(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116662
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】複数のエアロゾル送達経路を有するエアロゾル送達装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/30 20200101AFI20230815BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20230815BHJP
A24F 40/05 20200101ALI20230815BHJP
【FI】
A24F40/30
A24F40/40
A24F40/05
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096741
(22)【出願日】2023-06-13
(62)【分割の表示】P 2020532819の分割
【原出願日】2018-12-12
(31)【優先権主張番号】15/843,497
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソーヤー・ハバード
(72)【発明者】
【氏名】エリック・テイラー・ハント
(72)【発明者】
【氏名】カレン・ブイ・タラスキー
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ベンソン・シアーズ
(72)【発明者】
【氏名】ドナ・ウォーカー・ダギンズ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エフ・デイビス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】所定の温度を超えて加熱されることなく、望ましい一貫した感覚的経験をもたらすエアロゾル送達装置が提供される。
【解決手段】エアロゾル送達装置20は、ユーザによって吸い口端開口部を通してエアロゾルが吸入され得る吸い口端開口部を有する複数のエアロゾル経路を提供するハウジングを含んでもよい。ハウジングは、吸い口端開口部と流体連通する第1のエアロゾル送達経路と、第1のエアロゾル送達経路とは別個であり、吸い口端開口部と流体連通する第2のエアロゾル送達経路とを画定する。加熱要素または圧電素子と、エアロゾル前駆体組成物と流体連通する液体輸送要素とを含む噴霧器が、第1のエアロゾル送達経路と流体連通して提供される。香味料注入済み材料は、第2のエアロゾル送達経路内に配置され、香味料注入済み材料と流入空気との接触時に第2のエアロゾルを生成するように適合される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって吸い口端開口部を通してエアロゾルが吸入され得る吸い口端開口部を有する複数のエアロゾル経路を提供するハウジングであって、吸い口端開口部と流体連通する第1のエアロゾル送達経路、および、第1のエアロゾル送達経路とは別個であり且つ吸い口端開口部と流体連通する第2のエアロゾル送達経路、を画定するハウジングと、
液体エアロゾル前駆体組成物を収容するリザーバと、
加熱要素または圧電素子、および、リザーバと流体連通し且つ加熱要素または圧電素子と流体連通する液体輸送要素、を含む噴霧器であって、エアロゾル前駆体組成物から第1のエアロゾルを生成するように構成され、第1のエアロゾル送達経路と流体連通して配置され、第1の空気入口と流体連通する噴霧器と、
第2のエアロゾル送達経路内に配置され、香味料注入済み材料と流入空気との接触時に第2のエアロゾルを生成するように適合された香味料注入済み材料であって、第2の空気入口と流体連通して配置される香味料注入済み材料と、
を含むエアロゾル送達装置。
【請求項2】
液体エアロゾル前駆体組成物が香味料を実質的に含まない、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項3】
香味料注入済み材料が、液体担体と、液体担体と混合された香味料とを含む液体溶液またはエマルジョンを含むか、または、基材と、基材によって担持された放出可能な香味料とを含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項4】
香味料注入済み材料が、1つ以上の多孔性モノリス、ビーズ、粒子、ゲル、カプセルおよびコーティングの形態である、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項5】
ハウジングが、第1および第2のエアロゾル送達経路の下流にあって吸い口端開口部から出る前に第1および第2のエアロゾルの混合を可能にするように構成された混合領域をさらに画定する、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項6】
ハウジングが、複数の異なる香味料注入済み材料を含み、各香味料注入済み材料が、別個のエアロゾル送達経路内に配置され、別個の空気入口と流体連通する、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項7】
第1および第2の開口を有する吸い口端キャップをさらに含み、第1の開口が、第1のエアロゾル送達経路の下流にあり、第1のエアロゾル送達経路と流体連通し、第2の開口が、別個のエアロゾル送達経路の中に香味料注入済み材料が配置された別個のエアロゾル送達経路のうちの少なくとも1つの下流にあり、別個のエアロゾル送達経路の中に香味料注入済み材料が配置された別個のエアロゾル送達経路のうちの少なくとも1つと流体連通する、請求項6に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項8】
ユーザが、異なるエアロゾル送達経路の中に香味料注入済み材料が配置された異なるエアロゾル送達経路と流体連通するように第2の開口を動かすことができるように、吸い口端キャップが回転可能である、請求項7に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項9】
噴霧器が、複数のエアロゾル経路を提供するハウジングの上流の別個のハウジング内に配置され、複数のエアロゾル経路を提供するハウジングが、別個のハウジングに固定的にまたは取り外し可能に取り付けられる、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項10】
第1のエアロゾル送達経路が、ハウジング内の中央に配置され、第2のエアロゾル送達経路が、第1のエアロゾル送達経路を取り囲む環状領域である、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項11】
第1のエアロゾル送達経路を取り囲む環状領域が、複数の別個のエアロゾル送達経路に分割され、複数の別個のエアロゾル送達経路のそれぞれが異なる香味料注入済み材料を収容し、別個の空気入口と流体連通し、第1および第2の開口を有する吸い口端キャップをさらに含み、第1の開口が、第1のエアロゾル送達経路の下流にあり、第1のエアロゾル送達経路と流体連通し、第2の開口が、別個のエアロゾル送達経路の中に香味料注入済み材料が配置された別個のエアロゾル送達経路のうちの少なくとも1つの下流にあり、別個のエアロゾル送達経路の中に香味料注入済み材料が配置された別個のエアロゾル送達経路のうちの少なくとも1つと流体連通する、請求項10に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項12】
ユーザが、異なるエアロゾル送達経路の中に香味料注入済み材料が配置された異なるエアロゾル送達経路と流体連通するように第2の開口を動かすことができるように、吸い口端キャップが回転可能である、請求項11に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項13】
第2のエアロゾル送達経路内に配置された香味料注入済み材料の少なくとも一部を加熱するように配置されたヒータをさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項14】
香味料注入済み材料が、液体担体と、液体担体と混合された香味料とを含む液体溶液またはエマルジョンを含み、エアロゾルジェットアレイが、香味料注入済み材料から液滴を形成するように第2のエアロゾル送達経路内に配置される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項15】
噴霧器が、複数のエアロゾル経路を提供するハウジング内に配置される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項16】
第1のエアロゾル送達経路および第2のエアロゾル送達経路が、ハウジング内で並列構成にある、請求項15に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項17】
香味料を含む内部ペイロードを収容する少なくとも1つの破壊可能なカプセルが、第2のエアロゾル送達経路内に配置される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項18】
液体担体と、液体担体と混合された香味料とを含む液体溶液またはエマルジョンを含む香味料注入済み材料と流体連通する回転可能な吸収材料をさらに含み、回転可能な吸着材料が、回転中に香味料注入済み材料の液滴を生成するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項19】
第1のエアロゾルが呼吸可能であり、第2のエアロゾルが非呼吸可能である、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項20】
請求項1に記載のエアロゾル送達装置であって、
(a)加熱要素または圧電素子に電流を供給するように構成された電源、
(b)電源からの電流を制御するように適合されたコントローラ、および
(c)コントローラと通信し、エアロゾル送達装置の圧力低下を、またはエアロゾル送達装置の一部内の圧力低下を、感知するように適合されたフローセンサ、
のうちの1つ以上をさらに含むエアロゾル送達装置。
【請求項21】
少なくとも1つの吸い口端開口部を有するエアロゾル送達装置からユーザの口腔に複数のエアロゾルを送達する方法であって、
(i)噴霧器を通して空気を流入させることによって第1のエアロゾルを形成することとであって、噴霧器は、エアロゾル前駆体組成物、エアロゾル送達装置の吸い口端開口部につながる第1のエアロゾル送達経路、および、第1の空気入口、と流体連通する、第1のエアロゾルを形成することと、
(ii)第1のエアロゾル送達経路とは別個の第2のエアロゾル送達経路を通して空気を流入させることによって第2のエアロゾルを形成することであって、第2のエアロゾル送達経路は、第2のエアロゾル送達経路の中に香味料注入済み材料を収容し、第2の空気入口、および、エアロゾル送達装置の吸い口端開口部、と流体連通する、第2のエアロゾルを形成することと、
(iii)エアロゾル送達装置の少なくとも1つの吸い口端開口部を通してユーザの口腔内に第1および第2のエアロゾルを通過させることと、
を含む方法。
【請求項22】
液体エアロゾル前駆体組成物が香味料を実質的に含まず、場合によりニコチンを含有する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
香味料注入済み材料が、液体担体と、液体担体と混合された香味料とを含む液体溶液またはエマルジョンを含むか、基材と、基材によって担持された放出可能な香味料とを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
香味料注入済み材料が、1つ以上の多孔性モノリス、ビーズ、粒子、ゲル、カプセルおよびコーティングの形態である、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
第1のエアロゾルが呼吸可能であり、第2のエアロゾルが非呼吸可能である、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子タバコなどのエアロゾル送達装置に関し、さらに具体的には、噴霧器を含むエアロゾル送達装置に関する。噴霧器は、タバコから作製され得るか、タバコに由来し得るか、そうでなければタバコを組み込み得るエアロゾル前駆体組成物を加熱して、人間が摂取するための吸入可能な物質を形成するように構成されてもよい。
【背景技術】
【0002】
