(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011659
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】分散性組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/505 20060101AFI20230117BHJP
A61P 31/18 20060101ALI20230117BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230117BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230117BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20230117BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
A61K31/505
A61P31/18
A61P43/00 121
A61K45/00
A61K9/14
A61K9/10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022165319
(22)【出願日】2022-10-14
(62)【分割の表示】P 2019521720の分割
【原出願日】2017-10-23
(31)【優先権主張番号】201621036404
(32)【優先日】2016-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BRIJ
2.TRITON
3.PLURONIC
(71)【出願人】
【識別番号】510020022
【氏名又は名称】ヤンセン・サイエンシズ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】パタンカー,ハーシャド
(72)【発明者】
【氏名】ゴイヴァイェルツ,ニコラース,マルサ,フェリックス
(72)【発明者】
【氏名】ランガ ラジャン,ゴパル ラジャン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】活性成分を含む、分散性または崩壊性の錠剤、この錠剤を調製する方法、およびHIV感染の処置でのこの錠剤の使用を提供する。
【解決手段】活性成分として、E-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニル)-2,6-ジメチル-フェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]-ベンゾニトリル(リルピビリン)またはその薬学的に許容される酸付加塩を含む分散性組成物であって、前記活性成分は顆粒の形態で前記分散性組成物中に存在し、前記顆粒は、薬学的に許容される添加剤(顆粒画分)をさらに含む、分散性組成物である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分として、E-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニル)-2,6-ジメチ
ル-フェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]-ベンゾニトリル(リルピビリン
)またはその薬学的に許容される酸付加塩を含む分散性組成物であって、前記活性成分は
顆粒の形態で前記分散性組成物中に存在し、前記顆粒は、薬学的に許容される添加剤(顆
粒画分)をさらに含む、分散性組成物。
【請求項2】
前記顆粒の前記薬学的に許容される添加剤は湿潤剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記顆粒の前記薬学的に許容される添加剤は崩壊剤を含む、請求項1または2に記載の
組成物。
【請求項4】
前記顆粒の前記薬学的に許容される添加剤は賦形剤を含む、請求項1~3のいずれか一
項に記載の組成物。
【請求項5】
顆粒外画分中に賦形剤を含む請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記顆粒外画分中の前記賦形剤は不溶性賦形剤である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記顆粒外画分中に湿潤剤を含む請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記顆粒外画分中に崩壊剤を含む請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物は錠剤である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記活性成分はリルピビリンHClである、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成
物。
【請求項11】
HIV感染の処置で使用するための請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
小児および/または老人の集団で使用するための請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
HIV感染の処置で有用な1種または複数種の他の治療薬と組み合わせて使用するため
の請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物と、HIV感染の処置で有用な1種また
は複数種の他の治療薬とを含む組合せ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある特定のHIV(ヒト免疫不全ウイルス)剤を含む医薬組成物に関し、特
に、活性剤として、E-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニル)-2,6-ジメチ
ルフェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]-ベンゾニトリルまたはその薬学的
に許容される酸付加塩(特に塩酸塩)を含む医薬組成物に関する。より具体的には、本発
明は、分散性または崩壊性の錠剤、この錠剤を調製する方法、およびHIV感染の処置で
のこの錠剤の使用に関する。このような新規の組成物は、小児集団に特に適している。こ
の新規の組成物はまた、老人集団にも適し得る。
【0002】
活性成分は、E-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニル)-2,6-ジメチルフ
ェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]-ベンゾニトリル(リルピビリン)また
はその薬学的に許容される酸付加塩であり、特に、下記の式により表される塩酸塩の形態
のE-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニル)-2,6-ジメチル-フェニル]ア
ミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]-ベンゾニトリルである。
【化1】
【0003】
この活性成分を含む製品EDURANT(商標)は、例えば米国および欧州で販売承認
を既に受けている。
【0004】
本発明の有用性は、HIV感染(例えば、薬剤耐性HIV株および多剤耐性HIV株、
特に、薬物耐性HIV-1株および多剤耐性HIV-1株)に対して活性を示す活性成分
から生じ、より具体的には、活性成分は、1種または複数種の当分野で既知の非ヌクレオ
チド逆転写酵素阻害剤に対する耐性を獲得しているHIV株(特に、HIV-1株)に対
して活性を示す。当分野で既知の非ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤は、本活性成分以外の
非ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤であり、特に、市販の非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤
である。
【背景技術】
【0005】
4-[[4-[[4-(2-シアノエテニル)-2,6-ジメチル-フェニル]アミノ
]-2-ピリミジニル]アミノ]ベンゾニトリルのHIV複製阻害活性が国際公開第03
/16306号パンフレットに記載されており、このパンフレットは参照により本明細書
に組み込まれる。参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2006/024668
号パンフレットには、E-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニル)-2,6-ジメ
チルフェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]ベンゾニトリル塩酸を含む薬物製
剤が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、E-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニル)-2,6-ジメチルフェ
ニル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]-ベンゾニトリルまたはその薬学的に許容
される酸付加塩(特に、その塩酸塩)の小児用または老人用の製剤の開発を開示する。小
児または老人の集団にとって、錠剤のような固体組成物を嚥下することは困難な場合があ
