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特開2023-116548滑走路埋込型閃光装置及び熱伝導部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116548
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】滑走路埋込型閃光装置及び熱伝導部材
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230815BHJP
   F21V 29/51 20150101ALI20230815BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20230815BHJP
   B64F 1/20 20060101ALI20230815BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230815BHJP
【FI】
F21S2/00 664
F21V29/51
F21V29/70
B64F1/20
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088147
(22)【出願日】2023-05-29
(62)【分割の表示】P 2020516777の分割
【原出願日】2019-08-21
(31)【優先権主張番号】P 2018201400
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519147348
【氏名又は名称】株式会社ホタルクス
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】溝邊 憲政
(57)【要約】      (修正有)
【課題】軽く、長寿命で、実効光度が高く、光度の切替が可能で、消費電力が小さく、放熱性に優れた、新たな滑走路埋込型閃光装置の提供。
【解決手段】滑走路埋込型閃光装置1は、筒状本体10、天井部材11、導光部材12、LED閃光光源13、熱伝導部材17を含み、筒状本体10は、滑走路に埋込可能であり、天井部材11は、筒状本体10が滑走路面に露出可能な状態で筒状本体10の上部開口部に配置され、天井部材11には、閃光照射用窓が設けられ、導光部材12により、LED閃光光源13から照射された閃光が、閃光照射用窓から外部に向けて照射可能であり、熱伝導部材17は、熱伝導部材17の一部分は、LED閃光光源13と接触し、熱伝導部材17のその他部分の少なくとも一部が、天井部材11に接触している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状本体、天井部材、導光部材、LED閃光光源、及び、熱伝導部材を含み、
前記筒状本体は、滑走路に埋込可能であり、
前記天井部材は、前記筒状本体が滑走路に埋め込まれた場合に、滑走路面に露出可能な状態で前記筒状本体の上部開口部に、配置され、
前記天井部材には、閃光照射用窓が設けられ、
前記導光部材は、前記閃光照射用窓に配置され、
前記LED閃光光源は、前記閃光照射用窓に配置された前記導光部材に向けて閃光照射可能な状態で、前記筒状本体内に配置され、
前記導光部材により、前記LED閃光光源から照射された閃光が、前記閃光照射用窓から外部に向けて照射可能であり、
前記熱伝導部材は、板状ヒートシンク及びヒートパイプを含むものであって、前記筒状本体内に配置され、
前記板状ヒートシンクの一部分は、前記LED閃光光源と接触し、前記板状ヒートシンクのその他部分の少なくとも一部が、前記天井部材に接触しており、
前記ヒートパイプは、その一端側が前記LED閃光光源側に位置する状態で、前記ヒートパイプ全体が前記板状ヒートシンクに接触するように取付けられている
滑走路埋込型閃光装置。
【請求項2】
前記板状ヒートシンクのその他部分の少なくとも一部が、前記天井部材において、前記閃光照射窓よりも閃光照射側に接触している
請求項1記載の滑走路埋込型閃光装置。
