き、医薬組成物を放出してもよい。
【0138】
いくつかの態様において、医薬組成物は、アンプル以外の異なる容器内に含有されてもよい。例えば、容器は、柔軟な壁をもつポーチであってもよい。いくつかの態様において、医薬組成物は、医薬組成物を含有する追加の容器なしに直接チューブそのものの内に保持される。
【0139】
いくつかの態様において、医薬組成物は、2以上の構成要素へ分けられてもよく、および使用の直前に一緒に組み合わされてもよい。使用者は、シールまたは他の分離する障壁を壊し、2つの構成要素を一緒に組み合わせる。
【0140】
いくつかの態様において、アンプルは、約3000mL以下、約2000mL以下、約1000mL以下、約500mL以下、約300mL以下、または約100mL以下の容積を有し得る。いくつかの態様において、アンプルは、約100mL超、約300mL超、約500mL超、約1000mL超、約2000mL超、または約3000mL超の容積を有し得る。いくつかの態様において、アンプルは、約10mL~3000mL、または約50mL~2500mL、または約100mL~2000mL、または約200mL~1400mL、または約300mL~1000mL、または約400mL~800mL、または約500mL~700mLの容積を有し得る。
【0141】
いくつかの態様において、アンプルは、約100~2000mLの医薬組成物を含有する。
【0142】
いくつかの態様において、アンプルは、約10mm~約100mm、約20mm~約90mm、約30mm~約80mm、約40mm~約60mm、約45mm~約55mm、または約48.99mmの長さを有する。
【0143】
いくつかの態様において、アンプルは、約1mm~約15mm、約3mm~約12mm、約5mm~約9mm、約6mm~約8mm、約6.5mm~約7.5mm、または約7mmの外部直径を有する。
【0144】
デバイスアプリケーターによって、デバイスアプリケーターの内部に保持され、およびそれによって送達される種々の局所組成物の例は、これらに限定されないが、以下を含む:カンタリジン、インゲノールメブテート(ingenol melbutate)またはナイトロジェンマスタードなどの発疱剤、ムピロシンおよびクリンダマイシンなどの抗菌剤、アントラリン、クロトリマゾール、ケトコナゾールおよびテルビナフィン(terbafine)などの抗真菌剤、過酸化ベンゾイル、ティーツリーオイル、サンダルウッド抽出物、モンパナスビ(Solanum undatum)抽出物、クロベ属抽出物、ポドフィリン、ポドフィロックス、ジゴキシン、フロセミド、シネカテキン、一酸化窒素、緑茶抽出物、サリチル酸、コールタール、コルチコステロイド、レチノイド、抗生物質、抗炎症剤、麻酔剤、充血緩和剤、ステロイド、抗かゆみ医薬品、免疫調節皮膚医薬品、ハプテン、接触アレルゲン(allegen)、スクワラン酸ジブチルエステル、ジフェニルシクロプロペノン、日焼け止め、局所化粧品、セルフタンニング剤、ヒアルロン酸、ジヒドロキシアセトン、過酸化水素、トレチノイン、ビクロル酢酸、トリクロロ酢酸、乳酸、フルーツ酸、硝酸銀、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、希釈ポビドンヨウ素、肛門直腸の調製物、抗敗血性および殺菌剤、外皮用剤、抗感染症薬(anti-invectives)、抗酒さ剤、抗ヒスタミン、抗腫瘍剤、抗ウイルス剤、収斂薬、創傷清拭剤、脱色素剤、皮膚軟化剤、角質溶解薬、非ステロイド性抗炎症剤、光化学療法薬、発赤薬、鼻用製剤、潤滑剤、灌漑、眼科用剤、抗血管新生眼科剤、散瞳薬、緑内障剤、耳用薬剤、耳垢水、膣剤、殺精子剤、ポビジンヨウ素、イミキモド、酸化剤、過酸化水素、または他のToll様受容体アゴニストまたはアンタゴニスト。
【0145】
いくつかの態様において、医薬組成物は、少なくとも1の非水性溶媒(例として、アセトン、エーテル、エタノール、DMSO、酢酸アミルまたはクロロホルム)の少なくとも20%またはより多くを包含してもよい。いくつかの態様において、1ヶ月の期間の後、活性成分の濃度が、開始濃度の少なくとも98%、および6ヶ月の期間の後、該濃度が開始濃度の少なくとも96%であるように、アンプルは医薬組成物の安定性を維持するために構築および配置されてもよい。
【0146】
いくつかの態様において、アンプルは、窒素またはアルゴンなどの不活性ガスを過度に含有する。
【0147】
いくつかの態様において、アプリケーターデバイスは、対象へ組成物を局所的に投与することに使用されてもよい。アプリケーターデバイスは、これらに限定されないが、皮膚、粘膜、性器、膣、肛門、爪、髪、鼻、目、耳、または唇、歯、舌、および歯茎を包含する口を包含する、様々な体表面へ組成物を局所的に投与してもよい。
【0148】
アプリケーターデバイスは、これらに限定されないが、いぼ、伝染性軟属腫、粘膜類天疱瘡、鼻ポリープ、結膜炎、耳炎、単純疱疹、象牙質過敏症、歯の変色、口臭、舌炎、歯周病、酵母感染症、真菌感染症、痔、またはいかなる他の体表面の状態などの種々の状態を処置することに使用されてもよい。他の体表面の状態の例は、これらに限定されないが、脂漏性角化症、光線性角化症、稗粒腫、加齢によるシミ、汗孔角化症、皮膚がん、または他の皮膚の状態のタイプを包含する。本願明細書に記載のいくつかの例および/または態様が皮膚病変などの皮膚の状態の処置を指す一方で、アプリケーターデバイスは、皮膚または皮膚の上に使用することに限定されず、および粘膜、目、口、耳、等々を包含する、いかなる体表面への組成物の局所投与のために使用されてもよいことが正しく理解されるべきである。本発明者らは、対象の意図される体表面へ組成物を制御可能に投与し得るアプリケーターの必要性を認識している。
【0149】
アプリケーターデバイスによって処置されてもよい皮膚の状態の例は、これらに限定されないが、以下を包含する:真菌感染症、足白癬、にきび、良性表皮嚢胞、母斑、癰、胼胝、蜂巣炎、口唇ヘルペス、鶏眼、皮膚カンジダ症、湿疹、そばかす、血管腫、蕁麻疹、ループス、麻疹、黒子、壊死性筋膜炎、色素沈着障害(薬物誘発性色素沈着過剰、遺伝性対側性色素異常症、遺伝性汎発性色素異常症、家族性進行性色素沈着過剰、ガリ・ガリ病、ヘモジデリン色素沈着過剰、特発性滴状低メラニン症、鉄金属性変色、白斑、黒皮症、ムカメル症候群、金星のネックレス、貧血性母斑、脱色素性母斑、パリスタ-キリアン症候群、葉状性低メラニン症、まだら症、網状顔面色素沈着、毛髪嚢腫、白色粃糠疹、シヴァット多形皮膚萎縮症、血管性多形皮膚萎縮症、炎症後後色素沈着、進行性黄斑低メラニン症、掻痒、屈曲部の網状色素異常、網状肢端色素沈着症、リール黒皮症、ワールデンブルグ・シャー症候群、しいたけ皮膚炎、タール黒皮症、チタン金属性変色、一過性新生児膿疱性黒皮症、放浪者の白斑黒皮症(Vagabond’s leukomelanoma)、血管攣縮性斑、ウェンデ-バッカス症候群(Wende-Bauckus syndrome)、X連鎖色素性網状障害、イエメン盲ろう色素沈着症候群)、乾癬、酒さ、瘢痕、皮膚がん、スキンタグ、入れ墨の除去、白斑(これらに限定されないが、非分節型白斑、および/または分節型白斑 三色白斑(trichome vitiligo)、四色白斑(quadrichrome vitiligo)、点状白斑(vitiligo ponctue)を包含する)、いぼ、乏汗症、とびひ、皮膚弛緩症、褥瘡、丹毒、おむつかぶれ、異汗性湿疹、口内炎、ヘルペス性口内炎、尋常性魚鱗癬、皮膚筋炎、陥入爪、先端皮膚炎、皮脂嚢胞、脂漏性角化症、毛巣洞、ケロイド、扁平苔癬、光線性角化症、うっ滞性皮膚炎(statis demertitis)、皮膚硬結、癜風 類天疱瘡、口腔内潰瘍、または帯状疱疹。
【0150】
アプリケーターデバイスによって処置されてもよい目の症状の例は、これらに限定されないが:結膜炎、角膜炎、角結膜炎、アレルギー性結膜炎、角膜潰瘍、タイゲソン表層点状角膜炎、春季カタル、単純ヘルペス角膜炎、眼科疾患、高眼圧症、眼型酒さ、乾性角結膜炎、眼炎症性疾患、眼表面疾患、角膜炎症、眼内炎症、ブドウ膜炎、白内障、緑内障、真菌性眼感染症または眼臉炎を包含する。
【0151】
アプリケーターデバイスにより処置されてもよい耳の状態の例は、これらに限定されないが、以下を包含する:外耳道の皮膚炎、耳炎、中耳炎、外耳炎、めまい、メニエール病、鼓膜切開のチューブの耳漏、慢性化膿性中耳炎、耳垢栓塞、脂漏性皮膚炎、脂漏性角化症、接触皮膚炎、耳の湿疹様皮膚炎、急性外耳炎、裂溝性肉芽腫、光線性角化症、皮角、基底細胞癌、ケロイド、ハッチンソン斑、ウィンクラー疾患、耳介軟骨炎、および軟骨膜炎、円柱腫、青色母斑、過剰耳、オスラー・ランデュ・ウェーバー病、アトピー性皮膚炎、または光アレルギー皮膚炎。
【0152】
鼻の状態の例は、これらに限定されないが、以下を含む:鼻ポリープ、細菌性鼻感染症、鼻炎、副鼻腔炎、副鼻腔感染症、アレルギー性鼻炎、慢性萎縮性鼻炎、真菌性副鼻腔炎、後鼻漏、または酒さ鼻、鼻漏。
【0153】
アプリケーターデバイスまたはシステムのいくつかの態様は、以下を処置するのに使用され得る:末端線維角膜腫、腸性肢端皮膚炎(Acrodermatitus enterpathica)、尖端角化類弾力線維症、光線性角化症(日光角化症(solar keratoses))、皮脂腺腫、被角血管腫、アトピー性皮膚炎、基底細胞癌、良性線維性組織球腫、膀胱がん、ボーエン病、乳房がん、ブシュケ-オレンドルフ症候群、子宮頸部のがん、子宮頸部異形成、老年性血管腫、慢性結節性軟骨皮膚炎、皮膚子宮内膜症、皮膚白血病、皮膚リンパ腫、皮膚髄膜腫、皮膚粘液腫、ダリエー病、真皮樹状細胞過誤腫、皮膚線維腫、隆起性皮膚線維肉腫、エクリン血管腫過誤腫、外胚葉異形成、表皮封入嚢包、表皮母斑(これらに限定されないが、脂腺母斑、面皰母斑、プロテウス症候群 ベッカー母斑を包含する)、類上皮細胞組織球腫、家族性粘液血管線維腫(Familial myxovascular fibromas)、真菌性皮膚疾患(ロボミコーシスを含む)、顆粒細胞腫瘍、グルカゴノーマ(Glucaonoma)症候群、生殖器いぼ、魚鱗癬(これらに限定されないが、尋常性魚鱗癬、葉状魚鱗癬(Ichthyosis lamellaria)、X連鎖魚鱗癬、表皮剥離性角質増加症、後天性魚鱗癬(Ichthyosis acquista)および掌蹠角化症を含む)、特発性滴状低メラノニン症、乳児肢端嚢疱症、乳児線維腫症、カポジ肉腫、ケロイド、ケラトアカントーマ、角化嚢胞、ナックルパッド、黒子、黒色腫、細静脈性血管腫、モートン神経腫、多病巣性リンパ管内皮腫症、多核細胞血管組織球腫、多発性皮膚平滑筋腫、菌状息肉種、皮膚神経腫、神経莢腫、焔状母斑、表在性脂肪腫母斑、パキダーモダクティリー(Pachydermodactyly)、柵状被包化神経腫、皮膚寄生虫症(疥癬、シラミ症、スナノミ症、鉤虫関連(Hookwork-related)皮膚幼虫移行症を含むが、これに限定されない)、毛孔性紅色粃糠疹(Pityriasis ruba pilaris)、立毛筋平滑筋腫、蔓状線維組織球腫瘍、有孔角化エクリン口および真皮管母斑、進行性結節性組織球腫乾癬(これらに限定されないが乾癬性紅皮症、掌蹠の(Palmoplantat)乾癬、掌蹠膿疱症、ツンブッシュの汎用性膿疱性乾癬、地図状舌を包含する)、汗孔角化症、脂漏性皮膚炎、脂漏性角化症、鼻漏、孤立性皮膚平滑筋腫、クモ状血管腫、標的状血鉄素性血管腫、扁平上皮細胞癌、房状血管腫、静脈湖、色素性蕁麻疹、黄色板類肥満細胞症または帯状疱疹様転移。
【0154】
日光による損傷またはしわを有する個人の皮膚の剥離または剥落など、表皮の皮膚の若返りにおけるデバイスアプリケーターのいくつかの態様についての使用もまた、あってもよい。
【0155】
いくつかの態様において、医薬組成物は、カンタリジンを包含する組成物である。
いくつかの態様において、アンプルは、体積に対して0.1~1.5%重量の開始濃度におけるカンタリジン製剤を含む局所投与に好適な組成物の安定性を維持する能力があり、ここで、1ヶ月の期間ののち、カンタリジンの濃度は、少なくとも開始濃度の98%であり、および6か月の期間ののち、カンタリジンの濃度は少なくとも開始濃度の96%である。いくつかの態様において、アンプルは、体積に対して0.1~1.5%重量の開始濃度におけるカンタリジン製剤を含む局所投与に好適な組成物の安定性を維持する能力があり、、ここで、1ヶ月の期間の後、有意な関連物質は形成されず、および6ヶ月の期間の後、有意な関連物質は形成されていない。
【0156】
いくつかの態様において、1以上の皮膚病変を有する対象を処置する方法は、カンタリジンを含む組成物を皮膚へ投与することを包含してもよい。実例として、組成物は、皮膚上の1以上の皮膚病変(例として、伝染性軟属腫感染症、脂漏性角化症、光線性角化症、稗粒腫、加齢によるシミ、汗孔角化症または皮膚がんの結果としておこる)へ投与されてもよい。方法は、最小限の副作用(例として、重篤な副作用、外皮組織の永久損傷、瘢痕、病変を囲む皮膚の超過の水疱形成、上昇した血漿中カンタリジン濃度、カンタリジンへの全身性の曝露)または副作用なしで皮膚病変(単数または複数)の効果的な処置(例として、除去)を可能にしてもよい。処置の有効性および/または安全性は、組成物のある特色および/またはカンタリジンへの皮膚病変(単数または複数)の長引く曝露に依ってもよい。実例として、皮膚病変(単数または複数)へ投与されるカンタリジンの比較的高いパーセンテージは、比較的長い期間(例として6時間超)の間、皮膚病変上に保たれてよい。いくつかの態様において、皮膚に投与されるカンタリジンを含む組成物は、組成物の、したがってカンタリジンの皮膚病変(単数または複数)への局所送達(例として、組成物またはカンタリジンへの周辺の皮膚の曝露を妨げ、および/または、組成物またはカンタリジンへの全身性の曝露を防ぐ)、比較的良好な皮膚病変(単数または複数)への付着、カンタリジンの皮膚病変(単数または複数)の中への経時的な比較的高い浸透、および/または比較的低い濃度(例として約1.2%w/v以下)の使用、および/またはカンタリジンのバイオアベイラビリティを可能にしてもよい。いくつかの態様において、本願明細書に記載の方法は、皮膚の表皮に主に影響を与える皮膚障害を含む、多種多様の皮膚障害のために使用されてもよい。例えば、方法は、伝染性軟属腫感染症、脂漏性角化症、光線性角化症、稗粒腫、皮膚がん、加齢によるシミ、およびヒトパピローマウイルスによって生き起こされない他の障害を処置するために使用されてもよい。
【0157】
いくつかの態様において、本願明細書に記載のデバイスアプリケーターは、組成物を投与することに使用されてもよく、および本願明細書に記載の方法は、組成物を投与することを包含してもよい。いくつかの態様における使用のために好適な組成物は、2017年6月6日に出願され、および「Treatment of Cutaneous Disorders」と題された米国仮出願第62/516,061号、ならびに2018年6月7日に出願され、および「Treatment of Cutaneous Disoeders」と題された国際特許出願PCT/US18/36353号において記載され、これらの各々は、その全体が参照により本願明細書に組み込まれる。いくつかの態様における使用のために好適な組成物はまた、2014年8月21に出願され、および「Compositions, Methods, and Systems for the Treatment of Cutaneous Disorders」と題された国際特許出願PCT/US2014/052184号にも記載され、これはその全体が参照により本願明細書に組み込まれる。
【0158】
カンタリジンは、ある皮膚障害の処置のための水疱形成剤として使用される。しかしながら、カンタリジンはまた合衆国において非常に危険な物質として分類されており、ならびに摂取されたとき、重篤な化学性熱傷および毒性を引き起こすことがある。結果的に、カンタリジンは、ある条件下で副作用(例として、瘢痕)を引き起こすことがある。実例として、歴史的に、外皮組織の損傷、病変を囲む正常な皮膚の水疱形成、疼痛、および上昇した血漿カンタリジン濃度などのある副作用は、カンタリジンを使用するある皮膚障害の処置の間に生じている。カンタリジンを使用するある皮膚障害の処置についての現在の最良の実践は、これらの副作用(例として、重篤な副作用)を防ぐ、病変のカンタリジンへの短時間の曝露(例として、約4時間未満)を包含する。
【0159】
本開示のある側面は、カンタリジンを含む医薬組成物をアプリケーターデバイスと共に使用し、従来のウッドスティックアプリケーターを用いた医薬組成物の適用と比較して改良された皮膚病変排除成果をもたらす、1以上の皮膚病変を処置する方法に関する。実例として、組成物は、皮膚の上の1以上の皮膚病変(例として、伝染性軟属腫感染症局所的の結果としておこる)へアプリケーターデバイスを使用して局所的に投与されてもよい。ある態様において、方法は、比較的短い期間(例として、12週間、15週間)にわたり、ある時間間隔(例として、2~4週間毎に、3週間±4日毎に)において、2回以上(例として、3回、4回、5回、6回)、皮膚病変(単数または複数)へ組成物を投与することを包含してもよい。方法は、他の方法(例として、アプリケータデバイスを用いない投与)よりも効果的な処置(例として、より短い処置時間、低減された頻度の投与、完全な除去、より高いパーセントの低減)を可能にするだろう。例えば、現在の方法は、アプリケーターデバイスを使用する1回以上の投与(例として、1回、2回、3回、4回)の後、比較的高いパーセントの病変の低減(例として、約50%以上、完全除去)を可能にするだろう。いくつかの例において、本方法は、アプリケーターデバイスを使用する組成物の6回以下(例として、5回以下、4回以下)の投与の後、比較的大きなパーセンテージ(例として約50%以上、約70%以上)の対象において、病変の完全排除(すなわち完全除去)を可能にするだろう。処置の増強された有効性は、アプリケーターデバイスおよび組成物の有益な特色の組み合わせに依っていてもよい。例えば、処置の増強された有効性は、一部分においては、所与の粘度および/または相(例として、液体)の組成物を直接的に皮膚病変(単数または複数)へ投与するアプリケーターデバイスの能力に依っていてもよい。本願明細書に記載の方法は、皮膚の表皮に主に影響を与える皮膚障害を包含する、多種多様の皮膚障害のために使用されてもよい。例えば、方法は、伝染性軟属腫感染、脂漏性角化症、光線性角化症、稗粒腫、皮膚がん、加齢によるシミおよびヒトパピローマウイルスによって引き起こされない他の障害を処置するのに使用されてもよい。