り、分散性組成物(特に、分散性錠剤)を有することが望ましい場合があるが、このこと
がさらなる課題をもたらす場合がある。このことは、適切に速い分散時間を有する錠剤を
考案するという観点から特に当てはまる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
活性成分として、E-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニル)-2,6-ジメチ
ルフェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]-ベンゾニトリルまたはその薬学的
に許容される酸付加塩(特に、その塩酸塩)を含む分散性組成物(例えば錠剤)をこれよ
り提供する。これは、本明細書において「本発明の(分散性)錠剤」と称され得る。
【0008】
「分散性」により、本発明者らは、適切な媒体(例えば、水性媒体(例えば水))中で
または投与に適した他の媒体もしくはビヒクル(例えば、乳、ジュース(例えばオレンジ
ジュース)もしくは半固体様ビヒクル、例えばヨーグルト、アップルソース)中で崩壊す
る組成物(例えば錠剤)を意味する。より具体的には、この組成物(例えば錠剤)は、穏
やかな回旋によりこの組成物が(特に均一におよび/または急速に)分散するように、少
量の媒体(例えば、50ml以下の分散媒(例えば水))中において短期間で崩壊し、具
体的には数分の時間枠内で崩壊し、具体的には、1.5分以下、または1分以下、または
1分未満(例えば、55秒または50秒または45秒または40秒または35秒または3
0秒またはより短い時間内)で崩壊する。好ましくは、適切な崩壊媒体中での崩壊により
飲用液体が生じ、例えば飲用懸濁液または飲用/食用半固体が生じる。一実施形態では、
このような分散物は、710μmの名目上のメッシュ開口部を有するふるいスクリーンを
通過し得る。
【0009】
この分散が少量の流体中で起こる場合、例えば100mgの組成物が、例えば1ml~
5mlのように低い少量の水中で分散され得る場合、生じた混合物は分散物として記載さ
れ得るが、柔らかい塊としても記載され得る。このような柔らかい塊の場合、これは、(
この塊と混合される少量の水を前提として)上記したふるいスクリーンを通過し得ないが
、それにもかかわらず投与に適していてもよく、すなわち、この柔らかい塊はスプーンに
より適切に投与され得る。
【0010】
「分散されている」により、この組成物(例えば錠剤組成物)が分散媒(例えば水)中
で急速に崩壊して、媒体(例えば水)全体にわたり拡散する(または分散する)物理的に
より小さい粒子になることが意味される。この組成物が均一に分散される場合、このこと
により、ほぼ等しい量の組成物(例えば錠剤組成物)粒子(単位は重量)を含む媒体(例
えば水)の任意の等しいポーションが生じ、これにより、本発明者らは、±25%、好ま
しくは±15%、特に±10%(またはより小さい、例えば±5%以内)の偏差(重量/
体積%)以内を意味する。したがって、100mgの錠剤組成物が50mlの水に分散し
ている場合、25mlの水の各ポーション(分割した場合)は約50mgの錠剤組成物重
量を含むはずであるが、±25%(即ち±12.5mg)、好ましくは±15%(即ち±
7.5mg)、特に±10%(即ち±5mg)の偏差の可能性を伴い、最も好ましくは、
この偏差は±5%(即ち±2.5mg)である。したがって、この錠剤組成物は、(分散
に必要な時間の後に;上記を参照されたい)それが入れられている分散媒(例えば水)全
体にわたり物理的に均一にまたは均質に分散されている、または分割されている。分散媒
(例えば水)中での分散性組成物(分散性錠剤)の均一な分散を得るために、多少穏やか
な(mild)もしくは穏やかな(gentle)撹拌または穏やかな(mild)もし
くは穏やかな(gentle)回旋を適用し得ることが理解されるだろう。
【0011】
分散性組成物(例えば、錠剤組成物)が710μmのふるいを通過し得ると示されてい
る場合、これは、分散性組成物(例えば、錠剤)が、特定の質の閾値/必要条件、例えば
、英国薬局方およびヨーロッパ薬局方の現行(または将来)の版におけるものを満足させ
るためである。これらの特性は水性媒体中の実際の分散のために重要であり、分散物(例
えば、水中)を調製する必要はないが、分散性錠剤を代わりの方法で投与し得ることが理
解される。例えば、分散性錠剤は、特定の食物と混合し得る(それ自体として、または錠
剤組成物と上記のような少量/少容量の水とを混合することによって柔らかい塊を形成さ
せることによって)。
【0012】
治療での使用のために、リルピビリンの塩は、対イオンが薬学的に許容されているもの
である。
【0013】
本明細書で言及される薬学的に許容される付加塩は、リルピビリンが形成し得る治療上
活性な無毒の酸付加塩形態を含むことを意味する。後者を、塩基形態を適切な酸で処理す
ることにより好都合に得ることができ、この適切な酸として例えば下記が挙げられる:化
学的に可能な場合には、無機酸(例えば、ハロゲン化水素酸、例えば塩酸、臭化水素酸な
ど;硫酸;硝酸;リン酸など)または有機酸(例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢
酸、2-ヒドロキシ-プロパン酸、2-オキソプロパン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、2-ヒドロキシ-1,2,3-プロパン
トリカルボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼン-スルホン酸、4-メ
チルベンゼンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、2-ヒドロキシ安息香酸、4
-アミノ-2-ヒドロキシ安息香酸および同類の酸)。逆に、この塩形態は、アルカリに
よる処理によって遊離塩基形態に変換され得る。好ましい塩は、リルピビリンの塩酸塩で
ある。
【0014】
本発明の分散性組成物(例えば、錠剤)を、これからより詳細に記載する。これは、分
散性(または崩壊)特性を可能とする特性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
したがって、本発明の一態様では、活性成分として、E-4-[[4-[[4-(2-
シアノエテニル)-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]
-ベンゾニトリル(リルピビリン)またはその薬学的に許容される酸付加塩(特に、塩酸
塩の形態のE-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニル)-2,6-ジメチル-フェ
ニル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]-ベンゾニトリル)を含む分散性組成物(
例えば錠剤)であって、前記活性成分は顆粒の形態で分散性組成物中に存在し、前記顆粒
は、薬学的に許容される添加剤(顆粒画分)をさらに含む、分散性組成物が提供される。
【0016】
したがって、本発明の分散性組成物は、活性成分として、E-4-[[4-[[4-(
2-シアノエテニル)-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミ
ノ]-ベンゾニトリル(リルピビリン)またはその薬学的に許容される酸付加塩(特に、
塩酸塩の形態のE-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニル)-2,6-ジメチル-
フェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]-ベンゾニトリル)を含み、薬学的に
許容される添加剤をさらに含む顆粒画分(顆粒)と、顆粒外画分(この顆粒画分(顆粒)
の隣/以外の組成物の画分)とを含む。
【0017】
顆粒の形態で本組成物中に活性成分を組み込むことにより、この組成物の製造可能性が
改善される。一態様では、最終組成物ブレンドの圧縮性および/または流動性は、このブ
レンドが、そのようなものとしてこの活性成分を含むブレンドと比較して粘着性が低く、
したがって顆粒の形態ではないという点で改善されている。顆粒は、活性成分と、薬学的
に許容される添加剤とを含む。顆粒は、乾式または湿式の造粒プロセスにより調製され得
る。好ましくは湿式の造粒プロセスが使用される。好ましくは結合剤が使用される。
【0018】
本発明の一態様では、分散性組成物の顆粒(顆粒画分)は、薬学的に許容される添加剤
として結合剤を含む。
【0019】
このような結合剤はポリマーであり得、例えば有機ポリマーであり得る。
【0020】
本発明の組成物(例えば錠剤)で使用される有機ポリマーは、生理学的に許容される、
好ましくは水溶性の、合成の、半合成のまたは非合成の有機ポリマーのいずれかであり得
る。
【0021】
したがって、例えば、このポリマーは、天然ポリマー、例えば、多糖類またはポリペプ
チドもしくはその誘導体、または合成ポリマー、例えばポリアルキレンオキシド(例えば
PEG)、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドンなどであり得る。混合ポリマー、例
えばブロックコポリマーおよび糖ペプチドも、当然のことながら使用され得る。
【0022】
このポリマーは、20℃で2%水溶液中である場合に1~15,000mPa・sの見
掛け粘度を好都合に有する。例えば、この水溶性ポリマーは、下記を含む群から選択され
得る:
- アルキルセルロース、例えばメチルセルロース、