【請求項3】
前記天井部材は、上段天井部及び下段天井部を含み、
前記上段天井部は、前記閃光照射用窓の照射方向より後方側に配置され、
前記下段天井部は、前記閃光照射用窓の照射方向側に配置されており、
前記板状ヒートシンクのその他部分の少なくとも一部が、前記下段天井部に接触している
請求項2記載の滑走路埋込型閃光装置。
【請求項4】
前記ヒートパイプは、照射方向に対し垂直方向に延びる第1の直線部と、照射方向に延びる第2の直線部を有し、前記第1の直線部と前記第2の直線部が結合して全体形状がL字状になっており、前記一端側が前記第1の直線部を含み、前記他端側が前記第2の直線部を含む
請求項1記載の滑走路埋込型閃光装置。
【請求項5】
請求項1に記載の滑走路埋込型閃光装置に用いられる、板状ヒートシンク及びヒートパイプを含む熱伝導部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、滑走路埋込型閃光装置及び熱伝導部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、航空用の滑走路の案内標識として、標識光を照射する標識灯が路面下に埋設されている(例えば、特許文献1参照)。この路面下に埋設される埋込型標識灯には、閃光光源として、キセノンを封入した放電ランプが用いられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-228103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、キセノン閃光光源を用いた閃光装置は、重たく、短寿命で、実効光度が低く、高光度・中光度・低光度等の光度の切替ができず、消費電力が大きいという問題がある。また、滑走路埋込型閃光装置は、閃光光源が発した熱の放熱性に優れることが求められる。
【0005】
そこで、本発明は、軽く、長寿命で、実効光度が高く、光度の切替が可能で、消費電力が小さく、かつ、放熱性に優れた新たな滑走路埋込型閃光装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の滑走路埋込型閃光装置は、
筒状本体、天井部材、導光部材、LED閃光光源、及び、熱伝導部材を含み、
前記筒状本体は、滑走路に埋込可能であり、
前記天井部材は、前記筒状本体が滑走路に埋め込まれた場合に、滑走路面に露出可能な状態で前記筒状本体の上部開口部に、配置され、
前記天井部材には、閃光照射用窓が設けられ、
前記導光部材は、前記閃光照射用窓に配置され、
前記LED閃光光源は、前記閃光照射用窓に配置された前記導光部材に向けて閃光照射可能な状態で、前記筒状本体内に配置され、
前記導光部材により、前記LED閃光光源から照射された閃光が、前記閃光照射用窓から外部に向けて照射可能であり、
前記熱伝導部材は、板状ヒートシンク及びヒートパイプを含むものであって、前記筒状本体内に配置され、
前記板状ヒートシンクの一部分は、前記LED閃光光源と接触し、前記板状ヒートシンクのその他部分の少なくとも一部が、前記天井部材に接触しており、
前記ヒートパイプは、その一端側が前記LED閃光光源側に位置する状態で、前記ヒートパイプ全体が前記板状ヒートシンクに接触するように取付けられている
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の滑走路埋込型閃光装置は、軽く、長寿命で、実効光度が高く、光度の切替が可能で、消費電力が小さく、かつ、放熱性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1の滑走路埋込型閃光装置の一例の構成を示す分解斜視図である。
図2図2は、実施形態1の滑走路埋込型閃光装置における筒状本体及び天井部材の一例を示す上方向からの斜視図である。
図3図3は、実施形態1の滑走路埋込型閃光装置における筒状本体及び天井部材の一例を示す下方向からの斜視図である。
図4図4は、実施形態1の滑走路埋込型閃光装置における筒状本体、天井部材及び熱伝導部材の一例を示す下方向からの斜視図である。