使用のためにタバコを燃焼することを必要とする喫煙製品の改良品または代替品として、多くの装置が長年にわたって提案されてきた。これらの装置の多くは、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙に関連する感覚を提供するように設計されているが、タバコの燃焼に起因する相当量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達することはないと言われている。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化または加熱するか、タバコを著しく燃焼することなく紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供しようとする多くの代替喫煙製品、香味発生器および薬用吸入器が提案されている。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるCollettらの米国特許第8,881,737号明細書、Griffith Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書、Sebastianらの米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Searsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書、Ampoliniらの米国特許出願公開第2014/0096782号明細書およびDavisらの米国特許出願公開第2015/0059780号明細書に記載の背景技術に記載されている様々な代替喫煙品、エアロゾル送達装置および発熱源を参照されたい。また、例えば、参照によりその全体が組み込まれるCountsらの米国特許第5,388,594号明細書およびRobinsonらの米国特許第8,079,371号明細書の背景技術の項に記載されている製品および加熱構成の様々な実施形態も参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第8,881,737号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2014/0000638号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2014/0096782号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2015/0059780号明細書
【特許文献7】米国特許第5,388,594号明細書
【特許文献8】米国特許第8,079,371号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くの電子タバコ製品は、繊維ウィッキング材料の周りに巻き付けられた電気抵抗ヒータ線を含む「ウィック/コイル」設計を有する噴霧器を含む。そのような設計は、装置によって生成されるエアロゾルの感覚特性を変化させるように適合された香味料の送達に関して潜在的な欠点を有する。例えば、香味料化合物は温度感受性であり、所定の温度を超えて加熱されると熱分解され得、これにより、エアロゾルに関連する感覚的経験に悪影響を与え得る。したがって、当技術分野では、望ましい一貫した感覚的経験をもたらすエアロゾル送達装置が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、エアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル送達装置用の噴霧器に関し、このエアロゾル送達装置は、いくつかの実施形態では、電子タバコと呼ばれ得る。一態様では、ユーザによって吸い口端開口部を通してエアロゾルが吸入され得る吸い口端開口部を有する複数のエアロゾル経路を提供するハウジングを含むエアロゾル送達装置が提供される。ハウジングは、吸い口端開口部と流体連通する第1のエアロゾル送達経路、および、第1のエアロゾル送達経路とは別個であり且つ吸い口端開口部と流体連通する第2のエアロゾル送達経路を画定する。装置は、液体エアロゾル前駆体組成物を収容するリザーバと、噴霧器とを含む。噴霧器は、加熱要素(例えば、電気抵抗加熱要素、誘導加熱要素、赤外線加熱要素など)または圧電素子、および、リザーバと流体連通し且つ加熱要素または圧電素子と流体連通する液体輸送要素とを含む。噴霧器は、エアロゾル前駆体組成物から第1のエアロゾルを生成するように構成され、噴霧器は、第1のエアロゾル送達経路と流体連通して配置される。噴霧器は、第1の空気入口と流体連通する。装置は、第2のエアロゾル送達経路内に配置され、香味料注入済み材料と流入空気との接触時に第2のエアロゾルを生成するように適合された香味料注入済み材料をさらに含み、香味料注入済み材料は、第2の空気入口と流体連通して配置される。
【0006】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、第1および第2のエアロゾル送達経路の下流にあって吸い口端開口部から出る前に第1および第2のエアロゾルの混合を可能にするように構成された混合領域をさらに画定する。装置は、第2のエアロゾル送達経路内に配置された香味料注入済み材料の少なくとも一部を加熱するように配置されたヒータをさらに含み得る。有利には、第1のエアロゾルは呼吸可能であり得、第2のエアロゾルは非呼吸可能であり得る。
【0007】
特定の実施形態では、液体エアロゾル前駆体組成物は、香味料を実質的に含まない。香味料注入済み材料の例は、液体担体と、液体担体と混合された香味料とを含む液体溶液もしくはエマルジョン、または基材と、基材によって担持された放出可能な香味料とを含む。例示的な香味料注入済み材料は、1つ以上の多孔性モノリス、ビーズ、粒子、ゲル(エアロゲルを含む)、カプセルおよびコーティングの形態である。一実施形態では、香味料注入済み材料は、液体担体と、液体担体と混合された香味料とを含む液体溶液またはエマルジョンを含み、エアロゾルジェットアレイは、第2のエアロゾル送達経路内に配置されて、香味料注入済み材料から液滴を形成する。
【0008】
ハウジングは、複数の異なる香味料注入済み材料を含むことができ、各香味料注入済み材料は、別個のエアロゾル送達経路内に配置され、別個の空気入口と流体連通する。特定の実施形態では、装置は、第1および第2の開口を有する吸い口端キャップをさらに含むことができる。第1の開口は、第1のエアロゾル送達経路の下流にあり、第1のエアロゾル送達経路と流体連通し、第2の開口は、その中に香味料注入済み材料が配置された別個のエアロゾル送達経路のうちの少なくとも1つの下流にあり、その中に香味料注入済み材料が配置された別個のエアロゾル送達経路のうちの少なくとも1つと流体連通する。吸い口端キャップは、ユーザが第2の開口を動かして、その中に香味料注入済み材料が配置された異なるエアロゾル送達経路と流体連通させることができるように、場合により回転可能である。
【0009】
噴霧器は、複数のエアロゾル経路を提供するハウジングの上流の別個のハウジング内に配置されることができ、複数のエアロゾル経路を提供するハウジングは、別個のハウジングに固定的にまたは取り外し可能に取り付けられる。あるいは、噴霧器は、複数のエアロゾル経路を提供するハウジング内に配置される。第1のエアロゾル送達経路および第2のエアロゾル送達経路は、ハウジング内で並列構成にあり得る。
【0010】
特定の実施形態では、第1のエアロゾル送達経路は、ハウジング内の中央に配置され、第2のエアロゾル送達経路は、第1のエアロゾル送達経路を取り囲む環状領域である。例えば、第1のエアロゾル送達経路を取り囲む環状領域は、それぞれが異なる香味料注入済み材料を収容し、別個の空気入口と流体連通する複数の別個のエアロゾル送達経路に分割されることができる。装置は、第1および第2の開口を有する吸い口端キャップをさらに含むことができ、第1の開口は、第1のエアロゾル送達経路の下流にあり、第1のエアロゾル送達経路と流体連通し、第2の開口は、その中に香味料注入済み材料が配置された別個のエアロゾル送達経路のうちの少なくとも1つの下流にあり、別個のエアロゾル送達経路の中に香味料注入済み材料が配置された別個のエアロゾル送達経路のうちの少なくとも1つと流体連通する。有利には、ユーザが、異なるエアロゾル送達経路の中に香味料注入済み材料が配置された異なるエアロゾル送達経路と流体連通するように第2の開口を動かすことができるように、吸い口端キャップは回転可能である。
【0011】
さらに、香味料を含む内部ペイロードを収容する少なくとも1つの破壊可能なカプセルが、第2のエアロゾル送達経路内に配置されることができる。
【0012】
一実施形態では、装置は、液体担体と、液体担体と混合された香味料とを含む液体溶液またはエマルジョンを含む香味料注入済み材料と流体連通する回転可能な吸収材料を含み、回転可能な吸着材料は、回転中に香味料注入済み材料の液滴を生成するように構成される。
【0013】
装置の追加の任意の構成要素には、(a)加熱要素または圧電素子に電流を供給するように構成された電源、(b)電源からの電流を制御するように適合されたコントローラおよび(c)コントローラと通信し、エアロゾル送達装置の圧力低下を、またはエアロゾル送達装置の一部内の圧力低下を感知するように適合されたフローセンサのうちの1つ以上が含まれる。
【0014】
別の態様では、本発明は、少なくとも1つの吸い口端開口部を有するエアロゾル送達装置からユーザの口腔に複数のエアロゾルを送達する方法であって、(i)噴霧器を通して空気を流入させることによって第1のエアロゾルを形成することであって、噴霧器は、エアロゾル前駆体組成物、エアロゾル送達装置の吸い口端開口部につながる第1のエアロゾル送達経路、および第1の空気入口と流体連通する、第1のエアロゾルを形成することと、(ii)第1のエアロゾル送達経路とは別個の第2のエアロゾル送達経路を通して空気を流入させることによって第2のエアロゾルを形成することであって、第2のエアロゾル送達経路は、第2のエアロゾル送達経路の中に香味料注入済み材料を収容し、第2の空気入口、およびエアロゾル送達装置の吸い口端開口部と流体連通する、第2のエアロゾルを形成することと、(iii)エアロゾル送達装置の少なくとも1つの吸い口端開口部を通してユーザの口腔内に第1および第2のエアロゾルを通過させることと、を含む方法を提供する。有利には、液体エアロゾル前駆体組成物は、香味料を実質的に含まず、場合によりニコチンを含有する。
【0015】
本発明は、限定することなく、以下の実施形態を含む。
【0016】
実施形態1:ユーザによって吸い口端開口部を通してエアロゾルが吸入され得る吸い口端開口部を有する複数のエアロゾル経路を提供するハウジングであって、吸い口端開口部と流体連通する第1のエアロゾル送達経路、および、第1のエアロゾル送達経路とは別個であり且つ吸い口端開口部と流体連通する第2のエアロゾル送達経路を画定するハウジングと、
液体エアロゾル前駆体組成物を収容するリザーバと、
加熱要素または圧電素子、および、リザーバと流体連通し且つ加熱要素または圧電素子と流体連通する液体輸送要素を含む噴霧器であって、エアロゾル前駆体組成物から第1のエアロゾルを生成するように構成され、第1のエアロゾル送達経路と流体連通して配置され、第1の空気入口と流体連通する噴霧器と、
第2のエアロゾル送達経路内に配置され、香味料注入済み材料と流入空気との接触時に第2のエアロゾルを生成するように適合された香味料注入済み材料であって、第2の空気入口と流体連通して配置される香味料注入済み材料と、
を含むエアロゾル送達装置。
【0017】
実施形態2:液体エアロゾル前駆体組成物が香味料を実質的に含まない、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0018】
実施形態3:香味料注入済み材料が、液体担体と、液体担体と混合された香味料とを含む、液体溶液またはエマルジョンを含むか、または、基材と、基材によって担持された放出可能な香味料とを含む、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0019】
実施形態4:香味料注入済み材料が、1つ以上の多孔性モノリス、ビーズ、粒子、ゲル、カプセルおよびコーティングの形態である、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0020】
実施形態5:ハウジングが、第1および第2のエアロゾル送達経路の下流にあって吸い口端開口部から出る前に第1および第2のエアロゾルの混合を可能にするように適合された混合領域をさらに画定する、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0021】
実施形態6:ハウジングが、複数の異なる香味料注入済み材料を含み、各香味料注入済み材料が、別個のエアロゾル送達経路内に配置され、別個の空気入口と流体連通する、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0022】
実施形態7:第1および第2の開口を有する吸い口端キャップをさらに含み、第1の開口が、第1のエアロゾル送達経路の下流にあり、第1のエアロゾル送達経路と流体連通し、第2の開口が、別個のエアロゾル送達経路の中に香味料注入済み材料が配置された別個のエアロゾル送達経路のうちの少なくとも1つの下流にあり、別個のエアロゾル送達経路の中に香味料注入済み材料が配置された別個のエアロゾル送達経路のうちの少なくとも1つと流体連通する、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0023】
実施形態8:ユーザが、異なるエアロゾル送達経路の中に香味料注入済み材料が配置された異なるエアロゾル送達経路と流体連通するように第2の開口を動かすことができるように、吸い口端キャップが回転可能である、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0024】
実施形態9:噴霧器が、複数のエアロゾル経路を提供するハウジングの上流の別個のハウジング内に配置され、複数のエアロゾル経路を提供するハウジングが、別個のハウジングに固定的にまたは取り外し可能に取り付けられる、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0025】
実施形態10:第1のエアロゾル送達経路が、ハウジング内の中央に配置され、第2のエアロゾル送達経路が、第1のエアロゾル送達経路を取り囲む環状領域である、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0026】
実施形態11:第1のエアロゾル送達経路を取り囲む環状領域が、複数の別個のエアロゾル送達経路に分割され、複数の別個のエアロゾル送達経路のそれぞれが、異なる香味料注入済み材料を収容し、別個の空気入口と流体連通し、第1および第2の開口を有する吸い口端キャップをさらに含み、第1の開口が、第1のエアロゾル送達経路の下流にあり、第1のエアロゾル送達経路と流体連通し、第2の開口が、別個のエアロゾル送達経路の中に香味料注入済み材料が配置された別個のエアロゾル送達経路のうちの少なくとも1つの下流にあり、別個のエアロゾル送達経路の中に香味料注入済み材料が配置された別個のエアロゾル送達経路のうちの少なくとも1つと流体連通する、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0027】