- ヒドロキシアルキルセルロース、例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロール、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシブチルセルロース、
- ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、例えばヒドロキシエチルメチルセルロー
スおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース、
- カルボキシアルキルセルロース、例えばカルボキシメチルセルロース、
- カルボキシアルキルセルロースのアルカリ金属塩、例えばカルボキシメチルセルロ
ースナトリウム、
- カルボキシアルキルアルキルセルロース、例えばカルボキシメチルエチルセルロー
ス、
- カルボキシアルキルセルロースエステル、
- デンプン、
- ペクチン、例えばカルボキシメチルアミロペクチンナトリウム、
- キチン誘導体、例えばキトサン、
- ヘパリンおよびヘパリノイド、
- 多糖類、例えばアルギン酸、そのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、カラギー
ナン、ガラクトマンナン、トラガカント、寒天、アラビアゴム、グアーガムおよびキサン
タンガム、
- ポリアクリル酸およびその塩、
- ポリメタクリル酸およびその塩、メタクリレートコポリマー、
- ポリビニルアルコール、
- ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンと酢酸ビニルとのコポリマー、
- ポリアルキレンオキシド、例えばポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキ
シド、ならびにエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、例えばポロキサ
マーおよびポロキサミン。
【0023】
薬学的に許容され、かつ本組成物に適した物理化学的特性を有する、列挙されていない
ポリマーは、本発明に係る組成物の調製に同等に適している。
【0024】
好ましくは、この有機ポリマーは、デンプン、ポリビニルピロリドンもしくはセルロー
スエーテル、例えばPVP K29-32、PVP K90、メチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、またはヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース(HPMC)である。
【0025】
前記HPMCは、このHPMCを水溶性とするのに十分なヒドロキシプロピル基および
メトキシ基を含む。約0.8~約2.5のメトキシ置換度および約0.05~約3.0の
ヒドロキシプロピルモル置換を有するHPMCは概して、水溶性である。メトキシ置換度
は、セルロース分子の無水グルコース単位毎に存在するメチルエーテル基の平均数を指す
。ヒドロキシプロピルモル置換は、セルロース分子の各無水グルコース単位と反応してい
るプロピレンオキシドの平均モル数を指す。好ましいHPMCは、ヒプロメロース291
0 15mPa.sまたはヒプロメロース2910 5mPa.sであり、特に、ヒプロ
メロース2910 15mPa.sである。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、ヒ
プロメロースに関して米国で採用されている名称である(Martindale,The
Extra Pharmacopoeia,29th edition,page 1
435を参照されたい)。4桁の数字「2910」において、最初の2桁はメトキシ基の
おおよその百分率を表し、3桁目および4桁目は、ヒドロキシプロポキシ基のおおよその
組成百分率を表し、15mPa.sまたは5mPa.sは、20℃での2%水溶液の見掛
け粘度を示す値である。
【0026】
好ましくは、本発明の組成物で使用されるポリマーはPVP K30(ポビドンK30
)である。
【0027】
本発明の一態様では、分散性組成物の顆粒は、薬学的に許容される添加剤として、湿潤
剤を含む。この湿潤剤は、活性成分のバイオアベイラビリティを増加させ得る。
【0028】
本発明の一態様では、分散性組成物の顆粒(顆粒画分)は、薬学的に許容される添加剤
として、結合剤および湿潤剤を含む。
【0029】
本発明の一態様は、分散性組成物の顆粒(顆粒画分)は、薬学的に許容される添加剤と
して、崩壊剤を含む。
【0030】
本発明の一態様では、分散性組成物の顆粒は、薬学的に許容される添加剤として、湿潤
剤および崩壊剤を含む。
【0031】
本発明の一態様では、分散性組成物の顆粒(顆粒画分)は、薬学的に許容される添加剤
として、結合剤および崩壊剤を含む。
【0032】
本発明の一態様では、分散性組成物の顆粒(顆粒画分)は、薬学的に許容される添加剤
として、結合剤、湿潤剤および崩壊剤を含む。
【0033】
本発明の一態様では、分散性組成物の顆粒(顆粒画分)は、薬学的に許容される添加剤
として、賦形剤を含む。
【0034】
本発明の一態様では、分散性組成物の顆粒(顆粒画分)は、薬学的に許容される添加剤
として、結合剤および賦形剤を含む。
【0035】
本発明の一態様では、分散性組成物の顆粒(顆粒画分)は、薬学的に許容される添加剤
として、湿潤剤および賦形剤を含む。
【0036】
本発明の一態様では、分散性組成物の顆粒(顆粒画分)は、薬学的に許容される添加剤
として、崩壊剤および賦形剤を含む。
【0037】
本発明の一態様では、分散性組成物の顆粒は、薬学的に許容される添加剤として、湿潤
剤、崩壊剤および賦形剤を含む。
【0038】
本発明の一態様では、分散性組成物の顆粒は、薬学的に許容される添加剤として、湿潤
剤、崩壊剤および結合剤を含む。
【0039】
本発明の一態様では、分散性組成物の顆粒は、薬学的に許容される添加剤として、湿潤
剤、賦形剤および結合剤を含む。
【0040】
本発明の一態様では、分散性組成物の顆粒は、薬学的に許容される添加剤として、賦形
剤、崩壊剤および結合剤を含む。
【0041】
本発明の一態様では、分散性組成物の顆粒は、薬学的に許容される添加剤として、湿潤
剤、崩壊剤、賦形剤および結合剤を含む。
【0042】
本発明の一態様では、活性成分として、E-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニ
ル)-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]-アミノ]-ベンゾニ
トリルまたはその薬学的に許容される酸付加塩(特に、塩酸塩の形態のE-4-[[4-
[[4-(2-シアノエテニル)-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジ
ニル]-アミノ]-ベンゾニトリル)を含む分散性組成物(例えば錠剤)であって、前記
活性成分は、顆粒の形態で分散性組成物中に存在し、前記顆粒は、薬学的に許容され添加
剤をさらに含み、前記組成物は、顆粒外画分中において、顆粒に隣接して賦形剤(特に不
溶性賦形剤)をさらに含む、分散性組成物(例えば錠剤)が提供される。
【0043】
本発明の一態様では、活性成分として、E-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニ
ル)-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]-アミノ]-ベンゾニ
トリルまたはその薬学的に許容される酸付加塩(特に、塩酸塩の形態のE-4-[[4-
[[4-(2-シアノエテニル)-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジ
ニル]-アミノ]-ベンゾニトリル)を含む分散性組成物(例えば錠剤)であって、前記
活性成分は、顆粒の形態で分散性組成物中に存在し、前記顆粒は、薬学的に許容される添
加剤をさらに含み、前記組成物は、顆粒外画分中において、顆粒に隣接して崩壊剤をさら
に含む、分散性組成物(例えば錠剤)が提供される。
【0044】
本発明の一態様では、活性成分として、E-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニ
ル)-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]-アミノ]-ベンゾニ
トリルまたはその薬学的に許容される酸付加塩(特に、塩酸塩の形態のE-4-[[4-
[[4-(2-シアノエテニル)-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジ
ニル]-アミノ]-ベンゾニトリル)を含む分散性組成物(例えば錠剤)であって、前記
活性成分は、顆粒の形態で分散性組成物中に存在し、前記顆粒は、薬学的に許容される添
加剤をさらに含み、前記組成物は、顆粒外画分中において、顆粒に隣接して賦形剤(特に
不溶性賦形剤)および崩壊剤をさらに含む、分散性組成物(例えば錠剤)が提供される。
【0045】
本発明の一態様では、活性成分として、E-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニ
ル)-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]-アミノ]-ベンゾニ
トリルまたはその薬学的に許容される酸付加塩(特に、塩酸塩の形態のE-4-[[4-
[[4-(2-シアノエテニル)-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジ
ニル]-アミノ]-ベンゾニトリル)を含む分散性組成物(例えば錠剤)であって、前記