【0160】
いくつかの態様において、皮膚病変(例として、伝染性軟属腫感染の結果として起こる)を有する対象を処置する方法は、カンタリジンを含む組成物を、本願明細書に記載のアプリケーターデバイスを使用して皮膚病変へ投与することを包含してもよい。ある態様において、組成物は、比較的低い濃度のカンタリジンを含み、および比較的低い蒸気圧を有している(例として、20℃において約210mmHg以下、20℃において約126mmHg以下)。例として、組成物は、比較的低い濃度(例として、約1.2w/vまたは1.5%w/v以下、約1%w/v以下、約0.5%w/v以上および約1%w/v以下)のカンタリジンを包含してもよい。カンタリジンは、溶解されてもよく、またはさもなければ溶媒(例として、非水性溶媒)内に分散されてもよい。いくつかの態様において、組成物における溶媒は、ジエチルエーテルなどのカンタリジン組成物において慣例的に使用される溶媒と比較して、増加した長期安定性および/または使用の間の安定性を有していてもよい。いくつかのかかるケースにおいて、本願明細書に記載の組成物は、組成物をある期間の間収納するかまたはさもなければ保持するために使用されるアプリケーターデバイス内で保管される間、カンタリジン濃度の変動、例として組成物からの溶媒の蒸発に依るものによって、影響を受けにくいであろう。実例として、デバイス(例として、アプリケーター)におけるカンタリジンの濃度は、経時的におよび/または数回の使用後に比較的一定に残存するだろう。ある態様において、組成物内の溶媒は、既存のおよび/または慣例的なカンタリジン組成物において使用される溶媒よりも低揮発性である。ある態様において、溶媒は、20℃において約350mmHg(例として、約210mmHg以下)の蒸気圧を有する。いくつかのかかるケースにおいて、溶媒は、アルコール(例として、エタノール)およびアセトンである。あるケースにおいて、溶媒は非エーテル溶媒であり、および/またはジエチルエーテルを含まない。ある態様において、組成物は、20℃において約210mmHg以下(例として約126mmHg以下)の蒸気圧を有する。いくつかのケースにおいて、組成物は、比較的小さい重量パーセンテージ(例として、約20wt.%以下、約10wt.%以下)のジエチルエーテルなどのエーテルを包含する。ある態様において、組成物は、1以上の構成要素に加えて、カンタリジンおよび薬学的に許容し得る賦形剤(例として、溶媒)を含んでいてもよい。実例として、組成物は、皮膜形成剤(例として、ポリマー、ニトロセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルセルロース)、可塑剤(例として、浸透エンハンサー、油、ショウノウおよび/またはヒマシ油)、染料(例として、ゲンチアナバイオレット)、および/または苦味剤(例として、安息香酸デナトニウム)を含んでいてもよい。ある態様において、組成物の粘度は、100cps未満、90cps未満、80cps未満、70cps未満、60cps未満、55cps未満、30cpsより大きい、35cpsより大きい、約30~100cps、約30~70cps、約35~60cpsまたは約40~50cpsであってもよい。
【0161】
いくつかの態様において、組成物は、少なくとも約20cps、少なくとも約30cps、少なくとも約35cps、少なくとも約40cps、少なくとも約50cps、少なくとも約55cps、少なくとも約60cps、少なくとも約70cps、少なくとも約80cps、少なくとも約90cps、少なくとも約100cps、少なくとも約110cps、少なくとも約120cps、または少なくとも約130cpsの粘度を有していてもよい。いくつかの態様において、組成物は、約150cps以下、約140cps以下、約130cps以下、約120cps以下、約110cps以下、約100cps以下、約90cps以下、約80cps以下、約70cps以下、約60cps以下、約55cps以下、約50cps以下、約40cps以下、約35cps以下、約30cps以下、約20cps以下の粘度を有していてもよい。上記参照の範囲の組み合わせはまた、可能である。例えば、いくつかの態様において、組成物は約20cps~約150cps、または約20cps~約130cps、または約30cps~約100cps、または約30cps~約90cps、または約35cps~約100cps、または約30cps~約110cps、または約30cps~約70cps、または約35cps~約60cps、または約40cps~約50cps、または約40cps~約80cpsの粘度を有していてもよい。
【0162】
いくつかの態様において、アプリケーターデバイスは、アンプル内の材料の粘度と同じ粘度をもつ材料を常に送達する能力を可能にする。いくつかの態様において、皮膚と接触の時点において、送達された材料は、少なくとも約20cps、少なくとも約30cps、または少なくとも約35cpsの粘度を有する。いくつかの態様において、皮膚と接触の時点において送達された材料は、約120cps以下、約110cps以下、約100cps以下、または約50cps以下の粘度を有する。上参照の範囲の組み合わせはまた、可能である。例えば、いくつかの態様において、皮膚との接触の時点において、送達された材料は、約20cps~約120cps、または約30cps~約110cps、または約35cps~約100cpsの粘度を有する。
【0163】
いくつかの態様において、方法は、アプリケーターデバイスを使用する組成物の繰り返しの投与を包含する。実例として、方法は、アプリケーターデバイスを使用する皮膚病変の少なくとも一部へのカンタリジンを含む組成物の第2の投与を包含してもよい。第2の投与は、第1の投与と実質的に同じ量のカンタリジンを送達してもよい。いくつかの例において、第2の投与は、実質的に第1の投与と同じである。いくつかの態様において、第2の投与は、第1の投与の後ある期間(例として、約1日以上、約3日以上、約5日以上、約1週間以上、約2週間以上、約3週間以上)生じてもよい。実例として、第2の投与は、第1の後、約2週間以上および約4週間以下(例として、約14日以上および約28日以下、約17日以上および約25日以下、約18日以上および約24日以下、約19日以上および約23日以下、約20日以上および約22日以下、21日)に生じてもよい。実例として、第2の投与は、第1の投与の約3週間後に生じてもよい。いくつかの態様において、第2の投与は、第1の投与の約3週間±4日後に生じてもよい。いくつかの態様において、第2の投与は、第1の投与の約3週間±6日後に生じてもよい。いくつかの態様において、第2の投与は、第1の投与の約3週間±5日後に生じてもよい。いくつかの態様において、第2の投与は、第1の投与の約3週間±3日後に生じてもよい。いくつかの態様において、第2の投与は、第1の投与の約3週間±2日後に生じてもよい。いくつかの態様において、第2の投与は、第1の投与の約3週間±1日後に生じてもよい。
【0164】
いくつかの態様において、方法は、アプリケーターデバイスを使用する皮膚病変の少なくとも一部へのカンタリジンを含む組成物の第3の投与を含む。ある態様において、第3の投与は、1以上の前の投与と同じ量のカンタリジンを実質的に送達してもよい。いくつかの例において、第3の投与は、第1および/または第2の投与と実質的に同じであってもよい。いくつかの態様において、第3の投与は、第2の投与のある期間(例として、約1日以上、約3日以上、約5日以上、約1週間以上、約2週間以上、約3週間以上)後に生じてもよい。実例として、第3の投与は、第2の投与の、約2週間以上および約4週間以下(例として、約14日以上および約28日以下 約17日以上および約25日以下、約18日以上および約24日以下、約19日以上および約23日以下、約20日以上および約22日以下、21日)後に生じてもよい。実例として、第3の投与は、第2の投与の約3週間後に生じてもよい。いくつかの態様において、第3の投与は、第2の投与の約3週間±4日後に生じてもよい。いくつかの態様において、第3の投与は、第2の投与の約3週±6日後に生じてもよい。いくつかの態様において、第3の投与は、第2の投与の約3週間±5日後に生じてもよい。いくつかの態様において、第3の投与は、第2の投与の約3週間±3日後に生じてもよい。いくつかの態様において、第3の投与は、第2の投与の約3週間±2日後に生じてもよい。いくつかの態様において、第3の投与は、第2の投与の約3週間±1日後に生じてもよい。
【0165】
いくつかの態様において、方法は、アプリケーターデバイスを使用する皮膚病変の少なくとも一部へカンタリジンを含む組成物の第4の投与を包含してもよい。ある態様において、第4の投与は、1回以上の前の投与と実質的に同じパーセント(w/v)のカンタリジンを送達してもよい。いくつかの例において、第4の投与は、第1、第2、および/または第3の投与と実質的に同じであってもよい。いくつかの態様において、第4の投与は、第3の投与の、ある期間(例として、約1日以上、約3日以上、約5日以上、約1週間以上、約2週間以上、約3週間以上)後に生じてもよい。実例として、第4の投与は、第3の投与の、約2週間以上および約4週間以下(例として、約14日以上および約28日以下 約17日以上および約25日以下、約18日以上および約24日以下、約19日以上および約23日以下、約20日以上および約22日以下、21日)後に生じてもよい。実例として、第4の投与は、第3の投与の約3週間後に生じてもよい。いくつかの態様において、第4の投与は、第3の投与の約3週間±4日後に生じてもよい。いくつかの態様において、第4の投与は、第3の投与の約3週間±6日後に生じてもよい。いくつかの態様において、第4の投与は、第3の投与の約3週間±5日後に生じてもよい。いくつかの態様において、第4の投与は、第3の投与の約3週間±3日後に生じてもよい。いくつかの態様において、第4の投与は、第3の投与の約3週間±2日後に生じてもよい。いくつかの態様において、第4の投与は、第3の投与の約3週間±1日後に生じてもよい。
【0166】
いくつかの態様において、方法は、アプリケーターデバイスを使用する皮膚病変の少なくとも一部へ続けての(例として、第5、第6の)投与を包含してもよい。
ある態様において、続けての投与は、1回以上の前の投与と実質的に同じパーセント(w/v)のカンタリジンを送達してもよい。いくつかの例において、続けての投与は、第1の、第2の、第3の、第4のまたはいかなる他の前の投与と実質的に同じであってもよい。続けての投与(例として、第5の投与)は、すぐ前の(例として、第4の投与)投与の、ある期間(例として、約1日以上、約3日以上、約5日以上、約1週間以上、約2週間以上、約3週間以上)後に生じてもよい。実例として、続けての投与は、前の投与の、約2週間以上および約4週間以下(例として、約14日以上および約28日以下、約17日以上および約25日以下、約18日以上および約24日以下、約19日以上および約23日以下、約20日以上および約22日以下、21日)後に生じてもよい。実例として、続けての投与は、前の投与の約3週間後に生じてもよい。いくつかの態様において、続けての投与は、前の投与の約3週間±4日後に生じてもよい。いくつかの態様において、続けての投与は、前の投与の約3週間±6日後に生じてもよい。いくつかの態様において、続けての投与は、前の投与の約3週間±5日後に生じてもよい。いくつかの態様において、続けての投与は、前の投与の約3週間±3日後に生じてもよい。いくつかの態様において、続けての投与は、前の投与の約3週間±2日後に生じてもよい。いくつかの態様において、続けての投与は、前の投与の約3週間±1日後に生じてもよい。
【0167】
一般に、投与ステップは、皮膚障害を処置するのに要求される、いかなる好適な数の回数繰り返されてもよい。実例として、投与ステップは、2回またはより多く、3回またはより多く、4回またはより多く、6回またはより多く、7回またはより多く、8回またはより多く、9回またはより多く、または10回またはより多い回数繰り返されてもよい。いくつかの態様において、投与ステップは、約2回以上および6回以下(例として、約3回以上および約5回以下)繰り返されてもよい。いくつかの態様において、投与ステップは、4回繰り返されてもよい。いくつかの態様において、投与ステップは、5回繰り返されてもよい。ある態様において、投与ステップは、3回繰り返されてもよい。いくつかの例において、投与ステップは、6回繰り返されてもよい。いくつかの態様において、比較的高いパーセントの病変の低減は、約2回以上および約6回以下の投与(例として4回投与、5回投与、6回投与)の後、生じてもよい。実例として、病変における低減のパーセントは、4回の投与ステップの後、約90%以上(例として、約95%以上、97%)であってもよい。別の例として、病変における低減のパーセントは、2回の投与ステップの後、約80%以上(例として、約85%以上、86%)であってもよい。いくつかの態様において、比較的大きなパーセンテージの対象は、約2回以上および約6回以下の投与(例として、4回投与、5回投与、6回投与)の後、皮膚病変の完全排除を達成するだろう。実例として、約50%以上(例として、約60%以上、約70%以上、75%)の対象は、4回の投与ステップの後、完全排除を達成するだろう。いくつかの例において、約70%以上(約80%以上、約90%以上、約95%以上、100%)の対象は、5回以上の投与ステップ(例として、5回の投与ステップ、6回の投与ステップ)の後、完全排除を達成するだろう。いくつかの態様において、比較的大きなパーセンテージの対象は、約2回以上および約6回以下の投与(例として、4回投与、5回投与、6回投与)の後、皮膚病変の完全排除を達成するだろう。実例として、約70%以上(例として、約80%以上、約90%以上、100%)の対象は、4回の投与ステップの後、90%排除を達成するだろう。例えば、約100%の対象は、4回の投与ステップの後、90%排除を達成するだろう。いくつかの態様において、比較的大きなパーセンテージの対象は、約2回以上および約6回以下の投与(例として、4回投与、5回投与、6回投与)の後、皮膚病変の75%排除を達成するだろう。実例として、約80%以上(例として、約90%以上、約95%、100%)の対象は、4回の投与ステップの後、75%排除を達成するだろう。例えば、約100%の対象は、4回の投与ステップの後、75%排除を達成するだろう。
【0168】
ある態様において、投与ステップの総数は、ある時間枠(例として、3週間、6週間、9週間、12週間、15週間、18週間、21週間、6ヶ月、8ヶ月、10ヶ月、12ヶ月)内、および/またはあるエンドポイントが、到達されるまで行われた。病変(単数または複数)の総体積における低減のパーセントは、約2以上および約10以下、約3以上および約10以下、約2以上および約8以下、約2以上および約6以下、または約3以上および約5以下であってもよい。例えば、方法は、6週間において、2回の投与ステップを行うことを包含してもよい。別の例として、方法は、12週間において、4回の投与ステップを行うことを包含してもよい。
【0169】
一般に、処置の期間は、皮膚障害を処置するのに要求されるいかなる好適な時間枠であってもよい。実例として、処置の期間は、約1週間以上、約2週間以上、約3週間以上、約4週間以上、約1ヶ月以上、約2ヶ月以上、約3ヶ月以上、約4ヶ月以上、約6ヶ月以上、約8ヶ月以上、約10ヶ月以上、約12ヶ月以上であってもよい。処置の期間は、第1の投与からあるエンドポイント(例として多くの病変における低減のあるパーセント、病変(単数または複数)の総体積における低減のパーセント)が到達されるまでの時間および/または第1の投与からの固定された時間を指す。いくつかの態様において、処置の期間は、第1の投与からの固定された時間である。ある態様において、処置の期間は、12週間である。ある態様において、処置の期間は、13週間である。ある態様において、処置の期間は、14週間である。ある態様において、処置の期間は、15週間である。
【0170】
いくつかの態様において、処置の期間は、比較的短くてもよい。実例として、処置の期間は、約18週間以下、約17週間以下、約16週間以下、約15週間以下、約14週間以下、約13週間以下、約12週間以下、約11週間以下、約10週間以下、約9週間以下、約8週間以下、約7週間以下、約6週間以下、約5週間以下、約4週間以下、または約3週間以下であってもよい。いくつかの態様において、処置の期間は、第1の投与から12週間であってもよい。いくつかの態様において、処置の期間は、第1の投与から15週間であってもよい。いくつかの態様において、処置の期間は、第1の投与から18週間であってもよい。いくつかの態様において、処置の期間は、第1の投与から9週間であってもよい。いくつかの態様において、処置の期間は、約9週間以上および約18週間以下(例として、約9週間以上および約15週間以下、約12週間以上および約15週間以下、約12週間以上および約18週間以下)であってもよい。