実施形態12:ユーザが、異なるエアロゾル送達経路の中に香味料注入済み材料が配置された異なるエアロゾル送達経路と流体連通するように第2の開口を動かすことができるように、吸い口端キャップが回転可能である、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0028】
実施形態13:第2のエアロゾル送達経路内に配置された香味料注入済み材料の少なくとも一部を加熱するように配置されたヒータをさらに含む、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0029】
実施形態14:香味料注入済み材料が、液体担体と、液体担体と混合された香味料とを含む液体溶液またはエマルジョンを含み、エアロゾルジェットアレイが、香味料注入済み材料から液滴を形成するように第2のエアロゾル送達経路内に配置される、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0030】
実施形態15:噴霧器が、複数のエアロゾル経路を提供するハウジング内に配置される、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0031】
実施形態16:第1のエアロゾル送達経路および第2のエアロゾル送達経路が、ハウジング内で並列構成にある、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0032】
実施形態17:香味料を含む内部ペイロードを収容する少なくとも1つの破壊可能なカプセルが、第2のエアロゾル送達経路内に配置される、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0033】
実施形態18:液体担体と、液体担体と混合された香味料とを含む液体溶液またはエマルジョンを含む香味料注入済み材料と流体連通する回転可能な吸収材料をさらに含み、回転可能な吸着材料が、回転中に香味料注入済み材料の液滴を生成するように適合される、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0034】
実施形態19:第1のエアロゾルが呼吸可能であり、第2のエアロゾルが非呼吸可能である、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0035】
実施形態20:任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置であって、
(a)加熱要素または圧電素子に電流を供給するように構成された電源、
(b)電源からの電流を制御するように適合されたコントローラ、および
(c)コントローラと通信し、エアロゾル送達装置内の圧力低下を、またはエアロゾル送達装置の一部内の圧力低下を、感知するように適合されたフローセンサ、のうちの1つ以上をさらに含む、エアロゾル送達装置。
【0036】
実施形態21:少なくとも1つの吸い口端開口部を有するエアロゾル送達装置からユーザの口腔に複数のエアロゾルを送達する方法であって、
(i)噴霧器を通して空気を流入させることによって第1のエアロゾルを形成することであって、噴霧器は、エアロゾル前駆体組成物、エアロゾル送達装置の吸い口端開口部につながる第1のエアロゾル送達経路、および第1の空気入口と流体連通する、第1のエアロゾルを形成することと、
(ii)第1のエアロゾル送達経路とは別個の第2のエアロゾル送達経路を通して空気を流入させることによって第2のエアロゾルを形成することであって、第2のエアロゾル送達経路は、第2のエアロゾル送達経路の中に香味料注入済み材料を収容し、第2の空気入口、およびエアロゾル送達装置の吸い口端開口部と流体連通する、第2のエアロゾルを形成することと、
(iii)エアロゾル送達装置の少なくとも1つの吸い口端開口部を通してユーザの口腔内に第1および第2のエアロゾルを通過させることと、
を含む方法。
【0037】
実施形態22:液体エアロゾル前駆体組成物が香味料を実質的に含まず、場合によりニコチンを含有する、任意の前述の実施形態の方法。
【0038】
実施形態23:香味料注入済み材料が、液体担体と、液体担体と混合された香味料とを含む液体溶液またはエマルジョンを含むか、基材と、基材によって担持された放出可能な香味料とを含む、任意の前述の実施形態の方法。
【0039】
実施形態24:香味料注入済み材料が、1つ以上の多孔性モノリス、ビーズ、粒子、ゲル、カプセルおよびコーティングの形態である、任意の前述の実施形態の方法。
【0040】
実施形態25:第1のエアロゾルが呼吸可能であり、第2のエアロゾルが非呼吸可能である、任意の前述の実施形態の方法。
【0041】
本開示のこれらならびに他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明する添付の図面とともに、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本発明は、そのような特徴または要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明示的に組み合わされているかどうかにかかわらず、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の上述の実施形態の任意の組合せ、ならびに本開示に記載の任意の2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の組合せを含む。本開示は、前後関係で他に明確に指示されない限り、その様々な態様および実施形態のいずれかにおいて、開示された発明の任意の分離可能な特徴または要素が、組合せ可能であるように意図された通りに見えるように全体的に読み取られることを意図している。
【0042】
本開示は上述の一般的な用語で説明しており、添付の図面をこれから参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本開示の例示的な実施形態による、カートリッジおよび制御本体を含むエアロゾル送達装置を組み立てられた構成で示す図である。
【
図2】2つの別個のエアロゾルの生成および輸送のための複数のエアロゾル流路を収容するハウジングの第1の実施形態の断面図を示す。
【
図3】2つの別個のエアロゾルの生成および輸送のための複数のエアロゾル流路を収容するハウジングの第2の実施形態の断面図を示す。
【
図4】エアロゾル送達装置の吸い口端に取り外し可能に取り付けられた複数のエアロゾル送達経路を有するハウジングの斜視図を示す。
【
図5】本開示の別の実施形態による、複数のエアロゾル流路を有するハウジングの断面図を示す。
【
図6】本開示のさらに別の実施形態による、複数のエアロゾル流路を有するハウジングの断面図を示す。
【
図7】本開示のなおさらなる実施形態による、複数のエアロゾル流路を有するハウジングの断面図を示す。
【
図8】本開示の追加の実施形態による、複数のエアロゾル流路を有するハウジングの断面図を示す。
【
図9】本開示の実施形態による、
図8の回転可能な吸着材料の下流の遮蔽板の存在を示す。
【
図10】本開示の追加の実施形態による、複数のエアロゾル流路を有するハウジングの切り欠き斜視図を示す。
【
図11】
図10の実施形態による複数のエアロゾル流路を有するハウジングとともに使用するための複数の開口部を有する吸い口端キャップの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本開示は、以下、その例示的な実施形態を参照して、さらに詳細に説明される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように説明される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に説明されている実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、「the」は、前後関係で他に明確に指示されない限り、複数の変形例を含む。
【0045】
本発明は、液体エアロゾル前駆体組成物を収容するリザーバと、噴霧器とを含むエアロゾル送達装置を提供する。噴霧器は、装置のユーザの口腔に送達され得る第1のエアロゾルを生成するように構成される。特定の有利な実施形態では、液体前駆体組成物は香味料を実質的に含み得ないため、装置によって送達されるエアロゾルに感覚的な悪影響などの有害な影響を引き起こす可能性がある香味料の分解または他の化学修飾につながり得る条件に、香味料化合物が噴霧器内で曝されない。本明細書で使用される場合、「香味料を実質的に含まない」とは、前駆体組成物の総重量に基づいて、約0.1重量パーセント未満の香味料成分、さらに典型的には約0.05重量パーセント未満または約0.01重量パーセント未満(または香味料不含組成物)を有する液体エアロゾル前駆体組成物を指す。
【0046】
エアロゾル前駆体組成物は様々であり得る。典型的には、エアロゾル前駆体組成物は、様々な原料または成分の組合せまたは混合物から構成される。特定のエアロゾル前駆体成分の選択、および使用されるそれらの成分の相対量は、装置によって生成される主流エアロゾルの全体的な化学組成を制御するために変更されてもよい。例えば、代表的な一般に液体のエアロゾル前駆体組成物は、液体溶液、粘性ゲル、混和性成分の混合物、または懸濁成分もしくは分散成分を組み込んだ液体の形態を有し得る。典型的なエアロゾル前駆体組成物は、本開示の特徴であるエアロゾル生成装置の使用中に経験される条件下で熱に曝されると気化されることができ、ひいては、吸入することができる蒸気およびエアロゾルを生成することができる。
【0047】
電子タバコとして特徴付けられるエアロゾル送達システムでは、エアロゾル前駆体組成物は、タバコまたはタバコ由来成分を組み込んでいることが最も好ましい。ある点では、タバコは、微粉砕されたか、粉砕されたか、粉末化されたタバコ薄片などのタバコの部分または小片として提供されてもよい。別の点では、タバコは、タバコの水溶性成分の多くを組み込んだ噴霧乾燥抽出物などの抽出物の形態で提供されてもよい。あるいは、タバコ抽出物は、タバコ由来の少量の他の抽出成分も組み込んだ比較的高濃度のニコチン含有抽出物の形態を有してもよい。別の点では、タバコに由来する特定の香味剤などの比較的純粋な形態で、タバコ由来成分が提供されてもよい。ある点では、タバコに由来し、高度に精製された形態または本質的に純粋な形態で使用され得る成分は、ニコチン(例えば、医薬品グレードのニコチン)である。
【0048】
上述したように、本発明では、高度に精製されたタバコ由来のニコチン(例えば、98%超または99%超の純度を有する医薬品グレードのニコチン)またはその誘導体を使用することができる。代表的なニコチン含有抽出物は、参照により本明細書に組み込まれるBrinkleyらの米国特許第5,159,942号明細書に記載の技術を用いて提供することができる。特定の実施形態では、本発明の生成物は、タバコ由来でも合成由来でも、あらゆる供給源から得られたあらゆる形態のニコチンを含むことができる。本発明の生成物に使用されるニコチン化合物は、遊離塩基形態、塩形態、複合体として、または溶媒和物としてのニコチンを含むことができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれるHanssonの米国特許出願公開第2004/0191322号明細書に記載の遊離塩基形態のニコチンの説明を参照されたい。ニコチン化合物の少なくとも一部は、ニコチンポラクリレックスなどのニコチンがイオン交換樹脂中に結合しているニコチンの樹脂複合体の形態で使用され得る。例えば、参照により本明細書に組み込まれるLichtneckertらの米国特許第3,901,248号明細書を参照されたい。ニコチンの少なくとも一部は塩の形態で使用され得る。ニコチンの塩は、Coxらの米国特許第2,033,909号明細書およびPerfetti,Beitrage Tabakforschung Int.,12,43-54(1983)に記載されている種類の原料および技術を使用して提供され得る。さらに、ニコチンの塩は、Pfaltz and Bauer,Inc.およびK&K Laboratories、Division of ICN Biochemicals,Inc.などの供給元から入手可能である。例示的な薬学的に許容されるニコチン塩には、酒石酸塩(例えば、ニコチン酒石酸塩およびニコチン酒石酸水素塩)、塩化化合物(例えば、ニコチン塩酸塩およびニコチン二塩酸塩)、硫酸塩、過塩素酸塩、アスコルビン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、アスパラギン酸塩、サリチル酸塩、トシレート塩、コハク酸塩、ピルビン酸塩などのニコチン塩、ニコチン塩水和物(例えば、ニコチン塩化亜鉛一水和物)などが挙げられる。特定の実施形態では、ニコチン化合物の少なくとも一部は、参照により本明細書に組み込まれるBrinkleyらの米国特許出願公開第2011/0268809号明細書で説明されているように、レブリン酸を含むがこれに限定されない有機酸部分を有する塩の形態である。
【0049】