活性成分は、顆粒の形態で分散性組成物中に存在し、前記顆粒は、薬学的に許容される添
加剤をさらに含み、前記組成物は、顆粒外画分中において、顆粒に隣接して湿潤剤をさら
に含む、分散性組成物(例えば錠剤)が提供される。
【0046】
本発明の一態様では、活性成分として、E-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニ
ル)-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]-アミノ]-ベンゾニ
トリルまたはその薬学的に許容される酸付加塩(特に、塩酸塩の形態のE-4-[[4-
[[4-(2-シアノエテニル)-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジ
ニル]-アミノ]-ベンゾニトリル)を含む分散性組成物(例えば錠剤)であって、前記
活性成分は、顆粒の形態で分散性組成物中に存在し、前記顆粒は、薬学的に許容される添
加剤をさらに含み、前記組成物は、顆粒外画分中において、顆粒に隣接して賦形剤(特に
不溶性賦形剤)および湿潤剤をさらに含む、分散性組成物(例えば錠剤)が提供される。
【0047】
本発明の一態様では、活性成分として、E-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニ
ル)-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]-ベンゾニト
リルまたはその薬学的に許容される酸付加塩(特に、塩酸塩の形態のE-4-[[4-[
[4-(2-シアノエテニル)-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジニ
ル]アミノ]-ベンゾニトリル)を含む分散性組成物(例えば錠剤)であって、前記活性
成分は、顆粒の形態で分散性組成物中に存在し、前記顆粒は、薬学的に許容される添加剤
をさらに含み、前記組成物は、顆粒外画分中において、顆粒に隣接して湿潤剤および崩壊
剤をさらに含む、分散性組成物(例えば錠剤)が提供される。
【0048】
本発明の一態様では、活性成分として、E-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニ
ル)-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]-アミノ]-ベンゾニ
トリルまたはその薬学的に許容される酸付加塩(特に、塩酸塩の形態のE-4-[[4-
[[4-(2-シアノエテニル)-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジ
ニル]-アミノ]-ベンゾニトリル)を含む分散性組成物(例えば錠剤)であって、前記
活性成分は、顆粒の形態で分散性組成物中に存在し、前記顆粒は、薬学的に許容される添
加剤をさらに含み、前記組成物は、顆粒外画分中において、顆粒に隣接して賦形剤(特に
不溶性賦形剤)、崩壊剤および湿潤剤をさらに含む、分散性組成物(例えば錠剤)が提供
される。
【0049】
顆粒外画分中の湿潤剤は、組成物の均一な湿潤を確実にし得、かつ崩壊/分散性を促進
し得る。
【0050】
本発明の一態様では、顆粒外画分中に存在する賦形剤(そのため、活性成分を含む顆粒
中には存在しない)は、好ましくは不溶性賦形剤である。不溶性賦形剤(例えば、ケイ化
微結晶性セルロースなどの微結晶性セルロース)の存在は、分散媒の水を急速に取り入れ
る能力を付与することにより、本発明の組成物の分散性/崩壊特性にとって有利であり得
、すなわち、この不溶性賦形剤は、改善された分散性/崩壊特性を有利にもたらす吸上作
用を付与し得る。吸上作用は、より早い分散をもたらし得、かつ可溶化工程を迂回しても
よく(例えば、液体は、毛管作用によって経路へと引き上げされるか、または「吸い取ら
れ」、粒子間結合を破裂させ、錠剤/組成物がバラバラになることをもたらし得る)、こ
のことは有利であり得る。さらに、不溶性賦形剤は、長期間(例えば6時間)後でさえ容
易に再懸濁され得、このことは、本発明の組成物が顆粒/粒子を再分散させるのに懸濁化
剤を必要としないという利点を有し得る。
【0051】
本発明の組成物中の湿潤剤に関しては、医薬組成物での使用に適した、生理学的に許容
できる湿潤剤のいずれかを使用し得る。
【0052】
湿潤剤が両親媒性化合物であることは当技術分野において周知である。これは、極性親
水性部分および非極性疎水性部分を含有する。
【0053】
用語「親水性」または「疎水性」は、相対語である。
【0054】
湿潤剤の相対的な親水性または疎水性は、その親水性-親油性バランス値(「HLB値
)によって表し得る。より低いHLB値を有する湿潤剤は、「疎水性」湿潤剤であるとし
て分類され、一方、より高いHLB値を有する湿潤剤は、「親水性」湿潤剤であるとして
分類される。大まかに言って、約10超のHLB値を有する湿潤剤は一般に、親水性湿潤
剤であると考えられ、約10未満のHLB値を有する湿潤剤は一般に、疎水性湿潤剤であ
ると考えられる。
【0055】
本組成物は好ましくは、親水性湿潤剤を含む。湿潤剤のHLB値は、湿潤剤の親水性/
疎水性を示す単に大まかなガイドであることを認識されたい。特定の湿潤剤のHLB値は
、HLB値を決定するために使用される方法によって変化し得、その商業的供給源によっ
て変化し得、バッチ毎のばらつきの影響を受けやすい。当業者は、本発明の医薬組成物に
おける使用に適した親水性湿潤剤を容易に同定することができる。
【0056】
本発明の湿潤剤は、アニオン性、カチオン性、双性イオン性または非イオン性湿潤剤で
よく、後者が好ましい。本発明の湿潤剤はまた、2種またはそれ超の湿潤剤の混合物でよ
い。
【0057】
本発明の組成物中で使用するための適切な湿潤剤を、下記に列挙する。湿潤剤の前記リ
ストは、単に例示的、代表的なものであり、網羅的なものではないことを強調すべきであ
る。このように、本発明は、下記に列挙する湿潤剤に限定されない。本組成物中で、湿潤
剤の混合物をまた使用し得る。
【0058】
本発明中に使用し得る適切な湿潤剤は、
a)ラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リシノール酸などとPEG6、7、8、9
、10、12、15、20、25、30、32、40、45、50、55、100、20
0、300、400、600などとのエステルを含むポリエチレングリコール脂肪酸モノ
エステル、例えば、ラウリン酸またはステアリン酸PEG-6、オレイン酸またはラウリ
ン酸PEG-7、ラウリン酸またはオレイン酸またはステアリン酸PEG-8、オレイン
酸またはステアリン酸PEG-9、ラウリン酸またはオレイン酸またはステアリン酸PE
G-10、ラウリン酸またはオレイン酸またはステアリン酸またはリシノール酸PEG-
12、ステアリン酸またはオレイン酸PEG-15、ラウリン酸またはオレイン酸または
ステアリン酸PEG-20、ステアリン酸PEG-25、ラウリン酸またはオレイン酸ま
たはステアリン酸PEG-32、ステアリン酸PEG-30、ラウリン酸またはオレイン
酸またはステアリン酸PEG-40、ステアリン酸PEG-45、ステアリン酸PEG-
50、ステアリン酸PEG-55、オレイン酸またはステアリン酸PEG-100、オレ
イン酸PEG-200、オレイン酸PEG-400、オレイン酸PEG-600;(この
群に属する湿潤剤は、例えば、Cithrol、Algon、Kessco、Lauri
dac、Mapeg、Cremophor、Emulgante、Nikkol、Myr
j、Crodet、Albunol、Lactomulとして公知である)
b)ラウリン酸、ステアリン酸、パルミン酸、オレイン酸などとPEG-8、10、12
、20、32、400などとのジエステルを含むポリエチレングリコール脂肪酸ジエステ
ル、例えば、ジラウリン酸またはジステアリン酸PEG-8、ジパルミチンPEG-10
、ジラウリン酸またはジステアリン酸またはジオレイン酸PEG-12、ジラウリン酸ま
たはジステアリン酸またはジオレイン酸PEG-20、ジラウリン酸またはジステアリン
酸またはジオレイン酸PEG-32、ジオレイン酸またはジステアリン酸PEG-400
;(この群に属する湿潤剤は、例えば、Mapeg、Polyalso、Kessco、
Cithrolとして公知である)
c)ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステルおよびジエステル混合物、例えば、モノ
ラウリン酸およびジラウリン酸PEG4-150、モノオレイン酸およびジオレイン酸P
EG4-150、モノステアリン酸およびジステアリン酸PEG4-150など;(この
群に属する湿潤剤は、例えば、Kesscoとして公知である)
d)ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、例えば、ラウリン酸PEG-
20グリセリルまたはステアリン酸グリセリルまたはオレイン酸グリセリル、ラウリン酸
PEG-30グリセリルまたはオレイン酸グリセリル、ラウリン酸PEG-15グリセリ
ル、ラウリン酸PEG-40グリセリルなど;(この群に属する湿潤剤は、例えば、Ta
gat、Glycerox L、Capmulとして公知である)、
e)アルコールまたは多価アルコール、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ペンタエリスリトールな
どと、天然油および/もしくは硬化油または油溶性ビタミン、例えば、ヒマシ油、水添ヒ
マシ油、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、食用植物性油、例えば、ト
ウモロコシ油、オリーブ油、ピーナッツ油、パーム核油、キョウニン油、アーモンド油な
