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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116571
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】授乳管理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/20 20180101AFI20230815BHJP
【FI】
G16H50/20
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】書面
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023091234
(22)【出願日】2023-05-17
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】523204787
【氏名又は名称】菅 安佳里
(71)【出願人】
【識別番号】723005872
【氏名又は名称】前田 純弘
(72)【発明者】
【氏名】井上 希菜
(72)【発明者】
【氏名】大谷 美結
(72)【発明者】
【氏名】江湖 咲季
(72)【発明者】
【氏名】菅 安佳里
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕蘭
(72)【発明者】
【氏名】長嶋 梨奈
(72)【発明者】
【氏名】舟山 涼香
(72)【発明者】
【氏名】古林 真依
(72)【発明者】
【氏名】堀部 里奈
(72)【発明者】
【氏名】八代 真央
(57)【要約】
【課題】AIを活用して幼児の月齢の授乳量、授乳間隔が平均的な値の範囲内かを判断し、その差異が大きい場合に注意喚起する授乳管理システムの提供にある。
【解決手段】哺乳瓶を挿入して調乳したミルクのデータを取得するタンブラー型装置100と、前記タンブラー型装置と通信する通信端末200と、前記通信端末とインターネットを介して接続するサーバー300からなる授乳管理システムにより、重量センサー11と計時部40で計測した授乳量と授乳間隔のデータを、AI32が、インターネットを介して取得した乳幼児の発育に関する情報と比較、分析して、平均的な値の範囲内にあるかどうか、平均的な値から所定の割合を超えて差異が大きい場合に罹患の可能性がある疾病の情報を、通信端末200のアプリケーション21を介して提供できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳瓶を挿入して調乳したミルクの情報を取得するタンブラー型装置と、前記タンブラー型装置と無線で接続する通信端末と、前記通信端末とインターネットを介して接続するサーバーからなる授乳管理システムであって、
前記タンブラー型装置は、
ミルクを入れた哺乳瓶の重量を測定するセンサーと、
授乳日時を計測、表示する計時部と
前記通信端末と無線通信する通信モジュールと、
前記センサーや計時部が測定したデータを表示するディスプレイと、
前記センサーの動作などを指示する操作部と、
前記重量センサー、前記操作部の入力イベントに応じて前記タンブラー型装置の動作を制御する制御部と、
前記センサーや前記計時部が測定したデータを保存する貯蔵部を含み、
前記通信端末は、
前記タンブラー型装置からデータを取得し、前記サーバーとの間でデータを送受信する通信モジュールと、
前記タンブラー型装置から送信されたデータと使用者が入力する乳幼児に関する情報からなる使用者別データと前記サーバーから送信されたデータとを保存する貯蔵部と、
前記通信モジュールや前記貯蔵部の動作を制御するアプリケーションを含み、
前記サーバーは、
前記通信端末とインターネットを介して接続する通信モジュールと、
前記通信端末から受信した前記使用者別のデータを保存する第1貯蔵部と、
インターネットを介して取得する乳幼児の発育に関する情報を保存する第2貯蔵部と、
前記第1貯蔵部のデータと前記第2貯蔵部のデータとを比較して平均的な授乳量や授乳間隔との差や、授乳量が平均的な値から所定の割合を超えて差異が大きい場合に可能性がある疾病の情報を探索するAIと、
前記通信モジュールや第1貯蔵部、第2貯蔵部並びにAIの動作を制御するアプリケーションからなる授乳管理システム。
【請求項2】
哺乳瓶を挿入して調乳したミルクの情報を取得するタンブラー型装置と、前記タンブラー型装置と無線で接続する通信端末からなる授乳管理システムであって、
前記タンブラー型装置は、
ミルクを入れた哺乳瓶の重量を測定するセンサーと、
授乳日時を計測、表示する計時部と、