エアロゾル前駆体組成物はまた、いわゆる「エアロゾル形成材料」を組み込んでいてもよい。このような材料は、場合によっては、本開示の特徴であるエアロゾル生成装置の通常の使用中に経験される条件下で熱に曝されて気化された際に、目に見える(または目に見えない)エアロゾルを生成する能力を有してもよい。そのようなエアロゾル形成材料は、様々なポリオールまたは多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールおよびそれらの混合物)を含む。本開示の態様はまた、水、食塩水、湿気または水性液体として特徴付けることができるエアロゾル前駆体成分を組み込む。特定のエアロゾル生成装置の通常の使用状態では、エアロゾル生成装置内に組み込まれた水が蒸発して、生成されたエアロゾルの成分をもたらすことができる。このように、本開示の目的では、エアロゾル前駆体組成物内に存在する水は、エアロゾル形成材料であると考えられ得る。
【0050】
エアロゾル前駆体組成物はまた、酸性または塩基性の特性を示す原料(例えば、有機酸、アンモニウム塩または有機アミン)を含んでもよい。例えば、ニコチンを組み込んだエアロゾル前駆体調合物中に、特定の有機酸(例えば、レブリン酸、コハク酸、乳酸およびピルビン酸)が、好ましくは(総有機酸含有量に基づいて)ニコチンと等モル量まで含まれてもよい。例えば、エアロゾル前駆体は、存在する有機酸の総量がエアロゾル前駆体組成物中に存在するニコチンの総量と等モルである濃度まで、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのレブリン酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのコハク酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルの乳酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのピルビン酸またはそれらの様々な順列および組合せを含んでもよい。しかし、本開示のいくつかの態様では、エアロゾル前駆体組成物は、いかなる酸性(または塩基性)の特性または添加剤も含まない。
【0051】
非限定的な一例として、代表的なエアロゾル前駆体組成物または物質は、グリセリン、プロピレングリコール、水、食塩水およびニコチンならびにこれらの成分のいずれかまたはあらゆる組合せまたは混合物を含むことができる。例えば、一例では、代表的なエアロゾル前駆体組成物は、(重量基準で)約70%~約100%のグリセリン、多くの場合、約80%~約90%のグリセリン、約5%~約25%の水、多くの場合、約10%~約20%の水、および約0.1%~約5%のニコチン、多くの場合、約2%~約3%のニコチンを含んでもよい。1つの特定の非限定的な例では、代表的なエアロゾル前駆体組成物は、約84%のグリセリン、約14%の水および約2%のニコチンを含んでもよい。代表的なエアロゾル前駆体組成物はまた、重量基準で様々な量のプロピレングリコール、任意の香味剤または他の添加剤を含んでもよい。場合によっては、エアロゾル前駆体組成物は、必要に応じてまたは所望に応じて、最大約100重量%のグリセリン、水および食塩水のいずれかを含んでもよい。
【0052】
代表的な種類のエアロゾル前駆体成分および調合物もまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれるRobinsonらの米国特許第7,726,320号明細書、Collettらの米国特許第8,881,737号明細書およびChongらの米国特許第9,254,002号明細書、およびZhengらの米国特許出願公開第2013/0008457号明細書、Lipowiczらの米国特許出願公開第2015/0020823号明細書およびKollerの米国特許出願公開第2015/0020830号明細書、ならびにBowenらの国際公開第2014/182736号パンフレットに記載され、特徴付けられている。使用され得る他のエアロゾル前駆体には、R.J.Reynolds Vapor Company製のVUSE(R)製品、Lorillard Technologies製のBLU製品、Mistic Ecigs製のMISTIC MENTHOL製品およびCN Creative Ltd.製のVYPE製品に組み込まれているエアロゾル前駆体が挙げられる。Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース(smoke juice)」も望ましい。
【0053】
エアロゾル送達装置内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、装置が許容可能な感覚および望ましい性能特性を提供するような量である。例えば、多くの点でタバコの煙の出現に似ている主流エアロゾル(目に見える、または目に見えない)を生成するために、十分な量のエアロゾル形成材料(例えば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコール)が使用されることが非常に好ましい。装置内のエアロゾル前駆体組成物の量は、装置からの所望の吸煙の回数などの要因に応じて決まってもよい。典型的には、エアロゾル送達装置内に組み込まれるエアロゾル前駆体組成物の量は、約2g未満、一般的には約1.5g未満、多くの場合約1g未満、頻繁に約0.5g未満である。
【0054】
本発明のエアロゾル送達装置は、典型的には、装置に含まれる任意の香味料成分のための別個のエアロゾル送達経路を提供する。別個のエアロゾル送達経路は、典型的には、噴霧器からの第1のエアロゾル、および1つ以上の香味料成分を含む第2のエアロゾルのための別個の経路を作製する、ハウジング内の1つ以上の壁構造を含むハウジングによって画定される。エアロゾル経路を分離する壁構造は、典型的には、エアロゾルに対して非多孔性であり、これは、壁が、壁を通してエアロゾルの輸送を可能にしない固体構造であり得ることを意味する。ただし、特定の実施形態では、壁構造は、多孔質セラミック構造、多孔質ガラス構造または繊維マット材料(グラスファイバーなど)など、経路間のエアロゾルの輸送を単に(完全に遮断せずに)減少または遅延させるある程度の透過性または多孔性を示し得る。
【0055】
本発明の特定の実施形態では、不利な方法で香味料が噴霧器と相互作用することが防止される。さらに、本発明の様々な実施形態では、2つのエアロゾル送達経路の使用は、装置の吸い口端開口部に到達する前に第1のエアロゾルの凝縮が起こり得、ユーザに送達されるエアロゾルの性質および特徴を変化させ、香味料注入済み材料の詰まりまたは閉塞を引き起こし得る、第1のエアロゾル(例えば、噴霧器内で生成されたエアロゾル)が香味料注入済み材料を通過するのを防ぐ。
【0056】
典型的には、ハウジング内の各経路は、各エアロゾルを形成するために必要に応じて装置に空気を引き込むための別個の空気入口に関連付けられる。また、別個の気流経路も、噴霧器から香味料成分を隔離することに寄与する。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態は、2つのエアロゾル経路(すなわち、二重経路)を有する装置に関するが、本発明は、2つの経路のみを有する装置に限定されない。代わりに、特に装置がユーザによって選択可能ないくつかの異なる香味料を送達するように構成されている場合、様々な数の複数のエアロゾル経路が利用され得る。
【0058】
本明細書で使用される場合、「香味料」への言及は、エアロゾル化してユーザに送達され得、味および/または芳香に関して感覚的経験を与える、装置の中の化合物または成分を指す。例示的な香味料には、バニリン、エチルバニリン、クリーム、茶、コーヒー、果実(例えば、リンゴ、チェリー、イチゴ、ピーチならびにライムおよびレモンを含むシトラスの香味)、メープル、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、生姜、蜂蜜、アニス、セージ、ローズマリー、ハイビスカス、ローズヒップ、イエルバマテ、グアユサ、ハニーブッシュ、ルイボス、イエルバサンタ、バコパモニエラ、イチョウ、アシュワガンダ、シナモン、ビャクダン、ジャスミン、カスカリラ、ココア、カンゾウ、ならびに紙巻タバコ、葉巻およびパイプタバコの香味に従来使用される種類および特徴の香料および香味パッケージが挙げられる。また、高果糖コーンシロップなどのシロップが使用されてもよい。
【0059】
香味料は、典型的には、著しく加熱することなく香味料をエアロゾルまたは蒸気の形態に揮発させて第2のエアロゾルを形成することを可能にする形態で利用されるが、必要に応じてある程度の加熱が使用され得る。特定の実施形態では、香味料は、液体担体と組み合わされて溶液またはエマルジョンを形成する1つ以上の香味料を含むか、あるいは、基材によって担持された1つ以上の香味料を含む、香味料注入済み材料の形態で使用される。香味料注入済み材料の形態は、多孔性モノリス、ビーズ、粒子、ゲル、カプセルおよびコーティングを含む例によって異なり得る。基材材料は、例えば、炭素材料、セラミック、ポリマー、複合材料、金属、セルロース系物質(例えば、微結晶性セルロース)などから構築され得る。特定の実施形態では、基材は、多孔性(例えば、多孔性炭素材料)であるか、揮発のために基材の表面に香味料を輸送することを可能にするゲルまたはコーティングの形態である。香味料と組み合わされて香味注入済みコーティングを生成することができる例示的なコーティング材料には、ゼラチン、ワックスなどが挙げられる。
【0060】
別の実施形態では、香味料注入済み材料は、ポリマー材料の中に香味料が注入されたポリマー材料である。香味料が注入され得るポリマー材料の例には、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン)またはエチレン酢酸ビニルが挙げられる。香味料注入済み材料は、例えば、ScentSational Technologies、LLC、MOGO Sport、Addmaster(例えば、Scentmaster Fragrance Technology)、Mint-X Corporation、Rotuba(例えば、AUROCELL材料)などから市販されている。また、参照により本明細書に組み込まれるKatohらの米国特許第7,811,587号明細書を参照されたい。香味料がプラスチックまたはポリマー材料に注入される場合、ポリマー材料は、材料の所望の表面からの香味料放出を増強するために、香味料濃度の何らかの勾配を用いて生成され得るか、ポリマー材料は、香味料の放出を増強するように設計された粗面または多孔性表面を含むことができることに留意されたい。
【0061】
代表的な香味料注入済み材料は、タバコ(例えば、粒子状タバコ)、タバコの成分、および/または他の方法でタバコに由来する材料を組み込んだ調合物から生成されたビーズまたは他の物体を含むことができる。いくつかの実施形態では、例えば、様々な形状およびの大きさのマルメライズされた(marumerized)タバコビーズ、結合した(例えば、焼結された)ビーズのモノリス;多孔性モノリス;単一の多孔性構造;ハニカムモノリス;多孔性材料の単一片;押し出されたタバコのビーズ;タバコ抽出物を含有する多孔性材料(例えば、炭酸カルシウム、セラミックなど)のビーズ;再構成されたタバコ細断片;膨張したタバコ細断片;タバコ香味を含有する様々な材料の押出しロッド(中空シリンダ、およびスロット付きロッドを含む);液体であれ他の形態であれ、タバコ香味または他の物質を含有する様々な材料の削りくず、顆粒、カプセルおよび/またはマイクロカプセル;ならびにそれらの処理または組合せを、ビーズは、含む(include)か、そうでなければ備える(comprise)か、それらとして構成され得る。
【0062】
上述したように、香味料注入済み材料は、壊れやすいシェルと、香味料を含む内部ペイロードとを収容する破壊可能なカプセルなどのカプセルの形態であり得る。例示された実施形態のいずれかは、ユーザが装置を圧搾し、カプセルを破壊して香味料を放出することを可能にするのに十分に柔軟なハウジング内に、1つ以上の破壊可能なカプセルを含み得る。破壊可能なカプセルを処理してこれらの破壊可能なカプセルを喫煙品の構成要素および蒸気送達システムに組み込む多くの方法が提案されている。例えば、喫煙品、破壊可能なカプセルを組み込んだ喫煙品構成要素ならびに喫煙品構成要素の製造に関連する装置および技術に使用するのに適した様々な種類のカプセルが、参照により本明細書に組み込まれるThomasらの米国特許第7,479,098号明細書、Dealの米国特許第7,833,146号明細書、Dubeらの米国特許第7,984,719号明細書、Stokesらの米国特許第7,972,254号明細書、Ademeらの米国特許第8,186,359号明細書、Barnesらの米国特許第8,262,550号明細書、Garthaffnerらの米国特許第8,353,810号明細書、Garthaffnerらの米国特許第8,381,947号明細書、Karlesらの米国特許第8,459,272号明細書、Faggの米国特許第8,739,802号明細書およびDixonらの米国特許第8,905,243号明細書ならびにPrestiaらの米国特許出願公開第2010/0184576号明細書、Ilievらの米国特許出願公開第2011/0053745号明細書、Carpenterらの米国特許出願公開第2011/0271968号明細書、Henleyらの米国特許出願公開第2012/0245007号明細書およびNovak IIIらの米国特許出願公開第2013/0085052号明細書に提案されている。さらに、破壊可能なカプセルを組み込んだフィルタ要素を有する代表的な紙巻タバコ製品が、「Marlboro W-Burst 5」、「Kent iSwitch」、「Kool Boost」、「Camel Lights with Menthol Boost」、「Camel Crush」、「Camel Silver Menthol」、「Camel Filters Menthol」および「Camel Crush Bold」などの商品名の下に世界中で販売されている。さらに、破壊可能なカプセルを組み込んだ代表的な種類の蒸気送達システムが、参照により本明細書に組み込まれるPotterの米国特許出願公開第2014/0261486号明細書、Davisの米国特許出願公開第2015/0059780号明細書およびSearsらの米国特許出願公開第2015/0335070号明細書に提案されている。
