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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116557
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】呼吸回路のための医療用管
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/08 20060101AFI20230815BHJP
【FI】
A61M16/08 300
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023088884
(22)【出願日】2023-05-30
(62)【分割の表示】P 2020540572の分割
【原出願日】2019-01-24
(31)【優先権主張番号】62/621,463
(32)【優先日】2018-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】マシュー、リアム、バズウェル
(72)【発明者】
【氏名】ギャビン、ウォルシュ、ミラー
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ、ウィリアム、スタントン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】医療用途に適した管に関し、特に呼吸加湿システムなどにおいて患者に加湿ガスを提供し、患者からガスを除去するのに適している呼吸回路で使用するための医療用管を提供する。
【解決手段】呼吸療法で使用するための呼吸回路は、吸気管及び呼気管を含む。呼吸回路の吸気管は、平滑ボアを有する。呼吸回路の呼気管は、波形である。好ましくは、呼気管は、蒸気透過性である。平滑ボアの吸気管と波形の呼気管との組合せを使用することは、呼吸回路及びその構成要素の性能を向上させるという予想外の結果を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の呼吸療法で使用するための回路キットであって、
ガス源から吸気ガス流を受け入れるように構成された吸気管であって、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記吸気管の前記内壁は、平滑である、吸気管と、
患者から呼気ガス流を受け入れるように構成された呼気管であって、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記呼気管の前記内壁は、波形である、呼気管と
を含む呼吸回路を含み、及び前記吸気管は、4~17mmの内径を有し、且つ前記呼気管は、10.5~20.5mmの公称内径を有する、回路キット。
【請求項2】
前記吸気管と前記呼気管とを結合するように構成されたyピースを更に含む、請求項1に記載の回路キット。
【請求項3】
ある量の水を保持し、且つ加湿器上に配置するためのチャンバを更に含む、請求項1又は2に記載の回路キット。
【請求項4】
ベンチレータ又は他のガス源から加湿器入口に流れを搬送するためのドライラインを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項5】
前記吸気管は、6mm~10mmの内径を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項6】
前記吸気管は、11mm~15mmの内径を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項7】
前記吸気管は、9mm~13mmの内径を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項8】
前記吸気管は、10mm~14mmの内径を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項9】
前記吸気管は、7mm~13mmの内径を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項10】
前記吸気管は、8mm~14mmの内径を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項11】
前記呼気管は、11mm~15mmの公称内径を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項12】
前記呼気管は、12mm~16mmの公称内径を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項13】
前記呼気管は、14mm~18mmの公称内径を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項14】
前記呼気管は、16mm~20mmの公称内径を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項15】
前記呼気管は、13mm~19mmの公称内径を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項16】
前記呼気管は、14mm~20mmの公称内径を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項17】
前記吸気管又は前記呼気管は、1.5m~2.5mの長さを有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項18】
前記吸気管又は前記呼気管は、1.6m~2.5mの長さを有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項19】
前記吸気管は、前記吸気中心ボア内又は前記内壁内において加熱要素を取り囲む、請求項1~18のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項20】
前記呼気管は、加熱要素を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項21】
前記呼気管は、通気性がある、請求項1~20のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項22】
前記呼気管の前記内壁は、水蒸気に対して透過性であり、且つ前記呼気管を流れる液体及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性である、請求項1~21のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項23】
前記吸気管は、長手方向断面において、前記吸気中心ボアの前記壁の少なくとも一部を形成する平らな表面をそれぞれ有する複数のバブルを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項24】
50ml~300mlの範囲内の1回換気量を有する患者の治療に適している、請求項1に記載の回路キット。
【請求項25】
小児患者及び青年患者の治療に適している、請求項1に記載の回路キット。
【請求項26】
前記吸気管の前記内径と前記呼気管の前記公称径との間の差は、1mm~14mmである、請求項1~25のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項27】
前記吸気管の前記内径は、前記呼気管の前記公称径よりも1mm~14mmの値だけ小さい、請求項1~25のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項28】
前記吸気管及び/又は前記呼気管は、ウォータトラップ、及び/又は1つ以上のセンサを有する中間コネクタ、及び/又はPCB、及び/又はコントローラなどの他の機器を収容するための複数のセクションを含み得る、請求項1~27のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項29】
加湿器を更に含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の回路キットを含むシステム。
【請求項30】
患者の呼吸療法で使用するための回路キットであって、
ガス源から吸気ガス流を受け入れるように構成された吸気管であって、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記吸気管の前記内壁は、平滑である、吸気管と、
患者から呼気ガス流を受け入れるように構成された呼気管であって、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記呼気管の前記内壁は、波形である、呼気管と
を含む呼吸回路を含み、及び前記吸気管は、9.5~24mmの内径を有し、且つ前記呼気管は、19~31.5mmの公称内径を有する、回路キット。
【請求項31】
前記吸気管と前記呼気管とを結合するように構成されたyピースを更に含む、請求項30に記載の回路キット。
【請求項32】
ある量の水を保持し、且つ加湿器上に配置するためのチャンバを更に含む、請求項30又は31に記載の回路キット。
【請求項33】
ベンチレータ又は他のガス源から加湿器入口に流れを搬送するためのドライラインを更に含む、請求項30~32のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項34】
前記吸気管は、11mm~15mmの内径を有する、請求項30~33のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項35】
前記吸気管は、12mm~16mmの内径を有する、請求項30~33のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項36】
前記吸気管は、18mm~22mmの内径を有する、請求項30~33のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項37】
前記吸気管は、19mm~23mmの内径を有する、請求項30~33のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項38】
前記吸気管は、10mm~16mmの内径を有する、請求項30~33のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項39】
前記吸気管は、17mm~23mmの内径を有する、請求項30~33のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項40】
前記呼気管は、25mm~29mmの公称内径を有する、請求項30~39のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項41】
前記呼気管は、26mm~30mmの公称内径を有する、請求項30~39のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項42】
前記呼気管は、20mm~24mmの公称内径を有する、請求項30~39のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項43】
前記呼気管は、21mm~25mmの公称内径を有する、請求項30~39のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項44】
前記呼気管は、24mm~30mmの公称内径を有する、請求項30~39のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項45】
前記呼気管は、20mm~26mmの公称内径を有する、請求項30~39のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項46】
前記吸気管又は前記呼気管は、1.5m~2.5mの長さを有する、請求項30~45のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項47】
前記吸気管又は前記呼気管は、1.6m~2.5mの長さを有する、請求項30~45のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項48】
前記吸気管は、前記吸気中心ボア内又は前記内壁内において加熱要素を取り囲む、請求項30~47のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項49】
前記呼気管は、加熱要素を含む、請求項30~48のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項50】
前記呼気管は、通気性がある、請求項30~49のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項51】
前記呼気管の前記内壁は、水蒸気に対して透過性であり、且つ前記呼気管を流れる液体及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性である、請求項30~50のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項52】
前記吸気管は、長手方向断面において、前記吸気中心ボアの前記壁の少なくとも一部を形成する平らな表面をそれぞれ有する複数のバブルを含む、請求項30~51のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項53】
300ml超の1回換気量を有する患者の治療に適している、請求項30に記載の回路キット。
【請求項54】
成人患者の治療に適している、請求項30に記載の回路キット。
【請求項55】
前記吸気管の前記内径は、前記呼気管の前記公称径よりも1mm~20mmの値だけ小さい、請求項30~54のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項56】
前記吸気管は、前記呼気管よりも1mm~20mmだけ小さい、請求項30~54のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項57】
前記吸気管及び/又は前記呼気管は、ウォータトラップ、及び/又は1つ以上のセンサを有する中間コネクタ、及び/又はPCB、及び/又はコントローラなどの他の機器を収容するための複数のセクションを含み得る、請求項30~56のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項58】
加湿器を更に含む、請求項30~57のいずれか一項に記載の回路キットを含むシステム。
【請求項59】
患者の呼吸療法で使用するための回路キットであって、
ガス源から吸気ガス流を受け入れるように構成された吸気管であって、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記吸気管の前記内壁は、平滑である、吸気管と、
患者から呼気ガス流を受け入れるように構成された呼気管であって、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記呼気管の前記内壁は、波形である、呼気管と
を含む呼吸回路を含み、及び前記吸気管は、3~13mmの内径を有し、且つ前記呼気管は、9.5~19mmの公称内径を有する、回路キット。
【請求項60】
前記吸気管と前記呼気管とを結合するように構成されたyピースを更に含む、請求項59に記載の回路キット。
【請求項61】
ある量の水を保持し、且つ加湿器上に配置するためのチャンバを更に含む、請求項59又は60に記載の回路キット。
【請求項62】
ベンチレータ又は他のガス源から加湿器入口に流れを搬送するためのドライラインを更に含む、請求項59~61のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項63】
前記吸気管は、5mm~9mmの内径を有する、請求項59~62のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項64】
前記吸気管は、6mm~10mmの内径を有する、請求項59~62のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項65】
前記吸気管は、7mm~11mmの内径を有する、請求項59~62のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項66】
前記吸気管は、8mm~12mmの内径を有する、請求項59~62のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項67】
前記吸気管は、4mm~11mmの内径を有する、請求項59~62のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項68】
前記吸気管は、6mm~12mmの内径を有する、請求項59~62のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項69】
前記呼気管は、13mm~17mmの公称内径を有する、請求項59~68のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項70】
前記呼気管は、12mm~16mmの公称内径を有する、請求項59~68のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項71】
前記呼気管は、11mm~15mmの公称内径を有する、請求項59~68のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項72】
前記呼気管は、14mm~18mmの公称内径を有する、請求項59~68のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項73】
前記呼気管は、12mm~18mmの公称内径を有する、請求項59~68のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項74】
前記呼気管は、10mm~16mmの公称内径を有する、請求項59~68のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項75】
前記吸気管又は前記呼気管は、1.5m~2.5mの長さを有する、請求項59~74のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項76】
前記吸気管又は前記呼気管は、1.6m~2.5mの長さを有する、請求項59~74のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項77】
前記吸気管は、前記吸気中心ボア内又は前記管の前記壁内において加熱要素を取り囲む、請求項59~76のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項78】
前記呼気管は、加熱要素を含む、請求項59~77のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項79】
前記呼気管は、通気性がある、請求項59~78のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項80】
前記呼気管の前記内壁は、水蒸気に対して透過性であり、且つ前記呼気管を流れる液体及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性である、請求項59~79のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項81】
前記吸気管は、長手方向断面において、前記吸気中心ボアの前記壁の少なくとも一部を形成する平らな表面をそれぞれ有する複数のバブルを含む、請求項59~80のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項82】
50ml以下の1回換気量を有する患者の治療に適している、請求項59に記載の回路キット。
【請求項83】
新生児患者の治療に適している、請求項59に記載の回路キット。
【請求項84】
前記吸気管の前記内径と前記呼気管の前記公称径との間の差は、1mm~14mmである、請求項59~83のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項85】
前記吸気管の前記内径は、前記呼気管の前記公称径よりも1mm~14mmの値だけ小さい、請求項59~83のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項86】
加湿器を更に含む、請求項59~85のいずれか一項に記載の回路キットを含むシステム。
【請求項87】
患者の呼吸療法で使用するための回路キットであって、
ガス源から吸気ガス流を受け入れるように構成された吸気管であって、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記吸気管の前記内壁は、平滑である、吸気管と、
患者から呼気ガス流を受け入れるように構成された呼気管であって、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記呼気管の前記内壁は、波形である、呼気管と
を含む呼吸回路を含み、及び前記吸気管は、3mm~11mmの内径を有し、且つ前記呼気管は、8mm~16mmの公称内径を有する、回路キット。
【請求項88】
前記吸気管は、4mm~8mmの内径を有する、請求項87に記載の回路キット。
【請求項89】
前記呼気管は、11mm~15mmの公称内径を有する、請求項88に記載の回路キット。
【請求項90】
前記吸気管は、6mm~10mmの内径を有する、請求項87に記載の回路キット。
【請求項91】
前記呼気管は、10mm~14mmの公称内径を有する、請求項90に記載の回路キット。
【請求項92】
前記吸気管又は前記呼気管は、1.5m~2.5mの長さを有する、請求項87~91のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項93】
患者の呼吸療法で使用するための回路キットであって、
ガス源から吸気ガス流を受け入れるように構成された吸気管であって、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記吸気管の前記内壁は、平滑である、吸気管と、
患者から呼気ガス流を受け入れるように構成された呼気管であって、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記呼気管の前記内壁は、波形である、呼気管と
を含む呼吸回路を含み、及び前記吸気管は、5mm~13mmの内径を有し、且つ前記呼気管は、15mm~23mmの公称内径を有する、回路キット。
【請求項94】
前記吸気管は、5mm~9mmの内径を有する、請求項93に記載の回路キット。
【請求項95】
前記呼気管は、18mm~22mmの公称内径を有する、請求項94に記載の回路キット。
【請求項96】
前記吸気管は、8mm~12mmの内径を有する、請求項93に記載の回路キット。
【請求項97】
前記呼気管は、16mm~20mmの公称内径を有する、請求項96に記載の回路キット。
【請求項98】
前記吸気管又は前記呼気管は、1.5m~2.5mの長さを有する、請求項93~97のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項99】
患者の呼吸療法で使用するための回路キットであって、
ガス源から吸気ガス流を受け入れるように構成された吸気管であって、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記吸気管の前記内壁は、平滑である、吸気管と、
患者から呼気ガス流を受け入れるように構成された呼気管であって、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記呼気管の前記内壁は、波形である、呼気管と
を含む呼吸回路を含み、及び前記吸気管は、10mm~18mmの内径を有し、且つ前記呼気管は、24mm~32mmの公称内径を有する、回路キット。
【請求項100】
前記吸気管は、9mm~13mmの内径を有する、請求項99に記載の回路キット。
【請求項101】
前記呼気管は、27mm~31mmの公称内径を有する、請求項100に記載の回路キット。
【請求項102】
前記吸気管は、15mm~19mmの内径を有する、請求項99に記載の回路キット。
【請求項103】
前記呼気管は、24mm~28mmの公称内径を有する、請求項102に記載の回路キット。
【請求項104】
前記吸気管又は前記呼気管は、1.5m~2.5mの長さを有する、請求項99~103のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項105】
患者の呼吸療法で使用するための回路キットであって、
ガス源から吸気ガス流を受け入れるように構成された吸気管であって、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記吸気管の前記内壁は、平滑である、吸気管と、
患者から呼気ガス流を受け入れるように構成された呼気管であって、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記呼気管の前記内壁は、波形である、呼気管と
を含む呼吸回路を含み、及び前記吸気管は、内径及び長さを有し、且つ前記呼気管は、公称内径及び長さを有し、前記回路キットは、成人患者の治療に適している、回路キット。
【請求項106】
患者の呼吸療法で使用するための回路キットであって、
ガス源から吸気ガス流を受け入れるように構成された吸気管であって、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記吸気管の前記内壁は、平滑である、吸気管と、
患者から呼気ガス流を受け入れるように構成された呼気管であって、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記呼気管の前記内壁は、波形である、呼気管と
を含む呼吸回路を含み、及び前記吸気管は、内径及び長さを有し、且つ前記呼気管は、公称内径及び長さを有し、前記回路キットは、小児患者及び青年患者の治療に適している、回路キット。
【請求項107】
患者の呼吸療法で使用するための回路キットであって、
ガス源から吸気ガス流を受け入れるように構成された吸気管であって、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記吸気管の前記内壁は、平滑である、吸気管と、
患者から呼気ガス流を受け入れるように構成された呼気管であって、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記呼気管の前記内壁は、波形である、呼気管と
を含む呼吸回路を含み、及び前記吸気管は、内径及び長さを有し、且つ前記呼気管は、公称内径及び長さを有し、前記回路キットは、小児患者及び新生児患者の治療に適している、回路キット。