【0171】
いくつかの態様において、各投与ステップ(例として、第1の投与と第2の投与と)の間の時間間隔は、所望されるように選択的であってもよい。いくつかの態様において、少なくともいくつかの(例として、各)投与ステップとの間の時間間隔は、実質的に同じであってもよい。実例として、少なくともいくつかの(例として、各)投与ステップの間の時間間隔は、日(例として、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日)、週(例として、1週間、2週間、3週間、4週間)、月(例として、1月、2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月)、または年(例として、1年、2またはより多くの年)であってもよい。いくつかのケースにおいて、各投与ステップ(例として、第1の投与と第2の投与、第3の投与と)の間の時間間隔は、約3週間(例として、21日±4日毎)であってもよい。例えば、方法は、カンタリジンを含む組成物を、約9週間の間、3週間毎(例として、21日±4日毎)に投与することを包含してもよい。かかるケースにおいて、方法は、4回の投与ステップを行うこと、および各投与ステップの間の時間間隔は、約3週間(例として、21日±4日毎)であること、を包含する。ある態様において、少なくともいくつかの(例として、各)投与ステップの間の時間間隔は、異なっていてもよい。
【0172】
一態様において、処置方法は、カンタリジンを含む組成物を、アプリケーターデバイスを使用して、皮膚上の1以上の皮膚病変(例として、伝染性軟属腫感染の結果として起こる)へ投与することを含んでいてもよい。処置の期間は、約9週間以上および約15週間以下(例として、約11週間以上および約13週間以下)であってもよい。いくつかのケースにおいて、処置の期間は、第1の投与から12週間であってもよい。方法は、さらに投与するステップを繰り返すことを含んでいてもよい。実例として、方法は、2回以上(例として、3回以上の、4回以上の)投与ステップを含んでいてもよい。いくつかのケースにおいて、方法は、4回の投与ステップを含み、および第1の投与から12週間であってもよい処置の期間を有していてもよい。各投与ステップの間の時間間隔は、約1週間以上および約6週間以下(例として約2週間以上および約4週間以下)であってもよい。いくつかのケースにおいて、4回投与の間の時間間隔は、約3週間(例として、21±4日)であってもよい。いくつかのかかる態様において、組成物は、カンタリジン、溶媒(例として、非水性、非エーテル、エタノールおよびアセトン)、皮膜形成剤(例として、ポリマー、ニトロセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルセルロース)、および可塑剤(例として、浸透エンハンサー、油、ショウノウおよび/またはヒマシ油)を含んでいてもよい。組成物はまた、任意に染料(例として、ゲンチアナバイオレット)および/または苦味剤(例として、安息香酸デナトニウム)を含んでいてもよい。
【0173】
例えば、組成物は、カンタリジン(例として、体積パーセント当たり約0.1以上および約1.2または1.5以下の重量で)、アセトン(例として、重量パーセント当たり約55以上および約65以下の重量で)、エタノール(例として、重量パーセント当たり約25以上および約35以下の重量で)、ヒマシ油(例として、ヒマシ油の重量パーセント当たり約0.5以上および約2以下の重量で)、ニトロセルロース(例として、重量パーセント当たり約2以上および約10以下の重量で)、ヒドロキシプロピルセルロース(例として、ヒドロキシプロピルセルロースの重量パーセント当たり約0.1以上および約2以下の重量で)、ショウノウ(例として、重量パーセント当たり約0.1以上および約2以下の重量で)、安息香酸デナトニウム(例として、重量パーセント当たり約0.001以上および約0.01以下の重量で)、およびゲンチアナバイオレット(例として、重量パーセント当たり約0.0001以上および約0.001以下の重量で)を包んでいてもよい。
【0174】
いくつかの態様において、方法は、カンタリジンを含む組成物が6時間を超えて(例として、18時間以上および約24時間以下)皮膚病変にとどまることを可能にすることをさらに含んでいてもよい。投与のステップが繰り返されるいくつかの態様において、前記可能にするステップはまた、繰り返されてもよい。ある態様において、各投与の後、前記可能にするステップは、繰り返されてもよい。いくつかの態様において、少なくともいくつかの、しかしすべてではない投与ステップの後、前記可能にするステップは、繰り返されてもよい。一般に、繰り返される前記可能にするステップ(単数または複数)は、投与ステップに関して本願明細書に記載のとおり、繰り返されてもよい。
【0175】
いくつかの態様において、組成物の少なくとも一部は、ある期間(例として、6時間超、約18時間以上および約24時間以下)の間皮膚病変に残存させられるだろう。例えば、組成物における少なくともいくつかの溶媒または実質的に全ての溶媒は、皮膚(例として、皮膚病変)上に材料(例として、皮膜)を残して蒸発してもよい。材料は、カンタリジンおよび皮膜形成剤(例として、ニトロセルロース)を含んでもよい。ある態様において、材料は、他の構成要素、たとえば浸透エンハンサー、染料、嫌悪剤もまた含んでもよい。いくつかの態様において、残存する組成物(例として、皮膚病変に残存する組成物の一部)は、有益な皮膚付着力、柔軟性、および/または安全性(例として、病変の端の外側で比較的少ない水疱形成かまたは全く水疱形成がない)の特性を有するだろう。例えば、残存する組成物は、皮膚病変上に皮膜を形成してもよい。ある態様において、皮膜は、投与ステップの間および/または後の、溶媒(例として、実質的に全ての)の除去(例として、蒸発を介して)の結果として形成する。いくつかのケースにおいて、皮膜は、対象による通常の活動の間、および/またはある期間(例として、約6時間超、約8時間超、約12時間超、約18時間超、約24時間超、無期限)の水への暴露が少ない間、皮膚病変に付着して残存するだろう。あるケースにおいて、皮膜は、比較的柔軟である。実例として、皮膜は、ある期間の通常の活動の間、断続的な領域が比較的少ないかまたは全くなく、比較的連続して残存するだろう。このようなケースにおいて、皮膜は、通常の活動の間に最小限の剥離を被るか、および/または少ししかひびを形成しないかまたは全くひびを形成しないだろう。
【0176】
いくつかの態様において、残存する組成物は、安全であることがある。いくつかのこのようなケースにおいて、組成物は、カンタリジンを含む組成物の投与の後、約12時間またはそれより多い時間(例として、約24時間またはそれより多い時間)以内には、皮膚病変を取り囲む皮膚上に水疱を誘発しないことがある。例えば、組成物は、投与ステップ後および/または組成物との連続的な接触の後少なくとも6時間(例として、少なくとも約12時間、少なくとも約24時間)以内に皮膚病変の端から少なくとも約2mm(例として、約5mm、約10mm、約15mm、約20mm、約30mm)の距離に水疱形成(例として、水疱を起こさせる)をもたらさないことがある。別の例として、組成物は、投与ステップおよび/または組成物との連続的な接触の少なくとも6時間(例として、少なくとも約12時間、少なくとも約24時間)の後に、皮膚病変の端および/または投与の場所の外側に水疱を引き起こさないことがある。いくつかの態様において、組成物は、5mmの組成物の液滴が、皮膚に投与される場合に、皮膚との連続的な接触の少なくとも6時間(例として、少なくとも約12時間、少なくとも約18時間、少なくとも約24時間)後に、皮膚病変の端からある距離(例として、少なくとも1mm、少なくとも約2mm)に約10mm超(例として、約15mm、約20mm、約25mm、約30mm、約40mm、約50mm)の直径を有する水疱を生成しない。いくつかの態様において、組成物は、約10μL以下の体積を有する組成物の液滴が、皮膚に、例として、皮膚上の直径5mmのエリアにわたって、投与される場合に、皮膚との連続的な接触の少なくとも6時間(例として、少なくとも約12時間、少なくとも約18時間、少なくとも約24時間)後に、皮膚病変の端からある距離(例として、少なくとも1mm、少なくとも約2mm)に、約10mm超(例として、約15mm、約20mm、約25mm、約30mm、約40mm、約50mm)の直径を有する水疱を生成しない。
【0177】
一般に、本願明細書に記載の処置方法は、外皮組織を除去することおよび/または外皮組織を損傷することなしに外皮組織から皮膚病変内の表皮組織の少なくとも一部の分離をもたらしてもよい。本願明細書に記載の処置方法は、比較的高い有効性を有するであろう。実例として、アプリケーターデバイスを使用し、および/または1以上の投与の後、組成物が残存することを可能にする組成物の1以上の投与は、皮膚病変の除去または病変の体積の実質的低減をもたらすだろう。いくつかの態様において、処置方法は、例として、アプリケーターを用いない同じ組成物の投与および同じアプリケーターを用いた異なる組成物の投与を包含する、他の処置方法よりも、より高い有効性を有するだろう。実例として、処置方法は、比較的高いパーセントの病変低減(例として、約95%以上)、対象における比較的高いパーセンテージの完全排除(例として約75%以上)、比較的短い処置の期間、および/または相対的に低い頻度の投与を有するだろう。
【0178】
いくつかの態様において、本願明細書に記載の処置方法は、比較的高いパーセントの病変の低減を有するだろう。1より多くの皮膚病変(例として、伝染性軟属腫感染症の結果として起こる)が対象上に存在し、および組成物が少なくともいくつかの(例として、実質的に、各)病変へ投与されるいくつかの態様において、処置された病変の比較的高いパーセンテージが除去され、および/または病変の総体積が比較的高いパーセンテージ(例として、約50%以上、約70%以上、約90%以上)で低減されるだろう。実例として、1より多くの皮膚病変が対象上に存在し、および1以上の組成物(例として、1つの組成物、2以上の組成物、3個の組成物またはより多く、4以上の組成物)は、少なくともいくつかの(例として、実質的に、各)病変へ投与されたいくつかの態様において、約40%以上、約45%以上、約50%以上、約55%以上、約60%以上、約65%以上、約70%以上、約75%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、約98%以上、約99%以上、または約100%の処置された病変が、除去されるだろう。ある態様において、処置される病変の約40%以上(例として、約45%以上、約50%以上)が、第1の投与および/または可能にするステップの後、除去されるだろう。繰り返される投与が行われるいくつかの態様において、処置される病変の約60%以上(例として、約70%以上、約80%以上)が、第2の投与および/または可能にするステップの後、除去されるだろう。繰り返される投与が行われたある態様において、処置された病変の約80%以上(例として、約85%以上、約90%以上)が、第3の投与および/または可能にするステップの後、除去されるだろう。繰り返される投与が行われるいくつかの態様において、処置された病変の約90%(例として、約92%以上、約95%以上)が、第4の投与および/または可能にするステップの後で除去されるだろう。いくつかのかかる態様において、処置方法は、4回の投与ステップを行うことを包含し、および12週間の期間を有していてもよい。いくつかの例において、各投与ステップの間の間隔は、約3週間(例として21±4日)であってもよい。
【0179】
ある態様において、組成物の1回以上の投与(例として、2回以上の投与、3回以上の投与、4回以上の投与)および/または1回以上の投与の後、組成物が残存することを可能にすることは、対象の比較的高いパーセンテージにおいて、皮膚病変の完全排除(すなわち、完全除去)をもたらすだろう。実例として、いくつかの態様において、対象の約50%以上、約55%以上、約60%以上、約65%以上、約70%以上、または約75%以上は、2回以上の処置(例として、4回以上の処置)の後、皮膚病変(単数または複数)の完全排除を有するだろう。いくつかの例において、対象の約70%以上は、2回以上の処置(例として4回以上の処置)の後、皮膚病変(単数または複数)の完全排除を有するだろう。ある態様において、対象の約50%と約100%との間(例として、約50%と約90%との間、約50%と約100%との間)は、2回以上の処置(例として、4回以上の処置)の後、皮膚病変(単数または複数)の完全排除を有するだろう。いくつかのかかる態様において、処置方法は、4回の投与ステップを行うことを含み、および12週間の期間を有していてもよい。
【0180】
いくつかの態様において、単一の皮膚病変の体積は、比較的高いパーセンテージ(例として、約50%以上、約60%以上、約75%以上、約90%以上、約99%以上、100%)で低減されてもよい。
【0181】
方法を通じて、本願明細書に記載の組成物、およびデバイスは、1以上の体表面の状態を処置するのに使用され得ることが正しく理解されるべきであり、単一の皮膚病変への参照は、説明の簡単さのためである。一般に、本願明細書に記載の方法、組成物、およびデバイスは、伝染性軟属腫感染症などの、皮膚障害を有する対象上の複数の皮膚病変(例として2以上、5以上、10以上、15以上、20以上、30以上、40以上、50以上、75以上、100以上、200以上)を処置するのに使用されてもよい。
【0182】
いくつかの態様において、ある方法および組成物は、カンタリジンおよびそれらの使用と典型的に関連付けられた1以上の限定に悩まされない。実例として、ある処置方法は、皮膚病変(単数または複数)を、比較的長い期間(例として、6時間超、12時間以上、約18時間以上、約6時間以上および約72時間以下、約18時間以上および約24時間以下)最小限副作用(例として、重篤な副作用)または副作用なしでカンタリジンへ曝露するだろう。
【0183】
いくつかの態様において、組成物は、アプリケーターデバイスを使用して投与されてもよくおよび/または組成物は、組成物の比較的大きなパーセンテージが、投与の後、処置された体表面エリアの境界の外側へ広がらないように処方されてもよい(例としては、局所投与)。ある態様において、影響を与えられるエリア(例として、正常な組織)を囲む体の少なくとも一部への組成物の広がりは、影響を与えられるエリアへのある体積の送達により、および/またはあるアプリケーター(例として、精密アプリケーターチップ)の使用を通じて最小化されてもよい。いくつかの態様において、組成物は、影響を与えられたエリアを囲む体の部分への組成物の広がりを最小化する一方、影響を与えられたエリアへの好適な覆いを可能にするように処方されてもよい。組成物が広がるかどうかに関係なく、組成物は、最小限の副作用(例として、重篤な副作用)をもたらすか、または副作用をもたらさないだろう。
【0184】
いくつかの態様において、組成物の少なくとも一部は、影響された体のエリアに、ある期間(例として、6時間超、約18時間以上および約24時間以下)残存することを可能にするだろう。例えば、組成物の中の少なくともいくつかまたは実質的にすべての溶媒は、蒸発し、影響された体のエリア(例として、皮膚病変)の上に材料(例として、皮膜)を残す。材料は、カンタリジンおよび皮膜形成剤(例として、ニトロセルロース)を含んでいてもよい。ある態様において、材料はまた、浸透エンハンサー、染料、嫌悪剤などの他の構成要素も含んでもよい。いくつかの態様において、残存する組成物(例として、影響された体のエリアの上に残存する組成物の部分)は、有益な付着、柔軟性、および/また安全性(例として、病変の境界の外側の水疱形成が比較的低いか、または水疱形成されない)の特性を有していてもよい。例えば、残存する組成物は、皮膚病変上に皮膜を形成してもよい。ある態様において、皮膜は、投与ステップの間の、および/またはその後に、溶媒(例として、実質的にすべて)の除去(例として、蒸発を介して)の結果として形成する。いくつかのケースにおいて、皮膜は、対象による正常な活性の間および/またはある期間(例として、約6時間超、約8時間超、約12時間超、約18時間超、約24時間超、無期限に)の水への少量の曝露の間、影響された体のエリアへ付着したまま残存していてもよい。あるケースにおいて、皮膜は、比較的柔軟である。実例として、皮膜は、ある期間の通常の活動の間、断続的な領域が比較的少ないか、またはなしで比較的連続して残存するだろう。通常の活動の間に、皮膜は、最小限の剥離を被るか、および/または少ししかひびを形成しないか、または全くひびを形成しないだろう。
【0185】