図5図5は、実施形態1の滑走路埋込型閃光装置におけるLED閃光光源の一例を示す部分拡大斜視図である。
図6図6は、実施形態1の滑走路埋込型閃光装置におけるLED閃光光源の一例を示す断面図である。
図7図7は、実施形態2の滑走路埋込型閃光装置の一例の構成を示す分解斜視図である。
図8図8は、図7に示す滑走路埋込型閃光装置の下方向からの斜視図である。
図9図9は、実施形態2の滑走路埋込型閃光装置における底蓋部材の一例を示す側面図である。
図10図10は、実施形態4の滑走路の一例の構成を示す模式斜視図である。
図11図11は、実施形態1の滑走路埋込型閃光装置における閃光照射について説明する模式側面図である。
図12図12は、図11に示す滑走路埋込型閃光装置の内部における導光部材及びLED閃光光源の一例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
つぎに、本発明の実施形態について、図1から図12を用いて説明する。本発明は、下記の実施形態によって何ら限定及び制限されない。なお、図1から図12において、同一部分には、同一符号を付している。各実施形態の説明は、それぞれ、互いを援用できる。また、図面においては、説明の便宜上、各部の構造は適宜簡略化して示す部分があり、各部の寸法比等は、実際とは異なり、模式的に示す場合がある。
【0010】
[実施形態1]
図1は、本実施形態の滑走路埋込型閃光装置の一例の構成を示す分解斜視図である。図1に示すように、滑走路埋込型閃光装置1は、筒状本体10、天井部材11、導光部材12、LED閃光光源13、及び、熱伝導部材17を含む。
【0011】
筒状本体10は、実施形態4において図10を用いて後述するように、滑走路2に埋込可能である。筒状本体10は、例えば、図1に示すように、円筒であってもよいし、楕円筒、角筒等の円筒以外の筒状であってもよい。
【0012】
天井部材11は、筒状本体10が滑走路2に埋め込まれた場合に、滑走路面に露出可能な状態で筒状本体10の上部開口部に、配置される。
【0013】
筒状本体10及び天井部材11は、図1に示すように、別個独立の部材であってもよいし、図2に示すように、一体成型品であってもよい。前記一体成型品は、例えば、アルミニウムの鋳物、チタンの鋳物、アルミニウム合金の鋳物、チタン合金の鋳物等があげられ、軽量であることから、アルミニウムの鋳物、チタンの鋳物が好ましく、安価であることから、アルミニウムの鋳物が特に好ましい。筒状本体10及び天井部材11が別部材である場合も、筒状本体10及び天井部材11としては、前記一体成型品である場合と同様に、例えば、アルミニウムの鋳物、チタンの鋳物、アルミニウム合金の鋳物、チタン合金の鋳物等があげられる。
【0014】
天井部材11には、閃光照射用窓が設けられ、導光部材12は、前記閃光照射用窓に配置されている。本実施形態の滑走路埋込型閃光装置1において、例えば、前記閃光照射用窓は、2個以上であり、それぞれの前記閃光照射用窓に導光部材12が配置されていてもよい。導光部材12を2個以上とすれば、導光部材12への負荷をより軽減し、破損を防止し得る。前記閃光照射用窓及び導光部材12は、例えば、図1に示すように、後述の補強板部材14によって、2個以上に分割されていてもよい。導光部材12としては、例えば、プリズムレンズ等があげられる。前記プリズムレンズの材質は、特に制限されないが、例えば、ガラス等である。
【0015】
天井部材11は、例えば、上段天井部11a及び下段天井部11bを含み、上段天井部11aが、前記閃光照射用窓の照射方向より後方側に配置され、下段天井部11bが、前記閃光照射用窓の照射方向側に配置された段差構造となっていてもよい。
【0016】
本実施形態の滑走路埋込型閃光装置1は、例えば、さらに、補強板部材14を含み、補強板部材14は、下段天井部11b外面において、下段天井部11b外面の垂直方向に起立した状態で配置されていてもよい。天井部材11及び補強板部材14は、例えば、別個独立の部材であってもよいし、一体成型品であってもよい。天井部材11及び補強板部材14が別部材である場合、補強板部材14としては、前記一体成型品である場合と同様に、例えば、アルミニウムの鋳物、チタンの鋳物、アルミニウム合金の鋳物、チタン合金の鋳物等があげられる。