【請求項108】
患者の呼吸療法で使用するための回路キットであって、
ガス源から吸気ガス流を受け入れるように構成された吸気管であって、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記吸気管の前記内壁は、平滑である、吸気管と、
患者から呼気ガス流を受け入れるように構成された呼気管であって、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記呼気管の前記内壁は、波形である、呼気管と
を含む呼吸回路を含み、及び前記吸気管は、約11.7mmの内径を有し、且つ前記呼気管は、約14.5mmの公称内径を有する、回路キット。
【請求項109】
前記吸気管及び/又は前記呼気管は、約1.75mの長さを有する、請求項108に記載の回路キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による組み込み
本出願は、その内容全体が参照により全体として本明細書に組み込まれる、2018年1月24日に出願された米国仮特許出願第62/621463号明細書からの優先権を主張する。本出願は、それぞれの内容全体が参照により全体として本明細書に組み込まれる、2017年7月21日に出願された国際出願PCT/ニュージーランド特許出願公開第2017/050099号明細書及び2016年7月21日に出願された米国仮特許出願第62/365285号明細書に関連する。更に、以下の本開示は、米国特許出願公開第2013/0098360A1号明細書として公開されている米国特許出願公開第13/517,925号明細書、米国特許出願公開第2014/0202462A1号明細書として公開されている米国特許出願公開第14/123,485号明細書及び米国特許出願公開第2015/0306333A1号明細書として公開されている米国特許出願公開第14/649,801号明細書の様々な特徴を参照する。これらの出願及び公報の開示全体は、本明細書に全体が記載されるかのように本明細書の一部とされ、あらゆる目的において、それらが包含する全てについて参照により組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、医療用途に適した管に関し、特に呼吸加湿システムなどにおいて患者に加湿ガスを提供し、且つ/又は患者からガスを除去するのに適している呼吸回路で使用するための医療用管に関する。
【背景技術】
【0003】
呼吸回路では、様々な構成要素が加温及び/又は加湿ガスを患者に且つ患者から運ぶ。呼吸加湿は、感染及び/又は組織損傷の可能性を低下させるのに役立つ。
【発明の概要】
【0004】
本開示の特定の特徴、態様及び利点は、管内の全体的な流れ抵抗を増加させることなく、吸気管を通して患者に送達される加湿ガス中の蒸気の量を増加させながら、呼気管内の呼気ガスからの蒸気の除去を増加させることができる改良の必要性を認識している。本開示の特定の特徴、態様及び利点は、呼吸回路の圧縮容量を減少させるか、又は少なくとも呼吸回路のリムの圧縮容量を減少させる改良の必要性を認識している。本明細書に記載されるように、吸気管と呼気管との間の圧縮容量及び流れ抵抗の両方にトレードオフが存在し得る。吸気管内の圧縮容量及び/又は流れ抵抗の減少並びに呼気管内の圧縮容量及び/又は流れ抵抗の増加が存在し得る。吸気管内の圧縮容量の減少は、少なくとも部分的に吸気管径の減少に起因し得る。管径の減少は、少なくとも部分的に平滑ボアを有することに起因し得る流れ抵抗の減少によって可能にされ得る。呼気管内の圧縮容量の増加は、少なくとも部分的に壁の表面積、管の直径、管の断面積又は呼気管の壁の長さの増加に起因し得る。呼気管内の流れ抵抗の増加は、少なくとも部分的に波形構造に起因し得る。呼気管内の圧縮容量の増加及び流れ抵抗の増加は、本明細書に記載されるような様々な要因により、その透過率を向上させることができる。吸気管と呼気管との間のこのトレードオフにより、全体として呼吸回路内の同じ全体的な圧縮容量及び/又は流れ抵抗を維持することができる。
【0005】
呼吸回路の圧縮容量が低くなるほど、一定の伸展性に対する呼吸回路の空気コンプライアンスが低くなり、呼吸回路の空気コンプライアンスが患者の肺コンプライアンスに対して低下するほど、送達1回換気量に誤差が存在する可能性が低くなる。
【0006】
患者の呼吸療法で使用するための回路キットは、呼吸回路を含み得る。呼吸回路は、ガス源から吸気ガス流を受け入れるように構成された吸気管を含み得る。吸気管は、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む内壁とを含み得る。吸気管の内壁は、平滑であり得る。呼吸回路は、患者から呼気ガス流を受け入れるように構成された呼気管を含み得る。呼気管は、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む内壁とを含み得る。呼気管の内壁は、波形であり得る。吸気管は、5~14.5mmの内径を有し得る。呼気管は、15~22mmの公称内径を有し得る。吸気管は、4~17mmの内径を有し得る。呼気管は、10.5~20.5mmの公称内径を有し得る。
【0007】
回路キットは、吸気管と呼気管とを結合するように構成されたyピースを含み得る。回路キットは、ある量の水を保持し、且つ加湿器上に配置するためのチャンバを含み得る。回路キットは、ベンチレータ又は他のガス源から加湿器入口に流れを搬送するためのドライラインを含み得る。吸気管は、6mm~14mmの内径を有し得る。吸気管は、6mm~13mmの内径を有し得る。吸気管は、6mm~12mmの内径を有し得る。吸気管は、6mm~11mmの内径を有し得る。吸気管は、7mm~10mmの内径を有し得る。吸気管は、8mm~9mmの内径を有し得る。呼気管は、15.5mm~21mmの公称内径を有し得る。呼気管は、16mm~20mmの公称内径を有し得る。呼気管は、16mm~19mmの公称内径を有し得る。呼気管は、18mm~20mmの公称内径を有し得る。呼気管は、19mm~20mmの公称内径を有し得る。吸気管は、6mm~10mmの内径を有し得る。吸気管は、11mm~15mmの内径を有し得る。吸気管は、9mm~13mmの内径を有し得る。吸気管は、10mm~14mmの内径を有し得る。吸気管は、7mm~13mmの内径を有し得る。吸気管は、8mm~14mmの内径を有し得る。呼気管は、11mm~15mmの公称内径を有し得る。呼気管は、12mm~16mmの公称内径公称内径を有し得る。呼気管は、14mm~18mmの公称内径公称内径を有し得る。呼気管は、16mm~20mmの公称内径公称内径を有し得る。呼気管は、13mm~19mmの公称内径公称内径を有し得る。呼気管は、14mm~20mmの公称内径公称内径を有し得る。吸気管又は呼気管は、1.5m~2.5mの長さを有し得る。吸気管又は呼気管は、1.6m~2.5mの長さを有し得る。吸気管は、吸気中心ボア内又は管の壁内において加熱要素を取り囲み得る。呼気管は、加熱要素を含み得る。呼気管は、通気性があり得る。呼気管の内壁は、水蒸気に対して透過性であり得、且つ呼気管を流れる液体及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性であり得る。吸気管は、長手方向断面において、吸気中心ボアの壁の少なくとも一部を形成する平らな表面をそれぞれ有する複数のバブルを含み得る。回路キットは、50ml~300mlの範囲内の1回換気量を有する患者の治療に適し得る。回路キットは、小児患者及び青年患者の治療に適し得る。吸気管の内径と呼気管の公称径との間の差は、1mm~14mmであり得る。吸気管の内径は、呼気管の公称径よりも1mm~14mmの値だけ小さいことができる。吸気管及び/又は呼気管は、ウォータトラップ、及び/又は1つ以上のセンサを有する中間コネクタ、及び/又はPCB、及び/又はコントローラなどの他の機器を収容するための複数のセクションを含み得る。システムは、回路キット及び加湿器を含み得る。
【0008】
患者の呼吸療法で使用するための回路キットは、呼吸回路を含み得る。呼吸回路は、ガス源から吸気ガス流を受け入れるように構成された吸気管を含み得る。吸気管は、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む内壁とを含み得る。吸気管の内壁は、平滑であり得る。呼吸回路は、患者から呼気ガス流を受け入れるように構成された呼気管を含み得る。呼気管は、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む内壁とを含み得る。呼気管の内壁は、波形であり得る。吸気管は、10~21mmの内径を有し得る。呼気管は、22~30mmの公称内径を有し得る。吸気管は、9.5~24mmの内径を有し得る。呼気管は、19~31.5mmの公称内径を有し得る。
【0009】
回路キットは、吸気管と呼気管とを結合するように構成されたyピースを含み得る。回路キットは、ある量の水を保持し、且つ加湿器上に配置するためのチャンバを含み得る。回路キットは、ベンチレータ又は他のガス源から加湿器出口に流れを搬送するためのドライラインを含み得る。吸気管は、10mm~20mmの内径を有し得る。吸気管は、11mm~20mmの内径を有し得る。吸気管は、11mm~19mmの内径を有し得る。吸気管は、11mm~18mmの内径を有し得る。吸気管は、11mm~17mmの内径を有し得る。吸気管は、11mm~16mmの内径を有し得る。吸気管は、11mm~15mmの内径を有し得る。吸気管は、12mm~15mmの内径を有し得る。吸気管は、13mm~14mmの内径を有し得る。呼気管は、22mm~29mmの公称内径を有し得る。呼気管は、23mm~30mmの公称内径を有し得る。呼気管は、24mm~30mmの公称内径を有し得る。呼気管は、24mm~29mmの公称内径を有し得る。呼気管は、25mm~28mmの公称内径を有し得る。呼気管は、25.5mm~27mmの公称内径を有し得る。吸気管は、11mm~15mmの内径を有し得る。吸気管は、12mm~16mmの内径を有し得る。吸気管は、18mm~22mmの内径を有し得る。吸気管は、19mm~23mmの内径を有し得る。吸気管は、10mm~16mmの内径を有し得る。吸気管は、17mm~23mmの内径を有し得る。呼気管は、25mm~29mmの公称内径を有し得る。呼気管は、26mm~30mmの公称内径を有し得る。呼気管は、20mm~24mmの公称内径を有し得る。呼気管は、21mm~25mmの公称内径を有し得る。呼気管は、24mm~30mmの公称内径を有し得る。呼気管は、20mm~26mmの公称内径を有し得る。吸気管又は呼気管は、1.5m~2.5mの長さを有し得る。吸気管又は呼気管は、1.6m~2.5mの長さを有し得る。吸気管は、吸気中心ボア内又は管の壁内において加熱要素を取り囲み得る。呼気管は、加熱要素を含み得る。呼気管は、通気性があり得る。呼気管の内壁は、水蒸気に対して透過性であり得、且つ呼気管を流れる液体及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性であり得る。吸気管は、長手方向断面において、吸気中心ボアの壁の少なくとも一部を形成する平らな表面をそれぞれ有する複数のバブルを含み得る。回路キットは、300ml超の1回換気量を有する患者の治療に適し得る。回路キットは、成人患者の治療に適し得る。吸気管の内径と呼気管の公称径との間の差は、1mm~20mmであり得る。吸気管の内径は、呼気管の公称径よりも1mm~20mmの値だけ小さいことができる。吸気管及び/又は呼気管は、ウォータトラップ、及び/又は1つ以上のセンサを有する中間コネクタ、及び/又はPCB、及び/又はコントローラなどの他の機器を収容するための複数のセクションを含み得る。システムは、回路キット及び加湿器を含み得る。
【0010】
患者の呼吸療法で使用するための回路キットは、呼吸回路を含み得る。呼吸回路は、ガス源から吸気ガス流を受け入れるように構成された吸気管を含み得る。吸気管は、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む内壁とを含み得る。吸気管の内壁は、平滑であり得る。呼吸回路は、患者から呼気ガス流を受け入れるように構成された呼気管を含み得る。呼気管は、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む内壁とを含み得る。呼気管の内壁は、波形であり得る。吸気管は、4~12mmの内径を有し得る。呼気管は、13~18mmの公称内径を有し得る。吸気管は、3~13mmの内径を有し得る。呼気管は、9.5~19mmの公称内径を有し得る。
【0011】
回路キットは、吸気管と呼気管とを結合するように構成されたyピースを含み得る。回路キットは、ある量の水を保持し、且つ加湿器上に配置するためのチャンバを含み得る。回路キットは、ベンチレータから他のガス源に、加湿器入口に流れを搬送するためのドライラインを含み得る。吸気管は、5mm~11mmの内径を有し得る。吸気管は、6mm~10mmの内径を有し得る。吸気管は、6mm~8mmの内径を有し得る。吸気管は、9mm~10mmの内径を有し得る。呼気管は、13mm~17mmの公称内径を有し得る。呼気管は、14mm~17mmの公称内径を有し得る。呼気管は、15mm~16.5mmの公称内径を有し得る。呼気管は、14mm~15mmの公称内径を有し得る。吸気管又は呼気管は、1.5m~2.5mの長さを有し得る。吸気管又は呼気管は、1.6m~2.5mの長さを有し得る。吸気管は、5mm~9mmの内径を有し得る。吸気管は、6mm~10mmの内径を有し得る。吸気管は、7mm~11mmの内径を有し得る。吸気管は、8mm~12mmの内径を有し得る。吸気管は、4mm~11mmの内径を有し得る。吸気管は、6mm~12mmの内径を有し得る。呼気管は、13mm~17mmの公称内径を有し得る。呼気管は、12mm~16mmの公称内径を有し得る。呼気管は、11mm~15mmの公称内径を有し得る。呼気管は、14mm~18mmの公称内径を有し得る。呼気管は、12mm~18mmの公称内径を有し得る。呼気管は、10mm~16mmの公称内径を有し得る。吸気管は、吸気中心ボア内又は管の壁内において加熱要素を取り囲み得る。呼気管は、加熱要素を含み得る。呼気管は、通気性があり得る。呼気管の内壁は、水蒸気に対して透過性であり得、且つ呼気管を流れる液体及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性であり得る。吸気管は、長手方向断面において、吸気中心ボアの壁の少なくとも一部を形成する平らな表面をそれぞれ有する複数のバブルを含み得る。回路キットは、50ml以下の1回換気量を有する患者の治療に適し得る。回路キットは、新生児患者の治療に適し得る。吸気管の内径と呼気管の公称径との間の差は、1mm~14mmであり得る。吸気管の内径は、呼気管の公称径よりも1mm~14mmの値だけ小さいことができる。吸気管及び/又は呼気管は、ウォータトラップ、及び/又は1つ以上のセンサを有する中間コネクタ、及び/又はPCB、及び/又はコントローラなどの他の機器を収容するための複数のセクションを含み得る。システムは、回路キット及び加湿器を含み得る。
【0012】
患者の呼吸療法で使用するための回路キットが提供され得る。呼吸回路は、ガス源から吸気ガス流を受け入れるように構成された吸気管を含み得る。吸気管は、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む内壁とを含み得る。吸気管の内壁は、平滑であり得る。呼吸回路は、患者から呼気ガス流を受け入れるように構成された呼気管を含み得る。呼気管は、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む内壁とを含み得る。呼気管の内壁は、波形であり得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、吸気管は、3mm~11mmの内径を有し得、且つ呼気管は、8mm~16mmの公称内径を有し得る。吸気管は、4mm~8mmの内径を有し得る。呼気管は、11mm~15mmの公称内径を有し得る。吸気管は、6mm~10mmの内径を有し得る。呼気管は、10mm~14mmの公称内径を有し得る。吸気管又は呼気管は、1.5m~2.5mの長さを有し得る。いくつかの実施形態では、吸気管は、5mm~13mmの内径を有し得、且つ呼気管は、15mm~23mmの公称内径を有し得る。吸気管は、5mm~9mmの内径を有し得る。呼気管は、18mm~22mmの公称内径を有し得る。吸気管は、8mm~12mmの内径を有し得る。呼気管は、16mm~20mmの公称内径を有し得る。吸気管又は呼気管は、1.5m~2.5mの長さを有し得る。いくつかの実施形態では、吸気管は、10mm~18mmの内径を有し得、且つ呼気管は、24mm~32mmの公称内径を有し得る。吸気管は、9mm~13mmの内径を有し得る。呼気管は、27mm~31mmの公称内径を有し得る。吸気管は、15mm~19mmの内径を有し得る。呼気管は、24mm~28mmの公称内径を有し得る。吸気管又は呼気管は、1.5m~2.5mの長さを有し得る。吸気管は、内径及び長さを有し得る。呼気管は、公称内径及び長さを有し得る。いくつかの実施形態では、回路キットは、成人患者の治療に適している。いくつかの実施形態では、回路キットは、小児患者及び青年患者の治療に適している。いくつかの実施形態では、回路キットは、小児患者及び新生児患者の治療に適している。
【0014】
呼吸回路は、患者に吸気ガスを搬送するための吸気リムを含み得る。吸気リムは、中空体を含む第1の長尺状部材を含むことができ、中空体は、螺旋状に巻かれて、長手方向軸線を有する第1の長尺状管と、長手方向軸線に沿って延びる第1の内腔と、内腔を取り囲む中空壁とを少なくとも部分的に形成する。吸気リムは、螺旋状に巻かれて、第1の長尺状部材の隣接する巻き間に接合された第2の長尺状部材を含むことができ、第2の長尺状部材は、第1の長尺状管の内腔の少なくとも一部分を形成している。呼吸回路は、患者からの呼気ガスを搬送するための呼気リムを含み得る。呼気リムは、入口及び出口を含み得る。呼気リムは、第2の内腔を取り囲む第2の管を含む第3の長尺状部材を含み得る。第2の内腔は、呼気ガスのバルク流を収容するように構成することができ、第2の管は、水蒸気に対して透過性であり、且つ液体の水及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性である。
【0015】
呼気管の壁は、水蒸気に対して透過性であり、且つ液体の水及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性である発泡又は非発泡ポリマーを含み得る。発泡ポリマーは、全体にわたり配された気泡孔を有する固体熱可塑性エラストマー材料を含み得る。非発泡ポリマーは、水蒸気に対して透過性であり、且つ液体の水及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性である押出固体熱可塑性エラストマー材料を含み得る。吸気リムの第1の内腔は、平滑ボアを有し得る。吸気リムの第2の長尺状部材は、少なくとも1つの加熱要素を取り囲むことができる。吸気リムの第1の長尺状部材は、長手方向断面において、内腔で平らな表面を有する複数のバブルを形成し得る。吸気リムの第2の長尺状部材は、少なくとも1つの加熱要素を取り囲むことができ、少なくとも1つの吸気加熱要素は、複数のバブルのうちのバブルと吸気中心ボアとの間にある。呼気リムの第3の長尺状部材は、波形であり得る。第1の長尺状管は、その内腔内において加熱要素を取り囲むことができる。呼気リムの第3の長尺状部材は、第2の内腔内において加熱要素を取り囲むことができる。呼気リムの第3の長尺状部材は、第2の管の内壁に取り付けられた加熱要素を含み得る。呼気リムの第3の長尺状部材は、第2の管の壁に埋め込まれた加熱要素を含み得る。第2の管は、第2の内腔に隣接する内部表面を有することができ、呼気リムは、内部表面の周方向に配置されて、入口と出口との間に概ね長手方向に位置合わせされた複数の補強リブを更に含む。
【0016】
デバイスは、呼吸回路を含み得る。呼吸回路は、ガス源から吸気ガス流を受け入れるように構成された吸気管を含むことができ、吸気管は、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む壁とを含む。吸気管の内壁は、平滑であり得る。呼吸回路は、患者から呼気ガス流を受け入れるように構成された呼気管を含み得る。呼気管は、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む壁とを含み得る。呼気管の内壁は、波形であり得る。呼気管の壁は、水蒸気に対して透過性であり得、且つ呼気管を流れる液体及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性であり得る。
【0017】
呼気管の壁は、水蒸気に対して透過性であり、且つ液体の水及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性である発泡又は非発泡ポリマーを含み得る。吸気管は、その中心ボア内において加熱要素を取り囲むことができる。吸気管は、その壁に取り付けられた加熱要素を含み得る。吸気管は、その壁に埋め込まれた加熱要素を含み得る。呼気管は、その中心ボア内に加熱要素を含み得る。呼気管は、その内壁に取り付けられた加熱要素を含み得る。呼気管は、その内壁内に埋め込まれたヒーティングを含み得る。吸気管は、長手方向断面において、内腔で平らな表面を有する複数のバブルを含み得る。吸気管は、少なくとも1つの加熱要素を含むことができ、少なくとも1つの吸気加熱要素は、複数のバブルのうちのバブルと吸気中心ボアとの間にある。呼気管は、内部表面の周方向に配置されて、入口と出口との間に概ね長手方向に位置合わせされた複数の補強リブを含み得る。呼吸回路は、患者への吸気ガス流を加湿するように構成された加湿器を含み得る。加湿器は、ある量の液体を貯留するように構成されており、且つ吸気ガス流と流体連通するように構成されている加湿チャンバを含み得る。加湿器は、吸気ガス流が蒸気で加湿されるように、加湿チャンバ内のある量の液体を加熱して蒸気を発生させるように構成されたヒータを含み得る。
【0018】
呼吸装置は、患者への吸気ガス流を加湿するように構成された加湿器を含み得る。呼吸装置は、加湿器からの吸気ガス流を受け入れるように構成された吸気管を含み得る。吸気管は、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む壁とを含み得る。吸気管の内壁は、平滑であり得る。呼吸装置は、患者から呼気ガス流を受け入れるように構成された呼気管を含み得る。呼気管は、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む壁とを含み得る。呼気中心ボアは、波形であり得る。呼気管の壁は、水蒸気に対して透過性であり得、且つ呼気管を流れる液体及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性であり得る。
【0019】
吸気管は、その中心ボア内に少なくとも1つの加熱要素を含み得る。吸気管は、その内壁に取り付けられた少なくとも1つの加熱要素を含み得る。吸気管は、その壁内において取り囲まれた少なくとも1つの加熱要素を含み得る。呼気管は、呼気中心ボア内に少なくとも1つの加熱要素を含み得る。呼気管は、その内壁に取り付けられた少なくとも1つの加熱要素を含み得る。呼気管は、その内壁内に埋め込まれた少なくとも1つの加熱要素を含み得る。吸気管は、長手方向断面において、吸気中心ボアで平らな表面を有する複数のバブルを形成する螺旋状に巻かれた部材を含み得る。吸気管は、少なくとも1つの加熱要素を取り囲むことができ、少なくとも1つの吸気加熱要素は、複数のバブルのうちのバブルと吸気中心ボアとの間にあり得る。呼気管の壁は、発泡ポリマーを含み得る。
【0020】
呼吸装置は、患者への吸気ガス流を加湿するように構成された加湿器を含み得る。加湿器は、ある量の液体を貯留するように構成されており、吸気ガス流と流体連通するように構成されている加湿チャンバを含み得る。加湿器は、吸気ガス流が蒸気で加湿されるように、加湿チャンバ内のある量の液体を加熱して蒸気を発生させるように構成されたヒータを含み得る。呼吸装置は、加湿器から加湿吸気ガス流を受け入れるように構成された吸気管を含み得る。吸気管は、吸気中心ボアを取り囲む壁を含み得る。吸気管の吸気中心ボアは、平滑であり得る。吸気管は、長手方向断面において、吸気中心ボアで平らな表面を有する複数のバブルを形成する螺旋状に巻かれた第1の長尺状部材を含み得る。バブルは、吸気中心ボアを断熱するように構成され得る。吸気管は、第1の長尺状部材の隣接する巻き間に接合された螺旋状に巻かれた第2の長尺状部材を含むことができ、第2の長尺状部材は、第1の長尺状管の内腔の少なくとも一部分を形成し、第2の長尺状部材内に埋め込まれた少なくとも1つの吸気加熱要素を含む。呼吸装置は、患者から呼気ガス流を受け入れるように構成された呼気管を含み得る。呼気管は、呼気中心ボアを取り囲む導管を含み得る。呼気中心ボアは、波形であり得る。導管は、水蒸気に対して透過性であり得、且つ導管を通る液体流に対して実質的に不透過性であり得る。呼気管は、呼気中心ボア内に少なくとも1つの呼気加熱要素を含み得る。呼吸装置は、加湿器のヒータ、少なくとも1つの吸気加熱要素及び少なくとも1つの呼気加熱要素に電力を送達するように構成された制御システムを含み得る。
【0021】
呼気管の壁は、水蒸気に対して透過性であり、且つ液体の水及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性である発泡又は非発泡ポリマーを含み得る。発泡ポリマーは、全体にわたり配された気泡孔を有する固体熱可塑性エラストマー材料を含み得る。非発泡ポリマーは、水蒸気に対して透過性であり、且つ液体の水及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性である押出固体熱可塑性エラストマー材料を含み得る。少なくとも1つの吸気加熱要素は、複数のバブルのうちのバブルと吸気中心ボアとの間にあり得る。呼吸装置は、吸気管と呼気管との間に患者インターフェースアセンブリを含み得る。制御システムにより送達される電力は、加湿器による加湿の増加並びに少なくとも1つの呼気加熱要素及び少なくとも1つの吸気加熱要素による制御された凝縮物管理を提供するように計算され得る。呼吸装置は、吸気ガス流を供給し、呼気ガス流を受け入れるように構成されたベンチレータを含み得る。ベンチレータは、加湿器にパルス状の吸気ガス流を供給するように構成され得る。ベンチレータは、加湿器に一定の吸気ガス流を供給するように構成され得る。ベンチレータは、ガスのバイアス流を供給するように構成され得る。
【0022】
呼吸装置は、患者への吸気ガス流を加湿するように構成された加湿器を含み得る。呼吸装置は、ガス源から吸気ガス流を受け入れるように構成された吸気管を含み得る。吸気管は、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む壁とを含み得る。吸気管の内壁は、平滑であり得る。呼吸装置は、患者から呼気ガス流を受け入れるように構成された呼気管を含み得る。呼気管は、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む壁とを含み得る。呼気管の内壁は、波形であり得る。呼気管の壁は、水蒸気に対して透過性であり得、且つ呼気管を流れる液体及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性であり得る。