いくつかの態様において、残存する組成物は、安全であるだろう。いくつかのかかるケースにおいて、組成物は、カンタリジンを含む組成物の投与の後、約12時間以上(例として、約24時間以上)影響された体のエリアを囲む体の部分の上の水疱を誘導しないだろう。例えば、組成物は、投与ステップ後および/または組成物との連続的な接触の後少なくとも6時間(例として、少なくとも約12時間、少なくとも約24時間)以内に影響された体のエリアの端から少なくとも約2mm(例として、約5mm、約10mm、約15mm、約20mm、約30mm)の距離に水疱形成(例として、水疱を起こさせる)をもたらさないだろう。別の例として、組成物は、投与ステップおよび/または組成物との連続的な接触の少なくとも6時間(例として、少なくとも約12時間、少なくとも約24時間)の後に、影響された体のエリアの端および/または投与の場所の外側に水疱を引き起こさないだろう。いくつかの態様において、組成物は、5mmの組成物の液滴が、皮膚に投与されるとき、皮膚との連続的な接触の少なくとも6時間(例として、少なくとも約12時間、少なくとも約18時間、少なくとも約24時間)後に、影響された体のエリアの端からある距離(例として、少なくとも1mm、少なくとも約2mm)に約10mm超(例として、約15mm、約20mm、約25mm、約30mm、約40mm、約50mm)の直径を有する水疱を生成しない。
【0186】
上記に記載されるように、いくつかの態様において、組成物の少なくとも一部は、ある期間の間影響された体のエリアに残存させられてもよい。いくつかの態様において、組成物は、約6時間超、約8時間以上、約10時間以上、約12時間以上、約14時間以上、約16時間以上、約18時間以上、約20時間以上、約22時間以上、約24時間以上、約28時間以上、約32時間以上、約36時間以上、約40時間以上、約44時間以上、約48時間以上、約52時間以上、約56時間以上、約60時間以上、約64時間以上、または約68時間以上の間影響された体のエリアに残存させられてもよい。いくつかの実例において、組成物は、約72時間以下、約68時間以下、約64時間以下、約60時間以下、約56時間以下、約52時間以下、約48時間以下、約44時間以下、約40時間以下、36時間以下、約32時間以下、約28時間以下、約24時間以下、約22時間以下、約20時間以下、約18時間以下、約16時間以下、約14時間以下、約12時間以下、約10時間以下、または約8時間以下の間影響された体のエリアに残存させられてもよい。上記の参照の範囲の全ての組み合わせが、可能である。例えば、組成物は、約6時間超および約72時間以下、約12時間超および約72時間以下、約18時間超および約72時間以下、約12時間超および約48時間以下、約18時間超および約36時間以下、または約18時間超および約24時間以下の間影響された体のエリアに残存させられてもよい。
【0187】
組成物またはその構成要素のいずれかに関して「影響された体のエリア上」、「皮膚上」、「皮膚病変上」、「病変上」、等々の句は、組成物またはその構成要素のいずれかが皮膚の1以上の層の最上部(例として、皮膚の外側)、皮膚の1以上の層の内側(例として、皮膚の1以上の層内に含有される、皮膚に含有される、病変内に含有される)、および/または皮膚の1以上の層より下(例として、皮膚病変の表面の層、皮膚病変の表皮の層)にあることを指すであろうということを理解すべきである。いくつかの態様において、少なくとも一部の(例として、実質的に全ての)組成物またはその構成要素のいずれかは、影響された体のエリアの最上部に残存してもよい。いくつかの態様において、少なくとも一部の(例として、実質的に全ての)組成物またはその構成要素のいずれかは、影響された体のエリア内に残存してもよい。いくつかの態様において、少なくとも一部の(例として、実質的に全ての)組成物またはその構成要素のいずれかは、影響された体のエリアの1以上の層より下(例として、皮膚病変の表面の層、皮膚病変の表皮の層)にあってもよい。
【0188】
いくつかの態様において、溶媒の少なくとも一部(例として、実質的に全て)は、投与ステップの間および/または投与ステップ後に組成物から除去される。実例として、溶媒の少なくとも一部(例として、実質的に全て)は、投与ステップ後に組成物から除去される(例として、蒸発を介して)。このような態様のいくつかにおいて、残存する組成物は、影響された体のエリアの少なくとも一部の上に皮膜を形成するだろう。いくつかの態様において、組成物からの溶媒(例として、実質的に全て)の除去(例として、蒸発)についての速度および/または総時間は、有益な特性を生成するように選択されてもよい。実例として、溶媒および/または組成物の蒸気圧は、組成物からの溶媒(例として、実質的に全て)の除去(例として、蒸発)についての速度および/または総時間を制御するように選択されてもよい。いくつかの態様において、組成物からの溶媒の少なくとも一部(例として、約50%以上、約75%以上、約90%以上、約95%以上、約99%以上、100%)の除去(例として、蒸発)についての総時間は、約60秒以下、約55秒以下、約50秒以下、約45秒以下、約40秒以下、約35秒以下、約30秒以下、約25秒以下、または約20秒以下であってもよい。いくつかの実例において、組成物からの溶媒の少なくとも一部(例として、約50%以上、約75%以上、約90%以上、約95%以上、約99%以上、100%)の除去(例として、蒸発)についての総時間は、約10秒以上、約15秒以上、約20秒以上、約25秒以上、約30秒以上、約35秒以上、約40秒以上、約45秒以上、または約50秒以上であってもよい。上記の参照の範囲の全ての組み合わせが、可能である(例として、約30秒超および約60秒以下)。一般に、組成物からの溶媒の少なくとも一部の除去についての時間は、ある従来のカンタリジン組成物、たとえばジエチルエーテルまたはあるパーセンテージのジエチルエーテルを含むそれらよりもゆっくりとしたものであってもよい。いくつかの態様において、溶媒の少なくとも一部(例として、実質的に全ての溶媒)の除去は、受動的および/または能動的な手段を通して生じるものであってもよい。
【0189】
カンタリジンを投与された組成物として使用するいくつかの態様において、影響された体のエリア(例えば、皮膚病変)に投与された組成物(例えば、カンタリジン)の比較的大きなパーセンテージが、影響された体のエリア(例として、皮膚病変の表皮)に浸透するだろう。実例として、いくつかの態様において、投与ステップ、および/またはある期間(例として、6時間以下、12時間以下、18時間以下)の間皮膚上に残存させられた後に、約10%以上、約20%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約95%以上、または約99%以上の投与されたカンタリジンが、皮膚病変の組織(例として、表皮組織)内へと吸収されてもよい。結果的に、ある期間の後に皮膚上に残存する組成物(例として、皮膜)は、比較的小さいパーセンテージの投与されたカンタリジンを含有し得る。実例として、皮膚上に残存する組成物(例として、皮膜)は、約75%以下、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、約10%以下、約5%以下、約2%以下、約1%以下、または約0.5%以下の投与されたカンタリジンを含んでもよい。
【0190】
カンタリジンを投与された組成物として使用するいくつかの態様において、皮膚病変中に浸透する投与されたカンタリジンのパーセンテージに関係なく、対象におけるカンタリジンの血漿濃度(例として、単一の時点での濃度、全ての時点での濃度、最大濃度)は、比較的低くてもよい。実例として、対象(例として、少なくともいくつかの対象、全ての対象)におけるカンタリジンの血漿濃度は、カンタリジンを含む組成物の投与の少なくとも2時間(例として、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間)後に、約30ng/ml以下、約25ng/ml以下、約20ng/ml以下、約15ng/ml以下、約10ng/ml以下、約8ng/ml以下、約5ng/ml以下、約4.8ng/ml以下、約4.5ng/ml以下、約4.3ng/ml以下、約4ng/ml以下、約3.8ng/ml以下、約3.5ng/ml以下、約3.3ng/ml以下、約3ng/ml以下、約2.8ng/ml以下、約2.5ng/ml以下、約2.3ng/ml以下、約2ng/ml以下、約1.8ng/ml以下、約1.5ng/ml以下、約1.3ng/ml以下、約1ng/ml以下、約0.8ng/ml以下、約0.5ng/ml以下、約0.3ng/ml以下、または約0.1ng/ml以下であってもよい。例えば、組成物が、1より多い皮膚病変(例として、2以上、5以上、10以上、15以上、20以上、25以上、50以上、100以上)に適用される、および/または約900マイクロリッターまで、または200mg(例として、170mg)までの組成物が、対象の皮膚病変に適用される態様において、血漿濃度は、組成物の投与の少なくとも2時間(例として、2時間、6時間、24時間)後に、約3.3ng/mL以下または約2.5ng/mL以下(例として、約1ng/mL以下、約0.5ng/mL以下、約0.1ng/mL以下)であってもよい。別の例として、組成物が、1より多い皮膚病変(例として、2以上、5以上、10以上、15以上、20以上、25以上、50以上、100以上)に適用される、および/または200mg(例として、170mg)までの組成物が、対象の皮膚病変に適用される態様において、血漿濃度は、組成物の投与の少なくとも2時間(例として、2時間、6時間、24時間)後に、約3.3ng/mL以下または約2.5ng/mL以下(例として、約1ng/mL以下、約0.5ng/mL以下、約0.1ng/mL以下)であってもよい。
【0191】
いくつかの態様において、対象におけるカンタリジンの血漿濃度(例として、単一の時点での濃度、全ての時点での濃度、最大濃度)は、広範な病変の数、体重のポンド当たりの病変(すなわち、ポンド当たりの病変)、年齢、体重、投与された総投薬量、および/または生殖器の合併症について比較的低くてもよい。実例として、血漿濃度(例として、単一の時点での濃度、全ての時点での濃度、最大濃度)は、組成物が、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、または少なくとも110の皮膚病変に投与される場合に、組成物の投与の約2時間(例として、2時間±30分、6時間±1時間、24時間±3時間)後に、約3.3ng/mL以下(例として、約2.5ng/mL以下、約2.5ng/mL以下)であってもよい。いくつかの態様において、血漿濃度は、対象のポンド当たりの病変が、約0.001以上、約0.01以上、約0.1以上、約0.25以上、約0.5以上、約0.75以上、約1以上、約1.25以上、約1.75以上、約2以上、約2.25以上、約2.5以上、約2.75以上、または約3以上である場合に、組成物の投与の少なくとも約2時間後に、約3.3ng/mL以下(例として、約2.5ng/mL以下、約1ng/mL以下)であってもよい。実例として、血漿濃度は、対象のポンド当たりの病変が、約0.001以上および約3以下(例として、約0.1以上および約2.5以下)である態様において、組成物の投与の少なくとも約2時間後に、約3.3ng/mL以下(例として、約2.5ng/mL以下、約1ng/mL以下)であってもよい。
【0192】
いくつかの態様において、血漿濃度(例として、単一の時点での濃度、全ての時点での濃度、最大濃度)は、対象のポンド当たり約0.1ミリグラム以上(例として、約0.25mg以上、約0.5mg以上、約0.75mg以上、約1mg以上、約1.5mg以上、約2mg以上、約2.5mg以上、約3mg以上、約3.5mg以上、約4mg以上、約4.5mg以上)の組成物の投与の、少なくとも約2時間(例として、2時間±30分、6時間±1時間、24時間±3時間)後に、約3.3ng/mL以下(例として、約2.5ng/mL以下、約1ng/mL以下)であってもよい。実例として、血漿濃度は、対象のポンド当たり約0.1mg以上および約6mg以下(例として、約0.5mg以上および約6mg以下、約0.75mg以上および約5mg以下)の組成物の投与の少なくとも2時間後に、約3.3ng/mL(例として、約2.5ng/mL)であってもよい。
【0193】
いくつかの態様において、血漿濃度(例として、単一の時点での濃度、全ての時点での濃度、最大濃度)は、病変当たり約0.5ミリグラム以上の組成物(例として、約3mg/病変以上、約3.5mg/病変以上、約4mg/病変以上、約4.5mg/病変以上、約5mg/病変以上、約5.5mg/病変以上、約6mg/病変以上、約6.5mg/病変以上、約7mg/病変以上、約7.5mg/病変以上、約8mg/病変以上、約8.5mg/病変以上、約9mg/病変以上、約9.5mg/病変以上)の投与の、少なくとも約2時間(例として、2時間±30分、6時間±1時間、24時間±3時間)後に、約3.3ng/mL(例として、約2.5ng/mL以下、約1ng/mL以下)であってもよい。実例として、血漿濃度は、約3mg/病変以上および約10mg/病変以下の組成物の対象への投与の少なくとも約2時間後に、約3.3ng/mL以下(例として、約2.5ng/mL以下、約1ng/mL以下)であってもよい。
【0194】
いくつかの態様において、血漿濃度(例として、単一の時点での濃度、全ての時点での濃度、最大濃度)は、病変当たり約0.01ミリグラム以上のカンタリジン(例として、約0.01mg/病変以上、約0.02mg/病変以上、約0.03mg/病変以上、約0.04mg/病変以上、約0.05mg/病変以上、約0.06mg/病変以上、約0.07mg/病変以上、約0.08mg/病変以上、約0.09mg/病変以上、約0.1mg/病変以上、約0.2mg/病変以上、約0.3mg/病変以上、約0.4mg/病変以上、約0.5mg/病変)の投与の、少なくとも約2時間(例として、2時間±30分、6時間±1時間、24時間±3時間)後に、約3.3ng/mL以下(例として、約2.5ng/mL以下、約1ng/mL以下)であってもよい。実例として、血漿濃度は、約0.01mg/病変以上および約0.5mg/病変以下(例として、約0.07mg/病変以上および約0.1mg/病変以下)のカンタリジンを対象への投与の少なくとも約2時間後に、約3.3ng/mL以下(例として、約2.5ng/mL以下、約1ng/mL以下)であってもよい。
【0195】
いくつかの態様において、対象におけるカンタリジンの血漿濃度(例として、単一の時点での濃度、全ての時点での濃度、最大濃度)は、比較的低い体重および/または年齢を有する対象において比較的低く一様であってもよい。実例として、血漿濃度は、約200lb.以下、約175lb.以下、約150lb.以下、約125lb.以下、約100lb.以下、約90lb.以下、約80lb.以下、約70lb.以下、約60lb.以下、約50lb.以下、約40lb.以下、または約30lb.以下の体重を有する対象における組成物の投与の、少なくとも約2時間(例として、2時間±30分、6時間±1時間、24時間±3時間)後に、約3.3ng/mL以下(例として、約2.5ng/mL以下、約1ng/mL以下)であってもよい。いくつかの実例において、血漿濃度は、約20歳以下、約18歳以下、約15歳以下、約12歳以下、約10歳以下、約8歳以下、約5歳以下、または約3歳以下の年齢である対象における組成物の投与の、少なくとも約2時間(例として、2時間±30分、6時間±1時間、24時間±3時間)後に、約3.3ng/mL以下(例として、約2.5ng/mL以下、約1ng/mL以下)であってもよい。いくつかの態様において、血漿濃度は、生殖器の領域に1以上の皮膚病変を有する対象における組成物の投与、少なくとも約2時間(例として、2時間±30分、6時間±1時間、24時間±3時間)後に、で約3.3ng/mL以下(例として、約2.5ng/mL以下、約1ng/mL以下)であってもよい。
【0196】
上記に記載されるように、いくつかの態様において、組成物は、少なくとも一部分において、本願明細書に記載の方法の有効性および/または安全性に寄与する有益な特性を有していてもよい。いくつかの態様において、組成物は、比較的低い濃度のカンタリジン(例として、約1.2%(w/v)または1.5%(w/v)以下)、非水性溶媒(例として、20℃において約350mmHg以下の蒸気圧を有するエタノールおよびアセトン)、皮膜形成剤(例として、ニトロセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルセルロース)、および可塑剤(例として、ショウノウおよび/またはヒマシ油)を含んでもよい。いくつかの態様において、組成物はまた、染料(例として、ゲンチアナバイオレット)および/または苦味剤(例として、安息香酸デナトニウム)を含んでもよい。
【0197】
一例において、組成物は、カンタリジン(例として、約0.1以上および約1.2または1.5以下の体積パーセント当たりの重量で、約0.7以上および約0.9以下の体積パーセント当たりの重量で、0.7体積パーセント当たりの重量)、アセトン(例として、約55以上および約65以下の重量パーセント当たりの重量で、約58以上および約62以下の重量パーセント当たりの重量で)、エタノール(例として、約25以上および約35以下の重量パーセント当たりの重量で、約28以上および約32以下の重量パーセント当たりの重量で)、ヒマシ油(例として、約0.5以上および約2以下の重量パーセント当たりの重量で、約1.2以上および約1.6以下の重量パーセント当たりの重量で)、ニトロセルロース(例として、約2以上および約10以下の重量パーセント当たりの重量で、約3以上および約6以下の重量パーセント当たりの重量のニトロセルロースの量で)、ヒドロキシプロピルセルロース(約0.1以上および約2以下の重量パーセント当たりの重量で、約0.1以上および約2以下の重量パーセント当たりの重量で)、ショウノウ(例として、約0.1以上および約2以下の重量パーセント当たりの重量で、約0.5以上および約1.2または1.5以下の重量パーセント当たりの重量で)、安息香酸デナトニウム(例として、約0.001以上および約0.01以下の重量パーセント当たりの重量で、約0.004以上および約0.008以下の重量パーセント当たりの重量で)、および/またはゲンチアナバイオレット(例として、約0.0001以上および約0.001以下の重量パーセント当たりの重量のゲンチアナバイオレットの量で、約0.0002以上および約0.0008以下の重量パーセント当たりの重量で)を含んでもよい。