【0063】
例示的な種類のカプセル、カプセル成分、カプセル構成およびフォーマット、カプセルサイズ、カプセル特性ならびにカプセル調製技術が、参照により本明細書に組み込まれるDubeらの米国特許第7,984,719号明細書、Zhangの米国特許第8,470,215号明細書およびDubeの米国特許8,695,609号明細書、Hartmannらの米国特許出願公開第2014/0053855号明細書ならびにKimのPCT国際公開第03/009711号パンフレットおよびIwataniのPCT国際公開第2014/170947号パンフレットに記載されている。さらに、市販されている代表的な種類のカプセルの例が、参照により本明細書に組み込まれるDubeの米国特許第8,695,609号明細書に記載されている。
【0064】
一般に、本明細書で使用される場合、用語「ビーズ」は、(本明細書に別途開示されるものに加えて)、例えば、炭素片、ペレットに切断された押し出された炭素片、セラミックビーズ、マルメライズもしくは球状化されたタバコ片など、またはそれらの組合せを含んでもよいビーズ、ペレットまたはそれらの他の個別の小さな単位もしくは小片を含むことを意味する。例えば、顆粒、ペレットまたはビーズは、円筒形または球形の押し出されたまたは圧縮された顆粒、ペレットまたはビーズであり得る。これらの円筒形または球形の押し出されたまたは圧縮された顆粒、ペレットまたはビーズは、一般に、湿らせた混合物、または粉砕タバコ薄片のスラリー、充填剤(例えば、顆粒状炭酸カルシウム)、香味、目に見えるエアロゾル形成材料、ならびに形成され、所望の大きさおよび形状に切断または遠心脱水され、次いで乾燥されて所望の構成を保持する結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース)から構成される。ただし、そのような「ペレット」または「ビーズ」は、本明細書に開示されるような好ましい態様に適合する任意の好適な要素、または要素の組合せを含み得る。例えば、ビーズまたはペレットの一部または全部は、熱感受性の球状カプセル(複数)を含むことができるため、エアロゾル生成要素に含まれ、熱に曝されると、それらの破裂または分解は、グリセリン、プロピレングリコール、水、食塩水、タバコ香味および/またはニコチンまたは他の物質もしくは添加剤の放出を引き起こす。また、ビーズは、エアロゾル形成剤を保持および放出するように、セラミックまたは吸収性粘土またはシリカまたは吸収性炭素を含むことができる。さらに、いくつかの態様では、熱伝導性材料、例えば、熱伝導性グラファイト、熱伝導性セラミック、金属、箔上に流延されたタバコ、グリセリンおよび香味などの適切なエアロゾル生成物質を含浸させた金属もしくは他の好適な材料、または所望のビーズ/ペレットに適切に形成された好適な流延シート材料などを、ビーズ/ペレットは含んでもよい。
【0065】
特定の一例では、ビーズ/ペレット(粒子)は、約15重量%~約60重量%の微細に粉砕されたタバコ粒子(例えば、オリエンタル種タバコ、バーレー種タバコおよび鉄管乾燥タバコのブレンド、本質的にすべてオリエンタル種タバコ、本質的にすべてバーレー種タバコまたは本質的にすべて鉄管乾燥タバコ)、約15重量%~約60重量%の微細に粉砕された炭酸カルシウム粒子(または微細に粉砕された粘土もしくはセラミック粒子)、約10重量%~約50重量%のグリセロール(および場合により少量の香味)、約0.25重量%~約15重量%の結合剤(好ましくは、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、カリウムまたはアルギン酸アンモニウム)および約15重量%~約50重量%の水から構成され得る。別の例では、約30%の微細に粉砕されたタバコ粒子(例えば、オリエンタル種タバコ、バーレー種タバコおよび鉄管乾燥タバコのブレンド、本質的にすべてオリエンタル種タバコ、本質的にすべてバーレー種タバコまたは本質的にすべて鉄管乾燥タバコ)、約30%の微細に粉砕された炭酸カルシウム粒子(または微細に粉砕された粘土もしくはセラミック粒子)、約15%のグリセロール(および場合により少量の香味)、約1%の結合剤(好ましくは、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、カリウムまたはアルギン酸アンモニウム)および約25%の水から、ビーズ/ペレット(粒子)は構成され得る。そのような例では、粒子は、グリセロールを保持するように圧縮されてもよく、圧縮時に、エアロゾル生成成分の移動を促進して効率的なエアロゾル形成を促進する多孔性マトリックスを形成してもよい。エアロゾル形成材料が基材材料と接触させられる方法は様々であり得る。エアロゾル形成材料は、形成された材料に加えられることができるか、処理された材料の製造中に処理された材料に組み込まれることができるか、あるいは、形成された材料に関して内発的であることができる。グリセリンなどのエアロゾル形成材料は、水性液体または他の好適な溶媒もしくは液体担体に溶解されることができ、または分散されることができ、その基材材料に噴霧されることができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれるNestorらの米国特許出願公開第2005/0066986号明細書およびConnerらの第2012/0067360号明細書を参照されたい。炭酸カルシウムまたは他の無機充填剤は、粒子内に多孔性をもたらすのに役立ち、また、熱を吸収するように機能し得、これにより、ある場合にはエアロゾル生成成分の焦げ付きを制限または防止するほか、エアロゾル形成を補助および促進し得る。また、例えば、参照により本明細書に組み込まれるBanerjeeらの米国特許第5,105,831号明細書ならびにCrooksらの米国特許出願公開第2004/0173229号明細書、Connerらの米国特許出願公開第2011/0271971号明細書およびStoneらの米国特許出願公開第2012/0042885号明細書に記載されている種類の材料も参照されたい。
【0066】
一実施形態では、ビーズまたはペレットの形態のものなどの香味料注入済み材料を燻煙処理して、スモーキーな香味または芳香を付与することができる。例えば、ビーズまたはペレットを調製し、次いで、木材源(例えば、ヒッコリー、メープル、オーク、リンゴ、チェリーまたはメスキートから選択される木材)などの可燃性源由来の煙に曝すことができる。ビーズまたはペレットは、所望のスモーキーな香味または芳香を付与するのに十分な時間にわたり煙を用いて処理することができ、例示的な時間範囲は約5分~約45分である。ビーズまたはペレットが煙と接触させられる方法は様々であり得、一例では、煙が生成されるまで容器内で木材チップを加熱し(例えば、木材チップを約350°F~約400°Fの温度に加熱する)、木材チップによって生成された煙を用いて、閉鎖環境内でビーズまたはペレットを処理することを含む。
【0067】
いくつかの態様では、香味料注入済み材料のビーズ/ペレットは、箔/紙積層体上に流延されたタバコ材料に由来し得る。さらに具体的には、タバコ材料は、例えば、再構成されたタバコ、グリセリン、および結合剤材料を含むスラリーを含んでもよい。そのようなタバコ材料は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるJakobらの米国特許第5,101,839号明細書およびCrooksらの米国特許出願第2010/0186757号明細書に開示されている。さらに、スラリーは、顆粒状無機材料(すなわち、炭酸カルシウム)を組み込んでいてもよい。スラリーは、例えば、同じく参照により本明細書に組み込まれるCrooksらの米国特許第8,678,013号明細書およびCantrellらの米国特許第7,647,932号明細書に開示されているような箔-紙積層体の紙要素に流延され、次いで、組み立てられた流延シート製品が、例えば、熱を加えることによって(すなわち、加熱された空気、マイクロ波乾燥などによって)乾燥される。紙要素は、例えば、特定の多孔性またはテクスチャーを有して、例えば、スラリーと箔との直接接触により、スラリーとの密な接触および相互作用を促進してもよい。ただし、本明細書に提示される例示的な態様は、金属箔または他の好適な薄膜熱伝導体上に直接タバコ材料(すなわち、スラリー)を流延することを排除するものではない。このような積層体が流延されると、乾燥した流延シート(すなわち、箔/紙/タバコ材料)は、複数の流延シート部分要素に細断されるか、角片に切られるか、他の方法で分離され得、そのような各要素は、好ましくは、紙要素の一部と密接に相互作用するタバコ材料(すなわち、基材)の一部を含み、ひいてはタバコ材料の一部が、箔-紙積層体の箔要素の一部と密接に接触する。香味料注入済み材料の追加の例は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるSearsらのUS2016/0073695に見出すことができる。
【0068】
第1のエアロゾルを形成するエアロゾル前駆体組成物と、第2のエアロゾルを形成する香味料注入済み材料の組成物とは、互いに補完して望ましい感覚的経験をもたらすように有利に選択される。特定の実施形態では、例えば、エアロゾル前駆体組成物および香味料注入済み材料のニコチン含有量は、エアロゾル前駆体組成物および香味料注入済み材料のいずれかまたは両方がニコチンまたはニコチン化合物を含有し得るか、ニコチンまたはニコチン化合物を実質的または完全に含まないものとして見られ得るように選択される。言い換えれば、全ニコチン含有量が香味料注入済み材料内にあり得るか、全ニコチン含有量がエアロゾル前駆体組成物中にあり得るか、両組成物が何らかの形態でニコチンを含み得る。
【0069】
さらに、第1および第2のエアロゾルは、噴霧器によって生成される第1のエアロゾルが呼吸可能であり、香味料を含む第2のエアロゾルが非呼吸可能であるように構成され得る。本明細書で使用される場合、「呼吸可能」は、肺の終末細気管支を越えて浸透し、ガス交換領域に入るのに十分に小さい大きさの粒子を生成するエアロゾルを指す。呼吸可能な粒子は、典型的には、空気力学的直径の観点から見れば約10μm未満である。本明細書で使用される場合、「非呼吸可能」な粒子は、口内に吸入され得るが、肺のガス交換領域に浸透することができない粒子である。非呼吸可能な粒子は、典型的には、空気力学的直径の観点から見れば約10μm~約100μmである。このように、第1のエアロゾルは、肺内に有利に送達される成分を送達することができるのに対して、香味料注入済み材料は、所望の感覚特性を付与するために、ユーザの口腔およびまたは喉のみに入る香味料を送達することができる。
【0070】
本開示は、エアロゾル送達装置の説明を提供する。エアロゾル送達装置は、(好ましくは、材料を著しく燃焼させることなく)材料を加熱して吸入可能な物質を形成するように、電気エネルギーを使用してもよい。そのような物品は、「手持ち式」装置と見なすのに十分に小型であることが最も好ましい。エアロゾル送達装置は、その物品または装置のいかなる構成要素も実質的に燃焼させることなく、紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという感覚の一部または全部(例えば、吸入および呼気の形式、味または香味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用形式、目に見えるエアロゾルによってもたらされるような視覚的刺激など)を提供してもよい。エアロゾル送達装置は、タバコの燃焼または熱分解の副産物から生じるエアロゾルの意味での煙を生成し得ず、むしろ、その物品または装置は、最も好ましくは、物品または装置の特定の構成要素の揮発または気化に起因する(煙状であると表現されると考えられ得る目に見えるエアロゾルと見なされ得るエアロゾル内の蒸気を含む)蒸気を生成するが、他の実施形態では、エアロゾルは目に見えない場合がある。非常に好ましい実施形態では、エアロゾル送達装置は、タバコおよび/またはタバコ由来成分を組み込んでいてもよい。このように、エアロゾル送達装置は、特定の実施形態では、電子タバコ(「e-cigarette」)などの電子喫煙品として特徴付けることができる。
【0071】
本開示のエアロゾル送達装置はまた、蒸気生成物品または薬剤送達物品として特徴付けることができる。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態で、1つ以上の物質(例えば、香味および/または薬学的有効成分)を提供するように構成され得る。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)であり得る。あるいは、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(すなわち、気体中の微細固体粒子または液滴の浮遊物)であり得る。分かりやすくするために、本明細書で使用される用語「エアロゾル」は、目に見えるかどうか、また煙状であると見なされ得る形態であるかどうかに関わりなく、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、気体、エアロゾルおよびそれらの組合せを含むことを意味する。
【0072】
本開示のエアロゾル送達装置は、使用時に、従来の種類の喫煙品(例えば、タバコを点火し、吸入することによって使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプ)を使用する際に個人によって使用される多くの物理的作用を受け得る。例えば、本開示のエアロゾル送達装置のユーザは、従来の種類の喫煙品のようにその物品を保持し、その物品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその物品の一端を吸い、選択された時間間隔で吸煙する等々を行うことができる。