【0023】
呼気管の壁は、水蒸気に対して透過性であり、且つ液体の水及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性である発泡又は非発泡ポリマーを含み得る。吸気管は、その中心ボア内に少なくとも1つの加熱要素を含み得る。吸気管は、その内壁に取り付けられた少なくとも1つの加熱要素を含み得る。吸気管は、その壁内において取り囲まれた少なくとも1つの加熱要素を含み得る。吸気リムの第1の長尺状部材は、長手方向断面において、内腔で平らな表面を有する複数のバブルを形成し得る。吸気管は、少なくとも1つの加熱要素を取り囲むことができ、少なくとも1つの吸気加熱要素は、複数のバブルのうちのバブルと吸気中心ボアとの間にあり得る。呼気管は、呼気中心ボア内に少なくとも1つの加熱要素を含み得る。呼気管は、その内壁に取り付けられた少なくとも1つの加熱要素を含み得る。呼気管は、その内壁内に埋め込まれた少なくとも1つの加熱要素を含み得る。呼気管は、内部表面の周方向に配置されて、入口と出口との間に概ね長手方向に位置合わせされた複数の補強リブを含み得る。呼吸装置は、加湿器のヒータ及び少なくとも1つの加熱要素に電力を送達するように構成された制御システムを含み得る。
【0024】
呼吸回路は、管の全体的な流れ抵抗を増加させることなく、回路の吸気リムを通して患者に送達される加湿ガス中の蒸気を増加させ、且つ回路の呼気リム内の呼気ガスからの蒸気の除去を増加させるために、平滑ボアの吸気管と波形の蒸気透過性呼気管との組合せを含むことができ、このようにして、呼吸回路内の圧力損失の増加を回避する。平滑ボアの吸気管は、トレードオフの機会を提供することができる。平滑ボアは、流れ抵抗を減少させることができ、これにより許容可能な流れ抵抗を維持しつつ、吸気管の直径又は断面積の減少を可能にできる。この吸気管の直径又は断面積の減少は、吸気管の圧縮容量を減少させる。より小径の吸気管は、呼吸回路の少なくとも一部分の圧縮容量を減少させることができ、これにより送達1回換気量における誤差の可能性を低下させる。ベンチレータは、典型的には、設定された量のガスを呼吸毎に患者に送達することになっている(「1回換気量」)。送達1回換気量の誤差を低減することで、患者が正確なガス量を受け取ることを確実にすることができる。
【0025】
平滑ボアの吸気管と波形の呼気管との組合せを使用することは、呼吸回路及びその構成要素の性能を、期待値を超えて向上させるという予期外の相乗効果を有する。同等の波形管よりも小さい内径を有する平滑ボアの吸気管を使用することで管の圧縮容量を減少させることができる。この圧縮容量の減少により、適切な量のガスが患者に送達されることを確実にすることができる。本明細書に記載されるように、より小さい内径を有する吸気管は、全体的な圧縮容量及び呼吸回路の空気コンプライアンスを減少させることができる。本明細書に記載されるように、より小さい内径を有する吸気管は、圧縮容量の減少を有することができ、これは、呼気管の圧縮容量の増加とのトレードオフであり得る。
【0026】
実際的な理由により、呼吸回路チューブの圧縮容量、したがってコンプライアンスは、通常、患者の肺よりもはるかに大きい。呼吸回路チューブの圧縮容量に影響を及ぼす要因としては、チューブのガス流に対する抵抗を最小化すること及びベッドスペース内の患者を管理するために管を十分に長くすることが可能であることが挙げられる。これは、患者が非常に硬い、低いコンプライアンスの肺を有することになるいくつかの肺疾患状態によって悪化する。加えて、長さの減少(例えば、短縮された管)による低い圧縮容量は、呼気リムの操作性及び通気性の両方と直接対立する。実際には、患者の移動の自由及び位置決めを可能にするなどのために長い管が一般的に良い。実際には、呼気リムにおいて、呼気リムの通気性を増加させるためにより広い表面積が一般的に良い。
【0027】
十分に低い圧縮容量を維持するために、呼吸回路の構成要素間に潜在的なトレードオフが存在する。吸気管の直径又は断面積は、減少させることができる。しかしながら、吸気管の内径を減少させることは、吸気管内の流れ抵抗(RTF)も増加させる。平滑ボアは、波形ボアを有する管又は別の種類の非平滑ボアと比較してRTFを減少させるため、吸気管の内側ボアを平滑にすることで、このRTFの増加を補償し得ることが明らかになった。平滑ボアの使用は、蒸気及び凝縮物の捕捉を減少させるという追加的な利点も有する。平滑ボアの使用により生じたRTFの減少が、管の内径を減少させることにより生じたRTFの増加を上回る場合、呼吸回路内のRTFの正味の減少又は少なくとも吸気管内のRTFの正味の減少があることも明らかになった。吸気管の平滑ボアは、RTFを低下させ、これによりRTFを通常増加させる吸気管の直径の減少を可能にし、ボアの平滑度と直径の減少とを釣り合わせることができる。本明細書に記載されるように、直径又は断面積の減少は、圧縮容量を減少させることができる。この吸気管の圧縮容量の低下は、呼気管の直径又は断面積を増加させることなどによる呼気管の圧縮容量の増加を相殺することができる。呼気管の直径又は断面積を増加させると、呼気管のより広い表面積が生じ、呼気管の蒸気透過性が増加する。
【0028】
呼吸回路の構成要素の圧縮容量に関連する発明を具現化したものの特定の特徴、態様及び利点は、以下:吸気管の内径の減少、吸気管の平滑ボア、吸気管の圧縮容量の減少、呼気管の圧縮容量の増加、呼気管の直径の増加、呼気管の表面積の増加及び/又は呼気管の蒸気透過性の増加の1つ以上の組合せを特徴として備える。本開示の特定の特徴、態様及び利点は、平滑ボアの吸気管によるこのRTFの正味の減少が、回路全体としての全体的な圧縮容量、全体的なRTF及び/又は全体的な圧力損失を変えることなく、回路の他の構成要素を変更することを可能にするという発明の具現化を反映する。平滑ボアの吸気管を使用すると、さもなければ回路内のRTFを増加させるであろうより長い波形の呼気管の使用を可能にできる。呼気管の長さを増加させると、少なくとも部分的に滞留時間の増加により、呼気ガスから蒸気を除去する管の能力を向上させる。呼気管の直径を増加させると、蒸気を透過させる壁の表面積の増加により、呼気ガスから蒸気を除去する管の能力を向上させることができる。平滑ボアの吸気管の使用により、回路全体としてのRTFが減少するとき、呼気管の長さの増加から生じるRTFの増加は、全体的な回路内におけるRTFの正味の増加、圧縮容量の正味の増加及び/又は対応する圧力損失をもたらさない可能性がある。例えば、設計に基づいて、呼気管の長さの増加及び平滑ボアの吸気管の直径の減少は、RTFに関して正味中立とすることができる。
【0029】
波形の又は同様に非平滑な壁の管の代わりに、呼吸回路内で平滑ボアの吸気管を使用することは、呼吸回路内でより広い(より大きい断面積又は直径)呼気管を使用することと組み合わされ得、これは、RTFを減少させる。トレードオフは、この場合、両方の管で減少するRTFにおいてでなくてもよい。平滑ボアは、波形ボアを有する管又は別の種類の非平滑ボアと比較してRTFを減少させる。しかしながら、吸気管内のRTFの減少は、RTFを増加させる直径又は断面積の減少によって相殺される場合がある。より大きい断面積又は直径の呼気管もRTFを減少させる。代わりに、吸気管では減少するが、呼気管では増加する吸気管及び呼気管の直径又は断面積の変化による圧縮容量のトレードオフが存在し得る。より小径の吸気管は、より小さい圧縮容量を有する。より大径の呼気管は、より大きい圧縮容量を有する。
【0030】
呼吸回路は、患者に吸気ガスを搬送するための吸気リムを含み得る。吸気リムは、中空体を含む第1の長尺状部材を含み、中空体は、螺旋状に巻かれて、長手方向軸線を有する第1の長尺状管と、長手方向軸線に沿って延びる第1の内腔と、内腔を取り囲む中空壁とを少なくとも部分的に形成する。吸気リムは、螺旋状に巻かれて、第1の長尺状部材の隣接する巻き間に接合された第2の長尺状部材を更に含み、第2の長尺状部材は、第1の長尺状管の内腔の内壁の少なくとも一部分を形成している。呼吸回路は、患者からの呼気ガスを搬送するための呼気リムを更に含む。呼気リムは、入口と、出口と、第2の内腔を含む第2の管を含む第3の長尺状部材とを含む。第2の内腔は、呼気ガスのバルク流を収容するように構成されており、第2の管は、水蒸気に対して透過性であり、且つ液体の水及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性である。
【0031】
前述の呼吸回路も、以下の特性及び本開示に記載される任意の特性の1つ、いくつか又は全てを有し得る。呼気管の壁は、水蒸気に対して透過性であり、且つ液体の水及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性である発泡又は非発泡ポリマーを含み得る。本開示の目的では、「水蒸気に対して透過性であり、且つ液体の水及びガスのバルク流に対して実質的に不透過性である」(又は実質的に類似する文言)と記載されている任意の材料は、本明細書では、水蒸気分子を、拡散、促進拡散、受動輸送、能動輸送又は水蒸気分子を選択的に輸送するための別の類似の機序によって透過させるが、リーク経路を介した液体の水又はガスのバルク流の通過を可能にする、材料の1つの外側主面から材料の別の外側主面へのリーク経路を有しない材料と定義される。
【0032】
発泡ポリマーは、全体にわたり配された気泡孔を有する固体熱可塑性エラストマー材料を含み得る。非発泡ポリマーは、水蒸気に対して透過性であり、且つ液体の水及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性である固体熱可塑性エラストマー材料を含み得る。吸気リムの第1の内腔は、平滑ボアを有し得る。吸気リムの第2の長尺状部材は、少なくとも1つの加熱要素を取り囲むことができる。吸気リムの第1の長尺状部材は、長手方向断面において、内腔で平らな表面を有する複数のバブルを形成し得る。吸気リムの第2の長尺状部材は、少なくとも1つの加熱要素を更に含むことができ、少なくとも1つの吸気加熱要素は、複数のバブルのうちのバブルと吸気中心ボアとの間に配置され得る。呼気リムの第3の長尺状部材は、波形であり得る。第1の長尺状管は、その内腔内において加熱要素を取り囲むことができる。呼気リムの第3の長尺状部材は、第2の内腔内において加熱要素を取り囲むことができる。呼気リムの第3の長尺状部材は、第2の管の内壁に取り付けられた加熱要素を含み得る。呼気リムの第3の長尺状部材は、第2の管の壁に埋め込まれた加熱要素を含み得る。第2の管は、第2の内腔に隣接する内部表面を有することができ、呼気リムは、内部表面の周方向に配置されて、入口と出口との間に概ね長手方向に位置合わせされた複数の補強リブを更に含み得る。発泡ポリマーは、望ましくは、固体熱可塑性エラストマー材料が水蒸気分子を選択的に輸送するが、全体にわたり配された気泡孔が、リーク経路を介した液体の水又はガスのバルク流の通過を可能にするリーク経路を形成しないように選択又は製造される。
【0033】
デバイスは、呼吸回路を含み得る。呼吸回路は、ガス源から吸気ガス流を受け入れるように構成された吸気管を更に含む。吸気管は、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む壁とを含み、吸気管の内壁は、平滑である。呼吸回路は、患者から呼気ガス流を受け入れるように構成された呼気管を更に含む。呼気管は、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む壁とを含む。呼気管の内壁は、波形であり、及び呼気管の壁は、水蒸気に対して透過性であり、且つ呼気管を流れる液体及びガスに対して実質的に不透過性である。
【0034】
前述のデバイスも、以下の特性及び本開示に記載される任意の特性の1つ、いくつか又は全てを有し得る。呼気管の壁は、水蒸気に対して透過性であり、且つ液体の水及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性である発泡ポリマーを含み得る。吸気管は、その中心ボア内又は管の壁内において加熱要素を取り囲むことができる。吸気管は、その壁に取り付けられた加熱要素を含み得る。吸気管は、その壁に埋め込まれた加熱要素を含み得る。呼気管は、その中心ボア内に加熱要素を含み得る。呼気管は、その内壁に取り付けられた加熱要素を含み得る。呼気管は、その内壁内に埋め込まれた加熱要素を含み得る。吸気管は、長手方向断面において、内腔で平らな表面を有する複数のバブルを含み得る。吸気管は、少なくとも1つの加熱要素を含むことができ、少なくとも1つの吸気加熱要素は、複数のバブルのうちのバブルと吸気中心ボアとの間に配置され得る。
【0035】
更に、呼気管は、内部表面の周方向に配置されて、入口と出口との間に概ね長手方向に位置合わせされた複数の補強リブを含み得る。呼吸回路は、患者に送達される吸気ガス流を加湿するように構成された加湿器を更に含み得る。加湿器は、ある量の液体を貯留するように構成されており、且つ吸気ガス流と流体連通するように構成されている加湿チャンバと、吸気ガス流が蒸気で加湿されるように、加湿チャンバ内のある量の液体を加熱して蒸気を発生させるように構成されたヒータとを含み得る。
【0036】
呼吸装置は、加湿器と、吸気管と、呼気管とを含み得る。加湿器は、患者への吸気ガス流を加湿するように構成されている。吸気管は、加湿器からの吸気ガス流を受け入れるように構成されている。吸気管は、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む壁とを含み、吸気管の内壁は、平滑である。呼気管は、患者から呼気ガス流を受け入れるように構成されている。呼気管は、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む壁とを含み、呼気中心ボアは、波形であり、及び呼気管の壁は、水蒸気に対して透過性であり、且つ呼気管を流れる液体及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性である。
【0037】
前述の呼吸装置も、以下の特性及び本開示に記載される任意の特性の1つ、いくつか又は全てを有し得る。吸気管は、その中心ボア内に少なくとも1つの加熱要素を含み得る。吸気管は、その内壁に取り付けられた少なくとも1つの加熱要素を含み得る。吸気管は、その壁内において取り囲まれた又は埋め込まれた少なくとも1つの加熱要素を含み得る。呼気管は、呼気中心ボア内に少なくとも1つの加熱要素を含み得る。呼気管は、その内壁に取り付けられた少なくとも1つの加熱要素を含み得る。呼気管は、その内壁内に埋め込まれた少なくとも1つの加熱要素を含み得る。吸気管は、長手方向断面において、吸気中心ボアで平らな表面を有する複数のバブルを形成する螺旋状に巻かれた部材を含み得る。吸気管は、少なくとも1つの加熱要素を取り囲むことができ、少なくとも1つの吸気加熱要素は、複数のバブルのうちのバブルと吸気中心ボアとの間に配置され得る。呼気管の壁は、発泡又は非発泡ポリマーを含み得る。
【0038】
呼吸装置は、加湿器と、吸気管と、呼気管と、制御システムとを含み得る。加湿器は、患者に送達される吸気ガス流を加湿するように構成されている。加湿器は、加湿チャンバ及びヒータを含む。加湿チャンバは、ある量の液体を貯留するように構成されており、吸気ガス流と流体連通するように構成されている。ヒータは、吸気ガス流が蒸気で加湿されるように、加湿チャンバ内のある量の液体を加熱して蒸気を発生させるように構成されている。吸気管は、加湿器から加湿吸気ガス流を受け入れるように構成されている。吸気管は、吸気中心ボアを取り囲む壁を含み、吸気管の中心ボアは、平滑である。吸気管は、長手方向断面において、吸気中心ボアで平らな表面を有する複数のバブルを形成する螺旋状に巻かれた第1の長尺状部材を更に含む。バブルは、吸気中心ボアを断熱するように構成されている。吸気管は、第1の長尺状部材の隣接する巻き間に接合された螺旋状に巻かれた第2の長尺状部材を更に含む。第2の長尺状部材は、第1の長尺状管の内腔の少なくとも一部分を形成し、第2の長尺状部材内に埋め込まれた少なくとも1つの吸気加熱要素を含む。呼気管は、患者から呼気ガス流を受け入れるように構成されている。呼気管は、呼気中心ボアを取り囲む導管を含み、呼気中心ボアは、波形であり、及び導管は、水蒸気に対して透過性であり、且つ導管を通る液体流に対して実質的に不透過性である。呼気管は、呼気中心ボア内に少なくとも1つの呼気加熱要素を更に含む。制御システムは、加湿器のヒータに電力を送達するように構成され得る。制御システムは、少なくとも1つの吸気加熱要素に電力を送達するように構成され得る。制御システムは、少なくとも1つの呼気加熱要素に電力を送達するように構成され得る。制御システムは、加湿器のヒータ及び少なくとも1つの吸気加熱要素に電力を送達するように構成され得る。制御システムは、加湿器のヒータ及び少なくとも1つの呼気加熱要素に電力を送達するように構成され得る。制御システムは、少なくとも1つの吸気加熱要素及び少なくとも1つの呼気加熱要素に電力を送達するように構成され得る。制御システムは、以下:加湿器のヒータ、少なくとも1つの吸気加熱要素及び少なくとも1つの呼気加熱要素の2つ以上に電力を送達するように構成されている。制御システムは、加湿器のヒータ、少なくとも1つの吸気加熱要素及び少なくとも1つの呼気加熱要素に電力を送達するように構成されている。
【0039】
前述の呼吸装置も、以下の特性及び本開示に記載される任意の特性の1つ、いくつか又は全てを有し得る。呼気管の壁は、水蒸気に対して透過性であり、且つ液体の水及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性である発泡又は非発泡ポリマーを含み得る。発泡ポリマーは、全体にわたり配された気泡孔を有する固体熱可塑性エラストマー材料を含み得る。非発泡ポリマーは、水蒸気に対して透過性であり、且つ液体の水及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性である固体熱可塑性エラストマー材料を含み得る。少なくとも1つの吸気加熱要素は、複数のバブルのうちのバブルと吸気中心ボアとの間にあり得る。呼吸装置は、吸気管と呼気管との間に患者インターフェースアセンブリを更に含み得る。制御システムにより送達される電力は、加湿器による加湿の増加を提供するように計算され得る。制御システムにより送達される電力は、少なくとも1つの呼気加熱要素による制御された凝縮物管理を提供するように計算され得る。制御システムにより送達される電力は、少なくとも1つの吸気加熱要素による制御された凝縮物管理を提供するように計算され得る。制御システムにより送達される電力は、加湿器による加湿の増加並びに少なくとも1つの呼気加熱要素及び少なくとも1つの吸気加熱要素による制御された凝縮物管理を提供するように計算され得る。呼吸装置は、吸気ガス流を供給し、呼気ガス流を受け入れるように構成されたベンチレータを更に含み得る。ベンチレータは、加湿器にパルス状の吸気ガス流を供給するように構成され得る。ベンチレータは、加湿器に一定の吸気ガス流を供給するように構成され得る。ベンチレータは、ガスのバイアス流を供給するように構成され得る。
【0040】
呼吸装置は、加湿器と、吸気管と、呼気管とを含み得る。加湿器は、患者への吸気ガス流を加湿するように構成されている。吸気管は、ガス源から吸気ガス流を受け入れるように構成されている。吸気管は、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む壁とを含み、吸気管の内壁は、平滑である。呼気管は、患者から呼気ガス流を受け入れるように構成されている。呼気管は、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む壁とを含む。呼気管の内壁は、波形であり、及び呼気管の壁は、水蒸気に対して透過性であり、且つ呼気管を流れる液体及びガスに対して実質的に不透過性である。呼気管の壁は、水蒸気に対して透過性であり、且つ液体の水及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性である発泡ポリマーを含み得る。吸気管は、その中心ボア内に少なくとも1つの加熱要素を含み得る。呼吸装置も、以下の特性及び本開示に記載される任意の特性の1つ、いくつか又は全てを有し得る。吸気管は、その内壁に取り付けられた少なくとも1つの加熱要素を含み得る。吸気管は、その壁内において取り囲まれた少なくとも1つの加熱要素を含み得る。吸気リムの第1の長尺状部材は、長手方向断面において、内腔で平らな表面を有する複数のバブルを形成し得る。吸気管は、少なくとも1つの加熱要素を取り囲むことができ、少なくとも1つの吸気加熱要素は、複数のバブルのうちのバブルと吸気中心ボアとの間にあり得る。呼気管は、呼気中心ボア内に少なくとも1つの加熱要素を含み得る。呼気管は、その内壁に取り付けられた少なくとも1つの加熱要素を含み得る。呼気管は、その内壁内に埋め込まれた少なくとも1つの加熱要素を含み得る。呼気管は、内部表面の周方向に配置されて、入口と出口との間に概ね長手方向に位置合わせされた複数の補強リブを含み得る。呼吸装置は、加湿器のヒータ及び少なくとも1つの加熱要素に電力を送達するように構成された制御システムを更に含み得る。
【0041】
ここで、本開示の特定の特徴、態様及び利点を、図面を参照しながら説明する。図面及び対応する説明は、本開示の特定の特徴、態様及び利点を示すために提供するものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】1つ以上の医療用管を組み込んだ呼吸回路の概略図である。
図1A】1つ以上の医療用管を組み込んだ呼吸回路の概略図である。
図1B】1回換気量誤差に対する呼吸回路コンプライアンスの影響を示す3つのグラフを示す。
図2A】複合管の一部分の側面図である。
図2B図2Aの複合管の長手方向断面図である。
図3A】蒸気透過性発泡ポリマー材料を組み込んだ管の一部分の側面平面図である。
図3B図3Aの管の断面図である。
図4A】管が部分的に波形である、一体式補強リブを組み込んだ管の一部分の正面斜視図である。
図4B】管が全体的に波形である、図4Aの管の一部分の正面斜視図である。
図5A】リブを組み込んだ管の一部分の正面斜視図である。
図5B図5Aの管の正面斜視図である。
図6】呼気管の一部分の概略図である。
図7】呼気管の一部分の概略図である。
図8】加湿器と、吸気管と、呼気管とを含む呼吸回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
1つ以上の医療用管を含む呼吸回路
本開示をより詳細に理解するために、まず、呼吸回路100を示す図1を参照する。このような呼吸回路100は、呼吸器加湿回路であり得る。呼吸回路100は、1つ以上の医療用管を含む。呼吸回路100は、吸気管103及び呼気管117を含み得る。
【0044】
本明細書で使用する場合、医療用管は、広義の用語であり、当業者にその通常の慣用的な意味を与えるべきであり(すなわち特別な意味又は特化した意味に限定されるものではない)、医療処置での使用のために構成され、且つ他にそのような使用のために適用される基準を満たす中空長尺体など、内腔を画定するか又は通路を含む円筒形及び非円筒形の長尺状形状を含むが、これに限定されない。吸気管は、患者に呼吸ガスを送達するように構成された医療用管である。呼気管は、患者から呼気ガスを遠ざけるように構成された医療用管である。
【0045】
ガスは、図1の回路100内で搬送され得る。周囲ガスは、ガス源105から加湿器107に流れる。加湿器107は、ガスを加湿することができる。ガス源105は、ベンチレータ、送風機若しくはファン、圧縮ガスを収容するタンク、医療施設内の壁面供給部又は任意の他の適切な呼吸ガス源であり得る。
【0046】
加湿器107は、吸気管103の入口109(加湿ガスを受け入れるための端部)にポート111を介して接続されており、それにより加湿ガスを吸気管103に供給する。ガスは、吸気管103を通って吸気管103の出口113(加湿ガスを排出するための端部)に流れ、その後、出口113に接続された患者インターフェース115を介して患者101に流れる。呼気管117は、患者インターフェース115に接続されている。呼気管117は、患者インターフェース115から呼出された加湿ガスをガス源105又は周囲雰囲気に戻す。本明細書で使用する場合、患者インターフェースは、広義の意味を有し、当業者にその通常の慣用的な意味を与えるべきであり、患者インターフェースは、フルフェイスマスク、鼻マスク、口マスク、口鼻マスク、鼻ピローマスク、鼻カニューレ、鼻プロング、喉頭マスク又は任意の他の適切な医療回路と患者の気道との間の結合具のいずれか1つ以上も含むが、これらに限定されない。
【0047】
ガスは、通気口119を通ってガス源105に入ることができる。送風機又はファン121は、通気口119を通して空気又は他のガスを引き込むことにより、ガス源105にガスを流入させることができる。送風機又はファン121は、可変速の送風機又はファンであり得る。電子コントローラ123は、送風機又はファンの速度を制御することができる。特に、電子コントローラ123の機能は、電子マスターコントローラ125により制御され得る。この機能は、マスターコントローラ125からの入力と、ダイヤル又は他の適切な入力デバイス127を介した圧力又は送風機若しくはファンの速度のユーザ設定の所定要求値(プリセット値)とに応答して制御され得る。
【0048】
加湿器107は、加湿チャンバ129を含む。加湿器チャンバ129は、ある量の水130又は他の適切な加湿液体を含むように構成され得る。加湿チャンバ129は、加湿器107から取り外し可能であり得る。取り外し可能であることにより、使用後に加湿チャンバ129をより容易に滅菌又は廃棄することが可能である。加湿器107の加湿チャンバ129部分は、一体構造であり得るか、又は接合されて加湿器チャンバ129を画定する複数の構成要素で形成され得る。加湿チャンバ129の本体は、非伝導性のガラス又はプラスチック材料から形成され得る。加湿チャンバ129は、伝導性の構成要素を含むこともできる。例えば、加湿チャンバ129は、加湿チャンバ129が加湿器107上に取り付けられると、加湿器107上のヒータプレート131と接触するか又は対応付けられるように構成された高熱伝導ベース(アルミニウムベース)を含み得る。
【0049】
加湿器107は、電子制御部を含み得る。加湿器107は、電子、アナログ又はデジタルマスターコントローラ125を含み得る。マスターコントローラ125は、関連するメモリに記憶されたコンピュータソフトウェアコマンドを実行するマイクロプロセッサベースのコントローラであり得る。マスターコントローラ125は、ユーザ入力デバイス133を介して入力されたユーザ設定の湿度又は温度値及び他の入力に応答して、加湿チャンバ129内のある量の水130を加熱するためにヒータプレート131にいつ(又はどのレベルまで)通電するかを決定する。
【0050】