【0198】
いくつかの態様において、溶媒全体および/または組成物は、組成物に有益な特性を与える、ある一定の蒸気圧を有していてもよい。実例として、組成物における溶媒全体および/または組成物は、20℃で約210mmHg以下、約200mmHg以下、約175mmHg以下、約150mmHg以下、または約126mmHg以下の蒸気圧を有してもよい。いくつかの態様において、溶媒全体および/または組成物の蒸気圧は、20℃で約100mmHg以上および約210mmHg以下(例として、約100mmHg以上および約200mmHg以下、約100mmHg以上および約175mmHg以下、約100mmHg以上および約150mmHg以下)であってもよい。ある態様において、組成物における溶媒全体および/または組成物は、約4℃以上の引火点を有してもよい。いくつかの態様において、組成物における溶媒全体および/または組成物は、分解に当たり過酸化基を形成しないか、さもなければ過酸化基を形成する傾向を有さないであろう。
【0199】
ある態様において、溶媒全体における1以上の溶媒の構成要素(例として、すべての溶媒の構成要素)、溶媒全体および/または組成物は、20℃で約350mmHg以下、約340mmHg以下、約330mmHg以下、約320mmHg以下、約310mmHg以下、約300mmHg以下、約290mmHg以下、約280mmHg以下、約270mmHg以下、約260mmHg以下、約250mmHg以下、約240mmHg以下、約230mmHg以下、約220mmHg以下、約210mmHg以下、約200mmHg以下、約190mmHg以下、約180mmHg以下、約170mmHg以下、約160mmHg以下、約150mmHg以下、約140mmHg以下、約130mmHg以下、約120mmHg以下、約110mmHg以下、約100mmHg以下、約90mmHg以下、約80mmHg以下、約70mmHg以下、約60mmHg以下、または約50mmHg以下の蒸気圧を有していてもよい。いくつかの例において、溶媒全体における1以上の溶媒の構成要素、溶媒全体および/または組成物は、20℃で約20mmHg以上、約25mmHg以上、約30mmHg以上、約35mmHg以上、約40mmHg以上、約50mmHg以上、約60mmHg以上、約70mmHg以上、約80mmHg以上、約90mmHg以上、約100mmHg以上、約110mmHg以上、または約120mmHg以上の蒸気圧を有していてもよい。上記参照の範囲の全ての組み合わせが、可能である。いくつかの態様において、溶媒全体における1以上の溶媒の構成要素(例として、全ての溶媒の構成要素)、溶媒全体および/または組成物は、20℃で約210mmHg以下(例として、約200mmHg以下、185mmHg)の蒸気圧を有していてもよい。ある態様において、溶媒全体における1以上の溶媒の構成要素(例として、全ての溶媒の構成要素)は、約4℃以上の引火点を有していてもよい。ある態様において、組成物は、約4℃以下の引火点を有する溶媒の構成要素を含まなくてもよい。他の態様において、組成物は、約4℃以下の引火点を有する溶媒の構成要素を約20wt.%以下含んでもよい。いくつかの態様において、溶媒全体における1以上の溶媒の構成要素(例として、全ての溶媒の構成要素)は、分解に当たり過酸化基を形成しないか、さもなければ過酸化基を形成する傾向を有さないであろう。
【0200】
いくつかの態様において、組成物は、比較的低いパーセンテージのジエチルエーテル(例として、約20%w/w以下、約15%w/w以下、約10%w/w以下、約5%w/w以下、約1%w/w以下、約0.1%w/w以下、約0.01%w/w以下)を含むかまたはジエチルエーテルを含まないだろう。いくつかの態様において、組成物は、比較的低いパーセンテージの水(例として、約10%w/w以下、約5%w/w以下、約1%w/w以下、約0.1%w/w以下、約0.01%w/w以下)を含むかまたは水を含まないだろう。
【0201】
いくつかの態様において、組成物は、25℃で約1500未満のレイノルズ数を有するだろう。組成物はさらに、ゲル化剤を含んでもよい。フレーバラントは、デナトニウム、アマロゲンチン、ゲンチオピクリン、オクタアセチルスクロース、ケルセチン、ブルシンおよびクアシンからなる群から選択され得る。着色剤は、D&Cバイオレット、イソスルファンブルー、メチレンブルー、メチルレッド、メチルオレンジ、コンゴレッド、アリザリンイエロー、ブロモクレゾールグリーン、FD&Cグリーン3、FD&Cイエロー5、およびゲンチアナバイオレットからなる群から選択され得る。
【0202】
本明細書に使用されるとき、用語「処置」または「処置すること」は、一般には、これらに限定されないが、治療的利益および/または予防的利益を含む、有益な、予定されるまたは所望される結果を得るためのアプローチを指す。治療的利益とは、処置されている基礎的な障害、たとえば皮膚の疾患または病気、たとえばいぼの根絶または改善を意味する。また、治療的利益は、いまだに基礎的な障害に苦しんでいるだろうとしても、改善が患者において観察されるように、基礎的な障害と関連する生理学的な兆候の1以上の根絶または改善で達成され得る。処置は、健康状態、たとえばいぼの診断を含み得る。
【0203】
本明細書に使用されるとき、用語「カンタリジン」は、一般には、以下の構造の化合物、またはタンパク質ホスファターゼ阻害に関して同様の活性を有するその誘導体を指す。炭素の代わりにホウ素が置換されている化合物もまた、カンタリジンとみなされるだろう。異なる割合の炭素同位体を有する化合物もまた、カンタリジンとみなされるだろう(例として、C14)。異なる割合の酸素同位体を有する化合物もまた、カンタリジンとみなされるだろう(例として、O17)。異なる割合の水素同位体を有する化合物もまた、カンタリジンとみなされるだろう(H)。異なる割合の炭素、酸素、水素同位体またはそれらの組み合わせを有する化合物もまた、カンタリジンとみなされるだろう。カンタリジンは、1以上の不安定な放射性元素を含んでもよい。カンタリジンは、1以上の不安定な放射性元素を含まなくてもよい。カンタリジンは、薬学的に許容し得る塩を含んでもよい。カンタリジンは、薬学的に許容し得る塩を含まなくてもよい。
【化1】
【0204】
カンタリジン誘導体の非限定例は、カンタリジン酸、ノルカンタリジン、パラソニン、エンドタール、フォストリエシンおよびオカダ酸(上記参照)を含む。置換の有無にかかわらず、exo,exo-二石炭酸を有するかまたはexo,exo-二石炭酸を含有する種へと分解されると予期されるかあるいは代謝されるであろう他の種もまた、「カンタリジン」とみなされるだろう。リンタンパク質1、2A、4または5のインヒビターとして役立つ他の化合物もまた、「カンタリジン」とみなされるだろう。カンタリジン組成物は、カンタリジン単独でまたは1以上の他の種、たとえば1以上の賦形剤を加えて含み得る。
【化2】
【0205】
置換exo,exo-二石炭酸の非限定例は、以下を含む:2,3-トリメチレン無水物;非置換型-無水物;5,6-デヒドロ-無水物;endo-5-メチル;モノ-4-クロラニリド;endo-5-カルボキシ;5,6-デヒドロ;2-ブロモ;endo-5-ヒドロキシメチル。
【0206】
カンタリジンは、これらに限定されないが、スパニッシュフライ、フォールスブリスタービートル(false blister beetle)、アカハネムシ、ジョウカイ、チャイニーズブリスタービートル(Chinese blister beetle)またはそれらの組み合わせを含む1以上のツチハンミョウ科の昆虫により生成されてもよい。ツチハンミョウ科の昆虫当たりの生成されるカンタリジンの量は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、または約6mgであってもよい。ツチハンミョウ科の昆虫当たりの生成されるカンタリジンの量は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6mg以上またはそれより多くてもよい。ツチハンミョウ科の昆虫当たりの生成されるカンタリジンの量は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6mg以下またはそれよりも少なくてもよい。カンタリジンは、生合成により生成されてもよい。いくつかのケースにおいて、カンタリジンの誘導体、ノルカンタリジン、カンタリドイミド、またはノルカンタルイミドの生合成は、使用者または患者において同様の治療的効果を生成する。代替として、カンタリジンは、完全に合成的にまたは半合成的に、例えば、天然に存在する原材料を使用して生成され得る。
【0207】
いくつかの態様において、本開示は、皮膚の状態、病気および/または疾患、たとえばこれらに限定されることはないが、伝染性軟属腫(molluscum cantagiosum)を処置するためのカンタリジン組成物を提供する。カンタリジン組成物は、カンタリジンの治療的に有効な量を含み得る。
【0208】
一般に、カンタリジンを含む組成物は、本明細書に記載のアプリケーターデバイスを使用して局所的に投与される。例えば、組成物は、全身性の投与ではなく、皮膚などの対象の特定の場所に投与され得る。いくつかのそのようなケースにおいて、局所的に投与される組成物は、組成物が投与される場所かまたはその周囲で治療的に有効であるだろうが、その他の場所においては治療的に有効ではないだろう。ある態様において、組成物は、皮膚に局所的に投与され、局所投与後にカンタリジンは、全身的に比較的少ししか存在しない(例として、約3.3ng/mL以下の血漿濃度、約2.5ng/mL以下の血漿濃度、約1ng/mL以下の血漿濃度)かまたは全く存在しない。
【0209】
組成物に使用されるカンタリジンは、毒性を伴わずに治療効果を誘発するのに充分な純度のものであり得る。組成物に使用されるカンタリジンの純度は、50%と100%との間であり得る。使用されるカンタリジンの純度は、約70%、80%、90%、95%、98%、99%、または99.9%以上であり得る。
【0210】
いくつかの態様において、カンタリジンは、局部または局所投与に好適な、ゲル、水溶性ゼリー、クリーム、ローション、懸濁液、溶液、泡、粉末、スラリー、軟膏、溶液、油、カプセル、錠剤、ペースト、座薬、スプレー、エマルション、生理食塩水溶液、ジメチルスルホキシド(DMSO)ベースの溶液などの、局部または局所投与に好適な固体、半固体、ゲル、または液体形態の調製物に製剤化され得る。高密度の担体は、活性成分への長時間の曝露をエリアに提供可能であり得る。対照的に、溶媒/溶液組成物は、選択されたエリアへのカンタリジンのより迅速な曝露を提供し得る。
【0211】
カンタリジン組成物は、好適な固体、半固体、ゲルまたは液相の担体または賦形剤も含み得、これらは、皮膚の角質層透過性障壁を通過する治療分子の増加した浸透を提供し得るか、またはこれの送達を変更し得る化合物である。かかる担体および賦形剤の例は、破壊剤(例として、塩基、酸、酸化剤)、架橋剤(例として、ホルマリンまたはホルムアルデヒド)、湿潤剤(例として、尿素)、グリコール(例として、プロピレングリコール)、アルコール(例として、エタノール)、脂肪酸(例として、オレイン酸)、界面活性剤(例として、ミリスチン酸イソプロピルおよびラウリル硫酸ナトリウム)、ピロリドン、グリセロールモノラウレート、スルホキシド、テルペン(例として、メントール)、アミン、アミド、アルカン、アルカノール、水、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリエチレングリコールなどのポリマーを含むが、これらに限定されない。
【0212】
カンタリジン組成物は、サリチル酸、トリクロロ酢酸、塩酸、ギ酸、スクアリン酸または硝酸を含むがこれらに限定されない、酸または酸の組み合わせを含み得る。カンタリジン組成物は、ポドフィロトキシンを含み得る。カンタリジン組成物は酸化亜鉛を含み得る。カンタリジン組成物は、イミキモド、2,4-ジニトロクロロベンゼンおよび/またはカンジダ抗原などの免疫療法薬を含み得る。カンタリジン組成物は、ブレオミオシン、ポドフィロトキシンおよび/またはフルオロウラシルなどの化学療法薬を含み得る。カンタリジン組成物は、過酸化水素などの酸化剤を含み得る。
【0213】
カンタリジン組成物は、カンタリジンの良好な可溶化および/または溶解を確実にし、組成物中のカンタリジンの沈殿を最小化するための可溶化剤を含み得る。カンタリジンの可溶性を増加させるために、および/または、組成物を安定または均一な溶液、エマルションまたは分散液として維持するために、可溶化剤は添加され得る。
【0214】
好適な可溶化剤の例は、以下のうちの1以上を含むが、これらに限定されない:アセトン、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールおよびその異性体、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、トランスクトール、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよび他のセルロース誘導体、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体などのアルコールおよびポリオール;テトラヒドロフルフリルアルコールPEGエーテル(グリコフロール)またはメトキシPEGなどの約200~約6000の平均分子量を有するポリエチレングリコールのエーテル;2-ピロリドン、2-ピペリドン、ε-カプロラクタム、N-アルキルピロリドン、N-ヒドロキシアルキルピロリドン、N-アルキルピペリドン、N-アルキルカプロラクタム、ジメチルアセトアミドおよびポリビニルピロリドンなどのアミドおよび他の窒素含有化合物;プロピオン酸エチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、エチルブチラート、トリアセチン、プロピレングリコールモノアセタート、プロピレングリコールジアセタート、ε-カプロラクトンおよびその異性体、δ-バレロラクトンおよびその異性体、β-ブチロラクトンおよびその異性体などのエステル;および、ジメチルアセトアミド、ジメチルイソソルビド、N-メチルピロリドン、モノオクタノイン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、および水などの他の可溶化剤。
【0215】
可溶化剤の混合物も使用され得る。例は、トリアセチン、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、ポリエチレングリコール200-100、グリコフロール、トランスクトール、プロピレングリコール、ジメチルイソソルビド、ソルビトール、グリセロール、トリアセチン、エチルアルコール、PEG-400、グリコフロールおよびプロピレングリコールを含むが、これらに限定されない。
【0216】
所与の可溶化剤の量は、生体許容量に制限され得る。いくつかの状況において、例えば薬物の濃度を最大化するために、生体許容量を超える可溶化剤の量を含めることが有利であり得、蒸留または蒸発などの従来の技法を使用して対象に組成物を提供する前に過剰な可溶化剤は除去される。可溶化剤は、存在する場合、カンタリジンおよび他の賦形剤の組み合わされた重量に基づき、10重量%、25重量%、50重量%、100重量%、または約200重量%までの重量比のものであり得る。代替として、カンタリジン組成物の5重量%、2重量%、または1重量%以下など、実質的に少量の可溶化剤も使用され得る。いくつかの例において、可溶化剤は、カンタリジン組成物の約1重量%~約100重量%、または約5重量%~約25重量%の量で存在し得る。いくつかのケースにおいて、カンタリジン組成物は生体許容量未満のものを含む。
【0217】
カンタリジン組成物は、1以上の皮膜形成剤を含み得る。皮膜形成剤のいくつかの例は、ニトロセルロース、ニトロセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよび他の皮膜形成剤またはそれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。皮膜形成剤は、溶媒に溶解され得る。皮膜形成剤は、1以上の溶媒に溶解され得る。カンタリジン組成物は、1以上の溶媒を含み得る。溶媒は、エタノール、アセトン、メタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンタノール、エーテル、水、ジメチルスルホキシド、エチルラクタート、酢酸エチル、ブチルアセタート、イソプロパノール、アセトニトリル、食品グレードの油(例として、オリーブ油、キャノーラ油、ヒマワリ油)、ワックスベースのクロロブタノール、ミツロウ、ラノリン、ワセリン、シリコン油、またはそれらの組み合わせ、または他の溶媒を含み得る。いくつかのケースにおいて、溶媒はジエチルエーテルではないか、またはこれを含まない。溶媒はアセトンおよびアルコール(例として、エタノール)であり得る。カンタリジン組成物は1以上の可塑剤を含み得る。かかる可塑剤の例は、ショウノウおよびヒマシ油を含み得るが、これらに限定されない。カンタリジン組成物は1以上の水媒介重合剤を含み得る。カンタリジン組成物は1以上の水媒介重合剤を含まなくてもよい。水媒介重合剤の例は、2-オクチルシアノアクリラートおよびブチルシアノアクリラートを含み得るが、これらに限定されない。いくつかのケースにおいて、皮膜形成剤および可塑剤を含むことは、最終カンタリジン組成物に粘度、柔軟性、耐久性、剛性、堅牢性および/または皮膜形成特性を提供する。