どとのエステルを含むアルコール-油エステル交換生成物、例えば、PEG-20ヒマシ
油または水添ヒマシ油またはコーングリセリドまたはアーモンドグリセリド、PEG-2
3ヒマシ油、PEG-25水添ヒマシ油またはトリオレイン酸PEG-25、PEG-3
5ヒマシ油、PEG-30ヒマシ油または水添ヒマシ油、PEG-38ヒマシ油、PEG
-40ヒマシ油または水添ヒマシ油またはパーム核油、PEG-45水添ヒマシ油、PE
G-50ヒマシ油または水添ヒマシ油、PEG-56ヒマシ油、PEG-60ヒマシ油ま
たは水添ヒマシ油またはコーングリセリドまたはアーモンドグリセリド、PEG-80水
添ヒマシ油、PEG-100ヒマシ油または水添ヒマシ油、PEG-200ヒマシ油、P
EG-8カプリル酸/カプリン酸グリセリド、PEG-6カプリル酸/カプリン酸グリセ
リド、ラウロイルマクロゴール-32グリセリド、ステアロイルマクロゴールグリセリド
、コハク酸トコフェリルPEG-1000(TPGS);(この群に属する湿潤剤は、例
えば、Emalex、Cremophor、Emulgante、Eumulgin、N
ikkol、Thornley、Simulsol、Cerex、Crovol、Lab
rasol、Softigen、Gelucire、ビタミンE TPGSとして公知で
ある)、
f)脂肪酸のポリグリセロールエステルを含むポリグリセリル化脂肪酸、例えば、ラウリ
ン酸またはオレイン酸またはステアリン酸ポリグリセリル-10、モノオレイン酸および
ジオレイン酸ポリグリセリル-10、ポリリシノール酸ポリグリセリルなど;(この群に
属する湿潤剤は、例えば、Nikkol Decaglyn、CaprolまたはPol
ymulsとして公知である)
g)ステロールのポリエチレングリコール誘導体を含む、ステロール誘導体、例えば、P
EG-24コレステロールエーテル、PEG-30コレスタノール、PEG-25植物ス
テロール、PEG-30大豆ステロールなど;(この群に属する湿潤剤は、例えば、So
lulan(商標)またはNikkol BPSHとして公知である)
h)ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、例えば、PEG-10ラウリン
酸ソルビタン、PEG-20モノラウリン酸ソルビタンまたはトリステアリン酸ソルビタ
ンまたはモノオレイン酸ソルビタンまたはトリオレイン酸ソルビタンまたはモノイソステ
アリン酸ソルビタンまたはモノパルミチン酸ソルビタンまたはモノステアリン酸ソルビタ
ン、PEG-4モノラウリン酸ソルビタン、PEG-5モノオレイン酸ソルビタン、PE
G-6モノオレイン酸ソルビタンまたはモノラウリン酸ソルビタンまたはモノステアリン
酸ソルビタン、PEG-8モノステアリン酸ソルビタン、PEG-30テトラオレイン酸
ソルビタン、PEG-40オレイン酸ソルビタンまたはテトラオレイン酸ソルビタン、P
EG-60テトラステアリン酸ソルビタン、PEG-80モノラウリン酸ソルビタン、P
EGヘキサオレイン酸ソルビトール(Atlas G-1086)など;(この群に属す
る湿潤剤は、例えば、Liposorb、Tween、Dacol MSS、Nikko
l、Emalex、Atlasとして公知である)
i)ポリエチレングリコールアルキルエーテル、例えば、PEG-10オレイルエーテル
またはセチルエーテルまたはステアリルエーテル、PEG-20オレイルエーテルまたは
セチルエーテルまたはステアリルエーテル、PEG-9ラウリルエーテル、PEG-23
ラウリルエーテル(ラウレス-23)、PEG-100ステアリルエーテルなど;(この
群に属する湿潤剤は、例えば、Volpo、Brijとして公知である)
j)糖エステル、例えば、ジステアリン酸/モノステアリン酸スクロース、モノステアリ
ン酸スクロースまたはモノパルミチン酸スクロースまたはモノラウリン酸スクロースなど
;(この群に属する湿潤剤は、例えば、Sucroエステル、Crodesta、モノラ
ウリン酸サッカロースとして公知である)
k)ポリエチレングリコールアルキルフェノール、例えば、PEG-10-100ノニル
フェノール(Triton Xシリーズ)、PEG-15-100オシルフェノールエー
テル(Triton Nシリーズ)など;
l)ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(ポロキサマー)、
例えば、ポロキサマー108、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー
288など;(この群に属する湿潤剤は、例えば、Synperonic PE、Plu
ronic、Emkalyx、Lutrol(商標)、Supronic、Monola
n、Pluracare、Plurodacとして公知である)
m)カチオン性、アニオン性および双性イオン性界面活性剤を含むイオン性湿潤剤、例え
ば、脂肪酸塩、例えば、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルサル
コシン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、
パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、リシノール酸ナトリウムなど;例え
ば、胆汁酸塩、例えば、コール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリココール
酸ナトリウムなど;例えば、リン脂質、例えば、卵/大豆レシチン、水酸化レシチン、リ
ゾホスファチジルコリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホ
スファチジルグリセロール、ホスファチジルセリンなど;例えば、リン酸エステル、例え
ば、リン酸ジエタノールアンモニウムポリオキシエチレン-10オレイルエーテル、脂肪
アルコールまたは脂肪アルコールエトキシレートとリン酸または無水物とのエステル化生
成物;例えば、カルボン酸エステル、例えば、スクシニル化モノグリセリド、ステアリル
フマル酸ナトリウム、コハク酸水素ステアロイルプロピレングリコール、モノおよびジグ
リセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノおよびジグリセリドのクエン酸エス
テル、脂肪酸のグリセリル-ラクトエステル、脂肪酸のラクチルエステル、ステアロイル
-2-乳酸カルシウム/ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム/ナトリウム、アルギ
ン酸塩、アルギン酸プロピレングリコール、エーテルカルボキシレートなど;例えば、硫
酸エステルおよびスルホン酸エステル、例えば、硫酸エトキシ化アルキル、硫酸アルキル
ベンゼン、スルホン酸アルファ-オレフィン、イセチオン酸アシル、アシルタウレート、
アルキルグリセリルエーテルスルホネート、スルホコハク酸オクチル二ナトリウム、ウン
デシレンアミド-MEA-スルホサコハク酸二ナトリウムなど;例えば、カチオン性湿潤
剤、例えば、臭化ヘキサデシルトリアンモニウム、臭化デシルトリメチルアンモニウム、
臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルアンモニウム、アルキルベンジルジメ
チルアンモニウム塩、ジイソブチルフェノキシエトキシジメチルベンジルアンモニウム塩
、アルキルピリジニウム塩、ベタイン(ラウリルベタイン)、エトキシ化アミン(ポリオ
キシエチレン-15ココナツアミン)など
を含む。
【0059】
適切な湿潤剤の上記のリストにおいて、異なる可能性が列挙されているとき(例えば、
PEG-20オレイルエーテルまたはセチルエーテルまたはステアリルエーテル)、これ
はPEG-20オレイルエーテルおよびセチルエーテルおよびステアリルエーテルが意図
されることを意味する。このように、例えば、PEG-20ヒマシ油または水添ヒマシ油
またはコーングリセリドまたはアーモンドグリセリドは、PEG-20ヒマシ油およびP
EG-20水添ヒマシ油およびPEG-20コーングリセリドおよびPEG-20アーモ
ンドグリセリドとして読まなければならない。
【0060】
本組成物中の好ましい湿潤剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸
ナトリウム、またはポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルの群に属する湿潤
剤(例えば、Tween(登録商標)(例えばTween(登録商標)20、60、80
)として既知である湿潤剤)である。好ましくは、活性成分を含む顆粒中の湿潤剤はTw
een(登録商標)であり、例えばTween(登録商標)20である。好ましくは、顆
粒外画分中の湿潤剤はラウリル硫酸ナトリウムである。
【0061】
湿潤剤(または界面活性剤)の好ましい量を本明細書に記載するが、しかし、本組成物
中で使用されるとき、これは組成物中に存在する活性成分の量よって決まり得ることが認
識される。より多い量は、さらなる湿潤剤を必要とし得る。
【0062】
本発明の組成物(例えば錠剤組成物)は崩壊剤を含み得ることが、本明細書で示されて
いる。可能性のある崩壊剤として、下記を含む薬学的に許容される崩壊剤が挙げられる:
デンプン、イオン交換樹脂、例えばAmberlit、架橋ポリビニルピロリドン、加工
セルロース、例えばクロスカルメロースナトリウム(例えばAc-di-Sol(登録商
標))、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ド
デシル硫酸ナトリウム、加工トウモロコシデンプン、微結晶性セルロース、ケイ酸マグネ