前記通信端末と無線通信する通信モジュールと、
前記センサーや計時部が測定したデータを表示するディスプレイと、
前記センサーの動作などを指示する操作部と、
前記重量センサー、前記操作部の入力イベントに応じて前記タンブラー型装置の動作を制御する制御部と、
前記センサーや前記計時部が測定したデータを保存する貯蔵部を含み、
前記通信端末は、
前記タンブラー型装置からデータを取得する通信モジュールと、
前記タンブラー型装置から送信されたデータと使用者が入力する乳幼児に関する情報からなる使用者別データを保存する第1貯蔵部と、
インターネットを介して取得する乳幼児の発育に関する情報を保存する第2貯蔵部と、
前記第1貯蔵部のデータと前記第2貯蔵部のデータとを比較して平均的な授乳量や授乳間隔との差や、授乳量が平均的な値から所定の割合を超えて差異が大きい場合に可能性がある疾病の情報を探索するAIと、
前記通信モジュールや第1貯蔵部、第2貯蔵部並びにAIの動作を制御するアプリケーションからなる授乳管理システム。
【請求項3】
前記タンブラー型装置の前記制御部は、
前記通信端末との通信が行われない場合、前記重量センサー並びに前記計時部が測定したデータを前記貯蔵部に予め保存し、前記通信端末との通信を介して前記貯蔵部にあるデータを前記通信端末に送信する動作を制御する請求項1または2に記載の授乳管理システム。
【請求項4】
前記AIは、
インターネット上に存在する乳幼児の月齢と授乳量や授乳間隔、乳幼児が罹患する可能性がある疾病の情報を一定期間毎に探索、収集し、前記使用者別データと比較して、使用者別データと乳幼児の月齢に応じた平均的な授乳量や授乳間隔との差や、使用者別データが乳幼児の月齢に応じた平均的な授乳量や授乳間隔と比較して所定の割合を超えて差異が大きい場合に可能性がある疾病の情報を前記通信端末に送信、表示する、あるいは表示する請求項1または2に記載の授乳管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミルクの情報を取得するタンブラー型装置と通信端末とサーバーとから構成され、AIによるビックデータ解析に関する技術を取り入れた授乳管理システムに関する。また、本発明の別の態様によれば、タンブラー型装置と通信端末から構成され、AIによるビックデータ解析に関する技術を取り入れた授乳管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
乳幼児の授乳管理に関しては、従来から育児記録として乳幼児の月齢や身長、体重の変化とともに、ミルクの授乳量と1日当たりの回数のデータを手書きで育児手帳等に記入するか、スマートフォンのアプリケーションに入力することが行われている。例えば、特許文献1では、調乳したミルクの温度と容量をセンサーで計測し、そのデータをスマートフォンに送信するものである。また、特許文献2と4では、ミルクの加熱と冷却装置であるが、容量を測ることはできない。さらに、特許文献3では、ミルクの温度を測ることができるだけである。
【0003】
また、乳幼児がかかりやすい疾病や乳幼児の月齢や体重に応じた適切な授乳量や授乳間隔、授乳量の異常から推測される疾病に関する情報は、国や地方自治体の保健当局、哺乳瓶、粉ミルクメーカーや産婦人科、小児科医院等が蓄積しているものの、そうした情報が公開される場合は、小冊子や各自治体、企業、医院等のウエブサイトに掲載されているものがほとんどで、乳幼児の実データとの比較をするためには、親がその都度参照するか、産婦人科や小児科等の医院でのアドバイスを待たなければならない状況で、簡便なシステムの構築が必要となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6691979号公報
【特許文献2】特許第6134871号公報
【特許文献3】特開2012-110664公報
【特許文献4】特開2014-135955公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ミルク育児を行う親がまず戸惑うのが、ミルクの温度以外では授乳量、授乳間隔である。特に第1子の場合、親に知識や経験が乏しい上に、家事や仕事をこなし、睡眠時間を削りながらミルクを与える作業は大きな負担となっている。このため、ミルクの調乳後は、冷却、加熱、保温といった温度管理に加えて、授乳量、授乳間隔の管理を一貫して行えるシステムの提供が必要となっている。
【0006】
一方、育児記録としても、乳幼児の月齢や身長、体重の変化とともに、ミルクの授乳量と1日当たりの回数のデータは重要であるが、手書きで育児手帳等に記入するか、スマートフォンのアプリケーションに入力する手間がかかっている。そうした手間を極力省き、自動的に記録した上で、授乳量、授乳間隔が月齢に応じて異常でないか、疾病の可能性がないかどうかの判断もするシステムがあれば、ミルク育児を行う親の負担や不安を著しく軽減することが可能だ。