【0218】
カンタリジン組成物は染料を含み得る。カンタリジン組成物は1以上の染料を含み得る。カンタリジン組成物は染料を含まなくてもよい。染料は、カンタリジン組成物の色を調整するのに充分な濃度で使用される、アクリジン、アントラキノン、アリールメタン、アゾ、ジアゾニウム、ニトロ、フタロシアニン、キノンイミン、テトラゾリウム、チアゾール、キサンテン、酸、塩基、ダイレクト、媒染剤、天然または溶媒染料であり得る。
【0219】
染料は、アクリジンオレンジ、アクリフラビン、アントラセンブルーSWR、アリザリン、アリザリンレッドS(モルダントレッド3)、ヌクリアフファストレッド、オーラミンO、クロモキサンシアニンR、パラロサニリン、ロサニリン、マゼンタII、ニューフクシン、メチルバイオレット2B、メチルバイオレット6B、クリスタルバイオレット、ホフマンスバイオレット、メチルグリーン、エチルグリーン、アシッドフクシン(アシッドバイオレット19)、ファストレッドB、ファストブルーB、塩化ジアゾニウム、硫酸ジアゾニウム、アルキル硫酸ジアゾニウム、塩化ジアゾニウム、フルボリン酸ジアゾニウム、またはジアゾニウムベンゼンスルホン酸塩、ピクリン酸、アルシアンブルー、ルクソールファストブルー、トルイジンブルーO、チオニン、アズールA、アズールB、アズールC、ニュートラルレッド、サフラニンO、ガロシアニン、ガラミンブルー、ヨードニトロテトラゾリウム、ニトロブルーテトラゾリウム、チオフラビンT、ピロニンY、ピロニンB、ローダミンB、マルティウスイエロー(アシッドイエロー24)、エオシンY(アシッドレッド87)、ビーブリッヒスカーレット(アシッドレッド66)、スルホン化パラロサニリン(ベーシックレッド9)、パラロサニリン(ベーシックレッド9)、メチレンブルー(ベーシックブルー9)、コンゴレッド(ダイレクトレッド28)、エリーガーネット(ダイレクトレッド10)、シリウスレッドF3B(ダイレクトレッド80)、ヘマテイン(ナチュラルブラック1)、クロモキサンシアニンR(モルダントブルー3)、セレスティンブルーB(モルダントブルー14)、ケルメス(ナチュラルレッド3)、カーマイン(ナチュラルレッド3)、ラック(ナチュラルレッド25)、ヘマテイン(ナチュラルブラック1)、サフラン(ナチュラルイエロー6)、スーダンIII(ソルベントレッド23)、スーダンIV(ソルベントレッド24)、オイルレッドO(ソルベントレッド27)、スーダンブラックB(ソルベントブラック3)、または他であり得る。
【0220】
染料は相変化染料を含み得る。染料は複数の相変化染料を含み得る。染料は相変化色素を含まなくてもよい。相変化染料のいくつかの例は、D&Cオレンジ、ネオザポンレッド492、オラソルレッドG、ダイレクトブリリアントピンクB、ダイレクトレッド3BL、スプラノールブリリアントレッド3BW、レモンイエロー6G、ライトファストイエロー3G、アイゼンスパイロンイエローC-GNH、ベマクロムイエローGDサブ、カルタソルブリリアントイエロー4GF、シバノンイエロー2G、オラソルブラックRLI、オラソルブラックCN、サビニルブラックRLSN、ピラゾールブラックBG、モルファストブラック101、ジアアゾールブラックRN、サーモプラストブルー670、オラソルブルーGN、サビニルブルーGLS、ルクソールファストブルーMBSN、セブロンブルー5GMF、バスアシッドブルー750、キープラストブルー、ネオザポンブラックX51、クラシックソルベントブラック7、スーダンブルー670、スーダンイエロー146、スーダンレッド462、ネプチューンレッドベースNB543、ネオペンブルーFF-4012、ファットソルブラックBR、モルトンモープラスマゼンタ36、または他を含み得るが、これらに限定されない。
【0221】
染料は指示染料としての役割を含み得る。染料は複数の指示染料を含み得る。染料は指示染料を含まなくてもよい。指示染料のいくつかの例は、D&Cバイオレット、イソスルファンブルー、メチレンブルー、メチルレッド、メチルオレンジ、コンゴレッド、アリザリンイエロー、ブロモクレゾールグリーン、FD&Cグリーン3、FD&Cイエロー5、ゲンチアナバイオレット、または他を含み得るが、これらに限定されない。染料は、1以上の相変化色素および1以上の指示染料またはそれらの組み合わせを含み得る。指示染料(単数または複数)は、カンタリジン組成物で処理されたエリアの境界を定めるのに充分な濃度で使用され得る。
【0222】
カンタリジン組成物は蛍光色素を含み得る。カンタリジン組成物は複数の蛍光色素を含み得る。カンタリジン組成物は蛍光色素を含まなくてもよい。蛍光色素は、ミネラル(例として、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、銅、鉄、鉛、カジウム(cadium)、水銀、ニッケル、コバルト、アルミニウム、またはランタニド)の存在を示し得る。蛍光色素はマグネシウムの存在を示し得る。蛍光色素は細胞内マグネシウムの存在を示し得る。カンタリジン組成物は紫外光の下で蛍光を発する蛍光色素を含み得る。紫外線の下で蛍光を発する蛍光指示薬の例は、mag-indo-1またはmag-fura-2を含み得るが、これらに限定されない。カンタリジン組成物は可視光下で蛍光を発する蛍光色素を含み得る。可視光の下で蛍光を発する蛍光指示薬の例は、マグネシウムグリーンまたはmag-fluo-4を含み得るが、これらに限定されない。
【0223】
カンタリジン組成物は、苦味剤または口腔抑制剤(oral deterrent)などの1以上の嫌悪剤を含み得る。苦味剤はフレーバラントの例である。苦味剤または口腔抑制剤は組成物の経口摂取を防止または抑止するために使用され得る。苦味剤または口腔抑制剤は皮膚に適用される前、最中または後に組成物の舐めおよび/または摂取を防止または抑止するために使用され得る。苦味剤または口腔抑制剤は、デナトニウム(例として、安息香酸デナトニウム、デナトニウム糖類)、アマロゲンチン、ゲンチオピクリン、スクロースオクタアセタート、ケルセチン、ブルシン、およびクアシンを含み得るが、これらに限定されない。苦味剤である安息香酸デナトニウムは、カンタリジン組成物に添加され得る。
【0224】
カンタリジン組成物は、1以上の薬学的に許容し得る添加剤または賦形剤を含み得る。かかる添加剤または賦形剤は、粘着防止剤、消泡剤、緩衝剤、ポリマー、抗酸化剤、防腐剤、キレート剤、粘度調整剤、等張化剤、フレーバラント、着色剤、着臭剤、乳白剤、懸濁剤、結合剤、充填剤、可塑剤、潤滑剤、およびそれらの混合物を含み得るが、これらに限定されない。
【0225】
いくつかのケースにおいて、カンタリジン組成物は、約3.0、約3.1、約3.2、約3.3、約3.4、約3.5、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9、約4.0、約4.1、約4.2、約4.3、約4.4、約4.5、約4.6、約4.7、約4.8、約4.9、約5.0、約5.1、約5.2、約5.3、約5.4、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、約6.0、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8、約6.9、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、約7.7、約7.8、約7.9、約8.0、約8.1、約8.2、約8.3、約8.4、約8.5、約8.6、約8.7、約8.8、約8.9、約9.0、約9.1、約9.2、約9.3、約9.4、約9.5、約9.6、約9.7、約9.8、約9.9、約10.0、約10.1、約10.2、約10.3、約10.4、約10.5、約10.6、約10.7、約10.8、約10.9、約11.0、約11.1、約11.2、約11.3、約11.4、約11.5、約11.6、約11.7、約11.8、約11.9、または約12.0のpHを有し得る。代替として、カンタリジン組成物は、少なくとも約3.0、約3.1、約3.2、約3.3、約3.4、約3.5、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9、約4.0、約4.1、約4.2、約4.3、約4.4、約4.5、約4.6、約4.7、約4.8、約4.9、約5.0、約5.1、約5.2、約5.3、約5.4、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、約6.0、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8、約6.9、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、約7.7、約7.8、約7.9、約8.0、約8.1、約8.2、約8.3、約8.4、約8.5、約8.6、約8.7、約8.8、約8.9、約9.0、約9.1、約9.2、約9.3、約9.4、約9.5、約9.6、約9.7、約9.8、約9.9、約10.0、約10.1、約10.2、約10.3、約10.4、約10.5、約10.6、約10.7、約10.8、約10.9、約11.0、約11.1、約11.2、約11.3、約11.4、約11.5、約11.6、約11.7、約11.8、約11.9、または約12.0のpHを有し得る。
【0226】
カンタリジン組成物は液体形態であり得る。液体形態は流体の流れに対する抵抗性を有し得る。液体形態は、約4000、3000、2000、1500、1000、500、400、300、200、または100未満のレイノルズ数を有し得る。液体形態は、約0.1、1、5、10、25、50、75、100、250、500、1000、1250、1500、1750、または約2000であるレイノルズ数を有し得る。液体形態は、約2000、1750、1500、1250、1000、500、400、300、250、200、150、100、75、50、25、10、5、1、または0.1以下よりも小さいレイノルズ数を有し得る。
【0227】
いくつかのケースにおいて、カンタリジン組成物は、約25℃の温度で約4000、3000、2000、1500、1000、500、400、300、200、または100未満のレイノルズ数を有し得る。液体形態は、約25℃の温度で約1、5、10、25、50、75、100、250、500、1000、1250、1500、1750、または約2000であるレイノルズ数を有し得る。液体形態は、約25℃の温度で約2000、1750、1500、1250、1000、500、400、300、250、200、150、100、75、50、25、10、5、または1以下よりも小さいレイノルズ数を有し得る。
【0228】
液体形態は高粘度を有し得る。液体形態は、液体が飛散、滴下、流れ落ちる、排出、漏れ、アプリケーターユニットからエアロゾル化し得ないように、実質的に粘性であり得る。液体形態は、カンタリジン組成物が、それが投与された患者または使用者の場所に残存するように実質的に粘性であり得る。液体形態は、カンタリジン組成物が、それが投与された患者または使用者の場所から流れたり、飛散したり、滴下したり、流れ落ちたり、排出したり、または漏れたりし得ないように、実質的に粘性であり得る。
【0229】
1以上のゲル化剤、例えば、デキストラン、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、または他は、粘度を増加させるために液体形態に添加され得る。周囲条件(例として、25℃)での液体形態の粘度は、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、600、700、800、900、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、55,000、60,000、65,000、70,000、75,000、80,000、90,000、100,000、110,000、120,000、130,000、140,000、150,000、200,000、250,000、500,000、1,000,000、1,500,000、または約2,000,000センチポアズであり得る。周囲条件での液体形態の粘度は、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、600、700、800、900、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、55,000、60,000、65,000、70,000、75,000、80,000、90,000、100,000、110,000、120,000、130,000、140,000、150,000、200,000、250,000、500,000、1,000,000、1,500,000、または2,000,000センチポアズ以上よりも大きいものであり得る。周囲条件での液体形態の粘度は、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、600、700、800、900、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、55,000、60,000、65,000、70,000、75,000、80,000、90,000、100,000、110,000、120,000、130,000、140,000、150,000、200,000、250,000、500,000、1,000,000、1,500,000、または2,000,000センチポアズ以下よりも小さいものであり得る。いくつかのケースにおいて、粘度は、約10センチポアズと10,000センチポアズとの間である。
【0230】
カンタリジン組成物は以下の構成要素を有し得る:
表1:例のカンタリジン組成物
【表1】
表2:例のカンタリジン組成物
【表2】
【0231】
表1および2に記載のカンタリジン溶液は、以下の方法で調製され得る。アセトン、エタノールおよびニトロセルロースはガラス製バイアルに添加されて混合物を形成する。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)でコーティングされた攪拌子が加えられ、均一な粘性混合物が形成されるまで混合物は混合され得る。ヒマシ油およびショウノウが混合物に添加され、均一になるまで攪拌され得る。エタノール中の1%安息香酸デナトニウム溶液はガラス製バイアルに添加され得る。エタノール中の1%ゲンチアナバイオレット溶液はガラス製バイアルに添加され得る。95%を超える純度のカンタリジン粉末はガラス製バイアルに添加され得る。混合物は均一になるまで混合され得る。ヒドロキシプロピルセルロースは添加され、完全にゲル化して均一になるまで混合物は混合され得る。
【0232】
本開示の組成物、アプリケーターデバイスまたはシステムを使用して、未処置の、以前に処置された、またはさらに処置される対象の皮膚にカンタリジン組成物を送達し得る。以前の処置のいくつかの例は、創傷清拭、スクラブ、浸漬または外科的切除による瘢痕組織、かさぶたまたは角質化組織の除去を含むが、これに限定されない。以前の処置は、凍結療法、焼灼、酸または塩基の適用、サリチル酸の適用、レーザー、外科的創面切除、浸漬、過酸化水素または免疫療法も含み得る。以前の処置は、カンタリジン組成物にさらされる皮膚のエリアを制限するための、貼付テープ、クリーム、軟膏、溶液、ワックスまたは疎水性バリアも含み得る。カンタリジン組成物は、外科的切除、凍結療法、焼灼、酸または塩基の適用、酸の適用、レーザー、外科的創面切除、浸漬、過酸化水素、免疫療法または処置エリアを閉塞テープまたは包帯で覆うことの前または同時に使用され得る。
【0233】
いくつかの態様において、カンタリジン組成物が皮膚に適用され、閉塞テープが処置部位にわたって配置される。いくつかの態様において、テープは、少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも36時間、または少なくとも48時間の間処置部位につけたままにされる。いくつかの態様において、テープは、60時間以下、48時間以下、36時間以下、24時間以下、または12時間以下の間処置部位につけたままにされる。上記の参照の範囲の組み合わせが可能である。例えば、いくつかの態様において、テープは、約12時間~約60時間、または約12時間~約48時間、または約12時間~約36時間、または約12時間~約24時間の間処置部位につけたままにされる。いくつかの態様において、このような処置は、例として尋常性疣贅および足底疣贅などのいぼを処置するために使用されてもよい。
【0234】