【0017】
本実施形態の滑走路埋込型閃光装置1は、例えば、さらに、固定部材15を含み、固定部材15は、天井部材11の外周側に配置され、固定部材15には、滑走路2に固定するためのネジを通すネジ穴が設けられていてもよい。固定部材15は、例えば、外周側に向かって厚みが薄くなるように外面が傾斜したテーパ―状であってもよい。天井部材11及び固定部材15は、例えば、別個独立の部材であってもよいし、一体成型品であってもよい。天井部材11及び固定部材15が別部材である場合、固定部材15としては、前記一体成型品である場合と同様に、例えば、アルミニウムの鋳物、チタンの鋳物、アルミニウム合金の鋳物、チタン合金の鋳物等があげられる。天井部材11及び固定部材15の少なくとも一方は、例えば、工具により滑走路埋込型閃光装置1を引き上げるための穴を有してもよい。
【0018】
LED閃光光源13は、前記閃光照射用窓に配置された導光部材12に向けて閃光照射可能な状態で、筒状本体10内に配置される。図3に、筒状本体10及び天井部材11の一例の下方向からの斜視図を示す。例えば、図3に示すように、天井部材11の内面(筒状本体10側の面)には、前記閃光照射用窓の下部部分に、LED閃光光源13の配置部分が設けられていてもよい。導光部材12により、LED閃光光源13から照射された閃光が、前記閃光照射用窓から外部に向けて照射可能である。
【0019】
LED閃光光源13としては、例えば、LEDモジュール等があげられる。LED閃光光源13は、例えば、図1に示すように、基板13a及びLED13bを含み、基板13a上にLED13bが配置されている。図1に示す例では、LED閃光光源13の数を2個としているが、LED閃光光源13は、1個であってもよいし、3個以上であってもよい。
【0020】
基板13aにおけるLED13bの搭載条件は、特に制限されず、目的の光学的特性に応じて適宜設定できる。図1には、4×9=36個の行列が2つで72個のLED13bが基板13aに搭載された例を示している。
【0021】
LED13bの形状は、特に制限されず、一般的に、正方形又は長方形である。LED13bの大きさは、特に制限されず、正方形の場合、一辺の長さは、例えば、1.8~2.2mm、3~3.5mm、4~5.3mmであり、長方形の場合、短辺の長さは、例えば、前記正方形の長さと同様であり、短辺と長辺との比は、例えば、1:1~3である。基板13aのLED13bの搭載面において、隣り合うLEDとLEDとの間の幅は、例えば、0.2~0.5mmである。
【0022】
LED閃光光源13は、例えば、図5の部分拡大斜視図及び図6の断面図に示すように、レンズ部材13cを含み、LED13bの上部にレンズ部材13cが配置され、レンズ部材13cは、LED13bから照射される閃光の照射面を均一な照度分布とするレンズ部材であってもよい。レンズ部材13cとしては、例えば、フライアイレンズ、インテグレータレンズ等があげられる。例えば、図6に示すように、レンズ部材13cが大きくなりすぎないように2個又はそれ以上に分けることで、レンズ部材13cへの負荷をより軽減し、破損を防止し得る。レンズ部材13cは、照射された閃光の取り出しにロスが生じないよう、小さくしすぎないことが好ましい。
【0023】
熱伝導部材17は、筒状本体10内に配置され、熱伝導部材17の一部分は、LED閃光光源13と接触し、熱伝導部材17のその他部分の少なくとも一部が、天井部材11に接触している。これにより、LED閃光光源13が発した熱を、熱伝導部材17を介して天井部材11へと伝え、装置1外部へと放熱することが可能である。本実施形態の滑走路埋込型閃光装置1によれば、装置1内部で放熱するよりも、放熱性に優れる。
【0024】