温度プローブ135は、患者インターフェース115の付近で吸気管103に接続することができるか、又は温度プローブ135は、患者インターフェース115に接続することができる。温度プローブ135は、吸気管103に組み込むことができる。温度プローブ135は、患者インターフェース115の付近の又は患者インターフェース115の温度を検出する。温度を反映した信号は、温度プローブ135により、電子、アナログ又はデジタルマスターコントローラ125に提供され得る。加熱要素(図示せず)を使用して、吸気管103及び/又は患者インターフェース115の温度を、飽和温度を超えて上昇させるように患者インターフェース115及び/又は吸気管103の温度を調整し、それにより不要な凝縮物の機会を減少させることができる。
【0051】
図1では、呼出された加湿ガスは、患者インターフェース115から呼気管117を通ってガス源105に戻される。呼気管117は、以下でより詳細に説明するように、蒸気透過性材料を含み得る。蒸気透過性呼気管は、波形であり得る。
【0052】
呼気管117は、凝縮物がガス源105に到達する機会を減少させるために、吸気管103に関して上述したように、温度プローブ及び/又は加熱要素を有することができる。呼気管117は、呼気ガスをガス源105に戻す必要がない。呼出された加湿ガスは、周囲の環境に直接又はエアスクラバ/フィルタ(図示せず)などの他の補助機器に流れることができる。
【0053】
図1では、吸気管103は、平滑ボアを有する導管を包含するか又は含む。平滑ボアという用語は、当技術分野におけるその通常の慣用的な意味を与えられるべきであり、非波形ボア、内腔又は通路を含むが、これらに限定されない。用語「平滑ボア」は、管内のガスの流れに著しく影響を及ぼす顕著な内側波形構造、環状リブ、バンプ又は空洞を含まない内部表面を有する管を記述するために使用され得る。用語「平滑ボア」は、平滑ボアによって画定される通路又は内腔を通る略層流を乱す繰り返しの内部表面特徴を有しない管を記述するためにも使用され得る。波形という用語は、当技術分野におけるその通常の慣用的な意味を与えられるべきであり、隆起した又は溝付き表面を有することを含むが、これに限定されない。有利には、平滑ボアにより、導管は、波形ボアを有する、同等の寸法を有する導管よりも低いRTFを有することになる。平滑ボアは、流れ抵抗を減少させるため、ボア(すなわち直径又は断面積)を低減することができ、同様の流れ抵抗を有する波形管と比較した場合、より低い圧縮容量をもたらす。吸気導管は、複合導管であり得る。複合導管は、一般に、2つ以上の異なる部分又はより具体的には接合されて導管を画定する2つ以上の構成要素を含む導管と定義され得る。複合導管は、螺旋状に巻かれ得る。複合導管は、2つ以上の構成要素が螺旋状に絡み合わされるか又は螺旋状構成に隣り合わせで結合されるような手法で螺旋状に巻かれ得る。
【0054】
呼気管117は、少なくとも、蒸気透過性の部分を有する導管を包含するか又は含む。蒸気透過性は、湿度の除去を促進する。少なくとも、呼気管117の蒸気透過性の部分は、波形であり得る。波形構造は、管の内側にあり得る。波形構造は、管の内部表面積を増加させる。蒸気透過性材料を通して拡散させることができる蒸気の量は、蒸気と直接接触する材料の表面積に相関する。波形構造は、呼気管内のガスの乱流も増加させる。乱流が多くなることは、ガスのより良好な混合を意味し、それにより水蒸気を呼気管117の外壁に移動させる。乱流が多くなると、呼気管の波形構造内における局所滞留を増加させることができ、これを蒸気透過性特性と併せると、湿度の除去が更に向上する。局所滞留時間の増加はまた、各波形構造の「ポケット」内で渦を巻くガスの温度を同等のサイズの平滑ボア管のものに対して低下させ、これらのガスの相対湿度を同等のサイズの平滑ボア管のものに対して増加させる。相対湿度の増加は、呼気管117の壁を横切る蒸気圧の勾配を同等のサイズの平滑ボア管のものに対して増加させ、更に波形の呼気管の壁を通した蒸気拡散を同等のサイズの平滑ボア管のものに対して増加させる。
【0055】
蒸気透過性の波形導管は、少なくとも部分的に、水蒸気に対して透過性であり、且つ液体の水及びガスのバルク流に対して実質的に不透過性である発泡又は非発泡ポリマーから形成され得る。呼気管117は、呼気管117内の空間を画定する壁を含み得る。壁の少なくとも一部は、水蒸気に対して透過性であり、且つ液体の水及びガスのバルク流に対して実質的に不透過性であるように構成された発泡材料で形成され得る。壁の少なくとも一部は、水蒸気に対して透過性であり、且つ液体の水及びガスのバルク流に対して実質的に不透過性である非発泡押出固体材料で形成され得る。
【0056】
蒸気透過性呼気管117は、非発泡体ベースの材料から形成され得る。非発泡体ベースの材料は、螺旋的に巻き付けられた蒸気透過性テープを含み得るか、又は非発泡体ベースの材料は、連続管内に押し出され得る。呼気管117の波形構造は、非発泡体ベースの材料を用いて実現することができる。非発泡体ベースの材料は、波形の内部表面を形成するために交互のパターンで配置された様々な直径のビードを含み得る。代わりに、波形構造は、成形又はスタンピングなどの当技術分野で周知の方法によって管内に作成され得る。
【0057】
吸気管103は、平滑ボア導管を含む。平滑ボア導管は、凝縮物の生成を最小化し、湿度の送達を最大化するために加熱及び断熱され得る。吸気管内の凝縮物形成の減少により、加湿ガス中のより多くの蒸気が患者に送達されることを可能にする。内部ボア直径、内部ボアの平滑度、管の断熱レベル、管103に関連する加熱要素(ワイヤ又は要素など)の存在及び管103内における加熱要素の位置(加熱要素が管103の内部ボア内に位置しているか、又は管103の壁内に位置しているか)を含むいくつかの要因が吸気管103内の凝縮物生成に影響する。具体的には、吸気管103の内部ボア直径を減少させると、ガスが吸気管103内を移動する際のガスの速度が増加する。ボアの平滑度を増加させると、乱流が減少し、内腔の内壁にわたってより放物線状の波面を生成する。したがって、内部ボア直径を減少させ、内部ボアを平滑にすると、管の中心付近に位置する高速のガスは、管壁付近に位置する低速のガスにより少ない熱を伝達することになる。平滑ボア管はまた、波形管のように、蒸気が捕捉されたり凝縮物が溜まったりする可能性のあるポケットを提供しない。したがって、ガスによって運ばれる蒸気は、管を出るように促され、したがって患者に送達される。
【0058】
管の断熱の程度を増加させると、吸気管103の壁における熱損失が減少し、凝縮物形成を最小化することにより湿度送達が最大化する。また、吸気管103により多くの断熱を付加することで、加熱要素が目標温度及び湿度を維持するために機能しなければならない程度が減少することにより、呼吸回路100がより効率的になる。なぜなら、断熱された管は、ガスが管内を移動する際にガスの温度及び絶対湿度をより良好に維持するからである。
【0059】
吸気管103に加熱要素を付加することも加湿送達を最大化し、凝縮物を減少させる。1つ以上の加熱要素を吸気管103の壁内に配置すると、加湿が最大化し、凝縮物形成が最小化し、吸気管103、呼吸回路100又は加湿システムの効率に寄与する。加熱要素は、吸気管103の壁内に位置する場合、壁を加熱するものの、ガスを直接加熱しない。壁を加熱すると、壁付近のガスの相対湿度が低下する(ガスを加熱すると温度が上昇し、相対湿度が低下する)。吸気管103(以下でより詳細に説明する)の断熱「バブル」(以下に定義する)の内壁の内腔側に加熱要素を配置すると、吸気管103の壁を介した外側への熱損失を更に低減することができ、これにより更に加湿を最大化し、凝縮物の生成を最小化する。本明細書で使用する場合、用語「バブル」は、例えば、図2Bに示すように、ワインド又は巻きの横断面で取った、第1の長尺状部材203の長尺状ワインド又は巻きから形成された中空体の断面形状を指す。本明細書で使用する場合、「バブル」へのあらゆる言及は、中空空間を内部に有する壁によって画定される形状を断面に有する長尺状中空体を意味する。図2Bを参照すると、このような形状は、楕円形又は「D」字形を含み得る。このような形状は、「O」字形並びに対称及び非対称の他の規則的な形状及び不規則的な形状を含み得るが、これらに限定されない。
【0060】
呼気管117は、凝縮物形成を最小化し、波形構造内における局所滞留時間を増加させながら、蒸気除去を最大化するために波形導管を含み得る。呼気管117は、蒸気除去を最大化するために蒸気透過性導管を含み得る。呼気管117は、凝縮物形成を最小化しながら蒸気除去を最大化するために、加熱される導管を含み得る。呼気管117は、凝縮物形成を最小化し、波形構造内における局所滞留時間を増加させながら、蒸気除去を最大化するために、波形の、蒸気透過性の且つ/又は加熱される導管を含み得る。呼気管117内の凝縮物形成が減少すると、より多くの蒸気が呼気管117の壁を横切って拡散することが可能になる。加熱要素の存在により、ガスの相対湿度を100%未満に維持することができる(すなわちガスの温度を露点飽和温度より上に維持する)。加熱要素を呼気管117の壁付近又は壁内に配置すると、呼気管117の壁付近のガスの加熱を生じさせる。呼気管117の壁付近のガスの温度を露点よりも上に保つことで凝縮物形成を回避又は制限する。吸気管103及び呼気管117については、本明細書の別の箇所で更に詳細に説明する。
【0061】
図1を再び参照すると、ガス源105は、典型的には、設定された量のガスを呼吸毎に患者101に送達することになっている。この設定された量は、1回換気量又は送達量と呼ばれ得る。肺損傷のリスクの可能性を低下させ、十分な換気の可能性を高めるために、患者101が正確なガス量を受け取ることが望ましい。ベンチレータなどのガス源105が患者の呼吸を生成するとき、ガス源105は、患者の肺と呼吸回路100との両方に充填しなければならず、呼吸回路100は、フィルタ、ベンチレータから加湿器への供給管、加湿器チャンバ、吸気管、呼気管及び図1に関して示されるか又は記載される任意の他の構成要素を含み得る。したがって、ガス源105は、患者へのガス量の正確な送達の可能性を高めるために、呼吸回路100を充填するために使用されるガスを推定するか又は他に考慮に入れて、これを補償しなければならない。
【0062】
ガス源105は、呼吸回路100の空気コンプライアンスに関する試験を実施することができる。この試験において、ガス源105は、特定の圧力を生成するのに必要な量を決定しようと試みる。空気コンプライアンスは、少なくとも圧縮容量に依存する。呼吸回路100の圧縮容量が低下するほど、一定の伸展性に対する呼吸回路100の空気コンプライアンスが低下する。呼吸回路の空気コンプライアンスが患者の肺コンプライアンスに対して低下するほど、送達1回換気量に誤差が存在する可能性が低くなる。呼吸回路の空気コンプライアンスの測定値がわずかな量だけ誤っており、呼吸回路の空気コンプライアンスが患者の肺コンプライアンスと比較して大きい場合、患者に送達される1回換気量の百分率誤差は、非常に大きくなる。例えば、呼吸回路の空気コンプライアンスの測定値が5%誤っており、呼吸回路の空気コンプライアンスが患者の肺コンプライアンスと比較して大きい場合、患者に送達される1回換気量の百分率誤差は、場合により5%よりもはるかに大きくなる。
【0063】
図1Bは、3つのグラフを示す。図1Bのグラフは、呼吸回路の空気コンプライアンスのガス源測定値に理論上の10%誤差を導入した送達1回換気量の誤差を示す。3つのグラフは、3つの異なる回路コンプライアンス仕様(例えば、新生児、成人及び小児)に対するものである。新生児回路では、呼吸回路コンプライアンス(Cbs)は、0.9ml.cmH20-1に等しい。成人回路では、呼吸回路コンプライアンス(Cbs)は、2.1ml.cmH20-1に等しい。小児回路では、呼吸回路コンプライアンス(Cbs)は、1.3ml.cmH20-1に等しい。各グラフは、呼吸器系コンプライアンスが低い患者における送達1回換気量の誤差を示す。
【0064】
患者の体重が減少するにつれて誤差が大幅に増大することが明らかになった。患者の体重は、所期の1回換気量と相関する。患者の体重が減少するにつれて、所期の1回換気量が減少する。図1Bのグラフの比較は、所与の1回換気量に関して、呼吸回路コンプライアンスが大きくなると誤差が大きくなることを示す。治療を受けることになる患者の肺の特性に関連して、全体的な圧縮容量及び呼吸回路のコンプライアンスを可能な限り低く保つことが望ましいことが明らかになった。
【0065】
チューブのガス流に対する抵抗を最小化すること及びベッドスペース内の患者を管理するために管を十分に長くすることが可能であることなどの実際的な理由により、呼吸回路チューブの圧縮容量、したがってコンプライアンスは、通常、患者の肺よりもはるかに大きい。この差は、患者が非常に硬い、低いコンプライアンスの肺を有することになるいくつかの肺疾患状態によって大きくなる。短い管から生じ得る低い圧縮容量は、操作性の観点から不利になり得る。より広い表面積の恩恵を受ける長い管及び通気性のある呼気リムは、圧縮容量の観点から不利になり得る。
【0066】
圧縮容量の妥当性は、十分に低い圧縮容量の維持において、呼吸回路の構成要素間にトレードオフが存在し得ることである。吸気管103の平滑ボアは、流れ抵抗を低下させ、吸気管103の直径の低減、したがって圧縮容量の低減を可能にする。この吸気管103の圧縮容量の低下は、直径を増大させることによる呼気管117の圧縮容量の増加を可能にする。呼気管117の直径を増大させると、呼気管117の表面積が広くなり、管117の蒸気透過性が向上する。
【0067】
より小径の平滑ボア導管を有する吸気管103を、波形導管を有する呼気管117と併せて組み込むことで、システム全体の圧縮容量を維持しながら、呼気管117は、直径を、さもなければ可能であったものに比べて大きくすること及び/又は長くすることが可能になることが認識された。追加的に又は代替的に、小径の平滑ボアの吸気管103と大径の波形の呼気管117とを組み合わせると、全体的な圧力損失を維持することができる。追加的に又は代替的に、小径の平滑ボアの吸気管103と大径の波形の呼気管117とを組み合わせると、呼吸回路100の流れ抵抗(RTF)を望ましいレベルに維持することができる。通常、導管の長さを増加させると、導管の圧縮容量、したがって全体的な呼吸回路の圧縮容量を不必要に増大させる。通常、導管の長さを増加させると、導管のRTFを不必要に増大させ、したがって全体的な呼吸回路のRTFを増大させる。一方、導管が蒸気透過性である場合、長さの増加は、有利には、呼気ガスから蒸気を除去する導管の能力を向上させる。小径の平滑ボアを有する吸気管103と、大径の波形の蒸気透過性導管を有する呼気管117とを組み合わせることで、システム全体の圧縮容量、圧力損失及び/又はRTFを増大させることなく、呼吸回路から水蒸気を除去する呼気管117の能力が向上することが明らかになった。
【0068】
更に、平滑ボア導管を有する吸気管103を、波形導管を有する呼気管117と併せて組み込むことで、加湿器107が湿度性能を向上させることを可能にし、完全飽和ガス付近で運転しながら患者に治療的利益を提供し、液体がガス源105を損傷するか又は凝縮物が患者に排出されて戻るリスクが付加されないことが認識された。
【0069】
平滑ボアの、螺旋状に巻かれた導管を有する吸気管103は、波形の蒸気透過性導管を有する呼気管117と対にすることができる。上述のように、吸気管103の平滑ボアは、同様のサイズの波形ボアよりも低いRTFを有する。吸気管103の平滑ボアは、波形導管よりも小さい内径も有し得る。通常、内径を減少させると、圧縮容量を低減させ、吸気管のRTFを不必要に増大させる。それにもかかわらず、平滑ボア特性は、吸気管103の平滑ボアに付随するRTFの減少が、吸気管103のより小さい内径から生じるRTFの増加を上回るように選択され得る。このより小径の吸気管103の選択は、吸気管103の圧縮容量も低減させる。したがって、この選択により、全体的なシステムの圧力損失又は圧縮容量を増大させることなく、平滑ボアの吸気管103と対になった波形の呼気管117がより長くなること及び/又はより大きい径若しくは断面積を有することを可能にする。呼気管117の長さ及び/又は直径を増加させると、通常、管のRTF及び圧縮容量を不必要に増大させる。しかしながら、長さ及び/又は直径を増加させると、呼気ガスから蒸気を除去する蒸気透過性の管の能力も向上する。この構成では、平滑ボアの吸気管103を波形の呼気管117と対にすることで呼気管117の性能を向上させる。ベンチレータ出口からベンチレータ入口までに存在する可能性のある呼吸回路のシステムの圧力損失は、回路内の各要素の圧力特性(RTF)により影響を受ける可能性がある。図1を再び参照すると、ベンチレータから加湿器、加湿器チャンバ、インターフェース管及びインターフェース本体への供給管の圧力特性が一定であると仮定すると、システムの圧力損失に寄与する主な要因は、吸気管103及び呼気管117の流れ抵抗及び寸法(長さ及び直径)である。これらの要因の1つに対するいかなる変化も、システムの圧力損失、RTF及び/又は圧縮容量の増大を回避するために、有利には、他の要因と釣り合うべきである。本明細書に記載されるように、圧縮容量に寄与する主な要因は、吸気管103及び呼気管117の管プロファイル、伸展性及び寸法(長さ及び直径又は断面積)である。呼吸回路の圧縮容量を維持しながら吸気管103の圧縮容量を減少させることと、呼気管117の圧縮容量を増加させることとの間にトレードオフが存在し得る。本明細書に記載されるように、呼気管117の圧縮容量を増加させることは、呼気リムの蒸気透過性において有利である。
【0070】
吸気管103の平滑ボアは、流れ抵抗を(波形の吸気管と比較して)減少させ、全体的なシステムの圧力損失を減少させることができる。これにより、他の3つの要因(波形の呼気管117の流れ抵抗又はいずれかの管の寸法)のいずれか又は全てを、システムの圧力損失を増加させるように変更することが可能になる。吸気管103の内径は、望ましくは、同等の波形の吸気管よりも小さくすることができ、これにより吸気管103内を流れるガスの速度を増加させる。しかしながら、より小さい径は、いくらかの流れ抵抗も再び付加する。より小さい径に起因するRTF増加が、平滑ボアの使用に起因するRTFの減少よりも十分に小さい限り、システムの圧力損失を増加させることなく波形の呼気管117の長さを増加させることができる。呼気管117の長さを増加させると、呼気管117の管壁の表面積を増加させる。蒸気透過性材料を通して拡散させることができる蒸気の量は、材料の表面積に相関する。呼気管117の長さ及び/又は直径を増加させると、呼気管117の壁の表面積を増加させ、呼気管117内のガスの滞留時間も増加させる。透過性材料を通して拡散させることができる蒸気の量は、蒸気を搬送するガスが材料と接触している時間の長さにも相関する。
【0071】
呼吸回路の圧縮容量(ガス流路全体の累積量)も同様に釣り合わせることができる。例えば、吸気管103の寸法(断面積又は直径、長さ)の変化は、波形の呼気管117の寸法(断面積又は直径、長さ)の変化を相殺することができる。本明細書に記載されるように、吸気管103の直径の減少は、圧縮容量を減少させることができる。この圧縮容量の減少は、送達1回換気量の精度を向上させることができる。本明細書に記載されるように、吸気管103の直径の減少は、直径の増加及び/又は呼気管117の長さの増加を相殺することができる。本明細書に記載されるように、呼気管117の寸法の変化は、呼気管117の蒸気透過性を増加させることなどにより、呼気管117の機能を促進することができる。管寸法の変更は、システムの圧力損失及びシステムの圧縮容量の両方に影響するため、変更を行う場合、両方の式は、有利には、釣り合うか又は同時に選択されるべきである。吸気管103の直径を減少させると、管内の平均ガス速度を増加させる一方、流れ抵抗を増加させ得るとともに圧縮容量を減少させ得る。波形の呼気管117の長さを追加すると、流れ抵抗を増加させるとともに圧縮容量を増加させる。表1は、これらの2つのシステムの指標に対する種々の特徴の影響をまとめたものである。
【0072】
【表1】
【0073】
波形の呼気管117と平滑ボアの吸気管103とを対にすることで、吸気管103の性能をより高くすることができる。大径の呼気管117と小さいボアの吸気管103とを対にすると、圧縮容量に関して正味中立であり得るが、呼吸回路の機能性を高めることができる(例えば、呼気管117の蒸気拡散を増加させる)。この構成では、平滑ボアの吸気管103は、凝縮物生成を最小化し、したがって湿度送達が最大化する。全体的な圧縮容量は、吸気管103及び呼気管117の直径及び長さなどの寸法の変化によって減少させることができる。いくつかの構成では、吸気管103は、断熱されており、これは、加湿器107及び/又はヒータプレート131などの加熱要素を、患者101に送達される湿度の生成においてより効率的にするのに役立つ。ヒータプレート131は、加湿チャンバポート111でそのような高い目標温度を生成する必要がないため、それほど機能する必要がない。これは、加熱及び断熱された吸気管103が、加湿チャンバポート111から吸気管103を通って流れるガスの絶対湿度をより良好に維持するからである。
【0074】
吸気管103の壁内にヒータ線を配置することも、吸気管103がガスの相対湿度を維持する効率を高める。ヒータ線は、吸気管103の内腔内を流れるガスではなく、吸気管103の壁を加熱することができ、これにより吸気管103の壁付近のガスの相対湿度を低下させる。吸気管103が螺旋状に巻かれた中空体、すなわち「バブル」管(以下でより詳細に説明する)を有する複合導管を含む場合、ヒータ線は、断熱バブルの下(内壁の内腔側)にあり、これにより吸気管103の壁を介した外側への熱損失を低減する。
【0075】
平滑ボアの吸気管103は、層流ガスの流れを促進し、吸気管103の内腔にわたり、内腔の中心に近いガスが吸気管103の壁に近いガスに比べて高い速度を有するより放物線状の波面を生成する。この構成では、高い速度のガスが、入口109から出口113への通過中、隣接する低い速度のガスに熱を伝達する時間が少ない。ヒータ線によって発生する熱の内向き方向と併せて、この構成は、ガス流によって保持される熱を更に増加させるのに役立つ。
【0076】
平滑ボアの吸気管103はまた、波形管のように、蒸気が捕捉されたり凝縮物が溜まったりする可能性のあるポケットを提供しない。したがって、ガスによって運ばれる蒸気は、蒸気相に留まり、吸気管103を出て、したがって患者101に送達されるように促される。
【0077】
波形の呼気管117は、蒸気除去を最大化し、凝縮物形成を最小化する。呼気管117は、呼気管117の壁を介した外部大気への蒸気の拡散を促進する蒸気透過性であり得る。いくつかの構成では、呼気管117は、蒸気透過性であり、且つ加熱され、管に沿った加熱の制御は、呼気管117の壁を介した外部大気への蒸気の拡散を促進する。外部大気に移動した蒸気は、ガス源105に送達されない。波形の呼気管117は、呼気管117の壁に隣接するガス流の部分に乱流を生じさせ、波形構造内の壁に隣接するガスの滞留時間を増加させる。滞留時間の増加は、呼気管117の壁を介した蒸気拡散の機会を増加させる。滞留時間の増加はまた、各波形構造の「ポケット」内で渦を巻くガスの温度を低下させ、これらのガスの相対湿度を増加させる。相対湿度の増加は、呼気管117の壁を横切る蒸気圧の勾配を増加させ、更に壁を介した蒸気拡散を増加させる。
【0078】
以下に記載されるように、呼気管117は、呼気管117の内腔の中心付近に巻き付けられたヒータ線を含み得る。このように配置されたヒータ線は、凝縮物形成を最小化しつつ、ガス流の乱流を付加する。乱流が多くなることは、ガスのより良好な混合を意味し、それにより水蒸気を呼気管117の外壁に移動させる。波形の呼気管117は、蒸気から凝縮するあらゆる液体を集めるという利点を有する波形構造の「ポケット」も提供する。波形構造内に溜まった液体は、ガス源105に送達されない液体である。いくつかの構成では、ヒータ線は、呼気管117の壁内に配置され得る。呼気管117内のヒータ線の存在は、呼気管内の凝縮物形成も最小化する。
【0079】
平滑ボアの吸気管103と波形の呼気管117とを組み合わせることで、加湿器107が湿度性能を向上させることを可能にする。侵襲的換気及び非侵襲的換気の両方において、患者及びバイアス流からの寄与がある。両方において、呼気管117は、ガス源105に戻される湿度の量を減少させるように機能し得る。呼気管117の機能は、ガス源105に戻される湿度の量を十分に減少させるようなものであり得る。
【0080】
呼気管の機能は、加湿器107及び吸気管103がより高いレベルの湿度を患者101に送達することを可能にできる。呼気管117がガス源105に戻される湿度の量を十分に減少させることができない場合、より高いレベルの湿度を患者101に送達する加湿器107及び吸気管103の能力は、低減又は抑制される必要があるであろう。なぜなら、その余分な湿度のいくらかは、呼気管117を通してガス源105に運ばれるからである。
【0081】
本出願人は、全体的なシステム内の圧縮容量に関して、呼吸回路100の構成要素間、具体的には吸気管103と呼気管117との間にトレードオフが存在し得るという、呼吸回路に関連する驚くべき発見をした。同じ流れ抵抗(RTF)を維持しながら、波形管から平滑ボア管に切り替えることによる吸気管103の直径の減少が存在し得ることが認識された。本出願人は、驚くべきことに、呼吸回路の全体的な圧縮容量を維持しながら、呼気管117の直径を理論上の最大公称径まで増加させ得ることを見出した。波形管では、公称径は、波形管の最大径と最小径との平均に等しい。
【0082】
呼吸回路の典型的な業界標準の波形管径としては、10mm、15mm及び22mmが挙げられる。場合により、業界において、これらの管サイズは、実際の管の内径、外径及び/又は公称径を意味するのではなく、単なる名称であるか、又は管の端部のコネクタのサイズを単に意味する。実際には限定されるものではないが、10mmチューブ又は12mmチューブなどの小径のチューブは、新生児患者に有用であり得、15mmチューブは、小児患者に有用であり得、22mmチューブは成人患者に有用であり得る。1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm、21mm、22mm、23mm、24mm、25mm、26mm、27mm、28mm、29mm、30mm及び本明細書に開示される2つ以上の直径を含む範囲などのチューブの他の内径又は公称径が考えられる。吸気リムのRTFが一定であると仮定すると、吸気管103の直径は、ボアが波形ではなく平滑である場合に減少させ得ることが明らかになった。
【0083】
10mm、15mm及び22mmの3つの標準的な波形管径を前提とすると、驚くべきことに、流れ抵抗は、様々な内径の平滑ボア管と様々な公称径の波形管との間で一致し得ることが明らかになった。各波形管は、試験装置によって測定され得るRTFを有する。各波形管は、チューブの寸法を用いて理論的に計算され得るRTFを有する。同様に、各平滑ボア管は、試験装置によって測定され得るRTFを有する。試験に加えて又はその代わりに、RTFは、理論的に計算され得る。公称径を有する波形管のそれぞれについて、RTFは、対応する小径の平滑ボア管に一致させ得ることが明らかになった。本出願人によって明らかになった1つの非限定的な例として、同じRTFを有する2つの管に基づくと、10mmの公称径を有する波形管は、6.9mmの平滑ボア管と実質的に同等となり得る。本出願人によって明らかになった別の例としては、実質的に同様のRTFに基づくと、15mmの公称径を有する波形管は、8mmの平滑ボア管と実質的に同等となり得る。本出願人によって明らかになった更に別の例としては、実質的に同様のRTFに基づくと、22mmの公称径を有する波形管は、13.5mmの平滑ボア管と実質的に同等となり得る。したがって、平滑ボアの吸気管103は、呼吸回路の吸気リムのRTFを増加させることなく、波形の吸気管に比べて直径を減少させることができる。