シウムアルミニウム、アルギン酸、アルギネート、粉末セルロース、クロスポビドン(例
えばPolyplasdone XL)。考慮され得る他の崩壊剤として、L-HPC、
キサンタンガム、ジェランガム、大豆多糖類などが挙げられる。活性成分を含む顆粒に最
も好ましい崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム(例えばAc-di-Sol(登録
商標)である。顆粒外画分に最も好ましい崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム(例
えばAc-di-Sol(登録商標))である。
【0063】
本発明の組成物(例えば、錠剤組成物)が賦形剤を含み得ることが、本明細書で示され
ている。賦形剤が既に特定されていない限り、このような賦形剤は、デンプン、粉末セル
ロース、微結晶性セルロース(例えば、ケイ化微結晶性セルロース)、リン酸カルシウム
(例えば、第二リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム二水和物、第三リン酸カルシウ
ム)、炭酸カルシウム、硫酸カルシウムなど(またはこれらの組合せ、すなわち、同時加
工した不溶性添加剤;考慮され得る他のものとして、ワックス様硬化油などが挙げられる
)であり得る。顆粒外画分の最も好ましい賦形剤は、微結晶性セルロース(例えば、ケイ
化微結晶性セルロース)などの不溶性賦形剤であることが理解される(上記を参照された
い)。なぜならば、この結果は、有利である内在性の特性を有する組成物をもたらすから
である。好ましい微結晶性セルロースは、微結晶性セルロースPH112(avicel
(登録商標)PH 112)である。顆粒外画分は第2の賦形剤をさらに含み得、この第
2の賦形剤はより可溶性であり得る。糖およびポリオールが考慮され得、例えば下記の賦
形剤が考慮され得る:デキストレート、デキストリン、デキストロース添加剤、フルクト
ース、カオリン、ラクチトール、ラクトース無水物、ラクトース一水和物、マンニトール
、ソルビトール、塩化ナトリウム、スクロース、圧縮糖、菓子用精製糖、Microce
lac(登録商標)として市販されている、ラクトース一水和物および微結晶性セルロー
スの噴霧乾燥混合物(75:25)、Prosolv(登録商標)として市販されている
、微結晶性セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素の同時加工した噴霧乾燥混合物(9
8:2)。好ましくは、顆粒外画分は第2の賦形剤を含む。好ましくは、前記第2の賦形
剤はマンニトールであり、特に、マンニトールSD200である。これにより、本組成物
の口当たりがよくなる。好ましくは、顆粒は賦形剤を含む。好ましくは、前記賦形剤は糖
である。好ましくは、前記糖はラクトース(すなわち、ラクトース一水和物)である。
【0064】
本発明の一態様では、活性成分として、E-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニ
ル)-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]-アミノ]-ベンゾニ
トリルまたはその薬学的に許容される酸付加塩(特に、塩酸塩の形態のE-4-[[4-
[[4-(2-シアノエテニル)-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジ
ニル]-アミノ]-ベンゾニトリルを含む分散性組成物(例えば、錠剤)であって、前記
活性成分は顆粒の形態で分散性組成物中に存在し、前記顆粒は、薬学的に許容される添加
剤をさらに含み、前記組成物は、顆粒外画分中において、顆粒に隣接して、第1の賦形剤
(特に、不溶性賦形剤)および第2の賦形剤(特に、糖またはポリオール)をさらに含む
、分散性組成物(例えば、錠剤)が提供される。一態様では、第1の賦形剤は微結晶性セ
ルロースである。一態様では、第2の賦形剤は糖である。一態様では、第1の賦形剤は微
結晶性セルロースであり、第2の賦形剤はマンニトールである。一態様では、第1の賦形
剤および第2の賦形剤の重量比は1:1である。一態様では、微結晶性セルロースおよび
マンニトールの重量比は1:1である。顆粒外画分中における、特に1:1の重量比の、
第1の賦形剤および第2の賦形剤の組合せ(特に、第1の不溶性賦形剤および第2のより
可溶性の賦形剤の組合せ、特に、微結晶性セルロースおよび糖の組合せ、特に、微結晶性
セルロースおよびマンニトールの組合せ)により、内容物の均一性が改善されることを発
見した。内容物の均一性は、剤形(特に錠剤)に関して薬局方で規定された試験であり、
活性成分の用量および比率は<25mgまたは<25%である。
【0065】
本発明の組成物(例えば、錠剤組成物)は滑沢剤を含み得ることが、本明細書で示され
ている。このような滑沢剤は、薬学的に許容される滑沢剤であり、例えば、ステアリン酸
マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコー
ル、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウ
ムである。滑沢剤がステアリルフマル酸ナトリウムであることが最も好ましい。
【0066】
本発明の組成物(例えば、錠剤組成物)は流動促進剤を含み得ることが、本明細書で示
されている。可能性のある流動促進剤として、タルク、コロイド状二酸化ケイ素、デンプ
ン、ステアリン酸マグネシウムを含む、薬学的に許容される流動促進剤が挙げられる。一
態様では、本発明の組成物は流動促進剤を含まない。
【0067】
本明細書に記載の組成物は、1種または複数の薬学的に許容される添加剤、例えば、可
塑剤、香料、甘味剤、着色剤、保存剤などをさらに含み得る。本発明の一態様では、本発
明の組成物は、可塑剤または本明細書で記述している別のこのような任意選択の添加剤を
含有しない。
【0068】
本発明の組成物は、良好な口当たりおよび良好な(急速な)崩壊を特徴とする。
【0069】
本発明の一態様では、組成物の全重量に対して重量によって、1~50%、1~30%
、1~20%、1~15%、1~10%、1~5%、2~5%、2~3%の活性成分を含
む分散性組成物(例えば、錠剤組成物)が提供される。
【0070】
本発明の一態様では、2.75mgのE-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニル
)-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]-アミノ]-ベンゾニト
リルHClと一致する、2.5mg塩基当量のE-4-[[4-[[4-(2-シアノエ
テニル)-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]-ベンゾ
ニトリルを含む分散性組成物(すなわち、錠剤組成物)が提供される。
【0071】
本発明の一態様では、5.5mgのE-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニル)
-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]-ベンゾニトリル
HClと一致する、5mg塩基当量のE-4-[[4-[[4-(2-シアノエテニル)
-2,6-ジメチルフェニル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]-ベンゾニトリル
を含む分散性組成物(例えば、錠剤組成物)が提供される。
【0072】
本発明の一態様では、組成物の全重量に対して重量によって、
1~50%(例えば、1~10%または2~5%)の活性成分
35%~95%(例えば、70~95%)の賦形剤
0.1%~10%(例えば、2~5%)の崩壊剤
0~5%(例えば、0~3.5%)の流動促進剤
0.01~5%(例えば、0.01~1.5%)の湿潤剤
0~10%(例えば、0.1~2%)の結合剤
0~5%(例えば、1~3%)の滑沢剤
を含む(例えば、からなる)分散性組成物(例えば、錠剤組成物)が提供される。
【0073】
本発明の一態様では、組成物の全重量に対して重量によって、35%~70%(例えば
、35%~50%)の不溶性賦形剤(例えば、ケイ化微結晶性セルロースなどの微結晶性
セルロース)を含む分散性組成物(例えば、錠剤組成物)が提供される。
【0074】
本発明の一態様では、組成物の全重量に対して重量によって、35%~70%(例えば
、35~50%)の糖賦形剤(例えば、マンニトール)を含む分散性組成物(例えば、錠
剤組成物)が提供される。
【0075】
本発明の一態様では、組成物の全重量に対して重量によって、1%~10%(例えば、
2~5%)の崩壊剤(例えば、クロスカルメロースナトリウム)を含む分散性組成物(例
えば、錠剤組成物)が提供される。
【0076】
別の態様では、組成物(例えば、錠剤組成物)が提供され、組成物の異なる部分(特に
、顆粒画分および顆粒外画分)は、組成物の全重量に対して重量によって、下記の成分
顆粒画分
1~50%(例えば、2~5%)の活性成分
1%~8%(例えば、5~8%)の賦形剤
0.01~2.5%(例えば、0.01~1.5%)の湿潤剤
0~10%(例えば、0.1~2%)の結合剤
0.1%~5%(例えば、0.1~2%)の崩壊剤
顆粒外画分
35%~87%(例えば、70~87%)の賦形剤
1%~5%(例えば、2~5%)の崩壊剤
0.01~2.5%(例えば、0.1~1.5%)の湿潤剤
0~5%(例えば、1~3%)の滑沢剤
を含む。
【0077】
本明細書に記載されている組成物(例えば、錠剤組成物)との関連で、組成物の態様は
、顆粒画分および顆粒外画分を含むとして記載され得る。組成物のこのような画分は、最