本発明の目的は、AIを活用して幼児の月齢の授乳量、授乳間隔が平均的な値の範囲内かを判断し、その差異が所定の割合を超えて大きい場合に注意喚起する授乳管理システムの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
親の負担という課題を解決するため、本発明は、哺乳瓶を挿入して調乳したミルクのデータを取得するタンブラー型装置と、前記タンブラー型装置と通信する通信端末と、前記通信端末とインターネットを介して接続するサーバーからなる授乳管理システムを提供する。前記通信端末は、一般に普及しているスマートフォンやタブレット端末で可能である。別の態様においては、前記サーバーの機能を前記通信端末で担う授乳管理システムを提供する。
【0008】
前記通信端末内のアプリケーションは、前記サーバーにインターネットを介してデータを送信する。前記サーバーは、使用者毎に送信されたデータを管理しつつ、乳幼児の月齢に応じた平均的な身長や体重、授乳量、1日当たりの授乳回数、乳幼児が罹患しやすい疾病に関する情報を、インターネットを介して収集しておく。
【0009】
前記サーバー内では、前記AIが使用者の前記通信端末から送信されたデータとサーバーがインターネット経由で収集した情報とを照合し、授乳量や授乳回数について必要に応じて使用者の前記通信端末にメッセージを送信する。その一例として、実際に生成AIを用いると以下のようになる。
【0010】
月齢による平均的な授乳量は以下の通りです。
・新生児期(生後0~1ヶ月):1回あたり約60~90ml、
1日あたり8~12回
・乳児期前半(生後2~3ヶ月):1回あたり約100~150ml、
1日あたり6~8回
・乳児期後半(生後4~5ヶ月):1回あたり約150~180ml、
1日あたり5~6回
・幼児期(6ヶ月以降):1回あたり約180~240ml、
1日あたり4~5回
ただし、これはあくまでも平均値であり、個人差が大きく、また成長によって変化するため、必ずしもすべての赤ちゃんに当てはまるわけではありません。赤ちゃんの成長や健康状態に合わせて、授乳量を調整することが重要です。また、母乳とミルクでは栄養成分の含有量が異なるため、授乳量も異なる場合があります。
【0011】
これにより、使用者は授乳量や授乳回数が平均的な値の範囲内かどうかを確認することができる。
【0012】
また、授乳量が極端に少ない場合に可能性がある疾病についても、前記AIは使用者の前記通信端末にメッセージを送信する。その一例として、授乳量が極端に少ない場合を想定して、実際に生成AIを用いると以下のようになる。
【0013】
乳幼児がミルクを飲む量が極端に少ない場合、以下の疾患が考えられます:
1.喉頭軟化症候群-これは、幼児が吸引する際に気道が狭くなり、呼吸が困難になる疾患です。幼児がミルクを飲むのを嫌がったり、喉の閉塞感を感じることがあります。
2.口蓋裂-これは、口の中の上部が完全に閉じていない先天的な異常です。これにより、乳幼児が吸引することが困難になり、ミルクの摂取量が減ることがあります。
3.神経筋接合部の障害-これは、筋肉と神経が適切に通信しないため、筋肉の動きが弱くなる疾患です。乳幼児は、ミルク瓶を持つ筋肉が弱く、ミルクを摂取することが困難になることがあります。
これらの疾患の可能性がある場合は、速やかに医療機関を受診することをお勧めします。
【0014】
これにより、使用者は乳幼児の授乳量が平均的な値より極端に少ない場合の疾病の可能性をいち早く知ることができる。
【0015】
また、授乳量が極端に多い場合に可能性がある疾病についても、前記AIは使用者の前記通信端末にメッセージを送信する。その一例として、授乳量が極端に多い場合を想定して、実際に生成AIを用いると以下のようになる。
【0016】
乳幼児の授乳量が極端に多い場合には、以下のような可能性がある疾患が考えられます。
1.乳児期の過剰栄養:特に、授乳回数や授乳時間が多い場合、乳児期の過剰栄養が考えられます。乳児期の過剰栄養は、肥満や成長遅延などの問題を引き起こす可能性があります。
2.消化器系の問題:消化器系の問題、例えば消化不良、胃食道逆流症、乳児下痢症などが、授乳量の増加につながる場合があります。
3.代謝異常:代謝異常により、糖尿病、甲状腺機能亢進症、肝臓疾患、腎臓疾患などが引き起こされる場合があります。
4.中枢神経系の問題:脳性麻痺、てんかん、脳腫瘍など、中枢神経系の問題が授乳量の増加に関連している場合があります。
上記のような疾患について心配がある場合は、小児科医に相談することが重要です。
【0017】