【0084】
呼吸回路の全体的な圧縮容量は、吸気リムの圧縮容量と呼気リムの圧縮容量との合計であると解釈される。10mm、15mm及び22mmの3つの業界標準の波形管径を前提とすると、呼吸回路の圧縮容量を決定することができる。各波形管は、試験装置によって測定され得る圧縮容量を有する。各波形管は、波形管の寸法に基づいて理論的に計算され得る圧縮容量を有する。波形管については、圧縮容量は、波形管の公称径が波形管の最大径と最小径との平均に等しいという想定に基づいて計算され得る。波形の吸気管及び呼気管を有する呼吸回路の全体的な圧縮容量を、吸気管103が平滑ボアを有し、呼気管が波形である呼吸回路100において維持し得ることが明らかになった。
【0085】
吸気リムの圧縮容量の変化は、標準的な波形管によって生じる呼吸回路の全体的な圧縮容量を維持しながら、呼吸回路の呼気リムの圧縮容量の変化とトレードオフにできることが明らかになった。吸気リムのRTFを維持しながら、平滑ボアの吸気管103は、減少した直径を有し得ることが明らかになった。吸気リムの吸気管の直径を減少させること(波形管から平滑ボア管への変更により達成可能)により、呼吸回路の吸気リムの圧縮容量の減少があった。平滑ボアの吸気管103によるこの圧縮容量の減少は、呼吸回路の全体的な圧縮容量を維持しながら、波形の呼気管117の圧縮容量の増加とトレードオフにできることが明らかになった。平滑ボアの吸気管103の圧縮容量の減少を決定し、呼気管117の圧縮容量許容量に追加することができる。
【0086】
呼気管117は、吸気管103の圧縮容量の減少に基づく理論上の最大公称径を有し得ることが明らかになった。本出願人によって明らかになった1つの非限定的な例として、6.9mmの平滑ボアの吸気管103は、呼吸回路の全体的な圧縮容量の変化なしに、14.7mmの波形の呼気管117を相殺することができる。本出願人によって明らかになった別の例としては、8mmの平滑ボアの吸気管103は、呼吸回路の全体的な圧縮容量の変化なしに、19.3mmの波形の呼気管117を相殺することができる。本出願人によって明らかになった更に別の例としては、13.5mmの平滑ボアの吸気管103は、呼吸回路の全体的な圧縮容量の変化なしに、27.4mmの波形の呼気管117を相殺することができる。波形の呼気管117の理論上の最大公称径は、総呼吸回路圧縮容量を維持する。この圧縮容量は、変化しないままである。なぜなら、吸気管103の設計の変更による圧縮容量の減少は、呼気管117の設計における圧縮容量の増加を可能にするからである。
【0087】
吸気管103内のヒータ線は、RTFに悪影響を及ぼし(すなわち、吸気管103内のヒータ線は、他の全ての要因が一定に維持された場合にRTFを増加させる)、したがって、ヒータ線の存在は、平滑ボアの吸気管103の直径の減少を制限し得ることが明らかになった。本出願人によって明らかになった1つの非限定的な例として、ヒータ線のRTFを除いたRTFに基づくと、10mmの公称径を有する波形管は、9.3mmの平滑ボア管と実質的に同等となり得る。公称10mmの波形の吸気及び呼気回路と比較して、9.3mmの平滑ボアの吸気管103は、呼吸回路の全体的な圧縮容量の変化なしに、13.4mmの波形の呼気管117を相殺し得ることが明らかになった。本出願人によって明らかになった別の例としては、ヒータ線のRTFを除いたRTFに基づくと、15mmの公称径を有する波形管は、12.7mmの平滑ボア管と実質的に同等となり得る。公称15mmの波形の吸気及び呼気回路と比較して、12.7mmの平滑ボアの吸気管103は、呼吸回路の全体的な圧縮容量の変化なしに、16.6mmの波形の呼気管117を相殺し得ることが明らかになった。本出願人によって明らかになった更に別の例としては、ヒータ線のRTFを除いたRTFに基づくと、22mmの公称径を有する波形管は、20.3mmの平滑ボア管と実質的に同等となり得る。公称22mmの波形の吸気及び呼気回路と比較して、20.3mmの平滑ボアの吸気管103は、呼吸回路の全体的な圧縮容量の変化なしに、22.9mmの波形の呼気管117を相殺し得ることが明らかになった。
【0088】
本出願人によって明らかになった別の非限定的な例として、ヒータ線のRTFを考慮に入れたRTFに基づくと、10mmの公称径を有する波形管は、5.9mmの平滑ボア管と実質的に同等となり得る。公称10mmの波形の吸気及び呼気回路と比較して、5.9mmの平滑ボアの吸気管103は、呼吸回路の全体的な圧縮容量の変化なしに、12.8mmの波形の呼気管117を相殺し得ることが明らかになった。10mmの公称径を有する波形管は、例えば、78,539.8mm/mの公称圧縮容量を有し得る。10mmの公称径を有する波形管のRTFは、トレンドラインを用いて計算され得る。トレンドラインを用いると、平滑ボアの吸気管103は、5.9mmの公称径を有することができ、これは、同じ圧力の同等の平滑ボアの内径である。標準的なチューブ及び平滑ボアの吸気管103において、RTFは、同じであるか又は略同じであり、例えば75.93cmHO/l/minであり得る。平滑ボアの吸気管は、例えば、27,631.9mm/mの圧縮容量を有し得る。このような場合、圧縮容量差は、例えば、50,907.9mm/mであり得る。波形の呼気管117は、10mmの公称径を有する波形管の圧縮容量と、圧縮容量差、例えば129,447.7mm/mとの合計である総圧縮容量を有し得る。したがって、波形の呼気管117は、回路(吸気リム及び呼気リム)の全体的な圧縮容量を維持するために、12.8mmの最大公称径を有し得る。追加的に又は代替的に、波形の呼気リムは、最大値よりも小さい公称径を有し得、吸気リム及び/又は呼気リムは、従来技術の長さよりも延長され得る。例えば、吸気リム及び呼気リムは、1.75mなどの長さ又は本明細書に開示される他の長さで提供され得る。当業者であれば、このオプション、すなわち可能な最大呼気直径を使用するのではなく、吸気リム及び/又は呼気リムの長さを増加させるか、又は(吸気リム及び/又は呼気リムの)長さを増加させ、且つ最大可能直径よりも小さい直径に増加させることが、本明細書に開示される各実施形態に対して利用可能であり、本明細書に記載される有益な技術的効果を達成するために利用され得ることを理解するであろう。
【0089】
本出願人によって明らかになった別の例としては、トレンドラインを用いて決定された、ヒータ線のRTFを考慮に入れたRTFに基づくと、15mmの公称径を有する波形管は、6.7mmの平滑ボア管と実質的に同等となり得る。公称15mmの波形の吸気及び呼気回路と比較して、6.7mmの平滑ボアの吸気管103は、呼吸回路の全体的な圧縮容量の変化なしに、20.1mmの波形の呼気管117を相殺し得ることが明らかになった。トレンドラインを用いた15mmの波形のチューブの圧縮容量は、例えば、176,714.6mm/mであり得る。同様に、平滑ボアの吸気管103は、34,820.4mm/mの圧縮容量を有し得る。標準的なチューブと新規の平滑ボアの吸気管103との間の圧縮容量差は、141,894.2mm/mということになり得る。波形の呼気管117は、15mmの公称径を有する波形管の圧縮容量と、圧縮容量差、例えば318,608.8mm/mとの合計である総圧縮容量を有し得る。更に、これらは、1メートル当たりの値であるため、本明細書中に更に記載されるように、当業者であれば、吸気リム及び/又は呼気リムの長さは、回路の全体的な圧縮容量を増加させることなく、従来技術のリムの長さと比較して更に増加され得ることを理解すべきである。
【0090】
本出願人によって明らかになった更に別の例としては、トレンドラインを用いることにより決定された、ヒータ線のRTFを考慮に入れたRTFに基づくと、22mmの公称径を有する波形管は、10.9mmの平滑ボア管と実質的に同等となり得る。公称22mmの波形の吸気及び呼気回路と比較して、10.9mmの平滑ボアの吸気管103は、呼吸回路の全体的な圧縮容量の変化なしに、29.1mmの波形の呼気管117を相殺し得ることが明らかになった。トレンドラインを用いた22mmの波形のチューブの圧縮容量は、380,132.7mm/mであり得る。平滑ボアの吸気管103は、93,664.1mm/mの圧縮容量を有し得る。標準的なチューブと新規の平滑ボアの吸気管103との間の圧縮容量差は、286,468.6mmであり得る。波形の呼気管117は、22mmの公称径を有する波形管の圧縮容量と、圧縮容量差、例えば666,601.3mm/mとの合計である総圧縮容量を有し得る。更に、これらは、1メートル当たりの値であるため、本明細書中に更に記載されるように、当業者であれば、吸気リム及び/又は呼気リムの長さは、回路の全体的な圧縮容量を増加させることなく、従来技術のリムの長さと比較して更に増加され得ることを理解すべきである。
【0091】
本出願人によって明らかになった更に別の非限定的な例として、トレンドラインを用いて決定した、ヒータ線のRTFを除いたRTFに基づくと、10mmの公称径を有する波形管は、7.8mmの平滑ボア管と実質的に同等となり得る。公称10mmの波形の吸気及び呼気回路と比較して、7.8mmの平滑ボアの吸気管103は、呼吸回路の全体的な圧縮容量の変化なしに、11.8mmの波形の呼気管117を相殺し得ることが明らかになった。トレンドラインを用いた10mmの波形のチューブの圧縮容量は、78,539.8mm/mであり得る。平滑ボアの吸気管103は、47,523.4mm/mの圧縮容量を有し得る。標準的なチューブと新規の平滑ボアの吸気管103との間の圧縮容量差は、31,016.5mm/mであり得る。波形の呼気管117は、10mmの公称径を有する波形管の圧縮容量と、圧縮容量差、例えば109,556.3mm/mとの合計である総圧縮容量を有し得る。更に、これらは、1メートル当たりの値であるため、本明細書中に更に記載されるように、当業者であれば、吸気リム及び/又は呼気リムの長さは、回路の全体的な圧縮容量を増加させることなく、従来技術のリムの長さと比較して更に増加され得ることを理解すべきである。
【0092】
本出願人によって明らかになった別の例としては、ヒータ線のRTFを除いたRTFに基づくと、15mmの公称径を有する波形管は、10.5mmの平滑ボア管と実質的に同等となり得る。公称15mmの波形の吸気及び呼気回路と比較して、10.5mmの平滑ボアの吸気管103は、呼吸回路の全体的な圧縮容量の変化なしに、18.5mmの波形の呼気管117を相殺し得ることが明らかになった。トレンドラインを用いた15mmの波形のチューブの圧縮容量は、176,714.6mmであり得る。平滑ボアの吸気管103は、85,910.6mmの圧縮容量を有し得る。標準的なチューブと新規の平滑ボアの吸気管103との間の圧縮容量差は、90,804.0mmであり得る。波形の呼気管117は、15mmの公称径を有する波形管の圧縮容量と、圧縮容量差、例えば267,518.6mmとの合計である総圧縮容量を有し得る。更に、これらは、1メートル当たりの値であるため、本明細書中に更に記載されるように、当業者であれば、吸気リム及び/又は呼気リムの長さは、回路の全体的な圧縮容量を増加させることなく、従来技術のリムの長さと比較して更に増加され得ることを理解すべきである。
【0093】
本出願人によって明らかになった更に別の例としては、ヒータ線のRTFを除いたRTFに基づくと、22mmの公称径を有する波形管は、16.9mmの平滑ボア管と実質的に同等となり得る。公称22mmの波形の吸気及び呼気回路と比較して、16.9mmの平滑ボアの吸気管103は、呼吸回路の全体的な圧縮容量の変化なしに、26.1mmの波形の呼気管117を相殺し得ることが明らかになった。トレンドラインを用いた22mmの波形のチューブの圧縮容量は、380,132.7mm/mであり得る。平滑ボアの吸気管103は、224,424.7mm/mの圧縮容量を有し得る。標準的なチューブと新規の平滑ボアの吸気管103との間の圧縮容量差は、155,708.0mm/mであり得る。波形の呼気管117は、22mmの公称径を有する波形管の圧縮容量と、圧縮容量差、例えば535,840.7mm/mとの合計である総圧縮容量を有し得る。更に、これらは、1メートル当たりの値であるため、本明細書中に更に記載されるように、当業者であれば、吸気リム及び/又は呼気リムの長さは、回路の全体的な圧縮容量を増加させることなく、従来技術のリムの長さと比較して更に増加され得ることを理解すべきである。
【0094】
本出願人によって明らかになった別の例としては、ヒータ線のRTFを考慮したRTFに基づくと、15mmの公称径を有する波形管は、6.7mmの平滑ボア管と実質的に同等となり得る。公称15mmの波形の吸気及び呼気回路と比較して、6.7mmの平滑ボアの吸気管103は、呼吸回路の全体的な圧縮容量の変化なしに、20.1mmの波形の呼気管117を相殺し得ることが明らかになった。本出願人によって明らかになった別の例では、ヒータ線のRTFを考慮したRTFに基づくと、15mmの公称径を有する波形管は、10.0mmの平滑ボア管と実質的に同等となり得る。公称15mmの波形の吸気及び呼気回路と比較して、10.0mmの平滑ボアの吸気管103は、呼吸回路の全体的な圧縮容量の変化なしに、18.7mmの波形の呼気管117を相殺し得ることが明らかになった。本出願人によって明らかになった別の例では、ヒータ線のRTFを考慮したRTFに基づくと、15mmの公称径を有する波形管は、11.7mmの平滑ボア管と実質的に同等となり得る。公称15mmの波形の吸気及び呼気回路と比較して、11.7mmの平滑ボアの吸気管103は、呼吸回路の全体的な圧縮容量の変化なしに、17.7mmの波形の呼気管117を相殺し得ることが明らかになった。本出願人によって明らかになった別の例では、ヒータ線のRTFを考慮したRTFに基づくと、15mmの公称径を有する波形管は、13.5mmの平滑ボア管と実質的に同等となり得る。公称15mmの波形の吸気及び呼気回路と比較して、13.5mmの平滑ボアの吸気管103は、呼吸回路の全体的な圧縮容量の変化なしに、16.4mmの波形の呼気管117を相殺し得ることが明らかになった。更に、これらは、1メートル当たりの値であるため、本明細書中に更に記載されるように、当業者であれば、吸気リム及び/又は呼気リムの長さは、回路の全体的な圧縮容量を増加させることなく、従来技術のリムの長さと比較して更に増加され得ることを理解すべきである。
【0095】
トレンドラインを用いた15mmの波形のチューブの圧縮容量は、176,714.6mm/mであり得る。平滑ボアの吸気管103は、6.7mm吸気管で34,820mm/m、10.0mm吸気管で78,539.8mm、11.7mm吸気管で107,513.2mm/m及び13.5mm吸気管で143,138.8mm/mの圧縮容量を有し得る。標準的なチューブと新規の平滑ボアの吸気管103との間の圧縮容量差は、6.7mm吸気管で141,894.2mm/m、10.0mm吸気管で98,174.8mm/m、11.7mm吸気管で69,201.4mm/m及び13.5mm吸気管で33,575mm/mであり得る。波形の呼気管117は、15mmの公称径を有する波形管の圧縮容量と、圧縮容量差、例えば6.7mm吸気管で318,608.8mm/m、10.0mm吸気管で274,889.4mm/m、11.7mm吸気管で245,916.0mm/m及び13.5mm吸気管で210,290.4mm/mとの合計である総圧縮容量を有し得る。更に、これらは、1メートル当たりの値であるため、本明細書中に更に記載されるように、当業者であれば、吸気リム及び/又は呼気リムの長さは、回路の全体的な圧縮容量を増加させることなく、従来技術のリムの長さと比較して更に増加され得ることを理解すべきである。
【0096】
本出願人によって明らかになった別の例としては、ヒータ線のRTFを除いたRTFに基づくと、15mmの公称径を有する波形管は、10.5mmの平滑ボア管と実質的に同等となり得る。公称15mmの波形の吸気及び呼気回路と比較して、10.5mmの平滑ボアの吸気管103は、呼吸回路の全体的な圧縮容量の変化なしに、公称15mmの波形の吸気及び呼気回路と比較して、呼吸回路の全体的な圧縮容量の変化なしに、18.5mmの波形の呼気管117を相殺し得ることが明らかになった。更に、これらは、1メートル当たりの値であるため、本明細書中に更に記載されるように、当業者であれば、吸気リム及び/又は呼気リムの長さは、回路の全体的な圧縮容量を増加させることなく、従来技術のリムの長さと比較して更に増加され得ることを理解すべきである。
【0097】
トレンドラインを用いた15mmの波形のチューブの圧縮容量は、176,714.6mm/mであり得る。平滑ボアの吸気管103は、10.5mm吸気管で85,910.6mm/mの圧縮容量を有し得る。標準的なチューブと新規の平滑ボアの吸気管103との間の圧縮容量差は、10.5mm吸気管で90,804.0mm/mであり得る。波形の呼気管117は、15mmの公称径を有する波形管の圧縮容量と、圧縮容量差、例えば10.5mm吸気管で267,518.6mm/mとの合計である総圧縮容量を有し得る。更に、これらは、1メートル当たりの値であるため、本明細書中に更に記載されるように、当業者であれば、吸気リム及び/又は呼気リムの長さは、回路の全体的な圧縮容量を増加させることなく、従来技術のリムの長さと比較して更に増加され得ることを理解すべきである。
【0098】
本出願人によって明らかになった例として、5L/minにおける波形チューブのRTF圧力対内径のトレンドラインが存在し得る。ヒータ線を考慮に入れると、本出願人によって計算されたこのトレンドラインを表す1つの可能な式は、およそy=2149322.2385x-4.4519、R=0.9727であり得る。ヒータ線を除いた、本出願人によって計算されたこのトレンドラインを表す1つの可能な式は、およそy=603928.0681x-4.4380、R=0.9964であり得る。本出願人によって明らかになった例として、5L/minにおける波形チューブの公称径対RTF圧力が存在し得る。ヒータ線を考慮に入れると、本出願人によって計算されたこのトレンドラインを表す1つの可能な式は、およそy=26.0327x-0.2185、R=0.9727であり得る。ヒータ線を除いた、本出願人によって計算されたこのトレンドラインを表す1つの可能な式は、およそy=20.0518x-0.2245、R=0.9964であり得る。この流量におけるISO規格によるRTFの限界は、0.9cmH2O(88.25Pa)であり、2つの閾値は、ヒータ線を有するものについて9.78mm及びヒータ線を除いたものについて7.33mmである。本出願人によって明らかになった例として、5L/minにおける平滑ボアチューブのRTF圧力対内径のトレンドラインが存在し得る。本出願人によって計算されたこのトレンドラインを表す1つの可能な式は、およそy=15.3164x-0.2191、R=0.9933であり得る。
【0099】
本出願人によって明らかになった別の例としては、15L/minにおける波形チューブのRTF圧力対内径のトレンドラインが存在し得る。ヒータ線を考慮に入れると、本出願人によって計算されたこのトレンドラインを表す1つの可能な式は、およそy=22141877.6970x-4.5927、R=0.9780であり得る。ヒータ線を除いた、本出願人によって計算されたこのトレンドラインを表す1つの可能な式は、およそy=64442935.7622x-5.5152、R=0.9907であり得る。本出願人によって明らかになった例として、15L/minにおける波形チューブの公称径対RTF圧力が存在し得る。ヒータ線を考慮に入れると、本出願人によって計算されたこのトレンドラインを表す1つの可能な式は、およそy=38.8945x-0.2129、R=0.9780であり得る。ヒータ線を除いた、本出願人によって計算されたこのトレンドラインを表す1つの可能な式は、およそy=25.9216x-0.1796、R=0.9907であり得る。ISO規格によるRTFの限界は、0.9cmH2O(88.25Pa)であり、2つの閾値は、ヒータ線を有するものについて14.98mm及びヒータ線を除いたものについて11.59mmである。本出願人によって明らかになった例として、15L/minにおける平滑ボアチューブのRTF圧力対内径のトレンドラインが存在し得る。本出願人によって計算されたこのトレンドラインを表す1つの可能な式は、およそy=27.3664x-0.3158、R=0.9421であり得る。
【0100】
本出願人によって明らかになった更に別の例としては、30L/minにおける波形チューブのRTF圧力対内径のトレンドラインが存在し得る。ヒータ線を考慮に入れると、本出願人によって計算されたこのトレンドラインを表す1つの可能な式は、およそy=79343411.8635x-4.5906、R=0.9657であり得る。ヒータ線を除いた、本出願人によって計算されたこのトレンドラインを表す1つの可能な式は、およそy=528987202.1853x-5.8298、R=0.9828であり得る。本出願人によって明らかになった例として、30L/minにおける波形チューブの公称径対RTF圧力が存在し得る。ヒータ線を考慮に入れると、本出願人によって計算されたこのトレンドラインを表す1つの可能な式は、およそy=50.3401x-0.2104、R=0.9657であり得る。ヒータ線を除いた、本出願人によって計算されたこのトレンドラインを表す1つの可能な式は、およそy=30.9550x-0.1686、R=0.9828であり得る。ISO規格によるRTFの限界は、0.9cmH2O(88.25Pa)であり、2つの閾値は、ヒータ線を有するものについて19.61mm及びヒータ線を除いたものについて14.54mmである。本出願人によって明らかになった例として、30L/minにおける平滑ボアチューブのRTF圧力対内径のトレンドラインが存在し得る。本出願人によって計算されたこのトレンドラインを表す1つの可能な式は、およそy=26.9650X-0.2260、R=0.8419であり得る。
【0101】
呼吸回路100に多くの利点があることが明らかになった。本明細書に記載されるように、より大きい公称径の波形の呼気管117は、表面積及び滞留時間を増加させ、これらの両方は、呼気管の壁を通る水分子の移動を可能にする材料で呼気管が作製されている場合に蒸気拡散を増加させる。平滑な壁の吸気管とともに使用される場合、波形の呼気管117の理論上の最大公称径は、呼気管内のガスの滞在時間中の蒸気拡散を増加させるという利点を有する一方、呼吸回路全体の全体的な圧縮容量を維持する。
【0102】
呼吸回路は、第1の公称径の波形管から第2の直径の平滑ボア管までの吸気管103のRTFを一致させるように設計されており、第2の直径は、第1の直径よりも小さい。第2の直径の平滑ボア管は、第1の直径の波形管よりも小さい圧縮容量を有し、それにより吸気リムとしてより小さい第2の直径の平滑ボア管を含む呼吸回路の圧縮容量の許容量を生じさせる。この圧縮容量の許容量は、呼気リムとしての第3の公称径の波形管によって相殺することができ、第3の公称径は、第1の公称径よりも大きくすることができる。第1の公称径の波形管を有する吸気リムと第1の公称径の波形管を有する呼気リムとを有する呼吸回路と比較して、修正された呼吸回路は、第2の直径の平滑ボア管を有する吸気リムと第3の公称径の波形管を有する呼気リムとを有し、呼吸回路間の全体的な圧縮容量は、同じであるか又はそれを下回り、吸気リムのRTFは、同じであるか又はそれを下回る。本出願人によって明らかになったいくつかの実施形態では、これらの利点は、第3の公称径の波形管を有し、第3の公称径は、第1の公称径よりも大きい呼気リムによって達成可能である。
【0103】
本出願人によって驚くべきことに明らかになった別の例では、公称13mmの波形の吸気管及び公称13mmの波形の呼気管は、一緒に使用されて呼吸回路を形成すると圧縮容量を有する。吸気リムを例に取ると、波形の吸気管は、実際のRTFを得るために測定され得るか又は理論上のRTFを得るために計算され得るRTFを有する。13mmの波形の吸気管のRTFは、平滑ボアの吸気管103に実質的に等しくなり得る。平滑ボアの吸気管103は、対応する13mmの波形の吸気管よりも小さい径を有する。この、波形の吸気管と平滑ボアの吸気管103との間の直径の減少は、吸気リムの圧縮容量の減少に対応する。
【0104】
吸気リムと呼気リムとは、一緒に呼吸回路を形成する。公称13mmの波形の吸気管と公称13mmの波形の呼気管とは、呼吸回路の第1の総圧縮容量を画定する。この第1の総圧縮容量は、平滑ボアの吸気管103を有する修正された呼吸回路では維持するか又は減少させることができる。平滑ボアの吸気管103を有する修正された呼吸回路では、吸気リムは、管の直径の減少による圧縮容量の減少を有する。平滑ボアの吸気管103を有する修正された呼吸回路では、呼気リムは、より大きい公称径を有するように設計され得る。より大きい公称径の呼気リムは、呼吸回路の総圧縮容量を考慮する上で、吸気リムの圧縮容量の減少を相殺するより大きい圧縮容量を有する。したがって、平滑ボアの吸気管103の使用から得られる圧縮容量の減少は、波形の呼気管117による圧縮容量の増加を吸収することができる。公称13mmの波形の吸気管と公称13mmの波形の呼気管とを有する呼吸回路は、平滑ボアの吸気管103及び波形の呼気管117と同じであるか又はそれを下回る全体的な圧縮容量を有する。しかしながら、吸気管103は、公称13mmの波形の吸気管を有する呼吸回路の対応する吸気リムよりも小さい径を有し、波形の呼気管117は、公称13mmの波形の呼気管を有する呼吸回路の対応する呼気リムよりも大きい公称径を有する。
【0105】
異なる直径のチューブを異なる患者集団で使用することができる。更に、所期の送達又は1回換気量は、同じ又は異なる直径のチューブ間はもとより、同じ又は異なる呼吸回路内でも異なり得る。いくつかの実施形態では、小径の管は、新生児患者及び小児患者で使用され得る一方、大径の管は、成人患者で使用され得る。修正された呼吸回路は、50ml~300mlの範囲内の1回換気量を有する患者の治療に適し得る。修正された呼吸回路は、300ml以上の1回換気量を有する患者の治療に適し得る。修正された呼吸回路は、50ml以下の1回換気量を有する患者の治療に適し得る。修正された呼吸回路は、小児又は青年期の患者の治療に適し得る。修正された呼吸回路は、成人患者の治療に適し得る。修正された呼吸回路は、新生児患者の治療に適し得る。
【0106】
修正された呼吸回路は、全体が参照により組み込まれる規格ISO 5367:2014(E)に従って試験され得る。成人患者カテゴリーでは、所期の送達量は、300ml以上である。小児カテゴリーでは、所期の送達量は、50ml~300mlである。新生児カテゴリーでは、所期の送達量は、50ml以下である。成人患者カテゴリーでは、流れ抵抗限界は、0.03hPa/l/min/m(cmH20/l/min/m)である。小児患者カテゴリーでは、流れ抵抗限界は、0.06hPa/l/min/m(cmH20/l/min/m)である。新生児患者カテゴリーでは、流れ抵抗限界は、0.37hPa/l/min/m(cmH20/l/min/m)である。成人患者カテゴリーでは、フロー時は、30L/minである。小児患者カテゴリーでは、フロー時は、15L/minである。新生児患者カテゴリーでは、フロー時は、2.5L/minである。表1を以下に再現する。以下の表は、所定の長さに切断されて供給される呼吸管の患者カテゴリー毎の1メートル当たりの流れ抵抗限界を記載し得る。