熱伝導部材17の一部分は、例えば、図1に示すように、基板13aのLED13b搭載側と反対側の面に接触している。熱伝導部材17のその他部分は、その少なくとも一部が、天井部材11と接触していればよく、天井部材11のどの部分に接触していてもよい。例えば、図1に示すように、熱伝導部材17のその他部分の少なくとも一部が、天井部材11において、前記閃光照射用窓よりも閃光照射側に接触していてもよい。この態様においては、例えば、熱伝導部材17のその他部分の少なくとも一部は、下段天井部11bに接触していてもよい。図1に例示する態様であれば、LED閃光光源13が発した熱を、熱伝導部材17を介して前記閃光照射用窓よりも閃光照射側に伝えることができ、例えば、寒冷地の航空用滑走路において、閃光照射を遮る積もった雪を解かすことができる。例えば、図3に示すように、天井部材11の内面(筒状本体10側の面)には、前述のLED閃光光源13の配置部分に加え、熱伝導部材17の配置部分が設けられていてもよい。
【0025】
熱伝導部材17としては、例えば、板状ヒートシンク、ヒートパイプ等があげられ、自作してもよいし、市販品を用いてもよい。前記板状ヒートシンクの材質としては、例えば、銅、アルミニウム等があげられる。前記ヒートパイプの材質は、特に制限されず、公知の熱伝導素材があげられ、具体例として、金属等があげられる。前記金属は、例えば、アルミニウム及びその合金、マグネシウム及びその合金、鉄及びその合金、銅及びその合金、チタン及びその合金、モリブデン及びその合金、タングステン及びその合金等があげられる。図4は、本実施形態の滑走路埋込型閃光装置における筒状本体、天井部材及び熱伝導部材の一例を示す下方向からの斜視図である。熱伝導部材17は、例えば、板状ヒートシンク17a及びヒートパイプ17bを含み、板状ヒートシンク17aの一面の一部分が、LED閃光光源13と接触し、板状ヒートシンク17aの一面のその他部分の少なくとも一部が、下段天井部11bと接触し、ヒートパイプ17bは、その一端側がLED閃光光源13側に位置し、かつ、その他端側が下段天井部11b側に位置する状態で、板状ヒートシンク17aに取付けられていてもよい。なお、図4には、ヒートパイプ17bが、板状ヒートシンク17aの他面(LED閃光光源13と接触する面(一面)と反対側の面)に取付けられている例を示したが、ヒートパイプ17bは、板状ヒートシンク17aの一面に取付けられていてもよく、板状ヒートシンク17bの他面及び一面の双方に取付けられていてもよい。図4に示す態様において、ヒートパイプ17bは、例えば、板状ヒートシンク17aを厚み方向に切欠いて、埋め込むようにして、ハンダ付け等により配置してもよい。
【0026】
ヒートパイプ17bは、例えば、図4に示すように、照射方向(矢印X方向)に対し垂直方向に延びる第1の直線部と、照射方向に延びる第2の直線部を有し、前記第1の直線部と前記第2の直線部が結合して全体形状がL字状となっており、前記一端側が前記第1の直線部を含み、前記他端側が前記第2の直線部を含んでもよい。
【0027】
本実施形態の滑走路埋込型閃光装置1からは、例えば、図11に示すように、滑走路面と平行方向に対する角度αが3°程度の上向きの閃光が照射されることが好ましい。なお、図11に示す滑走路埋込型閃光装置1内部における導光部材12及びLED閃光光源13を例示すると、図12のようになる。
【0028】
キセノン閃光光源を用いた閃光装置の重量が、65kg以下、具体的には40kg程度であるのに対し、本実施形態の滑走路埋込型閃光装置1の重量は、例えば、18kg以下、具体的には11kg程度である。このように、本実施形態によれば、軽い滑走路埋込型閃光装置を提供可能である。
【0029】
キセノン閃光光源を用いた閃光装置の寿命が、500時間程度であるのに対し、本実施形態の滑走路埋込型閃光装置1は、例えば、無期限に利用可能である。このように、本実施形態によれば、長寿命な滑走路埋込型閃光装置を提供可能である。
【0030】
キセノン閃光光源を用いた閃光装置の実効光度が、1000cd以上、具体的には1200cd程度であるのに対し、本実施形態の滑走路埋込型閃光装置1の実効光度は、例えば、6000cd以上、具体的には7000cd程度である。このように、本実施形態によれば、実効光度の高い滑走路埋込型閃光装置を提供可能である。