【0073】
本発明は、ここで、様々な図を参照することにより説明される。本開示のエアロゾル送達装置は、一般に、外側シェルまたは外側本体内に設けられた多数の構成要素を含む。外側シェルまたは外側本体の全体的な設計は様々であり得、エアロゾル送達装置の全体的な寸法および形状を画定することができる外側本体の形式または構成は様々であり得る。典型的には、紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似する細長い本体が、単一の一体型のシェルから形成されてもよいか、細長い本体が、2つ以上の分離可能な部品から形成されてもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、形状が実質的に管状であり得、従来の紙巻タバコまたは葉巻の形状にそれ自体類似し得る細長いシェルまたは本体を含むことができる。しかし、他の実施形態では、様々な他の形状および構成が使用されてもよい(例えば、長方形またはフォブ形状(fob-shaped))。
【0074】
一実施形態では、エアロゾル送達装置のあらゆる構成要素が、1つの外側本体または外側シェル内に収容される。あるいは、エアロゾル送達装置は、接合され分離可能な2つ以上のシェルを含むことができる。例えば、エアロゾル送達装置は、1つ以上の再使用可能な構成要素(例えば、再充電可能な電池、およびその物品の動作を制御するための様々な電子機器)を収容するシェルを含む制御本体を一端に有し、使い捨て部分(例えば、使い捨て可能な香味含有カートリッジ)を収容する取り外し可能に取り付けられたシェルを他端に有することができる。単一シェルタイプのユニット内または複数部品の分離可能シェルタイプのユニット内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、様々なエアロゾル送達装置の設計と構成要素の配置とを理解することができる。
【0075】
最も好ましくは、動力源(すなわち、電源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、動力源からエアロゾル送達装置の他の構成要素への電流の流れを制御することなどによって、発熱のための電力を作動、制御、調整および/または停止するための手段)、ヒータまたは発熱部材(例えば、一般に「噴霧器」の一部と呼ばれる電気抵抗加熱要素または構成要素)、および本明細書で別途説明されるエアロゾル前駆体組成物(例えば、「スモークジュース」、「e-リキッド(e-liquid)」および「e-ジュース(e-juice)」と一般に呼ばれる成分など、一般に、十分な熱を加えるとエアロゾルを生じることができる液体)、およびエアロゾル吸入のためにエアロゾル送達装置を吸引することを可能にする吸い口端領域または先端(例えば、生成されたエアロゾルが吸引によりそこから引き出され得るように、物品を通る画定された空気流路)の何らかの組合せを、本開示のエアロゾル送達装置は含む。あるいは、本発明のエアロゾル送達装置は、本明細書に開示されるような加熱要素の代わりに、圧電素子を利用して第1のエアロゾルを形成することができる。例えば、各々参照により本明細書に組み込まれるHonの米国特許出願公開第2006/0196518号明細書、Ferianiらの米国特許出願公開第2013/0319404号明細書およびMurisonらの米国特許出願公開第2016/0366946号明細書に記載されている圧電素子を参照されたい。
【0076】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素の位置合わせは様々であり得る。特定の実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、エアロゾル送達装置の端部の近くに配置され得、これにより、ユーザへのエアロゾル送達を最大にするようユーザの口に近接して配置されるように構成されてもよい。ただし、他の構成は除外されない。一般に、加熱要素からの熱がエアロゾル前駆体(ならびに、同様に、ユーザへの送達のために提供され得る1つ以上の香味料、医薬品など)を揮発させ、ユーザに送達するためのエアロゾルを形成することができるように、エアロゾル前駆体組成物の十分近くに加熱要素が配置され得る。加熱要素がエアロゾル前駆体組成物を加熱すると、消費者による吸入に適した物理的形態でエアロゾルが形成、放出または生成される。前述の用語は、放出する(release)、放出する(releasing)、放出する(releases)または放出された(released)への言及が、形成するまたは生成する(form or generate)、形成するまたは生成する(forming or generating)、形成するまたは生成する(forms or generates)および形成されたまたは生成された(formed or generated)を含むように言い換え可能であることを意味することに留意すべきである。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気もしくはエアロゾルまたはそれらの混合物の形態で放出され、このような用語も、別段の定めがない限り、本明細書では言い換え可能に使用される。
【0077】
上述したように、ヒータの電力供給、制御システムの電力供給、インジケータの電力供給など、エアロゾル送達装置に様々な機能を提供するのに十分な電流を提供するように、エアロゾル送達装置は、電池または他の電源(例えば、キャパシタ)を組み込んでもよい。動力源は様々な実施形態をとることができる。好ましくは、動力源は、加熱要素を急速に加熱するのに十分な電力を供給してエアロゾルを形成し、所望の持続時間にわたる使用を通してエアロゾル送達装置に電力を供給することができる。動力源は、好ましくは、エアロゾル送達装置を容易に取り扱うことができるように、エアロゾル送達装置内に都合よく適合するような大きさである。さらに、好ましい動力源は、望ましい喫煙経験を損なわないように十分軽量である。
【0078】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、様々なエアロゾル送達装置構成要素の選択を理解することができる。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、エアロゾル送達装置内の構成要素の配置を理解することもできる。市販の装置の構成要素、市販の装置の操作方法、市販の装置中に含まれる材料、および/またはそれらの他の属性が本開示の装置に含まれ得る市販の製品の例は、Philip Morris Incorporated製のACCORD(R)、InnoVapor LLC製のALPHA(TM)、JOYE 510(TM)およびM4(TM)、White Cloud Cigarettes製のCIRRUS(TM)およびFLING(TM)、Lorillard Technologies,Inc.製のBLU(TM)、Epuffer(R)International Inc.製のCOHITA(TM)、COLIBRI(TM)、ELITE CLASSIC(TM)、MAGNUM(TM)、PHANTOM(TM)およびSENSE(TM)、Electronic Cigarettes,Inc.製のDUOPRO(TM)、STORM(TM)およびVAPORKING(R)、Egar Australia製のEGAR(TM)、Joyetech製のeGo-C(TM)およびeGo-T(TM)、Elusion UK Ltd製のELUSION(TM)、Eonsmoke LLC製のEONSMOKE(R)、FIN Branding Group,LLC製のFIN(TM)、Green Smoke Inc.USA製のSMOKE(R)、Greenarette LLC製のGREENARETTE(TM)、Smoke Stik(R)製のHALLIGAN(TM)、HENDU(TM)、JET(TM)、MAXXQ(TM)、PINK(TM)およびPITBULL(TM)、Philip Morris International,Inc.製のHEATBAR(TM)、Crown7製のHYDRO IMPERIAL(TM)およびLXE(TM)、LOGIC Technology製のLOGIC(TM)およびTHE CUBAN(TM)、Luciano Smokes Inc.製のLUCI(R)、Nicotek,LLC製のMETRO(R)、Sottera,Inc.製のNJOY(R)およびONEJOY(TM)、SS Choice LLC製のNO.7(TM)、PremiumEstore LLC製のPREMIUM ELECTRONIC CIGARETTE(TM)、Ruyan America,Inc.製のRAPP E-MYSTICK(TM)、Red Dragon Products,LLC製のRED DRAGON(TM)、Ruyan Group(Holdings)Ltd.製のRUYAN(R)、Smoker Friendly International,LLC製のSF(R)、The Smart Smoking Electronic Cigarette Company Ltd.製のGREEN SMART SMOKER(R)、Coastline Products LLC製のSMOKE ASSIST(R)、Smoking Everywhere,Inc.製のSMOKING EVERYWHERE(R)、VMR Products LLC製のV2CIGS(TM)、VaporNine LLC製のVAPOR NINE(TM)、Vapor 4 Life,Inc.製のVAPOR4LIFE(R)、E-CigaretteDirect,LLC製のVEPPO(TM)、R.J.Reynolds Vapor Company製のAVIGO、VUSE、VUSE CONNECT、VUSE FOB、VUSE HYBRID、ALTO、ALTO+、MODO、CIRO、FOX+FOGおよびSOLO+、Mistic Ecigs製のMISTIC MENTHOLならびにCN Creative Ltd.製のVYPEとして市販されている。さらに他の電動エアロゾル送達装置、特にいわゆる電子タバコとして特徴付けられている装置は、COOLER VISIONS(TM)、DIRECT E-CIG(TM)、DRAGONFLY(TM)、EMIST(TM)、EVERSMOKE(TM)、GAMUCCI(R)、HYBRID FLAME(TM)、KNIGHT STICKS(TM)、ROYAL BLUES(TM)、SMOKETIP(R)、SOUTH BEACH SMOKE(TM)の商号の下に市販されている。
【0079】
本開示のエアロゾル送達装置に使用され得る構成要素および関連技術の追加の製造業者、設計者および/または譲受人には、中国、深せんのShenzhen Jieshibo Technology、中国、深せん市のShenzhen First Union Technology、カリフォルニア州ロサンゼルスのSafe Cig、フィリピンのJanty Asia Company、中国、深せんのJoyetech Changzhou Electronics、SIS Resources、デラウェア州ドーバーのB2B International Holdings、オハイオ州のEvolv LLC、イタリア、ボローニャのMontrade、中国、深せんのShenzhen Bauway Technology、フロリダ州ポンパノビーチのGlobal Vapor Trademarks Inc.、フロリダ州フォートローダーデールのVapor Corp.、ドイツ、ラシャウ=マルカースバッハのNemtra GMBH、ミシガン州アレガンのPerrigo L.Co.、Needs Co.Ltd.、ネバダ州ラスベガスのSmokefree Innotec、スウェーデン、ヘルシンボリのMcNeil AB、Chong Corp、カリフォルニア州マウンテンビューのAlexza Pharmaceuticals、ノースカロライナ州シャーロットのBLEC,LLC、フランス、ロアバッハ=レ=ビッチュのGaitrend Sarl、中国、深せんのFeelLife Bioscience International、ドイツ、ゼルプのVishay Electronic BMGH、中国、深せんのShenzhen Smaco Technology Ltd.、フロリダ州ボカラトンのVapor Systems International、イスラエルのExonoid Medical Devices、中国、深せんのShenzhen Nowotech Electronic、中国、香港のMinilogic Device Corporation、中国、深せんのShenzhen Kontle Electronics、およびオハイオ州メダイナのFuma International,LLC、ウィスコンシン州ベロイトの21st Century Smoke、および中国、香港のKimree Holdings(HK)Co.Limitedが挙げられる。
【0080】
典型的なエアロゾル送達装置、すなわち電子タバコ20の1つの例示的な実施形態が