【0107】
【表2】
【0108】
修正された呼吸回路のいくつかの有利な構成では、吸気管103は、5mm~14.5mmの内径を有し得る一方、呼気管117は、15mm~22mmの公称内径を有し得る。修正された呼吸回路のいくつかの有利な構成では、吸気管103は、10mm~21mmの内径を有し得る一方、呼気管117は、22mm~30mmの公称内径を有し得る。いくつかの有利な構成では、吸気管103は、4mm~12mmの内径を有し得る一方、呼気管117は、13mm~18mmの公称内径を有し得る。修正された呼吸回路のいくつかの有利な構成では、吸気管103は、4mm~17mmの内径を有し得る一方、呼気管117は、10.5mm~20.5mmの公称内径を有し得る。修正された呼吸回路のいくつかの有利な構成では、吸気管103は、9.5mm~24mmの内径を有し得る一方、呼気管117は、19mm~31.5mmの公称内径を有し得る。修正された呼吸回路のいくつかの有利な構成では、吸気管103は、3mm~13mmの内径を有し得る一方、呼気管117は、9.5mm~19mmの公称内径を有し得る。
【0109】
修正された呼吸回路のいくつかの有利な構成では、吸気管103は、4mm~8mmの内径を有し得る一方、呼気管117は、11mm~15mmの公称内径を有し得る。修正された呼吸回路のいくつかの有利な構成では、吸気管103は、5mm~9mmの内径を有し得る一方、呼気管117は、18mm~22mmの公称内径を有し得る。いくつかの有利な構成では、吸気管103は、9mm~13mmの内径を有し得る一方、呼気管117は、27mm~31mmの公称内径を有し得る。修正された呼吸回路のいくつかの有利な構成では、吸気管103は、6mm~10mmの内径を有し得る一方、呼気管117は、10mm~14mmの公称内径を有し得る。修正された呼吸回路のいくつかの有利な構成では、吸気管103は、8.5mm~12.5mmの内径を有し得る一方、呼気管117は、16.5mm~20.5mmの公称内径を有し得る。修正された呼吸回路のいくつかの有利な構成では、吸気管103は、15mm~19mmの内径を有し得る一方、呼気管117は、24mm~28mmの公称内径を有し得る。
【0110】
吸気管103は、1mm~30mm、例えば1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm、21mm、22mm、23mm、24mm、25mm、26mm、27mm、28mm、29mm、30mm又は前述の値のいずれかを組み込む範囲、例えば6mm~14mm、6mm~13mm、6mm~12mm、6mm~11mm、7mm~10mm、8mm~9mm、10mm~20mm、11mm~20mm、11mm~19mm、11mm~18mm、11mm~17mm、11mm~16mm、11mm~15mm、12mm~15mm、13mm~14mm、5mm~11mm、6mm~10mm、6mm~8mm、9mm~10mm等の内径を有し得る。吸気管103は、これらの値のいずれかの間の任意の値の内径を有することも可能である。
【0111】
吸気管103は、0mm~2mm、1mm~3mm、2mm~4mm、3mm~5mm、4mm~6mm、5mm~7mm、6mm~8mm、7mm~9mm、8mm~10mm、9mm~11mm、10mm~12mm、11mm~13mm、12mm~14mm、13mm~15mm、14mm~16mm、15mm~17mm、16mm~18mm、17mm~19mm、18mm~20mm、19mm~21mm、20mm~22mm、21mm~23mm、22mm~24mm、23mm~25mm、24mm~26mm、25mm~27mm、26mm~28mm、27mm~29mm、28mm~30mm等の範囲内の内径を有し得る。吸気管103は、0mm~4mm、1mm~5mm、2mm~6mm、3mm~7mm、4mm~8mm、5mm~9mm、6mm~10mm、7mm~11mm、8mm~12mm、9mm~13mm、10mm~14mm、11mm~15mm、12mm~16mm、13mm~17mm、14mm~18mm、15mm~19mm、16mm~20mm、17mm~21mm、18mm~22mm、19mm~23mm、20mm~24mm、21mm~25mm、22mm~26mm、23mm~27mm、24mm~28mm、25mm~29mm、26mm~30mm等の範囲内の内径を有し得る。吸気管103は、0mm~6mm、1mm~7mm、2mm~8mm、3mm~9mm、4mm~10mm、5mm~11mm、6mm~12mm、7mm~13mm、8mm~14mm、9mm~15mm、10mm~16mm、11mm~17mm、12mm~18mm、13mm~19mm、14mm~20mm、15mm~21mm、16mm~22mm、17mm~23mm、18mm~24mm、19mm~25mm、20mm~26mm、21mm~27mm、22mm~28mm、23mm~29mm、24mm~30mm等の範囲内の内径を有し得る。吸気管103は、0mm~8mm、1mm~9mm、2mm~10mm、3mm~11mm、4mm~12mm、5mm~13mm、6mm~14mm、7mm~15mm、8mm~16mm、9mm~17mm、10mm~18mm、11mm~19mm、12mm~20mm、13mm~21mm、14mm~22mm、15mm~23mm、16mm~24mm、17mm~25mm、18mm~26mm、19mm~27mm、20mm~28mm、21mm~29mm、22mm~30mm等の範囲内の内径を有し得る。吸気管103は、これらの値のいずれかの間の任意の値の内径を有することも可能である。
【0112】
呼気管117は、1mm~40mm、例えば1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm、21mm、22mm、23mm、24mm、25mm、26mm、27mm、28mm、29mm、30mm、31mm、32mm、33mm、34mm、35mm、36mm、37mm、38mm、39mm、40mm又は前述の値のいずれかを組み込む範囲、例えば15.5mm~21mm、16mm~20mm、16mm~19mm、18mm~20mm、19mm~20mm、22mm~29mm、23mm~30mm、24mm~30mm、24mm~29mm、25mm~28mm、25.5mm~27mm、13mm~17mm、14mm~17mm、15mm~16.5mm、14mm~15mm等の公称内径を有し得る。呼気管117は、これらの値のいずれかの間の任意の値の内径を有することも可能である。
【0113】
呼気管117は、0mm~2mm、1mm~3mm、2mm~4mm、3mm~5mm、4mm~6mm、5mm~7mm、6mm~8mm、7mm~9mm、8mm~10mm、9mm~11mm、10mm~12mm、11mm~13mm、12mm~14mm、13mm~15mm、14mm~16mm、15mm~17mm、16mm~18mm、17mm~19mm、18mm~20mm、19mm~21mm、20mm~22mm、21mm~23mm、22mm~24mm、23mm~25mm、24mm~26mm、25mm~27mm、26mm~28mm、27mm~29mm、28mm~30mm、29mm~31mm、30mm~32mm、31mm~33mm、32mm~34mm、33mm~35mm、34mm~36mm、35mm~37mm、36mm~38mm、37mm~39mm、38mm~40mm等の範囲内の内側公称径を有し得る。呼気管117は、0mm~4mm、1mm~5mm、2mm~6mm、3mm~7mm、4mm~8mm、5mm~9mm、6mm~10mm、7mm~11mm、8mm~12mm、9mm~13mm、10mm~14mm、11mm~15mm、12mm~16mm、13mm~17mm、14mm~18mm、15mm~19mm、16mm~20mm、17mm~21mm、18mm~22mm、19mm~23mm、20mm~24mm、21mm~25mm、22mm~26mm、23mm~27mm、24mm~28mm、25mm~29mm、26mm~30mm、27mm~31mm、28mm~32mm、29mm~33mm、30mm~34mm、31mm~35mm、32mm~36mm、33mm~37mm、34mm~38mm、35mm~39mm、36mm~40mm等の範囲内の内側公称径を有し得る。呼気管117は、0mm~6mm、1mm~7mm、2mm~8mm、3mm~9mm、4mm~10mm、5mm~11mm、6mm~12mm、7mm~13mm、8mm~14mm、9mm~15mm、10mm~16mm、11mm~17mm、12mm~18mm、13mm~19mm、14mm~20mm、15mm~21mm、16mm~22mm、17mm~23mm、18mm~24mm、19mm~25mm、20mm~26mm、21mm~27mm、22mm~28mm、23mm~29mm、24mm~30mm、25mm~31mm、26mm~32mm、27mm~33mm、28mm~34mm、29mm~35mm、30mm~36mm、31mm~37mm、32mm~38mm、33mm~39mm、34mm~40mm等の範囲内の内側公称径を有し得る。呼気管117は、0mm~8mm、1mm~9mm、2mm~10mm、3mm~11mm、4mm~12mm、5mm~13mm、6mm~14mm、7mm~15mm、8mm~16mm、9mm~17mm、10mm~18mm、11mm~19mm、12mm~20mm、13mm~21mm、14mm~22mm、15mm~23mm、16mm~24mm、17mm~25mm、18mm~26mm、19mm~27mm、20mm~28mm、21mm~29mm、22mm~30mm、23mm~31mm、24mm~32mm、25mm~33mm、26mm~34mm、27mm~35mm、28mm~36mm、29mm~37mm、30mm~38mm、31mm~39mm、32mm~40mm等の範囲内の内側公称径を有し得る。呼気管117は、これらの値のいずれかの間の任意の値の内側公称径を有することも可能である。
【0114】
吸気管103の直径と呼気管117の直径との間の差は、0mm~20mm、例えば0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm、6.5mm、7mm、7.5mm、8mm、8.5mm、9mm、9.5mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm又は前述の値のいずれかを組み込む範囲、例えば0mm~2mm、1mm~3mm、2mm~4mm、3mm~5mm、4mm~6mm、5mm~7mm、6mm~8mm、7mm~9mm、8mm~10mm、9mm~11mm、10mm~12mm、11mm~13mm、12mm~14mm、13mm~15mm、14mm~16mm、15mm~17mm、16mm~18mm、17mm~19mm、18mm~20mm、0mm~4mm、1mm~5mm、2mm~6mm、3mm~7mm、4mm~8mm、5mm~9mm、6mm~10mm、7mm~11mm、8mm~12mm、9mm~13mm、10mm~14mm、11mm~15mm、12mm~16mm、13mm~17mm、14mm~18mm、15mm~19mm、16mm~20mm、0mm~6mm、1mm~7mm、2mm~8mm、3mm~9mm、4mm~10mm、5mm~11mm、6mm~12mm、7mm~13mm、8mm~14mm、9mm~15mm、10mm~16mm、11mm~17mm、12mm~18mm、13mm~19mm、14mm~20mm、0mm~8mm、1mm~9mm、2mm~10mm、3mm~11mm、4mm~12mm、5mm~13mm、6mm~14mm、7mm~15mm、8mm~16mm、9mm~17mm、10mm~18mm、11mm~19mm、12mm~20mm等であり得る。吸気管103の内径は、呼気管117の公称内径よりも小さくされ得る。差は、これらの値のいずれかの間の任意の値であることも可能である。
【0115】
本出願人によって明らかになった別の非限定的であるが、好ましい例として、RTFに基づくと、15mmの公称径を有する波形管は、11.7mmの平滑ボア管と実質的に同等となり得る。11.7mmの平滑ボアの吸気管103は、最大18.5mm又は20.1mmの呼気リム(それぞれヒータ線を有するか又は有しない)を相殺し得ることが明らかになった。しかしながら、本出願人は、驚くべきことに、波形の呼気管117で使用される最大径未満の14.5mmもなお、公称15mmの波形の吸気及び呼気回路と比較して、呼吸回路の全体的な圧縮容量の増加のない所望の技術的効果を可能にすることを発見した。
【0116】
更に、この好ましい例では、本明細書中に更に記載されるように、吸気リム及び/又は呼気リムの長さは、回路の全体的な圧縮容量を増加させることなく、従来技術又は典型的なリム長さと比較して更に増加させることができる。このような増加された長さは、このようなリムが、特にカンガルーケア又は患者が抱かれる他のケアを必要とする新生児患者及び小児患者に関して操作性の向上及び患者の可動性の向上を有するという点で更なる技術的利益を提供する。いくつかの実施形態では、吸気又は呼気導管は、以下で記載するように、約1.75mであり得る。本発明の一実施形態による平滑ボアの吸気管103は、約11.7mmの管径を有し得る。平滑ボアの吸気管103は、約1.75mの管長さを有し得る。平滑ボアの吸気管103は、約188,148mm/mのリム圧縮容量を有し得る。波形の呼気管117は、14.5mmの管径を有し得る。波形の呼気管117は、約1.75mの管長さを有し得る。波形の呼気管117は、約288,977mm/mのリム圧縮容量を有し得る。平滑ボアの吸気管103と波形の呼気管117との総圧縮容量は、約477,125mm/mである。同等の標準的な管は、直径15mm、長さ1.5mである。標準的な管は、小児患者のために典型的に設計された二重波形回路である。標準的な管では、吸気管は、15mmの管径及び1.5mの管長さを有し得る。標準的な吸気管は、265,072mmのリム圧縮容量を有し得る。標準的な管では、呼気管は、15mmの管径及び1.5mの管長さを有し得る。標準的な呼気管は、265,072mmのリム圧縮容量を有し得る。標準的な回路の吸気管と呼気管との総圧縮容量は、530,144mm/mである。当業者であれば理解されるように、標準的な回路と比較すると、この実施形態の改良された回路(すなわち11.7mmの平滑ボア吸気及び14.5の波形の呼気)は、15mmの波形吸気リムのISO規格の抵抗限界に達する前により大きい流れを可能にし(治療可能な患者の上限サイズを増加させる)、全体的な回路の圧縮容量は、15mmの波形のペアよりも小さい(1回換気量が少ない患者を治療することを可能にする)。更に、1.5mリムよりも長さが増加したことにより、患者及び介助者の操作性を上昇させ、可動性を向上させる。本明細書に開示される、特に通気性のあるリムの呼気リムの直径が大きくなると、滞留時間を増加させ、したがって周囲空気に(及び湿度で損傷するおそれのあるセンシティブなベンチレータ構成要素から)湿度をより多く抜くことを可能にする。
【0117】
いくつかの実施形態では、平滑ボアの吸気管103は、抵抗限界に達する前により大きい流れを可能にできる。いくつかの実施形態では、この結果により、治療可能な患者の上限サイズを増加させることができる。いくつかの実施形態では、平滑ボアの吸気管103は、15mmの波形の標準的な管と比較してより大きい流れを可能にできる。いくつかの実施形態では、全体的な回路の圧縮容量は、標準的な波形管のペアよりも小さい。いくつかの実施形態では、この結果により、平滑ボアの吸気管103及び波形の呼気管117で、1回換気量が少ない患者を治療することを可能にできる。いくつかの実施形態では、平滑ボアの吸気管103及び波形の呼気管117は、有利には、対応する標準的な回路と比較して、抵抗限界に達する前により大きい流れを可能にできる。いくつかの実施形態では、平滑ボアの吸気管103及び波形の呼気管117で、有利には、対応する標準的な回路と比較して、治療可能な患者の上限サイズを増加させることによってより広範囲の患者を治療することができる。いくつかの実施形態では、平滑ボアの吸気管103及び波形の呼気管117は、有利には、対応する標準的な回路と比較してより低い全体的な回路の圧縮容量を有し得る。いくつかの実施形態では、平滑ボアの吸気管103及び波形の呼気管117は、対応する標準的な回路と比較して、有利には、1回換気量が少ない患者を治療することができる。
【0118】
吸気管103は、1m~4m、例えば1.0m、1.05m、1.1m、1.15m、1.2m、1.25m、1.3m、1.35m、1.4m、1.45m、1.5m、1.55m、1.6m、1.65m、1.7m、1.75m、1.8m、1.85m、1.9m、1.95m、2.0m、2.05m、2.1m、2.15m、2.2m、2.25m、2.3m、2.35m、2.4m、2.45m、2.5m、2.55、2.6m、2.65m、2.7m、2.75m、2.8m、2.85m、2.9m、2.95m、3.0m、3.1m、3.15m、3.2m、3.25m、3.3m、3.35m、3.4m、3.45m、3.5m、3.55m、3.6m、3.65m、3.7m、3.75m、3.8m、3.85m、3.9m、3.95m、4.0m又は前述の値のいずれかを組み込む範囲の長さを有し得る。呼気管117は、1m~4m、例えば1.0m、1.05m、1.1m、1.15m、1.2m、1.25m、1.3m、1.35m、1.4m、1.45m、1.5m、1.55m、1.6m、1.65m、1.7m、1.75m、1.8m、1.85m、1.9m、1.95m、2.0m、2.05m、2.1m、2.15m、2.2m、2.25m、2.3m、2.35m、2.4m、2.45m、2.5m、2.55m、2.6m、2.65m、2.7m、2.75m、2.8m、2.85m、2.9m、2.95m、3.0m、3.1m、3.15m、3.2m、3.25m、3.3m、3.35m、3.4m、3.45m、3.5m、3.55m、3.6m、3.65m、3.7m、3.75m、3.8m、3.85m、3.9m、3.95m、4.0m又は前述の値のいずれかを組み込む範囲の長さを有し得る。当業者であれば、吸気又は呼気導管の全長は、ウォータトラップ、及び/又は1つ以上のセンサを有する中間コネクタ、及び/又はPCB、及び/又はコントローラなどの他の機器に適応させるために複数のセクションに分解され得ることを認識するであろう。長さは、これらの値のいずれかの間の任意の値であることも可能である。
【0119】
いくつかの実施形態では、より低いコンプライアンスにより、患者サイズの範囲を拡大することを可能にできる。いくつかの実施形態では、より低いコンプライアンスにより、許容可能な患者サイズの範囲内になおありながら、回路を長くすることを可能にできる。いくつかの実施形態では、吸気及び/又は呼気導管は、1.1~1.5mの長さの代わりに、例えば1.55m、1.6m、1.65m、1.7m、1.75m、1.8m、1.85m、1.9m、1.95m、2.0m、2.05m、2.1m、2.15m、2.2m、2.25m、2.3m、2.35m、2.4m、2.45m、2.5m、2.55m、2.6m、2.65m、2.7m、2.75m、2.8m、2.85m、2.9m、2.95m、3.0m、1.6m又はそれを超えるもの、1.5~2.0mm、好ましくは1.75m、好ましくは2.0m又は前述の値のいずれかを組み込む範囲まで長くすることができる。いくつかの実施形態では、より長い吸気及び/又は呼気導管は、特にカンガルーケア又は子供が抱かれる他のケアを必要とする新生児患者及び小児患者に関する患者の可動性において大きい利点となり得る。いくつかの実施形態では、吸気又は呼気導管は、4m未満であり得る。
【0120】
本明細書に記載されるように、試験では、患者に且つ患者から加湿ガスを搬送するための呼吸回路で使用される波形及び平滑ボアチューブの空気圧特性の差を調べた。試験では、10mm、15mm及び22mmの3つの標準的なチューブサイズについて、従来の波形の吸気リム及び波形の呼気リムを上回る、平滑ボアの吸気リムと波形の呼気リムとの組合せの空気圧的利点について調べた。いくつかの実施形態では、呼吸セットは、加熱され得る加湿ガスを送達することを目的とした、ウォータトラップなしの波形デュアルリム呼吸セットである。
【0121】
流れ抵抗の試験結果は、所与の公称径の波形管(10mm、15mm及び22mm)に関して、より小さい公称径の平滑ボア吸気管を使用して同じ流れ抵抗(RTF)値を維持し得ることを示した。いくつかの実施形態では、患者への且つ患者からの加湿ガスの温度を維持するためにヒータ線が呼吸回路内で使用され、波形吸気リムでは、典型的には、螺旋状に巻かれたヒータ線設計が使用される。空気経路内のヒータ線は、回路のRTFを増加させる。いくつかの実施形態では、平滑ボアの吸気管は、ヒータ線がRTFに影響を与えないように、空気経路の外側にある管の壁に内蔵されたヒータ線を有し得る。RTFの測定に関してこれを考慮することにより、同等の平滑ボア管のサイズは、更に減少する。
【0122】
本明細書に記載されるように、より小さい公称径の平滑ボア吸気管は、吸気リムの圧縮容量(コンプライアンス)の減少に直接関係する。この圧縮容量の減少により、同等の全体的な呼吸セットのコンプライアンス値を維持しながら、より大きい公称径の波形の呼気管を使用することを可能にできる。いくつかの実施形態では、より大きい呼気リム表面積の利点は、蒸気移動(通気性)が起こり得るより多くの領域が存在することが挙げられる。波形の吸気及び調査管を有する10mm、15mm及び22mmの所与の標準的な呼吸チューブサイズに関して、同等の平滑ボア吸気と波形の調査管との組合せが本明細書中に記載されている。試験では、3つの一般的な標準サイズの呼吸回路、例えば10mm、15mm及び22mmの呼吸セットについて調べた。
【0123】
効果的な呼吸補助を患者に送達するために、本明細書に記載されるような呼吸セットのいくつかの重要な空気圧特性が存在する。呼吸セットの空気コンプライアンスは、キット内の全ての構成要素の空気コンプライアンスの合計を含む。空気コンプライアンスは、呼吸セット内の圧力を所望のレベルまで上昇させるのに必要な容量の測定値と考えることができる。低い空気コンプライアンスの呼吸セットでは、所与の圧力変化に対して、高い空気コンプライアンスの呼吸セットよりも少ない容量の追加を要し得る。空気コンプライアンスは、患者へのベンチレータの波形送達に直接影響を及ぼし得る。いくつかの使用方法では、所与の患者集団を治療する場合、空気コンプライアンスを維持又は低減することが重要となり得る。呼吸管の空気コンプライアンスは、2つの主要構成要素、すなわち圧縮容量と管の剛性とに分けることができる。回路の内容積が大きいほど圧縮容量が大きくなる。内容積が大きくなると、圧力を上昇させるために圧縮することが必要な空気の量が多くなる。例えば、1つが10mmの内径、もう1つが20mmの内径を有する同じ長さの2つの鋼管では、内容積が大きいため、20mm管の圧縮容量が10mm管の圧縮容量よりも大きくなる。管壁が硬いほどコンプライアンスが低くなる。管が硬くなると伸縮が少なくなり、したがって所与の圧力に達するのに必要な空気量が少なくなる。例えば、同じ壁厚の、1つが鋼、もう1つがゴムである同じ長さ及び同じ内径の2つの管では、両方の管の圧縮容量は、同じである。しかしながら、ゴム管は、圧力が上昇すると拡張してその体積を増加させる可能性があり、容量のより大きい変化及びより高いコンプライアンスにつながる。
【0124】
流れ抵抗(RTF)は、管に所与の流量の空気を通過させるのにどの程度の圧力が必要であるかの測定値と考えることができる。流れ抵抗は、通常、cmHO/l/minとして表される。RTFに影響を及ぼす管の主な特性には、管径及び表面粗さが含まれる。いくつかの実施形態では、RTFを低減するためにより大きく平滑な管が有利である。流れ抵抗は、指定の吸気時間内に患者に送達することができる波形/呼吸の大きさを制限するため、呼吸回路にとって重要な空気的特性であり得る。
【0125】
公称径は、管の特性と考えることができる。公称径は、波形管の内径の差を組み込む手法である。公称径は、以下のように計算することができる。
【数1】
平滑ボア管では、公称径は、内径である。波形管では、公称径は、波形構造の高さ及びサイズを考慮に入れる。
【0126】
試験の1つの目的は、呼吸補助療法で典型的に利用される管サイズの範囲における波形のチューブの観点から、呼吸回路の空気圧特性に対する平滑ボアチューブの影響を調べることであった。本出願人は、コンプライアンス及び流れ抵抗が、考慮すべき重要な特性であることを発見した。様々な波形及び平滑ボア管に対するRTFデータを収集した。この流れ抵抗試験は、本明細書に記載されるような様々なトレンドラインをもたらした。波形管の所与の流量において、直径(又は公称径)に対して圧力をプロットすることにより作成したトレンドラインを用いて、同じRTF値を与える同等の平滑ボア管を特定した。この流れ抵抗の評価は、波形の標準的な管と平滑ボアの吸気管との間に同等のRTFを与えるものであった。同等の波形ボア管及び平滑ボア管に関するコンプライアンスを計算した。このコンプライアンス間の差を計算した。このコンプライアンス比較試験により、平滑ボア管によるコンプライアンスの増加を調べることが可能であった。新たな呼気リムのコンプライアンスは、元の波形のコンプライアンス値に、上記の計算から判明したコンプライアンス差を加えたものである。次いで、新たな最大呼気管径をこの新たな値から計算することができる。呼気リムのコンプライアンス及び管のサイズ決めにより、平滑ボアの吸気管を使用することによるコンプライアンスの差を波形の呼気管のコンプライアンスに付加することを可能にし、それにより呼気波形管の最大サイズを標準的な波形管に比べて増加させる。更に、試験は、全て1mの長さに切断した1つの管で行ったため、当業者であれば、本明細書で計算される最大値までのより大きい呼気直径を使用することができ(この値は、このタイプの呼吸回路における従来技術の呼気直径よりも大きい)、且つ/又は吸気管及び/若しくは呼気管が従来技術の呼吸回路長さよりも長くし得ることを理解するであろう。
【0127】
流れ抵抗試験中、各管に対してフロースイープを行い、1.2~70l/minの流量における流れ抵抗を決定した。試験は、様々な直径(又は公称径)を有する平滑ボア及び波形内部プロファイルの両方の、いくつかの異なる市販の、典型的な個々の管におけるRTFの差の理解をもたらした。場合により、試験は、ボア内にヒータ線が存在する状態で行われ、他の場合、試験は、ボア内にヒータ線が存在しない状態で行われた。管は、1mの公称長さに切断された。したがって、本明細書で表されるRTF値は、mm/mの単位である。結果は、波形ボア管サンプル及び平滑ボア管サンプルの両方の流れ抵抗曲線が類似することを示す。しかしながら、同様のサイズの公称径波形ボア管と平滑ボア管とを比較すると、平滑ボア管は、所与の流量に関してより低いRTF値を有することが分かる。
【0128】
波形ボア管の流れ抵抗値と平滑ボア管の流れ抵抗値との間の関係を分析して、所定の流量における波形管と同等のRTF値を生成する公称径の平滑ボア管を決定した。試験では、流量は、10mmの管で5l/minであった。流量は、15mmの管で15l/minであった。流量は、22mmの管で30l/minであった。
【0129】