これにより、使用者は乳幼児の授乳量が平均的な値より極端に多い場合の疾病の可能性をいち早く知ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る授乳管理システムおいては、使用者は授乳量や授乳間隔の記録、管理がタンブラー型装置と通信端末の操作のみで可能になる。手書きで記録する、スマートフォンのアプリケーションに入力するという手間を省くことができる。
【0019】
前記タンブラー型装置にミルクの冷却、加熱、保温が可能な熱回路を装備することで、調乳したミルクを適温まで冷却し、適温のまま保温し、あるいはいったん冷めたミルクを適温まで加熱することが可能になる。
【0020】
また、月齢毎の標準的な授乳量や授乳間隔についても、通信端末に搭載した対応アプリケーション上で容易に確認できる。
【0021】
加えて、授乳量が平均的な値と比較して所定の割合を超えて差異が大きい場合の疾病の可能性、乳幼児が罹患しやすい疾病の情報も通信端末に搭載した対応アプリケーション上で容易に確認でき、医療機関などに迅速な対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】 本発明に係る授乳管理システムの構成図である。
図2】 本発明の他の態様に係る授乳管理システムの構成図である。
図3】 本発明に係る動作フロー図である。
図4】 本発明の他の態様に係る動作フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る授乳管理システムの実施形態を図に沿って説明する。
図1は授乳管理システムの構成図を示している。本発明に係る授乳管理システムは、タンブラー型装置100、通信端末200とサーバー300から構成されている。
【0024】
タンブラー型装置100は、以下にて構成される。
ミルクを入れた哺乳瓶の重量を測定する重量センサー11と、哺乳瓶の温度を測定する温度センサー12を有している。操作部14は、調乳されたミルクの適切な温度を入力する。入力された温度は制御部15を介して貯蔵部16に保存される。また、制御部15は、重量センサー11の測定動作や熱回路13により調乳されたミルクが貯蔵部16に保存された適温となるように哺乳瓶の冷却・加熱・保温の指示をする。制御部15は、授乳前後の哺乳瓶の重量の差分から授乳量を算出し、貯蔵部16に保存する。
【0025】
また、重量センサー11や温度センサー12が測定したデータや日時分をディスプレイ18にて表示するとともに、使用者が予め設定した授乳時刻に達したり、哺乳瓶の温度が適温になったことをアラーム19にて知らせる。授乳した日時分は計時部40で計測し、ミルクの授乳量、哺乳瓶の温度のデータとともに、通信モジュール10を介して通信端末200に無線通信する。前記無線通信は、例えばBluetoothを使用する。タンブラー型装置100は充電可能な電源17を有している。
なお、ミルクの適温の設定はタンブラー装置100にて設定した実施例で説明したが、これに限らず、通信端末200の操作によって適温を通信モジュール10、制御部15を介して貯蔵部16に保存されるようにしてもよい。
【0026】
通信端末200はタンブラー型装置100からデータを取得し、サーバー300との間でデータを送受信する通信モジュール20と、使用者が乳幼児の誕生日や身長、体重など乳幼児に関する情報を入力し、アプリケーション21の動作を指示する操作部22と、タンブラー型装置100やサーバー300から送信されたデータや情報を保存する貯蔵部23と、タンブラー型装置100のアラーム19と連動して鳴動するアラーム25と、タンブラー型装置100やサーバー300との間のデータや情報の送受信や乳幼児に関する情報の入力などを管理するアプリケーション21とディスプレイ24からなる。通信端末200は例えば一般に普及しているスマートフォンやタブレットを使用するが、これに限定されるものではない。
【0027】
サーバー300は通信端末200から受信したデータを使用者別に第1貯蔵部33に保存、管理し、乳幼児の発育に関する情報をインターネットを介して取得し、第2貯蔵部34に保存、管理する。AI32により第2貯蔵部34に保存された乳幼児の発育に関する情報と使用者のデータと比較、解析して、適正な授乳量や授乳間隔、疾病の可能性の情報を通信端末200に送信する。通信端末200との送受信のための通信モジュール30と、AI32の動作やデータや情報の送受信を管理するアプリケーション31も備える。
【0028】
乳幼児の発育に関する情報としては、厚生労働省や各自治体の保健当局が公開している月齢毎の標準体重や身長、粉ミルクメーカーや乳幼児向け器具販売メーカーが公開している月齢毎の標準的な授乳量や授乳間隔、医療機関が公開している乳幼児が罹患しやすい疾病などを定期的(例えば、毎日0時)に取得し、第2貯蔵部34に保存する。