【0031】
キセノン閃光光源を用いた閃光装置では、高光度・中光度・低光度等の光度の切替ができないのに対し、本実施形態の滑走路埋込型閃光装置1は、前述のように実効光度が高いため、例えば、高光度(例えば、6000cd以上)、中光度(例えば、1000cd以上)、低光度(例えば、250cd以上)等の光度の切替が可能である。このように、本実施形態によれば、光度の切替が可能な滑走路埋込型閃光装置を提供可能である。前記高光度は、例えば、霧、雨等で視界不良の昼間に、前記低光度は、例えば、夜間に、前記中光度は、例えば、夕方等に用いられる。
【0032】
キセノン閃光光源を用いた閃光装置の消費電力が、500W程度であるのに対し、本実施形態の滑走路埋込型閃光装置1の消費電力は、例えば、80W(高光度時で最大114W、中光度時で31W、低光度時で24W)程度である。このように、本実施形態によれば、消費電力の小さい滑走路埋込型閃光装置を提供可能である。
【0033】
[実施形態2]
図7は、本実施形態の滑走路埋込型閃光装置の一例の構成を示す分解斜視図であり、図8は、図7に示す滑走路埋込型閃光装置の下方向からの斜視図である。図7及び図8に示すように、本実施形態の滑走路埋込型閃光装置1は、さらに、底蓋部材16を含むこと以外、実施形態1の滑走路埋込型閃光装置と同様である。
【0034】
底蓋部材16は、筒状本体10の下部開口部を閉塞した状態で配置される。底蓋部材16の材質としては、例えば、アルミニウム、チタン、アルミニウム合金、チタン合金又はそれらの鋳物等があげられる。
【0035】
図9に、底蓋部材16の一例の側面図を示す。例えば、図9に示すように、底蓋部材16は、ケーブルグランド16a及び外部アース端子16bを含んでもよい。また、底蓋部材16を、例えば、ネジ16c及びOリング(図示省略)で筒状本体10及びLED閃光光源13の少なくとも一方に取り付ければ、滑走路埋込型閃光装置1を防水構造にできる。
【0036】
[実施形態3]
本発明によれば、実施形態1又は2の滑走路埋込型閃光装置1に用いられる熱伝導部材17を提供できる。本発明の熱伝導部材17は、板状ヒートシンク17a及びヒートパイプ17bの少なくとも一方を含んでもよい。本発明の熱伝導部材17に関しては、実施形態1及び2の説明を援用できる。
【0037】
[実施形態4]
図10は、本実施形態の滑走路の一例の構成を示す模式斜視図である。図10では、模式的に簡略化して示しているが、滑走路2は、実施形態1又は2の滑走路埋込型閃光装置1が、天井部材11を露出した状態で埋め込まれたものである。
【0038】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0039】
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
筒状本体、天井部材、導光部材、LED閃光光源、及び、熱伝導部材を含み、
前記筒状本体は、滑走路に埋込可能であり、
前記天井部材は、前記筒状本体が滑走路に埋め込まれた場合に、滑走路面に露出可能な状態で前記筒状本体の上部開口部に、配置され、
前記天井部材には、閃光照射用窓が設けられ、
前記導光部材は、前記閃光照射用窓に配置され、
前記LED閃光光源は、前記閃光照射用窓に配置された前記導光部材に向けて閃光照射可能な状態で、前記筒状本体内に配置され、
前記導光部材により、前記LED閃光光源から照射された閃光が、前記閃光照射用窓から外部に向けて照射可能であり、
前記熱伝導部材は、前記筒状本体内に配置され、
前記熱伝導部材の一部分は、前記LED閃光光源と接触し、
前記熱伝導部材のその他部分の少なくとも一部が、前記天井部材に接触している
滑走路埋込型閃光装置。
(付記2)
前記熱伝導部材のその他部分の少なくとも一部が、前記天井部材において、前記閃光照射用窓よりも閃光照射側に接触している
付記1記載の滑走路埋込型閃光装置。
(付記3)
前記LED閃光光源は、基板、LED、及び、レンズ部材を含み、
前記基板上に前記LEDが配置され、
前記LEDの上部に前記レンズ部材が配置され、