終的には互いに混ぜられる。しかし、これらの画分の区別は、結果として生じた組成物に
ついて別個の特性をもたらすことが(例えば、このような組成物を調製する方法に関連し
て)認識される。
【0078】
顆粒画分は、組成物(例えば、錠剤)の全重量の最大50重量%を構成し得、好ましく
は、組成物(または錠剤)の5~20重量%(例えば、5~10重量%)を構成する。顆
粒外画分は、組成物(例えば、錠剤)の全重量の最大95重量%を構成し得、好ましくは
、組成物(または錠剤)の50~95重量%(例えば、70~95重量%)を構成する。
【0079】
本明細書に記載されている本発明の組成物は、顆粒画分および顆粒外画分の混合物また
はブレンドであり得、適切な圧縮技術に供された後で、錠剤などの(単位)剤形を呈し得
る。
【0080】
本明細書に記載されている本発明の一態様(特に、上記の分散性組成物)では、全組成
物重量(例えば、全錠剤重量)は約100mgであり得る。存在する活性成分は、1~2
5mg、例えば、1mg~5mg、例えば、2.5mg塩基当量(2.75mgの、対応
するHCl塩)、または約5mg塩基当量(5.5mgの、対応するHCl塩)の範囲で
あり得る。この様式で、小児用(または老人用)製剤を提供し得、この製剤は分散性であ
り、意図した集団(例えば小児集団、例えば0~12歳の範囲の子供)に投与量の柔軟性
を提供する。
【0081】
本発明はまた、本発明の組成物(例えば、錠剤組成物)を調製する方法に関し、したが
って、
- 本発明の組成物(例えば、錠剤)の調製のための方法(例えば、本明細書に記載の)
- 本発明の方法(例えば、本明細書に記載の)によって得ることができる生成物(例え
ば、本発明の組成物、例えば、本明細書に記載のような分散性錠剤)
を提供する。
【0082】
上記で示すように、本発明の組成物は好ましくは、異なる画分である顆粒画分および顆
粒外画分を含む。
【0083】
したがって、
(a)好ましくは、本明細書において記述した結合剤を含む結合剤溶液(例えば水溶液)
を使用することにより、本明細書において記述した顆粒画分構成要素を使用して顆粒画分
を得ることと;
(b)本明細書において記述した顆粒外画分構成要素を使用して顆粒外画分を得ることと
;
これらの画分を使用して、本発明の組成物を調製することと
を含む、本発明の組成物の調製のための方法が提供される。
【0084】
さらに具体的には、顆粒画分(本明細書で定義されている)を、関連性のある構成要素
を混合することもしくはブレンドすることにより(乾式造粒、ローラー圧縮)、または好
ましくは、本明細書において記述した適切な結合剤を使用する湿式造粒により、調製し得
る。乾式造粒技術および湿式造粒技術は当業者に既知である。得られた顆粒を乾燥し得る
、および/または所定の大きさに分粒(もしくはふるい分け)し得る。
【0085】
次いで、顆粒をブレンドし、または共ふるい分けし、顆粒外画分(本明細書で定義され
いてる)の構成要素とブレンドする。このようなブレンディングはまた、顆粒外層も滑沢
剤を含む場合には、潤滑を本質的に伴う。
【0086】
例えば、顆粒および顆粒外画分の混合を含めて上記で示したように、本発明の組成物が
調製されると、このような組成物は任意選択で好ましくは、錠剤形態に変換し得る。本発
明の方法の好ましい態様では、このように調製された組成物は好ましくは、錠剤形態に圧
縮され、それによって、本発明の分散性錠剤の調製を可能とする。このような錠剤は、任
意の適切な用量のものであり得るが、各単位は、1~25mgの活性成分を含有してもよ
い(塩構成要素を考慮しない塩基当量)。単位は、2~5mgのリルピビリン塩基当量、
好ましくは2.5mgのリルピビリン塩基当量(すなわち、2.75mgのリルピビリン
HCl)または5mgのリルピビリ塩基当量(すなわち、5.5mgのリルピビリンHC
l)を好ましくは含む。
【0087】
打錠工程自体は、他に標準であり、通常の錠剤プレス機を使用して成分の所望のブレン
ドまたは混合物から適正な形状へと錠剤を形成させることによって容易に実行される。錠
剤の硬度は、分散性錠剤に適している。
【0088】
本発明の錠剤は、さらにフィルムコーティングして、味を改善させ、嚥下の容易さおよ
び/または上等な外観を実現し得る。多くの適切なポリマーのフィルムコーティング材料
は、当技術分野において公知である。好ましいフィルムコーティング材料は、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースHPMC、特に、HPMC2910(5mPa.s)である。
ヒドロキシプロピルセルロース、およびアクリレート-メタクリレートコポリマーを含め
た他の適切な皮膜形成ポリマーをまた、本明細書において使用し得る。皮膜形成ポリマー
に加えて、フィルムコートは、可塑剤(例えば、プロピレングリコール)および任意選択
で顔料(例えば、二酸化チタン)をさらに含み得る。フィルムコーティング懸濁液はまた
、癒着防止剤としてタルクを含有し得る。本発明による即時放出錠剤において、フィルム
コートは少量であり、重量に関して、総錠剤重量の約3%(w/w)未満を占める。本発
明の一実施形態では(例えば、好ましい実施形態では)、本発明の錠剤は、フィルムコー
ティングされない。
【0089】
上で示したように、本発明の有用性は、薬剤耐性株、HIVに対して活性を示すことが
公知である活性成分、およびその塩から生じる。
【0090】
したがって、本発明の一態様では、本発明に係る組成物(例えば、錠剤)であって、H
IV感染の処置に適した組成物、または本発明に係る組成物(例えば、錠剤)であって、
HIV感染の処置で使用するための組成物、または本発明に係る組成物(例えば、錠剤)
であって、HIV感染の処置用の組成物が提供される。
【0091】
さらに、本発明はまた、HIV感染の処置のための医薬の製造のための、本明細書の下
に記載された本発明の組成物(例えば、錠剤)の使用にも関する。
【0092】
したがって、別の態様では、本発明は、HIV感染を患っているか、またはこれの危険
性がある(特に、HIV感染を患っている)患者を処置する方法であって、患者に治療有
効量の本発明に係る分散性組成物(例えば、錠剤)を投与することを含む方法を提供する
。
【0093】
本組成物を、単独で、または他の治療剤(例えば、抗ウイルス剤、抗生物質、免疫調節
剤、またはウイルス(例えば、HIV)感染の処置用のワクチン)との組合せで使用し得
る。本組成物を、単独で、またはウイルス(例えば、HIV)感染の予防のための他の予
防剤との組合せでも使用し得る。
【0094】
同様に、抗レトロウイルス化合物と本発明の組成物との組合せも薬物として使用し得る
。したがって、本発明はまた、抗HIV処置における同時の、別々の、または連続した使
用のための併用製剤としての、(a)本発明の組成物と、(b)1種または複数種の他の
抗レトロウイルス化合物とを含む製品にも関する。様々な薬物を、薬学的に許容される担
体と一緒に、単一製剤として本発明の組成物中で組み合わせ得る。したがって、本発明は
また、本明細書に記載された分散性組成物であって、1種または複数種の他の抗レトロウ
イルス剤をさらに含む分散性組成物にも関する。
【0095】
前記他の抗レトロウイルス化合物は既知の抗レトロウイルス化合物であり得、例えば下
記であり得る:スラミン、ペンタミジン、チモペンチン、カスタノスペルミン、デキスト
ラン(硫酸デキストラン)、ホスカルネット-ナトリウム(ホスホノギ酸三ナトリウム)
;ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えば、ジドブジン(3’-アジド-3’-デオキシ
チミジン、AZT)、ジダノシン(2’,3’-ジデオキシイノシン;ddI)、ザルシ
タビン(ジデオキシシチジン、ddC)またはラミブジン(2’-3’-ジデオキシ-3
’-チアシチジン、3TC)、スタブジン(2’,3’-ジデヒドロ-3’-デオキシチ
ミジン、d4T)、アバカビル、硫酸アバカビル、エムトリシタビン((-)FTC)、
ラセミFTCなど;非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えば、ネビラピン(11-シク
ロプロピル-5,11-ジヒドロ-4-メチル-6H-ジピリド-[3,2-b:2’,
3’-e][1,4]ジアゼピン-6-オン)、エファビレンツ、デラビルジン、TMC
-120、TMC-125など;TIBO(テトラヒドロ-イミダゾ[4,5,1-jk
][1,4]-ベンゾジアゼピン-2(1H)-オンおよびチオン)型の化合物、例えば
、(S)-8-クロロ-4,5,6,7-テトラヒドロ-5-メチル-6-(3-メチル
-2-ブテニル)イミダゾ-[4,5,1-jk][1,4]ベンゾジアゼピン-2(1
H)-チオン;α-APA(α-アニリノフェニルアセトアミド)型の化合物、例えば、
α-[(2-ニトロフェニル)アミノ]-2,6-ジクロロベンゼン-アセトアミドなど
;トランス活性化タンパク質の阻害剤、例えば、TAT阻害剤(例えば、RO-5-33
35)またはREV阻害剤など;プロテアーゼ阻害剤、例えばインジナビル、リトナビル
、サキナビル、ロピナビル(ABT-378)、ネルフィナビル、アンプレナビル、TM
C-114、BMS-232632、VX-175など;融合阻害剤、例えば、T-20
、T-1249など;CXCR4レセプターアンタゴニスト、例えば、AMD-3100
など;ウイルスインテグラーゼの阻害剤、例えば、ドルテグラビルまたはカボテグラビル
;ヌクレオチド様逆転写酵素阻害剤、例えば、テノホビル、テノホビルジホスファターゼ
、テノホビルジソプロキシルフマレート(TDF)、テノホビルアラフェナミド(ヘミ)
フマレート(tenofovir alafenamide(hemi)fumarat