平滑ボア管に変更する空気圧的利点を理解するために、同等の波形ボア管及び平滑ボア管のコンプライアンス値を比較することができる。呼吸リムのコンプライアンスは、圧縮容量と材料の剛性とで構成される。多くの異なる材料を考慮に入れることができる。本明細書に記載されるように、試験において、コンプライアンスの圧縮容量側面を比較した。圧縮容量は、チューブの内面積によって部分的に決定することができる。波形管では、公称径が使用され得る。圧縮容量は、波形の標準的な管及び平滑ボアの吸気管について計算することができる。これらの値の差も計算することができる。
【0130】
吸気リムと呼気リムとを含む所与の呼吸回路キットにおいて、より低い弾性の平滑ボアの吸気リムの利点は、呼気リムが使用できるキットの総コンプライアンスの割合が高くなることを意味する。呼気リムの新たな最大コンプライアンスは、圧縮容量差と標準的な波形の呼気リムのコンプライアンスとの合計であり得る。この計算から呼気リムの新たな最大公称径を決定することができる。
【0131】
加熱式加湿呼吸回路の目的は、チャンバから患者へのガスの湿度を維持することである。温度を維持するために及び管に沿って湿度が凝縮するのを低減するために、呼吸管内にヒータ線を取り付けることができる。いくつかの実施形態では、ヒータ線は、リムの長さに及ぶ螺旋状に巻かれたフィラメントである。ヒータ線は、流れを制限するため、RTFに影響し得る。いくつかの実施形態では、平滑ボア管は、壁内に内蔵ヒータ線を有し得る。内蔵ヒータ線は、ガス経路から取り除くことができ、したがってRTFを妨げない。
【0132】
同じ流れ抵抗値を維持するために、所与の公称径の波形管に対して、より小さい公称径の吸気平滑ボア管が使用され得る。更に、波形管の流れ抵抗測定で螺旋状のヒータ線が考慮される場合、同じ流れ抵抗値を維持するために、同等の平滑ボアの吸気管の公称径を更に小さくすることができる。より小さい公称径を有することの直接の結果として、平滑ボアの吸気管は、対応する標準的な波形管に比べて低い圧縮容量を有する。平滑ボアの吸気管は、呼吸セットの総コンプライアンスのより高い割合を呼気リムに割り当てることを可能にでき、それによってより大きい表面積を可能にする。
【0133】
患者の呼吸療法で使用するための回路キットは、様々な特徴を含み得る。回路キットは、呼吸回路を含む。呼吸回路は、ガス源から吸気ガス流を受け入れるための吸気管を含む。吸気管は、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む内壁とを含む。吸気管の内壁は、平滑である。呼吸回路は、患者から呼気ガス流を受け入れるための呼気管を含む。呼気管は、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む内壁とを含む。呼気管の内壁は、波形である。回路キットは、吸気管と呼気管とを結合するためのyピースを含み得る。回路キットは、ある量の水を保持し、且つ加湿器上に配置するためのチャンバを含み得る。回路キットは、ベンチレータから他のガス源に、加湿器入口に流れを搬送するためのドライラインを含み得る。回路キットは、呼吸ベンチレータなどのガス源及び/又は加湿器を含む呼吸装置システムで使用され得る。システムは、回路キット及び加湿器を含み得る。
【0134】
回路キットは、患者集団にある程度基づく寸法を有し得る。吸気管は、5~14.5mmの内径を有し得、且つ呼気管は、15~22mmの公称内径を有し得る。回路キットは、患者集団にある程度基づく寸法を有し得る。吸気管は、4~17mmの内径を有し得、且つ呼気管は、10.5~20.5mmの公称内径を有し得る。吸気管は、6mm~14mmの内径を有し得る。吸気管は、6mm~13mmの内径を有し得る。吸気管は、6mm~12mmの内径を有し得る。吸気管は、6mm~11mmの内径を有し得る。吸気管は、7mm~10mmの内径を有し得る。吸気管は、8mm~9mmの内径を有し得る。呼気管は、15.5mm~21mmの公称内径を有し得る。呼気管は、16mm~20mmの公称内径を有し得る。呼気管は、16mm~19mmの公称内径を有し得る。呼気管は、18mm~20mmの公称内径を有し得る。呼気管は、19mm~20mmの公称内径を有し得る。吸気管は、6mm~10mmの内径を有し得る。吸気管は、11mm~15mmの内径を有し得る。吸気管は、9mm~13mmの内径を有し得る。吸気管は、10mm~14mmの内径を有し得る。吸気管は、7mm~13mmの内径を有し得る。吸気管は、8mm~14mmの内径を有し得る。呼気管は、11mm~15mmの公称内径を有し得る。呼気管は、12mm~16mmの公称内径公称内径を有し得る。呼気管は、14mm~18mmの公称内径公称内径を有し得る。呼気管は、16mm~20mmの公称内径公称内径を有し得る。呼気管は、13mm~19mmの公称内径公称内径を有し得る。呼気管は、14mm~20mmの公称内径公称内径を有し得る。
【0135】
吸気管の内径と呼気管の公称径との間の差は、1mm~14mmであり得る。吸気管の内径は、呼気管の公称径よりも1mm~14mmの値だけ小さいことができる。回路キットは、50ml~300mlの範囲内の1回換気量を有する患者の治療に適し得る。回路キットは、小児患者及び青年患者の治療に適し得る。
【0136】
回路キットは、患者集団にある程度基づく寸法を有し得る。吸気管は、10~21mmの内径を有し得る。呼気管は、22~30mmの公称内径を有し得る。吸気管は、9.5~24mmの内径を有し得る。呼気管は、19~31.5mmの公称内径を有し得る。吸気管は、10mm~20mmの内径を有し得る。吸気管は、11mm~20mmの内径を有し得る。吸気管は、11mm~19mmの内径を有し得る。吸気管は、11mm~18mmの内径を有し得る。吸気管は、11mm~17mmの内径を有し得る。吸気管は、11mm~16mmの内径を有し得る。吸気管は、11mm~15mmの内径を有し得る。吸気管は、12mm~15mmの内径を有し得る。吸気管は、13mm~14mmの内径を有し得る。呼気管は、22mm~29mmの公称内径を有し得る。呼気管は、23mm~30mmの公称内径を有し得る。呼気管は、24mm~30mmの公称内径を有し得る。呼気管は、24mm~29mmの公称内径を有し得る。呼気管は、25mm~28mmの公称内径を有し得る。呼気管は、25.5mm~27mmの公称内径を有し得る。吸気管は、11mm~15mmの内径を有し得る。吸気管は、12mm~16mmの内径を有し得る。吸気管は、18mm~22mmの内径を有し得る。吸気管は、19mm~23mmの内径を有し得る。吸気管は、10mm~16mmの内径を有し得る。吸気管は、17mm~23mmの内径を有し得る。呼気管は、25mm~29mmの公称内径を有し得る。呼気管は、26mm~30mmの公称内径を有し得る。呼気管は、20mm~24mmの公称内径を有し得る。呼気管は、21mm~25mmの公称内径を有し得る。呼気管は、24mm~30mmの公称内径を有し得る。呼気管は、20mm~26mmの公称内径を有し得る。吸気管の内径と呼気管の公称径との間の差は、1mm~20mmであり得る。吸気管の内径は、呼気管の公称径よりも1mm~20mmの値だけ小さいことができる。回路キットは、300ml超の1回換気量を有する患者の治療に適し得る。回路キットは、成人患者の治療に適し得る。
【0137】
回路キットは、患者集団にある程度基づく寸法を有し得る。吸気管は、4~12mmの内径を有し得る。呼気管は、13~18mmの公称内径を有し得る。吸気管は、3~13mmの内径を有し得、且つ呼気管は、9.5~19mmの公称内径を有し得る。吸気管は、5mm~11mmの内径を有し得る。吸気管は、6mm~10mmの内径を有し得る。吸気管は、6mm~8mmの内径を有し得る。吸気管は、9mm~10mmの内径を有し得る。呼気管は、13mm~17mmの公称内径を有し得る。呼気管は、14mm~17mmの公称内径を有し得る。呼気管は、15mm~16.5mmの公称内径を有し得る。呼気管は、14mm~15mmの公称内径を有し得る。吸気管は、5mm~9mmの内径を有し得る。吸気管は、6mm~10mmの内径を有し得る。吸気管は、7mm~11mmの内径を有し得る。吸気管は、8mm~12mmの内径を有し得る。吸気管は、4mm~11mmの内径を有し得る。吸気管は、6mm~12mmの内径を有し得る。呼気管は、13mm~17mmの公称内径を有し得る。呼気管は、12mm~16mmの公称内径を有し得る。呼気管は、11mm~15mmの公称内径を有し得る。呼気管は、14mm~18mmの公称内径を有し得る。呼気管は、12mm~18mmの公称内径を有し得る。呼気管は、10mm~16mmの公称内径を有し得る。吸気管の内径と呼気管の公称径との間の差は、1mm~14mmであり得る。吸気管の内径は、呼気管の公称径よりも1mm~14mmの値だけ小さいことができる。回路キットは、50ml以下の1回換気量を有する患者の治療に適し得る。回路キットは、新生児患者の治療に適し得る。
【0138】
吸気管又は呼気管は、更なる特徴を有し得る。吸気管又は呼気管は、1.5m~2.5mの長さを有し得る。吸気管又は呼気管は、1.6m~2.5mの長さを有し得る。吸気又は呼気管のその全長は、ウォータトラップ、及び/又は1つ以上のセンサを有する中間コネクタ、及び/又はPCB、及び/又はコントローラなどの他の機器に適応させるために複数のセクションに分解され得る。吸気管は、加熱要素を吸気中心ボア内において取り囲むことができるか、又は内壁内に封入することができる。呼気管は、加熱要素を含み得る。呼気管は、通気性があり得る。呼気管の内壁は、水蒸気に対して透過性であり得、且つ呼気管内を流れる液体及び呼気ガスのバルク流に対して実質的に不透過性であり得る。吸気管は、長手方向断面において、吸気中心ボアの壁の少なくとも一部を形成する平らな表面をそれぞれ有する複数のバブルを含み得る。システムは、回路キット及び加湿器を含み得る。
【0139】
図1Aは、本明細書中に記載される図1に類似し得る呼吸回路100を示す。このような呼吸回路100は、呼吸器加湿回路であり得る。呼吸回路100は、1つ以上の医療用管を含む。呼吸回路100は、吸気管103及び呼気管117を含み得る。
【0140】
ガスは、図1Aの回路100内で搬送され得る。周囲ガスは、ガス源105から加湿器107に流れる。加湿器107は、ガスを加湿することができる。ガス源105は、ベンチレータ、送風機若しくはファン、圧縮ガスを収容するタンク、医療施設内の壁面供給部又は任意の他の適切な呼吸ガス源であり得る。
【0141】
加湿器107は、吸気管103の入口109(加湿ガスを受け入れるための端部)にポート111を介して接続されており、それにより加湿ガスを吸気管103に供給する。ガスは、吸気管103を通って吸気管103の出口113(加湿ガスを排出するための端部)に流れ、その後、出口113に接続された患者インターフェース115を介して患者101に流れる。呼気管117は、患者インターフェース115に接続されている。呼気管117は、患者インターフェース115から呼出された加湿ガスをガス源105又は周囲雰囲気に戻す。
【0142】
ガスは、通気口119を通ってガス源105に入ることができる。ファン121の送風機は、通気口119を通して空気又は他のガスを引き込むことにより、ガス源105にガスを流入させることができる。送風機又はファン121は、可変速の送風機又はファンであり得る。電子コントローラ123は、送風機又はファンの速度を制御することができる。特に、電子コントローラ123の機能は、電子マスターコントローラ125により制御され得る。機能は、マスターコントローラ125からの入力と、ダイヤル又は他の適切な入力デバイス127を介した圧力又は送風機若しくはファンの速度のユーザ設定の所定要求値(プリセット値)とに応答して制御され得る。
【0143】
加湿器107は、加湿チャンバ129を含む。加湿器チャンバ129は、ある量の水130又は他の適切な加湿液体を含むように構成され得る。加湿チャンバ129は、加湿器107から取り外し可能であり得る。取り外し可能であることにより、使用後に加湿チャンバ129をより容易に滅菌又は廃棄することが可能である。加湿器107の加湿チャンバ129部分は、一体構造であり得るか、又は接合されて加湿チャンバを画定する複数の構成要素で形成され得る。加湿チャンバ129の本体は、非伝導性のガラス又はプラスチック材料から形成され得る。加湿チャンバ129は、伝導性の構成要素を含むこともできる。例えば、加湿チャンバ129は、加湿チャンバ129が加湿器107上に取り付けられると、加湿器107上のヒータプレート131と接触するか又は対応付けられるように構成された高熱伝導ベース(アルミニウムベース)を含み得る。
【0144】
加湿器107は、電子制御部を含み得る。加湿器107は、電子、アナログ又はデジタルマスターコントローラ125を含み得る。マスターコントローラ125は、関連するメモリに記憶されたコンピュータソフトウェアコマンドを実行するマイクロプロセッサベースのコントローラであり得る。マスターコントローラ125は、ユーザ入力デバイス133を介して入力されたユーザ設定の湿度又は温度値及び他の入力に応答して、加湿チャンバ129内のある量の水130を加熱するためにヒータプレート131にいつ(又はどのレベルまで)通電するかを決定する。
【0145】
上述のように、患者インターフェース115に任意の適切な患者インターフェースを使用することができる。温度プローブ135は、患者インターフェース115の付近で吸気管103に接続することができるか、又は温度プローブ135は、患者インターフェース115に接続することができる。温度プローブ135は、吸気管103に組み込むことができる。温度プローブ135は、患者インターフェース115の付近の又は患者インターフェース115の温度を検出する。温度を反映した信号は、温度プローブ135により、電子、アナログ又はデジタルマスターコントローラ125に提供され得る。加熱要素(図示せず)を使用して、患者インターフェース115の温度を、飽和温度を超えて上昇させるように患者インターフェース115の温度を調整し、それにより不要な凝縮物の機会を減少させることができる。また、加熱要素145を使用して、吸気管103の温度を、飽和温度を超えて上昇させるように吸気管103の温度を調整し、それにより不要な凝縮物の機会を減少させることができる。
【0146】
図1Aでは、呼出された加湿ガスは、患者インターフェース115から呼気管117を通ってガス源105に戻される。呼気管117は、以下でより詳細に説明するように、蒸気透過性材料を含み得る。蒸気透過性呼気管は、波形であり得る。
【0147】
呼気管117は、凝縮物がガス源105に到達する機会を減少させるために、吸気管103に関して上述したように、温度プローブ及び/又は加熱要素を有することができる。呼気管117は、呼気ガスをガス源105に戻す必要がない。呼出された加湿ガスは、周囲の環境に直接又はエアスクラバ/フィルタ(図示せず)などの他の補助機器に流れることができる。
【0148】
図1Aでは、吸気管103は、平滑ボアを有する導管を包含するか又は含む。平滑ボアにより、吸気管103は、波形ボアを有する、同等の寸法を有する導管よりも低いRTFを有することになる。平滑ボアは、流れ抵抗を減少させるため、ボア(すなわち直径又は断面積)を低減することができ、同様の流れ抵抗を有する波形管と比較した場合、より低い圧縮容量をもたらす。吸気導管は、複合導管であり得る。複合導管は、一般に、2つ以上の異なる部分又はより具体的には接合されて導管を画定する2つ以上の構成要素を含む導管と定義され得る。複合導管は、螺旋状に巻かれ得る。複合導管は、2つ以上の構成要素が螺旋状に絡み合わされるか又は螺旋状構成に隣り合わせで結合されるような手法で螺旋状に巻かれ得る。
【0149】
呼気管117は、少なくとも、蒸気透過性の部分を有する導管を包含するか又は含む。蒸気透過性は、湿度の除去を促進する。少なくとも、呼気管117の蒸気透過性の部分は、波形であり得る。波形構造は、管の内側にあり得る。波形構造は、管の内部表面積を増加させる。蒸気透過性材料を通して拡散させることができる蒸気の量は、蒸気と直接接触する材料の表面積に相関する。波形構造は、呼気管内のガスの乱流も増加させる。乱流が多くなることは、ガスのより良好な混合を意味し、それにより水蒸気を呼気管117の外壁に移動させる。乱流が多くなると、呼気管の波形構造内における局所滞留時間を増加させることができ、これを蒸気透過性特性と併せると、湿度の除去が更に向上する。波形構造内における滞留時間の増加はまた、各波形構造の「ポケット」内で渦を巻くガスの温度を同等のサイズの平滑ボア管のものに対して低下させ、これらのガスの相対湿度を同等のサイズの平滑ボア管のものに対して増加させる。相対湿度の増加は、呼気管117の壁を横切る蒸気圧の勾配を同等のサイズの平滑ボア管のものに対して増加させ、更に波形の呼気管の壁を通した蒸気拡散を同等のサイズの平滑ボア管のものに対して増加させる。
【0150】
蒸気透過性の波形導管は、少なくとも部分的に、水蒸気に対して透過性であり、且つ液体の水及びガスのバルク流に対して実質的に不透過性である発泡又は非発泡ポリマーから形成され得る。呼気管117は、呼気管117内の空間を画定する壁を含み得る。壁の少なくとも一部は、水蒸気の透過を可能にするが、液体の水及びガスのバルク流の透過は、実質的に阻止するように構成された蒸気透過性の発泡材料で形成され得る。壁の少なくとも一部は、水蒸気に対して透過性であり、且つ液体の水及びガスのバルク流に対して実質的に不透過性である非発泡押出固体材料で形成され得る。
【0151】
蒸気透過性呼気管117は、非発泡体ベースの材料から形成され得る。非発泡体ベースの材料は、螺旋的に巻き付けられた蒸気透過性テープを含み得るか、又は非発泡体ベースの材料は、連続管内に押し出され得る。呼気管117の波形構造は、非発泡体ベースの材料を用いて実現することができる。非発泡体ベースの材料は、波形の内部表面を形成するために交互のパターンで配置された様々な直径のビードを含み得る。代わりに、波形構造は、成形又はスタンピングなどの当技術分野で周知の方法によって管内に作成され得る。
【0152】
吸気管103は、平滑ボア導管を含む。平滑ボア導管は、凝縮物の生成を最小化し、湿度の送達を最大化するために加熱及び断熱され得る。吸気管内の凝縮物形成の減少により、加湿ガス中のより多くの蒸気が患者に送達されることを可能にする。内部ボア直径、内部ボアの平滑度、管の断熱レベル、管103に関連する加熱要素145(ワイヤ又は要素など)の存在及び管103内における加熱要素の位置(加熱要素が管103の内部ボア内に位置しているか、又は管103の壁内に位置しているか)を含むいくつかの要因が吸気管103内の凝縮物生成に影響する。具体的には、吸気管103の内部ボア直径を減少させると、ガスが吸気管103内を移動する際のガスの速度が増加する。ボアの平滑度を増加させると、乱流が減少し、内腔にわたってより放物線状の波面を生成する。したがって、内部ボア直径を減少させ、内部ボアを平滑にすると、管の中心付近に位置する高速のガスは、管壁付近に位置する低速のガスにより少ない熱を伝達することになる。平滑ボア管はまた、波形管のように、蒸気が捕捉されたり凝縮物が溜まったりする可能性のあるポケットを提供しない。したがって、ガスによって運ばれる蒸気は、管を出るように促され、したがって患者に送達される。
【0153】
管の断熱の程度を増加させると、吸気管103の壁における熱損失が減少し、湿度送達が最大化し、凝縮物形成を最小化する。また、吸気管103により多くの断熱を付加することで、加熱要素が目標温度及び湿度を維持するために機能しなければならない程度が減少することにより、呼吸回路100がより効率的になる。なぜなら、断熱された管は、ガスが管内を移動する際にガスの温度及び絶対湿度をより良好に維持するからである。
【0154】
吸気管103に加熱要素を付加することも加湿を最大化し、凝縮物を減少させる。1つ以上の加熱要素を吸気管103の壁内に配置すると、加湿が最大化し、凝縮物形成が最小化し、吸気管103、呼吸回路100又は加湿システムの効率に寄与する。加熱要素は、吸気管103の壁内に位置する場合、壁を加熱するものの、ガスを直接加熱しない。壁を加熱すると、壁付近のガスの相対湿度が低下する(ガスを加熱すると温度が上昇し、相対湿度が低下する)。吸気管103(以下でより詳細に説明する)の断熱「バブル」(別の箇所で定義する)の内壁の内腔側に加熱要素145を配置すると、吸気管103の壁を介した外側への熱損失を更に低減することができ、これにより更に加湿を最大化し、凝縮物の生成を最小化する。
【0155】
呼気管117は、凝縮物形成を最小化し、波形構造内における局所滞留時間を増加させながら、蒸気除去を最大化するために波形導管を含み得る。呼気管117は、凝縮物形成を最小化しながら蒸気除去を最大化するために蒸気透過性導管を含み得る。呼気管117は、凝縮物形成を最小化し、波形構造内における局所滞留時間を増加させながら、蒸気除去を最大化するために、波形の、蒸気透過性の且つ/又は加熱される導管を含み得る。呼気管117内の凝縮物形成が減少すると、より多くの蒸気が呼気管117の壁を横切って拡散することが可能になる。加熱要素155の存在により、ガスの相対湿度を100%未満に維持することができる(すなわちガスの温度を露点飽和温度より上に維持する)。加熱要素155を呼気管117の壁付近又は壁内に配置することで、加熱要素155に呼気管117の壁付近のガスを主に加熱させる。呼気管117の壁付近のガスの温度を露点よりも上に保つことで凝縮物形成を回避又は制限する。吸気管103及び呼気管117については、本明細書の別の箇所で更に詳細に説明する。
【0156】
より小径の平滑ボア導管を有する吸気管103を、波形導管を有する呼気管117と併せて組み込むことで、システム全体の圧縮容量を維持しながら、呼気管117は、直径を、さもなければ可能であったものに比べて大きくすること及び/又は長くすることが可能になることが認識された。追加的に又は代替的に、小径の平滑ボアの吸気管103と大径の波形の呼気管117とを組み合わせると、全体的な圧力損失を維持することができる。追加的に又は代替的に、小径の平滑ボアの吸気管103と大径の波形の呼気管117とを組み合わせると、呼吸回路100の流れ抵抗(RTF)を望ましいレベルに維持することができる。通常、導管の長さを増加させると、導管の圧縮容量、したがって全体的な呼吸回路の圧縮容量を不必要に増大させる。通常、導管の長さを増加させると、導管のRTFを不必要に増大させ、したがって全体的な呼吸回路のRTFを増大させる。一方、導管が蒸気透過性である場合、長さの増加は、有利には、呼気ガスから蒸気を除去する導管の能力を向上させる。小径の平滑ボアを有する吸気管103と、波形の蒸気透過性の大きいボアの導管を有する呼気管117とを組み合わせることで、システム全体の圧縮容量、圧力損失及び/又はRTFを増大させることなく、呼吸回路から水蒸気を除去する呼気管117の能力が向上することが明らかになった。
【0157】
更に、平滑ボア導管を有する吸気管103を、波形導管を有する呼気管117と併せて組み込むことで、加湿器107が湿度性能を向上させることを可能にし、完全飽和ガス付近で運転しながら患者に治療的利益を提供し、液体がガス源105を損傷するか又は凝縮物が患者に排出されて戻るリスクが付加されないことが認識された。
【0158】
平滑ボアの、螺旋状に巻かれた導管を有する吸気管103は、波形の蒸気透過性導管を有する呼気管117と対にすることができる。上述のように、吸気管103の平滑ボアは、同様のサイズの波形ボアよりも低いRTFを有する。吸気管103の平滑ボアは、波形導管よりも小さい内径も有し得る。通常、内径を減少させると、圧縮容量を低減させ、吸気管のRTFを不必要に増大させる。それにもかかわらず、平滑ボア特性は、吸気管103の平滑ボアに付随するRTFの減少が、吸気管103のより小さい内径から生じるRTFの増加を上回るように選択され得る。このより小さい径の吸気管103の選択は、吸気管103の圧縮容量も低減させる。したがって、この選択により、全体的なシステムの圧力損失及び/又は圧縮容量を増大させることなく、平滑ボアの吸気管103と対になった波形の呼気管117がより長くなることを可能にする。呼気管117の長さを増加させると、通常、管のRTF及び圧縮容量を不必要に増大させる。しかしながら、長さを増加させると、呼気ガスから蒸気を除去する蒸気透過性の管の能力も向上する。この構成では、平滑ボアの吸気管103を波形の呼気管117と対にすることで呼気管117の性能を向上させる。ベンチレータ出口からベンチレータ入口までに存在し得る呼吸回路のシステムの圧力損失は、回路内の各要素の圧力特性(RTF)により影響を受ける可能性がある。図1Aを再び参照すると、ベンチレータから加湿器、加湿器チャンバ、インターフェース管及びインターフェース本体への供給管の圧力特性が一定であると仮定すると、システムの圧力損失に寄与する主な要因は、吸気管103及び呼気管117の流れ抵抗及び寸法(長さ及び直径)である。これらの要因の1つに対するいかなる変化も、システムの圧力損失、RTF及び/又は圧縮容量の増大を回避するために、有利には、他の要因と釣り合うべきである。本明細書に記載されるように、圧縮容量に寄与する主な要因は、吸気管103及び呼気管117の管プロファイル、伸展性及び寸法(長さ及び直径又は断面積)である。呼吸回路の圧縮容量を維持しながら吸気管103の圧縮容量を減少させることと、呼気管117の圧縮容量を増加させることとの間にトレードオフが存在し得る。本明細書に記載されるように、呼気管117の圧縮容量を増加させることは、呼気リムの蒸気透過性において有利である。
【0159】
吸気管103の平滑ボアは、流れ抵抗を(波形の吸気管と比較して)減少させ、全体的なシステムの圧力損失を減少させることができる。これにより、他の3つの要因(波形の呼気管117の流れ抵抗又はいずれかの管の寸法)のいずれか又は全てを、システムの圧力損失を増加させるように変更することが可能になる。吸気管103の内径は、望ましくは、同等の波形の吸気管よりも小さくすることができ、これにより吸気管103内を流れるガスの速度を増加させる。しかしながら、より小さい径は、いくらかの流れ抵抗も再び付加する。より小さい径に起因するRTF増加が、平滑ボアの使用に起因するRTFの減少よりも十分に小さい限り、システムの圧力損失を増加させることなく波形の呼気管117の長さを増加させることができる。呼気管117の長さを増加させると、呼気管117の管壁の表面積を増加させる。蒸気透過性材料を通して拡散させることができる蒸気の量は、材料の表面積に相関する。呼気管117の長さを増加させると、呼気管117の壁の表面積を増加させ、呼気管117内のガスの滞留時間も増加させる。透過性材料を通して拡散させることができる蒸気の量は、蒸気を搬送するガスが材料と接触している時間の長さにも相関する。
【0160】
呼吸回路の圧縮容量(ガス流路全体の累積量)も同様に釣り合わせることができる。例えば、吸気管103の寸法(断面積又は直径、長さ)の変化は、波形の呼気管117の寸法(断面積又は直径、長さ)の変化を相殺することができる。本明細書に記載されるように、吸気管103の直径の減少は、圧縮容量を減少させることができる。この圧縮容量の減少は、送達1回換気量の精度を向上させることができる。本明細書に記載されるように、吸気管103の直径の減少は、直径の増加及び/又は呼気管117の長さの増加を相殺することができる。本明細書に記載されるように、呼気管117の寸法の変化は、呼気管117の蒸気透過性を増加させることなどにより、呼気管117の機能を促進することができる。管寸法の変更は、システムの圧力損失及びシステムの圧縮容量の両方に影響するため、変更を行う場合、両方の式は、有利には、釣り合うか又は同時に選択されるべきである。吸気管103の直径を減少させると、管内の平均ガス速度を増加させる一方、流れ抵抗を増加させ得るとともに圧縮容量を減少させ得る。波形の呼気管117の長さを追加すると、流れ抵抗を増加させるとともに圧縮容量を増加させる。表1(上記)は、これらの2つのシステムの指標に対する種々の特徴の影響をまとめたものである。