図1に提供される。電子タバコ20は、消費者が吸引するためのマウスピースである第1の端部36と、場合によりLED26を含む第2の端部37とを含む。そこに示されるように、制御本体21は、例えば、制御構成要素23、フローセンサ24、電池25およびLED26を含むことができる制御本体シェル22から形成され得る。リザーバハウジング内に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物をヒータ31に吸い上げるか、その他の方法で輸送するように構成された液体輸送要素30と流体連通するリザーバハウジング29を囲むカートリッジシェル28から、カートリッジ27は形成され得る。形成されたエアロゾルをカートリッジ27から放出することを可能にするために、開口部32がカートリッジシェル28内に存在してもよい。そのような構成要素は、カートリッジ内に存在してもよい構成要素の代表であり、本開示に包含されるカートリッジ構成要素の範囲を限定することを意図するものではない。カートリッジ27は、制御本体突起33とカートリッジ受け部34との間の圧入係合を通じて制御本体21と係合するように構成され得る。ねじ係合、締まり嵌め、磁気係合などのような様々な他の機構が制御本体21にカートリッジ27を接続してもよい。このような係合は、制御本体27とカートリッジ21との間の安定した接続を容易にするとともに、制御本体内の電池25および制御構成要素23とカートリッジ内のヒータ30との間の電気的接続を確立することができる。カートリッジ27はまた、IC、メモリ部品、センサなどを含んでもよい1つ以上の電子部品35を含んでもよい。電子部品35は、制御構成要素23と通信するように適合され得る。追加のエアロゾル送達装置の例については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるChangの米国特許出願公開第2015/0144145号明細書およびCollettの米国特許第8,881,737号明細書を参照されたい。
【0081】
特定の実施形態では、カートリッジ27および制御本体21の一方または両方は、使い捨て可能であるか、再使用可能であると称され得る。例えば、制御本体21は、交換可能な電池または再充電可能な電池および/またはキャパシタを有してもよい。したがって、制御本体21は、典型的な交流電気コンセントへの接続、自動車の充電器(すなわち、シガーソケット)への接続、およびユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルなどを介したコンピュータへの接続を含む任意の種類の再充電技術と組み合わされてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、カートリッジ27は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるChangらの米国特許第8,910,639号明細書に開示されているような使い捨てカートリッジを含んでもよい。
【0082】
電源の例は、Peckerarらの米国特許出願公開第2010/0028766号明細書に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。フローセンサ24に関して、エアロゾル送達装置用の様々なマイクロコントローラ、センサおよびスイッチを含む代表的な電流調整構成要素および他の電流制御構成要素が、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、いずれもBrooksらの米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書および米国特許第4,947,875号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらの米国特許第7,040,314号明細書ならびにPanの米国特許第8,205,622号明細書に記載されている。参照によりその全体が本明細書に組み込まれるAmpoliniらの米国特許出願公開第2014/0270727号明細書に記載された制御方式も参照される。
【0083】
本開示のエアロゾル送達装置には、さらに別の構成要素が利用され得る。例えば、Sprinkelらの米国特許第5,154,192号明細書は、喫煙品用のインジケータを開示しており、Sprinkel,Jr.の米国特許第5,261,424号明細書は、吸引に関連したユーザの唇の動作を検出し、次いで加熱装置の加熱を引き起こす装置の吸い口端に関連し得る圧電センサを開示しており、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書は、マウスピースを通る圧力の降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギー流を制御するための吸煙センサを開示しており、Harrisらの米国特許第5,967,148号明細書は、挿入された構成要素の赤外線透過性の不均一性を検出する識別機と、構成要素がレセプタクルに挿入された際に検出ルーチンを実行するコントローラとを含む喫煙装置内のレセプタクルを開示しており、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書は、複数の異なるフェイズを有する規定された実行可能な電力サイクルを記載しており、Watkinsらの米国特許第5,934,289号明細書は、フォトニックオプトロニック(photonic-optronic)構成要素を開示しており、Countsらの米国特許第5,954,979号明細書は、喫煙装置を通る引込み抵抗を変化させるための手段を開示しており、Blakeらの米国特許第6,803,545号明細書は、喫煙装置に使用するための特定の電池構成を開示しており、Griffenらの米国特許第7,293,565号明細書は、喫煙装置とともに使用するための様々な充電システムを開示しており、Fernandoらの米国特許第8,402,976号明細書は、充電を容易にし、装置のコンピュータ制御を可能にするための喫煙装置用のコンピュータインタフェース手段を開示しており、Fernandoらの米国特許第8,689,804号明細書は、喫煙装置用の識別システムを開示しており、Flickによる国際公開第2010/003480号パンフレットは、エアロゾル生成システムを用いた吸煙を示す流体流感知システムを開示しており、前述の開示はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書で使用され得る電子エアロゾル送達物品および開示材料または構成要素に関連する構成要素の追加の例には、各々参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Morganらの米国特許第5,249,586号明細書、Higginsらの米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらの米国特許第6,053,176号明細書、Whiteの米国第6,164,287号明細書、Vogesの米国特許第6,196,218号明細書、Felterらの米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsの米国特許第6,854,461号明細書、Honの米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiの米国特許第7,513,253号明細書、Hamanoの米国特許第7,896,006号明細書、Shayanの米国特許第6,772,756号明細書、Honの米国特許第8,156,944号明細書および第8,375,957号明細書、Thorensらの米国特許第8,794,231号明細書、Oglesbyらの米国特許第8,851,083号明細書、Monseesらの米国特許第8,915,254号明細書および第8,925,555号明細書、およびDePianoらの米国特許第9,220,302号明細書、Honの米国特許出願公開第2006/0196518号明細書および米国特許出願公開第2009/0188490号明細書、Oglesbyらの米国特許出願公開第2010/0024834号明細書、Wangの米国特許出願公開第2010/0307518号明細書、Searsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書、Novakらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書、Brinkleyらの米国特許出願公開第2015/0335071号明細書、Honの国際公開第2010/091593号パンフレット、およびFooの国際公開第2013/089551号パンフレットが挙げられる。様々な実施形態では、前述の文献によって開示された様々な材料が本装置に組み込まれてもよく、前述の開示はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0084】
液体輸送要素30は、特に、液体の輸送に毛細管作用を利用するウィックであり得る。したがって、本発明に従って使用するためのウィックは、エアロゾル前駆体組成物の1つ以上の成分をエアロゾル化ゾーンに輸送するのに十分なウィッキング作用を提供する任意の材料であり得る。非限定的な例には、天然および合成繊維、例えば、綿、セルロース、ポリエステル、ポリアミド、ポリ乳酸、ガラス繊維、それらの組合せなどが挙げられる。ウィックに使用され得る他の例示的な材料には、金属、セラミックおよび炭化材料(例えば、材料の非炭素成分を除去するために焼成された炭素質材料から形成された発泡体またはモノリス)が挙げられる。ウィックは、さらに、繊維の毛細管作用を変化させる材料によって被覆することができ、ウィックを形成するのに使用される繊維は、特定の断面形状を有することができ、繊維の毛細管作用を変化させるように溝が付けられ得る。例えば、温度適応ポリマーが使用され得る。このような適応ポリマーは、繊維に被覆するか、他の方法で使用することができ、これらのポリマーは周囲の条件に基づいて変更された液体輸送特性を提供するのに効果的である。温度適応ポリマーは、特に、低温では低い輸送を示すことができ、高温では増大した輸送を示すことができる。一例には、HeiQ(R)製のAdaptiveとして知られる材料が挙げられる。ウィックを形成するのに使用される繊維は、単独で、束ねて、織布(メッシュおよび編組を含む)として、または不織布として提供され得る。平均孔径および全体的な多孔性の制御を含め、ウィックの毛細管作用を変化させるようにウィック材の多孔性を制御することもできる。また、個々のウィックは異なる長さを有することができる。用語「ウィック」はまた、毛細管を包含することも意図されており、所望の毛細管作用を提供する要素の任意の組合せを使用することができる。
【0085】
追加の代表的な加熱要素およびその中で使用するための材料が、Countsらの米国特許第5,060,671号明細書、Deeviらの米国特許第5,093,894号明細書、Deeviらの米国特許第5,224,498号明細書、Sprinkel Jr.らの米国特許第5,228,460号明細書、Deeviらの米国特許第5,322,075号明細書、Deeviらの米国特許第5,353,813号明細書、Deeviらの米国特許第5,468,936号明細書、Dasの米国特許第5,498,850号明細書、Dasの米国特許第5,659,656号明細書、Deeviらの米国特許第5,498,855号明細書、Hajaligolの米国特許第5,530,225号明細書、Hajaligolの米国特許第5,665,262号明細書、Dasらの米国特許第5,573,692号明細書およびFleischhauerらの米国特許第5,591,368号明細書に記載されており、これらの開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、他の実施形態では、化学的加熱が使用されてもよい。上述したように、ヒータ、およびヒータを形成するために使用される材料の様々な追加の例が、参照により本明細書に組み込まれるCollettらの米国特許第8,881,737号明細書に記載されている。
【0086】
本開示によるエアロゾル送達装置の様々な構成要素は、当技術分野に記載され市販されている構成要素から選択され得る。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSebastianらの米国特許出願公開第2014/0000638号明細書に開示された電子喫煙品内の複数のエアロゾル化可能な材料の制御可能な送達のためのリザーバおよびヒータシステムが参照される。炭素系カートリッジの例示的な実施形態が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGriffith Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書に記載されている。
【0087】
残りの図は、本発明によって提供されるような複数のエアロゾル送達経路を提供するハウジングの実施形態を図示している。これらのハウジング設計のいくつかは、
図1に示される種類のカートリッジに固定的にまたは取り外し可能に取り付けられる下流ハウジングとして実装され得る。あるいは、本明細書に示されるハウジングの実施形態のいくつかは、
図1のカートリッジ構成要素の代替品として機能することができる。簡潔にするために、以下のハウジングの実施形態は完全に詳細に示されていないが、本発明によって提供される複数のエアロゾル送達経路に関連する特定の態様に焦点を合わせていることに留意されたい。したがって、以下に説明されるハウジングの実施形態は、
図1に示されるか、その他の方法で本明細書に開示されるカートリッジ構成要素のいずれかを含むことができることを理解されたい。
【0088】
図2の実施形態は、
図1のカートリッジ27に固定的にまたは取り外し可能に取り付けられた延長部のような、エアロゾル送達装置の吸い口端で延長部として機能することができるハウジング50の断面図である。図示されるように、ハウジング50は、例えば、本明細書に説明されるエアロゾル前駆体組成物から第1のエアロゾルを生成する、