e)(TAF)など;リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、例えば、ヒドロキシウレア
など;CCR5アンタゴニスト、例えば、アンクリビロック、アプラビロック塩酸塩、ビ
クリビロック。
【0096】
ウイルスのライフサイクル中の様々な事象を標的とする他の抗ウイルス剤と共にリルピ
ビリンを投与することにより、これらの化合物の治療効果を増強し得る。上記に記載した
組合せ療法は、組合せの各構成要素がHIV複製の異なる部位に作用することから、HI
V複製の阻害において相乗効果を発揮し得る。このような組合せの使用は、この薬剤が単
剤療法として投与される場合と比較して、所望の治療効果または予防効果に必要とされる
であろう所与の従来の抗レトロウイルス剤の投与量を低減し得る。これらの組合せは、薬
剤の抗ウイルス活性を妨げずに、従来の単一の抗レトロウイルス療法の副作用を低減し得
る、または排除し得る。これらの組合せは、関連するあらゆる毒性を最小化しつつ、単剤
療法に対する耐性の可能性を低減する。これらの組合せは、関連する毒性を増加させるこ
となく、従来の薬剤の有効性も増加し得る。
【0097】
本発明の組成物を免疫調節剤と組み合わせても投与し得、例えば下記と組み合わせても
投与し得る:例えば、レバミゾール、ブロピリミン、抗ヒトアルファインターフェロン抗
体、インターフェロンアルファ、インターロイキン2、メチオニンエンケファリン、ジエ
チルジチオカルバメート、腫瘍壊死因子、ナルトレキソンなど;抗生物質、例えば、ペン
タミジンイセチオレートなど;コリン作用薬、例えば、タクリン、リバスチグミン、ドネ
ペジル、ガランタミンなど;NMDAチャネルブロッカー、例えば、感染ならびに疾患、
またはAIDSおよびARCなどのHIV感染と関連する疾患の症状、例えば痴呆を予防
するためのまたは戦うためのメマンチン。
【0098】
用語「約」は、本明細書において使用する場合、数値に関連して、数値との関連でその
通常の意味を有することを意味する。必要に応じ、単語「約」は、数値±10%、または
±5%、または±2%、または±1%で置き換えてもよい。本明細書において引用した全
ての文献は、その全体が参照により組み込まれている。
【0099】
疑念を避けるために、本明細書で定義された、それぞれの一般的なまたは特定の選択、
実施形態、態様および例を、可能な場合には、本明細書で定義された任意の他の一般的な
または特定の選択、実施形態、態様および例と組み合わせ得、このような全ての実施形態
は本願により包含されることを理解すべきである。
【0100】
下記の実施例は、本発明を例示することを意図する。
【実施例0101】
実験部分
活性成分であるリルピビリンおよびその薬学的に許容される塩を、例えば、国際公開第
03/16306号パンフレット、同第2004/016581号パンフレットおよび同
第2006/024668号パンフレットに記載されている手順に従って調製し得る。
【0102】
1)本発明の分散性組成物の調製
リルピビリンHCl 2.75mg
ラクトース一水和物
クロスカルメロースナトリウム
ポリビニルピロリドン(例えば、Povidon K30)
ポリソルベート20
精製水(加工の間に除去される)
合計:8.73mg
マンニトール
微結晶性セルロース
ラウリル硫酸ナトリウム
クロスカルメロースナトリウム
ステアリルフマル酸ナトリウム
合計:100mg
【0103】
リルピビリンHCl顆粒を湿式造粒により調製した。ラクトース一水和物200メッシ
ュの最初の1/2部分を適切な容器に入れた。この適切な容器に、リルピビリンHClを
入れた。この適切な容器に、クロスカルメロースナトリウムを入れた。この適切な容器に
、ラクトース一水和物200メッシュの別の1/2部分を入れた。この混合物をブレンド
した。結合剤溶液を、精製水およびポビドンを適正な容器に入れることにより調製した。
ポリソルベート20を添加した。この混合物を撹拌した。造粒を流動床造粒機(Glat
t WSG 200)で実施した。この造粒機に、真空下で粉末ブレンドを入れた。この
混合物上に結合剤溶液を噴霧した。この造粒機から乾燥材料を排出させ、粉砕し、適切な
容器に入れた(工程1)。この顆粒は、31.48%のリルピビリンHClを含む。
【0104】
このリルピビリン含有造粒を、適切なふるいを使用して、マンニトール、微結晶性セル
ロース、クロスカルメロースナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウムと共ふるい分けし
、共ふるい分けしたブレンドを、適切なブレンダーを使用してブレンドした(工程2)。
ステアリルフマル酸ナトリウムをふるい分けし、工程2のブレンドに添加し、このブレン
ドを、適切なブレンダーを使用して滑らかにした(工程3)。
【0105】
工程3のブレンドを、適切な打錠機を使用して錠剤に圧縮した。得られた錠剤を適切な
容器(例えば、例えば小児用安全ポリプロピレンクロージャーおよび乾燥剤(例えば、H
DPEポーチ中のシリカゲル2g)を有する高密度ポリエチレン(HDPE)ボトル)に
パックした。
【0106】
2)活性成分の同定および定量
様々な条件下で貯蔵した、1)に記載された組成物の活性成分のアッセイ(重量/重量
%)を試験するために、下記の条件を使用した。
【0107】
HPLCの操作条件:
カラム:Zorbax Extend C18,100mm長×4.6mm内径,3.5
μm粒径
カラム温度:45℃
流速:1mL/分
注入量:10μL
検出:280nmでのUV
移動相:A:水中に10mM酢酸アンモニウムの緩衝液
B:アセトニトリル
溶出モード:勾配:
【0108】
【0109】
分析時間:37分
相対保持時間(分):リルピビリンHClに関して1.0。
【0110】
【0111】
【0112】
3)溶解試験
1)に記載された組成物の溶解挙動を試験するために、下記の条件を使用した:
機器:Paddle機器(USPタイプ2);
溶解媒体:0.01MのHCl中に0.025%(重量/体積)ポリソルベート20(T
ween(登録商標)20)
体積:900ml
温度:37℃;
回転速度:75rpm;
サンプリング時間:5、10、15、20、30、45および60分。
【0113】
リルピビリンHClをHPLCで測定した。
HPLCの操作条件:
カラム:X-terra,RP18,50mm×4.6mm内径,3.5μm粒径または
同等
カラム温度:昇温もしくは室温,または35±3℃
流速:1.2mL/分
注入量:50μL
検出:280nmでのUV
移動相:A:10mM酢酸アンモニウムpH4.0
B:アセトニトリル
溶出モード:定組成(移動相A:移動相B)(45:55)
分析時間:2.5分a
a保持時間(ガイド):リルピビリンHClに関して約1.7分
【0114】
【0115】
【0116】
4)外観
製品の外観も評価し(目視)、白色からオフホワイトの丸い錠剤を適切と考えた。
【0117】
5)崩壊時間
Ph.Eur.<2.9.1>に従って、製品を崩壊について評価した。
【0118】
【0119】
【0120】
6)分散物の細かさ
Ph.eur.<2.9.1>に従って、分散物の細かさを試験した。合格基準は、7
10μmのふるいの通過とした。
【0121】
上記の表で示したように貯蔵した製品は、分散物の細かさの試験に適合した。
【0122】
7)水分含有率
USP<291>法I/EP<2.5.12>に従って、Karl fisherによ
り水分含有率を測定した。
【0123】
【0124】
【0125】
8)内容物の均一性
Ph.Eur.<2.9.40>またはUSP<905>に従って、内容物の均一性を
決定した。投与量の均一性の要件(L1(L1:15.0以下)以下の、最初の10投与
量単位の合格判定値)が満たされていた。
【0126】
1)に記載された組成物を、18~55歳の健康なHIV陰性成人において、第I相の
非盲検で(Williams designに従って)無作為化された4方向クロスオー
バー試験で試験した(試験TMC278IFD1008;NCT02561936)。こ
の試験の第1のパートでは、水に分散させた分散性錠剤(2.5mgのリルピビリン塩基
当量の10錠)を標準的な朝食後に服用させ(処置C)、標準的な朝食後に服用させたE
durant(登録商標)参照錠剤(処置A)と比較した。この試験の第2のパートでは
、水に分散させた分散性錠剤(2.5mgのリルピビリン塩基当量の10錠)を、標準的
な朝食後もしくは絶食条件下で服用させた、またはオレンジジュース(酸性飲料)に分散
させて標準化された朝食後に服用させた、または水に分散させてヨーグルトと共に服用さ
せた。
【0127】
リルピビリン血漿濃度の測定のために、投与後168時間にわたり静脈血サンプルを採
取した。血漿中のリルピビリンの生物分析を、有効な液体クロマトグラフィー-質量分析
(LC-MS/MS)法を使用して実施し、定量の下限は1.0ng/mlであった。苦
味、甘味および風味を評価する味覚アンケートを使用して嗜好性を評価し、4点基準を使
用して全体的な認容性を評価し、5点視覚快楽基準を使用して全体的な味覚も評価した。
【0128】
この分散性錠剤の投与は、摂食条件および絶食条件の両方で、概して安全でありかつ良
好な耐容性を示した。リルピビリン曝露は、標準化された朝食後の25mgのEdura
nt(登録商標)参照錠剤の場合と比べて高かった(処置C対処置A)。絶食条件下で服
用された分散性錠剤のバイオアベイラビリティは、標準的な朝食と共に服用された場合と
比べて低かった。ヨーグルトのみと服用された場合には、バイオアベイラビリティは、通
常のカロリーで通常の脂肪の朝食と比較して低かった。水と比較してオレンジジュースで
の錠剤の分散は、バイオアベイラビリティを増加させた。全体として、この錠剤は、良好
なバイオアベイラビリティ、容認される嗜好性および良好な耐容性を示した。
【0129】