【0161】
波形の呼気管117と平滑ボアの吸気管103とを対にすることで、吸気管103の性能をより高くすることができる。大径の呼気管117と小さいボアの吸気管103とを対にすると、圧縮容量に関して正味中立であり得るが、呼吸回路の機能性を高めることができる(例えば、呼気管117の蒸気拡散を増加させる)。この構成では、平滑ボアの吸気管103は、凝縮物生成を最小化し、したがって湿度送達が最大化する。全体的な圧縮容量は、吸気管103及び呼気管117の直径及び長さなどの寸法の変化によって減少させることができる。いくつかの構成では、吸気管103は、断熱されており、これは、加湿器107及び/又はヒータプレート131などの加熱要素を、患者101に送達される湿度の生成においてより効率的にするのに役立つ。ヒータプレート131は、加湿チャンバポート111で高い目標温度を生成する必要がないため、それほど機能する必要がない。これは、加熱及び断熱された吸気管103が、加湿チャンバポート111から吸気管103を通って流れるガスの絶対湿度をより良好に維持するからである。
【0162】
吸気管103の壁内にヒータ線145を配置することも、吸気管103がガスの相対湿度を維持する効率を高める。ヒータ線は、吸気管103の内腔内を流れるガスではなく、吸気管103の壁を加熱することができ、これにより吸気管103の壁付近のガスの相対湿度を低下させる。吸気管103が螺旋状に巻かれた中空体、すなわち「バブル」管(以下でより詳細に説明する)を有する複合導管を含む場合、ヒータ線145は、断熱バブルの下(内壁の内腔側)にあり、これにより吸気管103の壁を介した外側への熱損失を低減する。
【0163】
平滑ボアの吸気管103は、層流ガスの流れを促進し、吸気管103の内腔にわたり、内腔の中心に近いガスが吸気管103の壁に近いガスに比べて高い速度を有するより放物線状の波面を生成する。この構成では、高い速度のガスが、入口109から出口113への通過中、隣接する低い速度のガスに熱を伝達する時間が少ない。ヒータ線によって発生する熱の内向き方向と併せて、この構成は、ガス流によって保持される熱を更に増加させるのに役立つ。
【0164】
平滑ボアの吸気管103はまた、波形管のように、蒸気が捕捉されたり凝縮物が溜まったりする可能性のあるポケットを提供しない。したがって、ガスによって運ばれる蒸気は、蒸気相に留まり、吸気管103を出て、したがって患者101に送達されるように促される。
【0165】
波形の呼気管117は、蒸気除去を最大化し、凝縮物形成を最小化する。呼気管117は、呼気管117の壁を介した外部大気への蒸気の拡散を促進する蒸気透過性であり得る。いくつかの構成では、呼気管117は、蒸気透過性であり、且つ加熱され、管に沿った加熱の制御は、呼気管117の壁を介した外部大気への蒸気の拡散を促進する。外部大気に移動した蒸気は、ガス源105に送達されない。波形の呼気管117は、呼気管117の壁に隣接するガス流の部分に乱流を生じさせ、波形構造内の壁に隣接するガスの滞留時間を増加させる。滞留時間の増加は、呼気管117の壁を介した蒸気拡散の機会を増加させる。滞留時間の増加はまた、各波形構造の「ポケット」内で渦を巻くガスの温度を低下させ、これらのガスの相対湿度を増加させる。相対湿度の増加は、呼気管117の壁を横切る蒸気圧の勾配を増加させ、更に壁を介した蒸気拡散を増加させる。
【0166】
以下に記載されるように、呼気管117は、呼気管117の内腔の中心付近に巻き付けられたヒータ線155を含み得る。このように配置されたヒータ線は、凝縮物形成を最小化しつつ、ガス流の乱流を付加する。乱流が多くなることは、ガスのより良好な混合を意味し、それにより水蒸気を呼気管117の外壁に移動させる。波形の呼気管117は、蒸気から凝縮するあらゆる液体を集めるという利点を有する波形構造の「ポケット」も提供する。波形構造内に溜まった液体は、ガス源105に送達されない液体である。他の構成では、ヒータ線は、呼気管の壁内に配置され得る。呼気管117内のヒータ線155の存在は、呼気管内の凝縮物形成も最小化する。
【0167】
平滑ボアの吸気管103と波形の呼気管117とを組み合わせることで、加湿器107が湿度性能を向上させることを可能にする。侵襲的換気及び非侵襲的換気の両方において、患者及びバイアス流からの寄与がある。両方において、呼気管117は、ガス源105に戻される湿度の量を減少させるように機能し得る。呼気管117の機能は、ガス源105に戻される湿度の量を十分に減少させるようなものであり得る。
【0168】
呼気管の機能は、加湿器107及び吸気管103がより高いレベルの湿度を患者101に送達することを可能にできる。呼気管117がガス源105に戻される湿度の量を十分に減少させることができない場合、より高いレベルの湿度を患者101に送達する加湿器107及び吸気管103の能力は、低減又は抑制される必要があるであろう。なぜなら、その余分な湿度のいくらかは、呼気管117を通してガス源105に運ばれるからである。
【0169】
吸気管103及び呼気管117について、以下で更に詳細に説明する。
【0170】
吸気管
図2Aは、吸気管の導管201の1つのセクションの側面平面図を示す。概して、導管201は、第1の長尺状部材203及び第2の長尺状部材205を含む。部材は、広義な用語であり、当業者に対してその通常の慣用的な意味を与えるべきであり(すなわち特別な又は特化した意味に限定されるものではない)、一体部分、一体構成要素及び別個の構成要素を含むが、これらに限定されない。第1の長尺状部材203は、「バブル」プロファイルを有するが、第2の長尺状部材205は、中空体に構造的支持を付加する構造支持部材又は補強部材である。本明細書で使用する場合、「バブル」へのあらゆる言及は、中空空間を内部に有する壁によって画定される形状を断面に有する長尺状中空体を意味する。図2Bを参照すると、このような形状は、楕円形又は「D」字形を含み得る。このような形状は、「O」字形並びに対称及び非対称の他の規則的な形状及び不規則的な形状を含み得るが、これらに限定されない。本明細書では、用語「バブル」は、例えば、図2Bに示すように、ワインド又は巻きの横断面で取った、第1の長尺状部材203の長尺状ワインド又は巻きの断面形状を意味し得る。中空体及び構造支持部材は、本明細書に記載されるような螺旋状の構成を有し得る。導管201は、上述のような吸気管103、以下に記載されるような同軸管又は本開示の別の箇所に記載されるような任意の他の管を形成するために使用され得る。
【0171】
第1の長尺状部材203は、中空体を含むことができ、中空体は、螺旋状に巻かれて、少なくとも部分的に、長手方向軸線LA-LAを有する長尺状管と、長手方向軸線LA-LAに沿って延びる内腔207とを形成する。第1の長尺状部材203の部分211は、内腔207の内壁の少なくとも一部を形成する。第1の長尺状部材203は、管であり得る。好ましくは、第1の長尺状部材203は、可撓性である。可撓性とは、曲がる能力を意味する。更に、第1の長尺状部材203は、好ましくは、透明又は少なくとも半透明若しくは半不透明である。ある程度の光透過性は、介護者又は使用者が内腔207の閉塞物若しくは汚染物を検査すること又は水分(すなわち凝縮物)の存在を確認することを可能にする。第1の長尺状部材203の本体には、医療用プラスチックを含む様々なプラスチックが適している。適切な材料としては、ポリオレフィンエラストマー、ポリエーテルブロックアミド、熱可塑性コポリエステルエラストマー、EPDM-ポリプロピレン混合物及び熱可塑性ポリウレタンが挙げられる。
【0172】
第1の長尺状部材203の中空体構造は、導管201の断熱性に寄与する。断熱性のある導管は、上で説明したように、熱損失を防止するために望ましい。これにより、最小限のエネルギー消費量でガスの調整された状態を維持しながら、導管201が加湿器107から患者101にガスを送達することを可能にできる。
【0173】
第2の長尺状部材205も螺旋状に巻かれ、第1の長尺状部材203の隣接する巻き間で第1の長尺状部材203に接合されている。第2の長尺状部材205は、長尺状管の内腔207の少なくとも一部分を形成する。第2の長尺状部材205は、第1の長尺状部材203の構造的支持体として機能する。第2の長尺状部材205は、基部(内腔207の近位側)において広くすることができ、上部において狭くすることができる。第2の長尺状部材は、略三角形、略T字形又は略Y字形であり得る。しかしながら、対応する第1の長尺状部材203の輪郭に合致するあらゆる形状が適切である。
【0174】
好ましくは、第2の長尺状部材205は、管の曲げを容易にするために可撓性である。望ましくは、第2の長尺状部材205は、第1の長尺状部材203よりも可撓性が低い。これにより、第2の長尺状部材205が第1の長尺状部材203を構造的に支持する能力が向上する。第2の長尺状部材205は、固体であり得るか又は大部分が固体であり得る。
【0175】
第2の長尺状部材205は、フィラメント、具体的には熱を発生させるために又はセンサ(図示せず)からの情報を運ぶために使用されるフィラメントなどの導電材料を封入又は収容することができる。加熱要素は、フィラメントを含むことができ、水分を含んだガスからの凝縮物が形成され得る低温表面を最小限にすることができる。加熱要素は、導管201の内腔207内のガスの温度プロファイルを変更するためにも使用され得る。第2の長尺状部材205の本体には、医療用プラスチックを含む様々なポリマー及びプラスチックが適切である。適切な材料としては、ポリオレフィンエラストマー、ポリエーテルブロックアミド、熱可塑性コポリエステルエラストマー、EPDM-ポリプロピレン混合物及び熱可塑性ポリウレタンが挙げられる。第1の長尺状部材203と第2の長尺状部材205とは、同じ材料から作製され得る。
【0176】
図2Bは、図2Aの導管201の上部部分の長手方向断面を示す。図2Bは、図2Aと同じ向きを有する。第1の長尺状部材203は、中空体形状を有し得る。第1の長尺状部材203は、長手方向断面において、複数の中空バブルを形成し得る。第1の長尺状部材203の部分209は、第2の長尺状部材205の隣接するラップに重なる。第1の長尺状部材203の部分211は、内腔207(管ボア)の壁の少なくとも一部を形成する。隣接するバブルは、間隙213によって分離され得る。図2Bに示すようなT字形の第2の長尺状部材205は、隣接するバブル間の間隙213を維持するのに役立ち得る。
【0177】
第1の長尺状部材203は、長手方向断面において、複数の中空バブルを形成する。
【0178】
ガスの流れを加熱又は感知するために、1つ以上の導電材料が第2の長尺状部材205内に配置され得る。2つの加熱要素215を第2の長尺状部材205内の「T」の垂直部分の両側に1つずつ封入することができる。加熱要素215は、アルミニウム(Al)及び/若しくは銅(Cu)の合金などの導電材料又は導電性ポリマーを含む。好ましくは、第2の長尺状部材205を形成する材料は、加熱要素215がその動作温度に達したとき、加熱要素215中の金属と非反応性であるように選択される。加熱要素215は、要素が内腔207に露出しないように、内腔207から間隔をあけて配置され得る。複合管の一端において、要素の対は、接続ループに形成され得る。複数のフィラメントが第2の長尺状部材205内に配置され得る。
【0179】
表2は、1つが乳児で使用するための、もう1つが成人で使用するための、本明細書中に記載される2つの異なる複合導管のいくつかの非限定的なサンプル寸法及びこれらの寸法のいくつかの非限定的なサンプル範囲を示す。寸法とは、管の横断面を意味する。これらの表において、内腔直径は、管の内径を表す。ピッチとは、管に沿って軸方向に測定された2つの繰り返し点間の距離、すなわち第2の長尺状部材205の隣接する「T」の垂直部分の先端間の距離を表す。バブル幅とは、バブルの幅(最大外径)を表す。バブル高さは、管内腔からのバブルの高さを表す。ビード高さは、管内腔からの第2の長尺状部材205の最大高さ(例えば、「T」の垂直部分の高さ)を表す。ビード幅は、第2の長尺状部材205の最大幅(例えば、「T」の水平部分の幅)を表す。バブル厚さは、バブルの壁の厚さを表す。
【0180】
【表3】
【0181】
表3及び表4は、第2の長尺状部材205内に内蔵された加熱要素を有する、本明細書に記載されるような複合管(「A」の符号が付されている)の特性を示す。比較のために、管のボアの内部で螺旋状に巻かれた加熱要素を有するFisher&PaykelモデルRT100使い捨て波形管(「B」の符号が付されている)の特性も示す。
【0182】
流れ抵抗(RTF)の測定は、ISO 5367:2000(E)の附属書Aに従って実施した。この刊行物は、装置、手順工程及び流れ抵抗の試験結果を、呼吸管の定格流量での圧力増加を測定することにより表すための単位の規範的なリストを規定する。これには、直ちに使用できる状態で供給される呼吸管又は所定の長さに切断されて供給される長さ1mの呼吸チューブを試験するための分散及びYピースに一体的に接続された呼吸管の対を含むデュアルリム回路の各リムを個々に試験するための分散を含む。試験の結果は、リザーバの開口部に取り付けられた呼吸管を有するリザーバ内で測定された圧力と、リザーバの開口部に取り付けられた呼吸管を有しないリザーバ内で測定された圧力との間の差である。
【0183】
結果を表3にまとめた。以下に示されるように、複合管のRTFは、同等サイズのモデルRT100の管のRTFよりも低い。
【0184】
【表4】
【0185】
管内の凝縮物又は「水滴降下」は、ガス流量20L/min及び室温18℃で1日当たりに回収される凝縮物の重量を指す。加湿された空気は、チャンバから管を通って連続的に流れる。管の重量は、試験の各日の前後に記録される。各試験中に管を乾燥させた状態で3回の連続的な試験を実施する。結果を以下の表4に示す。結果は、水滴降下が同等サイズのモデルRT100の管よりも複合管で有意に低いことを示した。
【0186】
【表5】
【0187】
複合管201は、ガス経路内に配置された1つ以上の加熱フィラメント215を含み得る。加熱フィラメントは、内腔壁(管ボア)上に螺旋状の構成で位置付けることができる。1つ以上の加熱フィラメント215をボンディング、埋め込みによって内腔壁上に配置することができるか、又は加熱フィラメントを、組み立てられると内腔壁を形成する第2の長尺状部材205の表面上に別の手法で形成する。したがって、方法は、内腔壁上に1つ以上の加熱フィラメント215を配置することを含み得る。
【0188】
吸気管103に適した複合導管に関する更なる詳細は、米国特許出願公開第2014/0202462A1号明細書として公開されている米国特許出願公開第14/123,485号明細書及び米国特許出願公開第2015/0306333A1号明細書として公開されている米国特許出願公開第14/649,801号明細書の明細書及び図面に開示されており、これらが包含する全ての内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0189】
呼気管
図1に関して上で説明したように、呼吸回路は、高レベルの相対湿度を有する呼気ガスを処理するために、蒸気透過性の(すなわち通気性のある)呼気管を利用することができる。通気性は、蒸気拡散を増加させ、それによりこれらの構成要素内の水滴降下(凝縮物)を防止するために望ましい。したがって、呼吸回路は、蒸気透過性呼気管を含み得る。概して、呼気管は、入口(呼気ガスを受け入れるための)と、出口(受け入れたガスを排出するための)と、前記入口と前記出口との間に少なくとも1つのガス通路を画定する密閉壁とを含み、前記密閉壁の少なくとも一部は、水蒸気の透過を可能にするが、液体の水及び呼吸ガスのバルク流の透過を実質的に阻止する蒸気透過性材料のものである。呼気管は、入口にある第1のコネクタ及び出口にある第2のコネクタによって終端させることができ、前記入口コネクタと前記出口コネクタとの間の長さにガス通路が1つのみ提供される。
【0190】
壁は、その通気性又は蒸気透過性のため、管内のガス空間から、周囲空気であり得る壁の向こう側の領域まで水蒸気経路を形成する。好ましくは、密閉壁の蒸気透過性部分は、発泡材料で形成されている。管は、押出波形導管を含み得る。
【0191】
蒸気透過性の発泡ポリマーを含む呼気管は、有利には、通気性があり且つ頑丈であることが判明している。呼気管は、内部の空間を画定する壁を含むことができ、前記壁の少なくとも一部は、空間内のガスからの水蒸気の透過を可能にするが、液体の水の透過を阻止する蒸気透過性発泡材料のものである。密閉壁の全体を発泡材料で形成することができる。好ましくは、壁は、呼吸ガスを含む空間内のガスのバルク流に対して不透過性でもある。壁は、その蒸気透過性のため、ガス空間から壁の向こう側の領域まで水蒸気経路を形成する。
【0192】
次に、呼気管の導管301を示す図3A及び図3Bを参照する。図3Aは、導管301の側面図を示し、図3Bは、図3Aと同じ側面図に沿った導管301の断面図を示す。図3A及び図3Bの両方において、横軸は、線303-303として示される。図3Bに壁305として示される導管壁は、蒸気透過性の発泡材料である。図に示すように、導管301は、波形である。図3Bに壁305として示される管壁は、上述のように、通気性のある発泡材料である。
【0193】
管は、構成要素の一種であるため、上述した構成要素の詳細は、ここで説明する管にも適用可能である。密閉壁の少なくとも一部は、水蒸気の透過を可能にするが、液体の水及び呼吸ガスのバルク流の透過を実質的に阻止する、通気性のある発泡材料を含み得る。管は、押出波形管であり得る。医療回路管は、呼吸管若しくは導管又は送気システムのリムのための管若しくは導管として使用することができる。例えば、管は、それぞれ呼気呼吸管又は排気導管であり得る。管は、患者インターフェースの一部でもあり得る。導管301は、上述のような呼気管117、以下に記載されるような同軸管又は本開示の別の箇所に記載されるような任意の他の管を形成するために使用され得る。
【0194】
高通気性若しくは蒸気透過性の発泡又は非発泡材料を組み込むことにより、比較的高い曲げ剛性と高い通気性との両方を有する構成要素を製造することができる。発泡ポリマーは、その高い蒸気透過性(通気性)のため、それを通して水蒸気を急速に拡散させることを可能にする。これにより、呼気管内の加湿ガスからの水蒸気を周りの周囲空気又は構成要素の他方の側の他のドライヤガスに透過させることにより、呼気管内の凝縮物の蓄積を減少させる。それでも、これらの発泡ポリマーから形成された構成要素はまた、硬く、自己支持性、耐粉砕性又は半剛性であり、破砕に対する比較的高い抵抗性及び座屈に対する抵抗性を有し、更に追加的な補強を必要としない場合がある。発泡ポリマーは、ガスからの水蒸気の透過を可能にするが、液体の水の透過を阻止するため、発泡ポリマーは、医療回路の構成要素を形成するのに有用である。発泡ポリマーは、これらを、加湿ガスを送達するための構成要素を形成するために使用することができるように、ガスのバルク流に対して実質的に不透過性でもある。発泡ポリマーは、「バルク」特性(厚さ、材料、材料配合、弾性率、通気性及び/又はバルク剛性)が追加の補強なしでISO 5367:2000(E)規格(すなわち流れ抵抗の増加に関する試験)の要件を満たすものの、蒸気透過性であるように選択され得る。ISO 5367:2000(E)は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0195】
好ましくは、発泡ポリマーは、蒸気透過性の発泡熱可塑性ポリマーである。蒸気透過性の熱可塑性ポリマーは、発泡熱可塑性エラストマー(又はISO 18064:2003(E)によって定義されるTPE)、例えば(1)コポリエステル熱可塑性エラストマー(例えば、ポリエーテルソフトセグメントを有するコポリエステル熱可塑性エラストマーであるARNITEL(登録商標)又はISO 18064:2003(E)によって定義される他のTPC若しくはTPC-ET材料)、又は(2)ポリエーテルブロックアミド(例えば、ポリエーテルソフトセグメントを有するポリアミド熱可塑性エラストマーであるPEBAX(登録商標)又はISO 18064:2003(E)によって定義される他のTPA-ET材料)、又は(3)熱可塑性ポリウレタン(ISO 18064:2003(E)によって定義されるTPU材料)、又は(4)TPE/ポリブチレンテレフタレート(PBT、例えばDURANEX(登録商標)500FP)ブレンドなどの発泡ポリマーブレンドであり得る。蒸気透過性のTPE ARNITEL(登録商標)VT3108は、発泡及び成形構成要素に特に適し得ることが判明した。この材料では、通気性と強度との関係を、材料が製品又は構成要素に成形される際に材料を発泡させることによって大幅に向上させることができる。通気性熱可塑性ポリマーが発泡TPE/PBTブレンドである場合、ブレンドは、好ましくは、重量比率で80%~99%(又は約80%~99%)のTPEと、重量比率で20%~1%(又は約20%~1%)のPBTとを含む。発泡材料の空隙率は、25~60%(若しくは約25~60%)又は30~50%(若しくは約30~50%)など、25%(又は約25%)を上回ることができる。発泡材料は、発泡材料の空隙の5%(又は約5%)以下が直径500μmを超えるように構造化することができる。
【0196】
全ての従来既知の材料の透過率及び弾性率の組合せは、式:1n(P)=0.019(1n(M))-0.71n(M))+6.5を示すライン201を超えなかったことが明らかになった。式中、Pは、ASTM E96手順A(温度23℃及び相対湿度90%での乾燥方法)に従って測定された材料の透過率をg・mm/m2/日で表し、Mは、材料のヤング率をMPaで表す。
【0197】
呼吸回路は、発泡体ベースではない波形材料及び/又は蒸気透過性材料を含む呼気管を含み得る。いくつかの非限定的な構成では、呼気管の内壁は、螺旋的に巻き付けられた蒸気透過性テープを含み得るか、又は非発泡体ベースの材料は、連続管内に押し出され得る。いくつかの構成では、呼気管の内壁は、一連の様々な直径のビードを含む。異なる直径のビードは、波形パターンを作成するために呼気管の内壁に沿って配置され得る。代わりに、波形構造は、成形又はスタンピングなどの当技術分野で周知の方法によって管内に作成され得る。
【0198】
壁は、壁を補強する少なくとも1つの補強リブ又は壁を補強するために壁を局所的に厚くした少なくとも1つの領域も含み得る。管は、密閉壁の周りに配置された複数の補強リブを含み得る。これらのリブは、管の長手方向軸線と概ね整列するように管と共押出され得る。好ましくは、3~8つの補強リブ、特に3~5つの補強リブがある。
【0199】
次に、呼気管117を形成するために使用され得る導管301の一部分を示す図4A及び図4Bを参照する。導管301は、本明細書に記載されるような発泡蒸気透過性材料から製造され得る。導管301は、導管301と共押出され得る複数の補強リブ403を更に含む。リブ403は、導管301と同じ発泡ポリマーから形成され得る。代わりに、リブ403は、導管301と異なる材料から作製され得る。これは、共押出によって達成され得る。図4Aに示すように、導管301は、リブ403が所定の位置にある状態で押し出され、その後、波形が付けられ、図4Bに示される「ドット状の」構造体を形成することができる。導管301は、3~8つの補強リブ、例えば3~5つの補強リブを含み得る。
【0200】
特に、リブは、管形状の周囲に配置され得る。リブは、管形状の内部表面の周方向に配置され得る。リブは、入口と出口との間の管形状の長さに沿って概ね長手方向に位置合わせされ得る。
【0201】
次に、波形でリブ付きの蒸気透過性導管301の構成を示す図5A及び図5Bを参照する。図5では、隆起したリブ403が導管301の内部のリッジ間の空間内に見える。
【0202】
上記に加えて、管内の凝縮物の形成を低減又は排除するために、抵抗ヒータ線などのヒータが導管301の通路内、導管301の壁内又は導管301の外壁表面の外面の周りに設けられ得る。図6は、ヒータ線601を導管301の通路内に組み込んだ波形の発泡ポリマー導管301の全体図である。図7は、ヒータ線601を導管301の外壁表面の外面の周りに組み込んだ波形の発泡ポリマー導管301の全体図である。図8は、ヒータ線601を管壁内に組み込んだ呼気管117の概略図を含む。
【0203】
呼気管に関する更なる詳細は、米国特許出願公開第2013/0098360A1号明細書として公開されている米国特許出願公開第13/517,925号明細書の明細書及び図面に開示されており、これが包含する全ての内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0204】
吸気管103と呼気管117とを含む呼吸回路を示す図8を更に参照する。吸気管103及び呼気管117の特性は、図1図7に関して上述したものと類似する。吸気管103は、加湿器107と連通する入口109と、加湿ガスがそれを通って患者101に提供される出口113とを有する。呼気管117はまた、患者101から呼気ガスを受け入れる入口109と、出口113とを有する。図1に関して上述したように、呼気管117の出口113は、呼気ガスを大気、ガス源105、エアスクラバ/フィルタ(図示せず)又は任意の他の適切な場所に排出することができる。
【0205】
図1図6及び図7に関して上述したように、ガス(主に管壁付近のガス)の温度を、飽和温度を超えて上昇させることによる、管内における凝縮物形成のリスクを低減させるために、加熱ワイヤ215は、吸気管103内に含まれ得、且つ/又は加熱ワイヤ601は、呼気管117内に含まれ得る。加熱ワイヤは、望ましくは、コイル状又は螺旋状の構成を含むことができ、概念上の目的で直線として示されることを理解すべきである。呼吸回路は、吸気管103及び呼気管117を患者インターフェース(図示せず)に接続するためのコネクタ(Yコネクタ又はワイピース801)を含み得る。当然ながら、他の呼吸回路構成も本開示の範囲内であることを理解すべきである。
【0206】
前述の説明は、本発明の好ましい形態を含む。本発明の範囲から逸脱することなく、それに対する変更形態がなされ得る。当業者であれば、添付の特許請求の範囲に定義されている本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の多くの構造の変更形態並びに広く異なる実施形態及び応用形態を想到するであろう。本明細書の開示及び記載は、純粋に例示的なものであり、いかなる意味でも限定的であることを意図するものではない。
図1
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の呼吸療法で使用するための回路キットであって、
ガス源から吸気ガス流を受け入れるように構成された吸気管であって、吸気入口と、吸気出口と、吸気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記吸気管の前記内壁は、平滑である、吸気管と、
患者から呼気ガス流を受け入れるように構成された呼気管であって、呼気入口と、呼気出口と、呼気中心ボアを取り囲む内壁とを含み、前記呼気管の前記内壁は、波形である、呼気管と、
を含む呼吸回路を含み、
記吸気管は、4~17mmの内径を有し、前記呼気管は、10.5~20.5mmの公称内径を有する、回路キット。
【外国語明細書】