前記レンズ部材は、前記LEDから照射される閃光の照射面を均一な照度分布にするレンズ部材であり、
前記熱伝導部材の一部分は、前記基板の前記LED搭載側と反対側の面に接触している
付記1又は2記載の滑走路埋込型閃光装置。
(付記4)
前記天井部材は、上段天井部及び下段天井部を含み、
前記上段天井部は、前記閃光照射用窓の照射方向より後方側に配置され、
前記下段天井部は、前記閃光照射用窓の照射方向側に配置されており、
前記熱伝導部材のその他部分の少なくとも一部が、前記下段天井部に接触している
付記1から3のいずれかに記載の滑走路埋込型閃光装置。
(付記5)
さらに、補強板部材を含み、
前記補強板部材は、前記下段天井部外面において、前記下段天井部外面の垂直方向に起立した状態で配置されている
付記4記載の滑走路埋込型閃光装置。
(付記6)
前記熱伝導部材は、板状ヒートシンク及びヒートパイプの少なくとも一方を含む
付記1から5のいずれかに記載の滑走路埋込型閃光装置。
(付記7)
前記熱伝導部材は、板状ヒートシンク及びヒートパイプを含み、
前記板状ヒートシンクの一面の一部分が、前記LED閃光光源と接触し、
前記板状ヒートシンクの一面のその他の部分の少なくとも一部が、前記下段天井部と接触し、
前記ヒートパイプは、その一端側が前記LED閃光光源側に位置し、かつ、その他端側が前記下段天井部側に位置する状態で、前記板状ヒートシンクに取付けられている
付記6記載の滑走路埋込型閃光装置。
(付記8)
前記ヒートパイプは、照射方向に対し垂直方向に延びる第1の直線部と、照射方向に延びる第2の直線部を有し、前記第1の直線部と前記第2の直線部が結合して全体形状がL字状になっており、前記一端側が前記第1の直線部を含み、前記他端側が前記第2の直線部を含む
付記7記載の滑走路埋込型閃光装置。
(付記9)
さらに、固定部材を含み、
前記固定部材は、前記天井部材の外周部に配置され、
前記固定部材には、前記滑走路に固定するためのネジを通すネジ穴が設けられている
付記1から8のいずれかに記載の滑走路埋込型閃光装置。
(付記10)
前記天井部材及び前記固定部材は、一体成形品である
付記9記載の滑走路埋込型閃光装置。
(付記11)
前記筒状本体及び前記天井部材は、一体成型品である
付記1から10のいずれかに記載の滑走路埋込型閃光装置。
(付記12)
前記閃光照射用窓は、2個以上であり、それぞれの前記閃光照射用窓に前記導光部材が配置されている
付記1から11のいずれかに記載の滑走路埋込型閃光装置。
(付記13)
さらに、底蓋部材を含み、
前記底蓋部材は、前記筒状本体の下部開口部を閉塞した状態で配置される
付記1から12のいずれかに記載の滑走路埋込型閃光装置。
(付記14)
前記底蓋部材は、ケーブルグランド及び外部アース端子を含む
付記13記載の滑走路埋込型閃光装置。
(付記15)
付記1から14のいずれかに記載の滑走路埋込型閃光装置に用いられる熱伝導部材。
(付記16)
板状ヒートシンク及びヒートパイプの少なくとも一方を含む
付記15記載の熱伝導部材。
(付記17)
付記1から14のいずれかに記載の滑走路埋込型閃光装置が埋め込まれた滑走路。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明によれば、軽く、長寿命で、実効光度が高く、光度の切替が可能で、消費電力が小さく、かつ、放熱性に優れた、新たな滑走路埋込型閃光装置を提供可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 滑走路埋込型閃光装置
2 滑走路
10 筒状本体
11 天井部材
11a 上段天井部
11b 下段天井部
12 導光部材
13 LED閃光光源
13a 基板
13b LED
13c レンズ部材
14 補強板部材
15 固定部材
16 底蓋部材
16a ケーブルグランド
16b 外部アース端子
16c ネジ
17 熱伝導部材
17a 板状ヒートシンク
17b ヒートパイプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12