【0029】
次に、図3に沿って、本発明の授乳管理システムの動作を説明する。
使用者はミルクを調乳した後に、タンブラー型装置の操作部14にて電源を入れる(Step60)。哺乳瓶をタンブラー型装置100に挿入すると、温度センサー12にてミルクの温度を測定する。なお、タンブラー型装置100に哺乳瓶の冷却、加熱、保温ができる熱回路13を装備することで、ミルクを適温にするための作業を、前記タンブラー型装置1台で行うことができる。
このように温度センサーを装備することで、授乳時の適温も管理することができる。また重量センサー11にて調乳された哺乳瓶の重量を測定する。制御部15では、調乳された哺乳瓶の重量とミルクの温度のデータを貯蔵部16に保存する。
【0030】
授乳が終了したら、再度、哺乳瓶をタンブラー型装置100に挿入して重量センサー11にて重量を測定する。このとき、計時部40にて授乳日時分を制御部15を介して貯蔵部16に保存する。また、制御部15では、貯蔵部16に保存された授乳前の哺乳瓶の重量を読み出し、授乳終了の後の哺乳瓶の重量の差分から授乳量を算出し貯蔵部16に保存する。制御部15では、通信モジュール10を介して授乳の日時分、ミルクの温度と授乳量を通信端末200に例えばBluetoothなどの通信方式で送信する(Step61)。
【0031】
通信端末200は、アプリケーション21を介してタンブラー型装置100から送信された授乳の日時分、ミルクの温度と授乳量データを貯蔵部23に保存するとともに、サーバー300に送信する(Step62)。
なお、アプリケーション21は、授乳の日時分、ミルクの温度と授乳量のデータを管理、表示することができ、使用者はディスプレイ24で授乳日時分等のデータを確認できる。データは貯蔵部23に一定期間保存される。アプリケーション21がデータをグラフ化するなどの機能を持つことにより、使用者が授乳量や授乳回数、授乳日時を手書き等で記録する手間を省けるだけでなく、過去の傾向を容易に確認できる。
【0032】
サーバー300は、通信モジュール30からアプリケーション31を介して受信した授乳の日時分、ミルクの温度と授乳量を使用者別に第1貯蔵部33に保存する(Step63)。また、定期的(例えば毎日0時)にインターネットを介して、乳幼児の発育に関する情報を第2貯蔵部34に保存しておく(Step64)。
【0033】
アプリケーション31の指示により、AI32が使用者別のデータと乳幼児の発育に関する情報を比較、解析し(Step65)、その結果を通信端末200に送信する(Step66)。送信する内容は、例えば「同じ月齢の乳幼児の授乳量と比較して、平均的な授乳量となっています。」や「同じ月齢の乳幼児の授乳量と比較して、授乳量、授乳回数ともに平均より低くなっています。」などのメッセージとともに、使用者の要請に応じて具体的な数値を表示することができる。また、AI32が解析した結果、授乳量等が平均的な値と比較して所定の割合例えば20%以上少ない場合、可能性がある疾病例を列挙して医療機関での受診を勧めるメッセージを表示する。なお、使用者は、平均的な値に幅を持たせることも、所定の割合を設定することもできる。
【0034】
通信端末200はサーバー300からの解析結果を受信し(Step67)、ディスプレイ24に表示する(Step68)。これにより、使用者は乳幼児の授乳量や授乳回数が月齢に応じて平均的な値の範囲内であるかどうかを授乳の都度、確認することができ、また疾病の可能性も知ることができ、一連の授乳行為を終了する(Step69)。
【0035】
次に、本発明に係る授乳管理システムの他の実施形態を図に沿って説明する。図2は授乳管理システムの構成図を示している。本発明に係る授乳管理システムは、タンブラー型装置400、通信端末500から構成されている。
【0036】
タンブラー型装置400の構成は、図1にて示したタンブラー型装置100と同じであり説明を省略する。なお、計時部40で計測された授乳した日時分、ミルクの授乳量、哺乳瓶の温度のデータは、通信モジュール10を介して通信端末500に無線送信される。
【0037】
通信端末500は、タンブラー型装置400からデータを取得する通信モジュール50と、使用者が乳幼児の誕生日や身長、体重など乳幼児に関する情報を入力し、アプリケーション51の動作を指示する操作部53と、タンブラー型装置400から送信されたデータや情報を格納する第1貯蔵部54と、インターネットを介して取得した乳幼児の発育に関する情報を保存する第2貯蔵部55、タンブラー型装置400のアラーム19と連動して鳴動するアラーム57と、タンブラー型装置400との間のデータや情報の送受信や乳幼児に関する情報の入力、AI52の動作を管理するアプリケーション51とディスプレイ56からなる。