カンタリジン組成物および関連するアプリケーターデバイスまたはシステムを使用して、以下を処置し得る;末端線維角化腫、腸性肢端皮膚炎(Acrodermatitus enterpathica)、尖端角化類弾力線維症、光線性角化症(日光角化症(solar keratoses))、皮脂腺腫、被角血管腫、アトピー性皮膚炎、基底細胞癌、良性線維性組織球種、膀胱がん、ボーエン病、乳房がん、ブシュケ-オレンドルフ症候群、子宮頸部のがん、子宮頸部異形成、老年性血管腫、慢性結節性軟骨皮膚炎、皮膚子宮内膜症、皮膚白血病、皮膚リンパ腫、皮膚髄膜腫、皮膚粘液種、ダリエー病、真皮樹状細胞過誤腫、皮膚線維腫、隆起性皮膚線維肉腫、エクリン血管腫性過誤腫、外胚葉異形成、表皮封入嚢胞、表皮母斑(脂腺母斑、面皰母斑、プロテウス症候群ベッカー母斑を含むが、これらに限定されない)、類上皮細胞組織球腫、家族性粘液血管線維腫(Familial myxovascular fibromas)、真菌性皮膚疾患(ロボミコーシスを含む)、顆粒細胞種、グルカゴノーマ症候群(Glucaonoma syndrome)、生殖器いぼ、魚鱗癬(尋常性魚鱗癬、葉状魚鱗癬(Ichthyosis lamellaria)、X連鎖魚鱗癬、表皮剥離性角質増加症、後天性魚鱗癬(Ichthyosis acquista)および掌蹠角化症を含むが、これらに限定されない)、特発性滴状低メラニン症、乳児肢端膿疱症、乳児線維腫症、カポジ肉腫、ケロイド、ケラトアカントーマ、角化嚢胞、ナックルパッド、黒子、黒色腫、細静脈性血管腫、モートン神経腫、多病巣性リンパ管内被腫症(Multifocal lymphangioendotheliomatosis)、多核細胞血管組織球種、多発性皮膚平滑筋腫、菌状息肉種、皮膚神経腫、神経莢腫、焔状母斑、表在性脂肪腫母斑、パキダーモダクティリー(Pachydermodactyly)、柵状被包化神経腫、皮膚寄生虫症(疥癬、シラミ症、スナノミ症、鉤虫(Hookwork)関連皮膚幼虫移行症を含むが、これらに限定されない)、毛孔性紅色粃糠疹(Pityriasis ruba pilaris)、立毛筋平滑筋腫(Piloleiomyomas)、蔓上線維組織球腫瘍、有孔角化エクリン口および真皮管母斑、進行性結節性組織球種乾癬(Progressive nodular histocytoma Psoriasis)(乾癬性紅皮症(psoriatic erytroderma)、掌蹠の(Palmoplantat)乾癬、掌蹠膿疱症(Palmoplantar pustolosis)、ツンブッシュの汎用性膿疱性乾癬、地図状舌を含むが、これらに限定されない)、汗孔角化症、脂漏性皮膚炎、脂漏性角化症、鼻瘤、孤立性皮膚平滑筋腫、クモ状血管腫、標的状血鉄素性血管腫、扁平上皮細胞癌、房状血管腫、静脈湖、色素性蕁麻疹、黄色板類肥満細胞症(Xanthelasmoidal mastocytosis)または帯状疱疹様転移。
【0235】
これらに限定されないが、以下を含む他の皮膚病気もまた、カンタリジン組成物で処置され得る;ざ瘡、良性表皮嚢胞、あざ、癰、皮膚硬結、蜂巣炎、単純疱疹、魚の目、皮膚カンジダ症、湿疹、そばかす、血管腫、蕁麻疹、ループス、はしか、ほくろ、壊死性筋膜炎、色素沈着障害(薬物誘発性色素沈着過剰、遺伝性対側性色素異常症、遺伝性汎発性色素異常症、家族性進行性色素沈着過剰、ガリ・ガリ病、ヘモジデリン色素沈着過剰、特発性滴状低メラニン症、鉄金属性変色(iron metallic discoloration)、白斑、黒皮症、ムカメル症候群(Mukamel syndrome)、金星のネックレス、貧血性母斑、脱色素性母斑、パリスタ-キリアン症候群、葉状性低メラニン症(phylloid hypomelanosis)、まだら症、網状顔面色素沈着(pigmentatio reticularis faciei et colli)、毛髪嚢腫、白色粃糠疹、シヴァット多形皮膚萎縮症、血管性多形皮膚萎縮症、炎症性後色素沈着、進行性黄斑低メラニン症(Progressive macular hypomelanosis)、掻痒、屈曲部の網状色素異常(reticular pigmented anomaly)、網状肢端色素沈着症、リール黒皮症、ワールデンブルグ・シャー症候群、しいたけ皮膚炎、タール黒皮症(tar melanosis)、チタン金属性変色(titanium metallic discoloration)、一過性新生児膿疱黒皮症、放浪者の白斑黒皮症、血管攣縮性斑(vasospastic macules)、ウェンデ-バッカス症候群(Wende-Bauckus syndrome)、X連鎖色素性網状障害(X-linked reticulate pigmentary disorder)、イエメン盲ろう色素沈着過剰症候群(Yemenite deaf-blind hypopigmentation syndrome)、乾癬、酒さ、瘢痕、皮膚がん、スキンタグ、入れ墨の除去、白斑(非分節型白斑、および/または分節型白斑、三色白斑(trichome vitiligo)、四色白斑(quadrichrome vitiligo)、点状白斑(vitiligo ponctue)を含むが、これらに限定されない)、いぼ、乏汗症、とびひ、皮膚弛緩症、褥瘡、丹毒、おむつかぶれ、異汗性湿疹、口内炎、ヘルペス性口内炎、爪真菌感染、尋常性魚鱗癬、皮膚筋炎、陥入爪、先端皮膚炎、皮脂嚢胞、脂漏性角化症、毛巣洞、ケロイド、扁平苔癬、光線性角化症、うっ滞性皮膚炎(statis dermatitis)、皮膚硬結、癜風 類天疱瘡、口腔内潰瘍、または帯状疱疹。
【0236】
日光による損傷またはしわを有する人の皮膚の剥離または剥落など、表皮の皮膚の若返りにおけるカンタリジン組成物の使用もあり得る。
【0237】
その走化性特性、細胞停止およびアポトーシスを誘導する能力、発泡剤活性および他の治療結果により、カンタリジン組成物は、外科、放射線、免疫療法、小分子ベース、抗体ベース、組み換えタンパク質ベース、核酸ベースまたは化学療法剤と組み合わせて有用性を有し得る。カンタリジン組成物は、以前の治療に失敗した患者を処置するための第2線、第3線、または第4線の治療薬としても有用性を有し得る。本開示のカンタリジン組成物、デバイス、および方法の使用の例は、以下を含む:基底細胞癌の処置におけるモース顕微鏡外科手術の直後のもの、または菌状息肉種の処置における全身性化学療法剤の失敗後のもの、または光線性角化症(actinic kerotisis)の処置における、または汗孔角化症または脂漏性角化症の処置における第1線の治療としての凍結療法または過酸化水素または酸またはインゲノールメブテートなどの破壊的治療との組み合わせにおけるもの。
【0238】
本開示の組成物、送達デバイスまたはシステムを使用して、いぼ、軟属腫、光線性角化症、脂漏性角化症または以前の治療に失敗したかまたは抵抗性であった他の皮膚の過剰増殖性障害を処置し得る。代替的に、本開示の組成物、送達デバイスまたはシステムは、第1線の治療として使用され得る。代替的に、本開示の組成物、送達デバイスまたはシステムは、別の第1線の治療と組み合わせて使用され得る。
【0239】
カンタリジン組成物を使用して、がんを有する患者を処置し得る。例として、カンタリジン組成物を使用して、腫瘍成長を阻害すること、および/またはがん細胞を直接殺すことができる。いくつかのケースにおいて、カンタリジン組成物を使用して、がん幹細胞を殺すことができる。いくつかのケースにおいて、カンタリジン組成物を使用して、良性のがん性病変を処置することができる。例えば、カンタリジン組成物を使用して、多剤耐性表現型を有するがん細胞を殺すことができる。いくつかの状況において、カンタリジンの代わりに、ノルカンタリジン、カンタリジミド、またはノルカンタリミドまたはカンタリジンの類似体が利用され得る。
【0240】
カンタリジン組成物、アプリケーターデバイス、システム、および方法は、例えば、皮膚移植片に使用できる自家または同種の皮膚の生産において、または薬物の試験のための水疱モデルとして、または手術後の残存がん細胞を除去するためのアプローチなど、他の目的に使用され得る。
【0241】
本明細書に使用されるとき、用語「賦形剤」は、一般には、製剤の一部としての不活性成分を指す。賦形剤の例は、限定せずに、染料、フレーバー、結合剤、皮膚軟化剤、充填剤、潤滑剤、抗酸化剤、皮膚浸透エンハンサーおよび防腐剤を含む。いくつかのケースにおいて、賦形剤は、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップおよびメチルセルロースから選択され得る。いくつかの態様において、賦形剤は、サリチル酸および/またはポドフィロトキシンであり得る。
【0242】
本明細書に使用されるとき、用語「使用者」は、一般には、彼女または彼自身、または別の個人、たとえば対象へと組成物を投与するために送達デバイスまたはシステムを使用する個人を指す。
【0243】
本明細書に使用されるとき、用語「対象」は、一般には、病気(例として、皮膚の病気)を有すると疑われているか、病気と診断されているか、または処置下にある個人を指す。例えば、対象は、別の個人の処置下にあり得るか、彼または彼女自身によって、または別の個人、たとえばヘルスケア提供者(例として、医師、処置する医師、医師助手、看護師)またはケア提供者によってのいずれかに本開示の組成物の投与されている可能性がある。対象は、無症候性の個人および患者などの症候性の個人を含み得る。いくつかのケースにおいて、対象は、皮膚疾患と診断され得る。
【0244】
本明細書に使用されるとき、用語「約」は、指示された量のプラスまたはマイナス(+/-)10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%内を指す。
【0245】
カンタリジンを医薬組成物として使用するいくつかの態様において、カンタリジン製剤が対象へ送達された後、上皮いぼは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日、週または月以内に対象から除去され得る。カンタリジン製剤は、1日、1週間または1ヶ月間に、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10回、対象へ送達され得る。
【0246】
カンタリジンを医薬組成物として使用するいくつかの態様において、単回投与で対象へ送達されるカンタリジンの量は、約0.001mg~100mg、約0.1mg~50mg、約0.1mg~10mg、約0.5mg~10mg、約0.5mg~5mg、約1mg~5mg、または約1mg~2mgの間であり得る。
【0247】
カンタリジンを医薬組成物として使用するいくつかの態様において、対象へ送達されるカンタリジン製剤は、少なくとも約0.001%(重量/体積)、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、または50%のカンタリジンを含み得る。いくつかのケースにおいて、対象へ送達されるカンタリジン製剤は、最大で約50%(w/v)、40%、30%、20%、または10%、または1%のカンタリジンを含む。
【0248】
カンタリジンを医薬組成物として使用するいくつかの態様において、対象へ送達されるカンタリジン製剤は、約50%(w/v)、約20%(w/v)、約10%(w/v)、約5%(w/v)、約1%(w/v)、約0.5%(w/v)、または約0.1%(w/v)以上の賦形剤を含み得る。
【0249】
カンタリジンを医薬組成物として使用するいくつかの態様において、送達デバイスまたはシステムを使用して、約0.00lmg/日、0.01mg/日、0.1mg/日、0.2mg/日、0.3mg/日、0.4mg/日、0.5mg/日、0.6mg/日、0.7mg/日、0.8mg/日、0.9mg/日、1mg/日、1.5mg/日、2mg/日、2.5mg/日、3.0mg/日、3.5mg/日、4.0mg/日、4.5mg/日、5.0mg/日、5.5mg/日、6.0mg/日、6.5mg/日、7.0mg/日、7.5mg/日、8.0mg/日、8.5mg/日、9.0mg/日、9.5mg/日、10.0mg/日、11mg/日、12mg/日、13mg/日、14mg/日、15mg/日、16mg/日、17mg/日、18mg/日、19mg/日、または20mg/日までの用量でカンタリジン製剤を対象へ送達し得る。代替として、送達デバイスまたはシステムを使用して、少なくとも約0.1mg/日、0.2mg/日、0.3mg/日、0.4mg/日、0.5mg/日、0.6mg/日、0.7mg/日、0.8mg/日、0.9mg/日、1mg/日、1.5mg/日、2mg/日、2.5mg/日、3.0mg/日、3.5mg/日、4.0mg/日、4.5mg/日、5.0mg/日、5.5mg/日、6.0mg/日、6.5mg/日、7.0mg/日、7.5mg/日、8.0mg/日、8.5mg/日、9.0mg/日、9.5mg/日、10.0mg/日、11mg/日、12mg/日、13mg/日、14mg/日、15mg/日、16mg/日、17mg/日、18mg/日、19mg/日、または20mg/日の用量でカンタリジン製剤を対象へ送達し得る。
【0250】
例1
この例は、伝染性軟属腫に由来する皮膚病変の処置についての第II相臨床試験の結果を記載する。患者は、12週にわたって4回の表2のカンタリジン組成物の投与を受けた。アプリケーターデバイスを介してカンタリジン組成物を投与した場合に、プラセボを投与した場合および同じカンタリジン組成物を木製のスティックを介して投与した場合よりも、多くの患者が、12週後に皮膚病変の75%の排除、90%の排除および完全排除を有した。加えて、3週目、6週目、9週目、および12週目での皮膚病変の低減の平均パーセントは、カンタリジン組成物をアプリケーターデバイスを介して投与した場合に、同じカンタリジン組成物を木製のスティックを介して投与した場合よりも、大きかった。プラセボは、プラセボについての仮説として使用された、ALDARA(イミキモド5%クリーム)の2つの第3相試験からのプラセボ群(N=42/232)より評価された。
【0251】
患者は、3週間プラスまたはマイナス4日ごとに1回の処置(すなわち17~25日ごとに1回の処置)を受けた:0週目で第1の処置、3週目で第2の処置、6週目で第3の処置、および9週目で第4の処置。それぞれの訪問時に、病変の排除の量を測定し、記録した。12週目の訪問時に、患者は、処置を受けなかったが、病変の排除の量は、測定され、記録された。
【0252】
推定されたプラセボは、4回の処置を伴う12週目で、18%の患者が完全な排除に到達することをもたらした一方で、カンタリジン組成物を従来の木製のスティックアプリケーターを介して投与した場合に、表2のカンタリジン組成物は、0.0015超のP値で、46%の患者が完全な排除に到達することをもたらした。
【0253】
アプリケーターデバイスを介して投与されるカンタリジン組成物を受ける患者は、木製のスティックを介して投与される同じカンタリジン組成物およびプラセボを受ける患者よりも、高いパーセントの病変の低減を有した。
【0254】
実験は、伝染性軟属腫に由来する皮膚病変を排除するときに、図1-21において示された態様と同様のデバイスアプリケーターを使用して、表2の医薬組成物を適用することが、従来のウッドスティックアプリケーターよりも、有意に良好であることもまた示している。
【0255】
従来のウッドスティックアプリケーターを用いる際に、医薬組成物は、ふたを有する容器内に保持される。処置の間、ふたを取り外し、ウッドスティックアプリケーターを容器内に浸して、ウッドスティックアプリケーターの端に医薬組成物をコーティングする。最終的に、ウッドスティックアプリケーターを、患者のそれぞれの皮膚病変に向けて移動させて、病変上に医薬組成物を適用する。施術者は、より多くの医薬組成物を得るために、ウッドスティックアプリケーターの反対側を容器内に浸してもよい。
【0256】
患者は、3週間プラスまたはマイナス4日ごとに1回の処置(すなわち17~25日ごとに1回の処置)を受けた:0週目で第1の処置、3週目で第2の処置、6週目で第3の処置、および9週目で第4の処置。それぞれの訪問時に、病変の排除の量を測定し、記録した。12週目の訪問時に、患者は、処置を受けなかったが、病変の排除の量は、測定され、記録された。
【0257】
デバイスアプリケーターと比較した、ウッドスティックアプリケーターを用いた処置による100%の病変の排除を有する患者の割合を示すデータを、図22に示す。4回の処置を伴う12週目で、ウッドスティックアプリケーターを用いた医薬組成物が、46%の患者が皮膚病変の完全な排除に到達することをもたらした一方で、デバイスアプリケーターを用いた医薬組成物は、75%の患者が皮膚病変の完全な排除に到達することをもたらした。加えて、3および9週目で、ウッドスティックアプリケーターと比較して、デバイスアプリケーターを用いたものは、より高い皮膚病変の排除を観察した。
【0258】
デバイスアプリケーターと比較した、ウッドスティックアプリケーターを用いた処置による少なくとも90%病変の排除を有する患者の割合を示すデータを、図23に示す。4回の処置を伴う12週目で、ウッドスティックアプリケーターを用いた医薬組成物が、59%の患者が少なくとも90%の病変の排除に到達することをもたらした一方で、デバイスアプリケーターを用いた医薬組成物は、100%の患者が少なくとも90%の病変の排除に到達することをもたらした。加えて、6および9週目で、ウッドスティックアプリケーターと比較して、デバイスアプリケーターを用いたものは、より高い皮膚病変の排除を観察した。
【0259】
デバイスアプリケーターと比較した、ウッドスティックアプリケーターを用いた処置による少なくとも75%の病変の排除を有する患者の割合を示すデータを、図24に示す。4回の処置を伴う12週目で、ウッドスティックアプリケーターを用いた医薬組成物が、59%の患者が少なくとも75%の病変の排除に到達することをもたらした一方で、デバイスアプリケーターを用いた医薬組成物は、100%の患者が少なくとも75%の病変の排除に到達することをもたらした。加えて、6および9週目で、ウッドスティックアプリケーターと比較して、デバイスアプリケーターを用いたものは、より高い皮膚病変の排除を観察した。