図1を参照して説明される噴霧器であり得る従来の噴霧器52の下流に配置される。第1のエアロゾルは、ハウジング内の壁によって画定される、ハウジング50内の中央通路54を通って、吸い口端キャップ56内の開口部まで移動する。中央通路54の断面形状は限定を意図するものではなく、例えば、円形、楕円形、長方形などであり得る。1つ以上の空気入口58は、第1のエアロゾルの形成のために噴霧器52に空気を提供する。ハウジング50は、香味ビーズまたは粒子62の下地などの香味料注入済み材料を収容するハウジング内に画定された環状空間を通る第2のエアロゾル送達経路60を提供する。ハウジング50は、周囲空気がハウジングに入り、香味ビーズまたは粒子62の下地と相互作用し、吸い口端キャップ56内の開口部に送達される第2のエアロゾルを生成することを可能にする1つ以上の第2の空気入口64を含む。場合により、香味ビーズ/粒子62を環状チャンバ内に保持し、ハウジングに入ることができる空気の量を調節するために、スクリーンまたはメッシュ68が空気入口64に配置され得る。図示されるように、ハウジング50は、吸い口端キャップ56内の開口部を通ってハウジングを出る前に第1および第2のエアロゾルを混合するための任意の混合空間70を提供することができる。
【0089】
図3は、
図2の代替の実施形態を示し、ここで、香味料注入済み材料は、ビーズまたは粒子ではなく、ハウジング50内の内壁上のコーティング74の形態である。本発明から逸脱することなく、異なる香味料が注入されたビーズ/粒子の組合せの使用を通じて、または異なる香味料が注入されたコーティング材料の使用を通じて、
図2または
図3のいずれかの実施形態によって複数の香味料が送達され得ることに留意されたい。例えば、
図3の実施形態では、香味料注入済み材料を収容する環状空間は、ハウジング50の外周の一部上に第1の香味料を含有する第1のコーティング材料、ハウジングの外周の第2の部分上に第2の香味料を含有する第2のコーティング材料などを含むことができる。コーティング74がその上に配置される壁は、香味料がエアロゾル形態に移行するための表面積を増大させるために、粗面化またはテクスチャー化され得る。
【0090】
上記のように、複数のエアロゾル経路を収容するハウジングは、
図1に図示されるような装置などのエアロゾル送達装置の吸い口端に取り外し可能に取り付けられ得る。そのような実施形態が
図4に示されており、ここで、空気入口82を有する取り外し可能なハウジング80は、空気入口86を有するエアロゾル送達装置84の吸い口端に接続されている。取り外し可能なハウジング80の内部設計は、
図2および
図3に示される実施形態など、本明細書に説明される実施形態のいずれかであり得る。ハウジング80とエアロゾル送達装置84との間の接続は、摩擦嵌合、圧入、スナップ嵌合、ねじ係合、磁気係合、接着剤など、当技術分野で公知の様々な技術を使用して形成され得る。
【0091】
2つのエアロゾル送達経路は、
図2および
図3に図示されるような半径方向に分離された設計ではなく、並列配置で2つの経路を分離する内壁を使用して分離され得る。例えば、
図5に示すように、ハウジング90は、第1のエアロゾル経路94を第2のエアロゾル経路96から分離する(エアロゾルに対して不透過性または半透過性であり得る)内壁92を含むことができる。別個の空気入口98、100は、空気がハウジング90に入るのを可能にするために使用され、各エアロゾル経路94、96は、少なくとも1つの空気入口に関連付けられている。1つの経路は、本明細書に説明されるように噴霧器102を使用してエアロゾルを生成することができ、1つの経路は、本明細書に説明されるように香味料注入済み材料104を使用してエアロゾルを生成することができる。
図2および
図3と同様の
図5の実施形態では、生成された両エアロゾルは、吸い口端キャップ56内の同じ開口部を通して送達される。
【0092】
図6に示すさらなる実施形態では、ハウジング110は、異なる加熱技術を使用してエアロゾルを送達する2つの平行なエアロゾル送達経路を含むことができる。一方のエアロゾル送達経路116は、噴霧器112を含む。他方のエアロゾル送達経路120は、ヒータ118に近接して香味料注入済み材料114を含む。ヒータ118は、設計が様々であり得、例えば、平板構成、コイルヒータ、針またはブレードヒータなどを含み得る。香味料注入済み材料114は、ヒータ118に隣接して、またはそうでなければ近接して(例えば、取り囲んで)動作可能に配置され得る。あるいは、香味料注入済み材料114は、ヒータが香味料注入済み材料と接触する前にハウジング110に入る空気を予熱するように、ヒータ118の下流にあり得る。香味料注入済み材料114は、ヒータ118に付着した香味料含有ゾルゲル材料、ヒータ上にコーティングされた香味料注入済みコーティング、ヒータ周りのチャンバに詰められた固体またはゲルの香味料注入済み材料などのような様々な形態をとることができる。ヒータ118上に香味料注入済み液体が噴霧されてもよく、このヒータ118は、ヒータ上に液体を保持するための粗面または多孔性表面を示すことができる。両ヒータは、
図1に関連して説明したように、動力源およびコントローラに動作可能に接続され得る。図示される実施形態では、2つのエアロゾル経路116、120は、別個の開口部122、124を通ってハウジング110の吸い口端を出ることができる。
図2および
図3の実施形態などの他の例示的な実施形態でも、香味料注入済み材料を含むエアロゾル送達経路にヒータが組み込まれ得ることに留意されたい。
【0093】
図7に示す別の実施形態では、ハウジング130は、異なる技術を使用してエアロゾルを送達する2つの平行なエアロゾル送達経路を含むことができる。一方のエアロゾル送達経路132は、噴霧器134を含む。他方のエアロゾル送達経路136は、バブルジェット、ピエゾ作動ジェット(piezo-activated jet)または他のエアロゾル形成プリントヘッド装置などのプリントヘッド142(すなわち、エアロゾルジェットアレイ)と流体連通する香味料注入済み液体140を含む。両エアロゾル形成装置は、
図1に関連して説明したように、動力源およびコントローラに動作可能に接続され得る。プリント熱エアロゾル形成装置の例は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBrammerらの米国特許出願公開第2015/0114409号明細書に記載されている。プリントヘッド142は、非呼吸可能であるエアロゾルを生成するために特に有用である。このように、エアロゾル送達経路136内で生成されたエアロゾルは、口腔および咽喉領域に留まり、ユーザに望ましい感覚的経験を提供する。エアロゾル送達経路132内で生成されたエアロゾルは、ユーザの肺に入る呼吸可能な粒子を生成するように適合され得る。
【0094】
図8に示すさらに別の実施形態では、ハウジング150は、本明細書に説明されるような第1のエアロゾル182を生成するように構成された噴霧器156を含む第1の経路152と、小型電気モータ164に接続された軸162上に配置された回転吸収材料160(例えば、円筒形のスポンジ様材料)を含む第2の経路154とを含む2つのエアロゾル送達経路152、154を提供する。液体形態の香味料注入済み材料を含有する基材166は回転吸収材料160と流体連通し、それにより、香味料注入済み材料が回転吸収材料に移送され得る。回転吸収材料160は回転し、これにより、エアロゾル液滴170が形成され、次いで遠心力により装置の吸い口端180を出る。2つのエアロゾル170、182は、ユーザの口腔内で混合することができる。このように生成されたエアロゾル液滴170が非呼吸可能である傾向があるのに対して、噴霧器156内で生成されたエアロゾル170は典型的には呼吸可能である。両エアロゾル形成装置は、
図1に関連して説明したように、動力源およびコントローラに動作可能に接続され得る。本明細書に説明されるようなフローセンサによって電気モータ164が作動させられ得るか、ユーザによって操作され得るレバーまたはホイールなどの機械装置(図示せず)を組み込むことによって、電気モータを用いることなく、回転可能な吸着材料160の作動が達成され得る。
【0095】
図9は、装置の吸い口端内の開口部に向かう方向以外の方向に、回転可能な吸収材料からスピンオフするエアロゾル液滴170を捕捉するために下流に配置された2つの遮蔽板190を有する回転可能な吸収材料160の、装置の上流を向いた図を示す。これらの液滴は、遮蔽板190の表面に堆積し、重力により、堆積した液滴が装置内で上流に移動するように装置が配置されると、回転可能な吸収材料160または基材166のいずれかに戻る。
【0096】
図10は、ハウジング198が、上流噴霧器210からエアロゾルを送達するように配置された中央エアロゾル送達経路206を取り囲む外側セグメント200、202、204に提供される香味料注入済み材料を収容する複数のエアロゾル送達経路を含む別の実施形態を示す。各外側セグメントは、異なる香味料を収容することができ、別個の空気入口214を含むことができ、各セグメントは、セグメントの中で生成されたエアロゾルが装置の吸い口端から出ることができるように多孔性端部を有する。外側セグメントは、壁212によって互いに分離されており、壁212は、非多孔性または半透過性であり得る。
【0097】
図10の実施形態は、
図11に図示される回転可能な吸い口端キャップ216によって拡張され得る。回転可能な吸い口端キャップ216は、中央エアロゾル送達経路206からエアロゾルを受け入れるための中央開口部220と、外側開口部222とを含む。外側開口部222は、ユーザが選択した香味料(または香味料の組合せ)を口腔に送達させるために、外側セグメントのうちの任意の1つまたは2つ(壁212の上に配置される場合)と流体連通することができるように回転され得る。場合により、吸い口端キャップ216は、吸い口端キャップ216と
図10のハウジング198の別の構成要素との間に摩擦を生成するスライド作動式ロックのような、香味が選択された後の回転を防止するロック機構230を含むことができる。磁気ロック、干渉ロックなど、様々な他のロック機構が使用され得る。あるいは、吸い口端キャップ216は、ハウジング198に取り付けられると取り外し可能かつ回転不能であり得、その結果、ユーザは、キャップを取り外して外側開口部222の位置を変更し、次いで装置にキャップを再び取り付けなければならない。
【0098】
上記の説明および関連する図面に示された教示の利益を有し、本開示が関連する当業者には、本開示の多くの変更および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによってエアロゾルが吸入され得る吸い口端を有する複数のエアロゾル経路を提供するハウジングであって、吸い口端と流体連通する第1のエアロゾル送達経路および第1のエアロゾル送達経路とは別個であり、吸い口端と流体連通する第2のエアロゾル送達経路を画定するハウジングと、
液体エアロゾル前駆体組成物を収容するリザーバと、
加熱要素または圧電素子、およびリザーバと流体連通し、加熱要素または圧電素子と流体連通する液体輸送要素を含む噴霧器であって、エアロゾル前駆体組成物から第1のエアロゾルを生成するように適合され、第1のエアロゾル送達経路と流体連通して配置され、第1の空気入口と流体連通する噴霧器と、
基板、および第2のエアロゾル送達経路内に配置される基板によって担持される放出可能な香味料の形態であり、香味料注入材料と流入空気との接触時に第2のエアロゾルを生成するように適合された香味料注入材料であって、第2の空気入口と流体連通して配置される香味料注入材料と、
を含むエアロゾル送達装置。
【請求項2】
香味料注入材料が、1つ以上の多孔性モノリス、ビーズ、粒子、またはゲルの形態である、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項3】
第1のエアロゾル送達経路および第2のエアロゾル送達経路が、ハウジング内でサイドバイサイド構成にある、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項4】
ハウジングが、第1のエアロゾル送達経路を第2のエアロゾル送達経路から分ける内壁を備える、請求項3に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項5】
第1のエアロゾル送達経路および第2のエアロゾル送達経路が、別個の開口を通してハウジングの吸い口端にある、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項6】
香味料注入材料が、加熱なしに香味料のエアロゾルまたは蒸気への揮発を可能にする形態で利用される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項7】
液体エアロゾル前駆体組成物が、香味料を実質的に含まない、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項8】
第1のエアロゾルが呼吸可能であり、第2のエアロゾルが非呼吸可能である、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項9】
放出可能な香味料が、バニリン、エチルバニリン、クリーム、茶、コーヒー、フルーツフレーバ、メープル、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、生姜、蜂蜜、アニス、セージ、ローズマリー、ハイビスカス、ローズヒップ、イエルバマテ、グアユサ、ハニーブッシュ、ルイボス、イエルバサンタ、バコパモニエラ、イチョウ、アシュワガンダ、シナモン、ビャクダン、ジャスミン、カスカリラ、ココア、カンゾウ、タバコ抽出物、およびこれらの組み合わせからなるグループから選ばれる、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項10】
(a)加熱要素または圧電素子に電流を供給するように構成された電源、
(b)電源からの電流を制御するように適合されたコントローラ、および
(c)コントローラと通信し、エアロゾル送達装置またはその一部内の圧力低下を感知するように適合されたフローセンサ、
のうちの1つ以上をさらに備える、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。