【0038】
AI52により第2貯蔵部55に保存された乳幼児の発育に関する情報と使用者のデータと比較、解析して、適正な授乳量や授乳間隔、疾病の可能性の情報をアプリケーション51を介してディスプレイ56に表示する。乳幼児の発育に関する情報としては、厚生労働省や各自治体の保健当局が公開している月齢毎の標準体重や身長、粉ミルクメーカーや乳幼児向け器具販売メーカーが公開している月齢毎の標準的な授乳量や授乳間隔、医療機関が公開している乳幼児が罹患しやすい疾病などを定期的(例えば、毎日0時)に取得し、第2貯蔵部55に保存する。通信端末500は例えば一般に普及しているスマートフォンやタブレットを使用するが、これに限定されるものではない。
【0039】
次に、図4に沿って、本発明の授乳管理システムの動作を説明する。
使用者はミルクを調乳した後に、タンブラー型装置の操作部14にて電源を入れる(Step70)。哺乳瓶をタンブラー型装置400に挿入すると、温度センサー12にてミルクの温度を測定する。なお、タンブラー型装置400に哺乳瓶の冷却、加熱、保温ができる熱回路13を装備することで、ミルクを適温にするための作業を、前記タンブラー型装置1台で行うことができる。
このように温度センサーを装備することで、授乳時の適温も管理することができる。また重量センサー11にて調乳された哺乳瓶の重量を測定する。制御部15では、調乳された哺乳瓶の重量とミルクの温度のデータを貯蔵部16に保存する。
【0040】
授乳が終了したら、再度、哺乳瓶をタンブラー型装置400に挿入して重量センサー11にて重量を測定する。このとき、計時部40にて授乳日時分を制御部15を介して貯蔵部16に保存する。また、制御部15では、貯蔵部16に保存された授乳前の哺乳瓶の重量を読み出し、授乳終了の後の哺乳瓶の重量の差分から授乳量を算出し貯蔵部16に保存する。制御部15では、通信モジュール10を介して授乳の日時分、ミルクの温度と授乳量を通信端末500に例えばBluetoothなどの通信方式で送信する(Step71)。
【0041】
通信端末500は、アプリケーション51を介してタンブラー型装置400から送信された授乳の日時分、ミルクの温度と授乳量データを第1貯蔵部54に保存する(Step72)。
なお、アプリケーション51は、授乳の日時分、ミルクの温度と授乳量のデータを管理、表示することができ、使用者はディスプレイ56で授乳日時分等のデータを確認できる。データは第1貯蔵部54に一定期間保存される。アプリケーション51がデータをグラフ化するなどの機能を持つことにより、使用者が授乳量や授乳回数、授乳日時を手書き等で記録する手間を省けるだけでなく、過去の傾向を容易に確認できる。
【0042】
通信端末500は、定期的(例えば毎日0時)にインターネットを介して、乳幼児の発育に関する情報を第2貯蔵部55に保存しておく(Step73)。アプリケーション51の指示により、AI52が使用者別のデータと乳幼児の発育に関する情報を比較、解析し(Step74)、その結果をアプリケーション51を介してディスプレイ56に表示する(Step75)。表示する内容は、例えば「同じ月齢の乳幼児の授乳量と比較して、平均的な授乳量となっています。」や「同じ月齢の乳幼児の授乳量と比較して、授乳量、授乳回数ともに平均より低くなっています。」などのメッセージとともに、具体的な数値を表示することができる。
【0043】
また、AI52が解析した結果、授乳量等が平均的な値と比較して所定の割合例えば20%以上少ない場合の可能性がある疾病例を列挙して医療機関での受診を勧めるメッセージを表示することができる。これにより、使用者は乳幼児の授乳量や授乳回数が月齢に応じて平均的な値の範囲内であるかどうかを授乳の都度、確認することができ、また疾病の可能性も知ることができ、一連の授乳行為を終了する(Step76)。
【符号の説明】
【0044】
100:タンブラー型装置
10:通信モジュール
11:重量センサー
12:温度センサー
13:熱回路
14:操作部
15:制御部
16:貯蔵部
17:電源
18:ディスプレイ
19:アラーム
40:計時部
200:通信端末
20:通信モジュール
21:アプリケーション
22:操作部
23:貯蔵部
24:ディスプレイ
25:アラーム
300:サーバー
30:通信モジュール
31:アプリケーション
32:AI
33:第1貯蔵部
34:第2貯蔵部
400:タンブラー型装置
500:通信端末
50:通信モジュール
51:アプリケーション
52:AI
53:操作部
54:第1貯蔵部
55:第2貯蔵部
56:ディスプレイ
57:アラーム
図1
図2
図3
図4