【0260】
従来のウッドスティックアプリケーターによる処置を受ける患者と比較した、デバイスアプリケーターによる処置を受ける患者の、病変の低減の平均パーセントを示すデータを、図25に示す。4回の処置を伴う12週目で、ウッドスティックアプリケーターを用いた医薬組成物が、76%の病変の平均低減をもたらした一方で、デバイスアプリケーターを用いた医薬組成物は、0.002と等しいp値で、97%の病変の平均低減をもたらした。
【0261】
加えて、デバイスアプリケーターを用いて3、6および9週目で、ウッドスティックアプリケーターと比較して、より高い平均パーセントの病変の低減が観察された。
【0262】
例2
この例は、伝染性軟属腫に由来する皮膚病変の処置についての第II相臨床試験の結果を記載する。
【0263】
患者は、3週間プラスまたはマイナス4日ごとに1回の処置(すなわち17~25日ごとに1回の処置)を受けた:0週目で第1の処置、3週目で第2の処置、6週目で第3の処置、および9週目で第4の処置。それぞれの訪問時に、病変の排除の量を測定し、記録した。12週目の訪問時に、患者は、処置を受けなかったが、病変の排除の量は、測定され、記録された。
【0264】
実験は、伝染性軟属腫に由来する皮膚病変を排除するときに、図1-21において示された態様と同様のデバイスアプリケーターを使用して、表2の医薬組成物を適用することが、従来のウッドスティックアプリケーターよりも、有意に良好であることを示している。
【0265】
従来のウッドスティックアプリケーターを用いる際に、医薬組成物は、ふたを有する容器内に保持される。処置の間、ふたを取り外し、ウッドスティックアプリケーターを容器内に浸して、ウッドスティックアプリケーターの端に医薬組成物をコーティングする。最終的に、ウッドスティックアプリケーターを、患者のそれぞれの皮膚病変に向けて移動させて、病変上に医薬組成物を適用する。施術者は、より多くの医薬組成物を得るために、ウッドスティックアプリケーターの反対側を容器内に浸してもよい。
【0266】
患者は、3週間プラスまたはマイナス4日ごとに1回の処置(すなわち17~25日ごとに1回の処置)を受けた:0週目で第1の処置、3週目で第2の処置、6週目で第3の処置、および9週目で第4の処置。それぞれの訪問時に、病変の排除の量を測定し、記録した。12週目の訪問時に、患者は、処置を受けなかったが、病変の排除の量は、測定され、記録された。
【0267】
デバイスアプリケーターと比較した、ウッドスティックアプリケーターを用いた処置による100%の病変の排除を有する患者の割合を示すデータを、図26に示す。4回の処置を伴う12週目で、ウッドスティックアプリケーターを用いた医薬組成物が、約46%の患者が皮膚病変の完全な排除に到達することをもたらした一方で、デバイスアプリケーターを用いた医薬組成物は、約63%の患者が皮膚病変の完全な排除に到達することをもたらした。加えて、3および9週目で、ウッドスティックアプリケーターと比較して、デバイスアプリケーターを用いたものが、より高い皮膚病変の排除を観察した。
【0268】
デバイスアプリケーターと比較した、ウッドスティックアプリケーターを用いた処置による少なくとも90%病変の排除を有する患者の割合を示すデータを、図27に示す。4回の処置を伴う12週目で、ウッドスティックアプリケーターを用いた医薬組成物が、約67%の患者が少なくとも90%の病変の排除に到達することをもたらした一方で、デバイスアプリケーターを用いた医薬組成物は、約88%の患者が少なくとも90%の病変の排除に到達することをもたらした。加えて、9週目で、ウッドスティックアプリケーターと比較して、デバイスアプリケーターを用いたものが、より高い皮膚病変の排除を観察した。
【0269】
デバイスアプリケーターと比較した、ウッドスティックアプリケーターを用いた処置による少なくとも75%の病変の排除を有する患者の割合を示すデータを、図28に示す。4回の処置を伴う12週目で、ウッドスティックアプリケーターを用いた医薬組成物が、約59%の患者が少なくとも75%の病変の排除に到達することをもたらした一方で、デバイスアプリケーターを用いた医薬組成物は、約92%の患者が少なくとも75%の病変の排除に到達することをもたらした。加えて、6および9週目で、ウッドスティックアプリケーターと比較して、デバイスアプリケーターを用いたもの、より高い皮膚病変の排除を観察した。
【0270】
従来のウッドスティックアプリケーターによる処置を受ける患者と比較した、デバイスアプリケーターによる処置を受ける患者の病変の低減の平均パーセントを示すデータを、図29に示す。4回の処置を伴う12週目に、ウッドスティックアプリケーターを用いた医薬組成物が、74%の病変の低減をもたらした一方で、デバイスアプリケーターを用いた医薬組成物は、0.01と等しいp値で、94%の病変の低減をもたらした。
【0271】
加えて、ウッドスティックアプリケーターと比較して、デバイスアプリケーターを用いて3、6および9週目で、より高い平均パーセントの病変の低減が観察された。
【0272】
例3
この例は、伝染性軟属腫に起因する皮膚病変の処置のための第II相臨床試験からの薬物動態結果を説明する。患者は、最大4セッションまたは完全なクリアランスまで21日毎に表2のカンタリジン組成物の投与を伝染性軟属腫病変に受けた。全身性暴露評価の血液試料は、薬物適用前の1日目、および適用後の2時間(±30分)、6時間(±1時間)、および24時間(±3時間)に収集した。対象の平均年齢は7±3.5歳であった。対象の平均体重は58±34.6lbであった。対象あたりの病変の平均数は43.7±24.2であった。
【0273】
17人の対象のうちの1人のみが、定量下限(すなわち2.5ng/ml)を超えるカンタリジンの血漿濃度を有していた。すべての対象について、カンタリジンの血漿濃度は、サンプリングされたすべての時点で3.3ng/ml未満であった。その上、(i)2歳の若さ、(ii)100を超える病変を有する、(iii)生殖器の病変を有する、および(iv)lbあたり2.26もの病変を有する対象は、定量下限を下回るカンタリジンの血漿濃度を有した。表10は、臨床試験の対象について、性別、年齢、体重、病変数、生殖器の併発、全身暴露、対象1ポンドあたりの病変、1処置セッションあたりに使用した組成物のmg、病変あたりの組成物のmg、および対象1ポンドあたりの組成物のmgを示す。
表3: 対象の個体群統計および薬物動態データ
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【0274】
本発明の特定の態様が本明細書に示され、説明されたが、かかる態様が例としてのみ提供されることは当業者には明らかであろう。本発明は、本明細書内で提供される特定の例によって限定されることを意図するものではない。上記の明細書を参照して本発明を説明したが、本明細書の態様の説明および図は、限定的な意味で解釈されることを意図していない。本発明から逸脱することなく、当業者には多数の変形、変更、および置換が思い浮かぶであろう。さらに、本発明のすべての側面は、様々な条件および変数に依存する本明細書に記載の特定の描写、構成または相対比率に限定されないことを理解されたい。本明細書に記載された本発明の態様に対する様々な代替物が、本発明を実施する際に使用され得ることを理解されたい。したがって、本発明は、かかる代替、改変、変形、または均等物のいずれもカバーするものと考えられる。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法および構造ならびにそれらの均等物がそれによってカバーされることが意図される。
【0275】
本発明のいくつかの態様を本明細書で説明および図示したが、当業者は、機能を実行し、および/または結果および/または本明細書で説明される利点の1以上を取得するための様々な他の手段および/または構造を容易に構想するであろうし、かかる変形および/または修正のそれぞれは、本発明の範囲内にあるとみなされる。より一般的に、当業者は、本明細書に記載のすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成が例示であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成が、本発明の教示が使用される特定の用途に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、本明細書に記載の本発明の特定の態様に対する多くの均等物を認識するか、または日常的な実験のみを使用してこれを確認することができるであろう。したがって、前述の態様は例としてのみ提示されており、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内で、本発明は具体的に説明および請求された以外の方法で実施できることを理解されたい。本発明は、本明細書に記載される個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法のそれぞれを対象とする。さらに、かかる特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、かかる特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の2以上の任意の組み合わせが本発明の範囲に含まれる。
【0276】
本明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用される不定冠詞「a」および「an」は、明らかに反対の指示がない限り、「少なくとも1」を意味すると理解されるべきである。
【0277】
本明細書および特許請求の範囲において、本明細書で使用される句「および/または」は、そのように結合された要素、すなわち、いくつかの場合に一緒に存在する要素、および他の場合に分離して存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味すると理解されるべきである。「および/または」節によって具体的に特定される要素以外の他の要素は、特に明記しない限り、具体的に特定される要素に関連するかどうかに関係なく、任意に存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「含む」などのオープンエンド言語と組み合わせて使用される場合の「Aおよび/またはB」への言及は、一態様において、BなしのA(任意にB以外の要素を含む);別の態様において、AなしのB(任意にA以外の要素を含む);さらに別の態様において、AおよびBの両方(任意に他の要素を含む)等を指すことができる。
【0278】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「または」は、上記で定義された「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内のアイテムを分離する場合、「または」または「および/または」は包括的、つまり要素の数またはリストの少なくとも1つを含むが複数も含み、そして任意に、追加のリストされていないアイテムを含むと解釈されるものとする。「ただ1つの」または「正確に1つの」などの明確に反対の用語のみ、または特許請求の範囲で使用される場合の「からなる」は、要素の数またはリストの正確に1つの要素を含めることを指すであろう。一般に、本明細書で使用される「または」という用語は、「いずれか」、「1つの」、「ただ1つの」、または「正確に1つの」などの、排他性の用語が先立つ場合、排他的な代替(つまり「両方ではなく一方または他方」)を示すものとしてのみ解釈されるものとする。「本質的にからなる」は、特許請求の範囲中で使用される場合、特許法の分野で使用されるその通常の意味を有するものとする。
【0279】
本明細書および特許請求の範囲で使用されるように、1以上の要素のリストに関して、「少なくとも1」という句は、要素のリスト内の任意の1以上の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであるが、要素のリスト内に具体的にリストされている各要素およびすべての要素の少なくとも1つを必ずしも含む必要はなく、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外しない。また、この定義により、具体的に特定された要素に関連するかどうかに関係なく、「少なくとも1」という句が指す要素のリスト内で具体的に特定された要素以外に、要素が任意に存在し得ることが可能になる。したがって、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または同等に「AまたはBの少なくとも1つ」、または同等に「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、一態様において、Bが存在しない少なくとも1つ(任意に複数を含む)のA(および任意にB以外の要素を含む);別の態様において、Aが存在しない少なくとも1つ(任意に複数を含む)のB(および任意にA以外の要素を含む);さらに別の態様において、少なくとも1つ(任意に複数を含む)のAおよび少なくとも1つ(任意に複数を含む)のB(および任意に他の要素を含む)等を指し得る。
【0280】
特許請求の範囲ならびに上記の明細書では、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「運ぶ(carrying)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「伴う(involving)」、「保持する(holding)」などのすべての移行句は、オープンエンド、すなわち、含むがこれに限定されないことを意味するものと理解されるべきである。「からなる」および「本質的にからなる」という移行句のみが、United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures, Section 2111.03に記載されているように、それぞれクローズまたはセミクローズの移行句であるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
【手続補正書】
【提出日】2023-06-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象への医薬組成物の局所投与のための医薬組成物を分配するためのアプリケーターデバイスであって、
チューブ;
チューブ内に含有される医薬組成物;
チューブに連結されたディスペンサーチップ;および
ディスペンサーチップを受け取るための開口部を有するキャップ、ここで、キャップは、ディスペンサーチップの少なくとも一部が開口部を通過する閉位置を有し、ここで、キャップは、ディスペンサーチップに連結され、およびディスペンサーチップの少なくとも一部の上に位置し、
ここで、キャップが閉位置にあるとき、ディスペンサーチップの通気は、キャップの開口部を通じて可能になる、
を備える、前記アプリケーターデバイス。
【請求項2】
ディスペンサーチップの通気がキャップの開口部を通じてのみ生じる、請求項1に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項3】
ディスペンサーチップの表面に溝をさらに備え、ここで、ディスペンサーチップの通気が溝を通じて生じる、請求項1に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項4】
キャップが閉位置にあるとき、溝の少なくとも一部がキャップ内に受け取られる、請求項3に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項5】
キャップが、アプリケーターデバイスの回転を防ぐように構成された平坦な側面を有する外部表面を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項6】
キャップが、六角形を形成する6の平坦な側面を有する外部表面を備え、ここで、平坦な側面はアプリケーターデバイスの回転を防ぐように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のアプリケーターデバイス。
【請求項7】
対象への医薬組成物の局所投与のための医薬組成物を分配するためのキットであって、
複数のアプリケーターデバイス、ここで、各アプリケーターデバイスは、
チューブ;
チューブ内に位置するアンプル;
アンプル内に含有された医薬組成物;
チューブに取り付けられたディスペンサーチップ、ここで、ディスペンサーチップはテーパーチップを有する;および
ディスペンサーチップのテーパーチップ内に位置するフィルター、ここで、フィルターは、流体の通過を可能にし、および少なくとも150μmの粒子サイズを有する割られたアンプル破片の通過を妨げるように構築および配置されている;
を備え、および
使用のための指示
を含む、前記キット。
【請求項8】
対象への医薬組成物の局所投与のための医薬組成物を分配するためのアプリケーターデバイスであって、
チューブ;
チューブ内に含有される医薬組成物;
チューブに取り付けられたディスペンサーチップ、ここで、ディスペンサーチップは、約0.03インチ未満の内径および約0.05インチ未満の外径を有する遠位開口部で終わるテーパーチップを有する、
を備える、前記アプリケーターデバイス。
【外国語明細書】